モスクワに響く美女の悲鳴(作者 天木一
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#吸血ロマノフ王朝  #『死妖姫カーミラ』の食人儀式  #死妖姫カーミラ  #食人儀式  #モスクワ 

●モスクワの食人儀式
「ディアボロスなどに簡単に殺されるなど、ココツェフ伯爵も、存外役に立たないこと」
 モスクワのクレムリンに足を踏み入れたジェネラル級ヴァンパイアノーブル『死妖姫カーミラ』は、ディアボロスに倒されたココツェフ伯爵を嘲る。
「やはり、人間を生かして使おうというのが甘いのですわ」
 ゴミでも見るように、モスクワに住まう人々に視線を向ける。だがその中でも美しき女性を見る時だけは目元が和らいだ。
「まずは、このモスクワの人間全てを、ヴァンパイアノーブルを生み出す為の贄としましょう」
 従える美しき女性のヴァンパイアノーブル達に命じる。
「さぁ、このモスクワで、食人儀式の大儀式を行いなさい。モスクワ中の美女を、捕らえ、儀式を行うのです」
「はい、全てはカーミラ様の仰せの通りに」
 配下達はすぐに命令を実行しようと見目麗しい美女狩りに動き出した。

●新宿駅グランドターミナル
「みんなの大活躍で《七曜の戦》が大勝利に終わったね。お疲れさま。これで多くの大地を取り戻したけど、全部取り戻すまで戦いは続くからね。気を引き締めてこー」
 音葉・遥風(風は遥か彼方に吹く・g03189)がディアボロスの奮闘を称え、また新たな戦いへの情報を伝える。
「モスクワで政治の中心だったココツェフ伯爵を倒せたんだけど、サンクトペテルブルクからきた、ジェネラル級ヴァンパイアノーブル『死妖姫カーミラ』がモスクワを制圧しちゃったみたい」
 《七曜の戦》後、空白となっていたモスクワの支配権をカーミラが手にしてしまった。
「カーミラはココツェフ伯爵と違って内政なんて全く興味ないみたいで、大規模な食人儀式を実行し始めているんだって。モスクワ中から見た目の良い女性が攫われ、食人儀式でヴァンパイアノーブルに変えちゃおうとしてるみたい。その家族なんかの親しい人も食材として連れてかれちゃうから、めちゃヤバイ状況だよ」
 このままではモスクワから人間が全て消えてしまう。
「みんなにはモスクワに潜入して、食人儀式を阻止して、儀式を行おうとしてるヴァンパイアノーブルを倒してほしい」
 早くせねば犠牲者は増えていくだろう。急ぎ儀式を阻止したい。

「まずはモスクワ市内に潜入して、食人儀式の情報を集めて」
 モスクワ市内はまともに治めるつもりがなく、統制が取れていない状況なのでディアボロスの侵入は警戒されていない。パラドクス効果などを使えば潜入は容易だろう。
「市内でカーミラの命令でモスクワを徘徊する敵は、美女を探していたり、儀式に必要な捕らえた美女の家族を探してるんだって。息をひそめるように暮らしてる街の人々にこっそり接触して、連れ去られた美女やその家族の情報を聞き出し、敵が儀式を行ってる拠点を見つけよう」
 ディアボロスに対する警戒はしていないが目立つ行為をすればバレる可能性もある。できるだけこっそりと動くのがいいだろう。
「見つけた拠点に踏み込んだら儀式を邪魔して女性を保護し、儀式を行っているアヴァタール級ヴァンパイアノーブル『血を望む魔女バーバ・ヤガー』とトループス級『群れなす者『ヴルダラク』』を倒せば儀式を阻止できるよ」
 儀式に連れ込まれた女性を守りながら戦い、ヴァンパイアノーブル達を討てば作戦は成功となる。

「《七曜の戦》で勝利した勢いに乗ってどんどん大地を奪い返していきたいよね。死妖姫カーミラの派閥は、ラスプーチンから主導権を奪って好き放題してるみたいだから、ここで叩いておかないとモスクワだけでなく他もとんでもないことになるかも」
 放置しておけばモスクワだけでなく、吸血ロマノフ王朝の全ての人間を食人儀式の贄にされてしまう。
「カーミラの情報は冬将軍から聞けたりするかも、たぶん」
 冬将軍ならばカーミラについて情報を持っているかもしれないが、それはまた別の作戦の話となる。
「美女だけをヴァンパイアノーブルにするってことは、美女以外の人間はいらないってことだもんね。そんなめちゃヤバなカーミラの野望をみんなの力で阻止してこー」
 モスクワ全ての美女をヴァンパイアノーブルにするというかなり頭のぶっ飛んでいるカーミラの食人儀式の大儀式を阻止するべく、ディアボロス達は遥風に見送られ列車に乗り込んだ。

●美女の食人儀式
 大きな屋敷の一室。高級な調度品が並ぶ大部屋で晩餐会が行われていた。
「ふふ、晩餐会にようこそなのじゃ」
 『血を望む魔女バーバ・ヤガー』が少女のような見た目に反し、老獪な年よりのように美しき女性に声をかける。
「か、帰してください。お願いします!」
 攫われた女性が懇願する。その整った顔は陶器のように色白で蜂蜜色の長い金髪がよく似合っていた。だがその美しさが陰るような悲壮な表情で女性は頭を下げる。
「よいよい、無理矢理連れてきて悪かったのぅ。今宵の晩餐会が終われば帰してやろうぞ」
 鷹揚に魔女バーバ・ヤガーが頷く。
「ほんとうですか?」
「うむ、お主が望むなら帰してやろうとも。今は客人として晩餐会を楽しむがよかろう」
 微笑むバーバ・ヤガーが手を叩くと、トループス級『ヴルダラク』達がテーブルに所狭しと料理を並べていった。その料理の殆どが肉料理だった。
「い、いただきます……」
 自分の呼吸が聞こえるような静かな部屋で、女性が音を立てないように恐る恐る料理に手をつけて味わう。それは今まで食べたどの肉とも違う不思議な味がした。
「……あの、このお肉は何を使っているのですか?」
「うむ? わからんのかのう?」
「は、はい。わかりません……」
 沈黙に耐えかねた女性が思ったことを尋ねると、バーバ・ヤガーが首を傾げる。
「くく、それは不思議じゃのぅ。それはお主が知っている「モノ」なのじゃが」
「え? 知っている?」
 ――嫌な、嫌な予感がするがそうではないと思いたくて女性は聞き返してしまう。
「そうじゃ。お主が毎日顔を合わせ、ずっと共に過ごしておった者たちの肉じゃよ」
「ま、まさか……」
「そう、お主の家族の肉じゃ! ひゃひゃひゃひゃ!!!!!」
 眼を見開き絶望に染まる女性の顔を見て、愉快そうにバーバ・ヤガーは老婆のように嗤う。
「お、おぇ……」
 吐きそうになる女性をヴルダラク達が取り押さえる。
「さあ、まだ晩餐会は終わっておらぬ。たっぷりと馳走してやるゆえ、味わって食うのじゃ」
「や、やめて!!!! イヤ、イヤアアアアアア!!!!!!」
 取り押さえられた女性は抵抗虚しく、口に家族の成れの果てを押し込まれ悲鳴は途絶えた。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【友達催眠】
1
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【迷宮化】
1
洞窟や家屋、砦などの内部を迷宮に変化させる。迷宮化により、敵は探索や突破に必要な時間が「効果LV倍」される。
【光学迷彩】
2
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【モブオーラ】
1
ディアボロスの行動が周囲の耳目を集めないという世界法則を発生させる。注目されたり話しかけられる確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【断末魔動画】
1
原型の残った死体の周囲に、死ぬ直前の「効果LV×1分」に死者が見た情景が動画として表示される世界になる。この映像はディアボロスだけに見える。
【液体錬成】
1
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【水面走行】
1
周囲の水面が凪ぎ、ディアボロスが地上と同様に走行や戦闘を行えるようになる。ディアボロスと手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人も同行可能。
【操作会得】
1
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【寒冷適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、摂氏マイナス80度までの寒さならば快適に過ごせる世界に変わる。
【防衛ライン】
1
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。
【防空体制】
1
周囲が、飛行する存在を察知しやすい世界に変わる。ディアボロスが屋外を飛行中の敵を発見するまでに必要な時間が、「効果LVごとに半減」する。

効果2

【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV1 / 【凌駕率アップ】LV1 / 【フィニッシュ】LV1 / 【反撃アップ】LV4 / 【ドレイン】LV1 / 【アヴォイド】LV2 / 【ダブル】LV1 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

天木一
 こんにちは天木一です。《七曜の戦》お疲れ様でした!
 今回はモスクワで『死妖姫カーミラ』の食人儀式を阻止する作戦となります。

 ①モスクワへ潜入します。まともな統治はされておらず警備のようなものはありません。
 ②街の人々から情報を得て、食人儀式を行っている場所を探りだして忍び込みます。上手くやれば先に食材にされそうになっている人々も助けられるかもしれません。
 ③④トループス級『群れなす者『ヴルダラク』』とアヴァタール級『血を望む魔女バーバ・ヤガー』との戦闘です。部屋には女性が一人いるので巻き込まないようにする必要があります。

 囚われた人々を助け、カーミラの食人儀式をぶち壊しましょう!
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このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


エルマー・クライネルト
よりにもよって死妖姫がココツェフの後釜とは。
どんな采配だと言いたいが…人々を苦しめ尽くすという目的では適任か。
……モスクワの混乱には我々も関わっている、恨まれることは覚悟しているとも。
だが、今は自分に出来る限りのことをするとしよう。

現地の人々の服と簡素な防寒着を調達して着用、【モブオーラ】を使用してモスクワへ潜入
有難いことに美少女ではないので奴らのお眼鏡にはかなわないだろうが、警戒は怠らず人波に紛れて行動する
街を徘徊するヴァンパイアノーブルを気にしながら拠点に目処をつけておこう。
まともな統治もできないようなら部下共も恰好や態度も特に潜めることなく闊歩してる気がする。
それらしい奴等には近づかず、行動を密かに観察して[情報収集]を行う

人攫いが横行しているのなら、それから逃れるために隠れ過ごす場所があるのではないだろうか。
モスクワの混乱で安否の掴めない家族を探しているという体で、そう言う場所がないか、似た境遇のものは居るかと聞き込みしやすい露店商などから順に探るとしよう。


●モスクワ潜入
「よりにもよって死妖姫がココツェフの後釜とは。どんな采配だと言いたいが……人々を苦しめ尽くすという目的では適任か」
 エルマー・クライネルト(価値の残滓・g00074)は正反対な人選に、このままではモスクワの人々が苦しむばかりだと顔をしかめる。
「……モスクワの混乱には我々も関わっている、恨まれることは覚悟しているとも。だが、今は自分に出来る限りのことをするとしよう」
 この地を解放するには恨まれようとも止まる訳にはいかないと、現地の服と簡素な防寒着を着用し、【モブオーラ】を使ってモスクワへ潜入する。
「……警備らしきものもろくに見当たらないな」
 ディアボロスの侵入に対する警戒がなく、警備は居てもヴァンパイアノーブルは置かれていなかった。怪しまれもせずにモスクワ市街地に入り込む。
「流石に中にはヴァンパイアノーブルが居るようだが……」
 一般人が避けるように道を空けると、堂々とヴァンパイアノーブルらしき女性達が歩き回り、人間の女性がいれば顔を確認し美しい女性を探しているようだった。
(「有難いことに美少女ではないので奴らのお眼鏡にはかなわないだろうが」)
 それでも警戒は怠らず人波に紛れて接触しないように動く。
「まずは拠点を見つけるか」
 どこか身を隠して仲間と合流できる場所を探しに建物を見て回る。
(「人攫いが横行しているのなら、それから逃れるために隠れ過ごす場所があるのではないだろうか」)
 そこを拠点にしてもいいと考えて、聞き込みをしようと露店商へと向かった。
「少しいいか?」
「悪いが今商品がこれしかなくてな、もう商品が届いてるはずなんだが……」
「いや、実はモスクワの混乱で安否の掴めない家族を探しているんだ。それで話が聞きたくてな」
 エルマーが家族を探していることを伝える。
「……そのなかに美人の女性がいるかい?」
「ああ」
 エルマーが首肯すると店主の顔が渋い顔になった。
「……ここだけの話だが」
 店主がきょろきょろと辺りを窺い声を潜める。
「美しい女とその家族は領主様に連れてかれるんだ。それから逃れる為に身を隠してるのもいる。この先にある大きな倉庫に行ってみろ。露店のヤコフから聞いたと言えば通じる」
「わかった。感謝する」
 怪しまれないよう長居は無用とエルマーは教えられた倉庫に向かった……。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!

レナータ・ペトリェンコ
【寒凪】

カーミラは何とも”愉快”な方のようですね。
とはいえ儀式は止めねばなりません。
まずは雪香と市内へ潜入し仮拠点探しをします。

隠れて【光学迷彩】を纏いつつ敵の目を掻い潜って潜入します。
幸いここは市街地です。建物外壁や人混みなどで気取られず視線を切るのは容易でしょう。
[地形の利用]をしつつ、[忍び足]などで切り抜けます。

拠点に関しては[歴史知識]を借り、住民の方々に人攫いを憂慮する[演技]をしつつ礼節を持って[情報収集]をします。
噂話が集まりやすく、辺りを彷徨く”物騒な貴族”が寄り付かなさそうな場所。例えば公共の洗濯場とか、他にもそういう場所を知っていれば教えていただけるとありがたいですね。

必要ならパラドクスレーションも渡します。市街とはいえ、少しの移動でも消耗する寒冷地では食糧はいくらあっても困りません。

情報を得られたら、それを頼りに移動します。
着いたら一応ヴァンパイアノーブル達がいないか辺りを確認、人だかりの存在等も見つつ目立ちにくい場所に拠点を構え、[情報収集]の準備をしましょう。


佐伯・雪香
【寒凪】
死妖姫カーミラ、派閥勢力も発言力も削れる時に削らないと、悪戯に犠牲が増えていくね

借りがあるのは偽者の方なんだけど、所属派閥のトップだし、そういう意味でもしっかり妨害はさせて貰うよ


ナータ(レナータ)と一緒に潜入して、情報収集の拠点を探すね

【浸渾晦冥】でボク達に【寒冷適応】を付与、ナータがくれる【光学迷彩】を活かして、上手く街の構造や遮蔽、住民の影に隠れて行動するね
ボクの[歴史知識]でナータの土地鑑や演技をサポートして、隠れたり拠点探すのにも役立てるよ

聴き込みするなら、[天使の分け前]からウォッカを少し差し出して、相手の口を滑らかにしたり、より土地鑑ある人を紹介して貰ったり、[情報収集]を上手く手伝いたいな

ココツェフ伯爵なら、一般人内で生活を回させる為に、制限はしても街内に極端な移動の規制は多分してない、一定の知識を持つ人間も居た筈

とはいえ、実は当たりはついてる
更に進んだソ連時代でも極一般的に使われて、人が集まり、高貴な振る舞いを目指す者が寄り付かない
即ち……洗濯場が最適じゃないかな


「死妖姫カーミラ、派閥勢力も発言力も削れる時に削らないと、悪戯に犠牲が増えていくね」
 佐伯・雪香(天魔の翼・g01694)はこのままでは大勢の人々がカーミラの犠牲になってしまうと想像して眉をひそめた。
「借りがあるのは偽者の方なんだけど、所属派閥のトップだし、そういう意味でもしっかり妨害はさせて貰うよ」
 いずれは偽物も討つ為に、勢力を叩けるだけ叩いておこうとモスクワの市内に入る門に向かう。
「カーミラは何とも”愉快”な方のようですね。とはいえ儀式は止めねばなりません」
 その隣を歩くレナータ・ペトリェンコ(“Кпык”(クルィーク)・g01229)は美しい女性だけをヴァンパイアノーブルに変えようとしているカーミラの支配するモスクワを見る。大きな街ならば人も多く活気があるはずなのに、今はそれを失い出入りする人もあまり多くなかった。
「まずは仮拠点探しをしましょう」
「そうだね。ヴァンパイアノーブルに見つからないように隠れて行動しよう」
 レナータと雪香は頷き合い【光学迷彩】と【寒冷適応】を使って姿を隠し、夏の新宿から寒いモスクワの急激な気温の変化にも適応して、こっそりと市内へと潜入した。
「簡単に入れましたね」
「でもここからが本番だよ。見つからないように気を付けよう」
 レナータがろくに検閲もしていない入り口を振り返り、辺りを見回す雪香は街中を歩く女性ヴァンパイアノーブルの姿を見てレナータの腕を引き、視界に入らないよう建物の陰に移動した。
「ここ……廃屋みたい」
「扉が壊れたままですね。もしかすると……」
 雪香がドアが壊れ窓も割れている一軒の家を見つけ、レナータは人気のない建物に今起きている事件を連想して最悪な事態を思い浮かべた。
「ひとまずここを拠点にしようよ」
「はい、人が住んでいないならヴァンパイアノーブルが近づくこともないでしょう」
 雪香とレナータは拠点を決めると情報収集に動き出す。

「あそこに住民らしき人がいますね。尋ねてみましょう」
「聴き込みならいいものがあるよ」
 家から出て来た老齢の男性をレナータが見つけると、雪香が笑みを浮かべてウォッカを取り出した。
「すみません。少しいいでしょうか」
「ん? なんだね」
「この街に来たばかりなのですが、人攫いが出るという話しを聞いたのですが……」
「お近づきのしるしにこれをどうぞ」
 レナータが出した話題に険しい顔を見せた老人に、雪香がウォッカを小さなグラスに注いで差し出した。
「おお! 酒じゃないか!」
 ぐいっと一気に飲み干すと老人は朗らかな笑みを浮かべる。
「あんたらよそもんか……その顔、いかんっ……これで顔を隠しとけ!」
 顔を見て慌てた老人が家に戻りマフラーを2人に渡す。
「人攫いだが……新しい領主さまが若い美人の女を集めてるんだ。連れてかれた女は戻ってこねぇ。それどころか家族まで連れてかれちまってる。あんたらも目を付けられる前に帰るんだな」
 老人はこうして喋っているところも見つかりたくないようで話を切り上げようとしていた。
「もう一つ。辺りを彷徨く”物騒な貴族”が寄り付かなさそうな場所を知りませんか」
「貴族様の来ない場所か……」
 レナータの問いに老人は首を傾げた。
(「ココツェフ伯爵なら、一般人内で生活を回させる為に、制限はしても街内に極端な移動の規制は多分してない、一定の知識を持つ人間も居た筈」)
 そう考えた雪香が既に当たりをつけていた。
(「更に進んだソ連時代でも極一般的に使われて、人が集まり、高貴な振る舞いを目指す者が寄り付かない。即ち……」)
「洗濯場の場所を教えてほしい」
「……洗濯場ならそこの細い道に入って右にいった川の近くにある」
 雪香の質問に老人を道を指さして教えてくれる。
「ありがとうございます。よろしければこれをどうぞ」
 レナータがお礼に自作の缶詰〈パラドクスレーション〉を渡す。
「悪いことはいわん。さっさとこの街から離れたほうが賢明だぞ」
 二人を心配して老人は早々に帰るように告げると、面倒事は御免だと家に入ってしまった。
「心配はありがたいけど、まだ用事が終わってないからね」
「では洗濯場に情報収集に向かいましょう」
 雪香とレナータは女性達の集まる洗濯場へと身を隠しながら向かった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【寒冷適応】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!

エルマー・クライネルト
倉庫のことを教えてくれた露店の主人の名を出し中へ
中にいる人々に露天商から購入した食料や日用品を差し入れ、聞き込みを開始する

家族を探しているのだが…ここにはいないらしい
何が起こっているのか、君達が知っていることを教えて欲しい
「居なくなった者を最後に見た場所は何処か」
「街の貴族達が出入りしている場所はあるか」等
儀式が行われていそうな場所を特定できるような情報を集めていく

儀式の場所が分かり次第速やかに現場へ。【光学迷彩】を使用しながら密かに突入
囚われている人達が閉じ込められている可能性を考え【一刀両断】を準備
以前の食人儀式の場では料理人は人間だったがここはどうだろうか
相も変わらずいるようなら騒がれる前に[連撃]で殴り飛ばし無力化
料理人が吸血貴族の様なら身を隠して行動

囚われていた人を救出出来たら、暫く身を隠しているよう指示し他に囚われている者がいるか尋ねる

つくづく酷い目に遭ったな、彼等も思うことは沢山あるだろう
だが今は自分の身を守ることを優先してくれ
私は君達の分まで奴等に怒りを与えてくるとしよう


レナータ・ペトリェンコ
【寒凪】

随分と暗い雰囲気ですね
女性が多ければその知り合いも多い、と……
腹立たしさと同時に申し訳なくもありますが、情報には期待できそうです。
温めたレーション…カーシャとトゥションカを分け、落ち着いてから少し質問をしましょうか。

多少[演技]を交えつつ
・被害者が一人だけ連行された場合
・被害者の家族含めいなくなった場合
その状況と場所について[情報収集]をしましょう。
言い淀む様子なども[看破]し、極力優しく接し情報を聞き出します。
危険が及ぶことを考えれば無理もありません。

それらの情報を雪香のものと擦り合わせれば、自然と儀式場所の候補が浮かび上がるはず。
その後本来の目的を明かし人々を勇気付け、二人で儀式場所に迅速に救助へ向かいます。

到着次第陽動する雪香と離れ、外から遮蔽を確保できる侵入経路を[看破]。【光学迷彩】を纏い”トゥームストーン”を装備して[忍び足]で被害者に接近、クロノヴェーダは《ステルス・ストライク》で素早く静かに[暗殺]、拘束があるなら解いて雪香の迷宮化の混乱を利用して脱出させます。


佐伯・雪香
【寒凪】

ナータと協力して洗濯場に来る人達に聞き込みして、現場に踏み込もう
先程と同じ様に[歴史知識]を[情報収集]に活用して手伝うよ
重視するのは、被害者の住所と各施設の位置の相関

この儀式自体、カーミラを始め、より上位の者に娯楽として視察され易いから、広さも調度も必要になる
類似例の報告書も幾らか読んだけど、家族の肉を使うのが好みの手口みたいだし、一家丸々拉致するにせよ、狙った対象は招待してその間に家族を拉致するにせよ、動線が良好な必要があるよね

「それらを最も満たし易いのは、貴族街区から離れても一定の住居毎に必ず存在し、刻逆発生以後、従属を強いる為、華美な生活の為、あなた達に塗り替えられて来た筈の……教会、だった場所だ。 そうでしょう?」
(違った場合
「だと思ってたんだけど。 なるほどね」)

「この調度も、ココツェフの配下ならもう少し上手く使うだろうね。あなたもそう思わない?」

と入りながら挑発
被害者から注意を逸らし、【天空回廊】で施設そっくり【迷宮化】
彼女達が逃げるのをサポートしよう


●倉庫
「すまない」
 エルマー・クライネルト(価値の残滓・g00074)が倉庫の扉をノックして声をかける。
「……誰だ?」
「露店のヤコフからここに私の家族がいるかもしれないと聞いた」
「……入れ」
 ドアが開き男が周囲を確認して中に招く。倉庫に入ると男は奥へと案内する。そこには匿われた人々の姿があり、美形の少女も居た。
「あんたも逃げ込んできたのか?」
「私は家族を探しているのだが……ここにはいないらしい。何が起こっているのか、君達が知っていることを教えて欲しい」
 エルマーは残念そうな素振りをし街の事を尋ねる。
「ご領主様が変わってから、若くて見た目のいい女が連れていかれるようになったんだ」
「それだけじゃないの。その家族も連れ去られて、誰も帰ってこないの……だから子供を連れて匿ってもらったのよ」
 母親は震える美しい娘を守るように抱きしめた。
「居なくなった者を最後に見た場所は何処か知っているか」
「この近くの家よ。綺麗だって評判の娘がいたから押し入られたの」
 エルマーの問いかけに母親が答える。
「近くに街の貴族達が出入りしている場所はあるか」
「大きなお屋敷があるわ。北に大きな道があって右に向かったところよ」
「そうか、話を聞けて助かった。私はまた家族を探しに向かう」
「気を付けて! あなたの家族が無事なことを祈ってるわ」
「ありがとう」
 情報を手に入れたエルマーが一礼して倉庫を出る。

●洗濯場
「ジーナのところも連れてかれたみたいよ」
「はぁ……どうなるのかしら……」
 女性達が冷たい水で洗濯をしながら暗い顔で不安を感じていた。
「随分と暗い雰囲気ですね。女性が多ければその知り合いも多い、と……腹立たしさと同時に申し訳なくもありますが、情報には期待できそうです」
「とりあえずは聞き込みね。被害者の情報を知ってるといいわね」
 レナータ・ペトリェンコ(“Кпык”(クルィーク)・g01229)は少しでも女性達の心をほぐそうと温めたレーションを差し入れ、佐伯・雪香(天魔の翼・g01694)もそれを手伝う。
「洗濯大変そうですね。これをどうぞ」
「差し入れよ」
「まあ、いいの?」
「ソバの実のカーシャだわ!」
「こっちは牛肉のトゥションカよ!」
 温かな食事にありついた人々はほっと心落ち着かせる。
「私達はこの街に来たばかりなのですが、最近連れ去られる人が出ているとか。教えてもらえませんか」
 一息ついて落ち着いたところでレナータが質問を始めた。
「領主様が変わってからこの街は変わっちまったのさ」
「若く美しい女性を集めてるらしくってね。見つけたら片っ端から連れてかれるんだよ」
「あんたたちも美人だから連れてかれるかもしれない。さっさとこの街を出た方がいいよ」
 堰を切ったように女性達が二人を心配して忠告してくれる。
「どの辺りで攫われたのでしょう」
「ここから少し北にいったところにある家よ。ジーナの娘が美人でね。家族ごと連れてかれたわ」
 レナータの質問に仲の良かった友人が連れていかれたのだと女性が悲しむ。
「ほんと、領主様が前のままだったらこんなことには……」
「こら! あんまり口を軽くするんじゃないよ! もし聞かれたらただじゃすまないよ!」
 恰幅のいい女性がそう注意すると、一気に場が静まり返った。
「お邪魔しました。私達も気を付けることにします」
 レナータはこれ以上は聞き出せないだろうと話を切り上げその場を離れた。

「この儀式自体、カーミラを始め、より上位の者に娯楽として視察され易いから、広さも調度も必要になる」
 黙って聞いて情報を整理していた雪香は敵の居場所を推測する。
「類似例の報告書も幾らか読んだけど、家族の肉を使うのが好みの手口みたいだし、一家丸々拉致するにせよ、狙った対象は招待してその間に家族を拉致するにせよ、動線が良好な必要があるよね」
 それならば攫われた家族の家からそれほど離れた場所ではないはずだと当たりをつける。
「それらを最も満たし易いのは、貴族街区から離れても一定の住居毎に必ず存在し、刻逆発生以後、従属を強いる為、華美な生活の為、あなた達に塗り替えられて来た筈の……教会、だった場所だ。 そうでしょう?」
 近辺の最終人類史では教会として残っている場所。そこに向かうと教会の姿はなく大きな屋敷があった。
「どうやら正解みたいね」
 雪香は推測が当たっていたと得意気な笑みを浮かべた。

●屋敷侵入
「ここか」
 屋敷を見つけたエルマーは【光学迷彩】を使い物陰に隠れながら忍び込む。
(「……裏口があるな」)
 エルマーは使用人が使うような裏口を見つけた。他者が忍び込むなど考えてもいないのか鍵は掛けられていなかった。
(「以前の食人儀式の場では料理人は人間だったがここはどうだろうか」)
 調理場と思しき場所の中から声が聞こえる。
「ミラナはどこ!」
「あなたの娘さんは先に晩餐会に行ってるよ。安心していい。すぐに感動の再会ができる――最高の料理として!」
 拘束された女性の前で人間の料理人が嗤うと、手にした肉切り包丁を手に近付く。
「ひっ!!!」
「相も変わらずいるようだな」
 女性が殺される前にエルマーが飛び込むと、料理人を有無を言わさず殴り飛ばす。
「もう大丈夫だ。暫くここで身を隠していろ」
「は、はいっ」
 調理場を見ると他にも捕まっている女性の家族らしき人達もいた。
「つくづく酷い目に遭ったな、思うことは沢山あるだろう。だが今は自分の身を守ることを優先してくれ。私は君達の分まで奴等に怒りを与えてくるとしよう」
「どうか、娘のミラナを助けてください!」
 任せておけと頷いたエルマーが部屋を後にした。

●屋敷探索
「そろそろ食事ができた頃ですね。取りに向かいましょう」
 トループス級『群れなす者『ヴルダラク』』が晩餐会の為の食事を運ぼうと調理場に向かう。
「この調度も、ココツェフの配下ならもう少し上手く使うだろうね。あなたもそう思わない?」
「侵入者!?」
 そこへ雪香が話しかけ、驚くヴルダラクに向かってパラドクス『天空回廊(アジュールコリドー)』を発動して辺りを【迷宮化】し、ヴルダラクを僅かな時間惑わせる。
「捕まっている人達がどこかにいるはずです」
 その間に別行動をしているレナータが【光学迷彩】を纏って見つかり難くして物陰に身を隠しながら移動し、囚われた人々を探す。
「うぅううう……」
「声が聞こえます」
 そちらに向かって移動し、声がする部屋の扉を慎重に開ける。中には縄で拘束された人々が居た。その中には一際美しい少女の姿もある。
「大丈夫ですか、助けにきました」
「ありがとうございます!」
 すぐに拘束を解いて解放すると、涙ながらに人々はお礼をいった。
「今この屋敷の中は混乱しています。ここから脱出してください」
「わかりました。みんな逃げるぞ! ジーナ、子供達と手を繋いで逸れないようにな」
「はい!」
 父親らしい男性が声をかけ、家族を連れて屋敷の外へと逃げていった……。
 屋敷内に囚われていた人々を解放し、残るは晩餐会場に招かれている女性のみと、ディアボロス達は非道なヴァンパイアノーブルを倒しに大広間へと向かった――。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【光学迷彩】がLV2になった!
【迷宮化】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【アヴォイド】がLV2になった!
【反撃アップ】LV1が発生!

●晩餐会の闖入者
「遅いのぅ。何をしておるのじゃ」
 食人儀式の為の料理の到着が遅れて『血を望む魔女バーバ・ヤガー』が苛立つようにテーブルを指で叩いた。
「…………!」
 その悪感情に主賓である美しい金髪の女性ミラナが恐怖に身体を震わせた。
「すぐに調べて参ります」
 後ろに控えていた『群れなす者『ヴルダラク』』が動き出そうとしたところで、扉が真っ二つに裂かれ、料理を取りに行っていたヴルダラクが中へと吹き飛んで地面を転がった。
「何じゃ、まさかディアボロスの襲撃かの?」
 大広間に突入してきたディアボロス達の姿を見てバーバ・ヤガーは顔をしかめ、ヴルダラク達は迎撃態勢に入った――。
レナータ・ペトリェンコ
【寒凪】

救助対象はあと1人。
人肉を食べるのを見て愉しむ趣味などありませんので会場へ『お邪魔』して、加害を加えさせず主賓を救い敵を一掃します。
開いた扉から入りつつ胸元に片手を当て主賓に目を合わせ、
「救済に参りました。目を閉じ祈りを捧げなさい。さすれば救いは訪れるでしょう。」
と誠実に、まるで聖職者のように[演技]し語りかけます。
これで目を閉じてくれると良いですが。
その間自然な所作で片手に”スイッチグレネード”を持ち、閃光モードで敵近くへ転がします。害は無くとも一瞬の隙は作れる筈です。その間に雪香が助けてくれるでしょう。

僅か数秒後に【鋼鉄の楽団】発動、無数の銃火器をヴルダラク達の背後へ召喚し撃ち下ろします。
死に絶えるまで踊りなさい、何度でも。

雪香と合流後ミラナさんに、
「あなた達は一人ではありません。
街の皆はとても心配していました。
すぐ外へ助けを求めなさい。
きっと皆が手伝ってくれるでしょう。」
と[勇気]づけて外へ向かわせます。

……さて、散々手を焼かせてくれた『最後の一人』をどうしてくれましょう。


佐伯・雪香
【寒凪】

【モブオーラ】で気配を断ちつつ、ナータの演技と閃光手榴弾に連携する形で、[ソニックブーツ]の大気を[風使い]として操り、高速機動でミラナさんに急接近
[天環の加護]を乗せた【咲き誇る蒼天】による無数の花弁の[斬撃]や【一刀両断】で敵や彼女を拘束する要素を纏めて片付ける

「主賓をもてなすのも覚束無いなんて、ホストとしての自覚に欠けてるんじゃない?」

超高圧の風で彼女を保持しつつ身を守り、挑発で注目を集めてナータの追撃を補助しつつ、速やかに後退するね

それから、【友達催眠】で受け入れ易い様にして、大事な事を伝えておこう

「いい? ボク達はあれらを倒すけれど、あなたもやることがあるんだ。
恐らく、以前の犠牲者の遺体の一部が、どこかに廃棄されてる。
特に頭部はまともに使えないからね。
今幾つもの場所で儀式を妨害してるけれど、モスクワ解放にはまだ掛かる……この屋敷は取り返されるんだ。
恐らく数日も猶予は無い。
明日の朝かもしれない。
助けを呼んで、手伝って貰って、髪の一房ずつだけでも弔ってあげるんだよ」


エルマー・クライネルト
相変わらず悪趣味な料理人がいることに怒りを通り越して呆れてくる
彼らは明日は我が身とは思わんのかね…思わないのだろうな
はぁ、今は目の前のことに集中するとしよう

この悪辣な催しの主催者――ヴァンパイアノーブル。貴様等の企みもその存在も、何処の何よりも価値がない
全て台無しにした上で、始末してくれる

ヴルダラク共が迫る前に此方から挑発して気を引きながら肉薄し一般人との間に割って入る
背後に【防衛ライン】を引き、避難するまでの間敵を抑えるとしよう
先へ行きたければ我等を倒してからだ、やれるものならな

パラドクスを発動し迎撃態勢を取る
不用心に近づく者へは回転刃の斬撃で刻み、頭上を飛び越えようとするものへは散弾銃の射撃で撃ち落とす
奴等が見せてくる幻は儀式で犠牲になった者への幻か、或いはこれから犠牲者になる予定の我々へのものか…どちらにせよ悪趣味だ

彼らは此処にはいない。それが大切な誰かの幻影だったとしても、相まみえるのは今よりもずっと先のことだ
惑いそうになる心を諫め[貫通撃]で幻影ごとヴルダラクを撃ち抜いてくれる


●儀式阻止
「相変わらず悪趣味な料理人がいることに怒りを通り越して呆れてくる」
 エルマー・クライネルト(価値の残滓・g00074)は先ほど見た、人間でありながら人間を害する料理人を思い返す。
「彼らは明日は我が身とは思わんのかね……思わないのだろうな。はぁ、今は目の前のことに集中するとしよう」
 溜息と共にもやもやする感情を吐き出し、【一刀両断】で晩餐会が開催されている部屋のドアを破り突入する。そこにはこちらを見るヴァンパイアノーブル達と、美しい一人の女性「ミラナ」の姿があった。
「この悪辣な催しの主催者――ヴァンパイアノーブル。貴様等の企みもその存在も、何処の何よりも価値がない。全て台無しにした上で、始末してくれる」
「なんですって!」
「押し入った賊が失礼よ!」
 そうエルマーが高らかに宣言すると、挑発に乗せられたヴルダラク達が攻撃が来ると思い身構える。
 その間にエルマーは突撃して席についていたミラナと敵の間に割って入り、背後に【防衛ライン】を引いて背に守る。

「救助対象はあと1人。人肉を食べるのを見て愉しむ趣味などありませんので会場へ『お邪魔』させてもらいます」
 続けてレナータ・ペトリェンコ(“Кпык”(クルィーク)・g01229)が晩餐会を邪魔しに踏み込む。そして驚いてこちらを見るミラナと目を合わせる。
「あなたたちは……」
「救済に参りました。目を閉じ祈りを捧げなさい。さすれば救いは訪れるでしょう」
 胸元に片手を当て誠実な態度を演じて主賓に目を合わせてそう告げる。それはまるで聖職者のようで女性には信じようという気持ちが芽生えた。
「はい……どうか救いを………」
 女性が目を閉じ、手を組んで祈りを捧げる。
「その娘が目的?」
「儀式の邪魔はさせません」
 ヴルダラク達が自ら打って出ようと目を輝かせるが、同時にレナータは自然な所作で片手に〈スイッチグレネード〉を持ち、閃光モードで敵近くへ転がす。それが眩い光を放って目を眩ませる。
「攻撃! 反撃するのよ!」
 それを受けたヴルダラクがすぐに反撃に動き出し鮮血の如きオーラを纏う。
(「ミラナさんを巻き込まないように守らなくては」)
 佐伯・雪香(天魔の翼・g01694)は【モブオーラ】で気配を断ちつつ、閃光に乗じて飛び込み〈ソニックブーツ〉で風を足裏の受けるように少しでも加速し、敵の反撃が成る前にパラドクス『咲き誇る蒼天(ル・シエル・ブルー)』を発動して、オラトリオの『シエル』を召喚して魔力の循環を行い、その膨大な魔力を使って無数の蒼い花弁を生み出す。それがヴルダラク達を包み込み、刃のように全身を切り刻み赤と蒼に染めていく。
「私の体が――」
「パラドクスよ!」
 ヴルダラク達が遅れて雪香に気付き、仲間を新たに呼び出し体勢を立て直す。
「主賓をもてなすのも覚束無いなんて、ホストとしての自覚に欠けてるんじゃない?」
 雪香は挑発して敵の注意を己に向けさせた。
「邪魔しに来ておいてなんて言い草なの!」
「反撃で血の一滴まで吸い尽くしてあげましょう」
 ヴルダラクは雪香を包囲して一斉に飛び掛からんとする。
「いいえ、まだこちらの攻撃が続きます」
 そこへレナータがパラドクス『鋼鉄の楽団(アイアンスティール・オーケストラ)』を発動し、無数の銃火器をヴルダラク達の背後へ召喚してオーケストラのように一斉発砲して銃撃音を響かせた。
「キャアアアア!!!」
 不意打ちを受けたヴルダラクは背中を赤く染めて倒れていく。その間に雪香は後退した。
「――!」
 眼を閉じていてもその激しい戦闘音は聞こえる。ミラナはびくりと震えながらも懸命に祈り続けた。
「死に絶えるまで踊りなさい、何度でも」
 レナータは銃撃のリズムに合わせて敵を踊らせるように撃ち倒していった。

「その娘が目的なら盾にすれば――」
「先へ行きたければ我等を倒してからだ、やれるものならな」
 ヴルダラクがミラナに向かおうとすると、エルマーが立ち塞がり機械人形〈Schrecken〉を前に出してパラドクス『Igel(ボウエイセン)』を発動する。
「お人形遊び?」
 ヴルダラクがそれを薙ぎ払おうとするが、防衛態勢を取った人形が内臓する回転式機械刃を展開してその腕を切断した。
「いぎっ! なに?!」
 驚いて足を止めたヴルダラクをさらに回転刃が襲い全身を切り刻んでバラバラにした。
「強い。なら上を越えていけば――」
 ヴルダラクが跳躍すると、人形は小型散弾銃を展開して発砲し胴体を穴だらけにして撃ち落とした。
「キャアアアアア!!!」
 落下したヴルダラクに容赦なく人形は回転刃を振り下ろして止めを刺した。
「その力、私達と同じにして貰い受けます……」
 ヴルダラクがエルマーを魅了しようと、目を輝かせて幻を魅せる。それは喪った人の記憶――。
「儀式で犠牲になった者の幻か……悪趣味な」
 子を愛するが故に儀式の食材として殺される親の幻にエルマーは怒りを覚えその幻惑に掛かり切る前に意識をはっきりさせた。
「彼らは此処にはいない。それが大切な誰かの幻影だったとしても、相まみえるのは今よりもずっと先のことだ」
 エルマーが操る冷たい人形は幻にも動じず、散弾を放って幻ごと敵を貫いた。
「こんな馬鹿なことが………」
 最後のヴルダラクもレナータと雪香の連携攻撃で倒れ、残るはアヴァタール級のみとなった。

「いったいなにが……」
 戦いの音が途絶えミラナが目を開くと、そこには倒れたヴルダラクの姿があった。
「いい? ボク達はあれらを倒すけれど、あなたもやることがあるんだ」
 驚いているミラナに雪香が【友達催眠】を使い優しく親しみのある声をかける。
「恐らく、以前の犠牲者の遺体の一部が、どこかに廃棄されてる。特に頭部はまともに使えないからね。今幾つもの場所で儀式を妨害してるけれど、モスクワ解放にはまだ掛かる……この屋敷は取り返されるんだ」
 連れていかれた人々がここで犠牲となり遺体が放置されていることを伝える。
「そんな……」
「恐らく数日も猶予は無い。明日の朝かもしれない。助けを呼んで、手伝って貰って、髪の一房ずつだけでも弔ってあげるんだよ」
「あなた達は一人ではありません。街の皆はとても心配していました。すぐ外へ助けを求めなさい。きっと皆が手伝ってくれるでしょう」
 不安そうなミラナに勇気を与えようと、雪香に続いてレナータもやるべきことを示して背中を押す。
「は……はい! みんなに伝えて、必ず弔います!」
 ミラナが深々とディアボロス達に頭を下げ、壊れた扉から部屋を出て行った……。
「……さて、散々手を焼かせてくれた『最後の一人』をどうしてくれましょう」
 レナータが残された魔女に視線を向けると、会話の邪魔に入らせぬようにエルマーが対峙していた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【操作会得】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV2になった!

●血に染まった部屋
「この力、どうやらディアボロスで間違いないようじゃの」
 椅子に座ったまま『血を望む魔女バーバ・ヤガー』が目を細めて闖入者を見極める。
「我が晩餐会を滅茶苦茶にしてくれたのじゃ。覚悟はできておろうな?」
 ゆっくりと立ち上がると、床を染めるヴルダラク達の血が動き出し無数の槍となって地面から生えた。
「この部屋は既に我が支配下となっておる。そこの男は血の一滴まで飲み干してやろうかのぅ。そしてそちらのおなごどもは美形じゃ。それならば同胞にしてカーミラ様に捧げるとしようかのぉ」
 魔女は逃げた人間よりも目の前のディアボロスの方が価値が高いと嗤った――。
レナータ・ペトリェンコ
【寒凪】

この期に及んで儀式にかまけているとは、吸血ロマノフ王朝の現状を全く理解していないようですね。
この輩に何も訊くことはありません。
『お掃除』を始めましょう。

雪香の攻撃の終わり際に閃光モードの[スイッチグレネード]を投げます。

その間に物陰へ【光学迷彩】で隠れ敵の背後を維持。バーバ・ヤガーが目を開く頃には《死へ誘う流星》で”秘密の棘”と“ヴォルナ”の[弾幕]を展開。悠々と語り掛けたり、至近距離で彼女の手を取ったり顔に触れて焦燥を煽って消耗や動揺を誘います。
クロノヴェーダかつこのように醜悪な性格でなければ淑女と呼ぶに相応しいのですが。

「無駄撃ちが過ぎます。 お手本を見せましょう。」

豊富な[戦闘知識]で敵の行動を[看破]、反撃の血槍から被弾しそうなものを的確に撃ち落としダメージを抑え、パラドクスに[フェイント]を織り交ぜた[誘導弾]で攻めます。

全方位から無数の銃弾・投げナイフでの[貫通撃]を叩き込み続け、死の瞬間まで踊っていただきますよ。
貴女の血肉を捧げ、このふざけた儀式を終わらせましょう。


佐伯・雪香
【寒凪】


「手短に済ませよう。
すぐに彼女達が戻って来るだろうから」

使うのは【落花流水】
[天環の加護]でシエルの[ブレス]を受けて、豊富な[魔術知識]と[全力魔法]で水を操り、炎を媒介である血毎絡め取る

「炎の御し方もあなたより心得ていれば、魔法の威力もボクの方が上だ。
元々あった歴史に縋り付いたままのその心根毎、避け得ぬ衰亡に飲み込んであげる」

それでもボクの方へ来る炎があっても、[静夜の羽々守]で十分被害を弱められるだろうね

[連続魔法]で長時間制御も苦でもない
そのまま水流に力場を注ぎ込み、[貫通撃]で風穴を空けて、使える血全部抜き取らせて貰ったらナータに交代、トドメは任せよう
儀式の場に招待してないなら今回は完成してから献上するんだろうし、助けが間に合うことは無いと本人が一番分かってる筈、長くは保たない

その間ボクはテーブルの上にあったり散らかったりした肉を纏めておこう
これも弔われるべき人達の一部だからね
直接目に触れない様包んで、来てくれる人達に向けて一筆認めておこう
中を開けて見ない様にも、ね


エルマー・クライネルト
なんの覚悟だ?貴様を討ち、モスクワの状況を少しでも良くする。その覚悟なら十分にできているとも
ココツェフを討伐した事は間違いではない、だがカーミラをのさばらせる事になったのも事実。故にその責任は取る

相手は一人だがアヴァタール級、戦場も奴に有利な状況になっているだろう。味方との連携と残留効果を有効に使っていく
パラドクスを発動し、操り人形を伴い突撃
ある程度の被弾は覚悟の上、降る血の槍を回転刃の薙ぎ払いで直撃を逸らしダメージを抑える
数は尋常ではないが、自分自身に降り落とすことは出来ないだろう
バーバ・ヤガーと距離を詰め、接近戦に持ち込む事で槍を落とさせないよう意識

私の血は貴様にくれてやるほど安くもない、今散々振り回している部下の血でも飲んでいたらどうだ
砕いた血の槍を人形の機械腕で掴み、逆に貫き返して床に縫い付ける
その死を以てモスクワの民に跪け

食人儀式か、こんなことが今も街中で起きていると思うと寒気がするな
だが…先ずは一つ阻止することが出来た。今はそれで十分だろう


白石・明日香
効果2は全部使用。
やれやれあんまり無理するものじゃないと思うけどね、おばあちゃん?
【光学迷彩】で隠れながら可能な限り近づきバレたら残像で攪乱しながらダッシュで接近!相手の攻撃は結界術で受け流して威力重視で武器改造して早業呪詛、捨て身の一撃で解体してあげる!
ひとまずは悪趣味な宴終わらせましょう。
本命はまだ先だけどね・・・・


●響くのは……
「なんの覚悟だ? 貴様を討ち、モスクワの状況を少しでも良くする。その覚悟なら十分にできているとも」
 正面に堂々と立つエルマー・クライネルト(価値の残滓・g00074)は相手の一方的な宣言に真っ向から逆らう。
「ココツェフを討伐した事は間違いではない、だがカーミラをのさばらせる事になったのも事実。故にその責任は取る」
 支配者がカーミラに変わった所為で犠牲者が増えてしまった。その責任としてカーミラの配下も討ち取り人々を救おうとパラドクス『Jetzt und in Zukunft.(スプリント)』を発動し、十指に繋いだ鋼糸が巧みに機械人形〈Schrecken〉を操り共に魔女へと迫る。
「お人形さん遊びかえ? 童遊びに付き合ってやろうかのぅ」
 バーバ・ヤガーは笑みを崩さず、迎え撃とうと浮かべた無数の血の槍を降らせた。
「ある程度の被弾は覚悟の上だ」
 エルマーは人形を操って降り注ぐ血の槍を回転刃で薙ぎ払い、ナイフのような破片を受けながらも直撃をだけは避けて突っ込む。
「数は尋常ではないが、自分自身に降り落とすことは出来ないだろう」
「自ら血を吸われに来たようじゃの。ではご馳走になるとするのじゃ」
 バーバ・ヤガーが後一歩で懐に入れるというところで、集中して血の槍を浴びせる。

「やれやれあんまり無理するものじゃないと思うけどね、おばあちゃん?」
 【光学迷彩】を使い晩餐会の長テーブルの陰に隠れてある程度接近した白石・明日香(弔いの狩人・g02194)が飛び出し、エルマーに気を取られている魔女に強襲する。
「潜んでいたのがおったか!」
 バーバ・ヤガーがすぐさま血の槍の向きを変え、明日香に向かって降らせる。
「直撃は避けないとね」
 明日香は結界を張りながらパラドクス『血の盟約』を発動し、双剣〈彼岸・此岸〉を自分の腹に突き立てて血を纏わせる。
「同じ血を使うパラドクス。どちらが強いか勝負といこうか」
 口の端から血を流しながらも笑みを浮かべ、明日香は双剣を振るって結界を破って真っ直ぐに迫る血の槍を弾いた。
「ほう、同じく血を使う術を持っておるようだのう。じゃがこちらに一日の長があるようじゃの」
 バーバ・ヤガーは双剣よりも無数の槍の方が手数は上だと、物量で押し潰さんと槍を一斉に降らせる。
「やっぱり歳を取ると物忘れが激しくなっちゃうみたいね、おばあちゃん」
 明日香が魔女の懐に飛び込んだエルマーに視線を向けると、ようやくバーバ・ヤガーは失策に気付いた。
「私の血は貴様にくれてやるほど安くもない、今散々振り回している部下の血でも飲んでいたらどうだ」
「しま――」
 エルマーは砕いた血の槍を人形の機械腕で掴み、逆に魔女の腹に貫き返して押し倒し床に縫い付けた。
「ぐげぇっ!!!」
「その死を以てモスクワの民に跪け」
 血を吐く魔女を冷たい目で見下ろした。
「そういうのを年寄りの冷や水っていうんだよ」
 明日香が双剣を振るい、血の槍を斬り払いながら魔女の胴を左右から斬り裂いた。
「ぐふぅ……年寄りを侮るでないわ……」
 バーバ・ヤガーは自らの血を槍に変えて伸ばし、それをエルマーと明日香は人形と双剣で防いだが、衝撃で押しやられ距離を取られる。

「やりおるのう。じゃが血が流れるほどに吸血鬼は強くなるのじゃ」
 バーバ・ヤガーはばら撒かれた血を媒介に炎を生み出す。
「この期に及んで儀式にかまけているとは、吸血ロマノフ王朝の現状を全く理解していないようですね」
 レナータ・ペトリェンコ(“Кпык”(クルィーク)・g01229)は変わらず儀式を行っているカーミラ勢力に呆れる。
「この輩に何も訊くことはありません。『お掃除』を始めましょう」
 仲間の戦いに紛れ目立たぬように背後へと動く。
「手短に済ませよう。すぐに彼女達が戻って来るだろうから」
 正面に立った佐伯・雪香(天魔の翼・g01694)は人々が屋敷に戻ってくる前に全て終わらせようと、パラドクス『落花流水(アヤマタズミナモニワカタレルコト)』を発動する。
オラトリオ『シエル』のブレスを受け、水を操り辺りに燃える炎を媒介である血ごと絡め取る。
「炎の御し方もあなたより心得ていれば、魔法の威力もボクの方が上だ。元々あった歴史に縋り付いたままのその心根毎、避け得ぬ衰亡に飲み込んであげる」
 自然界では存在し得ない高圧力の水流を放ち、氷華を咲かせながら鋭い刃となってバーバ・ヤガーの左腕を貫き切断した。
「なっ、ぐぬぅっ!!」
 眼を見開いたバーバ・ヤガーが呻き声を漏らした。
「我に手傷を負わせたことを後悔するがよいのじゃ」
 噴き出した血を炎に変えていく。その近くにいるだけで火傷するような熱気から防護力場〈静夜の羽々守〉で身を守る。その舞う羽を貫き炎は体を焼かんとじりじりと迫っていた。
(「好機です――」)
 注意が逸れている間に敵の背後に回り込んだレナータは、閃光モードの〈スイッチグレネード〉を手にして放り投げ眩い光で室内を照らす。
「目を眩ませたところで我の攻撃からは逃られんのじゃ」
 バーバ・ヤガーは目を閉ざしたまま目晦まし攻撃に反撃して血の槍を降らせる。レナータはテーブルの陰に飛び込んで【光学迷彩】を使うがテーブルは簡単に粉砕され、露わとなったレナータに殺到する。目が見えていなくてもパラドクスは空間を歪め狙いが自動で修正された。
「隠れられないなら、こちらも打って出るだけです」
 即断したレナータはパラドクス『死へ誘う流星(メテオ・バラッジ)』を発動し、小さいダガー〈秘密の棘〉を無数に投擲し、ジルコフ式自動小銃〈“ヴォルナ” AZh-20〉を連射して物理的には在り得ぬほどの弾幕を一気に張った。血の槍の弾幕とナイフに銃弾の弾幕がぶつかり合い、部屋が粉砕されていく。
「無駄撃ちが過ぎます。 お手本を見せましょう」
 レナータは適当にばら撒いている血の槍に向けてナイフを当てて弾き、銃弾を集束してバーバ・ヤガーの胴体を撃ち抜く。

「ごふっ――小娘が生意気に……」
 血を吐いたバーバ・ヤガーがレナータを睨みつけ、血の槍を増やす。
「ここで決める――」
 雪香は自分から相手の意識が逸れた隙に攻撃に集中する。パラドクスを維持できるのは僅かな間。その間に勝負を決めてしまおうと水使いの技能で巧みに操り水流に力場を注ぎ込み、胸に風穴を空けると、そこから噴水のように血を抜き出す。
「がっ、これはいかんっ」
 慌ててバーバ・ヤガーは胸の傷を塞ごうとするが、水流は触れられても動かすことはできない。
(「儀式の場に招待してないなら今回は完成してから献上するんだろうし、助けが間に合うことは無いと本人が一番分かってる筈、長くは保たない」)
 このまま仕留められると雪香はレナータに視線を向けた。
「トドメはナータに任せるね」
 目で返事を受けた雪香は安心して後を任せる。
「死の瞬間まで踊っていただきますよ。貴女の血肉を捧げ、このふざけた儀式を終わらせましょう」
 レナータは全方位から無数の銃弾と投げナイフを浴びせ、蜂の巣のように魔女の全身に穴を開けた。全身から血が流れ落ち、晩餐会場は真っ赤に染まった。
「がはっ……この我が血を失って死ぬなど……ありえんのじゃ…………」
 バーバ・ヤガーは大量の血の池に倒れ込み、そのまま息絶え動かなくなった……。

「クロノヴェーダかつこのように醜悪な性格でなければ淑女と呼ぶに相応しい相手でしたが、これではただの悪女でしたね」
 レナータは死んでも改心などせぬだろう悪女を見下ろした。
「これも弔われるべき人達の一部だからね」
 雪香は直接目に触れない様に部屋の隅に置いてあった残飯を包んで、来てくれる人達に向けて一筆認める。
「中を開けて見ない様にも、ね」
 既に犠牲となってしまった人々を供養して欲しいと伝える。
「ひとまずは悪趣味な宴を終わらせられましたね。本命はまだ先だけど……」
 明日香はこの悪趣味な儀式が全て終われば、いずれカーミラに手が届くはずだと期待する。
「食人儀式か、こんなことが今も街中で起きていると思うと寒気がするな。だが……先ずは一つ阻止することが出来た。今はそれで十分だろう」
 頷くエルマーは犠牲になる人々を助けられた事に満足し、全ての儀式が阻止されることを願う。
 そうしてディアボロス達が屋敷を後にすると、暫くして逃げた人々が犠牲者を弔う為に屋敷に戻り、死者の安らかな眠りを願い祈りを響かせた……。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【防空体制】LV1が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
【水面走行】LV1が発生!
【断末魔動画】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV4になった!
【凌駕率アップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2023年09月14日

『死妖姫カーミラ』の食人儀式

 《七曜の戦》後、モスクワは、サンクトペテルブルクから移動してきた、ジェネラル級ヴァンパイアノーブル『死妖姫カーミラ』と、その取り巻きによって支配されたようです。
 更に、モスクワ中の若い美女達がクレムリンに連行され、カーミラの趣味の犠牲となり、食人儀式により、新たなノーブルヴァンパイアが生み出されようとしています。

 連れ去られた美女を救出し、食人儀式を阻止して、モスクワの人々を護ってください。

 モスクワでの食人儀式を阻止する事で、吸血ロマノフ王朝全土で食人儀式を行うというカーミラの目論見を潰すことが出来ます。


死妖姫カーミラ


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 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#吸血ロマノフ王朝
🔒
#『死妖姫カーミラ』の食人儀式
🔒
#死妖姫カーミラ
🔒
#食人儀式
🔒
#モスクワ


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選択肢『モスクワへの潜入』のルール

 死妖姫カーミラが支配するモスクワ市内への潜入を行います。
 モスクワ市内は、多数のクロノヴェーダが徘徊していますが、統制は取れていない為、敵の警戒をすり抜けて市内に入り込む事は可能でしょう。
 徘徊するクロノヴェーダの動きを察知し、見つからないように市街地に入り込んだ上で、活動拠点となる場所を確保してください。
 活動拠点は、クロノヴェーダに見つからない場所で、一般人から情報を集めやすい場所が良いでしょう。
 拠点とした場所によって、得られる情報の精度や情報を得る為の難易度が変化します。

 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【🔑】この選択肢の🔵が👑に達しない限り、マスターは他の選択肢のリプレイを執筆できない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『食人儀式を止めろ』のルール

 手に入れた活動拠点で情報を集めつつ、食人儀式が行われている場所を見つけ出してください。
 一般人の家族が連れ込まれて帰ってくるものがいない……と噂される場所を見つけたり、或いは、最近誰かにつけられているように感じている人と接触するなどして、儀式が行われている場所を特定、踏み込んでください。

 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾護衛するトループス級『群れなす者『ヴルダラク』』のルール

 事件の首魁であるクロノヴェーダ(👿)を護衛するトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 👾を撃破する前に👿と戦闘を行う場合は、👾が護衛指揮官を支援してくるので、対策を考える必要があるでしょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との決戦『血を望む魔女バーバ・ヤガー』のルール

 事件の首魁である、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破する事で、この事件を成功で完結させ、クロノヴェーダの作戦を阻止する事が可能です。
 敵指揮官を撃破した時点で、撃破していないクロノヴェーダは撤退してしまいます。
 また、救出対象などが設定されている場合も、シナリオ成功時までに救出している必要があるので、注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、敵を倒し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「白石・明日香」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。