リプレイ
ハーリス・アルアビド
これほどの巨大な建造物がクロノ・オブジェクトとは…。これを制するのは骨が折れそうですね。
先ずは潜入からですが、周囲に身を潜めながら出入りする人員を【観察】しましょう。
雑談などをしている警戒心の薄い集団に近付き、【友達催眠】を用いて警戒心を和らげます。
道中でうっかりはぐれてしまい、慌てて追いかけてきた仲間を装いましょう。
上手くいけばそのまま道中に同行しつつ【情報収集】を。【記憶術】で一つの漏れもないよう記憶しておきます。
怪しまれているようなら自分の仲間と勘違いをしてしまったと謝り、迷惑ついでに仲間と合流するまで同行できないか頼みます。
影守・玲奈
天高く聳えるバベルの塔に裁きを下す神はいない、か
…まあ、神様なんて当てにしてないけどね
人の歴史は人の力で取り戻すよ
まずは、その足掛かりを得ようじゃないか
住民に溶け込むか、目立たないように行くか…今回は後者寄りかな
【猫変身】を活用しよう
小柄で柔軟な身体で人混みをすり抜けたり、狭い隙間や物陰を通ったりして
バベルの塔まで向かうよ
猫一匹うろついていたところで
何も不自然なことはあるまいさ
接近がてら、聞き耳を立てて『情報収集』もしておこうか
噂程度でも構わないんだ
塔攻略に役立ちそうな情報が得られれば僥倖だし
そうでなくても、このディヴィジョンで今後戦っていく上で
鍵になりそうな話が聞けたりするかもしれないからね
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
バベルの塔、近づいてみないとわからないな
落ち着いて事に当たろう
【行動】
まずは大きめのフード付きローブを用意し機械の手脚と目を除いた顔に包帯を巻いて隠した上でフードを被る
ついでに肉体改造で頭に耳のような突起をつけておく
匂いは周囲の土や塗料で誤魔化す
リアクション大きめなおのぼりさんのフリをする
歩きがてら店屋で酒を何本か買っておく
塔へ向かう観光客の一団を見つければ
友達催眠を使いながら酒もたくさんあるし一緒に行こうと誘い酒を渡す
俺は酒は飲めないから飲んだフリ
塔の近くまで行けば人混みに紛れ使えるならモブオーラを使い観光客から離れる
できれば防衛設備が何処にあるかみておきたい
大崎・朔太郎
アドリブ連携可
上で常に警護なら食事や籠城向けの施設があるのは分かりますが一般人も居ると…
仕組みや謎が多そうですね。
ではまず塔に向かいますか、
【モブオーラ】で適当な酒場に紛れ、そんな話をしている連中を
【忍び足】と【偵察】で付かず離れずのやや近い距離を保って
ギリその一団ぽく歩く。不審に思われそうなら
他の人の【友達催眠】を流用して躱していきますか。
ジズ・ユルドゥルム
…本当に大きいな。新宿以外でこんなにも大きな建造物を見るとは思わなかった。
さて、圧倒されていても仕方がない。務めを果たそう。
適当な箱や袋を持って、周囲に馴染むよう生活物資を運ぶ住民のふりをする。
ある程度登れば周囲の目に付きにくいだろうが、問題は登り始めか。
塔の周囲を歩き、
「複数人の亜人」と「大きな荷物を運ぶウェアキャット」がすれ違う場面を探す。
発見できたらウェアキャットに密かに足をかけて転ばせ、
転んだ人物と散らばった荷物に注目が集まる状況を作る。
…ウェアキャットが亜人に荷物をぶちまけて手打ちにされんように一応配慮はしよう
周囲の視線が私から逸れている間に、【エアライド】も用いて素早く登攀開始だ。
シアン・キャンベル
……眩暈がするな
いや、私自身、退廃的な、色慾的なものは嫌いではないが。惑わすかの如き光景はまさしく眩ませるものだ。盲目的なまでの連中は兎も角として『折角だから』に混ざるとする
友好的に、陽気に、少しだけアルコールを摂取するのも手か。相手の警戒を失くす
其処の貴様等、酩酊しているのは結構だが私と『バベルの塔』を見に行かないか。何、私と貴様等の『仲』なのだ、そんなに、千鳥足である必要などないのだよ……
友達催眠は『こういう』時に役に立つ。集団に紛れての観光、それに少しの登攀が付く程度だ――しかし、随分と騒がしいな。何?
ついでに注いでやる?
注ぐのは私の務めではないか。
友よ……!
これは私の奢りなのだよ
ふふふ
アビス・カギシッポ
にゃー、まずは塔に近付く為の足掛かりが欲しいにゃー。
アビスは酒場を物色するにゃ。適当な物を頼んで席に着いたら、周囲の会話に耳を傾けるにゃ。
塔に向かう者が居れば、友達催眠を使って声を掛けるにゃー。
にゃー、この酒は奢りにゃー。ちょっと話を聞いて欲しいにゃん。
んにゃー、アビスも塔に行きたいにゃん。荷物持ちとしてでも構わないにゃー。
何故行きたいか、そこに塔があるからにゃー!
にゃんにゃん、演技も交えて亜人の従者を装う事が出来れば完璧にゃー。
道中で情報も集めてみるかにゃー。
そうにゃ、参考までに聞きたい事があるにゃ。
塔に登ろうとした奴は居るのかにゃ? どうなったかも知りたいにゃー。
アドリブ・連携は歓迎にゃ!
ルーシド・アスィーム
アドリブ、連携歓迎
他の方が齎した残留効果も活用
参りましょう、支配の象徴たる塔へ
防具を旅装に変化
観光客を装い酒場へ
ワインボトルを数本注文し周囲を「観察」
観光客の一団を見掛けたら【友達催眠】を用い接近
「兄弟、君達も観光かい?僕もご一緒させて貰えないかな、なに、ただとは言わないさ!」
ワインを振る舞い移動致しましょう
……一つ薬学知識を
良薬であろうとも、酒と飲み合わせで副作用が出る事があります
例えば泥酔、ですね?
所持品の「イムホテプの霊鞄」より該当薬を予め「早業」で見咎められぬ様に瓶に仕込みます
観光客が酔って耳目を集めるようになれば幸い
時機を見て【モブオーラ】を纏い離脱
死角から【壁歩き】で登攀を行います
クロエ・アルニティコス
亜人が庭園で人間を飼っていることもですが、男のみ、それに発情しているというのもおかしな話です。
後者は庭園の機能か、亜人の能力か……まずは登ってからですね。
先日もバビロンの繁華街を訪れましたが、おかしな動きをしなければ見咎められることはありませんでした。
隠れ潜んだりはせず、住民が日常的にそうしているかのように、堂々と塔の方へ向かいます。
住民にとっては塔はそこにあって当然のものでしょうし、塔をじろじろと見るのも不自然。
塔の方を気に掛けた様子を見せずに巨大な塔の周りをぐるりと回り、死角があれば【壁歩き】で登ります。
……こうも巨大な塔の外壁を登ることになるとは。
我ながらおかしなことをやっていますね。
ディアナ・レーヴェ
性別・種族特徴は化粧や旅装で誤魔化して、小柄な亜人を装うわ
まず歓楽街の通りの端で待ち合わせっぽく立ち、暫く聞き耳を
目的が「バベルの塔観光」らしき集団(できれば酔ってる奴!)を探して、さり気なく【追跡】
塔に近づいて来た辺りで集団を一度追い越すわ
で、それなりの声量で「すご…!」とか呟いて、わざと気づかせてみる
これで「塔でかい塔すごい!」みたいな感動を共有する流れで話しかけたら、塔ぐるっと一周観光コースに混ざれそうじゃない?
…何だろ。何か下品な会話になる予感する。亜人だし。
まあ大丈夫、困ったら「ははは」「それな!」って…
人気のない登攀開始に適した地点を見つけたら、連れと約束を口実に集団とはお別れよ!
エイレーネ・エピケフィシア
庭園に侵入する場合、アロエーへの露見を危惧していましたが……
先の調査を程々で切り上げたお陰か、まだ気付かれていないようですね
この好機を活かしましょう
フードを目深に被り、顔の印象を薄く
塔に向かう亜人の一団を見つけて、いつの間にかその一部として加わりましょう
時折塔を見上げたり、話題にも出したりするでしょうし
バビロンで日常を過ごす住民とは違う「おのぼりさん」じみた雰囲気も出ているはず
見つけるのはそう難しくないと考えます
塔に近づいたら、周りが盛り上がり上ばかり見る間にしれっと離脱
【モブオーラ】を纏って亜人どもの意識の外に出て、登攀開始地点へ
最悪指をかけてでも登りますが、【壁歩き】があれば望ましいですね
……酒と香の甘い匂いに満ちる街角は繁華街らしい猥雑さを醸している。ハーリス・アルアビド(褪せる事を知らない愛・g04026)が目を付けた集団は、そんな街中の雰囲気にふさわしい気楽さを感じさせた。
「やっと見つけましたよ」
さっきはぐれた仲間のひとりを装って声をかけるハーリスに彼らは目をみはる。
「え……っと、ん? どこかで会ったっけ、覚えてなくてすまないな」
友達催眠にかかった彼らはハーリスを昔馴染みの友人であるかのように気遣った。
「いえ、こちらこそ人違いでした。この辺りで落ち合う約束をしていたのですが、どこにいってしまったのか……」
「この街は人が多いからな。そういうこともあるさ」
「あなたたちも塔を見に行くのですか?」
「ああ、バビロンに来てあれを見ないのはもったいないだろう」
「よろしければ同行させていただけませんか? もしかしたら、置いて行かれてしまったのかもしれませんので」
「いいぜ。袖擦り合うも他生の縁ってやつだ!」
ハーリスの肩を抱き、彼らはのんきな鼻歌とともに街の中心部へ歩き出した。
(「なんて、巨大な――」)
見上げるほどの、なんて言葉では語り尽くせない壮大なるクロノ・オブジェクトである。ここが新宿であればまだしも、とジズ・ユルドゥルム(砂上の轍・g02140)は感嘆のため息を漏らした。
「……まさに神話もかくやの世界だな」
適当な物を詰め込んだ麻袋をさも重たげに担ぎ直し、すれ違う住民と挨拶を交わしながら塔を目指す。バビロンとはそれなりに豊かな街なのだろうか。通りには酒場や娼館といった娯楽施設が軒を連ね、どこの店も割合と繁盛しているような様子が道端からもうかがえる。
猫の姿ですいすいと人混みをすり抜ける影守・玲奈(Mechatromagus・g03719)は小さな三角形の耳をぴくぴく動かした。
やれどこの店の女がお勧めだとか、あそこの店の料理はうまいとか。まったく享楽的な連中の噂話で満ちている。
(「即物的な連中だな」)
仮定の話だが、もし、この街とその塔の存在を神が知れば果たして裁きを下すのだろうか。
むしろ、と玲奈は塀を飛び越えて道をショートカットする。そんなものは居ない方が好都合かもしれなかった。人の手で人の歴史を取り戻すためには、きっと。
「その空中庭園にいる人間たちは亜人に飼われているのですよね? しかも、男だけが不自然に欲情させられているとは……」
クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は顎に手を当て、いくつか浮かんだ可能性を整理する。
「原因は庭園そのものか、それとも亜人によるものか。気になりますね。とにかく、全ては登ってみなければわかりませんが」
「ええ。いまのところアロエーには気づかれていないようなので幸いです」
以前の調査で無理をしなかったのが良い方に転んだのだとエイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)は解釈する。
クロエは住民に紛れ込み、エイレーネはフードを深く被り直しながら通りがかった亜人の一行に自然な素振りで寄り添った。
堂々とするのがもっとも自然にこの街の雰囲気に合っているのだと、再び繁華街を訪れたクロエは承知している。ゆえに足取りは迷いなく、死角が見つかるまでゆっくりと周囲を見て回ることにした。
「バビロンに来たらあれを見ないと話にならないよな」
「ああ、いい土産話になる」
エイレーネは漏れ聞こえる亜人たちの会話に耳をすませる。
「で、帰りは……」
「ああ、夜になったらな」
ちらちらと彼らは女が客引きをしている店の前を通り過ぎるたびに頷き合った。そんな浮ついたやり取りからも彼らが住民ではなく、観光を目当てに訪れた客人であることがうかがい知れる。
「よお、塔にいくならご一緒しないかい?」
先ほど店先で購入しておいた酒瓶を掲げ、荒田・誠司(雑草・g00115)は気さくに声をかけた。
「うおッ……」
変装のために誠司は包帯を巻いた顔に深々とフードを被った姿をしていたので、目が合った途端に亜人たちは驚いて飛び退いた。
「び、びっくりした……怪我でもしてんのか?」
「まあ、そんなところだ」
ついでに耳のような突起がフードを押し上げている。それに、さっきからかぎ慣れた塗料の匂いが亜人たちの鼻先を掠めてもいた。
「ひとり旅はつまらなくてな」
「ああ、わかるわかる」
もらった酒に気をよくした亜人たちはたやすく警戒心を解く。誠司は酒を飲む振りをしながら大仰な身振りで相槌を打ち、会話を弾ませた。
バベルの塔が近づくにつれ、その威圧感が否応なしに増してゆく。
これだけ近づくと、もはや全貌はわからない。目の前にそびえ立つ石壁、といった印象だ。イスカンダルの重要拠点であることはもはや疑いようがない。
「すご……!」
ディアナ・レーヴェ(銀弾全弾雨霰・g05579)はいかにも感動した、といわんばかりの歓声を上げた。誠司にもらった酒で酔いが回りはじめた亜人の目が品定めするようにディアナを眺める。
「お嬢ちゃん、どこの街から来た亜人だ?」
化粧に誤魔化され、彼らはディアナの正体を見抜けなかった。それにしても、視線がしつこい。ほとんどナンパするみたいな声色で聞かれる。
「ひとりか?」
「ははは、まーね! どうしてもあの塔が見て見たくてさー、だってでか過ぎない? すごすぎない?」
「ああ、すげぇよな」
話を逸らされたことにも気がつかず、亜人たちは神妙に頷いた。
「どうやって建てたんだろうなあ」
「それな! ほんと不思議な塔よねー」
ディアナも目を輝かせて力説する。
気づかれないよう、登攀しやすそうな場所を探しながら。
酒場にルーシド・アスィーム(星轍・g01854)は滑り込んだ。支配の象徴、バベルの塔への道筋をつけるために。いつもの防具は旅人に装いを変え、慣れた様子で酒を頼む。
「ワインをボトルで――そうですね、5本ほどいただけますか」
観光客らしき一団と打ち解けるのにそれほど時間は要しなかった。友達催眠と酒の効果は絶大で、ルーシドはただこう誘っただけに過ぎない。
「――兄弟、君達も観光かい?僕もご一緒させて貰えないかな、なに、ただとは言わないさ!」
一団は上等なワインに舌鼓を打ち、あっという間に一丁上がり。
「うまい!」
同席したシアン・キャンベル(ルログ・g01143)は、ほのかに頬を火照らせて含み笑った。
人々の欲望を煽り立てるバビロンの繁華街。
眩暈を覚えるほどの退廃と色欲にあふれたバベルの塔の周囲に引き寄せられた者たちは溺れるように娯楽を楽しむ。決して嫌いな雰囲気ではなかった。せっかくなら、楽しんだ方が相手にも怪しまれないだろう。
「こっちの酒もどうだ? そら、私が注いでやろう」
「有り難いねえ」
「これは私の奢りなのだよ」
「ははー」
「遠慮はいらんよ、ふふふ……」
猫なで声で相手をいい気分にさせてやりながら、さりげなく、自然にあれの名前を出した。
「これも何かの縁だ。私たちとバベルの塔を見に行かないか?」
「ああ、あの塔か」
「そう、あの塔だ」
シアンはたっぷりと間を取ってから頷いた。
「にゃー、その話ひとつ乗らせて欲しいにゃー」
テーブルの影からひょこっと顔を出して、アビス・カギシッポ(おこたの民・g08933)が話に混ざる。
「お前もあの塔に興味があるのか?」
「その通りにゃ! マスター、皆にお酒のお代わりを頼むにゃー」
挨拶代わりに酒を奢って、本題へ。
「アビスも塔に行きたいにゃん。連れて行ってくれるなら荷物持ちでもなんでもするにゃん」
「そこまでしてか。なぜだ?」
「そこに塔があるからにゃー!」
「よくいった!!」
幾重にも残留する効果が亜人たちの壁を取り払い、快く同行の約束が交わされる。
(「いったい、どういう仕組みなんでしょうね……」)
盛り上がる彼らを遠巻きに眺め、大崎・朔太郎(若返りサキュバスアイドル・g04652)は首を傾げる。
バベルの塔に防御施設があるのなら、籠城向けの施設があるのはわかる。だが、これだけの一般人を街の外からも受け入れているというのはどうも謎めかしい。
「よぉし、それじゃバベルの塔を拝むとするか!」
威勢よく立ち上がった一団の後を朔太郎はそっと追いかけた。一定の距離を空けての尾行。足音はなく、存在感も皆無。まるで空気そのものだ。後をつけている一団どころか、すれ違う誰も朔太郎の存在がないかのような振る舞いをみせる。
亜人の一団と彼らに同行するディアボロス一行はそうやって街の中心部にそびえ立つバベルの塔へ近づいた。街の外から見た時よりもさらに大きく、圧倒的な質量が感じられる。
「この塔に登ろうとした奴は居るのかにゃ?」
アビスが無邪気に聞くと、亜人たちは驚いた顔になる。
「登るだって?」
「そうにゃ! もしそんな人がいたらその後でどうなったのかも知りたいにゃー」
「いやいや、ありゃあ登るもんじゃないし、登れるもんでもない。なにしろ、あんなでかいんだぜ」
彼らが指差す先にはバベルの塔の下層部にあたる円柱型の基盤があった。階段どころ、足場になるような類のものすら見当たらない。
「だから、登ろうとするやつなんていな……ん――なんだ、変に酔いが回って来やがった」
「おや、いけませんね」
犯人のルーシドが素知らぬ顔で言う。あらかじめ酒の瓶に仕込んでおいた混ぜ物が効果を発揮してくれた。
「おっととと……」
千鳥足でよろめいた亜人が通行人とぶつかり、ちょっとした騒ぎになる。その隙にルーシドは存在感を消して姿をくらました。
「おお、友よ……!」
シアンが不覚に陥った亜人の背を支え、そっと道端へ誘導してやる。しばらく休めば酔いもさめるだろう。
「さて今のうちにゆくとするか」
「この辺りでいいでしょう」
壁にぴたりと靴裏を当て、壁に乗り上がルーシド。ひと目につかないうちに登ってしまおう、と言わんばかりに颯爽と身を翻す。
ついにたどり着いた。
玲奈は尾を揺らめかせ、軽く爪の先で円柱になった下層部の壁をかく。ほぼ垂直そのもの。これを登るのはクロノヴェーダかディアボロスでなければ難しそうだ。
「あッ」
不意の悲鳴に振り返ると、酔っぱらった亜人の傍でウェアキャットが転んでいる。
「てめぇ、品物が滅茶苦茶じゃねぇか!」
「仕方ないだろ、さっきからふらふらしちまって……うおあ!」
「だから、こっちに倒れてくんな!」
――違う。
ウェアキャットが転んだのは亜人がぶつかったからではなく、ジズが密かに足を引っかけたから。人々の注意がそちらに向いている間にジズは壁面へ近づき、エアライドで跳んだ。
「こうしてみると、本当に巨大ですね。上が見えません」
これから、これを登る。
クロエの耳がぴくぴくと動いた。本当にやるのか? といった表情。無論、やるつもりではあるが、おかしなことをやっているという自覚もある。
「確か、下層を登りきると上層との間に空中庭園があるのですよね」
「そのはずだな」
誠司が頷いた。
「防衛設備は上だけか。なるほどな、今回の突入は庭園までだから設備を破壊はできないか」
「ふむふむ。射角に入った途端、一方的に狙い撃ちってわけね。上等よ」
連れとの約束を思い出した、と告げて亜人の一行を置き去りにしてきたディアナは好奇心旺盛な瞳で塔を見上げた。今ごろ、亜人たちはいつの間にか誠司とエイレーネまでいなくなったことにやっと気が付くころだろう。
人目に付きにくい場所を選び、クロエは壁歩きを試みた。十分に登れそうだ。
「わたしも乗らせてもらいますね」
エイレーネも残留効果を利用して登攀を始める。いずれ警備のクロノヴェーダが動き出すのは確実だ。それまでに一歩でも先に進んでおきたかった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV4が発生!
【猫変身】LV1が発生!
【モブオーラ】LV2が発生!
【エアライド】LV1が発生!
【壁歩き】LV2が発生!
【建物復元】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV2が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【アクティベイト】LV2が発生!
【フィニッシュ】LV2が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV2が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
ディアナ・レーヴェ
コレもう登らないで根本からぼきって――うそうそ冗談、そういうのは神様とかに任せとくーっ!
(そもそもクロノ・オブジェクトだから壊せないしね!)
全体としてはまず牛達を潰す事を優先しましょう?
私は狐側で妨害役に回って、それを邪魔されない様にしておくから!
壁歩きで射撃兵器を避けるよう張り付いて登坂
壁から離されたらエアライドで復帰
まずは狐が動くタイミングを看破しては、【Rat】で宙へ弾いたり、足場の壁面を砲撃で崩したり、動き辛くしてあげるわ!
特に誰かへテュルソスを翳した時は積極的に妨害
反撃に近づかれたら、齧られようが気合で無視して私からも組み付く
連携なんてさせない。
ほら、ここで一緒に観戦してましょうよ!
ハーリス・アルアビド
牛は皆さんにお任せします。私もディアナさんと共にテウメッサの狐を抑えに向かいましょう。【壁歩き】で移動し、躱しきれない攻撃があった場合は壁から飛び退いて【エアライド】で復帰します。
豊穣の神にして軍神たるセベクよ、お力添えを。この地の民を解放するため、その恐るべき牙の如き力をお授け下さい。
【残像】を生み出す速度で駆け抜けて敵を【攪乱】し、致命的な攻撃を狙いにくいよう攻撃と【一撃離脱】を繰り返します。
セベク神への【祈り】が胸にあれば恐怖に立ち尽く事はありません。牙を受けるならむしろ反撃のよい機会です。食らいつかれた箇所ごとセベク神の牙で切り刻みます。命を頂くのです。この程度は差し上げましょう。
よくもまあ、これだけのクロノ・オブジェクトを拵えたものだとディアナ・レーヴェ(銀弾全弾雨霰・g05579)は思う。登る、よりも折ってみたくなるというか。
それこそ神の怒りをかって破壊されたという伝説の通りに崩れ落ちるみたいに。
「まあ、冗談だけど――ッ」
狐? どこが――獰猛な狼も同然の俊敏な動きで跳びかかるアヴァタール級『テウメッサの狐』とドッグファイトを演じるディアナは空中を蹴って壁に戻った。
乱暴に食らいつかれた肩口が痛むが、構ってなどいられない。
「――見えたわ、お返しよ!」
「うぐッ――」
足下を撃ち崩され、吹き飛ばされた拍子にヘテュルソスがこぼれ落ちる。
「しまッ……くそ、さっきから邪魔ばかりしおって! そこをどかんか!?」
「あーら、つれないじゃない? どうせなら一緒に観戦してましょうよ。この私が付き合ってあげるわ!」
テウメッサはトループス級との連携を果たせず、明らかに苛立っていた。塔の防衛設備はクロノヴェーダに当たることはないが、足場の悪い――むしろ無い――戦場はテウメッサにとっても決して戦いやすい環境ではなかったのだ。
「ぐぬぬ……」
「どうしました? 来ないのならこちらからいきますよ」
ひたりと素足を壁につけ、ハーリス・アルアビド(褪せる事を知らない愛・g04026)はセベク神の力を宿した獣爪でテウメッサの毛皮を引き裂いた。
牙には牙を。
ただし、その格はあまりにも異なるが……ハーリスは祈るようにまぶたを伏せる。
「豊穣の神にして軍神たるセベクよ、どうかお力添えを」
一歩を駆けるごと、敵を攪乱するごと、嘆願は聞き届けられてゆく。がむしゃらに牙を剥いたテウメッサの獰猛な顎を冷静に見つめるハーリス。
「もらったぞ!」
「どうぞ」
涼やかに告げ、なんと齧りつかれた己の左腕ごと爪を立てた。驚くテウメッサの眼前、バベルの塔の壁面周辺に両者の血が飛び散る。
「この程度は差し上げますよ。命の対価としては安いものでしょう」
他でもない、ハーリスの言葉は『お前を斃す』と宣告するのに等しい答えであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【完全視界】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
ヴィオレット・ノール
バベルの塔……随分と巨大なクロノ・オブジェクトだ。
これを登攀、と言うのはなかなか骨が折れそうだね。
特に、登っている最中はどうしたって敵の動きに反応しづらくなる。
戦場にできる足場を確保するまで敵に見つからないよう【強運の加護】に祈ってみようか。
アヴァタール級が引き付けてトループス級が襲い掛かる連携、か。
それならアヴァタール級の動きに注意しながら、先にトループス級を撃破してしまう方が良いかな。
止まることを考えない突撃攻撃、か。
上手く誘導出来たら壁面からの落下を狙えるかも知れない。
立ち位置に気を配りながら、『雷の招き』で攻撃していこう。
こちらも撥ねられて落下、とかには気を付けないといけないな。
影守・玲奈
バベルの塔に加えて、金の牛ねえ…ますます神がお怒りになりそうだ
存在していればの話だけれど
壁面の登攀、戦闘時の移動・回避には
【壁歩き】【エアライド】を使わせていただくよ
【パラドクス通信】も発動しておこうか
これで、行動のタイミングを合わせたり
戦闘中に得た情報の共有が可能になる
こちらも連携が取れれば
事を有利に運びやすくなるかもしれないからね
敵の連携については…うん、指揮官と思しき狐は無視して
雄牛を片付けてしまおうかな
雄牛を『観察』して『機械知識』で構造を把握
機関部分を狙えば、ダメージも通りやすいかな?
外部から当てるのでも、囚われた後に内部からでも構わない
攻撃は任せたよ、パッチ
君の電撃で雄牛を撃て!
凍雲・雪那
ん。
壁面での、戦闘……中々厳しい環境、だね。
でもまあ、不平を零して何が変わるでも無し。
残してくれた、残留効果も使って、頑張ってみようか。
最初は【壁歩き】で登攀。敵が出てきたら、【エアライド】と【飛翔】でなるべく壁沿いを飛行して戦闘。射撃兵器に見つからないように。
豪炎に対しては、パラドクスの雪崩で抵抗。
炎を防ぎつつ、敵の身体を冷やす。
急激に熱されて、また急激に冷やされる。
そうなると、物体は基本的に、脆くなるもの。
まして燃焼機関なんて、ガタが来ても可笑しくないよね?
無理に加熱したら、そのままどっかーん。
……ちゃんと、爆発に巻き込まれないよう、回避はしないとね。
シアン・キャンベル
バベルの塔にファラリスの雄牛とは奇妙な組み合わせだ
しかし貴様、貴様等、罪人を詰める術を忘れたのか
実に滑稽な姿だな。何処かのパンジャンを想起させる
兎も角、壁歩きとエアライドを使っての戦闘だ。私自身のフィジカル、インセクティアの身体能力を活かした立ち回りを心掛ける。そうだな。目的としては奴等の撹乱、一箇所に纏めての解体か
一網打尽の為には先ずヒット&アウェイが優先的。豪炎が中るギリギリを攻めるとしようか。痺れを切らして突っ込んできたなら二枚貝。この極光こそが貴様等を崩壊させる核と知れ
ところで貴様等、精神を有しているのか?
いや、考えても考えても無機質としか思えない
故に――貴様等への問答は無意味なのか!
アビス・カギシッポ
にゃー、壁登りにゃー! 高い所に登りたくなるのは猫の性にゃー!
んにゃー、壁歩きを使いつつ、放り出されたらエアライドで壁に戻れるようにするにゃ。
にゃにゃ、金ピカの牛が火を吹きながら走って来るにゃー!
面白いにゃ、気になるにゃー。
わざと捕まって内側から攻撃するにゃー。
にゃー、思いの外あっついにゃ! アビスは魚じゃないにゃ!
丸焼けになる前に収納扉を集中攻撃にゃ! さっさと出すにゃー!
アドリブ・連携は歓迎にゃー!
エイレーネ・エピケフィシア
最終人類史の超高層ビルや電波塔も、ここまで高くはありません
庭園に人を運び込む時は、飛行する亜人が手作業で行っているのでしょうか?
もしそうだとしたら、あまりに非効率的と思えますが……
疑問はさておき、敵を駆逐しましょう
【通信障害】を発動して、接触した敵が狼煙や喇叭で敵襲を伝えられないように
増援を防ぎつつ確実な撃破を狙います
【壁歩き】状態から敵に跳びかかり、『雷光旋舞斬』を仕掛けます
薙ぎ払いの斬撃と共に電撃を飛び散らせ、敵を一掃してやりましょう
反撃に対しては身を逸らして勢いを逃がしながら、≪神護の胸当て≫か≪神護の輝盾≫で受け止めます
攻撃後は【エアライド】と、あれば【飛翔】を借り塔の登攀に戻ります
クロエ・アルニティコス
ここで足を止めていては後続との戦闘でいつまでも登れません。
登りつつ撃破しましょう。
【ハルピュイア・ヒペリカム】を使用し、ハルピュイアを象った怪物を作り出します。
作り物のハルピュイアたちは焼かれようと痛みを感じることはありません。
過熱されオーバーヒートする自走式ファラリスの雄牛を鉤爪で蹴り、あるいは掴み、バベルの塔の外壁から引き離し、勝手に爆発してもらいましょう。
ハルピュイアたちがファラリスの雄牛を引き離している間に私は【壁歩き】でさらに上へ。敵の攻撃を避ける場合などには一時的に外壁近くでの【飛翔】で落下しないように。
空中庭園も気にはなります……が。
その前に、殺しておかねばならない者がいます。
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
壁を登りながら戦闘か、初めてだがやってみるとしようか
俺も火刑はごめんだな!
【行動】
まずはパラドクスを用いてプテラノドン型の機械を製作して
目立たないような色にして周囲を飛んでいても違和感がないようにしていく
その後に壁歩きやエアライドで登る
途中で敵に会えば盾:フェイクプリドゥエンや電光警棒で鎖をいなす
その間に先程作った機械を統率で呼び出し鎖にあえて囚われてもらう
そのまま内部に招き入れられれば口吻部のドリルを主に使って攻撃させる
動かせるなら翼も刃なのでそれを使って逃走
回避行動など大きく壁から離れそうなら飛翔で元の場所に戻る
仲間と声を掛け合いながら積極的に連携していきたい
大崎・朔太郎
連携アドリブ可
【壁歩き】【エアライド】で上に登っていきますか、
飛ぶと何が起こるか分かりませんしね。
燃えながら突っ込んでくるのに関しては【キラキラスクリーン】を使用。
そのスクリーン状の魔力の砂嵐とそれに写した僕の姿を使って、牛にそれを通過させるように誘導、これで取り込ませる事で内部外部もズタズタにしてあっちの想定よりも早くオーバーヒート爆発を促す事で連鎖爆発の被害を減らしていきますか。
いかに燃えて爆発する危険物もこっちに届く前に爆発したら意味は無いですよね。一応そう言う事するよと声掛けややれるなら【パラドクス通信】をしておきますか。
しかしこんなのを落っことす辺り、本気で守る気はあるみたいですね。
ルーシド・アスィーム
アドリブ、連携歓迎
目論見通り塔に辿り着けましたね、後は登って人々を解放するのみ……とは参りませんか
【壁歩き】、【エアライド】を駆使して壁面を迅速に駆け上がりつつ機動力も確保致しましょう
敵影を確認したら残留効果を活用し底上げされた力を用いて【バステトの託宣】を詠唱。仲間を巻き込み自爆して貰いましょう
貴方がたが例え思考なき殺戮器具であろうとも、我が女神の声を阻む事能わず。同胞を巻き込み、ただの篝火と成り果てるが良い!
足を停めるわけには参りません、爆発に巻き込まれないよう「ダッシュ」し更に加速していきます
残骸や立ち憚る者があれば、僕とジンとで「氷雪使い」の力を込めた「斬撃」で全て切り伏せるのみです
「足場が、まったくない――?」
黄金色に輝く強運の加護を纏ったヴィオレット・ノール(北の菫・g09347)は、ほんの僅かな石の継ぎ目に手をかけた格好で一面の絶壁を見上げていた。
敵に見つかる前に足場を確保できたら、という希望はもはや過去のものとなる。だが、一方で納得もできるのだった。
即ち、この形状すらも防衛機能の一部ということ。
理にかなった設計だ。鉄壁の防御を誇る迎撃装置の死角となる壁面に足場となるような箇所を僅かにでも用意するわけにはいかなかったのだろう。
ゆえの、ほぼ完全な円柱の形状なる下層部分。ただひたすらに登るしかなく、この状態で戦う以外の選択肢は存在しないのだ。厳しいが、不平を漏らしたところでどにもならない。
ならば、堂々と征くまでの事だ。
「きたね」
凍雲・雪那(報仇雪恨の皓巫姫・g07783)は壁面にぴったりと張り付いたまま、遙か高みにある上層を仰いだ。
それはまるで、群れごと“降る”みたいに塔を駆け下りてくる。全てが金の雄牛であった。まるで憤怒に身を委ねるかの如く、ラッパのように突き出した排気管からは熱い蒸気が絶え間なく噴き出して。
車輪を走らせ、垂直に壁面を降る姿はどこか滑稽味があった。影守・玲奈(Mechatromagus・g03719)は面白おかしそうに含み笑う。
「これはこれは……ますます神がお怒りになりそうなものがやってきたじゃないか。あれも一応、機械なのだろうね?」
「それにしても奇妙な組み合わせだな」
無表情のまま、シアン・キャンベル(ルログ・g01143)。
「何処かのパンジャンでもあるまいに、役目を忘れた姿は滑稽に過ぎるぞ」
そうだ、貴様――貴様等。
思い出せるものなら思い出してみろ、罪人を詰める術は果たしてどこへやったのだ?
憤怒の炎を吐いて疾走する雄牛と雪崩のような大量の白雪、そしてモーラット・コミュのパッチが撒き散らす火花が混然一体となって爆ぜた。塔の上部から射撃装置で狙うクロノヴェーダたちが相次いで舌を打つ。
「下はどうなってる? 全然射程に捉えられねえ……!」
「ふふ、やはり神はいないのかな?」
玲奈の差し伸べた手首の辺りで帯電の名残りを纏うパッチは得意げな顔つきだ。
「いいかい、機関部分を狙うんだよ。……今だ、いけ!」
「もきゅぅ!」
今度は自分の内部から電撃を受けた雄牛が爆発する。その隣でも弾け飛んだ個体があった。
「知ってる? 急激に熱されたり冷やされると物体は脆くなるものなの。ましてや燃焼機関なんて代物にそんな負荷をかけたら……」
雪那はひらりと身軽に飛んで爆発に巻き込まれないよう、壁面に添った形で離脱する。
「ほら、こっちだよ」
ヴィオレットの挑発に乗った雄牛は天から降り注ぐ雷撃に撃ち抜かれ、煙を吹きながら呆気なく落下していった。
「まったく、骨の折れる戦いだよ」
苦笑しつつ、間違っても落下しないように気を引き締める。
「ん。ほんと、だね」
まるで綱渡りのように雪那は壁面を渡り歩いた。
「狐の方は2人ほど抑えに回ってくれたらしいな。其方は彼らに任せて、先にこいつらを片付けてしまおうか」
「そうだな。それがよさそうだ」
シアンは囁くみたいに背の翅と額の触覚を繊細にさざめかせる。こういう場所は何だか本能が目覚めてしまいそうだ。
おいで、おいで……。
考えるだに無機質的な獣が身を賭して突進する原動力は果たして何だろう。どうみたって精神を有しているとは思えないその塊の炎を払った先に口を開いた二枚貝。
「では、こちらの番だな。覚悟はできているか!」
ぞっとするほどの恐怖がやがて襲いかかる。無為なる問答から生まれた有為なる極光が纏めて追い込んだ憐れなる金の雄牛たちを天高く聳えたつ塔から追い落とすために揺らめいたので。
「にゃにゃ!」
アビス・カギシッポ(おこたの民・g08933)はかぎ尻尾でバランスを取った。壁歩きのおかげで楽に登れるのが有り難い。
「壁登り楽しいにゃー!」
「随分と登ってまいりましたね。通信障害の効果があるとよいのですが……」
陽射しのまぶしさに目を細め、エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)は敵の襲撃に備えて中空を跳躍。稲妻のような斬撃はまだ敵が攻撃姿勢を取るよりも早く放たれたエイレーネの必殺技であった。
「次はどなたです?」
攻撃と同時に、エイレーネはすぐさま壁面に戻った。
まさしく電光石火で敵を斬り捨てるエイレーネは攻防のバランスにも優れる。輝盾は突進を抑え込み、身を逸らすエイレーネを守る最後の砦となってくれる。
「にゃにゃ、にゃにゃにゃ!?」
ぐるぐると手脚に絡みついた鎖にわざと捕まったアビスは、そのまま高温に熱された雄牛の内側に閉じ込められた。
「にゃー! あっついにゃ! 丸焼きにされる魚の気持ちがわかったにゃー!」
そう、内側は急所に近いから。
とにかく扉を叩きまくって破壊する。一切の遠慮なし、躊躇なしの乱打が雄牛の耐久力を上回った瞬間にアビスは扉を蹴破るみたいに外へ飛び出したのだった。
他のディアボロスと同じように空中を蹴って塔の上層から狙いをつける防衛部隊に補足される前に再び死角へ舞い戻る。
「生還にゃ!」
それにしても変わった姿の敵だからアビスの好奇心はさっきからずっと疼いたままだった。
「面白いにゃー、ピカピカ金色に光ってるにゃ」
映すアビスの瞳も同じ黄金。
……バベルの塔。その名に相応しい荘厳なるクロノ・オブジェクトは他に類を見ない拠点であった。
「いくらなんでも巨大に過ぎます」
エイレーネはほんの微かに眉を寄せる。
「最終人類史の超高層ビルや電波塔でさえ、ここまでの高さは有していたいというのに……いったい、どのような運用がされているのでしょうね」
例えば、人が飼われているという空中庭園。あそこへ運ぶには亜人がそれこそ空を飛んで地上と行き来するくらいしか方法がないように思えるのだが。
「それでは、あまりに非効率ではないでしょうか……?」
その業火は本来、罪人を焼くためのものだ。そう、彼らは言うなれば正義の執行者を気取る雄牛たち。
クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)と荒田・誠司(雑草・g00115)はハルピュイアを象った怪物とプテラノドン型の機械を呼び出して対抗する。
「そこをおどきなさい」
「火刑はごめんなんでな!」
炎はハルピュイアを焼き、ハルピュイアは獰猛な鉤爪で雄牛を掴んで壁面から強引に引き離した。不発した自爆によって吹き荒ぶ高熱爆風の中をクロエは一切振り返ることなく、ひたすらに上を目指すのだった。
壁面を奔るように襲いかかる複数の業火をふわりと浮遊する程度の飛翔で躱し、先へ。
戦場は敵味方が入り乱れる混戦状態だ。
目立たないように体色を擬態した誠司の翼竜は囚われた内部に口吻部のドリルを突き立てることで破壊を試みる。雄牛の腹に大穴が開き、さらにそこを切り広げる形で刃代わりの翼が羽ばたいた。
降り注ぐ残骸の中を大崎・朔太郎(若返りサキュバスアイドル・g04652)が一思いに突破する。
「壁歩きがあって助かりますね。この状態で飛んだりしたら何が起こるかわかりませんから」
「厄介な塔です。あれが、人々が飼われているという空中庭園ですか……」
ルーシド・アスィーム(星轍・g01854)は外套を僅かに持ち上げる。中層が見えてきた。日差しを浴びて繁茂する植物の蔓が塔の壁面を這い、複雑な模様を描きながら石の隙間に絡みついていた。
「あそこが今回の目的地……ですね」
クロエは道を阻む者の掃討を優先する。
ハルピュイアとは怪鳥を象った植物の魔物。豊かな植物に覆われた楽園のような場所へ降り立つには似合いの使者であった。
構えた盾で熱された鎖を受け止めた誠司は、警棒で払い除けながら雄牛の脇を抜ける。
その背後でまた爆発が起こった。雄牛の中から翼竜が飛び立つ姿は孵化にも似て。
「何をしている! 全然足止めできていないではないか!!」
テウメッサの狐は援護できていない自分自身を棚に上げ、地団太を踏んだ。
「いいから突っ込め!」
「いいんですか?」
朔太郎は逆に雄牛の突進を利用してスクリーン状に展開した魔力の砂嵐に呼び込んだ。闘牛士が赤いマントを翻すみたいに、自分の姿を写したそれに雄牛が通過した途端だった。
内部に潜り込んだ砂――サキュバスミストが一気に牙を剥いたのである。
「ちょっと離れててくださいね」
あらかじめパラドクス通信で朔太郎は仲間を巻き込まないように注意しておいた。
「ああッ……」
テウメッサの狐の目の前で雄牛は派手に爆発。
「こんなのを落っことす辺り、本気で守る気はありそうですが」
朔太郎は首をひねる。
「よほど登られたくないのでしょうね」
「そう言われると、余計にやってやりたくなるな」
誠司が頷いた。
最初はどうなることかと思ったが、壁歩きも慣れてくれば地上と変わらない。
「もっとも、常に垂直に傾いている世界というのも奇妙だがな」
便座上は『上』と言っているが、実際に進んでいるのは『前』なのだ。ルーシドは迅速に走る脚を止めることなく、すらすらと詠唱する。
たとえ思考無き殺戮兵器であろうが、バステトの託宣からは逃れられないのだ。
「我が女神よ、豊穣にして神罰の行使者たる月女神よ――」
そこに放て、とばかりに攻撃を導く光が雄牛を包み込む。言葉は力。己の罪業によって己を破壊せよ、と。最後に残っていた3体の雄牛が次々と誘爆する。
ルーシドはダンジョンペンギンのジンと共に奔る速度を上げ、爆発の熱波に巻き込まれる前に戦場を突破した。
「さて、このまま空中庭園を目指すことも可能ですが……」
冷ややかな刃で残骸を払いのけ、赤い瞳が目的地とテウメッサの狐を交互に見つめる。既に地上ははるか遠く、ディアボロスは下層と中層の狭間にまでたどり着いたのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【飛翔】LV3が発生!
【水源】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
【現の夢】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV4が発生!
【命中アップ】がLV4になった!
【アクティベイト】がLV3(最大)になった!
【アヴォイド】LV1が発生!
【ダブル】がLV2になった!
ヴィオレット・ノール
トループス級が倒されてお得意の連携も使えないことだし、奴はこのまま退きたいのかも知れないけれど。
見逃す理由は特にないし、敵の戦力は削れるときに削っておいた方が良いだろう。
何よりも、亜人は須らく殺してしまいたいからね。
【壁歩き】で両手を自由にすると同時に、落下対策としても使わせてもらおうか。
とは言え、壁面を走ったり跳んだり出来るようになる訳でもない。
攻めるならば遠くからでも扱いやすいパラドクスが良いかな。
『追尾する魔弾』を放ち、敵のバランスを崩させるように攻撃していこう。
牙の反撃は杖を咬ませたりしてダメージを軽減出来たら良いけれど、こちらも多少身動きが取り難くなってる以上過度な期待は厳禁、だね。
ルーシド・アスィーム
アドリブ、連携歓迎
残す障碍はどうやら貴方のみの様ですね?
ご安心召されよ、同じ狐なる身、せめて苦痛少なき終わりを差し上げましょう
引き続き【壁歩き】、【エアライド】を駆使して壁面を迅速に駆け上がりつつ機動力も確保しましょう
必要に応じて【飛翔】も用い多角的に攻めましょう
塔の上での戦いです、自由自在に植物を操れはしないでしょうが油断は致しません
相手を「観察」し僅かでも隙があれば畳み掛けます
此処が如何なる場所であれど、舞って魅せるが我が信条
「カルガの黎明」にて実りなき地へ導き、罪深き身を凍てつかせ、焼き払いましょう
個々の実力は劣るかも知れませんが、僕ら復讐者は連携はお手の物
息を吐く暇すら与えませんよ
シアン・キャンベル
貴様――貴様が頭か。頭が手足を失い、連携を殺された結果、さて、何方が先に『落ちる』のか、答えは明白なのだよ
エアライド、壁歩きで機動力の確保、相手が捕縛を試みる可能性を頭において飛行は最低限
パラドクス通信で他ディアボロスとの連携、息をつかせぬ怒涛の攻撃を行う
相手の良いところは奪うべきだ。倣うべきだ
さて、貴様、もしや、連携が取れない所以を『倒された』故とでも思うのか。奴等は拷問道具、唯の戦闘では満足出来ないのだよ――離間の計、ファラリスの雄牛の幻覚(こえ)を聞かせる
俺達は本当は罪人を炙りたかったんだ。それを、無茶苦茶な改造を施しやがって。オマエが最初の犠牲者になるのだよ。まさしくファラリスの如く!
大崎・朔太郎
アドリブ連携可
暴走機械の次は害獣駆除も今後の為に徹底的に行きますか、
そもそもこの塔に植物を生やしたら登りやすくなりませんか?とか【壁歩き】しつつ言ってみたり。
という訳で【ウォータースライド】で翼と【源氏蛍】から水流を放出する事で高速移動しつつ植物の拘束を振り切る力にして突破。更に言うと元はサキュバスミストのこの水流、植物が吸収したら…どうなりますかね?
後はそのままの勢いで水を纏いながら突撃して、思いっきり【手持ちマイクスタンド】で殴り飛ばしてみますか。獣は水は苦手って聞きますけどあなたはどうですか?と煽ってみたり。
エイレーネ・エピケフィシア
狐の亜人……クロエ様の怨敵と同じ系譜に連なる者ですか
元より逃げられる状況ではないですが、生かして帰すわけには参りませんね
ここで必ず仕留めます──さぁ、覚悟なさい!
【壁歩き】状態から壁を蹴って跳躍
空中で『勇猛なる不退の志』を発動し、砲弾のように敵に突撃していきます
空を翔ける勢いのままに《神護の長槍》を突き立て、痛撃を加えましょう!
討ち取るに至らなかったとしても、槍が敵を穿ち縫い止めている間に
仲間が追撃を加える準備を整えられればよいですね
反撃に対しては、蹂躙される人々を救う信念によって殺気に耐え、盾を構えて牙を受け止めます
攻撃を受けて宙に投げ出されてしまう場合は【エアライド】と【飛翔】で復帰します
クロエ・アルニティコス
あの狐とは違うようですね。
狐の顔など全て同じにしか見えませんが、少なくとも武装は違いますし。
ですが、あれと同じテウメッサを名乗る以上、あれと同じ氏族か何かなのでしょう。
お前も殺します。
引き続き壁面を【壁歩き】しつつ、【ヒュドラ・アマランサス】を使用。壁面を蔦が這うようにしてヒュドラを象った怪物を作り出します。
植物による拘束などという悠長な真似は私はしません。
ヒュドラの多頭で締め上げ、毒の牙で肉を抉って弱らせた後に、食いちぎらせます。
私が味わった苦しみの万分の一でも味わってから死んでください。
何のことか分からない?
構いませんよ。お前が苦しんで死ねば私はそれで満足ですから。
「狐の亜人……」
エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)はクロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)と視線を交わした。
「いずれもテウメッサ。どうやら同じ氏族のようですね」
武装の違いは明らかだ。
顔はどれも同じに見える。無論、彼らからしたら異なるのかもしれないが……視線を受けたテウメッサの狐が訝しげににクロエを見返す。
まるで、静かな殺気を察したかのようだった。じわりとその足元が後退を匂わせる。エイレーネは即座に攻撃を仕掛けた――跳ぶ。
「生かして帰すとでもお思いですか? そんなわけがないでしょう!」
恐ろしく早い、それはまるで砲弾の如き突撃であった。黄金、と突き出された槍が纏うオーラの色を見極めるので精いっぱい。深々と胴体を貫いたまま、エウレーネは仲間の追撃を待った。
「ぶッ……」
突如、吹き荒れたのは大量の水である。
レガリアスシューズと翼から噴き出す水流に乗った大崎・朔太郎(若返りサキュバスアイドル・g04652)は一気にテウメッサの狐の横を抜き去る刹那、マイクスタンドによる一撃を見舞った。
「げえ――!?」
塔から落ちかかったテウメッサの狐は、慌てて壁面にぶら下がる。
「獣は水が苦手って聞きますけど、あなたはどうですか?」
「ど、どうもこうも……お、落ちる……ッ……」
「そう、『落ちる』のだよ」
風を孕み、シアン・キャンベル(ルログ・g01143)の髪が乾いた空を流れた。
露わになった耳元には、小さな通信機。
「貴様――貴様は知っているか。手足を失った頭の末路。連携は殺された。奪われ、倣われたがゆえにだ」
「は……」
意味を掴み損ねたテウメッサの狐はすぐに知る事となった。己を取り囲むディアボロス。ヴィオレット・ノール(北の菫・g09347)は必要最小限の動きのみで魔弾を放ち、ルーシド・アスィーム(星轍・g01854)が神舞にて拍動を刻む。
「貴方のみの様ですね?」
呼び覚ませ、在りし日の幻を。
悲嘆、慰撫して報うべし……。
「あ、熱……いや、冷た……!?」
ぞっとして、テウメッサの狐は慄いた。
ルーシドが踊る度、身に着けた装飾品が音を奏でるごとに体は凍て付き、灼かれゆく。どこにも行けない。敵対者には追放あるのみなのだ、と。
「同じ狐なる身のよしなです。せめて、苦痛なき終わりを……」
さあ、幕を下ろしましょう。
貴方を倒せば目的地への障碍は全て取り除かれ、バベルの塔にはディアボロスの足跡が刻まれる。
「ゆけ」
しっかりと塔に足を吸いつかせたヴィオレットの放つ魔弾はテウメッサの狐を捉えるまで勢いを衰えなかった。
「まさか、キミだけ見逃すとでも思ったかい? お得意の連携を真似された気持ちはいかほどだろうね」
「いかん……!」
魔弾の追撃を受け、うっかりとバランスを崩したのが運の尽きである。とっさにテュルソスを掲げる腕をヒュドラを象る植物の蔓が絡みついた。否、締め付けるといった方が正しい。
「毒――!?」
「ええ」
涼しい顔で頷くクロエ。
拘束など生ぬるい。
いっそのこと、食い千切れよヒュドラ・アマランサス。
「い、いかん……」
その時だった。
テラメッサの狐の耳元に何か聴こえてくるではないか。
「これは――ファラリスの雄牛か? 倒されたのではなかったのか!?」
「奴等が拷問具であることを忘れるなかれ。上司として彼奴らの嘆きに耳を傾けよ」
シアンは頬杖をついて、他人事のように成り行きを眺めた。
罪人を炙りたかったと愚痴る声。
許せない、許さない。
滅茶苦茶な改造をされたせいで、俺達は……その責任を取ってもらう。そうだ、最初の犠牲者となることで!
名は体を表す、ということを意味をテラメッサの狐は思い知る。ファラリスは自らが造らせた拷問具によって殺されたのだ。
「うあ、あ、あ……ッ」
裏切りの味はいかほどか。
狂ったような呻き声が漏れた。
クロエは容赦なくヒュドラに牙を剥かせる。
毛皮が裂かれ、血が噴き出した。
「おやおや……」
朔太郎は思わず、口元を引き攣らせる。
「徹底的、という言葉の意味を思い知ったでしょうね、彼は」
そして、水浸しになった植物を興味深そうに見つめる。どうにかなったら面白いのにな、と思いながら。
「この塔に植物を生やしたら登りやすくなりそうなものですけどね? なにせ、本当に一切足場ないんですよねこの塔」
よって、壁歩きとエアライドがなければ満足に戦うことすら難しい。条件はクロノヴェーダにとっても同じことだ。この高さを苦にしないものがあるとすればパラドクス。あらゆる法則を捻じ曲げる連鎖戦こそが唯一、互いを斃すことのできる切り札であった。
「まだ諦めませんか、上等ですよ」
ほとんど瀕死でありながら、ルーシドはテウメッサの狐が威圧的な輝きを放つのを見た。その間にも、能う限りの速度で登攀するのを忘れない。
「そんなもの!」
エイレーネは怯まない。
「救いたい人たちがいるのです。あなたは必ずここで仕留めます――!」
がりがり、と牙が恐ろしい勢いで盾を抉った。噛撃を受け止めたヴィオレットの杖も激しく軋む。
「すごい牙だ。でも、殺すよ。亜人は全て。そちらだって、ここまで来て退けるわけがないことはわかっているだろう?」
「ぐ……ッ」
見逃す理由はない、とヴィオレットは言い切った。エイレーネが言葉を引き継ぎ、槍を翻す。
「そういうことです。生かして帰すわけにはいきませんよね!」
徹底的なまでに密度の濃い連携をたったひとりしかいないテウメッサの狐が捌ききれるものではなかった。
「テウメッサ……」
“あれ”と同じ名を名乗る者にクロエの宣告が冷たく突き刺さる。
「死んでください。せめて私が味わった苦しみの万分の一でも味わってから」
「苦しみだと?」
「分からなければそれで構いません」
ヒュドラ。
歌うように呼び、その多頭の全てでもってテウメッサの狐の首を締め上げた。
「……ッ」
クロエは表情ひとつ変えなかった。
テウメッサの狐がぴくりとも動かなくなるまで。ただ、満足したと言うかのようにそっとヒュドラを元の種に戻しただけで。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV4になった!
【スーパーGPS】LV1が発生!
【友達催眠】がLV5になった!
【水中適応】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!
【ダブル】がLV3になった!
【ロストエナジー】がLV2になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
ヴィオレット・ノール
ここが空中庭園、かな。
例の予知がなければ美しい場所だと……いや、亜人の作る箱庭だと言う点はどうやっても看過できるものではないね。
獰猛な一般人は、ともすればクロノヴェーダ以上に厄介だ。
それとなく女性を庇えるように備えつつ目標を探すよ。
邂逅時、他に人間が襲われそうになっていたらまずは安全確保から。
襲い掛かる男性を【傀儡】の糸や【罪縛りの鎖】を用いて縛り上げよう。
その後は……さて、どうしたものかな。
従わせようにも理性がないほど発情している……の、だっけ?
効果的なのは痛みか恐怖かどちらもか。
拘束したらそこらに転がして、その欲の象徴を蹴り飛ばしてみようかな。
……ああ、僕の靴、鉄板を仕込んであるのだった。
アビス・カギシッポ
にゃー! 塔の中とは思えないにゃー!
んにゃー、色々見て回りたい所だけど、まずは男どもにお仕置きが必要にゃー。
あまり関わりたくはないから、こっそり探すにゃ。
光学迷彩と庭園の自然を利用するにゃ!
茂みや樹上に身を潜めて、それっぽい男たちを探すにゃん。
対象が単独行動を取ったら行動開始にゃー!
忍び足で距離を詰めたら、背後からガツンと気絶攻撃にゃ!
にゃー、パラドクスは絶対に使わないにゃ。
あとは罪縛りの鎖で縛り上げて、処遇は仲間に任せるにゃー。
それにしても、男だけ集めてどうするのかにゃ?
亜人から何か聞かされていないか、男たちに聞いてみるのも悪くないにゃー。
アドリブ・連携は歓迎にゃー!
ハーリス・アルアビド
…悍ましい。私のような者が言うのはおこがましいですが、経験したからこそ疎ましく感じるのでしょう。これを皆さんが見ているかと思うだけでいたたまれません。
皆さんはうら若く見目麗しい方ばかり。襲われるようなら男たちを即座に【罪縛りの鎖】で捕えます。皆さんは尊敬すべき戦友です。欲に駆られた手で触れないでください。
これほどの発情は通常ならば薬品と暗示によるものですが、クロノヴェーダが関わっているとなれば超常的な力が使われているかもしれません。道中捕らえた者は隠しておいて洞窟の奥へ向かいましょう。
洞窟内を窺い、皆さんに見せられない状況であれば【水源】で水を洞窟に流し込み、混乱させた上で捕縛していきます。
クロエ・アルニティコス
ふぅ……少しは気が晴れました。
この景色は悪くありませんね。亜人を殺した後だと殊に。
【罪縛りの鎖】で男どもを捕らえ、脅迫します。
さて……殺してはいけないのでしたか。
こうも下劣極まりない目で私を、そしてエイレーネを見ていると思うと殺してもいいのではないかと思うのですが。
人の欲望と感情に枷を付けることはできません。
ですが、そうですね。
お前たちは、理解する必要があります。
お前たちと私たち、どちらが上かを、ですよ。
【トラップヴァイン】で捕らえた男たちの足元から蔓を発生させ、こちらに従うと言うまでほどほどの力で締め上げます。
余裕があれば男たちがなぜこんな場所で、こんな暮らしをしているかも聞いてみましょう。
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
植え付けられているだけだから被害者っちゃあ被害者だが、色々とアウトだ
【行動】
パラドクス通信で仲間と連絡をとって出来るなら連携しよう
まずは空中庭園に罠を設置しよう
いつもの引っ掛かったら怪我する類のものじゃなく
粘着性のある網で動きを封じるやつ
流石に怪我をさせるわけには行かない
それでも動こうとすれば痺れる程度の電気を流してもいいかもしれないな
あちこちに仕掛けておけば仲間も利用しやすいはず
俺のトラップは仲間からは場所を把握できるから問題ない
女性の仲間を庇えるように心構えはしておこう
あとは男性の服装を観察して職業とか庭園でしていることを予想してみたい
凍雲・雪那
ん。テウメッサも、斃された。
あとは、此処の制圧……だよね。
わ。結構綺麗だね。
……でも、えっと。発情、してる男の人、いるんだよね。
ん。普通の人間、流石に傷つけるのは、忍びないんだけど。
まあ、ちょっと冷やすくらいなら、いいか。
寒くなれば、興奮する元気も、なくなるでしょ?
氷食輪廻、凄く弱めて使う。ちょろっと、地面に沿って這わせて、足だけうまーく凍らせて、身動き取れなくできないかな?
捕縛出来たら、氷雪使いで身体を冷やす。
ちなみにさ、このまま冷気を浴びてると、どうなると思う?
身体の末端って、あんまり冷えると、壊死しちゃうんだって。
黝ずんで、ぐずぐずになって、腐っちゃうの。
だから、大人しくしてて欲しいな。
エイレーネ・エピケフィシア
むう、なんと浅ましい!
今更このような視線に臆することはないとはいえ……
大切な親友を想うと、どうにも気が立ってしまいます
男達もまた犠牲者なのですから、抑えていかなければ
あなた達、狼藉はおやめなさい!
≪神護の長槍≫と≪神護の輝盾≫を手に一喝します
今のあなた達は亜人どもの術で心を穢されています
湧き上がる欲求はそのためです
……どうか、勇気を奮い起こして抗ってください!
澄み渡る心を取り戻せば、渇望は癒えることでしょう
【士気高揚】を発動し、彼らの心を奮い立たせます
説得できねば【罪縛りの鎖】で捕縛
槍で脅すしかないですね
方法がどうなるにしろ男達を無力化したら
どれぐらい前に、どこからバビロンに来たか尋ねてみます
ディアナ・レーヴェ
洞窟近くで、何てことない笑顔で花と戯れてるわ
…うん、可愛い
可愛いものは好きよ。でも、流石にこれは「贅沢」の域かしら――
で、男達が私に気づいたら洞窟側に押し込もうとするでしょう?
なら進路は予測できるからトラップ作成で足引っ掛けて、その隙に手脚を装備中の自動拳銃で撃つわ
まあゴム弾だけど
…正直私、実弾でやるつもりだった。しなかったのは――単に皆がそう(一般人に怪我させない、と)望むから、かしらね
※普段なら私も実弾とか言わない。そういう欲を向けられるの大嫌いなの
変わらず笑って、でも冷ややかに言う
あなたのものじゃないわ、私は
ね。痛かった?
私達の言うこと聞くまで、何発でもやるわ。どうする?
頷くなら活性治癒
ルーシド・アスィーム
よっし、制圧完了!…と、つい素が
ま、命の遣り取りは終わりましたし緩く参りましょ
洞窟近くをふらふらし襲われ待ちへ
僕、顔も体も良いので!
愛に性別は問わない主義ですが正気でないのはなー
という事で「氷雪使い」魔術で手足をちょっと凍らせ「捕縛」
「イムホテプの霊鞄」から鎮静剤を取り出し投与
【活性治癒】で効力を上げ解毒
はい、ごっくんしよう!
落ち着いたら解凍して手足とメンタルのアフターケアを施しつつ、巡回ルートや塔内の役割を確認
次層以降攻略に役立てたいな
威圧する仲間が多い分、僕は緩くにこやかに接し緩衝材に
尋問には緊張と緩和の緩急が大事ですし、好みの人が僕に堕ちてくれたら最高!…え、真面目に仕事しろ?そんなー!
大崎・朔太郎
アドリブ可
ここまで来ましたか
こんな姿になってますから多少は狙われるかもですね(誘惑59)
まずおとなしげな人達の方を探してここの話を聞きますか、皆何かしら発情を我慢しているようなら苦労話からの流れで頭を撫でたり背中をさする事で【恋愛演技】の軽めのを使い、精気を奪う事で高められた精力を減らして発情を抑えさせるのも出来るか試させてもらいますけど。
後は暴れる人達ですよね、
そっちは姿が変わる位の【恋愛演技】を仕掛けて「僕の物になりたいからといって暴れたらダメですよ、皆も見てますしね」と可愛がって心も精力も折ってやりますか。
しかし助けたからってモテるのはなぁ…
見た目年下の子に懐かれるのは悪くないですが。
シアン・キャンベル
面倒臭いな。全員纏めて離間の計……いや。友達催眠だ。私と貴様は友だ、友が嫌がる事を何故に、堂々と行う……何……友が悦ばない筈がない……?
忌々しい。たとえ友達で在ろうとも間違いは正さねばな。鞭を使って束縛し行動出来ないようにしよう。それでも、引き千切って襲ってくるのなら、仕方がない。貴様の脳味噌を少しだけ浄化し、冷静さを埋めつけてやる。ところで、貴様はそんなにも興奮したがりなのか。少しは考えて見給え。耐えて耐えて耐えて、その後に発散した方が素敵だと思わないか……?
人型は、脳髄は我慢する事が可能な筈だ。無理なら、愈々、鞭で叩いてわからせる他にないのだよ……
それが欲しい場合?
黙らせるか……頭が痛いな
「…………」
木の葉の隙間から周囲を窺うアビス・カギシッポ(おこたの民・g08933)は光学迷彩で樹上にひっそりと身を潜めている。空中庭園はまるでアマゾンのようで、ここがバベルの塔の内部だということをつい忘れてしまいそうだ。
地上では何かの作業を完了した荒田・誠司(雑草・g00115)がパラドクス通信で連絡を交わしている。
「ま、味方には意味を為さない罠だ。皆の行動の邪魔にはならない……おっと、さっそく引っ掛かったようだな」
それは特性の粘着網を用いた蜘蛛の巣状のワイヤートラップ。
もがく男たちに誠司が問うた。
「暴れるな。痛い思いをしたいのか? たとえば、電流とか――」
「い、いやだッ」
罠にかかった男が首を振るところへ、さらに別の男が姿を現す。
「いたぞ!」
どうやら、罠にかかった男を追いかけていたようだ。
「そいつは俺の獲物だ、おとなしく……」
「にゃー!」
忍び足で近づいたアビスが、実にいいタイミングで男の後頭部を殴り倒した。
「ふぎゃん!」
目を回して仰向けに倒れる男を手っ取り早く罪縛りの鎖でぐるぐるに縛り上げておく。
「どちらの相手が望みだ?」
シアン・キャンベル(ルログ・g01143)が尋ね、大崎・朔太郎(若返りサキュバスアイドル・g04652)が希望を伝えた。
「僕は罠にかかっている方を担当しましょう」
「すると、私はこのけだものをどうにかせねばか……面倒臭いな」
いっそのこと、さっきの狐と同じように幻覚で――否。シアンは己の短気を戒めるように首を振る。忍耐だ。それを忘れてはならない。
「う……」
そして、目を覚ました男にも。
「気が付いたか」
「お前は――」
友達催眠によって男にはシアンが旧友に見えていたはずだ。にも関わらず襲いかかろうとするので、全くもって理性というものが欠如している。
「友よ!」
抱擁をひらりと躱して、シアン曰く。
「……待て。友なら友の意思を尊重して欲望は自重すべきでは?」
「いいや、友なら受け入れてくれるはずだ」
「そうくるか……ならば、友だからこそ貴様の間違いを正してやろう。そこへなおれ」
シアンは鞭を鳴らし、男を縛り上げた。
「なぜだ、友よ!」
「やれやれ……」
諦める気配のない男には呆れるばかりだ。
「貴様も人型ならば我慢を覚えよ。そう常に興奮していては能があるまい。いいか……」
「うッ」
鞭で打たれる痛みと共に、教え込んでやる。
人とけだものの違いはそれなのだと。
「耐えるのだ。耐えて耐えて耐えてこそ、その先に解放される愉悦はより歓喜を増すのだと心得よ」
「た、耐える……」
「そうだ」
神妙な顔でシアンは頷くが、男はごくりと喉を鳴らす。
「だ、駄目だ……耐えられない。鞭をくれ! さあ、もっとだ!」
「……もういい、黙れ」
ああ、頭が痛い。
こめかみを抑えるシアンであった。
朔太郎は罠にかかった男を助け出してやりつつ、その身を案じるように語りかける。
「ここでは常に発情してしまうようですね? 苦労したでしょう」
「ええ……あのように乱暴な男たちに襲われるの、いつものことです。あなたがたも亜人に連れて来られたのですか?」
「いいえ。どうしてそう思うんですか」
「だって、その……」
――恋人演技の前に男はあっけなく陥落する。もちろん一般人相手なので、効果は軽めに抑えてはあったが。
「暴れてた人の方は……なんだか凄いことになってるみたいですが、シアンさんにお任せしておけばどうにかなりそうですね」
すっかり懐いておとなしくなった男の頭を撫でてやりながら、朔太郎はため息をついた。
「助けたからってモテても得はないですけどね……」
このパラドクスの凄いところは、相手の姿をも変えてしまうところだ。朔太郎から見たら男は愛らしい少年にしか見えないので、それが救いか。
「ああ、こっちは2人ほど確保した。何かあったら連絡をくれ」
誠司は状況を別方面にいる仲間に伝え、通信を切る。
改めて男たちを見ても、庭園内で自給自足しているのは間違いないようだ。服装なども着の身着のまま連れてこられたようで、それから新しい服に着替えたような痕跡は見られない。
「ここで何してたにゃ? 亜人は何て言ってたのにゃ」
アビスが聞くと、男たちははっと我に返った。
「女――!?」
「おっと」
とっさに誠司が割り込み、アビスを背に庇う。
その反応からも、空中庭園には男しかいないという事実がうかがえた。
「なんで女はいないのにゃ?」
アビスは首をひねる。
「そんなの、俺だって聞きたいさ」
どうやら亜人たちからは大した説明もなかったようだ。
誠司は腕を組み、呟いた。
「こいつらも亜人の被害者であるのは確かみたいだな。とはいえ、あまり同情もできないが……」
「た、助けてくれ!」
無駄だと分かっていても、男は叫んだ。男たちに捕まり、引きずるように洞窟へ引っ張り込まれそうになった時――彼らはここにあるわけがない存在を見つけた。
「……うん、可愛い」
洞窟の傍でディアナ・レーヴェ(銀弾全弾雨霰・g05579)は無邪気に花を摘み上げる。
甘い匂いを嗅ぎ、「贅沢ね」と呟いた。
「女――」
それだけではない。
すぐ近くをふらふらとわざとこちらの目に付くように歩いているのはルーシド・アスィーム(星轍・g01854)だ。整った顔と均整の取れた身体を見た男たちの目の色が変わる。
「あッ」
もっと極上の獲物を見つけた彼らは捕まえていた若い男を投げ出し、躊躇うことなく狙いを変えた。
ディアナの無防備な背中に男たちの手が伸びる。
だが、触れるより早く、足元で爆薬が弾けた。
――罠だ、と気づいた時には急所を外したゴム弾で手脚を撃たれている。痛みに呻く男たちを拳銃を構えたディアナは冷たい目で見下ろした。
「うあ!?」
ルーシドに迫った方は足下から凍り付いて悲鳴を上げる。凍雲・雪那(報仇雪恨の皓巫姫・g07783)の全身から迸る冷気が地面をはうように近づいて速やかに凍り付かせたのだ。
「痛い? でも、ちょっとだけだから、命には別条ない」
雪那は安心させるように言った。
いくら理想を失くしてけだものと化した者でも、人間は人間だ。できるだけ傷つけたくないのが本音だから。
男たちに言い聞かせるよう、ルーシドが続ける。
「こういうのはね、ちゃんと素面の時に口説いてからじゃなきゃいけませんよー。いくら愛に性別は問わない主義でもこれではその気になれませんて」
ルーシドは手早く鎮静剤を投与し、強引に大人しくさせてしまう。
「はい、ごっくんできた? いい子だね」
「ある意味では、クロノヴェーダ以上に厄介な相手だね」
無力化された男たちをヴィオレット・ノール(北の菫・g09347)が縛り上げた。傀儡の糸や罪縛りの鎖で拘束された彼らは自由を奪われ、為す術がない。
ヴィオレットは肩を竦め、緑が生い茂る空中庭園を眺め渡した。美しい場所であるのは間違いない。もっとも、亜人の箱庭という真実を知った後では純粋に鑑賞する気にもなれないのだが……。
「……ん。せっかく綺麗なのにね」
雪那も同じことを思っていた。
こうして話している間にも、燦々と差し込む太陽の光を受けた木漏れ日がきらきらと降り注いでいる。
縛られてなお、色めき立つ視線を向ける男にディアナは銃口を向けた。
「懲りないのね……実弾の方がよかった? 私はそれでも構わないのよ。ただ、皆はそうじゃないでしょう。だから、ね。あなたたちは命拾いしたの」
心底から、欲望の対象として己を見つめる男たちを唾棄すべき冷ややかな眼差しと微笑みで。
「あなたのものじゃないわ、私は」
「ひッ!」
威嚇を兼ねた一発を撃ち込み、尋ねる。
「痛かった? 私達の言うこと聞くまで、何発でもやるわ。どうする?」
ごくりと息を呑む男たちの体がさらに冷えてゆく。
「ちなみにさ、このまま冷気を浴びてると、どうなると思う?」
男たちの前にしゃがみ込んだ雪那は、無邪気な声色で告げた。男たちの顔を覗き込むように小首を傾げ、詠うみたいに恐ろしいことを口ずさむ。
「身体の末端って、あんまり冷えると、壊死しちゃうんだって。見たことある? 黝ずんで、ぐずぐずになって、腐っちゃった人の体……」
彼らはぞっとして顔色を変えた。
「くそッ、さっさと俺たちを解放しろ! 撃たれるのも凍らされるのもまっぴらごめんだ!! いいからやらせろよ、お前ら全員――」
皆まで聞いてやることなく、ヴィオレットは男たちの欲の象徴を文字通りに蹴り飛ばした。
「ひぎゃあ!!」
「……ああ、すまないね。鉄板を仕込んであるのを忘れてた」
しれっとした顔でヴィオレットは自分の靴に視線をやる。
悶絶する男は、がくがくと頭を動かして頷いた。
「わかってもらえて嬉しいな」
ルーシドがにこにこと男たちを介抱する。ディアナも活性治癒をかけてやった。こういうのは緩急が大事なのだと、ルーシドは知っている。飴と鞭というやつだ。
「ところで、巡回ルートとかこの塔でのあなた方のお役目とかってあるんですかね? ねえ?」
「は、はあ……その……」
最初に襲われていた男はルーシドに顔を近づけられ、頬を赤らめる。
「ん?」
ウインクして先を促せば、彼はごにょごにょと口ごもりながら答えた。
「なにも、知らなくて……」
どうやら、亜人は男たちに重要なことは何も教えていないようだ。ヴィオレットが横目でルーシドを見る。
「楽しそうなのはいいが、これは仕事だよ?」
「はぁい、わかってますってばー!」
クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)はため息をついた。せっかく亜人を殺し、気が晴れていたところであったのに。
「綺麗な景色も台無しですね……こうも下劣極まりない目で見られては、虫唾が走ります」
男たちは輪になってこちらを取り囲もうとしていた。目は血走り、けだものみたいな荒い息遣い。
悍ましい、とハーリス・アルアビド(褪せる事を知らない愛・g04026)は思った。おこがましくもある一方で、この身が知っているからこその疎ましさがせめぎ合う。
このような光景は、できれば他の者には見せたくなかった。肉欲を貪ることしか頭にない者たちの、穢れた手が伸びてくるのをハーリスが跳ねのける。
「彼女たちに触れないでください」
「そうですよ! 狼藉はおやめなさい!」
エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)の一喝を合図に、クロエとハーリスは瞬く間に罪縛りの鎖で彼らを捕えた。拘束され、地面に転がされた男たちはそれでももがき、下劣極まりない目でこちらを舐め回すように見る。
(「殺してもよいものならそうしてやりたいところですが……」)
それでも、自分のための怒りを抑えているエイレーネの前で態度に表すのは憚られた。
エイレーネは男たちの浅ましさに眉をひそめ、唇を引き結ぶ。今更だ。こんな視線などどうということはないが、それでも怒りがこみ上げる。彼らもまた犠牲者なのだと思わなければ、爆発しそうなくらいに。
人の欲望と感情に枷を付ける事はできないというわけか。
クロエは息をつき、杖で地面をついた。次々に蔓状の植物が生えて男たちを吊るし上げる。
「お前たちは、理解する必要があります」
強い力で締め付けられた男たちが呻いた。
絶対的な力関係を思い知らせなければならない。さらに力を強めながら、問いかける。
「お前たちと私たち、どちらが上か、わかりますね?」
「お、俺たちは……悪くねえ……全部、亜人が……!」
この期に及んで言い訳をする男たちをエイレーネが一喝した。
「それでいいのですか!?」
槍と盾を手に、前へ進み出て。
「亜人どもの術で心を穢され、湧き上がる欲求に屈服するままでよいのですか、と言っているのです」
びりびりと空気を震わせるほどの叱咤に、男たちは言葉を失う。
「……どうか、勇気を思い出して。抗うのです、澄み渡る心を取り戻すために。そうすれば渇望は癒えることでしょう」
――士気高揚。
彼らの目から攻撃的な色が消えてゆく。
少なくとも今のところは、話が通じるかもしれない。
「お、俺たちだって、好きでこんなことやってるわけじゃねえ……」
悔しそうに呻く男たちをハーリスが見つめた。通常であれば発情の理由は薬物と暗示によるものだ。しかし、クロノヴェーダが関わっているとなれば話は違ってくる。
「何か、超常的な力が働いている……?」
考えに耽るハーリスの元にパラドクス通信で連絡が入った。どうやら、先に洞窟に向かった男たちは仲間が対応してくれたようだ。
「どれくらい前に、どこからバビロンに来たのですか?」
エイレーネの質問に男たちは首を振った。
「よく……わからねえ。前にいたのは、住んでいた森だ。亜人から隠れるように暮らしてた」
「では、なぜこんな場所でこんな暮らしをしているか、その理由も知らないのですね」
男たちはクロエに頷いた。
はっきりと。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【傀儡】LV2が発生!
【光学迷彩】がLV2になった!
【罪縛りの鎖】がLV2になった!
【土壌改良】LV1が発生!
【トラップ生成】LV2が発生!
【寒冷適応】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
【活性治癒】がLV2になった!
【友達催眠】がLV6になった!
効果2【ガードアップ】がLV4になった!
【ロストエナジー】がLV3になった!
【能力値アップ】がLV6になった!
【ドレイン】がLV3になった!
【反撃アップ】がLV2になった!