リプレイ
クロエ・アルニティコス
私はこの地の出ですが、情勢に敏い方ではありませんし、何よりこの時代は私がいた頃よりもおそらく未来。
まずは情報をというのは適切な進め方でしょう。
亜人の訓練校に向かい、亜人と対面します。
お前たちに聞きたいことがあります……あぁ、視線が不快なのでこちらは見ずに答えて下さい。
聞いても答えないでしょうし、その時は【ヒュドラ・アマランサス】で死なない程度に締め上げて上下関係を教えます。
一応聞いておきますが……これ以上痛い思いはしたくありませんよね?
聞きたいのは「この訓練校に来る前、お前たちはどこにいたか」。町の名前が分かれば最善ですが、そうでない場合、なんとなくの方角だけでも聞き出したいですね。
『蹂躙戦記イスカンダル』の荒野へと、クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は戻ってきた。訓練校と称する柵を見て、ため息をつく。
「亜人(ディアドコイ)と戦おうなんて、思いもしませんでした。この時代は、私がいた頃よりもおそらく未来ですね」
妖狐となったビブリオマンサーには、もとから疎い情勢を、すみやかに補完したい気持ちもある。粗雑な囲いに向かい、岩トロウルたちが練習用の標的をほったらかして遊んでいるなかへと進みいった。
「お前たちに聞きたいことがあります……あぁ、視線が不快なのでこちらは見ずに答えて下さい」
クロエの声かけに、亜人の劣等生たちはきょとんとし、見るなという言葉を無視して寄ってきた。
「なんだ、なんだァ?」
「親父の召使いか」
「ご飯の追加を持ってきたんだろ」
「きっともう、女に子供産ませてもいいってことだぜ!」
てんで勝手に、牙とも顎ともつかない部位がガチガチ動いて、わめいている。
妖花の魔女は『ヒュドラ・アマランサス』、持っていた植物を種から急成長させ、訓練用の岩塊に巻き付かせた。
それには、氷の槌で殴った傷がいくつも付いていたが、クロエが軽く命じただけで、粉々に砕ける。
劣等生たちは力の差と、それに伴う上下関係を理解したのか、背筋をピンと伸ばした。硬いものがこすれる、ゴリっという音をたてて。
「なんの用だ……ですか?」
「一応、もう一度言いますが、こちらを見ないで。お前たちに聞きたいことがあります」
訓練を思い出したのか、トロウルたちは整列したまま回れ右した。その背に、質問を投げかける。
「この訓練校に来る前、お前たちはどこにいたのですか?」
「マチだ……です」
であるなら、町の名前が分かれば最善、なんとなくの方角だけでも聞き出したい。クロエは、いくつか言葉を試したが。
「マチはマチだ……です。たしか、ここは、マチの右側あったぜ……ます」
生後数カ月の亜人には、地域レベルの正確な知識は入っていないようだ。『蹂躙戦記』に生まれてもいても、そこは同じ。
大成功🔵🔵🔵
効果1【浮遊】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
夕月・音流
お話は終わった、かな?
じゃ、今度はボクと遊ぼうか…❤️
身体をくねらせ、胸やお尻を強調して誘う仕草。
亜人はみんな男の子、なら、女の子にシたいコト…本能で分かってるよね…♪
誘って煽って、こっちに引き付ける。
迫ってきた敵の腕をかわしながら抱きついて、口付けて。
そうして身体を押し付けながら、パラドクスの毒を注いで、仕留めにかかる、よ。
「素敵な夢で…イかせてあげる❤️」
反撃は、そのまま密着を保てば上手く狙えず避け易くなりそうかな…?
エイレーネ・エピケフィシア
無為に死を振り撒く行いは、アテーナー女神が司る栄光の戦ではありません
ですが。亜人たちを葬り去ることを、わたしは過剰な殺戮だとは見なさない
未来の災禍を防ぐために、あなた方の命の芽を刈ります!
《サリッサ》を6mまで伸長して『スピアウォール』を発動
巨体の敵が振るう槌をも寄せ付けないリーチの長さで攻撃します
召喚された「槍衾」は、陣形を成した兵士を無数の突きのように働き
あわよくば、敵を穴だらけにしてくれるでしょう
冥府の川へと送って差し上げましょう!
足元を崩す攻撃に対しては
槍を素早く伸ばして訓練場の囲いに突き刺し、それから短くすることで
囲いの方へと自分を素早く引き寄せる形で高速移動して回避を試みます
2mを越える体躯が背中をむけていると、岩壁みたいだ。
「お話は終わった、かな?」
夕月・音流(変幻自在の快楽天・g06064)は、優しく話しかける。
トループス級亜人(ディアドコイ)『氷槌の岩トロウル』たちは、恐々といったふうで、ディアボロスたちを振り返った。そこへ音流の、誘う仕草。
「じゃ、今度はボクらと遊ぼうか……♪」
身体をくねらせ、胸やお尻を強調している。傍らの、エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)は、気品をたたえ、まっすぐ立ったままだ。
「無為に死を振り撒く行いは、アテーナー女神が司る栄光の戦ではありません」
その物言いでは、劣等生に通じなかったものの、もう動いていいのだとは伝わったらしい。音流が、訓練校の奥へと歩きだし、甘く静かに囁くと、半分くらいがよろよろとついていく。
「亜人はみんな男の子、なら、女の子にシたいコト……本能で分かってるよね……♪」
「やっぱり、親父が女を寄越したんだ。許しがでたんだ」
たぶん、喜んでいる岩トロウルたちを見送って、エイレーネは残りの劣等生たちに長槍『サリッサ』を突きだす。
「……ですが。亜人たちを葬り去ることを、わたしは過剰な殺戮だとは見なさない」
重装歩兵用に魔術が施されている。6mの長さまで伸長した。
「未来の災禍を防ぐために、あなた方の命の芽を刈ります!」
さらに、『スピアウォール』によって、横列に穂先が分身した。形成された槍衾こそ、壁と呼ぶべきであろう。トロウルの硬い表皮を打ち砕く。
「敵です……敵だァ!」
劣等生たちの中には、氷槌を振りかぶるものもいた。力まかせに地面を叩き、エイレーネの足場を崩そうとする。
「冥府の川へと送って差し上げましょう!」
訓練校の囲いへと後退しながら、魔術の伸長を駆使し、岩の肌へと穴を増やした。
戦闘の騒ぎは、音流の誘惑にかかったオスには届かない。
「オレが、いッちばんに、つッかまえ、た~!」
集団のなかから抜け出た個体が、高々と跳躍し、訓練校の奥へとさがる天使の胸めがけて、急降下する。
「つかまえたのは、ボクだよ」
音流は一番乗りを抱き着きかえし、トロウルの硬質な胸板にできたちょっとした突起に、唇を沿わす。
「素敵な夢で……イかせてあげる♪」
『フェイタル・キッス』は、心身を蝕む毒だ。未熟なクロノヴェーダに耐えられる強度ではない。
落下の勢いをいなされたように、岩トロウルは背中からドウと倒れ、氷の槌は砂地に転がって端が欠けた。
「もう、イッたのか?」
「聞いてんのより速えェ!」
「オレも、オレも!」
おかまいなしに、抜け駆けされた劣等生たちは、次々と飛び掛かってくる。
「みんなにも、甘い夢を見せてあげるよ♪」
全員が毒に沈んだ。
始末をつけて、音流が戻ってくると、エイレーネは柵に突き刺したサリッサに掴まり、地面にあいた大穴を見下ろしていた。
亜人が、折り重なって死んでいる。
訓練校を放置し、ディアボロスたちは海のある方向、マミーの残党が来るがわへと移動した。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV2になった!
若旅・嘉鷹
マミーか、そういえばしてなかったな。契約。
物陰から、最後尾の一体からアサシネイトキリングで仕留める。
奇襲としては一体出来れば充分といった感じかな。
何体かは気絶程度にとどめておいておこう。
抵抗できないようにしてから気絶させておいたやつを叩き起こして、さて、契約の時間だ。
右も左もわからない場所で何も分からずに消えるのが望みか?
だが、残念。俺の目についたのが運の尽き。
お前らは俺と契約するしか生きれない。
断ってもいいさ?その後どうなるかは分かってるんだろ?
多少の不自由さがあるが基本的には生かしてやるよ。
ハーリス・アルアビド
奪還戦でお見掛けしなかったので心配していましたが流石は主、しぶといですね。しかしあの主は欠片の一つのようです。
ならば大本に辿り着くまで欠片を倒すまで。
まずは周りの敵から倒して行きます。味方とも連携を取り、打ち漏らしがないようにしましょう。
砂漠の神にして守護神たるセトよ、お力添えを。
舞い上がる砂埃と嵐の音で声や目視による連携を撹乱します。
撹乱されている所に閃光が迸れば満足に防御もできないはず。私自身も砂埃を利用して突入し、敵を直接粉砕します。
復帰が早い者は優先して狙い、態勢を立て直そうとする者がいれば次はそちらを狙います。
大空・啓介
わー……訓練校に行ってたら俺も便乗して毒になっちゃってたかも
乗っちゃう気持ち分かっちゃうから、ちょっと同情しちゃうね
……でも、誘惑はされてー!
敵が来たけどうーん……この人数じゃ、充分に力発揮も出来ないでしょう。少数精鋭って訳でもなさそうだし
それでも手心加える訳じゃないけどさ
それじゃ、デバイスを展開して空中戦
味方の行動で混乱した相手に対して不意打ち、連擊だ
作り出した手榴弾を上からぽーい、ぽーい。近くで爆発させたら、機動力等を纏めて奪って
味方が何かするなら待って、交渉が決裂したら全部片付けるね
戦車とか、君たちの持ってる技術がここの人達に渡ると普通に活用されそうだからね
厄介な事になる前に阻止が一番
エイレーネ・エピケフィシア
これが、滅び去りし獣神王朝のクロノヴェーダ……マミーなのですね
かつては人の身、されど今や怪物へと変わり果てた者たち
死すべき運命の中に還して差し上げるのが、考えうる最大の慈悲です
≪サリッサ≫と≪神護の輝盾≫を構えて敵と対峙します
付かず離れずの距離で睨み合い、敵の様子を伺いましょう
互いに扱う武器の性質は同じ──しかし此方の槍には、伸縮の魔術という隠し玉があります
突如として槍を6mまで伸長して敵を刺しながら
『スピアウォール』を発動し、槍衾を突きつけて一気に均衡を崩します
眠りなさい、二度と覚めることのないように!
反撃に対しては≪神護の輝盾≫で急所を護り
槍を槍で打ち払うことで、出来るだけ傷を抑えましょう
柵の外で合流した大空・啓介(航空突撃・g08650)は、背伸びしながら、設備の奥を覗きこむようにした。
「わー……訓練校に行ってたら、俺も便乗して毒になっちゃってたかも」
なにか見えたわけではないが、そのあと歩きながら腕組みし、思案顔になっている。
「乗っちゃう気持ち分かっちゃうから、ちょっと同情しちゃうね。……でも、誘惑はされてー!」
「ああ。音流様が図った軍略の話ですか」
エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)が、岩トロウルの顛末と気がつく。
「詳しくは新宿島に帰ってから報告書を分析してください。どうやら、次の相手のようです」
静かに言うと、サリッサを構えた。
砂地のむこうから、槍と盾を持った兵団がやってくる。
「あれが、滅び去りし獣神王朝のクロノヴェーダ……マミーなのですね」
装飾以外には、筋肉の隆起にぴったりと沿った包帯に巻かれていた。若旅・嘉鷹(ドラゴニアンのデジタルサマナー・g02873)は、敵の姿をしげしげと眺めつつ、比べるようにサモンデバイスの表示をめくる。
「マミーか。そういえばしてなかったな、契約」
「うーん……あの人数じゃ、充分に力発揮も出来ないでしょう。少数精鋭って訳でもなさそうだし」
啓介には、トループス級マミー『鋭槍の守護者』たちが、敗残兵としか思えない。集まりの中心には戦車があって、しっかりとそれを守っているようではあるが。
「彼らにも同情しますか?」
エイレーネは、真面目な口調だった。啓介は苦笑いを抑え、目だけはシリアスになる
「いやいや、手心加える訳じゃないけどさ」
当然、そう。といったふうで、ハーリス・アルアビド(褪せる事を知らない愛・g04026)が深く頷いた。
手早く、各自の持ち場を提案する。
「周りの敵から倒して行きましょう。連携し、打ち漏らしがないように」
ディアボロスたちは、了承の返事をすると、めいめいに散っていった。
残されたハーリスは、つぶやく。
「奪還戦も含めてお見掛けしなかったので心配していましたが流石は主、しぶといですね。しかしあの主は欠片の一つのようです」
戦車に乗るアヴァタール級の顔を確かめる。
「ならば大本に辿り着くまで欠片を倒すまで」
祈りの仕草を始める。
まずは正面から、エイレーネがぶつかり合った。
「かつては人の身、されど今や怪物へと変わり果てた者たち。死すべき運命の中に還して差し上げるのが、考えうる最大の慈悲です」
守護者たちの盾には、鳥頭のエンネアドを図案化したものが描かれている。
と、判別できるほどの距離まで接近した。奪還戦に出遅れたとはいえ、当方が未知のディヴィジョンの住人ではないと気付いたらしい。その盾を掲げて突撃してくる。
いまやディアボロスとなった、ウェアキャットのファランクスランサーは、ゴルゴンの生首の図像が描かれた円形の盾を構えて、サリッサを突きだした。
「互いに扱う武器の性質は同じ──しかし此方の槍には、伸縮の魔術という隠し玉があります」
さらに、槍衾へと分身し、エイレーネ単独で、鋭槍の軍の衝撃を受ける。
「眠りなさい、二度と覚めることのないように!」
槍で槍を打ち払い、伸長したぶん、敵隊列の均衡を打ち破る。
ゴウッと、足元の砂が浮いたようだ。
ハーリスの祈りが通じた。
「砂漠の神にして守護神たるセトよ、お力添えを」
舞い上がる砂埃と風の音。
やがてそれは黄金色となって、トループス級の第二陣が走るのを阻んだ。『セトへの嘆願』は、砂塵で覆った相手に、閃光の目くらましを浴びせる。
戦車の上の指揮官が、叫ぶ指示も届かない。
そんなアヴァタール級からはひとまず距離を置き、ハーリスは剣と爪を携え、自身も砂嵐のなかへと突入した。
砂粒には嘉鷹も姿を紛れさせ、突風は啓介がフライトデバイスにもらい、浮かびあがる。
取り巻きの兵団の後方まで回り込んだデジタルサマナーと、頭上を捉えた航空突撃兵。
『アサシネイトキリング』で最後尾から一体ずつ仕留めるあいだに、『復讐の刃』で具現化した手りゅう弾を降らせる。
「さて、契約の時間だ」
嘉鷹がマミーの中から、意識が戻りそうな者を選んで、揺り動かした。
「右も左もわからない場所で何も分からずに消えるのが望みか?」
「ぐ、ぐふぅッ、……高位な方にお仕えできたのなら、それもまた良し!」
くすんだ色の包帯の隙間から、固く結んだ唇がのぞく。嘉鷹は、両手を開いた。
「だが、残念。俺の目についたのが運の尽き。お前らは俺と契約するしかない。多少の不自由さがあるが基本的には生かしてやるよ」
その生が、はたしてどれほど生きるという意味に合致しているか。
マミーという、黄泉から還った者に科するには皮肉な契約であった。条項の誠実さは関係なく。
「断ってもいいさ? その後どうなるかは分かってるんだろ?」
「……まあよい。位はともかく、力のある者を主と認める」
契約書類一式、サモンデバイスの表示が光る。
まだ動けるマミーの守護者たちは、爆発に吹き飛ばされて、突撃どころではなくなっていた。
「作り出した手榴弾を上からぽーい、ぽーいっと」
啓介の眼下では、エイレーネの槍とハーリスの爪に、トドメを刺されるトループスの姿もある。
「厄介な事になる前に阻止が一番!」
爆撃は、敵陣の中央に移っていく。
「戦車とか、君たちの持ってる技術がここの人達に渡ると普通に活用されそうだからね。全部片付けるよ」
「おのれ、やはりディアボロスどもへの復讐を先にすべきだったか!」
騎乗するアヴァタール級、『打ち破る者』メルセトラーは歯噛みした。
砂塵が晴れ、爆撃が終わると、彼以外に立っているマミーは一体もいなかった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
【現の夢】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
【防衛ライン】がLV2になった!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV3になった!
クロエ・アルニティコス
もう亜人はいないようですね。
それで、お前たちがマミーですか。
見た目は人に近いですが、お前たちも亜人どもと変わらない存在なんですね。
あぁ、お前たちに違いを説明しろと言っているわけではありません。
変わらないんだから殺す、そう言っているんです。
【ヒュドラ・アマランサス】を使用、急成長させたヒュドラ・アマランサスをメルセトラーの放つ矢の弾幕からの盾にします。
再生にも魔力を使いますから実際には私にもダメージが入っているようなものですが、私に直接当たるよりはいいでしょう。
敵の放つ矢を受け止めたら『魔力付与』を行いヒュドラ・アマランサスを再生・強化。
多数のヒュドラの頭を模した部位で噛み付かせます。
夕月・音流
残念…もうここには何もないし、誰もいないよ…
アナタも、ここでお終いにしてあげる、ね…
剣の間合いへ迂闊に入らないよう気をつけつつ、指定パラドクスで攻撃。
折角だし、ピラミッドっぽい物体を作って叩きつけてあげよっか…♪
敵の反撃は頑張って距離取って回避。
仲間とも適宜連携しながら、きっちり追い詰めて倒しにかかってく、ね。
ボクらの蹂躙は、ここから始まる…なんちゃって?
ハーリス・アルアビド
ディアボロスが滅びたあの戦以来ですね。欠片の一つでは私の事もお分かりにならないかもしれませんが、構いません。貴方を倒せば大本の主にも届くでしょう。
豊穣の神にして軍神たるセベクよ、お力添えを。今度は負けません。私を家族として友として愛して下さった貴方に報いるため、アアルへの旅にお連れするために、いずれお迎えに上がります
衝撃波と共に走り、舞い上がる砂埃も使い残像のように見せかけ視界を撹乱します
主の攻撃が残像を捉えたら体勢を立て直す前にセベク神の牙の力を借りて肉体変異した拳の一撃を全力で叩き込みます
以前は私が競り負けましたが、ドレイン効果を使って先に倒れないように、攻撃の手は緩めません
エイレーネ・エピケフィシア
あなたがマミー達の小隊長ですね
亜人と合流し蛮行を働くことは赦されません
さぁ、異郷の土に骨を埋める覚悟をなさい
引き続き槍と盾を構え、率先して前線を担いましょう
チャリオットの弱点は小回りの悪さ
敵の周囲で円を描くように立ち回って轢殺を避けつつ
冥界の馬に伸ばした槍を当て弱らせていきましょう
馬の衰弱で車両の速度が低下した所で『勇武勝呼撃』を発動
車上の敵を狙い、突撃からの槍の突き刺しを見舞います
この一撃を布石として仲間の攻撃に繋げましょう
特に敵と縁があるらしきハーリス様が、想いを遂げられれば幸いです
戦いの後、敵の亡骸に一枚の銀貨を供えます
冥府の河で渡し守に払う代金です
どうか恙なく、死の国に渡られますように
将は、冥界の軍馬に鞭をくれる。
改竄されていたエジプトと、違わぬ眺望の大地へと、戦車は走り出した。
轢き潰しにかかる車輪を避けながら、ディアボロスたちは、アヴァタール級への包囲を縮めていく。
「あなたがマミー達の小隊長ですね」
エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)は、地位を矮小化してやった。
「亜人と合流し蛮行を働くことは赦されません」
「我はクロノヴェーダ! 蹂躙のために、仕える王を探すのは言わずもがな!」
『獣神王朝』の残党が、名も知らぬディヴィジョンの象徴、『蹂躙』を口にした。
奇妙な符合だ。なおのこと『イスカンダル』の地に置いてはおけない存在と、クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は悟った。同時に疑問も湧く。
「岩トロウルたちは、『親父』という言葉を使っていました」
戦車が自在に操られている。
「……住んでいた『マチ』よりも、亜人は血脈に重きを置いているのでしょうか。それとも、メルセトラーのような、強さを持ったアヴァタール級なら受け入れられる?」
少なくとも、このマミーは『蹂躙戦記』に仕官できると考えている。夕月・音流(変幻自在の快楽天・g06064)は、劣等生たちの硬い皮膚を思い出し、すれ違いざまにネメス頭巾にむかって呼びかけた。
「残念……もうここには何もないし、誰もいないよ……」
片方の車輪を浮かせて、転回してくるのを、召喚発動の力を貯めながら待った。
「アナタも、ここでお終いにしてあげる、ね……」
「なんの! ディアボロスこそ、滅せよ!」
『打ち破る者』メルセトラーは、亜人訓練校の実情に構わず、さらに鞭をくれる。だが、ハーリス・アルアビド(褪せる事を知らない愛・g04026)のつぶやきは、耳に入った。
「ディアボロスが滅びたあの戦以来ですね」
「クフ王様が勝った?! いや、我が飛ばされた戦争ではなく……?!」
困惑だけが反響し、ハーリスは首をふる。
「欠片の一つでは私の事もお分かりにならないかもしれませんが、構いません。貴方を倒せば大本の主にも届くでしょう」
「さぁ、異郷の土に骨を埋める覚悟をなさい」
エイレーネは、チラとだけハーリスの表情を追うと、引き続き槍と盾を構えて、戦車の進路を塞いだ。
「『勇武勝呼撃(トリアンベフティコ・キーマ)』! 偽りなき驍勇を前に立ち竦め、蛮勇!」
戦の女神への信仰。
長槍『サリッサ』の伸長に、復讐者たちの怒りが乗る。
直進してくる戦車に対し、乗り手の胸へと穂先が通った。
「グ、ハァッ!」
エイレーネの一撃で、敵は横転。冥界の馬も消滅した。ディアボロスによる包囲は、さらに狭まる。
メルセトラーは胸を抑えつつも、剛弓を引きだし、矢を弾幕のごとく、放ってきた。
「芽吹け『ヒュドラ・アマランサス』!」
クロエの種が急成長し、盾替わりとなる。
「再生にも魔力を使いますから実際には私にもダメージが入っているようなものですが……。直接当たるよりはいいでしょう」
アマランサスは、みるみる伸びて、多頭の怪物の姿にまで大きくなった。壊れた戦車にむかっていき、放たれる矢を鎌首もたげて喰らいつくす。
貫かれて、落ちる首もあるが、クロエはそのたび魔力を付与し、切り口から新たな茎の束を生えさせる。
「マミー……。見た目は人に近いですが、お前たちも亜人どもと変わらない存在なんですね」
茎の束は、ヒュドラの頭をふたつ作った。
「あぁ、お前に違いを説明しろと言っているわけではありません。変わらないんだから殺す、そう言っているんです」
「なれば、我は、歴史ごとディアボロスを断ち切るッ!」
射ち尽くしたわけでもないだろうが弓を捨て、メルセトラーは剛剣を抜いた。
あらゆる物を両断する勢いの振り下ろしは、しかし空をきって砂地に沈んだ。エジプトでの高貴さを表す頭巾も、埃にまみれている。
クロエらに、音流が剣の間合いを示唆していた。彼女は、距離をとったまま、召喚発動を完了した。
「折角だし、ピラミッドっぽい物体を作って叩きつけてあげよっか……♪」
『心を籠めた贈り物(パルヴァライズ・フォー・ユー)』は、形状を選べる。四角錐が代王の、さらにその模倣体の頭上から落下してきた。
「ボクらの蹂躙は、ここから始まる……なんちゃって?」
音流が、砂地に傾いで立っているピラミッド型の物体に話しかけると、それは剛剣によって内側から両断され、破片はすぐに消滅した。
だがメルセトラーは立ち上がるために、またしても剣を杖のように支えとしなければならなかった。
「以前は私が競り負けましたが、此度は先に倒れない。攻撃の手も緩めません」
ハーリスのつぶやきに、エイレーネは静かに首肯する。
敵に縁があるならば、想いを遂げられれば幸い、と。
彼女の知るものとは違う神の名が、唱えられるのを聞く。
「豊穣の神にして軍神たるセベクよ、お力添えを。今度は負けません。私を家族として友として愛して下さった貴方に報いるため、アアルへの旅にお連れするために、いずれお迎えに上がります」
一息に距離を詰めた。
走りで、衝撃波が起こった。
砂埃が舞い上がり、それがつくった残像にむかってアヴァタール級マミー『打ち破る者』メルセトラーは、剛剣を振り下ろしてしまった。
ハーリスの本体は、セベク神の牙の力を借りて肉体変異を起こしている。
一撃の拳が、全力で叩き込まれた。
エイレーネは一枚の銀貨を供える。ハーリスが小さく、『主』と呼んだ亡骸に。
「冥府の河で渡し守に払う代金です。どうか恙なく、死の国に渡られますように」
この地にディアボロスを通すものは、まだ少ない。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【浮遊】がLV2になった!
【建造物分解】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV4になった!
【ダメージアップ】LV2が発生!
【ドレイン】LV1が発生!