リプレイ
リディル・ヴェント
まずは【寒冷適応】は持っていった方が良さそうよね。
参加の仲間達にも効果が届くような距離感で目的地に向かいたいわね。
これで去年の夏に着た水着でもへっちゃら!…だけど、やっぱなんか見た目が寒そうだから新宿島スーパーアイテムのドライスーツを着るわ。
海上に敵はいなさそうだから、持っていけそうなら新宿島から小さい船を持っていってもいいのかしら。この時代なら機械で動く船が海を渡っていても多分おかしくないと思うけど…もーたーぼーとってやつ。
麻緒さんの【完全視界】も借りて目的地や海上を確認するわ。
海に船とか全然いなくて目立ちそうなら…お、泳ぐわ!寒さは平気だし、實生さんの【水中適応】もあるし、イケルイケル!
一角・實生
ドライスーツを主軸に極寒の海を越えられる装備を身に着ける
若干泳ぎづらいけれど【水中適応】で補っていこう
【寒冷適応】が使えるのなら恩恵にあずかりたいな
敵は見当たらないとのことだけれど極力静かに進むよ
用心するに越したことはない
氷と雪に覆われたストックホルム――過酷な環境の中で人々はどのような暮らしをしているのだろう
かなり困窮していると聞いた
……ロマノフの他の地域で日々を懸命に生きていた人々、列車で出会った豊かに日々を送る人々を思い出すよ
ここからではまだ見えないだろうか
海からストックホルムの街並みや気配を探れたら
上陸後は翼を震わせ水分を飛ばした後に着替える
よし、この地の現実を知りに行こう
三苫・麻緒
ストックホルムと聞くと被害者が加害者に好意的になる現象の方を先に連想するなぁ
…やだやだ、あまり考えたくない展開を想像しちゃった
妄想はさておき進まないとね
海の中に入る前にドライスーツにお着替え
あとは方向を確かめるためにコンパスも持参
【水中適応】と【寒冷適応】はありがたく借りつつ、吹雪いてるみたいだから【完全視界】で視界も確保していくよ
目立たないように海の中を歩くのがよさそう
最低限の警戒をしながらコンパスと目視で方向を確かめて、無理のない範囲で急いで向かいたいかな
真冬の寒中水泳って、残留効果の恩恵があったとしても響きがすごい寒そうなんだもん…!
上陸したら普段着、と言っても冬服に着替えちゃおう
阿良々木・蘭
折角の海だからイルカになって泳いじゃおう
【イルカ変身】で水のイルカを身に纏いイルカに変身する
相棒のわっふるを背中に乗せて水中をスイスイ泳ぐ
敵に見つかったってイルカだからわからないよね
イルカだからって【水中適応】とか【寒冷適応】とか【完全視界】が備わっているわけじゃないから他の人の温厚をうけての行動だけど
時折、ハイジャンプで水面から飛び上がり周りの様子を窺うよ
ハイジャンプが敵に発見され危険と言われるとやらないけど
ボクもわっふるも「もきゅもきゅ」と会話する、それでも言葉は通じる
誰かが背中に乗りたいって言うなら乗せるよ
●
「これで去年の夏に着た水着でもへっちゃら!」
と、極寒の海を前にした筈のリディル・ヴェント(ゲットレディ・g00550)がそう言い切れるのは、彼女の発動させた寒冷適応のお陰。
これひとつあれば、永久凍土でも快適に過ごせます!
「……だけど、やっぱなんか見た目が寒そうだから新宿島スーパーアイテムのドライスーツを着るわ」
気持ちの余裕って大事ですよね。
一角・實生(深い潭・g00995)と三苫・麻緒(ミント☆ソウル・g01206)もしっかりとドライスーツに着替えていた。
「寒冷適応の恩恵に預かれるとは言え、若干泳ぎづらいけれど水中適応で補っていこう。後は装備の最終確認を済ませて……」
「吹雪いてるから、完全視界で視界も確保していくよ。方向を確かめるためにコンパスも用意してっと」
そんな中。
「折角の海だからイルカになって泳いじゃおうっと」
言うや否や、ぱしゃんと小さく音を立てて一足先に海へと飛び込んだ阿良々木・蘭(エデンズイノベイター・g02198)。
その姿は宣言通り、イルカに変わっている。背中には相棒のモーラット・コミュ『わっふる』の姿もあった。
(「敵に見つかったってイルカだからわからないよね」)
仲間たちが準備を終え、海へ潜るのを待って彼女……いや彼は泳ぎ始めた。残留効果の恩恵を存分に受けながらも、スイスイと優雅に泳いでいく。
●
(「敵は見当たらないとのことだけれど、用心するに越したことはないからね」)
實生は麻緒の用意したコンパスを確認しつつ、彼女と共に静かに海中を進んでいた。
麻緒自身も念の為の警戒は怠らないよう心掛けつつ、方向を確かめながら先を目指す。
(「なるべく無理のない範囲で急いで向かいたいかな……残留効果の恩恵はあるけど、真冬の寒中水泳って響きがすごい寒そうなんだもん
……!」)
いや本当に、気持ちの余裕って大事ですよね。
と、少し離れたところでぱしゃり、水の跳ねる音がする。
イルカ、もとい蘭がジャンプで海面から跳び上がったのだ。心なしかわっふるも楽しそうに見える。
無論、理由はある。周囲の様子を窺うためでもあるのだ。敵の気配はなさそうだが、念の為。
「もきゅもきゅ!」
「もきゅもきゅ♪」
わっふるとお喋り。人の言葉でなくとも、わっふるのことはちゃんと、蘭には理解出来ている。
だって、わっふるは相棒なのだから。
……さて、一方。
(「が、頑張って泳ぐわ!」)
こちらも出来れば可及的速やかに陸地に辿り着きたいリディルである。
(「海上に敵はいなさそうだから、新宿島から小さい船……もーたーぼーとってやつを持って来れたらよかったんだけど」)
小型のものを想定してみたものの、調べたところ残念ながらパラドクストレインには積めなさそうであった。アイテムポケットに入れられる大きさも越えていた。悲しい。
(「寒さは平気だし、水中適応もあるし、イケルイケル!」)
泳ぐ分には問題ないのだと自分を鼓舞する。
するとそこに下りてくるイルカ蘭ちゃん。
「大丈夫? 背中乗る??」
「いいの!?」
リディルとしても海上から周囲や目的地の様子を確認するつもりもあったので、ではお言葉に甘えて!
小舟は断念せざるを得なかったが、思いがけずイルカと海の旅を楽しんだリディルなのであった。
●
いよいよ目的の海岸へと上陸しつつ、麻緒がぽつりと零す。
「ところで、ストックホルムと聞くと被害者が加害者に好意的になる現象の方を先に連想するなぁ」
「ああ、あれか……」
余りに有名な話だから、實生もその言葉ですぐに思い至った。
これがもし、現地の人々とクロノヴェーダとの間でも成り立ってしまっていたら……と、つい考えてしまう。
「……やだやだ、あまり考えたくない展開を想像しちゃった」
頭を振って、その考えを追い出す麻緒。
「妄想はさておき、進まないとね」
余り悲観的に考えるのはやめようと、振り払うように物陰に隠れて冬服に着替え始める。
同様に、實生も別の物陰でまずは翼を震わせ、水分を飛ばしながら。
(「氷と雪に覆われたストックホルム――過酷な環境の中で、人々はどのような暮らしをしているのだろう」)
着替えながらも、思いを馳せずにはいられない。
(「かなり困窮していると聞いた。……ロマノフの他の地域で日々を懸命に生きていた人々、列車で出会った豊かに日々を送る人々を思い出すよ」)
上陸直前に海から街並みの様子を窺ってみたが、人々の生活の営みの気配は感じ取れなかった。けれど確かに、そこで生きる人々はいるのだ。その事実を知ってしまっているからこそ、余計に物寂しさを覚える。
ただ、今はまだその思いはぐっと呑み込んで。着替えを終えれば、丁度仲間たちも着替えを終えていて、探索へと繰り出す準備は整った。
さあ、いよいよだ。
「よし、この地の現実を知りに行こう」
改めて街へと視線を向けて、實生は決意を新たにする。
ストックホルムの真実を、この目で確かめるのだと。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【寒冷適応】LV1が発生!
【水中適応】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【イルカ変身】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
伊藤・真九郎
困窮している民がいるのならば、それが異世界だろうと委細構わず救うが侍というもの。我等はその為に禄を食んでおる。
いざ、参ろうか。
防寒のウェットスーツや、海中活動用の潜水器材を準備し身につける。
水中適応や寒冷適応等の有用な効果が借り受けられるなら利用する。
戦闘装備や、支援物資は【アイテムポケット】に入れて運ぶ。
戦地に於いて油断は禁物。敵に発見されぬ様、海上から目視困難な海底を進む。
上陸時は、敵の偵察や監視を警戒。目に付かぬ様上陸し、痕跡を隠しつつ目的地へと向かおう。
ルキウス・ドゥラメンテ
海水浴?
未だ盛夏には随分早いと言うのに、どうしたことだ
どうせ泳ぐならもっと濃く鮮やかな南国の海の方が好ましいが…
…まぁ、仕事なら仕方あるまい
水中適応を使用して海底近くを潜行しよう
如何に敵に見つかる危険性が低かろうとも、敢えてその危険性を残しておくのは性に合わない
潜行中も右手は常に銃把に掛けておく
出番がないことを願いたいがね
上陸時には格別に注意を払って挑もうか
個人的には平穏無事な上陸よりも目敏い誰か居てくれて斬り結ぶ方がよっぽど愉快だが
味方との連携とアドリブ歓迎
レイラ・イグラーナ
以前の北欧の戦いでは、ラスプーチンはこちらの……時先案内人の予知能力を試すような攻撃を行っていました。
この吸血ロマノフ王朝において、ラスプーチンは私たちと最も長い間関わっています。私たちについても最も詳しい者といって差し支えないでしょう……果たして、何をしてくるか。
この寒さです。困窮されている人民の皆様は体力も弱っていることでしょう。次に備えて【活性治癒】の準備をし、【水中適応】【寒冷適応】は他の復讐者のものをお借りして海を泳ぎます。
吸血ロマノフ王朝の海上戦力は再建されていません。ある程度楽にストックホルムまで接近できるでしょう。
……なぜそんな街に人民の皆様を集めているのかは気にかかりますが。
●
「海水浴?」
ルキウス・ドゥラメンテ(荊棘卿・g07728)がそれと解らぬほど僅かに首を傾げたのも、無理からぬことだろう。
(「未だ盛夏には随分早いと言うのに、どうしたことだ」)
そう、寒中水泳である。
ただでさえシーズンはまだ先である上、この永久凍土の極寒の海である。これを泳いで渡れと。
勿論、寒冷適応の効果はしっかりと発動しているし、ルキウス自身、水中適応の準備は怠っていない。が、気が滅入るものは滅入るのである。
「どうせ泳ぐならもっと濃く鮮やかな南国の海の方が好ましいが……まぁ、仕事なら仕方あるまい」
嘆息。
と、同時。ふむ、と思案する様子のレイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)。
(「以前の北欧の戦いでは、ラスプーチンはこちらの……時先案内人の予知能力を試すような攻撃を行っていました」)
思えば、不本意ながらラスプーチンとの付き合いも長いとレイラは思い返す。
(「この吸血ロマノフ王朝において、ラスプーチンは私たちと最も長い間関わっています。私たちについても最も詳しい者といって差し支えないでしょう」)
そのラスプーチンが、裏で糸を引いている可能性が高いとなれば。
「……果たして、何をしてくるか」
心してかからねばならない。レイラはその認識を新たにする。
一方、伊藤・真九郎(人間の戦国武将・g08505)はこれから向かう街の住人たちへと静かに思いを馳せていた。
(「困窮している民がいるのならば、それが異世界だろうと委細構わず救うが侍というもの」)
国が、世界が変わろうが、民は民であり、区別されるべきではない。真九郎はそう考えている。
だから、迷うことなく手を差し伸べるのだ。
(「そう、我等はその為に禄を食んでおる」)
その務めを果たさずして、何が侍か。何が武士か。
こうしている間にも、苦しんでいる人々がいる。ならば一刻も早く、彼らの元へ向かおう。
「いざ、参ろうか」
●
そして、青灰色の海を往く。
「如何に敵に見つかる危険性が低かろうとも、敢えてその危険性を残しておくのは性に合わない」
「うむ、戦地に於いて油断は禁物。敵に発見されぬ様、海上から目視困難な海底を進もう」
ルキウスと真九郎の提案には、レイラも異論なく。
深い水底を、ディアボロスたちは潜行していた。
静寂に負けず黙々と進む真九郎は、防寒用にウェットスーツや、海中活動用の潜水器材をしっかり装備していたが、その他にも戦闘装備や支援物資をアイテムポケットに収納し、入念な準備を整えていた。
人々への支援も、起こるであろう戦闘への備えも、これで万端だ。
その様子にレイラは感心しつつ、自身も活性治癒の発動準備を済ませていた。この寒さは困窮した生活を余儀なくされている人々の身には堪えるだろう。ただでさえ、労働と食糧難で体力が減っているだろうから。
ルキウスはと言うと、周囲を警戒しながら銃把に掛けた手を緩めることはなく。
(「出番がないことを願いたいがね」)
ここは敵地だ。
何が起きるか解らない。周囲に敵の気配がないからこそ、慎重になりすぎるということはない。
ディアボロスたちは警戒を怠ることなく、海中を進んでいく。
どれほどの時間、そうして歩き、或いは泳ぎ続けただろうか。やがて、陸が目視出来るところまで辿り着いた。
まずは真九郎がゆっくりと海上へ顔を出す。敵の偵察や監視の目がないかを注意深く確認してから、残るディアボロスたちを呼ぶ。
なるべく人の目につかないよう、近くに物陰のある地点から上陸。ルキウスも警戒は続けていたが、ここまでは何事もなく辿り着くことが出来た。
(「個人的には平穏無事な上陸よりも目敏い誰か居てくれて斬り結ぶ方がよっぽど愉快だが」)
なんて、不穏な微笑を浮かべつつも。
それは、後に襲撃してくるであろう敵との対峙までの楽しみに取っておくことにして。
上陸の痕跡を隠すべく工作する真九郎を手伝いながら、レイラは再び思案した。
(「吸血ロマノフ王朝の海上戦力は再建されていません。ある程度楽にストックホルムまで接近できると踏んでいましたが、予想通りでしたね」)
しかし、それとはまた別に。
(「……なぜそんな街に人民の皆様を集めているのかは気にかかりますが」)
何らかの思惑が、そこにあることは確かだ。
けれど、そればかりは考えていても解らない。
ならば今は行こう。その謎を、解き明かすためにも。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【水中適応】がLV2になった!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
●
ディアボロスたちは、集落の探索を開始した。
やはり困窮のため、開墾も思うように進んでいない様子が見て取れる。
外に人の気配はなく、辺りは暫し静寂に支配されていたが……やがて、ある家の扉がゆっくりと開いた。
ディアボロスたちがそちらへ注視すると、十代半ばほどの、青年になりかけといった風情の少年と、ばっちり目があった。
少年は一瞬、固まっていたが。突然弾かれたように、脱兎の如く駆け出した。
追うべきか追わざるべきか、ディアボロスたちが考える――間もなく、少年は隣家の扉の前で止まる。そして、ドンドンと力強くその扉を叩き始めた。
「リネーア!! ディアボロスだ!! 遂にディアボロスが来てくれたんだ!!」
「シグムンド、もう少し静かに……えっ!!」
嗜めるような少女の声が聞こえた後、しかしすぐにそれも驚愕の色が強いものへと変わる。そして、バタンと勢いよく音を立て、そこから中性的な少女が姿を現した。年の頃は、シーグムンドと呼ばれた少年と同じだろうか。
そして、二人の上げた声を皮切りにして。
「ディアボロスが来てくれたって!?」
「本当か、シグムンド!!」
わあっと、歓声にも似たざわめきが周囲に巻き起こる。いつの間にか、家々から人々が次々に雪崩れ込むように飛び出してきていた。
そして、あっと言う間に囲まれる。彼らの表情は一様に、絶望の中に希望の光が灯ったような、期待に満ちたものだった。
「ああ、来てくださってありがとうございます、ディアボロス様!」
「援助に来てくださったのですよね、助かります……! 一先ず、当面の食料と燃料があれば、私共の暮らしも立ちゆきます!」
「おい、畑もだろ! ディアボロス様、開墾の手伝いもお願いしたいのですが……!」
……これは一体、どういうことだろうか。
ディアボロスたちは、胸の内に何かが支えるような違和感を覚えながらも、住人たちに向き直るのだった。
秋風・稲穂
革命軍と思われている私たちに、革命軍らしい行いをさようとしている…?
手駒を捨ててでも、正当性を補強しようとしてるの…か?
アイテムポケットで持ち込んだ毛布や、薪等の燃料類を皆に配ろう
それと穀物や豆とか保存食とかも一緒に渡そうか
火を焚いて暖かくして、皆を集めて配ろう
大変だよねこの辺りは
あんまり住むのにも向かないし、不便をかけてごめんね
住民の皆を労わりながら、談笑しつつそれとなく探っていこうか
皆は元々何処に住んでたの?
その…この辺りに来たのはやっぱり革命軍の勧めかな?
例えば此処をどんな風に開墾して欲しいとか、そういうのはある?
ほら、他の集落と道を繋げるとかそういう予定とか聞いてたら教えて欲しいなって
伊藤・真九郎
「如何にも、我等は民を救うディアボロス。我等が来たからには、最早安心するがいい。」
一瞬戸惑うが、反射的に堂々とした態度で応えよう。希望を取り戻した民を不安にさせてはならん。
まずは何より腹を満たす事。食料を【口福の伝道者】で増やす。
体を温める物が良かろう。「料理」技能を用い鍋で肉や野菜を煮込む。
味噌が持ち込めれば豚汁など作ってみるが、排斥されるか?無理ならシチューとやらを作ってみるか。
保存食も合わせて増やし当面の食料として置いていこう。
我等が民を助けたという結果は残るが、記憶は消え去っていた筈。
ディアボロスの名を騙り功績を奪い、何ぞ企むか?
人々に状況を訪ね、ディアボロスを知った経緯を調べよう。
リディル・ヴェント
よくアタシ達がディアボロスだって分かったわね!
やっぱりさすがのリディルちゃんの知名度って事よね!サインいる?←いらん
こんなにお願いされてるんだからガッカリされる訳にもいかないわね!
まっかせなさい!
畑をどうにかすればいいのね!
【土壌改良】を使って畑を耕すわ!
新宿島から野菜の種でも持ってきておくのがいいかしら。にんじんとか。
そういえばここにいる人達って何か共通点とかあるのかしら?
まだ発展途上の場所に集められたって事はその道のプロとか集められてきそうだけど。
あと、いきなり知らない場所に来ると心細いでしょ?元々みんなは知り合いなのかしら?
(老若男女・出身地とか関係なくランダムに人を集めてるのかしら?)
三苫・麻緒
流石にこの熱烈歓迎は想定してなかったなぁ
敵対感情をぶつけられるよりマシだけど、なんだか素直に喜べないのがなー
リクエストにお応えして開墾作業に向かうよ!
道具は現地で借りるとして、新宿島から持ち込んだ種を植えて【植物活性】で育てるよ
種は現地で馴染みがあるものがいいよね
排斥力が弱まって…とは考えにくいし、誰かが私たちの行動を利用しているんだろうね
ここまで歓迎されるとは思っていなくて、と驚きを滲ませる≪演技≫をしつつ、作業の合間に私たちのことをどんな風に聞いていたか尋ねてみるよ
あとは私たちを恨んでいないかも聞いてみたいね
今生活が苦しいのは誰のせいで、それを誰が解決してくれそうか、確認しておきたいかな
レイラ・イグラーナ
これは一体……?
いえ、まずは皆様のご支援からですね。
【活性治癒】に【寒冷適応】を使用し、寒さに凍え、弱った皆様が私たちの周囲でだけでも楽に過ごせるようにいたします。
体力が落ちている方がいらっしゃればそちらは連れてきて頂くか、こちらから赴きましょう。
【アイテムポケット】で持ち込んだ温かいスープなどの食事の提供と、必要ならば新宿島から持ち込んだ医薬品で治療を行います。私たちがいなくなれば消えるものですが、急場を凌げるならば。
食事の準備や治療中に、人民の皆様をこの地に連れてきた者たち……推定革命軍について、どんな者たちで、どんなことを喋っていたのかお聞きします。
一角・實生
今まで受けたことのない歓迎に少し驚くけれど
彼らの支援のためここに来たのは事実
頷いて一歩踏み出すよ
うん、あなた方のちからになりたくて来たんだ
【アイテムポケット】で寒さを凌げる毛布と衣類を取り出して配っていくよ
先ずは病気だったり体調の優れない人達に
【活性治癒】を使いながら直接手渡して行こう、可能ならその者の家まで出向いて
……話を聞きたいからね
動けないと家の中も汚れていくだろうから【クリーニング】を使っていこう
俺達がここに来ることは誰かから聞いていたのかい?
いや、皆の歓迎に少し驚いただけ
最初は訝しがられると思っていたしさ
毛布等を配り終えたら手が足りないところへ応援に行きつつ
仲間と情報を共有していこう
●
思わぬ歓迎に、ディアボロスたちは程度の差はあれ皆、戸惑いを禁じ得なかった。
それは勿論、伊藤・真九郎(人間の戦国武将・g08505)も例外ではなかった。しかし彼は殆ど反射的に姿勢を正し、堂々とした態度で住人たちへと向き直る。
「如何にも、我等は民を救うディアボロス。我等が来たからには、最早安心するがいい」
「おお
……!!」
住人たちの目の輝きが、一層強まった気がした。
色々と不可解な点は残る。だが、彼らが困窮する無辜の民であるという事実は変わらない。
(「希望を取り戻した民を不安にさせてはならん」)
偏に、その一心だった。
「うん、あなた方のちからになりたくてここに来たんだ」
それを皮切りにして、一角・實生(深い潭・g00995)も一歩踏み出す。纏う空気も語る声音も穏やかに、ゆっくりと。
今までになかった歓迎に驚いたのも事実だが、住人たちの支援のためここに来たのもまた事実。
ならば、特別何か対応を変える必要はない、と思い直して。
するとより安心したのか、住人たちも少し落ち着き興奮も鎮まりつつあるようで、ぽつぽつと理性的に話し出してくれた。
「いや、本当にディアボロスの皆さんには感謝してもし切れません。ここだけでなく、北欧の多くの国で手助けをしてくださっていると、聞き及んでいます」
「皆さんが来てくれなければ、ここもどうなっていたか……ああ勿論、出来るだけ皆さんの手を煩わせないよう、出来ることは手伝いますので……」
歓迎されている……のは事実だが、機嫌を窺われているようにも見える。尤も、そこに悪意や敵意は感じ取れず、あくまで万一ディアボロスたちに悪印象を抱いて欲しくないという感情が見えるような気がした。
「ですので、何でも仰ってください」
まあ、疑われたり、警戒されたりするよりはずっといい。
だが……やはり、不可解だ。
(「これは一体
……?」)
レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)も内心で首を傾げる。
彼女が、そして恐らく仲間たちも同様に抱いたであろうその違和感の正体は、恐らく。
(「いえ、まずは皆様のご支援からですね」)
話を聞くのは、それからでもいい。
差し当たって彼らに必要なのは、求められた通りの食料、燃料、畑の開墾。後は……体力などの低下で弱っている人々への処置も。
折角、発動済みの寒冷適応、活性治癒があるのだ。利用しない手はない。レイラは早速、住人たちへと呼びかけた。
「動くことが困難な方以外は、なるべく私たちの周囲に集まってください。幾分か楽に過ごせる筈です」
「毛布と衣類も、順番に配っていくよ。今後も少しでも寒さを凌げるように」
宣言通りの温かく清潔な毛布と衣服は、實生のアイテムポケットから。怪我や病気、体調の優れない者へと配り終えたら、残りの住人たちへも手渡してゆく。
「動けないほど、体力の落ちている方はいらっしゃいますか? こちらから赴きます」
「俺も行こう。それほど辛い状況なら尚更温かくした方がいいし……話も聞きたいからね」
「あ……だったら」
声を上げたのは、最初に出会ったシグムンドと呼ばれた少年だった。
「妹のノーラが」
レイラと實生は、シグムンドについて彼の家へ。
その間、食料と燃料の準備も並行して行われていた。
(「まずは何より腹を満たす事。腹が減っては戦は出来ぬと言うが、開墾や農作も同じ事……」)
真九郎は、鍋に火をかけ豚汁を作っている。肉や野菜を煮込んで、栄養面にもしっかりと気を配った。
念の為にシチューの作り方も調べて準備していたので、話を聞きながらそちらを追加してもいいだろう。
「穀物に保存食も渡していくね。ちょっと手間をかけるけど、燃料は取りに来て貰ってもいいかな?」
料理が出来るまでの間、秋風・稲穂(剣鬼・g05426)が物資を配っていた。
食料を配って回る傍ら、薪等の燃料類は一所に集めて、自主的に取りに来て貰う形とする。集落内での結束が強そうなので大丈夫そうではあるが、念の為に取り合いが発生しないようにだけは気を配っておく。
更に鍋の火とは別に、引火しないよう燃料類からは距離を置いた位置で焚火を。寒冷適応の効果もあり、これでだいぶ過ごしやすい筈だ。
「済まぬ、こちらも頼めるか」
「了解。任せて」
完成し、口福の伝道者で増やされた味噌汁も、稲穂の手により住人たちに配られる。
彼らは一様に、温かい食事に表情を綻ばせ、涙する者まで出てきた。元々、ディアボロスたちに対して協力的な姿勢を見せているが、これでより話が聞きやすくなっただろう。
真九郎と稲穂は頃合いを見計らって、話を切り出すことにした。
(「我等が民を助けたという結果は残るが、記憶は消え去っていた筈」)
そう。
真九郎が思案する通り、本来ディアボロスたちの記憶は排斥力により、帰還後にはその存在を忘れ去られてしまう筈なのだ。
だと言うのにここの住人は、確かに名乗る前からディアボロスたちを『ディアボロスの皆さん』と呼び、人々のために行っている活動を知っているかのように、その訪れを喜んだ。これは明らかにおかしい。
「人々に状況を訪ね、ディアボロスを知った経緯を調べる必要があるな」
「うん。……談笑しつつそれとなく探っていこうか。住民の皆を労わりながら、ね」
あくまで、自然な流れで会話をし、その中で情報を聞き出せればベストだ。
「大変だよねこの辺りは。あんまり住むのにも向かないし、不便をかけてごめんね」
「いえ、そんな……確かに正直なところ、住みやすいとは言えませんが……それでも元の場所よりずっとマシです。皆さんディアボロス隊も来てくれましたし」
「……ん?」
ディアボロス『隊』?
「……つかぬことを聞くけれど。その……この辺りに来たのはやっぱり革命軍の勧めかな?」
まさか、と。
稲穂はひとつの予感を覚えつつも、尋ねる。すると、住人たちは思いの外、きょとんとした顔を見せて。
「それは……皆さんの方がよくご存知の筈では?」
「勿論、仰る通りですよ」
ディアボロスたちも当然周知の事実、という体で話をされている。これは……。
「皆さんは、貴族に虐げられた市民を守る革命軍の最新鋭部隊『ディアボロス隊』の皆さんですよね?」
「シベリアの少数民族や農奴を解放し、北欧の地に恵みをもたらす皆さんの偉業は、革命軍の皆さんから良く聞かされています。本当にありがたいことです」
うんうん、と頷く住人たち。一先ずは彼らに抱かれた疑問から意識は逸れたようだが、最早決定的だった。
住人たちはどうやら、ディアボロスは革命軍の一部であると信じている。ディアボロスの立てた功績は全て革命軍にある、とも信じ込まされているのだろう。
つまりこの件に関して、革命軍が虚偽の広報をしていることになる。
(「ディアボロスの名を騙り功績を奪い、何ぞ企むか?」)
(「狙いは……? 革命軍と思われている私たちに、実際に革命軍として行動しているという信憑性を持たせようとしている……? 手駒を捨ててでも、正当性を補強しようとしてるの……か?」)
稲穂は真九郎と顔を見合わせつつ、もう少しだけ踏み込んでみることにした。
「……そうだ、此処をどんな風に開墾して欲しいとか、そういうのはある? ほら、他の集落と道を繋げるとかそういう予定とか聞いてたら教えて欲しいなって」
すると、やはり住人たちは首を傾げるばかりで。
「皆さんがここに来たのは、革命軍からの指示なんですよね? 集落の場所については、革命軍の方にに尋ねれば全て教えて貰えると思いますけど……」
「………………」
思った以上に、ディアボロスたちが革命軍の一部であるという認識が強い。
探りを入れるのは、今はここまでにしておいた方がいいかも知れない。革命軍に対しての話はここで打ち止めとなった。
●
「しかしまさか、 本当にディアボロス隊が存在したとは。 噂は本当だったんだな」
「よくアタシ達がディアボロスだって分かったわね! やっぱりさすがのリディルちゃんの知名度って事よね! ……あ、サインいる?」
なんてやり取りを交わしつつ、リディル・ヴェント(ゲットレディ・g00550)は土壌改良により畑の環境を整えていた。
「こんな若いお嬢さん方までいらっしゃるとは。是非将来はうちの嫁に……と言いたいところですが、軟弱な倅では釣り合いが取れませんかな」
「あはは……」
同じく開墾の手伝いに回っていた三苫・麻緒(ミント☆ソウル・g01206)も、その申し出には流石に苦笑い。
(「さっきのこともそうだし、流石にこの熱烈歓迎は想定してなかったなぁ。敵対感情をぶつけられるよりマシだけど……」)
リディルに麻緒も、ディアボロス……否、ディアボロス『隊』についての評価は、畑へと向かう道すがらに聞いていた。
(「なんだか素直に喜べないのがなー」)
これもまた、敵の思惑通りですらあると思うと何ともやるせない。
勿論、住人が困っているのは事実であり、彼らの生活が少しでも楽になればという気持ちそのものに、変わりはないのだが。それにしても、である。
(「排斥力が弱まって……とは考えにくいし、誰かが私たちの行動を利用しているんだろうとは思ってたけど……革命軍そのもの、かぁ」)
更に言うなら、ディアボロスを利用することで拠点の一般人の生活を安定させる、一石二鳥の策でもあるのだろう。
「ディアボロス様?」
「えっ? ああ、ごめんなさい。まさかここまで歓迎されるとは思っていなくて」
不意に声をかけられ、麻緒は一瞬驚いたが、驚きが滲み出ている、といった表情を浮かべて見せれば声をかけた住人は、なんだそんなことか、と言わんばかりに笑った。
「そりゃあ、皆さんは我々の希望ですから。このくらいは当然のことですよ」
事実を歪めて伝えられ、そこには必ず何者かの意図がある。とは言え、認識のズレこそあれど住人たちがディアボロスたちを頼りにしてくれているのも確かだ。
「こんなにお願いされてるんだからガッカリされる訳にもいかないわね! まっかせなさい!」
「うん、リクエストにお応えして頑張るよ!」
何はともあれ、畑の開墾だ。
「この畑をどうにかすればいいのね! 後は野菜の種も幾つか準備してきたけど。にんじんとかね」
「種は現地で馴染みがあるものがいいよね。あ、この道具借りても……?」
やはり寒さが厳しいため、地下で育つ根菜がメインになるだろう。
となれば、リディルが挙げた人参や、他には芋類、玉葱、蕪類などであれば育つだろうか。
住人たちから道具を借り受けて、皆で協力して畑を耕し、種を蒔いていく。
麻緒が持ち込んだ植物活性の効果も発動済みだ。ディアボロスたちが留まる間は成長が早まるので、今後の世話や収穫の助けになるだろう。
「そういえばここにいる人達って何か共通点とかあるのかしら? まだ発展途上の場所に集められたって事はその道のプロとか集められてきそうだけど」
種蒔きの合間、リディルは浮かんだ疑問を住人たちに投げかけてみる。
「はは、そんな大層なものではありませんよ。私たちは集落単位でここに来ているので……まあ言ってしまえば移住ですね。僻地の集落で、餓死や凍死と隣り合わせでした」
「そうだったの? と言うことは、元々みんなは知り合いなのかしら? いきなり知らない場所に来ると心細いでしょうけど、それなら少し安心ね!」
「ええ、本当に」
「……その、私たち……や、革命軍を恨んだりとかはしていない? 辛いのに、ここに移住して開墾することになって」
麻緒も、気になっていたことを住人たちへ問えば、彼らはきょとんと目を丸くしてから、慌てたようにまくし立てた。
「まさか! 皆さんや革命軍には感謝こそすれ、恨むだなんて! 元の場所の方が余程厳しかったですし、こうして革命軍との当初の約束通り、あなた方と言う精鋭部隊の皆さんも支援に来てくださいましたし。これで文句を言ったら罰が当たってしまいます」
嘘を言っているようには、感じない。
革命軍と一纏めにされている件については、腑に落ちない気持ちを拭うことは出来ないが。
それでも、ディアボロスに対して悪い感情は抱かれていないらしいとしれて、麻緒は少し安堵した。
●
シグムンドとその妹ノーラの家の状態も、お世辞にも良好とは言い難かった。
動けるシグムンドが色々と手を尽くしてはいるようだが、やはり妹の世話をしながら、かつ集落の現状では常に清潔に保つことすら無理がある。
實生がクリーニングを発動させると、室内は見る見る内に清潔になり、兄妹は目を丸くしていた。効果の範囲はこの家だけに留まらず、他の住人の家も同様に洗浄殺菌が行われたことだろう。
その間にもレイラが、新宿島から持ち込んだ医薬品でノーラへと治療を行う。
(「私たちがいなくなれば消えるものですが、この急場を凌げるならば」)
ノーラは病に冒されているらしかった。完治させるのは不可能だろうが、せめて可能な範囲で応急処置をと申し出れば、シグムンドに深く感謝された。
そこへリネーアと呼ばれた少女が、人数分の食事を持ってやって来た。真九郎と稲穂が配っていたものだろう。
少年少女たちが食事に口をつけるのを見守りながら、實生が話を切り出す。
「俺達がここに来ることは誰かから聞いていたのかい?」
「そりゃあ、革命軍との約束でしたから。来てくれるって信じてましたよ」
やはり、シグムンドの口から出てきたのもレイラの予想通り。
(「革命軍……」)
それとなく刺激しないよう問い質せば、住人たちが話したのと同じような説明を、ディアボロスたちは当然知っているであろうという体ではあったが、してくれた。
「そうでしたか。既に話が通っていたなら何よりです」
「いや、皆の歓迎に少し驚いただけ。最初は訝しがられると思っていたしさ」
機転を利かせたレイラの一言に、實生もその流れに乗る形で続けた。
「しかし、実は革命軍とディアボロス隊は別の勢力である、というような話は……」
「ああ、いいです。皆まで言わないでください。ちゃんと解ってますから」
何やら訳知り顔のシグムンドだが、逆に何を言っているのか解らない。
するとリネーアが苦笑し、彼の言葉を引き継いだ。
「いえ。ディアボロス隊の皆さんは、スパイの炙り出しのためにわざと革命軍が悪であるという話を流して、それに迎合する裏切者を探しているんですよね」
「え」
「けど、安心してください。 ここの皆は知り合いばっかりですから。 ロマノフ王朝の間諜は紛れ込んでいません。俺が保証します」
自信満々に言い切るシグムンドだが、当然ながらこちらの懸念はそこではない。
「革命軍はこちらの行動を予想して、対策しているということか……」
「恐らくはラスプーチンの仕業でしょう。私たちの動きに注目し、利用しようと考えているのかも知れません」
囁く程度の小声で推測を交わし、實生とレイラは理解する。
やはり、裏で手を引いているのはラスプーチンに他ならないのだと。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】がLV2になった!
【口福の伝道者】LV1が発生!
【土壌改良】LV1が発生!
【植物活性】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
【能力値アップ】LV3が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【ドレイン】がLV2になった!
●
「! 王国軍だ!!」
住人の誰かが、そう声を張り上げるのが聞こえた。
そして確かに、集落の外にはロマノフ王朝正規軍の出で立ちをした、吸血鬼の軍勢の姿があった。
「王国軍が攻めてきた!」
「で、ディアボロス様……!」
ある者は室内に逃げ込もうとし、ある者は縋るような視線をディアボロスたちへと向け。
俄に、混乱が巻き起こる。
「強者に阿るか、弱く愚かな民衆共め。こんな愚民共を守る価値など、本当にあると言うのか?」
配下を率いる貴族然とした男が、ディアボロスたちへと問いかけるように吐き捨てる。挑発……ではなく、本心からそう口にしているようだ。
だが、いずれにせよ。吸血鬼は、クロノヴェーダは、倒さなければならない。
胸の内に去来する思いは、今は呑み込んで。人々の生活を脅かす吸血鬼の軍勢を、打ち破るのだ!
リディル・ヴェント
ラスプーチンの狙いはさっぱり分からないけど、クロノヴェーダを倒せばいいのよね!せっかくみんなで畑を作ったんだから好き勝手させないわよー!
敵がまだ村に入っていないなら【防衛ライン】で村に入らせない様にするわ。
入っていたらこれ以上奥に入らせない様に防衛ラインを使うわ。村の皆はラインの奥で避難してちょうだい。
今の所1分あれば飛び越えられるっぽいけど、1分もラインを越えることに夢中になっていたら良いマトになるわよね。だからラインを越えようとはしないでしょ!
ゴーゴー!コウモリディルちゃん達!挑発したり素敵な歌声(※怪音波)で敵をこっちに引きつけるわよー!コウモリディルちゃん達からは逃げられないわよー!
三苫・麻緒
ディアボロス隊はスパイの炙り出しもする革命軍の部隊だと思われてて、今来たのは王国軍で…ってあぁもう面倒くさいなぁ!
利用されるのは癪だけど考えるのは後回し
あの物言い的に遠慮はいらないよね!?
ひとまずその場にいる村人には【避難勧告】で避難してもらうよ
吸血鬼たちが来るのとは反対側に逃げるよう軽く声がけもしておくね
交戦するときは攻撃とその余波が家屋や畑に向かわないよう注意
確実に数を減らせるよう、弱った個体から≪高速詠唱≫で素早く狙っていくよ
ついでに炎に≪殺気≫を乗せて、牽制に使ったり意識を引き付けて隙を作り出したりできたらいいな
反撃の魔力の塊は加護で防御するかナイフで受け流すかで対応したいね
●
(「ディアボロス隊はスパイの炙り出しもする革命軍の部隊だと思われてて、今来たのは王国軍で……」)
攻め寄せてきた敵を前にして、改めて共有した情報を整理しようとする三苫・麻緒(ミント☆ソウル・g01206)であったが。
「……ってあぁもう面倒くさいなぁ!」
ややこしい。
そもそも、ディアボロスの扱いが厄介なことになっているのだ。住人たちはすっかり騙されているし、ここで王国軍と思しき敵と争うのも恐らく敵の思惑通りであろうし。
だが、今は目の前の敵だ。割り切れないことも多いが、切り替えていかなければ。
「利用されるのは癪だけど考えるのは後回し。あの物言い的に遠慮はいらないよね!?」
「そうね! ラスプーチンの狙いはさっぱり分からないけど、クロノヴェーダを倒せばいいのよね!」
リディル・ヴェント(ゲットレディ・g00550)も気合充分だ。
裏で糸を引いているのであろう、ラスプーチン。だが奴は今ここにおらず、いるのはディアボロスたちにも集落の住人たちにも敵意を向ける吸血鬼。
ならば自分は何をすべきか、リディルにとっては明白だった。
「せっかくみんなで畑を作ったんだから好き勝手させないわよー!」
守るのだ。
住人たちと、その生活を!
「皆、ここは私たちに任せて避難して! 吸血鬼たちは食い止めるから、なるべく逆の方に!」
「は、はい!」
麻緒の言葉と、避難勧告のサイレンの音と色が、集落の混乱を抑える。住人たちは支持された通り、集落の奥側の家屋に避難を始めた。
「おっと、ここから先は行かせないわよー!」
味方が予め発動しておいてくれた防衛ラインを、リディルは敵が侵入してくる前に、集落の出入り口と定める。幸いにして、簡素ではあるが村の周囲は防柵で囲われていたから、出入り口を通路と定めて効果を発揮することが出来そうだ。
(「今の所1分あれば飛び越えられるっぽいけど、1分もラインを越えることに夢中になっていたら良いマトになるわよね。だからラインを越えようとはしないでしょ! 迂回されたとしても、迎撃すればいいしね!」)
念には念を。少しでも住人たちが、被害を受ける可能性を減らすために。
準備は万端。後は、全員打ち倒すのみ!
「あなたたちにあげるのは、恐れか……破滅だけなんだから!」
今はまだラスプーチンに届かぬ憤りを、麻緒は炎へと乗せ敵へとぶつける。たとえ一瞬でも逃さぬよう、詠唱を急いで。
殺気混じりの炎を揺らめかせ、僅かでも隙を見せた相手から赤い爆炎に呑み込んでゆくのだ。
(「家屋や畑に被害が行かないようにも注意しないとね」)
周囲の様子にも気を配っていると、まるで凝り固まった鮮血を思わせる、深紅の魔力の礫が迫り来る。
咄嗟に麻緒が翳したのは、爽やかな薄荷色に煌めく魔力の加護による障壁だ。受け止めた衝撃はあったが、礫は割れるように弾け飛んだ。
まさに、その時。
敵の剣を武器で受け止め、時に鍔迫り合いながらも弾き返したリディルが声を上げる!
「今度はこっちの番ね! ゴーゴー! コウモリディルちゃん達! 素敵な歌声とお喋りを聞かせてあげて!」
リディルの合図で、放たれたオーラがどこか彼女に似た雰囲気の蝙蝠の姿へと変わる。この通称『コウモリディルちゃん達』は、挑発混じりの合唱、と言う名の怪音波を放ちながら、敵の生命力を奪うのだ。
「ぐ……っ!?」
これには吸血鬼らの表情も苦悶に歪む。
「コウモリディルちゃん達からは逃げられないわよー!」
敵の思惑がどうであれ。
住人たちに危害を加えようと言うのなら、ディアボロスたちはそれを阻止して見せる!
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【コウモリ変身】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV3になった!
【アクティベイト】LV1が発生!
伊藤・真九郎
この状況、お互いがラスプーチンの手駒の様なもの。全ては奴の盤上か。
ならばどう打つか…。いや、今はまだ策を打つ段階ではない。まずは民を守るべし。
「人外が人の有り様を説くとは笑止千万!強者が民を守るは言を俟たぬ事よ!」
太刀を抜き放ち対峙。
「皆の者、下がるが良い!ここは我等に任せよ!」
村人に避難を呼び掛け敵群に突入。
練り上げた『気』を刃に込める。
万物に宿る『気』の流れを察し、敵の動きを読み攻撃を回避。躱せぬ攻撃は『気』を宿した太刀で切り払う。
仲間と連携し、間合いの外へと届く斬撃にてなぎ払ってゆこう。
策士による謀略の合戦。ならば兵には止め刺さず降伏促すが武士道なれど。
我等は既に不倶戴天。悪く思うな。
レイラ・イグラーナ
да.
弱いことは罪でも悪でもございません。
そのような方が生きられぬ社会と国こそが悪です。
全ての人民が幸福に生きられるよう戦い、お守りすることこそが私たちの役目です。
【防衛ライン】を使用し、ストックホルムに暮らす方々を守るように戦います。ですが「王国軍」にどれほど彼らを害するつもりがあるのか……
【手製奉仕・爪】を使用、両手に銀の針を携え、鉤爪のように振るいます。
超速の剣技を銀の針で受け止め、振るう針で逆に切り裂きましょう。
この程度の戦力で落とせると思われるのは心外ですね。
……あるいは、捨て駒になりに来ましたか?
一角・實生
シグムンドさんとリネーアさんが話していたことも気になるけれど
先ずは人々を守らないと
縋る視線にしっかりと頷いて返すよ
人々の混乱は一秒でも早く鎮めたい
大丈夫、落ち着いて
身を潜められそうな場所へ急いで
大きな声で人々にそう言い、庇うように敵との間に立とう
彼らは愚民ではない
過酷な環境で生き抜き、他者を思いやるこころを忘れない強い人達だ
グラナトゥムを構えパラドクスを発動
数を減らすための先手を取っていくよ
超速の剣技は刻み付けられる瞬間を看破、エアライドで回避しよう
正規軍が次々に倒れるさまは人々にどう映るのだろう――敵である奴らにも
仲間を援護する銃撃の手は緩めずに
釈然としない気持ちを胸の内に押し込もう
●
「ディアボロス様!」
縋るような視線に、一角・實生(深い潭・g00995)はその目をしっかりと見て頷く。
「大丈夫、落ち着いて」
自分たちは、味方だ。必ず守る。
言葉だけでなく、態度でもそれが伝わるように。
「人外が人の有り様を説くとは笑止千万! 強者が民を守るは言を俟たぬ事よ!」
伊藤・真九郎(人間の戦国武将・g08505)は勇ましく声を上げると太刀を抜き放ち、住人たちの前に立ちはだかるように敵へと対峙する。
「皆の者、下がるが良い! ここは我等に任せよ!」
「はっ、はい!」
混乱していた住人たちが、その言葉に弾かれるように避難を始める。
「身を潜められそうな場所へ、急いで!」
實生もまた、住人たちを庇うように敵との間に立ち声を上げれば、味方の発動させた避難勧告の効果もあり、恙無く集落奥側の室内や物陰に隠れていった。
「……ははっ、おいリネーア! やっぱりディアボロス隊は……革命軍は、俺たちを守ってくれる! 王国軍に苦しめられることもなくなるんだ!」
「解ったから! 危ないから!」
最後に興奮した様子でそう声を上げたシグムンドを、リネーアが引っ張っていくのを見届けてから。
「いざ、参る!」
ディアボロスたちは、敵群へと攻撃を仕掛ける!
●
「彼らは愚民ではない。過酷な環境で生き抜き、他者を思いやるこころを忘れない強い人達だ」
「да. 弱いことは罪でも悪でもございません。そのような方が生きられぬ社会と国こそが、悪です」
グラナトゥムを構える實生にレイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)も頷き、その両手に銀の針を携える。
「全ての人民が幸福に生きられるよう戦い、お守りすることこそが私たちの役目です」
相手が何者であろうと、自分たちがどう思われていようとも、それだけは変わらない!
輝きが鋭利さを物語る、銀の針。鉤爪のように振るえば針が敵の身体を『斬り裂き』、超常の痛みで虚を突いた。
(「シグムンドさんとリネーアさんが話していたことも気になるけれど、先ずは人々を守らないと」)
ディアボロスは革命軍の一部隊。
革命軍への悪評は、不穏分子を炙り出すため。
それらの噂を流した存在。革命軍の背後にいるその存在。
だが、今はそれらを振り切って。
實生はレイラの動きに合わせて引き金を引いた。銃声、四発。連携により二体が倒れ、残る二体も満身創痍となる。
直後、反撃の剣戟が二人を襲う。
その剣筋を見極めて。超速であってもディアボロスなら、目にも留まらぬほどではない。
實生は刻みつける一閃だけに集中して、それを往なす程度に弾くと宙を蹴り、空へと逃れ。レイラは刃を銀の針で受け止めると、返す刃のようにして針を薙いだ。
その間、レイラはちらと集落出入り口で発動している防衛ラインの様子を確認して。
ディアボロスたちの奮戦により、このラインを越える敵が出ていないのは事実だ。だが、そもそも。
(「これも敵の思惑の内と言うのなら、『王国軍』にどれほど彼らを害するつもりがあるのか……」)
少なくとも、防衛ラインを迂回してまで住人たちへの攻撃を優先しようとする様子は見受けられない。
これが何を意味するのか、レイラは思案せずにはいられなかった。
一方、味方の奮戦の傍ら、真九郎は練り上げた己の気を刃に込めながら。
(「この状況、お互いがラスプーチンの手駒の様なもの。全ては奴の盤上か。ならばどう打つか……」)
これが敵の一手なら、どう返すべきか。そして互いの次の一手は? 真九郎もまた、先を見据え思案していたが、やがて頭を振って。
(「いや、今はまだ策を打つ段階ではない。まずは民を守るべし」)
集中せねば。目の前の戦いに、そして万物に宿る『気』の流れに。
(「流れを察すれば、敵の動きも読み取るも容易き事。……そこか!」)
魔力が凝り固まり、迫り来るのが解る。その動きを読み切り、時に一刀の元両断し、全てを無力化してゆく。
「くっ……」
押している。着実に、敵を追い詰めている。
(「王朝の正規軍が、次々に倒れるさまは人々にどう映るのだろう。――敵である奴らにも」)
釈然としない思いは、實生の中にもあった。
だが、今は胸の内に押し込むしかないのだと、知っている。だから、最後まで己の役目を忘れずに、銃握る手も緩めずに。
「策士による謀略の合戦。ならば兵には止め刺さず降伏促すが武士道なれど……」
薙ぎ払う果てに真九郎の太刀は、遂に最後の一体へと向けられた。
「我等は既に不倶戴天。悪く思うな」
そして、一閃。
静寂。
●
「……阿られるだけのことはあるようだな」
打ち破った男の声は、フェルゼン伯爵の。
冷たい氷の瞳は冴えて、ディアボロスたちを克明に、その奥へと映し捉えている。
「寧ろ、この程度の戦力で落とせると思われるのは心外ですね」
レイラが向き直れば、仲間たちもそれに倣って。
負けじと鋭く、討つべき敵を視線で射抜く。
「……あるいは、捨て駒になりに来ましたか?」
その問いかけに、絶望の貴公子は答えることなく。
代わりに抜き放たれた剣が、決戦の始まりを示す!
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】がLV2になった!
【一刀両断】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【命中アップ】がLV3になった!
ハルトヴィヒ・レーヴェンブルク
(サポート)
奴らを殺ればいいのか?
――分かった。一匹残らず、叩き潰してやる。
逃げられると思うな!
*
傷つくことは厭わず、一体でも多くの敵を倒すべく行動
色んな意味で不器用なので搦手の作戦遂行は不得手
合理的かつ明確な指示がある場合は割と素直に従う
*
機械化ドイツ帝国のサイボーグ化実験によって最愛の兄を奪われ、復讐に燃える少年
帝国が倒れた今も、クロノヴェーダを根絶やしにするため戦い続ける
利用された人々や改造されたトループス級には憐憫を寄せることも
寝ても覚めても怒りが消えないため、基本的に笑わず、冗談が通じない
パンツァーハウンドとはドライな関係(のつもりだが時々無意識にモフってる)
迷惑行為、公序良俗に反する行為はNG
●
「奴で最後か」
ハルトヴィヒ・レーヴェンブルク(殲滅のカノーネ・g03211)のアームキャノン、その砲口はただ一人、フェルゼン伯爵へと向けられている。
必ず、倒す。その意思の表れとして。
「不満げな顔だな」
「………………」
ハルトヴィヒの表情は、特段動いていない。
だが、フェルゼン伯爵は、何かを感じ取ったようだった。
「ジレンマを抱えながら、戦場に立つか。ならば余りにも弱く……傲慢だ、貴様は」
憎き仇の教え。
それに頼り戦うことへの葛藤と憤懣を、貴公子は詰る。
憤怒は、消えない。だが、怒りを孕みながらも振るうこの力が、仲間たちの助けとなるのなら!
「俺は、ただ」
迷いはない。
一発を、撃ち込む!
「っ、」
当たらない。
だが、隙を産むには充分だった。
敵が体勢を整える前に、ハルトヴィヒはすかさず死角へと己の身体を滑らせ、すらり抜き放つ鈍色で。
「――斬るだけだ」
その眼前に、銀の直線を描く!
「く……っ」
ハルトヴィヒの顔へとはたり、確かに赤が鉄錆の臭い伴い触れる。
だがその冷たく燃えるユークレースの光は、変わらず鋭く、根絶やしにすべき侵略者の一体を、捉えたまま。
戦いはまだ、始まったばかりだ。
成功🔵🔵🔴
効果1【悲劇感知】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
伊藤・真九郎
アドリブ、連携歓迎致す。
「残るは其処許唯一人」
太刀を正眼に構え、気息整え心身に「気」を滾らせ対峙する。
「諦めろ、とは言わん。一軍の将らしく、その首落とされる瞬間まで見事抗って見せよ」
【四条一天流】にて『気』の流れを読み、敵の隙を「看破」し、間合いを詰めて斬撃を放つ。
万物を「両断」せしめる『気』の刃、その身で受けてみよ。
反撃の流れを見切り、太刀受けにて防御。
込められた恨みの念は、「精神集中」し心身に『気』を漲らせ、鏡で反射する様に弾き返す。我等ディアボロスに怨嗟や絶望で立ち向かうなど百年早い。
兵法者の賢しき事、ただ進み押し潰すべきなり。
ラスプーチンの策の内だろうと、我等は為すべきを為すのみよ。
リディル・ヴェント
あともう少しね!
アナタも剣を使うのね。
じゃ、アタシもネメシス形態のドラゴニアン剣士姿で戦うわよー!
この剣(アタックチャンス)で、斬り付けるわよ!
って剣VS剣に見せかけて、たまに斧とか刺突剣とかも織り交ぜて攻撃よ!
アタシのホーリーダンスは何で攻撃してもOKなのよ!
【エアライド】でジャンプを混ぜつつ戦う事で、雪に足をとられにくいかしら。
ラスプーチンの策に嵌められているのかもしれないけど、負けるとか逃げるとかムリムリムリ!
リディルちゃんは『勝つ』以外の選択肢は無いのよ!残念だったわね!
アナタの方が絶望しているんじゃない?
●
「よし、あともう少しね!」
血の記述者らを撃破し、勢いづいたリディル・ヴェント(ゲットレディ・g00550)は今やその姿を竜に近く、緑の角と翼を纏ってフェルゼン伯爵へと向き直る。
「うむ、残るは其処許唯一人」
伊藤・真九郎(人間の戦国武将・g08505)の構えは正眼の。臨戦態勢は解かず、次なる敵へと相対した。その相手も、勿論変わらない。
呼吸を整え、精神を研ぎ澄ませ、心身に気を滾らせ、見据えればその眼光鋭く。
「諦めろ、とは言わん。一軍の将らしく、その首落とされる瞬間まで見事抗って見せよ」
「元より、臆する謂れなどないが」
配下を残らず討たれてなお、そう言ってのけるのは、やはりアヴァタール級の力を持つゆえか。
その剣先が、改めてディアボロスたちへと向けられる。
「アナタも剣を使うのね。じゃ、アタシもこの本気の姿で戦うわよー!」
ドラゴニアンにも似た剣士の姿は復讐の力高まる証。復讐の神に近づき、簒奪者を討ち滅ぼす力だ!
「この剣で、斬り付けるわよ! 覚悟しなさいっ!」
リディル色に染まる緑の剣がきらり輝く。
剣には剣を。掲げたその刃で切り結ぶ!
「……と、見せかけて!」
「ッ!?」
だが実際、フェルゼン伯爵の肩口を貫いたのは、緑ではなく桜色。白吹き荒ぶ地に花が舞う。
「剣は剣だし! アタシのホーリーダンスは何で攻撃してもOKなのよ!」
「……小賢しい真似を」
桜の刺突剣を引き抜けば、お返しだと言わんばかりに血の記述者らの骸に宿る怨念が、リディルへと向かう!
「おっと危ない!」
リディルが携えたのは、今度は蒼海に彩られた斧。敵の猛攻を受け止めて、エアライドで宙を舞う。
「油断大敵ね!」
雪に足を取られぬよう、踏み固められた地点へと着地。
それと入れ違う形で真九郎は前進!
「万物を『両断』せしめる『気』の刃、その身で受けてみよ」
四条一天流。
万物に宿る『気』の流れ。それらを読み、練り上げ、致命の一撃を繰り出す剣術である。
敵の構えから、気の巡りを読み、突くべき隙を看破する。
狙い定め、間合いを詰めて渾身の斬撃を今、振り上げ、放つ!
「参る!」
「!」
剣での防御は間に合わない。間に合わさせない。
無銘なれど鋭き刃が、吸血鬼の身を一閃に裂く!
「ぐ、う……ッ!!」
だが、敵も然るもの。恨みの剣が真九郎へと伸びゆき、その喉笛を掻き斬らんと迫る。
真九郎は狼狽せず、返す刀で受け切り往なす。鏡の如き破邪の精神で、恨みの念ごと跳ね除ける。
「此の身に宿るは復讐の力。我等ディアボロスに怨嗟や絶望で立ち向かうなど百年早い」
「……貴様、」
真九郎の刃だけではない。
舞い降りたリディルの剣先もまた、今一度フェルゼン伯爵へと向けられて。
「ラスプーチンの策に嵌められているのかもしれないけど、負けるとか逃げるとかムリムリムリ! リディルちゃんは『勝つ』以外の選択肢は無いのよ!」
敵の思惑通りであろうが、負けてやる謂れなどないのだ。
この先に何が待ち受けていようと、勝って前へ進むのみ。立ちはだかる壁は、打ち砕いて往くだけだ!
「兵法者の賢しき事、ただ進み押し潰すべきなり。ラスプーチンの策の内だろうと、我等は為すべきを為すのみよ」
「残念だったわね! アナタの方が絶望しているんじゃない?」
或いは、今から。
この地に蔓延る簒奪者へと、絶望を齎そう。
そして掴むのだ。今はまだ手の届かぬ場所にいる黒幕へと、繋がる鎖を!
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【エイティーン】LV1が発生!
【修復加速】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV4になった!
レイラ・イグラーナ
語ることはありませんか。あるいは何も知らされてすらいないのか……
捕えて尋問などとできる相手ではございません。成すべきことを成しましょう。
常に最善を成せるなどと自惚れてはおりません。
私の歩む道は人民の血で舗装されています。
救えた命を救えなかったことどころか、革命を煽り、人民を死地に向かわせたこともございます。
私の罪は私の罪。私が背負うものです。
ですが私の開いた道が人民の皆様の明日に繋がるのであれば……歩みを止める理由はございません。
【手製奉仕・彗】を使用。フェルゼン伯爵に瞬時に接近し、その胸に銀の針を突き立てます。
私は革命家、この国の人民全ての奉仕者。ただ人民のためにありましょう。
一角・實生
王国軍の姿をしたお前を革命軍とされている俺達が倒すことで、革命軍への信頼は更に強固なものとなる
或いは俺達革命軍が倒されると……いや、この場合ディアボロスが倒されるだけか
どちらにせよ、この男を倒さねば人々が犠牲になるだけ
ラスプーチンの盤上だとしても、やらないとね
仲間と互いの隙を補い合うように立ち回ろう
再度防衛ラインを使い、ここから先へは行かせないという強い意志を示すよ
大切なものを失う痛みは俺も知ってる
パラドクスを発動し、呪詛を纏わせた強烈な銃床打撃をお見舞いしよう
……俺にとってはこれが失わないためのちから
人々を救ったのが革命軍だとしても
俺達はディアボロスで在り続け進み続ければ、きっと道は拓ける
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「語ることはありませんか」
レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)の吐いた小さな溜息は、白く虚空に溶けてゆく。
(「あるいは何も知らされてすらいないのか……」)
その可能性も、充分にあるだろう。だが、いずれにせよ推測の域を出ることはなく、はっきりしたことはひとつだけ。
「捕えて尋問などとできる相手ではございません。成すべきことを成しましょう」
その言葉に頷きながらも、一角・實生(深い潭・g00995)は静かに、く、と拳を握る。
「……王国軍の姿をしたお前を革命軍とされている俺達が倒すことで、革命軍への信頼は更に強固なものとなる」
革命軍の一員として人々のために戦う、ディアボロス隊。
それが今の、ストックホルムの人々の、實生たちディアボロスに対する認識だ。深く刷り込まれ、今は覆すことの叶わぬ、認識。
(「或いは俺達革命軍が倒されると……いや、この場合ディアボロスが倒されるだけか。どちらにせよ、この男を倒さねば人々が犠牲になるだけ」)
どう転んでも、革命軍は損をしないのだ。その事実が、歯痒くあれど、今は。
「ラスプーチンの盤上だとしても、やらないとね」
これは、ディアボロスたちの意思で決めたこと。
誰にも、捻じ曲げられたりしない!
「ここから先へは、行かせない」
定めた防衛ライン。その前に立ちはだかるように、實生は歩を進める。
レイラがその死角を補うように、立ち位置を変えた。互いに、何が起きてもカバー出来るように。
「貴様らもまた、傲慢だな」
「……何を?」
フェルゼン伯爵は、實生を見、それから、レイラをじ、と見据える。
その視線は刺すようで、その言葉は糾弾するようで。
「弱者に阿られ、如何に救おうと手を差し伸べようとも……そんなものは、弱者のルサンチマンに迎合しているに過ぎない。ただの偽善に他ならない。違うか?」
徹底的に弱者を、恐らくは民衆を憎むフェルゼン伯爵。
レイラに向けたその言葉は、己が憎悪を忘れないためのものにも聞こえた。
「常に最善を成せるなどと自惚れてはおりません」
だが、レイラはそれを両断する。
奴の過去に何があろうと、これが命懸けの大芝居であったとしても、人々が犠牲になる可能性が僅かでもあるのなら、それを見過ごす道理はない!
「私の歩む道は人民の血で舗装されています。救えた命を救えなかったことどころか、革命を煽り、人民を死地に向かわせたこともございます」
過去は、消えない。歩んできた道も、また。
「私の罪は私の罪。私が背負うものです」
そこから逃れるつもりはない。
「ですが私の開いた道が人民の皆様の明日に繋がるのであれば……歩みを止める理由はございません」
迷いも、ない。
背負いながらもなお、レイラは前を見据えて、歩くのみだ。
言の刃を突き立てられた程度で、止まる歩みではない!
「大切なものを失う痛みは俺も知ってる」
愛する者を失い、信じた人々に裏切られる。積もり積もった悲しみは、そこから生じた憎悪と絶望は、如何ばかりだろうか。
それ自体を否定するつもりは、實生にはない。それでもこうして銃を掲げるのは。
「……俺にとってはこれが失わないためのちから」
「!?」
不意に、實生の姿が掻き消える。
雪に紛れて迫る、フェルゼン伯爵の死角へと。
呪いを纏ったグラナトゥム、その銃床が、強烈な痛打を見舞う!
「が、ッ……!」
フェルゼン伯爵の、剣を振るう手が止まった。
そこに差し込む、レイラの掌の内に煌めく銀の色!
「私は革命家、この国の人民全ての奉仕者」
「……!!」
目の前の青い瞳に宿る憎悪の炎が、勢いを増した。
だが、レイラは怯まない。立ち止まらない!
「それが私のあり方。ただ人民のためにありましょう」
煌めく極夜に揺蕩う、星雲を駆けるが如く。
絶望の貴公子の、心の臓へと、光を突き立てる――!
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「や……やったんだ。やっぱりディアボロス隊は凄い! なあ、見たかリネーア、ノーラ!」
吹雪の音だけが支配する世界に、興奮した様子のシグムンドの声が通る。
やはりと言うべきか、真っ先に顔を出した彼は、ディアボロスが『正義を成す革命軍』であることを、疑っていない。
彼の、そしてストックホルムの人々の中では、自分たちを救ってくれたのは、革命軍なのだ。
(「……だとしても」)
振り返った實生の表情に、曇りはなかった。
(「俺達はディアボロスで在り続け進み続ければ、きっと道は拓ける」)
そう信じて、また一歩、前へ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【スーパーGPS】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!