リプレイ
ベレニ・ディーテ
なんかさみしいところやね。厳しい環境の中で暮らしてるのに、さらに襲撃なんて見捨てておけへんよ。...でも焼肉をこの人たちに食べてもらうってのもええような気がしてきたけど...まあ今は作戦通りにやね〜
べレニの人形いっぱい出ろー!砂影七宝!手分けして一般人を誘導してあげてな!
より多くの人数を収容するために砂をたくさん使います。周りのディアボロスと協力しながら事情を聞き情報を整理していきます。
敵の目を隠すように停めたミウ・ミルを降りて、荒れた道を歩くこと暫し。
復讐者たちが辿り着いた村は、悲痛な空気に覆われていた。
「なんか……さみしいところやね」
村の中を見回して、ベレニ・ディーテ(あそび心あふれる鎖使い・g05782)はそう独り言ちた。
静まり返った村の中で、時折聞こえるのは家畜と思しき牛の鳴き声のみ。ぱらぱらと建つ家の内外では、やつれた顔に焦燥を浮かべた村人たちが力無く項垂れている。
このままでは、彼らは村もろとも蹂躙されてしまうだろう。それを阻止すべく、ベレニはすぐに動き出した。
「厳しい環境の中で暮らしてるのに、さらに襲撃なんて見捨てておけへんな……!」
ベレニは新宿島から持って来た食料と水を袋へ小分けにすると、まずは村人を介抱することにした。
事情を聞くにも、ミウ・ミルへ避難して貰うにも、まずは身体が動かなければ――そう判断したが故の行動である。
「おい、そこのおっちゃん! 大丈夫か?」
「う……うう……」
用意しておいたゼリー飲料を口に含ませると、やっと男は息を吹き返したようだった。
ベレニが改めて事情を説明すると、それを聞いた男は感銘を受けたように礼の言葉を述べた後、我に返ったように言う。
「旅のお方、早く逃げなさい。もうすぐマグロの群れがこの村を焼肉に……」
「心配いらん、そいつらはキッチリ片付けたる。けど、まずはおっちゃんや皆の救助が先や」
そう言って男を休ませると、それからベレニは村人たちを一人、また一人と介抱していった。
程なくして元気を取り戻した村人たちを集めると、ベレニは自分が村を訪れた事情を丁寧に話していく。
ミウ・ミルに収容する間、しばしこの地とは離れ離れになるだろうが、その間の安全は保障すること。それを聞いた人々の眼に希望の光が灯り始めるのを見て、彼は安堵の吐息を漏らすのだった。
「成程なあ、村の木を焼肉の薪に……それは許せんなあ。けど、うちらディアボロスが来たからには安心や」
胸をドンと叩いて笑うベレニに、子供たちが目を輝かせる。
それを見てベレニは、彼らの笑顔を守りたいと強く思った。同時に、この村を焼肉で蹂躙しようとする魚使いへの怒りが、抑えようも無く燃え上がって来る。
(「戦いの後で、この人たちにも焼肉をお裾分け出来たらええような気が……まあ、今は作戦通りにやね」)
ベレニの働きで集まり始めた村人たちだが、村にはまだ事情を知らぬ者が残っている。
そんな彼らを助け、村の全員をミウ・ミルへ送り届けるべく、村の入口を見遣るベレニ。そこには救援機動力で駆けつけた新たな仲間の姿があった。
「もう一息やね。準備が出来たら、すぐ村人たちを案内しよか」
救援完了まではあと少し。
ベレニは駆けつけた仲間へバトンを渡すと、更なる救援のために動き出すのだった。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
音無・サカハ
アドリブ・連携歓迎
「もうなんでもありだな、こいつら」
魚と牛、そして焼肉って…もうツッコミ所しかないぞ、おい
でもとりあえず、やるべき事をするまで、まずは一般人の避難だ
市民がいては確実な戦闘行動が取れませんし。何時も通り、まずは安全の確保。
まずは避難誘導、手分けして市民に避難を呼び掛けます。正体を明かし、出来るだけ彼らの信頼を得て、避難を続行。
「さって、念のためチェックするか」
そしてこれからは探索を入ります、怪我人や子供など、満足に動けないであろう一般人を探す、そして行く場所は敢えて人の少ないであろう場所に、取り残された者が居ないか探し回る。
「誰か~いませんか~~!」
基本は一般人同士に任せますが、もし厳しい場合があれば、【フライトドローン】を使用し迅速に運ばせる。
(「焼肉か……もうなんでもありだな、奴ら」)
村へ押し寄せる亜人部隊の情報を聞いて、音無・サカハ(過去を探す旅人・g10149)が最初に感じたのがそれだった。
情報によれば、敵の尖兵はマグロを抱えた魚使いらしい。その首魁はカルビロウスなる亜人で、得意技は焼肉らしい。
しかもしかも、焼肉にはデザートでアイスまでつくらしい――。
(「……いやいやいや、おかしいだろ。何から何までツッコミ所しかないぞ、おい」)
サカハはぶんぶんと頭を振って、気を取り直す。
もうじき現れる敵を迎撃する為にも、村人をミウ・ミルへ誘導するのが最優先。まずは、目の前の仕事を果たさねば。
救援機動力で村に到着したサカハは、間を置かずに救援活動を開始するのだった。
「さて。まずは何時も通り、安全の確保から……と」
村に到着したサカハの行動は迅速だった。
先行したべレニが情報を集めていたこともあり、村人の居所は把握できている。動けない者を運ぶ為のフライトドローンをお供につれて、仲間の手が回らない家々をサカハは回り始めた。
向かう先は、村でも人の少ない場所だ。取り残される者が出ないように、サカハは村人を丹念に探し回っていく。
「誰か~いませんか~~!」
「すまない、手を貸してくれ……」
基本的な避難は一般人に任せるが、中には怪我人や子供などの動けない者もいる。そうした者が助けを求めれば、サカハはフライトドローンを使用して迅速に搬送を行った。
見慣れぬサカハが避難誘導を行う姿に時折驚く村人もいたものの、事情を話せば皆が状況を理解してくれた。
まだ幼い子供などは自分の置かれた状況も分からないようで、サカハはそうした人々を特に念入りに励ましていく。
「もう大丈夫。私たちが必ず村と皆さんを守りますから」
「……ありがとう!」
希望が宿った子供たちの目に安堵を覚えながら、サカハは更に避難誘導を続行していった。
村人たちは助ける。木々も薪にはさせない。
彼レアの大事な牛だって、焼肉の具になど断じてさせるものか――そんな決意を抱きながら。
程なくしてサカハが見回りを終えると、村の入口に近い広場には大勢の人が集められていた。
どうやら、村人は全員集まったらしい。サカハは彼らの一人一人を励ましながら、最後の準備に取り掛かる。ミウ・ミルへ連れて行く前に、心と体を多少なりとも癒して貰う為だ。
「さあ、最後の仕上げだ。頑張ろうぜ」
この作戦が、皆の笑顔で幕を降ろせるように。
新たに駆けつけた仲間を振り返り、サカハは救援活動を続行するのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
八雲・譲二
※アドリブ連携歓迎
百牛犠牲祭司カルビロウス…ね。一度戦ってみてえと思ってたぜ
その前にまずは一般人の救助だ
仲間達と合流し、ミウ・ウルに乗って人々を探す
村を発見したら避難の呼びかけ…というより、俺は痩せ細った村人たちに飯を配る役をやるとしよう
心配すんな、毒入りじゃない。スープジャーで保温してある豚汁と握り飯を【口福の伝道者】で増やして配ろう
別に何か企んでるわけじゃねえさ。目の前にいるハラペコさんを放っておくなんざ料理人の名折れってだけよ
これで人々の信頼が得られりゃ一石二鳥。ここは危険だ、もうすぐ牛頭の化け物と魚使いの群れが来るんだろ?
まだ腹減ってる奴はいるか?いたら連れてきてくれ、そんで俺達の船に乗りな
安全なとこでゆっくり飯を食って、弱った身体を休めてくれよ。
牛も乗せろ乗せろ。皆で避難してくれや
さて…ミウ・ウルを敵に発見されるのもマズいんだよな?
ナツメヤシの樹々にも被害を与えたくねえし、人々がミウ・ウルへ避難し終えたらこっちから出向くとするか
フライパンも包丁もばっちり手入れしてきたからな!
「ようし、押さないで並んでくれ。ちゃんと全員分あるからな」
避難の準備が終わる頃、八雲・譲二(武闘派カフェマスター・g08603)は軽食を振る舞い始めた。
メニューはスープジャー入りの豚汁と握り飯。新宿島から持って来た食べ物を、口福の伝道者で増やしたものだ。先行した仲間たちによって村人たちが避難の準備を終えていたこともあって、料理は手早く人々の間に行き渡った。
「ありがとうございます。本当にありがとうございます……!」
「気にしなさんな。目の前にいるハラペコさんを放っておくなんざ、料理人の名折れってもんよ」
涙ながらに礼を述べる村人へ、譲二は微笑みをもって返す。
彼の振舞う食事は感謝をもって受け取られ、村人たちは目を輝かせながら食事にありつき始めるのだった。
「まだ腹減ってる奴はいるか? いたら連れてきてくれ、そんで俺たちの船に乗りな。
安全なとこでゆっくり飯を食って、弱った身体を休めてくれよ」
何日も食事をとっていない彼らにとって、譲二の食事は恵みの慈雨にも等しかったのだろう。村人たちは、自分たちの危機を救ってくれた復讐者たちへ信頼の眼差しを向けている。
譲二はそれからも怪我人や子供といった人々へ料理を配りながら、一人一人に事情を説明していった。亜人や魚使いの襲撃を逃れる為にも、自分たちの船に避難して欲しいと。そんな彼の申し出を次々に受ける村人たちへ、停泊しているミウ・ミルへ向かうよう告げて回る。
と、そこへ――。
「この牛たちも連れて行って良いでしょうか。家族のように大事なので……」
準備が整った者がミウ・ミルへ向かい始める中、牛を連れた村人の数人が譲二の元へやって来た。
避難するならば村の牛も一緒にという願いらしい。無論、それを断る理由などある筈も無かった。
「おう、乗せろ乗せろ。皆で避難してくれや」
「あ、ありがとうございます……!」
感謝とともに牛を連れてミウ・ミルへと向かう村人たちの背中を見送ると、村には静寂が訪れる。
どうやら避難は無事に完了したらしい。あとは村へ攻めて来るクロノヴェーダを撃破するだけだ。譲二は村はずれに生えたナツメヤシの樹々を見遣り、想像する。あれが倒れた姿を見て悲嘆に暮れる村人たちの顔を。それは彼にとっても他の仲間にとっても、到底受け入れられないことだった。
「百牛犠牲祭司カルビロウス……ね。一度戦ってみてえと思ってたぜ」
フライパンも包丁も手入ればっちり、戦う準備は出来ている。
無人となった村の外れへ向かい、譲二は息を潜めて敵の襲撃を待ち始めた。
村の外で待ち伏せをしていた譲二の目が異変を捉えたのは、それから程なくしてのことだった。
スサへと続く道の彼方から、土煙を巻き上げながら迫る影が幾つも見える。それはカルビロウスの尖兵たち――巨大マグロを抱えた『ナイルの巨大魚使い』の群れに間違いなかった。
『パクパク! 蹂躙タイムの始まりだパクーッ!』『ぜーんぶ焼肉の具と食材にしてやるパク!』
(「ふむ。カルビロウスの前に、まずは奴らの始末が先だな」)
待ち伏せに気づかず、村を目指して突っ込んで来る魚使いたち。その姿を拝み、譲二の心にはクロノヴェーダへの復讐心がメラメラと燃え上がる。
奴等には教えてやらねばなるまい。自分たち復讐者がいる限り、この村を焼肉の道具になどさせないと。
びちびちと跳ねるナイルマグロを抱えて突っ込んで来る魚使いを殲滅すべく、復讐者は静かに攻撃を開始するのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
ベレニ・ディーテ
うわあお魚さんいっぱいや。ついにここまでたどり着いてもうたんやね。
自分らが焼かれるかもしれんからってうちらに飛びかかってくるんやったらどっちも地獄やね...。
奇跡の花園咲き誇れ。
フラワーリング・デザート...!
砂を巻き起こしてそのまま無数の矢尻の形に変化。魚たちを一網打尽にします。
大漁やー大漁やー
逆にうちらが焼いて村の人達に食べさせたるー!覚悟しいや。
連携、アドリブOK
百牛犠牲祭司カルビロウスの配下である魚使いたちは、村の略奪に並々ならぬ熱意を燃やしていた。
ここで焼肉の材料が用意できなければ、それはそれは恐ろしい罰が自分たちを待っている。
大事なマグロが焼網の上でこんがり焼かれる光景を想像し、身震いする魚使いたち。そんな心を察したように、彼らの抱える巨大なナイルマグロたちが一斉にぴちぴちと跳ねた。
『何もかも焼肉にしてやるパクー!』『このナイルマグロが目に入らぬかパクパクーッ!』
ちょっと常人には理解しがたい言葉を口々に叫びながら、魚使いたちが群れをなして村へと迫る。
そんなエンネアドの一団を、ベレニ・ディーテ(あそび心あふれる鎖使い・g05782)は呆れ混じりの顔で見遣った。
「うわあ、お魚さんいっぱいや。ついにここまで辿り着いてもうたんやね……」
迫って来る魚使いたちが浮かべる表情は、ベレニの目にも明白に見て取れた。
目の前の任務を果たせなければ、死ぬより過酷な目に遭わされる――そんな恐怖と狂乱の入り混じった顔だ。それを見て、ベレニは同情を込めた吐息を漏らす。
「引いたら焼き魚、来ても焼き魚……どっちも地獄やね」
とは言え、元よりクロノヴェーダを見逃す道理などない。村を守るため、ベレニは早速交戦を開始した。
「いざ勝負! 一網打尽にしたるわ、クロノヴェーダ!」
『前方に敵発見! 攻撃開始パク!』『魚心あれば水心! パクパク―!』
立ち塞がるベレニを、魚使いたちもまた捕捉したらしい。掛け声と同時、宙へと舞い上がるのはナイルマグロの群れだ。
続けて魚使いは天高く跳躍。空中浮遊するマグロに飛び乗り、我先にとベレニに迫る。対するベレニは魚群めがけて真正面から疾駆。迎撃の一手を放つ。
「奇跡の花園、咲き誇れ。フラワーリング・デザート!」
ベレニの足が、地面の砂を上空へと蹴り上げる。砂を鏃に変えて放つ必殺の一撃『フラワーリング・デザート』だ。
パラドクスを帯びて敵群に降り注ぐ砂鏃は、さしずめ魚の脳天から突き下ろされる鋭い銛にも似て、魚使いをナイルマグロもろとも串刺しにしていった。
『い、痛たたた! パクパクーッ!』
「大漁やー大漁やー! お前ら全員焼き魚にしたるー! 覚悟しいやー!」
鏃の猛攻を浴びて悶絶するクロノヴェーダたち。ベレニはいまだ生き残る敵を睨みつけ、威勢の良い啖呵を切る。
この戦い、退く気はない。村を焼肉にするという敵の目論見を潰すため、復讐者の攻勢は更に激しさを増していく――。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【影忍び】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
八雲・譲二
※アドリブ連携歓迎
シュールな奴等が来たぞ!
とりあえず持ってるマグロは捌ける。口から出てるちっこいのも含めてばっちり三枚におろせる自信ある
問題は半魚人だよ捌いていいの?三枚におろして?
まあ人間の形した魚を捌いて食う漫画を昔読んだことあるから何となく捌き方わかっちゃう俺がいるんだけども
いやその…真夏のホラー特集的なアレで…OK、この話はやめよう
敵が多い時は広範囲パラドクスを使う事が多いが、捌くなら一体ずつ集中して綺麗に捌いた方がいいな!
というわけで味方の撃ち漏らしを丁寧に一体ずつ狙い、次元斬を放っていく
巨大魚で殴りかかられたらそれも包丁で受け止める。おう、捌くの手伝ってくれるってことでいいか?
戦闘してんだか魚料理の下拵えしてんだかわからんくなってきた
まあいいや俺の目の前に来た魚は片っ端から三枚おろしだぜ!
半魚人もなァ!
熟成とウロコ取りの工程はあえて忘れた事にしておくぜ
終わったら所持アイテムのカセットコンロをセットして
捌いたマグロをフライパンでカリッと炙りながら
カルビロウスを待つとしようかね。
先鋒を務めたベレニの攻撃によって、魚使いの群れは早くも大混乱に陥っていた。
焼肉素材を略奪に向かった先で待っていたのが復讐者と来れば、さもありなんと言うべきか。
とはいえ、戦いはまだ始まったばかり。魚使いの本当の地獄はここから開始される。包丁を手にした料理人、八雲・譲二(武闘派カフェマスター・g08603)の手によって――!
『パクパクーッ!』『ピチピチーッ!』
「シュールな奴等が来たぞ!」
大小の魚がパラドクスを帯びて、弾丸さながらに飛び交う。
村を守るべく、敵陣を狙い定める譲二。そんな彼が凝視するのは、戦場を飛び交うナイルマグロの群れだ。
魚使いが棍棒よろしく振るうマグロたちは、譲二にとっては得物ならぬ『獲物』。包丁片手にマグロたちを見定めながら、彼はそれらを食材として利用する方法を考え始める。
「とりあえず持ってるマグロは……捌けるな、多分。ウロコ取りと熟成はどうしたもんか……おっと、口から出てるちっこいのも含めてばっちり三枚におろせる自信はある!」
『ピチピチィ!?』『ピチピチピチィ!』
果たして譲二の言葉が通じたのか否か、一斉に暴れ出すナイルマグロたち。
それを懸命に宥める魚使いたちへも、譲二の料理人としての視線は等しく注がれる。
明らかに人間とは構造の異なる体……ひょっとしたら捌けるのでは? そんなあらぬ想像を譲二はすぐさま振り切って、
「OK、この話はここまで。さあて仕事だ仕事!」
料理人としての目つきを、クロノヴェーダを狩る復讐者のそれへと一変させた。
初手で広範囲の攻撃を加え、孤立した敵を各個撃破する。
多数のトループス級を相手取る時における、セオリー中のセオリーとも呼べる立ち回りだ。
今回の戦いでは、孤立した敵が既にぱらぱらと出始めている状況。それを見て、譲二の立ち回りも決まった。
「捌くなら一体ずつ集中して綺麗に捌いた方がいいな! よし、撃ち漏らしを狙う!」
愛用の包丁に魔力を纏わせ、譲二は魚使い目掛けて突撃。
孤立した個体目掛け、パラドクスで巨大な光剣と化した包丁を大上段から振り下ろす。
「ぶった斬ってやんよ、覚悟しろやァ!!」
『我がマグロで叩き潰してやるパクーッ!』
光に包まれ、魚使いがマグロもろとも跡形も無く消滅する。
すかさず仇討ちとばかり、新手の魚使いがマグロを凶器代わりに殴りかかって来た。譲二は振り返りざまに包丁でその一撃を受け止めると、ふてぶてしい笑顔で言う。
「おう、捌くの手伝ってくれるってことでいいか?」
『パクッ!?』
「まあいいや、俺の目の前に来た魚は片っ端から三枚おろしだぜ! 半魚人もなァ!」
これでは、もはや戦闘なのか下拵えなのか分からないな――。
苦笑とも自嘲ともつかぬ笑みを浮かつつ、譲二のイメージは綺麗に捌かれたナイルマグロを鮮明に映し出す。
腹回りの大トロはステーキがいいだろうか。
引き締まった赤身は醤油に漬けて、軽く炙ってやったら美味しそうだ。
あれだけ強靭な身体なら骨もさぞ立派だろう。削り取った中落ちはどうしようか。軍艦巻きで行くか、それとも――。
「おっと……いかんいかん、気を抜くとすぐこれだ」
はっと我に返り、譲二は再び意識を戦闘に集中した。
慌てることはない。こんなこともあろうかと、カセットコンロもフライパンもしっかり持って来ている。
お楽しみの為にも、まずは敵を片付けよう――そんな決意を新たに、譲二は一層力強く包丁を振るい続けるのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
湯上・雪華
【組】
アドリブ、連携歓迎
エンネアドとは戦争以来、かな
あんまりエジプトの方には行ってなかったけど、噂は聞いたんですよ
美味しいクロノヴェータいるって、今回の相手みたいですね
マグロなら妖刀でも捌けそうですね!
刺し身、漬け、炙りにステーキ、カツやフライ、たたきにしてもいいし、兜焼きもしないと!
粗も汁物にしたいところですね
呪詛で食べられなくしちゃわないように気をつけて、捌きましょう!
やるなら徹底的にですよ!
高速で動き回るにしても隙はあるはず、そこを狙っていきましょう
カマもしっかり取りたいから頭だけ落として、胴の真ん中から刃を入れて五枚下ろしの要領で捌きましょう
鱗が硬いならすきびきすればいいのです
叩きつけてくるのなら避けるか受け流すかで致命傷は避けて、巨大魚使いは斬り捨て御免ですよ!
まぁ、本当のマグロは1週間くらい寝かして熟成させないと味なんてしないんですけどね
クロノヴェータだから問題なし、なのですよ!たぶん
あとあと、マグロ解体用の包丁って日本刀みたいなに使うんです
妖刀で代用してるのはそのためですね
ナディア・ベズヴィルド
【組】
そんな…噂になる程こいつら有名人。めっちゃ笑う
/
新たなる呼び名それは魚肉
\
エンネアドと亜人の組み合わせも中々愉快な事になっている
成程ぉ…そうきたか。焼肉司祭中々ネーミングセンスが良いではないか
敵を褒めるつもりはないが思わず言ってしまった
こら、何回も面白おかしく出てくるナイルマグロ使い!
相変わらず生臭いったらありゃしない、そろそろ母なるナイルに帰れ!
(はっと我に返り)
まて、帰られても困る。…ので、お前ら此処で全員愉快に死ね
ええい、ちょこまかと
《風使い》で砂礫を巻き上げ、奴らの視界を阻害し味方が攻撃しやすい隙を作ろう
雪華さん、捌くなら今よ!
本体?それも捌いちゃってもいいんじゃない?グロっ!
見事な捌き具合、私も気合入れないと
程よい焼き加減になりますようにーっと(だが雷ゆえ加減は大変難しい)
ぱくぱく酸欠であえぐような間抜けな面をいつまでも見せないでね
…っち、本体とマグロが両方逝ってしまったか。次ぎ行こ次!
全く、マグロだけ寄越せってのね
へぇ、一週間寝かせるのは初めて知ったわ。覚えておこ。
復讐者の猛烈な攻勢によって、ナイルの巨大魚使いの一団は早くも壊滅状態に陥っていた。
硬い鱗を武器に振り下ろされるナイルマグロ、マグロで宙を飛びながら発射する水鉄砲、マグロが吐き出す小魚の群れ。
それらは時折、復讐者の身体を傷つけることはあれど、戦況事態を変えるほどの力は無い。じりじりと押し込まれた魚使いたちの命運は、いまや焼肉に供される前の魚肉同然であった――。
『こ、このままでは焼肉確定パク!』『死ぬ気で戦えパクーッ!』
「あれが、ナイルの巨大魚使い……何とも美味しそうなマグロも一緒ですね」
泡を食ったように暴れ回る敵の群れを悠然と眺め、湯上・雪華(悪食も美食への道・g02423)はキラリと目を輝かせた。
彼が見遣るのは、魚使いたちが抱えるナイルマグロである。獣神王朝エジプトのエンネアドに、美味しいクロノヴェーダがいる――そんな風の噂の相手が、今まさに目の前にいるのだ。手に構えた無銘の妖刀はさながらマグロを捌く包丁のごとく、敵を切り裂く時を今か今かと待っている。
「彼らのボスはカルビロウス、でしたっけ。聞いただけでお腹が空いてくる名前ですね」
「うん。ほんと、何て言うか……中々愉快な事になっているのね、エンネアドと亜人の組み合わせも」
ナディア・ベズヴィルド(黄昏のグランデヴィナ・g00246)は雪華に同意を返しつつも、眼前の光景に頭を抱える。
彼女にとって、魚使いたちと戦うのは今回が初めてではない。
故に分かるのだ。何度も何度も面白おかしく現れては、その度に復讐者たちに処されて消えていった魚使いたち。いま目の前にいる彼らも、遠からず同じ末路を辿るであろうと。
「こら、ナイルマグロ使い! 相変わらず生臭いったらありゃしない、そろそろ母なるナイルに帰……」
ナイルに帰れと言いかけて、ナディアははたと言葉を飲み込んだ。
あんな連中が帰る? あの美しくも雄大なナイルの流れに? 訳の分からないナイルマグロを大量に抱えて?
一秒でも想像しただけで鳥肌が立つような光景を即座に脳内から消し去って、ナディアは魚使いをビシリと指さす。
「冗談じゃないわ、帰られても困る。……ので、お前ら此処で全員愉快に死ね!」
『死ぬのはお前らだパクーッ!』『ピチピチピチィーッ!』
二人の復讐者と魚使いたちの戦いは、そんなこんなで幕を開けるのだった。
「綺麗に捌いてあげます!」
雪華の妖刀が放つ魔骸連刃が、魚使いを跡形も無く斬り刻む。
諸共に全身を切られたナイルマグロへ惜しむような視線を向けて、雪華は悲しそうに溜息を吐いた。
「ふむ、五枚下ろしの要領で捌けるかと思いましたが……やはり戦闘中では難しそうですね」
「えー。捌けるの、あれ? すっごく鱗が固そうだけど」
肩を落とす雪華に、ナディアが首を傾げた。
戦いの帰趨が復讐者の勝利に大きく傾きつつある状況もあって、二人には心理的な余裕が生まれつつあった。
荒れ狂う砂塵の中、飛来する小魚を平然と捌き続けるナディア。そんな彼女の問いに、雪華は「ええ」と首肯で応じる。
「梳き引きすれば平気だと思います。カマも取りたいから頭を落として……焼肉と一緒に焼けばきっと美味しい筈です!」
「カマ、ねぇ……美味しいの?」
「ええ。頭の付け根の部分で、尾部と並んで肉がみっしり詰まった箇所の一つですし。焼いて食べると最高なんですよ!」
『ピ、ピ、ピチピチィーッ!』『お、落ち着くパク!』
焼いて食べるという単語が出るや、狂ったように暴れ出すナイルマグロ。口をパクパクさせながら懸命に宥める魚使い。
ナディアと雪華の会話は期せずして、敵にかなりの精神的ダメージを与えたようだ。
残り僅かとなった魚使いたちを確実に殲滅すべく、二人の復讐者たちの会話はさらに続いた。
「もしナイルマグロを捌けたら、どう料理する? はい雪華さん!」
「ええと、まず刺し身と漬けは外せないですね。カツやフライ、たたきも良いですけど……今回は焼肉だから、焼いた料理を主役にしたいですね。席を囲んでワイワイ食べるものだと尚良いです!」
「ふむふむ。となると、やっぱりステーキとか……?」
「そうですね、炙りやステーキも候補に入ると思います。その上で、あえて私が選ぶなら『兜焼き』でしょうか。
大きなマグロの頭部を丸ごと豪快に焼いた料理で、インパクトという点でも断トツですから!」
『ピピピ、ピチピチィーッ!?』『あ、暴れるなパク! ちょ、うぎゃあああ!!』
ますます暴れ狂うナイルマグロ。そうして足を乱れたところを、雪華とナディアは着実に狩っていく。
言うまでも無いが、これは二人の作戦だ。
敵を動揺させ、更にはもうじき始まるカルビロウスとの焼肉の心構えも済ませる、れっきとした作戦なのである。
「目の周りの筋肉も、キメの細かい頬肉も、脳天の肉も、兜焼きは全部美味しいんです。それを皆で大皿を囲みながら、奪い合うようにして夢中で食べて……気づいたら骨だけが綺麗に残ります」
「あああ、美味しそう……! ねえ、他に料理はない?」
「後は、粗も汁物にしたいですね。血合いも欲しいです。赤身とかに比べてクセがありますけど、そこが堪らないんです。
甘辛いタレに付け込んで、焼網でじゅうじゅう焼いて……ああ、まさに焼肉にぴったりじゃないですか!」
「ちょ、雪華さんやめて! 聞けば聞くほどお腹空いて来るんだけど!」
ナディアは辛抱堪らんとばかり、残った最後の魚使いたちに狙いを定めた。
奴らを倒せば、いよいよ焼肉――もといカルビロウスのお出ましだ。パクパク酸欠であえぐ間抜けな面どもには、ここらで速やかに退場願うとしよう。こみ上げる生唾を飲み込み、ナディアは灰燼の霹靂を発動。とどめの一撃を叩きつける。
「じゃ、ここはひとつ、程よい焼き加減になりますようにーっと!」
『パクパクーッ!!』『ピチピチィーッ!!』『や、焼き魚は勘弁パクーッ!!』
降り注いだ雷を全身に浴びて、一体残らず絶命する魚使いたち。
そうしてトループス級の完全撃退を確認し、魚使いもろともマグロが逝ってしまったことを悔やむ間もなく、
「……!? 雪華さん、この匂い……!」
「ええ……間違いありません」
注意を促すナディアの声に、雪華もまた頷いた。
ふいに戦場を吹き抜ける一陣の風。其れに乗って彼らの鼻孔をくすぐる、香ばしい肉の香り。
「カルビの香りです。それも極上の……!」
はたして音の主は誰だろうか、腹の虫がくうと鳴った。
パラドクスを使わずして復讐者の体を反応させてしまう、恐るべき焼肉の使い手。
同時に、戦場にいた復讐者の全員が理解する。ついに、ついに、『ヤツ』が現れたのだと!
『ブモオオオォォォォーッ! まさか、ディアボロスがいたとはな!!』
復讐者たちの視線が、一斉に声の主へと向けられる。
百牛犠牲祭司カルビロウス。魚使いの主にして、村を焼肉にせんと企む恐るべき敵。
デザートにアイスまで付けるという恐るべき力を得たアヴァタール級亜人が、今まさに復讐者たちの前に現れたのだ。
そんな敵を前にナディアと雪華、そして仲間の復讐者たちは立ち向かう。ある者は自前の調味料を手に、ある者は専用食器を揃え、またある者はドリンクを持参して。
「さて、行きましょうか」
「ええ。美味しく頂いてやろうじゃない」
蹂躙戦記イスカンダルの地、スサへと続く村の外れ。
焼肉の焼肉による焼肉のための戦いが、いま幕を開けようとしていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
復讐者たちの眼前には、カルビロウスの手ですみやかに焼肉用の肉が並べられた。
カルビ、ロース、ホルモン、などなど……牛のあらゆる肉が最上の状態を保ったまま、焼網で焼かれる時を待っている。
それは見る者の食欲を刺激しながらも、どこか神聖さを感じさせる眺めでもあった。
カルビ。こちらはパンチのある脂と濃厚な肉の味わいが楽しめる。
ナムルと一緒に焼肉レタスに包んで食べるのも良い。濃厚なタレにダイブさせてご飯と一緒にかっこむも良い。
骨まわりの旨味が染みた肉を味わいたい人は、中落ちもお勧めだ。
ロース。こちらは並、上、特上の三つが揃えられ、上に行くほど脂が増える。
ガッチリした肉の旨味と香ばしさを楽しめる『並』、きめ細かい肉の赤身と脂が織りなす旨味と甘味を味わえる『上』、更には肉は柔らかく霜降りの入った『特上』まで、どれを選ぶかは復讐者次第。ちなみに、肩ロースのザブトンなど部位を指定することも可能だ。
ホルモン。輝くように新鮮な白モツ、あっさりした味わいのハツ、断面の角がぷるんと立つほどに新鮮なレバー。
横隔膜のハラミは脂がしっかりと入り一目で美味と分かる代物で、タンなどは分厚い塊だ。こちらは復讐者が好みの厚さをオーダーしてからカルビロウスが切るのだろう。分厚いものを表面はカリッと、中はしっとりと焼き上げていくか。あるいは薄く切ったものに葱塩ダレをまぶして一口でいくか……。
無論、それだけではない。復讐者の好みに対応できるよう、食材は牛以外にもふんだんに揃っていた。
豚肉、鶏肉、魚肉、羊肉。葉物や根菜を始めとする多種の野菜。ご飯やスープを始めとしたサイドディッシュ各種。
むろん〆のアイスも忘れてはいけない。
背後でジュウジュウと音を立てる牛の丸焼きを望めば、そちらも祭司は切り分けてくれるだろう。
それとも此方をお望みかとトングをカチカチ鳴らしながら、カルビロウスは鼻息も荒く言い放つ。
『我の焼肉を冒涜した罪は重い、ディアボロス! 罰として思う存分焼肉を喰らい! そして安心して焼肉死せよ!』
カルビ、ロース、ホルモンを焼くか。はたまた野菜や魚にするか。
熱された焼網の上では、何をどう焼いても自由。
すべては復讐者の意思しだい――さあ、焼肉の始まりだ!
ベレニ・ディーテ
ゴクリ...
焼肉のいい香りがたまらんね。こんなに一気に焼いたら網の下から火がボーボー燃え上がっちゃうな。
じゃあうちはカルビにしよ。ロースもええけど噛みきられへん時あるから。野菜もええなー。とうもろこしと玉ねぎも食べておこ。
デザートもええの!?
じゃあうちチョコミントがええわ。
もぐもぐ美味しいわァ
三神の武天はフォークにスプーンにナイフに変えて攻撃するけど、今はお箸も加えてもぐもぐ
隙あれば巨大化させて攻撃しよっかな。
連携、アドリブ歓迎
『さあディアボロスよ、所望の肉を言うが良い! カルビでもロースでも何でもだ!』
焼網の上にゆらりと立ち昇る熱気。食欲をそそる焼肉の匂いが戦場に立ち込める。
甘辛タレと脂の混じった蠱惑的な香りに、ベレニ・ディーテ(あそび心あふれる鎖使い・g05782)は思わず生唾をゴクリと飲み込んだ。
「んん~……焼肉のいい香りがたまらんね……」
育ち盛りの少年にとって、焼肉は心躍る食事のひとつと言って良い。
15歳のベレニもまたその例に漏れず、宝の山でも見つめるような目で肉を眺めると、迷うことなく注文を決めた。
「じゃあうちはカルビにしよ。ロースもええけど噛みきられへん時あるから!」
『良かろう!』
カルビロウスが差し出した極上のカルビを、さっそく焼網に乗せるベレニ。
年頃の少年そのままに目を輝かせ、彼は自分の肉が焼き上がるのを待つのだった。
じりじりと網で焼かれるカルビ肉。
そこから漂って来るのは、純粋にして濃密な「肉」と「脂」の香りである。
程なく焼き上がったカルビにタレを塗し、用意したご飯に乗せてパクリと頬張る。瞬間、ベレニの頬はゆるりと綻んだ。
「あー美味いなー……幸せやー……」
頬が落ちそう、という表現は正にこんな時に使うのだろう。
噛み締めるたびに滲む肉の旨味と、こってり甘い脂。そこにパンチの効いたタレが絡めば、後は夢中で箸を動かすのみだ。山盛りの極上カルビは、気づけば大盛りのご飯ともども空になっていた。
『貴様! 肉ばかり食っては栄養が偏るだろう! 野菜も沢山食うが良い!』
「あー、確かに野菜もええなー。なら玉ねぎと唐黍も食べておこ! んー、最高!」
まずは狐色に火を通した玉ねぎに、たれを塗して一口。次いで、飴色に焼けた唐黍をガリッと威勢よく齧り取る。
その豪快な食べっぷりは、まさしく育ち盛りの少年に許された特権と言えるだろう。焼いた野菜はどれも甘くて瑞々しく、程なくして皿にはベレニが平らげた唐黍の芯だけが綺麗に残った。
『ブッフッフ、良い食いっぷりではないか! だが忘れては居るまい、まだデザートが控えていることを!』
「デザートもええの!? じゃあうちチョコミントがええわ!」
冷たい硝子の器に盛って出されたアイスクリームへ、ベレニは一思いにスプーンを突き刺した。
キンとしたアイスの冷たさと、ほろ苦いカカオの香りが、少年の脳髄を幸せ一色に染め上げる。
するとどうだろう。彼の胃袋は再び目覚めたように動き出した。まだまだ肉を食べられる、そう彼の身体が言っている。
「カルビロウス! おかわり!」
こんなやり取りをしていても、ベレニは復讐者だ。カルビロウスとの戦いを忘れたわけでは無い。
その証拠に、彼のパラドクスである三神の武天はスプーン型とナイフ型の剣で焼けた肉を捌き、たまにスプーン型のそれでカルビロウスをぺしぺし叩いたりしている。原理は全く持って不明であるが、ダメージはきちんと入っているらしい。反撃とばかり丸焼きを切り分けながらカルビロウスは不敵に笑う。
『ブッフッフ……命知らずめ! さあ肉を食うが良い!』
「望むところや! いざ勝負勝負ー!」
肉を食ってまた焼いて、武天をぶんぶん振り回し。ベレニの焼肉はまだ始まったばかりだ。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【平穏結界】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
イツカ・ユメ
【箱家】
牛さんがお肉を焼いてくれると聞いて、食いしん坊仲間のゴウトくんと焼肉食べに来たよー!
まずはカルビ!中落ちの美味しいところをイイカンジに焼いて、タレをたっぷり付けたご飯と一緒にいただきまーす。
キットはホルモンが好きだよねぇ。しっかり焼いて食べるんだよ?
レタスに包んだり、合間にお野菜も食べたりして、飽きないように色々な食べ方で焼肉を楽しむね。
ゴウトくんのカレースパイスも気になる!
お肉にもお魚にも合いそうだよね。
〆のアイスは何にしようかなぁ。バニラもチョコもいちごも美味しそうで悩む……よし、悩んだら全部食べよう!
美味しい焼肉で幸せいっぱいお腹いっぱいになったら、食後の運動の時間だね。
ご馳走様の気持ちを込めて、カルビロウスをぶん殴るよ!
歌って踊って注意を引き付けて、ゴウトくんのフライパンの一撃が当て易いように誘導するね。
ほらほら、鬼さんこちらー…….じゃなくて、牛さんこちらーだよ♪(赤いハンカチひらひら)
…来世では素敵な焼肉屋さんになって、皆を笑顔にしてくれたら嬉しいな。ご馳走様でした!
ゴウト・カスリメティ
【箱家】アレンジ歓迎
食いしん坊仲間のイツカと最高の肉を頂きに、もといカルビロウスを倒しに来たぜ!
まずは定番のタンをレモンで頂く。好みの厚さは薄切りで!料理人たるもの、敵のナイフ捌きをしっかり観察しないとなー
腹が重くなってきたらゴウト特製カレースパイスを振りかけて、味変だ
肉用に調合したクミン多めのオリジナルレシピで対応するぜ
いよいよ腹がパンパンになったら【狼変身】!
スピードを生かしてダッシュで肉を飲み込むぜー
野生に任せて、ありとあらゆる部位を骨まで食らいつくしてやる!
というわけで骨付きカルビ追加お願いします
あ、犬科だけど俺は玉ねぎ大丈夫なんだぜ。野菜も食べてバランスよく
食ってる間にカルビロウスが包丁を投げてきたとしても、この獣姿ならかわせるかもしれないしな。包丁さばきはさっき見てたし
いよいよ肉を食べつくしてカルビロウスが弱ったら、巨大フライパンで、応戦するぜ
ここはいっちょ【情熱】的に、ごちそうさまを伝えようじゃねえか
攻撃が当たっても当たらなくても、締めのアイスはしっかり頂きたいもんだぜ~
「牛さんがお肉を焼いてくれると聞いて! 焼肉食べに来たよー!」
「右に同じく! 最高の肉を頂きに、もといカルビロウスを倒しに来たぜ!」
ベレニの焼肉が一段落すると、新たな復讐者たちがエントリーした。
イツカ・ユメ(いつかかなうゆめ・g02834)と、ゴウト・カスリメティ(ウェアウルフの特級厨師・g10381)だ。
食いしん坊仲間の二人組は揃って着席、対峙するカルビロウスにさっそく注文を開始する。
「まずはカルビ、中落ちで! それからホルモンミックスも!」
「俺は、定番のタンをレモンで頂く。薄切りで頼むぜ!」
『ブッフッフッフ……良かろう! 命知らずの復讐者どもよ、どんどん食え!』
不敵に笑って、注文の皿を用意し始めるカルビロウス。
得物の包丁でタンをスライスするその手付きを、特級厨師のゴウトはつぶさに観察した。
淀みない動きで切られていくタンは、ゴウトの注文に完璧に応えたものだ。スッと薄く、それでいて火が通り過ぎない絶妙の厚さ。それがレモンを添えた皿にたっぷり盛られ、ゴウトへ差し出される。
「ありがとよ、じゃあ始めるぜ! 焼肉の時間だあっ!」
ゴウトは早速、注文の品を焼網へと投入した。
薄い牛タンは火が通るのも早い。焼くのは片面のみ、焦げ付かないよう慎重に火を通したら熱いうちに食すのだ。
脂の多いカルビとは違うので、此処はさっぱり行きたいところ。振りかけた檸檬の香りが、いっそう食欲をかき立てる。
「いただきます! んんんー、美味い!」
噛み締めるたびに滲む旨味、そして爽やかな檸檬の酸味。それらがゴウトの体を、めくるめく幸福となって満たす。
カルビロウスの供した牛タンはなお皿を埋め尽くさんほど。ゴウトは早速、手にしたトングを新たな肉へ差し向けた。
「よーし、じゃんじゃん焼いて行こう!」
イツカはと言えば、カルビとホルモンを焼き始めていた。
ジュゥッ――。
焼ける肉、そして湯気となった脂の香りが周囲を満たしていく。牛肉のあらゆる部位の中でもカルビだけが醸し出す、食欲という本能にストレートに訴えて来る香りだ。
用意したタレはまだ塗さない。きっちり焼き上げた後、たっぷり付けてご飯にダイブ。然る後にパクリと頂くのがイツカにとっての大正義なのである。
「キットはホルモンが好きだよねぇ。しっかり焼いて食べるんだよ?」
モーラット・コミュの『キット』の焼網では、ホルモンミックスが焼かれている。
ミノやセンマイなどの内臓はカルビロウスが軽く湯通ししておいたらしく、余計な脂は一切ついていない。
子気味良くしゅわしゅわと立つ音を楽しみながら、じっくり火を入れていく。お供の旨辛キムチもスタンバイ済みだ。
「いっただっきまーす!」
そうして準備が整えば、キットと一緒にいざ実食。てらりと脂で輝くカルビをタレに塗し、真っ白な白米に乗せた。
鼻先をくすぐる香りからしてカルビの脂は中々のもの。だというのに、ご飯を汚すことが全く無い。
箸の先端を期待で微かに震わせながら、イツカはカルビご飯を一思いに口に含んだ。
「……っ!!」
脳髄を駆け巡る美味に、呼吸も忘れて固まること数秒。
恍惚の波が去ってようやく我に返ると、イツカは無言で新たなカルビに箸を向けていた。
早食いをしているつもりはない。なのに、肉が白米もろとも瞬く間に消えていくのは何故だろう。幸福にぼんやりとした頭でそんなことを考えつつ合間にレタスや野菜を挟み、気づけばキットともども皿は空になっていた。
「美味しかったね、キット……」
次第に現へ戻り始めた脳で、食後のアイスを何にしようかと考え始めた矢先、彼女の鼻を刺激的な香りがくすぐった。
香りの漂って来る隣席に目を向ければ、タンをお代わりしたゴウトが特製カレースパイスを取り出したところであった。
「よし、ここはコイツを振りかけて、味変だ!」
ゴウトが用意したのは、肉用に調合したクミン多めの特製マイ調味料だった。
そっと鼻を近づけただけで、豊かな香りが食欲の中枢を刺激する。スパイス自体も存在感を主張し、それでいて肉の旨さも最大限に引き出してくれる――そんな最高の調味料だ。
「ゴウトくんのカレースパイスも気になる! お肉にもお魚にも合いそうだよね」
「勿論合うとも! イツカも遠慮しないで使ってみてくれよな!」
スパイスを塗されたタンの醸し出す香りは、間違いのない美味をゴウトに約束する。
いきなり大口で食べることはしない。箸で摘まんだ一切れを、まずはそっと口へ運んだ。
「――!」
味蕾を通じてクミンのほろ苦い刺激が心地よく走る。次いで口の中を満たすのは、牛タンの花開くような旨味だった。
美味いという表現では到底足りない。目が見開かれるような、脳が『肉』の一字で染まるような、そんな味だ。
間を置かず、二口、三口と牛タンを頬張るゴウト。気づけば彼の意思は僅かに緩み――その肉体を変異させていく。
ウェアウルフは狼の耳と尾を持ち、狼に変身できる種族だ。
そして己が肉体の内に、狼の獣性を宿す存在でもある。普段は意思の力で制御しているそれを、ゴウトは今解き放った。
――主に、いや、完全に食欲の方面で。
「美味い……美味い! 俺の本能が告げている、あらゆる部位を骨まで食らいつくせと!」
『な……何だと!』
獣性を帯びたウェアウルフの目に、気圧されたかのように一瞬たじろぐカルビロウス。
そんな彼に、ゴウトはつとめて平静な声で注文を送る。
「すいません、骨付きカルビお願いします」
『ええい、驚かせよって! しばし待て!』
程なくして出されたカルビを丹念に焼いて、ゴウトは獣性が赴くままに貪りつくした。
感激のあまり間髪入れずフライパンを振り回し、放つのはルナティックファングを用いた猛烈なおかわり連続攻撃だ。
対するカルビロウスも、負けじとトングを鳴らして威嚇する。
「おかわり!」
『まだだ、待て!』
ブンブン。
カチッカチッ。
「おかわり! 玉ねぎ多めで!」
『待てと言っておろうが! というか貴様、犬科であろう!』
「あ、俺は玉ねぎ大丈夫なんだぜ。野菜もバランスよく食べないとな!」
『何だと……! では玉ねぎと獅子唐、緑黄色野菜の人参とカボチャも喰らうが良い!』
「やっほー! いっただきまーす!!」
ブンブン。
カチッカチッ、ヒュンヒュン。
トングに加えてなぜか包丁まで飛んで来るが、ゴウトの食欲は収まらない。
「おかわり!!!!」
『ぬううううううううう!!』
「はいはーい♪ 牛さんこちらーだよ♪」
気づけばイツカも、『イツカノウタ<origin>』の歌声で加わっていた。
改造スマホのhappy heartを歓喜の赴くままブンブンと振り回し、歌って踊ってアイスのお代わりを注文。
バニラもチョコも苺も全てが美味しそうで到底選べそうにない。だが、こんな時の解決法を、イツカは一つ知っていた。
「よし、ここは全部食べよう!」
「あ、それいいな! 俺も全部!」
『ぐぐ、何と言う食欲だ……!!』
イツカとゴウトの食欲に驚愕しつつも、カルビロウスは二人のオーダーにきっちり応えて見せた。
硝子器の中、ひんやり冷気を放つ色鮮やかな氷菓たち。それらを一つ一つ味わい、空になった器へ手を合わせる。
美味なる焼肉に惜しみなき賛辞を、戦った敵に心からの敬意を。そして、楽しいひと時に最大限の感謝を込めて。
――ごちそうさまでした!
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
【狼変身】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!
八雲・譲二
※アドリブ連携歓迎
出たな、カルビロウス!お前と戦うためにここまで来たぜ
CCTS料理番『シェフ』!お相手願おう!
相手の焼肉は美味かったら素直に褒める
ふむ…焼く位置と順番もきっちり考えられてて、一番良いタイミングで皿に上げてある。流石の腕前だな
しかしアイスはデザート止まりなのかい?
焼肉中のアイスは言わば『甘いしょっぱいループ』的な事が出来る逸品
シメじゃなく合間に食うとさらに至高だぞ
さて、ここは戦場だ。反撃肉を喰らう覚悟はいいか!
【アイテムポケット】から食材入りのクーラーボックスを出し
ドローンの火炎放射機でフライパンを熱し、絶妙の火加減で肉を焼く
俺のステーキも味わってもらおうか!
さらに俺流のシメはガッツリ系よ
肉汁を溜めたフライパンに米、肉、卵にネギと塩胡椒、醤油を投入
お前の固定された網と違い、俺のフライパンは天高く米を舞わせるぜ
肉が美味けりゃその分美味い、焼肉炒飯一丁上がり!
そして何も俺は道楽でお料理対決挑んだわけじゃないぜ
ここまでの調理で存分に高めた『美味三昧砲』!
美味しく味わえーーーッ!!
湯上・雪華
【組】
アドリブ、連携歓迎
さぁ、メインです!やっきにくー!!!
美味しいお肉をお腹いっぱい食べましょう!
なっちゃんはどれから行きます?
私はカルビからかな、ロースは並から順に、赤身も美味しいですからね!
あとあと、ボンジリも!脂多めですけど、塩ダレと食べると美味しいんですよ
サンチュもナムルもいただきましょうか
バランス良くです、あ、わかめスープもください
ご飯には中落ちに各種ホルモン、どれもタレで焼いたやつをのせて丼です!
豚バラにロースはねぎ塩タレで豚丼も用意したいですね
どっちも美味しいから食べ比べです
マグロのステーキにタンも分厚くステーキみたいに焼いてくださいな
え、まだいけますよ
そもそも内側が伽藍堂なのもあって、いくらでも入るんですよね
残さず食べたいですし、後ろの牛の丸焼きそのままもらってもいいですか?
あ、倒さないとだ、忘れてた
御愛想です!ありがとうございました!
最期は貴方の肉を食べれば良いんですよね?
食欲全壊でいきますよー!
ナディア・ベズヴィルド
【組】
ツッコミどころが満載過ぎる。焼肉死って何!?
おいしそうな匂いを漂わせ私たちの腹を試そうというのか…!お腹が鳴る!!(ぐぅぅ)
さすが焼肉司祭(※正しい名を覚えてない)
奴が現われた時から既に戦いが始まっている訳か…手強い!
だが、差し出された肉に罪はない。頂こうではないか
頂きます!!!(めちゃいい笑顔)
最初に食べるなら脂たっぷりな特上!
それからハツ、サガリ、ホルモンと。ああ新鮮なレバーも鉄分たっぷりで美味しい。
馴染みのある羊肉は塩コショウで
美味しい!脂と肉のバランスが程よく肉の甘みが感じられ、かつ焼け具合が絶妙
口直しに冷たいアイスをぱくり。
なんでこんなに致せり尽くせり!?
さっきのマグロもあったの忘れてた
せっちゃん、貴方細いのによく入るわね…
あ、お肉は自分で焼くんで口出し無用よ。(手や口を出されそうならぴしゃりと釘をさす)
お腹も一杯になったら両手を合わせてご馳走様
そして食後の運動と行きましょうか
こんなんでも亜人は亜人
容赦も遠慮もなく焼肉司祭を吹っ飛ばす、ありがとうご馳走様!
タダで焼肉食べ放題。
カルビロウスが罰と称するその其の催しは、ナディア・ベズヴィルド(黄昏のグランデヴィナ・g00246)と湯上・雪華(悪食も美食への道・g02423)の胃袋にたちまち火を点けた。
大皿に山と盛られた、霜降りの特上ロース。歯応えの良いハツに鉄分満点のレバー。
ハラミより脂少なく、コクたっぷりのサガリ。キラキラ輝く新鮮なミックスホルモン。とどめに馴染みの羊肉をドッサリ。ナディアが注文した肉は、ただの一品も欠けることなく彼女の前に揃えられた。
『ブッフッフ……さあ注文の肉だ! 覚悟は良いか!!』
「くっ、おいしそうな匂いを漂わせ私たちの腹を試そうというのか……! お腹が鳴る!!」
ぐぅと暴れ出す腹の虫を宥め、ナディアは改めて敵の恐ろしさを思い知る。
焼肉のように複数人で賑やかに頂く料理は、量もまた立派に味のうち。眼前の強敵――百牛犠牲祭司カルビロウスが現れた時から、既に戦いは始まっているのだ。
「けど、肉に罪はないわ。頂きましょう」
言葉を聞けば悲壮だが、ナディアの目尻は先程から恵比須様のごとく緩みっぱなしである。
隣の雪華も例外では無く、こちらは大盛りのご飯まで準備を終えていた。
「やっきにくー! やっきにくー!! 美味しいお肉をお腹いっぱい食べましょう!」
雪華が注文したのは並から順に揃えたロースと、加えて中落ちカルビ。しかもそれが各三人前ずつだ。一般人ならこれだけで悲鳴を上げそうな量だが、彼にとってはこの程度、前菜に過ぎない。
さっそくカルビを焼網に乗せれば、濃厚な脂を孕んだ湯気がじゅうじゅうと音を立てて立ち上り始めた。
「ああああ、いい匂いが……! なっちゃんはどれから行きます?」
「ロース! 特上ロース!! 脂たっぷりの!!!」
早くも語彙を喪失しつつあるナディアも、遅れてはならじと焼網にロースを投入。
暴力的なまでの脂の濃さを誇るカルビに対し、ロースから漂う脂の香りは何とも上品な風情を感じさせる。これを口に放り込んで、一思いに噛み締めたらどうなるだろう。にじみ出る旨味を想像し、ついつい唾液が込み上げてしまう。
『ブッフッフ! さあ食うがいい!』
「「いただきます!」」
二人は揃って手を合わせると、焼き上がった肉を獣のごとく食らい始めるのだった。
特上ロースは涙が出るほどに美味かった。
一滴の肉汁も漏らさず焼き上がった一品は優しく噛み締めたればトロリと溶け、それでいて肉本来の味も失われない。
ほんのり甘い脂はまるでくどさを感じず、好みで垂らした醤油と相まってナディアの食欲を更に湧き上がらせた。
「ん……~……!!」
声にならない歓喜の悲鳴が、思わずナディアの口から洩れる。
一方の雪華は、中落ちカルビを今まさに平らげようとしていた。ただ食べるだけではない。カルビと各種ホルモンを大盛りの丼ご飯に敷き詰めて、豪快に頂こうと言うのである。
「ふふふ。でも、まだ終わりではないんですよね、これが。じゃん!」
大盛り丼の横にはもう一つ、同じサイズの丼が用意されていた。こちらは豚丼、それも豚バラとロースを乗せてねぎ塩タレを塗したものだ。牛と豚、これらを贅沢にも食べ比べようと言うのである。
「では早速……おお……!!」
美味さのあまり目を見開く雪華。その間も、箸を動かす手は全く止まらない。
甘辛いタレを塗してなお、肉と脂のパンチがまるで損なわれぬカルビ。感動のままに豚丼へと箸を向け、お次はバラを噛み締める。同じ脂でありながら豚バラのそれは甘くて優しく、嫌なクドさもない。食べ比べを選んだ自分へ最大限の賛辞を贈りつつ、夢中で箸を動かし続ければ、二つの丼は瞬く間に空となった。
「ああ、ああ……最高です! 次はボンジリ行きましょう! 脂多めですけど、塩ダレと食べると美味しいんですよ!」
『ブッフッフ、良い食いっぷりではないか! 野菜は良いのか? サイドディッシュは?』
「おっといけない、サンチュとナムルも! あ、わかめスープもください!」
程なくして大皿のロースも空にすると、彼は漸く胃袋が温まったとばかり、闘志を秘めた瞳で更なる注文をカルビロウスに飛ばす。ナディアはといえば、世界からの祝福を一身に受けた表情でサガリとミックスホルモンをペロリと食べ尽くし、恍惚の吐息をほっと漏らした。
「あ~……感激……!」
『……! …… ……!!』
「え? あ、何か言った? 食べるのに夢中で聞いてなかったわ」
『き、貴様! 我の祭司式焼肉指導が効かぬとは……!』
「あーはいはい、ぐわー、やられたあー」
あからさまな棒読みで受け流すナディア。こんなやり取りでもパラドクスの応酬は行われているようで、屠殺者の守り星はカルビロウスを焼肉のハツよろしくきっちり焼いていた。鼻から煙を漏らして慌てるカルビロウス。それを見てケラケラ笑うナディア。雪華はサンチュ片手に相変わらず肉を食うのに忙しい。
お次はいよいよボンジリだ。コロンと可愛い狐色のボンジリを箸でつまみ、早速ひと口。弾けるような脂が塩ダレと絡み、全く箸の休まる暇がない美味さだ。合間にナムルを挟みつつ、恍惚とするナディアの肩をつんつんと突く。
「なっちゃん、ロースが焦げますよ! ……あ、すみません店員さん、タンください」
『誰が店員さんだ! スライスは厚めか薄めか、申すがいい!』
分厚くスライスされたタンステーキを焼き上げると、雪華はそれをマグロステーキにナイフを向ける。
断面から上る香りを、まずは愛でるように楽しみ、それからタンを一口。マグロを一口。更に一口、一口、一口――。
鳴りやまぬ舌鼓とともに平らげられていく肉の塊。程なくして二人分のアイスが差し出されると、ちょうど最後のロースを食べ終えたナディアは、アイスの片方を口直しに一匙。感嘆の混じった吐息を漏らす。
「なんで……なんでこんなに致せり尽くせり!? ていうかせっちゃん、貴方細いのによく入るわね……」
「入るんですよー。そこはほら、ちょっと普通の人と体が違いますし! ……あ、そうだ」
雪華は魔骸連刃でカルビロウスをつんつんと突き、おかわりを所望する。
ただし今度は焼肉ではない。後ろでぐるぐる炙られている、牛の丸焼きであった。
「すみません、後ろの牛の丸焼きもらってもいいですか?」
『ぬう!? まだ腹に入るか、よかろう!』
「やったー! じゃ、改めていただきます!」
何だか丸ごと食べ尽くせそうだな――そんなことを思いつつ、雪華は新たな肉へと箸を向けるのであった。
それから暫く経って――多くの復讐者が満足するまで肉を食べ終えた頃、最後の一人が現れる。
八雲・譲二(武闘派カフェマスター・g08603)その人であった。
「お前と戦うためにここまで来たぜ! CCTS料理番『シェフ』! お相手願おう!」
『ブッフッフ。良かろう、座るが良い!』
譲二は席に着き、さっそく箸を取った。
最初に供されたのはキムチだ。ニンニクと唐辛子の効いた前菜が、胃袋を良い具合に刺激する。
お次はタン塩。いきなり味の濃いものを出さぬようにと、カルビロウスの心遣いが窺える。無論、味も文句なしだ。
「ふむ。焼く位置と順番もきっちり考えられてて、一番良いタイミングで皿に上げてある」
程なくして出て来たカルビとロース。サンチュをお供に頬張る肉は、甲乙つけ難く最高だ。
ただ美味いだけではない。味の濃さや、腹が満ちるタイミングも計らっている。そんなカルビロウスの手前に心からの賛辞を贈り、譲二はスープを啜って一息ついた。
「ふうっ……美味いな。見事だよカルビロウス、これは本音と思ってくれていいぜ」
出されたアイスに匙を突き入れ、バニラの風味を存分に堪能した。
そうして譲二は口を開く。この長き焼肉の宴に、自分の手で幕を下ろす為に。
「だがなあ、カルビロウスよ――」
この言葉を放てば、後は終わるのみだ。
だが、言わねばならない。宴は必ず終わるもので、そして――自分は復讐者なのだから。
「アイスは……デザート止まりなのかい?」
『なに……!?』
予想だにせぬ問いに、動揺を見せるカルビロウス。
注文のまま丸焼きを切り分け、牛肉が差し出された。決して少なくない量のそれを譲二は難なく平らげる。
カルビロウスには分からない。けして若くはないこの復讐者が、なぜこうも次々肉を食える――?
「分からんか。アイスのお陰さ」
『……っ!!』
「焼肉中のアイスは、言わば『甘いしょっぱいループ』が出来る逸品。シメじゃなく、合間に食っても至高なんだぜ!」
カルビロウスが雷に打たれたように絶句する。だが驚くのは早い。気づけば彼の眼前で譲二は支度を終えていた。
フライパンを熱し、食材を投入。肉の香りを立ち上らせて無言のうちに告げる。俺の反撃肉を喰らう覚悟はいいかと。
「さあ出来た。山葵と醤油はお好みでどうぞ……!」
そうして差し出されたのは、一皿のステーキであった。
分厚いステーキを頬張るカルビロウス。その目から溢れる涙は己の未熟を知ったが故か、山葵の為せる業か。
復讐者たちの脳裏に一瞬『共食い』という三文字が浮かんだが、それ以上は考えないことにした。
「さて、ここは戦場だ。勝負はここからが本番だぜ、覚悟はいいか!」
肉汁を溜めたフライパンに、譲二は次なる食材を投入していく。
米、肉、卵にネギと塩胡椒、醤油。熱された米が脂で輝き、フライパンで舞う。そうして出来上がるのは――。
「これが俺流の締め。肉が美味けりゃその分美味い、焼肉炒飯だ!」
するとどうだ。焼肉炒飯のオーラがダメージアップの効果で膨れ上がっていく!
香ばしい炒飯の美味で高めた濃密なる闘気。その全てがパラドクスへ変換されていく!
「これは俺の分! これとこれとこれは、仲間たちの分! これとこれとこれとこれとこれとこれは、お代わりの分!!」
『多い!?』
「そしてお前には、ここまでの調理で存分に高めた美味三昧砲! 美味しく味わえーーーッ!!」
『ぐわああああああぁぁぁぁーっ!!!!』
ステーキの脂で輝く炒飯の湯気がもうもうと立ち込める中、カルビロウスは爆発四散。
復讐者たちの戦いは、完全勝利という形で決着をみたのである……!
かくしてクロノヴェーダの脅威は去り、村には平穏が訪れた。
いずれ亜人が駆逐された暁には、村人たちも再びこの地に戻れることだろう。
「あなたの名前は忘れないわ……ありがとう、焼肉司祭タンシオハラミ!」
「一文字も合ってなくないですか、名前!?」
「食ったー。腹いっぱいやー!」
ナディア、雪華、ベレニらが焼肉の余韻を楽しむ一方、譲二は最後の仕事を始めていた。
「口福の伝道者、用意しといて良かったぜ。村人たちにもご馳走しなきゃな……んー、美味い!」
「あ、炒飯貰ってもいいですか?」
「おう、食え食え!」
食事を終えた譲二と雪華の前に、大量の焼肉炒飯がズラリと並ぶ。
これだけあれば村人たちの腹も満ちることだろう。彼らの笑顔を思い、復讐者たちの顔にもまた微笑みが浮かんだ。
ゴウトとイツカは出来たての炒飯をアイテムポケットに収納し、仲間たちとミウ・ミルへ歩き出す。
「じゃ、冷めないうちに運ぶか!」
「きっとみんな喜ぶよ! いっそげー!」
かくして亜人は滅び、村人たちは焼肉死を免れて。
復讐者たちの戦いは、大成功のうちに幕を下ろしたのであった。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】がLV2になった!
【活性治癒】がLV2になった!
【セルフクラフト】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!
【ドレイン】がLV2になった!
【反撃アップ】LV1が発生!