リプレイ
鳩目・サンダー
マンチェスターっつーとあれか、前に行った、文字通り腐るほど麦が取れる、雨のやまない土地。
小麦取れすぎ問題は多分根本的には解決していないと思うので、それを確認次第、酷いな、大丈夫かい、と住民の愚痴に付き合い警戒を解く。
「ドラゴン様は人間なんぞこのまま小麦に埋もれて腐って死ねとでもお考えなんだろうか。」
ドラゴンは人間の事なんぞ考えていない、という主軸で話を展開する。
「ドラゴン様は空からこの状況を見ているはずだ。
なのに折角取れた恵みが腐ろうが、そのせいで病人が出ようが、何も言わない。
多分理解してないんだよ、皆困ってるって事を。水さえありゃ生きられる苔か何かだと思ってる。」
アドリブ、連携歓迎です。
「ここは相変わらずか……」
曇天を見上げ、鳩目・サンダー(ハッカーインターナショナル同人絵描き・g05441)は息をついた。
マンチェスター――文字通り“腐るほど”小麦が採れる、雨の止まない土地。
以前に来た時とまるで同じ状況に見えるのは、この地を支配する円卓の騎士――アグラヴェイン卿が未だ健在であるからに他ならない。
幸いにしてディアボロスの手が一度及んだ場所なのか、ありとあらゆる所に積まれた小麦は未だ腐ってはいないようだが――これも、時間の問題だろう。
そして、行き場のない小麦の山を前に浮かぬ表情をしている村人の姿も――。
「酷いな、大丈夫かい」
「……ん? ああ、旅人さんか。これかい?」
声をかけられた村人は少し驚きつつも、サンダーの言葉に目の前の小麦へ視線を戻す。
「前まではドラゴン様がどこぞへと運び出してくれていてね、こんな風に倉庫に入り切らなくなるようなことには、ならなかったんだが……」
「そうか……ドラゴン様は、人間なんぞこのまま小麦に埋もれて腐って死ねとでもお考えなんだろうか」
吐き捨てるように、サンダーは呟いた。
「っ、あんた、ドラゴン様に聞かれたら……!」
「独り言だよ」
慌てる村人にそう告げて、サンダーは話を続ける。
「ドラゴン様は空からこの状況を見ているはずだ。なのに折角取れた恵みが腐ろうが、そのせいで病人が出ようが、何も言わない。そうだろう?」
ドラゴンは、人間の事情など全く考えていない。
そのことを主軸に置きながら、サンダーは話を展開させていく。
「多分理解してないんだよ、皆困ってるってことを。水さえありゃ生きられる苔か何かだと思ってる。そんな扱いで良いのか?」
そこまで言って、サンダーはちらりと村人に視線をやる。
「俺たちは……」
村人はサンダーの言葉に何も言い返せないまま、ただ、突きつけられた事実に拳を握り締めた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
紫空・千景
【黒華】
揺らぎを確かにし
何れは竜の支配に終わりを
優しき龍が私の隣にいるんだ
…終わらせたい物だな
祇伐と名を呼ぶのが歩みの合図
聞こえる住民の話から情報収集しつつ
友達催眠の効果を自らも借り
共に褒める所から
其れから
――なあ、竜はあんた達に寄り添ってくれるか?
問う
雨で小麦を腐らせる行為
花嫁と言い贄とした事実
生まれた時から当たり前だったのは理解している
だが今、あんた達に竜の恵みが有るとは思えん
…そう、今の生活はあんた達の努力だ
佳き心地なら、ほら
私の隣に夢をくれる花龍がいる
…ふふ、そうか
信じる故かと綻び
士気高揚を乗せ
こころに響かせたい
あんたらは何を信じる?
私も共に伝えよう
何よりも
自身と隣の人を信じて欲しいと
咲樂・祇伐
【黒華】
当たり前の信仰が揺らぐ事は
天地が揺らぐ程のこと
ひとが竜に支配される時代も終るやも
終わらせねばならない
花咲みあなたの隣
友達催眠の効果もかり言葉を紡ぐ
先ずは
街の人々や景観や作物や身近なものを褒め
竜の恵とは如何なるものなの?
千景さんの言葉に重ね
それは竜の力ではなく
あなた達ひとの力
努力の成果である事を強調
小麦が無駄にされた話や
懸命に生きるあなたやあなたの大切な人が
竜に奪われて仕舞うのは悲しいと伝う
この生活は竜ではなく
あなた達が守り築いたもの
気づいてほしいと
私を褒めすぎよ、千景さん
それはあなたが私を信じてくれて
私があなたを信じてるから
人々に伝え問いたい
信じるべきなのは
竜ではなくて
己自身と隣人だと
共に歩み、生きてきた、竜への“信仰”――。
当たり前のように傍にあるそれが揺らぐことは、即ち、天地が揺らぐにも等しいだろう。
――自分たちが齎すことが出来るのは、ほんのささやかな揺らぎ。
だが、これを確かなものにしてゆけば、この時代に生きている人々を竜の支配から解き放つことも、いずれは叶うかもしれない。
「……終わらせたいものだな」
願うように呟き、紫空・千景(夜明の導べ・g01765)は祇伐、と優しく傍らの名を紡ぐ。
「ええ、終わらせねば」
花咲み乗せて頷きながら、咲樂・祇伐(花祇ノ櫻禍・g00791)はゆるりと歩み出す。
足を運んだマンチェスターは、相も変わらず恵みの雨がしとしとと降り続いていた。
「……美しいものだな。あの小麦は、あんたたちが育てたのか?」
友達催眠の効果も借りながら、二人は村人たちを相手に言葉を紡いでゆく。
灰色の空の下でも美しく揺れる黄金色の絨毯は、彼らが丹精込めて育てた小麦だ。
かつては多くの人々の飢えを満たし、命を繋いでいたもの。
しかし、今は――竜の手によって運び出されることもなく、ただ腐ってゆくのを待つだけのものだ。
「あれを綺麗だと思うかい? たとえ収穫しても今はただ腐るだけのものだ」
「前はあんたたちみたいな旅人さんたちが来て、助けてくれたんだが……」
村人たちは口々にそう言いながら、深い溜め息をつく。
――この地で生産される小麦はすべて、竜のもの。
だから、彼らは小麦の作り手であるというのに、たとえ腐っても勝手に処分することは許されていない。
このままでは、以前と同じように、腐った小麦で村が穢されていくのは目に見えていた。
「――なあ、竜はあんたたちに寄り添ってくれるか?」
千景は静かに、真っ直ぐに問いかける。
降り続く豊穣の雨。皮肉にも、それによって腐っていく小麦。
小麦を作り続ける日常は、いつの間にか変わっていた。
だというのに――。
「竜の恵とは、如何なるものなの?」
千景の言葉に重ねて、祇伐が問う。
村人たちは、二人の問いに答えを見つけられないでいるようだった。
「生まれた時から当たり前だったのは理解している。だが今、あんたたちに竜の恵みが有るとは思えん」
それでも“今”、現状を憂いながらも彼らはこの地で生きている。それは――。
「それは竜の力ではなく、あなたたちひとの力」
「……そう、今の生活はあんたたちの努力だ」
この生活は竜ではなく、彼ら自身が守り築いてきたものだと気づいてほしい――彼ら自身の力があってこそだと、祇伐は真摯に訴えかける。
「あなたたちが育てた小麦が、無駄になってしまうことだけではない。……懸命に生きるあなたちやあなたの大切な人が、竜に奪われて仕舞うのは悲しい」
「それでもあんたらは、竜を信じるのか? ……あんたらは、何を信じる?」
「信じるべきなのは、竜ではなくて――己自身と隣人だと思うわ」
彼らのこころに響かせたいと士気高揚を乗せて、想いを籠めて響かせる祇伐の声に重ねて、千景も続く。
「――何よりも、自身と隣の人を信じて欲しい」
唇を結んだまま、けれど、村人たちは己自身の心と向き合っているように見えた。
彼らの心に、確かな揺らぎが生じていることは、間違いないだろう。
「それに、本当に優しき龍は、私の隣にいるからな」
佳き心地と夢をくれる花龍だと穏やかに紡ぐ千景に、祇伐は瞬いてから、ほんの少し照れたようにはにかんで。
「私を褒めすぎよ、千景さん。……それはあなたが私を信じてくれて、私があなたを信じてるから」
「……ふふ、そうか。信じる故か」
千景も柔く笑みを綻ばせながら、どうかこの地に生きる彼らが、自分たちのように隣人を信じる心を懐いてほしいと願う。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
シル・ウィンディア
手には竪琴を持って、旅の吟遊詩人を装って村に入っていくよ。
村の広場に行って、大きく声を出すよ
さぁ、少し気晴らしに演奏を聞いてみない?ってね。
反応があってもなくても演奏を開始。
最初はゆっくり、少しずつ気持ちが上に行くテンポで演奏するよ。
人が集まったら…
この村もそうだけど、他の村も小麦が原因で困ってたね。
でも、ドラゴン様は何もしてくれない。
そう、人が病で死のうが、そんなの関係なく小麦を作れと。
そんな生活でいいの?
もっと、生きてみたいって思わないの?
楽しいこと…。
こうやって音楽を楽しむこともできなくなるよっ!
それでいいなら止めないけど。
さぁ、あなた達はどうする?
勝利の凱歌の効果も使って訴えかけるね
クリスティーナ・アストロイア
集落の中に入り、歩き回りつつ集落の様子を伺う。
他の方が歌い始めたら、偶然足を止めて聞き入るような演技をして人を誘う。
友人催眠も利用することで知り合いが聞いていると思えば興味を持つはず。
「…ドラゴン様は見ているだけ。私のところでも助けてくれませんでした」
「…私のところだけかと思ったら、ここでも…ドラゴン様は一体何をお考えなんでしょうか」
体験談のように言葉を漏らし、周囲の村人の不安を煽った後に演説や歌に同調する言葉へ転換する。
「…そろそろドラゴン様の言いなりは終わりにしましょう」
「…私たちは自分たちで道を決められるはずです」
使用可能なエフェクトは使用
アドリブ・絡み歓迎
四葩・ショウ
ねぇ、
よかったらきいていってよ
晴れ渡る祝福を、虹が煌めくような歓びを
歌唱する聖歌
困りごとの手伝いや
歌の対価を貰って
こうして旅をしているんだ
ドラゴン様の前ではとても言えないけれど
わたしの故郷は、この恵みの雨で病んでしまって
行き場のない腐った小麦で、家族は病気に……
雨は降り続くばかりで、皆の心まで厚い雲で覆ってしまった
悲痛な演技は心から
人びとの苦しみに、悩みに
よりそうみたいに
ドラゴン様は、なにもしてくれなかった!
困っているって何度声をあげても、なにも……
ほんとうにドラゴン様は正しいのかな?
このまま、信じていてもいいのかな?
どうするべきかは
誰かに定められることじゃ、ない
わたし達が、考えて決めることだ
一ノ瀬・綾音
うーん、信仰心の揺らがせか。
難しい感じはあるけど……やってみるか。
【友達話術】と友達催眠で少しでも警戒心を減らせないか試しつつ、流言みたいに噂話程度に会話を流し込んでみるよ。
小麦とか溜めておいて結局何も使わずにただ腐らせるって……ドラゴンも万能ってわけじゃなくて優先度を考えて小麦を置いておけってしてるのかもね。
そしてこの集落付近はその優先度が低い……つまり、ドラゴンにとってこの集落付近の皆なんか生きてても死んでても同じ、ただ万が一のための資材だけ残しておいておけばいい程度なんじゃないかな?
そんな残酷なことをしてのけるドラゴン、信仰する価値あるのかなぁ……信仰しても優先度低けりゃ意味ないじゃん?
灰色の空からは、豊穣を齎す雨がしとしとと降り続いている。
「すみませーん、こちらの村には、広場のような場所はありますか?」
そんな中、竪琴を携え、旅の吟遊詩人を装って集落に訪れたシル・ウィンディア(虹霓の砂時計を携えし精霊術師・g01415)は、行き合った村人にそう声をかけていた。
「おや、旅の人かい? 広場なら道なりに進めばすぐ着くよ」
シルの姿を不審に思うこともなくそう答えた村人に会釈をしてから、シルは言われた通り道なりに歩いていく。
目指す広場は、すぐに見えてきた。
小雨が降っているにもかかわらず、広場にはちらほらと人の姿がある。
シルは竪琴の元を軽く弾き、人々に笑顔で呼びかけた。
「さぁ、少し気晴らしに演奏を聞いてみない?」
シルは笑顔でそう呼びかけると、人々の反応に構わず竪琴を弾き始める。
「――ねぇ、よかったらきいていってよ。わたしたち、困りごとの手伝いや歌の対価を貰って、こうして旅をしているんだ」
そこにさりげなく、まるで初めからいたかのように現れた四葩・ショウ(Leaden heart・g00878)は、シルの隣に並び立つ。
互いにそっと目配せひとつ、ショウが紡ぐ澄んだ歌声に合わせ、シルが竪琴の音色を響かせる。
晴れ渡る祝福と、虹が煌めくような歓びの聖歌を、ショウは想いを籠めてただ――うたう。
ショウの歌声にしみじみと聞き入る村人たちは、次第に心が洗われてゆくかのように穏やかな表情へと変じていった。
広場へと続く道を辿りながら、クリスティーナ・アストロイア(星視の魔女・g03092)は辺りに視線を巡らせる。
恵みの雨が降り続くマンチェスターでは、一年を通じて小麦が収穫出来る。
かつてはアイルランドへ運ばれていた小麦だが、それがなくなった今――マンチェスター中の集落で、行き場を失くした小麦を余らせているのが現状だ。
ドラゴンの命令がないからというだけで、村人たちには小麦をどうすることも出来ず――腐った小麦は村の衛生環境を悪化させ、病を齎した。その状況はディアボロスの介入により多少なりとも改善されたものの、この地を支配する円卓の騎士アグラヴェイン卿が健在である以上、根本的な解決には至っていない。
ゆえに、村の中には至るところに余った小麦の山が出来ていて、再び衛生環境が悪化するのは時間の問題と言えるだろう。
(「一刻も早く、アグラヴェイン卿を討たなくてはなりませんね……」)
そうして小さく息をついたクリスティーナの耳に、どこからともなく旋律が届いた。
先んじて村に訪れたシルの竪琴の音と、ショウの歌声。
「どうでしょう、折角ですから、一緒に聞いていきませんか?」
穏やかに微笑んで、クリスティーナは友達催眠を併用しつつ通りすがった村人に呼びかける。
――いつしか、広場には多くの村人たちが集まってきていた。
今なら、こちらの言葉に耳を傾けてくれる者もいるだろう。
「この村もそうだけど……他の村も小麦が原因で、村の人たちが困ってたね」
頃合いを見計らい、竪琴を爪弾く手を止めぬまま、シルはぽつぽつと語り始める。
「でも、ドラゴン様は何もしてくれない。……そう、人が病で死のうが、そんなの関係なく小麦を作れと。――そんな生活でいいの?」
「……ドラゴン様の前ではとても言えないけれど、わたしの故郷は、この恵みの雨で病んでしまって」
ぽつりと、ショウが言葉を重ねる。
「……この、雨で?」
マンチェスターに生きる者にとってはずっと傍に在って――今も尚、降り続いている雨。
困惑している様子の村人に、ショウはそう、と頷いてみせる。
「行き場のない腐った小麦で、家族は病気に……雨は降り続くばかりで、皆の心まで厚い雲で覆ってしまった」
紡ぐ言葉も悲痛な表情も、あくまでも演技ではあるけれど、籠める想いに嘘偽りはない。
「ドラゴン様は、なにもしてくれなかった! 困っているって何度声をあげても、なにも……」
ひとびとの苦しみや悩みに寄り添うように、ショウは想いを乗せた言葉を響かせる。
このままではこの地も同じような未来を迎えるかもしれない。そう、訴えかけるように。
村人たちの目を、ひとりひとり、しっかりと見つめて、ショウは問いかける。
「……ほんとうに、ドラゴン様は正しいのかな? このまま、信じていてもいいのかな?」
雨で小麦が腐ってしまったこと、それにより、病に倒れた者がいること。
それは、この集落でも同じだった。
村人たちは何かに気づいたようにはっとする――けれど、誰も、続く言葉を呑み込んだまま。
「小麦とか溜めておいて、結局何も使わずにただ腐らせるって……ドラゴンも万能ってわけじゃなくて、優先度を考えて小麦を置いておけってしてるのかもね」
三人と同じく広場に足を運んでいた一ノ瀬・綾音(星影の描き手・g00868)が、ショウに続いて口を開く。
余計な警戒を抱かせぬよう、綾音は持ち前の笑顔と演技力で最初から友達であるかのように振る舞いながら、シルの演奏とショウの歌に耳を傾けていた村人に、さりげなく噂話をする体で言葉を流し込んでいく。
「そして、この集落付近はその優先度が低い……つまり、ドラゴンにとってこの集落付近の皆なんか、生きてても死んでても同じ。ただ万が一のための資材だけ残しておけばいい程度……なんじゃないかな?」
この地に生きる人々にとっては、生まれた時から当たり前に傍に在ったと言っても過言ではない、ドラゴンへの信仰心。
それが強固に息づくこの幻想竜域キングアーサーの地で、その根本を揺るがすことは難しそうだと綾音は感じていたが、ディアボロスの介入によって着実に状況が変化しつつある今ならば――。
「だが、ドラゴン様は……」
綾音の言葉に、村人たちは何も言い返せないようだった。
事実、運び出されないままの小麦は辺りに掃いて捨てるほど積まれているにもかかわらず、彼らに与えられているのは普段通りの生活をしろ――小麦は作り続けろという命令だけだ。
「そんな残酷なことをしてのけるドラゴン、信仰する価値あるのかなぁ……信仰しても優先度低けりゃ意味ないじゃん?」
その事実を、彼ら自身に気づかせるように綾音は語る。
「……ドラゴン様は、ただ見ているだけ。私のところでも助けてくれませんでした」
続いて言葉を重ねたのは、村人たちと共にシルとショウの演奏を聞いていたクリスティーナだった。
己が経験してきた体験談のように言葉を漏らすクリスティーナの狙いは、村人たちの不安を煽ることにある。
「私のところだけかと思ったら、ここでも……ドラゴン様は、一体何をお考えなんでしょうか」
村人たちの間に、漣のように不安が伝播しているのが見て取れた。
「あなたたちは、もっと、好きなように生きてみたいって思わないの? このままじゃ、たとえば楽しいこと……こうやって音楽を楽しむこともできなくなるよ?」
ざわめきを鎮めるように、シルは一度、高らかに竪琴の弦を弾いて――そして、毅然と告げる。
「それでいいなら止めないけど。……さぁ、あなたたちはどうする?」
いつしか、周囲には勝利の凱歌――勇気を奮い起こす歌声が響き始めていた。
「どうするべきかは、誰かに定められることじゃ、ない。わたしたちが、あなたたち自身が、考えて決めることだよ」
ショウの真摯な声に、選択を迫られた村人たちは困惑しながらも互いに顔を見合わせる。
「……そろそろ、ドラゴン様の言いなりは終わりにしましょう」
願うように、クリスティーナは紡ぐ。
「――私たちは、自分たちで道を決められるはずです」
ディアボロスが重ね、紡いだ言の葉に、村人たちは震えながらぐっと拳を握り締める。
それは、ドラゴンへの信仰が崩れ始めた、確かな証に他ならず――。
やがて、集落よりそう遠く離れていない場所に、まるで、揺らめく陽炎のように。
堅牢なる守護の要塞マンクニウムが、その姿を現した。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
【士気高揚】がLV2になった!
【飛翔】LV1が発生!
【友達催眠】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
【グロリアス】LV1が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!
鳩目・サンダー
おお、確かに砦が見えた。成果が目に見えるのはいいもんだね。
ではおっぱじめますか。
使うパラドクスはオルタナティヴファクト。
統率を乱す為にも、敵が見たことも無いような領域を展開しよう。
スポーツ系FPSの世界へお連れする。
武装した人間が速く走り高くジャンプし容赦なく銃撃を行う。そしてすぐに建物の影へと消えていく。
当然ステージは屋内、通路は二人以上で並ぶには狭く、隊列など組みようもない。
無論向こうのパラドクスが強ければ空間ごと破壊されるが……。二回目三回目はステージを変えて、プレイヤーのスキルも上げる。
アドリブ、連携歓迎です。
「おお、確かに砦が見えた。成果が目に見えるのはいいもんだね」
今まで何もなかった場所に、突如として出現した砦。
正確には“なかった”のではなく、“隠されていた”――要塞型クロノ・オブジェクト『マンクニウム』の姿に、鳩目・サンダー(ハッカーインターナショナル同人絵描き・g05441)は不敵な笑みを浮かべてみせる。
マンチェスターの人々の、竜への信仰を揺らがせたことにより、隠された入り口は開かれた。
あとは堂々と正面から乗り込んで、このマンクニウムを防衛するクロノヴェーダを一掃するのみである。
バリケードで護られたその入り口に配されているのは、聖ティラミサ騎士団の勇士たち。
「来たぞ、ディアボロスだ!」
「恐れることはない! 聖ティラミサ騎士団の名にかけて、ここで食い止める!」
威勢よく声を上げながら、竜の騎士たちが一斉に展開する。
「では、おっぱじめますか」
サンダーが用いるパラドクスはオルタナティヴファクト。
「こんな領域、見たことないだろ?」
描きかけのラフさえも、サンダーにとっては立派な攻撃手段のひとつだ。
騎士団の名の通り、統率された部隊。その連携を乱すべく、サンダーが自らの作品の世界を現実に展開するパラドクスで見せるのは所謂スポーツ系FPSの世界だ。
サンダーが創り上げた作中の登場人物たちは、みな武装している。その武器さえも、この幻想竜域の騎士たちにとっては見たことのないものばかりだろう。
「な、何だ、ここは……!」
銃で武装したキャラクターが素早く駆けながら高く跳び上がり、容赦のない銃撃を加えては建物の影へと消えていく。
「慌てるな! まやかしだ!」
建物の中ならば通路も狭い。だが騎士たちは半ば強引に、空間ごと破壊するかのように盾を構えながら剣を手に突撃してくる。
「さすがに手慣れてるな。だが、次はどうだ?」
四体からの同時の反撃は、なかなかに手痛いもの。
けれどもサンダーは臆することなく、口元に笑みを浮かべながら次なる手を構築していた。
向こうが戦い方を覚えるならば、こちらも同じ。
プレイヤーのスキルレベルをも上げながら、サンダーは次なるステージへ騎士たちを誘き寄せる。
大成功🔵🔵🔵
効果1【迷宮化】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
咲樂・祇伐
【黒華】
あれが、要塞……
私達の思いは人々に届いたのかしら
確かな、芽吹きへの一歩ですね
前を見据えて、きゅと手を握る
恐れはなくただ
進むという意志を示して
千景さん、ゆきましょう
広げる神扇
信頼を背に信頼を返す
守護しあうはひとと龍
私達の在り方は此処にある
桜蜜ノ夢幻
全力魔法に乗せてよぶのは夢幻の厄災
桜花の吹雪にあなたを隠し、奇襲のフォローをするわ
精神攻撃の夢幻を重ね、連携乱す偽りの幻惑魅せて惑わせて
風刃と成して穿ち吹き飛ばして敵の連携を妨害
一体ずつ散らせていきましょう
千景さんが狙われればすぐ庇いに入り
桜花の結界重ねて攻撃受けお返しとばかりに夢幻を放つ
裂いて、咲かせて
あなたのために
綻ぶ希望を潰させはしないわ
紫空・千景
【黒華】
要塞が姿を現したか
ならば私達の確かな一歩という事だな
竜を前にしても以前のような憤りはない
唯一の桜の安堵が勝つから手を取り握って――大丈夫
噫、行こう祇伐
守り護られ、人と龍の歩みは此処に在る
私達の在り方を魅せよう
迷彩と桜花に気配融かし
祇伐に初撃を信頼共に託して
…習性を利用させて貰おう
虚閃一刀で奇襲を掛け
一体は空間の狭間に落とし
片方は瀕死の状態に出来れば御の字
其れを庇いに入った奴は
瞬く間に祇伐の夢幻へ
夢心地に左様ならだ
連携、ふむ
私達の上を行けるのならと此方も妨害を重ね
火球なぞは夜明けの結界と斬撃の薙ぎ払い
芸術が如く鮮やかにいなし
祇伐が狙われれば庇い
断ち、空間へ落とす
開いた途は
より確かな物へと
「漸く姿を現したか。ならば私たちの確かな一歩ということだな」
灰色の空の下、揺らめいて浮かび上がった竜の要塞――マンクニウム。
はっきりと像を結んだその姿に呟いた紫空・千景(夜明の導べ・g01765)に、傍らの咲樂・祇伐(花祇ノ櫻禍・g00791)は確りと頷いてみせる。
「私たちの想いが、きっと人々に届いたのでしょう。確かな、芽吹きへの一歩ですね」
入り口を護る竜の騎士たちを前に、千景の心は凪いだまま。
以前ならばその姿を見ただけで抑えきれぬ怒りに駆られて飛び出していただろう、けれど。
復讐者としての怒りは常に在れども、冷静に己の心と向き合うことが出来るのは――唯一の桜が傍に居てくれるからに他ならない。
祇伐の手を取り、握り締めれば、忽ちの内に安堵がふわりと咲いてゆくから。
「――大丈夫だ」
傍らのぬくもりをきゅと握り返し、祇伐も前を見据えたまま、頷く。
恐れはなく、ただ、進むという意志をぬくもりに添わせて。
「千景さん、ゆきましょう」
ぬくもり伝わせた手を解き、破邪の神扇を広げ祇伐がそう告げれば、
「噫、行こう祇伐。私たちの在り方を魅せよう」
暁の刃を手に、千景が地を蹴った。
守り、護られ。
人と龍の――自分たちの歩みは、此処に在る。
今も、そして、この先も。
互いに預ける信頼は、決して揺らぐことのない確かなもの。
風刃の如く吹雪く桜花は、幻惑の現に誘う夢幻の厄災。
桜彩咲く柘榴の双眸にほんの刹那でも囚われたなら、忽ちの内に心も体も桜となって蕩けてしまうだろう。
鋭く固く組み上げられた鉄壁の守りと苛烈な攻撃の向こう、心を惑わせ連携を乱さんとする祇伐の桜が舞うと同時、初撃を彼女に託した千景が星鏤む鞘から抜き放った夜明けの刃を手に、はらりと舞う桜の想いも連れて疾く斬り込んでいく。
「断ち切り、無へ帰す――」
気配を融かした桜花の幕が開くと同時、防壁ごと空間を斬り伏せるように振るわれる、暁の刃。
だが、虚無の狭間へ落とされながらも吠えた竜騎士が踊らせた火球の息吹が千景へと迫る。
「この程度――」
夜明けの守りを重ねても往なし切れなかった肌を灼く痛みごと夜明けの刃で薙ぎ払いながら、千景は口の端に笑みを浮かべて、静かに告げた。
「……私たちの上を、行けるとでも? ――夢心地に左様ならだ」
相手は、連携を密に襲いかかってくる竜の騎士。
だが、心を密に通わせ信を託し、互いを守り合いながら戦うのはこちらも同じ。
「千景さん!」
刹那、祇伐が重ねた夢幻の桜花が、千景へ牙を剥こうとした騎士を呑み込んだ。
身も心も魂までも、桜と咲かせて散らしていく桜蜜ノ夢幻。
敵の攻撃は苛烈なものだが、身を裂く刃の痛みも、肌を灼く炎の熱も、復讐者たちの想いによって更なる加護を得た栄光のひかりが癒してくれるから。
だからただ真っ直ぐに、心置きなく存分に力を振るい、鉄壁の向こう――先へと至る途を穿つだけ。
祇伐が咲かせる美しき桜に更なる彩を添えるよう、千景は芸術が如く鮮やかに刃を振るい、次々に空間ごと存在を断ち斬っては虚無へと落とし。
祇伐もまた、千景の美しく冴えた斬撃をより輝かせるよう、夢と現が入り交じる甘やかな桜を爛漫と吹雪かせる。
――裂いて、咲かせて。
途を拓き、その先へ。
(「あなたのために、綻ぶ希望を潰させはしないわ」)
確かな未来を描き出す、そのために。
夜明けの先、新たな始まりを導く花が舞う。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【現の夢】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
シル・ウィンディア
砦が現れたってことは、信仰にダメージが入ったってことだね。
それじゃ…。
このチャンス、生かさせてもらうよっ!
低空飛行のジグザグ飛行で一気に接近。
砦の壁に向けて世界樹の弾丸type.Cの誘導弾を連射していくよ。
クロノオブジェクトなら効かないけど、気分の問題っ!!
敵がこっちに向いたら、さらに飛び回って気を惹くよ。
その間にみんなが攻撃してくれたらいいしね。
まぁ、もちろんやられっぱなしでいるわけじゃないよ。
高速詠唱からの竜雪光風撃での攻撃は忘れずにするよ。
ほらほら、こっちを無視したら痛い目あうよっ!
言葉もかけて気を惹くことを続けるね。
さて、防衛の騎士様達?
そろそろ通してくれると嬉しいんだけどね?
クリスティーナ・アストロイア
「…あれがマンクニウム、ですか。警戒態勢…突破しませんとね」
飛翔しながら砦へ接近し、戦闘へ突入
「…示されたるは『塔』。立ち塞がる障害を破壊します」
パラドクス『ArcanaCode:The Tower』を発動。
星貨を消費しつつ、魔力を解放して発生した雷や炎を用いて攻撃を開始。
飛翔しながら常に魔力を全開で放ち、高速詠唱と全力魔法・連続魔法を用いて敵へと攻撃を続ける。
「…此処は押し通ります」
バリケードに接近出来たら【建造物分解】で破壊を試みる
使用可能なエフェクトは可能な限り使用
アドリブ・絡み歓迎
「……あれがマンクニウム、ですか。警戒態勢……突破しませんとね」
その向こうに待つ、アグラヴェイン卿の元へ至るために。
クリスティーナ・アストロイア(星視の魔女・g03092)は入口を守護する聖ティラミサ騎士団の姿を捉えるや否や、強く地を蹴って飛翔する。
「来たぞ、ディアボロスだ!」
聖ティラミサ騎士団の竜騎士たちは一斉に、クリスティーナへ狙いを定めようとする――が。
「――クリスおねーちゃんのこと、そう簡単にはやらせないよっ!」
クリスティーナを追い越す勢いで低空から一気に飛来したシル・ウィンディア(虹霓の砂時計を携えし精霊術師・g01415)が、砦の壁に向けて魔力銃に変形させた世界樹の翼『ユグドラシル・ウィング』から誘導弾をばら撒いていく。
言うまでもなく、クロノ・オブジェクトである要塞マンクニウムの外壁には、パラドクスではない誘導弾では傷一つつけることさえ叶わない。だが、シルはそれも承知の上で、聖ティラミサ騎士団の竜騎士たちの連携を生かした苛烈な攻撃を浴びながらも、敵の気を惹きつけるべく飛び回る。
「……ありがとう、シル様」
華麗に空を舞うシルの姿にどこか安堵したように微笑み、けれどすぐに真剣な表情で眼前の敵へと向き直ると、クリスティーナはシルが敵の気を惹きつけてくれているこの機を逃さず、己の魔力を封じた星貨をばら撒いた。
「……示されたるは『塔』。立ち塞がる障害を破壊します」
大いなる力は、災いを齎す。
けれど、クリスティーナは今、その全てを――己の内に宿る破壊と崩壊を齎す膨大な魔力を解き放った。
――『ArcanaCode:The Tower』
魔力は雷や炎へと変じ、バリケードを巻き込みながら竜騎士たちへ襲いかかる。
一方の空舞う竜騎士たちも雷に打たれ、炎に呑まれながらも――盾を構えて剣を振るい、息を合わせて連携し反撃を繰り出してきた。
一人だったならば、凄まじい反撃の猛攻に蹂躙されていたことだろう。けれど――。
「ほらほら、こっちを無視したら痛い目あうよっ!」
そこへ、高らかにシルの声が響き渡る。
シルとて、ただやられるばかりでいるつもりは毛頭なく。
「――竜よ息吹よ、暁の光よ、凍てつく水よ、吹きすさぶ風よ、我が前の障害を凍てつかせよっ!」
高速で詠唱を終えれば光と水、そして風の精霊たちが凍てつく吹雪となって翔け抜けて――竜騎士たちの鉄壁の防御ごと吹き飛ばした。
「さて、防衛の騎士様たち? そろそろ通してくれると嬉しいんだけどね?」
背に広がった一対の光の翼を羽ばたかせながら、強気な笑みを浮かべるシル。
その姿を頼もしげに見やりつつ、クリスティーナは新たな星貨を取り出して、騎士たちへ鋭く告げた。
「……此処は、押し通ります」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV2になった!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【グロリアス】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!
四葩・ショウ
揺らいだ信仰は
彼らの心がドラゴンから解き放たれはじめた、証だ
たとえ一時的なものでも
降り続くこの雨を、くるしみばかり強いる支配を
終わらせるために
つかんで、みせる
敵は警戒を強めていて、防御は鉄壁だ
なるべく仲間と足並みを揃え、孤立しないようにしよう
ひと息に速度をあげ飛翔で要塞へ接近
空中戦を活かしてバリケードを狙って攻撃
ごきげんよう、勇敢なレディたち
わたしと踊ってくれないかな?
バリケードから狙いが定めにくくなるように
加減速やジグザグに翔んで攪乱を
バリケードを崩したら
近くの仲間の動きにあわせ、一番傷ついた敵をねらって
一体ずつ確実に落としていこう
ごめんね
わたしたちもゆずれないんだ
その護り、崩させてもらうよ
ラヴィデ・ローズ
心を揺さぶる真心に、言葉に、歌に
気力をもらえるのは、オレのような輩も同じなんだよねぇ
邪魔するよ!
颯爽と登場――、まぁまぁ、そんなに睨まないで
歓迎されるべき里帰りみたいなもんじゃないか
防壁、木製なら燃やせそうかな
逃げても隠れても無駄だよ
呪詛込めたパラドクスの紫炎に敵ごと巻き込んでみよう
この敵群はしっかり連携が取れているようだし
炎渦で個々を追い込むことで分断も図りたいね
空中から急降下の一撃離脱、か
オレもよくやる分狙いは読みやすいかな
『ドラゴンオーラ』の齎す炎の残像で降下目標をぶれさせつつ
直撃は『レゼル(長剣)』で受け、致命打は逸らせれば
キミたちも炎を扱えるのかい?
ふふ、だが……足りないな、全然
――その背を押したのは、自分たちではあるけれど。
楔の如く心に、あるいは魂に刻まれていたはずの信仰が揺らいだのは――。
(「……彼らの心がドラゴンから解き放たれはじめた、証だ」)
それが、たとえ一時的なものに過ぎないのだとしても。
この地を覆う暗雲を祓うための、ささやかな切っ掛けには十分足り得るもの。
「――つかんで、みせる」
四葩・ショウ(Leaden heart・g00878)はそう、己に言い聞かせるように呟く。
こころを揺さぶる真心に、言葉、そして、歌に。
(「……気力をもらえるのは、オレのような輩も同じなんだよねぇ」)
同胞たちの想いで心動かされた人々を思いながら――ラヴィデ・ローズ(la-tta-ta・g00694)は口の端に笑みを刻んでいた。
降り続く雨を、人々に苦しみばかりを強いる竜の支配を、終わらせるために。
堅牢なる要塞に、侵入者への警戒を強めている敵の群れ。
鉄壁の守りを崩すべく、ラヴィデとショウはひと息に速度を上げて空を翔け、撹乱するように不規則な軌道を描きながら飛び込んでいく。
「――邪魔するよ!」
「ごきげんよう、勇敢なレディたち」
「くっ、新手か!?」
颯爽と現れたふたりの姿に、ただでさえディアボロスに押され気味の騎士たちの眼差しは鋭く、険しい。
「まぁまぁ、そんなに睨まないで」
ラヴィデはやんわりと愛想笑いを浮かべたまま、小さく肩を竦めてみせる。
「歓迎されるべき里帰りみたいなもんじゃないか。ねぇ?」
「歓迎だと? ふざけるな、ディアボロス風情が――!」
深い紫の竜翼を広げるラヴィデに、竜騎士たちは取り付く島もない。
「振られちゃったみたい? ざんねん」
「ああ、どうやら素直じゃないらしい、なんて。……逃げても隠れても無駄だよ」
ショウの言葉に悪戯めかして答えながら、ラヴィデはすぐさまパラドクスの紫炎を解き放つ。
「キミたちも炎を扱えるのかい? ふふ、だが……足りないな、全然」
全てを焼き滅ぼす呪いの炎渦は忽ちの内に竜騎士たちを追い込んで連携を断ち、その背後に聳える防壁ごと巻き込んで激しく燃え上がった。
「くっ――!」
竜騎士たちは心身に絡みつく呪炎を払って舞い上がり、空中からの急襲を仕掛けてくる――が。
その戦法は、ラヴィデ自身も“良くやる”もの。
ゆえに相手の狙いを読むことはそう難しくはなく、赤薔薇を思わせる竜の気が齎す炎の残像を揺らめかせれば――。
「何
……!?」
僅か一瞬、けれど狙いをぶれさせるには十分だったよう。
禍々しい気配と紫黒の呪炎を帯びた長剣で竜騎士たちの反撃を受け止め、ラヴィデは押し返す衝撃で距離を取る。
直後、ラヴィデとの一瞬の攻防を終えた竜騎士の前に、軽やかにショウが降り立った。
「次はわたしと踊ってくれないかな、レディ?」
ダンスに誘う王子様のように手を差し伸べて、願いをひとつ、胸の裡に灯したなら。
(「――力を、貸して」)
忽ちの内にショウの身体に白羽根の百合が咲き誇り、風に乗って花びらが舞い上がった。
空から降る純白の花たちに触れたが最後――。
肉体に根付いた蕾は重ねられた罪の数だけ気高く咲き誇り、苦痛を刻むと共にこころまでもを凍てつかせてゆく。
この地に集った復讐者たちの猛攻によっていつしかバリケードは崩れ去り、残る竜の騎士たちの姿も顕になっていた。
「……ごめんね」
ぽつりと零す、謝罪の音。
けれどショウの薔薇彩の双眸は真っ直ぐに、倒すべき敵を見据えていて。
「わたしたちも、ゆずれないんだ。――その護り、崩させてもらうよ」
自分たちの歴史を護るために戦う竜と、自分たちの歴史を取り戻すために戦う復讐者。
互いに相容れぬ想いを、世界は、ひとつしか選べない。
「まぁ、そういうことだからさ。……というワケで、ここは通してもらうよ」
――百合の白羽根と紫黒の炎が、灰色の空を彩って。
入り口を護る竜騎士を倒した復讐者たちは、要塞の内部へと一気に雪崩込んでいった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV3になった!
【温熱適応】LV1が発生!
効果2【グロリアス】がLV3になった!
【ロストエナジー】がLV2になった!
アンゼリカ・レンブラント
マンクニウム防衛のドラゴンを片付ける
ここから私も参加させてもらうね
勇気全開で挑むよっ!
このトループスは何度も戦った、その度に
強くなっているみたいだけど
私達の方がもっと強くなっているもの!
戦闘経験を活かしつつ立ち回っていくね
【パラドクス通信】で仲間と連絡を取り合い
仕掛けるタイミングを合わせ炎竜達に雷光で攻撃っ!
反撃をしっかり凌いだらダッシュで囲まれないよう動きつつ、
倒せそうな敵、弱っている敵を攻撃し数を減らすよ!
時にはかく乱・時間稼ぎに努め
仲間からの必殺の一撃の呼び水になるなど臨機応変に動く
消耗した敵に、パワー全開の《雷剣波紋衝》で焼き払うよっ
私のめいっぱいをこの一撃にっ
さぁこれで、どうだーっ!
鳩目・サンダー
景色が多少すっきりしたかな。
じゃあボスの供回りを崩していこうか。
使うパラドクスはエコーチェンバー。3体まで対象にできるので、数の多いトループス共には向いているだろう。
死角にいる敵については【パラドクス通信】で情報共有、敵の規模感と動きを出来る限り正確に確認する。
……毛並みのような炎を纏うか。腕も脚も太くて、所謂その手の「モフモフ系」ドラゴンだよな。イラスト描きとしてはそそられるモチーフだが……。
仲良くなるにはもうやり過ぎた。お互いに。決着をつけるとしようや。
アドリブ、連携歓迎です。
クリスティーナ・アストロイア
「…取り巻きですか。排除させていただきます」
星剣と星貨を持ち、戦闘へ
「…出でよ。双極の精霊…運命を示しなさい」
パラドクスを使用し、炎の守護霊と氷の守護霊を呼び出し、自身と共に行動させる
攻撃は星貨を用いて2体の精霊からのみ行い、自身は精霊の行動をサポートするように行動
自身の攻撃は誘導弾で敵に当てないように連続魔法で放ち、攪乱しながら守護霊たちに指示を出して本命の攻撃を放たせる
この先に待つあの竜に会うために…貴方たちは邪魔ですから。
「…その道を開けなさい」
弱った敵がいれば精霊2体同時攻撃を全力魔法で放つ
使用可能なエフェクトは使用
アドリブ・連携歓迎
――マンクニウム内部への道は拓かれた。
あとはこの地を防衛しているドラゴンを倒し、アグラヴェイン卿の元へ至るための更なる道を抉じ開けるための杭を穿つだけだ。
マンクニウムへと踏み込んだディアボロスたちの前に現れたのは、ふわりと舞う鮮やかな炎の影。
それはこの要塞を護るアヴァタール級、煌星竜ドラコニスを護衛する配下のトループス級――炎砕竜フロウたちの群れであった。
「……排除させていただきます」
星剣と星貨を手に、静かにそう吐き捨てたクリスティーナ・アストロイア(星視の魔女・g03092)は、立ちはだかる炎砕竜フロウたちを冴えた眼差しで見据えていた。
だが、クリスティーナの蒼き双眸には、最初から炎砕竜たちの姿が映っていないようでもあった。
炎砕竜からは、敵意も悪意も感じられない。
それでも、クロノヴェーダである限りは――倒さなければならない存在だ。
「ここから私も参加させてもらうね!」
輝く光のような勇気を胸に、駆けつけたアンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)は朗らかにそう告げると、力強く地を蹴った。
「景色が多少すっきりしたかな。じゃあ、ボスの供回りを崩していこうか」
鳩目・サンダー(ハッカーインターナショナル同人絵描き・g05441)はそう呟くと同時、新たな“空間”に炎砕竜フロウたちを閉じ込めた。
「聴きたいことだけ、聴いているがいいさ!」
エコーチェンバー――サンダーが創り上げたのは電磁波や音波、敵自身の攻撃など様々なものを反射、増幅し残響させる空間だ。
閉じ込められた炎砕竜たちの咆哮の音や、彼ら自身の炎が空間に反射し、彼ら自身を傷つける力となるが、すぐさま空間を超えて彼らが吐き出したマグマの破片――すべてを融かし尽くさんばかりの灼熱の星がサンダーに降り注いだ。
鮮やかな炎を纏う炎砕竜フロウたち。
トループス級である彼らとは、これまでに何度も戦ってきた。
ゆえに、アンゼリカは、彼らがその度に強くなっていることを知っている。
「でも、私たちの方がもっと強くなっているもの!」
戦いの経験は、確かに知識として刻まれている。
それを活かしながら立ち回るアンゼリカは、炎砕竜たちを引き付け、撹乱するように飛び込んでいく。
「……出でよ、双極の精霊。貴方たちの運命を示しなさい」
アンゼリカに炎砕竜たちの意識が向いたその隙を逃さず、詠唱と共にクリスティーナは星貨の魔力を代償に炎と氷を司る二体の守護霊を召喚した。
同時にクリスティーナは守護霊たちを支援するように魔力の誘導弾を連続して放ち、炎砕竜を更なる混乱に陥れる。
「今です……!」
僅か一瞬の機を見出したクリスティーナの声に、守護霊たちの炎と氷が舞い踊り、鮮やかな軌跡を描きながら炎砕竜たちへ襲いかかった。
炎砕竜たちの動きや戦場全体の状況をパラドクス通信で共有しつつ、サンダーは改めて炎砕竜フロウをまじまじと見やる。
敵は多いが、この場には自分たち以外にも同胞たちが集っているし、決して倒しきれぬ数ではない。
「……毛並みのような炎を纏うか。腕も脚も太くて、所謂その手の“モフモフ系”ドラゴンだよな」
よく見ると顔つきもどこか気高く、あるいは愛らしくも見える彼らの、ある意味幻想的とも言えるその姿は、イラスト描きとしてはそそられるモチーフではある――が。
どのような見た目であっても、彼らはクロノヴェーダ――数多の歴史を、世界を奪ったものたちにすぎない。
「仲良くなるにはもうやり過ぎた。お互いに。決着をつけるとしようや」
気怠げな声と、溜め息ひとつ。
サンダーは再びエコーチェンバーで反響する“空間”を編み上げていく。
「――雷光よ、我が剣に集いて敵を焼き払え!」
直後、高らかに響いた声はアンゼリカのもの。
サンダーの空間に一時的に閉じ込められた炎砕竜たち目掛け、アンゼリカは魔力とオーラで作られた雷光を黄金の大剣に収束させ、全身全霊を籠めて振り抜いた。
剣に宿った雷光のオーラは、アンゼリカ自身をも包み込み、輝いて。
「私のめいっぱいをこの一撃にっ。さぁこれで、どうだーっ!」
刹那、空間を満たさんばかりの眩い光の一閃が、炎砕竜たちを焼き払った。
未だ道を塞ぐ竜目掛け、クリスティーナの守護霊たちが再び炎と氷を放つ。
「……その道を開けなさい。この先に待つあの竜に会うために、貴方たちは邪魔ですから」
吐き出されたマグマの欠片が齎す熱を咄嗟に氷の守護霊の力で抑えながら、クリスティーナは冷やかに告げる。
マグマの熱がどれほど身を焼こうとも、クリスティーナの眼差しは、炎砕竜たちの向こうに待つ白き竜へと向けられていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】がLV2になった!
【ハウスキーパー】LV2が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV4になった!
【ダブル】がLV2になった!
紫空・千景
【黒華】
開けたなら迷う事なく次だ
其の儘に行くぞ、祇伐
障害は斬り伏せる迄
頼むと告げれば
泡沫と迷彩に融けて潜む
忍び寄る間思うは、振るってきた刃
極める為とはいえ数乏しく
祇伐の水葬の薔薇を見て
多彩な――そう、例えば四季の剣技
刃を花びらにも面白いと、思考するは束の間
今はと呪も殺気も乗せ
虚閃一刀
空間ごと切り裂く極めど頂至らぬ一閃
間髪置かずに叩き込む
爆風を薙ぎ払い風圧で押し退け
夜明けの結界で軽減すれば
水激を盾が私を守り薔薇が散るか
私も庇う姿勢を取り吹き飛ばしで焔に向かう
勢いには負けん
立ち止まりもしない
――なあ、祇伐?
名は私達を結ぶ
真の倖が芽吹く希望が為
人と龍は共に征く
焼けたとて罷り通る
此処に途は有るのだから
咲樂・祇伐
【黒華】
向けられる言葉に力強く頷く
路を拓き立ち塞がるものを吹き飛ばし
真の倖を芽吹かせるため
是と咲み
現の夢を蕩かした泡沫の花嵐で応えあなたを隠す
駆ける人の身は麗しの薔薇であると
偽り書換えた精神攻撃─此度重ねて咲かすは水葬の薔薇
水獄ノ禊
焔もマグマを飲み込み咲かせ
散らしてみせましょう
春の祝は厄にもなるの
溢れる水激を操り竜の身へと打ち付け
吹き飛ばすよう穿ち沈めて差し上げる
大丈夫
千景さんは私が守る
水激を盾に薔薇を散らして庇いに入り
勿論
頼まれたって止まってはやらないわ
焔に水を真正面から受け止め和らげて
決して押し負けなどしないと神扇を振るう
退けぬ心がぶつかったなら
押し通るまでと
教えてくれたのは誰だったかしら
「行くぞ、祇伐」
「ええ、参りましょう、千景さん」
紫空・千景(夜明の導べ・g01765)が向けた言葉に、咲樂・祇伐(花祇ノ櫻禍・g00791)も力強く頷いて。
拓けた道の先へ、迷うことなくただ駆ける。
途を塞ぐものがあるならば、全て斬り伏せ、あるいは彼方へ吹き飛ばすまで。
その先にある、真の倖を芽吹かせるために。
「――頼む」
千景の声に是と咲んで、祇伐が踊らせるは泡沫の花嵐。
迷彩纏う花幕の向こう、炎砕竜たちがこちらに気づくより一瞬早く、ふわりと水葬の薔薇が咲いて散ったなら――それが、はじまりの合図。
祇伐が咲かせた薔薇を見て、千景はふと思案する。
これまでに振るってきた刃の型は――極めるためとはいえ乏しいもの。
あるいは彩りに欠けるとでも言うべきか。形として完成しているそれらはどれも、ただ斬るだけのものであって、魅せるものではなかったから。
けれど、千景が今ふと想いを寄せたのは、美しく魅せる剣。
たとえば祇伐が数多の花を咲かせるように多彩な――そう、四季の剣技などはどうだろう、と。
刃を花びらに見立てて咲かせるも一興かと、束の間巡らせた思考をこころに書き留めて、千景は空間を超えて竜たちの元へ至った。
魅せる剣に想いを馳せるのも悪くないけれど、今は更なる途を拓くために在る刃を振るうのみ。
現の夢を蕩かした泡沫の花嵐より飛び出し呪詛と殺気を乗せて放つは――極めども未だ頂至らぬ一閃。
空間ごと炎砕竜たちを斬り伏せれば、すぐさま高らかな咆哮と共に空間を超えて高熱の灰を含んだ爆風が放たれる。
それを夜明けの刃で灰ごと薙ぎ払い、風圧で勢いを押し退けた千景に重ねて、祇伐は水葬華獄より溢れる水激を操り竜たちの身へと強かに打ち付けた。
水獄ノ禊――水底に揺蕩う人魚の歌声に水獄大蛇が目を覚まし、封の水牢が解き放たれる。
澄み渡る水激の流れは吐き出される灼熱の破片をも呑み込んで、泡沫の花と咲いて散ってゆく。
「春の祝は厄にもなるの。……負けないわ」
炎砕竜たちが齎す熱は、確かな痛みこそ刻めども敵意も悪意もまるで感じられない。
けれど、ただそこに存在しているだけで、彼らはすべてを――生きる命までも焼き尽くすのだ。
奪わせはしまいと祇伐を庇う姿勢を取りながら、千景は災厄の竜に立ち向かう。
「勢いには負けん。立ち止まりもしない。――なあ、祇伐?」
名を呼べばそれだけで、安堵と確かな力を掴むことが出来るから。
ただ夜明けを導く刃を閃かせ、断ち斬るだけ。
「勿論よ、千景さん。たとえ頼まれたって止まってはやらないわ」
祇伐もまた、千景を護るべく想いを重ね、水激を盾に薔薇の花嵐を夢と現と散らして。
(「……大丈夫。千景さんは、私が守る」)
すべてを焼き尽くす焔を清らかな水で鎮め和らげて、決して押し負けたりはしないと祇伐は喰桜の神扇をふわり、翻した。
――真の倖が芽吹く希望となるために、人と龍は共に征く。
ここに道が在る限り、たとえ身を、心を焼かれたとしても、罷り通るだけだ。
その時、不意に心に咲いて響いた声に、祇伐は柘榴の双眸を瞬かせた。
――退けぬ心がぶつかったなら、押し通るまで。
(「……そう、教えてくれたのは――誰だったかしら」)
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】がLV2になった!
【水源】LV1が発生!
効果2【ダブル】がLV3になった!
【ラストリベンジ】LV1が発生!
シル・ウィンディア
突破したから、あとは護衛部隊と本命だね。
まぁ、行きましょうか。先に行くためにっ!
敵の動きを観察して、穴がありそうなところや、味方を狙いそうな敵がいたら、パラドクス通信で伝達しつつ、味方を狙っている敵に高速詠唱からの裂空絶砲。
風の精霊の魔力弾を味わってねっ!
飛翔で飛んで、攪乱を行っていくね。
すこしでも、惑わされてくれるといいんだけどねー。
攻撃をしていない時は、味方が有利になるように攪乱機動で立ち回るよ。
わたしに気が向いていない敵がいたら
その敵を中心に裂空絶砲。
ほらほら、わたしをノーマークにしたら痛いよ?それでもいいなら無視してもいいけどねっ!
気を惹けばそれだけ見方が有利になるからね
四葩・ショウ
やぁ、待たせたかな? ……なーんて、ね
敵数が多いうちは特に【パラドクス通信】で
敵の動きや攻撃の集中具合、フォローが必要な仲間がいないかとか、
気づいたことを共有し連携するよ
仲間と狙いを揃えて、1体ずつ護りを斬り崩す
でも、時には仲間へ狙いを定めようとする敵へ攻撃して
貴方の相手はこっちだよ、と微笑んで思い通りになんて、させない
【飛翔】して相手取れば空中戦でとびこむように翔て
地上を駆けるならフェイントを活かして、翻弄しながら果敢に攻め込む
燃やし尽くして、壊すだけの炎
雨にぬれた肌をあたためることも
明日を照らす灯火にもなれないなら
絶やしてしまおう
ここで、ぜんぶ
ーーあとは、貴方だけ
硝子のレイピアで指し示して
ラヴィデ・ローズ
引き続き団体様相手だ、有難く【パラドクス通信】を活用
居合わせた仲間と狙いを合わせる、弱った敵から落とす形で連携できるといいね
さ、続けようじゃないか
パラドクスは『レゼル(長弓)』にて
吹き抜け焦がす幻想の嵐が
空ゆく彼らへは追い風ともなれば
そうそう。飛翔に気を取られて敵の視線が上向いてたら、隙を逃さず射貫くとしよう
降り注ぐ数多の噴石
この世の終わりみたいだねぇ
反撃の機が掴めたなら、巨石を一矢で砕きながら
塗り替える先の世界は花宴
嵐に呑んで、敵ごと絶望の景色を掻き消そう
うーん、オレ好みになった
幻晴れた後の要塞の物々しさが際立つけれど、元来
夢幻で満足できるほど物分かりはよくないんでね
先へ往くよ
刹那の攻防を経て、炎砕竜フロウの数は着実に減りつつあった。
「――おのれ、ディアボロスめ!」
そして復讐者たちを迎え撃たんと、アヴァタール級クロノヴェーダ――煌星竜ドラコニスが奥より姿を見せる。
「やぁ、待たせたかな? ……なーんて、ね」
柔らかく、それでいてどこか楽しげに笑みながら告げる四葩・ショウ(Leaden heart・g00878)に、ドラコニスの険しい眼差しが向けられた。
すぐさま、ドラコニスを護るように未だ残るトループス級――炎砕竜フロウの群れが立ちはだかる。
彼らをすべて倒さなければ、ドラコニスへ刃は届かないだろう。
尤も、こちらは元よりそのつもりで臨んでいるのだから、やるべきことに変わりはない。
「狙いは合わせるから、存分に舞っておいで」
「ありがとう、ラヴィデさん! ――行こう、シルさん!」
ラヴィデ・ローズ(la-tta-ta・g00694)が穏やかにそう声を掛けるのに、ショウが朗らかに答えながら、シル・ウィンディア(虹霓の砂時計を携えし精霊術師・g01415)へと振り返る。
距離が開いても、こちらにはパラドクス通信がある。
「ショウさん、空から一緒に行こう!」
「うん、シルさん!」
そしてシルもうんと大きく頷き、ショウと同時に地を蹴った。
軽やかに、風のように――空へ翔けていった二人の少女を眩しげに見送って、ラヴィデも焔の竜たちへと向き直る。
「……さ、続けようじゃないか」
レゼルの名を冠する長弓に紫黒の竜気を絡めた矢を番え、ラヴィデが放つは吹き抜け焦がす幻想の嵐。
それは空翔ける二人の追い風となって、焔竜たちの目を眩ませ――。
眼下に広がる焔の群れへ、間髪をいれずにシルが仕掛けた。
「――空を舞う風の精霊よ、銃口に宿りて、すべてを穿つ力となれ!」
高速で紡がれる詠唱と共に宙に描かれた魔法陣が輝きを帯びて、無数の風の弾丸が撃ち出される。
「風の精霊の魔力弾、めいっぱい味わってねっ!」
降り注ぐ風の弾丸を浴びながらも、炎砕竜たちはシルの姿を確りと捉え、空間を歪め反撃に至る。
吐き出されるマグマの熱が肌を掠めていくけれど、シルは構わずに撹乱するように竜たちの間を縫って飛翔する。
(「少しでも、惑わされてくれれば
……!」)
直後、空から翔けたショウが流星の如く飛び込んで、美しい青の花弁がはらりと舞った。
高らかに魅惑のステップを踏み鳴らしながら、狙い定めたのはシルを追っていた竜たち。
「貴方の相手は――こっちだよ」
思い通りになんてさせないと、研ぎ澄ました先に魅せる一瞬の独擅場。
透き通る雨雫のレイピアがフラーズ・ダルムを奏で、煌めく軌跡を描いて焔と青き花弁を散らす。
うつくしき焔の乱舞。天から降る隕石は、星のようで。
「ふーん、この世の終わりみたいだねぇ」
空から降り注ぐ数多の隕石を見上げながら、ラヴィデはのんびりとそう零し。
そうして巨石の一つを鋭い一矢で穿ち砕き、萌ゆる花宴の世界をいっとき竜たちへ焼き付ける。
幻想の花が爛漫と咲く嵐に竜も絶望の景色も呑み込んだなら――口許に綻ぶ笑み。
「うん、オレ好みになった」
美しく彩られた世界を、ショウが駆け抜ける。
――彼らは、あらゆる存在を燃やし尽くして、壊すだけの炎。
雨に濡れた肌を優しく包み込んであたためることも、明日を照らす希望の灯火にもなれない、破滅の紡ぎ手。
「……絶やしてしまおう。ここで、ぜんぶ」
寄り添うことが出来ないのなら、在るべき場所へ還すだけ。
レイピアの切っ先でフェイントを描き、翻弄しながら、ショウは再び青き花弁を舞い上げる。
ラヴィデの描く世界に、ショウが咲かせる青薔薇の花弁に、惑わされながら一体ずつ、炎砕竜が倒れてゆく。
残る竜たちの眼差しがふたりへと注がれた、その刹那。
「ほらほら、わたしをノーマークにしたら痛いよ? それでもいいなら無視してもいいけどねっ!」
弾む声と共にすかさず空を翔けていたシルが裂空絶砲――風の魔力弾を降り注がせた。
やがて場を満たしていた炎が消えて、理想郷の如き花宴の幻が晴れる。
元の装いを取り戻した要塞の、無機質な物々しさは、より一層際立つけれど――。
「元より夢幻で満足できるほど、物分かりはよくないんでね。……先へ往かせてもらうよ」
凪いだ銀色の眼差しで静かに告げるラヴィデに、地上へと降りてりてきたシルが続く。
「わたしたち、この先に行かなくちゃならないからっ!」
だから、あなたを倒す――と、深い青の双眸に確かな意志の光を灯し、シルは迷いなくそう紡いだ。
そうして、不敵な笑みを浮かべながら、ショウも透き通る硝子のレイピアでただひとり残った白き竜を指し示し、告げる。
「――あとは、貴方だけ」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV5になった!
【神速反応】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV4になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!
紫空・千景
【黒華】
噫、星は希望で在るべきだ
偽りの導などでは決して無い
煌星…だが私は
――もっと美しい『耀』を知っている
横を見遣れば
わらべ唄と共に浄化は煌めく
咲いた光に夜明けの結界を重ね軽減したのなら
即座に神速反応にて地を蹴り瞬時に相手の上を取る
創破連斬
剣先で描くは――うつくしき龍
描いて、刻んで連撃に踊る
花咲き、星鏤むなら
龍は咆ゆるか
彩無くとも貴様の身体には痕を
音無き咆哮ごと刻み尽くす迄
光弾には呪詛乗せた斬撃と薙ぎ払いの連撃で魔力を裂き
更に破砕で床を砕き破片を盾としたなら足元は即座に復元
庇い、庇われ
其れは信頼故に
独りじゃないとの実感
あんたの耀は何より綺麗だ
桜の耀にまた龍を描きて
併せの耀龍が
希望の途を切り拓く
咲樂・祇伐
【黒華】
さぁ、真の光を灯しましょう
煌めく星は希望で在るべきなのです
花一匁、しましょうか?
全力魔法を伝い、謳うは光蜜ノ愛浄──灼ける光に耀をぶつける
遍く全てを浄化して
光咲く結界で和らげて
隣合う優しい夜明けの光が、守ってくれる
だから私も──光になるの
連携を意識して千景さんの斬撃に愛浄を重ね灼く
光に重ねる精神攻撃、視界を奪い隙を作り出せるか挑んでみましょう
其れがあれば、彼女が路を描いてくれるから
決して怯まず前へ、全力で力を紡ぎ叩きつけるまで!
庇い合う信頼に、頬が弛む
怖くは無い
独りじゃない
私の光は、竜にも負けないと奮い立つ
綺麗に致しましょう
厄災にも似た耀をもって
描かれた耀龍の傍ら
路を、照らして切り拓く
「さぁ、真の光を灯しましょう。煌めく星は希望で在るべきなのです」
蒼き星を纏う煌星竜ドラコニスを前に、咲樂・祇伐(花祇ノ櫻禍・g00791)が紡ぐ声は凛として。
「――噫、星は希望で在るべきだ。偽りの導などでは、決して無い」
その傍らに並び立つ紫空・千景(夜明の導べ・g01765)は、祇伐を守るように夜明けの刃を構える。
「煌星、か……だが、」
ぽつりと零し、千景は隣を見やる。
「私は――もっと美しい“耀”を知っている」
千景がそう零すと同時、祇伐は灼ける幻の焔翼を広げた。
――彼は誰時に、花一匁。焔燐瞬く欺調べ、黄泉戀坂へおいでませ。
澄んだ声で紡がれるわらべ歌。
刹那、煌星竜が吐き出した煌めく極大の光線と、祇伐が放った輝かしき浄の光が真正面から衝突し、眩い光が零れ咲いた。
僅かな揺らぎの手応えを得たのは、祇伐が光に重ねた幻惑ゆえか。
一瞬の機を逃さず即座に地を蹴って空間を超えた千景は煌星竜よりも高みへ至り、集約された膨大な魔力の光線を裂くように暁の切っ先でうつくしき龍を描き出す。
壊し癒す廻りの刃は世界に花を咲かせ、煌めく星を鏤めて。
咆ゆる龍はたとえ彩無くとも確かな痕を刻み、音無き咆哮ごと刻み尽くさんと連撃に踊る。
煌星竜はすぐさま星宿す尾を振るい、煌めく無数の光を撃ち出した。
降り注ぐ星は、まるで世界を終末へと導くひかりのよう。
されど、自分たちがここに居る限り決してそうはさせないという、確かな想いの芯をこころに抱いて、ふたりは咲いた光に夜明けの色を、互いを守る光を重ねながら戦場に立ち続ける。
たとえ絶望の光が、星が身を灼こうとも――。
(「……私の光は、竜にも負けない」)
決して怯むことなく己の心を奮い立たせ、祇伐は真っ直ぐに前を、――倒すべき“竜”を見る。
どれほどの絶望に呑まれそうになっても、隣合う優しい夜明けの光が守ってくれる。だから――。
(「――だから私も、光になるの」)
千景が描く夜明けの光はいつだって祇伐の前に道を描いてくれるし、祇伐のこころを柔らかなぬくもりで満たしてくれる。
自然と頬が緩むのは、こころが、信頼が、重なっているのを確りと感じるから。
――独りではない。
だから、怖くはない。
胸に灯る確かな勇気に独りではないという実感を得ているのは千景も同じ。
想いの花を咲かせれば、知らず口元が緩むのもまた――。
ただ直向きに前へと駆けて、翔けられるのは、いつだって唯一の桜が背を守ってくれているから。
だからこそ、刃を握る手にも自ずと力が籠もり、繰り出す切っ先に迷いが宿ることもない。
流星の光弾を呪詛を乗せた斬撃で薙ぎ払って膨大な魔力を裂きながら、千景はそれでも尚身を灼く痛みも厭わず桜の耀に再び龍を描き出す。
千景の描いた耀龍に、祇伐は厄災にも似た愛浄の光を重ね灼く。
世界に降り注ぐのは灼けるように輝かしくて、滅びる程に清浄な――無の光。
「――あんたの耀は、何より綺麗だ」
千景の夜明けの双眸が映すのは、祇伐が咲かせるうつくしき光の華花弁。
ふたりの想いを重ねて放たれたひかりが、希望の途を照らし――切り拓く。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建物復元】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【ドレイン】LV1が発生!
鳩目・サンダー
供回りを「そそられるモチーフ」と言いつつモデルにはしなかった手前、これを使うのは若干躊躇われるのだが……。
やはり格上相手に戦うにはこれが一番だ。
リアライズペイント。
光のドラゴンか。ならこちらは眩いエフェクトマシマシで、全体を力強く顎も大きく、尾も長く、偉人の肖像らしく本物よりも盛って行こう。
1ターンしか持たない偽物だが、これを偽物と舐めてかかった奴はもう誰も生き残っていない。
あたしらが此処まで来れたのは単純な理由だぜ。
人間の世話を怠ったからだ。人間を理解してないからだ。
お陰でここまで攻め込めて、同情の余地なくぶちのめせる!!
アドリブ、連携歓迎です。
クリスティーナ・アストロイア
「…ついに会いましたね、ドラコニス」
星杖を持ち、星剣と星杯を腰に携えて戦闘へ
常に移動しながら懐から出した星貨を用いて様々な属性の魔術を敵に当てないように周囲へ誘導させつつ放つ
攪乱や時間稼ぎをしつつ、ドラコニスの反応を視る
「…やはり姿形は同じであれど…非なるもの、ですね」
一瞬失望の表情を見せるも、瞬時に切り替える
「…倒させていただきます」
ばらまいた星貨を触媒に魔術を多重展開し、星杯へと魔力を装填
星杖で魔力を増加させて、星剣に宿らせてパラドクスを発動
「…これが今の私の全力です…!」
星剣を突き出し、剣先から特大の魔力砲撃を放つ
使用可能なエフェクト等は可能な限り使用
アドリブ・共闘歓迎
四葩・ショウ
どうしたの?
どうしてこんなことになったのか
わからないって顔、してるね?
……だから、なんじゃないかな
【飛翔】しての空中戦で、わたしは敵を牽制する動きを
攻撃で、立ち回る軌道で
貴方のすきにはさせない
残像ひきつれて、白焔と化してとびこんで
目眩ましのように、翔る
雨のようにふりそそぐ、光の剣に斬り裂かれても
撃ち墜とされてあげたりは、しない
……そういうことなら
宿敵主さんが攻撃しやすいように
ドラゴンの視界を撹乱するように動く、とかね
まずはここから、この地の雨を終わらせる
そして
いつかはキャメロットの守護さえ───
岩をも砕く一滴のように
わたし達なら辿り着ける
ううん
辿り着いて、みせる
立ち止まってなんて、いられない
ラヴィデ・ローズ
『レゼル(長剣)』にて
残像を目眩ましに光剣を掻い潜り、斬り込みたいところ
【飛翔】の最高速~低速で緩急つけた方が読まれ難いかな
勿論、無傷でなんて思っちゃいない。一人で戦う訳でもなし、最後に勝っていればいいのさ
大事なのは連携だね
オレがビュンビュンうざったく立ち回るのもだし
敵の注意が他へ逸れた一瞬を見逃さぬよう、血を流しても集中は途切れさせずいよう
ヒトを侮らないことだな
彼らもやがて気付く筈だ。何を信じ為すべきか
世界の為、人々の為、信念の為と傷付いても戦う
誤った信仰など霞んでしまうであろう眼前のディアボロスらの勇姿を
見せてやりたいなぁと思う、
己もいつか英雄譚に憧れた幼子であったように
さ、ページを捲ろう
シル・ウィンディア
さ、それじゃドラゴンさん。
あとはあなただけだからね。
あなたを倒して、ここを開放させてもらうからっ!!
飛翔で上空へ舞い上がって、相手の上を取るように動き回るよ。
みんなと別の機動をして、全体的な攪乱になればいいかな?
ほらほら、わたしはこっちだよーっ!!
こっちばっかり見てていいのかな?
といいながら、動き回るよ。
わたしから気を逸らしたのなら
高速詠唱で隙を減らした、全力魔法の六芒星精霊収束砲!
わたしから目を離したのが運の尽き…
遠慮せずに、全力を持っていけーっ!!
残ったとしても…
後は、任せるからね?って目線を送るよ。
これでこの場所は開放になるの、かな?
一歩ずつ、がんばって行こーっ!
アンゼリカ・レンブラント
あとはこのドラゴンを倒すだけだね
気合十分、いざ勝負!
通信で攻撃タイミングを合わせて力強く突っ込む
と見せて、飛翔して迫るけど斬りつけずにパラドクスの砲撃っ
反撃を堪えつつ敵の死角に移動して砲撃していくねっ!
体格は向こうより小さくても、それを逆にいかし
かく乱するよう空中を飛び回りつつ攻撃だよ
傍に常に仲間がいることを意識
近接戦を挑む仲間の動きを助けるよう撃ち
遠距離戦を挑む仲間とは敵を挟み込むよう撃ち込む
攻撃は苦手属性をディフェンスし合い
反撃の機会を得てさらに撃つ
敵の消耗が分かれば
全霊を込めた《終光収束砲》を撃ち込む
マンチェスターを攻略し、やがてアーサー王に届かせる為
私の光よ、今こそ最大まで輝けぇーっ!
「どうしたの? どうしてこんなことになったのか、わからないって顔、してるね?」
煌星竜ドラコニスの前に一歩、歩み出た四葩・ショウ(Leaden heart・g00878)は、くすりと微笑みながら告げる。
ショウの言葉に、ドラコニスは答えない。答える必要もないと、いうことだろうか。
「……“だから”、なんじゃないかな」
――堅牢なる要塞、マンクニウム。
だが、存在そのものが過去形になるのも、時間の問題だった。
現に不可視であり不可侵だったはずのこの地は人々の信仰を失ったことでその姿を現し、こうしてディアボロスの侵入を許している。
そして、このマンクニウムを守るクロノヴェーダは、残すところあとひとり。
「……ついに会えましたね、ドラコニス」
「私が貴様に会うのはこれが初めてだが、……成る程、そういうことか」
七星の杖を手に、星剣と星杯を腰に携えて。
常の穏やかな笑みも今は険しく、静かに告げたクリスティーナ・アストロイア(星視の魔女・g03092)に、煌星竜ドラコニスはそう答える。
「さ、それじゃドラゴンさん。あとはあなただけだからね」
にっこりと笑って、シル・ウィンディア(虹霓の砂時計を携えし精霊術師・g01415)は愛用の杖を手に舞い上がった。
「あなたを倒して、ここを開放させてもらうからっ!!」
シルは共に戦う仲間たちとは敢えて異なる機動で撹乱に撹乱を重ねるように、煌星竜ドラコニスの上を取るように飛翔する。
「ほらほら、わたしはこっちだよーっ!! こっちばっかり見てていいのかな?」
空中を飛び交う光、地を走る剣閃。
巡る刹那の攻防は、どこから仕掛けられるかわからない状況を煌星竜ドラコニスへ齎していた。
空へと翔けたショウを追いかけるように、硝子が割れるような涼やかな音が鳴る。
「貴方のすきには、させない――」
ついさっき垣間見たクリスティーナの眼差しから、ショウは、彼女があの竜と縁があるのだろうと悟っていた。
ならば、自分は――彼女の攻撃が、想いが、少しでも届きやすくするように動くだけ。
砕けた残像の欠片を鏤めながら、ツバメのように旋回し――ショウはそのまま、白き焔となって煌星竜の元に飛び込んでいく。
弾けるひかりは春待つ花の幻想を咲かせて、刹那、竜の目を眩ませた。
お返しとばかりに降り注ぐ、光の剣。
流星のように煌めく光剣の雨に斬り裂かれても、ショウは羽ばたきを止めることなく凛と紡ぐ。
「……撃ち墜とされてあげたりは、しない」
――直後。
ドラコニスの意識がショウに向いていた一瞬の隙を見逃さず、飛翔する速度に緩急をつけて横合いから迫ったラヴィデ・ローズ(la-tta-ta・g00694)が、七つの残像と共に単身で包囲するかの如く斬り込んだ。
紫黒の炎を纏う長剣から繰り出される連続攻撃に翻弄されながらも、ドラコニスは残像ごと纏めて斬り裂かんばかりの光剣の煌めきを、今度はラヴィデへと放ってくる。
降り注ぐ光剣の雨を掻い潜りながら距離を取るラヴィデ。
無論、無傷で済むとは思っていない。
一人で戦う訳でもなし、最後に勝ってさえいれば良い。
集中は途切れさせず、ただ己の攻撃を次に繋ぐことを意識してラヴィデは立ち回る。
「光のドラゴンか。供回りをモデルにはしなかった手前、これを使うのは若干躊躇われるのだが……」
たとえそそられるモチーフであっても、それを“描く”ことはしなかった鳩目・サンダー(ハッカーインターナショナル同人絵描き・g05441)だが、目の前に居る竜は格上の相手。
無論、先の戦いでも出し惜しみや手加減は全くしていなかったけれど――この砦を護る最後の敵を前に、己が持ち得る最大限の力を行使する以外にはないだろう。
絵描きであるサンダーの、最大の武器は“絵”であり、ゆえに、用いるパラドクスはリアライズペイントだ。
相手が光のドラゴンならば、こちらも眩いエフェクトをいっぱいに。
全体的に力強く、顎も大きく、尾も長くして、さながら偉人の肖像のように、本物よりも“盛った”ドラゴンを、サンダーは愛用のスタイラスペンで描き出す。
「ほう、私を描いたのか。面白い」
描き出された幻影にそう返しつつも、煌星竜ドラコニスはすぐさま顎を大きく開き、莫大な魔力を集約させる。
全身に走る星のような模様が眩い輝きを帯びた直後、煌めく極大の光線が放たれた。
対するサンダーのドラゴンも、負けじと輝く光線を放つ。
互いに譲らぬ力と力。二つの光が真正面からぶつかり合って、轟音と共に炸裂した。
刹那の攻防でサンダーの描いたドラゴンは掻き消え、そして、サンダーはその場に膝をつく。
ドラコニスもまた、無傷ではない。
「……あたしらが此処まで来れたのは、単純な理由だぜ」
確かな手応えににやりと口の端を吊り上げながら、サンダーは告げた。
「人間の世話を怠ったからだ。人間を理解してないからだ。お陰でここまで攻め込めて、同情の余地なくぶちのめせる!!」
叩きつけるようなサンダーの言葉に、ドラコニスは虚を突かれたような間を挟む。
ほんの一瞬――けれどそれはシルから僅か、ドラコニスの意識が逸れた瞬間でもあった。
「――合わせるよ、シル!」
そして同時に、小柄な体格を活かし、撹乱すべく弾丸のように戦場を飛び回っていたアンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)の元気いっぱいの声が、パラドクス通信の通信機越しに届く。
「うん、やっちゃおう、アンゼリカさん!」
シルの答えに気配で頷き、追いかけてくる魔力弾の威力を守りの障壁で軽減させながら、速度を上げて死角からドラコニスへ突撃していくアンゼリカ。
「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ、暁と宵を告げる光と闇よ……六芒星に集いて、全てを撃ち抜きし力となれっ!」
シルもすぐさま高速で詠唱を紡ぎ、畳み掛けるように続く。
「裁きの光と共に輝け、六芒星に集いし精霊よ! ――いざ、勝負!」
気合十分、詠唱と共に斬りつける――と見せかけたアンゼリカの動きは一瞬のフェイント。
この一撃に、全ての力を籠めて。
「遠慮せずに、全力を持っていけーっ!!」
二対の青白い魔力の翼を広げ、シルが放つは六芒星精霊収束砲(ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラスト)。
「私の光よ、今こそ最大まで輝けぇーっ!」
六属性のエネルギーが収束し、燦然と輝く六芒星から膨大な魔力の砲撃が放たれる。
そして、シルの砲撃が放たれるのに合わせ、アンゼリカもまた至近距離から全力の終光収束砲(エンド・オブ・イヴィル)を撃ち込んだ。
マンチェスターを竜の支配から解き放ち、やがてこの幻想竜域キングアーサーを支配するアーサー王へ届かせるための――邪悪なる者全てを吹き飛ばす、裁きの“終の光”が、シルの砲撃の光と合わさり七色に輝いてドラコニスを貫く。
瞬時に大きく口を開けたドラコニスが反撃の煌めく極大光線を放ち、尾を振って煌めく魔力弾を降らせてきたのを見て、シルはまだ戦いが終わっていないことを悟り――けれど。
「クリスおねーちゃん! ――後は、任せるからね?」
信頼を籠めた声と視線を送れば、クリスティーナが小さく頷いて答える。
「……やはり姿形は同じであれど、――非なるもの、ですね」
星貨を用いて様々な属性の魔術を編み上げ、撹乱の誘導弾として展開させながら、ドラコニスの様子を窺っていたクリスティーナは、やがてぽつりとそう零した。
脳裏に過るのは、今も尚探し続ける宿縁の竜。
けれど今、眼前に在る竜は紛れもなくアヴァタール級――“そうではない”とすぐにわかった。
クリスティーナは一瞬失望したような表情を浮かべるも、瞬時に切り替える。
少なくとも、姿形も名も同じ竜が目の前に居るということは――クリスティーナが探し続けている竜そのものがどこかにいるということに他ならない。
いずれ、必ず――。
想いを新たに、クリスティーナは眼前の煌星竜ドラコニスを見据えて、告げる。
「……倒させていただきます」
地にばら撒いた星貨を触媒に持てる数多の魔術を多重に展開させ、その魔力の全てを星杯へ装填し――。
「……これが、」
星杯に満ちる魔力を星杖で更に増加させて星剣へと宿し、クリスティーナはその全てを解き放った。
「今の私の、全力です――!!」
――『ArcanaCode:The World』
幾層にも織り込まれた魔力が真っ直ぐに突き出された星剣から特大の砲撃となって放たれ、そして輝ける星の核へと吸い込まれてゆく。
「ぐ、見事だ……ッ!」
クリスティーナの全身全霊の一撃にドラコニスの核が砕け、煌めく星のように散っていく。
「……もう聞こえないかもしれないが、ヒトを侮らないことだな」
その場に崩れ落ちた煌星竜へ、ラヴィデは静かに告げた。
――きっと、彼らもやがて気づくだろう。
真に信じるべきは、竜ではないと。
そして、いつか必ず見つけるだろう。
何を信じ、何を為すべきかを。そして、正しき歴史へと続く――ただひとつの道を。
――世界の為、人々の為、そして、信念の為。
どれほど傷付いても諦めずに戦い続ける、共に戦うディアボロスたちの勇姿を、見せてやりたい――そう、ラヴィデは思わずにはいられない。
そうすればきっと、誤った信仰など霞んでしまうだろうから。
英雄譚に憧れた幼子であった、かつての己を思い出し、ラヴィデは微かに口元を綻ばせる。
(「……みんな、ホントに。――カッコいいんだよねぇ」)
戦いは終わり、辺りには静寂が満ちる。
「これでこの場所は開放になるの、かな? 一歩ずつ、がんばって行こーっ!」
晴れやかな笑顔で告げるシルに、ショウもどこか安心したように微笑む。
――まずはここから、この地の雨を終わらせる。
そして、いつかはキャメロットの守護さえも、穿ってみせる。
「わたしたちなら辿り着ける。……ううん、辿り着いて、みせる。立ち止まってなんて、いられない」
岩をも砕く一滴のように、今は未だほんの僅かな力であっても、いつかは――。
「……さ、ページを捲ろう」
この先へと続く、戦いへ。
吐き出す息に穏やかな声を交え、ラヴィデは紡いだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【液体錬成】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
【防衛ライン】LV2が発生!
【クリーニング】がLV2になった!
【隔離眼】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
【命中アップ】がLV5(最大)になった!
【ダブル】がLV5になった!
【ドレイン】がLV2になった!