リプレイ
エレオノーラ・アーベントロート
うぅん……退屈そうですわね!
わたくしでしたら1分で作業を終わらせていますわね。
全部壊して作業ができなくなれば終わりですわ。うふふ。
電磁レールガン「フェアレーター」より「第二の魔弾【崩壊】」を投射。工場は入り組んでいますし、小柄な体を活かして隠れられると面倒――なんて思いませんわ。
どうしてわたくしがここの設備なんぞに気を使わないといけませんの?
隠れながらこちらに接近しようとするなら、手当たり次第に【崩壊】の魔弾で設備をブチ壊して炙り出しますわ。
既に滅ぼした国に恨みもクソもありませんけれど、このクソみたいな労働形態はブチ壊しておきますわね。ごめんあそばせ。
●退屈を打ち破るは崩壊の音色
「うぅん、これは何とも……退屈そうですわね!」
深夜もなお稼働する機械化工場。その内部へ音もなく忍び込んだエレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)は、中の様子をそう端的に表現した。確かに、延々と繰り返される単純作業を楽しいと思える者はまず居ないだろう。その証拠に労働者たちの顔はげっそりとやつれている。
「わたくしでしたら1分で作業を終わらせていますわね、ええ……全部壊して作業ができなくなれば終わりですわ。うふふ。とは言え工場は入り組んでいますし、小柄な体を活かして隠れられると面倒……」
嗜虐的な笑みを浮かべつつ、エレオノーラは物陰越しに携行式の超電磁砲を構えてゆく。起動した火砲は内部に電力を巡らせ始め、獲物を求めて砲口をもたげさせる。今現在も労働者が働いているのだ、流石に巻き込むのは忍びない。かつ、見えはしないが人形たちも周囲で息を潜めているはず。
故にどう射線を通そうかと、少女は様子を窺っている……訳ではなかった。
「――なんて、思いませんわ。そもそも、どうしてわたくしがここの設備なんぞに気を使わないといけませんの?」
彼女は徐にトリガーを引くや、音の壁を越えて弾体が飛翔。射線上にあった設備に着弾すると、それを木端微塵に打ち砕く。居ようが居まいが関係なし。目に付く物は全て壊すのみだ。
「な、なんだこりゃ!」
「逃げ、逃げ、逃げ……ちゃ駄目だぁ」
突然の出来事に労働者たちは恐れ戦くも、勝手に持ち場から離れた場合の懲罰を恐れてただ立ち竦む事しかできない。代わりに飛び出して来たのは、無数のトループス級たち。無力な人間には目もくれず、復讐者目掛けて鋸剣を次々と振り下ろしてゆく。
「うじゃうじゃと何処に潜んでいたのやら。鬱陶しいですわよ!」
だが、エレオノーラは慌てる事無く銃口を頭上へと向けるや、迫る凶刃へと弾丸を叩き込む。通常であれば威力が相殺されるだけだが、【崩壊】の魔弾は着弾と同時に内包したエネルギーを解放。人形たちを纏めて吹き飛ばす。
「既に滅ぼした国に恨みもクソもありませんけれど、このクソみたいな労働形態はブチ壊しておきますわね。ごめんあそばせ」
僅かに掠めた切っ先が薄く頬を裂き、紅が一滴肌を伝い落ちる。それを指先で拭い取りながら、エレオノーラは忌むべき帝国の残滓を徹底的に消し去るべく、更なる火力を叩き込んでゆくのであった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
月城・木綿紀
「あの人形が邪魔……」
設備の破壊は小物の手榴弾でするとして、敵への対処は敵が攻撃しようとしたタイミングでトラップ生成で半分バレバレの罠を張り、罠への対処をしようとした隙パラドクスで懐に入り込んで関節部などの急所を攻撃して破壊、武器のノコギリを奪って敵を破壊する
●ばらし、繋ぎ、紡ぐ
「な、なんだ? 何が起こったんだ?」
「よせ、作業を続けた方が良い……」
深夜に突如として響いた爆発音。それに思わず作業中の労働者たちも顔を上げかけるが、サボりと見做されることを恐れて作業へ意識を戻してゆく。そんな人々の悲哀を目隠し越しに眺めつつ、月城・木綿紀(月城家三女の【裁縫】の魔術師・g00281)は次々と現れるトループス級へと視線を向けた。
「あの人形が邪魔……でも、数がちょっと多いかな。さて、どうしようか」
取り囲む少女人形たちはヴォンと得物を駆動させ、鋸刃を高速回転させ始める。これらの一斉攻撃は少しばかり厄介だ。木綿紀はさてどう動くべきかと数瞬だけ考えを巡らせると、さっと素早く手を翻す。
投じられたのは小型の手榴弾。緩やかな放物線を描いて投じられたそれは、工場を動かす機械設備目掛けて飛んで行く。しかし、相手もみすみす破壊活動を見過ごす訳が無い。そうはさせまいと得物を振るい、爆発物を叩き落さんとする、が。
「見え透いた手だけど、だからこそ反応しない訳にもいかないよね?」
クン、と。不意にその軌道が逸れ、手榴弾は少女人形の鼻先へと吸い寄せられた。手榴弾には予め極めて細い糸が巻き付けられており、それを巧みに操って不意を突いたのである。
炸裂する火薬に視界を潰され、堪らず仰け反るトループス級。その動きに合わせる様に木綿紀は一息に踏み込むや、飛び杼を模した短刃を両手に構えた。
「世界は布、私は糸、魔の針に従い私で彩る。せっかく物を作っても、こんな味気ないと忍びないよね?」
刹那、比較的脆弱な関節部を狙って刃を叩き込み、瞬時に敵を無力化。崩れ落ちる解体少女の手から鋸剣を奪取するや、それを振るって隙を突かんとした敵群を真一文字に薙ぎ払った。それはトループス級を上下に分断するのみならず、切っ先が届く範囲の機械設備もズタズタに引き裂いてゆく。
「……良し。だいたいこんなものかな」
斯くして暫しの後。木綿紀の突入した区画はトループス級諸共、完膚なきまでに破壊された。労働者たちは立ち竦んだままだが、暫くすれば精神的呪縛も緩むだろう。少女は己が戦果を確かめると、次なる場所を目指し移動するのであった。
成功🔵🔵🔴
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
黄泉王・唯妃
アドリブ&連携歓迎
さて、此度の戦場はこちらですか。
後の事はお任せするとして私は敵の掃討に傾倒させていただきますか。
【早業】の足捌きで生じる【残像】で【フェイント】を掛けつつ近場のお人形から【蹂躙】していくとしましょう。
鋸剣も当たらなければどうという事もありませんし、硬質化した手足で捌けばダメージも抑えられるでしょう。
「ごめんなさいね、お人形で遊ぶ年齢でもないので早々に壊してしまいますが。貴女達に来世があるなら今度は可愛がられるお人形に生まれる事ですね」
テネブレーヌ・ラディーリス
アドリブ&連携可
騙し搾取し絞り切ったら捨てるだけ まるでどこぞの悪徳貴族みたいね
なんで人間の物真似しているのかしら?
思ったより効率が悪いってところも本当に人間そっくり
と、無駄話は置いといてお掃除を始めましょうかしら
力任せに向かってくるなら爆発する泡をばら撒いておきましょ
泡を放出して受け止めるフリして即座に回避
怯んだら結界に閉じ込めてありったけの魔力をぶち込むわよ
この技は初見殺しに近いから最初にかかったタイミングで一気に勝負に出るわ
物陰に隠れて隙を伺う?
勝手にどうぞ 好きなだけトラップを仕掛けて身動き取れないようにしてあげる
罠に触れたら泡に閉じ込められるわよ?
●泡沫の如く絡め取られ
「……さて、此度の戦場はこちらですか。随分と無味乾燥な場所だことで。後の事は他の方々にお任せするとして、私は敵の掃討に傾倒させていただきますか」
先行した復讐者たちの奇襲により、工場は俄かに慌ただしさを増しつつある。どうすれば良いのか分からぬまま立ち竦む労働者を尻目に、機械や柱の陰から次々とトループス級が迎撃の為に姿を見せてゆく。
そんな敵を前にして、黄泉王・唯妃(灰色の織り手・g01618)は臆するどころか余裕交じりの笑みを浮かべていた。またその傍らでは、テネブレーヌ・ラディーリス(夜を駈ける変身ヒロイン・g01274)が鋸剣を手にジリと間合いを測る解体少女たちへと視線を巡らせている。
「騙し搾取し絞り切ったら捨てるだけ まるでどこぞの悪徳貴族みたいね。なんで人間の物真似しているのかしら? 思ったより効率が悪いってところも本当に人間そっくり」
「人形が人間のように振る舞い、人々が操り人形として労働する……全く、これではあべこべですね」
呆れ交じりの溜息を吐くテネブレーヌへ唯妃も相槌を打って同意を示す。二人とも下手な気負いが無いと言うのは本当だが、それ以上に相手を挑発して出方を窺うと言う意図が大きい。ちらりと敵群の様子を盗み見れば、無機質な相貌に依然として変化はない。だが、ゆるりと身体を揺らめかせたかと思うや、示し合わせたかの如く一斉に仕掛けてきた。鋸歯が唸りを上げながら復讐者へと迫りゆく。
「と、乗って来ましたわね。であれば、無駄話は置いといてお掃除を始めましょうかしら」
テネブレーヌからすれば狙い通りの展開だ。しかし、だからと言って油断は禁物。相手を見た目通りに捉えるべきではないだろう。小柄さを活かした運動性は元より、身の丈もある得物を振るう膂力は間違いなく脅威である。
故に真正面から相対する愚は犯さない。乙女は相手が踏み込んで来た分だけ後退しながら、ゆるりと爪先から床へと魔力を浸透させてゆく。するとトループス級の足裏が地面へ接した瞬間、ぽわりと巨大な泡が生じ敵を包み込む。
「さぁ、ありったけよ! 真っ白になるまでかき混ぜてあげる!」
それは見た目以上の弾力性を以て拘束を維持しながら、内部を微細な泡で埋め尽くす。攪拌する泡沫はミキサーさながらに人形の五体を蹂躙。更には籠められた魔力を起点とし、トループス級を周りの設備ごと木端微塵に吹き飛ばしていった。
「さて、仕掛けは上々だけど……この技は初見殺しに近いから、裏を返せば見切られるとちょっと面倒なのよね」
己が戦果に手応えをつかむ反面、テネブレーヌは決して気を緩めない。彼女の予想を裏付けるかのように、吹き荒れる泡雫を散らしながら別の解体少女が飛び込んで来た。泡の潤滑性を逆に機動力へと転化し、鋸剣を一閃。ずきりと、胸元へ真一文字に朱が浮かぶ。
それを好機と踏んだのか、勢いそのままに相手は追撃を狙う……。
「ふむ、足元は泡で摩擦力を失っている、と。ええ、問題ありません。鋸剣も当たらなければどうという事もありませんし、硬質化した手足で捌けばダメージも抑えられるでしょう」
寸前、両者の間へ唯妃がするりと割って入った。彼女は黒と黄の斑に染まった手足を振るい、蜘蛛の如き瞬発力を活かして一息の内に拳打蹴撃を叩き込む。摩擦力を失った床は踏ん張りが効かぬものだ。呆気なく吹き飛ばされたトループス級は、ベルトコンベアを巻き込みながら諸共にスクラップと化す。一方、当の復讐者は靴裏の突起をがっちりと地面に食い込ませており、十全な安定性を確保していた。
「……さあ、殺さねばならない蜘蛛の本体はどちらでしょう?」
更には不意にその姿が掻き消える。それは残像すら生み出す独特な歩法。まるで弾かれた玉の如き加減速を前に、分が悪いと悟った解体人形たちは一旦距離を取る事を選ぶ。このまま群れていても、今の状況では数の利を活かせないという判断なのだろう。
が、しかし。
「物陰に隠れて隙を伺うつもり? 勝手にどうぞ。でも、既に罠は仕掛け終わったわ。少しでも触れたら泡に閉じ込められるわよ?」
飛び退った先の床や壁にも、既にテネブレーヌの手が回っていた。ある者は体勢を崩し、ある者は小規模な爆発に襲われ、またある者は泡に囚われる。こうなれば逆に散開した事が裏目となってしまう。
「ごめんなさいね、お人形で遊ぶ年齢でもないので早々に壊してしまいますが。貴女達に来世があるなら今度は可愛がられるお人形に生まれる事ですね」
トループス級が己のミスを悔いても時すでに遅し。残像を伴って肉薄して来た唯妃によって、解体人形たちは次々と沈黙させられてゆく。
斯くして復讐者たちによる一気呵成の奇襲作戦により、工場内部の機械設備は警備のトループス級ごと、纏めて完膚なきまでに破壊されたのであった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【神速反応】LV1が発生!
【トラップ生成】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
リゲル・ゼルテウス
一般人以外を一切鏖殺すれば良い、と。承知しました
戦闘出力への上昇確認。設備、及び妨害勢力との戦闘行動に移ります
祭器より出力した火焔を加圧成型し、刀剣型に
振っても一般人に被害が出ないよう、脚部ジェットで工場内を飛翔しつつ上の方の設備を適当に焼き切って敵勢力を炙り出します。狭いし天井低いですけど……
上からなら探しやすく、白兵戦は基本的に上を取った者が勝つ。自明の理です
出てくるなら良し、出て来ないなら設備の破壊が進む。一挙両得というやつですね
当機の居た研究所もあまり良い場所ではありませんでしたが、ここは輪をかけて酷い
八つ当たりも込めて、猟奇殺人もかくやと言うほどバラバラに刻んで差し上げましょう
●先触れは炎に呑まれて
「なるほど……工場設備を破壊しつつ、一般人以外を一切鏖殺すれば良い、と。承知しました。戦闘出力への上昇確認。設備、及び妨害勢力との戦闘行動に移ります」
先行した復讐者たちによって、工場内部の警備を担っていたトループス級の排除は完了している。後は労働者を説得して避難させれば一区切りだが、リゲル・ゼルテウス(「生体炎熱兵器」検証実験用素体・第六号・g08313)は油断なく建物内部に留まっていた。
警戒が緩む深夜を狙っての奇襲ではあったが、やはり此処まで派手に動けば異変を察知する者が出て来ると言うもの。接近する蹄鉄の音を察知したリゲルがその方向へ視線を巡らせると同時に、扉を破って騎兵型の自動人形が雪崩れ込んで来る。
「おい、何の騒ぎだ……ッ、なんだこの有り様は!?」
「この惨状、よもや貴様の仕業か!」
数がそこまで多くない事から察するに、巡回部隊の先遣といった所か。手にした騎兵銃を突き付けて来るトループス級に対し、リゲルもまた機甲義手より噴き出す焔を剣の形へと圧縮してゆく。事此処に至りては最早問答無用だ。
「他の皆様が一般人を説き伏せる時間を確保しなければなりませんね。そちらの作業を完遂するまで、当機は敵部隊の足止めを行います」
そう言うや否や、復讐者は躯体内を巡る焔を脚部へと回し、その勢いを以て天上すれすれまで飛び上がった。工場と言うだけあって通常の家屋より広いものの、飛び回るには些か手狭だ。
(外と比べて身動きは難しいですが……白兵戦は基本的に上を取った者が勝つ。自明の理です)
敵は騎兵とあって平面での機動力に長けるだろうが、三次元的な運動性ならば此方に分がある。高さの優位を取った復讐者に対し、トループス級たちも瞬時に反応。牽制射を放ちつつ、腰元のサーベルを引き抜き斬り掛かって来た。
「マッセナ様が到着される前に片付けさせて貰う!」
「いいえ、そうはさせません。当機の居た研究所もあまり良い場所ではありませんでしたが、ここは輪をかけて酷い。八つ当たりも込めて、逆に猟奇殺人もかくやと言うほどバラバラに刻んで差し上げましょう」
銃弾や斬撃が身体を掠めるも、返す刀とばかりに焔剣を振り抜く。圧縮された高熱量は鉄と鋼で出来た自動人形の躯体を呆気なく溶断。宣言通り、寸刻みに斬り捨てる。
斯くしてリゲルは労働者説得の時間を稼ぐべく、先遣部隊と刃を交えてゆくのであった。
成功🔵🔵🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
月城・木綿紀
「どう伝えれば良いのかな?」
『長期の強制労働で思考力が欠如しているから、小難しいことはダメだね。単純だけど、彼らの心に突き刺さること。そのきっかけを呼び覚まさせてやれば良い』
「わかった」
師匠(身体の中の天使)の説明を聞いた上で演説内容を考える。
まず、爆竹あたりで大きな音を出して今の作業から気を引かせてそのあと大声で市民に語りかける。
「作業を止めて思い出して!! 貴方達は今の生活を望んできたの?! どうなのか、思い返して!!!」
●まず理想が在りき
「あ、ぁ……みぃんな壊れちまった。こういう場合、休業になるのか?」
「だが、勝手に休んだらまた指導されるぞ。どうすりゃいいんだ」
巡回部隊の先遣に対する足止めが行われていたのと同じ頃。解放された労働者たちはスクラップの中でただ茫然と立ち竦んでいた。日常的な懲罰により、自己判断能力を奪われてしまったのだろう。
「だいぶ参ってそうだね……どう伝えれば良いのかな?」
彼らが正気に戻ってくれなければ、避難させる事も儘ならない。月城・木綿紀(月城家三女の【裁縫】の魔術師・g00281)が自らの裡に宿る存在にどうすべきかを問い掛けると、ふむと思案気な返答が返って来る。
(長期の強制労働で思考力が欠如しているから、小難しいことはダメだね。単純だけど、彼らの心に突き刺さること。そのきっかけを呼び覚まさせてやれば良い)
労働者たちは元々、自ら志願した者たちだ。今でこそ命令に唯々諾々と従うだけの奴隷だが、元の理想を思い出せば現状に対して何かしらの感情を取り戻してくれるかもしれない。
「切っ掛け……成る程、わかった」
師匠と慕う相手からの助言を受け、木綿紀は思考を巡らせる。確かに小難しい理論を理解して貰うよりも、思い出すと言う行為の方がまだ負担は少ない。少女は考えを纏めると行動を開始してゆく。
彼女は持参した爆竹を弾けさせる事で労働者たちの注意を引き寄せる。そうして耳目が向けられたのを見計らうと徐に口を開いた。
「みんな、作業を止めて思い出して!! 貴方達は今の生活を望んできたの? 最初に夢見ていたものが何なのか、思い返して!!!」
「最初、の……?」
そう問い掛けられ、労働者たちはぼんやりとした頭を働かせ始める。機械化が進めば、自分たちも含めて豊かになれると彼らは信じていた。だが実際はどうだ? 現状は寧ろ一昔前の労役と大差ない。
「望んでいたのはこんなのじゃない……こう、血の通った何かの筈だった」
「よしんば機械製品が何かの役に立つとしても、もっと違った仕事方法がある、と思う」
工場の精神干渉が消えた事も相まって、停止していた人々の思考が動いてゆく。疑問、違和感、不満。そうした感情が堰を切ったように溢れ始める。後はこれに方向性なり一押しなりを与えてやれば、そちらへと一気に傾くだろう。
「……これで正解かな?」
(ああ、一先ずは上出来だ)
斯くして、木綿紀は労働者の自己意思を取り戻させる事に成功するのであった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【エイティーン】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
エレオノーラ・アーベントロート
燻っていますわね。こんな光景、1793年のパリでも良く見ましたわ。
そういうことでしたら、煽りに煽って差し上げましょうか。本当は物理的に火をつけるほうが得意なのですけれど。
えぇえぇ、不満は分かりますわ。わたくしもこんな仕事なんてしたくありませんもの。
それではなぜ、今の今まで皆様はこんな労働を続けていたのでしょう?
うふふ、答えは簡単。この施設に皆様を洗脳する機能があった、それだけですわ。
機械化で便利な暮らしなどと謳っておきながら、その実は皆様を洗脳し、強制的に働かせるだけ。そんなクソみたいな生活を押し付ける輩を、皆様は許せまして?
さぁ、一緒に機械化と大陸軍にNoを突きつけに参りましょう!
●燃やせ、反抗の灯火を
「思えば、何で俺たちはあんな環境に甘んじていたんだ?」
「それは機械化が豊かさに繋がると信じたからで……でも、これまでを思うと、なぁ」
思考が巡り始め、口々に疑問や不満を零してゆく労働者たち。これは火種だ。今はまだ小さいが、やり方によっては革命の灯火ともなる切っ掛け。それを見抜いたエレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)はスゥと目を細める。
(燻っていますわね。こんな光景、1793年のパリでも良く見ましたわ。そういうことでしたら、煽りに煽って差し上げましょうか。本当は物理的に火をつけるほうが得意なのですけれど)
望むは大火、燃え広がる燎原の焔。であれば、油を注ぎ風を吹き込むべし。エレオノーラはそっと労働者たちへ歩み寄ると、親し気な笑みを浮かべながら語り掛けてゆく。
「えぇえぇ、不満は分かりますわ。わたくしもこんな仕事なんてしたくありませんもの。わたくしでなくとも、大抵の方々は否と言うはず。それではなぜ、今の今まで皆様はこんな労働を続けていたのでしょう?」
そこで少女は一旦言葉を区切り、暫しの間を挟む。こういう時、一息に畳み掛けても効果は薄い。投げ掛けた問いを理解する時間を設けてこそ、次に語る内容が際立つものだ。そうしてエレオノーラは勿体ぶる様に労働者の顔を見渡してから、漸く口を開く。
「うふふ、答えは簡単……この施設に皆様を洗脳する機能があった、それだけですわ」
「なに……いや、待てよ?」
告げられた答えに労働者たちは一瞬だけ疑問符を浮かべるも、すぐに何かを思い至った様に眉根を上げ、お互いに顔を見合わせる。彼らに仕組みや原理は分からぬ。だが、思い当たる節ならばあった。
(カルトや洗脳から脱する第一歩が『自発的に疑問を抱く』と言いますしね?)
並べ立てるだけが説得に非ず。物を言わぬと言うのも立派な手管の一つである。俄かにざわめきが大きくなった頃合いを見計らい、エレオノーラは最後の一押しを投ずるべくパンと手を打つ。
「機械化で便利な暮らしなどと謳っておきながら、その実は皆様を洗脳し、強制的に働かせるだけ。そんなクソみたいな生活を押し付ける輩を、皆様は許せまして? さぁ、一緒に機械化と大陸軍にNoを突きつけに参りましょう!」
「お……おお! そうだ、もうこんな仕事は辞めてやるッ!」
こうなればもう狙いは果たしたも同然。労働者たちは作業着を脱ぎ捨て、外へと飛び出してゆく。彼らが自発的に戻ってくることは二度とないだろう。
「さて、と。後は連れ戻そうとする輩を排除すれば終了ですわね?」
斯くして労働者たちの後ろ姿を見送ると、エレオノーラは巡回部隊を迎え撃つべく工場の外へと足を向けるのであった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
テネブレーヌ・ラディーリス
せっかく月城さん達が人々を励ましているんだから、私も頑張らないとね
使命に殉ずる人形なら遠慮はいらないわ
技術の進歩に夢を見た人々を傷つけたツケ、全部払ってもらうわよ
一撃離脱戦法を取るなら閉じ込めるまでよ
弾幕射撃を炎で逸らしながら近づいてきた個体をいくつか炎の結界に閉じ込める
貴女達の連携は機動力があってのもの
狭い空間に閉じ込めてしまえば強みは完全に殺される、後はウェルダンで焼き上げるだけよ
結界は檻であると同時に盾、援護が割り込むには時間がかかるわ
●鉄すら鋳溶かせ
労働者たちが工場から逃げ出し始める、その少し前。すっかり廃墟と化した建物を背に、テネブレーヌ・ラディーリス(夜を駈ける変身ヒロイン・g01274)は独り宵闇の中に佇んでいた。
(せっかく月城さん達が人々を励ましているんだから、私も頑張らないとね。説得が終わるまでは絶対に工場の中へ入れさせないわ)
敵の乱入を許せば説得どころでは無くなってしまう。故に、彼女は外で敵を迎え撃たんとしていたのだ。果たして、蹄鉄の音が聞こえ始める。漆黒に目を凝らせば、見えるのは幾つもの騎影。
「先遣からの連絡が途絶えたかと思えば……各員、戦闘態勢に移れ!」
「使命に殉ずる人形なら遠慮はいらないわ。技術の進歩に夢を見た人々を傷つけたツケ、全部払ってもらうわよ!」
お互いに相手の姿を認識した瞬間、即座に戦いへと思考を切り替えてゆく。トループス級は隊列を崩すや、支援射撃と共に一撃離脱戦術を狙ってきた。復讐者も咄嗟に応戦するが、敵群の機動力と連携の前に被弾を許してしまう。
「成る程、これは厄介ね……だけど、一撃離脱戦法を取るなら閉じ込めるまでよ。此処からは私の劇場、湧き上がる激情を奏でてあなた達に捧げるわ!」
飛び散る鮮血が不意に発火し焔と化す。乙女は一瞬にして灼熱を纏うや、炎の壁で弾幕を遮断。その隙に接近して来た騎兵たちへと向き直る。
「貴女達の連携は機動力があってのもの。狭い空間に閉じ込めてしまえば、強みは完全に殺される……こんな風にね!」
瞬間、テネブレーヌを中心として半球状に炎の結界が展開。距離を詰めていたトループス級を閉じ込めた。こうなれば機動力は削がれ、かつ全方位から灼熱が襲い掛かる。
「さぁ、後はウェルダンで焼き上げるだけよ」
「だが、逃げ場が無いのは貴様も同じ……ぐっ!?」
離脱が困難であると悟るや、騎兵たちはせめて一太刀報いんとサーベルを抜き放つ。しかし、如何に生身より耐熱性があろうとも、この熱量の前では誤差の範囲でしかない。
末端が融解し、関節部は溶着。その果てに身動きすら取れぬまま、自動人形たちは単なる溶けた金属へと成り果ててゆく。無論、これは結界の炎壁に触れた者とて同様だ。
(……結界は檻であると同時に盾、援護が割り込むには時間がかかるわ。確実に、着実に、ね?)
斯くしてテネブレーヌは内部の敵を殲滅し終えると、次なる敵を焼き払うべく結界より飛び出してゆくのであった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【スーパーGPS】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
●強欲なるマッセナ
「フォハハハハ! オイオイ、なんだこの愉快な有り様は。俺様の工場がスクラップと瓦礫の山に見えるんだが、目ん玉が故障したのか、ナァ?」
破壊作業を完了し、労働者たちの説得も済ませた復讐者たちが工場を出ると、不意に粗野な機械音声が鳴り響く。数体の騎兵型トループス級を引き連れて姿を見せたのは、紫と緑が目を惹く自動人形だった。
仏軍の軍帽を模した頭部ユニット、軍装を思わせる鋭角的なフォルム、そしてぐねぐねと背後で蠢く一対のアーム。その姿は紛れもなく、巡回部隊を率いるアヴァタール級『アンドレ・マッセナ』に他ならない。
「下手人はお前たちか。脳みその腐れ落ちた労働者共が犯行を企てられるとは思えんし……成る程、貴様らがディアボロスとやらだな。フォハハハ、全く派手にやったものだ!」
マッセナはさも愉快気に笑い声を上げてゆく。彼は近くに転がっていた先遣部隊の残骸を見つけると、戯れに爪先でそれを転がし始める。まるでサッカーの如く壊れかけの頭部を蹴り弄び、そして……ダンッ、と。勢いよく踏み潰す。
「……本当に愉快な連中だ。よもや、この俺様から奪うとはな。工場を、労働者を、配下を、女を。怒りを通り越してもう笑うしないなぁ、ンン?」
ぞわりと、アヴァタール級の全身から殺気が迸る。人品卑しく強欲なれど、用兵の妙は元帥随一。例え名を借りただけの存在であっても、否、だからこそ元の偉人に強く引き寄せられているのか。
兎も角、相手はもはや悠長に問答をしている気など毛頭ないらしい。
「マッセナは奪うのだ! 奪われたのならば、奪い返すのみ! フォハハハハッ!」
だが、それについては復讐者も同じだ。こちらも端から話し合うつもりはない。ただ刃を以て、この無機質な労働と機械化の流れを断ち切るだけだ。
さぁ、ディアボロスよ。
騎兵率いし強欲なる元帥を討ち果たしてくれ。
エレオノーラ・アーベントロート
あら、こんがりと焼けていますわね。
ここで戦った復讐者の方とは趣味が合いそうですわ。
さて、それで――次に鉄クズになりたいのは貴女がたでして?
サーベルによる攻撃は電磁レールガン「フェアレーター」を盾にして防御しますわ。
ふぅん、近代的ではありますわね。
細々と鬱陶しくて面倒ですし――そんなドクトリンが通用すると思っているなら大間違いですけれど。
電磁レールガン「フェアレーター」より「第七の魔弾【火災】」を投射。
うふふ、その連携と一撃離脱戦法で、降り注ぐ火の雨と熱から逃げられると良いですわね。
前に戦った復讐者がそうしたように、ドロドロの金属になるまで炎の雨で焼いて差し上げますわ。
●火雨に消えゆ
「次から次へと忙しないですこと……あら? 随分こんがりと焼けていますわね。ここで戦った復讐者の方とは趣味が合いそうですわ」
姿を見せたアヴァタール級を前に、エレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)はやれやれと首を振る。だがふと、彼女は足元に散乱する敵の残骸へと目を止めた。それらが高熱によって溶解した結果だと見抜き、愉快気に笑みを浮かべゆく。
「負けていられませんわね。さて、それで――次に鉄クズになりたいのは貴女がたでして?」
「マッセナ様の前だ、これ以上の醜態を晒す事は許されん!」
まずは取り巻きから排除せんとするエレオノーラに対し、騎兵たちはサーベルを引き抜き吶喊して来た。人馬一体を文字通り体現した敵群は復讐者を包囲。機動力を活かした一撃離脱戦法で攻め立てて来る。
(単なる騎兵ではなく、竜騎兵であると。ふぅん、近代的ではありますわね)
すれ違いざまに繰り出される斬撃を手にした電磁砲で防御するも、四方八方から斬り掛かられては流石に無傷とはいかぬ。掠めた刃が衣服ごと肌を切り裂き、焼け付く様な痛みを走らせゆく。一撃の威力はそこまで高くないが、塵も積もれば何とやら。防戦一方ではジリ貧である。
「戦術的に悪くはありませんわね。細々と鬱陶しくて面倒ですし。ですが、とは言え」
――そんなドクトリンがいつまでも通用すると思っているなら、大間違いですけれど。
エレオノーラは敵の攻撃タイミングを見定めるや、電磁砲を振り上げて相手の得物をかち上げた。そうして防御と同時に射線を確保すると、躊躇なくトリガーを引き絞る。
放たれるは大熱量を内包した魔弾。それは花火の如く高らかに打ち上がると、急速に膨張し始め、そして。
「【火災】解放――うふふ。その連携と一撃離脱戦法で、降り注ぐ火の雨と熱から逃げられると良いですわね?」
限界に達すると同時に弾け飛んだ。飛び散った欠片は焔の雨となり、戦場全体を埋め尽くす様に降り注いでゆく。先の異能が円であれば、こちらは面。範囲外へと駆け抜けられぬ限り、逃れる術はない。
「後退を、いや、マッセナ様の前では
……!?」
「前に戦った復讐者がそうしたように、ドロドロの金属になるまで炎の雨で焼いて差し上げますわ」
退くを選べず、さりとて挑む猶予もなく。僅か一瞬の逡巡が命取りとなり、トループス級は火雨に晒され、一騎残らず溶け落ちてゆくのであった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
斎火・一
(サポート)
『ハイハイ。 やるときゃやりますよぉー。』
人間のバウンサー×戦列歩兵、18歳の男です
普段の口調は「下っ端(オレ、お前、呼び捨て、ぜ、だぜ、じゃん、じゃねぇの? )」、同僚や偉い人には「下っ端風(俺、~殿、~っす、~っすよ、~っすね、~っすか?)」です
普段は、少しでも楽しようとし、テキトー感を感じさせ、やる気あるのかないのか分からない枝垂れ柳のような男ですが、しかし、一度覚悟を決めたら徹底的にやれる男です
パラドクスは指定した物をどれでも使用し、他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
綾小路・桜
(サポート)
あなたの書く綾小路桜が見たいです。
下記は参考程度で構いません。
●
キャラを一言で言えば「優しい剣道部の先輩」タイプの女の子です。
現代日本出身で実家はちょっと良い所のお嬢様。なので立ち振る舞いは良好です。
失ってしまった日常を取り戻した気持ちは勿論ありますが、変わってしまった過去への冒険に少しワクワクしている気持ちもあります。
交渉事は穏やかに、丁寧に。例え敵であっても誠心誠意語り掛けます。
戦う時は武器に風と魔力を纏わせてそのまま殴打したり魔力を衝撃波として飛ばしたりするスタイル。
相手の意表をつくよりは真正面からぶつかる方が好きなタイプ。
その他諸々はお任せ。
●驕れる者は久しからず
「……ふむ。だらしない配下と嘆くべきか、よくも俺様の女をと憤激すべきか。まぁ良い、どうせ殺す事には変わらんのだ。フォハハハ!」
蹴散らされたトループス級の残骸を蹴り退けつつ、マッセナは復讐者へと向き直る。表面上こそ飄々として居るものの、トループス級を倒された事が気に食わないのだろう。内心の怒りを示す様に背面の触腕が蠢きゆく。
「あーらら、これまた絵に描いたような悪役なこって。ま、その方が後腐れもなくて気がラクってもんか」
そんな相手の機微を知ってか知らずか、戦場へと姿を見せた斎火・一(ただの戦闘員・g02859)は気怠そうに肩を竦めた。しかし、向けられる視線は鋭く、口調とは裏腹な真剣さがその奥には秘められている。
また、その傍らには人影がもう一つ。凛とした空気を身に纏い、音もなく敵の前へと歩み出たのは綾小路・桜(人間の妖精騎士・g03314)だ。彼女は携えた愛用の竹刀をゆるりと構えつつ、その切っ先をアヴァタール級へと突き付けた。
「どうやら、自らの配下を全滅させられてご立腹なご様子ですね。ですが怒りと言うならばそもそも、私たちは初めから貴方を看過する気など有りません。労働の場とは名ばかりの監獄は、今日を以て廃業して頂きます」
「フォハハハハ、口先だけは良く回るなァ小娘風情がッ!」
桜の実直な物言いが癪に障ったのだろうか。マッセナは不意に触腕を地面へ叩きつけるや、その反動を利用して弾かれたように躍りかかって来る。咄嗟に構えから突きを繰り出して迎撃を試みるが、剣先が届く寸前に敵の姿がふっと掻き消えた。
「っ、これは
……!?」
「危ねぇ、後ろだッ!」
攻撃が空を切り、思わず重心が崩れた桜。敵は何処かと視線を巡らせた矢先、一の鋭い警告が響く。ハッと背後を振り返った先に見えたのは、視界いっぱいに広がるマニピュレータ。
「流石にコイツを見過ごしたら、寝覚めが悪いってもんだよなぁ!」
万力の如き指先が復讐者の頭を包み込む直前、間一髪のところで両者の間に軍用スコップがねじ込まれる。そうして仲間が飛び退く隙を何とか生み出すと、一は渾身の力を籠めて触腕を弾き返す。
予想外の抵抗に思わず蹈鞴を踏むマッセナだったが、相手は敢えて力の流れに逆らう事無く体勢を崩してゆく。不安定極まりない姿勢を触腕で無理やり引き起こすと、そのまま死角外からの一撃を狙ってきた。
「フォハハハ! ランヌやネイでもなければ、蛮勇は己が死を齎すと知るが良い!」
敵はそのまま一の脚部を引っ掴み、機械由来の膂力を以て逆さ吊りにしてしまう。こうなれば体勢の有利不利は逆転。後はトドメだけとばかりに、再びの握撃を繰り出してくる。万が一直撃を受ければ、間違いなく圧殺は免れぬ。
「こいつは少しばかり不味いか……?」
「ならばどうする? またその工具でも振り回してみるか!」
「それしかなさそうだ。だけど、普通に突いて駄目なら、回せってな!」
咄嗟にスコップを突き出すも、アヴァタール級は無駄な足掻きだと嘲り笑う。だがその先端が突如として高速回転し始めたのを見て、思わずマッセナも目を剥いた。相手の指先は復讐者に触れるどころか、逆にズタズタに引き裂かれてゆく。
「ガ、ァァ!? 工場や配下を奪うだけでなく、俺様の躯体に傷をつけただと!」
「ここは戦場ですよ? 自分だけ傷つかずに居ようなどそうはいきません!」
これには堪らずアヴァタール級も手を離してしまう。それを好機と見て取るや、すかさず桜が攻勢を掛けた。竹刀の物打ちに旋風を纏わせ、先のお返しとばかりに真っ向から斬り掛かる。
このままでは不味いと悟ったのか、マッセナは一旦距離を取るべく再び高速機動に移ろうと試みる。だが、その動きを既に少女は予期していた。相手が動いた分だけ踏み込み間合いを詰めるや、倒れ込む様に剣先を敵の正中線目掛けて突き出す。
「また同じ技か。馬鹿の一つ覚えだな!」
「……果たして、そうでしょうか?」
先ほどと同じように回避を試みるも、先とは異なる点が二つあった。一つは身体を引き寄せる為のマニピュレータが一の攻撃によって損傷していた事。そしてもう一つは、繰り出された切っ先が風を纏っていた事である。
「逃がしません……唯刃っ!」
「が、ああっ!?」
刹那、解き放たれた疾風が剣先を加速。装甲を凹ませると同時に、強烈な衝撃波と化してマッセナへと襲い掛かってゆく。なまじ後退しようと逃げ腰になっていたのも相まって、鋼鉄で出来た躯体は呆気なく吹き飛ばされてゆくのであった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【トラップ生成】がLV3になった!
【土壌改良】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!
月城・木綿紀
「さてと……このまま閉業してもらう」
パラドクスで蛇風のマフラーを複数編んでいって相手のサブアームに対抗する。
マフラーを操ってサブアームに絡み付かせて関節部を折って破壊し無力化、後は編み棒を構えて接近に持ち込み、トラップ生成のワイヤー陣で敵の動きに制限をかけつつ、立体的な軌道と編み棒が鎖で繋がっていることを利用して変則的な攻撃を仕掛けてみる
●首に巻くのは腕か布か
「おのれ、俺様の躯体に傷をつけるとは……! このツケは高くつくぞ、ディアボロスどもッ! 貴様らも工場で働く奴隷にしてくれる!」
攻撃によって凹んだ装甲に怒りを露わにしながら、マッセナは復讐者へと向き直る。対する月城・木綿紀(月城家三女の【裁縫】の魔術師・g00281)もまた、僅かに腰を落として彼我の間合いを測りゆく。
「いいや、こんな工場はこのまま閉業してもらうよ」
目線を悟られぬ様、少女は目隠し越しに相手を注意深く観察する。やはり、脅威となるのは背面より生える触手型サブアームだろう。アレをどうにかせぬ限り、文字通り手数の差で不利は免れない。
「なら、まずはそれを封じるとしようかな……世界は布、私は糸、二本の針で紡ぎ、編み出し、築き上げる」
なればと、木綿紀が取り出せしは長大な一対の針だ。振れば剣、突けば槍にもなる得物だが、その本領は編み棒。復讐者はそれをくるりと掌の中で回すや、虚空へ向けて小刻みに動かし始める。
すると漂う魔力が糸を形作り、針先の動きに合わせて瞬く間に細長く編み上げられてゆく。しかし、その動きは余りにも目を惹くもの。マッセナは異変を感じ取ると、瞬時に攻撃を決断し襲い掛かって来た。
「編み物をする女は嫌いでは無いがなァ。物を贈られるよりも奪う方が性に合っている!」
振るわれる触腕の一本は足元へ、もう一本は首元へと。諸手を広げ、蛇の如く復讐者へと迫り、掴み上げる……。
「残念だけど、どっちも無しだよ」
寸前、しゅるりと布地がサブアームへと絡みつく。寸での所で編み上げられたのは幾本ものマフラーだ。それらが鉄にも負けぬ強度を以て、触腕を拘束したのである。
「こうなればもう条件は同等。だけど、念には念を入れて……!」
「こういう事はされるよりもする方が好みなんだよ、小娘ッ!」
駄目押しとばかりにワイヤートラップを生み出し拘束を狙うが、敵も名将の名を冠する者。本来の腕で瞬時に振り払うと、繰り出される編み棒と真っ向から渡り合う。徒手空拳と言えどもその勢いは凄まじく、打ち据えられた箇所が鈍い痛みを発しゆく。
「流石にトループス級とは地力が違うね。だけ、どっ!」
しかし木綿紀は慌てる事無く、周囲に張り巡らされたワイヤーを足場に跳躍。鎖で繋がった編み棒をまるでヌンチャクの様にそれへ引っ掛けると、不規則な軌道の一撃を叩き込む。
サブアームを封じられていたのも相まって、予想外の攻撃を防ぐことは叶わず……。
「ちぃっ!」
強欲なる者は強かに顔面を打ち据えられるのであった。
成功🔵🔵🔴
効果1【浮遊】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
テネブレーヌ・ラディーリス
●アドリブ、連携可
欲望が根付いて人格を形作ったみたいね……
貴方、どのクロノヴィータよりも人間らしいかも知れないわよ?
人形の貴方には屈辱的でしょうけど
死角を突くにしても近づいてくるはず
但し先ほど私が見せたでしょう炎の壁を突き破ってくる前提でね
だったら狙いは地面!視界から姿を消した時に魔力を溜めて、地面を思いっきり殴りつけるわ!
浮遊能力はないなら接地しているはず、そこにストレートスマイトを叩き込めば地面が揺れてバランスは崩れる
ついでに土煙で姿も隠せるってものよ
少しでも動きが止まったら好機
魔力を足にシフトした足版ストレートスマイトで蹴り飛ばしましょう
アンコールはいらないわよ?
●強欲なる手、掬われる足元
「が、ああッ!? 躯体だけでなく、俺様の顔にまで……! 伊達男のミュラではないが、この屈辱をどう贖わせてくれようか、アァッ?」
一度ならず二度までも手傷を負わされ、既にマッセナの思考回路はオーバーヒート寸前だった。人間などよりよっぽど外見の自由が利くであろうにも関わらず、その強欲さや美醜を気にする言動は無機物らしさとはかけ離れている。
「まるで欲望が根付いて人格を形作ったみたいね……貴方、どのクロノヴィータよりも人間らしいかも知れないわよ? 人形の貴方には屈辱的でしょうけど」
そんな在り様に前に、対峙するテネブレーヌ・ラディーリス(夜を駈ける変身ヒロイン・g01274)は声音へ皮肉を込めてゆく。完全な無機物である筈なのに、否、だからこそ元となった偉人から強く影響を受けているのか。
対して、マッセナはぐねりと背面の触腕を蠢かせる。
「ハッ! 労働者共から感情を奪い、この俺様が自由を謳歌する。なにもおかしくは無かろうが!」
相手は重心を落としたかと思うや、触腕を使って躯体を引き寄せる様に動き回り始めた。周囲の夜闇も相まって、その動きは非常に視認しにくい。だが一方、見た限り相手に飛び道具の類は無さそうである。
(死角を突くにしても必ず近づいてくるはず。但し、先ほど私が見せたでしょう炎の壁を突き破ってくる前提でね。だったら、狙うべきは……)
微かな音と空気の揺らぎ、そして殺気。視覚以外の五感を研ぎ澄まし敵の動きを探っていると、不意に背後で気配が膨れ上がった。攻撃が来る、そう直感した瞬間、テネブレーヌが取った行動は、なんと地面への拳打。
「ムゥッ!?」
「幾ら機敏とは言え、常にどこかしらが地面と接しているはず。そこで大地を揺らしてやれば、バランスを崩せる上に土煙で姿も隠せるってものよ!」
刹那、強烈な衝撃と共に濛々と土砂が巻き上げられる。視界が遮られた事で、マッセナも堪らず機先を潰されてしまう。一瞬でも余裕が有れば離脱出来ただろうが、それよりも早く復讐者の第二撃が繰り出された。
「それじゃあ、思いっきりぶっ飛ばしてやるわ!」
「小癪なッ!」
咄嗟に防御や回避ではなく、触腕による攻撃を選べただけ相手も上等だろう。しかし、始めからこれを狙っていたテネブレーヌとの差は埋めきれない。紫の極光を纏った蹴撃へと手を伸ばすも、僅かな爪痕を残すだけに留まり――。
「……アンコールはいらないわよ?」
斯くして、マッセナは勢いよく吹き飛ばされ、地面に転がるのであった。
成功🔵🔵🔴
効果1【修復加速】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
リゲル・ゼルテウス
アドリブ&連携可
火焔使いのディアボロスが戦場に居るようで……成程、親近感が湧きます
可能なら同時に学ばせて頂きましょう。当機の火焔運用の参考になるやもしれませんし
刀剣と凧盾を加圧生成
同時にパラドクスにて刃のみの炎を大量に加圧生成し、周囲に展開
セオリー通り上空を飛行、炎刃を幾つか牽制で射ちつつ敵頭上を確保します
サブアームは回避、又は武装で払い退けて防御を優先。「手数」が多いのはそちらだけではありません
上を取ったまま炎刃を爆撃機の如く大量投射。師の教え通り、火力で圧倒します
(……ハッ、しまった
キメ用の台詞を言い損ねてしまった上、爆裂させすぎて地面諸共に『平らに均し』てしまいました……)
エレオノーラ・アーベントロート
さて、ゴミ掃除も細かいものは終わりましたし、後は大きな粗大ゴミ……いえ、スクラップだけですわね。
随分と愉しそうなところ申し訳ありませんけれど――わたくし、偉そうな奴を見るとブチ殺したくてたまらなくなりますの。
今すぐ跪くか、大人しくブチ殺されるか、どちらがお好みでして?
【飛翔】を用いて空中戦を行いますわ。
電磁レールガン「フェアレーター」からの砲撃で牽制を行いつつ、アンドレ・マッセナが放つ触手型サブアームを避けながらエネルギーをチャージ、十分に溜まったら「第二十三の魔弾【赫燿】」。鬱陶しい触手ごと吹き飛ばしますわ。
元帥だかなんだか知りませんけれど――わたくしより上のつもりですの?
●欲望は緋焔に消えゆ
「ゴハッ!? 馬鹿な……こんな事など、あってはならん。俺様はマッセナだぞ! 奪われるのではなく、奪う側だろうがッ!」
度重なる戦闘の果てに、強欲なる者は着実に追い詰められつつあった。躯体についた泥を払う事すらせず、アヴァタール級は怒気を膨れ上がらせながら叫ぶ。だが一方、それを浴びせられたエレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)の反応は冷ややかだ。
「さて、ゴミ掃除も細かいものは終わりましたし、後は大きな粗大ゴミ……いえ、スクラップだけですわね。随分と『愉しそうな』ところ申し訳ありませんけれど――わたくし、偉そうな奴を見るとブチ殺したくてたまらなくなりますの」
今すぐ跪くか、大人しくブチ殺されるか、どちらがお好みでして?
皮肉たっぷりな物言いにマッセナは発する言葉すらなく雑音を走らせる。また、その傍らに姿を見せたリゲル・ゼルテウス(「生体炎熱兵器」検証実験用素体・第六号・g08313)もまた、眼前の敵とは別のものへと意識を向けていた。
「どうやら火焔使いのディアボロスが複数人、戦場に居るようで……成程、親近感が湧きます。可能なら同時に学ばせて頂きましょう。当機の火焔運用の参考になるやもしれませんし」
「あら、それは気が抜けませんわね。拍子抜けされぬ様、無様な姿は見せられませんもの」
リゲルもまた、炎を主な攻撃手段とする復讐者だ。故に、同系統の戦い方に興味があるのだろう。その内の一人であるエレオノーラは、そんな仲間の言葉にくすりと微笑を浮かべゆく。
敵を前にしてこの態度である。される側としては屈辱以外の何ものでもない。プライドの高い元帥であれば猶更なのか、もはや我慢ならぬとばかりに触腕を広げて躍りかかって来た。
「小娘共が、侮辱の贖いは貴様らの寿命だッ! タダでは殺さん、無賃無休で工場に縛り付けてやるぞ……!」
「あらあら、それは恐ろしい事ですわね?」
繰り出される触腕が復讐者たちへと伸ばされる。だがそれが彼女たちに触れる寸前、二人の姿が地上から掻き消えた。何処へ行ったのかと視線を巡らせるマッセナへ、頭上から声が響く。ハッと見上げた先に居たのは、上空を浮遊する少女たちの姿。
「まずはセオリー通りに高度の優位を取りつつ、射線を確保。加えて、『プロメテウス』へ初號封印解放維持を申請……以下、緊急時の為全申請を自己承認。『無名祭器』、出力0.00006%を確認。戦闘開始」
敵が飛行手段を持たないのは、先に交戦した復讐者によって判明済み。であれば、その利を活かさぬ道理はない。リゲルは躯体内を巡る焔の生成速度を一時的に向上させるや、空中に無数の炎刃を展開する。
質より量を重視し、手を加えるのは刃状への加圧のみ。確かに相手の『手数』は文字通り多いが、ならばそれを上回る数を用意すれば良いだけだ。機人の意思に応じ、次々と灼熱が大地へと降り注ぐ。
「この俺様を見下すとはなんたる不敬! だが、上を取った所でなァッ!」
しかし、敵も然るもの。爆ぜ散る爆炎を紙一重で躱しつつ、頭上へ向けて触腕を伸ばす。物理法則を無視した長さのそれは蛇の如く牙を剥くと、リゲルへと襲い掛かる。彼女も刀剣やカイトシールドで迎撃を試みるが、躱し切れずにがっちりと足首を掴まれてしまう。
「っ
……!?」
「フォハハハ! さぁ、このまま地上へと引き摺り下ろしてくれるわ!」
振り払うべく炎刃の集中砲火を浴びせるが、マッセナとて放してしまえば次が無い事を理解していた。故に万力の如く締め上げ決して放すまいと抵抗する。強欲さを体現した執念深さは正に脅威だが――。
「婦女子の足首を鷲掴みにするなど、フランスの元帥は随分と粗野ですわね? その強欲さが時にはアダになると、紳士的に教育して差し上げましょうか」
地上から空へ一直線に伸びたサブアーム。それを寸断するかの如く、赫色の閃光が迸る。瞬間、ぶちりと不快な音を立てて触腕が切断された。何事かと断面部に目を向けたマッセナが見たのは、赤々と融解した己が腕。
その撃ち手はエレオノーラである。彼女は仲間が敵を牽制している間に電磁砲のチャージを済ませ、ここぞというタイミングで解き放ったのだ。
「一見するとそちらがこちらを拘束していたように思えてその実、引き摺り下ろす事に固執して自らの身動きも封じていた、と。視野狭窄、ここに極まれりですわね。元帥だかなんだか知りませんけれど――この程度でわたくしより上のつもりですの?」
「ぎ、がぁ……ッ!」
常人であれば歯を噛み砕かんばかりに相貌を歪めるアヴァタール級。だが、今の一撃で唯一の対空攻撃手段を失ってしまった。となればもう、復讐者が攻撃を躊躇う必要もなく……。
「これで防御や回避を強いられる可能性は無くなりました。当機のリソースを全て攻撃へと集中。以て敵対象を燃滅します」
「待て、この俺様から、奪う事など認め……ッ!?」
末期の叫びすら言い切る事も出来ないまま。己が全火力を集中させたリゲルの灼熱爆撃により、マッセナは紅蓮の焔に呑まれ消える。夜闇を煌々と照らす、緋色の輝き。それが消え去った後にはもう、鉄の一片すらも残されてはいなかった。
(…………ハッ、しまった。キメ用の台詞を言い損ねてしまった上、爆裂させすぎて地面諸共に『平らに均し』てしまいました)
「これはまた見事ですこと。点や線ではなく、面での制圧火力。わたくしも精進しなくてはいけませんわね」
リゲルは詰めの甘さに気付き内心少し凹むも、そんな心情など分かる筈もないエレオノーラは素直に仲間の火力を賞賛する。しかしあれもこれもと欲張ったものの末路としては、少し足りないくらいが丁度良いのかもしれない。
ともあれ、これにて工場の破壊と労働者の解放には成功した。長居すれば更なる増援がやって来る可能性も無いとは言い切れぬ。斯くして復讐者たちは瓦礫の山と化した機械化工場より、離脱してゆくのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV6になった!