リプレイ
湯上・雪華
絡み、アドリブ等完全受け入れ
あらあらまぁまぁ……食への冒涜は許すまじ、です
静かに、素早く潜入しましょう
料理人達は不意打ちで意識を刈り取ってしまいます
多少騒がれるのはいいですけど、煩くされるたら面倒ですからね
気絶させたら罪縛りの鎖で縛っておきましょう
動けないように厳重に
今回はペリメニにしましょうか
ロシア風水餃子ですね
香味野菜を多めに挽肉は羊肉と牛肉を合わせてみて
小麦と卵で作った生地に包んで茹でましょう
スメタナというロシアのサワークリームも添えればそれっぽくみえませんか?
残った挽肉はコトレータにしてもう一品です
ロシア風カツレツですね
スパイシーなトマトソースを添えて召し上がれ、です
伊藤・真九郎
悪趣味だが、人の心を砕くには効果的よな。その謀、打ち砕いてくれよう。
まずは身を潜めつつ厨房へと潜入する。
料理人逹は素早く峰打ちで動けなくさせ、拘束。
囚われの人々を解放する。
【友達催眠】使用。
「救出に参った。後は我等に任されよ。」
ご家族の置かれた状況を説明し、方々の無事を伝える必要を説く。
他者の知らぬ家族の思い出等、生存を知らせる為の情報をお願いしたい。
代わりの料理を作るか。
侍たる者「料理」技能も必須。戦場では誰が飯を炊ぐか、とも言う。
用意した食材でビーフストロガノフを作ってみよう。牛肉を原型止めぬ程に煮込み、血の様に赤いソースで仕上げる。
作成途中の、牛肉と分かる段階を一皿分けておく。
外道・歩
家族ねぇ…あぁダメダメ、アタシの家族がおかしいだけっす
普通の家族はお互いを大切に想いあうものっす
それを切り裂こうとするクロノヴェーダ、許すまじ!
クソみたいな記憶を思い出させたことも含めて叩き潰してやるっすよ!
イカれた料理人共は殴る蹴るでぶちのめした後、手足を縛って猿轡を噛ませて無力化するっす!
料理するときに暴れないように紐かなんか用意してるだろうし、それを使うっすよ
あとは偽の人肉料理か…
アタシは料理はできないので食材探しに専念するっす!
そういや料理人たちのまかない用の食材に肉があるかも?
それで作った肉料理を残留効果の【口福の伝道者】で料理を増やせばごまかせるかも!?
よーし早速探しに行くっすよ!
エルマー・クライネルト
時先案内人からの説明でここまで不快になるのも久しぶりだ
それも調理をするのは普通の人間か……人とはここまで業深くなれるものなのか
厨房に侵入し仲間と同じタイミングで喚かれる前に料理人共をぶん殴り無力化
その後一般人を解放し、安心させるよう声を掛け次に必要な情報を収集
皆、無事で良かった
連れて行かれた者も速やかに助けてくる
彼らに伝えたいことがあれば、君の名前と共に今聞いておこう
後は料理だが……専門外、というか正直苦手だ
見た目を誤魔化せばなんとかなるかね。持ち込んだ牛肉を挽肉にしてハンバーグでも作るか
料理が得意な仲間の盛り付けを参考にして仕上げていこう
最後に【おいしくなあれ】で味を調節して完成させる
獅子城・羽鳥
連携アドリブ歓迎
飢饉で仕方なく…な話は古今東西山程あるが
趣味だの儀式だのは理解できないし理解したくない
料理人共、クロノヴェーダじゃないってお得だな
※殺さないがゴミ扱いするかもしれない
救出・調理過程をウェアラブルカメラで撮影し②の説得材料にする
【光学迷彩】《忍び足》で気配を殺して潜入
背後から料理人を気絶させて拘束、縛って猿轡
【友達催眠】も借りて
人質を優しく励まし②の説得材料を聞き出す
代わりの肉料理は
新宿島のロシア料理店が下ごしらえした肉と付け合わせを持参
料理は専門外だが味でバレる可能性は低い
ステーキ風に無難に焼いて盛り付け
スエニョも静かに辺りを捜索
帰ったら肉料理やるから人質をモフモフで慰めてくれ
『食人儀式』の執り行われている館の調理場は騒々しいものだった。
それも当然だ。
何せ料理人たちが調理する食材は生きている人間であるからだ。
彼らの瞳が嬉々と輝いているのは、彼らが人を調理する喜びに満たされているからだ。
「さあ、時間がないぞ!」
「わかっているとも。まずは血抜きだ。ああ、抜いた血はちゃんと貯めておけよ!」
「こっちの下ごしらえからはじめるぞ!」
彼らは調理に対しては真摯であった。
けれど、その真摯さと人を調理するという狂気とはまるで調和するところではなかった。
そんな彼らが食材となった人々に手をかけようとした瞬間、ディアボロスたちの影が走る。
「あらあらまぁまぁ……食への冒涜は許すまじ、です」
湯上・雪華(悪食も美食への道・g02423)は即座に調理場へと飛び込み、料理人の一人を背後から気絶させる。
その姿に料理人たちは目を剥く。
血色の悪い彼女の肌色を見て、彼らは驚愕する。何故なら、その肌色はこれまで彼らが調理してきた人間の死した、それ……即ち血抜きをした肌色と同じように思えたからだ。
食材がひとりでに動いている、とも思えたことだろう。
だが、雪華は構わなかった。
最初の一撃で意識を刈り取った料理人を残留効果である罪縛りの鎖でもって捕縛し、床に転がす。
「な、なんだお前は……!?」
「悪趣味だが、人の心を砕くには効果的よな。だが、その謀り、打ち砕いてくれよう」
「まったくここま不快になるのは久しぶりだ。調理するのも普通の人間……人とはここまで業深くなれるものなのか」
騒ぎ立てようとした料理人たちをさらに刀の峰が打ち据え、拳の一撃が沈黙させる。
伊藤・真九郎(人間の戦国武将・g08505)とエルマー・クライネルト(価値の残滓・g00074)は即座に無力化した料理人たちを残留効果を持って手繰り寄せ縛り上げる。
そこに仲間を気絶せしめた闖入者に肉包丁を振り上げた一人の料理人が襲いかかる。
「邪魔をするな! 俺達の仕事だぞ、これは!」
「ああ、まったくもって趣味の悪い話だ。儀式だのなんだの……理解できないし、理解したくはない」
「ホントっすよ」
獅子城・羽鳥(メタリックトルバドゥール・g02965)と外道・歩(人外の道へと歩む女・g02219)は一瞬で、肉包丁を振り上げた手を払い、罪縛りの鎖で最後の料理人を捕縛する。
簡単な仕事だった。
あくまで人肉料理を調理していたのは一般人。
ディアボロスである彼らには敵ではない。即座に調理場にいた料理人たちを無力化し、捕縛したディアボロスたちはすぐに人肉料理の材料とされそうになっていた人々の安否を確認する。
「皆、無事でよかった」
「あ、ああ……で、でも、か、家族がまだいるんだ。何処に連れて行かれたかわからないが、この館に……まだ!」
人々の訴えにエルマーは安心させるように頷く。
わかっていると。
だが、彼らは今まさに人肉料理として調理されそうになっていたのだ。
恐怖で動けない。それに連れ去られた家族の安否も気にかかるのだろう。
故に真九郎は安心させるように残留効果を手繰り寄せる。彼らの正確を変容させる友達催眠。人々にとっては、ディアボロスが助けに来てくれたことがわかるが、しかし、それでもまだ安心しきれないようだった。
そんな様子に羽鳥は体に固定されたウェアラブルカメラのレンズを示す。
「この光る目があるだろう。ここに向かって彼らへの伝言を託すといい。俺がお前たちの安否を連れされられた者たちに伝える。だから、暫しここで隠れていてくれ」
羽鳥の言葉に人々は理解しきれない様子であったが、頷く。
そんな様子を見遣り、歩は己の記憶の中にある嫌な、と分類される事柄を思い出していた。
家族。
人々は連れ去られた彼らの家族を思っていた。
我が身もそうであったが、彼らがどうなるのかを案じているのだ。
だが、歩は自身の家族がそうでなかったことを思い出してしまう。
「普通の家族はこうなんすよね。お互いを大切に想いあって……それを切り裂こうとするクロノヴェーダがいるのなら」
「ええ、それを防ぐのが私たちの役目」
雪華が歩の言葉に頷く。
「ああ、彼らに伝えたい事があれば、君たちの名前を教えてくれ。君たちからの伝言だと言えば、より彼らに伝わることだろうから」
エルマーがさり気なく人々の名前を聞き出す。
彼らの家族は、クロノヴェーダの儀式に寄ってヴァンパイアノーブルに覚醒してしまう。
だが、不完全な儀式ならば、覚醒した後も人間に戻る可能性はあるのだ。そのまめにエルマーも羽鳥も、その呼びかけるための材料を見つけ出そうとしている。
「連れ去られたご家族のことは我等に任されよ。それには余人の知り得ぬ家族の思い出が必要なのだ」
真九郎の言葉に小さな少女が口を開く。
もごもごとしている様子に羽鳥は己のサーヴァント、パンツァーハウンドの『スエニョ』を近づけさせる。毛並みのふわふわした感触が少女の心を慰めてくれるかも知れないと期待したからだ。
少女は『スエニョ』の尻尾に掴まりながら立ち上がる。
「あの、ね。みんなで食べた料理、があるの。美味しいねってこの間。そう、こんな……」
少女のおぼつかない言葉に歩は首を傾げる。
「どんなものっすか? 名前とかってわかるっすか?」
エルマーは料理は専門外というより苦手そのものだった。正直、これに関してはお手上げであったし、新宿島から持ち込んだ牛肉のひき肉なども他のディアボロスに任せようかと思っていたほどだった。
けれど、それに雪華は閃く。
「ああ、ペリメニ、でしょうか。ロシア風水餃子ですね」
雪華の言葉に少女は目を輝かせる。
ペリメニ、と彼女と同じように言葉を紡ぐ人々がいる。確かに、と彼らはうなずいていた。
この極寒の吸血ロマノフ王朝においては、暖かい食べ物が印象に残っているだろう。ならば、そうした料理は連れ去られた人々の記憶に紐付けられるはずだ。
「なら、新宿島のロシア料理店が拵えたものを持参したのだが、これとすり替え、合わせてヴァンパイアノーブルの連中に運ばせるのがいいだろう。俺も料理は専門外だが、味でバレる可能性は低い」
羽鳥が用意し、またエルマーも持ち込んだ材料があればなんとかなるはずだ。
それに歩は手を上げる。
「それなら口福の伝道者の残留効果で数を増やせば、いくらでも誤魔化せるはずっす!」
「なるほどな。ならば、コース料理という体で行くのがよかろう。拙者も用意してきた食材があるゆえ」
真九郎が持ち込んだ材料で、急ぎ調理にかかる。
それらを羽鳥のウェアラブルカメラがつぶさに撮影していく。
連れ去れれた人々は、自らが口にしたのが家族の人肉である、という事実にショックを受けてヴァンパイアノーブルに覚醒する。
ならば、それが本当は人肉ではなく、ただの美味しい料理であったと突きつけることができれば。
「ヴァンパイアノーブルに覚醒させられた人たちも家族が殺されていない、と悲嘆にくれることはありませんよね。とは言え、雑多な料理ではごまかせないかもしれないので……ここは、サワークリームも添えてそれっぽくしませんか?」
「良いな。これならば見栄えもする。料理を取りに来たヴァンパイアノーブルも疑うことはないようにおもえる」
雪華と真九郎が次々と調理を終え、歩が残留効果でもって料理を増やしていく。
さらに羽鳥がその様子をつぶさに撮影し、さらに捕らえられていた人々の様子もしっかりと撮影していくのだ。そうすることで少しでもヴァンパイアノーブルに覚醒した人々が元の人間に戻れる道筋を創り出していく。
「肉料理がやはりマストでしょうか。残った材料でもう一品作りましょう」
ダメ押しとばかりに雪華が残った挽肉でカツレツ……ロシア風に言うのならば、コトレータへと調理を終える。
そこにエルマーが残留効果を手繰り寄せる。
「おいしくなあれ、とはよく言ったものだ。これで此の料理は人肉料理ではなく、ただの美味しい料理となる。これなら、奴らの儀式を完全に遂行させることはできない」
そうすれば、とディアボロスたちは作り上げたコース料理の皿をテーブルの上に並べて頷く。
そう、この料理が運ばれて言ってもヴァンパイアノーブルに覚醒させる食人儀式は完遂されない。そうすれば、例え、これが人肉料理だと告げられ、ショックを受けた人々がヴァンパイアノーブルに覚醒したとしても、弱いヴァンパイアノーブルにしかならない。
そこに羽鳥が撮った映像と聞き出したペリメニの思い出を想起させることができれば。
「覚醒しちゃった人たちも下に戻せて無力化できるってわけっすね!」
「ええ、あとはこの館にいるトループス級とアヴァタール級を撃破するだけです」
「……む。どうやら連中が来たようだ」
真九郎は耳ざとく調理場に近づく足音を聞きつける。
羽鳥はすぐに人々を隠し、ディアボロス達も調理場の影に隠れる。
其処に顕れたのはトループス級『ブラッディサクリファイス』の数人であった。
元々此の館にはアヴァタール級の取り巻きのトループス級が数人しかいない。ディアボロスたちの脅威になるのは、彼女たちとこれから覚醒する人々、そしてアヴァタール級だけだ。
息を殺して隠れていると『ブラッディサクリファイス』たちはディアボロスたちが用意した料理を見遣り首を傾げる。
「料理人どもはどうしたんだ?」
「調理は終わっているようだが……」
「どうせ人間の残ったゴミを片付けているだけだろう。調理はもう終わっている。さあ、運ぶぞ」
彼女たちはそれが偽人肉料理であるとは思ってもいないだろう。
手際よく料理を運び出していく。
そのさまをディアボロスたちは見やる。
彼女たちの後を尾行し、此の館で行われている食人儀式を妨害しなければならない。
「……行ったようだな」
エルマーの言葉にディアボロスたちは頷く。
「彼女たちの後に続きましょう。きっと其処に連れ去られた人々もいるはずです」
「然り。ならば、敵の数は先程のトループス級とヴァンパイアノーブルに覚醒した者たち……」
「それとアヴァタール級っすね!」
ディアボロスたちは頷く。
「今しばらく此処に隠れていてくれ。君らの家族は必ず戻ってくる」
羽鳥は救出した人々に言い聞かせ、立ち上がって『ブラッディサクリファイス』たちの後を追う。
正直に言えば胸糞が悪いと言わざるを得ない。
だが、これから向かうのは戦場。
ヴァンパイアノーブルに覚醒してしまった人々と、トループス級。
そして、この食人儀式を執り行うアヴァタール級の存在がある。
彼らは己達が調理した偽人肉料理の香りを手繰るようにして屋敷の最奥である一室へとたどり着く。
此処だと確信が持てる。
「さあ、貴様たちが人間として最後に味わう晩餐である。善く味わって食すがいい。貴様たちの家族の血肉を!」
その言葉が一室より漏れ聞こえるのだ。
そう、『ブラッディサクリファイス』たちは連れされられた人々に告げる。
今しがた食したものが己達の家族の血肉であると。
告げられた言葉に人々は絶句する。いや、絶句と同時に絶望が身の内側から溢れ出し、涙が溢れるより早く全身を血潮が覆っていくのだ。
「あ、ああ、あああああっ!!!!!」
絶叫が響き渡る。
それは絶望と悲嘆の叫び。
生まれ出るはトループス級『スカーレットデス』。その血色の体躯を震わせ、彼らは地の底に落ちるような絶叫を上げる。その姿をみやり『ブラッディサクリファイス』たちは満足そうに頷き、アヴァタール級である血と薔薇の令嬢『カーミラ』へと儀式の完遂を告げる。
ディアボロスたちは飛び込むだろう。
今ならば。
そう、今ならばまだ間に合う。『スカーレットデス』へと変貌した人々に偽人肉料理であったと突きつけ、家族の記憶を想起させ、元の人間戻す。
そしてトループス級『ブラッディサクリファイス』と『カーミラ』を打倒する。
「征きましょう」
その言葉と共にディアボロスたちは一気呵成に忌まわしき食人儀式の最中へと脚を踏み出すのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
【おいしくなあれ】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【凌駕率アップ】LV2が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!
シルヴィオ・リュデケ
※アドリブ・連携歓迎
少々出遅れたか
偽の人肉料理を受け取りに来た給仕係の後を[忍び足][追跡]で追う
案内役を果たしてくれたならそれで充分だ
晩餐会の会場に着いたところを狙ってパラドクスを発動し、ブラッディサクリファイスは拘束する
スカーレットデスは他のディアボロスに任せよう
変異した一般人を元に戻すのにお前達が居ては邪魔だ
ここで残さず仕留めさせてもらう
パラドクスで仕留めきれなかった者は毒霧が広まる前に[早業][貫通撃]でシルバーナイフを投擲することで対処
最後に[吸血]でとどめを刺しておこう
人間を屠る側に居た者が、まさか同族に屠られるとは思いもしなかったろうが…
これも因果応報だな、諦めろ
エルマー・クライネルト
ここで起きる事は知っていた、承知の上の仕事をしたつもりだ
しかし実際に目にしてみたら……ちっ、胸糞悪いな
事前に得た情報を仲間に託し、先に奴等へ怒りをぶつけてくるとしよう
説得の妨げにならないようブラッディサクリファイス3体の前に立ち塞がる
血液の鞭の軌道を[精神集中]して見切り、回避を試みながら接敵
料理人共もこいつらも支度の手際が良かった
この儀式は恐らく今回が初めてではないのだろう
……失われたものを取り戻す事はできない、しかし報復の手助けぐらいはできる
パラドクスを発動し、この地に残る犠牲者の怨念を呼び起こし、[呪詛]として奴等へ撃ち込む
少しは溜飲が下がるよう無様に死ね、惨たらしく弾け飛んでみせろ
叫びが聞こえる。
それは慟哭のようでもあったし、助けを求める叫びのようでもあった。
わかっていたことだ。
こうなることはわかっていたことだ。エルマー・クライネルト(価値の残滓・g00074)は知っていた。此処で何が起こるのかも。
食人儀式に寄って連れてこられた人間たちがヴァンパイアノーブルに覚醒することを理解していた。
わかっていたから割り切ることもできた。
血のように体躯を染め上げていく人々。その姿をやはり止めることはできなかった。だからこそ、己たちは此処に北野田。
「……ちっ、胸糞悪いな」
エルマーは吐き捨てる。だが、希望はまだある。
彼らに執り行われた儀式は不完全だ。彼らが提供された料理を自らの家族の血肉を使ったものだと誤認しているからこそ、起こった悲劇。それを覆すことができるのをエルマーは知っているし、またそれを仲間に託したのだ。
彼が見据えるのはトループス級『ブラッディサクリファイス』。
彼女たちは忌々しげに変貌した人々を見やる。明らかに弱い。失敗作だと分かる成れの果てに、これがディアボロスの為したことであると理解したのだ。
「忌々しいことを。ディアボロス風情が我等の儀式を邪魔だてするか」
「そうだ」
そのとおりだとエルマーはパラドクスに瞳を輝かせる。
止める。止めて見せなければならない。
己の背後では儀式に寄って覚醒した人々を下に戻すための説得が行われようとしている。彼らの邪魔を『ブラッディサクリファイス』たちに妨害されるわけにはいかなかった。
「たった一人で何ができる! ディアボロス!」
彼女たちの手首がかき斬られ、血潮が噴出し鞭のようにしなってエルマーへと襲いかかる。
パラドクスの輝きを見据え、エルマーは己のパラドクスを解き放つ。
この地に満ちる呪詛。
わかっていたはずだ。この館では、食人儀式が一度や二度執り行われたものではないことを。
人間の料理人達も手際が良すぎた。喪われた生命がある。迫るパラドクスがエルマーに集中され、身を打つ。痛みが走る。
だが、この痛みは己だけのものではない。
「……喪われたものを取り戻すことはできない」
「そのとおりだ」
エルマーの背後から飛び出すようにシルヴィオ・リュデケ(ナイトウォーカー・g08427)が走る。
「少々出遅れたが」
彼のパラドクスが一瞬でワイヤーを解き放ち、『ブラッディサクリファイス』たちの体を絡め取る。
「もう一人居ただと……!?」
「お前たちは案内役を果たしてくれた。覚醒した人々を元に戻すのにお前たちが居ては邪魔だ。ここで残さず仕留めさせてもらう」
ぎりぎりと『ブラッディサクリファイス』たちの身を絡め取るワイヤー。
動けば動くほどに肉に絡みつく強靭なるワイヤーはパラドクス。食い込むワイヤーから滴る血。しかし、それは敵のパラドクスであるとシルヴィオは理解しただろう。
血の霧。
濃霧を思わせる赤い霧はシルヴィオの体内に入り込み、内部から炸裂するようにして彼の体を突き破る。しかし、それでもシルヴィオは躊躇わずに飛び込む。
エルマーの呪詛たるパラドクスが、この館で死せる者たちの怨念を呼び起こし、弾丸のように放たれる。
「この地に満ちる犠牲者の生命を蘇らせることはできない。しかし、報復の手助けくらいはできる」
エルマーの瞳がパラドクスに輝いている。
敵を見据える。
あれは討たねばならぬ敵だ。
ゆらりと全身から血を流しながらも、シルヴィオはその瞳を『ブラッディサクリファイス』へと向ける。
戦場に満ちる血の霧を受けて尚、彼は立ち上がる。
その様子に彼女たちは目を剥く。
「貴様、吸血鬼のディアボロス!」
「そうだ。人間を屠る側に居た者が、まさか同族に屠られるとは思いもしなかっただろうが……」
シルヴィオは思う。
命のやり取りは円環のようなものだ。
奪うものが居て、奪われるものが居る。奪った者が常に奪う側に居るかと言えばそうではない。
力落ちるか、それとも力を付けた弱き者に狩られるか。
どちらにせよ、永遠に奪い続けることはできない。
故にこれは。
「因果応報だな」
ワイヤーが宙を走り、『ブラッディサクリファイス』たちを更に絡め取り、その動きを止める。
瞬間ワイヤーを伝うようにエルマーの放った呪詛が彼女たちの体へと入り込み、その体内で暴れまわる。
あれはきっとこの地に満ちる犠牲者達の怨念そのもの。
奪われたものが生命を奪い返すことはできない。
「少しは溜飲が下がるよう無様に死ね」
エルマーは告げる。
これが己にできる死せる者への手向け。どれだけ『ブラッディサクリファイス』たちを打倒したとしても、戻ることのない生命がある。
「こ、この……こんなところで私達が……!」
「諦めろ」
シルヴィオの言葉が響いた瞬間、エルマーのはなった呪詛が暴れ狂うようにして彼女たちの体の内部から弾けるようにして吹き荒れ、その肉体を粉々に吹き飛ばす。
それは僅かでも奪われた生命に贖うように、徒花を咲かすのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
獅子城・羽鳥
本当は一瞬だって家族の肉と思わせるのは嫌だったよ
喜んでネタばらしの時間だ
※連携・アドリブ歓迎
「君達の家族は無事だ!
それはただの美味しいペリメニ…こないだ皆と一緒に食べたばかりの物と同じ、普通の温かい料理だ」
大判のタブレットで①で撮影した動画を見せる
まず無事な家族のメッセージから、次は調理の光景
なかなか信用されない場合、料理人を無力化してる場面も
「スエニョは撫でてくれた子と同じ匂いの者はわかるな?
君達の家族は、温かいペリメニを一緒に食べた事を忘れていない
また一緒に味わう事ができるぞ!」
説得成功した者から一人ずつPD
レジェンダリースマイトで家族愛を歌い上げ、命は取らず苦しませず倒す
伊藤・真九郎
アドリブ、連携歓迎致す。
扉を蹴破り食堂に突入する。
「そこまでだ、クロノヴェーダども!人々を絶望に堕とさんとする貴様等の邪悪な企み、既に我等が見抜き打ち砕いたり!」
高らかに宣言し、敵の気を引き付けると同時に、人々に己等の立場と目的を示す。
皿に乗せた調理前の肉や持ち込みの食材を見せ、「諸兄姉の食した料理の材料はこれよ!まごう事無き家畜の肉、断じて人の肉などではござらぬ!」
「ご家族は我等が保護して、皆の無事を祈っている!戻って来られよ!」
説得の上、解放にパラドクスによる攻撃が必要ならば、居合抜きより放たれる「気」の刃で、人の身を傷付けずクロノヴェーダとしての存在のみを切り裂き解き放つ。
湯上・雪華
絡み、アドリブ等完全受け入れ
怪我描写大歓迎
さてさて、ここからは防衛戦ですね
説得もしつつ、無理に反撃せずに耐えていきましょうか
ふふふ、御口に合いましたか?
みなさんの家族は無事ですよ
今回のお肉は牛と羊を合わせたものです
ペリメニが思い出の味と聞いて作ってみたんですよ
可愛らしい娘さんのご両親は思い出していただけましたか?
コトレータもポピュラーだと思うのですよ
懐かしい味わいと感じてもらえたかな?どうでしょう
早くご家族のもとに案内したいところですが……まだ邪魔者がいますからね
安全を確保してから、ご案内です
だから……早々にご退場願いましょうか、ね?
外道・歩
さっき食べたのは人肉じゃない、ただのおいしい肉料理っすよ!
皆さんの家族は無事っす!安心してほしいっす!
と一声かければ元に戻るとは思えないので他のディアボロスの方々の
説得が成功するまで攻撃を受け止める役割に専念っすよ!
パラドクス【霊気操作実験・身体強化】で強化した身体能力であれば
覚醒したばかりのトループス級なら回避し続けることだって苦でもないはずっす!
攻撃対象にされやすいように立ち回って、攻撃は回避して、で時間稼ぎっす!
ディアボロスたちは食人儀式の執り行われている一室に踏み込んでいた。
其処に在ったのは連れ込まれた一般人たちの嘆きと悲哀の叫び。いや、慟哭であった。絶望が苦しみへと変わっていく。己を構成する全てが何か別物へと組み変わっていくように彼らの瞳から赤い血潮が溢れ、それが全身を覆っていく。
その姿はまるで血を纏う怪物。
『スカーレットデス』と呼ばれるトループス級へと覚醒した人々は、覚醒直後であるがゆえに戸惑うように、けれど、確実な哀しみに体が突き動かされるのを知っただろう。
「人々を絶望に堕とさんとする邪悪な企み、既に我等が見抜き打ち砕いたり!」
伊藤・真九郎(人間の戦国武将・g08505)は告げる。
けれど、その言葉が『スカーレットデス』へと変貌した人々には届かぬことを理解する。
彼らはすでにヴァンパイアノーブルに覚醒している。
例え、それが完全ではない儀式であったのだとしても、その身はすでに変貌しているのだ。そして、彼らは己の家族を食してしまったというショックに打ちひしがれているのだ。
「わかっているとも。だが!」
「そうっす! さっき食べたのは人肉じゃない、ただのおいしい肉料理っすよ!」
外道・歩(人外の道へと歩む女・g02219)は飛び込み叫ぶ。
けれど、煌めくパラドクスがあった。『スカーレットデス』の腕より伸びた血の刃が彼女へと放たれる。
迸るようにして鮮血の刃は彼女の身を切り裂くだろう。
痛みにうめきながらも歩は叫ぶ。
「皆さんの家族は無事っす! 安心してほしいっす!」
けれど、届かない。一声かけて戻るのならば、何も苦労はない。歩にはわかっていたことだ。
どんなことにも段階がある。
だから、と歩は『スカーレットデス』たちの放つ刃を受け止めながらただひたすらに耐える。真九郎もまた同様だった。壁に鳴るように『スカーレットデス』と説得を行うディアボロスたちの間に入り、その一撃を受け止めるのだ。
「ふふふ、お口に合いましたか? 今回のお肉は牛と羊をあわせたものです」
ほほえみながら、湯上・雪華(悪食も美食への道・g02423)は告げる。
それは料理の詳細を伝える料理人のようでもあった。
どれだけ言葉を尽くしても、きっと『スカーレットデス』へと変貌を遂げた彼らの心をつなぎとめることはできないだろう。けれど、と雪華は思う。
きっと彼らの心に楔となって打ち込めるものは、料理の味や、素材の説明ではないと。
「君たちの家族は無事だ! それはただの美味しいペリメニ……こないだ皆と一緒に食べたばかりのものと同じ、普通の温かい料理だ」
獅子城・羽鳥(メタリックトルバドゥール・g02965)は己が撮ったウェアラブルカメラの画像をタブレットに映し出し、『スカーレットデス』に突きつける。
そこには確かに彼らの家族の姿があった。
調理の光景。
確かにそれは己達の家族であると『スカーレットデス』たちのパラドクスが止まる。
躊躇うように。
哀しみの原因を前にして足が止まるように、彼らの動きが止まったのだ。
「まだ、残っているっす!」
歩は見ただろう。
己たちを襲うパラドクスの刃が、確かに止まった光景を。見せられたタブレットの中にある彼らの家族の顔が、『スカーレットデス』の動きを止めたのだ。
「『スエニョ』、撫でてくれた子と同じ匂いの者はわかるな?」
羽鳥は食人料理人たちを捕らえた時に、ペリメニが思い出の味だと教えてくれた少女に触れたパンツァーハウンドに告げる。
『スエニョ』はひときわ高く吠える。
彼の瞳に映るのは、一体の『スカーレットデス』。
『スカーレットデス』に変容してしまった者の中には、彼女の家族がいるはずだったのだ。ならば、その彼こそが楔の中心。
いや、未だ人と怪物の間に撃ち込まれた鎹だ。
「君たちの家族は温かいぺりメニを一緒に食べた事を忘れていない。まだ……また一緒に味わう事ができるんだぞ!」
羽鳥は叫ぶ。
その言葉に如実に反応を示す個体がいる。
「可愛らしい娘さんのご両親は思い出していただけましたね。コトレータもポピュラーだと思うのですよ。懐かしい味わいだと感じてもらえしたよね?」
雪華は微笑む。
食事とは笑顔と共にあって欲しい。
時に味のしない食事を囲むこともあっただろう。陰鬱な、これから先の生活のことを思って絶望したこともあっただろう。
けれど、と雪華は思う。
それを乗り越えてこれたのは家族の存在があったからだ。
家族の存在が鎹だというのならば、雪華は思う。
きっと、これが誰かのためになるということだ。
「此れを見よ!」
真九郎は己が持ち込んだ食材を掲げて見せる。
「紛うこと無き家畜の肉! 断じて人の肉ではござらぬ! あれなる板を見よ! ご家族は我等が保護して、皆の無事を祈っている! 戻って来られよ!」
「ええ、早くご家族の元に案内したいです。でも、まだ邪魔だてするものがあります。それは」
雪華のパラドクスが煌めく。
七つの残像が『スカーレットデス』の血でできた鎧の如き体躯を一瞬で斬り裂く。そこへ歩むが霊気操作実験・身体強化(オーラエクスペリメント・ビルドアップ)によって得た深緑色のオーラをまとい、弾丸のように駆け抜ける。
切り裂かれた血の鎧の中から彼女は人々を引きずり出す。
「生きてるっす! まだ! だから!」
「応っ!」
四条一天流(シジョウイッテンリュウ)たる一閃がさらに『スカーレットデス』の血の鎧を切り裂く。内部にあるであろう人を傷つけぬように薄皮一枚切り裂くような絶技で持って、彼らの身を覆う悲嘆と絶望とを切り裂くのだ。
「そうだ、何もかもまだ手遅れなんかじゃないんだ」
羽鳥は己のパラドクスで歌う。
家族への愛を。
力強く。きっと多くの絶望がこの大地には染み込んでいることだろう。
取りこぼした者もある。
どうしようもないことだとわかっている。けれど、それでも、と思うのだ。
今己たちが見てきた人々の哀しみだけは、拭わねばならない。
故に切り裂かれた血の鎧『スカーレットデス』の体内から人々を引きずり出す。
「まだ人間の形があって、ご家族との想いが楔となって残っているのなら、必ず」
雪華は引きずり出された人々を抱え、飛び退く。
ディアボロス達の言葉は人々に届いたことだろう。彼らの操るパラドクスの輝きは、絶望に叩き落とすものでもなければ、哀しみを拭うものでもない。
ひたすらに希望を見せる輝きとしてパラドクスを放つ。
救うとは思っていない。
救われると思う人々もいない。
けれど、自らを助けたいと願う心が、家族を寄る辺にしているのならば、それは誰かのためにと思う心であった。
「だから、アタシたちは戦うっす!」
「そうだとも。彼らがまた温かな食事を共に囲うためには」
「ええ、残すはアヴァタール級……この食人儀式の首魁には早々にご退場頂きましょうか、ね?」
その言葉にアヴァタール級、血と薔薇の令嬢『カーミラ』は忌々しげに口元を隠した扇を折りたたむ。
「儀式を邪魔してくれたわね。忌々しい」
「応ともよ。これこそが我等が戦い。知るが良い、ヴァンパイアノーブル。貴様らの邪悪な企みは成し得ぬものである!」
真九郎の抜き払った刃の切っ先が煌めく。
敵はこの儀式の主宰のみ。
ならば、一刻も早く打倒さなければならない。
どれだけ強大なヴァンパイアノーブルであったとしても。
家族を引き離し、邪悪なる試みでもって人の心を打ち砕かんとした罪過は此処で断ち切らねばならぬのだから。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
【口福の伝道者】がLV2になった!
【防衛ライン】LV1が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV2が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!
旗楽・清政
ヴァンパイアノーブルに覚醒させるため、愛する家族の肉を食わせるとな?
殷の紂王でもあるまいに、何たる非道!
クロノヴェーダ共の非道はこれまでも様々に見て来でござるが、
此度はその中でも最上級。到底、捨て置けぬ!
して、此奴がその首魁なのでござるな? なれば!
「その首、頂戴する! 斯様な儀式、二度とやらせぬ!」
憤激のままにパラドクスを発動し、カーミラに突撃。
緑玉の片鎌槍の、錆としてくれよう。
敵は飛翔し、巨大な槍で攻撃してくるのでござるか。
されば、【対空戦】の技量で以て、緑玉の片鎌槍で受けて防ぐと致そう。
受け切れなんだとしても、五枚胴具足と全身に漲らせた闘気の守りで
耐えるでござるよ。
シルヴィオ・リュデケ
※アドリブ・連携歓迎
さて、あとは主宰者だけか
お前の行いは"食"への、そして私達の糧である"血"への冒涜だ
吸血鬼として、そして知恵ある生物として恥ずべき行いだと知れ
同じ吸血鬼としてコウモリを使役するのは想定内だ
こちらもパラドクスでコウモリを呼び出し、爆弾を相殺する
[残像][早業]を用いて回避できるものは回避を
隙を見て残留効果【コウモリ変身】を使用
上手くコウモリの群れに姿を隠し死角を取ったらシルバーナイフで[暗殺]
一撃で仕留められずとも確実にダメージを与えていこう
一般人に死以上の苦痛を与えるような非道を働いたんだ
楽に死ねるとは思わないことだな
外道・歩
(カーミラを睨みつけながら)
そういやまだメインディッシュが残ってたっすね
さっさと片付けてこのクソッタレな晩餐会を終わらせないとっすね
({霊気反応型スマートフォン}を取り出し起動していることを確認すると現在日時や現在地などの情報をスマートフォンに告げる)
願わくば、いつか研究を引き継ぐ人が現れた時、この記録が役に立ちますように…記録開始!
敵の槍はパラドクス【霊気操作実験・身体強化】で強化した身体能力と{翠玉の槍}で受け止め
瘴気は体内に取り込んだオーラを操作することで防ぐっす!
残留効果【トラップ生成】で括り罠や網罠を生成し敵の動きを一瞬でも奪えたら
他のディアボロスの方と一緒に攻撃を仕掛けるっす!
アヴァタール級、血と薔薇の令嬢『カーミラ』の忌々し気な声に外道・歩(人外の道へと歩む女・g02219)は振り返る。
手にはスマートフォン。
起動されたアプリケーションに向かって彼女は告げる。
ディヴィジョンの名を、時刻を、現在地を。
それはいつかの誰かに届くとも知れぬ作業。けれど、決して人が歩みを止めぬことを知るからこそすることであった。
「願わくば、いつか研究を引き継ぐ人が現れた時、この記録が役立ちますように……記録開始!」
飛び出す。
躊躇うことはなかった。
己の背後には半端な儀式に寄って覚醒し、そして説得によってヴァンパイアノーブルから元の人間に戻った人々が居る。彼らを再び絶望に叩き落さぬために己にできることは唯一。
そう、戦うことだと歩は理解していた。
睨めつける『カーミラ』の顔。
彼女は己たちが儀式を邪魔だてしたことに腹を立てているようだった。
「胸糞悪いっす! このクソッタレな晩餐会を終わらせるっすよ!」
メインディッシュだと、歩は人肉料理でもって人々を絶望に叩き落とそうとした主宰へと霊気操作実験・身体強化(オーラエクスペリメント・ビルドアップ)によって身を深緑色のオーラに包み込み、迫る『カーミラ』の血の槍と打ち合う。
激突する度に火花が散る。
「よくも邪魔をしてくれたわね。ヴァンパイアノーブルに覚醒すること。それは『従属』を強いられる人間にとっては喜ぶべきことでしょう?」
「なんたる非道!」
彼女の言葉に横合いから飛び込んできたのは、翠緑の疾風(スイリョクノシップウ)となった旗楽・清政(知勇兼備の昼行灯・g08816)であった。
振るう片鎌槍の一撃が『カーミラ』の槍と激突する。
これまで清政は多くの非道を見てきた。
クロノヴェーダにとって人間とは感情たるエネルギーを得るための餌でしかない。
ここ吸血ロマノフ王朝においては『従属』でもってエネルギーを得る。故に、此度の儀式もまたその一環であった。
ただひたすらに人々に従属を強いるばかりではない。
愛する家族の血肉を食らわせ、己が駒へと変貌させる。
それを清政は許しがたいと思ったのだ。
「此度の所業は、最上級の非道! 到底、捨て置けぬ!」
「ならばなんとするのかしら、ディアボロス。怒りに染まった顔で。私の邪魔だてをするというのなら!」
飛翔し、『カーミラ』のパラドクスが煌めく。
槍の一撃は苛烈にして熾烈。
撃ち込まれる一撃一撃が重たい。歩も清政もパラドクスの前に血潮を噴出させる。
だが、そのさなかを飛ぶものがあった。
「お前の行いは“食”への、そして私達の糧である“血”への冒涜だ」
シルヴィオ・リュデケ(ナイトウォーカー・g08427)は己に迫る血の蝙蝠が炸裂する爆発の中をミラージュプレデター……その小さき捕食者たる同じコウモリ型のパラドクスでもって打ち合う。
爆発と捕食者。
互いを削る力となって戦場を埋め尽くしていく。
「だったらなんだというの? 彼らは奪われるもの。私達は奪うもの。たったそれだけのことよ」
「吸血鬼として、そして知恵ある生物として、それは傲慢にして不遜。恥ずべき行いを理解できぬ知性しかないというのならば」
シルヴィオはパラドクスの輝きを瞳に宿す。
ヴァンパイアノーブルの言うことはただひたすらに身勝手なだけだった。
己たちが感情のエネルギーを得るためだけに『従属』を人々に強いている。
それがクロノヴェーダのやり方だと理解しているからこそ、シルヴィオは許せない。吸血鬼たる己の誇りが、それを許さないのだ。
「私を謗るのね。その野蛮な口で!」
血の槍が螺旋を描きながら長大なる衝角を形成する。
パラドクスの一撃。
その一撃は受けてはならない。けれど、その眼前に飛び出したのは歩だった。
「どの口が言うっすか!」
螺旋描く槍の一撃を深緑色のオーラに身を包んだ歩が受け止める。回転する槍の穂先。それがぎりぎりと己のオーラを削っていく。
わかっている。
パラドクスは己の命を削る。
痛みが走る。
強烈なまでに。けれど、それ以上に歩は赦してはおけなかったのだ。
「こんなクソッタレな!」
人の肉を、それこそ家族の血肉を家族である者に食わせる。気に食わない。ただそれだけが歩の足を踏ん張らせる一因だった。
「そうとも! 斯様な儀式、二度とやらせぬ!」
清政の緑玉の片鎌槍の斬撃が血で生み出された槍を打ち砕く。斬撃の衝撃波が『カーミラ』の身体を打ち、その身を吹き飛ばす。
「その首、頂戴する!」
吹き荒れる旋風。
清政はまさに旋風そのものであった。再び形成された血の槍も、清政は問題にしなかった。あのパラドクスは受けきれるものではない。
けれど、痛みは耐えることができる。
吹き荒れるような力の奔流見せる槍の一撃を清政は具足と闘気でもって受け止めながら、己の片鎌槍の斬撃を『カーミラ』へと叩き込む。
「私の首をはねるなど!」
「死以上の苦痛を人に与えようとしたのだ。それが非道であると理解できぬというのなら」
シルヴィオが手にしたナイフの一撃を叩き込む。
さらに彼の背後から溢れるようにして吸血コウモリたちが『カーミラ』へと襲いかかる。
彼女の生命力を吸い上げる牙が次々と突き立てられ、絶叫が迸る。
「楽に死ねるとは思わないことだな」
「ぶっ飛びやがれっす!」
歩は炎のように揺らめく深緑色のオーラを噴出させながら、シルヴィオと清政のパラドクスによって消耗した『カーミラ』の懐に飛び込む。
振るう拳は硬く握りしめられていた。
シルヴィオの言う通り、彼女は人々に非道を強いた。外道と呼んで差し支えないことをした。
清政はそれを怒りと共に叫んでいた。
許せることではない。
だからこそ、歩は己の行動が誰かのためになるようにと願ったのだ。
三人がつなぎ、紡いだ戦いは『カーミラ』の胴を撃ち抜くような強烈な一撃となって、彼女の身体を館の天上に打ち付け、これまで犠牲になった者たちの無念を晴らすように吹き飛ばすのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【コウモリ変身】LV1が発生!
【エイティーン】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
【ドレイン】LV1が発生!
【リザレクション】がLV2になった!
獅子城・羽鳥
※連携・アドリブ歓迎
外面は上品なご令嬢でも性根とやってる事はドブネズミ以下だぜ
人肉好きなら同好の士と共食いし合ってさっさと滅べばよかったものを…
俺達復讐者がお前というゴミを処理してやるからありがたく思え
【光学迷彩】と暗闇に紛れてPD
歌で愚弄しながら《早業・捕縛》で鋼糸を張り巡らせて《不意打ち》で内蔵火器全部と愛犬の砲撃を瞬時にご馳走
仕留め損ねても《一撃離脱》と武器で急所をガードして致命傷は避ける
※歌詞はこんな感じ↓
人肉大好きお嬢様♪
哀れ料理人に騙されて
美食の道は閉ざされた
復讐者の肉は美容に悪い♪
今後の為、帰還前に料理人共に【傀儡】使って
二度と人肉料理を作ろうと思わないよう恐怖で締め上げたいが…
湯上・雪華
絡み、アドリブ等完全受け入れ
怪我描写大歓迎
さて……メインですね
確実に根絶やしにしてこそ、です
末端からしっかり潰していってこそ
では、渇望抱く伽藍、参ります
コウモリ型の爆弾ですか、それなら撃ち抜いてしまいましょう
縦横無尽に動き回り、撹乱しつつ、確実に仕留めます
デリンジャーだと連射性は低いですが、呪詛を弾丸としてこめれはリロードの削減になりますし
なによりも、満たされぬと嘆く呪詛の味をごちそうしたいですからね
こちらに敵の視線を集められれば充分
味方の奇襲に気づかせませんよ
伊藤・真九郎
アドリブ、連携歓迎致す。
人を喰らい血を啜るが鬼の業と言うなら、憐れみを以てその罪を裁こうが。
人に鬼の所業を強いるその外道働きに、もはや慈悲は無用。
罪を悔いる事も無く、藁の様に斬られ果てるが良い。
太刀を正眼に構え対峙し、気息整え心身を合一させる。
万物に宿る「気」の流れを読み【看破】し、敵の動きを見切る【四条一天流】の術理にて仕る。
槍捌きを先読みし、歩法と太刀受けにて被害をかわし軽減しつつ隙を読む。
刀にて槍に対するは無謀と人の言う。仔細無し。練り上げた「気」を込めた刃の斬撃は、間合いの彼方へ届く也。
袈裟懸けの一振より放つ【オーラ操作】【両断】の飛斬にて、民々の無念晴らしてくれようぞ。
エルマー・クライネルト
人々は無事救出されたか…安堵している暇はない
残るはアヴァタール級、貴様には怒りを抱く価値もない
悪趣味な儀式をぶち壊し皆を家族の元へ帰す、その目的の為に退けるのみ
たとえ奴が飛翔しようとも惑わされず機を伺う
狙うは槍で攻撃を行おうと接近する瞬間、槍の一閃に合わせて操り人形で受け止め
瞬時に反撃のパラドクスを発動、操り人形の胴部を開放し機械腕で槍ごと奴の身体の一部を引き摺り込み
内部に仕込んだ暗器で[粉砕]する
そう言えば料理の為に持ち込んだ肉も挽肉にしたのだった
まぁ、貴様の肉などを喰らう悪趣味はここには居ないだろうがな
戦闘後は救出した者を家族の元へ
料理人共は正直クソだが私に人を裁く資格はない、処遇は任せる
緑玉を思わせる旋風が捕食者たる蝙蝠の牙と共にアヴァタール級、血と薔薇の令嬢『カーミラ』の躰に突き立てられ、炎を思わせるゆらめきと共に深緑色のオーラを伴った拳が打ち据える。
天井に打ち上げられ、跳ねるようにして地面に墜ちた彼女はしかし、怒りに燃える瞳でもってディアボロスたちを睨めつける。
「よくも私の身体に傷を……! 許されることではないわ。いいわ、決めたわ。あなたたちを滅ぼすだけでは飽き足りない。ディアボロス、あなたたちの血肉を人間どもに食べさせるとしましょう」
そうすることで再び人々を絶望に叩き込もうというのだ。
その悪辣さ、その残虐さ。
全てが人々を『従属』させるためであるとディアボロスたちは知るだろう。
クロノヴェーダであるヴァンパイアノーブルは、ただひたすらに人々に『従属』を強いる。それは己たちが感情のエネルギーを得るためだ。
だからこそ、こんな非道が簡単にできてしまう。
「外面は上品なご令嬢でも性根とやってることはドブネズミ以下だぜ」
「人を喰らい血を啜るが鬼の業であると言うなら、憐れみを以てその罪を捌こうが、人に鬼の所業を強いる、その外道働きに、もはや慈悲は無用」
獅子城・羽鳥(メタリックトルバドゥール・g02965)と伊藤・真九郎(人間の戦国武将・g08505)の瞳がパラドクスに輝く。
彼らの怒りは当然であった。
人々をヴァンパイアノーブルに覚醒させるために家族の血肉を食らわせる。
あの人肉料理人たちも同様だ。
人はどこまでも残酷になれる。残虐性を持っているものだ。けれど、それらを抑える理性を持っている。してはならないと理解している。
何故なら、それは他者に哀しみを強いるものであると知っているからだ。
だから、しないのだ。
けれど、『カーミラ』たちは、それを当然のように行う。
許せることではない。
己達の胸にふくれ上がる復讐の炎があった。それだけがディアボロスをディアボロスたらしめるものであった。
「俺達復讐者がお前というゴミを処理してやるから、ありがたく思え」
「愚弄を!」
羽鳥に迫るパラドクスは血より生み出されたコウモリ型の爆弾。
炸裂する爆発が羽鳥の身体を打ち据える。だが、羽鳥は止まらなかった。
彼が歌うは、アサシネイトソング。
己のサイボーグたる肉体に内蔵された火器を歌と共に解き放つ。火線が館の中を埋め尽くし、『カーミラ』を彼女のパラドクス以上の爆発でもって追い詰めていく。
「人肉大好きお嬢様♪ 憐れ料理人に騙されて美食の道は閉ざされた。復讐者の肉は美容に悪い♪」
「あら、メインを供する伴奏というのならば、六拍子の狂詩曲(ダンスミュージック・ソロ)でいきましょうか」
血の蝙蝠の爆弾が炸裂する爆発の中、湯上・雪華(悪食も美食への道・g02423)は羽鳥の放つ歌声に乗るようにしてリズムを刻む。
雪華の瞳はパラドクスに輝いていた。
軽快なリズム。
羽鳥の歌と雪華の刻むリズムは即興であったが、共に同じリズムを刻んでいる。
何故なら、それは共通する怒りが渦巻いているからだ。
食というものを汚したこと。許されるはずもない。
迫りくる蝙蝠の爆発を手にしたデリンジャーの引き金を引き、間隙を縫う用にして『カーミラ』へと叩き込む。
込められた弾丸は呪詛に満ちていた。
「邪魔を!」
「ええ、そうでしょうね。これは満たされぬと嘆く呪詛の味ですから。ご馳走しているのです。お味はどうですか?」
「笑わせてくれるわ!」
飛翔する『カーミラ』。
だが、その瞬間飛び込む影があった。
それは、エルマー・クライネルト(価値の残滓・g00074)のパラドクス。鋼糸が彼の手先より走り、『カーミラ』の身体へと絡みつく。
「貴様に怒りを抱く価値もない」
エルマーの瞳は冷ややかであった。
すでに儀式によって連れ込まれた人々は保護してある。覚醒してしまった人々もディアボロスたちの説得に寄って、元の姿へと戻っている。
確かに、事態は好転していると言えるだろう。
けれど、これまで喪われた命は戻ってはこない。決して戻ってはこないのだ。故に、彼の心の中に、胸の中には復讐の炎が吹き荒れる。
悪趣味な儀式に犠牲になったものたちを思う。
ただひたすらに燃える。
「皆を家族のもとに帰す」
「そんなことさせはしないわ! 人間は『従属』していればいいのよ!」
『カーミラ』の血の槍が螺旋を描いて鮮烈さを増し、その一撃をエルマーへと叩き込む。
だが、その穂先が彼の肉体を傷つけることはなかった。
彼が操る操り人形が開放した機構の内部。そこに一撃が吸い込まれていた。槍が砕ける。内部機構にあった鋼糸を巻き取る機構が駆動し、『カーミラ』の肉体を引きずり込もうとしているのだ。
「こんな、ことで、私が!」
漲るようにして血の薔薇が砕けた槍を再構成し、あやつり人形を破壊しようとする。
だが、その腕を切り裂く閃光があった。
「四条一天流(シジョウイッテンリュウ)……罪を悔いることもなく、ただ只管に我欲を通さんとする、その在り方……」
真九郎のパラドクスが煌めいていた。
彼の斬撃は万物に宿る気を手繰るものである。
その気を練り上げたことによって放たれる斬撃は炎すら切り裂く。
故に、気によって生み出された斬撃は本来の刀の間合いをも超越するものだ。
「私の腕が……!」
「民々の無念、此処に晴らしてくれようぞ」
真九郎の斬撃を『カーミラ』は血の槍で受け止める。だが、そこに羽鳥の歌声と共に雪華の放つ呪詛の弾丸が叩き込まれ、その身を傾がせる。
血潮を流しながら、しかし『カーミラ』は笑う。
「この私が滅びるわけがないでしょう! これまでだって私は多くを虐げてきたのだもの! 奪ってきたのだもの!」
だから、これは悪い夢だというように叫んでいた。
「現実を見ていませんね。私達はディアボロス。復讐の炎、身に満たす復讐者。相対するクロノヴェーダは確実に根絶やしにしてこそ、です。末端からしっかり潰していってこそ」
だから、と雪華は告げる。
己は渇望抱く伽藍であると。
燃える復讐の炎が、そこにあると示すように呪詛が迸り、鋼糸によって巻き取られ、粉砕する機構に引きずり込まれる『カーミラ』の抵抗を許さない。
「そうだ。そのとおりだ。お前たちはやってはならないことをした。人の尊厳を踏みにじる行いを」
だから、と羽鳥は歌う。
彼女たちの行いを肯定しない。否定し続けるように歌う。
その歌に乗るように鋼糸が『カーミラ』の身体をじりじりと巻き付けていく。
「人は罪を犯すものである。だがしかし、悔いる心があるからこそ、また人であるのだ」
「それがないお前には……」
エルマーの手繰る指先が弾かれる。
瞬間、機構が高速で『カーミラ』を絡め取った鋼糸を引き寄せる。
「い、いや! いやよ! なんでこんなことで! 私が! この私が滅びなければならないっていうのよ!」
彼女の断末魔の悲鳴が響き渡る。
砕ける音が響く。
引き裂く音が響く。
それはこれまで彼女たちが人々に強いてきた『従属』の意趣返しのように手を伸ばす『カーミラ』をも飲み込むように絡繰人形の中へと引きずり込んでいく。
「貴様の肉を喰らう悪趣味はここには居ない」
エルマーはぎりぎりと音を立てて機構の扉が閉じる瞬間を見やる。
『カーミラ』の肉体は砕け、引き裂かれ、その身を滅ぼした。
悪しき食人儀式。
その一つが此処に潰えた。
ディアボロスたちの胸にはやりきれぬ炎が満ちている。
救えなかった生命がある。
けれど、救えた生命が確かにあるのだ。
いつかの思い出を胸にして、人へと戻ることのできた彼らがいたように。
己達も胸に燃え盛る復讐の炎をいつの日にかと思わずにはいられない。今はまだ、けれど、と思うためにディアボロスたちは、今日のように幾度も人々を救い続けなければならないのだから。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【傀儡】LV1が発生!
【士気高揚】がLV2になった!
【エイティーン】がLV3になった!
【隔離眼】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【リザレクション】がLV3(最大)になった!
【命中アップ】LV1が発生!