アークデーモン大同盟の胎動

 水着嫉妬団を利用して時間を稼いだ豊島区のアークデーモン達は、近隣の区のアークデーモン勢力を糾合し、アークデーモンによる大同盟を結成したようです。

 絶対的な統率者である断片の王が不在である為、大同盟と言いながらも、結束は緩く互いに信頼関係などはありませんが、数は力ですので、ゆくゆくは脅威になるかもしれません。
 現在は、対ディアボロスの最前線となる豊島区に、各区からの増援のアークデーモンが集結しているようです。
 集結したアークデーモンは、豊島区の区民を襲撃して『畏怖』を奪うなど好き勝手な行動をしていますが、豊島区のアークデーモンはそれを黙認し、ディアボロスへの対策を推し進めています。

 襲撃されている豊島区の一般人を救出しつつ、結成されたアークデーモン大同盟の戦力を削るべく、敵の撃破を行ってください。

静かなる悪夢(作者 凪未宇
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#TOKYOエゼキエル戦争  #アークデーモン大同盟の胎動  #豊島区 


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 仮面を外し『『堕落への誘い』メフィストフェレス』は、サンシャインシティの噴水を背に腰を下ろし、目の前に並ぶ二つの箱を見下ろしていた。
 それは人の頭部を覆う箱だが、どれも暗く閉ざされ、赤黒く何かが滲みだしている。
 『狂い仕掛けのパンドラ・ボックス』となった彼女は言う。
「クリスマスの気配にじっとしていられなかったようです」
 『狂い仕掛けのパンドラ・ボックス』となった彼は言う。
「同盟を組んだ相手の土地ですが、放っておいていいのでしょうか?」
「許可は得ている。このくらいで騒ぐような方でもないだろう」
「これで、我らの区へのディアボロスの注意も少なくなるのですね」
「この戦いで、狼魔侯殿に喜んでいただけるでしょうか」
 当然だと、メフィストフェレスは笑い声をあげ、建物の中に夢を広げていく。
 広がる夢の中、近付くクリスマスの気配に賑わっていた多くのカップル達は、突如として現れた全身黒ずくめの集団に襲われ、あちこちで爆発が起こるのであった。

「文京区に攻め寄せてきた『水着嫉妬団』は無事に撃退する事に成功したのですが、豊島区に『嫉妬団』が現れたのです」
 困ったのですと、蒼狐・珠萌(猫狐な天使・g03640)は、サンシャインシティの館内図をスケッチブックに描いた。
 豊島区の支配者『複素冥界』イマジネイラは、ディアボロスと戦うため準備を進めており、隣接する複数の区に呼びかけ、『アークデーモン大同盟』を結成していた。
 現在の豊島区には、大同盟に参加した区のクロノヴェーダが援軍として集結している状態である。
「ですが、集められた援軍は、好き勝手に豊島区の一般人を襲っているようなのです」
 特に時期が良くなかったようだ。クリスマスの気配に賑わいだす街、しかもサンシャインシティはデートスポット。
 嫉妬団が大人しくしていられるだろうか。否……。
「もしかすると、暴れることも見越して送り出されたかもしれないのです」
 このままでは多くの豊島区の一般人、いやカップルが爆破させられてしまう。
 何とか、援軍に来ているクロノヴェーダを撃破し、『アークデーモン大同盟』の戦力に打撃を与えて欲しい。

「まずは問題の嫉妬団からなのです」
 カップルを狙うのは当然だが、どうやらお一人様も容赦なく襲われ数を増やそうとしているようで大量にいるようだ。
 更に、この一般人を襲撃を囮にして釣りだしたディアボロスを撃破しようと、パンドラを引き連れたメフィストフェレスが噴水広場で待ち構えているらしい。
「皆さんは、この建物に入り口などから突入してもらうことになるのです」
 商業施設内での戦闘となりので、天井やテナントの壁などがあることを忘れないで欲しい。
 更に厄介なことに、この施設内にも豊島区のジェネラル級アークデーモン『集合嘸』メンゲが放った、鼠型の小型トループス級が潜んでおり、ディアボロスの戦いの様子を監視し、情報を集めているらしい。
 鼠型トループスは、3体。体長30cm程度で、物陰に隠れており発見するのは難しいが、可能ならば排除して欲しい。

「このまま襲われる豊島区の一般人の皆さんを見捨てるわけにはいかないのです」
 そう言って、珠萌はスケッチブックを閉じた。

オフィスビルの一室で、『『集合嘸』メンゲが、高級そうなオフィスチェアに座りパソコンを操作している。
 その足元には無数の鼠型がひしめき合い、机に上がる順番を待っている。
「好き勝手に暴れているようだな。だが、それで良い。せいぜい、我らの為の貴重な情報源として敗北すればよい」
 机上に上がって来た鼠型に取り付けてあった小型カメラよりSDカードを引き抜くと、パソコンへとデータを読み込ませ内容を確認していく。
「奴らが圧倒的な力で撃破されれば、癖の強い区の支配者達も、ディアボロスを共通の敵として認識するだろう」
 次と、鼠型に短く指示を出し下がらせ、別の鼠型が入れ替わるように上って来る。
「せいぜい、雑魚を倒して悦にいるのだな、ディアボロス。このメンゲが、必ずベクターの仇をとってみせるぞ」
 そう別のデータを確認し、メンゲはほくそ笑むのであった。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【傀儡】
2
周囲に、ディアボロスのみが操作できる傀儡の糸を出現させる。この糸を操作する事で「効果LV×1体」の通常の生物の体を操ることが出来る。
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【悲劇感知】
1
「効果LV×1時間」以内に悲劇が発生する場合、発生する場所に、ディアボロスだけに聞こえる悲劇の内容を示唆する悲しみの歌が流れるようになる。
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【罪縛りの鎖】
1
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【浮遊】
1
周囲が、ディアボロスが浮遊できる世界に変わる。浮遊中は手を繋いだ「効果LV×3体」までの一般人を連れ、空中を歩く程度の速度で移動できる。
【迷宮化】
1
洞窟や家屋、砦などの内部を迷宮に変化させる。迷宮化により、敵は探索や突破に必要な時間が「効果LV倍」される。
【隔離眼】
1
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【泥濘の地】
1
周囲の地面または水面が泥濘に変わり、ディアボロスは指定した「飛行できない対象」の移動速度を「効果LV×10%」低下させられるようになる。
【断末魔動画】
1
原型の残った死体の周囲に、死ぬ直前の「効果LV×1分」に死者が見た情景が動画として表示される世界になる。この映像はディアボロスだけに見える。
【壁歩き】
1
周囲が、ディアボロスが平らな壁や天井を地上と変わらない速度で歩行できる世界に変わる。手をつないだ「効果LV×1人」までの対象にも効果を及ぼせる。
【完全視界】
2
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
2
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【液体錬成】
2
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【操作会得】
2
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【通信障害】
2
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV4 / 【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV3 / 【反撃アップ】LV5(最大) / 【リザレクション】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV2 / 【ダブル】LV1 / 【ロストエナジー】LV3

●マスターより

凪未宇
皆様こんにちは、凪です。
TOKYOエゼキエル戦争にて、豊島区で暴れているアークデーモンを撃破してください。

※技能だけでは、パラドクスや残留効果のような効果は得られず使えません。
※どんな台詞や心情で参加しているのか、キャラらしさを多く書いてあると嬉しいです。

作業日や状況等は、マスターページにてご確認くださいませ。
それでは、皆様のプレイングお待ちしております。
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


百鬼・運命
アドリブ絡み歓迎
ネタ描写大歓迎。現在ハロウィン依頼の罰ゲームで一週間語尾に「おっぱいください」をつけるを実行中

いつものごとく嫉妬団の一緒になって行動。今回はなぜか皆がパラドクストレインを降りた段階で何故かすでに嫉妬団と一緒に(しかも部隊長として)お出迎え。

襲い掛かかる復讐者に対して、まずタイムを宣言。【迷宮化】で時間を稼ぎつつ、嫉妬団達と車座になりおっぱい裁判(胸囲含む)。
有罪判定の復讐者には優先的に物理攻撃(SPDパラドクス)を行い、もいだら抉れそうな復讐者に関しては同情から勧誘という名の精神攻撃(POWパラドクス)を嫉妬団に指示

※公序良俗に反する行動は慎む。わざと失敗するような行為はしない


無堂・理央
久しぶりのTOKYO任務で嫉妬団かぁ。
今回は洗脳されないように気を付けてってクロフサ?


無双馬『クロフサ』に騎乗、今回はしません。
ボクは襲われてる一般人の避難誘導に徹して、クロフサが単独で敵撃退に走るよ。

クロフサはカップルに迫る奴に全速力で突っ込んで行って背後に回り、パラドクスでもある全力の後ろ脚でパッコーン!と蹴り飛ばす。
何体も並んでいるならパッコンパッコンパッコーン!と連続して蹴り飛ばしていく。
カップル追い回し=人の恋路の邪魔者判定で容赦せずに蹴り飛ばしてきます。
反撃もサーヴァントへの攻撃は主にダメージなので傍目にはクロフサ無敵モード!
代わりに遠くでボクが「じーくしーっと」とか言ってるかも?


ディアナ・レーヴェ
まず、一般人に手を出しそうな位置の敵へ【昏迷乱擾の計】――「この人、隠れ『りあ充』よ!さっきこう…手とかいっぱい繋いでるの見たわ!!」と悪口?騒ぎつつ

広がる夢ってのが何を指すか分からないけど、目覚まし代わりに空砲数発。
「慌てず騒がず、ここから離れて!噴水広場には近付かないようにーっ!」
【大声】で叫んだら、出口から敵を引き離すよう戦うわ!
壁が多いなら、変な隘路に誘われたり有利な遮蔽を取られたりには気をつけて

…はい?私が…えーと、非もて…?
(反撃に渋い顔。『…まあ、あの人には完全に娘扱いされてたわね』と思い出が一瞬頭を掠め――けど!これで嫉妬はカッコ悪すぎて、嫌!流血する勢いで火砲に頭をゴン!!)


佐野・埜之子
ディアナが悩んどる感じやったさかいついて来たけど…
(探してキョロキョロ)

嫉妬団言うんやね。
自爆…自爆するん?
(ヘニャと笑い)
そない強う想うんやったら、良えよ?
おいで

熱い。痛い。そないにリア充が嫌やねんね。
ああ、せやったら…
(筆を走らせ)

恋人の先の先に生まれるもの
嫉妬の心が母心や思えば、その末はきっと新しいいのち。
せやけどその材料は悋気の炎で…
(炎で出来た無数の赤子が折り重なって混ざり合い出来た肉の巨体、泣いて這い寄り抱きつき甘えて全て焼く妖物の絵がパラドクスで実体化)

『焔赤子』

さ、やったら皆燃えよや。遍く等しく焼けて、蕩けて、混ざって。
そしたらな?皆一緒やよ。
妬ましゅうない。寂しゅうもないえ?


ティベルデ・バルツァー
連携歓迎

目的も外見も奇天烈な連中だけれど、市民の危機に変わりはない。
段取りを確認だ。ディアナの避難誘導を援護後、獅子堂と共に本格戦闘を開始する。いいね? サフアグ。
……え? ちょっと待ってくれ、彼は召喚した私の契約ジンだよ? 別に彼氏などではなくて……あぁ、これは聞いていないね……。

まあいい、三叉槍を構えて突撃してくれ相棒。私が後ろから援護する。
彼は槍で薙ぎ払いや貫通撃を、私は後ろから彼の三叉槍の複製品を念動力で飛ばそう。
立ち回りつつ、奴等の陣を崩す計略もとい悪巧みの為に観察をしよう。
見極めたらそこ目掛けて……天からパラドクスのプレゼントだ。水使いさながらに降り注がせる、鋼色の雨をご照覧あれ。


獅子堂・崇
アドリブ連携歓迎

TOKYOに来ることはあまりなかったが、妙なことになっているんだな。まぁ、襲われている市民を助けなきゃいけないのに変わりはない。

ディアナの策で敵が動揺していたら、そこを狙って【衝撃波】を伴った正拳突きを繰り出して、嫉妬団をまとめて吹き飛ばす。

非モテかどうかはわからないが、旅していた頃に友達になった人なら男女問わず大勢いるぞ。


筧・勢理
(連携アドリブ歓迎・残留効果はできるだけ利用する)
(仲間は下の名前+ちゃん付け、年上男性はさん付け)

ははーんなるほど…?
リア充じゃなくて自分が爆発してるのは…いいのかなあ…まあいっか。

周囲のディアボロスと声を掛け合い、連携と情報共有
一般人を巻き込まないよう避難誘導に協力
必要に応じ、携帯を取り出して「待ち合わせに遅れた彼氏に電話をかけて怒っている」フリをして敵の注意を引く

攻撃は【ぼむすびクラッシュ】
なるべく敵が密集している所にぼむすびを投げ込んで、攪乱を狙う
敵に囲まれないように注意して動く

洗脳された人がいたら、頭を叩けばOKなんだっけ?
そっちもぼむすび(爆発しないよーにしたやつ)、投げつけとく?


●増える嫉妬団
 妙なことが起こった。
 パラドクストレインが到着するなり、黒のロングコートをはためかせ、颯爽と百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)が池袋の街に降り立った。
 TOKYOエゼキエルの地には慣れているのだろう、その背はとても頼もしく。
「さぁ、行くぞ……」
 と第一歩を踏み出すまでは、誰もがあんなことになるとは思わなかったことだろう。
「じーく、嫉妬。おっぱいください」
 極自然に。まるで最初からそういう使命を背負っていたかのように、運命は猫の仮面を身に着け出迎えの嫉妬団にと一緒に、ではと挨拶をしながら、サンシャンインシティを迷宮化してその中へと消えていった。
 尚、彼の語尾についた謎の『おっぱいください』は、ゲームに負けた罰ゲームのようだ。
 そんな罰ゲームを抱え、律儀に実行している状態でパラドクストレインに乗ったのは凄いと言えよう。
 あまりにも突然のことで、止めるものすら居なかった。そんな隙すらなかったと言った方が正しいかもしれない。
 他のディアボロス達が、この事態を理解し決断するまでに要した時間は、ほんの3秒ほどのこと。
「わかった、運命君を追いかけて退治すれば、他の嫉妬団も集まるってことだね」
 確信は無いが、久しぶりのTOKYO任務で嫉妬団かぁと、無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)が見ていた限り、まるで幹部か部隊長のように運命は嫉妬団に迎え入れられていた。
 演技か本気かは、この際どちらでもいい。バラバラに行動している嫉妬団が、少しでも減れば、一般人の救出も楽になるだろう。
「今回は洗脳されないように気を付けてって、クロフサ?」
 無双馬『クロフサ』に嫉妬団を追い立てるよう、お願いし理央達も迷宮化したサンシャインシティへと踏み込んだ。
 中では既に嫉妬団による、勧誘やら嫉妬やらが暴走していた。
 そんな中、少し奥まった場所で微妙に見え隠れしている、車座になっている嫉妬団の集会は異様であった。
 かなり集まっているが、近付き難いオーラが漂っている。
 モモとかミカンとか、メロンとか。
 何だか果物の名前も聞こえてくるが、その動かす両手の位置が胸の前である時点で、何の話をしているのか察せられる。
「あれは、けしからんとおもうのだが、大きければ少し抉ってもいいのではないだろうか。おっぱいください」
「絶壁の人には手を出してはいけないのですか、隊長?」
「もいだら抉れそうな人には、勧誘をしておくんだ。おっぱいください」
 それこそが慈悲だと、運命が熱弁を取っていた。嫉妬団の中央で……。
 パラドクストレインを見送る時、案内人はとてもとても心配をしていた。
 気のせいだと思うが、何だか白い猫の仮面が見えて、止めるべきだったかもしれないと。
 この状況を目にしていたら、必要だったのは介抱ではなく浄化だったかもしれないと大いに反省したことだろう。
「TOKYOに来ることはあまりなかったが、妙なことになっているんだな。まぁ、襲われている市民を助けなきゃいけないのに変わりはない」
 獅子堂・崇(破界拳・g06749)は素早く、建物内を見回し見えている嫉妬団の位置を確認した。
「洗脳された人がいたら、頭を叩けばOKなんだっけ? そっちもぼむすび、投げつけとく?」
 まさか最初から、必要になるとは思わなかったと筧・勢理(パニッシュメントスタンド・g00706)は、爆発しないようにしたやつを用意できると、複雑な面持ちで、嫉妬団の集会へと視線を向けた。
 水を得た魚の如く、活き活きと輝いている運命の姿に心配を感じたが、あそこに多くの嫉妬団が集まってくれていれば救出が楽になるので、もう暫く放っておくことにしよう。
 まずは一般人から助けるわねとディアナ・レーヴェ(銀弾全弾雨霰・g05579)は駆け込み、洗脳を解くように数発空砲を響かせた。
 その勢いのままディアナは、カップルを狙っていた嫉妬団にスタングレネードを用いて『昏迷乱擾の計(コンメイランジョウノケイ)』を仕掛ける。
「この人、隠れ『りあ充』よ!さっきこう…手とかいっぱい繋いでるの見たわ!!」
「そいつは酷い裏切りやね。自爆……自爆するん?」
 ヘニャと笑い、佐野・埜之子(地獄未満のエチュード・g00298)は、ディアナを気にかけながら敵を観察する。
 思いがけないことを言われて、全身で動揺しながらオーバーリアクションしている様子は、中々売れない壁芸人のようだ。
(「嫉妬団言うんやね。ディアナが悩んどる感じやったさかいついて来たけど……」)
 さて、どうしたものか。
「目的も外見も奇天烈な連中だけれど、市民の危機に変わりはない」
 嫉妬エナジーを撒き散らそうとする様子に、ティベルデ・バルツァー(突き穿つ蒼・g06493)は、槍術を修めた半魚人似の姿を象らせたジン『サフアグ』に耳打ちする。
「段取りを確認だ。ディアナの避難誘導を援護後、獅子堂と共に本格戦闘を開始する。いいね? サフアグ」
 その様子に敏感に嫉妬団が、一斉に振り返った。
 他の一般人を襲おうとしていた嫉妬団も、車座になって集会を開いていた嫉妬団も、運命も。
「……え? ちょっと待ってくれ、彼は召喚した私の契約ジンだよ? 別に彼氏などではなく……」
「リア充死すべし! これは決して私怨ではないっ!」
「慈悲は無い! 目の前でそんなに密着して羨ましくないぞ!」
「ちくしょうっ……リア充めー! これは天罰だ!」
「リア充死すべし! 慈悲は無い! おっぱいください」
 ジリジリと嫉妬団は獲物を狩るようにティベルデへと、近寄っていく。
「て……あぁ、これは聞いていないね……何か変な一言も聞こえたわよ」
 それは罰ゲーム中という名の、運命。
「まあいい、突撃してくれ相棒。私が後ろから援護する」
 ティベルデの声にサフアグは、三叉槍を構え飛び出し。理央の指示に従い、クロフサが嫉妬団を蹴散らしながら、後脚で『剛脚炸裂(ホース・バックキック)』を食らわせる。
 パッコーンと軽快な音を上げ、後頭部を蹴り上げられた嫉妬団はフラフラだ。
 更に、『地砕く強雨(レーゲン・ブレッヒェン)』で、サフアグの乱れ突きによる鋼の豪雨が嫉妬団を制圧しようと繰り出される。
「戦闘中に息の合ったところを見せつけて。リア充には負けないぞ!」
「嫉妬の心は消えない! 押せば命の泉わく!!」
「分かるか。人は二種類しかいない。嫉妬する者とされる者。貴様はどっちだ!?」
「はい? 私が……非もて……!?」
 仲間割れも巻き込んだ急な飛び火と、嫉妬エナジーがふとディアナにある事を思い出させ眉間に皺を寄せた。
(「……まあ、あの人には完全に娘扱いされてたわね」)
 娘という好意が一度つくと中々意識が変わらないこともあるわけで、その期間は振り向いては貰えなく……。
 ゴツ!
 額から流血するんじゃ無いだろうかという勢いで、ディアナは〈火砲〉に頭を打ち付けた。
 思うことはあるが、
(「これで嫉妬はカッコ悪すぎて、嫌!」)
 全力で、彼らの洗脳に抵抗するのであった。
「お前も非モテなんだろう?」
「嫉妬の炎を燃やせ! おっぱいください」
「滅聖誕祭! 嫉妬魂!」
 仲間に引き込もうと執拗に集まってくる嫉妬団に、崇は容赦なく『我流破界拳 無縫(ガリュウハカイケン・ムホウ)』の正拳突きを繰り出した。
 その衝撃波に、数人の嫉妬団と巻き込まれた運命が吹き飛ばされていく。
「非モテかどうかはわからないが、旅していた頃に友達になった人なら、男女問わず大勢いるぞ」
「……少しは頭を冷やした方がいいかな。天からパラドクスのプレゼントだ。鋼色の雨をご照覧あれ」
 ティベルデの降らす槍の雨は、嫉妬団を黙らせて。
 更に迫りカップルを追いまわそうとする嫉妬団を、軽快にクロフサが蹴り飛ばし。
 正に人の恋路の邪魔をする者は馬に……という言葉の如く、嫉妬団が蹴散らされ。
「同志よ。諦めるな! 我々はいつでも迎え入れる準備は出来ている」
「嫉妬は裏切らない! リア充死すべし!」
 どこに居たのかと思うほど、嫉妬団は溢れてきて。
「慌てず騒がず、ここから離れて! 噴水広場には近付かないようにーっ!」
 出口へと避難誘導するディアナが大声をあげている横で、不意に理央が何かを受け取ったように頭を抱え顔を上げた瞬間、「じーくしーっと」と口走れば、同じく避難誘導に協力していた勢理がさり気なくぽこんと彼女の頭を叩く。
「理央ちゃん、戻ったよね?」
 無双馬の受けたダメージが伝播したのか、それともここまで嫉妬エネルギーが漂ってきたのか分からないが、迷惑な敵である。
「そない強う想うんやったら、良えよ? おいで」
 手にした絵筆をはしらせながら、埜之子が宙に描く色は焔の赤と橙。
「熱い。痛い。そないにリア充が嫌やねんね。ああ、せやったら……」
 魂こもる『夢心一筆(ユメゴコロニオモイヌ)』は、幾重にも炎を描き、無数の赤子が折り重なり混ざり一つの肉の巨体となった様を。
「恋人の先の先に生まれるもの。嫉妬の心が母心や思えば、その末はきっと新しいいのち。
せやけどその材料は悋気の炎で……」
 絵の完成と同時に、『焔赤子』が実体化し這い出していく。
「shit! 嫉妬の魂は、母心でもあったか!?」
「燃える! 爆発しろ!」
「さ、やったら皆燃えよや。遍く等しく焼けて、蕩けて、混ざって。そしたらな? 皆一緒やよ」
 実体化した焔赤子は抱きつき甘え、燃え上がる。
「あああああ! あれ、俺、モテているのか? 熱いけど! 妬ましゅうない。寂しゅうもないえ?」
 恋に焦がれ、炎に焦がされ、嫉妬団は燃え上がり。近くで自爆した嫉妬団の嫉妬エナジーが、埜之子を巻き込み辺りに巻き散らかされる。
「ははーんなるほど……? リア充じゃなくて自分が爆発してるのは……いいのかなあ……」
 でもこの巻き散らかしたエナジーで複数の相手を嫉妬団へと覚醒すれば、減った嫉妬団も補えるということなのだろう。
 出口の方へと理央が避難誘導してくれていたので、もう一般人の姿は見当たらない。
 巻き込まれ覚醒する一般人はいなさそうなので、恐らく全員を退治すればいいのだろう。
 それでも多いなと、壁の影からチラチラと向けられる視線を感じながら勢理は、黒くて丸くて目が描いてある爆弾を、取り出し放り投げた。
 爆発には爆発を。『ぼむすびクラッシュ』は、嫉妬団を爆破し、そして嫉妬団も自爆していく。
 そんな中、携帯を取りだし待ち合わせに遅れている彼と話しているフリをして注意を引いていた勢理の元に、自爆しない嫉妬団……いや、運命が爆煙を越え飛び掛かってきた。
 刹那、嫉妬団と化した運命の視線は勢理の顔より下へとおりていき。
「勢理さんも、一緒に行こう。そんなフリなんてしなくても大丈夫だ。おっぱいください」
 誰とも通話していない携帯電話のことは察してると言わんばかりのいい笑顔。それ以上に、ハロウィンから引きずってきた罰ゲームという名の語尾に慈悲は無い。
 無言で、ぼむすびが投げつけられるのであった。
 尚、殺傷能力はちゃんと抑えられていたようである。
 その後は、これ以上洗脳される人が出ないよう互いに声を掛け合い、ディアボロス達は沸きだした嫉妬団を何とか外に増やすことなく撃退したのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【迷宮化】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV3が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV2が発生!
【ダブル】LV1が発生!

峰岸・蒼真
ハハハ、天才様のお通りだァ!

②の連中が動き出したタイミングで、戦闘エリアの真ん中で【通信障害】!
ディアボロスの戦闘データはなァ、鼠になんてやらないぜェ!
この研究は全っっっ部僕のモノだァ!ハハハハハ!!

【フライトドローン】で戦闘エリアを見やすそうな高所を中心に捜索
その浮かれたクリスマスの飾り?ツリー?とかいう奴さ、絶好の隠れ場所だろォ?

最後に数秒だけ通信を復活させて、カメラの前でベロベロベロバァァァァしてカメラアイごと鼠を【デモニックボム】で破壊


レーネマクダ・デルトダウ (サポート)
 争いに憂う方がいて、悲しみに暮れる方がいて、痛みに喘ぐ方がいて、助けが必要な方がいるのなら躊躇わず手を伸ばしたいです。
 戦いに際しては恐れを振り払って進みましょう。
 助けることの出来る生命があるのならば、もう一歩前に。
 
 私の中にある怒りは、いつだって奪われた誰かのためにこそ燃え上がるものです。それを忘れぬのならば、きっと誇りと美学が私の背中を押してくれるのです。

 パラドクスは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


●隠し撮り
 そんな戦いが起こっていた一方で、峰岸・蒼真(No Silver Bullet・g08129)は別の戦いを始めていた。
 他のディアボロスが突入し、何だか妙な騒ぎになっているのを聞きながら戦場となった中心地で、まずは通信障害を施す。
「ハハハ、天才様のお通りだァ!」
 研究狂でもある彼としては、ディアボロスもその対象。こんなに興味深いデータを自分以外の誰かに、奪われるなど面白くない。
 こそこそと戦闘を隠し撮りするなら、きっとここには居るだろうと辺りを付け蒼真は、フライトドローンに乗って、館内を彩るクリスマス装飾の一つに近付いていく。
 ツリーもだが、飾りもいい隠れ場所だ。
 案の定、鼠の一匹が天井から釣り下がっていた無数の星の飾りの合間に潜んでいた。
 更にもう一匹、慌てて逃げ出そうと飛び降りるも、レーネマクダ・デルトダウ(テト・カフ・g08563)の静かな紫の瞳が逃さない。
 そもそも盗み撮りなのだ、その行為は美学に反し許し難い。
 捕らえられるなら傷の1つでも与え、物影に逃げ込もうと思ったのだろう。
 媒介者は、その小さな身体を弾ませレーネマクダに飛び掛かった。
「その映像は、消去させて頂きます」
 柔ら表情は穏やかに、だが具現化させた『復讐の刃』は、躊躇うことなく媒介者の胴を断つ。
 そして飾りの上では、もう一匹が蒼真に追い詰められていた。
「ディアボロスの戦闘データはなァ、鼠になんてやらないぜェ! この研究は全っっっ部僕のモノだァ! ハハハハハ!!」
 絶好の隠れ場所だと思ったかァと、笑いながら逃れる隙も与えず、一瞬で。
 オンタイムで映像が送られているか定かではないが、カメラの向こうメンゲに対して蒼真は挑発し。
 道連れにと抵抗しようと媒介者も必死だが、そんな暇は与えない。
「ベロベロベロバァァァァ。あんたには何もやろないぜェ!!」
 思いっきり挑発し、蝙蝠の如く向かっていく『デモニックボム』を放ち、カメラ諸共、媒介者を倒すのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
【操作会得】がLV2になった!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!

リドリー・バーディ
僕こそこそ何かを企む奴嫌いなんだよね
情報収集は大事だし、情報を活用するのは当然だけど
周りを利用して悦に入ってる奴は性格悪い
楽しいことに水差す空気読めない奴は尚更ね!

嫉妬団と皆がやり合ってるのを撮ってる鼠を探す
観葉植物や立看板の陰、避難する一般人を装ってさりげなく覗いて回る
見つけたらすかさずロックオン!
僕の『饒舌多弁』の餌食になりたい鼠はだぁれだ?
【通信障害】を発動したら舌戦開始!

鼠に言ってもわからないかもしれないけどさ
リア充爆発しろ!って虚しくない?寂しくない?
恋愛だけがリアルなの?他に楽しいことないの?
趣味は?仕事は?友達や家族は? ないなら作ればいいんだよ!
イマジナリーなら思いのまま!


 避難していく人の流れとは逆に、リドリー・バーディ(chitter-chatter・g08402)は、建物の中へと潜り込んだ。
 嫉妬団とやり合っている騒ぎに、他への注意は散漫になっているだろう。
(「僕こそこそ何かを企む奴嫌いなんだよね。情報収集は大事だし、情報を活用するのは当然だけど……」)
 だが媒介者を放ったメンゲは、この場に居なければ、この騒動そのものには関わっていない。
「周りを利用して悦に入ってる奴は性格悪い。楽しいことに水差す空気読めない奴は尚更ね!」
 迷宮化で複雑になった建物の中であれば、遮る壁が増え、媒介者がカメラを向けられる場所も限られる。
 その上で、身を隠せそうな観葉植物や立看板の陰を覗き込み、ロックオン!
 見つけるなりリドリーは、『饒舌多弁(ディスコミュニケーション)』を発動した。
 ここからは、言葉の弾丸を撃ち込んでいくだけ。
「鼠に言ってもわからないかもしれないけどさ、リア充爆発しろ! って虚しくない? 寂しくない?」
 媒介者は見つけられたことに驚きながら、そのレンズのピントがリドリーに合う。
 言弾は雪崩れるように、媒介者に撃ち込まれ。
 ついでに、近くに迷い込んだ嫉妬団にも。
「恋愛だけがリアルなのか? 他に楽しいことないか……?」
 視野を狭くして楽をして、見ないふりをして。
「趣味は? 仕事は? 友達や家族は? ないなら作ればいいんだよ!」
 細菌を撒き散らそうと、媒介者が残った力を振り絞ろうとするも、その時には彼の姿はフレームの外。
 契約したデーモンの一部である長い髪が、遅いと笑うように通り抜けて。
「イマジナリーなら思いのまま!」
 弾丸となった言葉が、媒介者を撃ち抜き撃墜した。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【通信障害】がLV2になった!
効果2【リザレクション】LV1が発生!

ディアナ・レーヴェ
(終了した嫉妬団+1戦場を背に笑って息を吐き)
全く!何だか不思議なノリの奴らだったというか、何というか――

(小声で)…正直、助かったわ。
(手を数度握って開く。奇天烈すぎて余分な肩の力が抜けた。…この先に待つと聞くメフィストフェレスという存在に、私は妙な忌避感があった。宿敵とはいえ面識のない敵の筈だが)

さあ、今はパンドラに集中!
液体を踏まないよう段差など【地形の利用】して、火砲を手に【Rat】
連携し、数減らしを優先に

やっぱり昔は人だったのを、頭から改造されたのかしら?
まぁ――多少の思う所はあるけどね。
ここは戦場で、あなたは敵だから。
(頭から一撃で吹き飛ばすのが慈悲よね?と、ただ笑って)さよなら!


狒雛・雛妃
・ディアナ及び関連旅団に属する方々との連携等OK
・一人称→雛。二人称→男女、年齢関係なく名前+ちゃん
・鯖絵未所持のためウラジロの容姿は描写を控えて頂けると助かります

……なんじゃっけ、クリーム掛けたパンとどら焼き?
むつかしい名の敵さんを覚えるのって苦手じゃわぁ……
ともかく、おばあちゃんの原宿こと巣鴨に連なる豊島区を荒らす輩を放っておくわけにはいかぬでのう。覚悟せぇよ?

基本は周りの仲間との連携・援護を重視しつつ残量効果は可能な限り活用しながら立ち回る

「ほれ、そこじゃよウラジロ。捕えておくのじゃ」と【不意打ち】し敵を鈍らせ
「今じゃ、トドメはよろしくのう」と仲間の【連撃】に繋げ…駄目なら自分で殴ります


ティベルデ・バルツァー
連携歓迎

妙な集団だったねサフアグ。契約ジンである君と恋人だと誤解されるとは思わなかった。……あの色々濃かった彼に付いて? ははは、それはノーコメント。

さて、接近するのは危うそうだね?
二人で並び槍の複製品を召喚しながら遠距離でいこう……君は投擲、私は念動力だ。薙ぎ払いは防御時限定で。
幸い残留効果の能力値アップと命中アップがあるからより確実に貫通撃を叩き込める。手数が少ない分、貫通力で貢献しよう。
ゆえパラドクスも遠距離でいくがこれはただの槍投げじゃないよ? 空間ハッキングにより強化された投擲さ。
水使いが操る波の如く大風を広げる荒業……可能ならダブルも運用し、連ね重ねてあげようか。よく味わってくれ。


リドリー・バーディ
※連携アドリブ大歓迎!

僕にイマジナリーは必要ないけど、
敢えて鼠撃破の拍手喝采を響かせる
何気に楽しい! やる気充電!

次の相手は趣味の悪いホラー映画に出てきそうな奴!
嫌いじゃないよ、こういうの
そっちが悲嘆に狂うなら、こっちは愉悦に嗤ってあげる
ほら、『切裂き公の嘲笑』が聞こえる?
君を刻みたくて仕方ないみたい
悲鳴を上げたいなら手伝ってあげるよ
僕の髪は特別製だからね、空気圧くらいで何とかできると思わないで
一筋触れれば、それでおしまい
飢えた悪魔が絡みつき切り裂く
最期にいい声聞かせてね

拒絶は恐れの裏返し
引きずり込んで堕とすくらい図太い方が生きやすいよ!
悪魔との賭けに勝って力を取り込んだ僕みたいにね!


佐野・埜之子
(焦げてても気にしない)
ディアナ、悩んどる言うか嫌そな顔してへん?
嫌やったら止めたら良え思うけど……そないな問題でも無いんやろかな?

さて、ディアナが戦場眺める時間稼ご。
後、隙を教えて貰てもそれ迄の間攻撃せん訳にもいかんし、そこも埋めよ。
ウチは描くだけやさかいな。
(毒の羽が飛び来る中パラドクス使用、淡々と筆を取り続ける)
ほあ?
ああ、せやね。勿論痛いし苦しいしキツい辛いえ。
でもまあ…描く事は止めへんよ。ウチ、他に出来る事あらへんし。

にしてもパンドラの匣。開けて見たいなあ。
え?元々人間なん?
そうなんや。
そないやったら尚の事、あの匣の中どうなっとるんやろ。
開けたいなあ……なあなあ、開けてきてくれへん?


●箱の中
 文字通り黒山となった嫉妬団+1名に背を向け、ディアナ・レーヴェ(銀弾全弾雨霰・g05579)は大きく息を吐いた。
「全く! 何だか不思議なノリの奴らだったというか、何というか……」
 正直、助かったわと小声で零し、解かれていく迷宮化の先へと視線を向けた。
 嫌な予感とは少し違う。この場所に入った時から感じる強い気配に、妙な緊張感があった。
「ディアナ、悩んどる言うか嫌そな顔してへん?」
 軽く焦げた服の汚れを払いながら、佐野・埜之子(地獄未満のエチュード・g00298)が普段と同じ調子で話しかけてくる。
「嫌やったら止めたら良え思うけど……そないな問題でも無いんやろかな?」
 大丈夫と数回軽く手を握り開くのを繰り返し、振り返ったディアナの表情は落ち着いたようにも見えた。
(「奇天烈すぎて、余分な肩の力が抜けた。あの騒ぎと、皆のおかげかしら」)
 見えてきた噴水広場で、どこからか響く鼠撃破の拍手喝采に、『『堕落への誘い』メフィストフェレス』は顔をあげ、『狂い仕掛けのパンドラ・ボックス』は立ち上がった。
「侵入者です。メフィストフェレス様」
「敵襲です。メフィストフェレス様」
 彼と彼女は同時に、坦々と言葉を発し、警戒心露わに上の階を見上げた。
「僕にイマジナリーは必要ないけど。何気に楽しい! やる気充電!」
 迷宮化が解ければ、良く見える。
 吹き抜け状になった上階の手摺から身を乗りだし、リドリー・バーディ(chitter-chatter・g08402)は彼らを見下ろす。
 箱は二つ。彼と彼女。
 頭部は箱に覆われ顔は見えないが、滲む血が痛々しく、封印するかのように包帯が何重にも巻かれていた。
「次の相手は趣味の悪いホラー映画に出てきそうな奴! 嫌いじゃないよ、こういうの」
 この状態を楽しむように、リドリーは笑みを浮かべ、帽子を抑えながら飛び降りた。
 風に煽られた長い髪が逆立ち、その先端が刃へと変わる。
「そっちが悲嘆に狂うなら、こっちは愉悦に嗤ってあげる。ほら、『切裂き公の嘲笑(リッパー)』が聞こえる?」
 メフィストフェレスを庇うように、パンドラは前に飛び出し、悲嘆に満ちた悲鳴を箱の内より響かせる。
「悲鳴を上げたいなら手伝ってあげるよ」
 『希望は絶望と成り』、人の精神を狂わすその音は、空気を震わせる。
「君を刻みたくて仕方ないみたい」
 落下の勢いのままリドリーの髪は鋭く箱に突き刺さるが、痛みは無いのだろうか、突き刺さったことによる悲鳴は上がらなかった。
「……なんじゃっけ、クリーム掛けたパンとどら焼き? むつかしい名の敵さんを覚えるのって苦手じゃわぁ……」
 しかもこの容姿だ。声が出なければ、見分けなど殆どつかない。
 煩いと軽く耳を塞ぎ、狒雛・雛妃(八千代の雛・g03406)は、クダギツネ『ウラジロ』を飛び掛からせ、叫ぶパンドラの影に牙を突き断たせた。
「ともかく、おばあちゃんの原宿こと巣鴨に連なる豊島区を荒らす輩を放っておくわけにはいかぬでのう。覚悟せぇよ?」
 『管狐影縛法』で、縛っているからだけではない。
 パンドラからは会話に対する反応はなく、ただ自動的に。開く黒い翼から、無数の毒羽が振り撒かれる。
「さて、接近するのは危うそうだね?」
 たちまち毒羽で満たされた吹き抜けから距離を取りつつ、ティベルデ・バルツァー(突き穿つ蒼・g06493)は、ジンのサフアグに話しかける。
「妙な集団だったねサフアグ。契約ジンである君と恋人だと誤解されるとは思わなかった」
 半魚人似の姿のサフアグと肩を並べ、その手には槍〈魚将の鋭気〉が複製されていく。
 と、何やら訴えたげな気配に気付き、微かにティベルデは口元を緩ませる。
「……あの色々濃かった彼に付いて? ははは、それはノーコメント」
 毒羽が舞う中、パンドラに狙いを定め『遥か翔ぶ水砲(ヴァッサ・カノーネ)』で、槍を投げ込む羽も箱をも貫通させる。
 赤黒く箱から血が噴き出し、やはり空ではないのだと、ハッキリする。
 狂ったように舞い散る毒羽の数は増し、それは視界をも奪う。『 命は全ての元へ訪れる死となった』というが、果たしてこれが彼らの持つ災いなのだろうか。
「排除。我らは主様の盾」
「これ以上、近付くことは許しません」
「にしてもパンドラの匣。開けて見たいなあ。え? 元々人間なん?」
 そうなんやと、残念そうな視線を向け、埜之子は筆を取り『画譜百鬼夜行(ガフヒャッキヤコウ)』を描き続ける。
 降り注ぐ毒羽が撫でるだけで、腕に何かの毒が付与されたのか熱を持ち、吸い込んだのか呼吸が苦しくなるが、決して筆は手放さない。
「ウチは描くだけやさかいな。ああ、せやね。勿論痛いし苦しいしキツい辛いえ。でもまあ……描く事は止めへんよ」
 描ききるまで埜之子の筆は止まらない。ウチ、他に出来る事あらへんし。
 絵より実体化した妖怪達は、毒羽をものともせずパンドラに向かっていく。
「やっぱり昔は人だったのを、頭から改造されたのかしら?」
 流れ出した血は赤く、人のそれと同じ。顔が見えない分、マシだが気分はいい物ではない。
「まぁ――多少の思う所はあるけどね」
 これもメフィストフェレスの仕業なのだろうかと、ディアナは奥で興味深そうに眺めている敵を気にかけながらも、今はパンドラに集中と思考を断ち切った。
「そないやったら尚の事、あの匣の中どうなっとるんやろ。開けたいなあ……なあなあ、開けてきてくれへん?」
 妖怪達の手が箱に掛かれば、パンドラは開けようとすれば、これ以上ないほどに暴れ抵抗を見せた。
「開けるな、見るな!」
「見るな、見ないで!」
「暴れるでない。ほれ、そこじゃよウラジロ。捕えておくのじゃ」
 暴れる様に、雛妃はウラジロの牙で捕えようとすれば、パンドラは手を合わせ、『助けをこう祈りは全てへの拒絶』させる。
 その祈る手の合間から溢れ流れだすのは、混沌とした暗い黒い人を脅かす災い。
 見るからに危険な気配を漂わせ流れる液体に、ディアボロス達はベンチや植木を足場に直撃を避け攻撃を。
 〈火砲〉を手に、ディアナは『Rat(ラート)』を仕掛け、ティベルデに目配せする。
「これはただの槍投げじゃないよ? 空間ハッキングにより強化された投擲さ。よく味わってくれ」
 作り出した力場から放たれる槍は、水使いが操る波の如く。回転を伴い、更に箱を貫き差し。
 砲口は真っ直ぐパンドラの頭に。
「ここは戦場で、あなたは敵だから」
 頭から一撃で吹き飛ばすのが慈悲よねと、静かに笑って放った。
「さよなら!」
 ディアナの砲撃にパンドラの彼は、箱を含む首から上を失い。
「最期にいい声聞かせてね。拒絶は恐れの裏返し、引きずり込んで堕とすくらい図太い方が生きやすいよ!」
 リドリーの髪に宿る悪魔は、飢えを満たすようにパンドラの彼女に絡み付き、その身体を頭を箱ごと切り裂いて。
「悪魔との賭けに勝って力を取り込んだ僕みたいにね!」
 最後にあげた悲鳴は攻撃だったのか、それとも本当の叫びだったかも分からないまま、パンドラは倒れた。
 倒れ崩れた部下を見下ろし、ディアボロス達を眺め、メフィストフェレスは愉快そうに。
「やはり、人は脆いか。さて、貴様らは何を望む?」
 嗤う悪魔は、その翼を広げ輝かせた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【完全視界】がLV2になった!
【傀儡】LV1が発生!
【活性治癒】LV2が発生!
【断末魔動画】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV4になった!
【ドレイン】LV2が発生!
【能力値アップ】がLV4になった!

ディアナ・レーヴェ
(望みを問われれば気合で胸を張り)
私?立派な軍師になるの!
その為なら何だって勉強して経験して、戦って、勝つ

おいで、私と同じ翼の悪魔
敵の毒舌を遮り【銀の約束】

けど反撃で読まれる罪は
『お前は本来、とうに膝を折った人間の筈だ』
『「軍師」。何もかも目を逸らして、空転する夢の続きを見るのは楽しいか?』のような話

今まで何故か忘却していた、漂着直前時期の私の言動が引き出される

―もういい

―私、このままこの家で穏やかに暮らせればそれで良いわ
―戦いなんてもう嫌
―今、幸せよ?

―私はこれで、『満足』


…意味は断片的にしか理解できない

ただ、顔を覆って蹲り
それでも意地でその場から攻撃を続けようとはする

笑って、帰る
大丈夫


ハーリス・アルアビド
ディアナさんの様子が気になっていましたが、これほどの方々がいらっしゃるなら心配は無用だったようですね。しかし万が一と言う事もあります。私も微力ながらお手伝いさせていただきます。
味方と連携がとれるように状況を観察しながら戦いましょう。
戦の神ネイトよ、悪を撃ち抜くその一矢の如き力を私にお貸しください。どのような甘言も幻影も無意味です。
踏みにじられ裏切られ、望み叶わず傷付くとも、捨てられぬものがあれば戦えます。
ディアナさんは必ずや立ち上がり、あなたを打ち破るでしょう。
そちらこそ、私が操る砂塵と残像に惑わされぬように。こちらにばかり気を取られていては他の方々にやられてしまいますよ。


狒雛・雛妃
ふむ、ディアナちゃんの様子が変じゃったのはのはこやつが原因か。

それが罪じゃと?
雛はそうは思わぬよ。
そなたは『一度は折った膝を奮い立たせた者』で、
『前を向きもう一度その手に夢を掴もうとする者』じゃ。
諦めなかった。それが罪なわけがあるものか。
そなたは立派な子ぉじゃ、ディアナちゃん。
と、彼女の今を肯定。

豊島区の為に来たつもりじゃったが、戦う理由が一つ増えたわ。
雛の可愛い友人にこんな顔をさせる輩を捨て置くわけにはいかぬ。
じゃからなぁ……メフィストフェレス。その名、今度は確と覚えたぞ?

ウラジロに加え男雛『お前様』をけしかけて羽交い締めにする等、終始サポートに徹する。
(パラドクス修正間に合いませんでした)


佐野・埜之子
(過去に自分の為に大切な物も望みも踏み躙りかけているけど)
え、それって罪やの?……なんで?
(稚気と身勝手)

ほあ…(首傾げ)
良う分からんけど…ディアナは立ってても座り込んでても綺麗やよ?
せやし、どっちでも良えてウチは思うえ。


…言うか、なあなあメッフィー(愛称)
その手のソレは「アンタの面の皮」やあらへんの?
やったらアンタはどないな望みを、どう台無しにして、罪を認めたん?
…知りたいなあ。
(悪意は無いけど気遣いも無い笑顔)
教えて?
なあ、教えてや。
なあて。
(筆を振る。興味と言う望みのまま、あるかも分からない相手の中身を見る為)

『頭蓋割り鬼』

(臼歯だけが並んだ鬼の大首の妖怪画が実体化)
お願い、見せて?


リドリー・バーディ
※連携アドリブ大歓迎!

望みを言えば叶えてくれるの?
じゃあねぇ、君の失墜かな!

足を引っ張るのが好きそうな君に僕から『甘い苦言』
そんなので折れる人が復讐者になんてなると思う?
ちょっと考えが甘いんじゃない?
君こそ無為な理想を追ってない?
君の望みが叶わないのは叶える努力をしないからだよ

鳴らないはずの携帯端末が震えた気がする
離れて暮らす姉さんと最後に話したのがあの日だっけ
奥手な姉さんが想い人とのデートの約束取りつけた日
嬉しくて、でも不安で、僕を頼った姉はどこへ行った?

ねぇ、こんなもの見せたって怒りしか湧いてこないよ
気持ち悪いから離れてくれる?
女の子を泣かせる奴は最低最悪のロクデナシなんだよ!


獅子堂・崇
アドリブ連携歓迎

ディアナが悩んでいるようだからな。助太刀させてもらう。

俺の望みはお前に言うほどのことじゃない。俺が、いや、皆で叶えることだ。

大切な人、思い浮かべるのは個人じゃなくて、旅の中で出会った全ての人々と家族の姿。
全員救うべき人だ。お前が見せる幻覚などで俺は満足出来ないな!

両の爪を振り下ろされるよりも速く振り向いて、最速の一撃を顔面に叩き込む。

不用意に近づきすぎたな。そこは俺の距離だ。


筧・勢理
(連携アドリブ歓迎・残留効果はできるだけ利用)
(ネメシスモード:青緑色の悪魔じみた異形。なお声はそのまま)
(ディアナちゃんは心配、でも今の自分の姿を見られたくない…けど
全身変化した今なら自分とバレないのでは?と思い立ち、【飛翔】から着陸)

…勢理?誰の事かなー。
通りすがりのものですよー。話は聞かせてもらったー。

あたしはユルいしヌルいし
ディアナちゃんの事もまだそんなに知らないけどさ
…目を逸らした先だって、立って進んでるならそっちが「前」だよ、きっと

仲間と連携しつつ【双翼魔弾】で攻撃

今も楽しーけど、夢見とか寝覚めとか悪いのイヤじゃん
なんか腹も立ったし、すっきりさっぱり吹っ飛んでちょーだいよろしくー?


ティベルデ・バルツァー
連携歓迎

お初お目にかかる。して望みは決っているじゃないか、貴殿の討滅ただ一つだ。
まあ聞き入れる筈も無し……サフアグ、君と私で近接戦としゃれこもう。

飛び交うダブルの貫通撃のお味はいかが? 薙ぎ払いと刺突を交互に行い、私がわざと見せる隙を能力値アップしたサフアグが補う。これも一種のトラップ、罠使いとしての策と言うべきかな?
ディアナが何を思い出したかは分からないし、余り気分のいいものではないけれど……今はその力、失った記憶の為に利用させて貰おう。
これは……この女性が、わたしの大切な、大切な……。
……ははは、ありがたい幻影だったよ。お礼に、反撃アップと殺気を加えた私のパラドクスをもう一連撃振舞おうか。


●過去の声
 ――望み。
 そう問われ、ディアボロス達は何を思っただろうか。
「俺の望みはお前に言うほどのことじゃない。俺が、いや、皆で叶えることだ」
 その答え、勇まし。
 獅子堂・崇(破界拳・g06749)の言に、メフィストフェレスは嗤い。
「私? 立派な軍師になるの!」
 躊躇することなく、ディアナ・レーヴェ(銀弾全弾雨霰・g05579)は胸を張り答える。
「その為なら何だって勉強して経験して、戦って、勝つ」
「勝つだと? お前がか?」
 今度はメフィストフェレスは嘲笑した。
「お前の望みなど、罪ではないか。とうに、過去のお前が汚したではないか」
 何を言うかと反論しようとすれば、リドリー・バーディ(chitter-chatter・g08402)とティベルデ・バルツァー(突き穿つ蒼・g06493)、それからジン『サフアグ』が前に出た。
「望みを言えば叶えてくれるの? じゃあねぇ、君の失墜かな!」
「お初お目にかかる。して望みは決っているじゃないか、貴殿の討滅ただ一つだ」
 流水の如く流れるように繰り出されるサフアグの『連なる波濤(ラウォウェレン・ツヴァイ)』の連続突きに続くよう、ティベルデはその動きをトレースするように攻撃する。
 その切っ先を掴み力任せに振り払おうとするメフィストフェレスに、リドリーが『甘い苦言』を囁く。
 夢は夢。、理想は幻想に。優しい言葉は、悪魔の拘束に。
「足を引っ張るのが好きそうな君に、僕から甘い苦言だ。そんなので折れる人が、復讐者になんてなると思う? ちょっと、考えが甘いんじゃない? 君こそ、無為な理想を追ってない?」
 言葉は沈む、敵の内へ。
 動きが一瞬でも止まれば、それはただの大きな的でしかない。
「最速の一撃、見切れると思うな」
 空手の基本にして、格闘技最速と言われる刻み突きを我流で昇華し、『我流破界拳・風烈(ガリュウハカイケン・フウレツ)』を力いっぱい放つ。
 腹部にめり込むほどの強力な一撃に、かはっと苦悶の声を零すも、メフィストフェレスは翼を広げ高く飛び上がる。
 そして魔力の翼を輝かせ、その姿を消したかのように墜し耳元に唇を這わせるように寄せ、囁いていくのは『高みへ至る永遠の愛』。
 まるで形の無い幽霊か何かのように、舞い飛び唇を弧に歪ませ、幻惑魔法を撒き散らす。
 失った記憶の為に利用させて貰おうと、ティベルデは覚悟して魔法を受けた。
 思い浮かんだのは、1人の女性の姿。懐かしい、気配を持つ。
(「これは……この女性が……」)
 朧気であったその女性が振り返り、視線が合う。
 ――わたしの大切な、大切な。
 リドリーのポケットの奥で、鳴らないはずの携帯端末が震えた気がした。
 思わず手を伸ばし、思い浮かんだのは姉の姿。
(「奥手な姉さん。僕を頼ってくれて、嬉しくて、でも不安で……」)
 離れて暮らす姉さんが、想い人とのデートの約束を取りつけた日。
 その日が、最後に離した日となった。
 ――姉さんは、どこへ行った?
 崇が思い浮かべたのは、旅の中で出会った全ての人々と家族の姿であった。
 大切なものは、それこそ両手だけでは足りない程に沢山に。
 ――全員救うべき人だ。
「お前が見せる幻覚などで、俺は満足出来ないな!」
 ディアナが悩んでいるようだから助太刀に来たがと、不気味な悪魔の両の爪に反応するように、崇は振り返るなり拳を顔面に叩き込む。
「不用意に近づきすぎたな。そこは俺の距離だ」
 疾墜していくメフィストフェレスに、リドリーとティベルデは不快露わに睨み上げた。
「ねぇ、こんなもの見せたって怒りしか湧いてこないよ。気持ち悪いから離れてくれる?」
 女の子を泣かせる奴は最低最悪のロクデナシなんだよ!
「……ははは、ありがたい幻影だったよ。お礼に、サフアグと私でもう一連撃、振舞おうか」
「君の望みが叶わないのは、叶える努力をしないからだよ」
 鋭い彼らの一撃に、メフィストフェレスは吹っ飛び宙で身を翻し、腹部を貫く槍を引き抜き嗤う。
「おいで、私と同じ翼の悪魔」
 怖い。恐ろしい。逃げ出したい。幾つもの感情が再び背筋を伝い彼女の中に『銀の約束(ギンノヤクソク)』を。
 ――泣いたら笑え、笑って進め。
 彼の言葉に押されるままに〈火砲〉を手に、立ち向かう。
「お前はとうに堕落している! お前に希望を抱く資格があるのか? 罪を認めよ」
 ディアナの顔面にメフィストフェレスは手を伸ばし、その罪を読み暴き、精神の面の皮を剥ぐ。
 響く声は曖昧にメフィストフェレスのような、別の誰かの声のような。
『お前は本来、とうに膝を折った人間の筈だ』
 ――もういい。戦いなんてもう嫌。
『『軍師』……何もかも目を逸らして、空転する夢の続きを見るのは楽しいか?』
 ――私、このままこの家で穏やかに暮らせればそれで良いわ。
 忘却していた、かつての彼女の言葉が蘇る。
 ――今? 幸せよ。私はこれで『満足』
 事態を見下ろしていた筧・勢理(パニッシュメントスタンド・g00706)は、動きを止めたディアナの様子に急降下し『双翼魔弾』を撃ち込みながら、両者の間を割るように着地した。
 その姿はネメシス形態、青緑色の悪魔じみた異形姿となっていた。
(「ディアナちゃんは心配。でも、今の自分の姿を見られたくない……けど」)
 全身変化した今なら自分とバレないのではと、思いきって降りて来たのだ。
 ディアナは何かから逃れるように顔を覆い、蹲っている。
「どのような甘言も幻影も無意味です」
 その様子に嗤い迫ろうとするメフィストフェレスに、ハーリス・アルアビド(褪せる事を知らない愛・g04026)が〈アヌビスの爪〉を振るうよう飛び掛かり。
「ふむ、ディアナちゃんの様子が変じゃったのは、こやつが原因か。それが罪じゃと? 雛はそうは思わぬよ」
 狒雛・雛妃(八千代の雛・g03406)は『管狐影縛法』を手繰りクダギツネ『ウラジロ』と〈どことなくノリが軽そうに見える男雛〉である『お前様』をけしかけ、羽交い絞めにしようとしする。
「戦の神ネイトよ、悪を撃ち抜くその一矢の如き力を私にお貸しください」
 『ネイトへの嘆願』の一撃が叩き込まれる。
「踏みにじられ裏切られ、望み叶わず傷付くとも、捨てられぬものがあれば戦えます。
ディアナさんは必ずや立ち上がり、あなたを打ち破るでしょう」
 メフィストフェレスの邪眼が輝き何が不満だと吠えるが、邪魔はさせない。
「え、それって罪やの? ……なんで?」
 ディアナを背に庇いつつ不思議そうに首を傾げ、佐野・埜之子(地獄未満のエチュード・g00298)の筆が宙をはしる。
 過去に、自分の為に大切な物も望みも踏み躙りかけているけど、それは今触れることではない。
 勝手に人の心を過去を暴き、稚気と身勝手と。
「ほあ……良う分からんけど……ディアナは立ってても座り込んでても綺麗やよ?」
「そなたは『一度は折った膝を奮い立たせた者』で、『前を向きもう一度その手に夢を掴もうとする者』じゃ。諦めなかった。それが罪なわけがあるものか」
「あたしはユルいしヌルいし。ディアナちゃんの事もまだそんなに知らないけどさ……目を逸らした先だって、立って進んでるなら、そっちが『前』だよ、きっと」
 仲間達の声が、メフィストフェレスが剝ぎとった精神の傷を覆っていく。
「そなたは立派な子ぉじゃ、ディアナちゃん」
「今も楽しーけど、夢見とか寝覚めとか悪いのイヤじゃん」
 いつまでも、下を向いているわけにはいかない。
 何のために、ここに来たのか。考えることは、後でもできる。今は、目の前の敵を……。
 断片的にしか理解できなかった言葉の意味は一旦胸の内に閉じ込めて、ディアナは意地で正面を見据え立ち上がる。
 仲間の名を呼び、感謝を告げ。火砲を構えて。
「……勢理? 誰の事かなー。通りすがりのものですよー」
 声がそのままだから完全にバレていると思うのに、他人のフリをする勢理の振る舞いに、気が楽になり。
 攻撃を続け抑えてくれていた、崇やティベルデに、一緒に来てくれた人に感謝して。
 眷属化も堕落も上手くいかなかったメフィストフェレスは、再び翼を広げ攻撃を仕掛けてきた。
 怒りというよりは、苛立ちか。上手くいかないことに、その視野は狭まって。
「そちらこそ、こちらにばかり気を取られていては他の方々にやられてしまいますよ」
 声に反応するまま振り返ったメフィストフェレスは、ハ―リスの一撃を腕で受けながら邪眼を仕掛けようとするも、容赦なく撃ち込まれる勢理の魔弾に、視界を一瞬奪われ後方に吹っ飛ばされ。
「なんか腹も立ったし、すっきりさっぱり吹っ飛んでちょーだいよろしくー?」
 床に叩きつけられたメフィストの正面には、臼歯だけが並んだ鬼の大首がニヤァと笑う。
 『夢心一筆(ユメゴコロニオモイヌ)』で実体化した妖怪・頭蓋割り鬼。
「なあなあメッフィー、その手のソレは『アンタの面の皮』やあらへんの?」
 埜之子の問いかけと、鬼から逃れようとするも、その足に雛妃のウラジロが素早く絡みつく。
「雛の可愛い友人にこんな顔をさせる輩を捨て置くわけにはいかぬ。じゃからなぁ……メフィストフェレス。その名、今度は確と覚えたぞ?」
「やったらアンタはどないな望みを、どう台無しにして、罪を認めたん?」
 知りたいなあと、探求心からの笑顔を浮かべ。
「教えて? なあ、教えてや。なあて……お願い、見せて?」
 メフィストフェレスは、最後にどんな顔をしていただろうか。
 大口を開けた鬼が、頭から喰らい付き。
 笑って進む、彼はそう命じた。火砲を低く構え、全身で支え、鬼を振り払おうと暴れる悪魔に向けて。
「――Feuer」
 ディアナの放った一撃は、迷いなくメフィストフェレスを撃ち抜き、悪魔は倒れた。
 この悪魔との縁は、これからまだ続いていくのだろう。
「豊島区の為に来たつもりじゃったが、戦う理由が一つ増えたわ」
「何を思い出したかは分からないけれど……」
「大丈夫ですか?」
 気遣う声に、ディアナは笑顔で振り返る。
「大丈夫」
 ――笑って、帰る。仲間と共に。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【悲劇感知】LV1が発生!
【隔離眼】LV1が発生!
【傀儡】がLV2になった!
【液体錬成】がLV2になった!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【壁歩き】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV3になった!
【命中アップ】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV5(最大)になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【先行率アップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2022年11月17日