エルサレム闘技場の試練を阻止せよ
攻略旅団の方針に従い、プトレマイオスの支配地であったカナンの地を掌握したディアボロスは、攻略旅団の方針を受け、カナンの地の北、エルサレムを目指します。
エルサレムは、史実では世界でも最も重要な聖地のひとつで、蹂躙戦記イスカンダルにおいても重要な地域なのは、間違いありません。
エルサレムには『ギリシャの神々』を象った神像が多数祀られており、多くの亜人達がアヴァタール級へと進化するための『試練』を受けに集まっているようです。
多くの亜人たちが集まるエルサレムの下町の酒場などで情報を集めつつ、エルサレムで行われている『試練』に潜入、新たなアヴァタール級が生まれるのを阻止しましょう。
エルサレムに響く戦いの挽歌(作者 沙羅衝)
#蹂躙戦記イスカンダル
#エルサレム闘技場の試練を阻止せよ
#エルサレム
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#エルサレム
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●酒と話と
「がはは! そりゃ最高だなあ」
何人かのマッスルゴブリンたちの集団が、上機嫌に酒を酌み交わしている。
「だろう? そして俺はこう言ってやったんだ。確かにお前は俺よりすこーしだけデカかった。だが、俺のほうがはるかに硬い!」
がっしりとしたゴブリンの声に、どっと笑い声が沸く。ただ、笑い声と言っても、明るいといった形容詞はふさわしくなく、汚いといったほうが正しい。
「じゃあ、乾杯だな……と、空か。おい、一杯追加だ!」
ゴブリンはウェアキャットに追加の酒を指示し、また下卑た表情を作った。
ここは蹂躙戦記イスカンダル、聖地エルサレム。このディヴィジョンにとって重要な地域であることは間違いない。
そんなエルサレムにはいくつかの闘技場があり、ここはそんな闘技場に併設された酒場のようであった。
闘技場には『試練』と呼ばれるものがあるらしい。ウェアキャットが追加の酒をゴブリンに運ぶと、ちょうどその『試練』についての話になっていた。
「そういやお前、今度『試練』に出るんだって?」
ゴブリンが酒を受け取ると、乾杯しつつ硬いと言ったゴブリンにそう問いかけた。
「ああ、俺はこの硬さでのし上がってきた。ちょろいもんだぜ」
「違いねえ!」
そうしてまた、笑い声が響いた。
「……っは。若造が」
店の隅でちびりと酒を口に含むマッスルゴブリンが、その光景を見て舌打ちをする。
「硬い? それだけで勝てるなら、楽なもんだ……。真の強さが解っていないのだ」
その声に反応する周囲のゴブリン。どうやらあちらは若いゴブリン。そしてこちらは老化した者たちのようであった。
「なに、勝てば良い。そうすれば……」
そう言って、静かに殺気を籠めるのだった。
●ディアボロスへの依頼
ここは新宿駅グランドターミナル。ファナン・トゥレイス(人間の風塵魔術師・g01406)が一礼して、ディアボロスに事の内容を話し始めた。
「皆様、この度はよろしくお願いいたします。
今回のご依頼は、蹂躙戦記イスカンダルについての調査と、アヴァタール級の撃破となります」
ファナンは軽くイスカンダルの文化などをおさらいした後、今回の依頼についての内容の詳細を話していった。
「攻略旅団の方針により、カナンの北、エルサレムの街への潜入を行っていただきます。
エルサレムは三大宗教の聖地となりますが、蹂躙戦記イスカンダルではギリシャ神が祀られている様です。
ただ、祀られていると言っても、街のあちらこちらに神々の像が置かれているくらいで、信仰の対象と言う感じではない、と言った状況となります」
成る程、と頷くディアボロス達。たしかに亜人が、我々の考える信仰を行うとは思えない。と言った声も聞こえた。
「エルサレムには近隣の部族の亜人たちがやってくるようで、酒場には多くの亜人が集まってきています。そこへ皆さんに潜入をしていただき、情報を得て欲しいと思っています。
攻略旅団での提案内容は『試練』『儀式』『ディアドコイ評議会』となります。
亜人は知能が低く、更に酔っぱらっている状態ですので、うまく姿を誤魔化すことができれば、他の部族の亜人の誰かだろうという認識となりますので、会話ができる可能性があります。
ただ、この酒場で給仕を行っているウェアキャットは酔っぱらってはいないので、彼らには注意してください」
ファナンは続いて情報として、エルサレムの街にはいくつかの闘技場があり、そこで試合をし、勝利をするという『試練』と言うものがあるという事。
闘技場には厳重な警備がされているため、隠れての潜入などは難しいであろう事。
闘技場の試練に突入する為には、この警備を突破する必要があるという事が追加された。
「皆様には先ほどの酒場で情報を得た後、この闘技場に突入していただきます。警備を突破して突入できれば、試練を突破してアヴァタール級となった亜人と戦う事が出来ます。
そのアヴァタール級を撃破することまでが、今回のご依頼となります。よろしくお願いします」
ディアボロス達はファナンの言葉を頭に入れる。変装の事を考える者や、中にはメモを残し、しっかりとした戦略を立てる者もいた。
「『試練』のことですが、戦って勝てば進化できる、という単純なものです。ですが、それだけで新たなアヴァタール級が生まれるものでしょうか……。なにか、仕掛けなどがあるかもしれませんね」
最後にファナンはそう締めくくったのだった。
●試練
闘技場で、若者のマッスルゴブリンが、老いたゴブリンを力任せに殴り、打倒していた。
「おらおらどうしたおっさんよ。そんなもんかい?」
「この若造め……」
そう話すが、確かにもうこれ以上身体は動きそうになかった。
「お前を倒し……。俺は、試練を……超える」
老ゴブリンの横で力を振り絞るのもまた、老ゴブリンだった。
「そうかそうか。でもそれは、叶わない夢に、なったな」
むんずと老ゴブリンの頭を鷲掴みにする若者ゴブリン。
「こ……の……」
老ゴブリンはバタバタと腕を振るい抵抗をするが、その若いゴブリンはにやりと笑いながら、老ゴブリンを地面に叩きつける。
老ゴブリンはそこで事切れていた。
最後の一人を葬った若いゴブリンの体が変形していく。髪が生え、光を纏い、強力な爪と鎧が出現する。
違うものに、進化していく。
「ついに、遂に力を得たぞ! マッスルゴブリンとしての俺が更に、進化した……の……だ」
だが様子がおかしかった。ヨロヨロと口を押えながらもごもごと何かを言っている。
「ぐははぁ、違うなあ。俺は獅子、ネメアーの獅子よ」
すると突然、全く異なる声色で、強い言葉を発したのだ。
「何を言っている、俺よ……。俺は第三部族のマッスル……」
戸惑いながら、続けようとするが、別の人格がそれを妨げる。
「いや、違うなあ、俺よ」
「そうなのか……?」
「そうだ」
『俺は』
同じ言葉を発し、ぴたりと停止すると、最後にこういった。
「第三部族のネメアーの獅子、だ」と。
リプレイ
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
さて、情報収集といきますか
試練はどの闘技場で行うんだっけ?俺も試練受けてぇ!(演技)
【行動】
まずは大きめのフード付きローブを用意し機械の手脚と目を除いた顔に包帯を巻いて隠した上でフードを被る
ついでに肉体改造で頭に耳のような突起をつけておく
匂いは周囲の土や塗料で誤魔化す
入り口から酒場内を観察して酔っ払って大騒ぎしている場所に紛れ込み
店員に乱暴な口調でこのテーブルに追加の料理と酒を頼んで大きな亜人の影に隠れる
酒は飲まないからこっそり他の敵のグラスと変えて飲んだフリ
バカの演技をした上で友達催眠も使い情報収集
今日行われる闘技場の場所と警備について、試練の内容について聞こう
ルーシド・アスィーム
※「」内は技能
老化には試練が必要ですか
むしろ此れは生け贄…?
事前準備:
体格差を誤魔化す為に防具を大きめなフード付き外套へ変え
皮膚に周囲の土や持ち込んだ塗料をまぶし、亜人らの視覚、嗅覚を誤魔化す様に立ち回り
併せて『プラチナチケット』を用いウェアキャットを撹乱
整ったら最も盛り上がる若く勢いがある亜人集団に接近し「情報収集」
よう兄弟楽しそうじゃねぇか!『試練』の受付は済ませたのかい?
俺ァ仲間に一歩遅れちまってなァ、あいつら屑で教えてくれやしねぇんだ!
大仰に嘆き笑いを誘い、雑談混じりに以下確認
怪しまれる様なら深追いは避けます
・試練を受ける方法
・試練に選ばれる基準はあるか
・試練を呼び掛ける存在はいたのか
●亜人の集まる酒場と、潜入するディアボロス
ルーシド・アスィーム(星轍・g01854)は目的の酒場に到着すると、すっとフードをかぶった。
皮膚には泥をまぶし、ところどころ染料で色も地味に変えておいた。ふと横をみるとそこそこの大きさの円形の建物があった。
上から見なければ全容は解らないであろうが、すぐに闘技場であるとわかった。血や肉が腐った匂いを隠そうともせずに、堂々と佇んでいるからだ。
恐らく今も、何者かが内部で闘いをしているのだろう。時折怒号と剣戟が聞こえてきていた。
ギィ……。
ルーシドが酒場の扉を開けると、中から湿度の高い香りと、下卑た声。そして唾で飛び散ったであろうアルコールが彼を歓迎してくれた。
(「先客ですね、では」)
ルーシドはフードの横からチラリとそちらの方向を見て、ゆっくりとそこがみえるテーブルに座る。
プラチナチケットをウェアキャットにちらつかせながら、さっと酒を注文し、声のほうを確認した。
「試練はどの闘技場で行うんだっけ? 俺も試練受けてぇ!」
そこには、荒田・誠司(雑草・g00115)が既に潜り込み、酔って大暴れしているゴブリン相手に自らも乗り込んだのだ。
「おぅ、見ねえ顔だな。まあ、お前も一杯やるか?」
「いーねぇ。そーしよう。おい! こっちに肉と酒、山盛りで持ってこい!」
誠司は乱暴に注文をする。
「なあ、俺ここに来たのはいいんだが、なーんにもしらねえんだ」
実はこの言葉には敵味方を混同してしまうというパラドクスを仕込んである。少しの間だけなら、効果があるはずだ。
「お前は馬鹿か?」
そう言うゴブリンだが、それ程悪い顔はしていなさそうだった。
「追加ですー」
するとウェアキャットが追加の酒をテーブルに置く。
「じゃあ、ひとまず乾杯だー」
誠司はそう言って、周囲をこちらの話に乗せていくべく音頭をとり、酒をあおる。そして合わせてグラスを傾けるゴブリンの隙を付き、空のものとすり替えた。
「ぷはー。うめえー」
そういって勢いよく飲んだフリをして、演技は完成である。
「良い飲みっぷりだ! で、お前なんだって?」
すると気を良くしたのか、そのゴブリンはこちらに話を振ってくれた。
「だから俺、試練に出たいんだけど、どうすりゃ出れるんだ?」
「ひとまず予選に勝ち抜く事だな。族長からの推薦とかあれば、途中でシード扱いで入れるが……。お前には、そんなの無さそうだな! がははは!!」
ゴブリンはそう言って、誠司を馬鹿にして笑う。
「うっせぇ。じゃあどうすればいいんだ?」
誠司はその先を聞く。
「大きな予選がある時は、酒場でも参加者を募るからおとなしく待ってな」
上機嫌なゴブリンから、予選があり、規模も異なるという情報が得られる。
(「成る程。色々と手広くやっている感があるな……」)
誠司がそうフードの奥で考えていると、横からルーシドが酒をもって割り込み、ゴブリンに向かって声をかける。
「よう兄弟楽しそうじゃねぇか! 『試練』の受付は済ませたのかい?
俺ァ仲間に一歩遅れちまってなァ、あいつら屑で教えてくれやしねぇんだ!」
誠司はフードの奥でお互いに目が合った事を確信した。誠司はすっと、大柄のゴブリンの影に隠れる。
「はっ。ここにも残念な奴がいたのか!」
そう言って嗤うゴブリンに、あくまでも下手に出過ぎず、さらなる情報を聞き出そうとする。
「そう言うなって、少し話が聞こえたが、大人しく待つ事しかないのかい? 俺は手っ取り早く選ばれたいんだ!」
ルーシドの言葉に、少し疑問を持ち始める様子が見える。だがその時、誠司がすかさず新しい酒をそのゴブリンに手渡す。当然その酒は、先程自分がテーブルに置いたものだ。
「おお、気が利くじゃねえか」
そうすると上機嫌になったゴブリンはルーシドに向かって、突き放すように言った。
「希望者が多ければ予選が増える。待ってろ! でもな、誰でも受けられるが、ある程度実力がなきゃ、死ぬぜ」
(「……ここまでだな」)
ルーシドは情報の収集をここまでとした。そしていつの間にか誠司は店から消えていた。
試練のシステムの情報を得たディアボロス達は、早々にこの店から離れる。
情報は得た。では次はこの闘技場に潜入する。
闘技場の防衛はファナンから聞いていた通りだ。ルーシドはその門を見張っている『氷槌の岩トロウル』を確認し、機会を待ったのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
クロエ・アルニティコス
……真面目に警備をしています。
訓練校で幾度となく同じ個体を見ましたが、アレらとはまるで練度が違いますね。
まずは遠目にバリケードと攻城兵器を観察します。
バリケードを組み合わせるための紐や、攻城兵器のパーツや弾、あるいは足場など、【腐食】で腐らせることができる程度の重量のものが敵陣にないか確認します。
もしあれば【腐食】を使用し、バリケードや攻城兵器を腐らせ、突破口や隙を作ります。隙を作ったなら一斉攻撃を受けないよう、味方と連携して【インビジブルメナス】による攻撃を。
魔術の女神ヘカテーよ、あなたを信じる者に目を掛けていただけるなら、どうか私に、忌まわしき者を殺す毒を!
フルルズン・イスルーン
あ、ゴーレムくんのイメージ毀損トロル!
大変態度が悪いので個人的に極刑である!
トロルならトロルなりに毛深かったり禿頭だったりしたまへ。誤解されるのいくない!
ぶちかますぞぅ! アイス・ゴーレムくん!
何が氷のハンマーか! こちとら全身氷の体だ!
冷気放射の押し合いを挑もうとは片腹痛いわぁー!!
どれ、ゴーレムくんが正面から組み合って揉んでやろうなのだ。
単なる岩肌の、霧の巨人にも末裔の端にも掛からぬ亜人。
山の畏れにも満たぬ名ばかりの有象無象なのだ。
片っ端から顔面砕いて地面に倒れ伏せさせてやれぃ!
そういえば巨人はまだ居ないんだったか。
居なくもないはず。どこにいるのやら。
ヴィオレット・ノール
さて、それじゃあ道を開こうか。
老いていようが若かろうが亜人は亜人。
犯して殺して暴虐の限りを尽くしてきたんだろう。
――それらを看取る真似は、私には出来ないからね。
出来ることをしようじゃないか。
足元を崩壊させられたら流石に動き難いな。
味方と攻撃先を合わせて可能なら鎚が叩きつけられる前に攻撃してしまいたいところだけれど。
そう毎回上手くはいかないだろうね。
【飛翔】の高度を超低空、浮遊する程度に留めて機動力を維持したいかな。
このくらいなら必要以上の敵視を集めることもないとは思うけど、目立つようならそのまま陽動として動いて敵の隙を誘おう。
攻城兵器を使おうとする個体は優先的に狙いたいな。
兵器の破壊も狙うよ。
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
さて、あとは試練の会場へお邪魔するだけだな
老亜人への対応は彼に任せて戦うのみだ
【行動】
パラドクス通信を利用して仲間同士と積極的に連絡を取り合い連携する
まずはパラドクスを使用して蝶の機械を製作
それを統率で操り敵の頭上まで誘導
電撃を受けたようなダメージと同時に痺れさせる鱗粉を振り撒き攻撃させる
まさか蝶に攻撃されるとは思っていないだろうから不意打ちできるはず
それに蝶ならバリケードも簡単に越えて敵のところまで行かせられる
敵からの攻撃は機械の盾や警棒で受ける
必要なら忍耐力で耐えて仲間を守るなど臨機応変に対処する
●警備の亜人
「……真面目に警備をしています。訓練校で幾度となく同じ個体を見ましたが、アレらとはまるで練度が違いますね」
クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は、闘技場から少し離れた場所から、その門周辺を確認していた。
門の前には、情報通りトループス級の『氷槌の岩トロウル』が、周囲をゆっくりと見回していた。だがそれよりも、警備の厳重さが厄介だと感じていた。
「正面突破は、分が悪いでしょう……」
そう思っていると、ひらひらと蝶がクロエの元に舞い降りてきた。
『聞こえるか。この蝶は俺のパラドクスだ。触れても害はない』
荒田・誠司(雑草・g00115)の声が、この蝶を介して聞こえてきた。
『聞こえます。こちらの声は良好ですか?』
するとクロエが誠司の意図を把握し、そっと反応を返した。
『有難う。問題ないぜ。こちらから把握できるのはバリケードのみだが、そちらはどうだ?』
その情報から察するに、誠司はクロエとは反対方向に居るのだろう。成る程。こちらから見える攻城兵器は、反対方向からは建物が邪魔をしており、見えないだろう。
『私は門を正面にして右側。つまり東に位置しています。あなたは左側。つまり西に存在しているという事になりますね?』
『その通りだぜ。という事は、そちらからは何か見えるという事だよな?』
『西からは建物に隠れて見えにくいですが、巨大なボウガンのようなものが設置してあります。おそらく、バリスタでしょう』
クロエは更に、自分の位置の詳細と、敵の数、武器の形状を伝えていった。
『奇襲をかけますか?』
その上で、クロエは作戦を話し始めた。
『私のパラドクスで、攻城兵器やバリケードをある程度腐食させることができると思います。生物やクロノ・オブジェクトは無理ですが、周囲のものであればある程度効果があるでしょう』
クロエがそう言うと、ヴィオレット・ノール(北の菫・g09347)が反応して、蝶に声を乗せる。
『敵の攻撃には、足元を崩したりという厄介なものがあるから、それが叩きつけられる前に一気に攻撃してしまいたいところだね。奇襲はやってみても良いんじゃないかな』
『先手必勝ってことだよな? 了解。役割を決めようか……』
ヴィオレットの声に誠司がそう返すと、フルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)も、その通信に加わる。
『じゃあ、ボクが先陣をきる。目立つように動くから、あとよろしくねぇ』
フルルズンの提案で、それぞれの役割が確定していく。ここまでくれば、あとは実行に移すのみ。ディアボロス達は即座に行動を開始した。
「あ、ゴーレムくんのイメージ毀損トロル! 大変態度が悪いので個人的に極刑である!」
フルルズンはいきなり門の目の前に立ち、そう叫んだ。
「なんだお前は? ここはお前のようなガキが来るところじゃねえ!」
するとトロウルの一体が叫んだ。
「トロルならトロルなりに毛深かったり禿頭だったりしたまへ。誤解されるのいくない!」
トロウル達はお互いに顔を見合わせた。
「なんだこいつは」
「めんどくせえ。だれかこいつをつまみ出せ!」
そんな会話が聞こえたかと思うと、一体のトロウルがずんずんとフルルズンのほうへと歩き始めた。それを見たフルルズンはにやりと表情を創り、パラドクスを発動させる。
『"野蛮なる 氷の 友"』
フルルズンの声に応えたのは、氷雪のゴーレムだ。身を震わしながら姿を現した。
「ぶちかますぞぅ! アイス・ゴーレムくん!」
フルルズンの声にゴーレムが突進する。冷気を放ちながら、突っ込んでいく。
「おい、敵だ! 射撃準備!!」
その行動にすぐ反応するトロウル。
がっしりと1体のゴーレムとトロウルがぶつかり合い、肩と肩がガッチリと組み合わされた。
敵はその1体だけがバリケードを乗り越え、フルルズンのゴーレムを迎え撃つが、それ以外はまだバリケードの中だ。
「やるねぇ。やっぱり一筋縄には行かないよねぇ。でも……」
フルルズンがそう言った時、後方のトロウルから声が聞こえてきた。
「なんだこれは!」
「おい、弦が張れないぞ!」
「それより、この霧はなんだ!」
門の周囲には、いつの間にか濃い霧が発生している。クロエが発生させた猛毒のガスであり、そのパラドクスの力が肉体を蝕み、ついでに周囲の兵器などを腐食させていったのだ。
「一人じゃないんだなぁ」
フルルズンは味方の作戦が発動したことを発動し、ゴーレムに指示を出し、更に暴れさせる。
ドドドド……!!
そして、間髪入れず、炸裂音が聞こえ、バリケードが吹き飛ばされた。
『行っておいで』
ヴィオレットが魔弾を放ったのだ。そして更に、攻城兵器を構えようとするトロウルを先に狙っていく。
『さあ、痺れさせてこい』
さらに、誠司の蝶がヴィオレットが取りこぼしたトロウルに、特殊な鱗粉を振りまいた。するとそのトロウルは痺れ、動きが途端に鈍くなった。
ドゴォン!
そのトロウルに対し、フルルズンのゴーレムが巨大な腕をぶん回す。
「片っ端から顔面砕いて、地面に倒れ伏せさせてやれぃ!」
こうなれば、ディアボロスの攻撃を止める事はできなかった。戦場は一瞬にして混沌と化し、一瞬にして勝負がつけられた。
毒のガスが充満し、魔弾の砲撃が撃ち込まれ、痺れを伴う鱗粉が舞い上がる。そして、その中心にはゴーレムが暴れまくったのだ。
しばらくして、ディアボロス達の策により、門番のトロウルは全滅した。
何事もなかったかのように、一体が静かになる。
「さて、道は開かれた。行こう」
そして、ヴィオレットは倒れたトロウルを確認して、門をくぐったのだった。
門をくぐると、雰囲気ががらりと変わった事が分かる。
ここからは命のやり取りが日常とされている場所なのだ。それは、人であれ亜人であれ、同じことなのかもしれない。
ディアボロス達はそのまま中央部へと進んだ。
少し前に聞こえていた決戦の音は、今は静かになっている。
という事は、決着がついたのだろう。その事を感じながら、ディアボロスは更に奥へと足を進めた。
そして中央に着いた時、無数に横たわったマッスルゴブリンが目に入った。
立っているのは、1体だけだった。
そのクロノヴェーダが、雄たけびをあげた。
「俺は、第三部族のネメアーの獅子、だ」と。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【腐食】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV2が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
ルーシド・アスィーム
敵ではありますが、死者には相応の敬意を払うのが僕の流儀
変装は酒場潜入時を継続
『友達催眠』『プラチナチケット』も活用
「老亜人と同郷の者」であるかの様に立ち回り
砕けた口調と粗野な振る舞いと併せなるべく目立たないように、倒れ伏す老亜人の元へ
気休めにしかならないでしょうが、持参の『イムホテプの霊鞄』から鎮痛剤を取り出し投与
「よう兄さん、聞こえているかい。余計な世話かと思うが痛みは多少和らげさせて貰った」
「同情じゃねえ、これは敬意さ。老いた体に鞭打って戦い切ったあんたに対するな」
「誇れ、あんたは確かに勇敢だった。そいつぁ間違いない事実だ。……最期に言い残す事はあるかい、俺が聞く。あんたを覚えていよう」
●勝者と敗者
目の前にの『ネメアーの獅子』が咆哮をあげた頃、ルーシド・アスィーム(星轍・g01854)はその場所に着いた。
円形の闘技場であり、一般的なものであろう。
「こ……これま、で、か……」
ルーシドはその声のするほうを確認する。どうやら戦いに敗れたゴブリンのようで、がくりと横たわった。
恐らくその命は尽きるだろう。ルーシドゆっくりとそのゴブリンの前で膝を付き、『イムホテプの霊鞄』からそっと注射器を取った。
「よう兄さん、聞こえているかい。余計な世話かと思うが痛みは多少和らげさせて貰った」
それはかつての友人のように、老ゴブリンの頭に響いた。すると、少し安心したような表情を浮かべ、言葉を紡ぎ始めた。
「俺は歳を取ったように見えるか? 病気とか言うやつもいる。見ろ、自慢の筋肉も弱々しくなっちまった」
老ゴブリンは、ゆっくりと自分のことを客観的に話す。ルーシドは黙ってそれを聞いた。
「弱いやつがかかる病気だとも言うが、これは病気じゃねえ……。良く分からねえが、元々『そう』なのかもしれねえ……」
無力さと無念さが入り混じったような感情を感じる。
「なあ、お前さんよ。俺を……嗤うかい? 弱い者やつのくせにって……」
老ゴブリンの表情は、純粋なように見えた。ルーシドは少し手に力を入れ、いいや、と言葉をかける。
「同情じゃねえ、これは敬意さ。老いた体に鞭打って戦い切ったあんたに対するな」
すると、老ゴブリンの目から光るものがすっと流れ落ちた。
「俺はここでチャンスを得る事ができた。最後に戦えたんだ。弱くなっちまった筋肉も、最後まで頑張ってくれた……」
「誇れ、あんたは確かに勇敢だった。そいつぁ間違いない事実だ」
と、ルーシドはゴブリンに敬意を払う。そしてそれは、いつか訪れるかもしれない、自分かもしれないのだから。
「……最期に言い残す事はあるかい、俺が聞く。あんたを覚えていよう」
ルーシドは優しく尋ねた。すると、ああ……、とため息を吐くよう声で、ゴブリンが口を開いた。
「俺はまだ良いほうだったかもな。他の奴らはそのチャンスも与えられねえ……」
ルーシドはその中で一つ、気になったことがあった。
「他の仲間は?」
「あいつらは、バビロンに連れていかれちまった……」
その言葉を言いながら、ゴブリンの瞳から光が消えていく。
「頼み。だ」
最期の言葉であることは解った。
「なんだ?」
「バビロンが何処にあるかわからねえが、もしお前さんが行く事ができたら……なか……ま……に……」
そこまで行って、老ゴブリンの命は尽きた。
ルーシドはそっとゴブリンを横たわらせ、黙祷をささげた。敵であっても死者には礼儀を払うべきとしているからだ。
(「バビロン……か。会う事ができたら、確かに伝えますよ。勇敢な亜人がここに居たと」)
「死んだか? そりゃそうだろう? 俺が勝ったからな。見ろ、このあふれてくる力を!」
ネメアーの獅子はそう言って体を動かし、ディアボロス達を威嚇する。
命を懸けた勝負なのだろうが、何処かやるせなかった。ルーシドはそう思いながら、ネメアーの獅子に向かい言い放った。
「あなたも、敗者になるのです。覚悟はできましたでしょうか?」と。
大成功🔵🔵🔵
効果1【プラチナチケット】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
フルルズン・イスルーン
残りはバビロンかぁ。心当たりとしてはアタナトイ(不死隊)行きかな?
合ってるなら碌な結末が見えない送り先だけど。
さて、最後の締めだ。盛大に吹っ飛ばそうね。
灼けよ空間。加速するは時の流れ! フラックス・ゴーレム!
無敵で最強の獅子ネメアー? それはそれは威勢のいい事だねぇ。
だがキミもまた、時間という流れに浮かぶカルネアデスの板切れと変わらないのさ。
敵周辺の空間指定! 錬成開始だ、ゴーレムくん!
キミ、時の流れに腐食したまえよ。
そして考えるといい。老いたる兵と朽ちたる獅子の差がどれほどのものかを。
脆弱な体でその威勢はどれほど続くのかな?
せめて勇ましい最期が在らんことを。
ん? 百年は後の説話だったかな。
クロエ・アルニティコス
ネメアーの獅子。英雄に殺される怪物の名を名乗りますか。
果たしてお前は英雄の試練足り得るのでしょうか?
もし足り得ないのであれば、魔女と怪物がお前を蹂躙しましょう。
【オルトロス・クロッカス】を使用し戦闘。
一撃は重くとも、溜めと構えが必要な技など脅威ではありませんね。
他の復讐者と連携して絶えず攻撃を仕掛け、ネメアーの獅子に十分に魔力を蓄積させないようにします。
苦し紛れの破壊光線を撃たせたところをオルトロスに距離を詰めさせ、双頭で噛み付いて抑えつけ、その爪で体躯を引き裂きます。
魔術の女神ヘカテーよ、あなたを信じる者に目を掛けて頂けるなら、どうかこの時だけは、この身を神罰の代行者たらんことを!
●新しく生まれ変わった者と、造る者
「敗者だぁ? そうか、お前たちにはこのあふれる力が解らないんだなあ! 俺こそが最強なのだ!」
ネメアーの獅子はそう言って、長く伸びる金属製の爪を伸ばし、ディアボロス達に威嚇する。
「無敵で最強の獅子ネメアー? それはそれは威勢のいい事だねぇ」
フルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)はにやりと口角をあげながら、ネメアーの前に立つ。
「おいおい! ここは子供が居ていい場所じゃないぜ?」
「うん? 子供?? どこに?」
フルルズンはそうとぼける様に言い、きょろきょろとあたりを見渡すそぶりをする。
「子供はいてそうにないねぇ……。と、ひょっとしてボクか」
「お前以外に誰がいるんだ?」
「そうか。うん。そうだねぇ。そう見えているんなら、手加減してくれないかねぇ……」
フルルズンはそう言いながら、ごそごそと懐に手を突っ込み、アイテムを掴む。
「手加減するまでもないだろう? 一撃だ!」
「そうか。ならば好都合。だがキミもまた、時間という流れに浮かぶカルネアデスの板切れと変わらないのさ」
フルルズンはネメアーの獅子の周囲を指差す。手にはゴーレムのコアだ。
『"褪せて 焼け付く 流動"』
フルルズンの声に応えるのは、『フラックス・ゴーレム』。コアから生成されたゴーレムがネメアーの獅子の頭上に出現する。
「錬成開始だ、ゴーレムくん!」
するとフラックス・ゴーレムはその場で炎上、爆発した。
「ぐあ! 何だこれは! 溶けている……だと!?」
「キミ、時の流れに腐食したまえよ。そして考えるといい。老いたる兵と朽ちたる獅子の差がどれほどのものかを。
脆弱な体で、その威勢はどれほど続くのかな? せめて勇ましい最期が在らんことを」
メネアーの獅子は炎上した爆発に巻き込まれ、己の鎧が溶けているのを感じた。だが、即座に動く。フルルズンに対して両腕の間に溜め込んだ光り輝く魔弾を打ち込もうとするのだ。
「果たしてお前は英雄の試練足り得るのでしょうか?」
だがその前に立ちふさがったのは、クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)が放ったクロッカスの種から伸びる蔦と葉。
『種子に宿るは我が焦燥、芽吹け『オルトロス・クロッカス』!』
「なに!?」
「もし足り得ないのであれば、魔女と怪物がお前を蹂躙しましょう」
クロエの言葉が、その蔦を急激に成長させ、葉と共にネメアーの獅子を絡めとりつつ、1体の『オルトロス』を形作る。
2つの犬の頭部を形成したと思うと、ネメアーの獅子が構えを取る前に両肩に噛み付き、ちぎった。
「ぐあああああ!!!」
突如の痛みに叫ぶネメアーの獅子。
「一撃は重くとも、溜めと構えが必要な技など脅威ではありませんね」
暴れるネメアーの獅子。だがまだその戦意は衰えていない。溜めた光を四方八方に撃ち放つ。
「うおおおおおぅ!」
めちゃくちゃに暴れる光線の行先が、フルルズンの足元を掠める。しかし、その狙いは定まらない。クロエの造り出したオルトロスが噛み付いている為だ。
「ネメアーの獅子。英雄に殺される怪物の名を名乗りますか」
「何を言う……。くそっ!」
クロエの言葉に反論しようとするが、オルトロスが噛み付き、脚にも絡む。それは殺傷能力はない範囲だが、うまく行動することが出来ない状態となっていた。
「魔術の女神ヘカテーよ、あなたを信じる者に目を掛けて頂けるなら、どうかこの時だけは、この身を神罰の代行者たらんことを!」
クロエの言葉が、他のディアボロス達に伝搬し。怒涛の攻撃の引き金となったのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【腐食】がLV2になった!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
今勝ったからって勝ち続けられるとかおめでたいことを思ってはいないよな?
飛んで罠にいる獅子ってな、驕っていると足元を掬われるんだよ
【行動】
パラドクス通信を使って仲間と声を掛け合い積極的に連携する
パラドクスを使ってワイヤートラップを製作し設置
俺は盾を持って敵を挑発し攻撃させ
なすすべなく防いでいるように見せる
実際、力は敵わないから吹き飛ばされたりするだろうが忍耐力で耐えつつ
間合いを図る振りをして方向を修正
罠のある部分まで誘導する
一時的に動きを止めるだけだったとしても仲間が攻撃するいい隙になるはずだ
必要なら臨機応変に対処する
「今勝ったからって、勝ち続けられるとかおめでたいことを思ってはいないよな?」
荒田・誠司(雑草・g00115)が盾を持って、さあ来いと言わんばかりに挑発する。
見え透いた挑発である。
「舐めるなぁ!」
だがネメアーの獅子は、勝利を味わい、突然襲われたのだ。しかも、鎧は溶け始め、足元には動き邪魔する植物に絡められている。ネメアーの獅子はその挑発にかかる。
ブチブチとクロエの生成したオルトロスの蔦を引きちぎりつつ、誠司に吼え、一直線に金属の爪を突き立てるべく飛び込んだ。
ガギン!
一撃をその盾で受ける誠司。
「な、なかなかやる……な!」
ネメアーの獅子の爪が、誠司の盾を吹き飛ばす。
「オラァ!!」
そして再び爪を振り下ろす。
「やべえ!」
誠司はその爪を何とかダッキングで避け、後方にバックステップを切る。
「逃がすか!」
更に二撃、三撃と腕を振り回すネメアーの獅子。それを更にバックステップで躱すが、とうとう誠司の後ろには壁しかなくなってしまった。
「もらった!」
眼前に迫る爪に、覚悟を決めたかのように誠司は避けようともしなかった。
だが、その爪は、誠司の目の前で体ごとぴたりと停止する。
『見えないことは何もない証明にはならないぜ』
ネメアーの獅子の周囲には、誠司が張り巡らせたワイヤーが組まれていた。そしてネメアーの獅子の腕に、ワイヤーが食い込み、血しぶきをあげた。
「ぐああああああ!」
そのワイヤーは、ネメアーの獅子の生命力をそのまま奪う。
「飛んで罠にいる獅子ってな、驕っていると足元を掬われるんだよ」
成功🔵🔵🔴
効果1【トラップ生成】がLV2になった!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
ヴィオレット・ノール
試練に供される亜人どももほんの一握りでしかない、か。
どれだけの数の亜人がいるのかと思うと嫌になる。
ともあれ、そこのアヴァタール級でこの場は最後だ。
亜人は須らく殺し、滅ぼさなくては。
味方と連携出来たお陰で今のところ大きな負傷はないけれど。
大跳躍による捨て身の一撃……直撃したらかなりのダメージを負いそうだ。
強打や殴打でも打ち負ける可能性が高いし、ここは距離を取って立ち回るのが良いかな。
回避には強化された【飛翔】の速度を利用して直撃を避け、攻撃後の隙に『雷の招き』をお見舞いしよう。
捨て身ということは直ぐ様回避や防御行動には移り難い筈。
こちらの読みと攻撃が通用するかどうか、【強運の加護】にも祈ろうか。
ルーシド・アスィーム
アドリブ、連携歓迎
「」内は技能
……老兵殿、情報提供に感謝を。約束は果たします
亜人を集める神の門なる名の意味を持つ都市、目指す為にも先ずは獅子を討ちましょう
僕は看取る者にして、貴方を敗者へと誘う者。どうぞお覚悟を
舞うは『セルケトの蠍槍』
卑劣なる汝は勇士に非ず、神の裁定を受けよ!
周囲を「観察」し「地形の利用」を検討
味方の動向に留意しつつ獅子だけではなく、見極めた脆弱な地形部分にも神槍を降らせ、彼の者の動きを妨害
残留効果も活用
より正確に、致命傷になるべく狙いを定めます
神性の毒が回る中、尚動くなら「風使い」「高速詠唱」「結界術」で荒ぶる風の吹き荒れる地を作り妨害
相手の攻撃は上記に飛翔を併せ動き回り回避
●闘技場にて
「くそっ! なんだ……これは!!」
叫ぶネメアーの獅子。手にまとわりつくのはクロエのオルトロスと誠司のワイヤー。動けば動くほどフルルズンが溶かした鎧の箇所に、腕に、脚に絡まり、泥沼に嵌っていくのだ。
そして闘技場の全体は既に、トラップが張り巡らされた状態になっていた。
どこへ行こうともその檻から抜けることなど、不可能に思えた。
「僕は看取る者にして、貴方を敗者へと誘う者。どうぞお覚悟を」
ルーシド・アスィーム(星轍・g01854)は看取ったゴブリンの想いを胸に、一振りの聖杖を振り回して構えた。
「なんだと!?」
ルーシドの言葉に、ネメアーの獅子は吼える。
「己の状況もわかっていないのかい?」
すると、ヴィオレット・ノール(北の菫・g09347)が無双馬『ノール』に跨って、掌に魔力を集中させながら、問う。だが、問うと言ってもそれは半分以上侮蔑が含まれている。端から返答など期待していない。気にも留めることは無い。
(「試練に供される亜人どももほんの一握りでしかない、か。どれだけの数の亜人がいるのかと思うと嫌になる。
ともあれ、そこのアヴァタール級でこの場は最後だ」)
ドン!
炸裂音がネメアーの獅子の頭上へ落ちる。
「亜人は須らく殺し、滅ぼさなくては」
ドン!
そしてもう一度。
雷が天から落ちるとき、その音は空を切り裂く炸裂音となる。ヴィオレットが放つ魔術は雷となり、クロノヴェーダを焦がした。
「ぐあ……」
動けない敵に対して、同情など浮かぶことは無い。そもそもこの地で行ってきた亜人の行いは、ディアボロス達の怒りを買っているのだ。
「僕は、先程の老兵のような方が居るという事も確かに知った。そしてそれは、僕の成すべきことなのだとも思ったのです」
ルーシドが聖杖を両の手で構え、頭上に掲げて舞う。
「……老兵殿、情報提供に感謝を。約束は果たします。卑劣なる汝は勇士に非ず、神の裁定を受けよ!」
その舞は毒蠍の姿を取る女神に捧ぐ禁舞。
『我が敵は汝の愛し子に非ず、王位瀆す愚者』
ルーシドの舞の速度が上がる。だが、その滑らかな動きは見る者を魅了するだろう。
『その生命支えし臓腑、血潮、カノプスに納まる価値無し。神罰にて悉く腐敗せよ!』
舞が完成するとともに、神槍が天空から、そして地面や四方からネメアーの獅子に向かって降り、突き刺さった。
それが、ネメアーの獅子の最期となったのだった。
ネメアーの獅子を討ったディアボロス達は、闘技場を跡にしていった。
散ったゴブリンもまた亜人。この地を蹂躙する敵には違いないのだ。
しかし、その亜人たちもまた、それぞれに苦悩や不幸、仲間たちがいるのだという事がわかった。
同情するディアボロスも居るが、赦せない事を赦すつもりはない事も確かだ。
だが、既に死んでいった者たちには、等しく祈りがあっても良いのだろう。
あるディアボロスは、帰路に着く為のパラドクストレインに乗る直前、そっと闘技場を振り返り、そんなことを思ったのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】LV1が発生!
【腐食】がLV3になった!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【命中アップ】がLV4になった!