リプレイ
イロハ・アプリルシェルツ
【アドリブ&連携歓迎】
あぁ、約束の地カナンがこの有様とは嘆かわしいよ。
これも亜人達が蔓延っているせいなんだね。
先ずは人々を救うために【アイテムポケット】で物資を持ち込もうか。
直ぐに使ったり、食べてしまう食糧や医薬品は新宿島製のでも良さそうだけど
避難させる為の援助用として渡す服や道具とかは紀元前に相応しい物の方が無難かな?
折角手間隙掛けて助けたのに排斥力のせいで無かった事にされたり、手当てした効果が失われては困るしね。
ある程度信頼を得られたら頃合いを見計らってイロハ達は冒険者の様な事をしていると告げて
彼等の拠点となるところへ人々を誘導し避難させようか。
フレデリカ・アルハザード
アドリブと連携共に歓迎
まずは食糧支援からですね
アイテムポケットで排斥力に排除されない物資と豪華な料理の詰め合わせ、そして現地で使う様の抗生物質と排除されない薬剤等を持ち込み、食糧確保に向かった人を拾って集落に
衰弱している人には栄養と薬品を与えて安静に
その他の人には水や食料などを分け与えます
いっぱいお肉を食べて下さいね
そう言ってシュラスコを用意し、住民全員に満足の行く分までお肉を
使えるなら口福の伝道者も
お腹が膨れたら伝令を
私達『冒険者』に連なる者は『救済者』を討ちカナンの土地を奪還
かの地を拠点として住民を保護しています
皆様、カナンの地は安全です
共に安全なる楽土に赴きましょう
獅子堂・崇
アドリブ連携歓迎
話には聞いていたが、このディビジョンに住む人は酷い環境に置かれているんだな。少しでも多くの人を助けるとしよう。
俺達はカナンの街から来た冒険者だ。あの街は今、支配していたプトレマイオスが死に人の領地になっている。皆を迎えに来た。
怪我人は【活性治癒】で治療して、それでも動けない人は背負うなり抱えるなりして出来るだけ安全に運ぼう。
今までよく耐えて生き残ってくれた。街につけばひとまず安全だから、後少しだけ我慢してくれ。
アンディア・ラムパデス
ふん。やはり、この地の有り様は変わらぬ物だな
あの憎き亜人共をすぐに討ちにいけぬのは気に入らんが……
苦しむ人々を見捨てる訳にはいかん
まずは彼らを、からだ
ウェアキャットに怯える者も居るかもしれん
布でも被って、耳と尾は目立たぬように
新宿島からは手軽に食べられる物と布の類を持ち込み、人々に配ろう
便利であるな、うむ
人々も落ち着いたところで移住の話を詳しく伝えよう
我らが汝たちを安全なる土地へと連れて行こう
今の汝らではその旅路も苦しいものとなるかもしれぬが、道中は我らが必ず守り切る。安全は保証する
長く歩けぬ老人や子供、怪我人には手を貸したり、背負ったりして連れて行くとしよう
イル・シルディン
確かに、食料を得るのも難しそうな土地ね
加えて外敵もいるのなら、現状は見るまでもないわ
果実をすり潰した飲み物やスープといった
空腹にも入れやすく栄養価の高い物と
食べたと感じる歯ごたえを与える握り飯を携帯しておきたいわ
集落にいる住民を一度に持ち運ぶのは無理もあるでしょうし
少しでも彼等自身の足を使えるようにしたいのよ
詳しい話は、腹を満たしてからで良いわ
焦らずにゆっくりと口にして頂けるかしら
住民の数に合わせて【口福の伝道者】で食事を増やして提供して
動ける人を増やすのが先ね
その上で、子供や老人、疲労の激しい人などは
可能な限り背負って行ければ良いかしら
一人二人なら問題は無いけれど多いようなら手分けをしたいわ
エイレーネ・エピケフィシア
苦境の人々を救ってこそ、蹂躙に対する反抗は成るのです
復讐とは闘争のみにあらず──さあ、参りましょう
猫の耳と尾は衣に隠し、人間のふりを
集落の人々には現在、清潔を気にする余裕がないと考えます
【クリーニング】を発動して皆様とその住まいを清めましょう
力を見せて歓心を得たところで、素性を説明
わたし達は、亜人に蹂躙される人々を救うべく旅する冒険者
此度は皆様を安全な街へとお連れするために訪問いたしました
新宿島からは、排斥力に妨害されない伝統的な衣類や履物を持ちこみます
これでカナンの地に辿り着くまでの間、人々の肌は日射や路上の危険物から護られるでしょう
出立時には哨戒任務の開始まで先導役を務め、周囲を警戒します
「ふん。やはり、この地の有り様は変わらぬ物だな」
蹂躙戦記イスカンダルの地へと踏み出したアンディア・ラムパデス(砂塵の戦槍・g09007)は、静かに呟く。彼女は、この地で生まれ、そしてディアボロスとして戻ってきたのだ。
「亜人共……」
かつでの自分が住んでいた方向だろうか。遠くを眺めながらも、自身の怒りを胸の奥へと埋める。
「あぁ、約束の地、カナンがこの有様とは、嘆かわしいよ」
そんなアンディアに続いて、イスカンダルの地へ降り立つのはイロハ・アプリルシェルツ(神聖ならざる銀・g05555)。
ここは、イスカンダルの土地でディアボロスが唯一取り戻した土地であるカナン。そんなカナンの地には様々な願いと想いがこもっていたのだろう。しかし、現状は『約束の地』とは程遠い有様だ。
「これも亜人達が蔓延っているせいなんだね」
「そうだ。本来なら、あの憎き亜人共をすぐに討ちに行きたいが……」
「まずは食糧支援からですね」
「そうだな。話には聞いていたが、このディヴィジョンに住む人は酷い環境に置かれているんだな」
フレデリカ・アルハザード(軍勢の聖女・g08935)と獅子堂・崇(破界拳・g06749)は話をしながら、持ってきた荷物を確認している。
「確かに、食料を得るもの難しそうな土地ね」
何より、危険な外敵がいるのだ。生きるには厳しい世界だ。
「苦境の人々を救ってこそ、蹂躙に対する反抗に成るのです」
イル・シルディン(気ままに我がまま・g05926)とエイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)も、様々な衣類や履物などの物資を用意してきた。食糧はもちろん必要だが、それ以外にも人間には暑さや寒さといった自然環境に対抗しなければならないのだ。
「復讐とは闘争のみにあらず……」
そう言葉として口に出す事で決意とするように出発の準備を整える。特にエイレーネとアンディアは慎重に身支度を整え、自身がウェアキャットである事に気づかれぬように細心の注意を払う。
ウェアキャットは、亜人に従事する存在。大半の人間からは恐れられる存在でもある。
「さあ、参りましょう」
そんな様々な想いを胸に、この地で苦しむ人々をカナンの地に移住させるために、各々行動を開始するのだった……。
「少しでも多くの人を助けるとしよう」
「そうだね」
本隊とは別行動していた崇とイロハは早速、隠れていた人々を発見した。
「……ぁ……」
「俺達はカナンの街から来た冒険者だ。皆を迎えに来た」
「……か……の……」
激励するような崇の言葉に答えようとするも、衰弱し声すら出せない様子の……難民だろうか。
「これを飲んで」
アイテムポケットから用意していた医薬品の一つ、経口補水液を渡し、飲ませる。
イロハはアイテムポケットに色々と用意してきたようだ。一部の医療品は新宿島の物。そして、排斥力を考慮して、この時代に相応しい物も用意してきた。しかし、今回は難民の体調も考慮し、新宿島の経口補水液を使った。
「あ……ああ……」
「たす……る……のか」
崇とイロハが見つけたのは二人の痩せこけ年齢も分からない人間。理由は推測しかないが、見捨てられたのかもしれない。
「……今まで、よく耐えて生き残ってくれた。街につけばひとまず安心だから、後少しだけ我慢してくれ」
崇とイロハはこの場で可能な限りの治療を行うも、歩けそうにない二人。
「二人は俺が抱える」
「……お願いね」
こんな場合には、崇の屈強な体が頼もしい。二人を抱え、イロハが荷物を持つ。
「もう大丈夫だ。よく生き残ってくれた……」
そんな腕に感じる人間二人の体重が少なすぎる事を感じながら、二人を勇気付けるように声をかけ続ける崇だった……。
「ここら辺に川があると思います。そこなら人がいるでしょう……」
「あそこです」
エイレーネとフレデリカが見つけたのは、一人の一般人。水を汲みに川へ来ていた処で遭遇した。
「詳しい話は、後で。君の集落へ案内してくれないかしら?」
「……うん」
少し悩んだ様子だったが、ディアボロスたちが持ってきた食糧に気付いたのか、集落へと案内してくれる。
「水は我が持とう」
少年の水桶を受け取り、一緒に運ぶアンディア。
(「まずは、彼らを救ってからだ」)
そんな想いと共に、向かった集落は、予想よりも悲惨な状況だった。単純に立ち歩く者が少ない。
(「これだけの人数を一度に持ち運ぶのは無理もあるでしょうし、少しでも彼等自身の足を使えるようにしないとね」)
この場にいるディアボロスは4人。怪我人、病人もいるように見える。イルは冷静に村人の様子を考慮した移民方法を検討してくれている。
「詳しい話は、腹を満たしてからで良いわ。焦らずゆっくりと口にして頂けるかしら」
「あ……あぁ」
突如現れた見られぬ人に警戒する余力も無いようで、ディアボロスたちが用意した食糧に群がる者たち。
「たくさん用意したから、大丈夫です」
そんな群がる人々に用意したのが消化の良い食品でよかった。それに大量にある事が分かり奪い合うようなトラブルも発生しなかった。
フレデリカは、主に自分で食事が出来ない人を見回っていた。流行病のような危険はなかったが、単純な栄養失調が多い。そんな人の症状を診断して、適した栄養剤を渡していく。
(「シュラスコの出番は、また今度です」)
栄養価の高い肉なども用意していたのだが、大半の人が、それを消化出来る体力があるように見えなかった。
「便利であるな、うむ」
消化良く手軽に食べられる物を用意していたアンディア。一緒に用意してきた布の類を配る。どの時代でも、様々な形があるが布は必須だ。
特に喜ばれたのは、イルが用意した、果物をすり潰した飲み物やスープだった。様々な形であっても、世界各地に果物はある。だからこそ、身近に感じる食べ物は安心して食べられ、心も安らぐものなのだろう。それに、少し体力がある者は、一緒にイルが用意した握り飯を美味しそうに食べていた。
「こんな状況では、清潔を気にする余裕がないでしょう」
衣類を配りながら、パラドクスの効果である『クリーニング』を使うために、天使たちの幻影を召喚するエイレーネ。
「ああ……暖かい光だ……」
「亜人とは違う……美しい……」
エイレーネの召喚した天使に見惚れる人々。同時に、周囲は清浄なる輝きに包まれ、清潔な空間へと浄化されていく。
ちょうど、治療や食事が終わったタイミングだったので、エイレーネがカナンの街への移民を提案する。
「此度は皆様を安全な街へとお連れするために、訪問しました」
「私達『冒険者』に連なる者は『救済者』を討ちカナンの土地を奪還。かの地を拠点として保護しています」
そんなエイレーネやフレデリカの言葉に『助かった』『本当に安全なのか!?』と、様々な反応がある。
「皆様、カナンの地は安全です。共に安全なる楽土に赴きましょう」
そして、フレデリカの想いの籠った説得に、心を動かされ、全員がディアボロスの提案に同意を示す。しかし、問題は残っていた。
「もし、亜人が襲ってきたら……」
問題の一つが旅の安全だ。この村が安全とは言わないが、旅の途中よりは安心できる。
「今の汝らでは、その旅路も苦しいものとなるかもしれぬが、道中は我らが必ず守り切る。安全は保証する」
そんな心配を吹き飛ばすように、剛気な声を響かせるアンディア。
「ですが、ここには自分で歩けぬ者もいます」
代表者が言うには、何人か自力で歩けぬ者がいるし、子供も含まれているとのこと。
「ならば、我が背負うとしよう」
「それなら、俺も手伝うぜ」
そんな相談をしている処へ、崇とイロハが一度難民をカナンに届けた後、合流してくれた。
「先導はわたしが務めます」
アンディア、崇、イルが歩けぬ者を背負い、他の者が周囲を警戒しながらカナンの地へ向かうことになった。
「街につけば、ひとまず安全だからな」
「寒くないように、こちらを着て下さい」
カナンまでそれほど遠い道のりでは無い。エイレーネやアンディアが用意した衣類などもある。無事に辿り着けるだろう。
「皆様は、どうして私たちを助けてくれるのですか?」
「イロハ達は冒険者の様な事をしているんだよね」
村人たちは、ディアボロスの事を信用してくれたのだろう。道中は軽く話をしながらカナンへ向かうのだった……。
しかし、その後は危険な亜人の偵察部隊が近づいている。『カナンの地は安全』であるのは『現状』に過ぎない。それを、今後も継続するためには、まずは偵察部隊を叩かなければならないのだ……。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【アイテムポケット】LV2が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【修復加速】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【能力値アップ】LV2が発生!
【リザレクション】LV1が発生!
イロハ・アプリルシェルツ
【アドリブ&連携歓迎】
万全とまではいかないけど避難誘導は最善の結果が出せそうかな?
続いては偵察しに来てる部隊を先んじて発見しないとだね。
キュクロプスもゴブリンも体格は良いから遠目でも見つけ易そうだね。
此処は荒野だから不自然に経つ砂埃とかを参考にすると発見し易いかも。
まぁ、ポージングとか極めてるみたいだし
風向きに注意して耳を澄ませば声が聞こえそうな気もするんだけどさ。
何れにせよ此方が先に見付られない様に
イロハは【狐変身】を使って身体を小さく変え
荒野の地形を上手く利用しながら物陰に隠れて偵察するとしようかな。
首尾良く確認出来たら待ち伏せに相応しいところまで戻って待機しよう。
肝心要はこれからだしね。
イル・シルディン
アドリブ・連携歓迎
ひとまずは安心ってところかしら…
これで漸くこちらから動いてゆけるわ
ただ、偵察に向かうにも荒野だと身を隠す場所は限られてきそうね
できれば【使い魔使役】で鳥類を一羽手懐けられるかしら
先行させながら土地の形状を確認して進みたいわ
もし合間に準備が可能なら茶系の外套を用意して身を包み
保護色も利用してゆきたいわね
目標は、偵察部隊の位置と
それから戦いやすい場所の選定ね
敵の発見はできる限り使役した鳥に任せて
私自身は遮蔽物や丘状の地形等、待ち伏せられる場所を探すわ
撤収の際に、そこを通るように痕跡を残しながら撤退しておけば
追って入り込んでくれる可能性が望めるかしら
西園寺・蘭花
風花ちゃん(g01985)と参加するよ。
連携やアドリブ歓迎は致しますわ。
人前では丁寧口調で模範的なお嬢様を演じるが、風花ちゃんには砕けた口調で話す。
ここがイスカンダル。
話に聞いていたけれど、酷い。
「わたくし達が頑張らないといけませんわね」
「……うん。ありがとう、風花ちゃん」
【光学迷彩】を使用。隠れるつもりのない相手を見つけるのは容易だろうけど、見つからないように注意しないと。
パラドクス発動。【肉体改造】で視力を強化。鷹の目の如く、敵部隊を探すよ。
「風花ちゃん。敵の部隊を見つけたよ」
風花ちゃんと一緒にディアボロスのみんなと情報を共有するよ
「わたくし達が探していた方向に、敵の部隊を発見しましたわ」
御門・風花
お姉ちゃん(g09115)と参加します。
連携やアドリブ歓迎します。
お姉ちゃんはディアボロスになったばかり、そして今はわたしのほうが年も上……わたしが先輩として頑張ります。
「大丈夫だよ、お姉ちゃん」
いつも表情が薄くクールな風花ですが、優しい口調と表情を見せます。
「ディアボロスは一人で戦うわけじゃない。皆で協力して、立ち向かうの」
「許せない気持ちは、みんな一緒だから」
【光学迷彩】で相手に見つからないようにして、できるだけ高所から遠くを見渡します。
「見つけた」
「お姉ちゃん。一度、下がりましょう」
見つけ次第、速やかに後退し、味方に伝達します。
「敵部隊を発見しました」
アンディア・ラムパデス
うむ。民のことはひとまずなんとかなりそうだな
そして、次はあの亜人どもを見つけねば、だ
折角民を安心させたのだ、奴らが民を見つける前にどうにかせねばな
ふん……肉体を誇示するために体を鍛えているような輩共だ
恐らく、身を隠すということなど頭にないであろうな
耳を澄ませ、荒野に紛れられそうな色合いの布を被って身を屈めながら奴らを探すぞ
木や岩の類があった時はそれらの物影に潜みながら進んでいくぞ
ただでさえ、人の居らぬ地だ
人影や物影などがあれば奴らである公算が高かろう
エイレーネ・エピケフィシア
予知によると此度の敵は……その、かなり自己顕示欲が強いようですね
探す上では有難いのですが、いざ見つけた時に直視出来るか、少々不安になります
【パラドクス通信】を発動し容易に連絡を取れるようにします
砂と土の色に紛れるような色のマントを纏い、探索に出ましょう
地形の傾斜や樹木・岩石は積極的に遮蔽物として利用
なるべく身を隠せる状態を維持しつつ偵察していきます
敵が筋肉を誇示する雄たけびを上げたり
高い視点を得るために例の筋肉ヤグラを組んだ時には
ひときわ目立って見付けやすくなるでしょうか
もし排斥力に邪魔されないようなら、新宿島の双眼鏡も活用したいところです
レンズ自体はこの時代にもありますが、大丈夫でしょうか?
「うむ、民のことはひとまずなんとかなりそうだな」
「そうですね」
アンディア・ラムパデス(砂塵の戦槍・g09007)とエイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)は、送り届けた人々を見届けてから、カナンの街を離れる。
「そして、次はあの亜人どもをみつけねば、だ」
本来なら、すぐにでも亜人の首を上げに行きたいアンディアだが、その気持ちをもう一度押さえ、偵察の為に荒野を走る。
「折角、民を安心させたのだ。奴らが民を見つける前にどうにかせねばな」
再び亜人が現れれば、さきほどまでディアボロスたちにやっと見せてくれた笑顔を失う事になるだろう。そうさせぬ為にアンディアたちは走る。
「予知によると此度の敵は……その、かなり自己顕示欲が強いようですね」
正面から戦うならいざ知らず、偵察に向いているとは思えないような敵だ。しかし、油断は禁物。
「穢れし者よ、雷霆の裁きに慄きなさい」
静かな詠唱と共に、地面に長槍を突き刺す。すると、突き刺した地面から、一瞬の煌めきが四方八方へと放たれる。
「それでは行きましょう」
「そうだな」
今のエイレーネが放った雷は、攻撃ではない。周囲の地面に雷を介したパラドクスによる通信網を形成したのだ。別れて行動する、こんな偵察任務では非常に便利だ。
「……いざ見つけた時に直視出来るか、少々不安があります」
「そうならば、我に任せよ」
頼もしい言葉を返すアンディア。
(「ふん……肉体を誇示するために体を鍛えているような輩共だ。恐らく、身を隠すということなど頭にないであろうな」)
実際、その予想は当たっていた。耳を澄ませながら探すと、あっさりと発見する事が出来た。
「そんな気はしたけど、筋肉を誇示する雄たけびを上げてる」
そんな二人の視線の先では、マッスルゴブリンたちが集まり何かしていた。
「ふんふんふんふん」
「ぬんぬんぬんぬん」
エイレーネの予想は見事に的中。筋肉を誇示しながら雄叫びを上げている。
(「例の筋肉ヤグラを組んでいるかとも思ったのですが……」)
その予想は別の方向で当たる事になるが、今回エイレーネとアンディアが発見したのは、雄叫びを上げているだけの連中だ。用意してきた道具を使う必要も無さそうだ。
「数は少数、他には居ないか……」
冷静な観察はアンディアが引き受けてくれた。正確な情報をパラドクス通信で他の仲間へ送り、一度撤退する二人だった……。
「万全とはいかないけど、避難誘導は最善の結果が出せそうかな?」
「そうね。ひとまずは安心ってことかしら……」
イロハ・アプリルシェルツ(神聖ならざる銀・g05555)とイル・シルディン(気ままに我がまま・g05926)は、カナンの街を離れ、荒野を偵察に走る。
「これで漸く、こちらから動いてゆけるわ」
「そうだね。偵察しに来ている部隊を先んじて発見しないとだね」
今回、イロハとイルは二人で行動する様子だ。
「キュクロプスもゴブリンも体格は良いから遠目でも見つけ易そうだね」
「そうね。荒野だと身を隠す場所は限られてきそうね」
イロハは一番容易で、手軽な視認による索敵。そして、イルは一匹の鳥を使役。その鳥を先行させながら、周囲の状況を確認するようだ。
「此処は荒野だから不自然に経つ砂埃とかを参考にすると発見し易いかも」
「そうね」
イルは調達した保護色になりそうな外套をイロハに渡し、二人で身を隠しながら偵察を続けるが……すぐに反応があった。
「ふんふん!!」
「むんぬんむんぬん!」
明らかに変な声が聞こえる……。
「ま、まあ、ポージングとか極めてるみたいだし、耳を澄ませば聞こえるかと思ったけどさ……」
「耳を澄ませる必要ないね」
視認するよりも早く聞こえる、マッスルな声。いや、本気で偵察のつもりなのだろか。しかし、その謎も解けた。
「ふんふんふんふん、足場、もっとマッスル!」
「右足場、マッスル!」
「左足場、マッスル!」
謎に響く声に、ゆっくりと近づくイルとイロハ。そこでゴブリンたちが行っていたのは……。
「中央、両手組んでマッスル!」
「ドッキングマッスル!」
「中央、視界展開マッスル!」
なんとマッスルゴブリン達は、組体操をして高所からの視界を確保しようとしているのだ。
暑苦しさを増したマッスルたちが、筋肉を組み合い自分の筋肉を柱にして偵察櫓を組んでいるのだ……。
「……」
そんなマッスルたち。実際は筋肉櫓を組む事に熱心で周囲への警戒は皆無。実際、キツネに姿を変えて近くまで寄ったイロハに気付く様子は無い。
「太陽の方向に敵影なし!」
「反対も敵影無し!」
その確証として、大きな声で発見出来ない事を報告しあうマッスルゴブリンたち。
「……肝腎要はこれからだしね」
「そうね……」
二人は一度距離を取って、待ち伏せに適した地形を確認し、仲間へ連絡する。
「ようし、素晴らしいマッスル!」
「もう一度、櫓展開するマッスル!」
「今度は、もっと早くするマッスル!」
そして、何故か同じ場所で再び組体操を始めるマッスルゴブリンたちであった……。
「ここがイスカンダル……話に聞いていたけど、酷い……」
「うん、そうだね」
イスカンダルの地に応援に駆けつけてくれたのは、西園寺・蘭花(トライデント・g09115)と御門・風花(静謐の凶鳥/ミセリコルデ・g01985)。二人は姉妹だが、ディアボロスになったのは、風花が先で、姉である蘭花は最近ディアボロスになったばかりだ。
「わたくし達が頑張らないといけませんわね」
「大丈夫だよ、お姉ちゃん」
少し気負った雰囲気の蘭花に優しく声をかける風花。普段はクールな雰囲気の風花も、姉である蘭花の前では、優しい口調と表情。
「ディアボロスは一人で戦うわけじゃない。皆で協力して、立ち向かうの」
「……うん。ありがとう、風花ちゃん」
そんな気負いを和らげるような風花の優しい言葉に、少し肩の力を抜く。ディアボロスという存在は、一般人に比べ超絶な力を持つも、相手はそれ以上に強大で非常識な相手であるクロノヴェーダだ。個人の努力や根性でどにかなる相手ではない。
「……許せない気持ちは、みんな一緒だから」
静かに……しかし、強い意志を込めが言葉が風花の口から溢れる。そう、その想いこそが、性別も種族も生まれた時代も違うディアボロスが協力し強さを見せる根本なのだから……。
「鷹揚自若、烈風の如く」
静かな蘭花の言葉と共に、彼女の体は鷹の目の如き、観察眼を得る。その目で周囲を索敵する。
「風花ちゃん。敵の部隊を見つけたよ」
「ありがとう、お姉ちゃん。一度、下がりましょう」
先に見つけたのは蘭花。同時に、敵側も索敵(?)をしているものの、こちらに気付いた様子は一歳無い。
「ふんふんふんふん!」
「ぬんぬん、ふ〜ん!」
そんな索敵っぽい行動をしているマッスルゴブリンたち。今度は、何体か組んで一体のマッスルゴブリンを大きく空へと放り投げている。いわゆる『胴上げ』といった感じだろうか。
「何か見えるか!」
「見えません!」
まあ、軽い誰かを投げるなら効果もあるだろうが、重いマッスルゴブリン同士では、飛距離はあまり無いから、はっきり言って無意味である。
「わたしくし達が探していた方向に、敵の部隊を発見しましたわ」
そんな状況をパラドクス通信で報告する風花と蘭花。
これで情報は揃った。今なら三部隊に分かれたマッスルゴブリンたちを各個に襲撃が可能だ。
攻撃の機会を合わせる為に、一度撤退する蘭花と風花だった……。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【狐変身】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
【神速反応】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【修復加速】がLV2になった!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【アクティベイト】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV4になった!
【アヴォイド】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
フレデリカ・アルハザード
亜人等クロノヴェーダに対しては冷酷非情で物々しい口調
味方に声かけるときはいつもの口調
ああ、暑苦しい…
冷やしてやろう
大気そのものに『媒体』を挿入して気圧と大気組成を操作し、亜人共がいる空間の大気…その窒素を液体窒素に変換
大気そのものから液体窒素が生成され、呼吸器が液体窒素で凍りつき窒息死したり空気から放出される液体窒素で凍りつかせてやろう
それでも生き残ったなら、次は酸素0の世界に入門
『クロノヴェーダに与えられる酸素はゼロで周辺にいるクロノヴェーダは窒息死する』という情報を周辺の大気に書き込んだ
どこへ行かれるのですか…?
赤子の夢を蹂躙する貴様らは、勇者の名の下全員窒息死だ!!
西園寺・蘭花
引き続き、風花ちゃんと参加するよ。
連携やアドリブは歓迎しますわ。
初の実戦。流石に緊張するね。
「ありがとう。風花ちゃん」
魔槍トライデントを手に、パラドクスを発動。
「トライデント、参りますわ!」
ネメシス形態で15歳くらいの姿に変化し【肉体改造】で視力と脚力を強化。
敵の攻撃に対しては【神速反応】で回避、または魔槍で受け流しながら【早業】で魔槍を振るい【両断】していきますわ。
「あなた方の好きにはさせませんわ!」
「ご覚悟くださいませ!」
風花ちゃん。昔から蘭花の後ろからずっと付いてきていた、可愛い妹。
蘭花のいない間に、こんなに強くなったんだね。
お姉ちゃんも、負けてられないね。
「もっと、強くならないとね」
御門・風花
お姉ちゃんと引き続き参加。
連携やアドリブ歓迎。お姉ちゃんをディフェンス指定。
味方と連絡を取り合い、敵部隊の1つを奇襲します。
「大丈夫ですよ。お姉ちゃん」
「わたし達なら絶対に負けません」
「ミセリコルデ、戦闘を開始します」
パラドクス発動。
【呼吸法】で闘気を高め、ダッシュと共に【エアライド】で最短距離を一気に接敵します。
「先手必勝です」
接敵と同時に【グラップル】の掌底を打ち込み【衝撃波】と共に敵を吹き飛ばします。
「不意打ちにて、失礼します」
敵の攻撃は【神速反応】で回避または闘気を纏った両腕で受け流し、掌底や蹴りで反撃します。
「殴り合いは望むところです」
「良い筋肉ですね」
「こちらも全力でお相手します」
エイレーネ・エピケフィシア
鍛錬とは実戦に備えて行うものであって、それが実戦に悪影響を及ぼしていては本末転倒だと思うのですが……
とはいえ。いくら滑稽な有り様でも、相手は人に害を為す亜人です
一人として生きて帰すつもりはございません。お覚悟を!
≪神護の長槍≫と≪神護の輝盾≫を構え、敵部隊の一つに側面から突撃を
『恐れなき急襲の槍』の迅速さで、敵が迎撃態勢を整えるより先に一撃を見舞います
槍による貫通撃と衝突時の爆破で、分厚い筋肉の鎧を打ち破りましょう!
反撃は……これ、どういう内容の攻撃なのでしょうか?
少なくとも肉弾戦を挑んで来ることは間違いないと思うので
【神速反応】によって動きを読んだうえで、盾を用いて受け止めますね
獅子堂・崇
アドリブ連携歓迎
偵察は任せきりになってしまったからな。ここからは手伝わせてもらうぜ。
マッスルか。わかりやすい相手は頭を使って戦わなきゃいけない相手よりはやりやすいな。
力自慢が相手なら、正面から堂々と打ち砕いてやろう。
先手を打って懐に飛び込んで、【フェイント】を交えた【連撃】を叩き込む。
ゴブリンの攻撃は【臨機応変】な足さばきで回避を試みる。
そんな攻撃で捉えられるほど、柔な鍛え方はしてないんでな。
事前に説明は受けていたが、クロノヴェーダは筋肉に固執する奴が地味に多くないか?
イロハ・アプリルシェルツ
【アドリブ&連携歓迎】
事前準備は片付いたね。
丁度イロハの傷も癒えたし、本命の前の肩慣らしと行こうか?
物陰に隠れて待機し、皆とタイミングを合わせて強襲だね。
正直、偵察とかはお粗末だったけど
わざわざ此処まで見せびらかしに来ただけあって中々の筋肉だと思うよ。
今日は機嫌が良いから筋肉による相互理解に付き合ってあげるよ。
生半可なディアボロスだとその筋肉による破壊活動に対抗出来ないだろうけど
イロハも鍛え上げた鉄拳と揺るがぬ信仰により練り上げられた神聖(ねんどう)力があるんだ。
巧みにフットワークを駆使して更に一歩踏み込みイロハの間合いに持ち込むよ。
彼等に叩き込むのはカウンターからの【ヤコブの鉄拳】だよ。
アンディア・ラムパデス
さぁ、遂にこの時が来たぞ
貴様らへの怒り、存分に振るい、ぶつけてやろう!
身を潜めながら間合いまで踏み込んだら容赦なく先制の一撃をくれてやる
これが我が怒り、我が屈辱を込めた一撃……!
貴様らが児戯で鍛えた肉体で防ぐことなど叶わぬと知れ……!
奴らの大声を目印に全力で槍を投擲
その体を貫いてやろう
暑苦しい声で何をしてくるかは分からぬが、肉弾戦の類であろう
盾で致命傷を喰らわぬよう耐えつつ、隙を窺って鎖を足元へと叩きつけてやる
イル・シルディン
アドリブ・連携歓迎
いよいよね
下手をうてば皆を避難させた事も無駄になりかねないのだから
油断はしないようにゆきたいわ
戦いの初動が奇襲気味になるように
身を潜めながら仕掛ける機会を【パラドクス通信】で共有したいわ
敵群が態勢を整える前に【飛翔】を使って最短距離で飛び込み
自ら囲まれることで注意を引いてみるわね
【フェイント】と【一撃離脱】を織り交ぜて
捕まらないよう位置を変えながら立ち回り
全力で振り抜ける機を存分にはかって、周囲を一薙ぎ
もちろん同時に攻める人がいる前提の行動よ
反撃を狙われたときは獲物を支えに足を差し出し
その厚い筋肉を足場に見立てて反動で距離を取ってみるわ
玖珂・駿斗
「やべぇ、何言ってるか解らないし、何だあのむさくるしそうなの」
とりあえずいろいろな大義名分はあるとしても
ちょっと野放しにしておくのもまずそうだし、ここで数減らそうそうしよう
[砲撃]でご挨拶しつつ[グラップル]で距離を取るように移動
確かに筋肉は強い
しかしその筋肉を持てなかったものもいる
その為に人は文明というものを築き上げ繁栄した、したんだよ!
「いいか、これは確かに一見筋肉には見えないかもしれない
しかし鉱石も星の一部だから実質星の筋肉、つまり筋肉なんだ、わかるね?」
いや言ってる事無茶苦茶だけどまあいいや
「さぁ、解り合おう」
そういいつつメテオダイブで容赦なくひき肉にしよう
「初の実践、流石に緊張するね」
「大丈夫ですよ。お姉ちゃん。わたし達なら絶対に負けません」
少し緊張している様子の西園寺・蘭花(トライデント・g09115)に緊張をほぐすような、優しくも力強い言葉をかける御門・風花(静謐の凶鳥/ミセリコルデ・g01985)。
「ありがとう。風花ちゃん」
そんな風花の言葉に、勇気を貰い武器を構える蘭花。その姿は肉体改造の効果を受け、本気の姿である十五歳くらいの姿。同時に構える武器は魔槍トライデント。対して風花が構える武器は両手に魔刃双剣。
「ミセリコルデ、戦闘を開始します」
「トライデント、参りますわ!」
風花と蘭花の声が響き合い、声を重ねる。マッスルゴブリン部隊へと戦闘を開始した!
「先手必勝です」
奇襲の先手は風花。高めた闘気で自身を覆い、そのまま距離を詰める。
「むっ!」
マッスルゴブリンも反応するが、遅い。
「全身全霊、真正面から叩き潰す」
そのまま、全身を覆うオーラで先頭のゴブリンを弾き飛ばし、二番手のゴブリンに掌底を打ち込む。
「ぐふぅ!」
叩き込まれた掌底は、一拍遅れて衝撃波がゴブリンの体内に炸裂し、そのまま吹き飛ぶ。
「不意打ちにて、失礼します」
一瞬で敵の中で奮闘する風花。その風花に注目が集まった瞬間を狙い、蘭花が動く。
「あなた方の好きにはさせませんわ!」
トライデントを早業で振るいながら、マッスルゴブリンたちを牽制する。
(「風花ちゃん、昔から蘭花の後ろからずっと付いてきていた、可愛い妹」)
そんな思い出が蘭花の記憶から溢れる。同時に、現在の頼もしい妹から……複雑な想いも溢れる。
(「蘭花のいない間に、こんなに強くなったんだね」)
目の前で奮戦する風花の姿に、離れていた間の寂しさを感じる。
「お姉ちゃんも、負けてられないね。ご覚悟くださいませ!」
だからこそ、今、自分が出来る事を風花にも見て欲しいと願いを槍に込め、全力で振るう。
「鷹揚自若、烈風の如く」
今の全力を目の前の敵へとぶつける蘭花。肉体改造により、スピードとテクニックを増し、神速の突きを繰り出し、ゴブリンの四肢を貫き行動力を奪っていく。
「ふんふんふん!」
しかし、それでも反撃を繰り出してくるマッスルゴブリン。両手を強引に振り回して攻撃してくる。
「当たりません」
それを、自身の身体を小さくして避け、返す動きに連動させ、鋭い斬撃を繰り出しゴブリンを両断する。
「殴り合いは望むところです」
対して風花は、筋肉腕の振り回し攻撃を掌底で受けてから流し、懐に潜り込む。
「良い筋肉ですね」
そんな言葉に、一瞬笑みを浮かべるが、それが冥土への土産となる。
「こちらも全力でお相手します」
そのまま、再びオーラを纏った風花の一撃が鳩尾をとらえ……続けて発生する衝撃波を受ける間も無く、塵へと還るゴブリン。
そのまま、風花と蘭花の連携で、この場所のマッスルゴブリンは全滅したのだった……。
「もっと、強くならないとね」
「そうだね」
マッスルゴブリンの攻撃は致命傷とは程遠いが、無傷では無い。もっとも、相手が格下の相手であっても、無傷の勝利は難しい。変な相手であっても敵も必死なのだ。
他の場所でもディアボロスたちがマッスルゴブリンとの戦闘に入っている。ほどなく、勝利の連絡が来るだろう。それを信じて風花と蘭花はひとまず撤退するのだった……。
「偵察は任せきりになってしまったからな。ここからは手伝わせてもらうぜ」
「避難の時には、頼りにさせてもらったよ。おかげで事前準備は滞りなく片付いたよ」
獅子堂・崇(破界拳・g06749)とイロハ・アプリルシェルツ(神聖ならざる銀・g05555)は会話を交わしながら、目的地へと向かう。
「いよいよだね。下手をうてば、皆を避難させた事も無駄になりかねないのだから」
「ああ、気を引き締めて行こうぜ」
「そうだね、油断しないようにゆきたいわ」
崇、イロハと共に行動するのは、イル・シルディン(気ままに我がまま・g05926)。今回は、イルとイロハが発見した敵の分隊を攻撃する。
事前に二人で見つけた、迎え撃つのに適した地形で一度、身を潜める。同時にパラドクス通信を使い、仲間と連絡を取る。
「皆のタイミングを合わせて強襲だね」
「マッスルか。わかりやすい相手は頭を使って戦わなきゃいけない相手よりはやりやすいな」
「正直、偵察とかはお粗末だったけど、わざわざ此処まで見せびらかしに来ただけあって、中々の筋肉だと思うよ」
実際に見ていない崇に、油断しないように説明するイロハ。
「おう、そうだな」
少し機嫌がいいのか、マッスルゴブリンへの筋肉による相互理解に付き合ってあげるイロハだった……。
「折角だもの、踊りに付き合っていただけるかしら?」
先手で奇襲を仕掛けたのはイル。飛翔で空を飛び、注意を引きながらの強襲。
マッスルゴブリン部隊の中央に飛び込み、長槍を軸に旋回。直後に身体を軸に、槍を薙ぎ払う。単純ながらも練度の高い高速機動からの攻撃。円から円へと繋ぐ動きはまるで踊っているかのよう。
「ふんぬんふんぬん!」
そんな奇襲に、驚く様子は見せない。当たり前のように、攻撃を筋肉で耐え、そのまま筋肉をアピールするかのような雄叫びと共に、両腕を振り回す、力任せ……いや、筋肉任せな攻撃を繰り出す。
「その足が軸かしら?」
その攻撃をマッスルゴブリンの軸足を支えに、支点を取り反動を受けながしながら、再び円の動きで敵を薙ぎ払う。
「中々のマッスル!」
奮戦するイルに注目が集まり、同時にイルの踊るような動きに賞賛の断末魔が響く。
「イロハも鍛え上げた鉄拳と揺るがぬ信仰により練り上げられた神聖力があるんだよ」
イルの踊りに注目が集まる中で、接敵してきたイロハが拳を握る。
「聖なるかな。慈しみ深く力ある、三つにいまして一つになる……」
祈りの言葉と共に、聖なる力を波動に変えて、鍛えた拳に込めるイロハ。
「三位一体の神を礼拝します」
聖なる波動を込めたイロハの一撃は、マッスルゴブリンを一撃で粉砕する。
「こんなマッスルに倒されるなら本望!」
しかし、それに対して恐れるどころか、敬意の視線と共に、自身の拳を試すかのように、全力で分かりやすい右ストレートの構えを見せるマッスルゴブリン。
「ふんふんふんふん、我がマッスル!」
そのまま、馬鹿正直……いや、マッスル正直に突き出された拳に、綺麗にカウンターを合わせるイロハ。
「……マッスルの真髄を見たり!」
そのまま、聖なる波動を全身に浴び、絶命するゴブリン。
「力自慢か。なら、正面から堂々と打ち砕いてやろう」
「砕かれたなら、我のマッスルが未熟なだけだ。故に、主を倒せたなら我にも道が開こうともいうもの!」
奇襲気味に始まった戦いだったが、いつのまにか一対一のバトルになっていて、余ったマッスルゴブリン達は行儀良く観戦していた。すべての亜人がこんな訳ではないだろうが、ディアボロスたちの戦いを見て、自分のマッスルを試したくなったのではないだろうか。
「ふんぬんふんぬん!」
肩を振りながらのフェイント。そんなフェイントに一瞬、視線が揺れる崇。
「もらった、マッスル!」
その一瞬を逃さず、全力のパンチ。しかし、それこそが崇のフェイント。全力パンチを肩で受けながら懐に飛び込み連撃。
「ぐ、ぬん……」
連続の拳を受けるも、耐えるマッスルゴブリン。その筋肉は伊達ではないようだ。
「それなら、これを受けてみろ!」
しかし、そこまでは崇の牽制。本命の拳が一瞬にして六連撃放たれる。
左ジャブから右フック、左ボディフックから右のショートアッパー、フェイントを入れてからの左フックからの右のストレート……に見える我流破界拳の連撃だ。
「見事なマッスル……我、満足」
そのまま、倒れ動かなくなるマッスルゴブリン。
残ったマッスルゴブリンたちも、イロハ、崇、イルに一対一を挑み、そして全て倒された……。
「事前に説明は受けていたが、クロノヴェーダは筋肉に固執する奴が地味に多くないか?」
彼らにとっては、強者こそ正義なのだろう。故に強さを求める一つの方法として自身を鍛え、結果筋肉に固執するのかもしれない。
「……」
故に敗者たる自身は悪なのだ。故に勝者に賞賛の言葉を送りながら果てるのかもしれない。
ともかく、この分隊は全滅させた。他のチームの連絡を待ちながら、一度撤退するディアボロスたちであった……。
「鍛錬とは、実践に備えて行うものであって、それが実践に悪影響を及ぼしていては、本末転倒だと思うのですが……」
偵察で確認された亜人のマッスルゴブリンに対して、正論を吐くのはエイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)。
「ああ、暑苦しい……」
そんな亜人達に対して、静かな怒りを燃やすのはフレデリカ・アルハザード(軍勢の聖女・g08935)。亜人等クロノヴェーダに対しては冷酷非情な物々しい口調になる。それも無理は無いだろう。いくら滑稽な存在であっても、弱者である一般人に対しての傍若無人な存在なのだ。
「さぁ、遂にこの時が来たぞ!」
対して、その怒りを面に出しているのはアンディア・ラムパデス(砂塵の戦槍・g09007)。
その怒りに身を任せ、敵へ突撃していくのだった……。
「貴様らへの怒り、存分に振るい、ぶつけてやろう!」
激しい怒りのまま、敵へ突撃するアンディア。
「ふんふんふん!」
そんなアンディアを、真正面から力を込め迎え撃つマッスルゴブリン。
「これが我が怒り、我が屈辱を込めた一撃……!」
怒涛の叫びと共に、全身の筋肉に力を込めるアンディア。
「我が砂塵の槍はすべてを屠り、穿つ……!」
怒髪天を突く怒りが魔力へと変換され、その魔力は、音すらも置き去りにして、ゴブリンへと飛翔する。
「むん!」
その一撃を真正面から受け……そして粉々になるゴブリン。
「貴様らが児戯で鍛えた肉体で防ぐことなど叶わぬ!」
再び槍を構えながら咆哮を上げるアンディア。
「冷やしてやろう……」
そんなアンディアに注目が集まる中、突如背後に現れるフレデリカ。その瞳は視線だけで凍結しそうなほどの冷たい視線。
「集合し軍勢となれ、我が奇跡よ……」
静かな言葉は、亜人を黄泉へ送る死刑宣告。
「この星に偏在する大気という風よ。我が触体でその組成を書き換える事で、我が軍勢となり、敵を打ち砕け」
死刑宣告が終わると同時に、ゴブリンの周囲の大気……窒素が凝縮し液体となる。通常、窒素は気体で存在するが、それをフレデリカが大気の組成や成分を操作して、凝縮させたのだ。
「ふんぬんふんぬん!」
急激に襲われた冷却に対抗すべく、筋肉を躍動させるが、その程度で耐えられる温度ではない。ほどなく、筋肉は冷えそのまま生命活動を停止させた。
「いくら滑稽な有り様でも、一人として生きて帰すつもりはございません。お覚悟を!」
そんな強襲に、隊列を乱すゴブリンたち。そこへ、突撃を仕掛けたのはエイレーネ。
「勇者たちが進む道、その先陣を切ります」
神護の長槍と神護の輝盾を構え、ゴブリンたちの側面から突撃を繰り出すエイレーネ。
信仰が齎す加護を物理的なエネルギーに変換して超加速。
「ふんふんふんふん!」
それを迎え撃つように、マッスルするゴブリンたち。しかし、超加速するエイレーネは彗星の如く光の尾を引きながら、ゴブリンの分隊を弾き飛ばして行く。
そんな戦いを繰り広げるディアボロスたちに、新たに駆けつける玖珂・駿斗(人間の一般学生・g02136)の姿があった。
「やべぇ、何言ってるのか解らないし、何だあのむさくるしそうなの」
「言いたい事は分かりますが、今は一人として生きて帰す事はできません」
突然の援軍に、声をかけ状況を説明するエイレーネ。
「なるほど、野放しにしておくのがまずいのはわかったぜ。とりあえず、ここで数減らそうそうしよう」
挨拶代わりに、携帯式大型キャノン『アグニ』を展開させ砲撃で牽制。同時に距離を取りながら、本命の砲弾の準備をする。
「先制に依る爆撃、これでアドバンテージを引き寄せる……!」
エイレーネの突撃で乱れた敵部隊の側面を取り、再び携帯式大型キャノン『アグニ』を構える。
「焼き尽くせ、メテオダイブ!」
再び放たれた砲弾は、敵の真上で炸裂し、その周囲を爆撃する。
「確に筋肉は強い。しかし、その筋肉を持てなかったものもいる。その為に人は文明というものを築き上げ繁栄した、したんだよ」
人類は弱い者を守る為に様々な工夫をしてきた。それを語る駿斗。
「いいか、これは確かに、一見筋肉には見えないかもしれない。しかし、鉱石も星の一部だから、実質星の筋肉!」
そんな熱く語る駿斗だが、段々と言葉の意味がわからなくなる。
「つまり、筋肉なんだよ、わかるね?」
「……」
周囲から『いや、わからない』という気配が漂っている。だが……。
「ふんふんふんふん!」
「ぬんぬんぬんぬん!」
もしかしたら、マッスルゴブリンには通じたのだろうか。全身の筋肉を震わせながら、駿斗の言葉に答え……いや、やっぱり分かってないだろう。そのまま攻撃を仕掛けてくる。
「さぁ、解り合おう!」
「ふんふんふんふん!」
再びぶつかり合う流星爆撃弾(駿斗的には筋肉)と『ふんふんふんふん』。
「……どこに行かれるのですか……?」
しかし、そんなゴブリンも唐突に倒れ、首を抑えながら白い泡を吐き絶命する。
「赤子の夢を蹂躙する貴様らは、勇者の名の下に全員窒息死だ!!」
茶番に流されるほど、ディアボロスは甘くない。残ったマッスルゴブリンたちを掃討する為に、再び力を振るう。
「分厚い筋肉の鎧を打ち破りましょう!」
再び突撃を繰り出すエイレーネ。すでに、隊というほど残っていないゴブリンたち。
「穿つ……!」
最後の一体がアンディアの槍に貫かれ、灰燼と化すのだった……。
「他の仲間達も敵を全滅させたようだ」
パラドクス通信を使い、勝利の再確認を行う。これで、後はアヴァタール級のキュクロプスを倒すだけだ。
ひとまず撤退し、一度休憩を取るディアボロスたちであった……。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
【神速反応】がLV2になった!
【エアライド】LV1が発生!
【活性治癒】がLV2になった!
【水面歩行】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
【修復加速】がLV3になった!
【飛翔】LV1が発生!
【隔離眼】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV7になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!
【ダブル】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【先行率アップ】がLV3になった!
フレデリカ・アルハザード
能力値アップでWIZの能力を高め、パラドクスを強化
ダメージアップと先行率アップで先手を取り、視線を媒介とした念動力に囚われる前にディスク型の媒体をチャクラムとして飛翔しながら投擲
神速反応を使えるなら加速した反応速度で反撃の凝視拳を回避
そのままディスクに書いた『自分で自分の目を殴る』で失明させるまで自傷させ続ける
パラドクスである以上、視力を無くしてもパラドクスを起動できるかもだが…狙って損はない
どこに行くのですか…?
貴様に筋トレ等という知性体の行為を行う事は、それそのものが存在悪だと知れ!
存在する事が罪だと断じ、トドメに『自分で自分の首をゆっくりと捩じ切る』というディスクを入れる
イロハ・アプリルシェルツ
【アドリブ&連携歓迎】
アヴァタール級は別の個体だと言うのは解ってはいるんだけどさ。ちょっと前に違うキミと戦って深傷を負ったんだよね。
イロハの見込みが甘かったからなんだけど……そのままでは居られないよね?
鍛え上げた身体を持つキミと再び拳を交えさせて貰うよ。
三倍の筋肉が阻むのなら、三倍のフットワークを活用して拳打の嵐のただ中に飛び込もうか。
大切なのは視覚のみならず、風切り音に汗の匂いなど五感を研ぎ澄ませて罠や障害にも怯まず突き進み、古の聖人の如く主に祈りを捧げて突貫すること。
恐れを知った上で勇気を振り絞り、死地の中にある間合いに持ち込むべし。
其処に辿り着いたら【ゲオルギウスの聖槍】を叩き込むよ。
イル・シルディン
アドリブ・連携歓迎
残り、彼を狩ればカナンの街へ向かう道中も
ひとまずの安心を得られるのかしらね
なら、もうひと頑張りしましょうか
実際の所、貴方達の趣味には割と好意的なのよね
いくら策を巡らせようと、隙を突こうとも
最後にものを言うのは、どれだけ鍛えたかだわ
ただ、その使い方には違いがありそうで
わたしは不要な連打を仕掛ける気は無い
狙うのは、身を交わしてからの一撃
放たれるエネルギー塊を横に飛びのいてやり過ごして
地についた足に重心を乗せ、全力で踏みしめて突撃する
力に任せた槍の一突きと、鋼の様な肉体とを競わせるわ
山を駆け、木々を渡り
生きる為に鍛えられ続けた脚力が私の力よ
まあ、顔以外は美しかったんじゃないかしら?
獅子堂・崇
アドリブ連携歓迎
後は奴を倒すだけなんだが、筋トレしてるな。仕上がっている、とでも言えばいいのか?
ともあれ敵はアヴァタール級、油断していい相手じゃないな。
先手必勝、はじめから全力で行かせてもらうぞ。
空高く【ジャンプ】じ急降下の飛び蹴りを叩き込む。
例え気付かれて反撃をもらおうと、エネルギー塊もろとも蹴り貫いてみせる。
いい技だったが、鍛え方が足りなかったようだな。
西園寺・蘭花
風花ちゃんと一緒に戦うよ。
連携やアドリブは歓迎しますわ。
引き続き、ネメシス形態で15歳の姿を取りつつ、パラドクスの【肉体改造】による肉体強化も継続するよ。
「あれがアヴァタール級のクロノヴェーダ……大丈夫。やれますわ」
魔槍トライデントを手に、攻撃の隙を伺いますわ。
「風花ちゃん!」
風花ちゃんの攻撃に合わせて接近し、魔槍で【両断】する勢いで薙ぎ払うよ。
「蘭花も一緒に戦うよ!」
その後は敵の動きに集中し【神速反応】と【早業】の槍捌きで敵の拳を受け流しつつ、敵の攻撃の隙に、風花ちゃんの打撃に合わせて闘気を纏った蹴りを放ち、敵を吹き飛ばして態勢を崩させ、味方の攻撃へ繋げますわ。
「風花ちゃん!」
「今ですわ!」
御門・風花
蘭花と参加
連携アドリブ歓迎
「お姉ちゃん。私に任せて」
パラドクス発動。【呼吸法】で闘気を高め、悪魔の紋章を解放。
悪魔の翼を展開したネメシス形態に
「お揃いだね」
蘭花に微笑んだ後、敵に向き直り、魔刃双剣を逆手で抜刀
「ミセリコルデ、戦闘を開始します」
エネルギーの拳を双剣で切り裂きながら接近し、双剣を敵の足元に投擲、その隙に至近距離へ
「素晴らしいパワーとスピード」
「相手にとって不足はありません」
【神速反応】で攻撃の回避やオーラを集中させた両腕で受け流し
「腕が何本あろうと、思考する頭は一つ」
「必ず、隙は生まれます」
蘭花に合わせ【グラップル】の掌底を打ち込み【衝撃波】で敵を吹き飛ばす
「お姉ちゃん」
「今です」
エイレーネ・エピケフィシア
あのゴブリン共の頭目だけあって、確かに筋肉は仕上がっていますね
しかし、暴虐を為すため鍛え上げた肉体に、真の美は宿りません
神々や英雄の体が輝かしいのは、魂の高貴さを体現するが故と知りなさい
≪神護の輝盾≫を構えダッシュで敵に接近していきます
拳型のエネルギー塊の隙間を縫うように、≪天翼のサンダル≫が齎す速度で駆け抜け
避けきれない分の拳は盾で受け止めることで、脚を止めることなく突撃を続けましょう
敵の視線が突撃するわたし自身に釘付けになっているところで
突如として『悪鬼制する戒めの鎖』を発動
足下から生じた鎖で六腕を締め上げ、その隙に『神護の長槍』で目を突き脳まで穿つ貫通撃を!
怪物よ、奈落の底に消えなさい!
アンディア・ラムパデス
さぁ、次は貴様の番だ
その無駄に膨らんだ肉を一片残らず削いでやる……!
だが、一対一ならばこの敵が格上……ならば、食い千切る一瞬まで耐えきるまで
ああ、貴様たちに受けた屈辱を思えば戦いの中で耐えることなど何でもないことだ……!!
下手に動かねば敵の乱打も単純な連続攻撃
耐える覚悟ならば、この方が良い……痛みや傷などいくらでも食らってやろう
盾を正面に構えて、拳を受け止める構え
一撃の反撃に賭け、耐え続ける
敵の攻撃が止んだ瞬間に盾を放り投げて奴の隙を僅かでも稼ぐのと同時に踏み込む
これが我が怒り、我が屈辱を込めた一撃だ……!
至近距離からの全力投擲
その肉を穿つ……!!
「……」
アヴァタール級クロノヴェーダは、静かに鍛えられた体躯を一本の腕で支えながら、上下に身体を揺らす。いわゆる、片腕逆立ちの姿勢での筋肉トレーニング。それを三対、六本の腕で繰り返している。
「後は奴を倒すだけなんだが、筋トレしているな……」
「彼を狩れば、カナンの街に向かう連中もひとまず安心を得られるのかしらね」
「ああ、そうだな」
最初にキュクロプスに接敵したのは、獅子堂・崇(破界拳・g06749)とイル・シルディン(気ままに我がまま・g05926)。
他のディアボロスたちも、攻撃の機会を伺い、周囲に展開している。万が一にも逃してカナンへの被害が出る事は無いだろう。
「仕上がっている、とでも言えばいいのか?」
「実際の所、彼等の趣味には、割と好意的なのよね」
崇もイルも、自身を鍛える事に異論は無い。ただ、その鍛錬の使い道に大きな違いがあるのだ。彼等は蹂躙する為に鍛え、ディアボロスたちは様々な理由で鍛えている。『鍛える』という手段は同じでも目的は大きく違うのだ。
「ともあれ、油断していい相手じゃないな」
「なら、もうひと頑張りしましょうか」
奇襲は無駄だろう。キュクロプスは、筋トレをしながらも、周囲への警戒は怠っていない。
「ならば、先手必勝、はじめから全力でいかせてもらうぞ!」
戦いの火蓋を切ったのは、崇の咆哮ともいうべき覚悟の言葉だった!
崇の身体が宙を舞い、そのまま飛び蹴りを繰り出す。
「蹴り……」
気迫の言葉と共に、脚部から赤い光が放たれ、それが円錐状の赤い光として収束する。
「貫く!」
一瞬の攻撃だったはずだが、キュクロプスの動きは迅速。一瞬で逆立ちから両手で防御の構えを取り、六本の腕で崇の蹴りを全力で防御の姿勢を取る。
「……ふん……ぬぬ……ふぬぅぅぅぅぅぅぅ!!」
空中で、崇の身体が赤い円錐の光ごと止まる。その先端には、巨大な拳型のエネルギーが赤い光の円錐を抱え、防いでいた。
「……ふんぬ!」
キュプロクスは、崇の渾身の蹴りを拳型のエネルギーで真正面から受け止め、左へ受け流した。
「中々のマッスル……」
しかし、その代償は小さく無いようで、キュクロプスの左腹部に大きく抉れた傷。
「いくら策を巡らせようと、隙を突こうとも、最後にものを言うのは、どれだけ鍛えたか、だわ」
そこへ踏み込むイル。
「これで、仕留めるわ!」
崇とキュクロプスとの強烈な攻防。一歩間違えれば、巻き込まれる可能性もある危険地帯。そこへ、地についた足にじゅうしんを乗せ、全力で踏み締め突撃するイル。
「山を駆け、木々を渡り、生きる為に鍛えられ続けた脚力が私の力よ」
イルの槍が、キュクロプスを貫く!
「……!」
それも一瞬。即座に槍を引き、距離を取るイルと崇。
「鍛えているな。強いな……」
一瞬遅れれば、腹部に突き刺さったイルの槍は、キュクロプスの筋肉によってへし折られていた可能性がある。キュクロプスは、イルの一撃が避けられないと理解すると、拳型のエネルギーで致命傷だけを避け、腹部を貫かせたのだ。
「いい技だ。鍛えているのは間違い無いようだな……」
「まあ、顔以外は美しいんじゃないかしら?」
崇とイル、二人とも彼を讃えるような言葉を投げると、少し意外そうな顔になるキュクロプス。
「主らも、見事なマッスルだ」
そんな言葉に、讃える言葉を返すキュプロクス。同時に腹部に力を込め、二人から負った傷の止血を行う。
そのタイミングで、崇とイルは、一度距離を取るのだった……。
「あれがアヴァタール級のクロノヴェーダ……」
「お姉ちゃん、力を抜いて……」
初めて見る、アヴァタール級の威圧感に、少し肩に力が入っている西園寺・蘭花(トライデント・g09115)。そんな姉に、優しい声をかける御門・風花(静謐の凶鳥/ミセリコルデ・g01985)。
トループス級とは違う、威圧感。それが、彼女を緊張させるのだろう。しかし、その緊張は正しい反応。
「……大丈夫。やれますわ」
そんな風花の言葉に、静かに深呼吸してから、言葉を返す蘭花。同時に、再び自身の肉体を改造し、15歳の姿へ。
「お姉ちゃん。私に任せて」
それに呼応するように、風花も本気の姿を見せる。悪魔の紋章を解放させ、悪魔の翼を展開させる。
「……」
そんな二人のやりとりを、腕組みしながら待ち構えるキュプロクス。あえて、準備が整うのを待っているのは余裕だからか、それともさきほど受けたダメージを隠すハッタリか。
「お揃いだね」
「そうだね、風花ちゃん」
二人とも、本気の姿を見せ、互いに微笑み合う。そして、蘭花は魔槍トライデント構え、を、風花は魔刃双剣を逆手で抜刀する。
「ミセリコルデ、戦闘を開始ます!」
「トライデント、参りますわ!」
二人が同時に、キュクロプスへと突撃する。
「こい!」
それを真正面から拳を握り、迎え撃つキュプロクス。
「相手にとって不足はありません」
キュプロクスの拳を華麗に避け、伸ばした手に斬撃を二つ……いや三つ重ねる。強靭な筋肉に、三つ金属同士がぶつかったような音が響く。
「風花ちゃん!」
そこへ魔槍の鋭い突きが、放たれるも響くのは金属音。
「素晴らしいパワーとスピード」
単純な牽制だが、その屈強な筋肉は正に鎧。
「全身全霊、真正面から……」
しかし、それを承知の風花。そのまま斬撃と共に双剣を足元へと投げる。
「……来い!」
それをフェイントだと理解したキュプロクス。防御に全力を込める。
「叩き潰す!」
一瞬の呼吸と共に、全身をオーラで覆い、全力攻撃へ移行する。
「腕が何本あろうと、思考する頭は一つ。必ず隙は生まれます」
高速で移動しながらの、風花の連続攻撃。その一撃は、鋼の如き筋肉を貫き、キュプロクスにダメージを与える。
「その考えは、少々甘い……」
完全に死角からの攻撃だったはずなのに、キュプロクスの攻撃が風花を捉える。
「鍛えた筋肉は、思考するよりも早く反応する!」
いわゆる、条件反射というものだろう。鍛えた武闘家は、敵の攻撃に対して思考よりも早く身体を動かす。
そのまま、拳型のエネルギーが風花に迫る。
「風花ちゃん!」
そのエネルギー体が、蘭花の斬撃によって切り裂かれ、致命傷を避ける。
「蘭花も一緒に戦うよ!」
凄まじい早業で、キュプロクスの攻撃を捌き、振り回される六本の腕をかろうじて防ぐ。
「鷹揚自若……」
そのまま、防御の動作から流れるように攻撃へと転ずる蘭花。
「……烈風の如く」
素早い動きが、より鋭くなり、キュプロクスの身体を貫き、削っていく。
「正に烈風。ならば、我は阿修羅とならん!」
蘭花の突きは、鷹の目の如き観察眼で的確に急所を貫く。しかし、それでもキュプロクスは止まらない。
「阿修羅、六連掌!」
一瞬、深く腰を落としたかと思うと、三対六本の腕が蘭花に、変幻自在な攻撃を繰り出す。正面から正拳が放たれたかと思うと、腕を鞭のようにしならせた、裏打ちのような打撃が放たれ、同時にその体躯を生かした視界の外からのフックが蘭花を襲う。
「……っ!」
スピードを生かし、敵の動きを見切りながら避けるも、死角からの攻撃には反応出来ない。しかし、一瞬だけ肉体改造により身体の大きさを変え、無理やり避けるが、それで六連の攻撃は避けきれない。
「お姉ちゃん!」
そこへ割り込む風花。死角からの攻撃にオーラを重ねた掌底を叩き込み、反撃とする。
「風花ちゃん!」
一歩間違えば、衝突し致命的な隙を生むような、至近距離の風花と蘭花の攻防。しかし、それを為せるのは姉妹故か。
「見事なり!」
六連掌をかろうじて防ぐ二人に、キュプロクスが賞賛の言葉を投げる。
意図的に、隙のある動きで一歩、二歩と距離を取る。
「……お姉ちゃん」
「うん、風花ちゃん」
意図を理解した二人は、そのままキュプロクスに合わせ距離を取る。二人の攻防でかなりダメージを与えたといえ、このまま二人で倒せる相手ではない。今は距離を取り次の機会を狙うのだった……。
敵はアヴァタール級。密な連携が組めなければ、大人数での攻撃は逆効果になる可能性がある。
故に、連携が出来そうな人数で逐次攻撃を仕掛ける。戦争なら、逐次戦力投入など愚策の代名詞だが、この戦いは違う。敵に休息を与えなければ、ダメージを蓄積させる事が出来る。
「あのゴブリン共の頭目だけあって、確かに筋肉は仕上がっていますね」
「……」
次に攻撃を仕掛けるのはエイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)とフレデリカ・アルハザード(軍勢の聖女・g08935)。軽く言葉を交わすエイレーネに対して、フレデリカは寡黙。それは、クロノヴェーダへの怒り故か。
「しかし、暴虐を為すために鍛え上げた肉体に、真の美は宿りません」
「……意なことを言う。蹂躙こそ我らだ」
そんなエイレーネの言葉に反応したのはキュプロクス。
「蹂躙こそ、我らの美なり!」
それは、キュプロクスにとっては真理かもしれないが、ディアボロスにとっては『怒り』となる言葉。
それに反応したのは、言葉を交わしていたエイレーネではなく、フレデリカ。
「集合し軍勢となれ、我が奇跡よ……」
静かな怒りを込めた言葉と共に、手元に形成されるディスク型の『媒体』。それをチャクラムのように、手の中で回転させる。
「万象の魂魄を切り裂く情報の刃、それを成す叡智の円輪よ。我が軍勢となり敵を打ち砕け」
そのチャクラムをキュプロクスへ向かい、投擲する。
「……っむ?!」
投擲されたディスクはキュプロクスの体内に入る。直後、キュプロクスはなんと自分の腕で自分の顔面を殴り始めた。
これこそがフレデリカのパラドクス。投げたディスクに内包された情報通りの事象を齎す。今回は、自身の目を自傷するように情報を内包したのだ。
「……なるほど」
自身の拳で自身の目を殴りながらも、笑みを浮かべるキュプロクス。しかし、どうやらあの弱点に見える巨大な眼球は容易に壊れるモノではないようだ。鋼のような拳と同様の硬さをもつ眼球がぶつかり合い、金属音を響かせる。
(「視力を無くして、パラドクスを妨害できるかも……と思ったが、無理のようだな」)
そのまま、自身を殴りつづけながら、眼球がフレデリカにを凝視する。
「……っ!」
そのまま、凝視されたフレデリカは強烈な念動力によって動けなくなり、さらに彼女を締め上げる。
「神々や英雄の体が輝かしいのは、魂の高貴さを体現するが故と知りなさい」
そんなフレデリカの危機に割り込むエイレーネ。神護の輝盾を構え、ダッシュで敵に接近する。
「……知らぬな! 健全なマッスルは、健全な筋肉に宿るのだ!」
高貴な魂と健全なマッスルの衝突。実際、歴史を見れば、神の名を名乗り蹂躙した事は多い。しかし、それはエイレーネには一切関係の無い事だ。今は単純にエイレーネの求める高貴と、キュプロクスのマッスルの戦いなのだ。
「暴虐をなす者よ。直ちに足を止め、頭を垂れなさい」
そんな衝突の直後、キュプロクスの足元から、光り輝く黄金の鎖が出現し、キュプロクスを拘束し、六碗を締め上げる。
「ふんぬん!」
しかし、拘束も一瞬。次の瞬間には、黄金の鎖は引きちぎられ、周囲に煌めきだけを残し消滅する。
「怪物よ、奈落の底に消えなさい!」
しかし、エイレーネにとって一瞬の隙で十分。全力で穿つ『神護の長槍』がキュプロクスを捉える。
「まだだ!」
それを何と、首を動かし顔面を前に出す事で、致命傷を避ける。ずれた一撃は、キュプロクスの頬を削り、大量の血が溢れる。
しかし、キュプロクスは止まらず拳を振り上げ、拳型のエネルギー塊がエイレーネを撃ち抜く。
「どちらを向いているのですか……?」
その一撃は、かろうじてエイレーネの致命傷から外れる。それは、力を振り絞り投げたフレデリカのディスク。そのディスクに内包された情報は、キュプロクスの首を捻じ切る事。無理やり捻じられた首が、目標を誤らせた。
「貴様に筋トレ等という知性体の行為を行う事は、それそのものが存在悪だと知れ!」
激しい怒りと共に、キュプロクスの首を捻じ切ろうとするも、相手はアヴァタール級。
「ふんぬ!」
激しい叫びと共に、フレデリカのディスクを弾き飛ばし、首を元に戻す。
「貴様の怒り、それこそ蹂躙の意味なり」
全身に激しい傷を負うも、その顔は笑みを浮かべ、再び距離を取る。そのまま、別のディアボロスたちが待つ場所へ視線を向けるのだった……。
「アヴァタール級は別の個体だと言うのは解ってはいるんだけどさ」
そんな言葉を投げかけるのはイロハ・アプリルシェルツ(神聖ならざる銀・g05555)。
「ちょっと前に、違うキミと戦って、深傷を負ったんだよね」
「……なのに、我の前に立つか……」
「そう。深傷を負ったのはイロハの見込みが甘かったからなんだけど……そのままでは居られないよね?」
「なるほど、よりマッスルであろうと……」
「だから、鍛え上げた身体を持つキミと再び拳を交えさせて貰うよ」
「こちらも、望む所なり!」
無論、以前に戦った事など知らぬキュクロプス。はっきり言えば、イロハの言う言葉の意味は正しく理解していない可能性が高い。しかし、イロハが挫折し、それを乗り越えようと自分の前に立っている事は理解した様子。
拳を握り、真正面から迎え撃つ。
「聖なるかな。あなたが創造なさったすべて、地、空、海、あなたが御名を賛美します」
静かな祈りの言葉と共に、体格差のあるキュプロクスの真正面に立つイロハ。
「阿修羅……六連掌!」
先手を与え、拳打の中に勝機を見出そうという覚悟に、キュプロクスが答える。
キュプロクスに三対六本の腕が、変幻自在の攻撃を繰り出す。
それを、視覚のみならず、音や匂いなど五感を研ぎ澄ませ、避け続けるイロハ。
一度の攻防で、五つの風切り音が響く。
「……見事!」
自身の攻撃を避けられ、感嘆の声を上げるキュプロクス。全て避けた訳ではないが、全力の攻撃を耐えたイロハ。
(「恐れを知った上で、勇気を振り絞り、死地の中にある間合いに持ち込むべし!」)
祈りを捧げながら、最後の距離を詰める。同時に放たれた一撃はキュクロプスの筋肉鎧を打ち砕く一撃となる。
「だが、我はまだ生きている……」
もう一撃受けては致命傷となる。それを理解し、一度距離を取るキュクロプス。追撃に踏み込もうとするイロハだが、その足を止め最後を譲る。
イロハの覚悟は達せられた。深傷の負目はもう無い。
「後は任せます」
そう言って、距離を取るイロハだった……。
「次は我の番だ」
静かに、瞳に怒りを滲ませながら、最後に現れたのはアンディア・ラムパデス(砂塵の戦槍・g09007)。
「その筋肉を一片残らず削いでやる……!」
「猫が! 我に牙を剥くと言うのか!」
威嚇するように声を上げるキュプロクス。しかし、それに怯むようなアンディアではない。
(「だが、この状況であっても、この敵が格上……」)
ディアボロスたちが繋いだ鎖の力を持ってしても、アンディアが勝利するには一歩足らない。
(「ならば、食い千切る一瞬まで耐え切るまで!」)
勝機の一瞬に全てを賭ける為に、静かに力を溜める。
「我が砂塵の槍……」
槍に力を込めるように、強く握りながら一歩、また一歩とキュプロクスへと近づく。
「……猫……いや、敵よ。我が拳の血飛沫となれ!」
アンディアの覚悟に応えるように、拳を振り上げる。
「阿修羅六連掌!」
力を溜めるアンディアに攻撃を繰り出すキュプロクス。縦横無尽に六本の腕が攻撃を繰り出す。
「……」
それを盾を構え、無言で耐えるアンディア。
(「ああ、貴様たちに受けた屈辱を思えば、戦いの中で耐えるなど、何でもないことだ
……!」)
暴風の如き、凄まじい連撃を下手に動かず防御に徹するアンディア。
(「この方が良い……痛みうあ傷などいくらでも食らってやろう!」)
盾は途中で吹き飛び、受ける腕は殴打により痛々しい色を見せる。
(「一撃の反撃に賭け、耐え……」)
しかし、キュプロクスの攻撃はアンディアの読みを超えていた。単純な連続攻撃などではない。縦横無尽の攻撃に、アンディアは大きく吹き飛ばされた。
「止めだ!」
さらに踏み込み、拳を握るキュプロクス。その拳を受ければディアボロスとて無事では済まない。
「悪いが、乱入させてらもらう」
そこへ割り込んだのは崇。キュプロクスの必殺とも言える拳を真正面から受け止める。
「お姉ちゃん!」
「風花ちゃん!」
崇が止めた瞬間に、蘭花と風花の一閃がキュプロクスの足を削る。
「それ以上はさせません。再び奈落の底へと消えなさい!」
エイレーネが、足元から鎖を出現させキュプロクスの腕を縛る。
「あなたの御名を賛美します」
「仕留めるわ」
イロハとイルが、エイレーネの作った隙を狙い、鋭い一撃を放つ。
一瞬の連携は、ディアボロスだから出来た奇跡の連携。それが、はじめてキュプロクスの膝を折る。
「……」
しかし、それでも顔は上げる。そんなキュプロクスの視線の先では、吹き飛ばされたアンディアが槍を手に、再び立ち上がっていた。
「これが、我が怒り、我が屈辱を込めた一撃だ……!」
殴打により、動かすだけで激痛が走る腕を無理矢理動かし、槍を構える。
「……穿て!」
全身に感じる痛みをも力に変え、投げた槍はキュプロクスへと飛来する。
「まだだ!」
エイレーネの鎖を引きちぎり、立たぬ足は無視し、拳で地面を殴り身体を起こし、残った腕でアンディアの槍に拳を振り上げる。
「そのまま動くな!」
しかし、振り上げた拳は、そこで一瞬だけ止まる。フレデリカの投げたディスクが、キュプロクスの動きを阻害したのだ。
「……」
そんな攻防は、刹那の出来事。次の瞬間には、激しい飛来音と共に、キュプロクスを貫いたアンディアの槍が荒野に突きささる。
「……見事なマッスル」
最後の断末魔は、相変わらずの意味不明。そのまま、爆発し塵一つ残さず消滅した。
ディアボロスたちの勝利だ!
最後の一撃に、全力を使い果たしたアンディア。彼女は、エイレーネに抱えられ帰路に付く。
キュプロクスの堂々とした戦いに、敬意を払うディアボロスもいる。しかし、そもそもこのキュプロクスは何をしにここに来たのか覚えているのだろうか。
出会った時にも、筋トレをしていたし……。そういう意味では、やはりあまり頭が良いタイプでは無かったのだろう。
ともかく、ディアボロスたちは勝利し、カナンの地を守る事が出来た。
しかし、蹂躙戦記イスカンダルの攻略は始まったばかりだ。カナンの地をより安全にする為に次の作戦への動きも出ている。
しかし、ひとまずはこの勝利を手に帰還するディアボロスたちであった……。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【飛翔】がLV2になった!
【避難勧告】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【落下耐性】LV1が発生!
【神速反応】がLV3になった!
【エアライド】がLV2になった!
【傀儡】LV1が発生!
【修復加速】がLV4になった!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV5になった!
【能力値アップ】がLV10(最大)になった!
【反撃アップ】LV1が発生!