リプレイ
ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎
革命淫魔との決戦を行う為
証拠を集めるべく、あれを尾行します
…それにしても、マトモな格好をすれば、見た目だけは優秀な教師に見えるのがイラっとします
練晏に諭されれば、頭も冷え
ええ、落ち着きましょう
殴る(比喩)のは後です
光学迷彩を使用し小劇場に潜入
部屋に連れ込んだら扉の隙間から中を覗き
少年に触れたら突入、証拠を確保と同時に彼を背に庇い
部屋の外へと逃します
一体何をやっているのですか!
少女ばかりか少年まで手を掛ける節操の無さも大概ですが
若き才能を導く師たる者が、その様な行為を行うなど許される事ではありません!
師もお嘆きになるどころか、助走つけて殴りにきますよ!
落ち着きましょう
別人、別人…
夏候・錬晏
※アドリブ歓迎
内心穏やかではないだろう弟分が心配で来たが…
これは淫魔の素性調査であって、ソレイユの兄弟弟子の素性調査じゃないな
うんうん、落ち着け
<地形の利用>で小劇場近くに身を潜めて入口を見張り
オーギュストの帰りと、少年少女たちが入るのを確認してから
【光学迷彩】を借りて建屋内に侵入
突入は息を合わせて
いつもより感情激しめな中にも冷静そうなソレイユから
少年を引き取り部屋の外で落ち着かせる
先生の知人だ、と穏やかに笑いかけ
「共に来ていた友達に、先生も体調が悪いみたいだから今日は解散だと、伝えられるか?」
ソレイユと合流し、少年は避難させたよと告げて黒龍を構えて
まあ我慢はよくないからな
思い切りいこうか
●内緒の授業
小劇場にキッチリと服を整え、眼鏡をかけた『月影のオーギュスト』が戻ってくる。
彼らが戻るまで人の出入りを見張っていた、夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)の元に合流するソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は、微妙な表情を浮かべている。
革命淫魔との決戦を行う為、突き付ける証拠を集めるべく、あれを尾行しますと他に悪さをしないよう見張るため後を着けたソレイユだったのだが。
「……それにしても、マトモな格好をすれば、見た目だけは優秀な教師に見えるのがイラっとします」
旧友と何があったのか、その姿を映したオーギュストを見てボヤくソレイユは、普段の彼からしたら、かなり感情的だ。
路上パフォーマンスで、その美しい演奏を披露し礼儀正しく振舞う様は、とても悪巧みを企ててるようには見えず。
演奏の技術は言うことなしなので、人々の心もたちまち掴んでしまう。
腹が立つのは、それが魅了などではなく彼自身が持っている技術と容姿のおかげである事だ。
「うんうん、落ち着け。これは淫魔の素性調査であって、ソレイユの兄弟弟子の素性調査じゃないだろ?」
内心穏やかではないだろう弟分が心配で来たがと、錬晏は諭しながら軽く落ち着くよう背を叩く。
「ええ、落ち着きましょう。殴るのは後です」
殴るのは比喩だと言うが、口にする程度には穏やかでは無いようだ。
錬晏が見張っている間に小劇場にやってきたのは、少年が1人と少女が3人。当然彼らは先生が淫魔だとは知らない。
少年は若干ソレイユより若いくらいだろうか。
きっと彼らにとっても、オーギュストは優秀な先生なのだろう。
信じ切ってる彼らには申し訳ないが、被害者を出すわけにもいかない。
ソレイユと錬晏は、光学迷彩を使用しながら小劇場に侵入すると、耳を澄まし彼らのいる部屋の位置と大まかな劇場の作りを確認した。
聴こえてくるのは、美しいカノンの旋律。
その音だけは、何度も聞いたことある旧友のものだと、ソレイユは複雑な表情を浮かべる。
複雑なのは音色のせいだけではない、その響きに淫魔の彼の力が乗せられており、今まさに少年や少女を惑わしているのだと思うと、直ぐにでも飛び出したい思いであった。
と、その音色が終わり少年がオーギュストに連れられていくのを着け、扉の隙間から中を覗き込んだ。
苦しそうに熱っぽい表情を浮かべる少年に、微笑みかけながらオーギュストが自分の服を着崩し伊達メガネを片脇に置くと迫っていく。
「さあ、俺に委ねるといい。大丈夫だ、初めは優しくしてやろう」
甘く囁く言葉の意味はきっと解っていないのだろう、そもそも少年に抵抗する力は無く壁に押し付けられるまま見上げるしかできなく。
オーギュストの指が少年の服に伸びて……。
「そこまでです!」
勢いよく飛び込んだソレイユは、少年をオーギュストから奪うようにし背に庇い、直ぐに外で控える錬晏の方へと押した。
お願いしますと託された少年を引き取り、任されたと錬晏は直ぐにその場を離れる。
大丈夫かと声をかければ、少年は苦しそうに息をしている。
それが淫魔の魅了の力のせいだと分かっている錬晏は、部屋から距離をとり少年を落ち着かせながら、先生の知人だと穏やかに話しかけた。
「ゆっくりと息を吸って、大丈夫か?」
だんだんと魅了が薄れ落ち着いてきた少年は、不思議そうに彼を見上げる。
「共に来ていた友達に、先生も体調が悪いみたいだから今日は解散だと、伝えられるか?」
頷く少年がしっかりと友達の所に戻っていくのを見送り、早く戻らねばと錬晏は急いだ。
その頃、部屋に残されたソレイユの方はというと。
「一体何をやっているのですか!」
「何って、ナニ?」
思わず声が大きくなるソレイユに対し、オーギュストは揶揄うように軽い笑みを浮かべる。
折角いいところだったのに邪魔をされ、気分は最悪であったのだが、それを超える程気になる相手が飛び込んできたのだから。
どうしてだか分からないが、クドクドと説教するソレイユが気にかかって仕方がない。
「少女ばかりか少年まで手を掛ける節操の無さも大概ですが、若き才能を導く師たる者が、その様な行為を行うなど許される事ではありません!」
薄らと笑いながら、嘗めまわすようにソレイユを観察していたオーギュストはゆっくりと彼に近付いていく。
「師もお嘆きになるどころか、助走つけて殴りにきますよ!」
「お前、妬いているのか?」
「はぁ?」
突然の言葉に、大変間抜けな声が出てしまった。
気が付けば直ぐそこにオーギュストの顔があり、ソレイユの髪を掬いあげ微笑を浮かべている。
「可愛いじゃねーか。いいぜ、たっぷり可愛がってやるよ」
髪に口付けられ、ソレイユが硬直した所に〈黒龍偃月刀〉が振り下ろされ、2人は引き離された。
「大丈夫か? 少年は避難させたぞ」
錬晏に庇われながら、何が起きたのかソレイユは数秒前のことを頭の中でリフレインしていた。
「落ち着きましょう。別人、別人……」
これは淫魔で旧友ではないと、ソレイユは自分自身を落ち着かせ何があったか忘れようと無理矢理にでも切り替える。
「また邪魔が入ったか。人の家に勝手に入ってきて何だお前達は?」
と、そこで気が付く。そういえば相手が気が付くだろうと、名乗っていなかった。
「俺達は、ディアボロスだ。オーギュスト、お前が行おうとしていた悪事は俺達が目撃した。これは約定違反だ」
しかも大切な弟分まで、手を出されそうになっていたのだ。さすがに錬晏の声色も強まる。
「くっ、ディアボロスだと」
お前もかと言いたげにオーギュストの視線はソレイユに。
「分かりましたか。あなたの行ったことは、証拠として報告します」
「……そうか、そうか。だったら、目撃者を消せば無かったことにできるよな?」
穏やかだったオーギュストの雰囲気が、一気に剣呑なものへと変わっていく。
「それに、ディアボロスであればナニをしても問題はないしな」
まるで獲物を見るように、オーギュストはソレイユを見つめ笑った。
依然としてして良く分からないが、やはり彼の存在が気にかかって仕方がない。
捕まえ全てをさらけ出し、欲望のままに心の奥底まで暴き堕落させたい、穢したいと、オーギュストの欲が疼く。
「どうやら遠慮なく倒して良さそうだ。まあ我慢はよくないからな、思い切りいこうか」
「ええ、そのつもりです」
錬晏とソレイユは、戦闘態勢へと移るのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎
全く、淫魔は度し難い…
何か良からぬ事を企んでいそうですが
返り討ちにしてボッコボコにさせて頂きます
駆けつけて下さった仲間にも感謝を
というか、保護者に父兄多すぎ?!
ええ、いけないことはいけないと思います!
宙に展開した鍵盤で「緋槍」を演奏
大海嘯を喚び海の女神の槍術で攻め立てます
あのいけ好かない淫魔を強かに打ち据えてやりましょう
反撃の音色には、演奏に集中して堪えます
美しく、心惹かれてしまう音色なのは、色褪せず
しかしこの音を超えなければ
私の音楽家としての成長は無いと思った
だから、倒さなくてはいけないのです
復讐者としても、音楽家としても
事切れる時も、目は反らしません
私の罪は、私が背負います
ナディア・ベズヴィルド
話は聞かせてもらった!と盛大に扉を開いて私が登場
お前、ほんとお前
何度か分体と遭遇した事があるがとうとう幼気な男の子までに手を出すとは範囲が広すぎる
そのうち揺籃から墓場までと言い出しかねんな
ソレイユさんは美少年だし手を出す気持ちは分からなくもないがダメよ
お前のような穢らわしい淫魔が触れるの絶許明王がもれなく降臨するわよ
よーし景気良く囲んでフルボッコだドン!
保護者会の恐ろしさを身をもって知るがいい
腐ったミカンを準備していなのが悔やまれる
仕方ない、砂礫で許してね!
反撃には心奪われぬ様強く気を持ち、ソレイユさんの音で前を向き
指もナニもかも細切れにしてやるか!
消える姿から目を逸らさぬ彼の後ろ姿を見守る
プターハ・カデューシアス
今回のオーギュスト
とうとう素でもソレイユに手を出し始めましたか…
はい、授業参観の時間です
(ナディアさんと共に扉蹴破り)
話には聞いていましたが、素行の悪さは出会う度に悪くなっている気がします
まぁ、なんにせよこんな教師は囲んでシメますけど
打撃には弱そうなので力技で参りましょう
【防衛ライン】の心意気
防衛、といより逃がさないと言う意味で
いや、ソレイユの事は防衛した方が良いかもしれませんね
念のためリオーネ様も距離を取って
こんな輩の毒牙に掛けるわけには行きません
保護者会(PTA)の怒りを知りなさい!
シャムスグッジョブです
では
的に向って土竜けしかけましょうか
ソレイユ…
奴の屍を乗り越えて
健やかに成長して下さい
リオーネ・クア
連携・アドリブOK
復讐者との同盟は
淫魔にとっての本能を禁止することだったんだね
本能を抑えるのはとんでもなく大変だと思う
それは気の毒に思うけど
つまりそれは同盟が成立し得ないということなんじゃないかな
みんなの殺意がすごいな
それくらいみんなソレイユさんのことを心配してるんだろうね
クロノス級はソレイユさんと因縁があるみたいだけど
目の前の彼の嗜好って意味でも危ないな
俺?俺はもう二十歳だよ
ロッソを召喚して共に赤の双翼魔弾を発射
演奏する手を狙って行動を妨害したいけど難しいかな
美しい楽曲からの攻撃は一度は受けてしまうけど、同じ手は通じないよ
敵の攻撃の予備動作がいつ来るか集中して見極め
魔力障壁を展開して備える
シャムス・ライラ
仲間と情報共有、連携
…努めて冷静に、と思うのだが
弟分達(ソレイユ、錬晏)にナニするだと!?
不埒な教師には教育的指導
保護者会で吊し上げは必須
父兄の力を見るがいい!
仲間達とタイミングを合わせ
虚誕金剛で攻撃
蔦の曲線的な動きで攪乱しつつ敵を捕縛
金剛の棘でダメージを与えつつ文字通り「吊し上げ」
さぁ、皆、的だぞ
やってしまうがいい!
むしろ腐ったミカンとか投げつけるがいい!
敵の攻撃は…恐怖!?
怒りの方が勝る!
うざい!
毟るぞ、色々と(何を?)
パラドクスの蔦で振り払い可能な限り損害を減らす
ああ、いかん
ソレイユのサポートに来たというのに
うん、落ち着いていて偉いぞ
その他有効そうな残留効果は使用
アドリブ等歓迎
松中・誠
連携アドリブ歓迎
よし、殴ろう。
何をするつもりかわ……かってしまったけど。
少年にやるのも行けないけど、仲間にされるのも行けないんだぜぃ。
いけないのはいけないと思うんだぜぃ。
殴り倒せるのが快楽なので、他の快楽は必要ないんだぜぃ。なので、変な踊り子が居ても知らないんだぜぃ。踊り子事まとめて殴るんだぜぃ。
…というか、仲間の殺意が高い。……殺…意?これはもう保護者。
心は熱く、だけど頭は冷静に。…って何かで言ってた気がするんだぜぃ。
まぁ、PTAの一員として、全力で行くのは賛成だから抑えはしないんだぜぃ。
腐ったみかん…さすがにみかんは持ってきてないから鉛玉をプレゼントなんだぜぃ。
夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎
淫魔というのは、本当に……油断ならん奴だな
いい加減にしろよ。ソレイユに手出しはさせん
その腕切り落としてくれる
構えた偃月刀に朱殷の闘気を纏わせ、刃をより鋭く大きく<武器改造>
駆けつけた父兄(?)と息を合わせ攻め立てる
意図的にオーギュストとソレイユの間に割り込むように立ち回り
奴の集中力を<攪乱>し攻撃の援護を
反撃の幻影で沸き起こる恐怖は"死"を感じるから?
<精神集中>で己の状況を冷静に見極めれば失笑も浮かぶ
乱世を生きた俺にとって、恐怖は最も身近で、最初に殺した感情だ
舐めてくれるな
――…ソレイユには、必要ないものだと思っていたが
乗り越えたいというなら支える
でも、独りになるな
●保護者会
劇場の何処かで、大きな物音が響いた。
皆の気が一瞬、そちらに向けられた隙に部屋を飛び出しオーギュストは逃げた。
とはいっても、逃亡を測った訳では無い。
彼は彼なりに、拘りがあった。そうして逃げ込んだ場所は、劇場の舞台。
ここであれば音質も良く、音も心地良く響く。
傍らにチェンバロを出現させたオーギュストは、やる気か微笑を浮かべた。
だが、それならソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)にとっても条件は同じだ。
「逃しません」
と、グローブ型VR楽器〈Fonte de la musique〉を起動し宙に鍵盤を展開させ。
夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)は〈黒龍偃月刀〉に〈朱殷闘刀〉を纏わせた。
「淫魔というのは、本当に欲に従順というか…油断ならん奴だな」
言葉は冷静だが、闘気に現れる殺意はより赤く大きく刃を作った。
「全く、淫魔は度し難い……」
元親友にそういった側面が無いわけでは無いが、淫魔となって何処かネジが取れたように酷い。
思うことはあるが、まずは倒してからだ。
両者の指が鍵盤に触れた、その時だ。
「話は聞かせてもらった!」
「はい、授業参観の時間です」
勢いよく扉を蹴破り入ってきたのは、新宿島海岸のエジプトマフィア
(?)……ではなく、ナディア・ベズヴィルド(黄昏のグランデヴィナ・g00246)とプターハ・カデューシアス(招福龍・g03560)である。
「お前、ほんとお前……」
言いたいことは山のようにあるが、ぐぐぐっとナディアは堪え。
「今回のオーギュスト、とうとう素でもソレイユに手を出し始めましたか……話には聞いていましたが、素行の悪さは出会う度に悪くなっている気がします」
「何度か分体と遭遇した事があるが、とうとう幼気な男の子までに手を出すとは範囲が広すぎる。そのうち揺籃から墓場までと言い出しかねんな」
オーギュストとしては他の個体の癖など知らないので、何のことやら呆気にとられたように乱入者の姿を見ており。
駆け付けてくれた仲間の姿に、ソレイユが感謝と心強さを浮かべた。
「ソレイユさんは美少年だし、手を出す気持ちは分からなくもないがダメよ。お前のような穢らわしい淫魔が触れるの、絶許明王がもれなく降臨するわよ」
気持が分かるんだーというのと、絶許……ビ……来てしまうのか?
「次から次へと。少しは見られる奴はいねーのか……」
と、オーギュストの視線がリオーネ・クア(ひつじの悪魔・g01176)の姿を捕らえ止まる。
「少し大人な気もするが、これはこれでアリだな……」
何やら不穏なことを呟き、獲物を見つめるような視線を向けているが、幸い本人には聞こえていない。周囲でちらほらと気がつき、やっぱりという表情を仲間が浮かべた。
「ディアボロスとの同盟は、淫魔にとって本能を抑え込まなきゃいけないことだったんだね。本能を抑えるのはとんでもなく大変だと思う」
「はっ、だったら見逃してくれるのかよ?」
それは出来ないと、リオーネは頭を横に振る。
「それは気の毒に思うけど、つまりそれは同盟が成立し得ないということなんじゃないかな」
「最初からこんな同盟は、あって無いようなものさ。まあいい! 俺の演奏で屈服させて、ゆっくりとお前に快楽がナニか教え込んでやる」
そう執着するような、ねっとりとした視線をソレイユにオーギュストは送った。
「弟分達に、ナニするだと!?」
努めて冷静にと思っていたシャムス・ライラ(極夜・g04075)だが、さすがに目の前で聞くと黙ってはいられなかった。
「不埒な教師には教育的指導。保護者会で吊し上げは必須。父兄の力を見るがいい!」
「よし、殴ろう」
荒事は任せておけと、松中・誠(ヤンキードラゴニアン・g03037)が拳を鳴らす。
「何をするつもりかわ……かってしまったけど。少年にやるのも行けないけど、仲間にされるのも行けないんだぜぃ。いけないのはいけないと思うんだぜぃ」
「ええ、いけないことはいけないと思います! ……というか、保護者に父兄多すぎ?!」
ソレイユが思わず突っ込む程、駆け寄った誰もが頑張っている彼を案じていた。
「みんなの殺意がすごいなぁ。それくらい、みんなソレイユさんのことを心配してるんだろうね」
オーギュストが散々やらかしてきた現場を知っているってことかもしれないけどと、リオーネは周りの熱量に苦笑を浮かべる。
とにかく、これだけ仲間(保護者関係者)が来てくれれば、遅れを取ることはないだろう。
「何か良からぬ事を企んでいそうですが、返り討ちにしてボッコボコにさせて頂きます」
「よーし、景気良く囲んでフルボッコだドン!」
先陣をきる勢いで、ナディアが飛び出した。
まあ、さすがのアヴァタール級でも20コンボくらいで勘弁してあげて欲しい。
「まぁ、なんにせよこんな教師は囲んでシメますけど」
この場から逃がさないと、壊した扉の代わりにプターハが防衛ラインで塞ぎ。
2つの音色が、劇場に響き始めた。
「海よ、嘆け」
静かに寄せて返す音色はどこか物憂く。『幻想ソナタ「緋槍」(ヒソウ)』の旋律に導かれし女神の槍が、大海嘯を呼び起こす。
「あのいけ好かない淫魔を、強かに打ち据えてやりましょう」
その波に乗って飛び込んだのは、誠だ。
颯爽と飛び込み、『強攻白兵戦術』で、無駄なく一撃をオーギュストのボディに叩き込む。
衝撃によろけるオーギュストは、それでも演奏は止めず曲調を変え『宵誘のカノン』を。
その美しい音色に、生み出された踊り子の幻影が惑わそうと誘惑してくる。
「ソレイユの事は防衛した方が良いかもしれませんね、こんな輩の毒牙に掛けるわけには行きません」
誘惑する踊り子を押し退けながら、じわじわと広がる快楽に、教育上良くないと父性愛全開でプターハが抗う。
衝撃波による攻撃の痛みより、たぶんこの瞬間だけは父性が勝っているのだろう。
「俺は殴り倒せればいいんで、他の快楽は必要ないんだぜぃ」
なので変な踊り子にはご退場を。その拳が幻影ごと打ち抜き。
「いい加減にしろよ。ソレイユに手出しはさせん。その腕切り落としてくれる」
精神集中し錬晏が放つは、『覚醒の一撃』。
オーギュストの方から接近する素振りは無いが、駆けつけてきた父兄(?)達とも協力し、オーギュストとソレイユの間に常に位置するよう斬り込んでいく。
旋律は低く暗く不気味に。
オーギュストは『闇牙のフーガ』を演奏し始めた。
恐怖を呼び起こし、見せる幻影は鋭い牙を持つ怪物。
その恐怖は"死"を感じさせ、"喪失"を滲ませる。
刹那感じた恐怖も、冷静に見れば失笑が浮かぶ程度。
「乱世を生きた俺にとって、恐怖は最も身近で、最初に殺した感情だ。舐めてくれるな!」
「……恐怖だと!?」
その感情にとらわれたのは刹那。直ぐに別の感情がシャムスの心を塗り替える。
「怒りの方が勝る! うざい! 毟るぞ、色々と」
何を毟るのか分からないが、その勢いに怪物もオーギュストも驚き一瞬音が途絶える。
逃さず鋭く伸びた蔦が、オーギュストを捕らえ軽く持ち上げ吊るした。
金剛石のように固い『虚誕金剛(ダイヤモンドデウソヲツク)』の鋭く固い棘を生やし突き刺す。
文字通り吊るし上げだ。
「さぁ、皆、的だぞ。やってしまうがいい! むしろ腐ったミカンとか投げつけるがいい!」
「シャムスグッジョブです。では、的に向って土竜けしかけましょうか」
「……というか、仲間の殺意が高い。……殺…意? これはもう保護者……」
周りにつられるように、誠にも芽生える庇護欲。
「保護者会(PTA)の怒りを知りなさい!」
地の神よと、プターハが『地神の守(チジンノマモリ)』で、力を借りるのは巨大な土竜。
呼び出され飛び出した土竜は、オーギュストの真下から勢い良く飛び出し、そのまま突き上げる。
効果はお察し、絶大だ。
「心は熱く、だけど頭は冷静に……って何かで言ってた気がするんだぜぃ。」
全力で行くのは賛成だから抑えはしないんだぜぃと、成り行きに任せ、誠も小型拳銃〈専用改修済みRex Zero 1〉を。
「腐ったみかん……さすがにみかんは持ってきてないから、鉛玉をプレゼントなんだぜぃ」
近距離から撃ち込まれる誠の弾丸に合わせるように、メーラーデーモン『ロッソ』を召喚しリオーネの『赤の双翼魔弾(ロッソ・マジックボルト)』が挟み込む。
若干、ロッソが警戒心を見せているのは主に向けられたオーギュストの視線のせいだろう。
ナディアの言葉では無いが、守備範囲はそこそこ広いそうだ。
「さあ行こう、ロッソ」
サンドバッグ状態で少々哀れにも見えるが、リオーネはロッソと共に赤い魔力の弾丸を放ち貫き。
やっと蔦から逃れたオーギュストは、直ぐにチェンバロと向き合い、妖しくも美しい旋律を響かせる。
美しい踊り子の幻影と共に、オーギュストのやけに熱い視線がリオーネに向けられ、上から下へとゆっくりと降りていった。
その背筋に彼が感じた悪寒は、決して間違いではない。
「保護者会の恐ろしさを身をもって知るがいい」
腐ったミカンを準備していなのが悔やまれると、残念そうにナディアが繰るのは荒れ狂う砂嵐。
「仕方ない、砂礫で許してね! もがれた手足よ我が前に 流れた血潮よ我が前に……」
その砂塵は肉を削らんとする『砂礫の終止符(サンドストーム)』。
「指もナニもかも小間切れにしてやるか!!」
襲いくる砂はオーギュストの全てを奪い止めようとするが、再度チェンバロに向き合ってからの彼は別人のように演奏に集中している。
強いて言えば、周りの音に旋律が邪魔され苛立ちを垣間見せてるとこだろうか。
だが、音色は落ち着いた響きを保ちながら『月影のソナタ』に。
戦意を失わせる程の繊細な音色は、彼の怒りを一時鎮める。
心奪われぬようにと、もう1つの音へと意識を向け耐えるも容赦なく心へと響く。
それはソレイユも同じ。
演奏に集中しようとしながらも、やはり彼の音色は美しい。
ソレイユがオーギュストの音色に惹かれるのは、彼が彼に無いものを持っているからかも知れない。
そしてオーギュストもまた、ソレイユにどうしようもなく惹かれていた。
それぞれの音は違うが不思議と合い、競い合うように音を響かせる。
記憶と共に色褪せない、オーギュストの旋律を聞きながらソレイユは鍵盤を叩き続ける。
――しかし、この音を超えなければ。私の音楽家としての成長は無いと思った。
指先に、叩く一音一音に想いを籠めて。
少々、保護者の皆様が多いような気もするが、この場の音を彼から取り返さなければ、いつか彼に辿り着いても敵わないだろう。
「だから、倒さなくてはいけないのです。復讐者としても、音楽家としても!」
ダーンと、響かせた音と共に大海嘯が劇場を揺らす。
頼もしい彼の演奏に、サポートに来たというのに
いかんとシャムスは気持ちを切り替え、だが変わらず保護者目線で、「うん、落ち着いていて偉いぞ」なんて頷いており。
対する舞台上のオーギュストの音色は、繊細で神秘的な調べ。
爪弾く音が見せる聖女の幻影は、その音色のままの美しさを魅せ、微笑み迫る海の女神の前に立ちはだかる。
2つのソナタが響き合い、ぶつかり、そして片方の音を飲み込む。
緋槍が聖女の胸を貫き、オーギュストにまで到達する。
ゴフッと、鍵盤の上に鮮血が落ちる。
胸を貫かれたオーギュストは、ゆっくりと演奏を仕切ったソレイユを見あげた。
薄れゆく意識の中、彼はソレイユに何を見たのだろうか。
焦がれても届かない太陽に、手を伸ばし微かにその口を動かすも、声にはならず彼の意識は途絶えていく。
その間、ソレイユは目を逸らさず彼の最後を見届ける。
例え複製とはいえ、彼の姿は元親友のもの。
後、何人彼を倒したらいいのか……。
軽く目を伏せる、ソレイユにゆっくりと錬晏が歩み寄る。
(「――ソレイユには、必要ないものだと思っていたが」)
自分が支えられ、乗り越えたように。
「私の罪は、私が背負います」
「乗り越えたいというなら支える。でも、独りになるな」
そんな彼らの姿を見つめるプターハもナディアも、それぞれ過去との決着を着けて来た。
その未来と成長を、仲間達は静かに見守るのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【イルカ変身】LV1が発生!
【土壌改良】LV2が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【狐変身】LV1が発生!
【神速反応】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【命中アップ】LV2が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!