リプレイ
シャムロック・クローバー
こういうのって、魔女狩りみたいですっごく嫌な感じよね!
わたしもぶっ潰すのに手を貸すわ!
まずは前日の仕込みね。
……すっごいドレスの人がいるわね!?
しかも立派な馬車に執事まで引き連れて、ここでは貴族の処刑が行われているのに危なくない??
みんなを逃しにきたけど、そもそも捕まらないに越したことはないわよね。
とりあえず話を……
そう、マリアにも助けたい人が……わかった、協力するわ!
恋に燃える乙女を放っておくなんて、魔女の名が廃るもの!
実は計画があって、明日決行なの。
処刑場で大混乱が起きるから、あなたもこっそり来て、王子様と一緒に逃げるのよ。
上手く逃げられたらあなたの想い、彼にしっかり伝えてちょうだい!
●脱出工作
「すっごいドレスの人がいるわね……」
シャムロック・クローバー(森の魔女(自称)・g00876)はすぐにウエディングドレスを着たお嬢様を発見する。
声が大きいし純白のドレスはどうにも目についた。
「あの、どうかしたの?」
恐らく囚われている騎士だろうと半ばあたりをつけつつも、事情を聴いてみる。
「どうもこうもないわよ、私のキュモール様を捕まえて死刑にするらしいってのよ!」
キュモールというのがどうやら騎士の名前らしい。シャムロックは話に付き合うことで情報を引き出していく。
「なるほど……あなたにも助けたい人がいるのね。わかった、協力するわ!」
というか、身の上話に付き合っている間にすっかり意気投合してしまっていた。
「本当!? 助かるわ!」
「あの、マリアお嬢様……身の上も知らぬ方に協力を仰ぐのは……」
セバスと呼ばれた老執事はおろおろと趨勢を眺めるばかりだ。
「そうね、私の素性を話さなくちゃ信用もできないものね」
シャムロックは胸を張って言い切った。
「私は魔女よ! 恋に燃える乙女を放っておくなんて、魔女の名が廃るわ!」
「魔女などとそんな、言って良い冗談と悪い冗談がありますよ、ははは」
セバスは冗談と思っているようだ。魔女狩りの記憶も遠くになりにけりだが、それでも魔女を名乗るのはあまりいい感情をもたれないだろう。
だが、マリアは違った。
「いいじゃない、人魚姫やシンデレラが助けられたみたいに魔のパワーを借りてやろうじゃないの!」
恋の為なら悪魔に魂を売る勢いだった。
「実は計画があって、明日決行なの。処刑場で大混乱が起きるから、あなたもこっそり来て。王子様と一緒に逃げるのよ」
「なるほど、さすが魔女はテロリストね! よーし、ドサクサに紛れてキュモール様をかすめ取ってやるわ!」
「うぅ、胃痛が……」
計画を知ったマリアの横、セバスは胸に手を押さえて苦しがるのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
エレナ・バークリー
酷く殺伐としたところですね、このディヴィジョンは。
とにかく、囚われた方々を助け出さなければ。
ヴェルサイユ宮殿の使用人が一人でいるところを探して確保し、牢獄がどこに設置されているかを聞き出します。
夜を待ち、夜陰に紛れて牢獄へ侵入。
チョークで目印を描きながら、牢獄へ。
クレイモアで大きな音を立てて、看守を呼び寄せ、それを手早く制圧して、鍵を奪います。
牢の鍵を解きながら【避難勧告】で、明日の処刑に合わせて処刑場で戦闘が起こるのでその混乱に紛れて逃げてくれるよう、話を付けます。逃げ道はチョークの目印を辿ってください。
決行の時以外は危険なので、行動を起こさないでくださいね。
では皆さん、どうぞご無事で。
その夜のこと。じめっとした重苦しい空気、石造りの階段を下りるコツコツとした靴音。
壁に設置された松明は火も付けられず、辺りは暗黒が支配している。
ここはヴェルサイユ宮殿の地下室。
(「栄華を誇った宮殿も改革でこの成れの果て、ですか」)
靴音の主はエレナ・バークリー(アブソリュートウィッシュ・g00090)だ。
革命で宮殿の持ち主が粛清された為、当然使用人もいなかったが牢獄についてのあたりはついた。
「…………」
息を潜め、可能な限り音を消す。ほのかに明るい方角へ目星をつけ、すり足でにじり寄っていく。
看守は1人。牢獄で唯一の明かりは彼の腰にぶら下がっていた。
丸椅子に座ったまま壁へよりかかり、胴間声ないびきをかいている。
(「思った以上に警備が薄いですね……」)
看守を刺激しないよう、とりあえずスルーして牢獄へ向かう。
鉄格子が嵌められていて、周囲の石壁は脆くなっておりところどころ地肌の土が露出している。
牢内には用足しの穴すらなく、そこに死刑囚達が寝転がっていたり、三角座りをしていた斬首の時を待っていた。
「あなたたち以外に囚人はいませんか?」
エレナは小声でひそひそと尋ねる。囚人たちは夜の来客に驚いたもののコクコクと頷いてみせる。
聞けば彼らはみな明日、断頭台で処刑されるのだという。
「いいですか。明日、処刑時に戦闘が起きます。その混乱に紛れて逃げてください」
事前に乱入すること、それまで行動を起こさずじっとしていることを通達する。
皆が納得するなか、ひとりだけ胡乱気な視線を向けてくる者がいた。
「君は……どこの所属だ。僕を助けに来た……? いや、そんなはずは……」
エレナのたたずまいから騎士の仲間だと考えたようだ。その問いに答えるより早く、エレナの足元に新たな長い影が伸びた。
成功🔵🔵🔴
効果1【避難勧告】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
魔破・克也
男の心を動かせるのはあのお嬢様しか居ないだろう、場を整えるか
男側の方へ話をするとして
普通に面会しにいくか
処刑が決まってるなら、警備も多少は見逃してくれるだろう…理不尽さは感じてる事だろうしな
初めまして、私は貴方が行った結婚式に少々縁がある者でして、少し話をと思いまして、ね
……マリアお嬢様が、貴方を追いかけてこの街に来ています
今の調子ですと、処刑現場に乗り込んでいってしまう程の勢いでして
ふふっ…気に入られてしましたね
お嬢様と本来の許嫁の方は面識がありません、故に貴方の事を本当の許嫁と思っているみたいですよ
…その誤解を解く為にももう一度、話してみませんか?あの方と
その機会は明日、私達が作りますので
看守か、それともクロノヴェーダか? 振り向いたエレナはすぐに警戒を解いた。
魔破・克也(金欠守護者・g00588)だ。彼もまた死刑囚への面会へと来たらしい。
「初めまして、キュモール様……いえ、この名前は本来の許嫁のものでしたか」
キュモール、という名前が出た瞬間、囚われの騎士の目が大きく見開かれた。
「どこでその名前を……」
なんということはない、シャムロックが昼に聞いた情報を共有しているだけなのだが騎士にとっては効果てきめんだった。
「初めまして、私は貴方が行った結婚式に少々縁がある者でして、お話をと思いまして、ね」
「そうか、彼女の縁者……私が花婿ではないことは露見していましたか。やはり私に役者は無理なようだ」
騎士は小さく頷いた。
「貴方の本当のお名前は?」
「ジルベールと申します。キュモールは、親友……でした」
騎士ジルベールは部隊を離れた理由と、事の顛末をすっかり洗いざらい白状した。
キュモールは戦闘のさなか、命を落としたこと。
明日、凱旋して結婚する予定だった許嫁マリアに、自分を忘れて幸せになってほしいと遺言を残したこと。
憂鬱な気分で馬を走らせ結婚式場へ向かったこと。
そこで出会った花嫁姿のマリアに一目惚れしてしまったこと。
訃報を言い出しづらいのと、マリアと一瞬でも長く傍にいたくて花婿の振りをしてしまったこと。
だが、誓いの言葉で我に返り、とっさに自分は死んでいると話を作って逃げてしまったこと。
「処刑される前に真実を誰かに吐露することができて、良かったです」
全てを語ったジルベールは、心なしかそれまでより晴れやかな顔をしていた。
「ところが、そうはいかないんですよ。マリアお嬢様が、貴方を追いかけてここヴェルサイユにお越しになっています」
「なんですって……!」
ジルベールの顔が一瞬笑って、すぐに歪む。
「今の調子ですと、処刑現場に乗り込んでいってしまう程の勢いでして。ふふっ……気に入られてしまいましたね。まだ貴方の事を本物の許嫁と思っているようですよ」
「それは……なりません。親友の相手を寝取るなど……」
下唇を噛み締め、わずかにかぶりを振るジルベール。
「……その誤解を解く為にももう一度、話してみませんか? あの方と」
その機会は明日、私達が作りますので。そう告げて克也はエレナと共に、密やかにその場を去る。
「明日、大丈夫でしょうか……」
宮殿の地上部分に出たエレナは、久方ぶりの自然光に目を細める。
「ま、仕込みはしたよ。みんなに伝えて、後は出たとこ勝負だね」
答える克也にも月の光が降り注ぐ。クリーム色の月が、夜空に輝いていた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
エルル・ヘイズルーン
「ちょっと待ったぁ!」
鼻息荒くエルルちゃん登場
民衆を導く自由の女神?っぽい奇抜なコスプレ姿で
「そこの貴族さぁんを処刑したってぇ、暮らしは楽にならないですよぉ!」
ここでのロベスピエールがどうなったか知らないけど
フランス革命を主導したのに結局処刑
エルルから見れば哀れな人でした、繰り返させたくない
「お腹いっぱいになればぁ、みんなハッピ〜♪」
何かが大量に入った袋を地面に降ろし、ひとつ取り出す
「みなさぁん、油で揚げたタマネギを食べましょお!」
唐突に、エルルちゃんの大好物を布教し始めます
それはもう【情熱】的に
史実通りに美食文化が広まり、人々の心を豊かにすれば
クロノヴェーダも、負の感情搾取はできまい!
新堂・亜唯
あーーもう、なんだってこの世界はバンバン人を処刑しようとするんだ!
クロノヴェーダのせいだってのは分かってるさ。でもあんまりだ!
処刑人の言葉に合わせて、盛大に意義を申し立ててやる!
「異議あり! 聞けば、あの騎士は確かに姿を消したが、すぐに部隊に戻ったらしいじゃねえか。逃げたってなら、一度姿を消したら戻ってこないはず……戻ったら死刑になるのは分かってんだからな。きっと、何かやむを得ない事情があって……それでも、騎士としての義務を果たしに戻って来たってことだろ!」
「それほどの覚悟を持った人が、戦場を空けなきゃならないほどの事情があったはずだ。誰か、この中にそれを知ってるやつもいるんじゃねえのか!?」
終夜・香宵
処刑見学とはそこまで盛り上がることだったのでしょうか?とはいえ、この盛り上がり方は利用できそうですので、ひとつやってみましょう。
ここに集まっている皆さんは処刑を見たくて集まっていると思いますが、貴族を全て処刑した後のことは考えていますか?
盛り上がっている様子を見るに、既に処刑という見世物の虜になっている皆さんのことです。今度は貴族以外の人達を罪をでっちあげて処刑させようとするでしょう。処刑されないために、自分を処刑対象にしそうな人をいち早く処刑させようとする処刑競争が始まるかもしれませんねー。
私はそんな人達とは同類と思われたくないですので、この処刑には反対します。
こんな感じでいきましょう。
●シュプレヒコール
そうして月は落ち日は昇り、雨雲が広がりしとしとと降り始めた頃、ついに処刑の時間がやってきた。
ベルサイユ宮殿の庭にはすでに人だかりが出来ている。
「悪い貴族の処刑日だ!」
「いやぁ、怖いわねぇ」
声を張り上げるもの、眉をひそめるもの、反応はそれぞれだが皆の目はらんらんと輝いている。
「あーーもう、なんだってこの世界はバンバン人を処刑しようとするんだ!」
新堂・亜唯(ドロップダスト・g00208)はその目の奥に潜む昏い光の意味を本能的に感じ取り、余計に憤る。
結局のところ、この場に居合わせた市井の人々は処刑を楽しみにきているのだ。本当に嫌ならわざわざ雨の中、処刑を見にきたりはしないだろう。
「まあまあ、抑えてください」
亜唯を抑える終夜・香宵(人間のバウンサー・g00869)も、処刑場に漂う一種異様な雰囲気に気圧される。
「処刑見学が、ここまで盛り上がることとは……」
この盛り上がりを利用すれば、と香宵が考えている横でエルル・ヘイズルーン(美食を導くたまねぎの女神・g03599)も準備をしていた。
「よぉし! いつでもこぉい!」
民衆を導く自由の女神像っぽいローブを着こんでいる。フランスで製作されたものだからその意趣返しだろうか。まだこの時代には存在していないので民衆は意図を掴めないだろうが、目立つことは確かだった。
断頭台の傍にロープで両手を繋がれた死刑囚達が並べられる。その中には騎士ジルベールの姿もあった。
「この処刑に、異議のある者はいるかしら!?」
来た。ル・シャヴォーヌの問いかけに一番早く答えたのはエルルだった。
「ちょっと待ったぁ!」
鼻息荒く躍り出た自由の女神エルルは、自らへと集まる視線の中、大きな声を張り上げた。
「そこの貴族さぁんを処刑したってぇ、暮らしは楽にならないですよぉ!」
エルルは本来の歴史を知っている。断頭台の処刑を繰り返したロベスピエールは、結局自らが断頭台にかけられた。
その歴史を伝えても世迷言と一蹴されるだろう。だから、別の方向から攻めることにした。
「お腹いっぱいになればぁ、みんなハッピ~♪」
何かが大量に入った袋を地面に降ろし、ひとつ取り出す。
「みなさぁん、油で揚げたタマネギを食べましょお!」
エルルの大好物、揚げタマネギだ。近くの人々に揚タマネギを押し付ける。
「ま、まあタダなら貰うか」
人々は袋からどんどん出てくる揚タマネギを手渡され、とりあえず受け取っていく。
「そうですよぉ。お腹が空くと怒りっぽくなりますからねぇ!」
本来の趣旨とはやや離れているが、負の感情を搾取しようとするクロノヴェーダの意図を阻害することはできたようだった。
「えー、こほん」
続くのは香宵だ。今の演説というか布教の後ではどうにもやりづらそうだった。
「処刑という見世物は皆さんを虜にしています。でも貴族がいなくなったら次は誰を処刑すると思いますか?」
香宵は周囲をぐるりと見渡す。図らずも処刑を前にした昏い興奮、盛り上がりは消えている。
「今度は貴族以外の人達を罪をでっちあげて処刑させようとするでしょう。処刑されないために、自分を処刑対象にしそうな人をいち早く処刑させようとする処刑競争が始まるかもしれませんねー」
大なり小なり、類似した密告制度を取り入れて崩壊した社会は枚挙にいとまがない。
「私はそんな人達とは同類と思われたくないですので、この処刑には反対します」
そう言って香宵はエルルの横に立つ。一線を引くパフォーマンスだ。
民衆は自分達が責められていると感じて黙りこくったり、一部は逆ギレを始める。
香宵の言葉は正論だ。正論だからこそ痛い。雨に打たれた人々がお通夜のようになっている。
ル・シャヴォーヌも黙ったままではない。燻った炎を再度燃え上がらせるべく、ジルベールを指さして糾弾する。
「こ、この男は大陸軍の騎兵でありながら敵前逃亡を犯したわ。敵前逃亡は軍法会議にかけるまでもなく極刑である……異議はあるかしら?」
亜唯が叫んだ。
「異議あり! 聞けば、あの騎士は確かに姿を消したが、すぐに部隊に戻ったらしいじゃねえか」
この時を待っていたとばかりに、ル・シャヴォーヌへと食って掛かる。
「逃げたってなら、一度姿を消したら戻ってこないはず……戻ったら死刑になるのは分かってんだからな。きっと、何かやむを得ない事情があって……それでも、騎士としての義務を果たしに戻って来たってことだろ!」
亜唯は目を皿のようにして民衆を確認する。純白のウエディングドレスが見えた。
「それほどの覚悟を持った人が、戦場を空けなきゃならないほどの事情があったはずだ。誰か、この中にそれを知ってるやつもいるんじゃねえのか!?」
そして、場をめちゃくちゃにできるその人物へと水を向けた。
「それは、私の結婚式よ!」
マリアが声を張り上げる。雨に濡れてヴェールが顔にぴったりと貼りついている。
「戦いを終えて私と結婚する為に、戻ってきたのよキュモール様は!」
鬼気迫った様子も加わって、もはや幽鬼にも見えた。
「でも、戦場に身を置いていて明日をも知れぬ命……だから『自分は死んだ、僕の事は忘れて幸せにおなり』なんて言い残して軍に戻っていったのよ!」
「そ、そうだったのか……!」
驚く群衆たち。かなりマリアの都合の良い風に解釈されていたのでジルベールも驚いていたのだが、それはまた別の話。
「愛する花嫁の為に、たった1日だけ掟を破った……どうだよ、これでもまだ騎士が悪いってのか!?」
亜唯の煽りで群衆たちの風向きが変わった。人々は物語に飢えている、しかも悲恋となれば猶更だ。
「いや、気持ちわかるぞ!」「騎士のあんちゃんは悪くねえよ!」「よく見たらあの騎士様美形だし」「あれは私の王子様! やらないわよ!」「無罪! 無罪!」
判官びいきも加わって、シュプレヒコールが巻き起こる。ル・シャヴォーヌは思い通りにならぬ処刑に業を煮やし、拳を振り上げた。
「ええい、構わないわ! やってしまいなさい!」
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【勝利の凱歌】がLV2になった!
【怪力無双】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】がLV2になった!
【能力値アップ】LV2が発生!
無堂・理央
【博物館】で参加
やってしまいなさいと言われたから、ボク等がやっちゃおう。
ただし、淫魔がやられる側だけど。
無双馬『クロフサ』に跨ってダイナミックエントリー!
クロフサが地を踏む度に撒き散らす衝撃波で、敵は分断するけど広範囲に散らばらないように、敵陣を駆け抜ける形の【一撃離脱】込みで周囲を駆け巡って戦うよ。
味方が倒しやすいように、追い込み漁みたいなやり方で衝撃波を撒き散らす形になるかな?
飛ぼうとした敵は撃ち落として貰えるし、落ちた敵はクロフサの蹄で踏んづけて、【泥濘の地】込みでまたすぐに飛ばれないようにもしておくよ。
反撃で飛んでくる幻影も衝撃波で纏めて吹き飛ばす。
悲劇は要望してないから、返品するよ!
エレナ・バークリー
【博物館】
これは淫魔という奴ですか? 残念ですが、私の趣味じゃありません。
まずは【避難勧告】で群衆や残ってる元死刑囚を立ち去らせます。
これで思い切り戦える。
露払いとして戦場に「衝撃波」を走らせて、敵群を牽制。
彼らが立ち直る前に、フェアリーコンボで光の妖精を「召喚」し、その光で護衛の淫魔の目を灼いて隙を作り、「突撃」して一緒に敵を切り刻みます。
光の妖精達は、仲間の助けになるように引き続き淫魔の攪乱をお願いし、私は敵群に突っ込みフェアリーコンボを仕掛けて逆側へ突っ切る「一撃離脱」戦法を「臨機応変」に駆使します。
敵からの精神攻撃は「勇気」を奮い立たせて振り払います。この怒りにそんな手妻が効くとでも?
天破星・巴
【博物館】連携アドリブ歓迎
マキャヴェッリの君主論じゃったか残酷は君主に必要じゃがうぬらはやりすぎじゃ圧制の末路は決まっているのじゃ
空を飛び雑音をまき散らすとはまるで蝉のようじゃ
少数なら蝉は風流じゃがこ奴らは害虫 わらわが地に落としてくれる
血を散弾に成型し指弾で【砲撃】し羽を打ち抜き【破壊】し地に落とす両腕二門の【制圧射撃】を行う。血液による再装填の隙のない連続射撃、広げた羽はよい的、一撃の威力より攻撃範囲の広さを優先、怪我は浅くとも全て地に落とす
五月蠅い羽虫は羽を撃ち地べたに落とすに限る
地に落とせさえすればわらわの仲間から逃れられはしないのじゃ
さぁ羽虫共、うぬらを裁く処刑の刃が迫っておるのじゃ
音羽・華楠
グループ【博物館】
同じ旅団の皆さんと連携し、トループス級を片付けます。
アヴァタール級を相手取る時、邪魔をされたら堪りませんし。
他の皆さんの攻撃で倒し切れなかった敵が居た場合、それに対応します。
……『倒し切れなかった個体』ということは、必然的に『他の個体より強い』可能性もあります。
威力に劣る複数体攻撃型のパラドクスより、単体攻撃型のパラドクスのより高い威力で、確実に息の根を止めましょう。
《雷幻想・瞬動》で得た雷速の体動で迅速に敵との距離を詰め、攻撃を。
向こうに翼がある以上、飛んで逃げられる可能性を考慮し、打撃よりも関節技、絞め技で対処します。
掴んでしまえば、簡単には逃げられないはずですし。
●VSトループス級~音が消える日
「やってしまいなさいと言われたらから、ボク等がやっちゃおう!」
処刑場に、白馬に乗った王子様ならぬ黒馬に乗ったお姫様が現れた。
無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)である。彼女の乱入や死刑囚へと襲い掛かろうとするトループス級、欲望のバイオリニスト達の存在もあり、処刑場は紛糾した。
「さて、乱戦になる前にやっておかなくてはですね」
エレナ・バークリー(アブソリュートウィッシュ・g00090)は剣を掲げ、宣言する。
「ここは今より戦場となります! 皆さんは退避を願います!」
辺りに瞬く赤光と共に、雨粒を切り裂くようにサイレンが鳴り響く。
集まった群衆は蜘蛛の子を散らすように逃げ始め、そこに死刑囚達の貴族たちも紛れ込んでいく。
「逃がすものですかっ!」
死刑囚を攻撃しようとするトループスだが、当然ディアボロス達が見逃すはずもない。
「マキャヴェッリの君主論じゃったか。残酷は君主に必要じゃが、うぬらはやりすぎじゃ」
間に割って入ったのは天破星・巴(反逆鬼・g01709)だ。
「圧制の末路は決まっているのじゃ」
拳を血が滲みほど強く握りこむ。いや、比喩ではなく、実際に出血させている。
「拳を砲身とし、鬼血を弾丸と成す」
凝固した鬼の血を指で弾く。
「指弾と言えども鬼の握力、貫通力は本物以上じゃ」
透明な雨粒の中に紅いものが混じる。
「ぐうっ!」
それは血の散弾であり、同時にトループスの流した血液でもあった。
広範囲の攻撃で足や翼を撃ち抜かれたトループスが、苦痛に顔を歪ませながら地へと膝をつく。
「五月蠅い羽虫は羽を撃ち地べたに落とすに限る。地に落とせさえすればわらわの仲間から逃れられはしないのじゃ」
傷つき、足が止まったところに白き雷が迫る。
「さぁ羽虫共、うぬらを裁く処刑の刃が迫っておるのじゃ」
「雷天大壮――急急如律令!!」
雷幻想・瞬動(ファンタズム・レギンレイヴ)。
雷の如き瞬発力をその身に宿した音羽・華楠(赫雷の妹狐・g02883)が、ジグザグに軌道を変えながら迫ってくる。
不規則な方向の変化と速さにトループスはついていけない。
「疾きこと風の如く、動くこと雷霆の如し!」
気づけば背後を取られていて、首を絞められていた。
「う、ぐぁ――」
締め落とされる。トループスは悲劇の幻影を見せるよりも先に喉を潰され、自らが悲劇の体現者となった。
「その獣じみた闘争心を、胸から奪い取って見せましょう」
別のトループスがバイオリンを構え弓を弾く。
誘惑のセレナーデ。戦場では場違いの甘く誘いかけるような旋律。彼の奏でる旋律の前には、妖精も舞い踊る。
「なん、ですかこれは……!」
いや、妖精は彼の生み出したものではなかった。
妖精が、自らの身体を発光させる。羽根から舞い散る鱗粉はフェアリーダストのレベルではない。目がくらみ、演奏の手が止まるトループス。
「これが私の怒りです」
生じた隙にエレナが飛び込み、手にした剣でバイオリンごとトループスの胴を一薙ぎし、離脱していく。
「奪われた者の怒りにそのような手妻が効くとでも?」
甘い囁きも復讐者の胸に宿る怒りの炎を鎮めることはできなかった。
ならばと悲劇の幻影を作りだそうとするトループス。しかし、それも理央の陸震轟駆がかき消した。
強化した無双馬の脚、蹄が地を揺らす度に彼女を中心として放射状に衝撃波が広がる。
「悲劇は要望してないから、返品するよ!」
一撃必殺の突進をトループスは避けようとするが、そこでは初めて足元がぬかるんでいることに気づく。
降り続く雨のせいではない。泥濘の地、陸震轟駆の残留効果だ。
エレナの妖精や理央の泥で敵の動きを止めて、飛翔して躱そうとすると今度は巴の指弾で撃ち落とされる。そして弱った敵は華楠が確実に各個撃破するという流れが出来上がっていた。
旅団、幻想武装博物館所属のディアボロス達。勝手知ったる仲による息の合った連携の前にトループス級は瞬く間に全滅するのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
【命中アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
【リザレクション】LV1が発生!
エルル・ヘイズルーン
「ジルベールさぁんはぁ、どの辺で何と戦ってたんですかぁ?」
大陸軍の敵とは、何者なのか
前線にいた人の体験談は貴重なので、吟遊詩人の取材活動と称して
当事者にお話を聞きます
マリアさんとジルベールさんとキュモールさんのお話
伝承詩にまとめてみたいですねぇ♪
ジルベールさんのいた部隊の規模とか
指揮官の名前、その人にまつわるエピソードを
聞いてみます
「もしかしてぇ、大陸軍とは違う機械の兵隊さぁんとか見ましたかぁ?」
グランダルメと機械化ドイツは地続きで
両者の間で小競り合いになってる?
エルルちゃんは、そう推理します
実際にフランスとドイツは隣国ですね
●世界最高の騎兵
トループス級とディアボロス達の戦いが始まり、人々が避難をする中。
エルル・ヘイズルーン(美食を導くたまねぎの女神・g03599)はジルベールを保護して逃走を補助していた。
「すまない……いや、ありがとう。僕は、やっぱり生きたい。彼女を見たらそう思ってしまった」
「いえいえぇ、それよりもぉ、ジルベールさぁんはぁ、どの辺で何と戦ってたんですかぁ?」
ねっとりとした質問。逃走補助は副目的であり、主目的は情報収集だった。
「もしかしてぇ、大陸軍とは違う機械の兵隊さぁんとか見ましたかぁ?」
「いや、そういうことは軍規で……」
「わたしぃ、吟遊詩人ですからぁ、話してくれないとマリアさんとジルベールさんとキュモールさんのお話、あることないこぉと脚色して、伝承詩としてぇまとめちゃいますよぉ?」
「か、勘弁してください……」
エルルの脅しに耐えかねたのか、ジルベールは白状した。
「戦っていた相手は野盗です。移動中に夜襲を受けまして……」
「ふむふむ、そぉですかぁ」
嘘をついているようには見えない。当てが外れたとエルルは頬を膨らます。
「じゃあせめて、部隊の規模とか指揮官の名前だけでもぉ」
「まあ、騎兵ということでお分かりかと思いますが、指揮官はジョアシャン=ナポレオン・ミュラ将軍です」
「ほおぉ」
エルルの目がきらりと光る。
(「思ってたのと違う角度から大物の名前が飛び出してきましたねぇ」)
ナポレオンが『世界最高の騎兵』と称し、妹を嫁がせて家族にした傑物だ。
「もっとも僕は末端も末端ですし、演説で米粒ほどの姿しか見たことはありませんが……」
「なぁに、これから結婚して、バリバリ出世すればいいんですよぉ。『元帥ジルベール』って物語にしますよぉ」
ジルベールを励ましながら、エルルは世界最高の騎兵ミュラ将軍の存在を頭に叩き込むのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【勝利の凱歌】がLV3になった!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
シャムロック・クローバー
しっかり伝わってきたわ、マリアの熱い想い……!
……って、今日も花嫁衣装なの!?
まーでも、この後すぐにも結婚式をやり直したいわよね。
その晴れ舞台のためにも、一肌脱ごうじゃない!!
ということで、マリアの王子様を奪ったメギツネを、代わりにぶん殴ってやるわね!
(※敵はキツネではありませんが、便宜上キツネで失礼します)
よぉし、キツネにはキツネ!
【管狐影縛法】で、サーヴァントのクダギツネ『ミケ』がぶちかますわよ!
ミケ、相手のシャボン玉に怯むことはないわ。
あなたはシャンプーだって嫌がらずにちゃんとできる、良い子だものね?
●VSアヴァタール級その1~女狐
「ふぅ、まったくダメねえ。男はもっと強くなきゃ燃えないわ」
トループス級のバイオリニスト達がやられていくのを見て、ル・シャヴォーヌは嘆息した。
「マリアといいあなたといい、もうちょっと衣装どうにかならないの?」
啖呵を切るのはシャムロック・クローバー(森の魔女(自称)・g00876)だ。
「マリアはこの後すぐにでも結婚式やり直したいって気持ちだろうからまだわかるけど、そのメギツネはアワアワじゃない」
ル・シャヴォーヌは石鹸のような泡を素肌に巻き付けているだけだ。降り続ける雨が泡を洗い流さないかといささか不安になるが、泡は思ったよりしっかりしているらしい。
「あら、私はキツネじゃないわよ」
「キツネよキツネ、マリアの王子様を奪ったメギツネ!」
シャムロックはそう言い切ると、キツネにはキツネとばかりにクダギツネのミケをけし掛ける。
「さあミケ、いきなさい!」
管狐影縛法。シャムロックの合図を受けてミケが飛んだ。
「そういうときは、泥棒猫って言って欲しいわね」
ソープオペラのような台詞を残しながら、ル・シャヴォーヌは断頭台へ縋りついた。
断頭台の柱に脚を巻き付け、胸を挟み、腰を反らせる。ポールダンスめいた舞いと共に、ソープのシャボン玉が出現する。
「大丈夫、あなたはシャンプーだって嫌がらずにちゃんとできる、良い子だもの!」
シャムロックの鼓舞に応えるべく、ミケはシャボン玉の間を縫うようにしてル・シャヴォーヌへと迫っていく。
幾度か回避にシャボン玉にぶつかり、泡が破裂する。魔法の泡はミケの自由を奪い、痛みを与えていく。それでも、ミケは止まらなかった。
「うっ……!」
ル・シャヴォーヌの首筋へ鋭い牙を突き立てる。
「ふふっ、悪い子ね? 後で仕留めてファーにしてあげる……」
鎖骨へ流れる二筋の血。クダギツネを首からぶら下げながら、ル・シャヴォーヌはそれでも妖しく微笑んでいた。
成功🔵🔵🔴
効果1【傀儡】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
終夜・香宵
淫魔は初めて見ましたが……適当な罪で貴族を処刑するより先に公然わいせつ罪あたりで処刑すべきだったと思いますね。
ですが安心してください。演説ではああ言っていましたが、私はクロノヴェーダを処刑することはなかなか爽快感があって好きなんですよ。
ここであなたを殺し、正しい処刑を御覧に入れましょう。
葬楽咒鈴を鳴らして魔力をまき散らしつつ、【残像】を発生させたりさせなかったりするように緩急をつけた移動でかく乱しながら隙を伺います。
好機が来たら死刑失光です。
敵の攻撃に対しては、先ほどまいた魔力で多少相殺されることを期待しつつ、殺意で抵抗し回避を試みます。
無堂・理央
残るは指揮官だけ。
早く倒してあの二人の門出?をお祝いしないとね。
引き続き、無双馬『クロフサ』に騎乗して戦闘だよ。
馬上槍を構えて、パラドクスの効果でクロフサを軽く空中を駆けさせてから一気に急降下突撃ー!
基本は馬上槍かクロフサの蹄で攻撃しての【一撃離脱】で空中に戻る戦い方をするけど、時にはボクとクロフサの連続攻撃で押したり、弓矢の射撃にしたりとパターンを変化させるよ。
敵の反撃は空中を駆け回って速度で回避。
シャボン玉自体にダメージはあると思うけど、それ以上にスリップ効果は騎兵にとって天敵に近いや。
空中を駆ける分には滑ったりしないよね?
エレナ・バークリー
護衛の駒は殲滅しました。次はあなたの番だ。
「勇気」をもって「突撃」、「衝撃波」を放つブレイブスマイトに全力をかけてクレイモアを振るいます。
足を止めずに「一撃離脱」を「臨機応変」に繰り返し、「強打」で与える傷を増やしていきます。
淫魔が放ってくるシャボン玉は、「衝撃波」で吹き飛ばしましょう。自分に触れることのないように。
牢に入れられた罪もない方々から【託されし願い】があるんです。クロノヴェーダには決して負けたりしない!
「衝撃波」でシャボン玉を捌きながら最後の「突撃」。「貫通撃」を心臓目掛けて突き通します。
討滅の時間ですよ。あなたの存在はここで終わる。
新堂・亜唯
トループス級は倒されたみたいだな……!
この物騒な断頭台で引き起こされる騒動も、お前を倒せば終わりだ! ル・シャヴォーヌ!
人々を扇動してとんでもない処刑を行っていた罪、今度はお前らが罰を受ける番だ!
敵がアヴァタール級一体に定まれば、遠慮することはない
懐まで突き進み、俺の持てる最強の威力の拳、【螺月流・鋼鉄拳】を叩き込んでやる!
お前たちの勝手で振り回された、全ての人々の……そして俺の怒りを握りしめてぶん殴る!
やつに接近したら、甘い匂いをかがないよう注意して呼吸を止める
もし惑わされても、【勝利の凱歌】が湧き起こす勇気が、俺を突き動かしてくれるはずだ!
魔破・克也
敵じゃなきゃ、眺めていたい刺激的な格好だよな、あれ
健全な青少年の俺には辛いんだが…魅了されないように頑張ろう
遠距離はあのシャボン玉と相性悪い、滑りやすそうなのもナイフとか小技を主体にした時の俺との相性が悪い
ってなれば…近距離戦、盾構えて体当たりとかの、パワープレイしか無いな
忍び足で気配を消し、敵の情報を収集、不意打ちを狙える瞬間を見極め
シューズを起動、大気を圧縮して機動力に変え、エアライドも利用して多段ジャンプで勢いを加速させる
空中っていう滑っても動きに関係ない地形を利用、盾という面での攻撃をする事で泡の影響を最小限にする事を企む
その後は相手の方に足を向け、シューズによる大気放出による一撃離脱
音羽・華楠
【トラップ生成】を用い、戦場を『触れると煙幕を噴出する罠』が設置された罠地帯へ変貌させます。
罠にル・シャヴォーヌが触れて発動させてくれれば儲けもの。
向こうが触れなくても、私自身が率先して触れ、戦場を可能な限り煙幕で覆い、ル・シャヴォーヌの視界が利き難い状態へ落とし込みます。
私、それに他の復讐者たちは、【完全視界】のおかげで視界を遮られることはありませんけど。
そうやって私たち復讐者側が有利に戦える状況を演出します。
私自身は、煙幕の中に隠れつつ《奪魂尾獣穿》で奇襲を。
……断頭は、一瞬で済むので案外楽な死に方なんですよ。
あなたは楽には殺しません、淫魔。
身体に風穴を開けてあげます。苦しんで死になさい。
●VSアヴァタール級その2~天空と地底の狭間で
「淫魔は初めて見ましたが……適当な罪で貴族を処刑するより先に公然わいせつ罪あたりで処刑すべきだったと思いますね」
ル・シャヴォーヌの姿を見た終夜・香宵(人間のバウンサー・g00869)のつぶやきに魔破・克也(金欠守護者・g00588)も同意する。
「本当にな。敵じゃなきゃ眺めていたいほど刺激的な格好で……」
「何を言ってるんですか」
「敵を相手に私情を挟んではいけませんよ」
香宵やエレナ・バークリー(アブソリュートウィッシュ・g00090)ら女性陣の視線が厳しい。
「い、いや、あくまで一般論だって。戦いながら見惚れたりはしないと思う、多分」
慌ててそう付け加える克也。その横で音羽・華楠(赫雷の妹狐・g02883)は片膝をつき、雨で濡れた地へと手をついていた。
「一般人は私達やクロノヴェーダの外見に違和感を覚えないですからね」
そこにあればそういうものとして扱う。ディアボロスやクロノヴェーダは常識の埒外にいるから、注意して見れば相手が一般人ではないと見抜けたりもするが一般人はそうはいかない。
「ならば、見えない風にしてしまいますか」
「なにを悠長におしゃべりしているのかしら? 私が強くなるための儀式を邪魔した罪は重いのよ?」
ル・シャヴォーヌは掌に載せた泡の塊へふうっと息を吹きかける。
ふわふわと華楠の方に向かんだ泡は全てが爆弾。華楠に当たれば大爆発する。
「その程度で怯むと思いますか?」
だが、華楠は構わず両腕で顔面を守りながら爆弾泡へと突っ込んでいく。
当然、爆発が巻き起こる。水しぶきが舞い、水煙と土煙が巻き起こる。
「くっ……!」
爆煙の向こうから華楠が突っ込んでくることを警戒するル・シャヴォーヌだが、その姿が捉えられない。
煙が多い。先程設置した煙幕トラップだった。
「……断頭は、一瞬で済むので案外楽な死に方なんですよ」
ル・シャヴォーヌの背後から華楠の声がする。振り向くル・シャヴォーヌ。攻撃は無い。
「あなたは楽には殺しません、淫魔」
今度は横、耳元へ囁くような声。ル・シャヴォーヌは全周をカバーできる回し蹴りを放つ。手ごたえがない。
「身体に風穴を空けてあげます。苦しんで死になさい」
最後の声は上から聞こえた。
上空、煙の中に浮かび上がるシルエット。狐の尾が脳天目掛けて踵落としのように振り下ろされる。
「ぐっ……!」
鈍い音。尾撃を頭部に食らってル・シャヴォーヌの動きが止まる。そこへディアボロス達が殺到した。
完全視界の残留効果を利用した、有利な地形での戦い。
「言い残すことは……無いですね」
香宵は大きな斧を両手で振りかぶる。
「ル・シャヴォーヌ! 人々を扇動してとんでもない処刑を行っていた罪、今度はお前らが罰を受ける番だ!」
新堂・亜唯(ドロップダスト・g00208)も好機と見込んで踏み込んでいる。
「これなら魅了される暇も、滑ることもないだろう!」
空からは克也も襲ってくる。処刑場に小型のピラミッドを出現させ、そのスピリチュアルなパワーを身に纏い跳躍する。
雨やシャボン玉で手元や足元が滑ることを気にしての攻撃だ。
3人の同時攻撃。膨れ上がる殺意を感じたル・シャヴォーヌは回避は不可能と判断し、身体から香気を発する。
大きく息を吸い込んだディアボロス達の肺、体内に入り込み蝕んでくる甘い毒。
香宵は魔力での相殺を試み、亜唯は無呼吸での一撃を選択し、克也はシューズから大気を放出して香気を吹き飛ばそうと試みた。
ル・シャヴォーヌの爪が長く、鋭く変形する。横薙ぎの一撃。
香宵の斧で爪が2枚剝がれ、克也の蹴りで指が2本折れ。
「…………!!!!」
裂帛と激怒を込めた亜唯の拳、螺月流・鋼鉄拳が腕を粉砕した。
「きゃ、あぐぅっ!!!」
右腕、二の腕から下が千切れ飛び流石のル・シャヴォーヌも苦痛に顔を歪める。
「片腕を失ってバランスが取りづらいはず、チャンスです!」
「だね! そんな状態で、まだダンスを踊るつもり?」
エレナと無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)が追撃する。
理央は騎乗した無双馬クロフサをパラドクスで飛行させ、馬上槍を構えての急降下ランスチャージ。
エレナは正面から、投獄された人々より託された願いと共に勇気の一撃を加えようとする。
「はぁ、はぁッ……!」
ル・シャヴォーヌは息を切らしながらも迎撃の態勢を取る。
その場で身体を回転させる、その拍子はウインナワルツだ。
生み出されたシャボン玉は彼女自身の血が混じりうっすらと赤らんでいる。
「手元が滑るくらい、なんですか!」
「クロフサ、耐えて!」
シャボン玉が肌に触れる度に、邪な泡が身体へねばりつく。じんわりと痛みが広がり、ぬるぬると滑らせていく。
だが、それでも彼女達は動きを止めなかった。
「討滅の時間ですよ。あなたの存在はここで終わる」
「身体のどこかに当たれば、それでっ!!」
理央のランスが頭部へ、エレナの刃が胸へと吸い込まれていく。
「あ、っ
……!!」
頭と心臓を同時に貫かれて、ル・シャヴォーヌはそのまま全身が泡のように散り散りになり、最後は雨粒に打たれ、弾けて消えた。
「キュモール様、さあ結婚しましょう!」
ベルサイユ宮殿の庭、処刑場へ降り注いでいた雨も上がっていた。
戦場ではなくなり避難していた群衆たちが戻ってくる。するとそこではウエディングドレス姿の花嫁マリアがジルベールへ熱いプロポーズ攻勢を仕掛けているから彼らはまた目を丸くする事になった。
「いや、僕は実はキュモールでは――」
「ああ、名前なんかどうでもいいじゃないですか! どうせウチに婿入りしたら苗字変わるんですし、名前より顔と心とフェイスですよ!」
ぐいぐい押されて困り果てているジルベール。恐らく結婚式でもこの調子で押し切られて本当の事を切り出せなかったのだろう。
「マリアお嬢様、どうか落ち着いてください……皆さまが見ております」
傍らでは老執事のセバスが慌てふためいている。
「いいじゃない、ボクらも二人の門出をお祝いしたいし」
理央が援護射撃をすると、マリアはますます図に乗った。
「ほら、みんな見てるからこそ! ここで一発既成事実よ! 好き好き大好き超ジュテーム!」
「やれやれ、見てられないな……」
亜唯は、ジルベールに抱き着いて誓いのキスをせがむマリアから上空へと視線を外す。
「あ。でも空は祝福してくれてるみたいだな」
天空には雨上がりの虹が掛かり、地上の祝福の声や囃し立てるような歓声、ライスシャワーの代わりに揚げタマネギを投げましょうなどと扇動する声を見守っているようだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】がLV2になった!
【飛翔】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
【怪力無双】がLV2になった!
【トラップ生成】がLV2になった!
【狐変身】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【アヴォイド】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV4になった!
【ガードアップ】がLV3になった!