領主の食卓(作者 稀之
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#断頭革命グランダルメ  #オーストリアの淫魔の街  #1802年 

●領主の館
 領主館で開かれたパーティは色とりどりの料理が並ぶ豪勢なものとなった。
 腕を振るったのは領主によって開かれた料理コンテストの上位入賞者である。オーストリアの伝統料理から独創的な創作料理までそのレパートリーは多岐にわたり、美食家で知られる領主の舌を大いに喜ばせた。
「貴方の料理、とても個性的で素晴らしいものだったわ」
 同じテーブルを囲む領主の女性から直に賛美を受けたコンテスト優勝者の男性は、恐縮しながら感謝の言葉を返した。
 普段は口を利くことすら恐れ多い領主が吐息を感じるほどの距離に座っている。一時の幸福を与えてくれた神に男性は感謝の祈りを捧げ、永遠の信仰を誓った。
「この後、貴方だけに特別なもてなしを用意してあるのよ」
 そっと肩を擦り寄せた領主が上目遣いに男性を見やる。
 大胆に開かれた胸元に目を奪われた男性は緊張のあまり唾を飲み込んだ。
「いけません領主様。神は見ておられます」
「見られていたら、なにか問題があるのかしら?」
「それはもちろん、まったく問題などございません!」
 敬虔な神の信徒である彼の信仰は、甘美な誘惑の前に脆くも崩れ去った。

●東京駅グランドターミナル
「呼び掛けに答えていただいてありがとうございます。皆さんに向かっていただきたいのは断頭革命グランダルメの勢力圏、オーストリアです」
 丁寧に頭を下げたソフィー・ルロワ(人間のサウンドソルジャー・g03401)はオーストリアの置かれた状況ついて簡単な説明を始めた。
 1802年のオーストリアはクロノヴェーダの支配によって退廃の道を歩んでいる。人々の心に暗い影を落とし意のままに操っているのは、自動人形の配下種族、淫魔である。
「オーストリアの方々を救うためにはこの淫魔を討伐するしかないのですが、相手は領主という立場に納まっています。普通に面会を求めたところで門前払いとなってしまうでしょう」
 とは言え強引に押し入れば一般人への無用な被害を出すことに繋がりかねない。無理なく街の支配者に近づくために、淫魔が主催する料理コンテストへの参加を提案した。表向きはお祭りとして開催されるコンテストだが、実態は優れた能力を持つ者を自らのエネルギーとするために仕掛けた淫魔の罠である。

「料理コンテストの上位入賞者は領主の開くパーティに招待されますので、自然な形で淫魔に近づくことができます。入賞の可能性を少しでも上げるため、まずは街に潜入して住民の方々から情報を集めてください。料理の味も問われるでしょうが、何より領主に気に入られることが上位入賞の近道だと思います。性格や味の好み、趣味趣向などの情報が役に立つでしょうか」
 コンテストには一般の料理人も参加するため、彼らの店で実際に味わってみるのも一つの手かもしれないとソフィーは付け加える。
「参加者の方はもちろん優勝を目指しているわけですから、どういう料理が好まれるかも研究されているはずです。お話をうかがうことができればそれに勝る情報はありませんね」
 上位入賞者は身内を誘うことが許されているため、ディアボロスが一人でも招待されれば、家族や友人として共にパーティに潜入することができる。
 接触が叶えば、後は淫魔と会話などを行いつつ、頃合いを見計らって戦闘を仕掛けることで配下が集まる前に仕留めるチャンスが生まれる。

「希望を失った人々にコンテストという明るい光を与えながら、裏ではその力を奪い取ろうとする淫魔を放っておくわけにはいきません。オーストリアの人々を救うためにも、どうかよろしくお願いします」

●オーストリアの街中
 領主が主催する料理コンテストを前に、陰鬱なオーストリアの街にもわずかに活気が生まれていた。
 街のあちこちで買い物帰りの主婦が集まり、どの店の誰がどんな料理で優勝するのかと井戸端会議に花を咲かせている。
「やっぱりオーストリアの伝統料理が選ばれるのかしら」
「わざわざコンテストを開くくらいだから、むしろ変わった料理を求められてるのかもしれないわね」
「デザートでも構わないって話だから、挑戦する店もあるみたいよ」
「意外と庶民の味がお好みにあったりなんてことも」
 彼女達の頭に浮かぶのはただ一つ、コンテストに並べられるであろう数々の美味なる料理であった。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【傀儡】
2
周囲に、ディアボロスのみが操作できる傀儡の糸を出現させる。この糸を操作する事で「効果LV×1体」の通常の生物の体を操ることが出来る。
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【現の夢】
3
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【罪縛りの鎖】
1
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【避難勧告】
1
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【セルフクラフト】
2
周囲が、ディアボロスが、一辺が1mの「コンクリートの立方体」を最大「効果LV×1個」まで組み合わせた壁を出現させられる世界に変わる。
【泥濘の地】
1
周囲の地面または水面が泥濘に変わり、ディアボロスは指定した「飛行できない対象」の移動速度を「効果LV×10%」低下させられるようになる。
【エアライド】
3
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【スーパーGPS】
1
周囲のディアボロスが見るあらゆる「地図」に、現在位置を表示する機能が追加される。効果LVが高ければ高い程、より詳細な位置を特定できる。
【口福の伝道者】
2
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【建物復元】
2
周囲が破壊を拒む世界となり、ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の建造物が破壊されにくくなり、「効果LV日」以内に破壊された建物は家財なども含め破壊される前の状態に戻る。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV2 / 【ガードアップ】LV8 / 【凌駕率アップ】LV1 / 【反撃アップ】LV4 / 【先行率アップ】LV1 / 【ロストエナジー】LV4

●マスターより

稀之
 稀之(なおのり)です。
 よろしくお願いします。

 選択肢の時系列は③→②→①→④となります。
 戦闘が発生するのは④のみで集団敵は出てきません。
30

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


中々・時音
「ワタシがうまれる200年以上前なのに、すごく栄えてるアル…」
歴史とか全然知らないので、実際に栄えている街を見て衝撃を受けています
田舎者と勘違いされるかもしれませんねっ

「ワタシ、東の遠い国から来たアル。料理には自信ありアル!」
料理人として働ける場所を探しているという形で都市住民に話しかけて、領主やコンテストの情報を聞き出したいなと思っています

「知らない食材が一杯アル。でもワタシにはコレがあるヨ!」
缶詰が開発される直前の時代なので、付け焼き刃の料理技術と持ち込んだ缶詰(アイテム化済みです)でなんとかなる、といいなと思ってます
桃缶の甘さなら情報料になるかなー、なるといいなー

連携アドリブ苦戦描写歓迎


「これがオーストリアの街アルか。ワタシが産まれる200年以上も前なのに、すごく栄えてるアル……」
 川沿いに建ち並ぶ石造りの街並みを眺めながら、中々・時音(自称美貌の破軍拳士・g03098)は感嘆のため息を漏らす。
 通路を挟んで向かい合うように並んだ建物はどれもが四角く形作られ、三角の屋根が帽子のように被せられている。何より目立つのは装飾のように設置された長方形の窓で、並列する建物と合わせて街全体が統一されたデザインとして確立されていた。
 おのぼりさんの気分で石畳を進んでいると、似たようなデザインながらわずかに毛色の違う建物が見えた。四角い屋根に天を突くような高い塔が特徴で、噴水広場の傍に位置していることも合わせて街のシンボル的な存在となっている。
「こういうの、何て言ったアルか。確か、なんとか調とか……」
 頭を抱えながら記憶の糸をたどっていると、建物の傍に転がっている白い小石が目に入った。
「ロココ! そうアル、ロココ調とか聞いた覚えがアルね!」
 答えにたどり着いた喜びでつい声が大きくなる。
 見慣れない少女が街並みに目を奪われながら騒いでいる姿に、広場で談笑をしていた女性達はクスクスと小さな笑い声を上げた。
 注目が集まっていることに気づいた時音は恥ずかしさに泣き出しそうになりながらも、交流のチャンスと頬をかきながら現地住民に歩み寄った。
「お、お騒がせして申し訳ないアル」
「いいのよ可愛らしいお嬢さん。この辺りでは見かけない子ね」
「実は働き口を探して田舎から出てきたばかりアル。どこか料理人として働ける店を知らないアルか?」
 お近づきの印にと持参した桃缶を差し出す。
 甘いシロップで味付けされた果実は評判が良く、気が付けば多くの主婦に囲まれていた。
「お店を探すのもいいけど、腕に自信があるんだったら料理コンテストに参加してみたら?」
「料理コンテスト、アルか?」
 初めて聞いたような顔で首をかしげる。
「挑戦してみたいけど、気に入ってもらえるかちょっと心配アル」
「味は申し分ないと思うわよ。後はそうね、領主様はうんちくを聞くのがお好きだから、どんな材料をどんな味付けで調理してるのかみたいなことをお話して差し上げるといいわ」
「ふむふむ、領主様は料理の説明を聞くのがお好き、アルか」
 コンテストで有利に働く情報を得た時音は、満足げに主婦の言葉を繰り返した。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【エアライド】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!

十野・樞
連携・アドリブ歓迎

美食といえば、美酒もついてくるよな?

美味い飯と酒、奴等を倒す事ができる…
行くしかねえな

アイテムポケットで酒も持参

手分けして効率的に情報収集

【観察】【看破】で余所者に忌避感がなさげな住人に目星をつけ話しかける

随分活気づいてるじゃないか
料理コンテスト?
なんとも粋な事をする領主殿だ、どんなお人なんだ?
酒は好きかねえ
やはり領主殿の行きつけが有力候補って感じか

住人のお薦めを聞き店を回る

スパイと思われるのも何だ
そこは酒が美味いかい?と聞くのも忘れねえ
店でスパイと疑われたら
この酒に合う飯を求めてる、と酒を見せる
異国の酒だ
一定の説得力は多分あるだろ

皆の参考の為
アイテムポケットで料理を持ち帰る


テクトラム・ギベリオ
私自身料理は出来ないが、郷土料理やそれにまつわる独自の食材、人々の価値観などはとても興味がある。
…この地では珍しい日焼けした私の見た目だ。コンテストの噂を聞き、海外から来た記者とでも言えば納得するだろうか。

「記事のネタにしたいので話を伺いたい。もちろん秘密は守ろう」
「この地の名産品はあるか?領主もよく口にする食材などあるのだろうか?」
「好きな食材…もしくは嫌った味付けなどはあったか?」
「過去の優勝者はどのような人物だったのだ?」

知識に偏りができるのは良くない。初めにそこの井戸端会議をしている婦人らに話を聞いた後、参加者と思われるプロの料理人にも意見を聞こう。
話の中心はやはり評価する領主だな。


「ほぉ、料理コンテストか。なんとも粋な事をする領主殿だな」
 オーストリアの主婦に囲まれた時音の姿を遠巻きに眺めていた十野・樞(division by zero・g03155)は、コンテストの話題が出たタイミングを見計らって集団に割って入る。
 余所者に対し友好的に接する姿を見て声を掛けた樞の思惑は当たり、主婦達は笑顔で新たな話し相手を仲間に迎え入れた。
「横から悪いな。そのコンテストっていうのは誰でも参加できるのか」
「特に制限は設けてないみたいよ。問われるのは料理の腕のみだって」
「何とも懐の深い話だな。その話だけなら度量の大きいお人という印象だが、領主殿はやっぱり人格者なのかい?」
「そうねぇ。とにかくお美しいお方よ。整った顔立ちはもちろん、均整の取れたプロポーションで。それでいて出て欲しいところはしっかりと」
 領主に対する市民の印象は外見に関することがほとんどだった。男性のみならず女性までもが魔性の魅力に毒されており、領主の傍に伴されることが一種のステータスであることが見て取れる。無策に攻め入れば自らの意思で領主の盾になりかねないと、改めてクロノヴェーダによる支配の強さを実感した。
 庶民が声を掛けることすら憚られる高貴さと、本人の資質を第一と考える公明正大さを併せ持つ。市民から語られる領主像を、樞は傲慢で私欲に溺れる独裁者だと頭の中で正しく変換した。
「とにかく料理の腕が一級品なら認めてもらえるってことだな。こいつはいい話を聞いた。そのコンテストに参加する、有力候補の店を教えてもらえないか。いい酒の肴にありつけそうだ」
「その話、私にも詳しく聞かせてもらえないだろうか」
 ちょうど通り掛かったという体でテクトラム・ギベリオ(出所不明・g01318)が井戸端会議に口を挟んだ。
「お前さんは?」
 共にオーストリアにやってきた樞は、あえて初対面のふりをしてテクトラムに問い掛けた。
「私はテクトラム・ギベリオ。フリーで記者をしている者だ。ちょうどこの街で料理コンテストが開かれると聞き、取材に訪れたばかりだ」
「へえ。ずいぶん耳ざといと思ったら記者さんか。ご苦労なことだな」
「秘密にしなければならないことがあれば必ず守る。参加者のことも記事にするつもりだから、彼らにとっても宣伝になるはずだ」
 すでに二人の余所者を受け入れていた主婦達は、テクトラムに対してもまるで警戒心を見せず、むしろ取材を受けるのは初めてだと興奮気味に応じた。
「コンテストとなれば領主の好みが反映されると思うが、お気に入りの店などを知っていれば教えてもらえないか」
「領主様から直にお褒めの言葉をいただいてるのはマールツァイトね。オーストリアの伝統料理を出す店で今のシェフが三代目よ。そうそう、牛肉と羊肉の料理を好まれるって聞いた覚えがあるわ」
「牛肉と羊肉か。魚介類を使った料理はあるのか?」
「魚だったら鯉の赤ワイン煮込みかしらね。海の魚はどうしても手に入りにくいから、淡水魚が中心になるのよね」
 最近は新進気鋭のシェフを探しては領主館で料理を提供させていると、雑談の中で主婦は語った。この話から、オーストリアの伝統料理に飽き飽きしたことから料理コンテストを開いたのかもしれないとテクトラムは推測した。
「ご協力感謝する。さっそく店を訪ねてみることにしよう」
 情報の精度を高めるため、テクトラムは一足先に紹介された店に向かった。
「なら俺も行ってみるかな。旨い店なら当然、旨い酒もついてくるよな」
 ディアボロスの仕事は仕事として、美食とそれに伴う美酒にも期待しながら樞はテクトラムの後を追った。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!

マリア・アルビオン
※連携、アドリブ歓迎

・心情
食を通じて人心を掌握し、力を得る……か。
ある意味では正統な手段のように見えるが、直接攻撃を仕掛けてくる相手よりもやりにくいな。

・行動
まずはコンテストに参加する店で、料理人と店の味を確認しておこう。
情報収集がてら、街で人気の料理を食べるのもいいな。
領主の嗜好が街の料理にも表れているかもしれないからな。

なに、料理はできなくとも、舌はそれなりに肥えている。(ただし五世紀ブリテン基準)
小さな情報も見落とさないようにしよう。

肉に塩を振りかけて、しっかり焼いたものが世界一美味しいと思っている女の、美食巡りが今はじまる……。


ブロス・ブラッドハート
コンテストに参加する店に行って料理を食べてみるぜ!
美味いもんが腹いっぱい食えるなんて、じょーほーしゅーしゅーっていいもんだなっ

っはぁ~美味そぉ!!
あんたもコンテストに出るんだよな。領主さんの好みってなんだろーな?
おれならやっぱ肉だけど…あんたがなに作るのかすっげー気になるぜっ

どんな料理で領主さんの胃袋を掴むつもりか聞いてみるっ
ついでに食べさせてもらえないかもお願いだー

なーなー、おれに食べさせてくれたらさ、いーっぱい同じ料理出して通行人とかお店のみんなからも感想聞けるぜ!

オッケーしてくれたら【口福の伝道者】で料理を増やすぜ。みんなの意見は大事だよな!
聞いたことはメモめも…

アドリブ・連携歓迎だ!


「ここが有力候補と称される店か」
 古びた看板を目に留めたマリア・アルビオン(記憶の継承者・g02657)は、店の大きな窓から中の様子を覗き込んだ。
 樞とテクトラムから情報を得たディアボロス達は名前の上がった店を手分けして回ることになった。最有力候補の店を立候補したマリアは、同じ店を選んだブロス・ブラッドハート(角欠けた竜の子・g03342)と共にオーストリア伝統料理の店、マールツァイトへとやってきた。
 午後の一時を過ぎていることもあって多くの客は食事を終え、コーヒーを飲みながら連れ合いと談笑をしている。様子を伺うばかりでいつまでも中に入ろうとしないマリアに、ブロスは急かすような声を上げた。
「なーなー、早く入ろうぜ。食べるのもじょーほーしゅーしゅーのうちなんだろ」
「ああ、すまない。少し来客の様子を見ていたんだが、この店は評判通りのようだな。誰も彼も満足しきった表情だ」
「そりゃ領主さんが褒めてる店って話だからな。どんな料理が出てくるのかすっげー気になるぜっ」
 連れ立って来店した二人は一席だけ空いていた丸テーブルに案内された。
 おすすめを頼んでしばし店内の様子を観察していると、程なくしてオーストリアの伝統料理であるシュニッツェルが運ばれてきた。
「っはぁ~美味そぉ!!」
 待ち兼ねたブロスはかぶり付くように揚げ焼きした牛肉を頬張った。
「うん! これホントに美味いぜ。ねーちゃんも食ってみろよ」
「どれ。私も舌はそれなりに肥えている。どれだけの物か試させてもらおう」
 小気味よい音を立てながら牛肉を切り分けたマリアは衣の上からフォークを突き刺し、ゆっくりと口に運んだ。
「これ、は……」
 マリアの目が大きく見開かれる。小麦粉のガウンを身にまとった仔牛肉をじっと見つめ、震える手で次のひと口を舌の上に転がした。
「この牛肉、単体では薄っすらと塩味で物足りなさを感じるが、胡椒の効いた衣と合わせて食べるとどうだ、サクサクの食感と相まって絶妙な味わいを感じさせる。しかもこの香ばしさといったら」
「よくわからないけど、美味いってことだよな?」
 五世紀ブリテン仕込みの鋭敏な味覚に近代料理の洗練された味はあまりに刺激が強く、感動すら覚えるほどだった。ただ美味しいと言うだけでは気持ちの収まらないマリアは持てる限りの語彙力を尽くして料理を称賛した。
 メインの後にはデザートとしてりんごのシュトゥルーデルが提供される。残さず平らげたブロスは感謝を伝えたいと、給仕にシェフを呼ぶよう頼んだ。
「いや、ホントに美味かったよ。さすが領主さんのお墨付きだ」
 素直な感想にシェフのブルーノは笑顔を浮かべたが、すぐに浮かない顔になって下を向いた。
「お褒めの言葉をいただき恐縮なのですが、領主様のお墨付きは以前のことでして」
「どうしてなんだ? こんなに美味い料理なのに」
「どうも、オーストリアの伝統料理に飽きていらっしゃるのではないかと」
 領主の寵愛を失ったブルーノは酷く気落ちしており、ブロスのような子どもの前でも構わず苦しい胸の内を吐露した。
「最近はハンスの家という店のシェフを重用しているとか。私も食べに行ったことがあるのですが、あのような発想は私にはありませんね」
「ハンスの家か。確か、有力候補の店として名前が上がっていたな」
 食事を終えて冷静さを取り戻したマリアは、口元をナプキンで拭いながら店の名前を思い返した。
「創作料理の店ということだったが。そうか、領主が入れ込んでいるのなら、相当な腕前なのだろうな。調査のために私達も立ち寄る必要がありそうだ」
 冗談とも本気とも取れないマリアからの誘いに、ブロスは喜びと呆れの混じった表情で答えた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【凌駕率アップ】LV1が発生!

白臼・早苗
……どんな料理が好きか、かぁ
真正直に教えてくれって言っても、教えてもらえるわけも無いよね
仕方ない、ちょっとズルい手を使おう

優勝候補と話題のお店を訪ねてみるよ
【サキュバスミスト】でお店の人を【現の夢】状態にして、私をフルーティア本人かその関係者だと思わせよう
後はメニューを聞き出したり、実際に作って貰ったりして、【現の夢】の効果が続く限りは情報を集めようか


 マリアとブロスが伝統料理を提供するマールツァイトの調査を行っている頃、白臼・早苗(深潭のアムネジェ・g00188)は優勝候補の一角とされるハンスの店を訪れていた。
 歴史が長く立派な店構えのマールツァイトとは違い、ハンスの店は開店してまだ半年足らずとまだまだ新参者であった。
「開店したばかりで名前が上がるってことは、よっぽど気に入られてるわけよね」
 小ぢんまりとした外観を眺める早苗は一つの懸念を抱いていた。普通の来客として席に着いたとして、コンテストに出品するような虎の子の料理を提供してもらえるのか。諜報員としての勘が否と告げていた。
 より確実な仕事を果たすため、早苗は領主の格好に寄せた衣装を調達していた。豪華な装飾の施された露出度の高い衣装はあつらえたようによく似合った。
 来店した早苗を出迎えたシェフのハンスは、大胆な衣装の女性が現れたことに赤面し、顔を直視できずに視線を落とした。
「い、いらっしゃいませ」
「ずいぶんと他人行儀ねハンス。まさかおまえ、このフルーティアを見忘れたと言うのではないでしょうね」
「フ、フルーティア、様?」
 相手が視線を上げるよりも先に歩み寄り、後頭部に手を回してそっと抱き寄せる。
 耳元に顔を寄せ、甘い吐息とともに穏やかなメロディを口ずさんだ。
「あ、ああ、フルーティア様。まさか直にお越しいただけるなんて」
 夢心地のハンスは焦点の定まらない目で早苗を見つめる。
「コンテストの準備は万全かしら。私の期待に応えられるかどうか、試させてもらうわよ」
「お望みのままに」
 用意されたのは手のひらサイズに薄く伸ばしたパンに羊の挽き肉とチーズを乗せて焼いた、現代のピザに近い料理だった。
「この料理のコンセプトは?」
「女性が人前でお召し上がりになられることを意識しました。こう、パンを端から巻いてスティック状にすることで、手も汚れず大きなお口を開けることもなく召し上がっていただけます。半分に折るだけでも効果は高いかと」
「淑女への最大限の配慮ということね。レシピも見せていただけるかしら」
 陶酔しきったハンスの表情に早苗は胸の痛みを覚える。ちょっとズルい手かもしれないけど、あなた達を守るためなの。許してね。
 現の夢の効果が消えないうちに、レシピを手にハンスの店を後にした。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【現の夢】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!

ストロベリー・メイプルホイップ
ん~、ちょっとずるいかもしれないけど、これも正義の為。
参加者の振りをして優勝候補の料理人さんに近づいて、妨害しちゃうね!
競うのも良いけど、ライバルが減ればその分ほかの人が優勝に近づくだろうし。

他の人たちが集めてきてくれた情報を元に、優勝候補や料理が美味そうな人をリストアップ。会場で一応【観察】と【情報収集】して、確認が取れたら行動開始!

優勝候補の料理人さんに【風使い】でこっそり操作した【誘惑の吐息】を使うね。
で、そうしたら【現の夢】と【誘惑】で適当な個室に連れ込んで、人知れずこっそり骨抜きにしておくよ!
死にはしないから安心して、けれど今回は諦めて次のまっとうなコンテストでがんばってね!


 コンテスト当日、参加者達は領主館の大広間で一堂に会した。
 美食家で知られる領主の意向により領主館には三つの調理場が用意されている。それぞれを交代で使用することになるため、最後の一人が審査を終えるまで半日以上を大広間で過ごすことになる。
 大変に時間をもて余すイベントではあるが、市民からの不満が上がることはなかった。誰もが領主と同じ時を同じ場所で過ごせることに満足しており、審査を行う領主の尊顔を惚けた顔で拝していた。
「まさに女王様の王国って感じね。ここに割って入るのは骨が折れそう」
 したり顔で品評を行う噂の領主を眺めながら、ストロベリー・メイプルホイップ(ドラゴニアンのレジスタンス諜報員・g01346)が独り言つ。話に聞いた通り外見は完璧ね。気が強くてワガママそうなところが気になるけど、あの美貌ならむしろ利点になりえるかしら。男の人って、そういうのも好きだものね。
 最初のグループが終わり、次の参加者が調理場に移動する。その中にハンスの姿を認めたストロベリーは他のディアボロス達に目配せをして席を立った。
 調理場を覗き込むと、ハンスは事前に準備していたパンの生地を伸ばしていた。ストロベリーは作業に没頭する後ろ姿に忍び足で近づき、背中からきつく抱き締めた。
「な、なな! 何を!」
「大きな声を出さないで。誰かに聞かれちゃうわよ」
 より強い刺激を与えるために胸を押し付ける。ハンスは驚きと戸惑いのあまり伸ばしていたパン生地を床に落とした。
「わ、私は、フルーティア様のために料理を」
「コンテストはまだ先の話よ。今日は私のために料理を振る舞ってくれる約束。そうだったでしょ?」
「そんなまさか。私は、フルーティア様のために」
 ハンスの意識は桃色の吐息によって薄れ、ストロベリーの言葉に抗えなくなった。
「そ、そうでしたか。コンテストは、明日」
「夢に見るほど領主様に夢中なのね。でも今日だけはダメ。私のことをちゃんと見てくれないと」
 甘いストロベリーの誘惑と現の夢の残留効果よって夢と現実の区別がつかなくなったハンスは、誘われるままに領主館を離れる。
 優勝候補の一角は、制限時間までに戻れずあえなく失格となった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【現の夢】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】がLV3になった!

テスラ・クルイーロ
・言動
「・・・お腹空いた・・・これは味見・・・あじみ・・・」
お腹が空くと力が出ないから、ここに来るまでに持ってきたお昼ご飯を全部食べた挙句、たくさん作ったコンテスト用の料理の余り(なぜか大量に作っている)を食べるよ。
「ごちそうさま・・・」
他の参加者の作るご馳走を横目に見て、視線が釘付けだよ。よだれも止まらないよ。
可能なら、他の参加者の作品も味見したいな…。

・コンテストに出す料理
前菜は紫色のキノコのサラダとほうれん草のスープ。
メインディッシュはドラゴンの肉を使ったTボーンステーキ。
つけあわせはでかいおにぎり。
デザートはおっきいシュトーレン。

妄想気味だけど、味方に迷惑をかけないようにはするよ。


 テスラ・クルイーロ(ブラックホール少女・g04486)はじっと押し黙ったまま空腹に耐えていた。
 事前に用意しておいた弁当はすでに食べ尽くしてしまった。他の参加者がつくる料理の味見を拒む領主館の役人達に恨めしげな目を向けつつ、腹部を押さえながら自分の番が来るのをただひたすらに待ち続けた。
 ようやく出番がやって来たテスラは我先にと調理場に駆け込む。手近な食材を見繕い、手早く肉を焼き上げた。
「これは味見……あじみ……」
 簡単に塩コショウで味付けしたステーキを頬張る。皿からはみ出すほどの大きなステーキをテスラは一瞬で食べ尽くした。
「ご飯も……あじみ……」
 ちょうど炊き上がったご飯を調理台の上に広げ、塩を振って大きなおにぎりに仕上げる。水分を吸収して艶めく米は甘味が強く、ほんのりと感じる塩味と相まってテスラの舌を大いに満足させた。
「ごちそうさま……」
 人心地ついたテスラはコンテスト用の料理を始める。キノコのサラダとほうれん草のスープ、大きなTボーンステーキ、それに鍋いっぱいの米を握った超大型のおにぎり。デザートのシュトーレンは最後の最後まで食べずに我慢していた持ち込みである。
 自分好みの料理を前に早くも腹が鳴り始める。つい溢れ出てしまうよだれを拭い、理性を保てているうちに急いで運び出した。
「お待たせしました……」
 テーブルに次々と並ぶデカ盛り料理にフルーティアは眉をひそめる。
「これは、有り余るほどの量があるわね」
「大きいは、おいしい……」
「狙いがあってのことなのね。それならいいわ」
 テスラのこだわりに理解を示したフルーティアは、それぞれを小皿に取り分けてちょうど一人前の分量を食した。
「そうね、味は申し分ないと思うわ。次の機会があったらもう少し量を抑えてもらいたいわね」
「……おいしそう」
 領主の褒め言葉も注文も、残された料理に釘付けのテスラにはまるで届かなかった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【現の夢】がLV3になった!
効果2【ロストエナジー】がLV4になった!

葉切・松露
おかしいです。確かに料理大会に参加するつもりではあったですけど、唐突すぎるです...。
(公園で茸採集をしていた所、コンテストのスタッフに壇上へ上げられたもよう。)
材料も保存食くらいしか持ってないのに...。
うう、みなさん高級そうな料理作ってるですよ、どうしたら...ん?
(調理器具置場に、美しいティーポットを見つける。)

「おまたせいたしました、です。」
料理大会でティーポット出してたら、おかしいと思われるですよね。説明するです。
「土瓶蒸しです。鰹節や昆布、貝と干しきのこを使った、出汁をいただく料理です。まずは蓋を開けて、香りを楽しんでほしいです。」
そう言って審査員さんの前に、そっと膳を置くです。


 調理場に通された葉切・松露(ハキリアリのきのこ農家・g03996)は、所狭しと並べられた豪華な食材を前に困惑した表情を浮かべる。
 松露の得意料理と言えばキノコ鍋に炊き込みご飯といかにも庶民的である。他の参加者がステーキや海鮮料理を披露する中で、あまりに地味ではないかと自信を失っていた。
「おかしいです。こんなはずでは……」
 途方に暮れた松露は収穫したばかりのきのこを手に取る。認められるためにはまず食材調達と意気込み、長い時間をかけて良質なきのこを採取した。気がつけばコンテストの開始時間が目前に迫っており、情報交換を行う暇も無いまま領主館を訪れることとなった。
「うう、みなさん高級そうな料理や珍しい食材で挑んでるですよ。どうしたら……」
 起死回生の一手を求めて調理場を物色する。食器棚に目を向けた際、青い花の意匠が施されたティーポットに目が止まった。
「ティーポット……そうです! これならいけそうです!」
 アイディアを膨らませた松露は手早く調理を済ませて大広間に戻った。
 領主の待つテーブルにティーポットとカップを配膳する。出されたものが食べ物と思えなかったことにフルーティアは首を傾げた。
「紅茶で勝負、ということかしら。その挑戦意欲は見上げたものだけれども」
「これは土瓶蒸しです。鰹節や昆布、貝ときのこを使った、出汁をいただく料理です。まずは蓋を開けて、香りを楽しんでほしいです」
 松露の勧めに従いポットの蓋を開く。閉じ込められていた芳醇な香りが湯気とともに立ち上ぼり、領主の鼻腔をくすぐった。
「ああ、良い香りね。これは食欲をそそるわ」
 中を覗き込めば、たっぷりと出汁を吸い込んだ具材が満たされている。食べ方を尋ねられた松露は、先にスープを飲みその後に具材を食べてもらいたいと答えた。
「いくつもの味が溶け込んだ奥深い味わいね。使われている具材はどれも素朴なものだけれど、それだけに嫌味がなく全体の調和が取れているわ。ティーポットを調理器具に見立てた斬新なアイディアも含めて、とても気に入ったわよ」
「ありがとうございます! 領主様に食べてもらえて光栄ですよ!」
 高価な材料を使わずに仕上げたことが、かえって松露の料理人としての腕を引き立たせ、高い評価に繋がった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!

中々・時音
「これがワタシのとっておきアル!」
料理は蟹缶と鮪缶(ツナ缶)を使ったシーフードサラダに、鮭缶と鯖缶を使った焼き魚風です
現代で(多分料理本とかインターネットとかで)調べたプロのレシピや盛り付けを参考……というより私の技術でできる限り近づけることを目指します!
ご飯ではなくパンと一緒に食べることを前提に作ります

「この魚、すっごく痛むの早いけど領主様のため根性で高速輸送したネ!」
「サバは美容にも健康にも良いアル。癖はあるけど骨まで食べれるくらいとろっとろにしたら、もう旨みしかないアルヨ!」
「鮭はシンプルに焼いたアル。柔らかなパンで挟んでもなかなかアル」

缶は全部アイテム化してます
連携アドリブ苦戦描写歓迎


「お待たせしましたアル! これがワタシのとっておきアル!」
 慣れない手付きで料理を終えた中々・時音(自称美貌の破軍拳士・g03098)はコンテストの独特な雰囲気に緊張しながら料理を大広間に運んだ。
 まずは前菜として葉物野菜にツナをたっぷり乗せたシーザーサラダを用意した。持参した鮪缶の油も無駄にせず、ドレッシングの隠し味として使用している。サラダの上にはカリカリに焼いたクルトンも忘れていない。
「へえ、マグロを使ってるのね。用意した食材には無かったと思ったけれど」
「領主様のために根性で調達したネ!」
 本職の料理人ほどの技術を持たない時音は、この時代のオーストリアでは入手が難しい海の魚を使った料理に着目した。
 食材を自前で用意する他に、新宿島で売られている料理本を片っ端から読み漁って簡単で美味しいレシピを見繕っていた。
「ドレッシングにも魚の風味が混じってとても美味しいわ。後の料理にも期待できそうね」
 手応えを掴んだ時音はメインディッシュとしてシャケとサバの二種盛りを提供する。どちらも缶詰を利用したもので、水気を切った後に香ばしく焼き上げている。
「サバは美容にも健康にも良いアル。領主様の美しさをいつまでも保ってくれるネ」
「それは嬉しいわね。でも、これは取り除いておくべきじゃないかしら」
 フルーティアはサバの身に残った大きな骨に難色を示す。
「その骨が身体を丈夫にしてくれるアル! とろっとろに煮込んであるからまずは食べてみてほしいアルヨ!」
 笑顔で太鼓判を押す時音に従い、注意深くサバの身にナイフを入れる。
 力を入れずとも切り分けられたことに領主は驚きの声を漏らした。
「これは見事ね。魚の身を殺さず骨をこれだけ柔らかく煮込むことができるなんて。表面を香ばしく焼き上げてあるのも食欲をそそるわ」
「柔らかなパンで挟んでもなかなかアル」
 待ってましたとばかりにパンをテーブルに並べる。そこに葉物野菜とサバ、玉ねぎを乗せ、シーザーサラダのドレッシングにも使用したマヨネーズで仕上げた。
「サンドイッチにも応用できるのね。サバとサケでまた味わいが違って、うん、これも気に入ったわ」
「ありがとうございますアル! アレンジ次第でまだまだいけるアル!」
 さらなる高評価を狙い、覚えている限りのレシピを活用して海鮮料理を振る舞った。
大成功🔵​🔵​🔵​
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効果2【ガードアップ】がLV3になった!

ルィツァーリ・ペルーンスィン
料理か
目立つ様にペラルーシの料理を少量ずつコースで出させて貰おうか
俺なりに全力で行こう

先ずは前菜
ポテト卵ニシンのワイン漬けビーツをミルフィーユ状に重ねたサラダだ
何でも毛皮のニシンコートを着たニシンというらしいぞ
次にスープ
ボルシチのドラニキ添え
ドラニキはジャガイモを練って作る東欧風パンケーキだ
ロシアのと違って少し薄めだな

肉はキエフ風チキンカツレツ
伸ばした鶏むね肉にディル等のハーブを練りこんだバターを挟み衣をつけて揚げる料理だ
香りととろーりとしたバターが旨いぞ

デザートはタンブリング
今回のはジャガイモ粉ベースのもちもちの皮にクリームチーズを入れて茹でた物にサワークリームとラズベリージャムをかけた物だ


 朝方に始まった料理コンテストはすでに十時間以上が過ぎ、日没を迎えようとしていた。
 最後のグループに組み分けられたルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)はコース料理を用意していた。朝から食べ続けの領主を気遣い、どれも少量に抑えてある。淑女が人前で食べるという点でもこの組み立ては絶妙であった。
「前菜はニシンのサラダです。毛皮のコートを着たニシンとも呼ばれています」
 相手がクロノヴェーダであったとしても、領主であるうちは騎士としての礼儀を忘れない。うやうやしく頭を下げながら前菜をテーブルに並べた。
「食材を混ぜるのではなく層として重ねているのね。これは見た目から楽しませてくれるわね」
 ニシンのサラダは下からニシン、ジャガイモ、ビーツ、そしてゆで卵と、それぞれの素材をミルフィーユ状に重ねている。白い皿の中心で小さくまとまったサラダが女性として領主の趣向によく合っていた。
「続いてはボルシチ、これは牛肉と野菜の煮込み料理です。添えているのはドラニキというジャガイモのパンケーキです」
「このボルシチにもビーツが使われているわね。それにジャガイモのパンケーキ。同じ食材だと思わせない調理法が見事ね。庶民の食べ物と侮っていたわ」
 高価な食材ばかりを食していた領主にとって、安く入手が容易な食材を一級品にまで引き上げる料理は新鮮で評価の高いものとなった。
「次がメインのチキンカツレツとなります。伸ばした鶏むね肉にバターを挟んで揚げた料理です。レモンをかけてお召し上がりください」
 衣を纏ったチキンにナイフを入れると、挟み込んだバターがとろりと溶け出した。
「揚げ物にバターを挟むなんて大胆な料理ね。とても美味しいけれど、かなりの罪悪感だわ」
「気兼ねなく召し上がっていただくために分量を抑えています」
「その気遣いも心憎いわね」
 最後にジャガイモを使ったデザートでコース料理を締めた。
「サラダからデザートまで飽きずに楽しませてもらったわ。もしこの街で店を出したいなら相談に来なさい。私が後ろ盾になってあげるわよ」
「ありがとうございます。身に余る光栄に存じます」
 最後まで礼儀を尽くしたルィツァーリは料理コンテストの優勝者として選ばれ、他の上位入賞者と共にその後に行われるパーティに招待されることとなった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【スーパーGPS】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!

葉切・松露
料理を作り終えたあと、パーティー会場で所在なさげにうろうろするです。
一応、ほんとに一応、おばあちゃんから貰った剣鉈を腰に差しておくですよ。
領主様に会えたら
「さっきはおれの料理にお褒めの言葉をくださって、ありがとうです。」とお礼をするです。

しばし敵同士とは思えぬ和やかな会話をした後、
「領主様に聞いてみたいことがあったですよ。後でお茶でもご一緒しないですか?」
と聞いてみるです。

了承が貰えたら、『どうして料理コンテストを開催しているのか』、『今までで一番心に残った料理』を聞いてみてーです。

(アドリブ、連携歓迎。ひどい目にあったりしても大丈夫です。)


ブロス・ブラッドハート
よっしゃー、パーティーに入り込めたな。これでいよいよ……美味しいご飯をたらふく食べられるぜっ!
コンテストに出たみんなの料理すっげー気になってたんだー。今は食べることに集中だぜー!

あれが領主様かぁ。へー、綺麗なおばさんだな
あんな変な格好で寒くねーのかな。近所のおばちゃんが体を冷やすと腹下すって言ってたけどクロノヴェーダは…ってあー、そうだ!あのおばさん倒しに来たんだったなっ

配下って奴らがどこにいるかはわからねーけど、駆けつけてきそうな時は【泥濘の地】で邪魔してみるっ
領主を誘い出そうとする人がいたら、一般人の人達をそっちから遠ざけるぜ!
なーなー、この料理もすげえ美味いぜ!みんなも食べてみろよ〜


テクトラム・ギベリオ
領主を別の場所へ誘う者が居るな?ならば私は引き続き「フリー記者」を装い領主に接触。

怒りを買わない程度に「質問攻め」をして領主を疲れさせる。少し休憩したいと思わせられれば、別室への誘導もスムーズになるだろう。

質問内容は…戦闘前に何か弱点でも探る事が出来れば良いが、流石に場違いか。素直にコンテストの事や料理の事、領民について質問しよう。

「領主様、私はフリーで記者をしている者です。今回のコンテスト、とても素晴らしい物でした。是非とも記事を執筆したいのですが、いくつか質問をしてもよろしいでしょうか?」

給仕からもらった酒を片手に領主の元へ。
グラスを向け、断り辛い雰囲気を出す。
(アドリブ歓迎)


「おおおおお……これが楽園ってやつか。まさか夢じゃないよな?」
 目の前に並んだ料理の数々に歓喜したブロス・ブラッドハート(角欠けた竜の子・g03342)は、現実の素晴らしさを再確認するために自分の頬をつねった。
 何人ものディアボロスがコンテストで好成績を収めたことでブロスはその後に行われるパーティに身内として参加することが出来た。惜しくも入賞までには至らなかった参加者も料理人として厨房に立つことが許されたため、立食形式の会場内は様々に工夫を凝らした料理で満たされている。
 ブロスがまず飛び付いたのはステーキとおにぎりのセットだった。手頃なサイズに分けられた料理を取皿いっぱいに盛り付け、頬が膨らむほどに詰め込んだ。
「なんだこれ、メチャクチャ美味いじゃないか。いや、これはぜってーデカイほうがいいって。なんで小さくしちゃったんだ」
 デカ盛りの魅力に理解を示すブロスは領主の意向で小さく纏まってしまったことを心から惜しんだ。
 続いて土瓶蒸しのティーポットを手に取る。カップに注いだスープを口に含んだ瞬間、溢れ出す旨味に自然と笑顔が広がった。
「お口に合うですか?」
 ちょうど料理を終えて大広間にやってきた葉切・松露(ハキリアリのきのこ農家・g03996)は、ポットの具材をつつくブロスを見つけて声をかけた。
「美味いなこれ。こう、なんて言うんだ? いろんな味が、あー、何だ。ねーちゃんならもっと上手いこと言えるんだけどなー」
 気の利いた言葉が思い浮かばずに頭をかきむしる。健気な姿に松露は笑い声を上げた。
「その気持ちだけで十分ですよ。ブロスみたいに喜んでもらえると料理人冥利に尽きるですね。今度は炊き込みご飯をご馳走するです」
 談笑しながら食事を進めていると、開催時間から大幅に遅れて領主が現れた。
 それまで料理に夢中になっていた一般人は我先にと領主の下に走る。フルーティアはコンテストの上位入賞者以外にはぞんざいな態度で、適当にあしらっていた。
「あれが領主様かぁ。へー、きれいなおばさんだな」
「本人の前では言葉に気をつけることだな」
 ブロスの何気ない一言に、背後に歩み寄ったテクトラム・ギベリオ(出所不明・g01318)が小声で忠告する。
 他のディアボロスと同じく入賞者の身内としてパーティに参加したテクトラムは、会場内でも記者としての印象づくりを忘れなかった。フリーの記者が取材に訪れていることはもはや会場内で公然の事実となっている。
「領主は腕の立つ料理人に対しては一定の敬意を払うが、それ以外の人間は道端の石ころほどにも思っていないようだ。おばさん、みたいな言葉が自分に向けられていると知れば、どんな反応を示すことか」
「褒めたつもりなんだけどなー。って、あー、そうだった」
 自分の使命を思い出したブロスは食べ掛けの鯖バーガーを取皿に戻す。
 すぐに思い直し、一息で食べ尽くした。
「さっそく領主にも取材を試みたいと思うんだが、松露、手伝ってもらえるか。上位入賞者のお前が居たほうが相手も油断するだろう」
「わかったです。おれから声をかけてみるですよ。ブロスは他の参加者のこと、頼んでいいですか?」
「任せてくれ! お、ようやく優勝者の料理だな! みんなで食べてみようぜ!」
 絶好のタイミングで運ばれてきたベラルーシ料理を指差し、一般人を入口に近いテーブルに誘導した。
 一人になった隙を狙って松露が歩み寄ると、フルーティアは笑顔を浮かべて応対した。
「さっきはおれの料理にお褒めの言葉をくださって、ありがとうです。しかもこんなに豪勢なパーティにまで招待していただいて」
「こちらこそ、貴方のような料理人に出会えて嬉しいわ。それで」
 隣に並ぶテクトラムに訝しげな視線を送る。
「私はフリーで記者をしている者です。まずは松露の料理に高い評価を与えてくださったお礼を言わせてください。友人として、彼の料理が認められたことはとても嬉しく、この素晴らしい機会を与えてくださった領主様には感謝の言葉もありません」
「彼の実力を正当に評価した結果よ。お礼を言われることではないわ」
「おお、さすがは麗しき領主様。市民の方々からお聞きした通りです。是非とも今回のコンテストを記事にしたいのですが、いくつか質問をお許しいただけるでしょうか」
 とにかく下手に、いかにも心酔しきっているように。念入りな取材で得た知見を元に、テクトラムは大げさな言葉と手振りで領主を称賛した。
「まあ、いいでしょう。今日はおめでたい席ですもの。主催者として入賞者の顔を立ててあげなくてはね」
「ありがとうですよ領主様。領主様のような方に認められて、おれは本当に幸せ者です」
 テクトラムに習い、松露も大げさに感謝を示した。
「まずお尋ねしたいのは、どうして料理コンテストを開催したのかです」
「あ、それ、おれも気になってたですよ」
 二人からの問い掛けに対し、飽きたからだと素知らぬ顔で答える。
「領主という立場に居ればどんな高級食材でも好きなだけ手に入るわ。一流の料理人もね。でも駄目ね。私を飽きさせない、本物は見つからなかった。私が求めているのはいつでも刺激を与えてくれる天性の料理人。今回の参加予定者の中にも見込みのある男が居たのだけれど」
 特別に目を掛けていた料理人はコンテストを放棄して出て行ってしまった。連れ立った女性も含めて、二度と包丁を握ることは無いだろうと断言した。
「その彼に代わる本物は見つかったのでしょうか」
「まだ何とも言えないわ。でもそうね、松露といったかしら。貴方にその気があるのなら、私が特別に召し上げてもよろしくてよ?」
「お、おれ、ですか?」
 突然の誘いに松露は言葉を詰まらせる。
「その気があるのなら、後で私の寝室にいらっしゃい。これからの話をしましょう。ゆっくりと、二人きりでね?」
「いや、そこまで高く買っていただいているとは。次に会うときには松露様と呼ぶべきかもしれないな」
 危険を感じたテクトラムは冗談めかした口調で松露に助け舟を出した。
 相次ぐ質問に領主の答えがだんだんとぶっきらぼうになる。疲れを見せたフルーティアは配下に客人の世話を任せて会場を出て行った。
 領主の姿が見えなくなった瞬間、松露は緊張の糸が切れたように大きく息を吐いた。
「生きた心地しなかったですよ。いつ怒り出さないかと気が気じゃなくて」
「ギリギリを狙ったからな。お前が一緒ならこれくらいは我慢するだろうという見込みがあってのことだ」
 テクトラムの目論見通り、領主は部屋で待っていることを言い含めて大広間からは遠く離れた寝室に戻って行った。
「後は迅速に、ですね」
「せっかく頂いた領主様からのお誘いだ。断るのは不敬というものだろう」
 すべての準備は整った。来るべき決戦を前に、ディアボロス達の緊張は自然と高まった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【セルフクラフト】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
【建物復元】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV5になった!
【能力値アップ】がLV2になった!

中々・時音
「これだけは言っておくアル。他に目的があったのは確かだけど、料理はアナタのために全力で作ったアル」
クロノヴェーダ全てを殺したいと思ってるけど、礼儀には礼儀を返すことを忘れたら人間でいられない気がするから……
はい難しいこと考えるの終わり!
誘惑に耐え続けるのは難しい自覚があるから、短期決戦でダメージを与えられるだけ与えて逃走します!

「えっちさとかわいさを両立してるのは反則アル! これでも食らえアル!」
殴る蹴るに衝撃波を混ぜた攻撃をしながら、破軍衝をぶつけるタイミングを探します

「当たったのに効いてない!?」
多分最初か序盤に戦うことになるので、戦闘系残留効果が少なしあんまり効いていないんじゃないかな


 他の仲間に先駆けて領主の待つ寝室に足を運んだ中々・時音(自称美貌の破軍拳士・g03098)は、閉ざされた白いドアを前にしばし逡巡する。
 クロノヴェーダはすべての人類の敵であり、必ず滅ぼさなければならない。そのことは痛いほど理解している。しかし実際に接した時音にとって、フルーティアは自分の料理を喜んで食べ評価してくれた相手でもあった。
 考えるほどに思考はマイナスに落ち込んでいく。礼儀には礼儀で返すことを忘れたら、人間ではいられないかも。話せばもしかして、分かりあえるなんてことも。
「難しいことはここまでアル!」
 弱気になりそうな気持ちを切り替えるため、痛みを感じるほど自分の頬を強く叩いた。
 これは人類の過去と未来を取り戻すための戦いだと自分を鼓舞し、勇猛果敢に寝室のドアを開いた。
 フルーティアは半裸の姿で天蓋付きのベッドに寝転んでいた。来客に対し笑顔を向けるが、誘いを向けた相手ではないことに気づいて驚きの表情が広がった。
「時音とかいったわね。貴方を招いた覚えはないのだけれど、まあいいわ。いらっしゃい」
 手を差し伸べるフルーティアには応えず、固く拳を握り締める。
「これだけは言っておくアル。他に目的があったのは確かだけど、料理はアナタのために全力で作ったアル」
 迷いを振り切るようにカーペットを蹴って飛び掛かる。投げ付けられたシーツで視界が覆われるのも構わずベッドに拳を突き立てるが、木材を砕く感触が残るのみだった。
「躾のなっていない山猫ね。でもそういうの、嫌いじゃないわよ」
 顔を鷲掴みにされた時音がマットレスに押し倒される。背中に突き刺さる木片の痛みに耐えながらも、絶えず手を出し続けて拘束から逃れた。
「これでも食らえアル!」
 フルーティアの手が離れたわずかな隙を狙って衝撃波を飛ばす。ほぼ同じタイミングで奏でられたフルートの音色が目の前で破裂した。
「ぐぐっ……ここまで、アルか……」
 痛みに身をよろけさせた時音がクロノヴェーダから背を向ける。肩から窓に体当たりして領主館の外に逃げ出した。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【エアライド】がLV3になった!
効果2【ガードアップ】がLV6になった!

テクトラム・ギベリオ
大詰めだな。私が本物の記者であれば領主の寝室訪問など、それこそ面白い記事が書けそうである…が、筆ではなく本職の鞭を振おう。

寝室へは「忍び足」で音なく近づき【鞭声粛粛】と攻撃を行う。
気付けの一撃だ、領主様。あなたの記事が執筆出来ず、とても残念に思う。

仲間が敵の動きを封じる際は「時間稼ぎ」の【リドルウェーブ】で加勢をする。
領主の寝室がどれほどの規模かわからないが【エアライド】で室内でも十分に戦えるだろう。

偽りの領主であったとは言え、一時的に活気が戻った「料理コンテスト」が無くなってしまうのは少し申し訳ない。
戦闘後もし住民と接触する機会があれば続けるよう勧めてみようか。

(アドリブ・連携歓迎)


葉切・松露
おれの料理、褒めてもらえて本当に嬉しかったですよ。
領主様がただのお客さんだったらって、何度も思ったです。
でも、なんででしょう、『虫の知らせ』ってやつでしょうか。
...あんたは敵だって、戦わないといけないんだって判るんだ。

持ってきたリュックを地面に落として、瞬時に拠点を構築。
そこから植物の蔓で編んだ網を投げたりして妨害する。
必要なら剣鉈を使って近接戦闘もやってみせるぞ。

(アレンジ、連携歓迎です。)


 窓ガラスの割れる音を聞き付けたテクトラム・ギベリオ(出所不明・g01318)は開け放たれたドアに忍び足で近づき、慎重に中を覗き込んだ。
 広い寝室内では白いガウンを羽織ったフルーティアが窓から外を見下ろしている。部屋は酷く荒れ、ベッドは真ん中から二つに砕かれていた。 
 事情を察したテクトラムは無防備な背中を狙い、あいさつ代わりの鞭を振るう。わずかに背筋を反らせたフルーティアが窓枠を支えに振り返った。
「おまえは、記者を名乗った」
「どうも、先ほどはお世話になりました」
 油断なく室内を見渡しながら寝室に足を踏み入れる。
「領主様が私の友人をどのように扱うおつもりなのか、記者として見届けないわけにはいかないでしょう?」
「礼儀知らずが紛れ込んでいると思ったら、そういうことなのね」
 ガウンから覗くきめ細やかな肌には拳大のアザが浮かび上がっている。そっと傷口に触れたフルーティアは笑みを浮かべながら自らの指先を舐めた。
「やり方が回りくどいわ。それも先に女をけしかけるなんてね」
「あなたの記事が執筆できず、とても残念に思う。領主の寝室訪問など願ってもない題材だったのだが」
 軽口には付き合わずに鞭を構える。領主も胸元からフルートを手に取った。
「ちょっと、待ってくださいですよ」
 背後からの声を聞き届けたテクトラムが視線を後ろにやる。ドアの前には、うつむき加減の葉切・松露(ハキリアリのきのこ農家・g03996)が立ち尽くしていた。
「無理をしなくても良かったんだぞ」
「自分だけ逃げるわけにはいかないです」
 顔を上げた松露は一歩踏み出し、テクトラムの横に立った。
「貴方も、そうなのね」
「おれの料理、褒めてもらえて本当に嬉しかったですよ。領主様がただのお客さんだったらって、何度も思ったです」
「なら、私の下にいらっしゃい」
 複雑な感情を吐露する松露にほほ笑みを浮かべながら手を差し伸べる。
「貴方が何者であっても構わない。これまで何をしてきたのかも問わない。今ここから、私とともに生きる未来を始めましょう?」
「おれ達は人の思いを背負ってここに立ってるです。一時の感情に流されるわけには行かないですよ」
 松露は甘美な誘いをきっぱりと拒絶した。
「それに、なんででしょう、虫の知らせってやつでしょうか。あんたは敵だって、戦わないといけないんだって、判るんだ」
 背中のリュックを床に下ろす。松露の足元から木々が伸び、クロノヴェーダと戦う防御拠点が形成された。
「その要塞で、私の音をどう防ぐつもりかしら」
 フルートから陰鬱な曲が奏でられる。不安を掻き立てる音色は振り切ったはずの罪悪感を掻き立て、握り締めた投網が手のひらからこぼれ落ちた。
「どう防ぐ、か。ではこれならどうだ」
 テクトラムの手により領主館の外から砂が呼び集められる。砂はクロノヴェーダにまとわりつき、天井にまで届く楼閣となった。
 物音すら遮断する砂の楼閣は、しかしパラドクスによる影響を緩和するまでには至らない。室内に鳴り響く妖艶なメロディによりテクトラムは抗い難い感情の奔流にのまれ、意識を失いかけた。
 楼閣が崩れ、閉じ込められた悪意が解き放たれる。
 防御拠点に向けて伸ばされた切り傷だらけの手を狙い、松露は剣鉈を突き出した。
「っつ、やってくれるわね」
 フルーティアが手を引いた隙に、二人は拠点を目隠しに寝室から離れた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【建物復元】がLV2になった!
【セルフクラフト】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV8になった!

ストロベリー・メイプルホイップ
1つ謝りたいことがあるの。
優勝候補の料理人さんを美味しく頂いてごめんなさい。
とっても美味しかったよ!
って言って【精神攻撃】するよ!

まず残留効果1の【泥濘の地】で相手の動きを封じるね!
私も【ダンス】には少し覚えがあるし、踊ったりするなら足は重要だよ。

【観察】【情報収集】で相手の動きを読んだら、電磁槍と拡張武装による光弾の【制圧射撃】で相手が誘惑しそうな動きをするのを阻害するね。
私も【誘惑】については自信があるし!

残留効果2の【能力値アップ】【先行率アップ】を適用。
そしたらラズベリーちゃんと一緒に電磁槍を構えて【交差の吐息】!
止めを想定したパラドクスだけど、必殺技を開幕ブッ放ってのも悪くないよね!


 再び手を伸ばしたフルーティアによって防御拠点は脆くも崩れ去った。
 残骸の奥にテクトラムと松露の姿はない。代わりに立ちはだかったのは、料理コンテストの参加者でありながら諸事情により途中棄権したドラゴニアンの女性、ストロベリー・メイプルホイップ(ドラゴニアンのレジスタンス諜報員・g01346)だった。
「おまえは……」
 見知った顔が現れたことにフルーティアは怒りをにじませる。憎々しげにストロベリーを睨み付ける表情に傲慢な本性がありありと現れていた。
 敵意の感情などまるで構わず、ストロベリーは親しげに手を振る。
「こんばんわ領主様。ご機嫌いかがかな?」
「よく私の前に顔を出せたものね。そんなに早死にしたかったのかしら」
「そう怖い顔しないでよ。そのことで謝りたくて来たんだから」
 含み笑いを漏らしたストロベリーは前屈みになって顔を近付ける。
「あの人を、優勝候補の料理人さんを頂いちゃってごめんなさい。貴方のお気に入り、とっても美味しかったよ!」
 通路に乾いた音が響く。フルーティアの平手をわざと避けなかったストロベリーは痛がるふりをしながら自分の頬を撫でた。
「そんなに怒らなくてもいいのに。でも領主様って言ってもやっぱり女なんだね。ちょっと安心したかな」
「いいわ。ちょうど欲求不満が溜まっていたところなの。おまえの身体で憂さ晴らしさせてもらおうかしら」
 フルートが唇に触れるのに合わせて、ストロベリーはメーラーデーモンのラズベリーちゃんを呼び出す。飛翔の残留効果を受けた二人は高々と通路を飛び上がった。
 聞く者の感覚を狂わせる魔曲が通路に響き渡る。快楽による支配に耐えながら光弾を放ち続けていると、曲と曲のつなぎ目でフルーティアの手が瞬間的に止まった。
「今だよラズベリーちゃん! これが私達の、一撃!」
 前後を挟むように飛び掛かった二人は飛翔の突進力を乗せて同時に電磁槍を繰り出す。
 どれほどのダメージを与えられたのか、確認を行うこともなく、サーヴァントを消して通路を飛び去っていった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!

白臼・早苗
……結局、コンテストとは別で潜入することになっちゃったけど、何とか淫魔討伐には間に合ったかな?

一曲披露してもらえるのなら、それにあわさせてもらおうかな
……曲に乗って攻撃してくるのなら、こっちも曲に乗っておけばタイミングは分かりやすいよね
それに、私の【心無き天使の羽】は、演奏の邪魔にはならないよ、……痛まないから
満足するまで、存分に演奏してみて。最後まで付き合ってあげる


 近付いてくるドラゴニアンの姿を認めた白臼・早苗(深潭のアムネジェ・g00188)は廊下の窓を外に向かって開いた。
 片目をつぶって外に飛び去っていくストロベリーを小さく手を振って見送る。ほとんど時間を置かずにフルーティアが追い付いてきた。
「ここから立ち去りなさい。部外者の立ち入りを認めた覚えはないわ」
 激情に駆られたフルーティアは初対面の早苗をディアボロスとは気づかず、相手をするのも面倒と言わんばかりに手で払い除けた。
「私も招待客よ。あなたとこうして顔を合わせる機会は無かったわね」
「パーティはお開きよ。見逃してあげるから私の目の前から消えなさい」
 料理コンテストに参加していない早苗への態度は一般の招待客に対するものと変わらず、ぞんざいにあしらって横を通り過ぎた。
「見逃してしまってもいいの? ハンスさんのことを教えたのは、私よ」
 すれ違いざまの言葉に、フルーティアは足を止めて振り返った。
「優勝候補って話だったから足を運んでみたのよ。ご丁寧に作り方まで教えてくれたわ」
「それが本当だとしたら残念な男ね。レシピまで安売りするなんて」
「あなたと見間違えたのかもしれないわね。例えそうだったとしても、夢うつつの中の出来事だから、許してあげてね?」
「いいわ。おまえの遺言として、その願いを聞いて上げるわ」
 フルートを手にした領主は情熱的な舞曲を奏でる。激しい曲調は音の爆弾となって早苗に襲い掛かった。
「素敵な曲ね。満足するまで、存分に演奏してみて。最後まで付き合ってあげるから」
 仕掛けを施した早苗はあえて敵の術中でリズムに乗る。最初は曲に合わせて上手くかわしていたが、爆発のタイミングは曲が佳境に入るほど複雑となり、避けるのが難しくなった。それでも積み重なったガードアップの残留効果が痛みを軽減し、致命傷を受けるまでには至らなかった。
 激しく脈動していた指先が突如として止まる。苦悶の表情を浮かべたフルーティアは歌口から唇を離して早苗を睨みつけた。
「演奏の邪魔はしないつもりだったけど、そろそろ効いてきたかな」
 演奏が始まった瞬間から密かに突き刺していた痛みを生じさせない特殊な針は、気づかないうちに体内の奥深くを蝕んでいた。
 相手が違和感から開放される前に、早苗は傷口をかばいながら大広間までの通路をひた走った。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【傀儡】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!

ブロス・ブラッドハート
へへ、すっげーパーティー開いてくれたことはありがとな!すっげー面白かったぜっ
でもおれの役目はおば――ねーちゃんを倒すことだからなっ。恨みっこなしでバトろーぜ!

我流の体術を仕掛けていくぜっ
誰かが気を引いてくれれば『不意打ち』だ。一撃をいれるか関節をきめたりして味方の攻撃の援護だっ
攻撃の後は死角に動いてっと!うまく『一撃離脱』してみるっ

高揚舞曲って綺麗な音色だな!足がむずむずしてくるぜ~
へへっ、最近やった音ゲーってのに似てるぜ。音が鳴った瞬間…リズムにのってホップステップジャンプだっ!音の弾丸を避けるように刻むぜ
攻撃受けたって前のめりに距離を詰めて…一撃でも叩き込むっ!

アドリブ・連携歓迎だ!


マリア・アルビオン
※連携、アドリブ歓迎

領主――フルーティアにとって、美食は新たな刺激を得るための手段に過ぎなかったと言うわけか。

「こんなにも美味しいものを食べて、まだ刺激が足りないだと? 信じられないな。味覚障害じゃないか?」(五世紀ブリテン舌の感想)

仲間と共に、領主の寝室に踏み込む。
寝室が広いようなら、その場で戦う。

高揚舞曲の弾丸を聖剣で弾きながら間合いを詰め、全力の一撃を見舞う。

広間からは遠く離れているようだが、もしも目撃者が出た場合は現の夢の効果で、夢と思い込んでもらおう。


 少し前まで盛大にパーティが行われていた大広間はすでに閑散としており、残っているのは同じテーブルを囲むマリア・アルビオン(記憶の継承者・g02657)とブロス・ブラッドハート(角欠けた竜の子・g03342)の二人だけだった。
 マリアは期待に胸を膨らませながら仲間の力作を口に運ぶ。どれも自身が最高品質と絶賛する、塩を振って焼いたステーキに勝るとも劣らない。珠玉の逸品に感動を覚え、あらん限りの言葉を尽くして絶賛した。
 語彙力に感心しきりのブロスは次々と料理を勧め、感想を求めた。見様見真似で言葉を並べてみるが、マリアとの違いに首をかしげるばかりだった。
 和やかな食事会は扉が開かれたことで終わりを告げる。領主を引き寄せる役目を担った早苗は見事にその役目を果たし、満身創痍の中で仲間に手を借りて大広間を離れた。
 ほとんど時間を置かずに領主が姿を現す。まだ平然としているものの全身には痛々しく傷を受けており、余裕の無さが感じ取れた。
「ようやく主役の登場か。こちらは好きに楽しませてもらっているぞ」
「どういうこと。他の連中は」
「先にお帰りいただいたよ。己の趣味を存分に楽しむためか? お仲間を従えていなかったことが仇となったな」
 普段はトループス級のクロノヴェーダが大勢配備されている領主館だが、この日は私的なパーティのため特にお気に入りの人間を給仕として働かせているのみだった。彼らは先に攻め込んだディアボロスが時間を稼いでいるあいだに現の夢の残留効果によって夢と思い込まされ、外に出されていた。
「それで残り物を漁っているなんて、みすぼらしいわね」
「私は不思議でならないよ。こんなに美味しいものを食べてまだ刺激が足りないだと? 贅沢も過ぎれば身を滅ぼす結果に陥りかねないと、同じ美食家として覚えておこう」
「思い上がりも大概にするのね。下賤な人間が私と肩を並べるなどと」
「いや、実際すげーんだぜ!」
 真っ向から否定するフルーティアにブロスが割って入る。
「料理の説明なんてカンドーしたもん、おれ。美食に関しちゃおば――領主のねーちゃんよりもすげーんじゃねーかな」
 忠告を思い出して呼び方を訂正したが、遅かった。度重なる挑発に気が立っていたフルーティアはブロスの悪気のない発言も煽りと受け取り、フルートを手に臨戦態勢に入った。
「おっと、もうやるのか? すっげーパーティを開いてくれたことはありがとな! でもバトるなら恨みっこなしだぜ!」
「そうだな、この会を催してくれたことに関しては感謝を述べよう。今日という日は私の価値観を変えてしまいかねないほど有意義な時間となった」
 聖剣アルビオンを手にしたマリアは敵の出方を見るため防御の構えを取る。次々と繰り出される音の爆弾を逸しながら、一歩ずつ敵との距離を詰めていく。
 序曲はまだ受けきることが出来た。だんだんと激しくなる曲調に合わせて威力も手数も多くなり、次第にさばき切れなくなっていく。
 背後に控えるブロスは心を高揚させる舞曲に自然に身体が反応し、肩でリズムを取りはじめる。もどかしそうに伸びを繰り返した後、抑えが利かなくなってマリアの前に躍り出た。
「悪いなねーちゃん! 先に行かせてもらうぜ!」
 狙いが分散されたことで音爆弾による弾幕も薄くなる。何度か爆発による衝撃を受けながらも、前のめりに距離を詰めて拳の届く範囲に入った。
「狙いはその、リズムを刻む足元! と、見せかけて!」
 地面に擦り付けるほど低く下ろした拳は命中する寸前で軌道を変え、腹部に到達する。強烈な拳が突き刺さったことでフルーティアの息が止まり、演奏が中断された。
 その隙を逃さず接近したマリアは聖剣を大上段に構える。
「聖剣よ、すべての邪悪を撃ち破れ! 星の灯はすべて人(ブレイブリー・アルビオン)!」
 振り下ろされた刃が敵の頭部に突き刺さる。傷口は真っ直ぐ下腹部にまで伸び、足元のカーペットを赤く染め上げた。
「ああ、なんてこと。この私を、こんなに、こんなに醜く」
 全身から血を吹き出したクロノヴェーダはそれでも倒れることはなく、二人に憎悪を向けながら執念でフルートを奏でる。
 再び音の爆弾が放たれる。二人はフルーティアから距離を取り、攻撃が止むまで防御と回避に徹した。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【傀儡】がLV2になった!
【託されし願い】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV4になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!

ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジ連携歓迎

貴方の統治は犠牲になる者以外には悪くなかったんだろう
貴方が居なくなって起きる混乱もあるだろう
それを否定する気は毛頭ない
けど犠牲になる側からすれば堪ったもんじゃないし騎士として其れは看過できないさ
家の領民の末裔も巻き込まれうるとしたら尚更に、な!

我が名はルィツァーリ・ペルーンスィン!
キエフが大公閣下に仕えし士族にして騎士たらんと目指す者

我が家名に抱きし雷神ペルーンの御名において魔を祓う雷と化さん!


最初は無双馬に「騎乗」し戦闘
他にも敵がいると誤認させる様に「誘導弾」で攻撃しながら「撹乱」
他に意識を向けさせてる隙に馬上槍を構え「突撃」
其の侭の勢いで剣でパラドクスを叩き込む


 騒ぎを聞き付けたルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)は安全のため調理場に避難させている一般人に大人しくしているよう言い含めて大広間に向かった。
 パーティ会場はテーブルがひっくり返り食器が散乱するなど激戦の爪痕が深く刻まれている。敵の攻撃を受けきったマリアとブロスは疲労困憊の状態でクロノヴェーダと対峙していた。
「またお目にかかれましたね、領主様」
 二人より一歩前に出たルィツァーリがうやうやしく頭を下げる。コンテストの優勝者が顔を見せたことでフルーティアの表情がわずかに緩んが、すぐに顔を引き締めて視線を返した。
「あなたも、こいつらの仲間なのね」
「騙すような真似をしたことはお詫び致します。非難も甘んじて受け入れましょう」
 謝罪を口にしながらもルィツァーリの目に迷いは無かった。騎士として、倒すべき巨悪を真っ直ぐに見据える。
「民衆から伝え聞く貴方の風評は絶賛するものばかりだった。貴方の統治は、犠牲になる者以外には悪くなかったんだろう」
 歴史改変の影響とはいえ、オーストリアの民衆は領主に憧れ、その統治を喜んでいた。領主が変わることで起きる混乱と喪失をルィツァーリは懸念していた。
「けど、犠牲になる側からすれば堪ったもんじゃない。騎士として其れは看過できないさ。領民の末裔も巻き込まれうるとしたら尚更に、な!」
 サーヴァントを呼び出したルィツァーリは馬上槍を手にスヴェルカーニエの背に跨がる。
「我が名はルィツァーリ・ペルーンスィン! キエフが大公閣下に仕えし士族にして騎士たらんと目指す者! 我が家名に抱きし雷神ペルーンの御名において魔を祓う雷と化さん!」
 名乗りを上げて無双馬を走らせる。苦痛に顔を歪ませるフルーティアは震える手でフルートを握り、精神を刺激する魔曲を奏でた。
 仲間の援護により曲は佳境に入る前に中断する。迷いの無い突撃がクロノヴェーダに突き刺さり、腹部に風穴を開けた。
 楽器を手放したフルーティアは力を失って倒れ込む。血塗れの手を天に持ち上げ、ふっと笑みをこぼして息絶えた。
「貴方から受けた栄誉、生涯忘れることはありません」
 迅速に事を成したディアボロス達は、戦いの余韻に浸る暇もなくパラドクストレインに乗って新宿島に帰還した。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【避難勧告】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2021年09月16日

オーストリアの淫魔の街

 芸術を悪用しオーストリアの街を惑わして支配している淫魔が確認されました。
 淫魔は、街の人々を音楽で洗脳し、悪徳と退廃の街にし、エネルギーを吸い上げているようです。
 街を支配する淫魔を撃退し、人々を正気に戻してあげてください。
 街を退廃させた淫魔は、音楽や芸術で人々を争わせ、その上位者を城に招いて、自らの配下に加えようとしています。
 この習性、利用する事が出来れば、街を支配する淫魔を暗殺して街を解放することが出来るでしょう。

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#断頭革命グランダルメ
🔒
#オーストリアの淫魔の街
🔒
#1802年


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選択肢『クロノヴェーダとの対話』のルール

 事件の首魁であるアヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と会話を行います(状況によっては、トループス級(👾)との会話も可能です)。
 戦闘を行わず会話に専念する事になりますが、必要な情報が得られるなど、後の行動が有利になる場合があります。
 問答無用で戦闘を行う場合は、この選択肢を無視しても問題ありません。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『👿または👾で出現する敵との会話に専念する。戦闘行動は行わない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『コンテストへの参加』のルール

 街などで開かれる様々なコンテストに、一般人のふりをして参加します。
 コンテストに参加して、目的の順位を取ったり、参加者と接触する事で、敵クロノヴェーダの拠点に招かれたり、或いは、表彰の場で接触する事ができるようになります。
 コンテストの内容や、コンテストに参加する目的については、オープニングやリプレイの内容を確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【🔑】この選択肢の🔵が👑に達しない限り、マスターは👿のリプレイを執筆できない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『街に潜入して情報を得る』のルール

 街に潜入して必要な情報を得ます。
 情報は必ずしも必要ではありませんが、情報がある事で、後の行動の成功率が大きく上昇する場合があります。
 潜入する街の情報や、必要とする情報の種類、情報を得る為のヒントなどは、オープニング及びリプレイを参照してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との決戦『フルーティア』のルール

 事件の首魁である、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破する事で、この事件を成功で完結させ、クロノヴェーダの作戦を阻止する事が可能です。
 敵指揮官を撃破した時点で、撃破していないクロノヴェーダは撤退してしまいます。
 また、救出対象などが設定されている場合も、シナリオ成功時までに救出している必要があるので、注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、敵を倒し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「シメオン・グランツ」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。