リプレイ
奉利・聖
…ふむ、なるほど
であればこちらも相応に頑張らないといけないようだ
タダでお帰り頂くわけにはいかない
せめて土産の一つでも持ち帰ってもらいましょうか
最大限の演技も交えて、ね
……チッ、やはり持っていたか
面倒なことになりました。ここで何としてでも取り返さないと
視線をちらちらと重要物資に移すことで、アピールしておきます
本気で戦わないというのなら、一瞬の隙はあるはず
苦戦しているような素振りで油断を誘い、致命的瞬間に刺す
そうだな…クロスカウンター気味ならより良いか
被弾覚悟で突っ込んで、身体を掴んで零距離まで持ち込む
──『遍く死を紡ぐ者』
ここで仕留められはしないが、この『死』はお前を苛むに充分だ
●死を紡ぐ
「——は、来たか」
復讐の魔弾ザミエルは笑う。戦場の一角、肩に担ぐようにして持ったスナイパーライフルを僅かに動かしてみせた。
「ディアボロス」
その声は、正しく殺意に満ちていた。ひりついた空気に奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)は静かに視線を上げる。
(「であればこちらも相応に頑張らないといけないようだ。タダでお帰り頂くわけにはいかない。せめて土産の一つでも持ち帰ってもらいましょうか」)
最大限の演技も交えて、ね。
小さく、ひとつ口元に笑みを浮かべると、聖は一歩を入れた。
「……チッ、やはり持っていたか。面倒なことになりました」
一度、視線をザミエルの持つ重要物資へと向ける。十字架を摸したそれは、ロザリオに似ていた。小さく、音を鳴らしたそれに聖は言う。
「ここで何としてでも取り返さないと」
言葉にしてひとつ、ザミエルを視界に捉えながらその無事を確認するようにちらり、と視線を向けていれば、ザミエルが低く笑った。
「気になる所だな。ディアボロス。お前の口がどれ程饒舌になるか……試す程度であれば、構わんだろう」
「試す、ですか」
言葉を重ねる。ほんの僅か、焦りを滲ませるように聖は己を鎧う。
「あぁ。俺が計ってやろう」
笑い告げたザミエルが翼を広げた。羽ばたきは一度。上空に舞い上がり風を纏うと、見下ろすがままに告げた。
「今は、この風で」
「——」
ザミエルが、身を空から落とす。急降下と共に生まれた風が衝撃波となって、聖に襲いかかった。
「——は」
風は、刃のように身を切り裂く。このまま立っていれば、傷は浅くは済まないだろう。だが、致命傷にまではいかない。奴の衝撃波は確かに軸線をずらしてきていた。
(「本気で戦わないというのなら、一瞬の隙はあるはず」)
被弾は覚悟の上。空からザミエルが来るのであれば、それを待ち受け——掴む。
奉利聖は「死」を理解しているからこそ。
「大丈夫、それは隣人だ」
唇にひとつ、乗せた言の葉と共に己を研ぎ澄ます。ごぉおお、と唸るように来た衝撃波に、復讐の魔弾ザミエルの降下に——地を蹴る。
「貴様……」
「──『遍く死を紡ぐ者』」
身体を掴む。穿つ手を取り、間合いへと踏みこみ——放つ。
「——ッほう、こう来るか。ディアボロス」
「ここで仕留められはしないが、この『死』はお前を苛むに充分だ」
口の端を上げて笑うザミエルに聖は告げた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【託されし願い】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
ネリリ・ラヴラン
ジェネラル級の敵さんをその気にさせて引っ張りだす
…言うのは簡単でも、実際気楽さなんて少しもないよね
ここで倒すつもりで一斉に攻め込むならまだしも
あくまで少数でやらなきゃいけないのだから
少しづつ消耗させるって事もできないわけで
幸いなのはお互いに交渉やら話合いも考えてるってことね
単に戦うより先手を取る余裕や、狙いを定める時間は取りやすそうだから
遠慮なくじっくりと狙いを付け、全力の魔力を込めて”黒の衝撃”を放つよ
素直に返してくれたりはしないものね
それなら、それを賭けて勝負をしてみない?って宣戦布告でもしてみたいわ
とても単純なのだけど、結局そういうのが悪魔さんには一番なのかなって
アドリブや連携は歓迎ね
●穿つ瞳の娘は告げる
轟音ひとつ、風と共に衝撃が大地を抜けた。それも——それでも、ビルがひとつ軋んだ程度ではあった。息ひとつ荒くして「見せた」ディアボロスを視界にネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)は空にある影を見る。
「——ほう。俺の試しに耐えるか。もう少し饒舌になっても構わないが」
「……」
構わなくとも、自ら仕掛けることが復讐の魔弾ザミエルには出来ないのだろう。少なくとも、今は。
(「ジェネラル級の敵さんをその気にさせて引っ張りだす。……言うのは簡単でも、実際気楽さなんて少しもないよね」)
ここで倒すつもりで一斉に攻め込むならまだしも、あくまで少数でやる必要があるのだ。少しずつ消耗させるということもできない。
(「幸いなのはお互いに交渉やら話合いも考えてるってことね。単に戦うよりは先手を取るだけの余裕や、狙いを定める時間は取りやすそう」)
ひとつ息を吸う。黙したままのこちらに気が付いたのか、は、とザミエルが笑った。
「随分と寡黙なものだな。ディアボロス。お前は饒舌な小鳥にはならないと?」
「可愛い小鳥には多分向いてないと思うのよね」
そう言って、ネリリは軽く息を吐く。言葉を返したのは会話での時間を作る為だ。相手の射程に入っているのは良く分かっている。それでも、向こうが先に動かないのであれば——遠慮なくじっくりと狙いをつけるだけ。
「——わたし」
告げる、言葉と共に視線を上げる。全力の魔力を込めて紡ぎ上げるは肉体と生命力の結びを緩める魔術。湧き上がる黒こそ、黒の衝撃。
(「よーく狙って……絶対にっ、外さないんだから!」)
穿つ一撃が、力の矢となる。
放たれた衝撃に、復讐の魔弾ザミエルが、顔を上げる。不意打ちの一撃、受け止めるように前に出された手に——罅が、入る。
「ほう。随分と思い切るものだな。ディアボロス」
「素直に返してくれたりはしないものね。それなら、それを賭けて勝負をしてみない?」
「く、ははは! 賭けか!」
ならば、とザミエルは笑う。銃口がこちらを向く。
「俺の一撃、この試し、受け止めきれるだろうな?」
撃鉄が引かれる。ガウン、と一撃ザミエルの銃弾がネネリの肩口を射貫いた。
「——そうね」
一撃は、浅い。相手が本気で無いのは事実だ。——でも、撃ってきた。こちらの宣戦布告に乗ってきたのだ。
(「とても単純なのだけど、結局そういうのが悪魔さんには一番なのかなって思ったけど。やっぱり一番だったみたい」)
呼吸を整えるようにネリリは息を吸う。そう自分を装ってみせる。楽しげに笑い、銃口を向けてきたザミエルが手の中の十字架を見た。
「『コレ』を賭けの対象にするということは……、間違いでは無いかもしれんな」
大成功🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
伊神・紡
※アドリブ連携歓迎
君がザミエル、中々いいセンスだね。
ん?ごめんごめん。僕は少々自由でね、君に合わせてこの身に宿る悪魔としての名を名乗ろうかアガリアレプトだ宜しく。
できっとその銃で僕を脅すんだろうけどそれを返して……はくれないよね。力を誇示するのは好みじゃないんだけどな。でも唯のリソースの使い道を持ってないキミらにとっては口径の合わない弾を拾った様な物なんだから必要ないだろう?砲身がある僕らと違って。
話しすぎたね、それ早く返して貰うよ。
少しずつ周囲に散布していたDepthを媒介に結界を作り上げ、減速に慣れてない内に切り掛かる。又隙を見て魔影による捕縛やBenitoiteで魔銃を召喚展開し掃射。
●裏口は常に開けておくように
「俺の射程も理解しているだろうにな、ディアボロス。踏み込んでくるか。戯れ程度であれば、機嫌が良ければ付き合ってやるがな」
「機嫌、か。また随分なことだね」
カツン、と伊神・紡(『解明』の装鍵使い/Agaliarept・g01740)は足音を鳴らす。踵でコツン、と地面を叩くようにしてゆるり、と視線を上げた。
「君がザミエル、中々いいセンスだね。ん? ごめんごめん。僕は少々自由でね、君に合わせてこの身に宿る悪魔としての名を名乗ろうか」
「……ほう?」
戯れにスコープを覗いて見せた復讐の魔弾ザミエルが、視線をこちらに向ける。興味1つ持ったような姿に、紡は悠然と微笑んで見せた。
「アガリアレプトだ宜しく。
できっとその銃で僕を脅すんだろうけどそれを返して……はくれないよね」
「脅す、脅すか。仮にも悪魔として名乗っておきながら愉快なことだな。アガリアレプト」
ディアボロス、と低くザミエルが告げる。
「これを、俺がこの場で使うとは思わないのか?」
「だからこそ、還して貰いたいのさ」
軽く肩を竦めるようにして紡は言葉を紡ぐ。相手の会話に合わせるように言葉を選んで見せるのは、饒舌を装うが為だ。
「力を誇示するのは好みじゃないんだけどな。でも唯のリソースの使い道を持ってないキミらにとっては口径の合わない弾を拾った様な物なんだから必要ないだろう?」
ゆるり、と口の端を上げる。僅かに挑発するように。
「砲身がある僕らと違って」
「——随分と詳しいようだな」
低く、ザミエルが笑う。ひどく上機嫌に、だが、そこにある確かな警戒に紡は悠然とした笑みを浮かべた。
「話しすぎたね、それ早く返して貰うよ」
次の瞬間、全ては結実する。指先から零すように少しずつ周囲に散布していた黒い粒子状の金属片が描き上げるのは不可視の結界。即座に銃を構えようとしたザミエルが僅かに息を飲む。
「ディアボロス、お前、俺を罠にかけたか!」
「罠というよりは、仕掛けだよ」
幻想結界は、展開した粒子によって相手の動きを阻害する。銃を構えるには、撃鉄を引くには——時が、かかる。それが永遠ではなくとも、相手を減速に巻きこんだのであれば——その時を、紡は使いきる。
「暗い底へ堕ちてしまおうよ」
囁くように告げて、地を蹴る。迷い無く詰めた間合い。空の手で進んだ先、ひゅん、と振り上げた腕に刃が、Depthで構築した刃が落ちる。
「ディアボロス……! は、やってくれたな」
復讐の魔弾ザミエルの身体に傷が落ちる。ゼロ距離にて、持ち上げられた銃口がこちらに向くのを見ながら紡は言った。
それを、返して貰うよ、と。
大成功🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
ジョン・エルバ
アレンジ歓迎!
一芝居うって拠点把握ね
いいぜ、ロックスターに不可能は無いのさ!
ギターを手に臨戦体制、睨みつけ叫ぶ
見つけたぜアークデーモンさんよォ!
その品を返してもらおうか
何か問われれば答える気はねえと、怒りのままに鬼人の力で辺りをむしゃくしゃに破壊し威圧感を与えるよう向かい、目前で啖呵を切る
オレはそれを取り返さなきゃなんねえ
テメェはそれが何なのか気になっている
これに対する答えは一つだ!
ぶっ倒して黙らせて奪い取る!最っ高にロック!
敵の攻撃は怪我も気にせずパラドクスでガンガン突っ込む
隙を伺い、手を伸ばし宝飾品を奪おうとする身振りも混ぜながら攻撃を仕掛ける
こういうのは自分が必死ほど相手も本気になるのさ
●next door
剣戟と共に踏み込めば、黒の粒子が舞う。軋む身体に、だが、復讐の魔弾ザミエルは笑っていた。
「クハ、ハハハ。随分と動くものだな。ディアボロス。だがその程度で、俺に勝てると思ってるのか? このザミエルに」
作戦の規模を言っているのだろう。相手は、ジェネラル級。容易い相手では無いのは事実だ。——だが「そう言ってきている」のであれば、意味はある。最初からこれは、そう言われるべき作戦なのだから。
(「一芝居うって拠点把握ね。いいぜ、ロックスターに不可能は無いのさ!」)
口の端を上げ、ジョン・エルバ(ロックスター・g03373)は笑って見せた。此処が死地に近いことは知っている。まぁ、ここでぶっ倒れる為に来た訳じゃぁ無いが——そのひりつくような感覚は理解している。だからこそ、ジョンは靴音を鳴らす。
「見つけたぜアークデーモンさんよォ!」
ギターを手に、青の瞳は復讐の魔弾ザミエルを睨み付けた。
「その品を返してもらおうか」
「ハ、返して。返してか。ディアボロス、これの正当な所有者がお前達であるのならば……」
じゃらり、とザミエルは手の中に収めていた『重要物資』を見せる。それは十字架を摸したものであった。姿であればロザリアに似ているだろうか。軽く掲げてみせると、ザミエルは射るような視線をジョンへと向けた。
「遺失物、秘蹟、匣。今のところコレに名前もなくてな。何を以て展開するのか、さて……俺がここで、これを落としたら……」
「答える気はねえ」
ガン、と瓦礫に蹴りを入れる。一拍の後に崩れ去った瓦礫にザミエルが僅かに眉を寄せる。
「鬼人か」
「うるせえ」
看板をなぎ倒し、むしゃくしゃにあと1つの瓦礫を踏み崩す。低く、吐き捨てた声は威圧的に、啖呵を切った。
「オレはそれを取り返さなきゃなんねえ。テメェはそれが何なのか気になっている」
カツン、と足音を鳴らす。一歩を荒く、ジョンは踏み込む。
「これに対する答えは一つだ! ぶっ倒して黙らせて奪い取る! 最っ高にロック!」
だん、と一歩。入れた踏みこみと同時に一気に前に飛び出す。
「オレと愛し合おうぜ」
一歩、二歩、地を蹴り跳ぶように前に出る。鬼人化した腕が、常人ならざる力を宿し——解放する。握る拳も、突き出す手も間合いに入れば心の臓を掴むほどに——殺し合う。
「ハ! 無謀だな。ディアボロス!」
ジョンの爪が、ザミエルの胴を切り裂いた。弾け飛ぶように散った黒は、血か。霧か。己が受けた傷に、だがザミエルは笑った。
「ならば、この俺もお前を黙らせるだけの手段程度取っても良いだろう。試しだ」
上空へとザミエルが舞い上がる。空に身を置いたのは一瞬。次の瞬間には、急降下と共に翼から放たれる衝撃波がジョンを襲った。
「立てよ? ディアボロス。そうでなければ……」
「うるせえって言ってんだよ!」
衝撃波の中を、ジョンは踏み込む。受ける傷など気にせずに攻撃の隙を狙うように、ぐ、と手を伸ばす。狙いはザミエルの核ではない。あの十字架だ。
「な……!? ッチ、面倒な事を!」
その狙いに、ザミエルが大きく身を逸らす。十字架——重要物資を守るように翳した手が、ジョンの爪に掴まれる。壁に叩きつけるようにして入れた一撃に、復讐の魔弾ザミエルは大きく翼を広げた。
「ディアボロス、ディアボロス! お前達はいつも面倒ごとを起こしてくれる。……だが、今回は……貴様等は罠にかかり、俺はこれを持ち帰る」
——この傷の借りは、いずれ返して貰うとしよう。そう言ってザミエルは怪しく笑った。
大成功🔵🔵🔵
効果1【壁歩き】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
●第一次ディアボロス撃滅作戦
「ディアボロス、ディアボロス! お前達はいつも面倒ごとを起こしてくれる」
苛立ちが、そこにはあった。荒々しく羽で地面を叩くと、復讐の魔弾ザミエルはスナイパーライフルを肩に担ぐ。
「俺の銃で撃ち抜いてしまえれば良いものを……だが、貴様等は罠にかかった。この包囲網、貴様らを喰らいつくすには十分だろうな」
ザミエルがそう告げると同時に周囲の空間が――変わる。変容する。置き換えられるように展開された魔力にディアボロスたちは顔を上げる。
「――これって」
「は、罠だと気が付かなかったか? それほどにこれが重要だと見える」
娘の声に、ザミエルは口の端を上げる。テメェ、と荒く地面を蹴った青年に復讐の魔弾ザミエルはひどく楽し気に笑った。
「俺はこれを持ち帰る。貴様らはそこで潰えるか――或いは次の機会に俺の弾丸に撃ち抜かれるが良い!」
復讐の魔弾の咆哮が空に響く。瞬間、強く吹いた風はザミエルが招いたからか、それとも――この危機が招いたか。地面から湧き上がるように一体、また一体と敵が姿を見せる。それは正しく圧であり、同時に――ひとつの、確証でもあった。
「かかってくれたようだね」
紺のヘッドホンの位置を軽く直すようにして青年が告げる。静かに黒い瞳を細めるようにして青年も頷いた。
「えぇ。では、手筈通りに」
これは全てあの「重要物資」を信じさせるための仕込み。仕掛けに無事にかけられたのならば――さぁ、次は生きてここを突破するだけ。
包囲の薄い一角へとディアボロスたちは踏み出した。
●マスターより
ご参加いただきありがとうございます。
秋月です。
リプレイは敵と戦闘に入ったタイミングから。
がっつりバトルとなります。
それでは皆様ご武運を。
ジョン・エルバ
アレンジ歓迎!
あーイッテェ、お気にのストールが破れたらどうすんだよ
しかも悪魔エグい数いるし
全員オレのファンってワケ?アガるね
次会う時にはその傷どころじゃなくしてやっからな、覚えとけよザミエル!
……まぁここまでは作戦通り
あとは一点突破でさっさとこんな戦場からオサラバだ!
邪魔だぜヤンキーくん共!
オレの前にいるってことは、このロックスターのレッドカーペットになりたいってことだな?
いいね!要望叶えてやる
【トラップ生成】で敵の足元の前付近に隠された小さなシーソーを仕掛ける
チェーンで身体が絡まったとき思い切り後退し、罠を踏ませて隙を作り、ナイフで一気に破壊
そのまま勢いに任せて怯んだヤツの首を狙っていくぜ!
セレスティン・ウィンディア
うまく、敵と戦闘に入ったのね
さて、私も久しぶりに暴れちゃいましょう!
あら奇遇、私もこんな武器が好みなの
さぁ、解体してあげる♪ニタリ笑って
地形の利用を行なって、上下左右の足場になりそうなもの、物体をよく観察して、軽やかに軌道を変えつつ
ヤンキーデーモンが全力で叩きつけるその予備動作や相手の体格も利用
トリカブトの剣先と遠心力で回転しながらフェイント攻撃
ほら言ったでしょう、解体するって
この陣営もあなた方自身も、ね?
負傷してもひらりと、青い髪を靡かせて行動を観察
ストリート魂の情熱と強打で持って勢いよく行くわ
その美しさには、毒を秘めて。
●角を隠さず
強く吹いた風が血と砂の匂いを混ぜた。血溜まりには遠く——だが、確かに大地を濡らした赤を踏みしめ、ジョン・エルバ(ロックスター・g03373)は軽く頭を振るった。
「あーイッテェ、お気にのストールが破れたらどうすんだよ」
額に薄らと残った血を払うようにして、ロックスターは息を吐く。
「しかも悪魔エグい数いるし。全員オレのファンってワケ? アガるね」
吹く風が金色の髪を揺らす。角を晒したジョン・エルバ(ロックスター・g03373)は笑った。
「次会う時にはその傷どころじゃなくしてやっからな、覚えとけよザミエル!」
——返る声は無い。ただ包囲網をしいた敵達が笑う声が耳に届く。敵意ではない、明確な殺意がそこにはあった。
——だが、その殺意にジョンは軽く息を吐く。
「……まぁここまでは作戦通り。あとは一点突破でさっさとこんな戦場からオサラバだ!」
だん、と荒く地面を踏む。ぐん、と一気に迷い無くジョンは前に——出た。
「オレの前にいるってことは、このロックスターのレッドカーペットになりたいってことだな?
いいね!」
ぐ、とひとつジョンは拳を握る。荒い踏み込み、次の一歩を大きく入れれば——距離は縮まる。
「要望叶えてやる」
「ヒャハ、カーペットはてめぇの方だ!」
その間合いにヤンキーデーモンが腕を振るった。軋む音と共にジョンの目の前、弧を描いてきたのは自転車のチェーンだった。地面を抉り、コンクリートを砕くようにして叩きつけられた一撃が——来る。
「——っは」
叩きつけられたそれは、痛みというより衝撃に近い。派手に流れた血が頬に跳ねる。じゃらりと重く、骨を打つように来たチェーンがジョンの腕に絡みつく。
「このまま引きずり回してやるぜぇ?」
「そうかよ。そいつは……」
痛みに、熱にジョンは笑う。頬に跳ねた血が伝い落ち、唇に触れる。
「楽しませてくれるよな?」
触れた血にロックスターは笑う。絡みついたチェーンごと、引き寄せようとしてくるデーモンに、ぐ、と身を引く。足裏で地面を掴んで、思いっきり体重をかければヤンキーデーモンは笑った。
「ヒハ! おいおい綱引きでもするつもり……」
「違うな」
つもりか? という筈だったのか。デーモンの言葉が消える。がくり、と引き摺られるまま、踏み込んだ足が——揺れる。ずれる。
「な……足が! てめぇ何を!?」
ヤンキーデーモンが態勢を崩す。足元に罠を作ったのだ。ただ踏み込むつもりだったデーモンの体が傾ぐ。それは大きな揺れでは無い——だが、その僅かでジョンには十分だった。
「楽しませてくれよな!」
前に、出る。空の手にナイフを生み出す。何の変哲も無いその刃に乗せるのは己の意志。感情。ジョン・エルバという男の思いがそこにはあった。
「言ったろ? 要望叶えてやる!」
ぐん、と腕を伸ばす。傾ぐデーモンの身では、突き出したジョンのナイフを避けきれない。穿つ一撃、高まる感情を乗せた鋭い刃がヤンキーデーモンの首を貫いた。
「グ、ァアアアアア!?」
カハ、と血を吐くようにしてデーモンは崩れおちる。テメェ! と真横から聞こえてきた残りのデーモン達の怒声に、ジョンは身を横に飛ばす。
「正面、まだまだいるぜ?」
振り返ること無くジョンがそう告げたのは、カツン、とひとつ響く足音を聞いたからだった。
「えぇ。本当に。沢山集まったのね」
零す声は柔らかく。然れど血濡れの戦場に臆すことも——驚くことも無く駆けつけた娘は告げた。
「うまく、敵と戦闘に入ったのね。さて、私も久しぶりに暴れちゃいましょう!」
●蒼穹に星は輝く
「ヒャッハー! どんだけ来ようが全部潰してやるぜ!」
ガツン、と鈍い音と共にヤンキーデーモン達が、釘バットを地面に叩きつける。荒く、叩かれた標識が吹き飛べば奥のビルで窓硝子が割れた。派手な破砕音と共に、踏み込んできたデーモン達に、カツン、と娘は靴音を返す。
「あら奇遇、私もこんな武器が好みなの」
一歩、踏み込む足があったからだ。吹く風に青の髪を揺らし、凡そ戦場には不釣り合いな美しい笑みを浮かべていた娘は——ニタリ、と笑った。
「さぁ、解体してあげる♪」
晒す刃はトリカブトの名を持つ。剣先に返しのついたそれを日の光の下に露わにすると、セレスティン・ウィンディア(蒼穹のステラ・g06011)は地を——蹴った。
「ヒャハ、なら俺様はすり潰してやるぜ!」
セレスティンの踏み込みに、ヤンキーデーモンが吼えた。だん、と荒く、一歩をいれたデーモンが腕を振り上げた。
「オラオラ!」
「——」
ガウン、と重く、釘バットが振り下ろされた。全力で叩きつけるその動きに、セレスティンは身を引く。鼻先、すんでの所で躱し、退いた足を軸に身を——回す。
「な……!?」
「ほら言ったでしょう、解体するって」
トリカブトの剣先が、ヤンキーデーモンを斬り裂いた。身を回しながら、薙ぎ払うように届いた刃に一体が崩れおちる。そのフェイントに続いて飛び込もうとしていたヤンキーデーモンが足を止めていた。
「この陣営もあなた方自身も、ね?」
崩れおちる敵を視界に、その向こうに見えた相手へとセレスティンは微笑んで告げる。構え直した刃にヤンキーデーモン達は笑った。
「ヒャッハー! いいじゃねぇか、どっちが最後まで立っているか遊ぼうぜ!」
だん、と荒い踏み込みと共に振り下ろす一撃が来た。釘バットの一撃が——次は、届く。踏み込みを僅かに変えてきたか、迷い無く来たが故か。だが、多少動きを変えて来ようがセレスティンは相手の行動を観察するように目を向ける。ストリート魂の情熱と強打を持って。
「えぇ。行きましょう」
その美しさには、毒を秘めて。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
伊神・紡
※アドリブ連携歓迎
あゝもう全く滑稽だね、罠にかけた?こんなの罠の範疇に入らないでしょ。それに馬鹿と煙は高い所がなんとやら、って言うしきっとそうなんだろうね。
ヤンキー君達はどうも、で何の様かな?どうせお茶なんて品のある物なんじゃないんだろうけど……折角だ付き合ってあげよう。
トラップと罠を幾つか設置しようか、結界を操作して視界を奪う物と刃に襲われる物を幾つか設置してある程度の動きを制限して粒子で物理的にも捕縛する。
いい感じに撹乱したら晶装の穂先にDEPTHの刃を纏わせる改造を施して粒子に紛らせて認識しづらい攻撃を行う。
簡単なトリックだけどシンプルな仕掛け程上手くいく、さて次は誰にしようか。
●此処に居たり
「あゝもう全く滑稽だね、罠にかけた?」
血濡れの戦場に、ひどくゆったりとした足音が響いていた。叩きつけられるチェーンの音も、釘バットを打ち鳴らす様も然程気にする様子も無いままに、青年は息を落とす。
「こんなの罠の範疇に入らないでしょ」
伊神・紡(『解明』の装鍵使い/Agaliarept・g01740)は、レンズ越しの瞳を一度空に向けた。
「それに馬鹿と煙は高い所がなんとやら、って言うしきっとそうなんだろうね」
自ら悪魔としての名を一度唇に乗せた青年は空へと向けた視線をゆるり、と地に落とした。砂塵舞う、戦場へ。地面を濡らす赤を一瞥すると、荒い踏み込みと共に動き出したヤンキーデーモン達を見た。
「ヤンキー君達はどうも、で何の様かな? どうせお茶なんて品のある物なんじゃないんだろうけど……折角だ付き合ってあげよう」
テーブルマナーも知らなさそうな相手だが、歓待はできる。パチン、とひとつ紡は指を鳴らす。別段それ自体に意味は無い。ただ——そう、踏み込む彼らはそれに意味を見いだすだろう。
「ヒャッハー!」
「……」
その一瞬を、その惑いを全て利用するように紡は一歩、足を下げる。距離を取ったのではない。この場を——戦場を、紡の間合いを制御するため。
「トラップと罠を幾つか設置しようか」
DEPTHを展開する。細かな黒い粒子が結界を描く。それこそ、紡の間合い。絶対の領域。この結界に足を踏み込めば、ヤンキーデーモンの荒々しい踏み込みが——崩れる。
「な……これ、は」
「ッチ、どこからやりやがったテメェ!」
刃がデーモンの腕を掠る。視界を奪うように、粒子が煌めく。不可視の結界が描き出したものであれば、ヤンキーデーモン達が気がつけるものでは、無い。
「暗い底へ堕ちてしまおうよ」
その瞬間を、紡は生かしきる。晶装の穂先にDEPTHを纏わせ、描き出した刃と共に踏み込む。ひゅん、と滑る一撃がヤンキーデーモンを切り落とせば——罠の中にある悪魔たちは混乱する。
「てめぇ!?」
「何が起きてる!?」
その声を耳に、青年は息を落とす。
「簡単なトリックだけどシンプルな仕掛け程上手くいく、さて次は誰にしようか」
包囲の緩みはこの一角。斬り伏せ、道をつける為に紡は歩き出した。
成功🔵🔵🔴
効果1【トラップ生成】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
奉利・聖
ここまでは手筈通り、といったところですね
得意になった奴の姿はいっそ滑稽というもの……次に会うときは滅してやる
さて、それでは有象無象を消し去って帰りましょう
地面を<強打>する震脚二回
これにて脚部装甲『死蔵』に衝撃がチャージされた
まずは一発目、踏み込みと同時に衝撃を解放してデーモンに肉薄
その醜悪な頭を吹き飛ばしてやりましょう
そして蹴り潰したデーモンを足場にするようにしてもう一度踏み込み、衝撃解放からの胴体を蹴り千切る勢いの蹴り!【トラップ生成】で足元に拘束罠を置いて確実に当てに行きましょう
反撃には<結界術>を纏った『死蔵』を使って受け止めながら、衝撃をチャージして次に備えておきます
●匣は何れ道に至る
砂塵舞う戦場に、ヤンキーデーモン達の声が響いていた。甲高く響く声と共にチェーンが地面を叩き、飛び散った赤と同時に穿つディアボロスの一撃がデーモン達を散らす。
「ここまでは手筈通り、といったところですね。得意になった奴の姿はいっそ滑稽というもの」
静かにひとつ、青年は息を吐く。僅かに血に濡れた金の髪を払うように、軽く髪をかき上げると冷えた目で一度空を見据えた。
「……次に会うときは滅してやる」
低く、奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)の声は落ちる。吹く風が派手なタトゥーを晒すと、ダン、と聖は地面を足で叩く。
「さて、それでは有象無象を消し去って帰りましょう」
地面を強打する震脚を二回。踏み込まずにいるこちらを見てヤンキーデーモン達が笑う。
「ヒ、ヒャハハハハハハ! すりつぶしてやるぜディアボロス!」
「いつまで踊れるか、試してやろうか!」
なぁ? と嘲笑う声と共に、じゃらりと自転車のチェーンが引き摺られる。地面を抉るように、ぎぃいい、と鈍い音が聖の耳に届いた。
「ディアボロス!」
「そこ、間合いです」
だが、そのチェーンが振り上げられるより先に、聖は動いた。タン、と踏み込みは軽く——だが、その速度は速い。
「な……!? ディアボロ……ッ」
瞬発の加速。
あの震脚は、ただ二回打った訳では無い。脚部装甲『死蔵』に衝撃をチャージしたのだ。この加速は一度目の使用。残るひとつは——。
「その醜悪な頭を吹き飛ばしてやりましょう」
ヤンキーデーモンへと直接、叩き込んだ。
「ギヤァアアアアア!」
ひゅん、と鋭い蹴りがデーモンの頭を吹き飛ばした。ぐらり、と崩れおちた一体の向こう、舌打ちと共に残るヤンキーデーモン達が踏み込んでくる。
「ヒャッハー!」
「乱闘と行こうぜ!」
「——」
その踏み込みに、聖は前に出る。崩れおちたデーモンを足場に、そのまま次の一撃を叩き込めば——目の端で、何かが光った。
「そうですか」
見えたのは——釘バットだ。
「オラオラ!」
視界の外から、一気に踏み込んできた相手の一撃を結界術を展開しながら受け止める。ギィイイ、と派手に火花が散り、血が零れる。だが、その赤さえ次の一撃に使うように。衝撃を受け止めた『死蔵』と共に聖は狙いを定めた。包囲の一角、崩すべき場所は見えている。完璧に打ち崩すまで——後、少しだ。
成功🔵🔵🔴
効果1【書物解読】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV2になった!
アンゼリカ・レンブラント
ザミエルは去った後かな
よし、皆と一緒に
めいっぱい力を振るい囲みを突破しようっ
仲間と進軍方向をすり合わせいざ脱出!
星形状のパラドクスを放出して敵陣に穴をあけるよっ!
なるべく倒せそうな個体、進行方向を塞ぐ相手を
優先的に狙い突破を図っていこう
突破を優先するけど、
敵集団に取り残される仲間がいないよう注意だよ
みんなでここを抜けるんだ!
必要あれば仲間にもディフェンスだよ。誰も倒れさせないっ
呼吸を整えめいっぱい力を溜めた《天輪輝星》
を放ちパワフルに粉砕していくね
さぁこれで、どうだーっ!
囲みを抜けたら戦っている当たりの敵を
殲滅する方向にシフトしていこうか
私達に敵意を燃やすザミエル
彼に対する挑戦状となるようにね
●光あれと
地面を削るようにチェーンが振るわれた。轟音と共に割れた大地を飛び越え、ギィイイイ、と引き摺るようにして荒く振るわれた釘バットをディアボロス達が受け止め、時に躱す。割れた岩を飛び越し行く姿を見ながら、うん、と少女は頷いた。
「よし、皆と一緒にめいっぱい力を振るい囲みを突破しようっ」
復讐の魔弾ザミエルは去り、残されたのは罠である包囲。ザミエルにしてみれば、仕掛けの中にディアボロスを残し、自分は『あれ』を無事に運び出せたと思っているのだろう。
(「ちゃんと持っていってくれたんなら、後はここから出るだけだね」)
た、と駆ける音は聞こえている。包囲の一角、崩すべきはあの場所だというのは——見て、分かる。だからこそアンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)は前を、先を見た。
「行こうっ」
告げる言葉と共に、少女は地を蹴った。一度、大きく慣らした靴音は来訪を告げる為であり、同時にこちらを向いたヤンキーデーモン達の姿を捉える為だ。
「ヒャッハー! また来やがったぜ!」
「ヒハハハ、全部ぶっつぶせば、俺らの勝ちってことだろう!?」
「うん、勝つか負けるかっていう話なら……」
それだけを告げるなら、とアンゼリカは拳を握る。駆ける足はそのままに、速度を落とすことなく——ただ、一歩を強く入れた。
「勝つよ。全力でっ!」
前に、出る。踏み込むは跳ぶように。身を前に出せば、ヤンキーデーモン達がこちらを向いた。詰める距離は、そのまま包囲の突破を狙うことを示す。だからこそ、デーモン達は釘バットを手に荒く地面を蹴って——来た。
「ヒャッハー! ぶっ飛ばしてやるぜ!」
だがその一撃に。踏み込みに少女は握った拳を——といた。
「我が手に集う裁きの光よ」
招くは裁きの光。金色の髪を揺らし、飛び込んでくる相手を前に一度、足を止める。きゅ、と片脚、構え1つ取るようにしてアンゼリカは光る零す手を掲げた。
「全ての邪悪なる者を、焼き尽くせっ!」
瞬間、星の形をしたパラドクスが放たれた。その輝きに、地を蹴ったヤンキーデーモンが崩れおちる。一体、一区画、確かに崩せば道がひらく。崩れおちたデーモンを飛び越え、一気にアンゼリカへと向かってきたヤンキーデーモンが釘バットを振り上げた。
「オラオラ!」
「——っでも、止まらない、よ!」
全力で叩きつけられた一撃に、アンゼリカの体が僅かに浮く。一撃、受け止めたのは突破を狙うが為だ。左右、仲間が抑え込み、罠を展開し、戦場を己がものにしているのだから——アンゼリカは道を、作る。
「みんなでここを抜けるんだ!」
呼吸を整える。流した血も、痛みも今は置いて。いっぱいの力を込める。輝く星々はアンゼリカの勇気の結晶だからこそ。
「さぁこれで、どうだーっ!」
全力の裁きの光をアンゼリカは放った。至近の一体が星の輝きに飲み込まれ、舞い上がる風と共に星のパラドクスが包囲を——崩す。ザミエルへの挑戦状となるように、追いすがる敵を穿てば、やがてその崩れ去った包囲の向こう、不機嫌そうに立つアヴァタール級の姿がみえていた。
成功🔵🔵🔴
効果1【照明】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
●簒奪者サルガタナス
ヒャッハー、と高く響いていたヤンキーデーモン達の声が、ふいに途切れた。静寂には遠いのはここが、まだ「ディアボロスを包囲する罠」の中ではあるからだろう。
だが、囲いは崩れた。
地を叩き、チェーンを振り回し、ディアボロス達に膝を付かせようとしたデーモンは消えさり、最後の釘バットが地面を叩いたその時——空間が揺らいだ。
「……へぇ」
その変化に、いち早く気が付いたのは誰であったか。僅かに眉を寄せ、だが微笑んで見せたディアボロスがひとり、結界の類いに気が付く。包囲とは違う。この空間を、自分達がいる戦場だけを置き換える類いの魔力。己が戦場を作り出し、自らの舞台へと変えるようにして『彼女』は告げた。
「出て行かれては困ってしまうわ。ディアボロス」
簒奪者サルガタナスは美しい笑みを浮かべ、甘く柔らかな声音で告げた。
「まだ、遊びましょう?」
●マスターより
ご参加いただきありがとうございます。
秋月諒です。
●リプレイ
敵と戦闘に入ったところから
勝利後、敵に包囲されることなく離脱となります(勝利すればそのまま離脱できます)
▼プレイングについて
先着順ではありません。
また、必要人数を大きく越えた採用は無いので、そんな感じです。
*技能は、パラドクスを越えた効果は発揮しません。
奉利・聖
悪いが遊びに付き合っている暇は無い
ザミエルと比べればお前はただのおまけ
ついでに倒される程度の価値しかない、というわけだ
無論油断なんてしないけれど…そう、下に見ているよ
よろしい、恐怖を呼び起こすのならば相手になろう
ところでお前は──『死』の恐怖を知っているだろうか
『死』を纏ってただ前進する 境界に触れた者は徐々に、徐々に死んでいくだろう このまま包囲を抜けさせてもらう
邪魔をするのなら…文字通り死ぬ覚悟をすることだ
反撃に対しては、<精神集中>で覚悟を固める
所詮は幻…目的の完遂の前には大した要素になり得ない
強い覚悟で前進しましょう 僕は恐れすら踏み越えると、不退転の意志を示して対抗するんだ
●其の影を踏む
戦場に鮮血と剣戟が混じる。派手に聞こえる足音は、包囲を突破しようとするこちらを追ってのことだろう。
(「長居をすれば、こちらが追い付かれ包囲される……」)
そう奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)が考えたところで、笑うような娘の声が耳に届いた。
「そうね。その通りね」
簒奪者サルガタナスは蠱惑的な笑みを浮かべてこちらを見た。
「このままだと、きっと他の子達に貴方達をとられてしまうのわ寂しいわ」
「……」
裡から曝かれるかのような感覚に、聖は息を吐く。心に干渉してくる類いか、或いは読み取るに長けているか。
「悪いが遊びに付き合っている暇は無い。ザミエルと比べればお前はただのおまけ」
一歩、踏み込む足と共に包囲の外へ——簒奪者サルガタナスの方へと聖は足を進める。
「ついでに倒される程度の価値しかない、というわけだ。無論油断なんてしないけれど……そう、下に見ているよ」
「ふふ。私とあの方に違いがあるのは知っているけれど……そう言う貴方と、もっとお話がしてみたいわ」
甘く囁くように簒奪者サルガタナスが告げれば、周囲の空気が変わった。
「……」
這うように「何か」が聖に迫ってきていた。足を掴むように、手を取るようにそれは聖の裡を曝く。
「さぁ、見せて? 貴方の恐怖を」
「よろしい、恐怖を呼び起こすのならば相手になろう」
聖の裡に触れ、甘く囁くように始まる干渉に聖は顔を上げる。己の意志で前を見る。
「ところでお前は──『死』の恐怖を知っているだろうか」
一歩、踏み込むと共に展開する。それは防御結界であった。死を知り、死を愛し——愛される青年の紡ぐ武装。衣のように『死』を纏い、聖は歩く。その身を追う者がいたとしても境界に触れれば、徐々に、徐々に死んでいくことだろう。
「あら、変わった方法ね。死を以て身を守るなんて」
「邪魔をするのなら…文字通り死ぬ覚悟をすることだ」
一歩、一歩。進む聖にサルガタナスは笑う。そう、と伸ばした指先が血に濡れていく様を楽しむようにして、なら、と簒奪者は笑った。
「貴方の心に聞いてみましょう?」
「——」
瞬間、聖の前に姿を見せたのは畏怖に値するものであった。黒く影に似た『それ』が輪郭を持つより先に聖は息を吸う。
「所詮は幻……目的の完遂の前には大した要素になり得ない」
強い覚悟を以て、前に進む。恐れすら踏み越えると、不退転の意志を示して対抗するように。
成功🔵🔵🔴
効果1【防衛ライン】がLV2になった!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
シル・ウィンディア
遊んでいくのはいいけど、高くつくよ?
でも、時間がないから早めに終わるものでお願いね?
さて、それじゃ、全力でお相手するよっ!!
世界樹の翼type.Bからの誘導弾を連射しつつ高速詠唱
誘導弾が当たる瞬間にパラドクス砲撃でを撃ち込むよっ!
ふふ、どうかな?誘導弾と砲撃のコンビネーションは?
敵パラドクスで出てくる幻影は、わたしや両親を殺したあの竜麟兵騎士。
振りかぶるは大上段から斬り下ろす大剣の攻撃…
あの頃なら怖くて震えてただろうね。
でも、その過去はもう乗り越えたからっ!
左手の創世の光剣で打ち払いつつ、高速詠唱を開始。
そのまま、全力魔法の七芒星精霊収束砲!
過去の亡霊は、虹の輝きで撃ち抜かせてもらうよっ!
●今、始まりの一歩を
「せっかちなことね」
血に濡れた指先をそのままに、簒奪者サルガタナスは笑みを浮かべる。甘く響いた声ひとつ、ただそれだけで空間が震える。
「遊んでいくのはいいけど、高くつくよ?」
青い髪を揺らしてシル・ウィンディア(虹霓の砂時計を携えし精霊術師・g01415)はそう言った。後ろで組んでいた手を解いて、ふ、と落とす息と共に白銀の長杖をひゅん、と回す。
「でも、時間がないから早めに終わるものでお願いね?」
世界樹の翼を銃モードに変形させると、弾丸を込めるように唇に詠唱を乗せる。高速の詠唱。収束された魔力を弾丸に込めると、たん、とシルは地を蹴った。
「行くよ!」
告げる言葉と共に弾丸を放つ。銃撃の間合いより僅かに深く、踏み込みと共に持ち上げた銃口に——放つ弾丸に、サルガタナスは身を逸らした。
「あら、この程度の遊びなの? この銃弾で私に傷をつけるなんて……」
できない、と微笑むように告げたサルガタナスが続けざまに放った弾丸を受け止めるように手を前に出した。パラドクスではない攻撃では、クロノヴェーダに傷をつけることはできない。そう、その事実をシルは分かっているからこそ——当たる瞬間に、魔力を解き放つ。
「すべてを撃ち抜きし光となれっ!!」
瞬間、展開された魔方陣は複合精霊魔法。少女の背に生まれた四対の魔力翼が、その威力を証明する。
「……ッこの、力は……!」
弾丸に気を取られていたサルガタナスにそれを避ける術は無い。走る光の砲撃に、地面が焼けた。ぐらり、と身を揺らし、赤とも霧とも見える何かを零しながらサルガタナスは息を零す。
「そう、さっきの弾丸は罠だったのね」
「ふふ、どうかな? 誘導弾と砲撃のコンビネーションは?」
誘導弾が当たる瞬間に、精霊収束砲を放ったのだ。その為の誘導の弾丸。穿つ一撃と共に前に出たのは相手の気を惹くため。
「まだ、行くよ」
「ふふ。それも楽しみだけれど、貴方をもっと理解してみたいわ」
例えば、とサルガタナスは告げる。肩口を赤く染め、零れるもので空に何かを綴るようにして微笑む。
「貴方と彼のことを」
「彼って……」
誰の、と告げる筈の言葉が空を切った。霧に似た揺らぎの向こう、立った影を、その存在をシルは知っている。
「——」
それはシルや両親を殺したあの竜麟兵騎士。肩に担いだ大剣と共に笑う声が耳に届く。あの日の惨劇が、流れた血が瞼の裏に蘇る。むせ返るほどの血の匂いと、声と、そして——再び出会った、あの日のことをシルは思い出す。
『 』
振りかぶられた大剣がシルの頬に影を落とす。大上段から斬り下ろす一撃。このまま来れば首が落ちる。
「あの頃なら怖くて震えてただろうね。でも、その過去はもう乗り越えたからっ!」
ひゅん、と振り下ろされる一撃を左手の光剣で打ち払う。ギン、と一撃、払い上げれば一瞬、竜麟兵騎士の体がひらく。その一瞬を、シルは使いきる。唇に高速の詠唱を。この力、この光で全てを穿つ為に。
「過去の亡霊は、虹の輝きで撃ち抜かせてもらうよっ!」
全力魔法の七芒星精霊収束砲が、幻影を貫いた。キィイイン、と高く、空に抜けた光が幻影を撃ち砕き——道を作る。
「それじゃぁ、通らせてもらうよ!」
成功🔵🔵🔴
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
テラ・ウィンディア
共闘
セレス姉(g06011
うん……恐ろしい悪魔だ
でも…それでも…いつもより怖くない
セレス姉がいるから…!
おれの全霊!尽くさせてもらうぞ!
【戦闘知識】
周辺状況
簒奪者の動き
何よりセレス姉の行動の狙いを察知
大丈夫だセレス姉
うん、うん……!撃破して此処を突破しよう!
【連続魔法・誘導弾・防衛ライン】
セレス姉と連携
セレス姉のトラップに合わせて火炎弾を乱射
更に防衛ラインも利用して敵の逃げ道を限定させる
【空中戦・グラップル・念動力・破壊】
セレス姉がポイズンインパクトを打ち込んだ瞬間
天へと飛び上がり
天座流星撃発動!
重力を足に収束させての全霊の一撃を簒奪者へと叩き込む!
対反撃
【勇気】
おれは…恐怖に負けない!
セレスティン・ウィンディア
テラちゃん(g05848)と
私のネメシスモード
髪が紺色に変化
敵は一体とは言え、私には慣れない戦場。
いいえそんなことない、私は一人じゃないし、私も馬鹿じゃない。
うん、今日も私強がってる、今は…それでいい!
この戦い、勝利を収めるよ。
いこうテラちゃん!
大量トラップ生成で足元を崩しにかかるっ!ていうのは実はフェイントで
敵の逃げた方向を予測して、大剣を振りかぶって【ポイズンインパクト】で叩き切るわ。地形の利用も駆使して、同じ技を繰り出されても、踏ん張れる場所を作らせないわ。
そしてそんな私の思考も技もフェイントでもいい。
毒ガスの奥から見えるのはテラちゃんの姿があるのだから。
●信じるもの
「……」
深呼吸と共に、ふわりと優しい風がセレスティン・ウィンディア(蒼穹のステラ・g06011)の髪の色を紺へと変えた。ネメシスモードへとその身を変えると、騒がしい戦場を——未だ、包囲されているという事実を頭に叩き込む。
(「敵は一体とは言え、私には慣れない戦場」)
ふふ、と眼前の相手が笑う。蕩けるように甘い声で「不安ね」と囁き告げたべサルガタナスへと水緑の瞳を向ける。
「いいえそんなことない、私は一人じゃないし、私も馬鹿じゃない」
きゅ、とセレスティンは一度拳を握る。
「うん、今日も私強がってる、今は……それでいい! この戦い、勝利を収めるよ」
ひゅん、と空間を払うようにセレスティンは手を振るう。ひとつ、己の中に覚悟を刻むように、その生き方を刻むように。
「いこうテラちゃん!」
「おれの全霊! 尽くさせてもらうぞ!」
応える声は傍らにあった。テラ・ウィンディア(炎玉の撃竜騎士・g05848)の真っ直ぐに向けられた信頼に、一度だけ強く握られた拳に——そこに、確かに最初はあった恐怖を見ていたからこそ、テラちゃん、とセレスティンは唇に乗せた。
「私も全力で行くね」
「まぁ、どんな風に遊んでくれるのかしら?」
笑うように告げたべサルガタナスへとセレスティンは、一歩、身を前に跳ばした。踏み込みは間合を詰める為であり、同時に——仕掛けだ。
「トラップよ」
一歩、二歩、踏み込む三歩目を強くいれて、だん、と足裏で地を叩く。瞬間、展開したのは大量のトラップだった。
「さぁ、踊りましょう?」
誘うように告げて、セレスティンは微笑む。大量の罠はべサルガタナスの足元へ、その足場を崩すように展開すれば、不服そうに簒奪者は息をついた。
「こんなダンスなんてちょっと退屈じゃない?」
「退屈なら、まだあるぞ!」
とん、と軽く身を逸らしたべサルガタナスの横を炎が抜けた。テラの放つ火炎弾だ。ただの一撃ではない。続けざまに放たれる熱に、べサルガタナスがとん、とん、と身を逸らす。散らすように軽く手で払う。
「もっと違う遊びをしましょう? 私、貴方達のことが知りたいわ。その心のこ……!」
「そう?」
続く言葉が不意に途切れる。そう、この瞬間をセレスティンは待っていたのだ。大量の罠と火炎。それでべサルガタナスを倒すことはできないのは分かっている。これは——そう、道を作ったのだ。
「——!」
「この衝撃、私の毒、思いっきり浴びせさせてあげるわ!」
握る大剣に力を込める。アークデーモンの骨を組み込んだ剣が、振り下ろす衝撃と共に——唸る。
「……っ」
身を守るようにべサルガタナスが手を翳す。瞬間、描いた守りさえ砕くようにセレスティンは魔晶のトリカブトを振り下ろす。一撃、簒奪者に沈んだ瞬間、広がるのは毒ガスだ。
(「私の思考も技もフェイントでもいい」)
地を蹴って、セレスティンは顔を上げる。腰を沈めるようにして大剣を構え直す。正面、敵の姿は抑えたまま、その視線さえ奪うように地を蹴って——見る。毒ガスの奥から見える姿を。眼前に展開された幻影さえ置いて、セレスティンは炎と煌めきを見た。
「テラちゃん」
「セレス姉!」
地を蹴る。黒髪を揺らす少女の姿は天にあった。セレスティンが踏み込んだ瞬間——大剣が振り下ろされる、そのタイミングで天へと飛び上がったのだ。纏うは超重力のフィールド。炎玉の撃竜騎士は天に置いて己が武を示す。
「星々よ……全てを繋ぐその力を我が身に宿せ……!」
恐怖は、あった。恐ろしい悪魔だと、見ただけで分かった。心に干渉してくる、曝かれるような感覚は目にした瞬間からあって——でも。
(「でも……それでも……いつもより怖くない。セレス姉がいるから……!」)
そんなセレスティンが勝利を口にしたのだ。自分も全力を尽くす。そう決めたからこそ、少女は空で重力を纏い——降りる。
「これがおれの星の一撃だ! その身にとくと味わぇぇぇ!!」
彗星の如く、落下の勢いさえ利用するように、その重力さえ纏うようにテラは、その踵をべサルガタナスへと落とした。
「っく、ぁ……ッ空、からなん、て……!」
驚愕がそこにはあった。一撃、深く沈めるように叩き込めばべサルガタナスの体が大きく揺れる。血とも霧とも言えぬ何かを零しながら、身を揺らした簒奪者は、だが、笑う。
「もっと、もっと遊びたくなってしまうわ。この時間を終わらせるのが勿体ないほどに」
ねぇ、だから、と甘く声が響く。来る、と反射的にテラはそう思った。腕を掴むような、引き摺り込まれるような感覚を感じ取ったのに気が付いたか、べサルガタナスが笑う。
「貴方のことも、もっと教えてほしいわ」
「おれは……恐怖に負けない!」
精神を塗り潰そうとする感覚を、振り払うようにしてテラは告げる。眼前に姿を見せた者を振り払うように、勇気と共に炎を纏った。勝利を収めるため——この包囲を脱するために、二人は前に進む。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【命中アップ】がLV2になった!
アンゼリカ・レンブラント
さぁあとはお前を倒すだけだよ!
ネメシス!戦乙女の姿になり挑む
仕掛けるタイミングを仲間と合わせ
パラドクスの格闘攻撃で挑むっ!
反撃を堪えながら近接戦を挑むよっ
恐怖の感情は……大切な人を失ったあの日
いやもっと前
私が復讐者となる前出会った”英雄”。
夢みたいな出来事の中見たあの人は
攻撃を肉体だけで防ぎ、拳1つで命を奪わず戦いを終わらせた
それは私が欲しがっても手に入らないもの。
私の「アンゼリカ」の名前も借り物で……!
だがそれがどうしたッ!
心強い友がいる、宿縁邂逅を乗り越え大切な人も取り戻した
恐怖と諦観を塗り替えたのは絆
自分を見失うはずはない!
勇気全開っ!己の弱さごと砕けと
悪魔を《光獅子闘拳》で粉砕するよ!
●黄金獅子は告げる
「さぁあとはお前を倒すだけだよ!」
告げる言葉と共にアンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)は握った拳を空に掲げる。「ネメシス!」
淡く零れる光と共に、少女は戦乙女の姿へと変わる。ふ、と落とす息ひとつ。足を止めている気は無かった。
「勝負だ」
「ふふ。本当に、ディアボロスはせっかちね」
甘く、蕩けるような声音で簒奪者サルガタナスは告げる。その声が響く程に空間が変わっていく。完全に掌握されるその前に、アンゼリカは身を前に跳ばす。瞬発の加速。だん、と一気に距離を詰め突き出した拳は黄金獅子状のオーラを帯びる。
「さぁ受けてみろ!」
穿つ一撃に、サルガタナスが身を逸らす。小さくひとつ、距離だけをとったのはアンゼリカの精神に干渉するためか。——だが、その距離であれば、あと一歩、突き出した拳を基点に踏み込める。跳ぶように短く、だが確実に簒奪者の間合へと踏み込んで、アンゼリカは拳を叩き込んだ。
「——ッぁ、ふふ、そう。綺麗な金色ね。あぁ、痛くて困ってしまうけれど……貴方の心も少し見えたわ」
ぐらり、と身を揺らしながら簒奪者サルガタナスが手を伸ばす。ほっそりとした指先がアンゼリカに触れた瞬間——恐怖の感情が、湧き上がってきた。
「——」
足を掴むような、心の奥を曝かれるような感覚。離せと払った筈の手は空を切って、ただ溢れかえる恐怖に、ひくり、と喉が震えた。
「あ……」
大切な人を失ったあの日。いやもっと前、私が復讐者となる前出会った”英雄”の姿がそこにはあった。夢みたいな出来事の中見たあの人は
攻撃を肉体だけで防ぎ、拳1つで命を奪わず戦いを終わらせた。
(「それは私が欲しがっても手に入らないもの。私の「アンゼリカ」の名前も借り物で……!」)
ただ、あの日の光景だけが心を揺さぶる。膝を折るように、戦いを止めるように。
「だがそれがどうしたッ!」
その誘いを、蠱惑をアンゼリカは振り払う。きつく、きつく握りしめた拳に血が滲み——だがその痛みよりも、在りし日の英雄を、今を、アンゼリカ・レンブラントを信じるように顔を上げる。
「心強い友がいる、宿縁邂逅を乗り越え大切な人も取り戻した」
恐怖と諦観を塗り替えたのは絆だ。
「自分を見失うはずはない!」
高らかに告げて、アンゼリカは拳を握ると前に——出る。
「さぁこれが、黄金獅子の一撃だっ!」
己の弱さごと砕けと一撃を叩き込んだ。
成功🔵🔵🔴
効果1【怪力無双】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV6になった!
ジョン・エルバ
アドリブ歓迎!
オレもお嬢ちゃんと遊びてえが時間が押してるみたいだ
通してくれるかい?…ダメ?
目の前には忌々しい白金の天使
あのうつくしい顔と純白の翼を見るだけで吐き気がしてきた
嬢ちゃん良い趣味だな
恐怖は全てを包む無音と共にやってくる
音がなくなるのは正直もう勘弁だ
だが偽物には興味ねえし、オレの音を奪ったのもあのクソガキだけ
そう考えるとぶっ飛ばしたくて恐怖なんて消えるさ!
嫌なもん思い出させてくれた記念にテメェに幸せをプレゼント!
ギターを力強く握り、駆ける
後ろに倒れればそれをも追いかけ、責め、殴り飛ばす
アッハハ!これが最高の音!最高のロック!良い音だろ?!
消えな、幻覚!
誰かの虚像なんか恐怖にすら値しねぇ
●So say we all
「もう、本当にせっかちさんなんだから。ディアボロス。ゆっくりしていってくれて良いのよ?」
ほんの少しばかり拗ねたような音を残して、簒奪者サルガタナスはそう言った。甘く零れる吐息が、伏せられた瞳が——ただその仕草だけで空間を揺らす。
「……」
魔力か、空間への干渉か。首の裏がざわつくような感覚をひとつ覚えながら、ジョン・エルバ(ロックスター・g03373)は軽く肩を竦めてみせた。
「オレもお嬢ちゃんと遊びてえが時間が押してるみたいだ」
「あら、そうなの?」
ぱち、とサルガタナスは瞬く。驚いたような顔をひとつして見せながら、向けられた視線がひたりとこちらを向く。捉える。探るのではない、裡にまで触れるような感覚に、その干渉にジョンはふ、と笑って一歩を入れる。
「通してくれるかい? ……ダメ?」
「ふふ。だーめ」
だめよ、と甘く蕩けるような声音でサルガタナスは告げる。ダメか、と笑うように息を零したジョンに簒奪者は微笑んだ。
「もっと、貴方のこと知りたくなってしまったもの。だから——ねぇ、遊びましょう?」
告げるその言葉と共に空間が揺らいだ。霧のような何かがジョンの視界に現れ、淡い影が落ちる。
「——ハ」
その影を、ジョンは知っている。そう、と下ろされる足を、誘うように差し出される手を——あの白銀をジョン・エルバは知っていた。
「嬢ちゃん良い趣味だな」
そこにいたのは、白銀の天使であった。純白の翼を広げ、美しい顔で微笑んで見せた天使に吐き気がこみ上げてくる。一度、一度だけジョンはきつく拳を握った。
——恐怖は全てを包む無音と共にやってくる。
ひたひたと這うように来る訳でも、引きずり込むように来る訳でも無い。ただ全てを包むように、慈愛の顔をして全てを奪うようにやってくる。空間を、ジョンの世界から音を奪うように。
(「音がなくなるのは正直もう勘弁だ」)
握る拳と共に息を吐く。は、と落とす息と共にジョンは顔を上げる。純白の翼が、その影が頬に、肩に触れるのを見る。顔を上げ、その影から踏みだすように一歩、足を動かし——言った。
「だが偽物には興味ねえし、オレの音を奪ったのもあのクソガキだけ」
軽く頭を振るう。三度目、吐いた息と共にジョンは口の端を上げた。
「そう考えるとぶっ飛ばしたくて恐怖なんて消えるさ!」
だん、とジョンは一歩を入れた。大きく、荒く——だがその一歩は純白の翼が作り上げた影を抜ける。頬に、肩に、触れていた影が散り——青年は、日差しの下でギターを担ぐ。
「嫌なもん思い出させてくれた記念にテメェに幸せをプレゼント!」
エレキギターをかき鳴らし、高く響いた音色と共に瓦礫を蹴り上げる。反射的、逃げにかかった白銀の天使を——その偽物にエレキギターを振り下ろした。
「——! あ、なた」
「アッハハ! これが最高の音! 最高のロック!」
ギターを力強く握り、ジョンは駆ける。身を逸らし距離を取ろうとした偽物を——その身に変じた簒奪者を追う。
「良い音だろ?!」
世界は音楽に溢れている。高らかにかき鳴らし、咆吼にも似た声を上げジョンは力一杯エレキギターを構え——投げた。
「消えな、幻覚! 誰かの虚像なんか恐怖にすら値しねぇ」
ガウン、と重い一撃が白銀の天使を——偽物を撃ち抜いた。光が、四散する。零れるような霧の向こう、ぐらり、と簒奪者が身を揺らしていた。
包囲の最後の守りが崩れるまで——あと、少しだ。
成功🔵🔵🔴
効果1【水源】LV1が発生!
効果2【ダブル】がLV2になった!
ネリリ・ラヴラン
貴女がいるんだったね
ブリーフィングで聞いた通りである意味安心したわ
コピーでしかない貴女は知らないのだろうけど
貴女のやり口なんて、幾度も目にして来たわたしには、もうばれているんだよ!
記憶を探られても、それを覚えていないのなら意味は無い
怖いのは、今を模倣されることだけれど
見てから真似る以上、先手だけは取って行けるかな?
言ってしまえば全力を初手でぶつけるだけなのだけど
幸い部下の子達を蹴散らして貰えているしね、それに賭けてみるわ
アヌビス神との戦いの時に偶然浮かんだ魔法だからね
例え、わたしの知らない記憶の中で本物の貴女と戦っていて
それ植え付けられていようとも、初めての魔法!
アドリブや連携は歓迎です
●鍵の守り手
「本当にせっかちさんなんだから。まだ貴方達のこと知りたいと思うのに」
簒奪者サルガタナスは甘く告げる。その微笑みは花が綻ぶほどに美しく、蠱惑的な声は空間を置き換えるように響く。——そう、戦場にある剣戟も、血の匂いもどこか遠く感じさせるほどに甘く——そう、精神に干渉する。
「貴女がいるんだったね。ブリーフィングで聞いた通りである意味安心したわ」
その姿に、ひとつ息を吸うことも無いままにネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)は言った。臆する必要も、必要以上の警戒も無い。——ただ、ネリリ・ラヴランは簒奪者サルガタナスを知っていた。全ての鍵を開き、記憶を消すとされる悪魔の名を自称するこのアークデーモンを。
「コピーでしかない貴女は知らないのだろうけど
貴女のやり口なんて、幾度も目にして来たわたしには、もうばれているんだよ!」
「まぁ、まぁ。ふふ、それなら、もっともっと知りましょう? 貴方の心、その奥底まで触れさせて?」
囁くように甘く響いた声と共に、空間が揺らいだ。ねぇ、と響く声と共に手をひかれる感覚がある。
(「心への干渉。そうね、そうしてくる。そうやって引きずりだそうとする」)
だが、記憶を探られても、それを覚えていないのなら意味は無い。怖いのは、今を模倣されることだが——見てから真似る以上、先手だけは取れるはず。
(「言ってしまえば全力を初手でぶつけるだけなのだけど、幸い部下の子達を蹴散らして貰えているしね、それに賭けてみるわ」)
そう、今であれば——勝てるかもしれない。
簒奪者サルガタナスがネリリの心に干渉しきるのが先か、それともネリリがこの門を開くのが先か。
「門は、今開かれ……」
干渉に心の壁を上げる。同時に、解き放つのは己の力。お世辞にも淫魔らしく生きれないことに悩んでいた娘の、それでも自分らしく生きれば良いと歩み出したネリリ・ラヴランが見せる力。
「崩壊への道を示す!」
魔法装束と杖を纏った姿へと変貌する。ふわりと靡く髪が、伸ばされた指先が魔力を纏う。そう、一時的に淫魔の力をも魔力として扱えるように変換し、転換する。伸ばす指先が刻むは誘いの紋章。門を開き、道をつける。
「あなた……」
「アヌビス神との戦いの時に偶然浮かんだ魔法だからね」
驚愕に似た声を零す簒奪者にネリリは微笑んだ。
「例え、わたしの知らない記憶の中で本物の貴女と戦っていて、それを植え付けられていようとも、初めての魔法!」
唇に高速の詠唱を乗せて、ネリリは今、真実の門を顕現させる。描き出された魔方陣は両者の間に、門となり——今、放たれる光の翼となる。
「グリンプス・ゲート!」
告げる言葉と共に放たれた魔力の矢が、魔方陣を通り抜け——その力を増す。一度に注げる魔力を超えた強大な一撃が簒奪者サルガタナスを貫いた。
「っく、ぁあ、あ……ッこんな、こと、私は……!」
「通らせてもらうよ」
魔力の矢が道をつける。ネリリの力に撃ち抜かれ、その杖の示すがまま簒奪者は霧となって消えれば——道が、見えた。
「脱出だね」
あぁ、と仲間の声が返る。包囲網はこれで完全に崩れた。振り返ること無くディアボロス達は脱出する。確かな勝利と——これから先の戦いに備えるように。
成功🔵🔵🔴
効果1【水源】がLV2になった!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!