ディアボロス東方遠征~スサへ

《七曜の戦》により、バビロンを含めた広い地域が、最終人類史に奪還された事で、蹂躙戦記イスカンダルの東西の流通を大きく阻害する事に成功しました。
 この緊急事態に対して、イスカンダル大王がいるインド方面からは、状況を確認する為の部隊が矢継ぎ早に繰り出されているようです。
 防衛に成功したミウ・ウルを駆り、バビロンに向かってくる部隊を撃破しつつ、当初の予定通り、インド方面への進軍を続けましょう。

 バビロンの奪還に成功したので、次の目的地は『スサ』、そして、ペルシャ帝国の首都であった『ペルセポリス』へと向かいます。

 このシナリオが期間までに成功した場合『スサ』での冒険が待っています。

せせらぎに遊べば(作者 花々実コノネ
11


#蹂躙戦記イスカンダル  #ディアボロス東方遠征~スサへ  #スサ  #ミウ・ウル  #水遊び 


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#蹂躙戦記イスカンダル
🔒
#ディアボロス東方遠征~スサへ
🔒
#スサ
🔒
#ミウ・ウル
#水遊び


0



 今日もバビロンからは何の連絡も無い。
 アヴァタール級『大賢者・アリストテレス』は、何が起きているのか、いくつかの仮説を立ててみた。
 そのどれもがありそうなことであったが、だが今の時点では確定できるほどの情報が無い。
「不測の事態が起きたとみるべきだろう。だが何が起きたのかを知ることは、ここでは不可能だ」
 安易に結論付けるのを避け、アリストテレスはテウメッサの斥候兵へと命じる。
「儂とともに知るための旅に出るという、名誉ある役目を与えよう。必ずや真実を突き止めてみせようぞ」


 《七曜の戦》により、最終人類史はバビロンの奪還を果たした。
 それにより、蹂躙戦記イスカンダルは大きく混乱している。この混乱に乗じて、より攻略を進めていきたいところだ。
 新宿駅に停車中のパラドクストレインの前で、久住・野乃は元気よくディアボロスたちを迎えた。
「バビロンを攻略中だったミウ・ウルですけど、当初の作戦通りに、インド方面に移動再開ですっ」
 ミウ・ウルはこれから、まずは『スサ』を目指し、そこからアケメネス朝ペルシャの首都であった『ペルセポリス』に向かうルートでの探索を行う。
「スサまでの道のりは、比較的安全だと思われます。でも、バビロンの異変に気付いた亜人の動きが活発になりつつあるので、警戒は怠らないようにしないとですね」

 巨大砂上船である『ミウ・ウル』は、広大な蹂躙戦記イスカンダルを探索するのに不可欠なクロノオブジェクトだ。今後もミウ・ウルは、ディアボロスの足として、人々の収容施設として、突入の足ががかりとして、さまざまな役割を担ってゆくことだろう。
「このパラドクストレインが、ミウ・ウルがいる地点まで運んでくれます」
 そこからミウ・ウルに乗り換え、スサを目指す。
「途中、川べりを通るのですけど、その近くには亜人から隠れ住んでいる一般の人がいるようです。できれば、ミウ・ウルの中に入れて安全を確保してあげてほしいですけど、この地域の人は警戒心が強くて、なかなか姿を見せてくれそうもないです」
 巧妙に身を隠し、亜人の目を逃れている彼らを探すのは骨が折れるかもしれない、と野乃は言う。
「だから……途中の川で思いっきりばしゃばしゃ遊んでください。一般の人が怖がらないように、できるだけ楽しそうに遊ぶといいと思います」
 楽しそうに遊んでいるディアボロスたちを見れば、人々は興味をひかれ、姿を現すことだろう。
 人々を収容したらスサを目指すのだが、巨大なだけにミウ・ウルには亜人たちに発見されてしまう危険がつきまとう。
「もしミウ・ウルが敵に発見されれば、破壊対象として攻撃されてしまいます。スサに行くまでの間、周りをしっかり哨戒して、敵がミウ・ウルに近づくより前に倒してください」
 発見した敵を倒せば、依頼完了となる。

「バビロン奪還によって蹂躙戦記イスカンダルが混乱しているうちに、『スサ』に到着することが出来れば、より良い結果を生むことが出来るかもしれません。みんなでがんばって、ミウ・ウルを進めましょう!」
 よろしくお願いしますと、野乃はホームにいるディアボロスたちに頼むのだった。


 ざわっと草の揺れる音に、びくりと身をすくめる。
 息を止め、気配を殺し、石ころになったように縮こまった。
 どれくらいそうしていただろう。
 そっと視線を動かし、次に首を動かし、周囲を見渡す。
 なにも変わらぬ里の様子に、さっきのはただの風だったのかと胸を撫でおろした。
 毎日、毎日、こうして襲撃者に怯えている。それでも、亜人に蹂躙されるよりは随分ましな生活なのだろう。
 青年はこわばった身体をほぐしながら里を出て、川付近の偵察へと出かけていった。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
2
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【狐変身】
2
周囲が、ディアボロスが狐に変身できる世界に変わる。変身した狐は通常の狐の「効果LV倍」までの重量のものを運べるが、変身中はパラドクスは使用できない。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【浮遊】
1
周囲が、ディアボロスが浮遊できる世界に変わる。浮遊中は手を繋いだ「効果LV×3体」までの一般人を連れ、空中を歩く程度の速度で移動できる。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【セルフクラフト】
1
周囲が、ディアボロスが、一辺が1mの「コンクリートの立方体」を最大「効果LV×1個」まで組み合わせた壁を出現させられる世界に変わる。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
1
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【口福の伝道者】
4
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【パラドクス通信】
2
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。
【防衛ライン】
1
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。

効果2

【能力値アップ】LV3 / 【命中アップ】LV3 / 【ダメージアップ】LV3 / 【ガードアップ】LV1 / 【凌駕率アップ】LV3(最大) / 【反撃アップ】LV2 / 【アクティベイト】LV1 / 【ドレイン】LV1 / 【アヴォイド】LV2 / 【ダブル】LV2

●マスターより

花々実コノネ
 ミウ・ウルをスサへと移動させるためのシナリオです。

 ②川付近に行って、ばしゃばしゃ水遊びです!
 遊んでいると里人が様子を覗きに来るので、ミウ・ウルへと招待しましょう。
 楽しそうに遊んでいるほど、招待は楽になります。驚かせてしまうと、招待の難易度はあがります。この選択肢は飛ばすことが可能です。
 ①敵の哨戒に成功すると、ミウ・ウルに被害が出ない状態で戦闘ができます。この選択肢を飛ばすことは可能ですが、その場合はミウ・ウルが攻撃されます。
 ③トループス級を倒します。飛ばすことは可能ですが、その場合はアヴァタール級の戦闘に影響がでるかもしれません。
 ④アヴァタール級を倒します。これは必須の選択肢です。

 ではでは、ご参加お待ちしております。
43

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


クーガ・ゾハル
ケペシュ(g06831)と
まだ夏だ、川だ、ケペシュの、でかいホタテフロートだ
こわくないぞ大サクセン、スタートだな

つめたい水と、川が止まらず流れる音
足をひたしただけでも気持ちいいな
だけど海よりも、ちょっと足もとがすべる
ケペシュの手をかりようと、して間に合わずドボン
川って、流れ、はやいんだな……

なんだ、どうした、水のシューゲキだ
ホタテでガードしながら、小さい川エビをつかんで投擲するぞ
エビミサイル、うけてみろ

なあケペシュ、あそこの岩からホタテに着地、できるかな
どっちがカレイにできるか、ショーブだ
おれもジャンプはちょっとトクイだぞ
まけられないチョーセンだ
見物してる小さいやつらにも、いくぞー、と大きく手をふって
せーの、で岩からホタテめがけてダイブ

まあ、そうだよな――

でっかくあがった水しぶき
太陽できらきらする水中で、さかさまに見えるケペシュに笑う
キキズテならない一言には
髪の、ながいとこをぎゅっと引っぱって
たくさん、たしかめるといい
いきてるぞ、今も、これからも

おこってないが、おしえてやらない


ケペシュ・ナージャ
クーガ(g05079)と

水辺は好きです
川は海とはまた違った趣がありますよね
水の流れる音を聞いていると心が洗われるようで

水遊びということで、水着を着てホタテ貝の形をしたフロートを持ってきました
きっと2人くらいなら乗れると思います
……流されていくかもしれませんが

まずは水の温度に慣れようと足を浸し、ばしゃばしゃと水を跳ねさせて
足を取られないように気を付けてくださいね
俺の手を掴んでいても良いですよ、と手を差し出しますが間に合いませんでしたか

エビが飛んでいけば、なにやら不思議な光景だなと思いつつも見送って
エビの無事を祈ります

勝負ですね、乗りました
身軽さには自信があるんです
せーので岩を蹴って飛び乗ったなら、2人分の衝撃でホタテが転覆
ひっくり返った格好もなんだかおかしくて、腹の底から笑いが込み上げるよう

ああ、生きてるって感じがする
もう死んでいるのに、不思議ですね

……って、いたたた
なんですかいきなり
もしかして怒ってます?
珍しい反応に嬉しくなったなんて言ったら、また引っ張られてしまうかな


アリア・パーハーツ
【聖域】
わーい、ナディアさんとデートだ!
なんだっけ、なんかトビラ…?あったねそういえば
今年のネイビーの水着に、フロートは去年のを引っ張り出して
いざ水遊び!

涼しくて綺麗な音がして癒される…
ピスピスの存在感たるや…凄いのだぜ…
いや、うん、可愛いんだけど、その丸い目に見つめられるとなんか笑っちゃう…!

でしょ、可愛いでしょう
サメに友達強襲用のウォーターガンとタオルを積んで、よいしょっと
おろろろ、バランス難しい
あんま暴れると胸が零れる、この水着…やだーえっちー(けらけら)

お、ほんとだ!(ウォーターガンでぴゅーっと襲撃、ケペシュ君とクーガ君のお腹を狙って)
うおあエビミサイル!?
(躱したらナディアさんが見事にキャッチ。アヒージョだな、と頷く)

ラブの気配だ、ラブラブだ(こちらもお腹辺りを狙って襲撃。よし、ラブラブが続いているのを見届けてにっこり)

……うおっ(楽しみすぎてフロートが流れに捕まってひっくり返ってドボン、水の中へ)

つめたーい、さむーい
さっきのエビと持って来たのでパエリアでも作るか
皆も食べるかな


ナディア・ベズヴィルド
【聖域】
わーい、アリアさんとデート!
楽しく遊んで一般人を誘き出しましょうー
なんかそんな神話なかったっけ、はて。
今年のミントグリーンの水着と古代魚の巨大フロートと
オマケのお友達襲撃用のウォーターガンを持っていざ出撃じゃ(けらけら)

川の水に足を浸しせば心地よい水の冷たさに微笑みが浮かぶ
ふふ、ピスピス可愛いでしょ~。この円らな瞳とやる気のないお口が可愛くて好きなの
アリアさんのサメちゃんも可愛いわ

アリアさんたわわだものねぇ…
おっとお胸が零れますよと言いつつソフトタッチ

クーガさんとケペシュさんだ
あの二人もとっても仲良しよね、微笑ましい
ちょっかい出してみましょう
(隠し持っていたウォーターガンでシュシュっと襲撃)
きゃあエビが飛んできた!(上手にキャッチ。アヒージョ作るか!)

はっ、向こうにラブの気配が
(百さんとシャムスさん達も見かけたらシュシュっと襲撃その弐)
いいわね、ラブラブ…(とほっこりしちゃう)

わっアリアさん大丈夫?と引っ張り上げて陸に上がり
持ってきた食材と調味器具で温かいものを作って食べましょう


一・百
【百夜】

折角だからな
オリエンタル風な水着でちょっとだけ水遊びに…
浮かれてなんていないよ?シャムスの素肌を見ていいのは俺だけって
言われたからって…
説得力なく尻尾を揺らし。眩しそうにシャムスの水着姿と筋肉を絶賛
本当に眩しいカッコいい…

用意したお弁当は安全な場所に
振り返ればシャムスの水着タイムは終了
銀狐に苦笑しつ受け止め
もっと見て居たかったのになー

川の流れに足を浸し、軽く走ったり水をとばして楽しみ
冷たーい、やっぱ暑い日はこうでなきゃ…

だけど…
するんと慣れた様子で黒狐に変身し川にダイブ!
水しぶきをあげ
キャー楽しいと全力ではしゃぎ…シャムスと戯れ合い
横から水鉄砲!?
足を滑らせ、あ…
うっかり流されそうになって尻尾に捕まりぷかぷか
岸に上がれば全身ブルブル水切り

遊んだ後は人姿に戻りお弁当タイム
シャムスのお弁当どれもおいしそう…食べるの勿体ない…じゅるり
おにぎり作って来たぞ
鮭とおかかとコシャリ!(豆)
形は丸の大き目🍙
どれから食べる…?
褒められ嬉しそうに
あーんと差し出し
口福で増やして配る準備もばっちりに


シャムス・ライラ
【百夜】
今回はお弁当を持参で
一般人の方の救出に臨んでみようと思います

オリエンタルな水着姿で参りましたが
私の水着姿はうちのお嫁さん(百)専用なので他の方にはお見せ出来ませんよ?
ということで素早く狐変身!&川遊び
最近「動物姿で甘える」という技を覚えました
構って構って(銀狐はしっぽふりふり)
ああ、百の水着姿が眩しくも初々しい
水を飛ばし、ジャンプで飛びついてすりすり
ふふっ、冷たい?

百の変身後は狐のじゃれ合い
水しぶきがきらきら
目もきらきら
はっ、どこからともなく水鉄砲攻撃!?
ナディア殿、アリア殿!
あっ、百が流されそう
捕まって!(と尻尾を伸ばし)

遊んだ後はご飯
まずは卵焼き、蒸した鶏肉、大根の柔らか煮、お豆腐ハンバーグ、温野菜に果物
後はお茶
自分達も食べますが
口福の伝道者で増やして救出対象にも
食べやすいようあまり胃に負担がかからないものを多めに
百もいっぱい食べてね
はい、あーん

おにぎり上手にできたね!
じゃあ、鮭のからいただこうかな

増えたお弁当はご自由にどうぞと
取りやすそうな岩場に並べてみたり

アドリブ等歓迎


 一般人が隠れ潜んでいるという地域の川に到着すると、シャムス・ライラ(極夜・g04075)と一・百(気まぐれな狐・g04201)は、ゆったりと何枚も布を重ねたオリエンタルな水着に着替えた。
 抑えた色使いだが、シャムスは裏地の明るい青が、百はふわりと腰に巻いた紫の飾り布が、イスカンダルの日差しに鮮やかに映えている。
 素肌を見ていいのは百だけ。
 シャムスにそう言われている百は、眩しそうに良人の水着姿とそこから覗く筋肉に見惚れた。
 浮かれていないふりをしているが、その後ろで狐尻尾がふっさふさと大きく揺れて、百の内心を顕著に表している。
「お弁当ここに置くな」
 照れを隠すように、百が持参の弁当を葉陰に置いて振り返れば、シャムスは他の人に見られないうちにと、狐変身を済ませていた。
「もっと見て居たかったのになー」
 ついそんな呟きを漏らした百へと、銀狐に姿をかえたシャムスが、構って構ってと飛びついた。百が受け止めると、すりすりと毛皮を擦りつけて甘えてくる。
 滑らかな銀狐の毛皮を撫でてやりながら、百は川の流れに足を浸した。
 ひやりと足をくすぐる川の流れが心地良い。
 百の腕の中からぽんと銀狐が飛び出すと、尻尾でぱしゃりと川の水を飛ばした。
「冷たーい!」
 水を受けた百がはしゃいだ声をあげるのを、銀狐が眩しそうに見上げる。
 お返しにと百が飛ばず水を銀狐はジャンプでかわした……が、川に着地して派手にあがった水飛沫が、百と銀狐にふりかかった。
 一瞬目を丸くした百だったが、すぐに銀狐めがけてダイブする。その姿が途中でするんと黒狐へと変わり。
 バシャッ。
 黒狐が銀狐を水の中に押し倒す。
 もつれあい、起き上がり、跳ね飛び、走って。
 銀の狐と黒の狐は川の中でじゃれあった。

 川の流れる音が間断なく続く。
 圧倒的な水量を持つ海も良いが、一方に絶え間なく流れる川もまた趣深い。
 箔押しされた柄が浮かび上がるデルフトブルーの水着に、ラフに上着を羽織ったケペシュ・ナージャ(砂蠍・g06831)は、心が洗われるような川音に耳を傾けた。
 ……というと、優雅に川の景色を楽しんでいるようだが、その手に抱えているのはピンクからブルーへのグラデーションも楽しいホタテ貝の形をしたフロート。遊ぶ気満々だ。
「ケペシュのホタテフロート、でかいな」
 クーガ・ゾハル(墓守・g05079)が目をキラキラさせる。膝下丈の黒い水着はシンプルだが、白く入ったラインが洒落たカーブをひいている。
「2人くらいなら乗れると思いますよ。……流されていくかもしれませんが」
「おお、どんぶらこだな」
「運が悪いと新宿島に流れつくかもしれません」
「デンシャ、片道になるのか」
 そんな軽口を交わしながら川に足を浸すと、流れる水がさらさらとほてった足の熱を冷ましてくれる。
「つめたい水、気持ちいいな」
 川底の石を踏みながら川中へと進んでいくクーガに、
「足を取られないように気を付けてくださいね」
 ケペシュは声をかけながら手を差し出した。
「俺の手を掴んでいても良いですよ」
「ああ。海よりも、ちょっと足もとがすべるな……」
 流れる水、つるつると水に磨かれた石。不安定な足元に、クーガがケペシュの手に掴まろうとしたとき。
「あ」
 つるん。
 石についた苔がずるっと滑り、クーガは尻餅をつくようにしてドボンと川にはまった。
「間に合いませんでしたか」
 川の流れに転がされそうになるクーガへと、ケペシュは身をかがめる。その手に今度こそしっかりと掴まって、クーガは身を起こした。
「川って、流れ、はやいんだな……」
 ずぶ濡れの全身から水を滴らせるクーガにケペシュは、ホタテフロートを流されにくい岩陰に浮かべ、乗りますかと勧めた。

 恋人とのデートは楽しいけれど、女子同士のお出かけデートもまた楽しいもの。
 ナディア・ベズヴィルド(黄昏のグランデヴィナ・g00246)とアリア・パーハーツ(狂騒・g00278)は、うきうきで川にやってきていた。
「せいぜい楽しく遊んで一般人を誘き出しましょうー。なんかそんな神話なかったっけ?」
 はて、とナディアが首を傾げて考える。その身にまとうのは南国の花がプリントされた、爽やかなミントグリーンのビキニ。邪魔にならないように三つ編みにした髪の先にも、同じ布のリボンが結ばれている。
 アリアはラベンダー色のビキニに、ネイビーのフリルたっぷりの胸飾りとパレオをつけて。
「なんだっけ、なんかトビラ…? あったねそういえば。ナディアさんとボク様で歌って踊る?」
 踊るようにひらひらと、パレオを揺らしてみせる。
「それも楽しそうね。でもまずは水遊びしましょうか」
「うん、遊ぼう遊ぼう」
 遊ぶための準備はばっちり整えてきた。
 アリアはサメの巨大フロート、ナディアは古代魚の巨大フロート。そしてどちらも手にはカラフルな友達襲撃用のウォーターガン。
「いざ水遊び!」
「いざ出撃じゃ」
 楽しくてたまらないように笑いながら、2人は川に入った。
 澄んだ水は2人の足を包み、包みながらも止まることなく涼しげな音を立てて流れてゆく。
 降り注ぐ日差しの暑さと、清らかな冷たさの川の対比に、自然と微笑みが誘われる。
「ナディアさん、そのピスピスの存在感たるや……凄いのだぜ……」
 アリアの視線に、ナディアは嬉しそうに巨大フロートをぎゅっと抱きしめた。
「ふふ、ピスピス可愛いでしょ~。この円らな瞳とやる気のないお口が可愛くて好きなの」
 ほら、とナディアがアリアの正面に古代魚の顔を持ってくる。
 まーるい目がちょんちょん、その下には笑っているような脱力しているような三角の口。
「いや、うん、可愛いんだけど……その円い目に見つめられるとなんか笑っちゃう……!」
 耐えかねてアリアはくつくつと肩を震わせた。
「アリアさんのサメちゃんも可愛いわよ」
 ギザギザした歯、三角の目を持つ巨大ザメフロートは、凶悪というよりはどこか困ったような表情にも見える。
「でしょ、可愛いでしょう? ……よいしょ、っと」
 アリアはサメの背中にウォーターガンとタオルをくくりつけ、よじ登った。
「おろろろ、バランス難しい」
 じたばたとアリアがサメと格闘しているうちに、ビキニのトップスから胸がこぼれそうになる。
「おっとお胸が零れますよ。アリアさんたわわだものねぇ……」
 ふふっと笑って、ナディアはアリアの胸にソフトタッチ。
「やだー、ナディアさんのえっちー」
 アリアはけらけらと身をよじった。
 その向こうに知り合いの姿を見つけ、ナディアはしっと指を口元に当て、囁いた。
「クーガさんとケペシュさんがいるわ」
 ナディアの視線の先では、ホタテフロートにクーガが腹ばいになって乗り、岩に腰かけたケペシュがフロートが流されないようにロープを手に絡めている。
「お、ほんとだ!」
「あの二人もとっても仲良しよね」
 微笑ましい光景に、ナディアはにんまりと笑った。

 クーガはホタテフロートの上で甲羅干し。
 濡れてぺしゃんとなっていたクーガの髪が、太陽に乾かされて徐々に立ち上がってゆく。
「ひるね、しそうだ。けど、こわくないぞ大サクセン、スタートしないと」
「これも、恐くないぞ大作戦になっていると思いますよ」
 答えながらケペシュは、少しロープを引いてフロートの位置を調整する。
「なにも、してないぞ?」
 顔をおこしたクーガの目がとろんと眠そうで、ケペシュはこの平和な様子に警戒心を抱くほうが難しそうだと、笑いをかみ殺した。
「少なくとも、恐くないぞは十分伝わるんじゃないでしょうか」
「ならいい……わっ!」
 ブシャーッ!
 乾きかけた身体に突如水が飛んできて、クーガは危うくひっくり返りそうになった。体勢を立て直したところに、
「アリアさん、今がチャンスよ」
「いけーやっちゃえー!」
 ナディアとアリアの構えたウォーターガンから、また水が浴びせかけられる。
「水のシューゲキだ」
「ナディア殿もアリア殿もなかなか高性能な得物をお持ちのようですね」
 アリアとナディアのウォーターガンが腹を狙ってくるのを、ケペシュは座っていた岩の裏側に回り込んでかわした。
 クーガは身軽に川へと飛び降り、ホタテフロートを立てる。ホタテシールドで水の襲撃をガードしながら、川の中を探ると。
「はんげきの、エビミサイル、うけてみろ」
 ぴゅぴゅぴゅぴゅっ。
 小さな川エビを連続投擲だ。
「エビ?」
 なにやら不思議な光景だと、ケペシュは飛んでゆくエビを目で追った。
「うおあエビミサイル!?」
 飛んできたものに気付いたアリアが、のけぞってエビを躱す。その後ろにいたナディアは、
「きゃあエビ!」
 叫びながらも、しゅたたたたっとすべてのエビをキャッチする。
「動いてる! なんて新鮮! アヒージョ作るか!」
「うん、アヒージョいいね!」
 2人の関心が川エビに移ったのを眺めつつ、ケペシュはエビの無事を祈った。

 すっかり眠気がふっとんだクーガは、川辺にある大岩を指さした。
「なあケペシュ、あそこの岩からホタテに着地、できるかな。どっちがカレイにできるか、ショーブだ」
「勝負ですね、乗りました。でもいいんですか? 俺、身軽さには自信がありますよ」
 不敵な笑みのケペシュに、
「おれもジャンプはちょっとトクイだぞ」
 まけられないチョーセンだと、クーガは胸を反らした。
 岩に登ると、後ろの茂みががさっと音を立てた。ちらりと人の姿らしきものが見え、すぐにまた隠れてしまう。
 そちらに向けて、いくぞーと手を振ると、クーガはケペシュとせーの、でタイミングを合わせ。
 岩からホタテフロート目がけてのダイブ!
 見事着地! した次の瞬間。
 つるっ、すぽっ、とホタテがすっぽ抜けて飛び、2人は大きな水しぶきをあげて川へと転落した。
 まあ、そうだよな――。
 クーガはそう思いながら、太陽できらきらする水中で、さかさまに見えるケペシュに笑う。
 ひっくり返った恰好も、吹っ飛んでいったホタテも、なんだか無性におかしくて、ケペシュも腹の底から笑いがこみ上げてくる。
 ホタテフロートを追いかけて、2人でその上によじ登った。
「ああ、生きてるって感じがする」
 ケペシュは深呼吸すると、はればれとした笑顔のままで言う。
「もう死んでいるのに、不思議ですね」
 本気で言っているに違いない、その聞き捨てならない一言に、クーガはケペシュの髪の長いひと房をぎゅっと引っ張った。
「いたたた……なんですかいきなり」
「痛いだろ。たくさん、たしかめるといい。いきてるぞ、今も、これからも」
「一体どうし……」
 言葉を返そうとしたケペシュは、いつもと違うクーガの目の表情にそれを呑み込み。小声になって尋ねてみた。
「クーガ、もしかして怒ってます?」
 聞かれたクーガはちょっと考える。
 これは怒り? いや違う。
「……おこってないが、おしえてやらない」
 そんなクーガの反応は珍しくて。
(「嬉しくなったなんて言ったら、また引っ張られてしまうかな」)
 ケペシュは口元が緩むのを感じながら、クーガに引っ張られた髪を自分の指でそっと引っ張った。

 キャッチした川エビを容器に入れていたナディアの狐耳が、ぴくりと動いた。
「はっ、向こうにラブの気配が」
「ラブの気配? あそこ、ラブラブだ!」
 アリアがウォーターガンを向けた先では、2匹の狐が水をぱしゃぱしゃじゃれあい中。
「いいわね、ラブラブ……」
 気分はほっこり。けれどここはちょっかいを出すところ、とばかりにナディアはウォーターガンの引き金を引いた。撃ちだされた水が狐たちのすぐ脇の水面でシュッと音を立てた。
 続いて撃ったアリアのウォーターガンが黒狐のお腹に命中、する直前、飛び出した銀狐にヒット。
 どこから? と首を回した銀狐の目がナディアとアリアを捉えた、そのとき。
 驚いて足を踏み外した黒狐が、川の流れに引き込まれそうになって、バシャバシャ水を跳ね上げた。
 銀狐はくるっと身を返すと、これに掴まってとばかりに尻尾を川に浸す。黒狐の躰は川を流され、抱え込んだ銀の尾の先で、ぷらーんと揺れた。
 銀狐の尻尾を頼りに岸へとあがると、黒狐はぶるぶるぶるっと躰を振って、水を弾き飛ばす。
 真似して銀狐もぶるぶるぶるっ。
 きらきらと水を輝かせながら、交互に水切りをする2匹の様子を、よしよしと眺めていたアリアだったが、
「うおっ!」
 楽しみすぎてフロートの操作がおろそかになったところを流れに捕まり、サメがくるっとお腹を見せてひっくり返る。
 ドボンと水中に没したアリアを、ナディアが慌てて岸に引っ張り上げた。
「アリアさん大丈夫?」
「つめたーい、さむーい」
 アリアはぴぴっと手を振って、滴る水を振り落とす。見事に全身ずぶ濡れだ。
「食材と調理器具を持ってきたから、なにか温かいものを作って食べましょう」
「ボク様もさっきのエビと持って来たのでパエリアでも作るか。皆も食べるかな」
 遊べばお腹もすくだろうと、2人はハンターからシェフへと早変わりするのだった。

 狐から人の姿に戻ったシャムスと百も、お弁当タイム。
 いそいそとシャムスが弁当箱の蓋を取ると、現れたのは卵焼き、蒸した鶏肉、大根の柔らか煮、お豆腐ハンバーグ、温野菜に果物などなど。
 消化に良いものが多めなのは、口福の伝道者で増やして救援対象の人々に配るため。お茶も飲んで一緒に増やして、食べ終わったら取り易そうな岩場に、ご自由にどうぞと並べておこう。
「シャムスのお弁当どれもおいしそう……」
 きれいに詰められたお弁当は食べるのが勿体ない。でも、おいしそうだから食べたい。
 百の担当はおにぎり。
「これが鮭、こっちがおかかで、そっちはコシャリ!」
 大き目の丸いおにぎりが、ころころと並んでいるのを百は指さしていった。
「おにぎり上手にできたね! じゃあ、鮭のからいただこうかな」
「ん。じゃあ……あーん」
 褒められてちょっと赤くなりつつ、百は鮭のおにぎりをシャムスに差し出した。
 おにぎりを齧って、うんおいしい、とシャムスは頷き、お返しにと自分の作ってきた玉子焼きを百の口元へ。
「百もいっぱい食べてね。はい、あーん」
 ぱくりと食べた百の口の中と胸に、ふんわりと甘さが広がった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】LV2が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
【狐変身】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV2が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!

二宮・緋々
*アドリブOK
水遊び……いやいや1人だとハードル高えわ!
恥ずくない? 普通に!
気温はさ。水に入るには最適くらいなんだけどぉ
ぅん。まぁ……暑さには勝てんし入ろっかな

海(川用とかもあるのか?)に優しいやつ持ってないし日焼け止めはいいや
そのかわりフード付きのラッシュガードでクロノヴェーダより怖い紫外線防ごお
川べりに座り込んで、足パシャパシャ
イスカンダルではウェアキャットみたいな獣人も亜人の被害に合ってんだっけ。それならイジメられてる同士、一般ぴーぽーに尻尾を見せて人畜無害ウェアキャットアピールしてみるわ

やっぱ超退屈だわ無理
なんで一般ぴーぽーがいたら声かけて誘ってみよ。一緒に遊ばん? 兎って寂しいと死んじゃうじゃん、猫はさぁ退屈だと死んじゃうんよー
遊び相手見つけたら水かけたりからかったりして楽しも。相手がいてこそだよねぇ

せっかくだしオレらの拠点で一休みしてこーよ。見たことないものばっかりで面白いからさ
それにぃ。おもてなしもたくさんあるにゃよ?
1名様ごあんなーい!
……ぃぁ、媚びすぎた恥ずい💦


 川べりに腰かけて、二宮・緋々(Force・g10327)は無暗に足で水をバシャバシャと跳ね上げた。
 自然のままの川に新宿島の日焼け止めの成分を混ぜて良いものかと悩んだ結果、塗るのは止めて、照りつける日差しはフード付きのラッシュガードで防いでいる。緋々にとって紫外線は、ある意味クロノヴェーダよりも怖い。
 勢いよく水飛沫をあげれば、ひんやりとした川の水が暑さを紛らせてくれる。
 バシャバシャ。
 バシャバシャ……。
 ひたすら続けているが、果たしてこれは水遊びと言えるのだろうか。いやむしろ、バタ足?
 そんな考えもよぎるけれど、だったらどうしろと言うのだろう。
 水をぱしゃぱしゃ掬って、きゃっきゃと……。
「いやいや1人だとハードル高えわ!」
 自分が1人でそうしているさまを想像してしまい、恥ずっ、と緋々はひと際高く水を蹴りあげた。
 ばらっと散った水の勢いに、茂みの向こうにいる何かが驚いて身じろぎした。
 人間か、ウェアキャットか。どちらにしろ、蹂躙戦記イスカンダルの地で亜人に虐げられている一般人なのだろう。
 一緒に来たディアボロスたちが楽しく水遊びしてくれているから、そのうち出てくるだろうと思っていたが……なかなか来ない。
 緋々は隠れている誰かによく見えるよう、するりと猫の尻尾を前に回して振ってみる。
 ほらほら、人畜無害ウェアキャットですよー、とのアピールだ。
 それでも相手は出て来なくて、退屈に耐えかねた緋々は、隠れている誰かに呼びかけた。
「なあ、一緒に遊ばん? 兎って寂しいと死んじゃうじゃん、猫はさぁ退屈だと死んじゃうんよー」
 ややあって、茂みからそっと緋々とあまり歳の変わらなそうな少年の顔がのぞいた。緋々が手招きすると、おずおずと近づいてくる。
「良かったー。これで水のかけっことかして遊べるわ~」
 緋々はにんまりと笑った。

 しばらく遊んだあと、緋々は少年をミウ・ウルへと誘う。
「せっかくだしオレらの拠点で一休みしてこーよ。見たことないものばっかりで面白いからさ。それにぃ。おもてなしもたくさんあるにゃよ?」
 少年が頷いてくれると、緋々は1名様ごあんなーい! と声を張り上げ……媚びすぎたのを恥じるように片手で顔を覆ったのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!

レイ・ディース
一般人の保護ですね
上手く誘い出せば探す手間が省けるのね…
楽しそうに見せるならこの子(エイン)はうってつけ!一緒だと私も数万倍楽しくなるし可愛さで一般人の方も和むでしょう、きっと

私とエインは今年の水着コンテストと同じ格好
(私はビキニの上に防水仕様の白いサマードレス、エインは泳げるけど綺麗な浮き輪
二人でお揃いの麦わら帽子)

エインは大はしゃぎで私と水かけ合いっこしたり空中から川へダイブしたり
浮き輪でぷかぷか浮かびながらゆっくり休んだりね
一般人が近付いてきたらクーラーボックスからアイスクリームを取り出してエインに「あーん」(パラドクスは使わない)
【口福の伝道者】でご馳走
飲み物や仲間が用意した物も

一般人には優しく接する
「私たちの舟は広くて食べ物も水もたくさんあって安全ですよ」
ミウ・ミルまでは現代の食べ物でも大丈夫だし、偵察に来た人が他の人達を呼んできたら全員に振る舞いましょう
もし親切な理由を聞かれたら「守るべき人達がいれば張り合いが出ます」

帰りは用心しながらだけどエインは子供達の遊び相手お願いね


八蘇上・瀬理
【人柄】マイペースな姉気質の関西弁鬼人
【心構え】面倒くさがりだが、仕事となるとスイッチが入る
※味方との協力、絡み大歓迎、他の人の遊びにも嬉々として混じる

ここら辺に隠れとる人らを探して、保護するんが最初の仕事やね。りょーかいや。しかも大っぴらに仕事で遊んでええっちゅう話を聞いたんやけど。ほんまにええの?後で何か請求されたりせえへん?…そう?そしたら遠慮なく!(きゃっほうと意気揚々に水辺へ繰り出すサボリ大好き鬼人)

なにしよかなー、まようなー、他の人と一緒に水かけとかー?川で漁った魚で串焼きパーティーとかー?せや、水着も最近新調したしあれ着てこ!

隠れながら近寄る人がおったら、焼いた魚の煙を扇いでそっちへ向けよかな。腹のなる音が聞こえてきそうやね。そこの兄ちゃん。魚、食うかい?(ニヒルな感じを出すつもりが、見た目は可愛い姉ちゃん達のグルキャン状態)

子供がおったら優先して食わせるで。そんでミウ・ウルまで周辺警戒しつつご招待や。鬼神変で大きくした腕にたくさん子供乗せて歌でも一緒に歌いながらなー。


 いったん停止したミウ・ウルから降りて、ディアボロスたちは川べりへと降りた。
「ここら辺に隠れとる人らを探して、保護するんが最初の仕事やね?」
 着実に仕事を遂行するためにと、八蘇上・瀬理(鬼道漫遊奇譚・g08818)が確認する。
「はい。上手く誘い出せば、保護する一般人を探す手間が省けるということですね」
 レイ・ディース(光翼のダークハンター・g09698)はメーラーデーモン『エイン』を、頑張ろうねと胸元でぎゅっと抱える。そうしているだけでレイは楽しくなってくるから、これを一般人に伝えることができれば、きっと大丈夫に違いない。
「りょーかいや。大っぴらに仕事で遊んでええっちゅう話を聞いたんやけど、ほんまにええの? 後で何か請求されたりせえへん?」
 瀬理に聞かれ、レイはきょとんとする。
「請求?」
「遊んだ分の対価を払えとか」
「え、無いですよー。楽しんで誘い出そうという依頼ですからね」
 レイは笑って首を振る。
「そう? そしたら遠慮なく!」
 きゃっほうと声をあげ、瀬理は川へと繰り出した。

「水着を新調しておいて良かったわ」
 スカイブルーとプルシャンブル―。洒落たデザインのビキニの上に上着を羽織り、瀬理は川をのぞき込む。
「小魚おるやん。これ、食べられるんかな?」
 焼いてみればわかるだろうと、瀬理は魚のつかみ取りに挑戦する。そっと近づいて手を伸ばし……。
「あー、逃げられてもうた」
 惜しそうに逃げてゆく魚を見送り、今度こそと次の魚に狙いを定める。
 レイはエインにすっぽりと綺麗な色の浮き輪を被せてから、川に入る。今年、エインと一緒に水着コンテストに出たときの水着は、シーグリーンのビキニ。同色のリボンを結んだ麦わら帽子はエインとお揃いだ。
「きゃっ」
 ぱしゃっとエインに水を飛ばされて、レイは腕で顔をかばった。
「もう、エインはいたずらっ子ですね」
 負けませんよと、レイも両手に水を掬って、えいっとばかりにエインに飛ばして、水のかけあいっこ。ビキニの上に着た防水仕様の白いサマードレスの裾が、川の流れにゆらゆら揺れる。
 楽しそうに見せるというよりは、実際本当に楽しくて、レイはエインと大はしゃぎで川で遊んだ。

 そうして川遊びを満喫している視線の端に、こちらを窺う人影が映る。
 最初は遠くから。
 そして興味を惹かれたのか、こちらへと徐々に近づいてくる。
「エイン、アイスクリーム食べますか?」
 レイはクーラーボックスから取り出したアイスクリームを、エインにあーんして食べさせた。隠れ住んでいるのなら、食料もふんだんにはないだろう。おいしそうなものを見せれば、きっと興味をひける。
 川で獲れた魚を焼いていた瀬理は、勢いよく煙を扇いでそちらに向けた。
 魚の脂がじゅうと焼けた芳しい匂いが届いたのだろう。思わず顔を出した青年に、瀬理は声をかける。
「そこの兄ちゃん。魚、食うかい?」
 本人はニヒルに問いかけているつもりでも、キュートな水着姿の瀬理では、どこまでいっても可愛い印象しか与えられていなかったりする。
「何をしている」
 青年の問いかけに、レイと瀬理は顔を見合わせ。
「川遊びですね」
「遊んどるように見えへん?」
 2人の返事に青年は眉を寄せる。
「亜人に見つかったらどうするんだ」
「大丈夫。良かったらみなさんで避難しませんか。私たちの船は広くて食べ物も水もたくさんあって安全ですよ」
 レイは仲間の用意した食べ物も含めて、口福の伝道者で増やしてみせた。
「腹いっぱい食べて安心して眠れる場所に、集落まるごとご招待や」
 瀬理が串焼きにした魚を振ると、青年は迷いながらも川べりに降りてきた。警戒しながら青年は料理を食べ、その安全を我が身で確かめる。
「少し待っていてくれ」
 いったん姿を消した青年は、次に数人の人々を伴って戻ってきた。それらの人々で相談し、大丈夫だと判断すると、今度は集落の人々全員を連れてやってくる。
「なぜ、助けてくれるんですか?」
 瘦せこけた女性に尋ねられたレイは答える。
「守るべき人たちがいれば張り合いが出ます。無事でいてくれることが私たちの支えになるんです」
 集落の人々が料理を食べ終えるのを待って、レイと瀬理は彼らをミウ・ウルへと案内していった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】がLV3になった!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】がLV3(最大)になった!
【能力値アップ】LV1が発生!

一・百
周囲を哨戒…
ミウ・ウルの進路や向かう方角を確認し先行

狐変身して崖の上へと駆け上ろうか、足りない部分は浮遊で…
ズルじゃないよ、ちょっと楽してるだけだから
とか言いながらジンのキューコンの背に乗って楽々高い場所へ
それからキューを普段の狐姿ではなく、見つけにくいエネルギー体の姿になってもらい手分けして慎重に探そう

さて狐の本領発揮とか言ってみたり
高いとこで身を低くすれば相手からは見つけにくいだろうしな…
バビロンを目指しているなら通りそうな場所を調べ敵を見つけよう

斥候って名前がついてるが、今回はアリストテレスと旅のようだしな…
護衛みたいな感じなんだろうか…
どのみちアリストテレスは隠密行動とかとれなそうだし
しっかり高いとこから探せば見つけられるはず

敵を見つけたら人の姿に戻り進路妨害も兼ねてミウや他へ簡単にいけないよう防衛ラインを密かに
(パラドクス通信があればそれで仲間には連絡情報共有)

仲間が合流したらいつでも攻撃できるように仕掛けやすい場所の確保
それとアリストテレスと分断できるように隠れて待機しよう…


八蘇上・瀬理
【人柄】マイペースな姉気質の関西弁鬼人
【心構え】面倒くさがりだが、仕事となるとスイッチが入る
※味方との協力、絡み大歓迎

さて、リラックスもできたことやし、次の仕事いってみよかー。
索敵っちゅうことらしいから、まずはミウの進行方向に先行して偵察に出るわ。けど、こういうのは頭数と情報共有が大事やから、見聞きしたことは詳細に、きっちしパラドクス通信で味方に伝えるし、味方と行先が被りそうなら別方向に偵察に出るで。

時々は、高台や高木に上って敵の姿が見えへんか確認しよかな。こっちも見つかる可能性あるけど、飛翔で飛び回るよかマシやろ。それに見つかって会敵したら即通信で伝えればええんやしな。

後は、せやなぁ……足音、臭い、この辺は注意やね。今回の敵には犬系の斥候兵がおんねやろ?多分気配とか消して移動すんの得意なんちゃうかな。不意打ちを食らわんように、ミウの方へ抜かれんように、ようよう注意して見張らんとね。


 川で接触した人々は、ミウ・ウルへと収容された。
 亜人の人間狩りから隠れ住んでいた人々は疲弊していたが、ようやく安全な場所に来られたのかと、ほっとした様子を見せていた。
 このまま一路スサを目指す、といきたいところだが、敵のディヴィジョン真っただ中ではそうもいかない。
「さて、リラックスもできたことやし、次の仕事いってみよかー」
 八蘇上・瀬理(鬼道漫遊奇譚・g08818)はぐっと伸びをすると気分を切り替えた。
「索敵っちゅうことらしいから、まずはミウの進行方向に先行して偵察に出るわ」
「俺も出るよ」
 ミウ・ウルが取る進路を確認し、一・百(気まぐれな狐・g04201)は瀬理と手分けして哨戒区域を決めた。可能な限り早く亜人を発見し、ミウ・ウルへと報せるため、進行方向を左右に分けて偵察する。
「なんかあったらすぐ連絡してな」
 こういうのは情報共有が大事だからと瀬理がパラドクス通信を展開すると、ディアボロスの手の中に小型通信機が現れる。
「今回の敵には犬系の斥候兵がおんねやろ? 多分気配とか消して移動すんの得意なんちゃうかな。足音、臭い、この辺は注意やね」
 今回遭遇しそうなトループス級は狐の亜人である『テウメッサの斥候兵』と聞いている。身を隠して近づいてこられると厄介そうだと瀬理は危ぶむ。
「斥候って名前がついてるが、今回はアリストテレスと旅のようだしな……護衛みたいな感じなんだろうか」
 相手はミウ・ウルを探しに来るのではなくバビロンの様子を見に来るのだから、斥候の任務のときとは違い、隠れ潜みはしないだろうと百は判断する。もし敵が身を隠すとするならば、それはミウ・ウルを発見しこちらを急襲しようというときだろうが、百の受けた印象ではアヴァタール級のアリストテレスは隠密行動に長けているようには見えない。
「なんにせよ、不意打ちを食らわんように、ミウの方へ抜かれんように、ようよう注意して見張らんとね」
 これからまだまだ役に立ってもらう予定の船だ。今後の蹂躙戦記イスカンダルの攻略のためにも、ミウ・ウルを損なうことなくスサに送り届けなければと、瀬理は哨戒に出た。

 蹂躙戦記イスカンダルの大地を、ミウ・ウルが進む。
 概ね見通しは良いが、それは敵がこちらを見つけやすいということにも繋がる。
「忍び寄られて急襲されたらたまったもんじゃないからな」
 亜人がこちらを襲う前に発見しなければならない。相手がこちらに気付く前に見つけられれば、対応のための時間もとれる。
 どうすれば早く発見できるだろうかと周囲を見渡した百の目が、前方に見えてきた高台を捉えた。
 あの上からなら、遠くまで見通せるだろうか。だが、高い場所に人が立っているのが亜人たちの目に入ったら、却って目立ってしまうだろうか。
「さて狐の本領発揮だな」
 高台に向かって駆けていた百の姿が、人から狐へと変わる。
 黒狐に変じた百は、ジンのキューコンの背に掴まって、高台へと上った。
 狐姿で身を低くすれば敵からは発見されにくい。発見されたとしても、人の姿があるよりは相手の警戒心を煽らないだろうとみての変身だ。
 キューコンをもやもやとしたエネルギー体に薄れさせておいて、百は目を凝らす。
 バビロンに何が起きたのかを知るために、アリストテレスはテウメッサの斥候兵を連れ、急ぎ進んでいるはずだ。だとすればどこを通るか。
 百は高台の端を辿るようにして、敵の姿を探した。

 ある程度先行したところで、瀬理は背後を振り返った。
 かなり離れたと思ったのに、陽を弾いて金色に輝いているミウ・ウルが見える。
「やっぱ目立つわ」
 巨大砂上船には隠密性の欠片も無い。近づかれたら敵の目に入るのは必定。敵を振り切るほどのスピードも出せないから、良い的にされてしまう。
 ミウ・ウルの進路を先行しながら、瀬理は百とは逆の側に注意を払う。平地を進むだけでは敵を見落とす恐れがあるからと、時折、高台や高い木に上って目を凝らした。
 敵に自分が発見されてしまう危険はあるが、飛翔で飛び回るよりは良いだろうとの判断だ。
万が一、瀬理が敵に発見されるようなことがあれば即仲間に伝え、救援機動力で駆けつけてもらうこともできるだろうし。
そんなことを考えながら、繁った木の枝をぐいと押しのけ、身を乗り出した瀬理の目に、こちらに近づいてくるものたちの姿が映った。
 敵かどうかはまだ判別ができない。瀬理は全力で駆けてもう少し近づくと、今度はさきほどよりも慎重に前方を観察する。
 ……狐の亜人だ。
「いたで!」
 瀬理はパラドクス通信を通じて、敵の位置を仲間へと報せた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【浮遊】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【ダブル】LV1が発生!

曖明・昧 (トレインチケット)



シャーロック・フォスター (トレインチケット)



 バビロン目指して進みながら、テウメッサの斥候兵は何度も背後を振り返った。
 アリストテレスは周囲の様子をしきりに見回しており、進みはあまり速くない。テウメッサの斥候兵だけならもっと進めただろうが、置いていくわけにもいかない。
 アリストテレスと離れすぎないよう速度を落とし、テウメッサの斥候兵はだらだらとしたペースで歩いていた。
 そこに。
 前方からわっと声があがる。
「敵襲だ!」
 テウメッサの斥候兵ははっと顔を引き締めると、ナイフを手に飛び出した。
「よくわかんないけど、こいつらを倒せばいいんだな」
 曖明・昧(十星連・肆妖『無知蒙昧』・g06110)はフェアリーソードを構えた。よくわからないが、ただの剣だと思う。ただ、振ると妖精が召喚できたりするけれど。
 昧の振るう剣より召喚された妖精は、上空から降ってきてテウメッサの斥候兵の脳天へと命中する。
 がくり、と首への衝撃に揺れたテウメッサの斥候兵は、昧めがけてナイフを投擲し、刃の雨で反撃してきた。
 そこにまた、昧はパラドクス【兼弱攻昧】で妖精を降らせた。
 妖精が降り、ナイフが降り、妖精が降り、ナイフが降り。
「まるで雨みたいだな」
 昧は水滴が石を穿つという話を思い出していた。
 そんなものが降ってくるなんて恐ろしい。よくわからないが、雨を避ける技術を身につけなければいけないな、なんてことを昧は考える。
「僕たちもいこうか」
 シャーロック・フォスター(月影に咲く・g04620)の呼びかけに姿を現した妖精たちは皆、ふわりと柔らかな白光を抱いている。
 そんな妖精に寄り添われ、シャーロックの肌と髪はいっそう白く輝くようだ。
 三日月掲げる白雪色の魔術杖を手に、シャーロックが狙うのは昧が傷を負わせたテウメッサの斥候兵。標的を重ねることで、着実に敵の数を減らすのを目して。
 妖精たちと連携しながら振るう杖。
 そのシャーロックの背に、忍び寄ったテウメッサの斥候兵がナイフを突き立てた。
「……引っ込んでてよ」
 後ろ手にシャーロックは魔術杖を突き出した。杖を絡み彩る蔦がテウメッサの斥候兵に当たって砕け、砕けた蔦は再び三日月に寄り添うように再生を遂げた。
 心配そうな妖精に、シャーロックは小さく頷きかける。
「大丈夫。僕はこんなところで倒れたりはしない」
 無理せず、けれど必ず敵を倒して新宿島へと戻るのだから、と。
善戦🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【セルフクラフト】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
【命中アップ】LV1が発生!

ロジェス・アンローズ (トレインチケット)



シズク・ヴィレッジレイン (トレインチケット)



備傘・鍬助 (トレインチケット)



 バビロンへの道を辿りながら、アリストテレスは周囲に観察の目を向けていた。
 もしバビロンで何かが起きているのなら、その影響がどの辺りまで及んでいるのかも知っておきたいし、自分が立てた仮説のうち、どの可能性が高いのかも検証しておきたい。
 そんな思索を巡らせているところに、テウメッサの斥候兵からの報告が入る。
「ディアボロスの襲撃だ」
 はっと物思いから引き戻されたアリストテレスの目に、おされて歪むテウメッサの斥候兵の隊列が映った。
「何故ディアボロスが……もしや、バビロンの異変の原因もそうなのか」
 ならば、と仮説のうちから推論を掬いあげようとするアリストテレスに、ロジェス・アンローズ(偽薔薇卿・g00347)はやれやれという様子で肩をすくめる。
「戦いのさなかに考え事とは、少々油断が過ぎないかい? そんな君には仕置きが必要だね」
 ロジェスの形の良い口唇から、歌声が流れ出す。
『Dors bien, mon petit ange. Bonne nuit, fais de beaux rêves.』
 それはいつか聴いた子守唄。
 お眠りなさい、愛しい子。お休みなさい、良い夢を。
 子どもを安らかな眠りへと誘う優しい【揺籃歌】。けれど魔法の力がこめられた歌は、くらりと眩暈のする睡魔となってアリストテレスを揺さぶった。
「貴族とはか弱き民のために命懸けで戦うもの。ノブレスオブリージュだよ!」
 亜人を恐れ身を隠す民を解放するのは、貴族としての役割だと、ロジェスはアリストテレスを見据えた。
 眠気を振り払おうというように頭に手をやりながら、アリストテレスは反撃の【大賢者の学舎】を呼び出した。ロジェスの目の前には神殿の学舎の幻覚が出現し、アリストテレスを慕う人々……それも幻覚ではあるのだが、ロジェスへと襲いかかる。
 だがそこへ、
『お前の弱点など、私には全部お見通しだぞ!』
 シズク・ヴィレッジレイン(翠の妖精・g05842)が古代樹の枝から作られた長弓、エルヴンボゥに番えた矢を向けた。
 腕の力ではなく魔力で弦を引くエルフ族秘伝の魔弓で、狙いすまして放つのは、パラドクス【惡を穿つは真なる魔弓】の魔法の矢。
 風を切って飛ぶ矢は、シズクが見切ったアリストテレスの弱点へと突き立つ。
 喉元に矢を受けて、アリストテレスからぐふっと息が漏れた。だが受けた矢は一息に抜かれ、打ち捨てられる。
「さすがに一撃で貫かれはしないか」
 それも予測のうち。さて何撃耐えるだろうかと次の矢を準備するシズクの周囲を、アリストテレスは本を手にして歩いた。
「自分に勝つこと。これこそがこの世で最も難しい勝利であるといえよう」
 口にする言葉に呼応して、本から発射された炎のエネルギーがシズクに命中する。
「炎か。ではこんな火はどうだ?」
 備傘・鍬助(戦闘医・g01748)が薄く笑うと、その周囲に九つの炎が現れた。ぽうと浮かぶそれが普通の炎でないのを見て取って、アリストテレスは目をすがめる。
「これは……?」
『狐火だ。この火にどんな効果があるか……。自分自身で体験するがいいのだよ!』
 にやりと笑う鍬助に操られ、狐火がふわふわと飛び回り、アリストテレスを幻惑する。元々このパラドクス【狐炎舞】は、光による瞬間催眠による治療中の痛みをごまかすために鍬助が生み出したものではあるが。
「たとえば……こうだ!」
 つとアリストテレスに寄った狐火がごうと熱く燃え上がる。
 アリストテレスは敏捷に下がり、不意に高温になった炎から距離を取った。
「ほう。意外性で虚をつこうというのか」
 面白がるように口の端をあげたアリストテレスの反撃の鞭が、目にも止まらぬ速さで鍬助を打ち付けた。
善戦🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【口福の伝道者】がLV4になった!
【託されし願い】LV1が発生!
【狐変身】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV3になった!

一・百
テウメッサ…狐か…
何だか狐の敵を見るとざわざわするが、まあいい…
アリストテレスとの距離を確認しながら狐による本当の狐狩りを…

ジンのキューコン(狼程の九尾の銀狐姿をとらせてる)と敵の狙いを分散させるよう攪乱するように動き接近し
紅玉姫を抜き、妖気を刀にも纏わせ氷刃で斬りつけながら斬り込む

氷刃は足など動きを妨害するように貫き華を咲かせ
その間に自分は死角へと回り込む
忍び足は俺の方が上
音もなく近付き、心臓を背中から突き刺す。
その刃からも冷気がテウメッサを凍らせるよう蝕む。
こちらの背後にも忍び寄ろうとすると思うが
充分にキューと死角は作らないよう警戒し
多少の傷はアヴォイドで耐えたりドレインで回復できる程度に抑えよう

お前達に恨みは無いが、人を害するものは全て斬る…
東には大王も、まだ法正もいるんだろうか

さて、アリストテレスだったか…
後はお前も片付け、全ての口を閉ざそうか
何が起きたか知っても伝える術を断てばいい


八蘇上・瀬理
【人柄】マイペースな姉気質の関西弁鬼人
※味方との協力、絡み大歓迎

お、さっそく仕掛けてくれた味方がおるみたいやな。そしたらうちも狩りを始めよか(口の端を吊り上げて嗤う)

言うていつものやり方やけどな。障害物の間を移動しながら雷弾で敵をぶち抜く、ただそんだけや。敵集団の周囲を常に回り込むように動き回りながら、後背を突かれんように立ち回りつつ弾幕をはる。投げたナイフの先に、もううちは居らん。接近する敵は優先撃墜するか、距離をとってブッシュに一旦引くけど、すぐ移動して別のとこから攻撃再開すんで。敵に攻勢の、考える機会を与えたらあかん。守勢に回っとううちに息つく間もなく押し潰す、電撃戦の基礎や。

そろそろ狐狩りもおしまいか。最後まで油断せず行こ。ただ、手の内はあんまし見せん方がええな。あっちの敵が熱視線送って来とるし(アリストテレスの方を見やりながら鼻を鳴らす)


 八蘇上・瀬理(鬼道漫遊奇譚・g08818)のパラドクス通信により、バビロンへと移動中のクロノヴェーダの位置がミウ・ウルへと知らされた。
 救援機動力で駆けつけたディアボロスたちが攻撃を開始するのを見て、瀬理は身を隠していた場所から出た。
「哨戒の役目は果たせたっちゅうことやな」
 この位置からはまだミウ・ウルは見えない。敵にミウ・ウルを損傷されることなく戦える。
「そしたらうちも狩りを始めよか」
 ゆっくりと。瀬理は口の端を吊り上げ……嗤った。

 斥候として動いていたのなら、テウメッサの斥候兵らも身を隠し、こちらの気配を窺っていただろう。だが、今回与えられていたのはアリストテレスに随行する任務だ。
 そのアリストテレスがディアボロスによる攻撃を受け、テウメッサの斥候兵は浮足立っている。
 瀬理は彼らに気付かれぬよう、出来るだけ障害物の陰に隠れながら近づいた。
 体内で走らせている電荷のスピン半径を極限まで圧縮し、
『――穿ち灼け』
 親指と人差し指で鉄砲の形を作ったその指先から、超高圧高速で射出する。
 瀬理のパラドクス【雷弾】は、アリストテレスを助けに入ろうと動きかけていたテウメッサの斥候兵3体を、次々に貫いた。
「こっちにも敵がいるぞ!」
 吹っ飛んだ仲間に気付いたテウメッサの斥候兵が声をあげる。
 その隙に瀬理の背後へと回り込んだ敵が、鋭く砥がれたナイフを音もなく突き出した。
 だが、そのナイフが背に触れるか触れないかのタイミングで、瀬理は横跳びに飛んで刃を避けた。
「いつまでもそんなとこにおるほど、のろまやないで」
 力尽きてごろりと転がる斥候兵に一瞥をくれると、瀬理はいったん茂みに引いた。だがそうしたのは、敵から隠れるためではなく、敵を襲うため。
 茂みの裏を移動した瀬理は、別の位置から雷弾を撃ち出した。

 逆側を哨戒していた一・百(気まぐれな狐・g04201)も、敵発見の報を受けすぐさま戦場へと駆けつけた。
 敵はアリストテレス、そしてテウメッサの斥候兵たち。
「テウメッサ……狐か……」
 百の視線は、テウメッサの斥候兵の頭にぴんとたつ狐耳、揺れる狐尻尾へと吸い寄せられる。
 イスカンダルの狐の亜人を見ると、胸がざわざわするのは何故だろう。恐怖でもなく武者震いでもなく、なんだかいやな感覚が背をのぼってくるような……。
 だが敵を前に、その理由を探っている時間はない。
 百はアリストテレスとの距離を確認すると、テウメッサの斥候兵の間へと走り込んだ。
「これが狐による本当の狐狩りだ」
 百の言葉を受けて、ジンのキューコンが戦場を攪乱するように、あるいは獲物を追い立てるかのように、長い尾を引いて飛び回る。
「またディアボロスか」
「なんでこんなところにいやがるんだ」
 吐き捨てるように言いながら、テウメッサの斥候兵たちも負けじと敏捷に動き回り、百を攪乱しようとした。その動きに目を奪われれば、別の斥候兵に死角に入られ攻撃される。
 だが。
「忍び足は俺のほうが上だ」
 百はその更に背後に回り、妖刀『紅玉姫』を抜き払っていた。
 紅玉のごとく輝く刃にまといつく妖気が、凍えるような冷気となって溢れ出す。
『舞え、紅玉姫……』
 斥候兵の背中へと突き出したその妖刀の先が、胸へと抜ける。
 テウメッサの斥候兵を傷つけるのはそれだけではない。妖刀が斬りつけたその傷口からは、氷の刃が何枚も飛び出し、さながら氷の華のように広がり咲いた。
「ぐあ、っ……」
 テウメッサの斥候兵の口から血がしぶき、そして身を丸めるようにして倒れた。それを百の目が見下ろす。
「お前達に恨みは無いが、人を害するものは全て斬る……」
 相手どらねばならない敵はまだ多い。
 百は紅玉姫を構え直すと、次の敵へと氷の刃を舞わせた。

 ディアボロスの襲撃を受け、テウメッサの斥候兵たちは倒れていった。
「そろそろ狐狩りもおしまいやね」
 残る敵は数えるほど。だが、最後まで油断は禁物だ。
 テウメッサの斥候兵を片付けつつ、瀬理はアリストテレスを見やった。アリストテレスもディアボロスと交戦中。だがその合間にこちらの様子を窺うあの目は一体何を考えているものやら。
「(手の内は見せへんよ)」
 瀬理はふんと鼻を鳴らした。
 そして遂に最後の斥候兵が骸となって転がると、百は1人残ったアヴァタール級へと視線を送った。
「さて、アリストテレスだったか……。後はお前も片付け、全ての口を閉ざそうか」
 クロノヴェーダにこちらの情報は渡さない。
 ここでディアボロスと会ったことも何もかも、伝えるすべを断つための戦いを。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【完全視界】LV1が発生!
【パラドクス通信】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【ダブル】がLV2になった!

虹色・クリア (トレインチケット)



 倒され転がるテウメッサの斥候兵に、大賢者・アリストテレスはやれやれと肩をすくめた。
「名誉ある役目を与えたというのに不甲斐ない。知ることへの探求心があれば、こんなところで倒れて良いかどうか、分かりそうなものだ」
 バビロンの現状を確かめようという気概はないのかと嘆くアリストテレスの前に、虹色・クリア(デーモンのワールドハッカー・g03195)が立ち塞がった。
「探求心があったって、もうどこにも行かせないよ!」
 アリストテレスはここで倒す。彼の足がバビロンの地を踏むことはない。
 クリアは手にしたツールで悪魔爆弾を呼び出した。
 呼び出されたデモニックボムたちはコウモリの如く、アリストテレスにたかり、爆発する。
「愚かなことを。儂を誰だと思うておる」
 アリストテレスの言葉とともに、クリアの前に神殿の学舎が現れた。その学舎から溢れるように、アリストテレスを慕う人々がクリアへと襲いかかってくる。
 学舎も人々も幻影だけれど、四方から浴びせられる攻撃から受けるダメージは現実だ。
 けれど、
「簡単に倒れてはくれないのは分かってる。でも、負けないよ!」
 クリアはなんでもないように笑ってみせると、再び悪魔爆弾を呼び出した。
善戦🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!

シャムス・ライラ
哨戒任務、護衛撃破、双方に感謝を
そっと妻の雄姿(g04201)を見守りつつ出撃準備は万全
此方も詰めを
情報を持ち帰らせるわけにはいきません
ここで終わっていただきましょう

P通信で仲間と情報共有、連携を

アリストテレス
考える暇は与えない
仲間が敵の弱点を見切ってくれた
ならばそこを突いて
錬晏の協力もありがたく
光学迷彩を利用して潜みつつ
岩陰からエアライドで速やかに接敵
ごく低空の飛翔でスライディングするように足元を掬い
体制を崩させたら
日狂星落乱舞で敵を討つ
蹴り、突き、抉り、砕いて、地面に叩きつけるようにして一撃離脱
戦闘の土埃も完全視界でフォロー

敵攻撃は周辺の岩場等
予めセルフクラフトで作っておいた壁等を利用しつつ
素早く動き回って狙いを定めにくくし損害を減らす
言霊での攻撃
…どのような言葉でもうちの妻の心のツボを抉り込むような一言には適いません
既婚者の耐性を甘く見ないで頂きたい

仲間達がここまで積み上げたのだからけして逃すわけにはいきません
防衛ラインで退路を断つよう立ちふさがり
仲間と連携して止めを

アドリブ等歓迎


夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎

ミウ・ウルの歩は、ここで止まるべきではないよな
仲間が見出した道を、更に切り拓くためにも
目の前の敵はここで討ち取ろう

救援機動力で仲間と合流
偃月刀に朱殷の闘気で形成した怒龍を纏わせて、臨戦態勢に入る

なるほど、喉な

と狙いを定めれば【エアライド】を使って立ち位置を頻繁に変え
アリストテレスの視線を定めさせないように<撹乱>
一瞬の隙を突き朱殷の怒龍の牙を、その喉元に穿ち<グラップル>

これで嚙み切れずとも一時なら動きを阻害できるだろう
そのまま偃月刀を振りかぶり畳み掛け、派手に立ち回ることで、シャムスの存在をより薄く

【トラップ生成】で地中浅くに仕掛けた爆竹を発動すれば
土埃に紛れて死角に入り、虚を突く<薙ぎ払い>を叩き込む

最近では見慣れてきたシャムスの愛妻家っぷりに笑みも零れるものの
戦場では油断はせず、視線はアリストテレスへ

数多の戦を経験してきた<戦闘知識>をもとに鞭の軌道を体の構え、手の動きから<看破>して鞭を偃月刀で叩き伏せ、ダメージを軽減

共闘する仲間にはディフェンスを


八蘇上・瀬理
【人柄】マイペースな姉気質の関西弁鬼人
【心構え】敵は誰一人生かして帰さへん。見敵必殺や。
※味方との協力、絡み大歓迎

さーて雑魚は片付いたけど…わーお。
インファイトからアウトレンジから、たこ殴りやなーあの敵。
このままでも十分そうやけど、ま、その可能性を完全なもんにしたろかねっと。

はい、いつもの嫌がらせセット入るでー。
味方の攻撃を敵が避けよう、としたそこに爆撃!
敵が味方に攻撃しよう、としたタイミングで爆撃!
目潰し、足払い、横槍、死角攻め、うちが敵の立場なら絶対嫌がる場面で味方の攻撃の合間に差し込むように蓮嘗めをぶちかましてくで。

痛いやろー、ただの嫌がらせやと思て無視できる威力や無いからな。けどこっちに気ぃ取られたらそれこそお陀仏や。うちが来たからには、あんたの勝ち目は100%無うなった。どんな起死回生の一手も、うちが潰したるからな。おとなしく往生しぃ。もちろん、逃がすわけ無いやろ?あんたが逃げ出すタイミングも全部想定済みや。後ろからじっくり観察さしてもろたからな。


 駆けつけた戦場にはテウメッサの斥候兵の骸が転がり、その中でまだ立っている大賢者・アリストテレスにも、ディアボロスの攻撃が浴びせかけられていた。
 よくぞここまでと、シャムス・ライラ(極夜・g04075)は敵を哨戒し、護衛を撃破した仲間へと……その中でも自然と目に飛び込んでくる百の雄姿へと賞賛の視線をあてた。
「さーて雑魚は片付いたけど……」
 テウメッサの斥候兵を片付け終えた八蘇上・瀬理(鬼道漫遊奇譚・g08818)は、次は、とアリストテレスに目をやり、わーお、と呟いた。
「インファイトからアウトレンジから、たこ殴りやなー」
 護衛を失い、ただひとりとなった敵に攻撃が集中するのは当然だが、アリストテレスに向けられたディアボロスの攻撃の容赦無さに、瀬理は笑ってしまいそうになる。このまま戦いを続ければ、倒せそうだとも思えるが、
「ま、撃破の可能性を完全なもんにしたろかね」
 油断して手抜きはしないと、瀬理はするりとアリストテレスを回り込むように動き出す。
「目的地まではあとわずか。ミウ・ウルの歩は、ここで止まるべきではないよな」
 夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)の左手が、龍の透かし彫りが施された偃月刀を振り上げ構えた。その黒刃には、錬晏の必滅の意志を表して、赤い闘気が怒龍となって纏わりつく。
「仲間が見出した道を、更に切り拓くためにも、ここで討ち取ろう」
 錬晏の声に、シャムスも頷く。
「ええ。此方も詰めを」
 情報を一片たりとも持ち帰らせないためには、アリストテレスを逃してはならない。
「仲間が敵の弱点を見切ってくれた。ならばそこを突き、ここで終わっていただきましょう」
 皆が積み重ねた行動の先に、最善の結果を出すために。

 シャムスの口にした弱点という言葉に、錬晏はさきほどシズクがアリストテレスの喉元に矢を撃ちこんでいたことを思い出した。
「なるほど」
 狙いを定め、アリストテレスに肉薄する……と見せかけ、敵の視界を横切るようにエアライドで跳ねる。そうして錬晏が敵の視線を引き付けているうちに、シャムスと瀬理はアリストテレスの意識から外れた位置へと身を潜めた。
『見切れるか』
 錬晏の朱殷の怒龍の牙が喉元を狙う。アリストテレスが錬晏に対処しているうちに、思わぬ場所から飛び出したシャムスが滑り込み、技を仕掛けてくる。
 ならばこちらから打って出ようと、アリストテレスが攻撃しようとすればその瞬間を狙い、
「はい、いつもの嫌がらせセット入るでー」
 絶妙に嫌なタイミングで瀬理がクラスターボムを破裂させ、出端をくじいてくる。
「小賢しい戦い方をする」
 自分の思い通りに戦いをもっていけないことで、アリストテレスは苛立ちを見せた。
「小賢しい? 上等や! うちが来たからには、あんたの勝ち目は100%無うなった。どんな起死回生の一手も、うちが潰したるからな。おとなしく往生しぃ!」
 アリストテレスを慕う人々の幻影に襲われながらも、挑戦的に言い放つ瀬理に、アリストテレスは顔をしかめた。蓄積されてゆく苛立ちは、アリストテレスの心に小さなさざ波を引き起こし、彼の戦いを乱させる。
 岩場や茂みの多い周囲を見渡すと、アリストテレスは身を翻した。
 見通しの良い場所で態勢を立てなおそうとしてのことだろうが、その足はシャムスの引いてあった防衛ラインに妨げられて止まる。
 はっと足下に目を向けたアリストテレスが、ラインを回り込もうとした瞬間、
「逃がすわけ無いやろ? あんたが逃げ出すタイミングも全部想定済みや。後ろからじっくり観察さしてもろたからな」
 瀬理が言い終わるより早く、アリストテレスの脳天にパラドクス【蓮嘗め】が命中した。
 炸裂術式を圧縮したものを詰めた魔法版クラスターボムは、蓮の花のごとくに開き、無数の爆発の音が弾ける。
「痛いやろー、ただの嫌がらせやと思て無視できる威力や無いからな」
「儂の頭にどれほどの価値があるのか理解できぬ輩に制裁を」
 アリストテレスが作り出した神殿の学舎の幻覚により、現れた人々の幻覚が瀬理に襲いかかる。だが、瀬理に気を取られたその隙こそが狙い。
 瀬理の蓮嘗めの爆発音と重なるように、鳴り響く爆竹の音とあがる土埃。
 その中から飛び出した錬晏が空中で跳ねる。
 アリストテレスの目が錬晏の動きを追うその陰で、シャムスは潜んでいた岩場から滑り出るように、ごく低空の飛翔で敵の足元を狙う。
『逃がさない』
 仲間達がここまで積み上げたのだ。決して逃すわけにはいかない。
 気づいたアリストテレスが身をかわそうとするところに、シャムスは勢いをつけて飛びあがり、【日狂星落乱舞】をみまった。
 落とし、回し、突き、抉り、砕き、飛ばす。
 流れるように放つ蹴りと打撃が、アリストテレスを地面に叩きつける。
 突かれた喉に手を当てながら、アリストテレスは手にした本を開いた。
「怒りは、しばしば道徳と勇気との武器となる。儂の怒りを知るといい」
 説き聞かせるように紡がれる言葉に呼応して、本から燃える怒りのエネルギー弾が発射され、シャムスへと命中する。
 赤く弾けるアリストテレスの怒り。だがそれを受けたシャムスはふっと息を吐いた。
「……どのような言葉でもうちの妻の心のツボを抉り込むような一言には適いません。既婚者の耐性を甘く見ないで頂きたい」
 シャムスの愛妻度を表しているような言葉を耳にして、錬晏の口元に笑みがこぼれる。けれど視線はアリストテレスから外すことなく、死角からみまうは【虚突羂挂】。
 アリストテレスの鈍らされた五感の隙から、朱殷の怒龍の牙をその喉元へと穿つ。
 錬晏の攻撃をまともにくらったアリストテレスは喉を押さえた。何かを口にしようとしたが咳き込み果たせず。代わりに眼を張り裂けんばかりに見開くと、鬼気迫る瞬速で錬晏めがけて鞭を打ち付けてきた。
 その鞭打を錬晏は偃月刀で叩き伏せる。防ぎきれずに受けた鞭の残す痛み。
 それが、アリストテレスがこの地に残した最期の痕跡となった。
 よろめき倒れたアリストテレスの、もう何も映すことのない見開かれたままの目は……知りたかったとの無念をこめて、バビロンのある方角に向けられていた。


 敵をすべて倒し終えると、ディアボロスはミウ・ウルへと乗り込んだ。
 保護した人々とともに向かうはスサ。
 もうその目的地は間近だった。
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV2が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV3になった!

最終結果:成功

完成日2023年10月17日