リプレイ
フレデリカ・アルハザード
最終人類史は技術力が凄まじいですね
これならば、亜人共の脅威から人々を救える……!
産婦人科にマニュアルを貰い、野営用の物資と自宅出産用の物資を以て出撃
赤子に影響のない特製の鎮痛剤をムナーに打ち、痛みを紛らわせて安静にさせます
その後は血液検査をして適合する血液型のパックでムナーに輸血を行います
水は赤子の為に適温にし、布も清潔な布……京都の機織り職人と学者が考案してくれたイスカンダル用の排斥力に排除されない特製の布です
純粋な消毒用のアルコールにペットボトルの水を水瓶に注ぎ確保
保存食として乾物を持ち込み、食を確保していく
これらは出来る限り、アイテムポケットで積んでいきます
相原・相真
こんな過酷な場所で子供を産むって、何ていうか、すごいことですよね
だったら、俺も少しでも力になりたいです
集落に向かい冒険者を名乗り接触
「俺たちは冒険者。貴方がたを助けるため、ここへ来ました。お手伝いをさせてもらえますか?」
必要ないかもですが、獣人や亜人に間違われそうな方についても仲間であるとフォロー
受け入れてもらえたら【平穏結界】を使用したうえで色々準備
必要な道具や排斥力に引っかからない食料など見繕い新宿島から持ち込み
…とはいえ出産なんて関わったこともないし何ができるやら
産湯などに使えるようお湯沸かしたりとか?
あとは指示を貰いながら準備をしましょう
…しかし、やっぱりこういう時女性は強いなぁ…
ナディア・ベズヴィルド
使える残留効果は全て使用
お産の苦しみは知っている、だからこそ力になりたい
私達は冒険者だと名乗り【友達催眠】で納得して貰いましょう
【アイテムポケット】に産湯に使う水と、赤ちゃんに飲ませるヤギ乳も少々
産着や清潔な布をたくさん詰めていき
手の空いている人にお湯を沸かしてもらう等お産準備の指示を出す
体力の落ちているムナーさんに活性治癒を施し乍ら声を掛け励ますわ
頑張って、貴女も苦しいだろうけど赤ちゃんも生まれ出ようと頑張っている
あと少しよ、大きく息を吸って――いきんで…!
無事に産まれたら産湯で綺麗にして母になったムナーさんに抱かせよう
おめでとうございます
満天の空に願いを込めて
煌めき星よ、新たなる命に祝福を
ジズ・ユルドゥルム
…ムナーは不安だろうな
いつ終わるとも知れない苦痛に苛まれ
産んだとしても全員が無事に育つわけじゃない
お産の補助は他の仲間に任せよう。特にナディアは経験者だ。
私は、産むところまで経験していないからな
産後はすぐ子育てが始まる。
赤ん坊だけでなく、ムナーが栄養を付け、それを赤ん坊に分け与えられるよう
【口福の伝道者】で赤ん坊が口にする飲料や、大人用に保存の効く様々な食糧を増やす
彼女の夫にも、今は亜人は来ないと声を掛け安心させたい。
お産に集中して、赤ん坊が生まれたら抱いてやってほしい。
父親になる、第一歩として。
お産が落ち着いたら
可愛い赤ちゃんの顔を見て、言葉をかけよう。
「生まれてきてくれてありがとう」と。
クィト・メリトモナカアイス
んおぉぉぉ……!?
どうしよう。
んむ、こういう場合は。任せた。
お産の詳細な手伝い方法とか指示はナディアたちに任せた。
我に頼られても我は困る。
というわけで我は隠れ住んでる人たちとのお話と、指示を受けて色々動くの担当。
んむ、我らは亜人でもないし、猫耳族でもない。
どういう立ち位置かを説明するのは難しいけれど。たぶん汝らの言うところの「冒険者」。我らは亜人に抗うためにいる。
【クリーニング】を使い、環境や他の人が取ってきた水を清潔にしつつ、使用済みの布などもどんどん綺麗にしていく。
地面は綺麗にできぬので、代わりに布を贅沢に使っていこう。
布を布団のように敷いて、その上に寝かせて出産をさせる。
エイレーネ・エピケフィシア
……槍によって解決できない問題とは、なんたる難事でしょうか
それでも知恵を絞って、ムナー様とお子様の未来を護る助けを!
猫の耳と尾は頭巾と服に隠して集落へ
我々がイスカンダルの軍と戦い、人命を護る集団である旨を皆様に伝えます
かつての「勇者」たちが、そうであったように
さて、お産の手伝いですが……正直、わたしには全く心得がありません
なので【悲劇感知】を用いて、出産の際に想定されるリスクを探ります
悲劇が起きると、親と子のどちらが亡くなるか、どういう理由でそうなるか
少しでも分かれば動きやすくなるはずです
後は水汲み等の雑用に徹します
エイレイテュイア(※ギリシア神話の出産の女神)様、どうか彼女にお力添えを……!
ディアナ・レーヴェ
【平穏結界】使用
(遠くからミルクや暖めた蜂蜜の器を見せ)
私達は人間――冒険者、よ
新しい命の誕生を助けたくて来たの
近づいて構わない?
(ムナーの唇に蜜を運び)
声は…そうね、出さない方がいいわ。力が抜けちゃう
息、吸って。で、力入れる時に息止めてぐーってしてね
…視線は、どこだったかしら…そう、確かお臍の辺りを見ればいいのよね
(話しながら重ねた布で急ぎ環境を整えたら、後は平穏結界ごと仲間に託し、私は産後の住処探しを手伝う/【地形の利用】)
(警戒の手も足りそうなら父親に)
ほら、交代よ!
あなたも傍に居てあげて?
(産まれたら――ただ目を細め、赤ちゃんを見つめ。血の匂いをクリーニングして、新しい住処へ案内ね!)
●一つの命
鬱蒼とした森へと踏み込んだディアボロス達は、隠れ住む一般人を見つけるべく捜索を始めた。
「……槍によって解決できない問題とは、なんたる難事でしょうか」
今まで様々な復興支援があったが、住処となる拠り所がない相手に行うのは中々大変だ。
エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)は、それでも知恵を絞って、ムナー様とお子様の未来を護る助けをと、猫の耳と尾を頭巾と衣服の中に隠し、悲劇感知を使った。
この森のどこかに彼女達は今も潜み、迫る命の危機と対面している状態だ。
ならば、その悲劇を察知すれば彼らの居場所も分かるというもの。
悲劇の発生する場所に流れる、ディアボロスにだけ聞こえる悲しみの歌を頼りに急いだ。
亡くなる可能性が高いのは母親。次に赤ん坊。
産後の体力不足と、衛生面が主な理由だ。
そんな悲劇の未来は、起こさせない。
その正面に、槍が突き付けられる。
動揺と怯えを露わに、アーキルは家族と新しい家族を護ろうとしていた。
「俺たちは冒険者。貴方がたを助けるため、ここへ来ました。お手伝いをさせてもらえますか?」
「んむ、我らは亜人でもないし、猫耳族でもない。どういう立ち位置かを説明するのは難しいけれど。たぶん汝らの言うところの『冒険者』。我らは亜人に抗うためにいる」
冒険者だと名乗る相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)とクィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)の言葉に、アーキルは驚愕した。
「あ、あんた達、生き残りなのか?」
だがと警戒の色露わにその視線が見つめるのは、ナディア・ベズヴィルド(黄昏のグランデヴィナ・g00246)の姿だ。
妖狐の耳とその尾は、獣の姿を、亜人を彷彿とさせる。
その警戒を解くように、友達催眠を使い真摯に話しかける。
「ええ、そうよ。私達は冒険者。そして私は、あなた達の力になれるわ。お産の苦しみは知っている、だからこそ力になりたい」
途端アーキルは、助けを求めナディアに駆け寄った。
「頼む、助けてくれ。知識としては聞いているらしいんだが、誰も知らないんだ」
実際に経験した女性は居ない。出産すれば殆どの女性は亡くなってしまう。今いるのは、蹂躙を逃れた年若い者ばかりなのだと。
「大丈夫よ。私達は、新しい命の誕生を助けたくて来たの」
手助けするとなれば、まずは平穏結界を。彼を落ち着かせながら、ディアナ・レーヴェ(銀弾全弾雨霰・g05579)は、その場を外から把握されにくい空間に包み込んだ。
そこに相真が結界を重ね、これで空間の外から中の異変に気付かれる確率は更に半減する。
簡単な囲いの内より痛いと叫ぶ女性の声が聞こえる。
結界が間に合って良かったと思うほど、大きく苦しそうな声だ。
相真とアーキルが、驚いてる中、直ぐに動いたナディアに続き、女性陣はどんどん囲いの内へと入っていく。
「お産の補助は任せて大丈夫だ。特にナディアは経験者だ。私は、産むところまで経験していないからな」
安心しろとジズ・ユルドゥルム(砂上の轍・g02140)は、動揺するアーキルを励ます。
「父親になるのだろ。今は亜人は来ない。お産に集中して、赤ん坊が生まれたら抱いてやってほしい」
ジズの言葉に、覚悟したようにアーキルは唇を強く結んだ。
だが彼の不安も分かるのだ。
(「……ムナーは不安だろうな。いつ終わるとも知れない苦痛に苛まれ、産んだとしても全員が無事に育つわけじゃない」)
この劣悪な環境、危険との隣り合わせ。まさに決死の出産といえよう。
「待っている間、これで赤ちゃんの寝床を用意して貰えますか? 京都の機織り職人と学者が考案してくれた特製の布です」
この時代にあった素材で作った清潔な布をアイテムポケットから取り出し、フレデリカ・アルハザード(軍勢の聖女・g08935)はアーキルに預け、野営道具は相真に託した。
中に入るわけにはいかない男二人は託された物を眺め、互いの姿に軽く緊張を和らげる。
こういう時、独りだったら心細かったとこだが、相真が居てくれたことがアーキルの助けになった。
どちらも出産になんて、関わったことはない。こういう時、いったい何ができるのか。
ほぼ待つだけになるのだろうが、同じ立場に誰かが居るのは心強い。
「準備をしましょうか。……しかし、やっぱりこういう時女性は強いなぁ……」
母は強し。女性は、生まれた時から母性を持っているらしい。
囲いの中では、既に緊迫した状況が広がっていた。
ムナーと彼女を支える、同じ年頃の女性が二人。それと、更に若い少女が一人。
たった四人。それが、この集まりの女性の人数だ。
まず最初に目についたのは、苦しむムナーの姿と出血。
もう出産は、始まっている。
「んおぉぉぉ……!? どうしよう。んむ、こういう場合は。任せた」
ひとまず清潔に保つのは大事と、クィトはクリーニングだけは早めに発動させて。
フレデリカが読み込んできた産婦人科マニュアルから、こういう医療の間にあってない時の出産方法の説明を受けていたので、それに合わせ一斉に動き出す。
膝立ちの姿勢で、重力で子供を降りさせ産む方法があるという。彼女達も、それを分かっており木に掴まって姿勢を保とうとしていたのだろう。
だが体力が、追い付いていない。活性治癒をナディアは使い、ディアナはムナーに声をかける。
「聞こえるかしら、大丈夫よ落ち着いて」
ずっと聞こえていた悲劇の歌がやんでいく。
恐らく、ディアボロスが到着し助かる状況が整ったのだろう。
「地面は綺麗にできぬので、代わりに布を贅沢に使っていこう」
使用済みの布も、直ぐにクリーニングで綺麗にして。
アイテムポケットからナディアが取り出した水を沸かして大きな桶に用意したり、他の道具や衣服類を用意したりと、指示を貰ってクィトとエイレーネは忙しそうに準備していく。
水は飲めるか、蜜は口にできるか、確かめながらムナーの口へと運び彼女を見る。
ディアナよりも、少し年若いのだろうか。それでもきっと彼女が最年長のようで、どれだけこの場が不安だったか察せられる。
痛いと苦しむ声に、仲間も手伝い腰をさすり、声をかけて。
「声は……そうね、あまり出さない方がいいわ。力が抜けちゃう。息、吸って。で、力入れる時に息止めてぐーってしてね」
一息吐くと、身体は緩む。浅い息をすると赤ちゃんも苦しくなるから。
「ムナー、あなたの気持ち赤ちゃんもお産も楽にするのよ。……視線は、どこだったかしら……そう、確かお臍の辺りを見ればいいのよね」
「最終人類史は、技術力が凄まじいですね……」
最終人類史で自宅出産というのも珍しく大変なことだが、その道具は充実している。せめて清潔な布を多く用意し、この周囲の環境を整え、使える自宅出産用の道具を用意したら、後は産後の準備。
体力の落ちているムナーを安心して休ませる必要もあるだろうし、何より亜人の犠牲者を増やすつもりはない。
「他の住人は、次の居住地を探しているのよね」
そちらの手伝いにと、ディアナは囲いの外へ。
地形の利用を活かし、良い場所させ見つけられれば、後は持ち込んだ野営道具やその応用で、十分な居住地を作ることができるだろう。
「ほら、交代よ! あなたも傍に居てあげて?」
そろそろ、中の状況も佳境だ。
痛い、痛い、痛い。
何とかあまり声をあげないようにしてるようだが、叫び声も強まっている。
水が出たと慌てる誰かの声と、破水よと説明するナディアの声が中から聞こえる。
アーキルの背を、ディアナは押してやる。
「こんな過酷な場所で子供を産むって、何ていうか、すごいことですよね。俺も少しでも力になりたいです」
この場は任せてくれと相真も、アーキルに中へ行くようすすめる。
囲いの中は、まさに佳境。
アーキルは言われるまま、赤ちゃんの寝床を置き、ムナーのそばへ。
「頑張って、貴女も苦しいだろうけど赤ちゃんも生まれ出ようと頑張っている」
ナディアがムナーを励ます。苦しいのは彼女だけではない、赤ちゃんも必死に戦っている。
ムナーの痛みはお腹から下へと、下がってきていた。
「赤ちゃんが降りてきます。しっかり受け止めてください」
フレデリカの言葉に慌てたように、アーキルが手を差し出す。
(「エイレイテュイア様、どうか彼女にお力添えを……!」)
エイレーネは、彼女の知る出産の神に祈った。
周囲の誰もがムナーを安心させようと声をかけ続けた。
「あと少しよ、大きく息を吸って――いきんで……!」
ナディアの言葉で、ムナーは身体に力をこめた。その瞬間、アーキルの手に、何かが触れる。
「あ、頭、頭だ!?」
焦るアーキルにそのまま受け止めるよう声をかけ、ムナーが渾身の力でいきんだ。
痛みが下りていくのと同時にアーキルの腕の中に、赤ちゃんが降りる――。
泣かない。産声を上げない赤ちゃんに、ディアボロスの間に緊張がはしる。
やがて、弱々しく控えめに小さな声を赤ちゃんはあげ始めた。
「おめでとうございます」
喜ぶ二人と、住人達の様子にナディアは嬉しそうに、優しい眼差しでその光景を見つめた。
おおと、あまり表情に出ないクィトも驚いたように、その小さな命を産湯とクリーニングで綺麗にする手伝いをし、直ぐに柔らかい布で包みあたたかくしてあげる。
これで血の臭いも消えるだろうから、獣に狙われる可能性も減るだろう。
ナディアは身体を休める為にあつらえた、布団代わりの場所に身体を横たえたムナーに赤ちゃんを抱かせた。
赤ちゃんが小さく口を動かすのを見れば、ジズが口福の伝道者で増やしておいた山羊乳を差し出す。
ムナーの体力では、きっと母乳は間に合わないだろうと用意していたものだ。
今後の為に、母体が栄養を付けれるものや、保存のきく食料もしっかりと増やしてあるが、まずは赤ちゃんから。
山羊乳を浸した布を指に巻き差し出せば、小さな口で赤ちゃんは必死にそれを飲む。
これできっと、この場は大丈夫。
「生まれてきてくれてありがとう」
必死に生きようとする赤ちゃんの可愛らしい姿に、ジズは表情を綻ばせた。
森をかけ、他の住人達と戻ってきたディアナも相真も、囲いの中に迎えられ赤ちゃんの姿に、優しい表情を浮かべる。
後は、落ち着いたら見つけた新しい拠点へ移動してもらえばいい。
今はただ、新しい命に感謝をとナディアが思い出すように目を細める。
「満天の空に願いを込めて、煌めき星よ、新たなる命に祝福を」
彼らの未来が良きものになりますように――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【平穏結界】LV2が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
【悲劇感知】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV2が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【凌駕率アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
相原・相真
出産が落ち着いたところで情報収集といきましょうか
こちらにいらっしゃる方でなるたけ昔のことについて詳しい方に話を聞きます
俺が聞きたいことは「勇者について」
かつて冒険者とともに亜人と戦っていたという勇者
どんな姿だったか、どんな力を使っていたのか、一緒に戦っていた冒険者とは何が違っていたのか
小さいことでかまいません、わかることを教えてください
勇者や冒険者がかつてのディアボロスだっていうならいい
でももしかしたら、勇者が断片の王で冒険者が亜人と敵対していたクロノヴェーダだ、なんて可能性もある
俺たちが知っていることはあまりに少ないんだから、
色々考えてみるのは悪いことじゃないはずです
●失われた者
出産が落ち着き、新しい住処に移る準備を男衆は始めた。
それも6人程の男性に2人の少年、それから3人の女性と1人の少女。それがこの集まりの全て……いや、先程1人女の赤ちゃんが増えたか。
相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)は、彼らの準備を手伝いながら、年配の者に話しかけた。
年配と言ってもほんの恐らく二十代後半ぐらいだろうか。とても若い集りだ。
「ちょっと耳にしたんだが、かつて冒険者とともに亜人と戦っていたという勇者って、どんな姿だったんですか?」
「ああ、勇者か。実際に見た事は無いから、聞いた話になるんだが」
そう前置きして、彼は言う。
「冒険者の中で、特に凄い奴が勇者と呼ばれていたらしい」
伝承、噂話。そんな類で、勇者や冒険者を本当に知る者は恐らくいないだろうと言う。
こうして冒険者だという相真達に助けて貰ったことが、奇跡のようなもの。実在したんだと驚いているくらいだ。
「どんな力を使っていたのか、一緒に戦っていた冒険者とは何が違っていたのかとか。小さいことで構いません、分かる事を教えてください」
「そんな事言われてもな、あんた達に会ったのが初めてだし。冒険者は皆そういう強い力を持っているんだろ」
そこまで言って、男は少し考える。
「違いは、きっと、強さだな。勇者は物凄く強かったんだろうな」
だがそれも殺されてしまった。亜人の王に勇者は殺され、残った冒険者も全て殺された。それが伝え聞く全て、具体的な話は伝えられていないようだ。
この様子だと、運良く老人の人間を見つけたとしても、勇者や冒険者について、これ以上知る者はいないのではないだろうか。
(「勇者や冒険者がかつてのディアボロスだっていうならいい。でも、もしかしたら……」)
情報は少ないが、そこから推測して動くことは出来るだろう。
大成功🔵🔵🔵
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
エイレーネ・エピケフィシア
ムナー様とお子様は試練に打ち勝たれました
次はわたし達が、集落の皆様を護るために勝利する番です
敵がどんな姿をしていようと──幼い命を脅かす者なら、討ちます!
(かわいい敵を殺す覚悟を固めるように、強く槍の柄を握り込む)
≪神護の長槍≫と≪神護の輝盾≫をそれぞれの手に持ち【飛翔】
空中の敵群に向けて突撃し、『嵐怒旋舞斬』を仕掛けます
小さな的を狙って突き刺しては、柄を回して穂先を深くねじり込み
腹から背を穿つ貫通撃でトドメを刺します
……ッ、惑わされるな、わたし……!
赤子のように丸く可愛らしくても、あれは侵略者……!
勇気と殺気で惑いを塗りつぶし、冷徹に処理を
反撃の急降下は盾で受け、深手を避ける立ち回りをします
クィト・メリトモナカアイス
よ、よかった……んむ、とても大変……すごいと思う。
近くで戦うわけにはいかぬし、出産のフォローが終わったらモフィンクスたちを迎え撃ちに行く。
我が思うに。
信仰とは結果なのだと思う。
それに行きつくには色々な道がある。苦しんでいるところを救われるとか、死への恐怖を取り払うとか。
汝ら道を選ばぬ者。汝らは寄る辺として不適である。
というわけで。
獣神王朝のあいどるはどちらか、じんじょうにしょうぶ。
我はかわいいモナカ突撃型を召喚。
これぞもふもふ対すべすべの決定戦。
もふもふにも負けず、かわいさにも負けず。我のモナカのゆるかわを見るがよい。「突撃のペルシャ」でモフィンクスたちをふっとばす。
我のモナカがなんばーわん。
●可愛い敵・前哨戦
控えめな声で母を呼ぶ赤子の声に、安堵したディアボロス達は、迫る脅威を迎え撃つべく海岸の方へ向かっていた。
「よ、よかった……んむ、とても大変……すごいと思う」
「ムナー様とお子様は試練に打ち勝たれました。次はわたし達が、集落の皆様を護るために勝利する番です」
中々遭遇することの瞬間に立ちあい、まだ胸の奥の方が熱くなっているかのようだ。
クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)と、エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)の声は、まだ微かに上ずっってる。
「近くで戦うわけにはいかぬ。モフィンクスたちを、迎え撃ちに行く」
過酷な状況で生きる人達に、必死に生きようとしている小さな命を危険に晒すわけにはいかない。
「敵がどんな姿をしていようと──幼い命を脅かす者なら、討ちます!」
聞いた話では、つぶらな瞳に魅惑のもふもふボディ。
ふわふわと浮かぶ大量の『モフィンクス』。
「モキュー」
「モフッモフー」
お互いに押し合いその弾力で弾かれたり、離れまいと掴み合ってむぎゅっとなったり。
20数匹はいるのではないだろうか。ディアボロスに気付いた群れは、左右に分かれ一斉に飛び掛かって来た。
「我が思うに。信仰とは結果なのだと思う」
クィトが、周囲にふよふよと浮かばせるのは〈浮遊球形ガジェット『モナカ』突撃型〉。愛らしい猫耳・猫尻尾付き球形のガジェットだ。
「それに行きつくには、色々な道がある。苦しんでいるところを救われるとか、死への恐怖を取り払うとか」
作り変えられた。
それこそ全てを一度無にして積み上げたものを無かったことにして、最初からまるでそうであったかのように。新しいペンキで元の色が分からなくなるように、隙間なく塗り潰すが如く。
「汝ら道を選ばぬ者。汝らは寄る辺として不適である。獣神王朝のあいどるはどちらか、じんじょうにしょうぶ」
訴えかけるように、うるうるとつぶらな瞳を向けるモフィンクスに、モナカを差し向けた。
エイレーネは覚悟を固める様に、強く〈神護の長槍〉の柄を強く握りこみ、〈神護の輝盾〉を正面に構えた。
パタパタパタ。
一斉に、モフィンクスたちは上昇していく。
「かわいい見た目だからって揺るぎません……ッ、惑わされるな、わたし……!」
地を蹴り飛翔し、真っ直ぐ群れを突き破るよう槍を前に。
「吹き寄せる刃の嵐の前に、散りなさい」
群れに飛び込み振るう『嵐怒旋舞斬(イー・オリギ・ティス・カテイギダス)』は、すれ違いざまにモフィンクスの小さな身体に斬撃を浴びせていく。
何だか毛刈りをしているようで、複雑だ。
キャー、ワーと大げさに騒ぎながら、斬撃から逃れたモフィンクスらは急降下突進する。
ぽふん、もふん、ぽすっ。
勢いと衝撃はあるものの、魅惑的な長毛の弾力と音が響く。
「赤子のように丸く可愛らしくても、あれは侵略者……!」
容赦なく、獲物を狩猟するようにエイレーネは長槍を突き刺した。こうなっては『モコモの翼』も力及ばずか。
「もっふぃー」
「もきゅきゅ」
群れて本当に攻撃するのと言いたげに『ウルウルの目』で見つめてこようとも、心は動かない。
可愛さならモナカの方が上。
「これぞもふもふ対すべすべの決定戦」
滑らかな動きで、高速旋回するモナカはたちまち竜巻を作り出し、モフィンクスらを『突撃のペルシャ』に巻き込んでいく。
集団で行動するモフィンクスに囲まれると厄介だが、こうして纏めて捉えてしまえば個々の力は大したことない。
ふわふわぐるぐる。勢いよく振り回されて。
「もふもふにも負けず、かわいさにも負けず。我のモナカのゆるかわを見るがよい」
勢いよくモフィンクスらを、吹っ飛ばし、小さくてふわふわな身体は遥か彼方へ。
白いふわふわの毛を散らしながら、モフィーと悲しそうな声尾を残し消えていった。
「うむ。我のモナカがなんばーわん」
隣にふよふよ浮かぶモナカも、どことなく誇らしげに見えた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
【クリーニング】がLV2になった!
効果2【先行率アップ】がLV3になった!
ジズ・ユルドゥルム
おやおや。相変わらず宗教押し売りに精を出しているようだな、バステトよ。
産褥婦のいる家庭に押しかける者は
死をもって償わされると故郷で教わらなったのか?
幻影の子猫も悪くないが
新生児の可愛い泣き声を聞き、あのちいさな手を見た後では
あまりそそらんな。
「蛛網の糸」を起動。
猫と言えば毛糸玉だ。
毛糸じゃないが、糸で玉を作って周囲の猫達に向かってコロコロ転がし、
転がる玉を追わせて私の近くや射線から離させたい。
さすがに本体は糸玉では遊ばんか。
仕方ない、私が遊んでやる。
生命力の糸を束ね攻撃を受け止めつつ
敵を糸でくくって速やかに焼き切ろう。
…ああ、そういえば
赤ちゃんの名を聞きそびれたな
聞く機会があればいいが
ナディア・ベズヴィルド
なんだ…猫か。
と済ませられるわけがない、貴様か猫…じゃなくてバステト・メル
普段なら可愛い、きゃーネッコちゃーんと言うだろうが今回ばかりはしないぞ
思い切り迷惑行為だ、産後間もない母親にストレスを与えてはいけない。
押しかけ宗教勧誘者は死すべき
邪魔な猫たちは【トラップ生成】で大量の猫のおもちゃを出して罠にかけよう(ぴちぴち暴れる魚型のおもちゃをぽい)
妨害はこれでできまい
あとはちょこまかと動く貴様を捕えてくれよう!
影の鎖を解き放ちバステトを捕縛し仲間の攻撃が後に続くようにサポートを
此処を片付けたあと、名前を聞きに行く時間があればいいわね
もう一度、赤ちゃんの顔を見たいな…
エイレーネ・エピケフィシア
バステト女神……家庭と子供の守護神と伝え聞きます
あなたはその聖名を騙りながら、懸命に生きる家族を食い物にするのですね
──最低、です
神の名を騙る傲慢への怒りで勇気を滾らせ、≪神護の長槍≫と≪神護の輝盾≫を構えます
懐で暴れる猫はダッシュで振り落とし、そのまま突撃を!
投げナイフを盾で受け止めダメージを抑え、猛然と突き進みます
猛進の勢いのままに『奮い立つ正義の一閃』を発動
槍の穂先から光の刃を発し、相手の予測よりも少し早く突きを届かせてやりましょう
罪深き僭称者よ、奈落<タルタロス>の底へと消えなさい!
戦闘後、時間があればムナー様のご様子を伺います
産褥の危機はまだ去っていませんから、無事を確かめたいのです
ディアナ・レーヴェ
(赤ちゃん、可愛かったなあ)
(でも)
(…何だろ?なぜか胸がザワついた。不安定な心地)
ま、ともかく!
ね。人がどうして、猫みたいな丸っこくて小さな生物を可愛く感じるか知ってるかしら?
赤ん坊を連想するからですって!
…ふふっ可愛いわ。猫ちゃん、赤ちゃん――
(懐に現れた猫に一瞬唇を綻ばせる、が)
でも、ここは戦場で、あなたは敵だから
(――低く呟く。決意する。私は可愛い物が本当に心から大好きで愛しい、けど)
(私は以降、子猫への気遣い愛情一切見せない覚悟で動く。乱暴は凄く胸が痛むし撫でたい愛でたいけど私戦場だとこうするしかないの、ごめんね?)
猫を投げ渡す動きで怯ませ、その隙に鎌の軌道の内側に強引に押し入り攻撃
ディミトラ・ディミオス
油断させて狩る
隙をついて狩る
奇遇ですね、あたしと同じ
でも、蹲ってお腹を見せるのは
あなたの方が似合うと思います
因縁をお持ちの人もいるみたいですから
戦いに集中してもらえるよう補助を主に
現れる猫達を蹴散らし引き剥がし放り捨てます
猫の喧嘩は目を逸らしたら負け
きっちりしっかり睨みを効かせて
二度と寄り付かないようにしてやります
邪魔な猫排除に駆け回りつつ
気を逸らす一助になれば幸いと
隙があればバステト・メルにも攻撃します
あたしなんかに注意を向けて良いんです?
ここはあなたの縄張りじゃありませんから
一瞬の判断が趨勢を決めてしまいますよ
警戒させると申し訳ないから
人間の群れには会いませんけど
健やかな未来を祈ってます
相原・相真
アドリブ・連携歓迎
せっかくの祝事にお呼びでもないお客さんですか
悪いんですが、お邪魔なサプライズには退場願いますよ!
戦闘時は拳銃を使っての射撃戦
電撃弾を撃ち込んで起爆、内側から電撃で焼きつくします
敵からの攻撃は足を止めて魔力障壁で防御
…これが敵の術中だって、わかってるんだけどなぁ!
(猫好きゆえ気にしてしまいどうにも動き回って戦いづらい)
あ、言っておきますが
俺が好きなのは猫であって、信仰押し付け猫擬きではないです
…要は命を盾にし、命を傷つけようとする
そんな奴が歓迎も信仰もされるわけないって話ですよ!
戦闘後は危険が去ったことを伝えにいきます
あと、よければ俺も赤ちゃんの顔みせてもらってもいいですかね?
●可愛い敵・本戦
あっという間に蹴散らされたモフィンクスに、最初から期待はしていない。
「あにゃつらでは、足止めにもにゃらないか」
あざとく首を傾げ、しなをつくり。小さな身体に短剣を握り、バステトは軽々と宙へと飛び上がった。
「我の可愛さを崇め愛でるが良いにゃ。猫は最強なのにゃ」
「おやおや。相変わらず宗教押し売りに精を出しているようだな、バステトよ」
ジズ・ユルドゥルム(砂上の轍・g02140)に声をかけられたバステトは、にゃにゃっと身構え猫なで声をあげる。
ディアボロス達を囲むように、愛らしい見た目の猫達が現れる。
ジズの肩の上にも、ポフンと子猫が現れ、愛らしい仕草で懐いてくる。
「産褥婦のいる家庭に押しかける者は、死をもって償わされると故郷で教わらなったのか?」
甘えるように喉を鳴らしてくる子猫は、確かに可愛いが先程目にした赤ん坊の姿が、まだ脳裏に焼き付いている。
必死に生きようと母を求める可愛い泣き声、しっかりその手で掴もうとする小さな手。それを喜び受け止める母と父の姿。
「幻影の子猫も悪くないが、あまりそそらんな」
呼び出された鷹の姿をしたジン「ケレイ」が、我が物顔でジズの肩に居座っていた子猫の幻影を追いやり、主の肩の上を取り戻し『蛛網の糸(チュモウノイト)』を発動する。
ジズの肩を飛び立ったケレイはその姿を蜘蛛に変え、繰る糸を毛糸玉のように紡ぎ、コロコロと現れた猫達の前へと転がし気を引く。
「ここを我らの狩場にしてやろう」
そうして幻影の猫の惑いを抜け、残るジンが繰る糸を両の手に。
「にゃんてやつにゃ!」
怒れるバステトは、更に幻影の猫を出現させ、揺さぶりかけようとする。
その懐に突然現れたエイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)と、ディアナ・レーヴェ(銀弾全弾雨霰・g05579)は、その可愛さに惹きつけられた。
にぁと可愛らしく首を傾げ、見上げる姿からは目が離せない。
「うっ、こんな可愛いだけの子猫なんて……バステト女神……家庭と子供の守護神と伝え聞きます。あなたはその聖名を騙りながら、懸命に生きる家族を食い物にするのですね
──最低、です」
猫の可愛さに揺らぎながらも、神の名を騙るバステトの傲慢への怒りで勇気を滾らせ、何とか胸元で甘える子猫から目の前の敵へとエイレーネは、意識を戻そうと〈神護の長槍〉を強く掴み。
ディアナは、子猫の姿に赤ん坊の姿を重ねた。
(「赤ちゃん、可愛かったなあ。でも……」)
子猫の可愛さに動揺する訳でもなく、不安を浮かべる。
(「……何だろ? なぜか胸がザワついた。不安定な心地」)
その広がる心地にわだかまりを抱きながら、誘われるままそっと幻影の子猫の頭を撫で、赤ん坊を感じながら口元を綻ばせる。
「……ふふっ、可愛いわ。猫ちゃん、赤ちゃん――」
だが湧きあがった愛らしさへの気持ちは、広がりそして失せていく。
でも、ここは戦場。奮い立つ彼女は、あなたは敵だからと気持ちを切り替える。
「ね。人がどうして、猫みたいな丸っこくて小さな生物を可愛く感じるか知ってるかしら? 赤ん坊を連想するからですって!」
「そうか。にゃら、『ネコに屈服せよ』我らは可愛いのにゃ」
屈服させ惑わせ、その首をバステトは大鎌で狙う。
勢いよく振うも、その刃は〈神護の輝盾〉を構えたエイレーネに受け止められ、僅かにその首の皮一枚に薄く傷を付けるだけに留まった。
「義憤の火よ、我が刃に宿りて道を照らせ。英雄たちの標となれ!」
逸れた気を振り払い、『奮い立つ正義の一閃(アペルギア・ディケオシニス)』を。
貫き返す長槍の先端はまるで大きな光の刃を形作り、逆に大鎌を弾き軽々と宙に飛び上がったバステトを突き斬る。
「罪深き僭称者よ、奈落<タルタロス>の底へと消えなさい!」
「せっかくの祝事にお呼びでもないお客さんですか。悪いんですが、お邪魔なサプライズには退場願いますよ!」
拳銃を構え〈複合兵装:セレクトトリガー〉の弾丸生成機構により電撃弾を生成し、相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)は『セレクトトリガー:電撃弾モード(セレクトトリガー・スパークショットモード)』を放つ。
弾ける雷撃に、バステトの毛が逆立つ。
「にゃんたる無礼、『ネコのさばきを受けよ』」
バステトは、大量の猫を戦場に発生させる。ふんっと澄ました様子で、誘うように尾を揺らし。
大きい猫から子猫まで、毛色も様々、種類も様々。
「くっ……これが敵の術中だって、わかってるんだけどなぁ!」
狙いがずれれば、猫達に当たる。下手に動いても猫を巻き込んでしまう。
猫好きゆえ、相真は戦いづらそうに顔をしかめた。
「油断させて狩る。隙をついて狩る。奇遇ですね、あたしと同じ」
こんな猫には惑わされないと、ディミトラ・ディミオス(アマルトリ・g08941)は、暗殺ナイフ〈thavo〉を手に猫達を蹴散らし、纏わりつく猫は引き剥がし放る。
「猫の喧嘩は目を逸らしたら負け。きっちりしっかり睨みを効かせて、二度と寄り付かないようにしてやります」
とはいえ、蹴散らすにしても時間は取られるので一手間になるのは間違いない。
少しでも気を逸らす一助になれば幸いと思いながらも、相手は本物の猫ではない。キリがないと、軽く息をつき、バステトを睨みつける。
「あたしなんかに注意を向けて良いんです?」
「にゃにゃにゃ。分かったかにゃ、にゃんは可愛くて最強にゃのだよ!」
「蹲ってお腹を見せるのは、あなたの方が似合うと思います」
なんだ猫かと、冷静な視線を向けていたナディア・ベズヴィルド(黄昏のグランデヴィナ・g00246)だが、その内心は少しだけ動揺していた。
普段であれば「可愛い、きゃーネッコちゃーん」と言って喜ぶところだが、ぐっと今回ばかりはしないぞと、心の声を漏らさない代わりに狐の尾が揺れた。
「貴様か猫……じゃなくてバステト・メル」
意識をバステトに、周囲の猫達ではなく。産後間もない母親にストレスを与えてはいけないと、周囲の猫達から視線を逸らす。
「思い切り迷惑行為だ、押しかけ宗教勧誘者は死すべき」
心を鬼にして、トラップ生成で生み出すのは、大量の猫用のおもちゃ。
ピチピチと暴れる魚型のおもちゃ。何だかどこかで見たことあるエンネアドが過ったが、きっと気のせいだ。
まるで本物の魚のように活きが良く跳ねて、猫達の視線を一心に集める。
(「決意する。私は可愛い物が本当に心から大好きで愛しい、けど」)
それに合わせ、ディアナは『悪路難渋の計(アクロナンジュウノケイ)』を引き、摘まみ上げた子猫をバステトへ投げ、低く呟く――。
「私は以降、子猫への気遣い愛情一切見せない覚悟で動く。乱暴は凄く胸が痛むし撫でたい愛でたいけど私戦場だとこうするしかないの、ごめんね?」
猫達がいなくなり開けた道は、バステトにとってもディアボロス達にとっても戦いやすい場所。
だが一度踏み込めば、そこは簡易トラップ群。バステトが踏み込んだ瞬間、仕込まれた爆薬が弾ける。
「誘い込まれた時点であなたの失策よ!」
「妨害はこれでできまい。あとはちょこまかと動く貴様を捕えてくれよう!」
まだチラチラと視界の片隅に、猫達の姿が見えるがここで踏みとどまるつもりはない。
「ここはあなたの縄張りじゃありませんから。一瞬の判断が趨勢を決めてしまいますよ」
獲物を手に、ディミトラは残像を残すよう踏み込み、『ミラージュスラスト』で斬りこみ。
「幾何なりし封縛が如何なる訃音を告げるものか。繋ぐ漆黒、囁く呪いは死を紡ぎ、四方を望む。生死の境を嘲笑い 顕れよ不浄の鎖!」
伸びる影の鎖を解き放ち、『呪縛の影戯(アスワド・ゾッラ)』はバステトを捉える。
「さすがに本体は糸玉では遊ばんか。仕方ない、私が遊んでやる」
束ね括る蜘蛛の糸を操り、ジズはナディアの影に重ねる様に縛る。
幻影の猫を振り切った相真は、照準をバステトに。
「あ、言っておきますが、俺が好きなのは猫であって、信仰押し付け猫擬きではないです」
放たれた雷撃はバステトに直撃し弾けさせる。
「……要は命を盾にし、命を傷つけようとする、そんな奴が歓迎も信仰もされるわけないって話ですよ!」
見事だった毛並みは、みっともなく焦げ。
みゃぅと小さく一声残し、バステトは倒れた。
まずは、これでエジプトからの残党は撃破できたか。
討ち漏らしがないか、念入りに確認し安全を確認すると、無事に移動の手筈が整ったのだろうかと住民達のことを気にかける。
「時間はあるでしょうか。ムナー様のご様子を伺えたら。産褥の危機はまだ去っていませんから、無事を確かめたいのです」
エイレーネの言葉に、遠目からなら見れるのではと森の近くへ。
健やかな未来を祈ってますと、ディミトラはそっと願い。
ムナーの腕に抱かれ、アーキルに護られ移動してく姿に、ナディアは安堵し。垣間見えた赤ん坊の姿に、嬉しそうに微笑みをこぼし。
「直接、伝えなくても大丈夫そうだな」
同じく赤ん坊の顔が見れた相真も、嬉しそうな表情を浮かべた。
「……ああ、そういえば。赤ちゃんの名を聞きそびれたな」
安全な新しい居住地へと向かっていく彼らの姿を見送り、ジズはまた聞ける機会が来るかもしれないなと微笑んだ。
ゆっくりと近付くパラドクストレインが、遠く彼らの上空に姿を現し近付いてくるのであった――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV3が発生!
【建物復元】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【ドレイン】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV3になった!
【アクティベイト】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!