ハルファスのカテドラル

 港区を支配するジェネラル級アークデーモン『死と破滅のハルファス』は、港区の完全な統治すらままならない状態で、品川区の大天使の侵攻を受けていました。
 この侵攻に加え、ディアボロスの攻撃を受け、さらにディアボロスの行った誘導作戦の影響で「江東区のアークデーモン」が侵攻の兆しを見せており、存亡の危機に陥りつつあるようです。
 そのため、ハルファスは、本拠地である東京タワーを中心に、有力なカテドラル(悪魔聖堂)を配置し、根拠地の防衛に徹する構えを見せています。

 カテドラルは『ハルファス』自身が駆けつける事ができる最終防衛ラインです。
 ジェネラル級であるハルファスは、アヴァタール級・トループス級のアークデーモンや大天使の支配権を強引に奪い取って配下にできます。
 そのため、他区の軍勢による侵攻を食い止められていますが、ディアボロスには関係がありません。
 ハルファスの港区絶対防衛ラインを破壊する事で、港区をハルファスの手から解放する決戦を挑めるようになるかもしれません。

港区カテドラル防衛網を攻撃せよ!(作者 青葉桂都
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#TOKYOエゼキエル戦争  #ハルファスのカテドラル  #港区 


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●邪悪の聖堂の信者たち
 港区にそびえる東京タワーを中心に、区内各所に最近次々に灰褐色の建物ができていた。
 区の支配する『死と破滅のハルファス』の命令で作り上げたものだ。
 赤坂にある建物の1つで、儀式が行われていた。
 聖堂を思わせる建物の中には、鳥頭の人型デーモン……ハルファスの像がいくつも並んでいる。
「さあ、お祈りなさいな! ハルファス様のために! 祈りが足りないと、あなたたちもBBQにしてしまいますわよ!」
 アヴァタール級のアークデーモン・ゲヘナの声に応えて、数百人の信者たちが祈りを捧げる。
 橙色の髪をした幼い少女のように見えるが、彼女こそがこの聖堂を守っている主なのだ。
 ゲヘナの周りでは、釘バットをかついだ牛頭のデーモンたちが、祈りが足りない者がいないかと目を光らせている。
 ――不意に、光が聖堂を満たした。
 信者たちがまぶしさに思わず目を閉じる。そして、目を開けたとき、そこには本物のハルファスがいた。
「ハルファス様……!」
「降臨なされた……!」
 信者たちが歓声にも似た声を出す。大鎌を手にした配下に囲まれたハルファスが、厳かに周囲を見渡す。
「皆の者、よく聞け……」
 一歩進み出たハルファスの言葉を、全員が待っていた。
「今、港区に試練の時が訪れている。多くの悪しき者たちがこの地を狙っている……」
 一際大きな声で、ハルファスが呼びかける。
「だが、我が加護のある限り、ハルファスのカテドラルは不滅! 恐れることはない!」
 宣言は歓声でもって受け入れられた。
 信者たちはハルファスの名を、繰り返し呼び続けていた。

●時先案内人の依頼
 新宿島のターミナルで、ウルスラ・シュミット(自由を求める航空突撃兵・g03569)はディアボロスたちへと声をかけた。
「TOKYOエゼキエル戦争では、皆さんの活躍のおかげで港区を支配するジェネラル級のアークデーモン、ハルファスの本拠地が判明しました」
 ウルスラは言った。
「ハルファスは本拠地である東京タワー周辺に多数のカテドラルを建立し、防衛網をしいています」
 港区は現在、品川区の大天使に加えて江東区のアークデーモンから攻撃を受けている。渋谷区の大天使の動向も怪しい状況だ。
 カテドラルにはハルファス本人が出向いて、各区の大天使やアークデーモンの攻撃を退けている。
「ですが、このカテドラルは大天使やアークデーモンを防ぐのに有効でも、皆さんたちディアボロスを防ぐ効果はありません」
 悪魔神殿の最終防衛ラインを破壊することで、ハルファスに決戦を挑むことができるはずだ。
「港区を取り戻すために、どうか協力をお願いします」
 ウルスラはそう言って頭を下げた。

 残念ながら、この戦いでハルファスを撃破することはできない。
 目的はカテドラルの主であるアヴァタール級のアークデーモンを撃破することだ。
 ウルスラが案内できるカテドラルにいる敵はゲヘナ。
 見た目は幼い少女のようだが、地獄の炎で人間を焼き焦がし、食い散らかす残虐な悪魔だ。
「ですが、信者たちのハルファスへの信仰により、アヴァタール級のアークデーモンは強化されており、今のままでは撃破するのは至難です」
 まずはハルファスへの信仰を失墜させねばならない。
 カテドラルにハルファスがいる間、信者たちはディアボロスの言葉に耳を傾けないだろう。
 そのため、まずはハルファスを撤退に追い込まねばならない。
「護衛のデーモンたちを撃破されれば、ピンチになったハルファスは撤退を選ぶはずです」
 ハルファスを守るのは『刈取の悪魔』の集団だ。大鎌による攻撃を行い、威圧的な言葉で判断力を奪ってくる。
 残念ながらハルファスへの攻撃は必ず護衛に防がれるだろう。声をかけることはできるかもしれないが、情報を引き出すのは無理だ。
「刈取の悪魔を殲滅すればハルファスは撤退し、信者たちに声をかけて目を覚まさせることができるかもしれません」
 そうすれば、あとはゲヘナとその護衛を倒すだけだ。なお、ゲヘナの護衛には釘バットやチェーンで武装したヤンキーデーモンたちがついている。

「楽な戦いではありませんが、皆さんなら必ずカテドラルを破壊し、港区奪還への道のりを進めてくれると信じています」
 最後に、ウルスラはディアボロスたちにそう告げだ。

●信者たちの会話
「やっぱりハルファス様は素晴らしいな」
「ああ、あの方を疑う奴らは、なにもわかってないんだよ」
 信者たちが、祭壇で語るハルファスの言葉を聞きながら、小さな声で言いあう。
「カテドラルにさえいれば、必ず俺たちを守ってくださる」
「そうさ、ハルファス様のお力があれば、俺たちは絶対安心なんだ」
 信者たちは、誰もがハルファスの力を頼り切っている。
 ただ、ハルファスのために戦う意志を見せる者は、1人もいなかった。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【飛翔】
3
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【友達催眠】
2
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【断末魔動画】
1
原型の残った死体の周囲に、死ぬ直前の「効果LV×1分」に死者が見た情景が動画として表示される世界になる。この映像はディアボロスだけに見える。
【完全視界】
2
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【建造物分解】
1
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【使い魔使役】
3
周囲が、ディアボロスが「効果LV×1体」の通常の動物を使い魔にして操れる世界に変わる。使い魔が見聞きした内容を知り、指示を出す事もできる。
【操作会得】
1
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【ハウスキーパー】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建物に守護霊を宿らせる。守護霊が宿った建物では、「効果LV日」の間、外部条件に関わらず快適に生活できる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。

効果2

【能力値アップ】LV4 / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV8 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV1 / 【アヴォイド】LV1 / 【ダブル】LV1 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

青葉桂都
 おはようございます、青葉桂都(あおば・けいと)です。
 今回はTOKYOエゼキエル戦争で、アークデーモン『死と破滅のハルファス』のカテドラルを破壊していただきます。

●カテドラル
 港区を他区の大天使やアークデーモンの進行から守るために作られた建物です。
 東京タワーを中心に、港区に多数建立されており、今回のシナリオで突入するのはそのうち1つです。
 なお、ディアボロスに対してはなんの抑制効果もありません。

●死と破滅のハルファス
 港区を支配するジェネラル級アークデーモンです。
 このシナリオで戦うことはありません。護衛である『刈取の悪魔』を全滅させると撤退します。
 ハルファスに対する攻撃はすべて『刈取の悪魔』によるディフェンスが発生します。
 なお、ハルファスから攻撃してくることもありません。対話は可能ですが、有用な情報を漏らすことはないでしょう。

●刈取の悪魔
 ハルファスを護衛するトループス級のアークデーモンです。
 大鎌による攻撃などを行います。

●ゲヘナ
 ハルファスに命じられてカテドラルを守護するアヴァタール級アークデーモンです。
 このシナリオのボスで、見た目は少女のようですが人間をBBQにする残虐な悪魔です。

●ヤンキーエーモン
 ゲヘナを護衛するトループス級のアークデーモンです。
 ボス戦の前に撃破しておかないと、ゲヘナとの戦闘で妨害してきます。

●信者たち
 ハルファスを畏れ従う信者たちです。
 その信仰の強さによってゲヘナの戦闘能力を強化しています。
 彼らの信仰を失わせることで、ゲヘナとの戦いが有利になります。ただし、ハルファスが撤退する前に信仰を失わせようと試みても、必ず失敗します。
(失敗してもいいから説得したい方はプレイングに明記してください)

 それでは、ご参加いただければ幸いです。
 どうぞよろしくお願いいたします。
21

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


飛鳥・遊里
可変装甲バイク【ギガント】に乗って、爆音を上げながら連中の前で停車

『よお、兄ちゃん達ィ。んなとこに居ると撥ね飛ばしちまうゾぉ?』

いや、俺はヤンキーって訳じゃないけど、せっかく挑発するならそれらしくな

【ギガント】で、集団の中に突っ込んで、陣形をひっかき回す。ついでに、【信号拳銃】で煙幕弾ばらまいて、バイクの排煙と一緒に煙だらけにしてやる
こっちは【完全視界】あるから問題はないだろう

『行くぜ、"速度(スピード)の向こう側"に!』

最後に、エンハンスド・フルバーストぶっぱなして、連中を吹っ飛ばしてフィニッシュだ

『これからもクロノヴェーダぶっ飛ばして行くんで夜露死苦!ってな』


緋塚・ヤスオ
戦闘開始直前時点でのだいたいの敵の位置を確認
攻撃のための移動ルートの参考に。
なるべく一般人に被害が出ないような動き方を。

「捕まえられるもんならやってみな!」
その場の地形、建造物を活用した走りで相手に近づき蹴りを。
可能であれば足や関節といった部分を狙う
相手の体勢を崩し、他の味方の攻撃を効率よく活かせるように
敵を翻弄するように立ち振る舞う

チェーンに捕まったとしても引きずるぐらいのつもりで
「引っ張り合いってか…割と得意だぜ、力仕事もな!」

他のディアボロスと連携できるようなら連携する


●ヤンキーどもをぶっとばせ!
 パラドクストレインで港区へとたどりついたディアボロスたちは、ハルファスの聖堂の1つへとそのまま向かった。
 数百人の信者たちが儀式を行えるカテドラルには戦うに十分な広さがある。
「つっても、下手なことやるとあの信者どもを巻き込んじまうからな」
 緋塚・ヤスオ(探偵という名のなんでも屋・g01581)は冷静に突入ポイントを確認する。
 できるだけ一般人に過ぎない信者たちを巻き込まないように。
「この辺から突っ込めば、連中の前に一気に近づけるんだよな?」
「ああ……そういう考え方もできるかな」
 質問に答えた直後、爆音を鳴らして問いかけた青年は敵のど真ん中へ飛び込んでいった。
 可変装甲バイク【ギガント】のタイヤが、カテドラルの床とこすれあい、信者たちの祈りの声を妨害する。
「んだぁ? カチコミかぁ!?」
 ヤンキーデーモンたちが色めき立つ。
「よお、兄ちゃん達ィ。んなとこに居ると撥ね飛ばしちまうゾぉ?」
 ギガントにまたがって、飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)が不敵な笑みを浮かべる。
 もっとも、別に遊里はヤンキーというわけではないのだが。
「あァ? 舐めたクチきいてると……挽き肉になっちまうぞォ!?」
 デーモンたちがチェーンを振り回し始める。
 だが、それが放たれるよりも早く、遊里はギガントを彼らの間へと突っ込ませる。
 大型装甲バイクの重量が、カテドラルの床を割って敵へ近づく。
 遊里が敵を挑発している間に、ヤスオもデーモンたちへと接近していた。
「こっちにもいやがったぞ! 捕まえろ!」
 チェーンが飛んでくるのを、近くにあったハルファスの像に駆け上がって避ける。
「捕まえられるもんならやってみな!」
 伸びてきた鎖の上を飛び越えて、そのままヤスオはデーモンを蹴り飛ばす。
 電撃をまとったその蹴りで感電した隙に、彼は敵の横をすり抜ける。
 周囲が、煙幕に包まれた。
 遊里が放った信号弾によるものだ。
 ギガントの排煙もまき散らしており、煙によって敵の視界を奪っている。
 それでも無数の敵が放つチェーンがたまたま命中することはある。とはいえ、多少鎖に絡まれた程度でディアボロスたちが止まることはない。
「引っ張り合いってか……割と得意だぜ、力仕事もな!」
 巻きついたところをズタズタにされながらも、ヤスオはチェーンを強く引いた。
 敵を引きずったまま、煙の中を跳ぶ。信者たちが並んでいた長机の上を一気に駆けていく。
「後に続く奴らの道をつくってやらねぇと……そこをどきなっ!!」
 跳躍したヤスオは、電撃をまとった蹴りをまた別の1体へ繰り出した。
 敵を足場に、次の1体、さらにもう1体と連続で蹴り飛ばす。
「行くぜ、“速度(スピード)の向こう側”に!」
 チェーンを引きちぎって、遊里のギガントがカテドラルの中を一気に加速する。
 通過した周囲に各種ビットが展開。
 ヤスオの攻撃でバランスを崩したヤンキーデーモンたちへ、ビットによる一斉攻撃が集中した。
「これからもクロノヴェーダぶっ飛ばして行くんで夜露死苦! ってな」
 ヤンキーデーモンへ向けて遊里が宣言する。
 アヴァタール級を守るの数は、すでに半数ほどまで減っていた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【完全視界】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!

桜之宮・春風
クロスタールくん(g01139)と行動
アドリブ連携も歓迎

こんにちはー、悪しき者でーす
不滅のカテドラルだなんて凄いですねー
まー本当ならですけど☆

とゆーわけで護衛を倒して真実を暴いてあげましょー
今回は敵も飛ぶみたいですからこっちも飛んじゃいますよ

クロスタールくんが後ろで見ててくれるから
位置取りとか回避は指示と直感任せの接近戦!
攪乱しながら魔力弾を放って隙を作りまーす

ハルファスを狙うふりして本命は護衛とか
囲まれたときにハルファスに放って意識を逸らすとか
護衛って立場も逆に利用していきたいですねー

後はハルファスの像も余裕があったら壊しておきましょーか
敵への挑発と畏怖をなくすちょっとしたお手伝いってことで


クロスタール・ガイゼル
桜之宮さん(g00839)と行動
また、クロエさん(g01909)とも可能なら連携を行う

アークデーモンがアークデーモンを攻めている…?
同胞ではないのか?興味が尽きませんね

ひとまず人々の目を覚まさねばなりません
その為には――

「敵の頭領には、お帰り願いましょう」

使用パラは【絶氷】
桜之宮さんの後ろより【観察】、敵の位置取りや挙動を把握
敵の攻撃が桜之宮さんやクロエさんに及び、回避が困難になる前に声掛けして注意を促す
桜之宮さんやクロエさんの攻撃に合わせて敵の隙を突き、自分の攻撃を挟んでいく

自分に対する攻撃は【残像】で少しでもダメージの軽減を図れたら

ハルファスについては容姿や言動を確認し
今後の情報に役立てる


クロエ・ブランシェ
クロスタール(g01139)と連携します

どいつもこいつも綺麗じゃなさそうなやつらばっかりですね。大ボスの程度が知れるってもんです

戦闘
予め魔術式を刻んだ宝石類を用いて詠唱を省略しながらアイスエイジブリザードを連射します【高速詠唱】
狙いは顔にでもしましょうか
なにやらうるさい技を使うみたいですしね
人型をとってる以上、顔の筋肉が凍ったら口を動かしにくくなるんじゃないでしょうか。タイミングよくそのでっかい口に氷を詰め込めたら最高ですね
相手の攻撃はクロスタールに観察してもらい攻撃と狙い撃ちに専念します

わたしうるさいやつ、嫌いなんですよ。品のないやつも嫌いなんです
嫌いなやつの言うことって耳に入らないですよね


●刈るべき悪魔たち
 ヤンキーデーモンとの戦いだけでなく、ハルファスとの戦いも始まっていた。
 正確には、ハルファスを守る刈取の悪魔たちとの戦いだ。
「こんにちはー、悪しき者でーす。不滅のカテドラルだなんて凄いですねー」
 桜之宮・春風(明日も春の風が吹く・g00839)が声をかける。
「まー本当ならですけど☆」
 赤茶色の瞳で、彼女は挑戦的な視線を送る。
「貴様ら――何者だ? 初めて見る顔だが、品川区の大天使か江東区のアークデーモンか……いや、何者であろうと構わぬ。我がカテドラルは不滅なり!」
 鳥頭の悪魔が傲然と応じる。
 すると、信者たちが歓声をあげた。ハルファスの名を呼ぶ者もいる。
 もっとも、春風にも、その近くにいる2人のディアボロスにも、近づこうとする者は信者たちの中に1人もいなかった。
「どいつもこいつも綺麗じゃなさそうなやつらばっかりですね。大ボスの程度が知れるってもんです」
 クロエ・ブランシェ(diaphane・g01909)が呆れた声を出した。
 あのハルファスの瞳を覗き込んだら、そこにはどんな色が映っているのだろう。
 もっとも、残念ながらハルファスの瞳を覗き込むに行くような隙はなさそうだった。
「天使だけでなくアークデーモンもアークデーモンを攻めている……? 同胞ではないのか? 興味が尽きませんね」
 クロスタール・ガイゼル(良い狐・g01139)が首をかしげる。
 もっとも、この場で答えが出る疑問ではなさそうだ。
(「ひとまず人々の目を覚まさねばなりません。その為には――」)
 杖を手にして彼は言葉を発する。
「敵の頭領には、お帰り願いましょう」
 クロスタールが静かに告げると春風やクロエも頷いた。
 ハルファスが手を振り下ろすと、刈取の悪魔たちがディアボロスたちへ襲いかかる。
「それじゃー護衛を倒して真実を暴いてあげましょー。クロスタールくん、支援や指示はよろしくねー」
 悪魔の翼で春風が飛翔する。
「ええ、お任せください。さっそく……右にかわしてください!」
 クロスタールの指示に従って、振り下ろされる鎌をかわしながら、春風は魔力弾を放って悪魔たちを撹乱していく。
 敵は春風の周囲にいる相手だけではない。
「ハルファス様に平伏すがいい!」
 耳障りで威圧的な声がクロスタールやクロエへと放たれる。
 少年の横から踏み出して、クロエは魔術式を彫鏤したエメラルドへと意識を集中する。詠唱を省略し、氷の嵐を魔術で生み出す。
(「狙いは顔にしましょうか。なにやらうるさい技を使うみたいですし」)
 人型をとっている以上、顔の筋肉が凍れば口を動かしにくくなるかもしれない。
 手近にいた1体の悪魔の顔を凍りつかせる。
「もう1体攻撃してきますよ!」
 警告の声と同時に、耳障りな叫びがクロエの耳と心を蝕む。
 だが、無理やり想起させられそうになる感情を押し込めて、クロエは開いたままの口に氷を詰め込んだ。
「わたしうるさいやつ、嫌いなんですよ。品のないやつも嫌いなんです。嫌いなやつの言うことって耳に入らないですよね」
 連続で放つ氷の嵐が次々に刈取の悪魔を凍らせていく。
「クロスタールの名に於いて標榜する! 身近なる友よ、凍てつけ!」
 凍らせた敵をさらに凍てつかせるクロスタールの魔法が、刈取の悪魔へとどめを刺した。
 その間に、春風はハルファスへと接近していた。
 敵からの攻撃は、後ろでクロスタールが見ていてくれる。だから、指示だけ聞き落さないように注意しながら、彼女は悪魔の翼でカテドラル内を飛び回る。
 魔力の弾丸がハルファスを狙う――。
「ハルファス様!」
 刈取の悪魔が割り込んだ。だが、それは春風の狙い通り。
 かばってくるのを逆手にとり、春風は刈取の悪魔へと魔力弾を命中させる。
 そのまま敵のそばを通過した瞬間、悪魔が凍りついて砕けた。クロスタールの魔法だ。
(「あいつを狙えば注意を引くこともできそうね」)
 考えながら春風は悪魔たちと空中戦を繰り広げる。
 攻防両面でクロスタールと連携して、春風やクロエは刈取の悪魔を減らしていった。
「ついでにこの辺の像も壊しておきましょーか」
 魔力弾が、カテドラルに並ぶハルファスの像も破壊する。
「不敬な真似を!」
 ハルファスが叫んだ。
(「それでも、戦闘に参戦してくる様子はなし……ですね」)
 クロスタールは2人を支援しながら、ハルファスの言動も観察していた。
 不用意に情報を漏らす様子はない。
「ですが、今はただ覚えておきましょう。いつか、役に立つかもしれません」
 少年が呟く。
 春風とクロエとクロスタール――3人は連携して、刈取の悪魔の数を減らしていった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【飛翔】LV1が発生!
【使い魔使役】LV2が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!

空城・優人
共闘、アレンジ歓迎。

…ハルファスっつーか。
こういうガラ悪ィのがたむろってるのがアレじゃねえか。
俗っぽさで神性を損なうと言うか。なんというか。
…いずれにせよ、邪魔なのは変わりねえな。ハルファスの護衛と混ざっちまうのも面倒だ。やるか。
自分もガラ悪いのをしれっと棚上げしつつ臨戦態勢に。

近接戦闘を主軸に電撃を帯びた拳や蹴りを叩き込む。
チェーンで縛られたら即パラドクス使用。
自身を電磁射出して敵に電撃を帯びたヤクザキック、または頭突きで叩きのめす。
一般人を人質にされたり護衛達に逃げ込まれたりされるのも面倒だ
此処で全部やっちまおう。
共闘するメンツが居たらうまく連携して逃がさず漏らさず全員叩きのめす。


呉守・晶
港区を支配するアークデーモン、ハルファスか
しかし単に力目当てとはいえ、これは完全に悪魔崇拝だよなぁ
デーモンの俺が言えた義理じゃないが、いいのかよそれ

まぁまずはこの聖堂を警備してる奴らを片付けるか
ん?アークデーモンなのに神殿とか聖堂でいいのか?いや、まぁどうでもいいか
しかし悪魔神殿の雰囲気から浮いてんな、ヤンキーデーモン
此処にいる他のアークデーモン達と比べてみると畏怖どころか笑いが取れそうだぞ、お前ら?
はっ、釘バットの間合いまで近づけるもんならやってみやがれ!
シールバスターライフルで魔力の誘導弾を撃って近づけさせねぇぞ
味方への攻撃も一般人を人質にするのも遠距離での誘導弾で妨害して援護射撃とするぜ


●カテドラルのお掃除
 半数ほどまで数を減らしたヤンキーデーモンたちは、ひるむことなくディアボロスたちへ挑んでくる。
「しかし単に力目当てとはいえ、これは完全に悪魔崇拝だよなぁ。デーモンの俺が言えた義理じゃないが、いいのかよそれ」
 呉守・晶(TSデーモン・g04119)が言った。
 まずは配下の悪魔たちを片付けよう……と、考えて晶はさらに気づいてしまった。
「ん? アークデーモンなのに神殿とか聖堂でいいのか? いや、まぁどうでもいいか」
 それ以上にツッコミどころの多い存在が近づいてきたので、晶はとりあえずその考えを打ち消した。
「おらァ! 死にさらせェ!」
 釘バットとバイクチェーンを振り回して、ヤンキーデーモンたちが暴れまわっている。
 数も減っているのに、威勢だけはいいようだ。
 悪魔の翼で飛翔し、晶は釘バットから距離をとる。
 近くではチェーンが蒼い目のディアボロスへと飛んで行った。
「……ハルファスっつーか。こういうガラ悪ィのがたむろってるのがアレじゃねえか。俗っぽさで神性を損なうと言うか。なんというか」
 空城・優人(迅雷・g04393)が呆れ声を出した。
 表情は柔和だが、言うことは辛辣だ。
 自分の柄の悪さは、この際棚に上げておく。言葉と同時に、彼は体をそらしてデーモンのチェーンを回避する。
「だよな。悪魔神殿の雰囲気から浮いてんな、ヤンキーデーモン。此処にいる他のアークデーモン達と比べてみると畏怖どころか笑いが取れそうだぞ、お前ら?」
 宙に浮いたまま後方に移動して、晶はデーモンたちを見下ろす。
「はっ、釘バットの間合いまで近づけるもんならやってみやがれ!」
 空中で彼女は、大剣の鞘を敵へ向けた。ただの鞘ではない。魔創騎士としての技術を用いて鞘はバスターライフルに改造しているのだ。
 魔力の誘導弾がヤンキーデーモンたちへと降り注ぐ。
 残り少なくなってきた敵を魔力弾が貫いて、さらに数を減らしていく。
 デーモンたちは、それでもなお、晶を殴り飛ばそうとジャンプし、攻撃を繰り返した。
 そのいくらかは命中したが、行動できなくなるほどではない。
 優人の方も同じようなものだ。彼の動きは敵を上回っているが、それでも数体からチェーンを飛ばされればかわしきることはできない――。
「アクセラレータッ!」
 だが、チェーンが体に絡みついた直後、優人の動きが加速した。
 縛られ、引き裂かれた傷から飛び出した血が宙を舞う。
 それが床に落下する前に、痛烈な頭突きがヤンキーデーモンの頭に命中する。
 雷魔術によるエンチャントで、自身を電磁射出したのだ。
 倒れる敵には目もくれずに、近くにいた別の1体へ雷を帯びた蹴りを叩きこむ。
 他のディアボロスたちの攻撃も加わり、残っていたヤンキーデーモンたちは雷よりも早くその数を減らしていった。
「く、くそっ! 信者ども、俺の盾に――」
 最後に残った1体が信者たちのほうへ駆け出す。だが、その行く手を魔力弾が阻む。
「そっちに行かせるかよ」
 シースバスターライフルを撃ち終えた晶が空中から宣告する。
 そして、足を止めたヤンキーデーモンの隙を逃すディアボロスたちではない。
 電磁加速した優人のヤクザキックが、デーモンを床に沈めていた。
「逃げられると面倒だからな。ここで全部片づけてやるよ」
 体重を乗せて踏みつけ、とどめを刺す。
 ヤンキーデーモンたちはもう1体も残っていなかった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!

ルキア・アダマント
あれがジェネラル級のアークデーモン……8月15日の決戦にはいたのかな。
どんな戦いだったんだろう……。

でも今は目の前のことね。
ハルファスが戦わずに逃げちゃったら、信者の人たちも気持ちが傾くはず。
そのために、護衛である刈取の悪魔をやっつければいいのね。
それに護衛相手でも私みたいな小娘が渡り合えれば、ハルファスも実は大したことないかもって、みんなの信仰も揺らぐかも。

よぅし、悪魔には悪魔で対抗するわ。
この懐中時計の蓋をぱかっと開くと、【契約召喚】した悪魔が強力な魔法をお見舞いするの。
敵がこっちに飛びかかってきても、目の前でアークデーモンを呼び出して、相手の時間を止めちゃうんだから。(※寿命的な意味で)


●ハルファスの撤退
 刈取の悪魔たちとの戦いも続いていた。
 残り少ない配下に、ハルファスは今も後方から指示だけ出している。花をあしらったドレスを身に着けたデーモンの少女がその姿を見上げる。
「あれがジェネラル級のアークデーモン……8月15日の決戦にはいたのかな。どんな戦いだったんだろう……」
 ルキア・アダマント(金時計に刻む記憶・g04840)は呟いた。
「でも、今は目の前のことね。あと少し……悪魔たちを倒さなくちゃ」
 主の命に従い、大鎌を構えて飛翔する敵を少女は見据える。
「護衛相手でも私みたいな小娘が渡り合えれば、ハルファスも実は大したことないかもって、みんなの信仰も揺らぐかも」
 少女へと執拗に振り回される大鎌をなんとか軽傷でしのぎながら、ルキアは懐中時計を取り出した。
「よぅし、悪魔には悪魔で対抗するわ」
 乾いた金属音を響かせて、懐中時計のケースが少女の手の中で開く。
 目の前には大鎌を振り上げる刈取の悪魔がいる。
 その眼前に――ルキアと契約した悪魔が、出現した。
「あなたの時間、止めちゃうんだから」
 ルキアの言葉通り、時間が止まる。と言っても、懐中時計が刻む時間は続いている。
 ただ……彼女に襲いかかろうとした刈取の悪魔の時間だけ、召喚した悪魔に引き裂かれて永遠に止まった。
 メーラーデーモンのメリーゴートや他のディアボロスと共に、ルキアは次々に残った刈取の悪魔たちの時間を止めていく。

 やがて、残っているのは鳥頭の悪魔……ハルファスだけとなった。
「なんということだ……このハルファスの護衛をこうも容易く打ち破るとは……。仕方あるまい、ゲヘナよ、こやつらを命に代えても打ち砕き、カテドラルを死守せよ!」
 輝きがカテドラルを満たした。
 光が収まった瞬間、すでにその場にハルファスの姿はなかった。
 残っているのは信者たちと、そして祭壇のそばに立つアヴァタール級のクロノヴェーダだけだった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【友達催眠】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!

緋塚・ヤスオ
「さぁて、あんた達が祈っていたハルファス様とやらはいなくなっちまったな」

畏怖の心を失わせる…か。目を覚まさせてやんねぇと駄目ってことかねぇ
…中々に厄介だ。

残ったゲヘナへの警戒は忘れずに。信者たちの間を拳を鳴らしながらゆっくりといい笑顔で歩く。時折信者の肩をやさしくぽんと叩いたりも。
自分達は今守られてはいないと感じさせるための動きと言動を。

「おっと、一応神殿なんだし綺麗にしとかねぇとな」
ヤンキーデーモンや刈取の悪魔が倒れていたら【怪力無双】を使い人のいない方へ放り投げてお片付け

「どうした?あんた達も像みたいに動かなくなっちまったか!」
手近なハルファス像を拳で派手に粉砕も。


ルキア・アダマント
ふふっ、ハルファスの護衛を容易く打ち破っちゃった。

さて……
ここの信者さんたちは、ハルファスというより、守ってくれる誰かが大事みたい。
こんな状況じゃ無理もないよね。
彼らへ語るなら……

ハルファス、ゲヘナ一人を残して行っちゃったね。
他の護衛をやっつけちゃった私達が言うのもなんだけど、
もし今の状態で他の大天使やアークデーモンが攻めてきたらどうするのかしら。
誰があなた達を守ってくれるのかしら……?

……不安にさせてごめんなさい。
でも大丈夫。その時は、私達があなた達を守るわ。
私達ディアボロスを信じてくれる?
それとも、まだハルファスを信じる?

……我ながら、まるで悪魔の囁きね。
【友達催眠】も効かせてみようかな。


サティニフィア・ネイバーライト
目的
信仰失墜

目標
目にした真実を言葉にして明確に意識させ信仰を切り崩す

「おい見たか!?偉そうな事いって自分は消えちまったぞ!加護だなんだ言ってたくせに不利になりゃあっさりお前らを見捨てて消えちまった!」ハルファスの前に出るにゃまだ少し体が震えて覚束ねぇ……だから去った後なら
情けねぇ体の震えを隠すように声を張るだけだ

「…つまり、そりゃ逃げた、って事だ!お前らを護るってぇならここで消えるハズがねぇ、アタシ達と刃交えるハズだろ?」

「そりゃ、余裕の時は加護だ不滅だ耳障りのイイ事言ってたかもしれねぇ…だが余裕がなくなりゃこのザマだ!」

「根拠も無ぇのに信じたお前達はいい様に利用されただけなんだよ!」


呉守・晶
おいおい、たかが護衛が全滅しただけでハルファスが逃げたぞ!
護衛なんぞよりも遥かに強いはずのハルファスがだ!
実は偉そうなだけでハルファスは弱いんじゃないのか?
なにせ信者も残った配下のゲヘナも置いて、一人でさっさと逃げたんだからなぁ!
こりゃ実は弱いってのがバレないように逃げたんじゃないのか?
実は弱くて信者を護るつもりも護る力もない、そんなハルファスを信じていて本当に大丈夫か?
これで侵入者が俺らじゃなくて他の大天使やアークデーモンが相手だったら、お前たちはどうなってたと思う?
そうだ、他力本願で見ざる聞かざるじゃ駄目なんだよ
人は天使や悪魔の家畜じゃない!人が人として生きる為に、立ち上がるべきは今だ!


●信者たちを説き伏せろ!
 カテドラルからハルファスが消えた。
 その事実を理解できないのか、信者たちはただ先ほどまでハルファスがいた祭壇を見上げていた。
「ふふっ、ハルファスの護衛を容易く打ち破っちゃった」
 ルキア・アダマント(金時計に刻む記憶・g04840)が微笑んだ。
 そして少女は呆然としている信者たちを見る。
「さて……ここの信者さんたちは、ハルファスというより、守ってくれる誰かが大事みたい。こんな状況じゃ無理もないよね」
 語るべき言葉を探しながら、ルキアは歩を進めていく。
 ルキアを含め、戦場にいたディアボロスたちのうち幾人かが、祭壇の前で信者たちへ向き直る。
「おい見たか!? 偉そうな事いって自分は消えちまったぞ!」
 サティニフィア・ネイバーライト(スゴ腕情報屋・g00008)が信者たちを煽った。
 実際にはハルファスが強いことを、彼女はよくわかっていた。さっきまで体が動かなかったほどだ。もしかすると、この場にいる誰よりも。
「加護だなんだ言ってたくせに不利になりゃあっさりお前らを見捨てて消えちまった!」
 そんな情けなさを隠して、サティニフィアは声をはりあげる。
「まったくだ。たかが護衛が全滅しただけでハルファスが逃げるなんてな! 護衛なんぞよりも遥かに強いはずのハルファスがだ!」
 呉守・晶(TSデーモン・g04119)が同調する。
 2人の言葉に、信者たちの間でざわめきが起きた。それは、さざなみのようにカテドラルの中に広がっていく……。
「さぁて、2人の言うとおり、あんた達が祈っていたハルファス様とやらはいなくなっちまったな」
 たたみかけるように言葉をつないだのは、緋塚・ヤスオ(探偵という名のなんでも屋・g01581)だ。
 ただ、その面に笑顔を見せてはいるものの、内心では少し厄介だと思っていた。
 畏怖の心を失わせる……つまり、信者たちの目を覚まさせてやらねばならない。
(「あっちも警戒しなきゃいけないしな……」)
 カテドラルを守るアークデーモン、ゲヘナはディアボロスたちを人間BBQにしようとしており、今にも動き出しそうな様子だ。
 ヤスオは横目で警戒しながらら信者たちに伝える言葉を考える。
 声のさざなみが少しずつ大きくなる中、ルキアもまた信者たちに語りかける。
「ハルファス、ゲヘナ一人を残して行っちゃったね」
 一瞬、声がおさまった。
「他の護衛をやっつけちゃった私達が言うのもなんだけど、もし今の状態で他の大天使やアークデーモンが攻めてきたらどうするのかしら。誰があなた達を守ってくれるのかしら……?」
 少女の声は静かだった。
 なのに、その声は妙によく響いた。
 ヤスオがゆっくりと歩き出す。握った拳に、もう片方の手のひらを重ねると、パキポキと乾いた音が鳴る。
 たまたま近づいた場所にいた信者の1人がビクリと震える。
 そんな信者の肩を、ヤスオは叩いた。
 黙ったまま、とてもいい笑顔で。
「ひっ、ひいぃっ!」
 情けない悲鳴を上げて、信者が後ずさった。
 それを無視して、ヤスオはさらに歩いていく。
「おっと、一応神殿なんだし綺麗にしとかねぇとな」
 倒れている敵を軽々とつかみあげ、投げる。誰もいない方に投げたにもかかわらず、信者たちがいっせいにヤスオから遠ざかる。
 緊張の時間は、実際には決して長く続いてはいない。まだ敵が残っているのだ。
 だが、信者たちにとっては永劫のように長い時間だったろう。
「……わかってないなら教えてやる。ハルファスは逃げた、って事だ! お前らを護るってぇならここで消えるハズがねぇ、アタシ達と刃交えるハズだろ?」
 サティニフィアは本心を押し込めて、信者たちへと宣言する。
「だよなあ。実は偉そうなだけでハルファスは弱いんじゃないのか? なにせ信者も残った配下のゲヘナも置いて、一人でさっさと逃げたんだからなぁ!」
 ことさらに嘲ってみせた晶の声がカテドラルに響く。
 赤い瞳が、信者たちを射抜く。
「そ、そんな……」
 信者の1人が、あからさまに動揺した声を出した。
「こりゃ実は弱いってのがバレないように逃げたんじゃないのか? 実は弱くて信者を護るつもりも護る力もない、そんなハルファスを信じていて本当に大丈夫か?」
「そりゃ、余裕の時は加護だ不滅だ耳障りのイイ事言ってたかもしれねぇ……だが余裕がなくなりゃこのザマだ!」
 冷静さを取り戻す暇を与えず、ディアボロスたちは信者たちへ告げた。
 信者たちは皆、一様に視線をそらした。聞くことを……いや、おそらくは理解することを拒否しているのだ。
 その時、カテドラルの中に大きな破砕音が響いた。
 視線が集中する。ヤスオがハルファスの像を1つ砕いたのだ。
「どうした? あんた達も像みたいに動かなくなっちまったか!」
 威圧的な声で、彼は告げた。
 自分たちはもう守られていない。そのことを、はっきり信者たちに理解させるためだ。
「根拠も無ぇのに信じたお前達はいい様に利用されただけなんだよ!」
 そして、サティフィニアが宣言をきっかけにして、信者たちは口を開いた。
「お……俺はもともとあんな奴、信用できないと思ってたんだ! なのにお前が……」
「なんだと? もとはと言えば……」
 信者たちが醜い言い争いを始める。
 ゲヘナがなにかをしようとしたようだったが、警戒していたヤスオがけん制してそれを妨げていた。
「これで侵入者が俺らじゃなくて他の大天使やアークデーモンが相手だったら、お前たちはどうなってたと思う?」
 動揺する信者たちを晶の力強い言葉がさらに追い詰めていく。
「も、もう嫌だ! 俺たちは悪くない……あいつらに騙されただけなんだ! だからもう許してくれよ!」
 信者たちは口々に、自分たちのせいではないと訴えてくる。
「……不安にさせてごめんなさい。でも大丈夫。その時は、私達があなた達を守るわ。私達ディアボロスを信じてくれる? それとも、まだハルファスを信じる?」
 ルキアが優しく語りかける。
 もっとも、内心は複雑だ。
(「……我ながら、まるで悪魔の囁きね」)
 背にある悪魔の翼を思い浮かべて、心の中で彼女は自嘲する。
 そんな内心とは裏腹に、催眠効果を用いたルキアの言葉は信者たちに届いていた。
「し、信じる……信じるよ! もう天使や悪魔なんてやめだ。俺はあんたたちを信じるから、俺たちを守ってくれ!」
 少女へと媚びるような表情を見せて、信者たちはルキアへと呼びかける。
 結局のところ、頼る対象が変わっただけかもしれない――が、少なくとも、ハルファスへの畏怖を捨てさせることはできたようだ。
「他力本願で見ざる聞かざるじゃ駄目なんだよ。人は天使や悪魔の家畜じゃない! 人が人として生きる為に、立ち上がるべきは今だ!」
 きっと、彼らが本当の意味で立ち上がるのはまだまだ先なのだろう。
 それでも、晶の言葉に、信者たちは呼応する声を上げる。
 もう、ハルファスを畏れている者は1人もいなかった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【友達催眠】がLV2になった!
【飛翔】がLV3になった!
【士気高揚】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV7になった!

ゼット・ノアール
「敵性存在、アヴァタール級【ゲヘナ】1体。討滅する」

皆のおかげでハルファスは撤退し、畏れは失われた。
力無き者が取れる選択肢はいつだって少ない。
そんな者達の代わりに力を振るうのが兵士だ。
拠り所が変わっただけだろうが責めることはできん。

フルブレイドを担ぎ、ゼットクライシスで紫電を纏う。
鎖と電流、そして【怪力無双】のおかげか振り易くなった得物で重い一撃を狙う。
奴の炎は厄介だが炎というのは素早く動けば纏わりついては来ないものだ。
【飛翔】で可能な限りは避けるが周りに遮蔽物でもあれば地形の利用で盾にする。それ以外は俺の耐久性との勝負だな。

「これがお前に贈る危機(クライシス)だ」

※アドリブ・連携大歓迎です。


緋塚・ヤスオ
「待ってくれてるとはお行儀のいいことで」

敵の腕や足、視線といった動きから攻撃の予兆を探る

「BBQは決められた場所でお願いしますってか!」
360°に放つならこっちから近づいても一緒だろうしな
自分から距離を詰めて注意を引き、パラドクスによる視界の喪失と吹き飛ばしで相手の位置、射線をずらす。
被弾するとしてもなるべく急所を外してのカウンターでな
パラドクスが発動できれば視界を奪いつつ吹き飛ばせるはず

他のディアボロスと連携が可能であれば行う
視界を奪ったことと吹き飛ばす方向を声で伝える

「今のうちに叩き込んでやれ!」


ルキア・アダマント
あとはあの子……『ゲヘナ』をやっつけちゃえばおしまいね。
信者さんの畏怖がなくなった以上、彼らまでBBQにされちゃう恐れもあるかも……。
「守る」って約束したんだもの。さっそく有言実行と行きましょう。

それにしてもあの子、なかなかの暴れん坊さんね。
注意を引きつけておいて、その間に信者さんに避難してもらえたら良さそうかな。
それじゃあ、【メーラーデーモン出撃】よ。がんばって、メリーゴート。
サーヴァントのメリーゴートが敵を攻撃してくれている間に、
信者さんに声をかけて、ここから逃げてもらいましょう。
その間、敵の炎を上手に逸らしてちょうだいね、メリーゴート。


●アークデーモンの猛攻
 カテドラルに残った敵は1体きりだった。
「敵性存在、アヴァタール級【ゲヘナ】1体。討滅する」
 ゼット・ノアール(群青の傭兵・g01952)は巨大な大剣を構えて宣言する。
 無表情な、サイボーグの金色の瞳とデーモンの赤い瞳が交わる。
 少女のような姿をしたデーモンは、今にも襲いかかってこようとしていた。いや、説得中も牽制していなければとうに襲いかかってきていたかもしれない。
「待ってくれてるとはお行儀のいいことで」
 緋塚・ヤスオ(探偵という名のなんでも屋・g01581)の言葉を聞いて、ゲヘナが不快そうに彼女を見る。
「誰から最初にBBQにするか考えていたのよ。でも……どうせみんな喰らうんだから同じよね」
 少女の両腕に炎が宿る。
「あとはあの子……『ゲヘナ』をやっつけちゃえばおしまいね。でも、信者さんの畏怖がなくなった以上、彼らまでBBQにされちゃう恐れもあるかも……」
 ルキア・アダマント(金時計に刻む記憶・g04840)が身構えながら呟いた。
「『守る』って約束したんだもの。さっそく有言実行と行きましょう」
 だが、ディアボロスたちが仕掛けるよりも早く、ゲヘナの姿が消えた。
 狙われたのはゼットだ。
 宙に浮いて猛然と突撃してきたアークデーモンが、口を開いた。
 閉じている間は小さかったデーモンの口が肉食の獣のように開く。
 悪魔的な速度で接近し、機械の体を食いちぎる。
 その攻撃を浴びながらも、ゼットは鉄塊の如き剣を肩に担ぐ。
「この一撃は危険だぞ」
 ゼットの両腕に雷が宿った。それが剣にも伝播する。
 攻撃は強烈だが、高速で移動すればそうそう当たるものではないはずだ。そう考えて、ゼットはカテドラル内を飛行し始める。
 敵はなおも追ってくる。
 盾にしたハルファス像が、ゲヘナによって食いちぎられ、砕け散った。
「あの子、なかなかの暴れん坊さんね」
 ルキアが言った。
 信者たちを逃がす間は、注意を引きつけておきたいところだ。
「それじゃあ、メーラーデーモン出撃よ。がんばって、メリーゴート」
 指示を受けたメリーゴートが三つ又の槍を構えてゲヘナへと接近していく。
「邪魔よ! あんたもBBQになりたいの?」
 メリーゴートの攻撃を、ゲヘナは両腕にまとった炎で迎撃する。
「あなたたち、今のうちにこのカテドラルから逃げなさい。ゲヘナはハルファスを信じなくなったあなたたちを燃やす気みたいだから」
「い、嫌だ……焼かれてたまるもんか!」
 悲鳴を上げて信者たちがカテドラルの外に逃亡する。
 その間、荒れ狂う炎をメリーゴートはうまく電磁槍でそらし、しのいでいた。
「BBQは決められた場所でお願いしますってか!」
 その炎の中に、ヤスオもまた踏み込んでいく。
「いい加減、うっとうしいのよ!」
 ゲヘナが叫んだ。同時に、全方位を焼きつくす悪魔火炎放射器が出現する。
 ヤスオは構わずそのまま突っ込んだ。
(「360°に放つならこっちから近づいても一緒だろうしな」)
 放たれる炎を、なるべく致命的なダメージを受けないよう、腕で体をかばいながら炎を受ける。そのまま炎を浴びながら進む。
 少女型の悪魔は、自分が生み出した炎を歪んだ愉悦の笑みで眺めていた。
「……やったと思ったろ? だが、そうはいかねぇっ!」
 燃える炎で焼けた腕の皮膚がただれ落ち、そこから爆発的な勢いで血が吹き出した。
 いや、血ではない。血を媒介にした、血のように赤い霧だ。
 パラドクスによって生み出した霧がゲヘナの視界をふさいだ。
「ゲヘナの視界は奪った。向かって右側に吹っ飛ばす!」
 赤い霧を叩きつけ、見た目は小柄なアークデーモンの体を吹き飛ばす。
「今のうちに叩き込んでやれ!」
 ヤスオのその呼びかけを仲間たちは聞き逃さなかった。
「がんばって、メリーゴート!」
 ルキアの指示を受けたメーラーデーモンが、吹き飛ぶゲヘナを追って電磁槍をその体に突き立てる。
 そして、サーヴァントとはちょうど反対の方向から、ゼットも接近していた。
 炎すら置き去りにする速度で接近しながら、彼は雷をまとった大剣、フルブレイドを大きく振りかぶる。
 怪力を発揮できるおかげで、いつも以上に振り切る速度は速い。
 視界のないデーモンには、とてもかわすことなどできない剣速だ。
「これがお前に贈る危機(クライシス)だ」
 電磁槍が貫いて動きがとまったところに、全力の一撃をゼットは叩き込んだ。
 悪魔の背中に、大きな傷を刻み込む。
「……よくもやってくれたわね」
 痛打を受けながら、それでもゲヘナがそう告げてきた。
 アヴァタール級のアークデーモンは容易く倒せる相手ではない。とはいえ、3人が与えた傷は、浅くはないはずだ。ディアボロスたちはゲヘナを確実に追い詰めていた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【操作会得】LV1が発生!
【完全視界】がLV2になった!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!

クロスタール・ガイゼル
アドリブ連携歓迎

仲間がハルファスの神聖を失墜させましたね
この場所は不要、世界を取り戻すのにまったく必要ありません
ここの主には消えていただきましょう


仲間の後ろでゲヘナと信者の両方に注意を割く
【観察】【看破】にて仲間への攻撃には注意を促し
自身への攻撃には【残像】で回避を試み、信者への攻撃には自ら庇う行動をとる
またゲヘナによる炎の遠距離攻撃に対しては【絶氷】にて無力化を試みる

仲間がゲヘナを牽制したり、攻撃したりして出来た隙や
仲間の攻撃に合わせる形で【絶氷】を繰り出し、相乗効果を狙っていく

「悪魔よ、その断末魔を以って示しなさい。この場所は解放された、と」


呉守・晶
さぁ、後はお前だけだぜ!
ガキみてぇな姿してるが、だからといって、お前らアークデーモンをぶった斬るのに躊躇ったりはしねぇぞ?
人は天使や悪魔の家畜じゃないと、今が人として生きる為に立ち上がるべき時だと、大言吐いた手前……俺ら自身でそれを証明して見せないとなぁ!
飛翔で突っ込んで、敵の炎に紛れて光学迷彩で姿を紛れさせつつ完全視界で炎に塞がれた向こう側も視認するぜ
炙られ続けなきゃ、一瞬だけなら炎に巻かれても早々死にゃしねぇだろ!
炎に紛れる奇襲の形で飛翔で加速しながら魔晶剣アークイーターの封印を一部解いて、牙や口のような異形の大剣「貪リ喰ラウモノ」に変異させて斬りかかるぞ!
喰い千切れ、アークイーター!


ゼット・ノアール
「損耗率……いや、ここは畳み掛けた方が吉、だ」

なかなか暴れてくれたな。
後はクロスタール達に任せても良いかも知れないが確実に行きたい。

敵や味方の攻勢を見定め、鎖を準備しておく。
ゲヘナ自身の攻撃によりカテドラルは荒れ放題だ。死角となる場所で待機しながらチャンスを待つ。【光学迷彩】を使っても良いな。
奴の動きは速かった。
【操作会得】による意思あるサポート効果も乗せて鎖を放って動きを封じ、ゼットンを最大威力でお見舞いする。既に損傷しているし反撃も覚悟の上だ。

「焼くだけでは食べられないものもある。覚えておくのだな」

※アドリブ大歓迎です。


●カテドラルの終焉
 ディアボロスたちとアークデーモン・ゲヘナとの戦いは続いていた。
「後はお前だけだぜ! ガキみてぇな姿してるが、だからといって、お前らアークデーモンをぶった斬るのに躊躇ったりはしねぇぞ?」
 呉守・晶(TSデーモン・g04119)は空中を飛行しながら接近していく。
「それはこちらの台詞ですわよ。女性が相手だからといって、手加減はしてあげません……その可愛らしい顔をこんがりと焼いてあげますわ」
 大きく傷ついていながらも、ゲヘナはまだ余裕を残している様子で――晶を見て、舌なめずりをする。
「俺は男だ! 女扱いするんじゃねえ!」
 怒声を放つ晶の前で、ゲヘナが全方位に悪魔火炎放射器を展開する。
 隙間なく放たれる猛火を避けようと、晶はさらに飛翔する。
「損耗率……いや、ここは畳み掛けた方が吉、だ」
 ゼット・ノアール(群青の傭兵・g01952)はそんなやり取りを確かめながら、ゲヘナの隙をうかがう。
「気をつけてくださいよ。危ないですからね」
 クロスタール・ガイゼル(良い狐・g01139)は後方の信者たちに声をかけた。
「ハルファスの神威は失墜しました。この場所は不要、世界を取り戻すのにまったく必要ありません。ここの主には消えていただきましょう」
 360度全方位に放たれる炎に近づかないよう、クロスタールは信者たちをかばう。
 ゲヘナの炎はディアボロスたちをBBQにするべく襲いかかるが、彼は細い瞳でそれをしっかりと見極めていた。
「みんなみんな、こんがりおいしく焼いてあげる!」
「クロスタールの名に於いて標榜する! 身近なる友よ、凍てつけ!」
 炎の余波が近づいてくるが、クロスタールはそれに対抗し、魔術を用いて周囲の空気を急速に冷却する。
 水蒸気が氷と化して、ゲヘナが放つ炎とぶつかり合う。炎と氷が互いに相殺する。
 ゲヘナに隙ができたところで、動いた者がいた。
 そこで、熱い蒸気の中を、晶が突っ込んでいった。
「炙られ続けなきゃ、一瞬だけなら炎に巻かれても早々死にゃしねぇだろ!」
 さらには、いまだ炎を放ち続ける悪魔火炎放射器群にさえも、晶はためらうことなく突っ込んでいく。
「魔剣アークイーター、第二封印解除。変異開始、コード捕食剣『貪リ喰ラウモノ』っ!」
 燃える空間の中で、晶が手にした魔晶剣アークイーターが変異を始める。
 剣が、牙や口の生えた異形へと変わっていく。
「喰い千切れ、アークイーター!」
 ゲヘナの小柄な体へと、異形の剣を振り下ろす。
 肩口に食い込んだ剣がアークデーモンの体へと喰らいつく。
「ふざけないで……喰らうのは、あたしのほうよ!」
 アークイーターの刀身をつかみ、ゲヘナが叫んだ。牙を引きはがして、なおも晶へと悪魔火炎放射器の炎を向ける。
 だが、晶の攻撃を受けた彼女には、これまでよりも大きな隙ができていた。
 そこを逃さず、ゼットが動く。
 ずっと死角で息をひそめていたのだ。ディアボロスの攻撃はもちろん、ゲヘナ自身の攻撃でもカテドラルの施設は大きく破損している。隠れ場所はいくらでもある。
 光学迷彩も併用した彼の動きにデーモンは気づいていないはずだ。
「お前の動きは速かった。だから、その動きを止めさせてもらう」
 武器を仕込んだ腕を向ける。
 飛び出した鎖が、まるで意思があるかのようにゲヘナの体へと絡みつき、縛りあげる。
「どこから……いや、全部焼き尽くせば同じよ! BBQになりなさい!」
 だが損傷をもはや気にせず、全方位への炎を浴びながら、ゼットはそのまま一気に接近する。
「全エネルギー収束。ゼット、最大パワー……!」
 接近するゼットの体内でサイボーグパーツが力を発揮し、彼の頭上に高熱の球体が出現する。
 他のディアボロスたちも、その機は逃さなかった。
「人は天使や悪魔の家畜じゃないと、今が人として生きる為に立ち上がるべき時だと、大言吐いた手前……俺ら自身でそれを証明して見せないとなぁ!」
 高速で飛来した晶のアークイーターが牙だらけの口を大きく開ける。
 鎖に縛られたゲヘナの体が一瞬にして凍りつく。
 クロスタールの魔術だ。
 他のディアボロスたちも、いっせいに攻撃をしかける。
「悪魔よ、その断末魔を以って示しなさい。この場所は解放された、と」
 妖狐の少年が宣言する。
 高熱の球体と牙持つ剣と絶対の凍気……そして、それ以外の仲間の攻撃が、立て続けにゲヘナへと襲いかかる。
「いやああああっ!」
 この世のものとは思えぬ叫びを聞いて、クロスタールの背後にいた信者たちも悲鳴を上げた。
 尽きぬ悲鳴の中、最初に悲鳴を上げたデーモンはもう動くことも声を出すこともなかった。
「焼くだけでは食べられないものもある。覚えておくのだな」
 ゼットが言った。
 同時に、ゲヘナの体が砕け散っていた。

 こうして、カテドラルの1つはディアボロスによって解放された。
 もっともハルファスのカテドラルはここだけではない。逃亡したあの敵との戦いはまだまだ続くだろう。
 だが、その領域の一角を削り取ったことは、確実だった。
 ハルファスへの畏れを捨てた信者たちを残して、ディアボロスたちは帰還していった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【使い魔使役】がLV3になった!
【断末魔動画】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
【ドレイン】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV8になった!

最終結果:成功

完成日2021年10月29日