リプレイ
クロエ・アルニティコス
これは仮の話ですが。
仮に亜人が水中に布陣していなければ、多少距離があったところでキプロス島まで問題なく到達できたでしょう。
亜人は水中にも布陣しており、それができないということが判明した。
それだけでも今回の偵察は価値のあるものです。
いずれ大規模な戦いがある時には海中戦力にも注意を向ける必要があると分かったのですから。
後はいつものように、亜人たちを殺しましょう。
パラドクストレインで現地に到着後【水中適応】を使用。魚や景色を眺めつつ海を泳いで渡ります。
死海の底を歩くことはありましたが、こうして泳いで目的地へと行くのは初めてですね。
亜人どもが此の世にいなければもっと快い気分で旅ができるのですが。
エイレーネ・エピケフィシア
初めてイルカの亜人を目にした時に覚悟はしていましたが……亜人共の海軍も侮れないようですね
彼らの実力のほど、此度の遠征で見定めるとしましょう
いつか、地中海の彼方にある故郷アテナイを解放するためにも!
防水鞄や密閉可能な箱などから、排斥力が許す範囲で持ち込めるものを持参
水や食料を詰め込んだ上で水中の行軍と参りましょう
【水中適応】【イルカ変身】があれば使用
わたしは【完全視界】を持ちこみ、陽光に依存しない視野を確保します
交戦が目的とはいえ、不利な状況で包囲されることは避けたいです
周囲の魚群の様子や地形の起伏に注意し、敵の兆候や痕跡を見逃さぬように
飲食や一時休止は安全を確保した上で実施
堅実に進軍しましょう
ヴィオレット・ノール
この時期の地中海って水温どのくらいだろう。
比較的温暖な海ではあるはずだけれど、長時間水に浸かっていれば体温は奪われる。
一応【寒冷適応】を使っておくよ。
【水中適応】があれば、是非力を借りたいな。
300kmは確かに泳ぐには遠い……いや、ディアボロスなら泳ぎきれるのかな。
尤もそれは敵がいなければの話で、現実問題敵は守りを固めている訳で。
うーん、何事も容易にとはいかないものだね。
まあ、難しい話はひとまず置いておくとして。
今は海中探索を楽しむのも良いかもね?
気候に恵まれやすいはずだし、晴れていれば水面が綺麗に見えるんじゃないかな。
ゆったりと背泳ぎでもして、光の芸術を堪能するのも悪くない。
●紀元前320年――カナンの地・ガザ、地中海に面した海岸
さざ波の音が聞こえる。海に面したこの地の気温は20℃を少し超えたくらい……新宿島の春と然程変わらぬ過ごしやすい気候が、トレインより下車したディアボロス達を迎える。
「この時期の地中海って水温どのくらいだろう……」
ヴィオレット・ノール(北の菫・g09347)はどこまでも広がる海を見つめてそうぽつりと呟いた。波打ち際に近付いて、そっと波飛沫に手を差し入れる。比較的温暖な海ではある筈だが、やはりそれなりに冷たさは感じる。少なくとも夏の海より水温は低いと思われる。
「どのみち長時間水に浸かっていれば体温は奪われるしね。一応、寒冷適応を用意して来たから使っておくよ」
「ええ、有り難く使わせて頂きます」
そう答えたのはエイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)。彼女は持参してきた防水鞄などバックパックの中身となる品々を改めて確認していた。水や食料など、長距離を進むにあたり欠かせない補給物資だ。
「どのくらいの距離を行く事になるか知れませんし」
エイレーネはそう告げながらも海を見やるも、その向こうに浮かんでいるであろう島すら見えぬ様だ。
「キプロス島まで此処から300kmは、確かに泳ぐには遠い……いや、ディアボロスなら泳ぎきれるのかな」
「これは仮の話ですが」
ヴィオレットが首を傾げた所でクロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は支度をしながら考えを告げる。
「仮に亜人が水中に布陣していなければ、多少距離があったところでキプロス島まで問題なく到達できたでしょう」
そう、泳ぐだけならば超人的な能力とパラドクスを有するディアボロスであれば可能なのだろう。尤もそれは敵がいなければの話だ。現実問題、敵は守りを固めていると考えると……。
「うーん、何事も容易にとはいかないものだね」
「亜人は水中にも布陣しており、それができないということが判明した。それだけでも今回の偵察は価値のあるものです」
クロエはあくまで冷静に分析した事を口にする。今回の提案があったからこそ威力偵察のトレインが現れ、海に亜人達――セレウコスの海軍が配置されていると予知で解った事が既に大きな情報なのだと。
「初めてイルカの亜人を目にした時に覚悟はしていましたが……亜人共の海軍も侮れないようですね」
以前に対峙した亜人の一種を思い出し、エイレーネは頷いた。明らかに水中特化した形状の亜人がいるのであれば、適材適所の布陣も充分有り得る話だ。前回は陸戦だったが、もし奴等が海で戦うなら――?
「彼らの実力のほど、此度の遠征で見定めるとしましょう」
「ええ、いずれ大規模な戦いがある時には海中戦力にも目を向ける必要があると分かったのですから」
後は……とクロエは言いかけてそこで言葉を止める。――いつものように、亜人たちを殺しましょう――。と血生臭い言葉を口にするのは奴等を見つけてからで良い。目の前に広がる美しい海に、今は相応しく無いだろう。
「まあ、難しい話はひとまず置いておくとして」
ヴィオレットはやる気満々の女性陣達に緩く声をかけてキラキラと輝く海面に目を向けた。
「今は海中探索を楽しむのも良いかもね?」
幸い気候に恵まれた。この晴れやかな空の下、悪しきクロノヴェーダに支配されているとは思えぬ綺麗な空と海が目の前に広がっているのだから。
水中適応の恩恵はディアボロス達の水中機動に大きく寄与する。いくら潜っても水圧は邪魔にならず、息継ぎの為に水面に顔を出す必要も無い。
エイレーネが用いた完全視界の効果で陽光の届かぬ深度に至っても充分水底が見える。魚群の様子や地形の起伏を注意して観察し、敵の兆候や痕跡を消して見逃さぬ様にと彼女は目を凝らす。
「いつか、地中海の彼方にある故郷アテナイを解放するためにも……!」
彼女が見据えているものは、キプロスの遙か先……バルカン半島はアテナイ。まだ見えぬ故郷の為に彼女は緊迫感を忘れず進む。
「気を張りすぎて疲れない様に、ね?」
そう告げるヴィオレットはと言うとゆったり背泳ぎ。逆に緊張感がなさ過ぎる様にも見えるが、まだこの辺りは敵の海域より程遠い。なれば折角の地中海だ、光の芸術を堪能するのも悪くない。
「亜人どもが此の世にいなければもっと快い気分で旅ができるのですが」
クロエは軽く溜息一つ、水中で零しながら海を泳ぐ。魚が群れを成し、キラキラと銀色の鱗を輝かせながら泳ぐその姿は思いの外に幻想的で。海底も様々な生き物や海藻が不思議な形や色を見せて美しい。
「死海の底を歩くことはありましたが、こうして泳いで目的地へと行くのは初めてですね」
魚一匹藻草一本生えてなかったあの湖と違い、命に溢れている。だが……この美しき世界もあの醜悪な連中に支配されているのだと思えば尚更腹が立ってきた。
途中途中、安全を確認して休憩を挟みつつディアボロス達は進む。まず堅実に――確実な進軍を。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水中適応】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【寒冷適応】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
凍雲・雪那
ん。
水中適応……ぶっつけ本番は怖いから、新宿島で何度か試してきたけど。
それでも、海中で息が出来るの、不思議な感じ。
あ、寒冷適応とか、完全視界。
その辺りの、良さそうな効果あったら、力をお借りします。
えっと、戦うのが目的だから、隠密とか、気にしなくていいんだよね。
その点は、少し気楽かな。
ね、ルリムく、ん……
うわ。好きに泳いでいいって、言ったけどさ。
いつにも増して、自由過ぎない?
流石、ダンジョンペンギン……
観察は密に。
周りの地形、海流の有無、生物の分布……
何がクロノヴェーダに繋がっても、可笑しく無い。
でも、あんまり気を張り過ぎても、疲れちゃうから。
景色を楽しみながら、焦らずゆっくり、ね。
ハーリス・アルアビド
今回は威力偵察で隠れる必要がないとは言え、敵にいち早く発見されることは望ましくありません。【動物の友】で水中にいる生き物たちに協力を頼みましょう。
私達以外の武装した者や一定の範囲内を泳ぎ回っている者がいれば教えてもらえるようお願いします。
皆さんの【水中適応】なども使わせていただき、いつでも水中戦に挑めるよう周囲を警戒しながら進みましょう。動物の友で協力して頂いた生き物たちにもこまめに連絡を取り合って頂きます。
余裕があれば生き物たちから周辺に敵が拠点にできそうな水中洞窟や設備らしき物がないかも調べてみたいですね。
●紀元前320年――地中海、ガザ沖海上
「ん。水中適応……ぶっつけ本番は怖いから、新宿島で何度か試してきたけど」
凍雲・雪那(報仇雪恨の■■姫・g07783)は海水に身を沈めながら周囲を軽くくるりと見回し、何度か瞬きしてみた。ゴーグル無しでも目が痛くなる事が無いし、海中でこうして息が出来る。
「……不思議な感じ」
仲間達の用いた寒冷適応や完全視界による効果で、水に体温を奪われる事も無ければ水底が見えないなんて事も無い。地上にいるのと殆ど変わらないのが実感だった。
「えっと、戦うのが目的だから、隠密とか、気にしなくていいんだよね」
「まぁそうですけど……」
ハーリス・アルアビド(褪せる事を知らない愛・g04026)は呑気な雪那の様子に軽く驚きつつも小さく頷いた。
「今回は威力偵察で隠れる必要は無い……とはいえ、敵にいち早く発見される事は望ましくありませんが」
「じゃあ、それだけ気を付ければ、少しは気楽かな。ね、ルリムく、ん……?」
雪那が振り向いた先にいる筈のものが、いない。
「え、ちょっと、迷子?」
慌てて周囲を探す雪那。ハーリスも周囲を見回し、何やら見つけて指で示した先。
「あちらでは?」
「うわ」
そこには岩陰のウツボと睨めっこして互いに牽制し合っているダンジョンペンギンの図。
「好きに泳いでいいって、言ったけどさ。いつにも増して、自由過ぎない?」
流石はダンジョンペンギン……とルリム君の元に行き、抱えて連れ戻す。のんびり寄り道する程お気楽でもいられない。
「ところで少々お伺いしたいのですが」
動物の友を用いたハーリスがペンギンとの睨み合いを終えたウツボに声をかける。
「私達以外に、こうして武装した者や泳ぎ回っている者など見かけませんでしたか?」
するとしばし固まっていたウツボがクイッと首を北の方に向ける。
「なんて、言ってるの?」
「向こうに行く程に魚じゃ無い者が時折いる、みたいな事を仰ってますね」
周りを泳ぐ魚達にも情報提供をお願いしておくハーリス。敵らしき怪しい存在がいたら教えて欲しい、と。こまめに連絡を取り合って知らせて貰えば、彼らがある意味斥候の代わりになる……かも知れない。
「伝達が上手く行けば、の話ですがね」
無論、自分自身での警戒は怠らない。海の生物達の情報で少しでも警戒の幅が広がれば御の字だ。
「周りの地形、海流の有無、生物の分布……何がクロノヴェーダに繋がっても、可笑しく無いし、ね」
雪那もルリムと共に周囲を密に観察しながら泳ぎ進む。とは言えあんまり気を張りすぎても疲れてしまうのは解っている。だから相棒のペンギンに目配せ一つ。
「景色を楽しみながら、焦らずゆっくり、ね」
「ぎゅいっ」
良い返事一つ。雪那とルリムのやりとりにほっこりしつつ、ハーリスもまた近くを泳ぐ大きな魚に問うて見る。
「この辺り、水中洞窟や設備のようなものはありませんか? 水棲亜人が拠点に出来そうな……」
だが彼らの返事はNO、もしくは知らない解らない。
「敵の勢力圏がまだ先なのか、海域には拠点を設けていないのか、そもそも作る手立てや思考が無いのか……」
いずれにせよ、敵との遭遇にはまだかかりそうで。振り向けばガザの海岸は遠く、そろそろ見えなくなりつつある。数十キロは進んだか……地図の上で行けば、敵領海は近付きつつあった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水中適応】がLV2になった!
【動物の友】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
一・百
【百夜】
また海…泳ぐの多いよな…
泳げないので微妙な反応を見せつつも
シャムスの様子に心配そうに覗き込む
ゴーグルつけて水中適応を借り完全視界を使いながら
シャムスと手を繋ぎ頑張って泳ぐ
外に出たことないし…砂漠だったから、本当に泳ぐ機会がなくて…
…怖くないよ。頼りにしてますからと微笑む
イスカンダル最初の海は死海だったしな…
こっちの海は魚とか居るようだなと楽しみながら
動く魚にはハンターの目を向け目で追い
何かキラキラ動いているのが気になって…と苦笑
顔見知りの姿を見つければ照れくさそうに手を振り挨拶
敵に先に見つからないよう周囲警戒しつつ進み
ナディアに大きな魚が来たと言われれば、ビクリとシャムスにしがみつく
ナディア・ベズヴィルド
今までで最高に長い海の旅になりそう
同行する仲間と協力し合っていざ海の中へ
仲間の残留効果【水中適応】【完全視界】【寒冷適応】を使用させて頂きます
水中ゴーグルもあれば完璧ですよね!ばっちり
会話はパラドクス通信で行う
透き通る海の中
キプロスから遠いうちは良いけど近くなれば警戒を強めて、夜は交代で見張りなどを
移動中に海中での戦闘時を想定した動きの練習をしたりし乍ら海底付近を泳ぎ行く
敵影を発見したらすぐに皆に伝えるわ
やっぱり海だから海の敵よね
どんな奴らが出てくるかしら、楽しみ
知り合いの黒狐(百)さんが泳いでいたら
「後ろから大きな魚が来たわよ、食べられないように」と冗談を。
ふふ、ごめんなさいね、つい可愛くて
シャムス・ライラ
【百夜】
百と一緒に海へ
海中に潜るのは初めてではないけれど
感じる懐かしさ
「この海」は…
百に微笑み
不安そうにしている彼と手を繋ごう
綺麗だね…
波に百のしっぽもゆらゆら
一緒なら怖くない?
ウェットスーツにゴーグルで海の中を移動しやすく
水や簡易食も念のため持参
ありがたく水中適応、完全視界、寒冷適応、パラドクス通信も使わせてもらう
その他有効そうな残留効果は使用
死海は浮き上がるのに気を使ったけれど
今度は魚もきっといる
動物の友で魚達に海の様子を聞いてみようか
…もしかして、お魚食べたいの?
敵については未来予測も駆使し
仲間とも連絡を取り合い
警戒を怠らない
ナディア殿、あまり百を怖がらせないで…
アドリブ等歓迎
ちゃぷん、ちゃぷんと。海面近くに顔を出せば、水が跳ねる音が涼しく聞こえてくる。
「また海……泳ぐの多いよな……」
一・百(気まぐれな狐・g04201)は何とも微妙な表情を浮かべながらその身を海中に沈めていた。何かとあちこちの調査で海を進むのが多いのは気のせいではあるまい。
「……」
ちらりとゴーグル越しに百は隣を泳ぐシャムス・ライラ(極夜・g04075)の方を見つめた。ウェットスーツにゴーグル姿の彼はこうして海に潜るのは初めてでは無い筈だ。なのに何故か……普段と様子が違って見えた。
「『この海』は……」
シャムスは懐かしさに似た感覚を認識する。失われた己の過去や記憶と関係があるのだろうか。そうしていると、百が自分の顔を覗きこんできた事で我に返った。
「……ああ、すまない」
「ねぇ、手繋いで良い?」
互いに伸ばした手を繋いで。不安そうな顔した百にシャムスは微笑み向けた。
「綺麗だね……」
彼の尻尾が波にゆらゆらと揺れるのがまた愛おしく思え。そこで独白しながら相手の握る手が強くなる。
「外に出たことないし……砂漠だったから、本当に泳ぐ機会がなくて……」
「一緒なら――怖くない?」
「……怖くないよ。頼りにしてます、から」
百は首を横に振ると微笑みを返した。
「――今までで最高に長い海の旅になりそう、ね」
ナディア・ベズヴィルド(黄昏のグランデヴィナ・g00246)はそんな彼らの後ろでゆったり泳ぎながら、声をかけるかかけまいかと様子を窺っていた。そして、ふと芽生えるは悪戯心。
(「後ろから大きな魚が来たわよ、食べられないように」)
パラドクス通信を用い、ナディアは百に向けてこそっと囁いてみると。
「~~~
!!??」
びくっと尻尾を大きく膨らませて百はシャムスに思い切りしがみついた。その驚き様に仕掛けたナディアは思わず笑いが止まらない。
「っふふ、あはは、冗談よ」
「ナディア殿、あまり百を怖がらせないで……」
「ふふ、ごめんなさいね、つい可愛くて」
シャムスの苦言にナディアが謝れば、百もようやく彼女がいた事に気が付いて照れ臭そうに手を振って挨拶交わし。
そろそろセレウコスの領海に侵入する頃だろうか。三人は他のディアボロス達と共に慎重に海面や水中を泳ぎ、先へ先へと進んで行く。
透き通る海の中。ナディアは豊満な肢体を滑らかにくゆらせながら、戦いを想定した動きの練習をしつつ海底付近に身を沈めて進む。キプロスから遠いうちはともかく、近付けば敵の出現可能性も高まると彼女は思ってるが故。
(「敵影を見つけたらすぐに連絡するわね」)
(「ああ、お願いする」)
海底付近と海上付近であってもパラドクス通信の範囲内にあれば自由に意思疎通は出来る。
「イスカンダル最初の海は死海だったしな……」
百はそんな事を思い返しながら泳ぎ進む。もっともあそこは湖であって、しかも特殊な水域であった。
「死海は塩分が強すぎて身が浮き上がるから気を遣ったけど」
シャムスは周囲を見渡す。今回は命有る海。完全視界で良く見渡せる、魚達が多く泳ぐその光景が、陽光照らす海の青さと相まって美しく幻想的ですら有る。だが百には動き回る魚がどうにも気になって仕方が無い。その目線はハンターの如く。思わず手を伸ばして飛びかかりそうでもあった。
「……もしかして、お魚食べたいの?」
シャムスの言葉にハッとして、百は恥ずかしさを誤魔化す様に目を逸らした。キラキラが気になっただけ、なんて苦笑いを浮かべながら。
――すると突然。魚達の動きが明らかに変化した。まるで、何かから逃げるかの様に。
「何が、あった?」
シャムスは動物の友ですれ違いざまに逃げて行く魚に問う。帰ってきた返事は一つ。
『――来る』
と。
「来るって……敵よね、ここは」
ナディアは待ってましたとばかりに笑みを浮かべながら身構えた。やはり海だから海の敵なのだろう。
「どんな奴らが出てくるかしら、楽しみ」
パラドクス通信で仲間全員に敵の接近を知らせ、全員が襲撃に備えた所で――見えた。
『キュイキュイ!』
『キュイィッ、なんか見慣れないのがいるぞ!?』
『すぐにお頭に知らせろ!!』
ドルフィンマン。イルカの頭と筋肉質な身体が実に不釣り合いながら、どう見ても海に特化したその亜人達の群れがディアボロス達の前に現れたのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【完全視界】がLV2になった!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【未来予測】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【ダブル】がLV2になった!
ハーリス・アルアビド
発見されたようですね。では始めましょう。お頭とやらがどの程度で到着するか、時間を逆算すれば拠点までの距離も推測できます。
敵の戦法、能力、を確かめるためにも、パラドクス通信で味方と常に状況を観察し互いの連携にも利用します。
情報を持ち帰るためにもこちらに被害が出てはいけません。利用できる残留効果は全て利用し、優位に進めましょう。
砂漠の神にして嵐の神セトよ、お力添えを。衝撃波によって巻き起こる砂嵐は水中に置いては渦潮となり、敵を引き裂くでしょう。
如何に巧みに泳げたとしても、渦潮に切り裂かれる事は避けられません。
耐久力と危機に陥った際の判断も見ておきたいですね。
ヴィオレット・ノール
この場ですべて殺しきれないのは非常に不愉快極まるが、今回は威力偵察。
亜人共の水中戦力の練度を見極めるのが目的だ。
倒せるだけを倒し、深追いは厳禁、だよね。……わかっているよ。
予知によれば水中戦の技能を活かしたパラドクスは確認されていない……けれど。
わざわざ海中に配備されている部隊だ。
攻撃に関わる技能とは別に、高い水準で水中戦を身に着けている可能性は大いにある、かな。
純粋な戦闘力とは別に、そのあたりも観察しておきたい。
出来れば接近して『殴打』を繰り出したいけれど、敵の陣形や力量差などから危険があるなら身を守ることを優先するよ。
その場合のパラドクス使用は牽制程度に留めて離脱の準備を進めようか。
クロエ・アルニティコス
部隊の頭を呼んでくれるのであれば分かりやすい。
一帯にいるのがその亜人が率いる部隊なのでしょう。
今回の目標としては十分です。
【ケートス・サジタリア】を使用し、オモダカの種を急成長させ、ケートスを象った怪物を作り出します。
ケートスの巨体を活かした突進で攻撃……すると見せて、ドルフィンマンが固めるファランクスの周囲を泳ぎ回るように回遊。
他の復讐者とタイミングを合わせ、ファランクスの弱点である側面や背面、水中戦ということを活かし頭上や足元などから突進、敵集団を蹂躙します。
やはり私には亜人と会話をするのは難しいですね。
この気に障る鳴き声を聞くと、殺したくて仕方がなくなります。
エイレーネ・エピケフィシア
以前に見たイルカの亜人は、陸上や泳ぐには過酷すぎる死海に配備されていました
ですが今回は海戦……彼らも本領を発揮するはず
心して参りましょう
水中での敵の速度に対応する小とが重要と考えます
【水中適応】を発動して泳ぎ回り、三次元的に移動
敵の頭上・直下・側面・背後のいずれかを取ってから【駆け抜ける激情の槍】で猛追し仕掛けます
《神護の長槍》を全力で突き出し、狙うは体内を深々と穿つ貫通撃!
包囲されないよう一撃離脱を心がけ
反撃は掴み攻撃を槍で牽制しつつ、敵の槍は《神護の輝盾》で受け止めます
戦いを通じて、敵集団の規模や増援のやって来る方角、練度等を確認
また可能なら船を使用している形跡があるかも見ておきたいです
「……発見されたようですね」
ハーリス・アルアビド(褪せる事を知らない愛・g04026)はその瞳に敵の姿を映し、ぽつりと呟いて金色の爪を身に着けながら仲間達に視線を軽く向けた。
「部隊の頭を呼んでくれるのであれば分かりやすい。この一帯にいるのが、その亜人の率いる部隊なのでしょう」
クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は小さく笑む。今回の目標としては充分だ。
「この場ですべて殺しきれないのは非常に不愉快極まるが――」
今回は威力偵察。亜人共の水中戦力の練度を見極める事が目的。ヴィオレット・ノール(北の菫・g09347)が柔和な顔立ちに浮かべるは殺意。それを察したエイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)はそっと声をかけた。
「……ヴィオレットさん」
「ああ……倒せるだけを倒し、深追いは厳禁、だよね……わかっているよ」
本当は目に付く亜人全部、皆殺しに処してやりたい所だが。その気持ちはぐっと抑えて。尤もそれは、クロエもエイレーネも同様ではあったのだが。
「以前見たイルカの亜人は、陸上や泳ぐには過酷すぎる死海に配備されていました。ですが、今回は海戦――」
本来イルカとは海の生き物。その姿を有した亜人とあれば、本領を発揮する事だろうとエイレーネは気を引き締める。
「心して――参りましょう」
「ええ、では始めましょう」
ハーリスもまた身構え、そして頭とやらを呼ぶ為に音に鳴らぬ声を上げるドルフィンマンに目をやった。それがどの程度で到着するか――もし拠点があるなら、来るまでの時間で距離も推測出来ると読んでいたから。
(「予知によれば――」)
ヴィオレットは先に聞いていたドルフィンマン達のパラドクスについて考察していた。彼らは特に水中戦の技能を活かした技を用いる訳では無いのだと。しかしわざわざ海中に配備されている部隊である事を考慮すれば、高い水準で水中戦を身に着けている可能性は大いにあるだろう。
『キュイィィィィィィィ!!』
観察の為に距離を置き、敵の攻撃をまずは許す。鳴き声が耳障りだが直にその声は潰すから今は堪えよう。
亜人は手にしたランスの石突きを殴る事で力づくの射出を放つ。二本のランスは水中すら切り裂きながらヴィオレットの元に到達する。
「……ッ」
身を捩る。掠ったランスの穂先が身を掠める。ディアボロスにとって水中適応の中では地上で戦うのと大差は無い。向こうはどうか。少なくとも動きに水圧の影響はあれど、パラドクスそのものが影響を受ける事は無さそうだ。
恐るるに足らず。ヴィオレットは瞬時に判断し、地面を蹴る代わりに水を蹴る。手にした杖を思い切り振りかぶる。遠慮はどうやら無用。こいつらの上司がどうか知らないが、雑魚は所詮雑魚。
「よいしょっ……とぉ」
喰らわす殴打(スタニングロッド)はいつもどおり。力尽くの打撃はパラドクスの域なれば、円らな瞳の亜人の頭蓋を陸地と変わらぬ動きにて粉砕するに至る。
無論これは反撃に過ぎない。視界に過った亜人を認め、ヴィオレットは容赦無くもう一体の頭を潰し飛ばした。
『キュキュキュキュッ!』
『こいつら、ディアボロスか
……!?』
数体のドルフィンマンが集まり陣形を組む。守りを固めた上で反撃しようと言うのか。
「種子に宿るは我が憤慨、芽吹け――」
ケートス・サジタリア――クロエは手にした種に魔力と憤慨の情を注ぐ。急成長したオモダカの茎葉は見る見るうちに巨大な怪物――現代ではくじら座にその姿を残す――ギリシャ神話の怪物「ケートス」へと変化していく。
『キュキュ、構えーっ!』
巨体による突進に対し、敵もまた防御固めて槍を突き出す。
が、不意にケートスは身を翻し、軽快な泳ぎでファランクス陣形の背面に回り込んだのだ。
「真正面からぶつかり合うなんて事はしませんよ」
水中戦である事を活かさぬ手は無い。このケートスは特に水中での戦闘に長けているのだ。
『う、後ろだ』
『キュキュッ!?』
あたふたするその声にクロエはつい顔を顰める。やはりこの亜人の鳴き声は気に障る。ああ、殺したくて仕方が無い。
(「やはり私には亜人と会話をするのは難しいですね」)
そもそもこいつらに何か尋ねたとて答えは期待出来そうに見えない。距離を無視して飛んでくる槍の攻撃もかすり傷程度。喚ばれてくる頭目は少しは頭が回るだろうか、骨が有るだろうか。
「蹂躙を」
奴等亜人がこの時代の人々に、自分達にした様に……! ケートスはクロエの思うままに縦横無尽に自在に水中を泳ぐ。亜人の守り、その陣形の弱点たる背面や側面目掛けて突進し、蹴散らし喰らい付き海の藻屑へと変えていく。
「水中での敵の速度への対応は、水中適応がやはり有効と言う事でしょうか」
エイレーネは戦友達の戦いぶりを見ながらも三次元的な移動を念頭に亜人達の周囲を泳ぎ回る。水圧による動きの阻害が残留効果を持たないクロノヴェーダには見られるものの。パラドクスによる攻撃そのものはやはり世界法則が意味を成さぬが故に陸と然程変わらない。
しかし、とエイレーネは思う。地に足が着いているのと違い、真下にも空間がある。その分注意を払わねばならない――己も、味方達も、そして敵も。
「この一槍に込められたるは――」
手にした神護の長槍、その柄を強く握りしめる。戦女神の加護ぞあれ。信仰の深さが彼女に与える速度に比例し、刺突を以て敵に急接近の吶喊を放つ!
「幾千万の人々の怒りと知りなさい!」
『ギュイィィッッ!!?』
駆け抜ける激情の槍(グリゴロー・カイ・イクサロー)――渾身の突きはイルカ亜人の六つに割れた腹に大きな穴を穿つ! 向こうが水流と共に槍を突き出した攻撃は輝盾にて逸らしたが、当たった所で然程大きなダメージは無かっただろう。
一撃与えたエイレーネは急ぎ敵集団の中より身を退き離れる。囲まれ集中攻撃を受けるのは宜しくない。それにパラドクス通信を介して仲間が次の攻撃に入ると伝えられれば尚のこと。
「砂漠の神にして嵐の神セトよ、お力添えを」
ハーリスはエジプトの本来の神に祈り捧げる。敵の戦法に能力はここまでの戦いで大体理解した。後は此方の被害が出る前に目の前のトループス級を早めに倒すのみ。この後に出て来るアヴァタール級を滅し情報を確実に持ち帰る為に。
セトへの嘆願――両の爪を一振り、巻き起こるは黄金色の砂嵐。水中においてそれは視界を塞ぎながら渦潮となってイルカ亜人達を呑み込んでいく!
『キュイキュイーーっっ
!!??』
黄金の水と化した砂嵐の渦が容赦無くドルフィンマン達の身を引き裂く。海中であってもパラドクスの威力に変化は無い。そしていくら海中生物に近い形をした亜人でもそうじゃないものよりマシなレベル、といった話だろう。現にトループス級の亜人達は水を吐き出しその流れに乗る事も適わず、槍の攻撃も明後日の方向に飛んで行く。
『こ、こいつら強い
……!?』
『に、逃げろ
……!!』
尻尾巻いて逃げ出そうとする敵だがハーリスは敢えて追わず。危機に陥った際の敵の判断を見るつもりなのもあったが、どうやら逃走を選ぶ者が多い上に……仲間達がそれを許す様でもなかった。
「逃亡阻止出来る範囲はしても構わない、よね?」
ヴィオレットは逃げようとした亜人の頭部を下からの猛襲で水面の外に吹き飛ばし。
「殺しておきますね。報告されても面倒ですから」
クロエも冷静にオモダカ製の怪物を手繰り、亜人に追いすがらせ呑み込ませ。
「頭、以外の増援呼ばれても困りますし」
エイレーネの高速突撃が亜人の背を貫いた。
ディアボロス達の前に現れていたドルフィンマン達は一匹残らず駆逐され、一瞬、透き通った水中が血の赤に染まる。
……その向こうより迫る異形、完全視界の中にあれば充分視認出来ただろう。
『――雑兵達の呼び声が聞こえたと思ったら。何故ここにディアボロスが――』
潮に浮かぶドルフィンマン達の亡骸を一瞥し、人魚の姿をした亜人・海姫テッサロニカは首を傾げながらもそう呟き、ディアボロス達の前に姿を現したのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【現の夢】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【水中適応】がLV4になった!
効果2【ダブル】がLV4になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!
【ガードアップ】がLV2になった!
エイレーネ・エピケフィシア
水中には蹂躙する人間はいません
それでも亜人はここに兵を置いている
そしてディアボロスの到来は想定外と言いたげな物言い
この軍勢は何を仮想敵としているのでしょうか?
盾と槍を手に警戒しながら、敵と対峙して話します
おや、亜人どもがここまで水中を警戒しているとは驚きましたよ
キプロス島も、そこから先のクレタ島やギリシャ本土も、あなた方の領土でしょう?
敵はそこで食い止めればよいでしょうに
今や獣神王朝も滅び、海路でアンティオキアやダマスカスを脅かすのは困難なはず
水軍は今まで敵襲もない、退屈な仕事に違いありませんね
襲撃はないと決めつけ、怒りを煽り訂正を促すように訊ねます
……案外、冥海機と接触していないでしょうか?
クィト・メリトモナカアイス
おぉう……まさか我らがディアボロスだとバレているとは。
いや、もしかしたらグランダルメの淫魔かもしれない。あいむ淫魔。
んむむ、せっかくこの先のキプロス島を狙ってきたのに……
やっぱり重要施設は警備がたくさん。
セレウコスだっけ……? なかなかのようへいじゅつ。
んんーむ。そういうことならキプロス島には諦める。
もうちょっと北東に泳いでー、エルサレム通り過ぎてー、もうちょっと北に泳いでく。
というわけではキプロス島にはいかぬので見逃して欲しい。
ダメかな? ダメかー。
そんな感じで相手の反応とか応答からキプロス島があるか、重要なのかとついでに北東のアンティオキアの情報も聞き出したい。
男ばかりの亜人(ディアドコイ)達には珍しい女性亜人・海姫テッサロニカ。彼女はこんな所にディアボロスが――と、意外な事態に驚いた表情をベールに半分隠した顔に浮かべていた。
「おぉう……まさか我らがディアボロスだとバレているとは」
クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)は、相手の第一声に首を傾げ、更にすっとぼけた顔してこう続けた。
「いや、もしかしたらグランダルメの淫魔かもしれない。あいむ淫魔」
『――淫魔の女はもっと誘惑的で魅力的な身体を有すると聞く、が??』
テッサロニカが指し示すはクィトの控え目バスト。淫魔達のえっちな豊満ボディとはちょっと程遠い。
「んむむ、失礼な奴」
むぅ、と表情には出ないが残念そうに言うクィトは軽く肩竦めて続けた。
「せっかくこの先のキプロス島を狙ってきたのに……やっぱり重要施設は警備がたくさん」
『重要施設、だと??』
「セレウコスだっけ……? なかなかのようへいじゅつ」
わざと残念そうに言ってみせるクィトだったが。その言葉を聞いたテッサロニカは、一瞬キョトンとしたかと思いきや、ククッと笑いを堪えきれずに噴き出し始めたのだ。
『キプロス島? そんな遠くの島の警備で、ワタクシが出て来たと? 本気で言っているのか??』
「え?」
何かすっごい温度差がある。そう感じたクィトは更に言葉を投げかけてみた。。
「むむ、キプロス島ってすごい施設とか砦、あると信じてたのに」
『まさか。あんな島、余所の下等なクロノヴェーダ共を収容し、我ら亜人の役に立つ様に調教を施すだけの島。何故、警備なんか必要だと思った」
あっさりとそう告げた海姫。その表情に、口振りに――クィトは成る程と確信する。恐らくこの亜人はキプロスに置かれた調教施設の存在、そしてそれについての情報を重要視していないのだと。
「よそのクロノヴェーダって、漂着したエジプトのマミーとかエンネアド?」
『最近はそいつらが多いらしい。その少し前はゾルダートとか言う厳つい連中と聞いたか……』
「え、ゾルダートも??」
『何だ知っているのか。ワタクシは良く知らぬが、さてどの程度役に立つものか――』
奪還した地域のクロノヴェーダが隣接ディヴィジョンに漂着し、その先のクロノヴェーダの軍勢に加わるのは有る話だ。恐らくキプロス島にはそう言ったクロノヴェーダを亜人の軍勢に組み込む訓練施設がある……と言った所か。
「んんーむ。そういうことならキプロス島は諦める。もうちょっと北東に泳いでー、エルサレム通り過ぎてー、もうちょっと北に泳いでく」
しれっとした顔でクィトは告げ、様子窺う様に首傾げて尋ねた。
「というわけではキプロス島にはいかぬので見逃して欲しい。ダメかな?」
『いや、そちらはアンティオキアのある方向では無いか。生憎だが見逃せぬ』
「ダメかー」
流石にそっちは重要らしい。クィトはわざと肩落とす。
「そもそも――亜人どもがここまで水中を警戒しているとは驚きましたよ」
キプロス島の話が一区切り着いたと見て、エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)は盾と槍を構え警戒しながら言葉を放つ。
「水中には蹂躙すべき人間はいません。それでも亜人はここに兵を置いている」
『何が言いたい?』
「今や獣神王朝も滅び、海路でアンティオキアやダマスカスを脅かすのは困難なはず。水軍は今まで敵襲もない、退屈な仕事に違いありませんね」
『随分とワタクシ達を低く見てくれる』
テッサロニカのイラッとした口振りに、エイレーネは心の中でほくそ笑む。敢えて怒りを煽り訂正を促す目論見が見事に上手く言ったのだから
『敵は海の向こうからも来る。遙か向こうの岸では自動人形の軍勢が集っているとも聞く』
つまりグランダルメ――イタリアの事かとエイレーネは思い浮かべ、ならばと更に問いかける。
「キプロス島も、そこから先のクレタ島やギリシャ本土も、あなた方の領土でしょう? 敵はそこで食い止めればよいでしょうに」
『はは、敵はそれだけでは無いだろう? 海と化したエジプト側からだって敵が来るかも知れない。いずれ大きな戦が来るならば、未知の敵が来るなれば――備えるは当然よ』
まさかその前にディアボロス達が現れるとは、と海姫は苦笑いを口元に浮かべた。大きな戦とは、七曜の戦いを想定しているのだとすれば。それに備えた布陣を今から整えていると考えたら不思議ではないのだろう。
『だが、備えていた雑兵をこうも殺し尽くされた礼はしなくては、な。実のところ、備えるのも飽きた』
色々と喋った後、テッサロニカは身構えた。その口元には戦闘狂の歓喜。所詮は亜人か。
『久方ぶりの戦い、楽しませて貰おう!!』
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】がLV2になった!
【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
凍雲・雪那
ん。敵影確認。
水中適応のお蔭で、水中戦闘、支障は無さそう。
……とはいえ、向こうは人魚。これで漸く、土俵に立っただけ。
使える残留効果は全て使用し、慎重に敵の動きを見る。
声?確か、音の速さ、水中、まず――ッ!?
で、も!生憎、正気を削る攻撃、慣れてるんだよ、ねぇ!
理解不能なら、意味を見出そうとしない。ただの音、無意味な雑音と解釈して、切り抜ける。こうすれば、単なる大声だ。
そもそも、復讐者なんて生き物に、正気を焼くなんて、片腹痛い。
こちとらそんなもの、ハナから投げ捨てて、此処に居る――!
灰暁槍擲、発動!
ぶち抜け、封獄の氷槍!人魚を氷で、圧し潰せ……!
ハーリス・アルアビド
亜人が多趣多様とは言え、このように水中に適応した種も存在するとは…単に水上、水中からの侵入を警戒しているだけとは思いにくい。
調査を進めるためにも早く片付けてしまいましょう。
殺戮と破壊の神セクメトよ、お力添えを。灼熱の炎とその強き意思を私にお授け下さい。
いかに精神を揺さぶろうとも無駄です。セクメト神の殺気を乱す事などできません。
逆に味方と連携し、絶えず攻撃を仕掛ける事で敵の集中を乱します。
水中適応の力で地上と同様の忍び足とダッシュの緩急、舞い上がる砂を利用した残像によって撹乱し、態勢を建て直そうとした透きを狙ってセクメトへの嘆願で焼き切ります。
「ん、敵影確認」
凍雲・雪那(報仇雪恨の皓巫姫・g07783)は目を凝らしアヴァタール級のその姿を見つけると、己の手に氷の剣を形成し身構える。水中適応のお陰で海中であろうとも動きにも支障は無い。――とは言えど。
「亜人が多趣多様とは言え、このように水中に適応した種も存在するとは……」
ハーリス・アルアビド(褪せる事を知らない愛・g04026)は海姫テッサロニカの姿を見、そんな事を考える。海からの敵襲に備えての用兵らしい話は先程の仲間との会話通り。好戦的な亜人と言う種の性質を思えば、海でも山でも戦いとあれば喜んで行きそうではある。
「……向こうは人魚。これでようやく、土俵に立っただけ」
水圧による抵抗もあの魚の如き尾を以てすれば然程では無さそうだと雪那は思う。二人とも慎重に、敵の出方の一挙一動を見逃さぬ。
『τραχοΛμψη――――
!!!!』
テッサロニカは大きく息を吸うと、その口より叫び声を上げた。ただの声では無い。パラドクス攻撃なのだと二人は聴覚と正気を焼き裂かれる感覚と共に認識する。
「声? 確か、音の速さ、水中、まず――ッ!?」
雪那は耳を押さえながら、音についての知識を思い出そうとして――パラドクスである以上、通常の科学的な理屈が一切通じないと気付く。ならばこれは心の持ちようか。
「生憎、正気を削る攻撃、慣れてるんだよ、ねぇ……!」
理解不能なこの声に意味を見出そうとしてはならないと雪那は己に言い聞かせる。ただの音だ。無意味な雑音だ。そう割り切れば単なる大声に過ぎぬのだ。
「いかに精神を揺さぶろうとも無駄です」
ハーリスは声を上げる海姫に迫る。音すら立てずに素早く。砂の海に生きた戦士の戦い方は水溢れる海の中でも変わらない。
「セクメトよ、お力添えを。灼熱の炎とその強き意思を私にお授け下さい――」
精神を削られる感覚に抗いながら彼は祈る。信奉せしは殺戮と破壊の女神・セクメト。祈りは彼に力を与え、海姫を焼き斬る力を授ける。
『――っ!!』
テッサロニカの集中をも掻き乱す様に。ハーリスの手甲より伸びる爪が太陽の如き灼熱の炎を纏い、女亜人の身を引き裂き灼く。セクメトへの嘆願――女神の殺気を乱す事など、亜人如きに出来はせぬと示すかの様に。
「そもそも、復讐者なんて生き物に、正気を焼くなんて、片腹痛い」
続けて仕掛ける雪那の手には具現化された氷の銛。彼女はそれを思い切りテッサロニカに向けて放った。
『うぐっ!?』
灰暁槍擲(イツラコリウキ)――女亜人の身に氷槍を突き立てれば、軋む音と共に着弾箇所から海水が凍りつく事によりその動きを封じ捕らえる。正気を焼く耳障りな奇声もここまで。強制的に黙らせる。
「こちとらそんなもの、ハナから投げ捨てて、此処に居る――!」
最早、かつての平穏な人生には戻れないのだと。氷の如く青い瞳の奥に復讐の炎を宿し、少女は告げた。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【水中適応】がLV5になった!
【熱波の支配者】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV2になった!
一・百
【百夜】
やっぱり少しいつもと違うような…?
戻って来た…そうか、記憶が…
シャムスの様子を気にかけながら戦おう
水中適応と完全視界、パラドクス通信で水中の行動と仲間との連携を確保
ジンのキューコンを呼び出しシャムスへの攻撃を庇えるように備え
キューを纏い紅玉姫を抜きPDで攻撃
水中での相手の自由を奪うように
海水を凍らせるよう敵を刀の剣閃で円に閉じ熱を奪う雪を降らせ視界を妨害し
仲間とタイミングを合わせ挟撃出来るよう位置取り斬りつけ凍らせる
シャムスが敵に傷つけられれば側へ
こんどは俺が支える…
今は目の前の敵を確実に倒し共に帰るだけ
撫でてくれれば微笑み返し
そしてここで得た情報を仲間に持ち帰って貰えればそれで十分だ
シャムス・ライラ
【百夜】
仲間とP通信で情報共有、連携
ついに私は戻って来たのだな
では「任務」にかかろう
地形の利用、情報収集で戦闘に有利な位置取り
水中適応、完全視界等有効な残留効果は使用
変化で水から鋭く透き通る氷の槍を生成
戦闘知識を駆使し
最適なタイミングで仲間の攻撃と逆方向から
懐に飛び込んで確実な一撃を
傷口から凍ってしまえ
敵攻撃には精神を強く持ち耐える
それは実際にあった事
故郷が瓦礫の山と化し
馴染んだ人々が引き裂かれ
身内の肉片が降り注いでも
生きていられる程甘くはなかった
しかし、死ぬ事も許されてはいなかった
「海の娘」よ
今はまだ複製にしか手が届かなくとも
いずれは相まみえよう
安心させるよう百を撫で
皆に微笑み
アドリブ等歓迎
「ついに――私は戻って来た、のだな」
海姫テッサロニカをその青き瞳に映した瞬間、シャムス・ライラ(極夜・g04075)の脳裏に何かが朧気に蘇った。その声色と様子に一・百(気まぐれな狐・g04201)は常とは違う何かを感じ取っていた。
(「戻って来た……そうか、記憶が……」)
記憶を失い流れ着いたのだと聞いている。そんな彼が先程この海に何かを感じていたのは、目の前のこの亜人が関係しているのだろうか。
『ワタクシの歌を聞け――その心砕け散れ』
テッサロニカが手を広げ、大きく息を吸う。敵の声が武器そのものなれば、この海の中では戦場にある限り有利も不利も無いだろう。位置取りは仲間との連携の際に考える。まずは自分の間合いだけ保てば良い。
「では――『任務』にかかろう」
脳裏にちらつくノイズの様な記憶が徐々に鮮明になりつつある中、シャムスはそう告げ。百はそんな彼の様子を気に掛けながらもジンを身に纏うと紅き妖刀を抜いた。
♪――――!!
水の中で響き渡るは、海姫の紡ぎし呪詛溢れ心を砕く嘆きの歌。
シャムスの動きが止まる。空いた片手で頭を抑え、蝕む幻覚にただただ抗う。
「これ、は……」
声は相手の辿る最も悲惨な末路を歌う。本来なら未来(さき)の末路の可能性を映す。
しかしシャムスが見たものは違った。それは――実際に彼が見聞きし体験した出来事。
瓦礫の山と化した故郷の悲惨な光景。幼き頃より知る馴染みの人々の引き裂かれし無残な姿。
身内の肉片が己に降り注ぎ、血に塗れて――生きていられようか。
ああ――だが彼は共に逝く事さえも赦されず――。
「シャムス!!」
いつの間にか側に駆け寄っていた百の声が彼の意識を今に引き戻す。心強く構えていた為、魂砕かれる事は無かったが蘇る記憶に奪われていたらしい。シャムスの瞳にそれを読み取った百は、得物持たぬ手で力強く青年の腕掴んだ。
「大丈夫。こんどは俺が支える……」
そう静かに告げながら百は海姫に向かって飛び出して行く。
『オマエもワタクシの歌の餌食になるか!』
「今は目の前の敵を屠るのみ……!」
そして、共に帰るのみ。零命之光――纏ったジンの力にて紅き刃をテッサロニカに向け振り抜く。円描く切っ先が海水を凍らせ、女亜人の体温を急激に奪い、雪降る円環の中に閉じ込めた。
『う、ぐぐっ……』
体温と共に奪われた視界にテッサロニカは一瞬二人の姿を見失う。その隙をシャムスは見逃さない。
「我が意に応えよ――!」
彼の手には水より生み出した鋭き氷の槍。透き通ったそれを手に百のいる方向とは逆に素早く回り込んだ上で一撃を放つ!
『ごはっ!?』
「傷口から凍ってしまえ!!」
『おのれ、オマエ
……!!』
歌姫は再び旋律を口ずさむ。心乱される感覚が二人にそれぞれ襲いかかる前に、百はシャムスを庇う様に一気に水中を駆け抜けるとそのまま彼を捕まえ抱きかかえながら声の届かぬ戦場の外へと引き離した。
「百
……!?」
「今は、ここで得た情報を持ち帰るのが目的だから」
解ってるよね?と心配そうな表情がシャムスの視界に映る。そう、あれはあくまで『複製』なのだと自分で自分に言い聞かせ、シャムスは安心させる様に百の頬をそっと撫でた。落ち着いたと思えたその様子に百も微笑みを返す。
「『海の娘』よ――」
今はまだ複製にしか手が届かなくとも、いずれは相まみえよう――シャムスは決意を胸に、仲間達が海姫に向かって行くその先を見つめるのであった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
【狐変身】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV5になった!
ソレイユ・クラーヴィア
あの人魚…
シャムスと何らかの縁があるのを感じます
百がついているので大丈夫とは思いますが、できるだけ援護するように立ち回りましょう
水中適応を使用して泳ぎつつ
宙に展開した鍵盤で「凱歌」を演奏
幻想の白馬の騎士は水中でも駆けるのですよ
馬上槍を構えて、正面から派手に突進攻撃を行います
相手の注意を此方に引けば
仲間の攻撃も通りやすくなる筈
反撃には魔力障壁を展開
道半ばで倒れ、家族の元へと還れぬ私の姿は
間違いなく悲惨な末路でしょうね
しかし演奏を途中で止めるのは奏者の名折れ
歯を食いしばっても終幕まで勤め上げるのが音楽家としての矜持です
シャムスは何か思い出したのでしょうか
戦闘後に大丈夫ですか…?
と声をかけておきます
ナディア・ベズヴィルド
シャムスさんの様子が…他にも気が付いている仲間がいるし
詳しい事はそのうち聞けると思うから今はやるべき事をやっちゃいましょう
水中適応、完全視界を用いて戦闘に
女の、亜人…?人魚か
高い能力がなければ生贄のなるしかない女性型…がいるという事は実力は高いのでしょうね
どの様な姿でも敵は敵だ。討つ!
轟け雷鳴!
水中だとどんな塩梅かしら
あの二人(百・シャムス)のやり取りは流石ね、隙が無い
ふふ、私たちも負けてられないわと呟いて
他の仲間と連携を取りながら攻撃
反撃には強き心を持って耐える
生きとし生けるものはいつかは必ず絶える
既に血に濡れた生だ、どのような末路であっても受け容れようとも
だが、貴様の歌は…まだ生ぬるいぞ!
「シャムスさんの様子が……」
仲間と共に歌声の範囲から逃れる戦友の様子に、ナディア・ベズヴィルド(黄昏のグランデヴィナ・g00246)は心配げな視線を向け、ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)もコクリと静かに頷いた。
「あの人魚……シャムスと何らかの縁があるのを感じます」
「ソレイユさんもそう思う?」
あくまで縁があるのはその元となったクロノス級であり、あの個体そのものでは無いだろうにせよ。彼の失われた過去を紐解く切欠になったのは想像に難くない。
「百がついているので大丈夫とは思いますが……」
「詳しい事はそのうち聞けると思うから、今はやるべき事をやっちゃいましょう」
あの二人の見事な連携に敵は氷漬けで追う事すら出来ずにいるのがナディアには見えていた。
「ふふ、私たちも負けてられないわ」
このまま逃がすなんて事はしない。ソレイユと共に水の中を駆け抜け、海姫の目前に躍り出た。
『ディアボロスめ、ワタクシをこうも痛めつけるなど……』
なかなかやってくれる、と血に塗れた腹部を押さえながらテッサロニカは告げる。
『オマエ達もワタクシの歌を聞け、そして滅べ!!』
「生憎ですけど」
既にソレイユは宙に鍵盤を展開し、白鍵に指をかけて一音響かせた。
「音楽が得意なのは貴女だけでは無いと言うことですよ」
奏でる音は早馬の如きAllegro――海中に響き渡るピアノソナタは明るく激しく。そして高らかなる凱歌の旋律に乗せて顕現するは幻想の白馬騎士。それは槍を掲げると一気に吶喊、尖端の突撃が大きく海姫の身を穿つ!
『ごはっ
!!??』
水中に血の花が咲く。腹部より、そして口より海水に溶ける赤を吐き出しながら、女亜人は呪詛の歌を吐く。
「――っ!」
反撃に備え、魔力による身の守りを固めてもなお襲いかかる嘆きの歌。ソレイユの瞳に映るは己の哀れなる末路の幻影。道半ばに倒れ、愛する家族の知らぬ異邦の地で一人力尽き朽ちていくその姿――しかし。
ダンッ!と鍵盤が更に力強く音を響かせる。演奏を途中で止めるなぞ奏者の名折れ!
「歯を食いしばっても、終幕まで勤め上げるのが音楽家としての矜持です」
奪われし歴史を全て取り戻すその終幕を奏でるまで、ソレイユの旅は終わらぬのだから。
『ぐっ……ならば、ソチラの女はどうだ……?』
テッサロニカの方より仕掛ける先はナディア。響く呪詛の歌声が彼女の心に喰らい付き、悪しき幻影をその瞳に映し出す。
「既に……血に濡れた生だ」
ナディアは目に映る末路に動じない。生きとし生けるものはいつかは必ず絶える。世の理を彼女は知っている、そして――若くして既に彼女は多くの命を喪った。これ以上無き悲しみに耐えてきた。
「貴様の歌は、まだ生ぬるいぞ!!」
彼女は叫ぶ。そして思う。亜人の世界において、女は高い能力が無ければ生贄になるしか無い存在。やはりこの魔力は、力は相当に高いものだ。だが、それ故に一人の戦士として、女として強く思う。どの様な姿でも敵は敵なのだから。
「――討つ!!」
翳すは破天の詠歌――母なる水の力を宿した杖に力を篭め、唱えるは暗夜の天號(バルク・ラァド)!!
「轟け雷鳴!!!」
海水を引き裂いて天より雷が真っ直ぐ一筋の光となりて海姫の身を貫く。水棲生物の半身を有するテッサロニカは水から逃れ電撃を避ける事は敵わぬ事が故。
『ッガアアァァァッッ
!!!??』
断末魔が海中に響き渡る。パラドクスの雷撃は亜人の女ただ一人を捕らえ、穿たれた身を駆け巡り、そして美しき衣服も髪も鱗も全て、消し炭へと変えていった。
そうして、最後の一撃が決まり。アヴァタール級・海姫テッサロニカはここに一体滅び去ったのだった。
戦闘の気配やこの一部隊の消息が他の亜人部隊に気付かれる前に、ディアボロス達は早々に撤退に入る。
「シャムスは、何か思い出したのでしょうか……」
「どうかしら……本人が話すならば聞いてあげましょう」
何にせよ威力偵察はここまで。二人もまた来た海を戻り始める。
帰りの列車までの道程、案ずる友にそっと声もかけながら――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!
【ドレイン】LV1が発生!