業火に抗う希望(作者 小鳥遊彩羽
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#断頭革命グランダルメ  #南フランスの現地ディアボロス救出:陽動作戦  #火刑戦旗ラ・ピュセル  #キマイラウィッチ  #ジャンヌ・ダルク  #シャルル7世  #南フランスの現地ディアボロス救出 

●業火に抗う希望
「さて、急ぎの案件だ」
 新宿駅グランドターミナルでディアボロスたちを出迎えたアレッサンドロ・カリオストロ(人間の錬金術師・g08632)は、何時になく真剣な表情でそう切り出した。
 ――曰く。
 断頭革命グランダルメの南方、いわゆる霧地帯と呼ばれる場所を超えた先に存在が確認されていた新たなディヴィジョンへの威力偵察、及び攻略旅団の提案により、特別なパラドクスが出現したのだという。
「南フランスのディヴィジョンの名は、『火刑戦旗ラ・ピュセル』――そして、今回出現したこのパラドクストレインにより、キマイラウィッチの手で、現地のディアボロスが大量に処刑されようとしていることが判明した」
 そう続けるカリオストロの声には、僅かな焦りが滲んでいる。
「キマイラウィッチはこの儀式により大きな力を得て、《七曜の戦》で勝利を収めようとしているのかもしれない。だが、勿論、――このような暴挙を許すわけにはいかない」
 ――《七曜の戦》まで、残された時間はごく僅か。
 だが、皆の力があれば、現地のディアボロスたちを救出することが出来るはずだ。

 現地のディアボロスは、火刑戦旗ラ・ピュセルの都市リヨンに集められ、処刑されようとしている状況だ。
 ――幸いにも、と言うべきであろうか。《七曜の戦》の開始に合わせて最大の力を得るためなのか、まだ処刑は始まっていないようだとカリオストロは続ける。
 だが、火刑台には既に火がつけられており、処刑が行われるのも時間の問題だろう。
 それに加えて、都市には多数のキマイラウィッチが集まっており、救出に行くのもそう簡単なことではなく――仮に潜入して救出したとしても脱出が不可能な状態なのだという。
「そこで、皆には都市にいるキマイラウィッチを都市の外に誘き出すための陽動作戦を敢行してほしい」
 キマイラウィッチには、ディアボロスを恨み、殺そうとする習性がある。
 それを利用すれば、多くのキマイラウィッチを都市の外に誘き出すことが出来るだろう。
「この陽動作戦が成功すれば、改めて現地のディアボロスを救出するための作戦を実行出来るようになる。その作戦が行われている間に、誘き出した敵たちを撃破してほしい」
 撃破が遅れれば、例え救出に成功したとしても、都市を脱出してきた現地のディアボロスに被害が出る可能性がある。
 そのため、速やかな撃破が必要となるだろう。

「……《七曜の戦》直前というタイミングだったけれど、現地のディアボロスの救出の可能性が残っていてくれて、本当に良かったと僕は思うよ。現地のディアボロスの救出そのものは後続のディアボロスに任せることになるけれど、救出作戦を成功させるためにはまず、君たちの力が必要だ」
 妖精郷のエルフ、そして、1793年のパリの錬金術師たちと同様に、救出が叶ったならきっと、現地のディアボロスたちも頼れる仲間となってくれるはずだ。
 説明を終えたカリオストロは、ディアボロスたちをパラドクストレインへいざなう。
「キマイラウィッチはディアボロスに強い恨みや復讐心を持っているようだけれど、“復讐”の力ならば、ディアボロスが上だということを、どうか見せつけてやって欲しい。――頼んだよ」

●火刑戦旗ラ・ピュセルの都市、リヨンにて
 ――火刑台には、既に火がつけられていた。
 都市に集められたキマイラウィッチたちは、何かに取り憑かれているかのように口々に叫ぶ。
「ディアボロスを殺せ!」
「ディアボロスを焼き殺せ――!」
「早く、早く処刑しろ!!」
 ディアボロスへの憎悪と怨嗟に満ちた声が、大きな波のように広がっていく――。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
5
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【強運の加護】
1
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【罪縛りの鎖】
1
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【動物の友】
1
周囲の通常の動物がディアボロスになつき、意志の疎通が可能になる。効果LVが高い程、知能が高まり、友好的になる。
【スーパーGPS】
2
周囲のディアボロスが見るあらゆる「地図」に、現在位置を表示する機能が追加される。効果LVが高ければ高い程、より詳細な位置を特定できる。
【活性治癒】
2
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【操作会得】
1
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【口福の伝道者】
2
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。

効果2

【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV4 / 【ガードアップ】LV2 / 【凌駕率アップ】LV2 / 【反撃アップ】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV2 / 【アヴォイド】LV1 / 【ダブル】LV1 / 【ロストエナジー】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

小鳥遊彩羽
 ご覧くださいましてありがとうございます、小鳥遊彩羽です。
 今回のシナリオは、『断頭革命グランダルメ』よりお届けします。

 新たに存在が判明したディヴィジョン、火刑戦旗ラ・ピュセルのディアボロスを救出するための陽動作戦となります。
 進行順は①→②→③、各選択肢とも、成功に必要な人数(+若干名)での進行となりますので、ご了承の上でのご参加をお願いします。
(今回は特に概要にもあります特殊ルールの都合上、早めに進めていかなければならないため、ご参加いただいた人数によってはお返しする方が多く出てくるかもしれません。頑張りますがご了承下さい)

 以上となります。どうぞよろしくお願いいたします。
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このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


アリア・パーハーツ
【聖域】 

到着して早々に【地獄の踊り場】により銃火器を多重召喚

風のように、雨のように、都市の城壁さえ崩して大音量アピール
火薬の音と香りは遠くまで届くだろう
壊した瓦礫の爆風で火刑台を壊せたらラッキーなんだけど

御機嫌よう! キマイラウィッチ
そして、永遠にさようなら

憎悪の重さで勝てる訳がない――だってボク様たちはディアボロスだ
手のひらから零れた物の数で勝負でもしたい?
命乞いも罵声も銃声の前では等しく無意味なのだぜ

爆音で気を引きつつ他の仲間の援護も兼ねて
ヒールを鳴らして瓦礫さえ飛び越えて駆け抜ける

憎い憎いとぴーちくぱーちく囀る声は何時まで持つかな?

さぁここまでおいで!ディアボロスはここにもいるぞ!


ナディア・ベズヴィルド
【聖域】
復讐心を強さに変えるか魔女たち
――(同じように復讐心を燃やし、立ち上がった我らと何が違う?根本は同じなのか?)

今は余計な事は考えずに目の前の事をこなしましょう
この時代のディアボロスたちを殺させはしない

貴様らの憎きディアボロスは他にもいるぞ!
我らを殺すと?
有象無象の貴様らにそれが出来るかな?
所詮口だけの存在
貴様らが我らを処刑するというのなら
こちらはお前らを根こそぎ駆逐してやるわ

【飛翔】で奴らの目につくところを飛び言葉を投げて気をひきつける
他の仲間と離れ過ぎぬように注意しながら郊外へと誘き出しましょう

血で血を洗うのならいくらでも付き合ってやろう
貴様らが全て絶えるまで、ずっとな!


「復讐心を強さに変えるか、魔女たちよ――」
 怨嗟の色に染まった空。
 憎悪が渦巻く風を浴びながら、ナディア・ベズヴィルド(黄昏のグランデヴィナ・g00246)は、胸の裡で問いかける。
(「……同じように復讐心を燃やし、立ち上がった我らと何が違う? 根本は同じなのか?」)
 ――“死”と“復讐心”。
 それらが齎す圧倒的な感情の力を、この火刑戦旗ラ・ピュセルの断片の王、ジャンヌ・ダルクは求めているのだという。
 つまるところ、それは――。
「ナディアさん、いこう」
 不意に傍らから響く、アリア・パーハーツ(狂酔・g00278)の声。
 何時もと変わらぬその響きに、ナディアは金色の双眸を瞬かせてから、緩く息を吐き出した。
「……そうね、アリアさん。この時代のディアボロスたちを、殺させはしないわ」
 思考の揺らぎは迷いを生む。
 だから今は。――少なくとも、今だけは。
 余計なことは考えずに、目の前のことをこなすだけ。
 そうすることで、視えてくるものもあるだろう。
 そして、何より――この手で救える命がある。
 自分たちはそのために、時空を超えてこの火刑戦旗ラ・ピュセルの地へ至ったのだから。
 常の調子を取り戻したらしいナディアの様子ににっと笑って、アリアは目の前に聳える都市へと向き直り――。
「それじゃ、派手にやっちゃお!」
 弾むような声を響かせながら、無数の銃火器を召喚した。
 風のように、雨のように。
 放たれた弾幕が奏でるけたたましい音に、キマイラウィッチたちが気づかぬはずはない。
 都市の内部、数多の敵が犇めく場所にある火刑台まではまだその力を及ばせることは叶わないが――“挨拶”としては十分なもの。
「何事だ!?」
 どこからともなく集まってくる、翼を持つ異形の女たちへ、アリアは好戦的な笑みと共に告げた。
「御機嫌よう、キマイラウィッチ! ――そして、永遠にさようなら」
「ディアボロス……!」
「何故ここに? 捕らえろ……捕らえて火炙りにしろ……!」
 二人の姿を見るなりディアボロスと認識したらしいキマイラウィッチが、次々に声を上げ始めた。
「貴様らの憎きディアボロスは他にもいるぞ!」
 すかさず飛翔して舞い上がったナディアが、わざと目につくように飛びながら畳み掛けるように叫ぶ。
「我らを殺すと? 所詮口だけの存在である有象無象の貴様らに、はたしてそれが出来るかな?」
「なっ……我らを愚弄するか!」
「貴様らが我らを処刑するというのなら、こちらはお前らを根こそぎ駆逐してやるわ」
 嘲るような響きすら帯びた声に、キマイラウィッチたちはすっかり激昂していた。
 ――それこそがこちらの狙いであると、もはや二人の姿しか目に入っていない様子のキマイラウィッチはおそらく気づいていないだろう。
 同じ戦場に立つ同胞たちと離れ過ぎぬよう気をつけながら、ナディアは集まったキマイラウィッチたちを郊外へ誘導するように飛んでいく。
「憎悪の重さで勝てる訳がないだろう? ――だって、ボク様たちはディアボロスだ」
 上空のナディアの動きに合わせるように軽やかにヒールを鳴らし、アリアも迫るキマイラウィッチの群れを連れて駆け抜ける。
「手のひらから零れた物の数で勝負でもしたい? 命乞いも罵声も銃声の前では等しく無意味なのだぜ」
 軽やかに、弾むように。
 瓦礫の山を飛び越えて、その先へ。
「さぁここまでおいで! ディアボロスはここにもいるぞ! しかもボク様たちだけじゃない!」
 艶めく赤を靡かせて振り返ったアリアは、すっかり遠ざかった都市の輪郭にアメジストの双眸を細めた。
「憎い憎いとぴーちくぱーちく囀る声は何時まで持つかな?」
 更に煽るような言葉を紡ぎながら笑みを深めるアリアの隣に、ナディアが降りてくる。
「逃さんぞ、ディアボロス……!」
 まんまと誘き出されたキマイラウィッチたちを見やり、ふん、と小さく鼻を鳴らして、ナディアは告げる。
「血で血を洗うのならいくらでも付き合ってやろう。――貴様らが全て絶えるまで、ずっとな!」
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【操作会得】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!

湯上・雪華
絡み、アドリブ等完全受け入れ

復讐、か……いや、思うところもありますよ、でもね
それをした所で満たされることなんてないのに、って
ま、それはそれこれはこれ、ですから
助けるために派手な揺動が必要、と
こういうときは飛翔かな
空を飛んで目立つように挑発してみますか

ここにもディアボロスがいますよー
そんな所で籠もっててたのしーんですかー?
憎いにくーいディアボロスを見逃すんですかー?

町の上に入るかどうかくらいの距離感で挑発です
追いかけてきたらそのまま町の外に誘導しますよ


ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジ連携歓迎

陽動か
家の相棒は金色の肌持つアハルテケ種で目立つからな
おびき出すなら役立てそうだぜ

ま、怪しまれない様に気を付けないとだけどな

……しかし、こっちに来ようと動いた時にも思ったが本当に禄でもない所だな
しかも、裏切り者と言っておきながら実際はマッチポンプ
自分から裏切るように誘導しておきながら、とは

ああ、気に入らない
俺は貴様等の様な自分を棚上げする奴等が気に入らん!

貴様等の敵は未だ此処にいるぞ!
どうした、どうした!
俺達を処刑すると嘯きながらディアボロスとは言え俺の様な子供を怖がるのか?
そんなお前達が俺達ディアボロスを滅ぼそうとするなんて余りに笑えるぜ

相棒に〇騎乗しつつ挑発しながら敵を誘導


ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎

復讐者に復讐することで力を高めるとは…
侮れぬ相手のようですね、キマイラウィッチとは

兎にも角にも速攻で魔女達の意識を此方に向けるべく
飛翔で都市上空を飛び
宙に展開した鍵盤で「月虹」を演奏
少しでも多くの魔女を攻撃し、挑発も交え注意を此方に向けさせます

この程度の火刑で復讐を語るなど片腹痛いですね!
その証拠に私のように囚われていない復讐者が、既に都市の外から貴方達を包囲しています
復讐の炎に焼かれ、再び滅ぼされるのは貴方達の方です!

負傷は必要経費
魔力障壁を展開し、少しでも軽減

負傷して逃げると見せかけて徐々に都市の外へと誘導
少しでも多くの者を都市から引き離せるよう、踏ん張りますよ


日金・陽洋
…処刑の光景はグランダルメで見たことはあるが…この状況は異常だ
ここのディアボロス達…必ず助けよう

【飛翔】で敢えて目立つように都市に近づき、降下と共に風や砂を巻き起こしてキマイラウィッチ達に気づかせる
その後は火刑台から都市外へ誘導
現地のディアボロス達に被害が及ばないように配慮
…消せる、かつ有効なら、ついでに風と砂で火刑台の火を吹き飛ばして消してやる
目立つし、奴らへの挑発にもなるかね

仲間とは連携を図る
邪魔にならないように、かつ陽動が有効に働くように
今は戦闘前だ、なるべく仲間が消耗しないようにしたい

恨みは聞くだけ聞くが…こっちもてめえらがやろうとしている事は赦せねえんでな
覚悟しとくこった

アドリブ歓迎


本郷・夏深
敵を多く誘き出せばいいのですね
わかりました、得意分野です

カフカは何もしなくても常日頃から目立つ男ではありますが
今回は『吹喜』によって放てる魔力の刃を用いて、全身全霊で目立ちにかかりたく
たとえ一秒だけだとしても、このカフカに気付かないなんて愚かな真似をされては業腹ですからね

まずは、翼で空高く飛翔
武器でもある扇を広げて大きく振るい、波のような魔力の刃を一帯へと放ち
火刑台を破壊し、放たれている大嫌いな火も打ち消して
多くの気を此方へ引きつけてから、元気に自己紹介します

ご機嫌よう、ディアボロスです!
はは、雑魚どもが群がって随分と楽しそうですねえ!
おや、怒鳴らないでくださいよ。我々に会えて嬉しいからって!


「復讐者に復讐することで力を高めるとは……侮れぬ相手のようですね」
 ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は静かに呟き、彼方に広がるリヨンの光景を見やる。
 空はまるで憎悪の色に染まっているかのようで、この地に満ちる怨嗟の声が、風に乗ってどこからともなく聞こえてくるようだった。
 都市の外からでは、内部の状況は詳しくは窺えない。
 だが、そこに――すぐ手の届く場所に、この火刑戦旗ラ・ピュセルで戦い続けてきた同胞たちが居るのだ。
(「――必ず、助ける」)
 日金・陽洋(陽光・g05072)は未だ見ぬ同胞たちを思い、決意を新たにする。
 一刻も早く、彼らを救うために。
 この手を、届かせるために。
「敵を多く誘き出せばいいのですね。わかりました、得意分野です」
 本郷・夏深(逢魔が夏・g00583)は不敵な笑みを浮かべ、鉄扇でとんと肩を叩く。
「カフカは何もしなくても常日頃から目立つ男ではありますが――たとえ一秒だけだとしても、このカフカに気付かないなんて愚かな真似をされては業腹ですからね」
 そう、夏深にとっては敵に気づかれないなど、あってはならないこと。
 そんな、哀れなキマイラウィッチ共のために。
 夏深としてはそれはもう、全身全霊で“目立ち”にかかるのみだ。
 勿論、これが未だ見ぬ同胞たちを救うための陽動作戦だということも忘れてはいない。
 波濤のような翼で空高く飛翔した夏深は、鉄扇を広げて大きく振るい、怒りを乗せた波のような魔力の刃で辺り一帯を薙ぎ払う。
「っ、何だ……!?」
 同時に舞い上がったソレイユが、宙に展開した鍵盤で奏でるは――幻想ソナタ「月虹」。
 静謐な、けれど荒々しい狂気を秘めた音色がリヨンの空に響き渡り、ディアボロスの来襲を高らかに告げる。
 ソレイユ、そして夏深に続いて高く舞い上がった陽洋は、そのまま風と砂を纏って翔け抜ける。
 見渡せば遠くに火の手が上がっているのが見えた。
 おそらくはそこに、火刑台があるのだろう。
 思い起こすのは、グランダルメで目にした処刑の光景。
 それと比べてもこの地の状況は異常だと、陽洋は感じずにはいられなかった。
 陽洋が起こした風も砂も、火刑台まではまだ届かない。
 だが、想いはきっと、未だ見ぬ同胞たちへ届いているはずだ。
 助けに来たのだと。
 自分たちもまた、ディアボロスであると。
 三人の放った力は、キマイラウィッチたちにこちらの存在を知らしめるには十分だった。
「ご機嫌よう、通りすがりのディアボロスです!」
 波打つ翼を悠然と羽ばたかせ、そして尊大に構えながら、夏深は高らかに告げる。
「――なっ……ディアボロスだと!?」
「まだ残っていたのか!」
 生き残りはすべて捕らえたはず――そう思っていたディアボロスが新たに現れたことに、キマイラウィッチたちは面白いくらいに反応した。
「はは、雑魚どもが群がって随分と楽しそうですねえ!」
 このままここで全て葬り去ってやりたいところだが、今回の作戦はあくまでも陽動。
 三人はそのまま飛翔を続けながら、どこからともなく次々に現れるキマイラウィッチの群れを火刑台から遠ざけるように、都市の外へ誘き出すように飛んでいく。

「――貴様等の敵は、未だ此処にいるぞ!」
 飛翔する者たちを追ってくるキマイラウィッチの群れを更に誘い出すように、ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)は勇ましく声を張り上げながら相棒たる金色の無双馬、スヴェルカーニエと共に地上を疾駆する。
「許さぬぞ――ディアボロス……!」
「お前たちも火炙りにしてくれる!」
(「復讐、か……」)
 仲間たちと共に火刑戦旗ラ・ピュセルの地に降り立った湯上・雪華(悪食も美食への道・g02423)は、胸中で独りごちる。
 自身もまた、復讐の心を抱いてディアボロスとなった身だ。
 だから、この地に蔓延るクロノヴェーダ――キマイラウィッチが、復讐心を糧に動いていることに、思うところがないわけでもない。
 けれど、雪華は知っている。
 復讐を遂げたところで、満たされることなどない――と。
(「……ま、それはそれ、これはこれ、ですから」)
 今は未だ見ぬ同胞たちのために、力を振るうだけだ。
「ディアボロス……! 裏切り者め……!」
(「……しかし、こっちに来ようと動いた時にも思ったが……本当に禄でもない所だな」)
 口々に怨嗟を叫ぶキマイラウィッチたちに、ルィツァーリは内心辟易していた。
 自分から裏切るように誘導しておきながら、キマイラウィッチはディアボロスを裏切り者と呼び、自分たちの断片の王がそうされたように、この地のディアボロスたちを火炙りにして殺そうとしている。
 そうすることで力を得ようとするこのディヴィジョンの在り方に、ルィツァーリは、胸の裡から更なる怒りが込み上げてくるのを感じていた。
「――ああ、気に入らない。俺は貴様等の様な自分を棚上げする奴等が気に入らん!」
 ディアボロスたちの陽動によって、実に多くの敵が都市の外へと誘き出されつつあった。
 それでもソレイユは演奏を止めることはなく、更に焚き付けるように、煽るように、響かせる音色に言葉を重ねてゆく。
 放つのがパラドクスによる攻撃である以上、当然、仕留めきれなければ反撃を受ける。
 だがソレイユは構うことなく、魔力障壁で負傷を軽減させながら演奏を続けていった。
「この程度の火刑で復讐を語るなど片腹痛いですね! その証拠に私のように囚われていない復讐者が、既に都市の外から貴方たちを包囲しています」
「戯言を――!」
 程なくして都市の外に出た瞬間、キマイラウィッチたちは知ることになるだろう。
 ソレイユが告げた言葉が、真実であると。
「――復讐の炎に焼かれ、再び滅ぼされるのは貴方たちのほうです!」
 怨嗟と憎悪に満ちたこの世界の風は、決して心地良いものではない。
 なればこそ、新たな風を吹かせるべく、陽洋は敢えてソレイユに向いた敵の視線を引き付けるように近づきながら翔けていく。
 戦いの本番は、まだこれから。より早く戦場へと誘い込めれば、そのぶんここでの消耗も抑えられるだろうと考えたからこそだ。
「恨みは聞くだけ聞くが……こっちもてめえらがやろうとしていることは赦せねえんでな。――覚悟しとくこった」
 そう、状況さえ許すのならば。
 すぐにでも全力をぶつけてやりたいと思うのは、陽洋も同じだ。
「ほらほら、ここにもディアボロスがいますよー」
 そうして外へと誘導されてきたキマイラウィッチの群れを、更に飛翔した雪華が惹きつける。
「そんな所で籠もっててたのしーんですかー? 憎いにくーいディアボロスを見逃すんですかー?」
 ふわりと、赤いドレスの裾を靡かせて。
 愛らしささえ感じさせるような微笑みを浮かべ、雪華は続けた。
「ふざけるな、ディアボロス……!」
 復讐すべき相手が、殺さねばならぬ存在。
 そんなディアボロスを前にどうやらキマイラウィッチたちは相当頭に血が上っているようだが、寧ろそれはこちらにしてみれば好都合というもの。
 陽動が成功しているという、何よりの証拠だ。
「どうしたどうした! 俺たちを処刑すると嘯きながら、ディアボロスとは言え俺のような子供を怖がるのか?」
 そしてやって来たキマイラウィッチたちの眼前を、スヴェルカーニエの美しい体躯を見せつけるように颯爽と駆け抜けながら、ルィツァーリは挑発めいた言葉を投げつけた。
「そんなお前たちが俺たちディアボロスを滅ぼそうとするなんて、――余りに笑えるぜ!」
 忌々しい火刑台を盛大にぶっ壊し、大嫌いな火も残さず消してやりたいのは山々だが、残念ながら今はまだ、そこまで攻撃を届かせることは叶わない。
 だから代わりに――まずは手始めに、目の前の獣たちへ夏深は鮮やかな一撃を叩きつける。
「ディアボロス……! 許さぬぞ!」
「おや、怒鳴らないでくださいよ。我々に会えて嬉しいからって!」
 満面の笑みを浮かべていたのも、束の間で。
 すっと目を細め、けれど口許は笑んだまま――夏深は、冱えた声色で告げた。
「――このカフカの手ですぐに残らず殺して差し上げますから、楽しみにしていてくださいね」
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV5になった!
【スーパーGPS】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV2になった!

「ディアボロスよ、逃さぬぞ……!」
「一人残らず、火炙りにしてくれる……!」
 誘き出されたキマイラウィッチたちの怨嗟の声が、波のように膨らみ、広がっていく。
 ハルピュイア――鳥と人間の女が合わさったような風貌の、翼ある聖歌隊の群れ。
「全く、どこに隠れておったのやら……裏切り者の王や仲間たちを助けにのこのこと現れるとはのう」
 そして、聖歌隊の女たちを率いるのは、獅子の身体に蠍の尾とひとの顔を持つ獣――マンティコアだ。
「そのまま隠れて震えておればよかったものを……じゃが、こうして来てしまったからには、生かしてはおけぬ」
 老人のような口調でそう言いながら、マンティコアは口元を歪めて嗤う。
「さあ、裏切り者のディアボロス共よ、一人残らず捕らえてくれよう! ――裁きの炎に焼かれ、絶望の果てに絶えるが良い!」

 陽動は成功した。
 あとは、このキマイラウィッチたちを倒し、この火刑戦旗ラ・ピュセルのディアボロスたちを救うための道を作るだけだ。
 
四葩・ショウ
迷わず踊り出て、気を惹くように駆ける
高らかなる歌唱でわたしを知らしめ、高らかに宣言して
わたしはディアボロス
貴女達が火にくべるべきもの
貴女達の―――敵だ

つかまえてごらん、と気丈に微笑みながら
1体ずつ確実に
孤立している敵や、深い傷を負っている敵から
狙いをさだめて、撃ち落としていこう

歌声はこんなにもきれいなのに
なんて、おぞましい
こんなものが聖歌、だなんて
振り払うように息を吸い込んで、声の限り聖歌を響かせる

ごめんね
今は貴女達の憎悪に、寄り添っている時間はないんだ

だから、せめて 全力でぶつけておいで
貴女の憎しみを、くるしみを
わたしの怒りでそれすらも
燃やし尽くして、ここで―――終わらせてあげる


「復讐を――」
「裏切り者のディアボロスに、復讐を――!」
 翼ある聖歌隊、異形の女たちの声が輪唱のように重なり、響き渡る。
 純然たる怨嗟の音、それだけで揺さぶられるような心地を覚えながらも、四葩・ショウ(Leaden heart・g00878)は迷わず躍り出た。
「お前も、ディアボロスか……!」
「――そう。わたしはディアボロス。貴女たちが火にくべるべきもの。貴女たちの――敵だ」
 澄んだいろの瞳で、真っ直ぐに見つめて。
 高らかに宣言したショウは、聖歌隊の紡ぐ邪悪なる歌を掻き消すように、喉をふるわせる。
 透き通る歌声で、高らかに。
 奏でられた聖歌が紡ぐ純白の奇蹟が、輝き帯びた白薔薇となって花開き――そして、ひとすじの光となって放たれた。
「忌まわしい……その歌をやめろ……!!」
 降り注ぐ聖歌隊の歌声に、ショウは意識が眩みそうになる。
(「歌声はこんなにもきれいなのに、……こんなものが聖歌、だなんて。――なんて、おぞましい」)
 純然たる狂気と殺意に満ちた歌。
 人々の心に寄り添うでもなく、静かなる祈りの礎となるでもなく。
 耳を傾けているだけで、心が張り裂けそうだった。
 これ以上、彼女たちにあの歌を歌わせてはいけない。
 この歌を止めなければ、本当の意味で彼女たちを救うことはきっと――出来ない。
「……ごめんね。今は貴女たちの憎悪に、寄り添っている時間はないんだ。さあ、――つかまえてごらん」
 気丈に微笑み、振り払うように息を大きく吸い込んで、ショウは声の限り聖歌を響かせる。
 歴史を奪ったものたちと、復讐者。
 互いに手を取り合うことの出来ぬ存在。
 寄り添えぬ代わりに、せめて。
「全力でぶつけておいで。貴女の憎しみを、くるしみを」
「……ッ!」
 歌うほどに赤く白薔薇の光を染め上げながら、ショウは静かに告げる。
「わたしの怒りでそれすらも燃やし尽くして、ここで――終わらせてあげる」
 
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!

ミシェル・ロメ
※アドリブ、連携歓迎

狂気と殺意に満ちた邪悪なる歌声
こんなものは「聖歌」じゃない
僕の知る聖歌は、人々の祈りに寄り添い、悲哀を慰め、
未来への希望を紡ぐもの

響かせよう。「ほんとうの聖歌」を
守り抜こう。「未来への祝福」を

敵の齎す呪いを浄化しかき消すように
静謐なる声音で聖歌を歌い、悪意の侵蝕から自身や仲間たちの心を守る
敵の目も眩まさんばかりの眩き光を解き放ち
絶望の闇を祓い、仲間を援護し悪を討つ

世界には様々な理不尽や悪意が満ちていることも
踏み躙られた憎しみが恐るべき力を齎すことも僕は知っている
だけど愛や希望や勇気が無ければ、人は未来を切り拓けない
甘い同情はしない
精一杯抗うよ
今を生きる人々の未来を守るために


 ――狂気と殺意に満ちた、邪悪なる歌声が響き渡る。
 ディアボロスへの怨嗟を、呪詛を籠めた歌声に、ミシェル・ロメ(とわにひびくうた・g04569)は唇を噛みしめる。
「……こんなものは、“聖歌”じゃない」
 こんなものが、聖歌であってはならない。
 ミシェルが知る聖歌は――人々の祈りに寄り添い、悲哀を慰め、未来への希望を紡ぐものだ。

 信じる人よ。夜空に星は輝けり。
 楽園は己が胸にありて、神は愛し児を見守りたもう――。

 ――響かせよう。“ほんとうの聖歌”を。
 ――守り抜こう。“未来への祝福”を。

 全ての人の幸いを願い、ミシェルは澄んだ静謐なる歌声を響かせる。
 いと高き希望の星(エトワール・ドゥ・レスポワール)――慈悲深き星の眩き光は、絶望の闇を、そして悪しき獣を討ち祓う。

 世界には、様々な理不尽や悪意が満ちていることも、踏み躙られた憎しみが恐るべき力を齎すことも、ミシェルは知っている。
 はたして、彼らはどれほどの想いを、こうして憎しみに変えてきたのだろう。
 異形の獣と成り果てた身体で飛び回りながら呪詛を歌と変えて放つ姿は、狂気そのものだ。
(「……だけど、」)
 甘い同情は、しない。
 彼らはどうしたって歴史を、世界を奪ったものたちであり、理解り合える存在ではないと知っているから。
 だから、絶望を希望に変えて、愛と勇気を胸に抱いて。
 今を生きる人々の未来を守るために、未来を切り拓くために、ミシェルは精一杯抗うのだ。
 
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】がLV2になった!
効果2【凌駕率アップ】がLV2になった!

ラルム・グリシーヌ
響く怨嗟の中、見据えるは翼ある聖歌隊
…あれが聖歌、ね
歌声に呪詛纏わせるほど
ディアボロスが憎いみたいだけど
それは此方も同じ事

禍歌を灼き祓うように
掲げた杖から生みだす彩は
どこまでも朱く、紅く、赫く

爆ぜ猛る音は復讐を誓う怨嗟の如く
苛烈に咲きあがる焔の螺旋は
唄う聲を包み込み
魂をもその輝きに融かし呑み込んで

記憶も場所も奪われた末に残ったのは
ひとつの昏い復讐心

君達が奪う程、俺達は抗い強くなる
……どちらが強いかは明白だよね
せめて、最後は美しい夢を

仲間と声掛け連携重視
弱った敵、孤立した敵を狙い確実に数を減らす
仲間の背後や死角に回り込む敵には
魔力を紡ぎ眩い炎の雨を呼び寄せ牽制
仲間の攻守の一助となるように心掛ける


「……あれが聖歌、ね」
 響く怨嗟の中、ラルム・グリシーヌ(ラメント・g01224)は静かに翼ある聖歌隊を見やる。
 美しき歌声に悍ましい呪詛を纏わせるほどに、かの獣たちはディアボロスを憎み、復讐を願っているのだという。
(「……けど、」)
 それは、こちらも同じだ。

 皓き花咲む淡金の杖を掲げ、ラルムは裡に眠る魔力を手繰り、編み上げる。
「燦たる終わりへと導く花を、君に――君たちあげるよ」
 紡がれた音と共に復讐を誓う怨嗟の如く爆ぜ猛る音が溢れ、苛烈なる赤が咲き零れる。
 それは、ラルムの裡に息づく揺るぎない怒りの焔。
 万華鏡めいた煌めきも今はただ一つの色を燈して舞い踊り、忽ちの内に渦巻く焔の螺旋となって、禍歌を灼き祓うようにどこまでも朱く、紅く、――赫く、異形の獣を染め上げてゆく。

 在るはずだった場所を奪われた。
 己という存在の根幹たる記憶を奪われた。
 すべてを奪われた末に残ったのは、――たったひとつの昏い復讐心。
 ゆえにこそ己は復讐者であり、世界を奪ったものたちへの怒りは決して消えることはない。
 歴史を奪ったものたちからすべての世界を取り戻す、その時まで。
「君たちが奪えば奪う程、俺たちは抗い強くなる。……なら、どちらが強いかは明白だよね」
 ――復讐心。
 根差す力の源は同じかもしれない。
 だが、ディアボロスとクロノヴェーダには、決定的に違うものがある。
 穏やかな声で、けれど凍てつくほどに冱えた眼差しで異形の獣たちを見やりながら、ラルムは花綻ぶ杖を差し向けた。
「――せめて、最後は美しい夢を」
 終焉を飾る緋き焔の花が、異形の獣を呑み込んで。
 狂気と殺意に満ちた歌声さえも包み込み、魂をもその輝きに融かし――欠片すら残さずに灼き尽くした。
 
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!

ナディア・ベズヴィルド
【聖域】
馬鹿の一つ覚えのように口を揃えてまんまとついてきた
愚かな…憎しみに目が曇り他が見えぬようだな

さあ、祭りの準備は整ったか?
耳に入るは憎悪の声
嗚呼、私も敵にぶつけていた感情
今はそれに応える時間なんてないし義理もない
倒すべき「敵」として前にいるのだから滅するまでだ

派手に殺りましょう!貴方達はその方がお好きなのよね?

【飛翔】で空に舞い、高らかに声を上げて
天なる雷をお見舞いしてやるわ
怨嗟の声を消し去る万雷を此処に!

PDで奴らを翻弄し隙を作るわ
それをアリアさんは見逃すまい、仕留めてくれるだろうから
息の合う連携をとりながら確実に奴らの数を減らしていく

―嗚呼、煩い歌だ
耳障りな事この上ないな、黙りなさい


アリア・パーハーツ
【聖域】
ボク様は武器商人、死を売る者
その程度の憎悪や罵声じゃビクともしないのだぜ

耳障りなだけ

何に祈ってるの?誰に?
天使なのか悪魔なのか判らない中途半端なお前を誰が救うって?

おっと危ない、当たったら痛そう
降り注ぐ閃光の槍は上手に躱して、飄々と揶揄ってやろう
別に油断はしない、過信もしない
だけど余裕を演じて煽ればボロを誘いやすいでしょ

この雷鳴はナディアさんだ
苛烈に美しい彼女に見惚れてる場合じゃないのだぜ

さあ、その命を頂戴
【紫電一閃】で歩み寄り容赦なく一刀両断

逃がさない 決して許さない 憎悪が踏み潰される気分は?

お前の断末魔はあの雷鳴が掻き消す
誰にも知られることなく消えるがいい
そしたら仲間も助けやすい


「馬鹿の一つ覚えのように、口を揃えてまんまとついて来るとは」
 愚かな、とナディア・ベズヴィルド(黄昏のグランデヴィナ・g00246)は獣たちへ言い放つ。
「……さあ、祭りの準備は整ったか?」
 憎きディアボロスを前に、次々に吼えるキマイラウィッチの群れ。
「許さぬ――許さぬぞ、ディアボロス……!」
「復讐を! 裏切り者は火炙りにしろ!」
 許さない。復讐を――人と鳥が混ざったような異形の女たちは、こちらの言葉などまるで耳に入っていないかのように、そう繰り返すばかり。
「ボク様は武器商人、死を売る者だ。その程度の憎悪や罵声じゃビクともしないのだぜ」
 どれほど悪意に満ちた言葉を向けられようとも、アリア・パーハーツ(狂酔・g00278)は悠然と笑みを湛えていた。
「……そんなもの、耳障りなだけ。ただの雑音だ」
「ならば、裁きの炎に焼かれて朽ちるがいい!」
 獣たちは、倒されるために誘き出されたなどとは、微塵も思っていないのだろう。
 ディアボロスへの、復讐を――獣たちが抱く想いは、ただ、それだけだった。
「憎しみに目が曇り、他が見えぬようだな」
 呆れたように嘆息をつくものの、かの獣たちが抱く憎悪――それは、ナディアもよく知るものだった。
 平穏を、ありふれた日常を、奪ったものたちへ、ナディア自身もまた、ぶつけていた感情。
 憎しみを、恨みを抱き、そして復讐すると誓った。
 その心は、今も忘れてはいない。
 ――こちらがディアボロスである以上、何を言っても無駄なのだろう。
 それほどまでの憎悪を、恨みを、キマイラウィッチは抱いているのだろうから。
 だが、それらに応える時間も、義理もない。
 クロノヴェーダである以上、目の前にいるのは滅するべき“敵”に他ならず。
 どのみち理解り合えぬのならば、力で示すより他はないのだ。

 獣たちの祈りに応え、天より迸った閃光が槍となって降り注ぐ。
 油断も過信もしたつもりはないが、相手はこの地の同胞たちを追い詰めたクロノヴェーダだ。
 直撃こそ免れたものの、肌を掠めた槍が深々と大地に突き刺さった。
 けれど、アリアはまるで気にした様子もない。
「何に祈ってるの? 誰に? 天使なのか悪魔なのか判らない中途半端なお前を――誰が救うって?」
 走る痛みを余裕ぶった笑みで隠して、飄々と揶揄ってやれば――。
「この……!」
 誘き出された時と同様、まんまと引っかかった獣が更に怒りを滾らせるのが手に取るようにわかった。
 ――その時にはもう、“ふたり”の術中に嵌っていたことに、獣は気づかぬまま。
「派手に殺りましょう! 貴方たちはその方がお好きなのよね?」
 ――降る声は、空から。
「輝き放つ雷光、天空より降り注げ。雷竜の雄叫び、轟け咆哮! 天と地の怒りの全てを――今そこに刻め!」
 高く舞い上がったナディアが、暗雲立ち込める空に低き太鼓の音を響き渡らせる。
「怨嗟の声を消し去る万雷を――此処に!」
 刹那――。
 天より迸った眩い雷光が、空翔ける獣たちを次々に撃ち落としていった。
 交錯するパラドクス。地へ叩きつけられながらも、獣は声を振り絞り、狂気と殺意に満ちた歌を響かせて――。
 そこへ、アリアがヒールの踵を鳴らしながら軽やかに踏み込んだ。
 ――本当なら、苛烈に美しいナディアの舞を特等席で見ていたかったけれど。
「逃がさない。決して許さない。――そう。それで憎悪が踏み潰される気分は?」
 彼女の雷鳴で深手を負った獣が立ち上がるより早く、その身体は断ち切られていた。
「誰にも知られることなく消えるがいい。そしたら仲間も助けやすい」
「あああッ……!」
 その断末魔をも、轟く雷鳴が呑み込んでいく。
「――嗚呼、煩い歌だ」
 聴くだけで内臓が掻き回されるような心地を覚えながらも、ナディアは声を上げた獣たちを再び雷光で撃ち抜き、そして鋭く吐き捨てる。
「耳障りなことこの上ないな、黙りなさい」
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【通信障害】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【命中アップ】LV1が発生!

ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎

上手くいきましたね
誘い出されたことを悟られる前に撃破してしまいましょう

宙に展開した鍵盤で「福音」を演奏
聖なる光で邪悪なるものに鉄槌を
貴方の有るべき場所…墓場へと戻して差し上げます

裏切り者とは、聞いて呆れますね
私達を謀り、力を得る為の策でしょうに
マッチポンプの復讐ごっこは楽しかったですか?
復讐の炎に灼かれて絶望するのは何方か、その身をもって試してみなさい

反撃の炎には魔力障壁を展開し凌ぎます
この程度の火、今にも処刑されかけている同朋の身を思えば温いくらいです

仲間と連携して攻撃を絶やさず
一気呵成に攻め立てます

待っていてください
必ず、処刑台から開放してみせますから…


本郷・夏深
なんと恐ろしい、そんなもので貫かれては痛そうです!
しかし、苦痛如きで私を殺せると思っているなら
それはあまりにも甘く、愚かで、浅はかな考えなんですよねえ…
どうぞ、殺せるならば殺してみてください
このカフカに殺されるよりも、先に!

漆黒の槍は、広げた扇で防いで、弾いて、飛翔し躱しながら接敵を
槍が多少掠めようが、ウッカリ貫かれようが、堪えて突き進みます
だって、そうすれば相手は嫌な顔をしてくれますからね
痛いのは火の次に嫌いですが、嫌がらせは大好きなのです!

そうして至近距離から豪快に!乱暴に!切り裂いて、抉って、刺し貫いて
凄まじい苦痛の中で息絶えさせてあげます
お喜びください、このカフカに殺してもらえますよ!


日金・陽洋
生憎、殺される同胞を前にして隠れて震える魂じゃねえんでな
…ここで絶えるのはてめえらの方だ

最低限の【飛翔】やジャンプなどを用いてマンティコアを撹乱
その中で動きを観察し、隙を見てスコルピオンスティングを叩き込む
急所もだが、翼や足など、機動を下げられる場所も積極的に狙いたい

向こうが使うのも蠍の毒か…上等だ、こちらも毒で応戦してやる
重い一撃かもしれないが…こちらの捨て身の一撃、仲間につなげられるならそれでいい

…毒をもって毒を制すと言う、毒使いで多少でも毒を浄化できればいいが

仲間とは適時連携
追撃や敵を撹乱しての回避の支援、必要に応じ対応

誰が何ぞ裏切ったか知らねえが…
同胞を殺される怒り、身をもって思い知れ


ヴェルチ・アリ
師匠は…あっちで頑張ってそうだな。そんじゃ、僕はこっちっと。
焼き殺せだとか処刑だとか、物騒だなぁ。だめですよ、そんなことあっさり言っちゃ。

…お前達が焼き殺されるときに限って、お前たちは無様に泣き叫びそうなんだから。

【火炎使い】を使い、相手の炎を呑み込み、逆にこちらの炎で燃やし尽くす。
【スーパーGPS】を使い、今の自分の場所を把握しておき。
【飛翔】を使い、背中から炎を翼の様にジェット噴射させ、相手の攻撃は回避しつつ、相手を確実に逃がさない様に。

裁きの炎を名乗るか。
ならば示せ。正しき裁きを。其はお前たちにもたらされよう。

アドリブ、絡みを歓迎します。


ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジ連携歓迎

自分から裏切る様に仕向けておいて裏切り者とはとんだ寝言だな

仲間達を救う為にも貴様等の様な奴等には我が神ペルーンの炎で逆に裁きを下してやるさ!

詠唱があるならば僅かであれ攻撃の起こりは判別可能

起こりを○看破出来るよう敵の表情等を○観察し○情報収集しながら戦闘

可能なら敵の攻撃発動前に其れを阻害出来るようにそうでなくても相殺して敵の攻撃の威力を削れる様に○高速詠唱による○連続魔法で○焔矢を放つ

其れでも攻撃が放たれたら自身の周囲に○結界(術)を貼りつつ○飛翔し距離を取る事で回避
そのまま○空中戦移行

敵の挙動の観察は続行しつつ味方の攻撃に合わせる様に焔矢を放ったり敵の攻撃の出鼻を挫いたりする


ミシェル・ロメ
自分たちは王を…シャルル7世を欺き捕らえておきながら
ディアボロスを『裏切者』呼ばわりか
酷い茶番だ
虐げられた恨みや憎しみだけなら同情の余地もあっただろう
だけどお前たちは、自分が被害者面をするためだけに人の疑念を利用した
その欺瞞を、その醜さを、僕は決して許さない

祈りを捧げ、身を焦がす憎悪の炎に忍耐力で耐えながら
どす黒い炎を浄化するように
【生命の輝き】宿す光を解き放ち貫通撃

今を生きる人々を、勇気ある同志を、僕たちは決して見捨てない
信じあう心と絆は、邪悪な謀略にも決して屈することはないと証明して見せる


(「師匠は……あっちで頑張ってそうだな。そんじゃ、僕はこっちっと」)
 空に轟く雷鳴と閃光が、翼ある聖歌隊の獣たちとの戦いを繰り広げている“師匠”の存在を教えてくれている。
 勇猛なるその輝きを心強く思いながら、ヴェルチ・アリ(火喰らい・g03614)は異形の獣――マンティコアへと向き直った。
「自分たちは王を……シャルル7世を欺き捕らえておきながら、ディアボロスを“裏切り者”呼ばわりか」
 あまりにも酷い茶番だと、ミシェル・ロメ(とわにひびくうた・g04569)は怒りを湛えた双眸でマンティコアを見据える。
 この地に息づく獣たちが抱くその想いが、虐げられた恨みや憎しみからなるものだけであったなら、同情の余地もあったかもしれない。
 だが、そうではない。
「……お前たちは、自分が被害者面をするためだけに人の疑念を利用した――その欺瞞を、その醜さを、僕は決して許さない」
「自分から裏切る様に仕向けておいて裏切り者とは……とんだ寝言だな」
 それが自分たちの正義だと主張するキマイラウィッチの、あまりにも身勝手な思考と振る舞いに、ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)は、思わずそう吐き捨てていた。
「……裏切り者とは、聞いて呆れますね。私たちを謀り、力を得る為の策でしょうに」
 ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)もまた、冷めた眼差しを向けながら嘆息混じりに告げる。
「生憎、殺される同胞を前にして隠れて震える魂じゃねえんでな」
 日金・陽洋(陽光・g05072)は、胸の裡から尽きぬ怒りが更に勢いを増して溢れてくるのを感じていた。
 ――今この瞬間にも、囚われた仲間たちが命の危機に瀕している。
 それをどうして、黙って見過ごすことができようか。
「……ここで絶えるのはてめえらの方だ」
「マッチポンプの復讐ごっこは楽しかったですか? 復讐の炎に灼かれて絶望するのは何方か、その身をもって試してみなさい」
 宙に展開した鍵盤にパラドクスの力を乗せて、ソレイユが奏でるは幻想ロンド「福音」(ラ・カンパネッラ)。
 光あれ、恵みあれ、幸いあれと――軽やかに、弾むように紡がれる福音の鐘の音が、邪悪なるものへの鉄槌が如き聖なる光へと姿を変えて獣を穿つ。
 マンティコアの咆哮と共に、空を焦がす憎悪の炎がソレイユの頭上から降り注ぐ。
 ソレイユを襲った反撃の炎は、魔力障壁を展開しても凌ぎ切れぬもの。
 だが、ソレイユは動じない。
 宙に広げた鍵盤を叩く指を、止めることはない。
「……この程度の火、今にも処刑されかけている同朋の身を思えば温いくらいです」
 そう、今まさに死に瀕している彼らの苦しみを思えば、ソレイユにとってはどうということはない。
 ――燃ゆる怒りを、祈りに変えて。
 ミシェルは生命の、パラドクスの輝きを宿す光を解き放つ。
 光がマンティコアを穿つと同時、頭上から降り注いだ黒き炎が身を灼き焦がすけれど、ミシェルは心を強く持って耐え抜いた。
「焼き殺せだとか処刑だとか、物騒だなぁ。だめですよ、そんなことあっさり言っちゃ」
 ほう、と眉を上げるマンティコアに対し、ヴェルチはすっと目を細め、口の端に微かな笑みを浮かべて続ける。
「……お前たちが焼き殺される時に限って、お前たちは無様に泣き叫びそうなんだから」
「その言葉、そっくりそのまま返してやろうぞ!」
 マンティコアが吼える。
 同時にヴェルチは裡に滾るパラドクスの力を解き放っていた。
「偽装展開、ミルザムの黒炎!」
 撃ち出された巨大な黒の火球が、着弾と同時に周囲の熱を奪い去り――。
「――奪え、飲み込め、全て焼き熔かせ!」
 そして、奪い去った熱ごと黒炎が爆ぜて、辺りを灼熱地獄へと塗り替える。
 だが、刹那の内に、マンティコアもまた詠唱を終えていた。
 憎悪の黒い炎が頭上から降り注いだのが、その証。
 ヴェルチは咄嗟に背中から炎を翼の様にジェット噴射しながら回避を試みるが、時空を歪めて繰り広げられる逆説連鎖戦では敵の攻撃も反撃も完全に回避することは難しい。
 それでも回避につとめたことで、致命傷だけは避けられたのは幸いか。
「貴様等の様な奴等には、我が神ペルーンの炎で逆に裁きを下してやるさ!」
 すかさずルィツァーリが攻撃に移る。
「――空駆けし天空の神よ、偉大なる雷神よ! 我が敵を討つ為に御身の焔矢を降らせたまえ!」
 詠唱は同時だった。
 顕現した巨大な大砲から放たれた焔矢と螺旋を描いて飛来した漆黒の槍が交錯し、相殺することなく互いを貫く。
 手応えはあった。だがそれは敵にとっても同様。
 ルィツァーリは飛翔し距離を取ろうとするも、槍が脇腹を掠めてゆくほうが速かった。
 掠めただけでも身体中が張り裂けそうな凄まじい痛みがルィツァーリを襲う。
 だが、ルィツァーリは怯むことなく、助けを待つ仲間たちを想いながら、声を張り上げる。
「この程度の痛みで、殺せると思うな!」
 そう、“この程度”の痛みなど、どうということはない。
 それ以上の苦痛と絶望に穿たれ果てて、ルィツァーリは復讐者となったのだから。
「なんと恐ろしい、そんなもので貫かれては痛そうです!」
 ルィツァーリを襲った漆黒の槍に、本郷・夏深(逢魔が夏・g00583)は大仰な身振りと共にそう声を上げた。
「お主にも苦痛を与えてやろうか。我らがディアボロスより受けた、この痛みを!」
 吼えるマンティコアを、けれど夏深は冷ややかに見つめるだけ。
「苦痛如きで私を殺せると思っているのですか? なら、それはあまりにも甘く、愚かで、浅はかな考えなんですよねえ……」
「何だと……?」
 マンティコアの双眸に、ぎらりと憎悪の彩が耀く。
 それを見つめながら夏深は笑みを深め、空へと翔け上がった。
 放たれた憎悪の黒槍が抉るような螺旋を描き、夏深に迫る。
 夏深は扇を広げながらも、防ぎ切れずに肌を掠めてゆくそれを敢えてそのままにしながら一息に距離を詰めていく。
 そう、例え“うっかり”貫かれたとしても、夏深は止まることはなかっただろう。
「どうぞ、殺せるならば殺してみてください。このカフカに殺されるよりも、先に!」
 黒槍の一撃が入っても意に介することなく、わざとらしく煽るように夏深は告げる。
 そうすれば、あの異形の獣が嫌な顔をするとわかっていたからだ。
 案の定、マンティコアは明らかに、不快感を露わにしていた。
「どうしました? ご自慢の槍はその程度ですか?」
 火は嫌いだ。痛いのはその次に嫌いだ。
 だが、それ以上に――。
 夏深は、“嫌がらせ”が大好きなのだ。
 ルィツァーリが再び響かせる詠唱の音が、大砲の輪郭を描き出す。
 ペルーン神の焔矢が、マンティコア目掛け降り注ぐ。
 たとえマンティコアが翼を羽ばたかせて逃れようとしても――放たれた砲弾はどこまでも追いかけ、喰らいつく。
 その刹那の間に、夏深は背後からマンティコアへと肉薄していた。
「お喜びください、このカフカに殺してもらえるんですから!」
 豪快に、乱暴に。
 貪欲な扇で切り裂いて、抉って、刺し貫いて――。
 いつしか本能のまま、あるがままに舞いながら繰り出される容赦のない攻撃は、蹂躙そのものであった。
「裁きの炎を名乗るか。ならば示せ。正しき裁きを。――其は、お前たちに齎されよう」
 ヴェルチがそう、告げると同時。
 オットーブレの黒炎が踊った。
 奪い、託し、その連鎖の果てに積み上げた炎嗟が、マンティコアの滾る怒りごと呑み込まんばかりの灼熱となって大地を覆う。
 一気呵成に勢いをつけて、ディアボロスたちは攻撃を畳み掛けてゆく。
「――今を生きる人々を、勇気ある同志を、僕たちは決して見捨てない」
 想いを、力を重ね、繋いで。
 刹那の先に再び巡ってきた攻撃の機を逃さず、ミシェルは再び祈りをパラドクスに乗せて解き放った。
「信じあう心と絆は、邪悪な謀略にも決して屈することはないと――証明してみせる!」
 命を燃やして輝くそれは、救世の意志を宿す祈りの光。かけがえのない、尊きもの。
 絶望にも、狂気にも――憎悪にも屈することのない、何者にも消すことの叶わぬ、希望の光だ。
(「向こうが使うのも蠍の毒か……」)
 獣の身体から生える蠍の尾。悍ましく蠢くそれを見やり、陽洋は僅かに口の端を吊り上げる。
「上等だ、こちらも毒で応戦してやる」
 見出した攻撃の機を掴み、陽洋は翔ける。
 纏う闘気に砂漠の蠍が如き猛毒を宿らせ、鍛え抜かれた己の肉体そのものを武器として。
 捨て身で懐に飛び込んだ陽洋は渾身の力を籠めた拳を急所へ叩き込んだ。
「忌々しい……ディアボロスどもめ……!」
 仲間たちの猛攻を受けながら、それでもマンティコアは反撃に転じてくる。
 突き刺さったマンティコアの尾から注ぎ込まれる猛毒は、けれど幸いにして毒の知識を持つ陽洋にとって致命傷には至らない。
「む……!?」
 力を込めて突き刺さったままの蠍の尾を掴み、マンティコアの動きを阻んで。
「誰が何ぞ裏切ったか知らねえが……」
 陽洋は湧き上がる怒りを叩きつけるように、叫ぶ。
「同胞を殺される怒り、――身をもって思い知れ!」
 僅か一瞬、動きを止めたマンティコアは、己に終焉を齎す鐘の音を聞いた。
「貴方の有るべき場所……墓場へと戻して差し上げます」
 そして、終わりを告げるソレイユの声を――聞いた。
 齎された福音の聖なる光が、異形の獣の心臓を穿つ。
「……馬鹿な」
 マンティコアが呻く。
「ディアボロスが、これほどの力を持つ筈が……」
 信じられないというように、呆然と、己の身体から吹き出す血を見つめていた。
「ジャンヌ様、お気をつけください……こ奴ら、は……」
 そう、マンティコアは自身が倒されるこの瞬間まで、気づいていなかったのだ。
 目の前にいるディアボロスが――自分たちが捕らえたディアボロスとは、違うことに。

(「――どうか、待っていてください」)
 ソレイユは彼方の赤い空を、その下に聳える都市を見やる。
「必ず、処刑台から解放してみせますから……」
 それはディアボロスたち皆の揺るぎない想いであり、続く戦いへ駆けてゆく者もいるだろう。
 ――火刑戦旗ラ・ピュセル。
 絶望の炎に閉ざされる筈だった道は、今、確かに拓かれたのだ。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【スーパーGPS】がLV2になった!
【動物の友】LV1が発生!
【活性治癒】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【アヴォイド】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!
【ドレイン】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2023年07月06日

南フランスの現地ディアボロス救出:陽動作戦

 南フランスのディヴィジョンへの威力偵察でキマイラウィッチとの戦いに勝利を収めることが出来ました。
 この状況で行われた攻略旅団の提案により、特別なパラドクストレインが出現しました。
 このパラドクストレインを通じ、新たなディヴィジョンの名称が「火刑戦旗ラ・ピュセル」であること、さらに火刑戦旗ラ・ピュセルの都市「リヨン」で『現地のディアボロスが処刑されようとしている』事が判明したのです。
(つまりこのディヴィジョンではTOKYOエゼキエル戦争や妖精郷等と同様、クロノス級によるディアボロス殲滅が完遂されていないようです)

 急ぎリヨンに潜入し、火刑に処されようとしている多くのディアボロスを救い出す必要があります。
 キマイラウィッチは、ディアボロスが現れれば、倒して捕らえようとして来ます。
 リヨンの各方面でキマイラウィッチを陽動し、現地のディアボロスを救い出す隙を作り、救出に挑みましょう。

※特殊ルール
「6シナリオ以上」で、『現地ディアボロス救出:陽動作戦』の選択肢が成功すると、現地ディアボロスの救出に関わる特別シナリオのオープニングが公開されます。
 陽動作戦後の、キマイラウィッチとの戦闘は、この特別シナリオと同時に行われます。
 ただし『現地のディアボロスを助けて逃走する』段階で「8シナリオ以上」でキマイラウィッチの撃破が完了していない場合、現地のディアボロスが逃走できない可能性があります。
 陽動作戦後の敵の撃破についても、速やかに行うようにしていきましょう。


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#断頭革命グランダルメ
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#南フランスの現地ディアボロス救出:陽動作戦
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#南フランスの現地ディアボロス救出


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選択肢『現地ディアボロス救出:陽動作戦』のルール

 現地のディアボロスが火刑にされようとしている都市に近づき、都市のキマイラウィッチを陽動。
 都市から引き離して、撃破してください。
 キマイラウィッチは、ディアボロスを見ると、強い恨みの念をぶつけながら攻撃してくるので、その性質をうまく利用すれば、より多くの敵を陽動することが出来るでしょう。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『🔵が👑に達すると、敵の大規模な作戦に影響を及ぼす。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾護衛するトループス級『翼ある聖歌隊』のルール

 事件の首魁であるクロノヴェーダ(👿)を護衛するトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 👾を撃破する前に👿と戦闘を行う場合は、👾が護衛指揮官を支援してくるので、対策を考える必要があるでしょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との決戦『マンティコア』のルール

 事件の首魁である、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破する事で、この事件を成功で完結させ、クロノヴェーダの作戦を阻止する事が可能です。
 敵指揮官を撃破した時点で、撃破していないクロノヴェーダは撤退してしまいます。
 また、救出対象などが設定されている場合も、シナリオ成功時までに救出している必要があるので、注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、敵を倒し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「シメオン・グランツ」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。