実験は紅血の味(作者 花々実コノネ
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#吸血ロマノフ王朝  #創造伯アレクセイの吸血実験室  #創造伯アレクセイ  #ウプイリ  #吸血実験室 

 悲鳴さえ聞こえない。
 聞こえるのはうめき声と苦しげな咳き込み。ごくたまに助けを乞うくぐもった声。
 身を逸らしてベッドにくくりつけられた人々の鼻はふさがれ、口には漏斗が押し込まれ、漏斗が空になるとブラッディサクリファイスが水差しの中身を注ぎ込む。
 漏斗の中身を飲み干さねば呼吸が出来ない。
 人々は苦しみながら飲み、やっとできた息にむせた。
 うまく飲めずにもがく者の漏斗から、げほりと飛び散った血液が周囲を汚す。
「こぼさず飲みなさい。吸血に慣れるのです」
 ブラッディサクリファイスが冷ややかに命じた。
 これは拷問ではなく実験だ。
 吸血行為に慣れれば、ヴァンパイアノーブルになる忌避感が薄れ、それによって良い結果が出るのではないかという、ひとつの仮説のための。
 飲みたくなくても飲まねば死ぬ。死ねばその血は抜き取られ、また別の者に注がれる。
 必死に飲んでぜいぜいとあえぐその口に、ブラッディサクリファイスはなみなみと血液を注ぎこんだ。

 攻略旅団の提案により、吸血ロマノフ王朝のウクライナ方面が探索された。
 それにより、新たな大領地『吸血実験室』の存在が判明した。
 この大領地を支配するジェネラル級は『創造伯アレクセイ・K・トルストイ』。領地内では一般人のヴァンパイアノーブル化を推し進めるため、非道な実験が繰り返されているようだ。
「今回向かってほしいのは、『吸血実験室』の1つよ」
 パラドクストレインの前で説明するグレーテルの表情はすぐれない。
 吸血実験室は、アレクセイ公伯爵配下のアヴァタール級がそれぞれ管理しており、今この時も実験が行われている。
「一刻も早く終わらせたいの。お願い。実験の犠牲にされようとしている一般人達を救出して、クロノヴェーダを撃破してちょうだい」

 今回の探索で発見された大領地『吸血実験室』は、大領地と呼ぶには狭いが、その中には、幾つかの実験を行う実験施設が点在している。
 周囲に一般人の集落などは無く、各地から集められた一般人は、実験室の建物の牢に入れられているようだ。
「まずは牢に囚われている人が逃げられる手はずを整えてほしいの。すぐに動くと捕まってしまうから、混乱に乗じて逃げてくれるように伝えてね」
 牢にかけられた鍵は頑丈だが、ディアボロスなら破壊するのは簡単だろう。問題となるのは囚われている人々の精神状態だ。実験の恐怖によって心に大きな傷を負っているようなので、彼らが逃げる気力を持てるよう心のケアをしつつ、脱出の手引きをすることが必要だ。
「実験室の建物の中には、実験体である『人面コウモリ』も存在しているわ。彼らは人間の意識を保っている場合もあるけど、もう体はトループス級となってしまっていて……助けることはできない。本物のトループス級になる前に葬ることしか、してあげられることはないと思うわ」
 建物を進めば、人面コウモリに行き当たる。彼らは呼びかければ人の心を取り戻すこともあるだろうが、人の体に戻ることはできない。撃破するのは簡単な相手だが、辛い戦いになるかもしれない、とグレーテルは言い、気を取り直して続けた。
「実験室ではブラッディサクリファイスが、一般人に血を飲ませて人面コウモリにしようという実験を行っているわ。実験に集中しているから、侵入者に対する警戒はおざなりよ。速やかに撃破して、実験に苦しむ人を助けてちょうだい」
 そうしているうち、アヴァタール級の血と薔薇の令嬢『カーミラ』も姿を現す。それを撃破すれば作戦完了だ。

「実験に使われている最中の人たちは、逃がしてあげれば生き延びられるでしょう。でも、既に人面コウモリ化された人は救えない。せめて、安らかな眠りを与えてあげて……」
 お願いねと、グレーテルはディアボロスたちを送り出した。


 牢の床に転がった者が、まだ荒い息をついている。さっき戻されたばかりだから、落ち着くまではしばらくかかるだろう。
 入れ替わりで引き出されたのが自分ではなかったことに安堵しながら、男は膝を抱えた。だがまた実験の順番は回ってくる。何度も何度も。繰り返し注がれた血の味は、いつになっても消えはしない。
「うわあぁぁ」
 叫び続けている青年は正気を失いかけているのだろう。それも無理もない、と男は思う。
 実験に耐えられなければ死。耐えられれば……あいつのように。
 脳裏に浮かんだ友人の顔をつけた人面コウモリを、首を強く振って頭から追い出す。
 考えてはいけない。俺もおかしくなってしまう。
 気を落ち着かせようと握った拳は、頼りなくがくがくと震えるばかりだった。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【水源】
1
周囲に、清らかな川の流れを出現させる。この川からは、10秒間に「効果LVトン」の飲用可能な水をくみ上げる事が出来る。
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【未来予測】
1
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【照明】
1
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【腐食】
1
周囲が腐食の霧に包まれる。霧はディアボロスが指定した「効果LV×10kg」の物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)だけを急激に腐食させていく。
【浮遊】
1
周囲が、ディアボロスが浮遊できる世界に変わる。浮遊中は手を繋いだ「効果LV×3体」までの一般人を連れ、空中を歩く程度の速度で移動できる。
【勝利の凱歌】
5
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【避難勧告】
1
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【プラチナチケット】
1
周囲の一般人が、ディアボロスを関係者であるかのように扱うようになる。効果LVが高い程、重要な関係者のように扱われる。
【無鍵空間】
1
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
4
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【口福の伝道者】
2
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【防衛ライン】
1
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV3 / 【ガードアップ】LV5 / 【凌駕率アップ】LV2 / 【ラストリベンジ】LV2 / 【ドレイン】LV5(最大) / 【ロストエナジー】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

花々実コノネ
 非道な実験を止めようというシナリオです。

 執筆順は①②→③→④を予定しています。
 ①……牢から逃げるための手はずを整える。すぐ逃げ出すと捕まって別の牢に入れられてしまうので、逃げられる状態にしておいたら、あとは騒ぎに紛れて自分たちで逃げてもらいます。
 ②……人面コウモリの撃破。呼びかけによっては人の意識を取り戻せるかもしれませんが、人に戻すことはできません。せめて人として安らかに、と思うのですが、人面コウモリにされた人としては、そうもいかないのでしょうね。普通のトループス級と比べても弱いので、撃破は簡単です。
 ③……実験室にいるトループス級の撃破。
 ④……現れたアヴァタール級の撃破。

 ではでは。今も苦しむ人々を解放するため、プレイングお待ちしております。
42

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


ルィツァーリ・ペルーンスィン
アドリブ連携歓迎

奴等何て惨い事を……!
こんな所業、名を使われるトルストイ家の人達への侮辱だぜ!

貴方達、そして貴方達の友を傷付け苦しめた奴等は俺が必ず倒します
此れ以上奴等に踏み躙られる人が出ない様に絶対に……!

喉が傷ついても食べ易い保存食と幾つかの小さめの鞄を用意

実験室到着後は周囲を警戒し建物の状態等を観察し〇情報収集しつつ牢屋迄潜入
牢を発見後は見張りが居る様なら風使いで音を遮断し周囲に聞こえない様にした状態で〇誘導弾等で無力化

牢屋の鍵を音を立てず〇粉砕
捕らえられた人達には声をかけゆっくり近づき目を合わせ手を握り語り掛ける
彼等が逃げる間の食料に〇口福の伝道者で持ってきた食料を増やし鞄に入れ渡す


イツカ・ユメ
吸血……実験?
人の命を、なんだと思ってんのよ!
こんな実験、今すぐぶっ潰さなくちゃ!いくよ、キット!

まずは、牢に囚われている人達をどうにかしないとね。
物陰に隠れながら、【忍足】でこっそり建物内に侵入して。
牢を目指しながら、建物の見取り図等が無いか【情報収集】して、
内部構造や脱出ルートを把握出来るようにしておくね。

牢についたら、囚われている人達に状況と脱出ルートを説明しておくね。
鍵は……乙女の底力で壊すよ!せいやーっ!

…わたし達が、あいつらをなんとかするから。
騒ぎが大きくなったらダッシュで逃げちゃって!
明るい笑顔と言葉で、皆の心に勇気を灯せるように心掛けるよ。


冰室・冷桜
人間にひどいことするなんてーなんて素直に思えるほど純情ガールではありませんが
ま、悪趣味ってーのは感じるわよね。いい気分はしねーわ

侵入者に無頓着とはいえ、わざわざこっちから積極的に教える必要もなし
牢屋まではなるべく音を立てず、身を低くして隠れるようにしながら進みましょう
【完全視界】も発動してある程度は明かりなしでも進めるように、と

牢屋についたら、まずは落ち着いて話を聞いてもらえるようにゆっくりと話しかけましょう
私らの仲間がもう少ししたら騒ぎを起こすわ、その時が見つからずに逃げ出すチャンス……おけ?
パンとかも牢の隙間から差し入れて、こう、友好さをアピール? みたいな?


 人を人面コウモリへと変えるおぞましき実験。今この時も恐怖にさらされている人々のため、ディアボロスは吸血ロマノフ王朝の大領地『吸血実験室』へと急いだ。
 雪の中にぽつんと建つ石造りの建物が、今回目指す実験室だ。外から見れば誰かの館のような建物に、その中で吸血の実験が行われているとうかがわせるものは何もない。
「こんな所業、名を使われるトルストイ家の人たちへの侮辱だぜ!」
 中で行われている実験を思い、ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)は憤る。今はまだ大領地を支配する『創造伯アレクセイ・K・トルストイ』に手が届かないけれど、必ず滅しなければならない。この依頼はそれに繋げるための一歩だ。
「吸血実験とか、人の命をなんだと思ってんのよ!」
 血を強制的に飲まされ、成功すれば人面コウモリに、失敗して死ねば血を絞りつくされて誰かの実験に使われる。イツカ・ユメ(いつかかなうゆめ・g02834)にとってそれは、許すことなどできない暴挙だ。
「こんな実験、今すぐぶっ潰さなくちゃ! いくよ、キット!」
「もきゅきゅ」
 イツカの足下で、モーラット・コミュ『キット』が、ぽふんと跳んだ。
「ま、悪趣味ってーのは感じるわよね。純情ガールでない私でも、これはいい気分しねーわ」
 実験のことを聞いて、冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)の胸にはもやっとした不快感がわだかまっている。そんなことを人間に対してするなんて酷い、というような感覚ではないけれど、実験に対するむかつくような不快感は、クロノヴェーダをぶちのめさないと晴れそうもない。
 思うところはいろいろあるが、まずは囚われている人の救出だ。
「ここから入れそうだね」
 侵入できそうな箇所を探っていたイツカは、横手にある簡素なドアを破ると、皆に手を振って合図した。
 そこから侵入したディアボロスは、牢を探すために2手に分かれる。
「侵入者には無頓着だそーだけど、ま、わざわざこっちから積極的に教えてやる必要はねーよね」
 冷桜は身を低くし、足音を殺して進んだ。
 小さな窓から差し込む光は弱弱しく、通路は薄暗い。逃げるだけならこの光量でも問題ないだろうが、念のため。ディアボロスの視界が妨げられることのないよう、冷桜は完全視界の効果を発生させておいた。
「普通の館のような造りだな」
「さすがに見取り図はないみたいだね」
 ルィツァーリとイツカは建物の構造を頭に入れながら、人々が囚われている牢を探した。

「あった!」
 間断なく続く叫び声に導かれ、ルィツァーリは格子のはまった扉に飛びついた。
 牢の中にいた何人かが、怯えた視線を向け、慌てて逸らした。目が合って連れて行かれるのを恐れるように。叫んでいた青年は、ひっと喉を鳴らしてしゃがみこんだ。
 実験の名残か、顔や衣服は血に汚れ、彼らが受けてきた仕打ちをあらわにしている。
「大変なところだと思うけど、ちょっと話を聞いてくれたりしませんかね?」
 冷桜は格子の隙間からパンを差し入れた。これで味方であることが伝わるだろうか。
 牢の人々はパンを見たが、手を伸ばそうとはしなかった。ただ気になる様子で視線を送っている。空腹ではあるのだろう。
「お話するにも逃げるにも、この格子が邪魔だよね」
 ここは乙女の底力の見せ所、とばかりにイツカは、
「せいやーっ!」
 かけられていた鍵を破壊した。鍵の残骸を取り外すと、実験体の人々を驚かせないように静かに格子を開けた。
 イツカが見る限り、囚われた人々に怪我をしている様子はないから、逃げることは可能そうだ。だが、格子が開いて牢から逃げられる状態となったのに、人々は誰も動こうとしなかった。
「大丈夫ですか」
 ルィツァーリはゆっくりと牢に入ってゆくと、冷桜の入れたパンを食い入るように見ている女性に近づき、その手を握りしめた。
「あ、あ、あ……」
 首を振り、逃げようとする女性に、落ち着いた口調で話しかける。
「あなたたちを助けに来ました」
「助け……に?」
 それは牢の人々が待ち望んでいた言葉。
「そういうこと。私らの仲間がもう少ししたら騒ぎを起こすわ、その時が見つからずに逃げ出すチャンス……おけ?」
 冷桜がゆっくりと言い聞かせた説明が、ようやく理解できたのだろう。
「本当に助けてくれるの?」
 女性はルィツァーリに取られていた手に力を入れ、握り返した。
「はい。そのために来ました」
 ルィツァーリの迷いない返事に、牢内の人々が集まってくる。
「わたしたちが騒ぎを起こして、ヴァンパイアノーブルの気を引き付けるから、みんなはダッシュで逃げちゃって! 脱出ルートを説明するから良く聞いてね」
 人々を元気づけるため明るい笑顔でそう言うと、イツカは牢から建物の外まで、そしてそこから人里のある方に向かうためのルートを皆に教える。
「この牢を出てまず左に行って……」
 人々はいくつか質問をしながら、そのルートを頭に入れた。まだ正気を取り戻していない人もいるが、それは他の人が連れて逃げてくれるという。
「この鞄に食べやすい保存食が入っています。逃げる間の食料にしてください」
 ルィツァーリが用意した幾つかの鞄には、押し込まれた漏斗によって喉が傷ついている場合でも食べやすいようにと選んだ保存食が入っている。ルィツァーリが渡した鞄を、人々は相談し体力の残っている者たちがそれを持った。
「逃げるタイミングまで、これでも食べて体力をつけておいてくれる? なんかお腹に入れとかないと、外は寒いよー」
 さっき差し入れたパンを冷桜が改めて手渡すと、まっさきに受け取った女性が等分に皆に配っていった。
「貴方たち、そして貴方たちの友を傷付け苦しめた奴等は俺が必ず倒します。此れ以上奴等に踏み躙られる人が出ない様に……絶対に!」
 ルィツァーリの力強い言葉に背中を押されるように、人々はパンを食べ、正気でない人を誰が連れてゆくのかを割り振り、と逃げ出す準備を始めた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!

タラス・ジュラヴリョフ
アドリブ◎

今回もとんでもないことやってくれてるね、どうしたらここまで悪趣味になれるんだか
どんな圧政下にいても思想だけは囚われてはいけない
心まで失う前に人としての尊厳を

人面コウモリの趣味の悪さに眉を顰めるけどまだ意識があるのなら、攻撃を躱して受け止めながら語りかける

今の境遇がどんなに辛く苦しいか、僕には見たまましかわからない
絶望し悪逆に屈するのは簡単だ、だけどまだ最期に人として有りたいのなら……力になれるかも知れない

彼等の声で本心を、望みを確かに聞き届けたなら、パラドクスを発動しその願いを叶えよう

最期は自らの手で、尊厳ある死を

…彼等の願いを聞いただけとは言え、こんなの何回もやってらんないよ本当に


イオナ・ガルバローゼ
酷い。人間をこんな姿に……
自身の境遇を思い起こし、敵への怒りでどうにかなりそうです。
人の意識を取り戻す事も残酷かと思いますが。
しかし、せめて奪われた心だけでも取り戻さねば。

パラドクス【Orléans】を使用、歌います。

自身の境遇を思い起こしつつ優しく諭すように歌い掛けましょう

苦しいでしょう、悔しいでしょう
運命は何時も不条理で、もうその身体は戻らない
けれどその心だけ、魂は人であるように
最期を選ぶ最後の自由、誇りをどうか取り戻して

身体を脱ぎ捨て、誇りある魂を天へ
貴方達はもう誰にも縛られない

相手の体内で反逆を起こさせ
突然死を引き起こし苦しめる隙を与えず命を奪います
祈る事しかできませんね。こういう時は


 扉を開け、廊下を通り。
 建物内を進んでいたタラス・ジュラヴリョフ(大衆の聲・g07789)とイオナ・ガルバローゼ(空染めの一輪・g07485)は、薄暗く冷えた廊下でそれらに出くわした。
 巨大なコウモリ。
 だが肌を粟立たせるのはその大きさではない。そこについた人間の顔だ。人相も見分けられ、かつてそれが人だった事実を突き付けてくるような、その顔。
「酷い。人間をこんな姿に……」
 実験の果ての哀れな人面コウモリの姿に、自身の境遇を思い起こさずにはいられない。イオナに強烈な敵への怒りがせり上がった。
「今回もとんでもないことやってくれてるね、どうしたらここまで悪趣味になれるんだか」
 タラスは実験によって生み出された人面コウモリの、趣味の悪さに眉を顰めた。
 人面のうつろに開いた目が、ディアボロスを認めたのだろう。廊下に居るものを排除せよとの命令を果たそうと寄ってくる。
 倒すのは容易い相手。だがこのまま倒せば、彼らは人面コウモリとして死ぬことになる。
「人の意識を取り戻すことも残酷かと思いますが……」
 知らずに死ぬのは救いかもしれない、とも思う。だがイオナは、実験により奪われた心だけでも取り戻して、人として死ぬ救いを選んだ。
 タラスもまた、彼らを人面コウモリとして扱うのではなく、人の尊厳を取り戻させる道を選ぶ。
「今の境遇がどんなに辛く苦しいか、僕には見たまましかわからない」
 見るだけでわかる部分だけでも、その辛さは察するに余りある。だが、と襲いかかる人面コウモリを受け止め、タラスは強く訴えかけた。
「それでも、どんな圧政下にいても思想だけは囚われてはいけない。心までを失うな。人が人としてあるために、どんな状況にあっても、自分の心を手放してはいけないんだ」
 イオナは人面コウモリの攻撃を身をかがめて躱し、優しく諭すように、歌いかけた。
「♪ 苦しいでしょう、悔しいでしょう。でもどうか、この歌を聞いて……
 強い言葉。優しい歌声。
 畳みかけられる呼びかけは、人面コウモリの……その中に残る、人だったときの意識を揺り動かした。
「ここは……」
 人面コウモリについた顔の目が開き、不思議そうにまばたく。
「なにこれ?」
「俺もコウモリになっちまったのか!」
 人の意識が目覚めた者が驚愕の声をあげ、それによって動揺した周囲の人面コウモリも、次々に目覚めてゆく。
「元に戻してぇ……」
 泣く人面に、イオナはなおも歌いかける。
「♪ 運命は何時も不条理で、もうその身体は戻らない。けれどその心だけ、魂は人であるように。最期を選ぶ最後の自由、誇りをどうか取り戻して」
 人面コウモリとなった人々の苦悩が満ちる中、イオナの歌声が悲しく響いた。
「絶望し悪逆に屈するのは簡単だ、だけどまだ最期に人として有りたいと思うか?」
 尋ねたタラスに、人面は口々に答えた。
「完全に人面コウモリになっちまう前に……」
「死にたい……」
「こんな状態で生きてるなんて……」
「耐えられない……」
「殺してくれ!」
 すべての言葉を受け止め、タラスはわかった、と答えた。
 最期は彼ら自身の手で、尊厳あるピリオドを。
『僕の声は唆す歌。死に至る日曜日、死にたいものよ前へ倣え』
 パラドクス【衝動的放送局】によって、突発的な自裁衝動で満たされた人面コウモリたちが死を選んでゆく。
「♪ 身体を脱ぎ捨て、誇りある魂を天へ。貴方たちはもう誰にも縛られない」
 イオナのパラドクス【Orléans】が、人としての意識を保っているうちに、人面コウモリの体内で反逆を起こさせて、瞬時に死を引き起こす。
 自分の死の順番を待つコウモリの人面からは、悲嘆の声が絶え間なく漏れる。
「助けて……戻して……」
「なんでこんな目にあわなきゃいけないんだよぉ……」
「ソフィア、ママがいなくても強く……」
 すべての人面コウモリが床に落ちたあとも、その声が耳から離れない。
「こんなの何回もやってらんないよ本当に」
 宙を仰ぐタラスの横で、イオナは目を閉じる。
「祈ることしかできませんね。こういう時は」
 どうか。
 人として死んだ彼らの魂が、安らかに眠れますように――。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【水源】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!

エヴァ・フルトクヴィスト
何と非道な実験なのでしょうか……。
口腔から血液を摂取するのが吸血など、物語だけだというのに!

まずは牢屋の発見ですね。
角は鏡を使って観察し、見つからない様にしつつ探索。
精神集中して苦悶の音や叫んでいる声がする方へと向かいますよ。

牢屋を発見したら、治癒の一環として。
浄化の力を込めた口福の伝道者で増やしたスープで、
血液の味の記憶を浄化しつつ、更に体力を回復して貰いますよ!

慌てず、ゆっくりと召し上がってくださいね。

逃げる際にこれをどうぞと、
ロマノフ王朝に合わせた当面の保存食の食糧と防寒着を渡して。

追手の心配は無用です。
これから貴方達に苦渋を強いていた者達を倒しますから。
ご友人も、お任せいただけますか?


アー・フーベート
なんとおぞましい
吐き気すらおぼえる外道の所業!

……いいや、いま熱くなっても仕方ない
当事者たちのほうがつらいに決まってる
被害を最小限に食い止め
事件の迅速な解決に注力しましょう

牢に入るまえに、視線を低くして外から呼びかける
私たちがわかるかい
怯えなくていい
助けに来たぜ

鍵は剣で破壊
【活性治癒】を活用し
転がっている人びとを抱き起こす

よく頑張った!
こんなに震えて…身体は動くかい
もう一度言うよ
助けに来たぜ

これから起きる騒ぎに乗じて逃げるんだ
お前たちは永い悪夢を見てる
それが醒めるだけだよ
大丈夫
必ずうまくいく

もう連れてかれちまった奴らも
…最善の手を尽くすよ


アルラトゥ・クリム
大音楽家の次は、文豪かあ…
詐称された偉人達は、さぞ迷惑だろね…

自分達の進入口から蛍光塗料でマッピングして地図を作り
脱出経路を確認しながら慎重に進む
牢を見付けたらブレードガンで鍵を破壊して回り
牢番が居たら精々丁重に静粛にして頂く

牢を開放したら、極力牢の中の人達にだけ聞こえる音量で
勝利の凱歌を歌い響かせ、心に傷を負った人達に
勇気と希望、そして思考力を賦活する一助とする
(IS:LIGHT THE LIGHT(マクロス7))

ある程度人心が安定したら、一際落ち着いた人に
手短に事情を話し、地図を渡して脱出の手筈を整える

「大丈夫、貴方達は絶対に助けるよ。私達は、最後の希望だからね」

アドリブ&絡み連携歓迎


 エヴァ・フルトクヴィスト(星鏡のヴォルヴァ・g01561)は握りこんだ鏡の角度を変えて、通路の向こうを窺った。
「大丈夫、この先には見張りはいません」
 素早く移動すると、耳を澄まし、その先を窺う。
「それにしても何と非道な実験なのでしょうか……。口腔から血液を摂取するのが吸血など、物語だけだというのに!」
 憤るエヴァに、アー・フーベート(あらぞめの剣士・g01578)もおぞましげに眉をひそめた。
「外道の所業には吐き気すらおぼえるな」
 すぐにでも首謀者のもとへ駆けつけて斬り捨てたい。こみあげる衝動を、アーは深呼吸して抑え付ける。
 辛いのは当事者たちだ。
 被害を最小限に食い止め、事件を迅速に解決するために注力することが、今の自分がすべきことだろうと、アーは己に言い聞かせた。その上で、この大領地を支配するジェネラル級『創造伯アレクセイ・K・トルストイ』へと迫り、必ずや撃破して、このような暴虐を止めるのだ。
「大音楽家の次は、文豪かあ……」
 ジェネラル級の名前に、アルラトゥ・クリム(現代の魔法使い・g05088)は、詐称された偉人たちはさぞ迷惑だろね、と呟いた。その手には進入口から蛍光塗料でマッピングしてきた地図がある。虜囚たちに脱出してもらうときには、ディアボロスはついていられない。解りやすい脱出経路を渡しておけば、迷わず建物を出られるだろう。
「しっ……」
 エヴァが口元に人差し指を立て、先を指さした。
 耳をすませば風の鳴るような音……いや、違う。ひぃぃひぃぃと叫ぶ声が微かに聞こえる。ディアボロスたちは目を見交わすと、足を急がせた。
 近づくほどに、声は大きくなる。叫び声に隠れていたうめき声も聞き取れるようになり、そして。ディアボロスは牢を発見した。
 叫んでいるのは少女だ。金の髪を血でべったりと頬に貼り付かせ、焦点の定まらぬ目で叫び続けていた。周囲の者は耳を手で塞ぎ、あるいは何も聞こえていないような顔で床に座り込んでいた。
「私たちがわかるかい。怯えなくていい。助けに来たぜ!」
 牢と通路を隔てる格子の前で身をかがめて呼びかけると、アーは剣をふるうのももどかしく鍵を破壊した。
 牢に入ってきた人影に、少女の叫び声が一層高くなった。その声に反応して、周囲の人々が後ずさる。
 アーは活性治癒の効果を広げながら、床を這っている男性を抱き起した。
「よく頑張った! こんなに震えて……身体は動くかい」
「う……あ……」
 怯えている男性に、もう一度言うよ、とアーは牢に入るときにもかけた言葉をはっきりと口にする。
「助けに来たぜ」
 喋ろうとして一度咳き込んだあと、助けに? と男性は繰り返した。その目には疑いの色が濃い。
「ひどい目にあってきたから、すぐには信用できないよね。でも私たちは本当に助けに来たんだよ。勇気を出して、希望を思い出して」
 牢の格子を開け放ち、アルラトゥは勝利の凱歌を歌った。実際に逃げるのは彼ら自身。心が折れていては解放したとしても、ここから逃げ出せはしない。
 アルラトゥの語りかけるような凱歌は、絶望の淵にいた人々に、勇気と希望を湧きあがらせていった。
 エヴァは黄金の林檎の逸話の詩の力を宿した調べを紡ぎ、そこから浄化の力を引き出した。持参したスープを食事として採り、それを口福の伝道者の効果で増やすと、人々へ配る。
「慌てず、ゆっくりと召し上がってくださいね」
 震えて器を支えられない者に手を貸して、エヴァはスープを飲ませた。身体を温め体力を回復させる……それ以上に、口内に残る血液の味の記憶を浄めてしまおうと。
 少しずつ。蒼白だった虜囚の人々に血色が戻ってくる。内側から温めるスープと、とっくに捨てたはずの希望の蘇りによって。
「ダリア、しっかりして。さ、座ってこれを飲んで」
 黒髪の女性が叫んでいる少女の髪を撫でて座らせ、口元にスープを運ぶ。いやいやと首を振っていた少女も、最初の一匙が口に入ると、その後はおとなしく飲み始めた。
 その様子を確かめてから、女性はディアボロスたちに問う。
「あなたたちは誰なの? 助けに来てくれたってどういうこと?」
「それを一言で説明するのは難しいけど、私たちはディアボロス。ヴァンパイアノーブルとは敵対してるし、こんな非道は許しておけないから、あなたたちを解放しにきたんだよ」
 アルラトゥが答える間じっと視線を据えていた女性は、重ねて問う。
「ここから逃がしてくれるの?」
「ああ。これから騒ぎが起きる。それに乗じて逃げるんだ」
 アーが答え、アルラトゥは逃走経路を描いておいた地図を女性に手渡した。他の人々がそれをのぞき込み、知っている箇所と通ったことのない箇所を指さしながら、場所を確認し始める。
「逃げてもブラッディサクリファイスに追われるわ。それもなんとかしてくれるの?」
 窺うように尋ねる女性に、エヴァは頷く。
「追手の心配は無用です。これから貴方たちに苦渋を強いていた者たちを倒しますから」
 そんなの無理だと反対する声があがったが、
「ここにいても死ぬかコウモリになるかしかないわ。なら無理かもしれないけど、あたしは逃げたい。ねえ、どうすればいいのか、最初から教えて」
 女性はディアボロスに請い、逃走手順を一から確認した。
「これをどうぞ。当面の保存食の食糧と防寒着です」
 これは排斥力に排除されないはず、とエヴァは持参した物資を手渡した。新宿島では現在、ディアボロスからの提案により、各ディヴィジョンごとの『排斥力に排除されない物資』の製造・準備が行われている。そこで揃えた吸血ロマノフ王朝用の支援物資だ。
「大丈夫、貴方たちは絶対に助けるよ。私たちは、最後の希望だからね」
 勇気づけるアルラトゥに女性はお願いしますと言って、地図の空白に指を滑らせた。
「あたしたちが連れていかれる実験室はこのあたり。その周辺の通路には……」
 そこで女性は顔を引きつらせ、言葉が継げなくなった。
「……ご友人も、お任せいただけますか?」
 エヴァが優しく問う。
「もう連れてかれちまった奴らも……最善の手を尽くすよ」
 アーの言葉に、女性は声は出さずに何度も頷いた。周囲の人々も辛そうに顔を歪めている。その中でダリアと呼ばれた少女だけが、スープ美味しいねとにこにこ笑う。
「お前たちは永い悪夢を見てる。それが醒めるだけだよ。大丈夫。必ずうまくいく」
 囚われている人を尽きせぬ悪夢から解放すると、アーは己に誓うのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】がLV2になった!
【活性治癒】LV1が発生!
【勝利の凱歌】がLV2になった!
効果2【凌駕率アップ】がLV2になった!
【ドレイン】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV2になった!

ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジ連携歓迎
……俺には貴方達を元に戻す事は出来ない
けど開放する事は出来る

最後に覚えている味が血の味なんてあんまりだから、さ
どうか、此れを……

貴方達の名を教えて欲しい
貴方達の事は忘れないし此の報いは……絶対に受けさせると誓う!

彼等を救う事が出来ない己の不甲斐なさを噛みしめながらを刻み込む為にも攻撃は避けない
持ち込み残していた保存食を差し出し彼等に其の痛み苦しみが少しでも和らぐ様に〇活性治癒を掛け話しかける

彼等を開放する時は痛みが無いよう〇浄化の力を乗せた〇ペルーン神の雷斧で一瞬で

我が神ペルーンよ……御身の雷を以て彼等を開放させ給え!

必ず奴等に、創造伯に報いを受けさせる……此れだけは絶対だ!


アルラトゥ・クリム
よくもまあ、次から次へ。悪趣味な真似を思い付くよね。
勿論、感心なんて欠片もしてやらないけど。

…人間が、自分より下だと認識した相手に何処まで残虐に振る舞えるか
その実証結果が目の前にある
せめてその悪逆で無慈悲な現実から、心だけでも解き放たれん事を…

コネクトでサウンドユニットと『Once Again』を召喚装備し
歌唱と演奏のサウンド内に仕込んだ情報ウィルスで
変化させられた人達の精神と思考中枢を密かに破壊して
歌と演奏の中で安らかな死を得られる様、介錯を施す
(IS:pARTs(Natumi.))

「…せめて人の心が創った歌という文化の中で、
安らかになってくれてたら良いんだけど…」

アドリブ&絡み連携歓迎


アー・フーベート
痛みのすべてを理解することも
真の意味で救うことも
きっと出来ない
代わりに…お前たちの苦しみ、ここで引き受ける

託してくれ
残酷な願いかも知れないが
苦しみを教えてくれ

心の痛みがある限り――お前たちはヒトだ
ヒトとして葬り
理を歪められた器より、魂を解放する…!

私の剣は
怒りによって輝き、人類史の仇を呪う剣
犠牲者に向ける怒りは当然無いので
剣は使いません

パラドクス発動――光輪を光剣に
せめてひかりのなか
苦しまず逝けるよう
十二をひとつの刃に束ねて…両断

攻撃は余程のことがない限り受け止めます
傷を負うたび
彼らを死に導くたび
クロノヴェーダへの憤怒と憎悪が深まる

彼らの尊厳を踏み躙った邪悪なものは…
敵はどこだ…!


エヴァ・フルトクヴィスト
彼らを人としての人生を取り戻す事は出来ない……。
それでも、と思ってしまうのは人の業なのでしょうか。

ですが、過ぎ去りし時を求めるのは、刻逆の様に世界の理を壊す事になり。
そして刻逆を経ても過ぎた時というのは戻る事が出来ないもの。
真理の一端なのでしょう。
なればこそ、罪を背負ってでも。
せめて人としての尊厳を以って来世へと送りましょう。

友や家族と過ごしたであろう在りし日を、
浄化の力を込めた鎮魂歌として歌唱し、紡いで。

人の心を取り戻したのなら、家族やご友人への遺言を聞いた後。
この場に居合わせた一人の人間として。
来世への旅立ちをさせていただきますね。
来世への希望を唄に込め、短剣で急所を苦しまない様に一撃で。


 聞こえてきた羽音に、覚悟はしたつもりだった。
 けれど実際に目の当たりにすると、生命の尊厳を踏みにじる造形に、アルラトゥ・クリム(現代の魔法使い・g05088)は一瞬言葉を失った。
「……人間が、自分より下だと認識した相手に何処まで残虐に振る舞えるか。その実証結果を突き付けられてる気分」
 アルラトゥは強めに息を吐く。そうしてもわだかまったものは、すっきり出ていってはくれなかったが。
「よくもまあ、次から次へ。悪趣味な真似を思い付くよね」
 感心など欠片もしてやらないけど、とアルラトゥは付け加えた。
「もう……彼らは人としての人生を取り戻す事は出来ないのですね」
 それでもなにか方法が。そう思ってしまうのは人の業だろうか。エヴァ・フルトクヴィスト(星鏡のヴォルヴァ・g01561)はコウモリについた人面部分を見やった。
 かつて、人だったものの名残はこの顔だけ。可能ならば元の身体と心に戻してやりたい。けれど。エヴァはそっと目を伏せる。それを求めてはならないのだ。
(「過ぎ去りし時を求めるのは、刻逆の様に世界の理を壊すこと。そして刻逆を経ても、過ぎた時というのは戻る事が出来ないもの」)
 真理の一端であるものを歪めることは、できない。
 なればこそ、とエヴァは罪を背負うことを覚悟した。エヴァにできるのは、彼らをせめて人としての尊厳を以って来世へと送ること。
 静かに息を吸うと、エヴァは歌い始めた。彼らが人だったころ、友や家族と過ごしたであろう在りし日を。平凡だけど小さな幸せのある人間としての日々を、清らかな鎮魂歌として紡ぐ。
 そうしている間も、人面コウモリは廊下をやってきた侵入者へと襲い掛かってくる。
 目を狙ってきた鉤爪を、アー・フーベート(あらぞめの剣士・g01578)は腕を掲げて受け止めた。それに対する反撃はせず、アーは手に目をやる。爪の引いた赤い線は、うっすらと頼りないほど細い。
 辛い実験の果て、こんなものにしかなれなかった彼ら。
 アーは歯を食いしばって感情の波を抑え込むと、人面コウモリへ呼びかけた。
「私には……お前たちの痛みのすべてを理解することも、真の意味で救うことも、きっと出来ない」
 代わりに、と続ける声がかすれる。
「お前たちの苦しみ、ここで引き受ける。託してくれ。残酷な願いかも知れないが、苦しみを教えてくれ」
 ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)もまた、
「どうか、貴方達の名を教えて欲しい」
 人面コウモリの羽に頬を叩かれながらも、一切避けようとせず人面コウモリへと呼びかける。
 在りし日の歌に思い出して。人としての貴方を。
 どうか教えて。誰にも知られず消えて行った怨嗟を。人として受けた名を。
「う、うぁ……」
「私、コウモリに……」
 最初に聞こえてきたのは呻き、そして悲鳴。その中に、自分の名や、受けた実験のことを答える声がまじる。
「飲みたくなかった……飲んでしまった……」
「だからこんな姿に……?」
「なんて忌まわしい体……」
 聞こえてくるのは恨みより悲嘆が多い。
「助けて!」
「こんな体、いや……」
 痛切な願いは叶えられることはない。なんと悪逆で無慈悲な現実だろうとアルラトゥは思う。
「すまない。俺には貴方たちを元に戻す事は出来ない。けど解放する事は出来る」
 戻すことができないというルィツァーリの言葉に、人面から落胆の息が漏れた。
「解放? 出してもらっても……」
「俺たちの意識はすぐ消える」
「誰かを襲ってしまう……」
「……殺すの?」
 発せられたまだ若い声に、人面ははっと息を呑んだ。
「死にたくない!」
「怖いよぉ」
「帰りたい……」
 喚き始めた声がうるさいほどのどよめきとなったが、ディアボロスたちは耳を塞ぐことは無くそれを聞く。
「……殺して」
 さきほど、殺すのと聞いたのと同じ声が言った。
「早く! 私が私でいられる間に」
 飛び出してきた人面コウモリの口に、ルィツァーリは保存食の欠片を入れてやった。最期に覚えている味が血の味なんてあんまりだから。
『我が神ペルーンよ……御身の雷を以て彼等を解放させ給え!』
 苦しませぬように全力でふるったペルーン神の雷斧が、跡形もなく人面コウモリを屠った。
「貴方達の事は忘れないし、此の報いは絶対に受けさせると誓う!」
 仲間の最期に人面コウモリは動揺した。が。
「ケケケケケ!」
 人の心を保っていられなくなった人面コウモリのあげた声に、恐慌が走る。
「コウモリになりたくない……」
「コウモリとして死ぬよりも……」
「早く!」
「殺してくれ」
 殺到する人面コウモリを前に、アルラトゥはコネクト・エンブレムでサウンドユニットと『Once Again』を召喚装備した。
(「……せめて人の心が創った歌という文化の中で、安らかに」)
 歌唱と演奏のサウンド内に仕込まれた情報ウィルスが、変化させられた人々の精神と思考中枢を密かに破壊し、生命力を削り取る。
 最期のときくらいは、歌と演奏の中で安らかな死を得て欲しい。その想いをもって、アルラトゥは人面コウモリへと介錯を施していった。
「あんなに苦しい実験に耐えたのに……」
「死ぬしか、ない」
「コウモリになっちまっただなんて……」
 人面が吐き出す言葉をアーは受け止めた。
「心の痛みがある限り、お前たちはコウモリではなく――ヒトだ」
 彼らがヒトであるうちにヒトとして葬る。
 アーの剣は怒りによって輝き、人類史の仇を呪う剣。犠牲者たちには使わない。代わりにパラドクスを発動させた。
 頭上の光輪を十二の光剣に。それをひとつの刃に束ねて人面コウモリを両断する。
「理を歪められた器より、魂を解放する……!」
 圧倒的な威力を前に、人面コウモリは光に溶けるように消失した。痛みさえ感じる間もなく瞬時に。だがその痛みはアーの心に蓄積し、クロノヴェーダへの憤怒と憎悪へと変わる。
「ご家族やご友人へ遺したい言葉はありますか」
 エヴァの問いかけに、コウモリの人面が悲しげに言葉を紡ぐ。
「お母さんは死んでもずっとあなたのそばにいるわ」
「帰れなくてごめん。愛してる」
 震える声で人面は、故郷にいる誰かに向けた最期のメッセージを口にする。
「この場に居合わせた一人の人間として、来世への旅立ちをさせていただきますね」
 唄に込めるのは来世への希望。次は幸せな生をまっとうできるようにと願いながら、エヴァは人面コウモリの生命を断った。

 ……気づけばすべての人面コウモリは落ち、廊下は静寂を取り戻していた。
 かっと見開いた人面の目を、エヴァの指がそっと閉ざす。
「彼らの尊厳を踏み躙った邪悪なものは……敵はどこだ…!」
 アーの瞳には怒りが燃え上がり、衝動のままに実験室へと走り出した。
 ルィツァーリは人面コウモリにされた犠牲者を振り返り、
「必ず奴等に、創造伯に報いを受けさせる……此れだけは絶対だ!」
 約束を残すと、アーの後を追って駆けだした。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】がLV2になった!
【プラチナチケット】LV1が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
【勝利の凱歌】がLV3になった!
効果2【ドレイン】がLV2になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【ラストリベンジ】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV3になった!

アー・フーベート
実験室に到達したら
一刻も早く撃破を……だが、そのまえに
実験を受けるひとの解放からだ

仲間といっしょに突入して
私は先ず被害者を実験室の外に運び出すよ
落ち着くまで面倒見てやれねェのは心苦しいが
【活性治癒】も残ってる
逃げるか、隠れてな

その後すぐに加勢
仲間と連携、協力

呪剣を解放しパラドクス発動
いましがた聞いた…人びとの苦しみ
わが胸に燃える怒り――すべて呪剣の輝きに!
忌まわしき血に呪詛を刻もう
身体の内から朽ちる痛みを、覚えておけ――!

変幻自在の鞭とはいえ
獲物を狙う以上
ある程度の軌道は読める筈
回避よりも受け流しを優先して
剣で対応
間合いを詰める

仲間の攻撃に繋げるよう
斬撃、薙ぎ払い、刺突の連撃で
隙をつくる


アルラトゥ・クリム
…皆、見事にブチ切れてるね。気持ちは痛い程分かるけどさ。
何せ私達は、彼らの無念も背負ってるからね…
さあ、ショータイムだ。今日の復讐者に、慈悲は無いよ。

被験者がまだ残っており、避難が必要なら
非難に当たる仲間の殿を務める
剣形態ブレードガンに魔力刃を宿し、それを伸長或いは射出して
襲い来る敵を纏めて薙ぎ払い、時間を捻出

避難完了或いはその必要が無ければ攻勢に転じ
XMA宜しき体捌きと身熟しを以て敵の狙いを散じさせつつ
魔力刃で液状鞭を斬り払い、返す伸長した魔力刃にて
複数の敵を実験施設諸共、纏めて薙ぎ払う

「巫山戯たお遊びは、此処でフィナーレだ。
儚く散った人達の無念、纏めて受け取ると良い」

アドリブ&絡み連携歓迎


タラス・ジュラヴリョフ
コイツらについてはみんなも同じこと思ってるだろうし多くは言わないよ
言及する価値もないって言うのが正しいかな

パラドクスを発動し人々を奮い立たせ敵を煽る言葉で挑発し此方へ注意を向かせ、一般人の避難をサポート
「声も出せず抗うこともできない中よく耐えたね、みんなの意志に敬意示そう
僕の声は大衆の声、君の代わりに言いたいことを言ってあげる」

「お前達の実験は実を結ばずここで消える
お前達のやる事に価値は無く、歴史もその存在を記憶しない
哀れな圧政者の末路を辿ると良いよ」

【完全視界】で実験室内の視覚情報を収集し、避難路の反対側に誘い込むよう立ち回る
敵の死角を縫うように移動して回避しながら言葉の弾丸を浴びせて行く


エヴァ・フルトクヴィスト
この手から守れず零れ落ちていく命を見送るのは……、
辛い、ですね……。

だからこそ、折れる訳には。
この力は一つでも悲劇を止めるためにあると、信じているからこそ!
そして受け継いだ力と志に報いる為にも!

研究室に突入後は、研究中だった人々を逃がす為に強打で敵を吹き飛ばしたり、
ドローイングナイフによる投擲で攪乱して防衛ラインを形成。

今の私は一人からなる英雄が要塞、後ろには一歩も通しません!

相手の攻撃には精神を集中し、殺気で攻撃先を看破して追跡。
高速詠唱による魔術の砲撃や斬撃の連撃で相手の変幻自在の血の剣を止めまつつ、
残像や飛翔などのフェイントを絡めて相手に逆に反撃を叩き込みますよ!

残虐たる行いの報いを!


イオナ・ガルバローゼ
研究室は此処でしょうか。
直視して怒りに狂わずに居られるかはわかりませんが。
まだ生きている犠牲者は助けなければ――。

【完全視界】の使用で私達は視界が確保できますが一般人はそうは行きません
【照明】を使用して逃げ道を照らし
光によって惹きつけられる相手の注意や攻撃は
【Jaune ancienne】を使用して私が受け止めましょう

実験から受けたショックから直ぐに立ち直るのは難しいかもしれませんが
【活性治癒】の使用【勝利の凱歌】で少し手も置き上がる助けになるように


ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジ連携歓迎

……怒りに身を任せては護れる物も護れないか
お前達の行い必ず報いを受けさせるぜ

此の程度の痛み……彼等の絶望にも痛みにも及ばない!
お前達の与えた其れにはな!

研究室突入後、逃げる人達が此方に向かってるだろうカーミラの所に行かずより早く逃げられる様〇避難勧告発動

其の侭自身は避難時間を稼ぐ為戦闘

〇地形の利用をし実験室の物品、例えば血の入った容器等を〇投擲したり〇高速詠唱で〇光(使い)の〇誘導弾を敵に放ち閃光弾紛いをし目潰したりし〇攪乱
自分に目が向くよう動き被害者の人達が逃げる時間を稼ぎつつ一体ずつ〇屠竜撃で倒していく
敵攻撃は自身の周囲に〇多重詠唱で〇氷雪(使い)の〇弾幕を展開し凍らせ対応


「この手から守れず零れ落ちていく命を見送るのは……、辛い、ですね……」
 なんて無力なのだろうと、エヴァ・フルトクヴィスト(星鏡のヴォルヴァ・g01561)は命を救い留めることのできなかった自分の手を見つめた。耳にはまだ、彼らの慟哭がこびりついている。
 ディアボロスとなっても、望むものすべてを叶えられはしない。けれどだからこそ、折れるわけにはいかないのだ。
 この力は、ひとつでも悲劇を止めるためにある……エヴァはそう信じているのだから。
 ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)はこみあげる怒りをぐっと抑えつける。怒りに身を任せていては、護れるものも護れなくなる。無念のうちに死んでいった彼らのために今できるのは、人の尊厳を踏みにじったクロノヴェーダに報いを受けさせることだ。
 だが、今は救えなかった人々への悔いに沈んでいる時間はない。
「実験室は此処でしょうか。まだ生きている犠牲者は助けなければ」
 顔を上げるイオナ・ガルバローゼ(空染めの一輪・g07485)へ、アルラトゥ・クリム(現代の魔法使い・g05088)が描きかけの見取り図を広げてみせた。
「牢にいた人によると、実験室はこの空白のあたり。もうすぐそこだね」
 ディアボロスたちはそれらしき扉を片っ端から開けていき、そして。
 アー・フーベート(あらぞめの剣士・g01578)が開けた扉の先に、椅子に括りつけられ人々の姿があった。
 口につっこまれた漏斗から血と呻きが漏れている。顔に飛び散った血を溶かした涙が、赤く染まってぽたりと落ちる。
 それは実験というより拷問に近い。
「実験中です。出ていきなさい」
 入ってきたディアボロスに眉を顰めると、ブラッディサクリファイスは再び実験体の口に血を注ぎ入れた。これがあの人面コウモリたちを作り出すための実験なのだろう。
 すぐさまブラッディサクリファイスを叩きのめしたい。だが、アーはその前にと拘束されている人の元へ走り、その縛めを解き、刺さっている漏斗を抜き捨てた。
 漏斗に残っていた血が飛び散り、解放された人は咳き込みながら、這い下りようとする。
「待ちなさい、実験はまだ途中です!」
 実験体へと手を伸ばすブラッディサクリファイスをエヴァは強く殴りつけ、逃げる人との間に立ちはだかった。
『託された思いを受け継ぐ者として、そのお力お借りします。識りなさい、一人の英雄が生み出す要塞が人々を護った、その力を!』
 それは滅ぼされたディアボロスより託された、意志の力の具現化。クロノヴェーダの侵攻に際して要塞の如く立ちはだかり、斃れるまで誰一人として後ろに通さなかった彼女のように、エヴァは我が身を壁として防衛ラインを引く。
「今の私は一人からなる英雄が要塞、後ろには一歩も通しません!」
「早く実験体を回収するのです!」
 ブラッディサクリファイスが切り裂いた自身の手首から溢れる血液が、変幻自裁の剣となる。それを受けながらも、エヴァは一歩もひくことはない。
 ベッドから実験体とされている人を助け出しながら、タラス・ジュラヴリョフ(大衆の聲・g07789)は、騒ぎ立てているブラッディサクリファイスを一瞥した。おそらく、ブラッディサクリファイスについては、皆も同じことを思っているだろう。多くを言う必要はない、いや言及する価値もない、というのが正しいか。
 だからパラドクスを発動したタラスは、ブラッディサクリファイスではなく人々へと呼びかける。
「声も出せず抗うこともできない中よく耐えたね、みんなの意志に敬意示そう。僕の声は大衆の声、君の代わりに言いたいことを言ってあげる」
 拡声器を介したタラスの声は威厳と情熱に満ち、人々の意志を奮い立たせる。同時に敵の精神を打ち砕く。
「お前達の実験は実を結ばずここで消える。お前達のやる事に価値は無く、歴史もその存在を記憶しない。哀れな圧政者の末路を辿ると良いよ」
 挑発的に言葉を投げつけるタラスを、4体のブラッディサクリファイスのブラッディブレードが続けざまに切り裂いた。だがその間にディアボロスは、捕らわれていた人々すべてを拘束から解き放った。
「どうか勇気を」
 イオナはタラスのもたらした士気高揚の効果に、勝利の凱歌を合わせる。
 実験により弱り切った心に勇気と希望を。
 そしてその人々を助けるディアボロスへも勇気と希望を。
「落ち着くまで面倒見てやれなくてすまないが、私たちはあれを倒す。逃げるか、隠れてな」
 ふらつく人に手を貸して部屋の外へと連れていきながら、アーは活性治癒を使った。ディアボロスから離れ逃げれば、効果は届かなくなってしまうのだが、それまでの間だけでも。
 イオナは照明の残留効果で付近の明るさを確保した。これもディアボロス周辺だけしか届かないのがもどかしい。
「牢にいる人も逃げられるようにしてあります。一緒に逃げてください」
「ありがとう。でも廊下には……」
 言いよどむその先はきっと。イオナの脳裏に人面コウモリたちの姿が浮かぶ。
「だい、じょうぶです。逃げられます」
 逃げることのできなかった人の分も生き抜いてほしい。願いをこめて、イオナはパラドクス【Jaune ancienne】を展開した。
 ブラッディサクリファイスの攻撃も、人面コウモリの命の重さも、すべて自分が受け止める。その覚悟のもと、イオナの血を代償とした白く輝く結界が、薔薇の花のように広がった。剣弁の縁が踏み込むクロノヴェーダを切り刻む。
 ブラッディサクリファイスの手首から溢れた血が毒を含んだ霧となり、イオナを包み込んだ。その痛みを越えて、イオナの結界はいよいよ白く輝いた。
「早く逃げるんだ」
 ルィツァーリの言葉とともに、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。避難勧告の効果に背を押されるように、捕らわれていた人々は実験室の外へと駆けだした。
「実験体が!」
 色めき立つブラッディサクリファイスへと、ルィツァーリは被験者に飲ませるための血が入った容器を投げ飛ばした。
「この……!」
「よそ見してる余裕なんてあるのか?」
 ブラッディサクリファイスの目がそちらへと向いた隙に、ルィツァーリは竜をも屠るような一撃を抉りこむ。
 ブラッディサクリファイスはルィツァーリへと目を据えたまま、自身の手首を切り裂いた。流れる血は脈動によってウォーターカッターと化す。
 両側から突き刺されたブラッディブレードを、ルィツァーリは鼻で笑った。
「此の程度の痛み……彼等の絶望にも痛みにも及ばない! お前達の与えた其れにはな!」
 反撃で力尽きたブラッディサクリファイスにはもう構わず、ルィツァーリは次の敵へと向かっていった。
「……皆、見事にブチ切れてるね」
 気持ちは痛いほど分かるけど、とアルラトゥはそっと廊下を窺う。人々が逃れてゆく廊下には、もう妨げとなるものはいない。
(「何せ私達は、彼らの無念も背負ってるからね……」)
 この建物から出ることが出来なかった、人に戻ることが出来なかった、彼らの思いを背に、アルラトゥは避難する人々の殿で、剣形態としたブレードガンをふるった。
 アルラトゥらが逃がしている人々に目を向けさせないために、タラスは避難路の反対側で、ブラッディサクリファイスに【革命的放送局】の言葉の弾丸を浴びせ続ける。そうしているうちに被験者たちが逃げてくれると思えば、敵から受ける反撃の痛みも気にならない。
「一歩も通さないと言ったはずです」
 通路に引いた防衛ラインを越えようとする敵へと、エヴァはドローイングナイフを投擲した。人であるうちに解放できた人々を追わせはしない。間に合わず救えなかった人の分も、彼らには人としての未来を進んでほしいから。
「よし、これで完了だ」
 すべての人を廊下へと逃れさせたアーが、身を翻して実験室へと戻る。
 アルラトゥは、避難完了、と大きな音を立てて扉を閉めた
「さあ、ショータイムだ! 今日の復讐者に、慈悲は無いよ」
 これでもう、一般人を気にかけることなく存分に戦える。
 襲い掛かる鞭と変じたブラッディサクリファイスの血液から、アルラトゥはきれいなバク転で距離を取った。なおも追いかけてくる鞭を受けた魔力の刃は、アルラトゥが注ぎ込む魔力によって伸長し、ブラッディサクリファイスたちを実験設備ともども薙ぎ払う。
「巫山戯たお遊びは、此処でフィナーレだ。儚く散った人たちの無念、纏めて受け取ると良い」
 弾け飛んだ漏斗が割れて、飛び散った破片が床を汚す血と混じり合った。
 実験室に戻ったアーは、呪剣に手をかけた。憤怒なくしては抜けないその剣は、すらりと鞘から抜けて、輝きを増してゆく。
 ブラッディサクリファイスの手からは、アーへと血の鞭が伸びうねった。床を這い、下から伸びあがる鞭を、アーは続けざまに切断し、ブラッディサクリファイスとの間合いをつめた。
 まだ耳に残っている、人びとの苦しみの声。アーの胸に燃えあがる怒りが、すべて呪剣の輝きとなってゆく。
「忌まわしき血に呪詛を刻もう。身体の内から朽ちる痛みを、覚えておけ――!」
 剣が放つ白くまばゆいひかりは、呪いとなって焼き付き、焦げ付く。目を覆おうとも、ひかりは深く刺しこまれ、ブラッディサクリファイスは苦悶のうちに倒れていった。
 やがて実験室で動くものがディアボロスのみになった、そのとき。
 実験室の奥へと続くドアが開き、部屋に入った赤い靴がガラスの破片を踏みしだく。
「何なの、この体たらくは」
 血と薔薇の令嬢『カーミラ』は、眉をしかめて実験室を見渡した。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【腐食】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【能力値アップ】LV2が発生!
【命中アップ】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV4になった!

アー・フーベート
敵の声が届くが早いか速攻で斬り込む
自分の間合いに持ち込んでパラドクス発動
連撃を与えて追い詰める

見てのとおり、貴様らの計画は失敗だ
犠牲者たちは皆解放した
もう憂いは無い――あとは貴様を討つのみ、全力で参る!

魔物狩人はまとめて薙ぎ払う
煩わしいが多少の傷は忍耐力で凌ぎ
自分や仲間の動きに支障ないなら無視して
カーミラを集中攻撃するよ

苦痛を強いて甚振る趣味は無い
一刻も早く終わらせよう

広大な地のなか
実験場がここだけではないことが何よりおぞましい

人面コウモリとなった彼らのすがた、言葉
かろうじて私につけた浅い傷の赤
…忘れまい
必ず創造伯に至り、邪悪なる目論見ごと両断すると
わが呪剣の輝きに誓いましょう……!


アルラトゥ・クリム
…さて。逃がせる人達、助けられた人達は全員逃がした。
もう後顧を憂いながら戦う必要は無い。
さあ、ショータイムだ。魔法使いの全力、ご覧に入れよう。

全く…何奴も此奴も、命を軽く扱って。
ひとつの命に、どれ程の可能性が満ちているか…考えもせず。
見せてあげる。貴女が塵芥に扱った、命の力。

呼び集めた生命の力の欠片を集約して『生命の賛歌』を紡ぎ出し
賛歌の膨大な魔力で魔物狩人を押しのけながら
溢れる希望の力で『創世の光』を現出せしめ
血と薔薇の令嬢を、虚無へ帰さしめる

遠くない内に必ず、創造伯とやらも同じ所へ送ってあげる。
命と希望を玩弄したその報い。その身に刻んで、虚無に帰しなさい。

アドリブ&絡み連携歓迎


イオナ・ガルバローゼ
怒りが収まらない
ここに居た人たちを襲った不条理
押し付けられた血に穢された苦しみ
こいつの死だけでは怒りは収まらない
こいつ地に還したら直ぐに次の研究所も強襲です

……あれは螺旋状の突撃槍?
masterpieceを使用
血液を同じ螺旋の突撃槍の形に変えて迎え撃ちます

【飛翔】で相手の動きに合わせ移動、速さが足りなくとも飛んで居れば相手から近づいて来るのは必定
【完全視界】を使ったまま相手と打ち合う瞬間に【照明】を解除し、相手の見ている距離感を幻惑する


…………。
ああ、でも……。
やはり斃したら、生存者を助けますか。
遺品や遺体の処理も
すごく、すごく悔しいですど
私も違う研究室から、そうやって助けられたんですから。


エヴァ・フルトクヴィスト
冷静さを保つのに非常に苦労しましたよ……。

私達は……私達は貴方達の道具やモノなのでは断じてない!

死に逝く人々の言葉をたくさん聞いてきました。
私も一度は貴方達に敗北もしました。
ですが!それでも!
胸を焼く奪われた怒りを糧に。奪還を為すために!
今は、貴方を倒して創造伯へ迫らせて貰います!

勇気を以って精神を集中し相手を観察、
殺気と未来予測の組み合わせで相手の攻撃の動きを看破。
残像を交えた桜の花びらの様に舞うフェイントで攻撃を出来るだけ避け、
被弾するとしても結界術で急所を護り避けつつ最小限で相手を追跡。

間合いに入ったら浄化の力を剣に纏わせ連撃の斬撃を!

終ったら施設の破壊と、死者を弔い冥福を祈りますよ。


タラス・ジュラヴリョフ
こいつが死んだところで人面蝙蝠になった人は帰ってこない
助けた人達だって受けた傷は完全に癒えることはない
僕にできることって本当に少ないね
せめてこの悪趣味な実験だけでも終わらせてやるさ

【勝利の凱歌】を戦場へ響かせる
勝機を得るにはまず気力から。仲間へ立ち向かう[勇気]の扇動を
「失ったものは多くとも、救えたものだって決して少なくない
ディアボロスは怒りの代弁者。思う存分叩きつけてやろう」

【完全視界】で血の瘴気で視界を遮られるのを防ぎ
敵の動きを観察して回避と防御を行い
敵の攻撃を防いだと同時に【飛翔】で間合いを詰め、パラドクスの力を込めて拡声器を振り下ろす
さっきも言ったけど、こいつに言及する価値はないってね


「何なの、この体たらくは」
 眉をしかめた血と薔薇の令嬢『カーミラ』が実験室を見渡した、その瞬間。
 真正面に呪剣を構えたアー・フーベート(あらぞめの剣士・g01578)は、カーミラへと躍りかかっていた。
 呪剣はその意匠の華麗さにも負けない美しい剣技によって、軽やかに、だが力強くカーミラを縦横に切り裂いた。
 すぐさまカーミラも表情を引き締め、戦闘態勢に入る。
「勇敢なる従僕たちよ。不埒者を屠りなさい」
 カーミラに命じられた魔物狩人たちが鋭い爪で襲い掛かってくるのを、アーは薙ぎ払った。避けられなかった傷もあるが、今はそれにかかずらってはいられない。
「退きなさい」
 魔物狩人たちをいったん退かせたカーミラに、アーは呪剣の先で実験室を指した。
「見てのとおり、貴様らの計画は失敗だ。犠牲者たちは皆解放した」
 カーミラはアーが指した実験室の、割れて飛び散る実験道具と、空っぽのベッド、床に倒れているブラッディサクリファイスを眺め、肩をすくめた。
「そのようね。また実験材料を集めてくる手間をかけなくてはならないわ。なんて迷惑なのかしら」
 カーミラの言い草に、エヴァ・フルトクヴィスト(星鏡のヴォルヴァ・g01561)の体に怒りが突き上げた。
「私達は……私達は貴方達の道具やモノなのでは断じて無い!」
 エヴァはこれまで、死に逝く人々の言葉をたくさん聞いてきた。エヴァ自身も、一度はクロノヴェーダに敗北もした。
 だがそれでも。
 胸を焼く奪われた怒りを糧に。奪還を為すために、エヴァはクロノヴェーダの前に立ちはだかる。
「私は貴方を倒し、創造伯へ迫らせて貰います!」
「アレクセイ様の崇高なる実験に、取るに足らない者たちが道具としてでも参加できるだなんて、光栄でしょうに」
 何を怒っているのかしらと、カーミラは首を傾げる。
 その態度に、イオナ・ガルバローゼ(空染めの一輪・g07485)に熱く怒りが這いのぼる。残酷な実験に強制的に参加させられ、押し付けられた血に穢された苦しみ。そして吸血コウモリとなった身を嘆きながら死んでいった人々。彼らを襲った不条理への怒りは、カーミラを弑しただけでは収まらないほどに、イオナの中でたぎっている。
「こいつを地に還したら直ぐに次の研究所も強襲です」
 行われている実験のすべてを、今すぐに粉々に砕きたい。イオナの息苦しいほどの怒りのやりどころは、『吸血実験室』の完全な破壊にしかない。
「まったく……」
 アルラトゥ・クリム(現代の魔法使い・g05088)は嘆息した。
「何奴も此奴も、命を軽く扱って。ひとつの命に、どれ程の可能性が満ちているか…考えもせず」
 一体今回の実験で、いくつの可能性が踏みにじられ、閉ざされてしまったのか。それに目も向けようとしていないカーミラへと、アルラトゥは視線を据えた。
 逃がせる人たち、助けられる人たちは全員逃がした。もう後顧を憂いながら戦う必要はない。
「見せてあげる。貴女が塵芥に扱った、命の力。――さあ、ショータイムだ。魔法使いの全力、ご覧に入れよう」
 アルラトゥは全ての世界の生命に、『生命の力』を分けてくれるように呼びかけた。僅かずつ、けれど多くから貰った生命をひとつに集約し、紡ぎ出すのは『生命の賛歌』。
 パラドクス【Ain Soph Aur】。
 無限に生み出される希望の力が現出させた無限光が、カーミラを貫いた。
 魔物狩人たちをアルラトゥへと向かわせる背後で、カーミラは乱れた呼吸を整える。
(「こいつが死んだところで、人面コウモリになった人は帰ってこない」)
 カーミラと戦う仲間へと勝利の凱歌を響かせながら、タラス・ジュラヴリョフ(大衆の聲・g07789)は思う。
 失われた命を呼び戻すことはできない。救出できた人々だって、実験によって受けた心の傷は、生涯癒えることなく彼らを苦しめ続けるだろう。
 タラスが精一杯手を伸ばしても、届かせることができるのはほんのわずか。だからせめて、手の届くところまでは。せめてこの悪趣味な実験だけでも終わらせてやる。
 失ったものは多くとも、救えたものだって決して少なくないのだから。
 カーミラが手にした薔薇の髪飾りが、ほどけるように螺旋を生んで、巨大な槍へと形を変えた。
「これが貴方たちの墓標よ」
 血の色のドレスに同色の瘴気を纏わせて、カーミラは飛び、タラスとイオナへと続けざまに槍を突き出した。
 カーミラの槍が腕を貫いたのと同時に、タラスは身を返して間合いを詰め。
『馬鹿にかける言葉はないね』
 言葉を投げるのではなく、手にした拡声器にパラドクス【愚者への行使】の力をこめて、勢いよくカーミラへと振り下ろした。言及する価値のない相手には、言葉ではなく物理が相応しい。
 一方イオナは、自身の血液からカーミラの赤薔薇の墓標と同じ螺旋の突撃槍の形に変えて迎え撃った。
『わたくしの血の最後の一滴までご主人様の剣となります』
 2本の槍が交錯する。
 赤薔薇の槍はイオナの肩を浅く抉り、血液の槍はカーミラの胸を貫いた。
 タラスとイオナの攻撃に、カーミラは空中から叩き落とされ、実験体が寝かされていたベッドの上に落ちた。
 自分が実験用のベッド上にいることに気付いたカーミラは、嫌そうに顔をしかめ、すぐに床へと降りた。カーミラが床に零れている実験体が飲まされていた血液へと手を差し伸べると、そこから無数の蝙蝠の形をした爆弾が生まれ、羽ばたく。
『託された思いを受け継ぐ者として、そのお力お借りします。識りなさい、桜花の如し儚くも華麗な剣の舞を!』
 対するエヴァの動きは舞い散る桜の花弁のごとく、ひらり、ふわりと。
 動きを読んで避けようとするエヴァを、追尾した蝙蝠爆弾が次々に爆発した。それをもフェイントをかけて被弾を最小限にしつつ、エヴァはカーミラへと迫った。
 エヴァの両手には蒼と紅に輝く宝玉を持つ短剣、ビュグヴィル&ベイラ。
 切りつけるというよりは、急所に貼り付くような斬撃が、桜の花弁が色付くかのごとくに力を吸い上げる。
 肌と共に刻まれたカーミラのドレスの生地が、毒々しい血の色の花弁のようにはらりと落ちた。傷を押さえるカーミラの顔は歪んでいる。
「苦痛を強いて甚振る趣味は無い、一刻も早く終わらせよう」
 アーの持つ呪剣はいよいよ輝き、味方を鼓舞し、敵の闘志を奪ってゆく。
「そうだね。こんな事件はもうフィナーレだ」
 アルラトゥは全ての世界の生命へと呼びかける。
『因果律演算、共振開始……聞こえる? 世界に満ちる生命の賛歌。希望の声に導かれ、虚無へ帰しなさい。この無限光に抱かれて……!』
 無から無限へと広がる光。
 改竄された歴史、その顕現たるクロノヴェーダを、虚無へと帰さしめる光が、カーミラへと吸い込まれる。それに合わせて、
『軽やかに、美しく、全力で。――参ります!』
 アーの剣がカーミラを、突き、斬り、打つ。
 最期のあがきで反撃はすれども、身体に空いた大穴を塞ぐことは能わず。
 血とガラスが散る床へと、カーミラは崩れ落ちた。
「遠くない内に必ず、創造伯とやらも同じ所へ送ってあげる。命と希望を玩弄したその報い。その身に刻んで、虚無に帰しなさい」
 創造伯アレクセイを倒し、人々の尊厳を踏みにじる実験を必ず根絶する。息絶えたカーミラを、アルラトゥは見下ろした。

 カーミラを倒してしばらく、イオナは放心して立ち尽くしていた。そして、長く細い息を吐く。
「生存者を助けますか。それと、遺品や遺体の処理も」
 うちから膨れ上がる悔しさを抑え込み、イオナは動き出す。自分も違う研究室から、そうやって助けられたのだから。
「牢と館内を見てきたが、囚われていた人たちは皆脱出できたようだ」
 彼らが今後無事に生き抜けることを、タラスは祈った。クロノヴェーダの支配する地では、1つの事件から逃れられたとしても、安全と言えないことがもどかしい。
 エヴァは人面コウモリたちの亡骸を葬ると実験施設を破壊した。冥福を祈るまぶたに吸血コウモリの人面の、絶望の表情が浮かぶ。
「……実験場はここだけではないのだな」
 大領地『吸血実験室』には他にもアヴァタール級が管理している実験室があるという。それがアーには何よりおぞましく感じられた。
 人面コウモリとなった彼らのすがた、言葉、そして……とアーは手を見る。人面コウモリがかろうじてアーにつけた浅い傷はすでに塞がっている。だが、あのはかない傷の赤を忘れまい、とアーは傷の場所を手のひらで覆って誓う。
「必ず創造伯に至り、邪悪なる目論見ごと両断するとわが呪剣の輝きに誓いましょう……!」
 悪趣味な実験の犠牲となる人を、これ以上増やしてはならぬと心に決めて。
 ディアボロスたちは新宿島へと帰還したのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】がLV4になった!
【勝利の凱歌】がLV5になった!
【未来予測】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV5(最大)になった!
【ガードアップ】がLV5になった!
【ラストリベンジ】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2023年01月21日

創造伯アレクセイの吸血実験室

 攻略旅団の提案により、ウクライナ地域の探索を行っていたディアボロスは、史実でロシアで吸血鬼物の小説を最初に執筆した『創造伯アレクセイ・K・トルストイ』の大領地を発見する事に成功しました。

 トルストイ伯爵が治める大領地は『吸血実験室』と呼ばれており、一般人を吸血鬼化する為の様々な実験室があるようです。
 領地は狭いですが、各地から供給される犯罪者(吸血鬼に都合の悪い一般人)を使い、様々な実験を繰り広げているようです。
『スカーレットデス』『棺輸巨狼』などの、非人間型のヴァンパイノーブルなどは、この『吸血実験室』で生まれたようです。

『吸血実験室』の領地では、配下のアヴァタール級が集められた住民を使って、非道な実験を繰り返しており、人間の意識を残したまま非人間型の『トループスもどき』にされる者も多くいるようです。
 この大領地に向かい、非道な実験の被害者となる住民を救出し、『吸血実験室』の解放を目指してください。

 創造伯アレクセイ・K・トルストイの居城である『吸血実験城館』の位置は、判っていませんが、配下のアヴァタール級を撃破していけば、場所を突き止め、城館へ通じるパラドクストレインを出現させられるでしょう。

創造伯アレクセイ・K・トルストイ


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選択肢『囚われた牢からの脱出』のルール

 牢などに囚われている一般人が脱出するための準備を行います。
 鍵を手に入れる、牢番を無力化する、怪我を治療する、必要な地図を手渡すなど、脱出に必要と思われる準備を整えましょう。
 準備が整っていれば、ディアボロスがクロノヴェーダと戦闘して撃破する混乱を利用して、自力で脱出してくれます。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『👿をクリアするまでに、この選択肢の🔵が👑に達すると、捕らえられた対象の救出は成功する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『トルストイの実験体『人面コウモリ(ウプイリ)』』のルール

 創造伯アレクセイ・K・トルストイの『吸血実験室』で生み出された、人面コウモリのトループス擬きを撃破します(彼らは、実験体の事をウプイリと呼びます)。
 人面コウモリは、全長1m程のコウモリの頭部に、人間の顔がついているという不気味な姿であり、近づくものを無差別に攻撃しようとしますが、戦闘力は低く容易に撃破する事ができるでしょう。
 また、人面コウモリは人間としての意識も残っている為、彼らの心に寄り添うような言葉を賭ける事で、人間としての意識を取り戻させ、攻撃を停止させる事もできるようです。
 意識を保てる時間は短く、時間が経てば彼らは再び暴れ始めます。意識を取り戻したウプイリ達は、自らの死をディアボロスに望みますので、安らかな死を与えてあげてください。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾作戦行動中のトループス『ブラッディサクリファイス』のルール

 なんらかの作戦を行っているトループス級に戦闘を仕掛け、その作戦行動を阻害し、敵を撃破します。
 どのような作戦を行っているかや、作戦を阻害する為に必要な手順などについては、オープニングやリプレイで確認してください。
 なお、作戦行動中の敵を奇襲した場合も、逆説連鎖戦により反撃が発生するので注意が必要です。
(奇襲行動が成功すれば、戦闘時の判定が有利になります)

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との決戦『血と薔薇の令嬢『カーミラ』』のルール

 事件の首魁である、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破する事で、この事件を成功で完結させ、クロノヴェーダの作戦を阻止する事が可能です。
 敵指揮官を撃破した時点で、撃破していないクロノヴェーダは撤退してしまいます。
 また、救出対象などが設定されている場合も、シナリオ成功時までに救出している必要があるので、注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、敵を倒し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「アルフリード・アルヴァレス」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。