リプレイ
黒白園・真雪
※アドリブ・連携歓迎。
《TOKYOエゼキエル戦争》、ついに攻略完了か。
オレがこうしてディアボロスになったきっかけの地、
そこを取り戻す為に戦ってきて……なんつうか、アッという間だった気もするな。
けど、こうして無事に勝利した事だし。
まずはそこを喜ぶとするか。
『帰還』させるのは、まずは治安維持のプロ……
警察とか、警備員とか。そういう奴等が良いだろうな。
『帰還』直後で混乱してる人達を鎮めるのも慣れてるだろうし。
駅前や交差点等、人が大勢戻ってきても分かりやすい場所で
【勝利の凱歌】を声を張り上げて歌い上げる。
他の奴等みてぇに上手い言葉なんて言えねぇが、
『ここは確かにオレ達が取り戻したんだ』と、直接的に揺さぶるような。
人々が戻ってきたら、オレ達が『ディアボロス』である事や
世界の各地を取り戻す為に、今もあちこちで戦っている事を告げる。
奪われたものはまだ多い。
家族がいた、何て事無い大切な日常があった。それが全部、奪われた。
けど、オレ達が必ず全てを取り戻してみせる。絶対に。
捌碁・秋果
※連携アドリブ歓迎
世田谷文学館へ!
最終人類史の生活水準が保てているなら、次は心に豊かさを
世田谷文学館を調べてみたら、絵本や漫画家の展覧会に子供向けのワークショップと楽しいイベントをしていました
こういう施設があったら皆喜んでくれるはず、是非最終人類史でも活躍してもらいましょう!
世田谷文学館で勝利の凱歌
最終人類史に新しい仲間が来る、生活が潤うことを思うとつい歌声が弾みます
帰還してもらうのは学芸員さんにスタッフさん、警備員さん
世田谷は作家も多く住んでいると聞いたことがあるので、いれば作家さん達も
…図書館や本屋に行けば刻逆前の読み物はありますが、刻逆後の世界に新しい作品が生まれたら皆を元気づけてくれると思うんです。シンプルに娯楽の充実になりますしね
帰還した方々に状況説明
帰還した人々向けの資料を見てもらいながら話します
…侵略者により多くの土地が奪われ、世界は虫食い状態です
我々ディアボロスは戦い土地を奪い返します
皆さんには元あった日常を送るための協力をお願いしたいのです
どうか力を貸してください
館花・雪緒
8月15日、身重だった私は司法書士の夫を仕事に送り出した後でした。
彼は必ず、ここに居たはずです。
とうとうエゼキエルが…東京の全てが、奪還されたのですね。
思えば2年、短くはありませんでした。
私が直接に凱歌を歌うのは初めてですが…これまでの帰還者に居なかったのですから、ここに居るのでしょう、きっと。
ええ、私の探し人が、ついに、確実に、帰ってくることでしょう!
それに夫の同僚には弁護士もいたはず…きっと力を貸してくれます!
これまでの東京で凱歌を歌う機会は怖くて参加できませんでした。
けれど今回は浮かれた気分で、夫と食べる用の手弁当持参で参加。
凱歌を歌えば夫が帰ってくる…それを疑わず上機嫌に歌います。
ひとりふたりと住民が戻り。
しかしどれほど待っても帰らない。
夫の同僚たちを見かけても、夫の姿はありません。
偶々、夫が『後で帰還する組』になったかしら?
そう思って何度も凱歌を歌いますが、夫は帰りません。
帰還した人々に現状の説明をして喉も嗄れたころ、何かを諦めて帰路に就きます。
※夫が帰還する、以外のアドリブ◎
●下車
パラドクストレインが世田谷区のビル屋上で停車し、男一人と女二人。三名のディアボロスが降りてくる。
黒白園・真雪(怒りの天使を宿した者・g09418)は世田谷区を一望し、息を吐く。
「本当に、TOKYOエゼキエル戦争から奪還したんだな……オレが、ディアボロスになったキッカケの地」
取り戻す為に激戦を繰り広げてきたが、真雪には“あっという間”だった気がした。
だが、館花・雪緒(ヒガンバナ・g04596)にとって、その2年は短くない……体感時間は人それぞれ。
「8月15日……身重の私は夫を送りだして、“刻逆”に巻き込まれて……これまでの帰還者にいませんでしたが、あの人もここに――!」
すぐにでも逢いたい。そんな彼女の手には二つの包み。
この2年で腕を上げた、手製のお弁当。
移動中も気になっていた捌碁・秋果(見果てぬ秋・g06403)は、ようやく合点がいって、顔をほころばせる。
「愛妻弁当だったんですね! 私にも大切な人がいたのか、今は覚えていませんが……きっと喜んでくれますよ」
「無事に勝利したことだ。積もる話もあるだろうし……早く見つけて、夫婦水入らずで過ごせばいい」
それぞれ目的と行き先を確認し、三人は世田谷の街へ繰り出していく。
●悲哀を越えて
まずは真雪の探す、治安維持のプロ――警察や警備員を帰還させることになった。
「警備会社なら、深夜でも待機要員がいるだろう。……警察官は、夜勤なら少人数は見込めるか?」
「市民にも色んな人達がいますし、肉体労働が苦手な有志もいるでしょう。訓練されている方が居たほうが、他の方々も安心できそうです」
真雪の推察に、秋果も軽く握りこぶしを作る。
他の一般人も帰還することを鑑みて、真雪は三軒茶屋駅で【勝利の凱歌】を歌う。
(「聞こえるか? 感じてくれているか? ――東京はディアボロスが、オレ達が取り戻したんだ!」)
魂に呼びかけるようなサウンドが周囲に響き、停止した時の中に囚われた人々が現れていく。
帰還した人々は一旦、昭和女子大学・人見記念講堂に集めた。
空調設備が稼働していなくても、【冷気の支配者】のおかげで、快適に過ごしやすい環境が作れる。
困惑する人々に、真雪は真摯に伝えようと努め、
「オレ達、ディアボロスの戦いは終わっていない。奪われた世界、歴史を取り戻す為――今もあちこちで戦っている。海外に出向いた友人、家族がいるなら……彼らは今も囚われたままだ」
思い当たる節がある者達は動揺し、涙を流す者もいた。
「留学先から“寂しい”と何度も電話してきたのに、もう声も聞けないなんて……」
「シルクロードを辿るって、帰ったら土産話するって……約束しただろ! まだ何も聞いてないぞ!」
夢がある者。勤めを託された者。心のままに旅立った者――その全てが。
存在を、覚悟を、信念を“改竄”された。
「家族、友人、思い出、そして日常……当たり前だと思った“全部”が、奪われた。今もまた奪おうと攻めてきている」
構台に両手を叩きつけ、鋭い打音に視線が集中する。
「必ず“全て”を取り戻してみせる。――絶対に」
流れに身を任せるだけの“木の葉”に、未来は掴めない。
チャンスは向こうから転がりこんでくるなど、決して有り得ないのだ。
激流を昇り、鯉が竜へと変じるように――人類は突き進まねばならない。
●心を育む
「あの人はいませんでした。……まだ帰ってきていないのでしょうか」
「始めたばかりですから、もう少し回ってみましょう」
不思議そうな雪緒を秋果が励ますと「場所が遠かったのかも」と気を持ち直す。
次は秋果の気になっていた『世田谷文学館』へ。
時先案内人が言うには『書店とカフェが併設し、文学史に関するイベントも催していた』そうな。
「生活水準が安定しつつあるなら、次は心に豊かさを! 自分でも調べてみたのですが、絵本や漫画家の展示会、子供向けのワークショップも行っていたそうです!」
「確かに、動画配信やフィットネスは高校生くらいなら楽しめそうだが、幼児向けではないな。秋果の着眼点は、治安維持と同じくらい重要かもしれない」
小さな子供は“次の時代を支える存在”でもある。
心の豊かさ、教養を育む『情操教育』には、文学と触れる機会は多いほうがいい。
「警備員さんもいるでしょうし、学芸員さんと職員さん。世田谷には作家さんも多く住んでいたそうなので、一緒に帰還できるでしょうか? 私は美術専門ですが、絵本の挿絵もキレイな作品が多いみたいなんですよね」
「絵本……子供達のためにオススメの一冊も聞いてみようかしら」
楽しげな秋果の様子に、雪緒は幼子を見るような微笑みを浮かべる。
雑談もそこそこに、秋果は【勝利の凱歌】を歌いだした。
最終人類史に新しい仲間が、心を潤わせる場が復活する――楽しい予感に思わず歌声も弾む。
周辺に帰還した人々を探してから、文学館内の者達と合流してもらった、
帰還者向けの資料を配りつつ、秋果がこれまでの経緯と状況を説明していく。
「図書館や本屋に行けば、刻逆前の作品はあります。でも、刻逆後の世界にも、新しい作品が生まれていけば……より多くの人が元気づけられると思うんです」
小さな子供達が楽しめる娯楽も、そう多くない。
今はクロノヴェーダが襲来する以上、外で遊ぶ機会は皆無に等しい。
絵本はきっと、幼い子供達に勇気や慈しむ心を伝え、息苦しい生活での娯楽となるだろう。
「侵略者により、多くの土地が奪われ、世界は虫食い状態です。襲いかかる脅威には、我々ディアボロスが立ち向かい、奪われたモノを取り返します――元あった日常を送るためには、皆さんの協力が必要です」
どうか、力を貸してください。
切に願う秋果の熱意は、彼らに十分すぎるほど伝わった。
これからはディアボロスを題材にした絵本、漫画なども増えていくだろう。
吹けば消えてしまう灯火のように、日常は儚い。……誰もがそれを痛感させられた。
そして、
(「ここにも、いないのですか
……?」)
雪緒の表情は、再び陰りを見せる。
●伸ばした手は
「オレ達の目的は済んだ、治安維持も娯楽の充実も捗るだろうが……」
真雪はチラと雪緒に横目を向けた。
二つの弁当包みを、縋るように抱き締める姿に、どう声をかけたものか。
秋果も言葉に詰まっていると、雪緒が視線に気付いてハッとする。
「ごめんなさい、ついぼんやりと! そういえば“弁護士”の帰還も希望されていましたね。私の夫も司法書士でした、同僚に弁護士もいたはず……きっと力を貸してくれます!
隠しきれない不安が、雪緒を早口にさせる。その心情は誰の目にも明らかだった。
それでも、諦められない――愛する人と相見えようと、雪緒は世田谷区内を回って【勝利の凱歌】を歌い続けた。
(「これまで、東京で凱歌を歌う機会は幾度とありました……けれど、怖くて参加できなくて。やっと東京全土は取り戻したのです。あの人はここにいる――いるハズなんです!」)
祈るように雪緒は声を張り上げ、歌い続ける中で一人、また一人と帰還する。
けれど、求める姿は現れない。
「あの……館花雪緒さん、ですか?」
歌い終わると、整ったスーツ姿の青年が雪緒に声をかけてきた。
真新しい弁護士バッヂが陽光で輝き、雪緒より若い印象を受ける。
「もしかして、夫と同じ事務所の?」
「はい、新しく弁護士として雇ってもらって。先輩にはいつもお世話になってます! ……けど、なんでしょう。この変な感じは?」
帰還したばかりの者には、この拭いがたい“違和感”を理解できない。
その理由を知らせるのもディアボロスの役目――数百人が帰還してなお、逢いたい人はいなかった。
(「……もう、お役目を……終わらせましょう」)
秋果の用意していた資料と合わせ、掠れた声で切々と状況を伝える。
あの弁護士も現状を知り「尽力します!」と元気よく雪緒に伝え、その場を離れていった。
「雪緒さん、その」
「たまたま世田谷区から離れていたのかもしれない。隣の杉並区とか、急用で別の区に移ったのかもしれない――だから」
秋果と真雪には雪緒の背がいっそう小さく見えて、どうにか励まそうとする。
その気遣いが嬉しくもあり、諦めきれない心の中の自分と、折り合いをつけられた。
「お心遣いに感謝を……帰りましょう。時先案内人に報告しませんと」
諦観に満ちた微笑を向けて、雪緒達は帰路につく。
――これがクロノヴェーダの罪過。
破壊された歴史の重さを、再び思い知らされた気がした。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【悲劇感知】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV2が発生!