プレゼント・フォー・ミー(作者 海鶴
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#TOKYOエゼキエル戦争  #ミカエルの野望~中央区クリスマス作戦  #中央区  #墨田区  #『聖夜の天使』クリストキント 

●聖夜の天使
 墨田区から見える台東区はすでに海へと変わった。
 それは『光の調停者イーリス』がディアボロスに滅ぼされたことを意味していた。
 熾天使『ミカエル』は現状を正しく認識している。
「ディアボロス……どのような夢物語を抱くのだとしても我らとは相容れぬ存在。確かに台東区……いえ、『イーリス』が滅ぼされたのは残念なことです」
 彼女は台東区が海に変わったことで困窮する中央区を見つめる。
「しかし、これで状況が動きました。『サンダルフォン』も、この状況では私の提案を無下にすることなどできないはず」
 熾天使『ミカエル』の言葉通り、墨田区以外と接触が立たれたのだ。
『サンダルフォン』も此方の要求を無視できない段階まで追い詰められている。

「『クリストキント』、聖夜にしかまともに力を発揮できないあなたの出番です」
「はいはーい、『ミカエル』様の言うとおりに。困窮する可哀想な人達にボクが、クリスマスプレゼントを配ってあげるよ」
 彼女の前に現れたサンタコスプレをしたかのような聖夜の天使『クリストキント』は恭しく、けれど元気一杯に笑って命令を受諾する。
「信仰を集めなさい。そうして我らの力を増していくのです」

●パラドクストレイン
 レーネマクダ・デルトダウ(テト・カフ・g08563)は集まってきたディアボロスたちを前に静かに一礼する。
「お集まり頂きありがとうございます。TOKYOエゼキエル戦争において、墨田区の熾天使『ミカエル』に動きがあったようなのです」
 台東区の『光の調停者イーリス』が撃破されたことにより中央区は墨田区以外との接続を失ってしまった。
 これだけ見れば中央区は彼らにとっては困窮そのものたる状況だ。
 熾天使『ミカエル』は、これを景気に中央区へと救援を行うことを決めたようである。

「ですが、これは善意というわけではありません。彼女が送った配下ジェネラル級『聖夜の天使』クリストキントは中央区で人々を救援し、大量の信仰を強奪した上で『サンダルフォン』を傘下に引き入れようとしているのです」
 つまり、この作戦が為されてしまえば、『ミカエル』は墨田区、葛飾区、中央区の3区の支配者になってしまう。

「『クリストキント』配下のアヴァタール級は、サンタの格好をしながら中央区にプレゼントをばら撒くのですが、そのプレゼントこそが強制的に大量の信仰エネルギーを獲得する特殊能力があるのです」
 レーネマクダの言葉に、ディアボロスたちは理解する。
 これまでディアボロスたちが削ぎ落としてきた中央区の天使たちに対する信仰を大きく回復されてしまうのだ。
 その上で『サンダルフォン』が『ミカエル』の傘下に入ってしまう。
「ですが、皆さんは人々がプレゼントを受け取ってしまう前に駆けつけることができるのです。どうにか人々がプレゼントに手を伸ばさぬように戦ってほしいのです」
 だが、アヴァタール級配下のトループス級はプレゼントをばら撒くことを優先している。
 戦うだけなら有利にことが運ばせることができるのだが、プレゼントが人々の手に渡らぬことを優先させなければならない。

「ですが、クロノヴェーダを撃破するだけでは中央区の人々の生活は困窮したままでしょう。戦いを終えた後は、皆さん主催でクリスマスパーティを開き、皆さんの手からプレゼントを手渡すのが良いのではないでしょうか」
 そうすれば、『クリストキント』よりもディアボロスからプレゼントをもらえたことがよかったと思ってもらえれば、さらに中奥の信仰を失墜させることができる。

「中央区の人々は困窮しているがためにクリスマスもまともにお祝いできなかったはずです。戦いだけではないことは承知の上です……どうか、皆様の手で彼らにもクリスマスのプレゼントを贈っては頂けませんか?」
 そう言ってレーネマクダは頭を下げるのだった。

●クリスマスパレード
「みんな、冬の寒さにも負けないで元気かな?」
 そんな明るい声が響き渡る。
『クリストキント』配下のアヴァタール級『大天使アリエル』の声であった。
 トループス級である『ガルガリン』と共にサンタのコスチュームに身を包みながら、中央区の街を練り歩く。
「天使様……どうか困窮極める私どもに御慈悲を……」
 人々が跪いて天使たちに祈りを捧げる。
 そんな彼らに『大天使アリエル』は微笑んで『ガルガリン』に目配せする。

「勿論。信心深い君たちにプレゼントを持ってきたのだから。さ、受け取るといいよ」
 そう言って手渡されるプレゼントを手にした人々は強制的に信仰エネルギーを吸い取られてしまう。
「ありがたい、ありがたい……メリークリスマス」
 ゆら、ゆらと覚束ない足取り。
 手にしたプレゼントは、まるで隷属の証たる足枷のようであった。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
2
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【未来予測】
2
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【浮遊】
1
周囲が、ディアボロスが浮遊できる世界に変わる。浮遊中は手を繋いだ「効果LV×3体」までの一般人を連れ、空中を歩く程度の速度で移動できる。
【友達催眠】
2
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【隔離眼】
1
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【完全視界】
2
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【土壌改良】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の地面を、植物が育ちやすい土壌に変える。この変化はディアボロスが去った後も継続する。
【口福の伝道者】
2
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【ハウスキーパー】
2
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建物に守護霊を宿らせる。守護霊が宿った建物では、「効果LV日」の間、外部条件に関わらず快適に生活できる。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV4 / 【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV1 / 【ガードアップ】LV1 / 【凌駕率アップ】LV1 / 【アクティベイト】LV1 / 【先行率アップ】LV2 / 【ドレイン】LV1 / 【アヴォイド】LV1 / 【ダブル】LV2 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

海鶴
 マスターの海鶴です。どうぞよろしくお願いいたします。
 今回はTOKYOエゼキエル戦争において墨田区の支配者である熾天使『ミカエル』が中央区を傘下に収めるべく、配下である聖夜の天使『クリストキント』を使って、人々の信仰エネルギーを強制的に奪いながら、中央区の信仰を回復させようとしています。
 この作戦が成功すれば、中央区の支配者『サンダルフォン』は『ミカエル』の傘下に加わってしまうことでしょう。
 そうなれば、『ミカエル』は3区の支配者となり、かつて2区の支配者となった『ザドキエル』を上回る脅威となってしまうでしょう。

 ①中央区の人々に贈り物を。
 この選択肢をクリアするとシナリオが完結します。
 そのため最後に選ぶ選択肢となるでしょう。
 具体的にはクロノヴェーダのクリスマスパレードと、信仰を強奪するプレゼントを人々の手に渡らぬように阻止した後にディアボロスの皆さんでクリスマスパーティを開き、困窮する中央区の人々を支援しましょう。
 現在、中央区は隣接する区が海へと変わり、配給などを含め、大変に窮地に立たされています。
 人々の困窮は大きいといえるでしょう。

 ②👾作戦行動中のトループス『ガルガリン』
 トループス級『ガルガリン』は、皆さんと戦うより、プレゼントを配ることを優先しています。
 ですので、戦って撃破することは難しくないでしょう。
 しかし、配っているプレゼントを困窮した人々は求めてしまうはずです。このプレゼントに触れてしまえば、人々の信仰エネルギーは強制的に奪われてしまいます。
 これを阻止しながら戦うことが必要となるでしょう。

 ③👿アヴァタール級との戦闘『大天使アリエル』
 トループス級もアヴァタール級も『聖夜の天使』クリストキントの配下であり、サンタクロースの衣装を身にまとっています。
 アヴァタール級である『大天使アリエル』は強敵であり、彼女を打倒しなければ、いつまでも信仰を強奪するプレゼントはばらまかれ続けてしまい、人々の感情エネルギーは奪われ続けてしまいます。
 そうなってはこれまでの作戦が水の泡になってしまうことでしょう。

 それでは熾天使『ミカエル』がさらなる支配区に手をかけようとしている目論見を阻止し、困窮する人々にディアボロスである皆さんがプレゼントを配るクリスマスパーティの一幕、その物語の一片となれますように、たくさんがんばります!
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このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


 中央区の人々は隣接する区が次々と海へと代わり、それ故に配給すら滞り始めている現状を憂いていた。
 憂うだけしかできないのだ。
 いや、もう一つだけできることがある。
 それは天使たちを信仰することだ。彼らを信仰すれば天使たちは自分たちに恵みを齎してくれる。
「メリークリスマス! さあ、迷える子羊たちよ。諸君らの祈りに答えよう。困窮した諸君らに『ミカエル』様からのお気持ちだ」
 そういって人々の前に降り立つのはトループス級『ガルガリン』たち。
 彼らは皆一様にサンタクロースの装いをしている。
 何の冗談だとディアボロスならば思ったことだろう。

 しかし、それは彼らの上位にあたる『聖夜の天使』クリストキントがクリスマス期間だけ力を発揮する巧妙なる罠であった。
 彼らが手にしたプレゼントを人々が手にすれば、人々の感情エネルギーは一瞬で強奪されてしまう。
「さあ、遠慮はいらない。プレゼントはまだまだたくさんあるのだ。慌てるな。何も心配する必要など無いのだ」
『ガルガリン』たちは笑みを浮かべる。
 彼らにとって人間とは信仰のエネルギーをもたらす存在でしかない。
 どれだけ言葉を繕ったところで、それは変わりないのだ。
「い、いいのですか……?」
「ああ、構わない。さあ、受け取るといい」
 その手にプレゼントが渡る……その間際に次々と現れる者たちが居た。

 そう、ディアボロス。
 人々に与えているように見せかけた、ただ奪い続ける者たちに対する復讐者が、プレゼントを受け取ろうというその瞬間に間に合ったのだ。
月城・木綿紀
「クリストキントって何?」
『幼いキリストの意味もあるクリスマスの天使だね。今の行事的にドイツでは女性が仮装してイブにプレゼントを配るんだ』
「サンタコスする意味とは……」
 師匠(身体の中の天使)の説明を聞いて敵のやり方に困惑するしかない……
まずは会敵早々に小物の煙幕弾と催涙弾で視界を封じてその隙に金属糸を張り巡らせたりパラドクスの罠ワッペンを多数設置する。
作業が終わったら金属糸を引っ張って敵を縛りあげて罠ワッペンで串刺しとか蜂の巣にする。


 中央区はもはや他の区との接続を失っている。
 あるのは墨田区だけとのつながりであり、この事態は『ミカエル』にとって好都合であった。
『サンダルフォン』を己の傘下に引き入れ、己自身が三区の支配者となること。そのために、このクリスマスというタイミングは絶好の機会であった。
「さあ、受け取りなさい。『聖夜の天使』クリストキント様からの贈り物だ」
 そう言って人々にプレゼントを手渡そうとするトループス級『ガルガリン』たち。
 その姿はサンタクロースの仮装で以って彩られていた。
「クリストキントって何?」
『幼いキリストの意味もあるクリスマスの天使だね。今の行事的にドイツでは女性が仮想してイブにプレゼントを配るんだ』
『サンタコスする意味とは……?」
 月城・木綿紀(月城家三女の【裁縫】の魔術師・g00281)は訝しむ。
 というよりも困惑するしかなかった。

『ガルガリン』たちの装いがどうにも気になってしまう。
「やはり来るか、ディアボロス!」
 彼らの視線は強烈なパラドクス。
 思念でもって敵を縛る力だ。だが、目視しなければならないというのならば、木綿紀は思念を振り切るように煙幕弾と催涙弾で視界を封じる。
 しかし、それを『ガルガリン』は飛翔し完全に囲われる前に飛び上がる。
「無駄だ! 我らがパラドクスの前に屈するがいい!」
「いいえ、時間を稼ぎたかっただけ」
 木綿紀は、煙幕の中で金属糸を周囲に張り巡らせる。
 そして、彼女のパラドクスはワッペンを生成し、貼り付けるのだ。敵のパラドクスの攻撃は視線を介するのならば、それを受け止めてなお、この煙幕は張り巡らせる意味が彼女にはあった。

 切嵌計略(カッティングストラテジー)。
 それが彼女のパラドクスの名。
「世界は布」
 その言葉と共に張り巡らせた金属糸が『ガルガリン』たちを捉える。
「私は糸」
 彼女の手には金属糸が握られている。
 それを引いた瞬間、ワッペンから飛び出る針が一瞬で『ガルガリン』たちを貫くのだ。
 串刺し、蜂の巣。
 その表現が馴染むほどにパラドクスの一撃は『ガルガリン』たちを捉え、その身を穿つ。
「切嵌で世界を飾る」
 戦場に彩られる残留効果の光。それが今まさに紡がれた瞬間だった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【未来予測】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!

荒田・誠司
アドリブなど歓迎

【心情】
偽サンタにはご退場願いたいな
求められている物を取り上げるのは心苦しいがプレゼントはこっちで回収させてもらう

【行動】
まずは物陰に隠れてパラドクスのドローンを製作
その時に最初は発明、機械知識で音が大きいコケ脅しの爆弾が出るように設定
敵の元に向かわせたらコケ脅しの爆弾をドローンから投下し撹乱、時間稼ぎ
そうすれば自然と攻撃しているドローンを見るはずだから視線が逸れるはず
その隙に計略、統率でフライトドローンにプレゼントを奪わせ、一般人の手の届かない高さまで飛ばす
その後でパラドクスのドローンで本格的に敵を攻撃する


 戦場となった街中に煙幕が広がる。
 それはトループス級『ガルガリン』のパラドクスの視線を遮るものであったが、彼らは飛翔し空よりディアボロスを迎撃せんとする。
 それは正しい。
 しかし、荒田・誠司(雑草・g00115)は敵の動向を物陰に隠れて見やり、パラドクスを発現させる。
 即席製作:無人爆撃機(インスタントメイク・ボムドローン)。
 それは即席ながらドローンを生み出し、ゴーグルで接続して操作する力。
 静かな音と共に飛び立つドローンを見上げ、誠司は小さく頷く。
「ここはこいつの出番だな」
 先行したディアボロスの生み出した状況を利用させてもらう。
 それは敵の機先を削ぐという意味では十分に機能するだろう。

「偽サンタにはご退場願いたいな」
 飛び立つドローンを捉えた『ガルガリン』の視線を思念波となって鉄槌のように振り降ろされる。
 しかし、それより先にドローンより放たれるは爆弾。
「……!」
 だが、それはパラドクスに寄る攻撃ではない。
 炸裂音が響き渡り、『ガルガリン』たちは驚愕する。攻撃ではない。ただの虚仮威しでしかない爆弾の炸裂に慄いた自らに恥じるのだ。
「馬鹿にしてくれて……! このようなもので……!」
「軽率だな。この隙に……と」
 誠司はすぐさまドローンで、ばらまかれていたプレゼントを回収していく。
 このプレゼントは人々の信仰心を強引に奪うものだ。

「求められていものを取り上げるのは心苦しいが」
 誠司は苦々しく思う。
 どれだけ『ガルガリン』たちがばら撒くプレゼントが困窮する人々に必要なものであったとしても、それを手に取らせるわけにはいかないのだ。
 手に入れることのできると思っていたものが目の前で取り上げられる心の痛みはわかる。
「だが、それでも偽りの贈り物というものは、それだけで人の心を傷つけるものだ」
 それを為す『ガルガリン』を許してはおけないと、誠司は飛び立つドローンから爆弾を『ガルガリン』に見舞う。
 今度は虚仮威しではない。
 パラドクスによる爆撃の一撃が、空を飛ぶ『ガルガリン』を叩き落とすように炸裂し、その身を失墜させるのだった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!

レオンハルト・アストレイア
アドリブ連携歓迎

クリスマス自体は好きなイベントっすよ?
困窮してる人達も見過ごせませんしね
ただ、それをこんな形で利用されるのは許せませんよねえ

『働き者の妖精たち』で可能な限りたくさんのブラウニーを召喚して、プレゼントを回収しつつガルガリンと戦ってもらいます
(必要があれば一般人の避難誘導も行います)
オレ自身はプレゼントの回収を行いながら、誘導弾を撃って敵の行動の妨害します
敵の攻撃は極力視線を合わせないことでくらうのを防ぎ、くらったら忍耐力で精神をねじ伏せられないように耐えます


 レオンハルト・アストレイア(過去を望む悪魔モドキ・g03365)はクリスマスが好きだ。
 人が喜ぶ顔が好きだ。
 絵を描くのと同じように、心が彩られていくのを感じるから。
 だからこそ、トループス級『ガルガリン』たちがばら撒くプレゼントが偽りであることを知る。それは許せないことだ。
 だが、もっと許せないことがある。
「困窮している人達を見過ごせないという気持ち……それがわかる。ただ、それをこんな形で利用されるのは許せませんよねえ」
 レオンハルトは先行したディアボロスたちが成した状況に働き者の妖精たち(ブラウニーズ)を解き放つ。

 煙幕が徐々に晴れ始めている。
 だが、ドローンが飛び立ち虚仮威しの爆弾の炸裂音が『ガルガリン』たちの連携を引き裂いているのだ。
 彼らのパラドクスは対象を目視しなければならない。
 そして、炸裂音に交じる爆撃の一撃は敵の攻撃を見極めなければならないというストレスを与えている。
 ならば、レオンハルトは今のうちにと召喚した妖精たちにプレゼントを回収しつつ、『ガルガリン』たちを徹底的に叩くのだ。
「こちらは危険です。プレゼントはまた後で配りますから、今は戦いから離れてください」
 そう言って一般人たちがプレゼントに手を伸ばそうとするのを止める。
 彼らの手にプレゼントが触れれば強制的に信仰という感情エネルギーを強奪されてしまう。

 そうなってはこれまでディアボロスたちが行ってきた作戦が水泡に帰すことになるからだ。
「とは言え、誰だって困窮しているには違いない」
「だから我らがもたらそうというのだよ。救いを!」
『ガルガリン』が煙幕の向こうからレオンハルトを襲う。
 思念波がレオンハルトの体をきしませる。だが、彼は怒りを抱く。
 人の信仰を奪い、人の弱みに付け込み、己達の欲するままにしようと振る舞う彼らに。
「取り戻すためには」
 戦うしか無いのだ。
 レオンハルトのパラドクスが煌めき、彼の影から妖精たちが一気に飛び出し『ガルガリン』を打ちのめす。
 そう、何もかも奪われたのならば。
 取り戻すことでしか、それが何であったのかを知る術はないのだ……。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【ハウスキーパー】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!

ラキア・ムーン
動くかミカエル
困窮した人々を利用した作戦は感心せんな
悪いがそのふざけた格好の大天使達にはお帰り願おう

隔離眼を使用し、プレゼントを順次隔離していこう
同時に『火炎使い』の術で小さな爆発を起こし、『爆破』音で人々を避難させよう
プレゼントの配布はまた改めてやる、今は此処から離れてくれ!

【ベディヴィアフレイム】を『全力魔法』でガルガリンに放つ
ガルガリンだけでなくプレゼントも炎に巻き込んで『破壊』
プレゼントの数を減らしていこう
それでも渡そうとするなら隔離眼で隔離した後、人々に近付いている奴に『突撃』
間に入って邪魔してやろう

相手の攻撃は動きを『情報収集』し『戦闘知識』を活かして直撃は避ける
多少は受けてたとう


シャルロット・アミ
そのプレゼントを受け取っては駄目よ
言いながら、愛用のバイオリンを構えるわ
モーラットのモラさんは、プレゼント阻止をお願いね「もきゅ」

【友達催眠】を使って攻撃を行いながら
人々に訴えかけるの
そのプレゼントはよくないものが入っているの
例えば腐った食べ物
例えば偽物のお金
巧妙に隠されているけれども、受け取ってしまったら最後だわ
死にたくなければ手を出さないで

それでも人の欲はわかるから
できるだけ早くのトループス撃破を
これは時間との勝負だわ

アドリブ、連携歓迎です


御髪塚・小織
プレゼントを配ろうとしているガルガリン達に【黒縄天網】を使用。
大地から生える無数の触手で【捕縛】し、投げ捨てる様に人々から引き離します。

「そのプレゼントを受け取ってはいけません、皆様!心を吸い取られてしまいますよ!」と警告。

人々との間に立ちはだかり庇いつつ攻撃を仕掛け続けます。逃れようと、もしくは飛び越えて人々にプレゼントを届けようとしても、触手はどこまでも【追跡】し捕らえますよ。
縛り上げたまま地面に叩き付けダメージを与えます。
周囲に「防御結界」の護符を展開し【結界術】で反撃を食い止めダメージを軽減し耐え抜きます。

信仰とは心の内より自然と生まれるもの。物で釣るなど、真のカミサマはお怒りですよ。


 中央区の人々は困窮を極めた。
 信仰すれど彼らの生活は冬を迎える今となっても向上することはなかった。
 このクリスマスの時期にあってもなお、人々は明日の生活への不安で胸が一杯だったことだろう。
 だからこそ、彼らは求めたのだ。
 プレゼントを。
 ばらまかれるプレゼント。トループス級『ガルガリン』たちがばら撒くのは、彼らにとって必要なものであったことだろう。物資が十分に手に入れられず、またそれ故に天使たちを信仰するしか生きる術はないのだから。
 だから、手をのばす。

 仕方のないことなのだ。
 例え、天使とディアボロスの戦いに巻き込まれる危険があったとしても、それでも欲してしまう。
「あれさえあれば……!」
 煙幕と爆弾の炸裂する音の中、人々は地面に転がるプレゼントに手を伸ばさんと走る。
 だが、それを制止する声があった。
「そのプレゼントを受け取っては駄目よ」
「皆様! 心を吸い取られてしまいますよ!」
 その言葉は殆ど同時であった。
 シャルロット・アミ(金糸雀の夢・g00467)と御髪塚・小織(人間の奇蹟使い・g08859)はトループス級『ガルガリン』がばら撒くプレゼントに手を伸ばした人々に声をかけた。

 それは本心であったし、事実であった。
 けれど人々にとっては関係のないことだった。困窮し、飢えているのならば、目の前に転がるものさえあれば、こんな思いをしなくて済むのだと。
 制止の言葉だけでは止まらない。
 だからこそ、ラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)はその瞳で人々が手を伸ばしたプレゼントを隔離瞳でもって異空間に取り上げるのだ。
「プレゼントの配布はまた改めてやる、今は此処から離れてくれ!」
 ラキアの言葉が響き渡り、『ガルガリン』のパラドクスが煌めく。
 飛翔し、高速で空を駆け抜けてラキアに突進してくる『ガルガリン』の一撃を受け止めながら彼女は蹴り飛ばすして距離を取り、荒れ狂う炎の渦を生み出す。

「ディアボロス! 我らが崇高なる使命を! 人々にもたらさんとする希望を焼くか!」
「困窮した人々の心を利用した作戦は関心せんな。悪いが、その巫山戯た格好の諸君らにはお帰り願おう」
 ベディヴィアフレイムの一撃が周囲を炎の渦の中に巻き込む。
 その炎に導かれるように響き渡るのはシャルロット愛用のバイオリンの旋律だった。
「奏で求めるは風の友 そよかぜのように誘惑し給え」
 メロディによって召喚される風の精霊が言葉を紡ぐ。
 戦いの最中にあっても、まだこの場を離れようとしない人々にシャルロットの声を届けるのだ。
 それは善き友は誘う(ヨキトモハサソウ)かのように、その耳に投げかける。
「そのプレゼントはよくないものが入っているの。例えば腐った食べ物。例えば偽り。巧妙に隠されているけれども、ケトってしまったら最後だわ。死にたくなければ手を出さないで」
 その言葉に人々は青ざめる。
 怖がらせたいわけではないのだ。けれど、そのプレゼントを手にしてしまえば、もっと酷いことになる。
 感情のエネルギーを奪われ、うつろに生きるしかなくなる。

 そんな彼らをシャルロットは見たいと思わないのだ。
 だからこそ、彼女はモーラットの『モラ』さんに頼んでプレゼントを回収させる。
「わかるわ。その気持ち。貧しいってこと、その心細さも。だから」
「我らの邪魔立てをするな、ディアボロス!」
「あなたたちを倒す!」
 戦場に紡がれた残留効果がつないでいく。ともに戦うものがいるのならば、ディアボロスはクロノヴェーダには負けない。負けはしないのだと旋律が奏でられる。
 その響きの中、小織のパラドクスが大地より無数の触手と成って『ガルガリン』を捉え、引きずり倒す。
「信仰とは心の内より自然と生まれるもの」
 小織にとって、信仰とは生きているからこそ生まれるものであると理解していた。
 それを不自然に強奪するプレゼントの存在を許容することなどできようはずもない。
 信仰とは人の心の拠り所になるべきものだ。
 不当に集められ、奪われるものであってはならないはずだ。かつて小織がそうであったように、彼女の心の中に今あるのは、偽りでもなく真に目覚めた信仰なのだ。

「ならば我らだけを信仰していればいいのだ。ディアボロスの邪魔さえなければ!」
 忌々しげに叫ぶ声が響く。
 此処までディアボロスに邪魔立てされてもなお、彼らはプレゼントをばら撒くことをやめない。
 何故ならば、人々がそれに触れてしまえばそれでいいのだ。
 どんな形であれ。だからこそ、彼らはばら撒く。ディアボロスとの戦いよりも、プレゼントをばら撒くことを優先するのだ。
『ガルガリン』が黒縄天網(コクジョウテンモウ)の束縛を引きちぎり、飛び立とうとする。
 だが、それをラキアの炎がプレゼントを巻き込みながら叩き伏せる。
「巫山戯ているのは格好だけにしてもらおうか」
 吹き荒れる炎が渦を巻き、さらに『ガルガリン』を燃やし尽くす。
 小織の黒い触手が空に在りし『ガルガリン』たちを再び引きずり下ろし、地面に叩きつける。
「ええ、物で釣るなど、真のカミサマはお怒りですよ」
 自分たちを飛び越えようとして無駄だといように小織の放つ触手は『ガルガリン』たちを阻み、追跡し、その足を、手を、翼を捉えて離さないのだ。

「これは時間との勝負だわ。人の欲は、いつだって生きるために湧き上がるもの。心の中にあるもの」
 だから、とシャルロットは旋律を奏でる。
 パラドクスは、召喚した風の精霊に応えるように煌めき、また風の精霊は触手によって捉えられた『ガルガリン』の精神に働きかけ、その力を失わせる。
「この……! 我らを、我らの、崇高なる、しめい……邪魔……」
「崇高でもなんでもないわ。それは。そのプレゼントは!」
 シャルロットの叫びが響き渡る。
 誰だって幸せでいたいのだ。それを阻む者がいて、自分たちの欲にすり替えようとしている者がいる。

「心を吸い取り、ただ家畜のようにするのが信仰の対象であっていいはずがありません。これは、カミサマのお仕置き、ですよ」
 小織の放つ触手が街中にプレゼントをばら撒く『ガルガリン』たちを捉え、一纏めに集める。
 シャルロット、小織のパラドクスは精神を摩耗させ、捕縛し、彼らを弱めていく。
 そこに叩き込まれるラキアの炎が、尽くを滅ぼしていく。
 これは一人の戦いではない。
 ディアボロスが許せぬと思うことは唯一つ。
 偽りの信仰でもって、人々の感情を奪い尽くし、我がモノとせんとする策略。
「人はものだけでは動かない。ものでは心より生まれない」
 小織の言葉に応えるようにラキアの炎が渦を巻き、集められたプレゼントと『ガルガリン』ごと、燃やし尽くし、シャルロットの旋律が、戦場に響き渡る。

 それは新たなる敵の襲来を知らせる。
 そう、このプレゼントをばら撒く天使たちを率いるアヴァタール級『大天使アリエル』の、その輝く獅子の瞳の輝きを知らしめるのだ。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【隔離眼】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV2が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!

レオンハルト・アストレイア
アドリブ連携歓迎

さて、あとは親玉の大天使を倒すだけっすね
あんたを倒して、このふざけた所業を終わらせるとしましょうか!

とはいえ、高速移動からの不意打ちは厄介っすね
【未来予測】も利用して相手の動きを観察し、動きの癖や軌道を看破します
相手の攻撃を喰らわないよう臨機応変に立ち回り、隙をついて無銘を構え捨て身の一撃を仕掛ける……と見せかけて【否定の魔眼】で相手を存在ごと消し飛ばします!

偽りの救済なんて必要ない
だからあんたは、ここで『消えろ』!


 多くのトループス級たちがディアボロスたちのパラドクスの煌めきの中に消えていく。
 彼らが配らんとしていたプレゼントは炎に燃え尽き、その企みをこそ打ち破るかのようであったことだろう。そんな炎渦巻く中央区に降り立つのはアヴァタール級『大天使アリエル』であった。
「よくも『聖夜の天使』クリストキント様からの贈り物を燃やしてくれましたね」
 彼女の瞳にあるのは怒りであった。
 ディアボロスに寄る天使への信仰を削ぎ落とす作戦は、確実に天使たちを追い詰めていたのだ。
 だからこそ、それを挽回するためのプレゼントによる信仰の強奪。
 それさえもディアボロスに阻まれたのだ。

「あんたを倒して、このふざけた所業を終わらせるとしましょうか!」
 レオンハルト・アストレイア(過去を望む悪魔モドキ・g03365)の瞳がパラドクスに輝く。
 同時に『大天使アリエル』の瞳もまた獅子の輝きを宿し、天使の翼を羽撃かせ、一気にレオンハルトの死角外から手にした突撃槍の一撃を見舞う。
 それは死角よりの必殺の一撃。
 獅子の瞳は獲物を逃さない。
 だが、その必殺の一撃は否定される。レオンハルトはまるで、そこに『大天使アリエル』がいることを知っていたかのように体を捻りながら、その否定の魔眼(バニシュアイズ)で以って睨めつける。

 それはパラドクスの輝き。
 同時に残留効果の力でもあった。クロノヴェーダにはなく、ディアボロスに宿り、他と紡いでいく力。
 より合わさり、か細い糸は綱のように紡がれ、共に戦場に広がっていくのだ。
「偽りの救済なんて必要ない」
「偽りだろうと求める者がいれば与えるのが我らというもの。人間はそれを求めているでしょう!」
 交錯する視線。
 レオンハルトの手にした刀の一撃が突撃槍と交錯して火花を散らす。
 それは死角よりの一撃に対しての捨て身の攻撃絵あるように思えただろう。

 だが、否である。
 否定の眼差しは、その事実すら否定する。
「オレはあんたを『否定』する……だからあんたは、ここで『消えろ』!」
 本命は刀ではない。
 パラドクスの輝き宿す魔眼による存在の否定。
 その否定の力が『大天使アリエル』をこの場に必要としないと、その生命力を削り取るように光を放つ。
 その煌めきは、聖夜に天使たちがもたらす偽りではなく。
 真に平穏を求める人々にもたらされる篝火のように、戦場に一際強く煌めくのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【完全視界】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!

御髪塚・小織
連携等歓迎です。

私の信じるカミサマとは違えど、神を讃える祭祀を利用し人を食い物にする所業、見過ごす事は出来ません。

かつて大天使を喰らい肉体変異した髪を両手に絡め変形硬質化。「髪の盾」とし構えます。
「防御結界」による「結界術」で弾丸の威力を弱め、大天使の力の残滓による盾で防御。
神の使途を名乗ろうと、私はこの身とこの口で知っていますよ。貴女達大天使が肉体を持つクロノヴェーダの一種でしかない事を。

【蓬莱仙花】使用。舞い踊る花弁で敵を包み込み【撹乱】。仲間の攻防を援護。
隙を見て花弁を内側に向け一斉に【爆破】させ攻撃します。

人には決して触れられないのがカミサマです。消滅して紛い物である事をお示しなさい。


 煌めくパラドクスの光が紡ぐのは、ディアボロスたちの戦い。
 そして、人々の心に宿る信仰が齎す希望であったのかもしれない。人々にとって今の生活は困窮を極めたものであった。
 配給神殿はディアボロス達の攻勢によって、その供給を滞らせた。
 一年に一度の聖夜であっても、ままならぬ生活となれば、すがるのはやはり信仰しかないのだ。
 だからこそ、クロノヴェーダ、天使たちがプレゼントを装い感情を強奪しようとしているのは間違いなのだ。
「私の信じるカミサマとは違えど、神を讃える祭祀を利用し人を食い物にする所業、見過ごす事は出来ません」
 否定の光に焼かれるアヴァタール級『大天使アリエル』の前に飛び出すのは、御髪塚・小織(人間の奇蹟使い・g08859)であった。
 しかし、瞬時に『大天使アリエル』は空へと飛翔し、その手にガドリング砲を手にしていた。
 銃口が狙うは小織。
 放たれる神造弾丸は、一瞬で無数の弾丸をばらまき、まるで近づくなと言わんばかりにディアボロスたちを牽制する。

「見過ごすことができないのはあなた達の存在の方でしょう、ディアボロス。あなた方は私達のもたらした人々へのプレゼントを焼滅した。それが如何におぞましいことかわからないのですか」
 その言葉に小織は己の髪を腕に絡め、硬質化させた髪の盾でもって弾丸を防ぎながら、『大天使アリエル』に迫る。
 弾丸の勢いは猛烈だった。
 髪の盾とて神造弾丸は完全には防げない。
 防御結界も、結界術も万能ではない。
 弾丸の威力が弱めることができたとしても、パラドクスの一撃は小織の身を穿つ。

「神の使徒を名乗ろうと、私はこの身とこの口で知っていますよ。貴女達大天使が肉体持つクロノヴェーダの一種でしかないことを」
「だったら何だというのです。私達はもたらしているではないですか」
 糧を。
 居場所を。
 人々が望む代わりに己たちに信仰を捧げさせる。当然のことだ。
 だが、小織にとって、それは当然ではないのだ。

「人には決して触れられないのがカミサマです」
 小織の瞳がパラドクスに輝く。
 彼女の掌がゆっくりと合わされた瞬間、『大天使アリエル』を包み込むのは、白い花弁。
 それらが彼女の周囲を取り囲む。
 弾丸を撃ち放っても止められるものではない。
「消滅して擬物であることをお示しなさい」
 柏手が鳴るように、小織の掌が打ち鳴らされた瞬間、蓬莱仙花(ホウライセンカ)の如き爆発を引き起こし、『大天使アリエル』を飲み込むのだった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【土壌改良】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!

シャルロット・アミ
偽りのサンタさん
サンタの衣装が似合っていないわ
欲望が駄々漏れよ?

今回は試し斬りも兼ねて
刀「響風」をすらりと抜くわ
水晶の刃が私の声をどこまでも運んでくれる
歌いながら、切り刻むの
覚悟してね

ステップ、距離を縮めて
空中へ舞う偽物サンタを、天使を追い詰める
歌声は空中にだって飛ぶ
響かせよう、本当の祝福の歌を

偽りの信仰も、幸せも、いらない
ほしいのは、しんじつだけ

まだ不格好な剣術だけども
歌を利用すれば負けたりはしないはず
さあ、中央区から去りなさい

アドリブ、連携歓迎です


 爆発に飲み込まれるアヴァタール級『大天使アリエル』。
 だがしかし、まだ戦いは終わっていない。
「忌々しいディアボロス! 私達に捧げられる信仰を否定しますか!」
 爆風を振り払うように大天使の翼が羽撃く。
 凄まじい暴風が吹き荒れ、飛翔する彼女は未だパラドクスに輝いていた。
 空中に居並ぶガトリングガンから放たれる神造弾丸の弾幕は凄まじく、ディアボロスたちを寄せ付けぬとばかりにばらまかれていた。
 そんな最中、シャルロット・アミ(金糸雀の夢・g00467)は歌を歌うように言葉を紡ぐ。

「偽りのサンタさん」
「我らの行いを偽りと愚弄しますか、ディアボロス。我らは人間に与えているだけです。ただ、信仰はその結果に過ぎないのですよ」
 すらりと引き抜かれたのは『響風』。
 水晶の如き刀身を持つ刃は、引き抜かれる時でさえ、音を響かせるようであった。
 刀身映るはシャルロットの翡翠の瞳。
 その瞳で見据えるのは、『大天使アリエル』の扮したサンタクロースの衣装。
「サンタの衣装が似合ってないわ。欲望が駄々漏れよ?」
『大天使アリエル』の言葉はおためごかしでしかない。自らが得ようとしているものを、他のものに置き換えているだけにすぎないのだ。だから、否定する。
 その言葉をかき消すように弾幕の嵐がシャルロットを襲う。
 けれど、彼女は弾幕をかいくぐる。
 例え、己の身を穿つものがあるのだとしても、それでも彼女は未来を見ている。
 重ねてきたものが在るのだ。撚り合わせてきたものが在るのだ。

 それは残留効果の煌めき。
「偽りの信仰も、幸せも、いらない」
「ならば何を欲するのです。糧も、居場所も我らが人間に用意しているではないですか!」
「ほしいのは、しんじつだけ」
 弾幕の嵐の中歌声は響き渡る。
 振動する水晶の刃がパラドクスの煌めきに満ちる。
 刃が奏でるは、剣唄・藤紫(ツルギウタフジムラサキ)。放たれる剣の歌は、空を走る。

 それは不格好な剣術であったのかもしれない。
 けれど、それでもシャルロットは負けたりしないと思いを胸に抱き、歌声に乗せる。
「弾幕を切り裂いている……!?」
「ええ、ほしいのはしんじつだけ。だから、中央区から去りなさい」
 振るう刃は美しく。
 旋律は何ものにも阻まれず。
 未来を見据えるからこそ、その刃は未来を濁す策略をこそ切り裂かんと『大天使アリエル』の肉体に届き、その血潮を宙に走らせるのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【未来予測】がLV2になった!
効果2【ドレイン】LV1が発生!

ラキア・ムーン
随分と浮かれた格好でやってきたな
貴様等の企みは早々に撃破して、普通のパーティーを楽しみたいものだ
と、いう訳で此処で滅する
逃がしはしない

《RE》Incarnationを構えて戦闘態勢へ
飛翔し速度を上げよう
未来予測で敵の軌道を予測
敵の移動起動を『看破』し、飛ぶ方向を予測して『突撃』
【Call:Breaker_Lance】起動
穂先を拡張し速度を上げて渾身の『貫通撃』
着実にダメージを重ねていこう

敵の攻撃には未来予測で視た未来と『戦闘知識』を活かして攻撃を予測
槍で受け流して直撃を喰らわないよう『臨機応変』に立ち回ろう

お前にそのクリスマス衣装は似合ってないさ
ミカエルの企みは我等が必ず潰す

アドリブ連携等歓迎


 歌の旋律に乗せられた水晶の刃がアヴァタール級『大天使アリエル』の肉体を切り裂き、その血潮を宙に舞い散らせる。
 それは花弁のような赤き飛沫。
 その飛沫の中、煌めくものがあった。
「随分と浮かれた格好でやってきたな」
 ラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)の手にした風と炎の魔力渦巻く突撃槍の穂先が、血潮とぶつかって蒸発させる。
 打ち込まれた槍の一撃を薙ぎ払って、『大天使アリエル』は叫ぶ。
「これもまた『聖夜の天使』クリストキント様の思し召し。我らが信仰を集めれば、中央区も『ミカエル』様の要求を無視はできますまい! ならば!」
 己がその道を切り開くのだと言うように、彼女の突撃槍が煌めく。

 獅子の瞳の如き輝き。
 それは彼女の姿をラキアの視界から消す。
 圧倒的な速度。
 死角を衝くことに特化したパラドクス。手にした槍の切っ先はラキラにとって予想しない角度から叩き込まれる。
「滅びよ、ディアボロス!」
「貴様らの企みは……」
 ラキアの瞳が輝いている。見ている。見えている。
 そう一秒先の未来は、すでに見えているのだ。いや、違う。此処までディアボロス達の戦いは軌跡を紡ぐ。
 その軌跡はすでに二秒先の未来さえ見通す。

「早々に撃破して、普通のパーティを楽しみたいものなのだよ」
 ラキアは体をひねるようにして突撃槍の一撃を躱す。
「何故、我がやりの一撃を躱せる?!」
「それがディアボロスというものだ」
 他のディアボロスにも見えている。未来というものが。
 クロノヴェーダには見えず、彼らにだけ見えている戦いの軌跡。

 いつだって未来はディアボロスたちが引き寄せる。
 手にした再誕を冠する槍が風と炎の魔力を受けて渦巻き、その穂先を拡張するように広がる。
「と、言うわけで此処で滅する。逃しはしない」
 吹き荒れる炎と風。
 それを纏うラキアが構える。
 一分の隙すらなに構え。ただ、その穂先を届かせる者を見据える瞳は、一気に加速し必殺の一撃を躱された『大天使アリエル』の崩れた体へと叩き込まれる。
「Call:Breaker_Lance(コール・ブレイカーランス)……! お前にそのクリスマス衣装は似合ってないさ」
「ガッ、はッ……! 『ミカエル』様……!」
「『ミカエル』の企みは」
 叩き込まれた穂先が『大天使アリエル』の胴を貫き、吹き荒れる炎と風が空へと彼女を吹き飛ばす。
「我等が必ず潰す」
 ラキアは力強く、そう宣言してみせるのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!

荒田・誠司
アドリブなど歓迎

【心情】
プレゼントが配れなくて残念だったな
空を飛べるのがお前だけだと思うなよ!
人々をお前らのような奴らの道具になんてさせるか!

【行動】
残留効果は飛翔、未来予測、完全視界を使用

今度はパラドクスで翼竜を製作
俺は肉体改造で機械部分の耐久を高めた上、忍耐力を使って耐え囮になり時間稼ぎ
敵を引きつけている間に統率、計略で翼竜を操作
敵の背後まで移動させて貫通撃を喰らわせる
それからは翼竜を自立行動させて翼の刃や口のドリルで斬撃や破壊といった攻撃を行わせる


 空中へと吹き飛ばされるようにアヴァタール級『大天使アリエル』の体は舞い上がる。
 だが、胴を穿たれてなお、彼女は諦めていなかった。
 天に手を掲げ、パラドクスの輝きを解き放つ。
 瞬間、現れるのはガトリングガンの群れ。
 銃口が狙うはディアボロス。必ず滅する。此処でディアボロスを捨て置けば、熾天使『ミカエル』の計画に必ず支障をきたしてしまう。
「それだけはさせてなるものか……! ディアボロス!!」
 血反吐を撒き散らしながら、放たれる神造弾丸。

 その弾丸の雨の中を、荒田・誠司(雑草・g00115)はパラドクスに輝く己の手の内にあるトラップメーカーが作り上げた翼竜と共に走り抜ける。
「作成完了! 飛べ!!」
 模造製作:翼竜(イミテーションメイク・プテラノドン)。
 パラドクスによって生み出された翼竜が空に舞い上がり、誠司は弾丸の嵐の中を共に征く。
「プレゼントが配れなくて残念ったな」
「貴様たちさえ邪魔をしなければ! この中央区は『ミカエル』様のものとなったはずなのだ! それを!」
『大天使アリエル』はすでに死に体だ。
 だが、侮ることはできない。
 敵も必死なのだ。だからこそ、退くことなく弾丸を叩き込んでくる。
 誠司は弾丸の嵐を躱すと、翼竜の背を蹴って二手に別れる。当然、術者である己を敵は狙ってくるだろう。

 だからこそ、誠司は囮になる。
 自身の体は鋼鉄。
 サイボーグであるからこそ、治すこともできる。故に恐れなど必要ない。
「人々をお前らのようなやつの道具になんてさせるか!」
「人間など感情エネルギーの詰まった袋に過ぎない。我等はそれを有効に使うどころか、保護してやっているのだ! それを!」
「それを道具扱いだと言わなくて何というのだ!」
 誠司の言葉に『大天使アリエル』は銃口を彼に向け、弾幕の嵐を解き放つ。
 身に打ち込まれる弾丸は、未来予測を以って躱す。
 見える。
 一秒先ではなく、二秒先。
 ディアボロスたちが紡いできた戦いの軌跡の結果だ。

 だからこそ、誠司は託す。
 翼竜の羽撃きが『大天使アリエル』の背から響く。
 振り返る彼女は遅きに失する。
「空を飛べるのがお前だけだと思うなよ!」
「背後から……!?」
「もう遅い!」
 自身の姿を囮にしての背後からの痛烈なる翼竜の突撃。
 その一撃は翼の刃でもって彼女の体を切り裂き、そして、口腔よりせり出した衝角の一撃で持って完全に天使を失墜させる。
 それは中央区において、天使たちへの信仰を失わせる楔となるのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV2になった!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!

 アヴァタール級『大天使アリエル』はディアボロスたちによって滅ぼされ、中央区には静寂が満ちていく。
 人々は恐る恐ると言った体で街の物陰から戦いが終わったことを知るように覗き見ている。
 彼らにとって、このままではディアボロスがプレゼントを手渡す天使たちを妨害しただけにすぎない。

 だからこそ、ディアボロスたちは行動しなければならないのだ。
 偽りの信仰ではなく。
 人の心を照らすのが、慈しみや愛であるということを。
 例え、聖夜の奇跡が起こらなくたっていい。
 人の手で確かに温もりを分け与えることのできる優しさがあるのだと、今此処に示す時なのだ。

 ディアボロスそれぞれのやり方があるだろう。
 どれが正解でどれが間違いだということはない。
 きっとそれは、いつの日にか人々の心に宿る確かな優しさとなって、紡がれていくはずなのだから。
月城・木綿紀
「さてと……敵を倒したし、クリパしなきゃ」
とりあえず、パラドクスで小動物を作って遊ぶ。リクエストがあったらそれを作る。
パラドクスである以上排斥力で消えちゃうからプレゼントは出来ないけどまあゴミにはならないし。


レオンハルト・アストレイア
アドリブ連携歓迎

このまま悪者扱いされるのは嫌っすね
大天使の代わりに……ってわけじゃないっすけど、改めてクリスマスパーティーといきましょうか

念のため警戒されないように【友達催眠】を使用して、訪れた人たちにクリスマスプレゼント(保存食を初めとした救援物資)を渡して回ります
【フライトドローン】で呼び出したドローンも使って、たくさんの人にプレゼントを配っていきましょう
プレゼントだけだと味気ないので、手製のクリスマスカードを添えて渡します

Frohe Weihnachten!
メリークリスマス、皆さんに素敵なクリスマスが訪れますように


御髪塚・小織
【友達催眠】使用。
お騒がせして申し訳ありませんでした。改めて、私共からクリスマスの贈り物をさせて頂きます。
予め準備して持ち込んでおいたプレゼントを配ります。袋に入れた焼き菓子です。おやつにも保存食にもなります。
新宿の方々にも手伝って頂きました。神様のお恵みがなくても、人同士が助け合えば幸せになれます。
持ち込めるなら、調理道具と食材も持ち込んで暖かいスープなども振る舞います。
食べ物は【口福の伝道者】で増やします。

……異教の神様を奉るのは少々心苦しいのですが、宗教とは人が幸せになるためのものです。私のカミサマも笑って赦して下さるに違いありません。
さぁ皆さん、メリークリスマスですよ。


シャルロット・アミ
さあ、クリスマスパーティをやりましょう!

新宿から持ち込んだ、チキンに温かいスープ、ふかふかのパン
そして勿論大きなケーキ!
それを【口福の伝道者】で配っていくわ
この場にいる人で足りなければ【フライトドローン】を活用
たくさんの人に配っちゃいましょう!

【友達催眠】も使用して先程のことを謝るわ
今度は安心してもいい食べ物ばかりだから、心配しないで

木々には小さなオーナメントを
てっぺんには星をつけて
モラさん、手伝ってもらえる?「もきゅ!」
子どもたちにはせめて、このオーナメントをプレゼント
ほら、可愛いトナカイもいるのよ

アドリブ、連携歓迎です


ラキア・ムーン
さてとパーティーか
少しでも気持ちが明るくなるようにしてやらないとな
後は少しでも多くの人に集まってもらえるようにしておこう
フライトドローンをクリスマス仕様に飾りつけして、垂れ幕やライトも付けておこう
そうして飛ばして多くの人の目に付くようにしよう
後はサンタの格好も…あまりこういうのは得意ではないが、まあ格好からだな
クリスマス衣装を着て、他の皆が催しをしている場所を案内した看板を用意
後は練り歩こう

ついでにアイテムポケットで持ち込んでいた、簡単なプレゼントも渡しながら会場の案内
プレゼントは数重視だからティッシュとか簡単な消耗品を
ほら、あちらでクリスマスパーティーをやっているからそっちで楽しむと良い


荒田・誠司
アドリブなど歓迎

【心情】
急に割って入って申し訳ない。あのプレゼントは嫌な感じがしていたんだ
皆がパーティーの準備をしているなら、俺も出来る事はしないといけないな

【行動】
残留効果では友達催眠にしよう
街の人々には友好を示して話しかける。
乗り物の模型とか作ってもいいかと思ったんだけど、これはまた後で遊ぶだろう子供達に配ろう
俺がプレゼントとしてやるのは修理だ
生活している中で壊れてしまった物とかはどうしてもあるはず
排斥力に引っかからない程度の技術に抑えながら機械知識や武器や肉体を改造した経験を応用し、壊れた物を修理していく


『聖夜の天使』クリストキントの力による信仰を強奪する熾天使『ミカエル』の企みはディアボロスたちによって一先ず阻止された。
 しかし、問題はまだ山積している。
 この中央区は天使たちの支配から人々を開放するためとは言え、信仰を支えていた配給神殿を破壊し、配給を滞らせることによって天使への信仰を揺らがせていた。
 その煽りを受けて人々は困窮していたのだ。
 それはどうしようもないことであった。
 必要であったから、と言って正当化しようもない。
 だからこそ、クロノヴェーダたちが配ろうとしていたプレゼントは人々にとって必要なものだったのだ。
「このまま悪者扱いされるのは嫌っすね」
 レオンハルト・アストレイア(過去を望む悪魔モドキ・g03365)の言葉に他のディアボロスたちも頷く。

 このまま立ち去るのはあまりにも後味が悪いというものだ。
「少しでお気持ちが明るくなるようにしてやらないとな」
 ラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)もまた同意見であった。
 人々が困窮していることは事実。
 そして、その困窮に手を差し伸べようとしていたように天使たちの姿は写り、自分たちの行動はそれを妨げるものであったはずだ。
「大天使の代わりに……ってわけじゃないっすけど、改めてクリスマスパーティといきましょうか」
 レオンハルトを含め、他のディアボロスたちも残留効果によって遠巻きに見ている人々の警戒を解こうとする。
「お騒がせして申し訳ありません」
「急に割って入って申し訳ない。ただ、あのプレゼントは嫌な感じがしていたんだ」
 御髪塚・小織(人間の奇蹟使い・g08859)と荒田・誠司(雑草・g00115)が人々に歩み寄って、事情を説明する。
 彼らの言葉は、トループス級たちが配ろうとしていたプレゼントを受け取ろうとした人々にとって、信じ難いことであったかもしれない。
 けれど、シャルロット・アミ(金糸雀の夢・g00467)の言葉を人々は思い出す。
 良くないものが入っている、と。

 残留効果と合わせて、人々は誠司と小織の言葉に頷く。
「いや、こちらこそすまなかった。みんな気が立っていたんだ。最近は配給も滞っていたし……」
「はい、これを」
 生活に困窮しているからこそ、心が荒むのである。
 そんな人々の前に月城・木綿紀(月城家三女の【裁縫】の魔術師・g00281)は動物の編み込みのぬいぐるみを差し出す。
 それは生活に今すぐ役立つものではなかっただろう。
 けれど、彼女の優しさを象徴するものであった。
 荒んだ心に人の言葉や、心は染みてしまうのだ。しみれば痛みが伴う。
 痛みが伴えば涙だって溢れてしまう。
 だからこそ、木綿紀は柔らかなあみぐるみでもってワンクッション入れるのだ。突然にパーティと言われてもすぐさま楽しめるわけがない。

「だからこれを。リクエストがあれば言って」
 彼女の言葉におずおずと言ったふうに小さな女の子が、ぱんだ、と小さく呟く。
 その言葉を受けて木綿紀が再び即席であるがあみぐるみを作れば、子供の表情は明るいものに変わっていくだろう。
 その様子を見ていた誠司も己もできることをとプレゼントを作り出す。
「乗り物なんかはどうだ?」
 即席であったが、これも玩具として男の子たちが遊ぶだろうと膝を折って手渡していく。 
 だが、誠司の本領は此処からだ。
「壊れてしまったものはないか? 修理しよう」
 彼からのプレゼントは機械類の修理だ。だが、ディアボロスがディヴィジョンを去れば、排斥力でもって過剰なものは消え去ってしまう。
 ならばこそ、この時代に合わせた機械ならば修理さえすれば残るものもあるだろう。
 その言葉に人々が次々と手を挙げる。誠司は、その言葉にうなずいて彼らの元へと歩んでいく。

 そんなやり取りの最中、シャルロットの声がよく通る。
「さあ、クリスマスパーティをやりましょう!」
 元気な声だ。
 誰かの元気な声は、人々の心の中に入り込んでくる。他のディアボロスたちがそうしたように、彼らの心は今少しづつであるが荒んだささくれた表面をなだらかなものへと変化していっていた。
 シャルロットが新宿島から持ち込んだのはチキンに温かいスープ、ふかふかのパン。
「勿論、大きなケーキもあるわ!」
 彼女は小織と共に残留効果でもって、それらの物資を増やしていた。
 十分に人々に行き渡るだけの数を確保できていたのだ。
「私からは焼き菓子を。おやつにも保存食にもなります」
 小織は予め用意していた小袋に分けられた焼き菓子を手に、人々を刺そう。

 それは新宿島にいた人々にも作るのを手伝ってもらっていたものだ。
「カミサマのお恵みがなくても、人同士が助け合えば幸せになれます」
「そうっすね。本当に。さあ、ドローンに乗せてくださいっす。沢山の人に行き渡るように、ここは役割分担っす」
 レオンハルトが小織の持ち込んだ袋に分けられた焼き菓子をドローンで持って運び出す。
「そうっす、プレゼントだけだと味気ないので……手製のクリスマスカードを添えましょう」
「それはいいアイデアだな。フライトドローンをクリスマス仕様に飾り付けよう」
 レオンハルトの提案にラキアが乗っかってくる。
 確かにドローンの姿は無機質で味気ない。
 せっかくのクリスマスパーティであるというのならば、これをクリスマスらしい垂れ幕やライトでもって飾り付けるのもまた人々の心を癒やすのに必要なことであろう。

「お、ならこっちも使ってくれよ」
 誠司が自身の機械知識を用いて、フライトドローンに明滅するLEDライトを取り付ける。
 即席のクリスマスオーナメント仕様のドローンの出来上がりである。
「後は……そうだな。サンタの格好もしよう」
 ラキアの提案によってディアボロスたちは、クリスマス衣装を着込む。
 こうしておけば、人々の目に嫌でもとまる。
「……あまりこういうのは得意ではないが、まあ格好からだな。あとは看板を用意しておくこう。私は練り歩くとする」
 クリスマス仕様になったラキアが看板を持って街中を歩く。

 シャルロットは、温かいスープの湯気に誘われてきた人々を見て、微笑む。
 確かに彼らはプレゼントを求めていた。
 それが天使たちの策略の一環でしかないのだとしても、それでも人々は困窮していた。
 だから、彼女は、ディアボロスたちは申し訳ない気持ちで一杯だったのだ。
「あのときのことはごめんなさい。でも、安心して。今度は美味しい食べ物ばかりだから」
 心配することはないのだと、シャルロットは人々にチキンをもたせ、スープを振る舞う。
 サーヴァントである『モラ』さんもクリスマスパーティの会場でせわしなく働いてくれている。樹々にはクリスマスのオーナメントを飾り付け、てっぺんに星を乗せる。
「モッキュ!」
 満足行く出来栄えだったのだろう。『モラ』さんも楽しそうだとシャルロットは微笑む。
「……くださいなー……」
 その様子を見ていたら、小さな兄弟が目の前にやってくる。

「ああ、ごめんなさいね。はい、どうぞ。このオーナメントも受け取ってもらえる? ほら、かわいいトナカイもいるのよ」
「……ありがとー」
 少し遠慮がちに兄弟はシャルロットからオーナメントを受け取る。
 馴染みのないものであったのかも知れない。
 けれど、その様子を見ていた小織が微笑んで告げる。
「今日はメリークリスマスですよ。楽しんでください。スープが足りなければ、おっしゃってくださいね」
 軽く兄弟たちの頭を撫で、小織は彼らの駆けていく姿を見やる。

 確かに彼女にとって、クリスマスは異教の神を奉る行事だ。
 心苦しさがないと言ったら嘘になる。
 けれど、それでもやはりと思うのだ。
「喜んでもらえているようで良かった」
 共に人々にスープを配っていた木綿紀が頷く。彼女の作ったあみぐるいみは女の子たちに大好評で、あっというまになくなってしまった。
 けれど、あの笑顔を見れたのならば安いものだと思ったことだろう。
 いつだって子供らの笑顔は、心に灯火を宿すようであった。 
 この温かな心が広まっていけば、きっと天使たちへの信仰だけに縋らなくてよくなるはずだ。
 それはきっと小織もまた同様であろう。

 信仰にケチをつけたいわけではない。
「宗教とは人が幸せになるためのものです。私のカミサマも笑って赦してくださるに違いありません」
 そのために自分は今こうして働いているのだ。
 誰かのためになりますようにと。
 それがきっといつかの誰かのためになるのだと彼女は信じている。
「そうね。本当に」
 シャルロットは飾り付けられた樹々の中点にある星を見やる。あの星を目印に人々が、この場にたどり着いてほしいと願うのだ。

 そんなクリスマスパーティの外では、レオンハルトがドローンを使って人々を誘導する。
「Frohe Weihnachten! メリークリスマス、皆さんに素敵なクリスマスが訪れますように。あっちでクリスマスパーティやっているっすよ!」
 彼の言葉とドローンの導きで持って、人々は次々と列をなすようにディアボロスたちが催すクリスマスパーティにやってくる。 
 それをラキアが整理し、滞りなく物資が行き渡るように調整する。
「もう小織さんの焼き菓子なくなっちゃったす!」
「大丈夫だ。私も用意してある」
 そう言ってラキアがポケットから取り出したのは、ティッシュであった。
 実用性と数を重視した彼女の選択。
 それにレオンハルトは噴き出してしまった。まるで天使と悪魔の戦いに巻き込まれる前の人類史そのものだ。
 確かにそれならばたくさん持ち込めるし、また同様にすぐに使えるものであった。

「ティッシュ配りの経験があったっす?」
「わからないが、配るだけだろう、こんなの?」
 ラキアはレオンハルトの言葉に笑って人々にポケットティッシュを配っていく。ちょうどいいからとレオンハルトの作ったクリスマスカードを添えていけば、最初からそうやって用意したものように思えたことだろう。
 どちらにせよ、それは人々の流入を呼び込む道筋となった。
「ほら、あちらでクリスマスパーティをやっているから」
 そっちで楽しむと良い、とラキアとレオンハルトが誘導していく。
 誠司も機械の修理と誘導、ドローンの操作で忙しい。
「千客万来ってやつだな。これは」
 だが、誠司の顔にあるのは満足げな表情だった。人々の困窮は仕方のないことだ。けれど、それを少しでも拭えたのならば、こんなにうれしいことはない。

「本当っすね。よかった。みんなの顔、少しづつだけど明るく見えるっす」
「ああ。我々も少し浮かれた格好くらいのほうが、彼らにとっても受け入れやすいのだろう。慣れないことであったが、やってよかったと思える」
 ラキアは連なる人々の列を見やる。
 明るすぎる、とまでは行かない。
 けれど、たしかに徐々に人々の顔に活気が戻っているようであった。これを奪おうとしていた天使たちの策略を阻止できたことは得難いことだ。
「スープの用意できた。こっちにおいで」
 木綿紀の言葉に人々は集まってくる。大変な作業量であったけれど、それでも人々の朗らかな顔を見れば、疲れも吹き飛ぶ。
「皆さんこちらですよ」
 小織も、シャルロットも、よくがんばっている。

 寒さは徐々に深まっていく。
 これが寒さの頂点ではないことを人々もディアボロスたちも理解している。
 けれど、見通しは暗くはない。
 多くの人々の笑顔が、行く先の見えぬ暗闇の如き未来を照らしている。
 ならば、ディアボロスたちは、その笑顔をこそ守らねばならない。奪うのではなく、与えること。それができるのもまた自分たちだ。
 人々の笑顔を見ることができた。
 それが彼らの報酬。

 ちらつくように白い粉雪が振り始める。
 けれど、その冷たさが笑顔を曇らせることはない。
 明日から続く未来も。
 困窮がわかっていたとしても。
 それでも、今日という日は特別だったと、きっと人々は思い出を胸に明日も、明後日も、生きていく。

 プレゼント・フォー・ミーではなく。
 プレゼント・フォー・ユーと言えるように。
 そんな未来を掴むために、ディアボロスたちは明日もまた戦うのだ。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【浮遊】LV1が発生!
【ハウスキーパー】がLV2になった!
【口福の伝道者】LV2が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
【友達催眠】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
【ダブル】がLV2になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
【凌駕率アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】がLV2になった!
【アクティベイト】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2022年12月30日

ミカエルの野望~中央区クリスマス作戦

 葛飾区の支配者ラミエルによるディアボロスとの融和作戦は失敗し、イーリスが撃破され台東区は海に変わりました。
 この結果を確認した墨田区の熾天使『ミカエル』は、配下のジェネラル級『聖夜の天使』クリストキントを使い、窮地に追い込まれつつある中央区の支配者『サンダルフォン』への調略の手を伸ばしたようです。

 台東区奪還によって隣接区が墨田区を除いて全て海となり、ラミエルからの援助も失ったサンダルフォンは窮地に陥っています。
 ミカエルの援助を受ければ、その傘下に入る可能性は大きいでしょう。
 このままでは、ミカエルは、墨田区・葛飾区・中央区の3区の支配者になる未来もありえるかもしれません。
 ミカエルによる中央区の救援作戦を妨害し、ディアボロスの手で、人々を救ってあげてください。

熾天使『ミカエル』

『聖夜の天使』クリストキント

サンダルフォン


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#TOKYOエゼキエル戦争
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#『聖夜の天使』クリストキント


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選択肢『中央区の人々に贈り物を』のルール

 クリストキントの配下を撃破した後、ディアボロスの手で、中央区の人々を救援する選択肢です。
 クリストキントの配下は、一般人から見れば、クリスマスプレゼントを渡してくれようとしていただけなので、このままではディアボロスが悪役に見えてしまいます。
 そうならないように、ディアボロスの手から改めてプレゼントを渡したり、クリスマスパーティーを開いてあげる事で、中央区の人々の心を、ディアボロスに引き寄せましょう。
 中央区の人々の感謝が、ディアボロスに向かう事で、中央区の信仰を、より厳守させる事が出来るかもしれません。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、シナリオは成功で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾作戦行動中のトループス『ガルガリン』のルール

 なんらかの作戦を行っているトループス級に戦闘を仕掛け、その作戦行動を阻害し、敵を撃破します。
 どのような作戦を行っているかや、作戦を阻害する為に必要な手順などについては、オープニングやリプレイで確認してください。
 なお、作戦行動中の敵を奇襲した場合も、逆説連鎖戦により反撃が発生するので注意が必要です。
(奇襲行動が成功すれば、戦闘時の判定が有利になります)

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との戦闘『大天使アリエル』のルール

 事件解決の為に、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破するだけでは事件を解決できないので、戦闘終了後、必要な行動を行ってください。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※このボスの宿敵主は「紘冊・悠莉果」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。