リプレイ
クリスマスを迎えた施設で、期待の目が野乃に向けられる。
本当に今年もディアボロスたちは来てくれるのだろうか。少し不安を含んだまなざしに、野乃はめいっぱいの笑顔を返して扉を開け放った。
「今年も野乃はやりました! 恰好いいディアボロスさんも、可愛いディアボロスさんも、楽しいディアボロスさんも、いっぱいですよー」
それに、と野乃は続ける。
「もしかしたら、知ってる人もいるかもですよ♪」
今日はクリスマス。
今年もまた、楽しくて、特別な日がはじまる。
刀匠其之他一切不明・刻切陽丸
アドリブ連携歓迎
やあ子供達、一年間元気にしてたかい
俺?大変元気だよ怪我するようなこと何もしてなかったから……冗談さ、鍛練や奉仕活動くらいはしてたよ
念のため施設の各所に【呪詛】の印をつけて何か問題があったら『呪法・矢舞』ですぐに駆け付けられるようにしつつ、少し準備が終わっていないようだしオーナメント作りを手伝おう
まだ親が帰ってこない子も居るようだから手助けをするのはそう言った子を中心に、歳が近い俺が手伝った方が余計な事を思い出さなくて良いだろう
そして星か……そう言えば去年も風船の星を飾った覚えがあるね、こちらにもこっそり印をつけておいて隙を見てまた派手に飾ろう
【呼吸法】で平静を装うのは忘れずにね
天瀬・初名
みんなー!今年も遊びに来たよー!!
バルーンアートのお姉さん2年連続登場。
去年やったオーナメントだけじゃなくて今年はリースも作ろっか!
言えばバルーンを数本作り三つ編みして形を整え丸に近づけていく
先っぽはバルーンの空気移動させてちっこい飾り付けたようにぶら下げてバルーンでリボンも作って
リース自体の飾りは折り紙をテープで貼ってもいいし……みんなが用意してもらってるやつくっつけてもいいかも!
作業は折紙もバルーンも手伝います
リース作りも人手足りなければ
表情は常時にこやかに動きは楽しげに子供達には目線を合わせて
セリフは改変OK
誰かとの連携アドリブも歓迎
クリスマスを楽しい思い出にするため全力を尽くすのです!
施設を訪れた、刀匠其之他一切不明・刻切陽丸(かざすその名に決意を込めて・g01258)と天瀬・初名(カオス処方箋・g00765)の姿に歓声があがる。
「やあ子供たち、一年間元気にしてたかい」
「みんなー! 今年も遊びに来たよー!!」
2人を拍手で迎える子どもたちの間から、何人かが飛び出してきた。
「飾りつけのおにいさんだー」
「ふーせんのお姉ちゃん、また来てくれたの?」
昨年のクリスマスに一緒だった子たちが2人にまとわりつく。
「おにいさんは元気だった?」
逆に聞いてくる女の子の顔に刻切陽丸は覚えがあった。確か去年は髪を二つ結びにしていたように思うが、今年はポニーテールがぽんぽんと揺れている。そんな変化に、1年という年月が感じられた。
「俺? 大変元気だよ。怪我するようなこと何もしてなかったから」
「何も?」
ディアボロスは忙しく動いているイメージだったのだろう。女の子は不思議そうに首を傾げた。
「冗談さ。鍛練や奉仕活動をしてたけど、怪我しないくらいで抑えるように気を付けてたからな。怪我無く元気だよ」
「元気で良かったー。ねー、鍛錬ってどんなことするの?」
聞かせて、と手を引く女の子に連れられながら、刻切陽丸は施設のそこここに、【呪詛】の印をつけていった。
「それも鍛錬?」
仕草に目を留めた女の子に、そんなもんだと答え、刻切陽丸はまたひとつ印をつける。何か問題があったとき、すぐ駆けつけるために。
「あとで今年も飾りつけ手伝ってね」
そんな刻切陽丸を初名は手を振って見送った。
「お姉ちゃん、今年も剣作ってくれる?」
「いいよー」
「お花のブレスレットも!」
「はいはい、順番にね」
初名は忙しくバルーンを膨らませては、子どもたちのリクエストに応えた。
去年初名が作り方を教えた子が、おぼろげな記憶と初名の手元を頼りに、バルーンアートを作るのを手伝ってくれる。ねじる位置のバランスが今一つで、すごく短い剣ができたりもするけれど、それはそれで面白い。
それが一段落すると、今度はツリーの飾りに取りかかった。
初名の手がバルーンをひねると、ただの棒状だったものが、お星さま、サンタさん、クリスマスツリー、さまざまな形をとってゆく。
「今年はリースも作ろっか」
白、赤、緑。膨らませたバルーンの空気を少しだけ抜いて縛ると、初名はそれを三つ編みしていった。
「ちょっときつめに編むときれいな形になるよー」
見様見真似で三つ編みする子どもたちへ、作り方を教えながら、編んだバルーンを丸く整えて。先っぽは、バルーンの空気を移動させて、ちいさな丸い飾りをつけたようにぶらさげる。
「大丈夫? うん、できてるできてる。あとはこうやって、ね」
子どもたちの出来を褒めながら、難しそうなところには手を貸して、リースの土台を完成させると、次は大きなリボンを作って、リースに留めつける。
「できた!」
大喜びの子どもたちと一緒に、初名もにこにこ笑って、リースの穴から顔を覗かせてみせた。
「あとはリースをもうちょっと飾ろっか」
初名はきょろきょろと見回すと、子どもたちが作った折り紙の飾りを手に取り、リースに貼りつけた。
「あれ、ボクの折り紙だよ!」
選ばれた折り紙を折った子どもが自慢げにリースを指さす。
「きれいに折れてるねー。こんな感じに折り紙とか飾りをつけたら、楽しいよ。あとはみんなのセンスだねっ」
競って飾りつけはじめた子どもたちを、初名は要所要所で手伝った。
「オーナメントは完成したか?」
施設を回ってきた刻切陽丸が初名に声をかける。
「まだもうちょっとかかりそうー」
リースの土台が作れない子のために、バルーンをねじりながら初名が答えた。年齢層が幅広いから、出来る子出来ない子の差も大きい。
「それなら手伝うよ」
「ありがとー。じゃあ飾りつけしてる子を見てくれるかな?」
初名は作りかけのバルーンを振ってみせた。今うっかり手を放したら、全部外れて戻ってしまう。
「わかった」
子どもがテープを貼る間折り紙を支えたり、飾りを折ってやったりして、刻切陽丸もクリスマスリース作りを手伝った。
できあがったたくさんのバルーンリースは、どれひとつとして同じものはない。
一番大きなリースには、真ん中に初名が作った星のバルーンを入れた。
「さあ、今年も飾り付けるか」
すでに仕込みはすませてある。刻切陽丸は外のクリスマスツリーの前でバルーンをいくつも持つと、呼吸を整えた。
「さあさあ皆、瞬き厳禁、しかと見よ、ってな」
高速でマーカーからマーカーへと飛びながら、刻切陽丸はバルーンをツリーに飾り付けてゆく。
目にも止まらぬ早業のラストは。
「ほらあそこ!」
初名の指さしたツリーの天辺に、星のクリスマスバルーンリースが飾られた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
吉音・宮美
アドリブ連携歓迎
孤児院…そうか、そうですよね
私みたいに家族皆が帰ってきている方が珍しいんですよね
……よし、それじゃあいっちょ【演奏】しましょう!子供達の気分を盛り上げるために!
『魔楽器』と『吉音式レコードシールド』を使ってクリスマスソングを弾きつつ自分も歌いたそうな子がいれば私の【歌唱】でリードして上手く歌わせてあげましょう
弾きながら少しだけ想いを馳せる
クリスマス……私の誕生日
八年も時間が飛んで、弟が私より歳上になっちゃって……なんとなく距離をとってしまいましたが……連絡くらい、しようかな
御守・樹
アドリブ連携歓迎
そっか、刻逆ではぐれるって事もあるのか。
俺だってたまたま新宿に居たから残ったんだもんな。
オーナメント作りで手を動かしながら話でも。俺自身施設育ちだからそれを話して、ここでの生活の様子が聞きたいな。
特に同情とかそんなんじゃなく、違いがあるのかなって気になったから。…子供って結構同情とか察知しやすいから。
むしろ取り戻したら迎えに来てくれる人がいる分…ちょっと羨ましいかも。俺には親なんて初めからいなかったからな。
ま、そんなこの子達には俺のどうでもいい話は置いといて。
どうせならさ、いつか迎えに来てくれる人にここでの楽しい思い出を話せるようにしたらいいんじゃないかって思うよ。
親とはぐれた子どもたちのクリスマスパーティに招待されてほしい。
野乃に頼まれて、そっか、と御守・樹(諦念の珪化木・g05753)は呟いた。
「刻逆ではぐれるって事もあるのか」
2021年8月。東京都新宿区を残し、全ての大地が消失したあの日。
たまたま新宿に来ていた子は帰る場所を失った。親が新宿区外に出ていた子どもたちは、帰宅するはずの親を失った。
「俺だってたまたま新宿に居たから残ったんだもんな」
ひとつ何かが違っていたら、樹は消えていた側だったかもしれない。
「そうか……そうですよね。私みたいに家族皆が帰ってきている方が珍しいんですよね」
吉音・宮美(限界ギリギリ狐娘・g06261)は2013年の東京都港区から新宿区に流れ着いた。その後家族とは会えたのだが、そうでない者が多くいることは想像に難くない。
「施設でクリスマスパーティの用意をしたので、ディアボロスさんたちがいっぱい来てくれると、みんな喜ぶと思うんです。ぜひいらしてくださいね」
そう野乃に誘われて、樹と宮美は施設へとやってきたのだった。
「何か手伝うよ。これはオーナメントを作るのかな?」
「う、ん。ここに並べて……ください」
土台と木の実やスパイスの入った箱を渡されて、樹はどう並べようかと考えた。
「これはセンスを試されるのでは?」
美大生としてここは頑張るところだろうと、宮美はじっくりと材料を観察した。顔に近づけると、スパイスの香りが漂う。
クローブでぐるっと囲って、ペッパーベリーを散らして。いやブラックベリーか?
真剣に悩む宮美の隣で手を動かしながら、樹は近くにいる子たちに、施設のことを聞いてみる。
「へぇ、ここは公共の施設とは違うんだ」
「うん。久住のおばあちゃんが自分の持ってる建物に、みんなを入れてくれたの」
「なるほどな。道理で造りとか設備とか、普通の施設と違うと思ったんだ。俺、施設育ちだったからなんか気になって」
「お兄さんはどんな施設にいたの?」
子どもたちからの質問は、同情などが混じっていない純粋な疑問で、だから樹も普通にそれに答えていった。おそらく子どもたちも樹と同じように感じているのだろう。樹の質問に対しても、ごく普通に答えてくれた。
「野乃みたく、流れ着いたディアボロスさんがしばらくいることもあるよ。でも、僕たちと違って、親を待ってるんじゃないから、あまり長くはいないかな」
「待ってる、か。迎えに来てくれる人がいるのはちょっと羨ましいな。俺には親なんて初めからいなかったから」
樹はオーナメントにつけようとしていた木の実を、手のひらでコロコロと動かした。
この子たちの親がいる区域を取り戻せたら、親はきっと子どもを探し、ここまで迎えにくるのだろう。
「どうせならさ、いつか迎えに来てくれる人にここでの楽しい思い出を話せるようにしたらいいんじゃないかって思うよ」
このクリスマスも楽しい思い出話のひとつになるといい。
そう思いながら、樹は赤い大粒の木の実をリースに貼り付けた。
「オーナメント完成です! じゃあいっちょ演奏しましょうか!」
やっと思い通りのオーナメントを作り上げることができた宮美は、魔楽器と吉音式レコードシールドを準備した。
「それはなに?」
「おおむねレコードですね」
レコードの形をした氷の盾を不思議そうに指さす子どもに宮美が答えると。
「……レコードってなに?」
「そうきましたか!」
小学生ぐらいだろうか。知らないのも無理はない。
「ここから音楽が流れるんですよ。まあ、見ていて、というか、聴いてみてください」
宮美はセッティングを終えると、魔楽器と吉音式レコードシールドでクリスマスソングを弾いた。それに合わせて自分も歌う。
1曲歌い終えると、子どもたちを誘って、次の曲は一緒に歌う。
「お姉さん、上手」
「みなさんも上手ですよ。さあ、次行きますね」
何曲か歌うと、子どもたちからもクリスマスソングのリクエストが来る。
それに応えて弾きながら、宮美は思う。
(「クリスマス……私の誕生日」)
家族のいる地を取り戻してみれば、8年も時間が飛んで、弟が自分よりも年上になっていた。8年前の弟と今の弟をうまく重ねられなくて、なんとなく距離をとってしまっているけれど。
(「連絡くらい、しようかな」)
家族はメリークリスマスではなくて、誕生日おめでとうと言ってくれるだろうか。ばらばらになる前に言ってくれていたように。
家族を待つ子どもたちを見ながら、宮美は自分の家族に想いを馳せた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
諷和・もこ
やちよお兄さん(g00584)と
今年もパーティにお邪魔しに来ちゃったんだよ
わ、ケーキもクッキーも前以上に豪華になってるんだよ!
飾りつけやご馳走にきゃあきゃあとはしゃいじゃう
渡してもらった紙のサンタ帽をかぶって似合う?と聞いてみたり
勧めてもらったクッキーを食べてみたり
やちよお兄さんの作る折り紙に目を輝かしたりして
折り紙、ボクも練習してきたんだよ
不器用な手で、紙を破らないように気をつけて…じゃじゃーん!
手裏剣なんだよ!
赤い色と青い色で、ボクとお兄さんの色なんだよ
……って、ぴゃぁぁ!?
また話を盛りすぎ…
…え?つよい?すごい?
……。
…そ、そうなんだよ!
ボクたちは強いんだよ!(えっへん)
四十万・八千代
もこ(g01739)と
俺達去年も来たが子供たち覚えていてくれてるかな。
子供達の準備した料理は見た目も味も進化してるな。
勧められるままに褒めながらどんどん食べていこう。
心のこもった手料理って何よりのご馳走だ。
実は負けじと今年の俺はオーナメント用折り紙を極めて来た。
サンタ、トナカイ、ベル、ミニリースに星にブーツにプレゼントBOXとなんでも折れる。
子供たちと話をしながら一緒に折って作って飾りたい。
まだ日本を取り戻せていないが先日のエジプトで怪獣と(もこが)戦った事とか、
ドラゴンと(花嫁役としてもこが)タイマンした話とかで勇気づけていこう。
盛った話はしてないぞ?俺の相棒は凄い子なんだと自慢させてくれ。
クリスマスパーティの会場は、去年と同じ講堂だ。
ウェルカムボードのかけられた扉を開ければ、少しだけ顔ぶれの変わった子どもたちが、一斉にこちらを見る。
「今年もパーティにお邪魔しに来ちゃったんだよ」
「久しぶり。元気だったか?」
諷和・もこ(ふわもこうとうと・g01739)と四十万・八千代(悪食ハッカー・g00584)が入ってくると、2人を見分けた子どもたちが駆けよってきた。
「今年も来てくれたの?」
「見て欲しい飾りつけがあるから、こっち来てー」
「あたし、今年は自分でおりょうり作ったの」
四方から子どもたちにつかまれて、もこと八千代は会場中を引き回された。
壁に貼ってある折り紙の中には、去年のクリスマスパーティで八千代が教えたベルやサンタブーツがある。教えた子が覚えていて折ったのだろう。
「わ、ケーキもクッキーも前以上に豪華になってるんだよ!」
お菓子コーナーに案内されて、もこははしゃいだ。去年はなんとかお菓子を揃えた、という雰囲気だったが、今年は盛りつけも可愛くされている。
「どうぞー」
八千代の前に、いろいろなカナッペが乗った皿が出された。
「店で出てくるオードブルみたいだ」
かぼちゃサラダにナッツ、トマトとクリームチーズ、星型に抜いた野菜とハムとチーズを高く積み上げて。料理は年長の子が作り、乗せるのは小さな子の役目。
「どれも美味いな。心のこもった手料理って何よりのご馳走だ」
八千代が褒めると、どちらの子も嬉しそうな顔になる。
「このクッキーを食べてみて。自信作なんだ」
去年ジンジャークッキーを焼いてくれた男の子が持ってきたクッキーに、もこがきゃあと目を見張った。
星やハートのクッキーが一回り小さい型で抜いてあり、そこにピンクや黄色、水色のキャンディーがはまっている。
「きらきらして、すっごくきれいなんだよ」
もこは指でクッキーをはさみ、灯りに透かした。
「ステンドグラスクッキー。抜いたところにキャンディーを流し込んであるんだ」
自慢げに言う男の子の陰から、こっそり女の子が教えてくれる。
「失敗作がたくさんでね、みんなで食べたのよ」
「こら、言うなってー」
真っ赤になる男の子に、
「がんばってくれてありがとうだよ」
お礼を言って、もこはおいしく成功作のクッキーを味わった。
子どもたちの勧める料理やお菓子を食べ終わると、八千代は持ってきた折り紙を取り出した。
「実は、オーナメント用の折り紙を極めてきたんだ」
去年は知っているものしか折れなかったけれど、今年はばっちり折り方を調べて練習してきた。一緒にやろうと誘うと、子どもたちは折り紙を手に八千代を囲む。
「なにを教えてくれるの?」
「サンタ、トナカイ、ベル、ミニリースに星にブーツにプレゼントBOX……なんでも折れる」
八千代が答えると、一斉に子どもたちが口を開いた。
「すっげー!」
「トナカイさん折ってみたい」
「プレゼントBOX教えて」
脱落する子がいないように目を配りながら、八千代はオーナメントを折っていった。それをもこは、子どもたちと同じくらい目を輝かせて眺めた。
「折り紙、ボクも練習してきたんだよ」
不器用な手で、紙を破らないように気をつけて、もこは一折り一折り形をつけてゆく。赤い折り紙と青い折り紙。対称になるように折った2枚を組み合わせて、互いを入れ込むように差し込んで。
「じゃじゃーん!」
完成したのは手裏剣だ。
「赤い色と青い色で、ボクとお兄さんの色なんだよ」
「カッコいい! これで敵をやっつけるんだよね」
盛り上がる子どもたちに、八千代はもこのディヴィジョンでの活躍を話してやった。
「まだ日本は全部取り戻せていないんだが、この間のエジプト奪還戦で怪獣と戦って……」
「怪獣と?」
子どもたちは目を丸くする。
「あとは……そうそう、花嫁役としてドラゴンとタイマンしたりとか……」
「ええー、ドラゴン!」
八千代の話に、子どもたちは飛び上がらんばかりだ。いや、子どもたちだけでなく。
「ぴゃぁぁ!? やちよお兄さん、話を盛りすぎ!」
当のもこが両頬に手を当てて叫んだ。
「盛った話はしてないぞ? 俺の相棒は凄い子なんだと自慢させてくれ」
実際にあったことだけだと八千代が言えば、子どもたちは尊敬の目をもこに向ける。
「お姉ちゃん、すごいねー」
「強いんだね。だったらクロノヴェーダなんて、すぐやっつけちゃえるね」
期待をこめたその言葉はおそらく、再び家族に会える日を夢見て。
「……」
もこは恥ずかしさをぐっと飲みこんで、
「……そ、そうなんだよ! ボクたちは強いんだよ!」
えっへんと胸を張った。
強く、なる。
強く、ある。
この子たちの寂しさを、笑顔へと変えるため。
ディアボロスにはその力があるのだから
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
天破星・巴
【守護竜】アドリブ歓迎
外見:赤と黒のヒラヒラリボンドレスを着た見た目幼女
性格:見たは幼いが子供大好き面倒みもいい
動機;リューロボロス殿に寂しい思いをしている子がいると聞いた
そしてわらわは力持ちおばあちゃんじゃ
(近寄ってきた子を軽々と片手で持ち上げる、何人しがみついても大丈夫)
(どう見てもおばあちゃんという年齢に見えないが
凄く落ち着いた優しい雰囲気を出している)
頑張って用意してくれたパーティのもてなしを笑顔で受け全力で褒める
クリスマスのライトアップで出来た影を利用し
パラドクス「鬼道・操影術」で狐や蟹などの影絵を具現化させ子供たちを楽しませる
「今宵一時の幻想、光と影が作り出す影絵遊戯をご覧あれ」
リューロボロス・リンドラゴ
【守護竜】
何を隠そう、前回のクリスマスからちょくちょく施設に顔を出しておる我なのだ。
我、幼子の守護者なのでな!
今回は我が友も一緒よ!
二人ともとても強くて優しくてかっこいいディアボロスだぞ!
施設の子達もだが、遊びに来ておる元施設の子達も気になるの。
自分たちだけが先に家族を取り戻せたことに幼いながらも後ろめたさもあるであろう。
施設に残っておる友達にも遠慮してしまいぎくしゃくしておるやもしれぬ。
幼子達よ、ぬしらは何も悪くない。悪くないのだ!
共に遊ぼうぞ!
ほれ、窓から外を見るが良い!
《闇使い》で街明かりを遮り見えやすくし、《水使い》で雨を降らし、《光使い》で調整すれば!
月虹よ!
これが我からの贈り物よ!
凍雲・雪那
【守護竜】
ん。つよつよ、ディアボロス。
(両腕で力こぶを作るようなポーズ)
そう、ボクは雪と氷のお姉さん。
そしてこいつは、ペンギンくん。
いつもは、剣とか槍、作るパラドクス、だけど。
応用すれば、この通り。
氷の鳥とか、動物の群れ、作って、子供たちと、遊ばせる。
ルリム君も、いってらっしゃい。
……大丈夫。いつか必ず、皆の家族、取り戻すから。
お姉さんとの、約束。
ゆーびきーりげーんまん。
嘘ついたら、針千本。のーます。
ん。指切った。
安心していい。最初に言った通り、お姉さん、つよつよ。
ほら。今日、クリスマスの、パーティー、でしょ?
お祝いなら、楽しまなきゃね。
「幼子たちよ。守護者が参ったぞ」
ばーんと大きく扉を開けて、リューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)は会場となっている講堂に入ってきた。
勝手知ったる足取りなのは、去年のクリスマス以来、ちょくちょくこの施設に顔を出しているためだ。施設の子どもたちも、他のディアボロスに対するよりも緊張は少なく、メリークリスマス、と声をかけてくる。
「うむ。今日はクリスマスということで、我が友も一緒よ! 二人ともとても強くて優しくてかっこいいディアボロスだぞ!」
見よ、とばかりにリューロボロスが示した扉から、まずは凍雲・雪那(報仇雪恨の■■姫・g07783)が姿を見せた。
「ん。つよつよ、ディアボロス」
両腕で力こぶを作るようなポーズを取ってみせるが、ブルーグレーのコートの上からでは、何も変わりない。
「ボクは雪と氷のお姉さん。そしてこいつは、ペンギンくん」
雪那が招くと、ダンジョンペンギン『ルリム』がペタペタと入ってきた。
「ペンギンだー」
つぶらな瞳のペンギンは、登場するなり子どもたちを虜にする。
「そしてわらわは力持ちおばあちゃんじゃ」
天破星・巴(反逆鬼・g01709)が同じく、リューロボロスを挟んだ位置で、力こぶのポーズを取ってみせた。
赤と黒のフリルたっぷりリボンドレスも、その見た目も、おばあちゃんという言葉からかけ離れているが、柔和な笑顔は年を経たものにしか浮かべられない穏やかさだ。
「疑うならば、試してみるかえ?」
おいで、と巴が腕を出すと、子どもたちはちょっと顔を見合わせた。だが好奇心のほうが勝ったのだろう。走ってきて巴の腕に掴まった。
それを巴は軽々と持ち上げる。
「なんのこれしき。もっと来ても平気じゃよ」
「オレも行く!」
「私も掴まるー」
小柄な巴の身体は押し寄せる子どもたちに埋まって見えなくなった。
歓迎の出迎えが落ち着くと、3人は講堂に並んだ料理の前に案内された。
出来合いの料理もあるが、子どもたちが作ったと思われる料理もある。既製品ほど形は整っていない、ミートローフ、サンタの顔のパンなどはおそらく子どもたちの手によるものだろう。
「これを幼子たちが作ったとは、見上げたものだ!」
リューロボロスの賞賛に、子どもたちが嬉しそうに説明する。
「ちょっと形は悪いけど、美味しくできたんだよー」
「おひげのとこ、難しかったんだ」
「頑張って用意してくれたのじゃな」
巴も料理や飾りつけなど、目につくものを全力で褒めた。子どもたちの反応を見ているだけで、誰が手掛けたものなのかが推測できて、面白い。
「もてなしの礼をせねばならぬな。影絵は好きかの?」
「うん、好き。ほらほら」
子どもたちが、手でキツネやカニを作ってみせる。
「ほほ、それも良いのう。じゃが力持ちおばあちゃんの見せるのは、ちょいと違うのじゃ」
子どもたちの期待の目を受けて、巴は芝居がかったお辞儀をした。
「今宵一時の幻想、光と影が作り出す影絵遊戯をご覧あれ」
現れるのは、影絵の形の獣や鳥。
子どもたちがさっき作ったキツネとカニもその中に。
「すごーい!」
「影が生きてるみたい!」
指さして笑う子の声が、影絵遊戯の彩りとなる。
「お姉さんからもお礼」
雪那がアイスクラフトで作り出した立方体が、砕けて輝いて、氷の武装となる。今日はその形を動物に似せて。
「ルリム君も、いってらっしゃい」
雪那に促され、子どもたちと遊ぶダンジョンペンギンが、氷にとてもよく似合う。
「すごいね。ディアボロスさんはこんなに力があるんだから……ぼくの家も戻ってくる、よね」
自分に言い聞かせている子どもの前で膝をかがめ、雪那は視線をあわせた。
「……大丈夫。いつか必ず、皆の家族、取り戻すから。お姉さんとの、約束」
雪那が出した小指に、子どもの細い小指がかかる。
「ゆーびきーりげーんまん。嘘ついたら、針千本。のーます。ん。指切った」
ゆっくりと唱える約束のおまじない。
「安心していい。最初に言った通り、お姉さん、つよつよ」
雪那が見せる腕は、決してたくましくはないけれど、クロノヴェーダを倒す力を持った腕だ。
「うん。つよつよのお姉さん、約束だよ」
「ん。約束」
小指を見せる子どもに、雪那も小指を立てて、うんと頷いてみせる。絶対に、子どもたちが元通り家族と暮らせる世界を取り戻す。
「ほら。今日、クリスマスの、パーティー、でしょ? お祝いなら、楽しまなきゃね」
その子を遊んでいる子どもたちのほうへと送り出した。
はしゃぎ回る子どもたち。
その中で大人しく椅子に腰かけている子どもたちがいた。にこにこ楽しそうにしているものの、どこか輪の外にいるような……その子たちのことをリューロボロスは知っていた。
「元気にしておるか」
声をかけると嬉しそうに頷く。今はこの施設から出て、親元で暮らしている子どもたちだ。懐かしくて施設にやってきたけれど、ここで暮らしていたときと違って『お客さん』になってしまうから、どこか遠慮がちだ。
そしてもちろん、自分たちだけ先に、という後ろめたさもあるのだろう。
「幼子達よ、ぬしらは何も悪くない。悪くないのだ!」
たまたま先になっただけのことだと、リューロボロスは子らの手を引いた。
「共に遊ぼうぞ! ほれ、窓から外を見るが良い!」
リューロボロスの背負う重い悲しみが、雨を呼ぶ。それは幼子の涙を流し泣く、リューロボロスの涙雨。
飾り付けられた外の木々の上に、パラドクスの雨が降り、音を鳴らす。
その雨はすぐにあがり、再び太陽がツリーを照らす。
「これが我からの贈り物よ!」
リューロボロスの指さすその先には。
――子らの涙を癒すように、きれいな虹がかかっていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【水源】LV1が発生!
【アイスクラフト】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【アヴォイド】がLV2になった!
【ダブル】LV1が発生!
リドリー・バーディ
お友達!のノスリ(g01118)と
Merry Christmas!
飾りつけ、手が込んでるね!とっても綺麗!
手放しで褒めつつ子供達にご挨拶
僕も君達に会えるの楽しみにしてたよ!
プレゼント持って来たんだけど
……ちょっとゲームしよっか!
題して、靴下の中身は何だろなゲーム!
リボンで履き口を留めた靴下の中身を触って当てるだけ!
綺麗な櫛や手鏡や髪留め、ミニカーやソフビフィギュア、
クレヨンや文具のミニセット、ぬいぐるみ等々様々に
キラキラシールや靴下on靴下は難問かも!
当たっても当たらなくてもあげるよ
素敵なパーティーのお礼!
ノスリのお話会には裏方参加で効果音返し
舞踏会のBGMがボイパって新しくない?
ノスリ・アスターゼイン
リドリー/g08402
Merry Christmas!
招待感謝!
歓迎に駆けて来た子達を両腕広げて抱き留める
転んでしまった子もヒョイと抱き上げ
ブーンと飛行機ごっこ
順番順番!
場内の飾りも料理も綺麗で可愛い
おかわりを何度でも
だって美味いんだもの
ありがとう
御世辞では無く心から
リドリーのゲーム大会では
じゃかじゃかじゃーん的な
効果音で盛り上げようか
瞳を輝かせる子達に和む
恥ずかしがり屋にも声を掛けて一緒に遊ぼ
絵本を音読するのも良いね
お気に入りの物語、教えてくれるかい
陽菜の気遣いは流石年長サン
頼りになる
施設を卒業しても
いつか先生や見守りとして戻るのも良いよね
皆の帰る場所に、陽菜がなる
そんな未来も素敵じゃない?
「Merry Christmas!」
勢いよく扉を開けて、リドリー・バーディ(chitter-chatter・g08402)とノスリ・アスターゼイン(共喰い・g01118)がクリスマスパーティーに登場すると、
「メリークリスマス!」
口々に言いながら、子どもたちが駆け寄ってくる。それをノスリは両腕を広げて抱き留めた。急いで加わろうとして転んでしまった子が、ふえっと顔をゆがめる。それが泣き顔になるよりも早く、ノスリは抱き上げた。
「飛行機ごっこをしよう。ほら、ブーン」
「ブーン」
両手両足を伸ばした子どもを、右へ左へとノスリは振ってやった。
「次、オレな」
「あたしもあたしも!」
テンション高く騒ぐ子どもたちに、あんまりご迷惑をかけないようにね、と年長の女の子が身をかがめて注意をして、ノスリに小さく頭を下げる。子どもたちははーいと返事をして、一列に並んだ。
しばらくそこから動けそうもないノスリを残し、リドリーはパーティ会場をぐるりと見て回る。
きらきらモールとオーナメントで飾られたツリー。
壁には切り紙で作った雪の結晶や、サンタクロース。
クリスマスモチーフの折り紙は、モビールだったり、テーブルに置かれて手に取れるようになっていたり。
見事なものから稚拙なものまであるが、そのどれもをリドリーは手放しで褒めた。
「飾りつけ、手が込んでるね! とっても綺麗!」
「ディアボロスさんを呼んでくれるって野乃が言ったから、みんなでがんばって飾ったんだ。おね、おに……来てくれてありがとう」
言い迷った子どもに、リドリーは笑顔を向けた。
「僕はお兄さん。僕も君たちに会えるの楽しみにしてたよ!」
飾り付けを眺めて、クリスマスのささやかだけど心づくしの料理を食べて。
これも食べてと出されるものを、ノスリはどんどん食べ、何度もおかわりをした。
「ノスリ、今日はすごく食べるんだね」
デザートのケーキを食べながらリドリーが言うのに、だって美味いんだものとノスリは返す。
「ご馳走をありがとう」
子どもたちへかける言葉は、御世辞ではなく心からのもの。一生懸命用意してくれた料理が、美味しくないわけがない。
食事が終わって落ち着くと、リドリーはアイテムポケットからリボンで履き口を留めた靴下を取り出して、空きテーブルの上に積み上げた。
「プレゼント持って来たんだけど、ちょっとゲームしよっか! 題して、靴下の中身は何だろなゲーム!」
ゲームと聞いて、子どもたちが嬉しそうな声をあげる。
「リボンを開けずに、中身を触って当てるだけ! さあ分かるかな?」
膨らんだ靴下の中身は、綺麗な櫛や手鏡や髪留め、ミニカーやソフビフィギュアなど種々様々。それを子どもたちの手が、靴下の上から探る。
「箱……カタカタする……クレヨン!」
リボンを解くのももどかしく中を見れば。
「大当たり!」
じゃかじゃかじゃーん、とノスリが効果音を鳴らす。
「うーん……布? よりちょっとふかふか……ミニタオルかな」
それは超難問の靴下on靴下。中を見た子どもが笑うのに合わせ、ノスリはひょうきんな音を鳴らす。
当たっても当たらなくても、パーティのお礼にプレゼント。
子どもたちは瞳を輝かせ、靴下を探りまくった。
最後に2つ残った靴下。
もじもじしている幼い子の背を、年長の女の子がそっと押して1つを取らせ、自分は最後の1つを取る。
「ぬいぐるみ……?」
幼い子は中身を当てて、年長の子はキラキラシールを当てられず。
「陽菜、はずれ?」
「大丈夫。私ももらえたから」
ほっとする子の頭を撫でて、離れていこうとする陽菜をノスリは呼び止めた。
「陽菜の気遣いは流石年長サン。頼りになるね」
「あ、ありがとうございます」
陽菜はちょっと赤くなって礼を言った。
「先生や見守りが向いているのかもね。この施設を出たあと、そういう仕事につくのも良いかも知れない。皆の帰る場所に、陽菜がなる。そんな未来も素敵じゃない?」
ノスリに言われて、陽菜はあっと顔を上げたが、すぐに顔を伏せる。
「素敵です。でもたぶん……向いてないんだと思います」
答える陽菜の声は小さい。
「だってみんな……ガミガミ陽菜、うるさ陽菜って」
そのあだ名が恥ずかしかったのだろう。失礼しますと陽菜は走り去っていった。
「陽菜、いっちゃうの……?」
残された子どもが不安そうにぬいぐるみを抱きしめた。その子にノスリは優しく話しかける。
「一緒に絵本読もうか」
「いい、の?」
「もちろん。お気に入りの物語、教えてくれるかい」
「おひめさまの、おはなし……」
「いいね。どの絵本かな」
子どもが抱えて戻ってきた絵本を他の子も集めて一緒に開いて、ノスリは物語をゆっくりと音読していった。それにリドリーが効果音をつける。
お城のダンスパーティのシーンにボイスパーカッション。
そんな、新鮮で温かな読み聞かせの時間がゆっくりと過ぎていった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【凌駕率アップ】LV1が発生!
百鬼・運命
アドリブ絡み歓迎
【ヨアケ】で参加
さて俺は去年、別会場に参加していたけど、ほかの【ヨアケ】メンバーは二回目だったか?
しかしこんな子供達にまで歓迎してもらえるとは有り難い限りだな
お礼にちょっとした贈り物と行こうかな?
群鳥の応用
余った折り紙を分けてもらい、呪術符を操り鳥の式神にするのと同じ要領で動かし、一度に大量の折り紙を折り上げていろんな動物を作り出し、その動物たちを使ってクリスマスツリーの周りでパレードの演出だ
流石に子供たちにもてなされっぱなしとはいかないからな
楽しんでくれればいいんだが
人外・狐
アドリブ絡み歓迎。
【ヨアケ】
いやあ。これがクリスマスっすか。
大戦国じゃあお目にかかれなかったパーティ……これはテンション上がるっすね。
せっかく用意してくれたご馳走、ありがたく美味しくいただくっす。
さてさて、飲み食いするだけじゃあ芸がない。
子どもたちを楽しませる余興も見せないと忍者の名折れっす。
贈り物は持って来てないんで、ここはひとつ。魔影分身術で分身体を作り、軽業を披露するっすよ。
ほほう、高いところのツリーの飾りつけっすか。おまかせあれっす。よよいのよいっと。
眉立・人鳥
アドリブ絡み歓迎
【ヨアケ】で行く
いや〜〜、今年もこの日がやって来ましたなァ
チビ達とまた会えるとは思ってなかったから嬉しいぜ
元気だったかチビ達〜〜
再開の挨拶だ、またまとめて抱きしめて撫でくりまわしてやろう
迷いすぎてサーヴァントで連れてこれなかったから
今年はペンギンのぬいぐるみを沢山持って来たぞ
なので今年は俺が腹話術で動かす
野乃ちゃんも、はいどうぞ
寂しそうにしてるチビ達が居たら、名前を呼んでパタパタさせるぜ
遊ぼうぜ〜〜
パーティーで飲み食いはもちろん
ヨアケの皆で何かするならそれにも参加したい所だな
オーナメント作りか?いいぜ、手伝おう。ついでに写真とか映える動画でも撮るか
黒城・廉也
【ヨアケ】
アドリブ連携歓迎
ふっふっふ……皆お久しぶりッス!
昨年は……羽をみせてあげたり、んー……あっ、新曲披露したんですよね!
そうですね…じゃあ、せっかくだし今回は練習した皆の歌を廉也お兄さんに聞かせて欲しいなーって。レパートリー増やしたって聞いたッスよ?是非とも聞いてみたいッス。
うん、皆の歌や料理に元気をもらったところでお礼として今年も何かお返ししたいッスね。
やっぱり歌や……背中に乗せて空飛んであげるとかどうですかね?もちろん安全飛行ですけど!
あとは他の皆さんが飾り付けしてくれる人が多いし、オーナメント作りのお手伝いですかね。……料理じゃないから俺にも出来るはずッス。きっと!
アオイ・ダイアログ
【ヨアケ】の皆と🎵
アドリブ歓迎
やっぱり親のいない子はまだまだいるんですねぇ
かく言う私もまだ家族を取り戻せてないんですが
やっはろー🎵
おー、なんだか前よりレベルアップしてませんか?
皆さんとっても頑張ってくれたんですね🎵
おもちゃ配り的なのは去年やりましたし、ビジュアルレイヤーを使った高速コスプレを見せてあげましょう🎵
巫女に神官、武者に騎士などバリエーション豊かに魅せますよー🎵
ほいほいほいっと
お、オーナメントですか?
いいですね、やりましょう🎵
でもやったことないので教えてくれると嬉しいです
上手ですね、負けてられません!
ベルや白いポンポンを着けて華やかに仕上げます
では、メリークリスマス!
相原・相真
【ヨアケ】の皆さんと参加
せっかくのクリスマス、小さい子もいるんですしサンタの恰好でお邪魔しましょう
(クリスマスのイルミネーションを付けたドローンとともに空から参上)
どうも、ディアボロスサンタです
みんな元気にしてましたか?
今年もまた色々準備してくれたんですね、ありがとうございます
そんなみんなにプレゼントです
(「一応リサーチはしておもちゃとか準備してきたけど、喜んでもらえるかな…?」)
みんなが準備してくれた料理もいただいて、
しっかりこのパーティーを楽しみたいです
…本当のプレゼントはまだみんなには届けられなかったけど、
でも必ず届けてみせます
だからもう少し待っていてくださいね
桜・姫恋
【ヨアケ】のみんなと参加
去年ぶりね♪今年もまたみんなとお祝いするために来たわよ♪
去年は抱えて飛んだけど今年は何しようか?
みんな歌とか色々としてくれてるみたいだから……
んー、こんなのはどうかしら?
得意な魔法を使い雪や雪の結晶を作り出しクリスマスツリーの周りを囲むように幻想的な空間を作っていく。
みんなで飾り付けしたツリーがこれで映えるんじゃないかしら?
さて、希望者いたら今年も1人ずつにはなるけど抱えて飛ぶことできるけどどうする?
と問いかけ希望する子がいれば数分ずつ抱えて飛び回る
1段落ついたら子どもたちや一緒に来たメンバーとクリスマスパーティーをする。
軽いケーキや温かいお茶やスープ等数種類用意済み。
三苫・麻緒
【ヨアケ】
新宿だけを取り残して、なんて事件が起きれば当然そういう子が…なんて落ち込む時間は今じゃないね!
2回目の人もいるみたいだし、私も楽しんじゃおー!
私もパーティに差し入れ
居候先のカフェ自慢のミントティーと、咲きそうだけどまだ蕾のポインセチアの花鉢
ただし、花鉢の方は【植物活性】をこっそり使ってパーティ中に咲かせるよ
地味だけどこういうサプライズもありかなって
さて、一番に気が付く子は誰かな?
みんなは慣れた様子で子供たちのハートを掴んでいるみたい
私も子供たちに混ざって楽しんじゃいたいね
混ざりたそうだけど混ざれない子には積極的に声をかけていくよ
おいしいご飯も堪能したい!食欲は…ちょっとは自重する!
フィーナ・ユグドラシア
※アドリブ、絡みok
※【ヨアケ】同行
子供達が作るクリスマスパーティですか。
去年は此方に来ていないから又聞きですけれど、とても良いパーティだったそうですね。……楽しみです。
子供達が楽しめそうなこと……、折角ですし、ユリウスも連れてきますか。サーヴァントは見た事あるんですっけ?
後は、差し入れ用に、色々な動物の顔をしたクッキーも用意しましょう。好きな動物さんとか居ますかね?
パーティでは、子供達とお話ししたりしてみたいですね。歌なども披露してくれるようですが、私もお返しに楽しそうな歌でも歌いましょうか?
ユリウスには、人鳥さんの手伝い序でに、子供達と触れ合って貰いましょうか。相方でも何でもござれですよ。
アイネリス・レナリィ
アドリブ絡み歓迎
【ヨアケ】
お久しぶりです
やはり育ち盛りと言いますか、一年も経つと見違えるようです
今年もも一緒に楽しみましょうね
さて、今回は……少しイタズラしてみましょうか
選ぶのは【無音の白翼】
音も無く羽ばたく白梟を喚び、こちらに注目している子の後ろへそっと降り立たせます
準備が出来たところで後ろを見るよう促してビックリさせましょう
反応が楽しみですね?
折角待っていてくれたのですから、オーナメント作りのお手伝いも引き受けます
基本は見守りつつ、詰まりそうな要所を手助けしていきましょうか
講堂の扉が開くたび、子どもたちの目が向けられる。
もしかしてまた、ディアボロスが来てくれたのだろうかと。
往々にしてそれは、施設の子どもたちの出入りでしかなかったりするのだが。
「ふっふっふ……皆お久しぶりッス!」
「去年ぶりね♪ 今年もまたみんなとお祝いするために来たわよ♪」
登場した黒城・廉也(後輩サキュバス・g02175)と桜・姫恋(苺姫・g03043)に、あーっと子どもの声があがる。
「お空のディアボロスさんだ」
ひとりが駆けだすと、他の子も一緒になって押し寄せてきて、入口付近は大混雑だ。
「元気だったかチビ達〜〜」
今年も招待があるとは思っていなかったから、子どもたちとの再会は嬉しい。寄ってくる子どもをまとめて抱きしめて、眉立・人鳥(鳥好き兄ちゃん・g02854)は今年も撫で繰り回した。
ぐりぐりされた子どもがきゃーっと笑うと、他の子が我も我もともぐりこんでくる。手が何本あっても足りないくらいだ。
少し子どもたちの人数が減っただろうか。アオイ・ダイアログ(響き合う言霊の繰り手・g02687)は講堂にいる子どもたちを目で数える。
(「それでもやっぱり親のいない子はまだまだいるんですねぇ」)
そういうアオイも、まだ家族を取り戻せてはいないのだが、今日は子どもたちを元気づけるために来たのだから。
「やっはろー♪」
元気いっぱいな大声でアオイは挨拶する。
「はろはろ~」
答える子どもたち一人一人を、アイネリス・レナリィ(黒鉄の魔女・g01781)は昨年の姿と比べ見る。
「やはり育ち盛りと言いますか、1年も経つと見違えるようです」
子どもの1年は大人の1年とは違う。背が伸び、顔つき、体つきも変わる。この変化を親は見られなかったのか、とアイネリスはふと思う。
「ディアボロスの皆さま、お運びいただきありがとうございます。小さな子もいるため失礼もあるかと思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです」
今年もきちんと挨拶してくる年長の女の子も、少し大人びたように見えた。
「招待していただきありがとうございます。今年も一緒に楽しみましょうね」
アイネリスもきちんと挨拶を返した。
そこに。
「メリークリスマス! どうも、ディアボロスサンタです」
電飾をつけたドローンに乗って、サンタの扮装をした相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)がすうっと入口をくぐって入ってくる。
「みんな元気にしてましたか?」
「サンタさんだー」
小さな子はサンタクロースの登場に飛びあがり、年長の子はそこに相真の顔を見分けて笑顔になる。
「こんなに子どもたちに歓迎してもらえるとは、有難い限りだな」
百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)は昨年のパーティの話を、この施設を訪れたメンバーから聞いていた。けれど、実際に子どもが喜ぶ様子を目の当たりにすると圧倒される。子どもは集まれば集まるほど、ヒートアップするものなのだろう。
「こんな子どもたちが家族と離れて……」
甘えたい盛りの子もいるのに、と三苫・麻緒(ミント☆ソウル・g01206)は集まっている子どもを見つめ……すぐに、落ち込む時間は今じゃないと気を取り直した。今日はクリスマス。みんなで楽しむ日なのだから。
「いやあ。これがクリスマスっすか」
サンタクロースやトナカイなど、子どもたちが飾り付けたクリスマスグッズを、人外・狐(ハグレモノの気まぐれ忍者・g08526)は興味津々に眺めた。
「クリスマス知らないの?」
ディアボロスにも知らないものがあるのかと、子どもが首を傾げる。
「大戦国ではクリスマスもパーティもお目にかかれなかったっすからね」
祭りや宴会とはまた違う華やかな場は、狐には物珍しく映った。
「じゃあぼくが教えてあげる! みんなで飾りつくって、ご馳走もいっぱいあるんだよ。こっちこっちー」
「それはありがたいっすね」
狐は得意げに案内する子どもの後ろに付いて、クリスマスガイドツアーへ出発だ。
「子供達が作るクリスマスパーティ、良いですね」
手作り感満載の会場を用意してくれた子どもたちを、どうしたら楽しませられるだろうかと考え、フィーナ・ユグドラシア(望郷の探求者・g02439)はダンジョンペンギン『ユリウス』を連れてきた。
「ユリウス、みんなにご挨拶してくださいね」
促されたユリウスがペタペタと前に出ると、子どもたちは目を丸くした。
「ペンギン?」
「ペンギン!」
昨年もディアボロスからサーヴァントを見せてもらっていた子どもたちだが、ダンジョンペンギンを見るのは初だ。
「やっぱペンギンいいよな~」
迷いすぎてサーヴァントで連れてこられなかったからと、人鳥はアイテムポケットからたくさんのペンギンのぬいぐるみを取り出した。それを子どもたちに配りながら、
「メリークリスマス」
人鳥は裏声の腹話術でペンギンぬいぐるみを操ってみせた。
「ペンギンしゃべった?」
「おじちゃんの腹話術だって」
小さな子の驚きを、年長の子が種明かし。
「ユリウスも配るの手伝ってあげて」
フィーナに言われ、ユリウスもペンギンぬいぐるみを配る。ペンギンがペンギンを抱えて配る様子に、子どもたちは叫びに近い声をあげた。
「野乃ちゃんも、はいどうぞ」
にこにこ見ている野乃にも人鳥はぬいぐるみを差し出した。
「野乃もいいんですか? ありがとうございます」
嬉しそうに受け取って、ペンギンいいですよねーと野乃はぬいぐるみを抱えた。子どもっぽいその様子は、施設の子どもたちに交じっても何の違和感もない。
「ちょっと教えてくれるかな。あの子、なんて名前?」
皆からは少し離れたところから、じっとペンギンを凝視している子の名を人鳥はこっそりと野乃に尋ねた。
「史也くんですよ」
おいでと野乃が手招きすると、史也はぱっと顔を背けて知らん顔をする。
「他のところにいた子なんですけど、うまくいかなくてこっちに来たんです。まだみんなにも慣れていないみたいですね」
「ふーん、なるほど」
史也が向こうを見ている間に、人鳥はこっそりと近づいた。そして、
「ふみやくん、あそぼ」
ペンギン腹話術で首のあたりをくすぐった。たまらず史也も笑いだす。
「みんなで遊ぼうぜ~~」
子どもたちを呼び寄せて、人鳥はまとめて遊び始めた。
白いクロスのかかったテーブルの上には、子どもたちが準備したクリスマスの料理やケーキが並んでいた。
「おー、なんだか前よりレベルアップしてませんか? 皆さんとっても頑張ってくれたんですね」
褒めてあげたいというのもあるが、実際アオイの目から見ても、テーブルの上はクリスマスっぽくなっている。昨年は、なんとか揃えました、という懸命さが伝わってきたが、今年はそれらしく料理もお菓子も盛りつけられていた。出来合いの料理もまざってはいるが、全体的に見れば上出来というところだろう。
「美味しくできてますよ。それに見た目もきれいです」
フィーナはカナッペを目の高さまで持ち上げた。野菜やチーズ、ハムを星形に抜いたのが、こんもりと積み上がっているカナッペは、味もバランスも良くできている。
「上手にできるように、練習してたの。特に12月は練習しすぎて、もうミートローフは飽きた、って施設のみんなに言われちゃったけど」
だから今日もミートローフの減りが今一つ、たくさん残ってしまうかも、と女の子は困り顔。
「え、ミートローフすごく美味しいよ。たくさん食べていいなら、私どんどん食べちゃうよ」
美味しいものは大好きだけど、子どもたちのパーティだから自重しなくてはと、麻緒はセーブして食べていたのだ。
「助かります」
「私も助かっちゃう」
女の子と目を見交わして、麻緒は笑った。
「食べていてばかりなのも悪いから、差し入れも持ってきてるんだよ。はい、これ。私の居候先のカフェ自慢のミントティー。それから、ポインセチアも持ってきたから飾ってね」
「ありがとうございます!」
女の子はポインセチアの鉢を麻緒から受け取ると、目立つようにテーブルの真ん中に飾った。
クリスマスの花といえば、ポインセチアを思い浮かべる人は多いだろう。緑の葉、その上に真っ赤に色づいた葉、真ん中にちいさく集まる黄色い花、の色のコントラストが華やかで、テーブルの料理も一層おいしそうに見える。
「では私からも差し入れを」
フィーナからの差し入れは、動物の顔の形をしたクッキーだ。くま、ねこ、犬、うさぎ、狐にパンダ、ちゃんとペンギンも入っている。
「みんなー、動物さんのクッキーもらいましたよー」
女の子は他の子に声をかけると、お茶を入れてきますね、とMinze特製ミントティーを淹れにいった。
子どもたちの用意したものと、ディアボロスの差し入れを合わせ、どちらも相真は堪能する。
「今年もまた色々準備してくれたんですね、ありがとうございます」
相真が言うと、子どもたちは照れて笑った。
「こちらこそ、大きな戦いのあとで疲れているところ、今年も来てくださってありがとうございます」
ミントティーの香りとともに戻ってきた年長の女の子が頭を下げる。
「みんなも応援していてくれたんですよね。いろいろ頑張ったみんなに、プレゼントです」
相真はアイテムポケットからプレゼントを取り出して、子どもたちに渡した。一応リサーチをしておもちゃなどを準備してきたから大丈夫だと思うけど……と様子を窺うと、子どもたちはプレゼントの包みを早速開けて、嬉しそうに見せ合いっこを始めた。
枕元にプレゼントを置いてくれる親は、今は一緒にいられないから。サンタクロースからのクリスマスプレゼントを。
「さてさて、飲み食いするだけじゃあ芸がないっすね」
ひととおりクリスマスを堪能した狐は、今度はこちらが、と席を立った。
「子どもたちを楽しませる余興も見せないと忍者の名折れっす」
「忍者って、手裏剣投げる人?」
忍者というワードに反応して、子どもが尋ねる。
「それだけじゃないっすよ。贈り物は持ってきていないんで、ここはひとつ」
狐は手印を結ぶと、魔影分身術を発動させた。もちろん攻撃したりはしないが、自らの影法師を漆黒の分身体として、壁や天井を自在に跳ねまわる。
「忍者ー!」
「ねーね、それ忍術?」
子どもたちが狐の影法師に触れようと、手を振り回しながら追いかけた。
「ふふふ、では私も得意技を見せてあげましょう」
アオイは謎のタブレット端末『ワールドカスタマイザー』を操作した。
披露するのは、ビジュアルレイヤーを使った高速コスプレだ。
「ほいほいほいっと」
巫女に神官、武者に騎士。
バリエーション豊かな早着替えに子どもたちは……目も口も大きく開けた。
「子どもたち、すごく驚いてるみたいだな」
運命が笑いをかみ殺す。
楽しんでいる様子の子どもたちに、自分も何か出来ないだろうか。そう思った運命は、飾り付けに使って余った折り紙を分けてもらった。
「おにーさん、折り紙するの?」
「なに折るの?」
子どもたちが手元を覗いてくる。
「何にしようか。動物とか好きかな?」
「大好きー」
「じゃあ動物にしよう。こういう紙を扱うのは得意なんだ」
符を扱う要領で、運命は大量に動物たちを折りあげる。
「はやいー、いっぱいー」
自分では1つ動物を折るのにも時間がかかるのにと、子どもたちは尊敬のまなざしで運命を見上げた。
「動物パレードしようか」
折りあげた動物を子どもたちに渡して、クリスマスツリーの周りをぐるぐると。折り紙動物のパレードだ。
好きな動物を手に回る子どもたちの声は、パレードの音楽のように弾んでいた。
時計がチリチリと音を立てると、それまで思い思いに散らばっていた子どもたちが、一か所に集まった。
「何が始まるんスか?」
尋ねた廉也に、お歌をうたうのと小さな子どもが答える。
「レパートリー増やしたって聞いたッスよ?」
「そう。みんなで練習して覚えたんだよ。聞いたらびっくりすると思う」
小さな子の後ろから、顔を出した男の子がにっと笑った。
「それは是非とも聞いてみたいッスね」
「うん。お兄さんには絶対に聴いてほしい」
「……?」
集まった子どもたちは列を作って並んで、声を揃える。
「私たちからの、歌のプレゼント、受け取ってください」
流れる曲は、定番のクリスマスソング。それに合わせて子どもたちが歌った。
練習したというだけあって、歌声は揃っている。
そして小さな音楽会のラストナンバーは、去年廉也が歌った廉也の曲だった。去年ここで歌ったときは新曲だったその曲を、今年練習した子どもたちが歌う。
「すごいッス。完璧に覚えたッスね」
もらった歌のプレゼントに何かお返しを……ここはやっぱり歌だろう。
「じゃあ俺からも新曲行くッスよ」
子どもたちへの返礼を、廉也は心の限りに歌い上げた。
オーナメントの材料の入った箱を、動かしてみたり、戻してみたり。
ディアボロスのほうを見て、慌てて目を逸らす。
声がかけたそうなのにかけられずにいる女の子に気付いた麻緒は、脅かさないようにそっと話しかけた。
「オーナメントを作るのかな?」
「うん……よかったら、いっしょ、に……」
作って、という声がかすれた。それだけを言うのにも必死な様子だ。
「これでオーナメントを作るの? 楽しそうだね。みんなも呼んでくるよ」
任せて、と麻緒は一緒に来たメンバーをオーナメント作りに誘った。
「オーナメント作りか? いいぜ、手伝おう」
「お、オーナメントですか? いいですね、やりましょう」
人鳥とアオイはすぐに引き受けて、テーブルに着いた。
「オーナメントは料理じゃないッスよね? なら俺にも出来るはずッス、きっと!」
失敗しても食べるわけじゃないから大丈夫だろうと、廉也はやや恐る恐る席に着く。
アイネリスはきちんと揃えられたオーナメント材料に目を留めた。
「いい匂いがしますね。これはスパイスでしょうか」
「そう、です。クローブ、スターアニス、ミニツガ、ペッパーベリー、ユーカリ、ナンキンハゼ……」
小さな手が、順に箱を指してゆく。
「たくさんの種類を集めて、組み立てるのを待っていてくれたのですね」
「一緒に、作りたくて」
「では作りましょう。どんなオーナメントが完成するのか楽しみです」
アイネリスの言葉に、女の子ははいと頷いた。
「やったことないので教えてくれると嬉しいです。まずは何からすればいいですか?」
アオイに聞かれ、女の子は土台を入れた箱を引き寄せた。
「好きな土台に、好きなもの、つけていくだけ、です」
言いながら、スパイスを土台に貼りつけてゆく。好きなように貼りつけて、木の実やリボンを飾り付けるだけで出来るようだ。
「ついでに写真とか映える動画でも撮るか」
制作過程を動画にしたら面白いものが出来そうだと、人鳥はオーナメントを作る皆の手元を撮った。
「これはどうです?」
アオイが作ったオーナメントは、ベルや白いポンポンを着けて華やかに。
「可愛い、ですね」
女の子は自分のオーナメントに視線を落とす。丁寧だが、どこか暗い印象を受けるそこに、アイネリスは金のリボンをふわりと載せた。
「こういうのも有りかもしれません」
「そう、ですね」
女の子は微かに、だが嬉しそうに笑った。
出来上がったオーナメントを持って外に出る。
庭の木々には電飾やオーナメントが吊るされ、クリスマスツリー仕様になっていた。
子どもが飾ったものだから、木の下のほうにはごっちゃりと飾りがつけられ、上のほうには飾りが少ない。
「ほほう、高いところのツリーの飾りつけっすか」
狐はおまかせあれと、手にいくつもオーナメントを持った。
「よよいのよいっと」
ひらりひらりと軽やかに飛んで、狐はツリーの上の方にオーナメントを飾る。
夢中でそれを見上げている子どもに、少しイタズラしてみたくなって、アイネリスは小さく自分の影へと呟いた。
『お願いね』
影から呼び出した白梟は音も無く羽ばたき、子どもの後ろにそっと降り立つ。そうしておいて、アイネリスは子どもに振り返るように促した。
振り返った子どもは悲鳴をあげて走り出す。
「うわぁ、二本足の猫!」
「え、猫? ではないですけど」
そんなはずはと見た梟が、くるりと首を傾げた。
緊張が解けたということもあるのだろうが、子どもたちはここに到着したときよりも、元気になっているように見えた。
「楽しんでくれているということかしらね」
姫恋は駆け回る子どもたちに、優しい視線を投げた。このクリスマスパーティはディアボロスをもてなすために開かれている。けれど、せっかくなら子どもたちにも喜んでもらいたいもの。
歌や余興やオーナメント。みんなの出し物は面白かった。では自分は何をしよう。
ちょっと考えて、やっぱり自分の得意なものにしようと姫恋は決めた。
「んー、こんなのはどうかしら?」
使うのはパラドクス【氷雪花】。
氷で作り出すのは六つの花。六弁の美しい雪の結晶で、クリスマスツリーの周りを囲んだ。透明な輝きは、光を通してきらめいて、幻想的な空間を作りあげる。そこにしんしんと雪の幻覚が降る。
「みんなで飾り付けしたツリーがこれで映えるんじゃないかしら」
どう? と聞いた姫恋に答えることも忘れて子どもたちは氷の輝きに見入っている。
「きれい……」
思わず漏らした子どもたちのため息が重なった。
「上からも見てみたい? 1人ずつにはなるけど抱えて飛ぶことできるけどどうする?」
はいはいと挙がる手を数えて順番を決めると、姫恋は注意して子どもを抱えた。飛翔の効果は子どもには及ばない。子どもに負担をかけないように、自分がバランスを崩さないように気を付けてゆっくりと飛ぶ。
降りた後は姫恋が用意してきた軽いケーキと温かいお茶やスープで、お庭のパーティとしゃれこんで。
ツリーを見上げながらフィーナと声を揃えてクリスマスソングを歌う子どもたち。その歌声を聞きながら、相真は口には出さずに子どもたちに語りかける。
「(……本当のプレゼントはまだみんなには届けられなかったけど、でも必ず届けてみせます。だからもう少し待っていてくださいね)」
聖しこの夜。
子どもたちがサンタクロースに願うもの。
すぐには叶えられないけれど、いつか必ず。
身に着けたサンタクロースの衣装の重みを感じながら、相真は子どもたちに約束するのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
【壁歩き】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
【防衛ライン】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
【アイスクラフト】がLV2になった!
【植物活性】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV2が発生!
【ガードアップ】がLV4になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV4になった!
【ダブル】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV2になった!
プターハ・カデューシアス
【賽】
今年もやってきました、お招きありがとうございます、野乃様
去年会った子供達の成長した姿に
しみじみ時間の流れをかみしめて目を細め
前回引かれたサンタは封印
今日は、可愛い「狐サンタ」がおりますからね
子供達と一緒にオーナメント作りに励むソレイユや菜芽を
楽しげに見遣り
柱に捕まっているこあら着ぐるみシャムスに苦笑い
しっかり「働いて」いる当たり彼らしいというか…
今年の子供達へのお礼のプレゼントは、何にしましょう?
考えた末
庭の片隅に【アイスクラフト】で氷塊を作り
雪だるま型に削り出して飾り付け
雷獣を呼び電飾代わりに電を纏わせましょう
見た目は綺麗なんですが…近づかないようにね
雷は自分の元へ
杖が避雷針代わりです
シャムス・ライラ
【賽】
子ども達よ
ちょっぴりシャイな覆面諜報員
シャムスでございます
勿論顔出し禁止
本日はこあらの着ぐるみで参上です
以前修繕した天井やとの建付け具合を見ていると
じーっと見つめる幼児の視線にたじろいで
柱に捕まり
こっ…こあらー?(裏声)
良い子の皆こんばんはだこあらー
勿論ディアボロスだこあらー!
着ぐるみアクター歴1年
このうきうきした動きを見よ!
似ているでこあら?
とソレイユのオーナメントと並び
黒狐サンタのあまりに可愛らしさに
こっこあらー…
「こあら」しか言葉が出てこない
はっ頭上に乗られた!?
お庭に素敵な物があるこあら
皆で見ようこあらー
元気のない子(朱莉さん)の手を引き
プターハ作の雪だるまを眺め
アドリブ等歓迎
一・百
【賽】
子供がいっぱい…大丈夫かな…
ジンのキューコン(狼程の九尾の銀狐姿)を呼び
俺はこっちで…
黒狐姿に変身
サンタの帽子とケープを着てキューの背にぽふん
ちょっとだけドヤァな狐
尾振り前足ふりふり挨拶
朱莉や寂しそうな子を元気づけるように
キューの上にご招待
大人を運べるから子供は問題ない
あ、でも大勢に囲まれるのは苦手…や、怖いいっぺんに来ないで…
九尾の方がもふもふだからご自由にと生贄に
キューの尊い犠牲は忘れない…たぶん
着ぐるみコアラの上に避難し一安心
すぱいすおーなめんと?
菜芽とソレイユ、子供達の作業に興味津々
木の実ころころお届け
中庭のプターハの雪だるま制作を眺めたり
コアラの上から野乃に尾を振ったら来るかな
ソレイユ・クラーヴィア
【賽】
アドリブ歓迎
去年の様子は聞いておりましたので
子供たちの笑顔が見れて嬉しいです
皆さんはつぶらな瞳でふんわり可愛らしい動物は好きでしょうか
実は新宿島式のクリスマスパーティの知識は乏しく
愛らしいこあらにサンタ帽を被せれば
それらしくなるのではないかという謎の閃きを得て
スパイスオーナメント作りに挑戦します
可愛らしいこあらを目指し、スパイスを並べ
帽子を付ければ完成
菜芽の話に頷きつつ
完成品を見せ合い笑顔
こあらとクリスマス、何も関係無いかもしれないし
あるかもしれない
ですよね、と着ぐるみこあらに視線を向け
頭上のサンタ衣装の百に思わず笑みが溢れ
プターハの雪だるまは、成程こういう手も…
来年は電光こあらですね
島江・菜芽
【賽】
今日は、めいっぱい楽しもう♪
!?えっと、あのこあらの着ぐるみ
もしかしなくても、シャム兄だよねぇ
着ぐるみアクター歴1年?
年期が違うっ!(戦慄)
スパイスオーナメントは初めて作るな
一緒に作りながら子供達とお喋り
家族と離ればなれはさみしいね
会えたお友達が羨ましいよね
その気持ちは持ってて良いんだよ、本当の気持ちだもん
子供達が「家族」に会えるよう願いを込めて
お星様のオーナメントを作ろう
出来上がった作品をみせあいっこ♪
ソレイユくん、安定のこあらだねっ?
上手~飾り付けのセンス良いな
あはは、シャム兄に似てる似てる!
モモさんが追われてる
マロさんっ、助け船
ほーーら、わんこも可愛いゾ?
プタさんの置物も綺麗だねー
クリスマスリースのウェルカムボードがかかった扉を開けると、中の騒めきが溢れてくる。
「今年もやってきました、お招きありがとうございます、野乃様」
プターハ・カデューシアス(エジプトの龍人・g03560)が丁寧に頭を下げると、出迎えた野乃の視線がさっとプターハの恰好に向けられた。
あ、サンタじゃない。口には出さずとも目がそう語っている。それだけ昨年のこわもてサンタの印象が強かったのだろう。
昨年子どもに引かれたサンタコスは今年は封印。けれど、
「あれ? サンタさんじゃない」
野乃が言わなかったことを子どもが口にする。顔を見れば、昨年泣きそうになっていた子だ。
「大きくなりましたね」
子どもにとっての1年の長さを噛み締め、プターハは目を細めた。
「お招きいただきありがとうございます」
「今日はめいっぱい楽しみにきました。よろしく♪」
ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)と島江・菜芽(雪の妖精☆・g06056)が挨拶をするその背後から。
こあらが来た。
グレーベージュの絶妙な色合いの毛皮。顔の横には大きな耳。つぶらな瞳と大きなお鼻。存在感溢れる着ぐるみは会場に入ってくると、
「良い子の皆こんばんはだこあらー」
と手を挙げた。
「!? えっと、もしかしなくても、シャム兄だよねぇ」
「シャムス、今日はお疲れさまです」
クリスマスにもこあら? と菜芽は驚き、ソレイユはさもあらんと動じることなく。
「はい。ちょっぴりシャイな覆面諜報員、シャムスでございます」
たとえ相手が子どもであろうとも、諜報員は顔出し厳禁。昨年のうさぎに続き、今年はこあらで登場だ。
「……これもディアボロスさん?」
「勿論ディアボロスだこあらー!」
戸惑う子どもに、シャムス・ライラ(極夜・g04075)は軽やかな身のこなしで回り、ポーズを決める。
「着ぐるみアクター歴1年。このうきうきした動きを見よ!」
「年期が違うっ!」
諜報員恐るべし。菜芽は戦慄した。
そうして入口辺りに子どもが集まっているのを見て、中に入りかけていた一・百(気まぐれな狐・g04201)は、いったん外に戻る。
「子供がいっぱい……」
分かっていたことだけれど、実際目の当たりにすると、人型のままではあの中に入る勇気が出ない。
「キュー、頼む」
ジンのキューコンを呼ぶと、自分は狐変身で黒狐へと変身する。狐サイズのサンタ帽をかぶり、白いもこもこつきの赤いケープを羽織って、狐サンタの出来上がり。
ぽふんとキューコンの背中に乗ると、改めて会場へと入った。
「狐のサンタさんだー」
喜ぶ子どもに、尾を振り前足をふりふりしてご挨拶。
だがそれはどうやら、子どもを喜ばせすぎたようだ。どどどっとこちらに駆け寄ってくる子どもに、百の顔は引きつった。
「や、怖いいっぺんに来ないで……」
「あ、モモさんが! マロさんっ、助け船!」
気づいた菜芽が、パンツァーハウンドの歌麿を割り込ませて、ほーら、わんこも可愛いゾ、と子どもの興味を引き付ける。
その隙に百は場にキューコンを残し、自分はえいっとシャムスめがけてジャンプ。
「こっこあらー……」
黒狐サンタの可愛らしさに硬直するシャムスの、というかこあらの腕から頭へと上り、くるんと尻尾も引き上げる。百にとって最も安全な場所から、下で子どもたちに囲まれているキューコンを見やった。
「キューの尊い犠牲は忘れない……たぶん」
たぶんってなんやねん、とばかりにキューコンの九尾が振られた。
「お客様を入口に立たせっぱなしにしちゃだめよ。中にお招きして」
奥のテーブルをセットしている年長の女の子に言われ、子どもたちははっとしたように、ディアボロスを奥へと案内した。
「おのもみみはなんにしますか」
やや嚙み気味の子から飲み物を受け取り、料理やお菓子を楽しむ。
着ぐるみでは食事ができないから、シャムスはその間、施設内を見て回った。
(「まだしばらくはもちそうか……」)
以前修繕した天井や扉の建付けは問題ないようだ。次に修理が必要となる頃までには、子どもたちがここから親元に帰れていると良いのだが……と考えていたそのとき、シャムスは視線に気づいて敏捷に振り返った。
そこには、じーっとこちらを見つめる幼児がいた。
しまった。今の動きはこあららしくなかった。なんとかこあららしく振舞わねば。
シャムスは近くの柱にがしっとしがみついた。
「こっ……こあらー?」
とりあえず鳴いてみる。
「シャムス……」
柱に掴まっているシャムスに、プターハは笑ってしまいそうになるのを堪えた。しっかり働いているあたり、彼らしい。そう思いながらプターハは、こあらを凝視している幼児に、こっちで遊びませんかと声をかけた。
「でも、コアラ……」
「向こうに折り紙がありましたよ。なにか折ってもらえませんか」
「コアラ……」
「そうですか、コアラが折れますか。いいですね」
プターハが子どもを連れて去ると、シャムスはほっと柱から手を離した。
壁に『スパイスオーナメント体験』という貼り紙があるのを見つけたのはソレイユだった。振り返ればテーブルにいくつもの箱が置かれ、その前に女の子が俯き気味に座っていた。
「スパイスオーナメント作りを体験できるんですか?」
ソレイユに聞かれ、女の子はびくっと顔を上げたあと頷いた。
「そ、そうです」
「すぱいすおーなめんと?」
聞きなれない言葉に、百が箱をのぞき込む。箱にきちんと分けられた材料からは、スパイスの良い香りが漂っている。
「スパイスオーナメントは作ったことないな。やってみていい?」
ソレイユとのやり取りに気付いた菜芽が、女の子に話しかけた。
「は、はい」
緊張はしていたが、女の子は嬉しそうに箱を引き寄せ、作り方を説明してくれた。
土台を選んで、そこに好きなスパイスや木の実やリボンなどの飾りをつければ良いらしい。
「面白そう。みんなもやろうよ」
菜芽は他の子も誘うと、どれにしようかとオーナメントの土台を選びにかかった。リースも可愛いし、ツリー型もクリスマスっぽい。ハートや動物型も捨てがたい。
「土台は自作もできるのですね。では私は土台から作ってみましょう」
ソレイユは土台の形を考えながら、子どもたちに話しかける。
「皆さんはつぶらな瞳でふんわり可愛らしい動物は好きでしょうか」
「好きー」
「では、大地を潤し、世界を救う動物はどうでしょう」
「かっこいいー」
「そうですよね」
形を決めたソレイユは、迷いなく土台を切っていった。
菜芽は星型の土台に、白と緑のペッパーベリーを貼りながら、子どもたちとおしゃべりを楽しむ。体験を主催している女の子……朱莉もぽつぽつと話をしてくれた。
「家族と離ればなれはさみしいね」
菜芽の言葉に子どもたちは皆頷く。けれど、
「会えたお友達が羨ましいよね
と続けた言葉には誰も頷かなかった。
「そういうこと、言っちゃ、ダメ、なの。喜んで、あげない、と」
朱莉が首を振るのに、菜芽はにこっと笑う。
「その気持ちは持ってて良いんだよ、本当の気持ちだもん」
羨ましいからといって意地悪をしたりしてはいけないけれど、羨ましいなと思う自分の心に蓋をすれば、行き場のない気持ちが暴れ出す。ちゃんと自分の中にある気持ちと向き合うことは大切だ。
「みんなが家族に会えますように」
菜芽の作るオーナメントは、そんな祈りをこめた願い星。
飾りに赤い木の実をつけようとして手がすべって、こんころりん。
「任せろ」
百が拾おうとして手を出したが、つるん。
「あれ」
つるつる、ころころ。
狐の手にちょんちょんつつかれて、木の実は転がってゆく。
足下に転がってきた木の実をシャムスは代わりに拾おうと……だが着ぐるみの手からも木の実は逃げる。
追ってきた朱莉が、小さく笑って木の実を拾い上げた。
「ありがとう。モモさんもシャム兄もね」
菜芽は朱莉から受け取った木の実を貼り付けてオーナメントを完成させた。
「私も完成です」
ソレイユも出来上がったオーナメントを見せる。
「ソレイユくんは安定のこあらだねっ?」
「こあらとクリスマス。何も関係無いかもしれないしあるかもしれない」
「微妙な言い方だね。でも上手~、飾り付けのセンス良いな」
ソレイユが作ったオーナメントは、可愛いこあらにサンタ帽を被せたデザインだ。。丁寧に並べられたスパイスの配置も美しく、完成度が高い。このまま売り物にできそうだ。
「実は新宿島式のクリスマスパーティの知識が乏しいので、何を作ればそれらしくなるのかが良く分からなかったのです。ですが、愛らしいこあらならば万能。それに百の被っていたサンタ帽をつければと閃きました」
「こあら~?」
ソレイユの説明に、シャムスはこあらオーナメントと並んでみせた。その頭にサンタ帽をかぶった百がするりと上る。
「似ているでこあら?」
「あはは、シャム兄に似てる似てる!」
菜芽は手を叩き、ソレイユはにっこりと笑みを浮かべて頷いた。
皆がオーナメントを作っているのを見守っていたプターハは、今年の子供たちへのお礼のプレゼントは何にしようかと考えた。
子どもが喜びそうなもの……雪だるまはどうだろう。
思いついて庭に出て、まずはアイスクラフトで氷の立方体を重ねた。それを首の箇所の強度に気を付けながら、雪だるまの形に削りだす。
「こんなものでしょうか」
ぐるりと360度から出来栄えを確認すると、帽子やマフラーなどを雪だるまらしく飾り付けた。
「雪だるま、いや氷だるまだな。キレイだ」
見物に出てきた百が、透き通った雪だるまの周りを駆け回る。
「まだ仕上げがあるのです。百、子どもたちを呼んできてくれるかな?」
プターハの頼みに、百は会場へと取って返して、雪だるまのことを伝えた。
「お庭に素敵な物があるこあら。皆で見ようこあらー」
シャムスは朱莉の手を引いて庭に出る。
行きたそうなのにもじもじしている子を、百はキューコンの上に乗せて、庭へと連れてゆく。野乃に尻尾を振ってみせると、野乃は会場の他の子にも声をかけて、庭へと送り出した。
「では参ります。『天鼓響かせ、出でよ雷獣!』」
プターハが呼ばわると、頭上に雷雲が現れ、落雷から生じる電撃が獣の形となる。その獣が雪だるまに寄ると、バチバチと雷を纏わせた。
「わぁ、雪だるまがぴかぴかしてる!」
子どもが雪だるまを指さす。近づこうとするのを、プターハは片手をあげて制した。もう片手には杖を握り、しっかりと地面に突き立てている。
「見た目は綺麗なんですが……近づかないようにね」
見るだけですよ、と子どもにしっかり釘をさしておく。万が一にも子どもを傷つけるわけにはいかない。
「プタさんの置物綺麗だねー」
感心する菜芽の横で、ソレイユは顎に手をやった。
「成程こういう手も……来年は電光こあらですね」
「え、ソレイユくん?」
またこあらが進化するのかと、菜芽はソレイユの顔を見る。
「こあらの力は偉大ですから」
そう言ってソレイユが指す先には、こあらに手を引かれ、目を輝かせて雪だるまを見ている朱莉がいたのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【避難勧告】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
【狐変身】LV1が発生!
【飛翔】がLV4になった!
【落下耐性】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【グロリアス】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!
フィリス・ローラシア
※アドリブ、絡みok
今年もパーティをすると聞いて、またお邪魔しに来ましたよ。
あれから変わった事、変わらなかった事、色々あるでしょうけれど、今日この日くらいは皆で楽しみましょうね。
今年は私とリュカもサンタ仕様にしてみましょうか。
雰囲気が必要なら、精霊さん達(サンタコス)も呼んで雪を降らせますよ。こういうのは様式美が大事だと聞きました(うろ覚え)
さて、私は去年同様、色々とお話して回りましょうか。
この一年、もし何か思い出に残るような事があったなら、私に教えて下さいね。新しく聞きたい事が出来たなら、其方も答えちゃいますよ。
後は料理を摘まみつつ、オーナメント作りを手伝いましょう。飾り付けも手伝いますよ。
ミシェル・ロメ
去年出会った子供たちと一緒に、今年もクリスマスを祝おう
スパイスオーナメント、一緒に作りたいの?
じゃあ僕も手伝おう
香り高いシナモンにスターアニスの小さな星、
手芸用ドライフルーツのオレンジやベリー、
それらを土台の上に並べて接着剤でくっつけて
落ち着いて作業をすればそれほど難しくはないよ
セピア色の素朴な色合いにスパイスの優しい香り
見ているだけで心が癒されるよう
完成したらツリーに飾ろう
去年のように【飛翔】して高い所の飾りつけを手伝うよ
スパイスには古来魔除けの意味もあると信じられてきたんだ
奪われたままの地域はまだ多く、世界はまだ暗夜の内にあるけれど
希望の星が寂しい心を癒してくれますようにと祈りを込めて……
刻逆が起きて二度目のクリスマス。
様変わりしてしまったこの世界でもクリスマスソングは流れ、クリスマスカラーに彩られた街を歩く人々は、どこか楽しげに見えた。
そんな街の一角にある施設。
ウェルカムボードのかかった扉を開いて、フィリス・ローラシア(夢現の竜使い・g04475)はクリスマスパーティ会場の講堂に足を踏み入れた。
「今年もパーティをすると聞いて、またお邪魔しに来ましたよ」
「あ、お姉ちゃんサンタだ!」
「サンタドラゴンもいる!」
フィリスに気付いた子どもたちがはしゃいだ声をあげた。
去年はワンピースを着てきたけれど、今年はサンタクロースの衣装にした。真っ赤な服の裾についたふわふわが、フィリスの動きにそって弾む。
フィリスだけでなく、ミニドラゴンの『リュカ』にもサンタクロース風の服を着せてきた。普段と違う感覚なのか、時々服を眺めている姿が可愛い。
「今年も来てくれたんだ。ありがとう」
「ええ。お招きありがとうございます。今年もたくさんお話ししましょうね」
待ちきれないように手を引く子どもたちに連れられて、フィリスはテーブルに案内された。
これ食べてみてと出される料理やお菓子を、フィリスはどれも美味しく食べた。
「この一年どんなことがありましたか」
フィリスの問いかけに、子どもたちは思いつくまま今年の出来事を話した。
増えた遊び場のこと、誰かがケガをしたこと、学校で褒められたこと。たわいない話の中に、ここから出て行った子の話がまじる。
「ディアボロスのお姉さんは、どんなことがあったの?」
逆に聞かれて、フィリスも答える。今年あった出来事の中で、楽しかったこと、良くなったことを。
話が一段落すると、スパイスオーナメント作りを手伝ってあげて、と少し離れて置いてあるテーブルへと誘われる。
「こんにちは」
小さな声で挨拶してきた女の子の隣では、ミシェル・ロメ(とわにひびくうた・g04569)がオーナメント作成に取り組んでいた。
「土台に材料を接着剤でくっつけて作るんです。落ち着いて作業をすればそれほど難しくはないですよ」
ミシェルはフィリスに材料や道具を見せながら説明すると、自分のオーナメント作りへと戻った。
作業は乗せるだけだけど、様々な色と形のスパイスをどう組み合わせるかで、出来上がりはがらりと違う。
香り高いシナモンにスターアニスの小さな星、手芸用ドライフルーツのオレンジやベリー。土台の上に乗せて配置を考えて、ちょっと種類を入れ替えて。
「こちらのほうが良いかな」
ミシェルは置いたシナモンスティックを手元に戻すと、細いリボンで束ねてから、また乗せ直した。
「あ、かわいい……」
朱莉が目を輝かせる。
「少し工夫するだけで、印象が変わるよね」
ミシェルはできるだけ色々な手法を朱莉に見せて、オーナメントを作り上げていった。
セピア色の素朴な色合いにスパイスの優しい香り。見ているだけで心が癒されるようだ。
「フィリスさんも出来上がりましたか? 一緒にツリーに飾りましょう」
ミシェルは出来上がった3人のオーナメントを持って、朱莉を連れて庭のツリーへと向かった。
白い翼を広げ、オーナメントを手にミシェルは飛翔する。その周りをフィリスの冬の精霊たちがふわふわ飛び回るさまはとても幻想的で、子どもたちはうっとりと見上げている。
オーナメントを1つつけ。
漂うスパイスの香りにミシェルは思う。
(「古来スパイスには魔除けの意味もあると信じられてきた……」)
そしてもう1つ。
(「奪われたままの地域はまだ多く、世界はまだ暗夜の内にあるけれど」)
最後の1つは一番上の星の下に。
「希望の星が寂しい心を癒してくれますように」
ツリーに輝く星に朱莉の作ったオーナメントを託し、ミシェルは祈った。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【使い魔使役】がLV2になった!
【飛翔】がLV5になった!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
【ガードアップ】がLV5になった!
朱鷺・遥
(サポート)
わぁ……っ! すごく、すごく綺麗です……。
●クリスマス
サンタ姿。去年の分(戦う勇気が無くて引きこもりでした)もクリスマスを楽しみます。
「お手伝いしますー」「めりーくりすますー!」
童顔小柄、子どもたちに混じってもわからないかも?
クリームやお菓子がくっついた顔で笑いあえれば。
初めての時先案内人を勤めて、無事戦争にも勝てて、お菓子食べて――
「おいしいね、おいしいね……」泣いてしまいそう。
戦闘:軍師らしく戦場を動かします。年下(子ども)とお母さんは絶対に守ります。
日常:表情がくるくる変わる、英雄、物語、歴史を感じるものに興味津々
生真面目、礼儀正しい良い所のお嬢さん。
※アドリブ絡み等お任せ
ダスク・ノーライズ
(サポート)
顔が犯罪者のソレであり、耐性のない人には怖がられる事も少なくない、見た目で損するタイプ
「笑顔とは、どうやったらできるのだ?」
両手両足が機械化されたサイボーグで、基本的に零距離での肉弾戦を行うが、その根幹には周囲への被害を出さない、という意識があり、防衛戦には慣れている模様
ただし記憶がなく、『何故慣れているのか』は自分でも分からない
また、逆説連鎖戦の特性上、『敵の撃破こそが味方の護衛』だと思っており、部隊の盾になる為に最前線へ突貫しがち
味方、及び民間人を守るためなら平然と身を犠牲にする
しかし、一度戦前を離れれば、お菓子や料理を作ってみたり、地味に面倒見が良かったりと、顔にに合わぬ側面を見せる
ディアボロスが訪れるたび、子どもたちの笑顔が広がる。
憧れのヒーローが来てくれた喜び、それが元の世界を取り戻してくれる人だという希望。
「みんな、ほんとに楽しそうです」
料理を運んだり片付けたり、忙しく働きながら、野乃も嬉しくてたまらない。普段、あまりわがまま言わない子どもたちだからこそ、思い出に残るこんな日を作ってあげたかった。
「ノーライズさんも、お料理やお菓子を教えてくださって、ありがとうございました。おかげで今年は、クリスマスパーティの料理の半分くらいは、子どもたちで用意できました!」
パーティ会場の隅にいるダスク・ノーライズ(サイボーグの破軍拳士・g03370)へと、野乃は礼を言った。
「私は少しレクチャーしただけだ。子どもたちが努力したからだろう」
野乃では料理を教えられないからと頼まれて、ダスクは子どもたちでも出来そうなクリスマス用のメニューを考え、作り方を教えた。それを子どもたちは練習し、今日の料理が出来上がったのだ。
お礼にぜひ、とクリスマスパーティに招かれたのだが、ダスクは遠慮がちに隅で子どもたちを見守っていた。
不機嫌そうだと誤解されることのある自分が目立つところにいたら、パーティの雰囲気を壊してしまうのではないかと危惧してのことだ。
「ノーライズさんは子どもたちの料理の先生なんですから、もっと真ん中で楽しんでください」
ほらほら、と野乃に促されて真ん中あたりのテーブルに行くと、追加の料理を並べていた朱鷺・遥(はるかな時を越えて・g03508)が、笑顔を向けてきた。
「お疲れさまですー。料理がどんどん減って、嬉しいですね」
明るめの黒髪にサンタ帽をかぶり、今日はローブではなくサンタクロースの衣装を着ている。赤と白の明るいコントラストが、遥のイメージにぴったりだ。
遥は16歳だが、顔立ちの幼さと身体が小柄なこともあって、この中にいると施設の子どもに紛れてしまいそうだ。
「朱鷺さんも休憩して、何か食べてくださいね」
「まだまだ働けますよ」
平気と握りこぶしを作ってみせる遥に、野乃はよいしょと椅子を引き、
「もうすぐパーティもお開きです。お二人ともなにか食べてください」
半ば強制的に座らせた。
椅子に座って見渡せば、会場の中はとても賑やかだ。
子どもたちがみんな笑っている。
(「初めて時先案内人をつとめて、無事戦争にも勝てて、お菓子食べて――」)
新宿島に被害が出ることもなく本当に良かったと遥はクリスマスケーキを口に運ぶ。
「おいしいね、おいしいね……」
口の中に広がるやさしい甘味に労わられるようで。
遥は頬を伝う涙をぬぐった。
●
クリスマスには、良い子にサンタクロースが訪れる。
プレゼントはもちろん嬉しい。けれど。
そうして見ていてくれること、気にかけてくれることがもっと嬉しい。
すべてのサンタクロースさんへ、感謝を――。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【使い魔使役】がLV3になった!
【平穏結界】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!
【ガードアップ】がLV6になった!