リプレイ
レイラ・イグラーナ
ラスプーチンの、顔……元より血色が悪く青かった記憶が。
あの顔を真っ赤にさせるのもまたいいかもしれませんね。
人民の皆様には苦しみを負わせることになりましたが、モスクワは鉄道の中心でもあるロマノフの心臓部。ここの制圧はモスクワを早期に吸血貴族への従属から解放するだけでなく、他の地域へも必ず影響が出ます……確実にやりきりましょう。
【モブオーラ】を使用し、目立たないようにモスクワへ入る人民の中へと紛れます。
私は食料を持ち込みましょう。
調達自体は新宿島で。ロマノフにあっても排斥力で消えない、魚の燻製や野菜を持ち込みます。
兵士の方々には当たり障りのないような受け答えで。変に嘘やごまかしは必要ないでしょう。
李・風美
※アドリブ、連携歓迎
フリ、なんてするまでもなし。ワタシ嘘偽りなく商人アルヨ。
では堂々と行かせてもらうネ。本日モ通常営業ナリ。ヲホホホホ。
【屋台的行進曲】で出した屋台を引いて堂々と検問へ。
兵士の仕事をねぎらい、点心の一つでも渡して通してもらおうとします。
レイ・ディース
連携アドリブ歓迎
【友達催眠】使用
仲間の効果も借りる
今はほんの僅かでもお届けするだけよ……
質素で地味な現地の商人らしい服
翼を外套で隠す
質素な瓶の魚、野菜、果物の瓶詰め
排斥力で消えないシンプルな防寒具を荷車と背嚢、【Iポケット】があれば入るだけ持参
検問は群衆に紛れ、目立ちもオドオドもせず自然体
「モスクワの窮状を聞いた店主に、格安で売れと命じられました」
落ち着いて質問に答える
不要な事は言わないが無愛想にならないよう注意
袖の下を要求された場合はこっそり一品渡す
検問抜けた後も油断せず
市内に入って兵から離れたら物陰でエインを喚ぶ
現地の子供服+目深なフード付き外套着用
私の弟の振りで傍に引っ付いててもらう
アレクサンドラ・リーヴェン
アドリブ・連携歓迎
こうなることは分かっていて、鉄道網を破壊した。
そこに後悔はないわ。ロマノフを取り戻すために必要なことなのだから。
……この胸のモヤモヤはクロノヴェーダを滅することで晴らしましょう。
さて、何を持ち込もうかしら。
腹を空かせた平民が欲しがりそうなもの。あぁ、アレがいいわ。
「飲む血液」とも呼ばれてるビーツ。これなら周囲の農村からでも拝借できるでしょう。
この私が小遣い稼ぎのように思われるのは癪だけど、これも作戦。
ほら、さっさとここを通しなさい!
諷和・もこ
うっ…鉄道を壊すのを手伝っちゃったから、ちょっと罪悪感なんだよ…
はやく平和を取り戻して、みんなの生活を元に戻さないとなんだよ!
ボクは行商人さんのフリして潜入するんだよ
他のディヴィジョンで羊さんの毛刈りをしたことがあって、そこで羊毛を沢山わけてもらってたから、それを売りに行くんだよ
ふかふかもこもこの羊毛はあったかふわふわ
寒いモスクワでお役に立つこと間違いなし!なんだよ!
…って、ひゃわわわ、それは羊毛じゃないんだよ!ボクの髪の毛なんだよ!
●混乱の街へ
パラドクストレインを降りてモスクワへ向かうと、ほどなくしてうんざりするような長蛇の列がディアボロスたちを出迎えた。
「アイヤー。これ全部、物資を運んできた人たちアルか? 大混雑してるネ」
李・風美(胡乱でチャイナな瓶底眼鏡・g00381)は大げさに驚いてみせた。なお、後ろにはそこらへんで回収した荷車を即興改造した屋台を曳いている。特徴的なノボリには「出張混沌堂」と直筆の字でしたためられていた。絵面が非常に強い。
「モスクワは、鉄道の中心でもあるロマノフの心臓部です。その鉄道網を破壊したとなれば、こうなるのは当然ですね」
と、地理に詳しいレイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)が言った。彼女は周囲の農民と遜色ない見窄らしい格好で変装し、魚の燻製や野菜類といった食料を詰め込んだ背負い袋を抱えている。
「うっ……そ、そう言われると、ただでさえ胸に突き刺さるこの罪悪感が、余計強まるんだよ……」
先の鉄道網破壊作戦に従事した諷和・もこ(ふわもこうとうと・g01739)は、この光景に思うところあるようだ。ちなみに、もこは行商人の変装をしている。大きな鞄の中には、ありったけの羊毛を詰め込んできたようだ。
「こうなることは、最初からわかっていたのよ」
と、アレクサンドラ・リーヴェン(吸血姫・g09048)が言った。
「鉄道網の破壊は、ロマノフを取り戻すために必要なこと。いまさら後悔しても意味ないし、私は決して後悔しないわ」
「た、たしかにそうだけど……うう、ボクはどうしても気になっちゃうんだよ~……」
ぺしょぺしょと落ち込むもこを、アレクサンドラはやや呆れた冷たい表情で見る。一見すると、鋼のような精神力……ともすれば人民の姿になんら機微を感じない、冷徹な少女にも思える。
「そうですね。モスクワを早期に解放できれば、他の地域にも影響が出るはず。確実にやりきりましょう。それが最善のはずですから」
だがレイラだけは、アレクサンドラを慮るようなことを言った。彼女も、仮面のような表情の下で、モヤモヤとした気持ちを抱えていることを察したからだ。アレクサンドラは決してそれを正直に吐露はしないが、ふん、とそっぽを向く様子がある意味の答えである。
「今できることは、ほんのわずかでもお届けするだけ……見咎められないようにしないと……」
質素な商人めいた変装をしたレイ・ディース(光翼のダークハンター・g09698)が、かさばる外套を羽織り直した。その下には、天使の証である翼が隠されている。
「なーに、ワタシ嘘偽りなく商人アルヨ。堂々と行けば無問題ネ。ヲホホホホ」
「……商人っていうより、香具師のように思えるんだけど……」
明らかにお国の色を間違えてる風美に、レイは色々言いたいことが浮かんだが、とりあえず黙っておくことにした。最悪の場合はパラドクス効果でなんとかするつもりで、自らも荷車をゴロゴロと曳く。
●
長蛇の列は、遅々として進まない。そして見る限り、農民たちは自主的に物資を持ち込んでいるようだった。
「話に聞いてた、モスクワの様子に比べると……ここに来てる人たちは、少し明るそうだね……」
レイがそこに言及する。朗らか……とまではもちろんいかないが、モスクワの窮状と比較するとかなりあっけらかんとした空気だ。
「そうね。少なくとも、近隣から無理やり徴発しているというわけではなさそうだわ」
「人手が足りてないに違いないアル。なにせ、検問ですらこの有様ヨ」
風美はアレクサンドラに、未だに続く列の先を顎でしゃくってみせた。
「輸送手段のことも考えねばなりませんからね。であれば、農民に自ら持ってこさせたほうが早い、ということでしょうか」
「……もしかして、今のモスクワのヴァンパイアノーブルって、ものすっごく困ってるんだよ??」
「つまり、それだけ私たちの作戦が功を奏している、ということです」
「そっか……! ちょっと気分、よくなったかもなんだよ!
レイラが頷いてみせると、沈んでいたもこはようやく表情を明るくさせた。
それで人々が餓えて困っていると思うと、手放しには喜べないのが彼女らしいところ。
しかし最終的な勝利に確実に近づいているなら、どうあれ喜ぶべき進歩だろう。
「これは商売のしがいあるヨ、商機を逃しては商人の名折れネ」
「……物資の販売はあくまで目的のための手段だってこと、忘れてないでしょうね?」
アレクサンドラはジト目で風美を見つめた。ヲホホと笑う風美の表情は瓶底眼鏡のせいで判断がつかない。
「あ……そろそろ、私たちの番だよ。怪しまれないように注意してね……」
レイが促すと、4人は私語を慎み気持ちを切り替えた。ザルな警備とはいえ、怪しまれるような振る舞いを避けておくに越したことはない……やっぱり国際色豊かすぎるのが一名いるが。
しばらくして、5人は順番に兵士の前へと出ることになった。
「よし、では次の者! そこのお前だ」
「はい」
最初に進み出たのはレイラだ。ここまで行列に紛れ込むためには【モブオーラ】が効果を発揮したが、面と向かって誰何された以上、ここからはレイラ自身の器量で切り抜ける必要がある。
「私は川辺の漁村から、魚の燻製と畑で採れた野菜を持って参りました。こちらです」
とはいえ、特に怪しい物品を持ってきたわけではない。レイラは背負い袋を下ろし、軽く口を開けて中身を見えやすいように兵士のほうへ傾けた。
「お、こりゃ美味そうだ。こんなに瑞々しい野菜は珍しいな」
「……豊作でしたので。モスクワの方々に食べていただこうかと」
レイラが持ち込んだのは、新宿島から持参した食材である。やせ細ったロマノフの土地の作物では、新宿島の滋養ある食物は比べるのも烏滸がましいだろう。兵士たちも餓えているため、涎を垂らしそうな者もいた。
「……通ってもよろしいですか?」
「おっと。そうだな、よし通れ」
「ありがとうございます」
レイラはつつがなく検問を通り抜けた。どんな敵にも変わらない冷徹さで相対するメイドの鉄面皮が役立ったようだ。
「次!」
「は、はい! ……なんだよ」
もこは緊張して、ぎくしゃくと前に出た。身が固くなるあまり、右手と右足を同時に前に出している。
「行商人か? にしちゃずいぶん……」
「え、えっと! こ、こんな大きな街に来るの初めてだから……と、都会はすごいなー、おっきいな~」
もこは、キラキラと目を輝かせ、門の向こうのモスクワの景色を眺めた。いかにも田舎者っぽい純朴な表情で。
「そ、そうか。それで荷物は……」
「これ! ふかふかもこもこの羊毛を、たくさん持ってきたんだよ!」
がぱり。鞄を開けると、どうやって詰まっていたのかという量の羊毛が、ぶわっ! と膨らむように溢れ出した。
「うおっ!?」
「あわわ、頑張って詰めたのに溢れちゃったんだよ……でも、どうかな? あったかふわふわなんだよ~」
もこは羊毛をぎゅうぎゅうと頑張ってつめこみながら、にこにこ笑顔で言った。これはウソではなく心からの感想だ。
「防寒具にはちょうどいいな。今は外に出るための服も着回さなきゃいけないような状況だ」
「それなら、お役に立つこと間違いなし! なんだよ!」
「うーむ、たしかに手触りが見事だ」
兵士は何気なく、もこもこしたそれに触れて撫でてみた。ふわふわでありながらつやつや、思わずにっこりしてしまう手触りだ。
「……って、ひゃわわわ! それは羊毛じゃなくて、ボクの髪の毛なんだよ~」
「おっと、すまんな。それじゃ行っていいぞ」
「あ、ありがとうございますなんだよ……びっくりした」
もこはサッサッと髪を整えつつ、いそいそと半開きの鞄を抱えて入場した。
「次は……」
「ん」
アレクサンドラはつかつかと胸を張って進み出ると、荷物をずいと無造作に突き出した。
「おい、こっちは兵隊だぞ。もう少し……」
「よせよ、仕事増やすな」
つっけんどんな態度に目くじらを立てかけた兵士を、別の兵士がどやした。そして、差し出した荷物を検める。
「これは……赤カブか? ちゃんと下ごしらえもしてあるぜ」
赤カブ……ビーツは、収穫直後はジャガイモのように土色をしている。アレクサンドラが持ち込んだのは、丁寧な仕込みを終えた色艶のいいものだ。近くの農村で仕入れたものである。
「何よ。手間をかけておいてあげたんだから、市民の代わりに感謝したらどうなの?」
「なっ……こいつ」
「だからよせって。後ろつかえてんだろうが」
「そうよ。さっさとここを通しなさい!」
ふん、とアレクサンドラはふんぞり返った。気の短い兵士をなだめてたほうも、その不遜ぶりに口をへの字に曲げる。
「いや、通すがよ……ったく、農民のくせに偉そうにしやがって」
「なっ……!」
アレクサンドラは発作的に言い返しかけ、深呼吸した。今の自分は、ビーツを持ち込んだ農民なのだ。間違っても、誇り高きリーヴェン家の子女などではない。
(「このサーシャ様が小遣い稼ぎのように思われるのは、正直癪だけど……我慢よ、我慢!」)
片眉をピクピクさせながら、アレクサンドラは荷物をひっつかんで足早にモスクワへと踏み込んだ。
問題は次である。
「それじゃワタシも入れさせてもらうアルね~」
「よし、通って……いや待て。待て待て待て!」
さも当然とばかりに勝手に通り抜けようとした風美は、慌てて呼び止めた兵士を怪訝そうに睨んだ。
「何アルか? ワタシ大事な商売で忙しいネ。売り時逃したら、アナタ補填してくれるアルか?」
「なんだその口調! いや、っていうか……なんだこの荷台!」
「ワタシのお店ケチつけるアルか!? 出るとこ出るアルか!」
風美はぷんすこと怒った! 威圧的にはためく「出張混沌堂」の文字! 兵士が呼び止めるのも当然だ!
「いや、屋台ではあるが……こんな飾り付け見たことないぞ」
「しかもなんだこれ……食べ物、なのか?」
軒先には点心類のお品書きが書いてある。兵士たちは顔を見合わせ、首を傾げた。
「アイヤー、そゆことアルか。ダイジョブダイジョブ、ワタシ解ってるアルよ」
風美はなんか勝手に納得し、ごそごそと屋台の裏で何かを漁り始めた。
「おい、何を……」
「皆さんご苦労アルね! はいこれ、点心」
「おおありがとう……ってそういうことじゃねえよ!?」
兵士のノリツッコミ炸裂! 後ろが詰まり始めてざわめきが増している!
(「……うん、まあこうなるよね」)
なんとなく事態を察していたレイは、さも後ろがつかえて困ってます、というような表情を繕い前に出た。
「あの……すみません、まだ入れないのでしょうか」
「お、おお。すまんな、この怪しい女が……」
「誰が不審人物アルか!? 営業妨害アル!」
風美はクレーマーみたいなことを喚いていた。レイは内心頭を抱えたくなりながらも、嘆息をこらえて堂々と言う。
「ワタシは商人として、モスクワの窮状を聞いてやってきました。店主から、格安で市民の方々に売ってこいと命ぜられたのです」
落ち着いた堂々とした振る舞いに、兵士たちはぽかんと顔を見返す。
「私は使いの立場ですが……商人ならみんな同じお気持ちではないでしょうか?」
「そ……そうそう、それアル! 困った時は助け合いアルね~」
(「助け舟を出してるのは私なんだけど
……??」)
風美へのツッコミは内心に留めておく、良識あるレイ。
「そ……そうか。それは……うん、見上げた心意気だな」
「荷物はこちらです」
レイは瓶詰めの魚や野菜類、あるいは果実などを見せる。荷車と背嚢に、限界まで詰め込んで持ってきた品々だ。
「もしご入用なら、お一つ差し上げますが……私も使いの立場ですから、その、あまり多くを求められると……」
常識的に考えれば、袖の下で商品を譲ったことがバレれば、主人とやらにキツい仕置を受けるだろう。
不安そうな面持ちになって言えば、兵士たちは「うっ」と声をつまらせる……それは、馴染みのある友人を見る表情だ。【友達催眠】の効果である。
「そう言われると困るな……わかった、あともつかえてるし、ふたりとも通ってよし」
「ありがとうございます……」
レイはぺこりとお辞儀すると、外套がずれないように裾をおさえながら歩き出した。風美はレイと兵士の顔を交互に見たあと、「再見~」とのんきに手を振ってついていく。
「いやー、助かったアル! それにしてもどうして商人らしく堂々としてたのに怪しまれたのかサッパリネ」
「ツッコミどころが多すぎて追いつかないわ……」
レイは色々諦めて忘れることにした。
紆余曲折あれど、五人は無事にモスクワ入りすることに成功する。
「では次は、市場へ移動ですね」
レイラは全員を見渡して言った。
「小遣い稼ぎに来たわけじゃないのに……ブツブツ」
「あ、あのー……? お腹空いてるんだよ……?」
「空いてないわ。そして、イライラもしてないわ」
ギロリとアレクサンドラに睨まれ、もこは「ピエッ」と呻いて固まった。蛇に睨まれた蛙である。
「……エイン、これを外さないようにしてね」
レイは自らのメーラーデーモンにフードつきの外套を被せてやる。エインはレイの後ろをついてまわる弟のように、ちょこんと足にひっついた。
モスクワの街には、厭戦ムードめいた疲れ果てた空気がどんよりと流れている。風美は眼鏡を指で押し上げた。
「これは仕事のしがいがありそうネ……」
商売のことか、流言飛語のことか。怪しく歪んだ口元は、どちらの意味にもとれそうだ。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
【友達催眠】LV2が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV2が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジ連携歓迎
嘘を流すか……嘘を流すには真実を混ぜた方が良いと聞く
そうだな
例えば此れを行ったのは革命軍らしいが上の一部に繋がっている奴が居るらしいってのはどうだろう
適当な市場で市民を観察しつつ口福の伝道者で事前に増やした干し肉や干し鱈を販売
おまけでロシア人が良く食べるから後年に国花にもなった炒ったヒマワリの種等を配りながら噂を流してく
最近は肉も魚も手に入りにくいからなあ
悪いな、鉄道が無事なら新鮮なもんが手に入ったんだろうが……此れも革命軍の奴等が鉄道を破壊した所為だぜ
しかも、あれだ
此処だけの話、上の一部が政敵を追い落とす為に革命軍に協力しやがったって話だし本当に俺達庶民にとっちゃ良い迷惑だよ
レイ・ディース
連携アドリブ歓迎
常に催眠+プラチケ+モブ
エインは俯きながらお手伝い
「口をきけないけどいい子なんです」
賑やかな市場でかなり安く販売
おまけ付き
物々交換「かなりお値打ちあるのでは?」
情報「お礼です」
買物できない人『ほんの気持ちです』とメモ持ったエインがこっそり渡しに行く
鉄道爆破で悪名高い革命軍は
正規軍に大勢密偵送り込んでるとか
体制側で暗躍してる大物が影で支援してるって噂が…
又聞きですがあの修道院、皇帝陛下と縁の方が眠ってるそうです
そんな立派な場所、罰当たりの革命軍に狙われないか心配…
敬虔な修道女でも吸血鬼の方々ならば自分の身を守れても
普通の人間の女性は危ないのでは…?
※一般人の有無をそれとなく尋ねる
李・風美
連携アドリブは歓迎
人通りの多い広場で、無難な味と良心的お値段(厳しいご時世支援の出血大さぁびす)の点心を売り出します。
点心がとっつきにくいようなので流石に外さないであろう油淋鶏もとい“鳥肉を揚げてタレかけたやつ”から売り、
人と評価を集めてから他の点心を勧めます。
しかし革命軍にはいい迷惑アルな。吸血鬼サマも苦しいそうでネー。
徴税が厳しくなるとかならないとか~
他の街では八つ当たり酷いとか~
触らぬ神に祟りなし。しばらく近寄らないがいいネ。とばちり喰らうよくない。
そうそうお客サン、ワタシ流浪の商人アルから旅の無事をお祈りしたいネ。
この街でお祈りできるのどこアルか? 美人の修道女サン達がいると聞いたヨ。
レイラ・イグラーナ
赤の広場は、クレムリンに近すぎますし、別の広場にしましょうか。
露店を開き、持ってきた食料の販売をいたします。似たものを売られる復讐者の方がいましたら一緒に販売するのもいいですね。
モスクワに住まう方々は元々は鉄道で旅もできるくらいには比較的豊かな生活をされていました。値段のつり上げなどを行わなければ問題なく買っていただけることでしょう。
買い物に来た方とのお話は
鉄道は「革命軍」により爆破をされたらしいです。政府ではなく、「ディアボロス」という集団を妨害するためだとか。
北欧からは離れた地ですからどれほど効果があるかは分かりませんが、革命軍とディアボロスが別の集団である噂は流しておきましょう。
諷和・もこ
大きな荷物は帰り際に買いたいよね
というわけで広場の出口付近でお店を開くんだよ
もふもふあったか羊毛なんだよ
お布団に入れてよし、お洋服にしてもよし
油を染み込ませれば燃料にもなるんだよ
沢山仕入れたからって特別価格でゴテーキョーするんだよ
本当はもっと持ってきたかったけど
鉄道が使えなくて運べなかったんだよ
残念だよね
鉄道を壊したのってカクメイグンって人たちなんでしょ?
こわいんだよー
詳細知ってる?
って、広場で他の仲間がバラまいた嘘がどれくらい広まってるか確認
噂のシンピョーセーを高める最後の一押し
あー、知ってる知ってる!
他の街はここより税金高いらしいんだよ
とか
カクメーグンはスパイがいっぱいいるらしいんだよ
とか
アレクサンドラ・リーヴェン
アドリブ・連携歓迎
私が露天をするなんて。売り方なんてよくわからないし、他の復讐者に便乗しておまけでつけてあげましょ。おまけを渡すときの、そっと一言。きっと快く耳を傾けてくれるでしょう?タダより高いものはない、ってね。
ロマノフの誇る鉄道の破壊、革命軍とやらの仕業らしいわね。私もここまでたどり着くのに苦労したわ。
アレ、どこかの吸血鬼の手下って話よ。他のヴァンパイアノーブルに痛手を与えるためにやったとか。実は国の諜報機関がやったとか。
ま、全部噂だけどね。けど、火のないところに煙はたたない……ってね?
●火種は燻る
ディアボロスには救援機動力がある。仮に遅れて駆けつけても、危機の予感に従って移動すれば自ずと仲間のもとへ辿り着けるのだ。
なので、ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)は大して苦労せず先駆の5人に合流出来るわけだが……。
「さーて、このあたりで商売始めるアルよー!」
「……ものすごい目立つな、あれ」
李・風美(胡乱でチャイナな瓶底眼鏡・g00381)がゴロゴロ曳いてる「出張混沌堂」の中華風屋台は、たとえ救援機動力がなくても一発で分かりそうなレベルで目立っていた。
それはさておき。
モスクワ市街の主要な広場は、ほとんどが中心部に当たるクレムリンの近辺に集中している。
その中でもかろうじてクレムリンから離れており、かつそこそこの活気で賑わっているのが、モスクワ川を挟んで位置する「ボロトナヤ広場」だ。
「赤の広場で商いをするよりは、こちらのほうがまだマシでしょう」
場所取りを終えたレイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)はアンダーリムの眼鏡を掛けると、念のため持ち込んだ品物が欠けていないかのチェックを始めた。
「そうね。それにしても、私が露店をするなんて……いまさらだけど、売り方とか全くわからないのよね」
アレクサンドラ・リーヴェン(吸血姫・g09048)は金髪を指でいじりながら、ぽつぽつと呟いた。
「だからこそ、こうして軒を並べたのではないですか。主だった接客は私のほうでやりますから、ご心配なく」
「正直、助かるわ。そのぶん荷出しとか裏方仕事は任せて」
「おっと、食べ物系なら俺も持ってきたぜ」
ひょっこりと軒先にルィツァーリが顔を出し、持参した乾物類をひらひらと揺すった。
問題はその量である。【アイテムポケット】の残留効果はまだ発動していないのに、とても抱えきれそうにない数が揃っていた。
「助かります。……それにしてもすごい量ですね、どうやって持ち込んだんですか?」
「そりゃあ、持ってきてこう、がぶりと」
レイラは「ああ」と納得した。たしかに【口福の伝道者】を使えば、食料に関してのみだが輸送の問題をクリアー出来る。よく考えたものだ。
「ふうん、干し肉に……鱈もあるのね。こんな状況だし、肉や魚は喜ばれるんじゃない?」
「だといいけどな。あとは炒ったヒマワリの種とか、この国らしいモノも、ね」
「……物々交換してまで求められるような品物かしら」
アレクサンドラは怪訝な顔をした。
「モスクワといえばこれだろ? 侮ったらダメだぜ」
「ヒマワリの種は、いわば人民の象徴。その人気ぶりが、サーシャ様に馴染みがないのも無理はないでしょう」
レイラは手早く帳簿をまとめ終えると、品物を書き出したボードを露店の前にぽんと置いた。
「ふうん……まあ、それならいい勉強の機会とでも思いましょうか」
アレクサンドラはふたりの後ろに並び、荷出し作業を始めた。
一箇所に集中しては逆に目立ちすぎる……という声が挙がったことから、大きく2グループに分かれたディアボロスたち。
その後者のグループの中で、やっぱり一番人目を集めているのが……もちろん、風美である。
「さあイラシャイイラッシャーイ! 安いヨ安いヨ、いいもの揃ってるヨー!」
「……八百屋さん??」
「国際色豊かすぎて、ここがロシアだってこと忘れそうになるんだよ……!」
隣を埋める形で店を構えたレイ・ディース(光翼のダークハンター・g09698)と諷和・もこ(ふわもこうとうと・g01739)は、呆れたものか感心したものか微妙な顔をしている。
なお、こちらのグループは広場の出入り口付近に陣取っている。もこの「大きい荷物は帰り際に買いたいよね」という何気ない言葉を聞いた風美が、「それアル! 食べ歩きに最適ってことで売り出せばガッポガッポアル!!」と変な食いつき方をしてこうなったのだ。
あくまでも、彼らの目的はモスクワ市民と交流し、流言飛語で混乱を助長すること。人が来なければ始まらない。
「なんだか見慣れない店があるなあ」
「妙に元気そうだし、いい匂いがするぞ」
風美の呼び込みは功を奏し、ぞろぞろと人が集まってきた。やはり温かい食べ物は、こうした寒い場所では余計に人の心を奪うようだ。
「おっ、こっちには瓶詰めの果物があるじゃないか。これ、ひとつもらえるかい」
レイの店に顔を出した男性が、瓶詰めの果物を指差す。
「ありがとうございます……エイン、取ってくれる?」
見た目を悟られないよう俯いた状態のエインが、両手(この場合は両前肢あるいは両蹄、だろうか)でひょこひょこと品物を運び、レイを手伝う。
「小さいのに立派な子だね。弟さんかな?」
「はい……口をきけないけどいい子なんです」
レイはにこりと微笑んで、それとなくいなした。
「こっちは……食べ物じゃないのか」
腹を空かせた人々は、もこの店を覗くと少し残念そうな顔をする。だが、ここからが商売の見せ所だ。
「た、食べれないけどもふもふあったか羊毛なんだよー。お布団に入れてよし、お洋服にしてもよし! なんだよ!」
「こりゃあ助かる。もう暖房を焚く薪も足りなくて、家の中で凍え死にそうなんだ」
「それなら、油を染み込ませて燃やしたらどうかな? 意外と燃料になるんだよ!」
もこはにこにことゆるい笑みを浮かべ、丁寧な接客で徐々に人の心を掴んだ。
「ハイハイ皆サン慌てずに! 厳しいご時世支援の出血大さぁびすヨ! 量はあるからご安心ネ!」
すぐ近くでめちゃくちゃ生きのいいチャイナ娘が油淋鶏を売っているのはものすごい絵面である。
「う、うまい……! こんなうまいの初めて食べた!」
「フッフッフ、その調子でドンドン評判広めてネ! お値段のことは無問題ヨ、このぐらいで十分アルネ!」
「えっ……これじゃほとんどタダじゃないか!」
風美が見せたレート表(物々交換を希望する客向けに指標を書いてあるのだ)に、ぎょっとする見物客。
「こちらも、お代のことは気にしないでください……困っているからこそ、助け合わないと」
「そ、そうなんだよー! 特別価格でゴテーキョーするんだよ!」
レイともこが負けじと声を張り上げると、様子見していた人々も我先にと列を作る。
モスクワでは忘れられて久しい温かい意味での喧騒が、ごく一部にではあるが蘇っていた。
それからしばらくして。
「……あちらは盛況のようですね。噂の流布はうまくいってるでしょうか」
こちらもこちらで人混みが絶えない店先、ふと訪れたエアポケットのような休憩時間に、レイラは呟いた。
「見た感じ、大丈夫じゃないか? 俺たちも……っと」
ルィツァーリは新たな客が寄ってきたのを察し、会話を切り上げて応対に出た。
「いらっしゃい! 肉に魚、それにヒマワリの種もあるよ。野菜が欲しいならこっちの方だ」
「おお……こりゃまた贅沢な品揃えだねぇ。今じゃヒマワリの種ひとつだってバカに出来ない状況だもんなぁ」
年老いた労働者風の男性は、満たされていた頃の生活を思い出して悲しそうに微笑んだ。
「最近は肉も魚も手に入りにくいからなあ。ほんとは新鮮なものを持ってきたかったんだが、なにせ鉄道がね……悪いな」
「いやいや、気にせんでいいよ。しかしこんな値段で売ってるのかい? それじゃあ……ん? ああっ! なんてこった」
懐を漁った男性は、愕然とした表情になる。どうやら財布をスられてしまったらしい。
(「元々は鉄道で旅を出来るぐらい豊かな生活をしていたのに……こういったことも起きるのは仕方ありませんが、嘆かわしいですね」)
ちらりとその様子を横目で一瞥し、レイラは声に出さずに嘆息した。
「ん」
「こりゃ諦めるしか……ん?」
そこで、すかさずアレクサンドラがいい動きをした。軒先に並べていたビーツをひとつ手に取り、無言で差し出したのだ。
「これ、あげるわ。もともとタダ同然なんだし、気にせず受け取って頂戴」
「い、いいのかい? 助かるけど、しかし……」
「例の鉄道網の話、私もここまで来るのに苦労したもの。お互い様よ」
アレクサンドラはそっけなく言う。
「噂では革命軍とやらの仕業らしいわね。アレ、どこかの吸血鬼の手下って話だけど、本当かしら?」
「どこで聞いたんだ、そんな話? あんまり大きな声で言わないほうがいいぜ」
と、ルィツァーリがここぞとばかりに乗っかる。声を潜め、周りを気にするような素振りをしながらこう囁きかけた。
「ここだけの話だけど、上の一部が政敵を追い落とすために革命軍に協力しやがったって噂でさ……」
「そうなんですか? 私は、「ディアボロス」とかいう集団を妨害するため、と聞きましたよ」
レイラが滑らかに乗った。この場で重要なのは、混乱を煽ること……そして真偽定かならぬ情報は、多ければ多いほど民衆の目を曇らせるものだ。
「いろんな噂があるんだねぇ……恐ろしくてしょうがない。そもそもいい迷惑だ!」
「ええ、本当……だからこそ助け合おうじゃない」
アレクサンドラはにこりと微笑んだ。鉄道網破壊の張本人が目の前にいるとは、よもや男性は思いもよらない。
「なんにせよ、大っぴらに話はしないほうがいいだろうなあ。"俺たち庶民"は、どこで見張られてるかわからないぜ」
ルィツァーリは、仲間意識を刺激した。さらに秘密めかせることで、男性が親しい友人などに噂を流布しやすいよう誘導する。カリギュラ効果というやつだ。
「あ、ああ。ありがとうね、何から何まで」
「お気になさらず。……そちらの方、野菜はいかがですか? 保存に最適な乾物もありますよ」
レイラは瀟洒に男性を見送り、別の通行人に声をかけた。噂は順調に広まっていく。
さて、それではもこやレイ達のほうは何をしているのかというと……。
(「あっちのみんなも頑張ってるみたいなんだよ! よーし、ここで噂の広まり具合をチェックだよ!」)
と意気込んだもこは、羊毛を買い付けに来た主婦に目星をつけた。
「はぁ、よかったわぁ。これであの子が凍えずにすみそう。本当、革命軍とかいうのは何を考えてるのかしら……」
(「来た!」)
きらーん。と、もこの目が光った。
「あ! その話、ボクも聞いたことがあるんだよ~」
「あら。聞こえてたの? ごめんなさいね、お店の前で」
「ううん、気にしないで。代わりといってはなんだけど、そのカクメイグンって人たちについて教えてくれないかな?」
もこはお代と思って、と付け加えた。良質な羊毛をほぼ無料で譲ってもらえたこともあり、主婦はぺらぺらと会話に応じた。
「それがねぇ、なんでもお偉いさん同士でいがみあってるとか、お国の危ない機関だとか、おっかない話が流れてるんだよ」
「うわあ、こ、こわいんだよー……」
もこはブルブルと震えた。どこに監視の目があるかわからない、という意味では、若干本音が混じってもいるが。
ともあれ、仲間たちの流した噂は野火のような速度で広まっているようだ。これならば、混乱助長の効果は十分あるだろう。
「お貴族サマといえば、アチラも苦しいそうでネー。徴税が厳しくなるとかならないとか~、他の街では八つ当たりが酷いとか~、よくない噂をたくさん耳にしたアルよ」
だぼだぼの袖口で口元を隠し、不安そうに目をそらすふりをする風美。もちろん演技である(隠した口元はにやりと悪い笑みを浮かべていた)
「えっ、そんな! これ以上税がかかったら、本当に餓え死んじまうよ……!」
「ならもういっそ、今のうちに教会にでも駆け込むか? 死んだ時にすぐに葬ってもらえるよう……なんてな、ハハハ」
若い男性二人組は冗談めかすが、笑い声には力がない。
「……エイン」
レイが手渡したメモを受け取り、エインはとことことその男性に歩み寄ると、瓶詰めの品物をメモとともに差し出した。
「ん? なんだこれ、俺に?」
男性がメモを見ると、そこにはレイから「ほんの気持ちです」というメッセージ。視線を向けられ、レイはぺこりと控えめにお辞儀した。
「い、いいのか
……!?」
「不安になる気持ちは、私もよくわかります……ただ、教会というと、よくない噂を耳にしまして」
思わず声をかけてきた男性に対し、レイは言った。
「噂?」
「ええ。この街の修道院に、皇帝陛下と縁のある方がお眠りになっているとか……そんな立派な場所、罰当たりな革命軍に狙われないか心配なんです」
「へー、そんな噂があるのか、聞いたことがなかったな。けど俺の知ってるところなら、きっと大丈夫だと思うよ」
「ホウホウ。それ、詳しく聞きたいネ」
すすすっと、いつのまに近くにいたのか目ざとく寄ってくる風美。
「ワタシ流浪の商人アル、旅の無事をお祈りしたいネ。この街でお祈りできる場所あるなら知りたいヨ。美人の修道女さんがいる聞いたケド……」
「そうそう。ものすごく綺麗な人たちがいる教会がひとつあってね」
男性は風美の誘導尋問にまんまとのっかり、それと知らぬまま情報を明かした。
「その修道女さんたちをまとめてるのが、なんと小さな女の子なんだ」
「私たちよりも、ですか?」
レイに問われ男性はこくりと頷く。十中八九アヴァタール級のことだろう。
「一度だけ姿を見かけたことがあるけど、なんていうか雰囲気が違うっていうかね……あれはもしかしたら……」
男性は言いかけ、やめた。いくら比較的平和なモスクワでも、要らぬ詮索が招くのは身の危険だ。「もしかしたら貴族様なのかも」などと口にするほどの度胸は彼にはない。
だが、その時点でディアボロスらにとっては十分すぎる情報と言えた。レイと風美は、男に悟られないようこっそり目配せして頷き合う。付け加えるなら、件の施設にヴァンパイアノーブルでない一般人が詰めている可能性はなさそうだ。
「そ、そうだよー。カクメーグンにはスパイがいっぱいいるって聞いたんだよ! しーなんだよ、しー」
もこは危ないよーなどと不安そうな表情で、人差し指を立てて沈黙を促す。
「あ、ああ。食べ物も温かい羊毛も仕入れられたし、しばらくは家で大人しくしてるよ」
「それがいいネ。触らぬ神に祟りなしヨ」
「まったくだ。"首を吊った人の家では縄の話をするな"ってな」
男性は引き気味に笑い、同行者とともに去っていった。
「……って感じで、情報も集まったし噂も順調に広まってるみたいなんだよ!」
「それはなによりです。こちらも品物はだいぶさばけましたし、モスクワの窮状を緩和することも出来たのではないでしょうか」
売り物が掃けたところで6人は合流し、互いの手柄を報告しあった。そしてもこの話を聞いたレイラは、ふと視線を彷徨わす。
この広場からはモスクワ市街がよく見える――説明されていた特徴とよく似た建築物は、すぐ目に入った。
「一般人もいないみたいだし、あとは実力行使……ね」
「必要なこととはいえ、嘘を流すのは肩が凝るぜ。少しは暴れないと」
レイのつぶやきに、ルィツァーリは腕を回しながら不敵に笑う。
「きっと街の人たち、いろんな噂で頭イパイになるネ。疑心暗鬼ヨ」
「この場合は"恐怖の目は大きい"、かしら?」
一度恐ろしいと感じた人は、ささやかなことにも怯えてしまう。それを意味する慣用句を口にするアレクサンドラ。
「ついでに吸血貴族(やつら)の目玉も飛び出させてやりましょう」
寒風が吹いた。ディアボロスたちは作戦の最終段階のため、教会に偽装した施設へと歩みを進める……。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
【プラチナチケット】がLV2になった!
【防衛ライン】LV1が発生!
【神速反応】LV1が発生!
【活性治癒】がLV2になった!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【命中アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】がLV2になった!
●モスクワ市街某所:教会に偽装した軍事施設
「外は騒がしいのね。民が苦しむのは面白いけど、こうも喧しいとうんざりしてしまいそう」
慎ましやかながら華美な装飾を施された礼拝堂を、我が物顔で歩く少女あり。
『『群れより出でし』ズデンカ』。トルストイの名著に登場する吸血鬼と同じ名を持つこの少女は、見てくれこそ幼気だ――しかしその本性はこの通り残忍で冷酷。他者を惑わせ苦しめ殺すことを厭わない外道である。
「わたしはしばらく奥にいるわね」
「かしこまりました。市民が来た場合はいかがいたしますか?」
「……喧しいから籠りたいのに、中にまで来られたら鬱陶しくて敵わないわ。扉を閉鎖しておきなさい、理由は改築でもなんでも適当に決めておいて」
「はい」
もとより撹乱のための偽装である。『吸血修道女』に信心など欠片もなく、あっさりと正面玄関を封鎖した。
慎ましやかな装飾は、まさにヴァンパイアノーブルという下卑た存在を飾るメッキというべきだろう。
ズデンカが足を踏み入れた扉の先は、教会の偽装が呆れてしまう物々しく無機質な軍事施設の様相を呈していた。
『吸血修道女』は礼拝堂とそこから繋がる通路に、点々と配置されている。建物には裏口があるが、こちらも封鎖されているようだ。
建物への侵入は、この両玄関を使うか……さもなければ、偽りのシンボルを掲げたステンドグラスを叩き割って入り込むぐらいしか考えられない。
施設破壊が最重要目的である。戦いは礼拝堂から奥へと踏み込みながらの乱戦となる。地下へと降りていく形になるため、機動力よりも障害物をいかに利用するかが戦局を左右しそうだ……。
レイラ・イグラーナ
この建物ですね……一見、外観はただの教会ですね。
吸血貴族たちが詰めていることを考えると、ただの教会とは思えませんが。
固く閉ざされた扉を【一刀両断】で素早く両断します。
一般人がいないことは心得ています。建物に押し入り、まずは礼拝堂にいる吸血修道女たちに【手製奉仕・爪】。聖歌を歌い上げる間もなく、両手に持った銀の針による斬撃で切り裂きましょう。
また、【通信障害】は使っておき、奥へ援軍を求める各種通信は遮断しておきます。
その後も奥に進みつつ、重要そうな施設を手製奉仕・爪による斬撃で破壊していきます。修道女がいれば敢えて自分の身は晒し敵の目を引き付けることで障害物に隠れる仲間が不意を打ちやすいように。
アレクサンドラ・リーヴェン
アドリブ・連携歓迎
ネメシス形態解放。体内に流れる血液、私の魔術の源でもあるソレを霧状にして翼のように背面に展開。
他の復讐者は扉から行く人が多いみたいね?
私は……【飛翔】し、虚構に塗れたステンドグラスを蛇腹剣でたたき割りながら突っ込むとしましょう。
そのまま蛇腹剣で斬りかかる、と見せかけて『刻命魔術【風精の嘆き】』による風刃で攻撃を。敵に当たらなくても結構、どうせ全部壊すのだし。
地下へ行く際は【活性治癒】で多少の傷を無視しながら歩みを進めましょう。目につくものは適時破壊を。クロノヴェーダのつくりしものだもの、残しておく価値なんてないでしょ?
レイ・ディース
※連携・アドリブ歓迎
残留効果活用
普通なら教会の破壊は大変気が引けるけど
邪悪な信仰の場は後腐れなく壊してしまっていいでしょう
【腐食】を発生させ施設を破壊しやすくする
特に兵器や通信機器は早めに壊す
私もエインも光の大盾作ってダメージ抑える
《光遣い》で目眩ましや《氷雪使い・連続魔法》で攻撃
エインも光や氷で作ったジャベリンを投げる
この牽制・撹乱に紛れた本命の攻撃手段は、この場に渦巻く残留思念での《呪詛》です
反撃はこちらも《精神攻撃》があるので耐えられるでしょう
こっそり行動する仲間に目が行かないよう立ち回る
狭い通路で戦う際は障害物に身を隠しながらの飛び道具がメイン
ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジ連携歓迎
修道女の姿で罰当たりな行い、クロノヴェーダらしいというか何というか
まあ何れにしても倒す事には変わらないけどな!
お前達みたいな奴等なら遠慮はいらない
全力で暴れさせて貰う!
正面から突入
〇完全視界で敵を補足
〇地形の利用をし教会内の障害物を敵の視界を遮る遮蔽物として利用しつつ〇電撃(使い)を纏わせ敵を〇追跡する〇誘導弾の特性を持たせた〇バレットレインで敵を攻撃
此れは攻撃の他、無数に放つ銃弾全てに轟音を立てる雷鳴を纏わせる事で敵の歌声を〇吹き飛ばしかき消すという敵の攻撃への対策という意味合い有り
又、味方とタイミングを合わせ味方と逆方向から攻撃し敵が味方の攻撃を回避しにくくする等連携も重視
諷和・もこ
教会ってもっとキラキラでキレイで観光地ーってイメージだったんだけど
なんだかここはあんまり見てても楽しくなさそうなんだよ
大立ち回りしてくれてる仲間に敵さん達が引き付けられてる隙に
裏手の扉を【怪力無双】で【破壊】してこっそり侵入
挟み撃ちにして【不意打ち】するんだよ
最終的にこの建物は壊しちゃうんだよね?
それなら壊れやすくするために、特に大事そうな柱を中心に【破壊】して
遮蔽物をどんどん作っていきながら【鬼人変】でおっきくなった鬼の手でシスターさん達をパチーンってするんだよ
シスターさんに血を飲まれちゃいそうになったら
柱の破片をお口の中に投げこんじゃう
奥に進む時も壁や柱を壊しながら移動するんだよ
●教会の死闘
他のディヴィジョンが実践してみせている通り、クロノヴェーダにとって信仰とは都合のいい道具である。
吸血ロマノフ王朝のヴァンパイアノーブルも、例外ではない……建造物の構造もトループス級の外見も、「姿形」は完璧なれどあるべき荘厳さや神聖な空気は一切ない。たとえるなら、見た目だけ取り繕った伽藍洞、あるいは宝石の贋物だ。
(「教会ってもっとキラキラでキレイで、観光地ーってイメージだったんだけど……なんだか、ここはあんまり見ても楽しくなさそうなんだよ……」)
息を潜めて敵の様子を伺う諷和・もこ(ふわもこうとうと・g01739)は、どこか空虚で不気味にすら思える雰囲気に顔を顰めた。
モスクワの人々は、この寒々しい違和感にどこまで気付いているのだろうか。当然のように街中に溶け込む外観から見て、あまりよい想像は出来そうにない……。
(「ヴァンパイアノーブルの支配が盤石である限り、この「ただの教会」という見た目は決して怪しまれることはないのでしょうね」)
レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)の無表情が、少しだけ険を帯びた。宗教とは人民にとって心の拠り所でありある種のサロンとして機能する――そう、こうした窮状でこそ心身を癒やす場となりえるのだ。それが、他ならぬ人民を苦しめる吸血鬼族の隠れ蓑にされているというのは、レイラ自身に信心がなくとも皮肉に過ぎる。嫌悪を抱くのは当然である。
それぞれの突入経路を確保した二人が準備を整え待機していると……出し抜けに、教会の正面玄関がバァン! と力強く蹴破られた。
「「「!?」」」
突然の闖入者に、吸血修道女たちは殺気立った冷酷な表情でそちらを注目する。冷気とともに飛び込んだのは、小柄な少年のシルエットだ!
「敵しゅ――」
「遅いッ!」
警戒を促す叫びを、銃声が遮った。
嚆矢代わりの一発が呼び水となり、雪崩を打って炸裂する無数の"砲"哮。それは壁に床に弾丸が反射すると、礼拝堂の中を反響する雷鳴の轟音をどよもし、吸血修道女の聴覚を激しく甚振った。
「お前たちみたいな奴らなら、遠慮はいらないな。全力で暴れさせてもらうぞ!」
弾丸でスイスチーズめいて穴だらけになり、吹っ飛んだ長椅子の残骸が、ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)の頬を掠める。少年は瞼を閉じすらせず、臆することなくさらに果敢に前へ進み、無数の銃撃をなおも見舞った。
「モスクワ市内にまで入り込んでいるとは……不敬なテロリストめ!」
吸血修道女は怒りを剥き出しにし、手前勝手な怒りを叫ぶ。その声音はただの悪辣な罵詈雑言ではなく、敵対者を欺瞞の幸福と救済で死に至らしめる邪悪な聖歌を奏でるのだ。
しかし、奴らは少しでも訝しむべきだった。
モスクワという、ディアボロスにとっての絶対的アウェイで、なぜルィツァーリは真っ向から堂々と強襲を仕掛けたのか。
ただの蛮勇?
あるいは、ヴァンパイアノーブルの悪行に憤るがあまり、冷静さを失って闇雲に突撃したとでも?
どちらも否だ。そんな短絡的で無遠慮な連中では、そもそもモスクワ市内に入り込むことなど出来ないのだから!
吸血修道女たちが、自らの軽薄さを思い知るより一瞬早く、雷鳴の轟音すら切り裂く激しい破砕音が戦場に転がった。
それは、虚構にまみれたステンドグラスが派手に割れ砕け、ガラスの破片がパラパラと聖堂に飛び散る音だ。敵のうち多少は敏い固体が、音に素早く反応してそちらに視線を向けるが――視界を鋭い鋼が駆け抜け、そしてステンドグラスと同じようにバラバラに斬り裂いて暗転させた。
「哀れね。アンタたちの作り上げたこの偽りの礼拝堂には、迷える子羊を救ってくれる神はいないわよ」
蛇腹剣が、不穏な風切り音を奏でる。霧状の血を翼めいて広げた滞空するアレクサンドラ・リーヴェン(吸血姫・g09048)の姿は、差し込む寒々しい陽射しも相まってある種の宗教画を思わせた。ただし、その荘厳さに対して、金色の瞳は凍土のように冷たく酷薄に輝いていたが。
「新手ですって!?」
「あの剣に気をつけなさい、あれが」
風切り音は一度きりでは終わらなかった。蛇腹剣はあくまでフェイクに過ぎず、本命はその風にこそあるということを、吸血修道女は己の身を寸断されることで知る。
切り裂かれた修道女の残骸が、周囲の構造物と混ざり合って渦を巻いた。血と轟音は、伽藍洞の礼拝堂を血腥い地獄へと変転させた――これこそがヴァンパイアノーブルの"はらわた"であると、示すように。
「なぜ此処が割れたのです!?」
「とにかく迎撃だ、敵は2人!」
騒ぎはたちまち地下にまで浸透した。ルィツァーリとアレクサンドラの進軍が、それだけ鮮やかで素早かったというのもある。
だが、何かがおかしい……万全を期して配置されていた警戒網がほとんど機能していない。たった二人のディアボロスの強襲に、統率されたトループス級がそこまで足並みを乱すか?
「まさか、他にも敵が……」
訝しむ吸血修道女の懸念を、ブスブスと音を立てて腐食する天井の異音が肯定した。まるで無味無臭のガスが、人知れず足元を這い回るようにして立ち込めていたかのように、厭わしい呪詛があたりに満ちていることを奴らはいまさら察知する。
「あそこです! 攻撃を!」
見咎められたレイ・ディース(光翼のダークハンター・g09698)は、エインとともに防御的に構えた。唾棄すべき欺瞞を囁く音の波を、光のパーティクルめいた魔力が防ぎ拡散させる……この光を通じた呪詛の浸透こそが、彼女のユーベルコード『サイレントドアブレイカー』の本命だ。
「頑張って、エイン……私たちの目的は、この施設を破壊すること……ここで耐えれば耐えるほど、効果は生まれるんだから……!」
精神の奥底から湧き上がる忌まわしい衝動に歯噛みして耐えながら、レイが言う。傍らの相棒はキッと眦を決し、健気に背筋を伸ばして頷いた。
敵の集団連携による邪悪な唱和は、秒を重ねるごとに反響し効果を高める。ルィツァーリとアレクサンドラの援護も、すぐには此処には届かない。このままではジリ貧だ。
すると出し抜けに、邪悪な聖歌が途切れた。
「隙だらけですね。突発的な事態を想定していないとは」
背後から忍び寄り、愛用の針を鉤爪めいて振るったレイラによる闇討ちだ。それは針でありながら切断するという、通常では考えられない芸当を可能とする――彼女の背後にある、両断された扉の残骸と、足元に転がる敵の死骸がその切れ味の証左。
「まだ敵が潜んでいたのですか
……!?」
吸血修道女はレイラの存在に驚愕し、そして自らの足元を揺るがす地響きに二度驚いた。ズズン、という鳴動とともに、パラパラと腐食しかかった天井から埃がこぼれ落ちる。
その真上では、巨大な柱を中心としてもこが大立ち回りを繰り広げているところだった。
「どうせこの建物は壊しちゃうんだから、派手にやっちゃうんだよ!」
異形・巨大化した鬼の手を破城槌のように振り回し、もこは勇猛果敢に叫ぶ。有り余るパワーを前にしては、偽りの奇跡で強化された吸血修道女の身体能力など、蚊のようなものだ。
「こ、この小娘……がっ!!」
飛びかかった愚かな固体が、粉砕された瓦礫と混ざり合ってミンチになった。もしもこを恐れて退却しようとしたり、あるいは背後から襲おうとしても、挟撃位置に回り込んだルィツァーリやアレクサンドラがその隙を逃さない。
「よし、順調だ。このまま手当たり次第破壊しながら進もう!」
「うんっ! そういうのなら大得意なんだよ! 頑張るんだよー!」
「どうせ全部作り物。残しておく価値なんてないものね」
3人は目につく敵を撃ち抜き、斬り捨て、殴り飛ばし、目につくものも同じようにして粉砕して突き進む。
地上階の敵はあっという間に掃討され、進軍は地下に踏み込んでいた。レイラとレイを踏み込ませた時点で、奴らは敗けていたのだ。
「あ、ありえない……こんな迅速な制圧だなんて……!」
「慄くヒマがあるなら、少しでも足並みを揃えて敵を迎え撃つことですね」
恐怖すら覚えた吸血修道女の首を刎ね、レイラは端的に言い捨てた。
「まあ、そうはさせないのが我々ですが。そちらは大丈夫ですか?」
「う、うん。ありがとう……さあ、エイン。行こう」
レイはこくんと頷き、立ち上がると呪詛の力をより広域的な破壊に傾け、地下階に腐食を広げながらレイラとともに奥へと進んだ。
吸血修道女が、ただの雑魚だったとは言えない。奴らも秘密施設の警備を任されるだけの統率と練度を持っていたのだ。
しかし、ディアボロスたちの連携と鮮やかな奇襲が、圧倒的にそれを上回った――そして一切の反撃を許すことなく、徹底した破壊と殲滅をやってのけた。ただ、それだけのことである。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!
【能力値アップ】がLV3になった!
レイ・ディース
※ネメシス形態使用
外見は変わらないが、その場に漂う残留思念が纏わり付いて敵への復讐を常に求める
エインは防具と一体化、防御力と素早さを上げる
※連携アドリブ歓迎
残留効果活用
自分の犠牲者達を死後も尚縛りつけ利用し続けるような敵は、この任務がなくても倒さねばならない
私も犠牲者の魂を利用するけど
彼等も無念を晴らし解放される為に私を利用すればいい
この技(ウィングドシンパシー)を使い、犠牲者達の無念を《呪詛》として光の槍やシルバーブレイド、あるいはこの翼や拳に纏わせて余す事なく叩き込む!
どこまでも敵を追尾し、多少のダメージはお構いなしで敵を殴り続ける
戦闘後は協力してくれた魂達を《浄化》で弔ってから撤退
レイラ・イグラーナ
貴女からは、人民の血を啜る醜悪な吸血貴族の匂いしかしません。
この場所と同じです。表面をいかに取り繕っても……その中は民を害する施設、偽りの安寧。
このロマノフに真の安寧を齎すため。お覚悟を。
ネメシス形態、革命家としての姿に。細剣「惨禍鬼哭血革針」を抜きます。
ズデンカが呼び出す者たちを惨禍鬼哭血革針で切り伏せ応戦しながらその怨念を呼び集めます。
既に死した方はもちろん、まだ生きている方々も全て救うことは適わず。
私にできることは、人民の皆様が流した血を踏みしめ道を切り開き……支配者を討ち果たすことのみ。ともに想いを果たしましょう。
怨念を集めたら【天上奉仕・慟哭】。一閃でズデンカを切り飛ばします。
諷和・もこ
教会のボスなのに神父のお爺さんじゃないんだよね…
なんとなくガッカリ
スキを見て【ダッシュ】で懐に入って【フェイント】織り交ぜながら【不意打ち】
まくらでぽこぽこしちゃうんだよ
悪いことした子にはメッ!ってしなきゃね
…え?急に押し入って教会を破壊するのは悪いことじゃないのかって?
…
それはそれ!なんだよ!
召喚された軍勢たちもまとめてぽこぽこ蹴散らすんだよ
もし数に押されそうになったら一旦引いて立て直し
すると見せかけて、攻撃の合間に建物も一緒に【破壊】しちゃうんだよ
地上階と同じく大事そうな柱を【腐食】させて
【怪力無双】したまくらでどっかーん!
建物が崩れる前にみんなに声をかけて急いで撤退てったーい!なんだよ!
ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジメント歓迎
後はお前だけだ此処の頭領
トルストイの描いたズデンカは最後はヴルダラクになってしまったが愛する主人公の無事を願い自ら別れを告げた強い女性だ
お前の様に人の心を踏み躙る奴が名乗って良い名前じゃない!
幻覚で見るのは流行り病で死んだ幼馴染
自分は病弱な彼女の持病を治す為に特効薬を求め離れた地におり彼女の死に目に会う事も出来なかった
それは決して抜けない棘
だから一瞬躊躇もするだろう
だが最後に残った約束迄破る訳にはいかない
何時か困ってる皆を救える騎士になる
幼い頃の他愛ない約束だけど……この約束だけは破る程、墜ちてはない!
大人の騎士姿のネメシス体に
全身全霊を込めて○高速詠唱の○連続魔法で○焔矢を
アレクサンドラ・リーヴェン
アドリブ・連携歓迎
ネメシス形態解放。体内に流れる血液、私の魔術の源でもあるソレを霧状にして翼のように背面に展開。
残すは『群れより出でし』ズデンカただ1人。前哨戦の締めを飾るのはヴァンパイアノーブルの首というわけね。悪くないわ。
わらわら湧いて出てきたのは……そう。今まで奴の犠牲になってきた者達なのね。
憐れには思うわ。けど、ごめんなさい。それで私の手が止まるわけじゃないの。
『刻命魔術【氷精の吐息】』
絶対零度の氷の矢で偽りの生を終わらせてあげる。
ズテンカ、あなたの命の輝きも一緒に止めてなさい。
さあ、吸血宰相『ウラジミール・ココツェフ伯爵』への道が1つ。
解放への歩みは止めないわ。
●その瞳は巨大なり
「……おねえさんたち、だれ?」
恐る恐るといった様子の声がした――怯えた表情を浮かべ現れたのは、赤い髪が美しい幼娘。
「もしかして、たすけにきてくれたの? よかった……!」
不安がぱっと安堵の笑みに変わる。そして少女は、たたっと軽やかにディアボロスに駆け寄ろうとした。
「そこまでです」
レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)の、穏やかな……だが一切意を変えるつもりがない冷たく堅い声が少女を制した。
「え……」
「猿芝居なんて、するだけ自分の顔に泥を塗るわよ? まあ、もともと泥に劣るゴミみたいな存在だけれど」
レイラの隣に歩み出たアレクサンドラ・リーヴェン(吸血姫・g09048)の背中に拡がる血の翼が拡散し、ショールめいて周囲を舞う。波打つ朱は、『敵対者』の末路を知らせる先触れだ。
「……『ここに一般人はいない』ことは、もう突き止めてあるの。残念だったわね、"ズデンカ"」
レイ・ディース(光翼のダークハンター・g09698)の言葉に、戸惑うようだった少女の眉がぴくりと動いた。
「……トルストイの描いたズデンカは、最後にヴルタラクになってしまった。
けれど「そちらの」ズデンカは、愛する主人公の無事を願い自ら別れを告げた強い女性だ」
ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)の刃めいて鋭い瞳が、射抜くように少女を睨んだ。
「お前のように、人の心を踏み躙る奴が名乗っていい名前じゃない――いい加減本性を表せ、ヴァンパイアノーブル!」
……訪れた静寂は、少女の笑い声ですぐに終わった。
「ふっ、ふふ……あっはははは!」
「な、何がおかしいの? あとはあなただけなんだよ!」
諷和・もこ(ふわもこうとうと・g01739)は少女の態度を訝しみ、叫んだ。赤い髪の少女――いや、『群れより出でし』ズデンカは、なびく髪をかきあげて鼻で笑う。
「それがなんだというの? あいつらは所詮、モスクワの愚かな奴らが踏み込んでこないようにするための雑用に過ぎないわ。
ここまで来れたのはたしかに驚くべきことだけれど、ひとつ勘違いしているのね」
ズデンカの細まった瞳が、殺意の色を帯びる。人ならざる鬼の残酷さを伴って。
「わたしがいれば十分なのよ。あなたたちにわたしが殺せるかしら?」
口元の笑みが示すのは、嗜虐だ。
自ら己の手に飛び込んできた羽虫を、どう苦しめて殺すか――そう思案しているのをまざまざと知らせるような。
嘆息が響く。
「やはり、いくら表面を取り繕っても醜悪な吸血貴族の臭いしかしませんね。あなたは、この場所とまるで同じです」
レイラの姿が、革命家のそれへと変じる。ぴりぴりと肌を刺すようなズデンカの殺意に呼応し、ネメシス形態を顕したのだ。
「人民の血を啜り、偽りの安寧を垣間見せる敵よ。このロマノフに真の安寧を齎すため――お覚悟を」
「……そうやって、何人もの人々を犠牲にしてきたのね。吐き気がするわ」
対してレイが浮かべたのは、怒りと決意の表情。戦意に呼応するように、光の翼がまばゆく瞬いた。
「あなたみたいに身の程知らずなことをほざくヴァンパイアノーブルを、もう何匹も殺してきたわ」
アレクサンドラはそのどちらでもなく、淡々と言った。
「これはあくまで、この先の戦いに続く前哨に過ぎない。アンタの首は、せいぜいその節目を飾る程度の価値しかないわよ?」
周囲を舞う血が再び翼を形成する。赤い光を散らしながら羽ばたいたその音が、戦いの始まりを知らせるゴングとなった。
「そう――ならば知りなさい、わたしがなぜ『群れより出でし』ズデンカと呼ばれるのかをね!」
少女の姿をした鬼は片腕を突き出し、力を解き放った。するとまず、地下を埋め尽くすほどの大量のコウモリが現出し、戦場を狂ったように飛び回った。
「わわわわっ!? こ、これじゃ教会じゃなくて洞窟かなにかなんだよーっ!」
もこは頭上を通り過ぎるコウモリの群れに襲われないよう、頭を抱えて身を伏せた。ちらりと上目遣いに群れを窺うと、どうやらそれらは尋常の存在でないことがわかる。
「……!」
5人の中で、レイがもっとも激しい表情を見せた。彼女はそのコウモリの群れが、ズデンカの犠牲になった人々の魂を弄ぶ霊的エネルギーの群れだと看破したのだ。
彼女の身を鎧う残留思念が、怨嗟と嘆きを伝える。奪われた者たちの想いが、レイの背中を押した!
「許さない……!」
歯噛みするように言いながらも、彼女は思う――残留思念を利用するのは、己も同じ。手段は変わらないのだと。
しかし、ひとつだけ違うものがある。……それは、怒りだ。
「私があなたたちの魂を利用するように、あなたたちも私を利用すればいい……いくらでも、力を貸してあげるわ……!」
レイ自身の怒りが、さらなる激しい炎を燃やす。嘆きの思念は彼女の光の翼の輝きと混ざって融けあい、無数の矛となってズデンカを狙う!
「くっ……小賢しいわね。死者たちよ、わたしを守りなさい!」
銀の剣を阻んだのは、呪われた光を朧に纏う兵の群れ……いや、軍勢!
年齢も性別も違う顔ぶれは、いずれもアンティークな武具を纏う死兵と化していた。これもまた、ズデンカに惑わされ、あるいは奴の幻に惑わされてしまった者たちの成れの果てなのだ。
「こいつ……!」
迫る死兵の群れに、ルィツァーリはぎりりと奥歯を噛み締めた。そして怒りのままに突き進み、一刻も早くズデンカを討とうとする。
「ふふふ……その目、とてもいいわね。そういう目をした奴は、とっても簡単に魅了できるの……こんな風に!」
「――!」
殺意に窄まった瞳が、大きく見開かれる。ズデンカの妖しい魔力による幻が、ルィツァーリを虜にしていた。
……幻の世界で、ルィツァーリは誰もいない戦場にひとり佇んでいた。
いや、正しくはもうひとりいる。それは、死んだはずの少女だ。
「……そんな」
ルィツァーリは困惑した。理性が、彼女は生きているはずがないと警鐘を鳴らす。
だがそこにいる幼馴染の姿はあまりにも現実的すぎた。青ざめた頬をわずかに朱色に染め、儚く微笑む姿は、紛れもなく――。
ルィツァーリは、ふらふらと少女に引き寄せられた。死に目に遭うことも出来ず永遠に別れてしまった幼馴染がそこにいる。理性が何かを叫んでいるが、自分の声のはずなのにとても遠くで木霊しているように思えた……。
「……さい」
声が聞こえる。だがそんなものは関係ない、だって彼女が、そこに。
「……しっかりしなさい!」
「!」
ルィツァーリはハッと我に返った。幻がかき消え、現実の風景が帰ってくる――目の前に迫る死兵の剣!
「させません」
背後からぬっとせり出した細剣が、剣を振り上げた死兵の腕から脳天までを貫通していた。それはレイラが突き出した、針状の恐るべき怨念の刃である。
「私にできることは、これだけです。せめてともに想いを果たしましょう」
レイラは淡々と言い、決然と進む。死兵を、あるいは魅了された人々を斬り捨て進むたび、彼らの宿した怨念が細剣に宿る。軍靴が血の海じみた床をべしゃりと踏みしめた。レイラはそのぬかるみを、生暖かい死の温度を決して忘れない。すべて背負い進むべき想いなのだから。
「……憐れには思うわ。けど、ごめんなさい」
あとに続くは、アレクサンドラ。周囲の空気がぱきぱきと凍てついて、無数の氷の矢が生じるなり飛翔した。それらはレイラの剣と、あるいはレイの放つ光の雨と同じように敵を貫く。
「私の手は、奪われたモノを取り戻すまで止まらない。……そうでしょう?」
金色の瞳が、ちらりとルィツァーリを一瞥する。さきほど己を現実に引き戻した声が、彼女のものだと少年は察した。
「悪いことした子には、メッ! なんだよ! この建物も全部全部、粉々にしちゃうんだよーっ!」
最前線ではもこが枕を駄々っ子のほうに振り回し、無限じみて迫りくる死の軍勢を退ける。鬼の剛腕で振るわれる枕は、もはや凶器だ。絵面は少々ファンシーだが、ふっ飛ばされる死兵の軍勢の有様が、そのパワーを知らせていた。
「……そうだな」
幻に囚われていたのは、一瞬のことだった。しかし仲間がいなければ、今頃ルィツァーリは彼らのように死兵に成り果てていただろう。
それは侮辱だ。かつて彼女と最期に交わした、唯一遺された約束を穢す、許されざる行為だ。……己もまた、同じように自ら約束を踏み躙ろうとしてしまった。
何時か、困ってる「みんな」を救える騎士になる。
今よりももっと幼い頃の、他愛もない約束……それだけは譲れない。破るわけにも、穢させるわけにも!
「我輩を侮ったな、ズデンカ! お前に魅入られるほど、墜ちてはいないぞッ!」
駆け出した少年の姿が大人の騎士へと変じ、嘶き現れた無双馬が彼を迎える。仲間を、敵軍を飛び越え颯爽と進む騎士!
「そんな……! わたしの幻が通じないだなんて
……!?」
死兵の軍勢は恐るべき速度で駆逐されていく。
呪われたコウモリの群れも、圧倒的な攻勢によってすでにその数を減じつつあった。
ズデンカは高速思考する。なぜだ、なぜ奴らには己の手が通じない? なぜ奴らは惑わされず、躊躇うこともなく、ああも決断的に進むことが出来る!?
「……まだわからないのね。なら、教えてあげる」
レイは、哀れみすら込めて言った。
「あなたは、とても多くのものを踏み躙った。そのすべてが今、あなたの敵に回ったのよ」
「たとえどれだけ死兵の群れを軍勢となそうと、私たちはすべて屠り進みます。そしてその怨念も、怒りも、ともに応報するのです」
レイラの足取りは一切揺るがない。眼差しはレーザーポインターのようにまっすぐズデンカを射抜いている。なによりもそれこそが、鬼を恐れさせた。
「だからこの手で、あなたに穢された偽りの生を終わらせてあげるわ」
アレクサンドラが指を突きつけると、絶対零度の氷の矢が砲兵の列めいて鏃を向ける。
「ズデンカ、あなたの命の煌きも――一緒に止めてなさい」
一斉に放たれる氷の奔流! もはや死兵がどれほど阻もうとしても止まることはない!
「ボクらはここまで来たんだよ! だったらこの先も進むだけ! 神父のおじいさんでもないガッカリ系ボスは、ここで退場なんだよーっ!」
SMASH!! 矢衾にされた敵をもこが薙ぎ払う! 突き進む! まるでブルドーザーだ、絶対に止まらない……いや、止められない! ズデンカは己の最期が、死がそこにあることを悟り恐怖した!
「空駆けし天空の神よ、偉大なる雷神よ!」
頭上。高らかに叫ぶルィツァーリの背後に巨大な大砲が顕現した。
「わが敵を討つため、御身の焔矢を――降らせ! たまえッ!!」
「い、いや……厭ああああっ!!」
叫ぶ姿は幼子そのもの。最期の苦し紛れに死兵が飛び出したが、それはレイの光の剣で切り裂かれ、氷の矢で射抜かれ、そして首をレイラが刎ね残骸をもこが叩き潰す。
焔矢が少女の姿をした鬼を砕く。怨念の一閃が断末魔さえも斬り裂いて、凍てつき光に飲まれた骸は塵一つ遺さず消え去った。
この戦いを、モスクワの人々が知るのはずっと先のことだろう。そして、それはおそらく今日以上の混迷と苦難を彼らに齎すはずだ。
……だとしても復讐者たちは、止まらない。奪われたものを取り戻し、踏み躙られたものの応報を果たすまでは、決して。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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