リプレイ
リオーネ・クア
ロッソと一緒にサトゥルニアを歩く
頭に浮かぶのはダンジョンでのスライムさんとの思い出
今、この場所がどういう場所かを知るために歩こうと思ったのに
思い出すのはスライムさんのことばかり
一通り歩いたら
「魂喰いの悪魔」で取り込んだスライムさんの想いを胸に【勝利の凱歌】を歌う
『ミンナ、トモダチ。アリガトウ』
銀スライムさんが最後にかけてくれた言葉、ずっと心に残ってる
銀スライムさんの想いをずっと抱いて生きている
だから――どうか、届いて
スライムさん達が帰還したら泣いて喜ぶ
もし何も起こらなくても気落ちしない
今じゃなかっただけかもしれないのだから
残りの時間は珠萌さんを誘って歩く
スライムさんとの思い出、いっぱい話したい
御守・樹
あとで温泉入りたいから服の下に水着着用、荷物はサンダルにあと11月だし寒くないように水着の上から羽織る物も。あと日よけの帽子もかな。地中海って日差しが強いイメージあるけど…それは夏だっけか?まぁ、なくて困るよりいいだろ。
さて、どのあたりまで行けるのか歩いてみよう。硫黄の香りと湯気を空とを見ながら歩を進める。
……。
取り戻したことは素直に嬉しい事だけど、そのまんま受け取れない気持ちがあるのも本当。
奪い返すってそういう事だってわかってても、実際経験するとそう簡単に割り切れるもんじゃないんだな。ゲームみたいにはいかないもんだ。
だったら最初から持たなければ楽なんじゃないかって考えてしまうよ。
鳩目・サンダー
まあ半ば観光って事だね。
サトゥルニア温泉については、まあここにお邪魔しても文句を言われないくらいには関わったつもりだから、遠慮なく参加する。
……そうか、スライムちゃん達は……。そうか。
蒼狐のアドバイス通り水着とサンダル、そしてタオルを持ち込む。
川を泳いで楽しもう。温泉で遠慮なく泳げるなんて今後無いかもしれないしな。
ディアボロスになってから身体能力も上がったし、体を動かすのが楽しいんだ。
蒼狐にこっそり近づいて絵を描いてる蒼狐を描く蒼狐をリアライズペイントしてみたり。
サトゥルニアのご案内、今まで本当にありがとう。
アドリブ、連携歓迎です。
飛鳥・遊里
月下部・小雪(g00930)と共に
*水着、ビーチサンダル、タオル等の入浴フルセット持参
…ああ、いい湯だな。後の事を何も考えずにゆっくり温泉に入れるってのはいいもんだ。俺たちの知ってる温泉と言ったら、大やけどどころじゃ済まないようなアレなのばっかりだったしな…
そっか…やっぱり【彼ら】の姿はないか。わかってたことだけどな。なあ小雪?覚えてるか全部?
【彼ら】の居た痕跡が世界から消え去ったとしても、俺たちはまだ覚えてる。俺達だけが、覚えていてやれる。なら、またきっと会える。そんな気がしてな。もし【彼ら】が、消えることを望んでなければ…まあ、考えてもしょうがない事だろうけどな。…でもまあ、希望ぐらいはな
月下部・小雪
遊里お兄ちゃん(g00512)と一緒、です。
サトゥルニア温泉での思い出を思い返すため、水着やビーチサンダルを持って出発、です。
あの時に入った温泉とは違う、だけど、どことなくあの時の温泉と同じ空気が、しますね。
遊里お兄ちゃんやコダマとスライムさん達との思い出話をしていましたが、
い、今ならスライムさん達を呼べるような気が、してきました!
スライムさん達もボク達と会いたいって思ってくれているなら……
指定パラドクスで呼び出せたのが本当にあの時のスライムさん達なのかは、分かりません。
けど、きっとどこかの時代で元気に暮らしていてくれると、信じてます。
※アドリブ連携大歓迎
ア・ンデレ
【賽】の友達と一緒にダンジョン跡地を調査しにきた。
「あのダンジョンでたたかったのは、いっしゅんのじかんだったけど、アンデレちゃんにとって、だいじなおもいでのひとつになったよ。」
友達になるはずだった、スライムのために、戦った。
結局、スライムは、いなくなってしまったけど。
「なにか、みつかるといいね。」
友達とおしゃべりしながら、一緒に散策する。
しばらく散策した後、アンデレちゃんは勝利の凱歌を歌い出す。
スライムがこれで帰還してくれるなんて、高望みはしないけど。
いなくなってしまった、友達の、スライムに、届くといいな。
プターハ・カデューシアス
【賽】仲間と共に
スライム達との思い出を胸に
かの土地へ
水着と滑りにくい水中兼用靴を準備
取り戻した土地の美しさに感嘆
やはり何処かに彼達が隠れている気がする、それ程幻想的な美しさですね
パラドクスの青スライムを呼び、遊ばせて見ましょう
釣られて銀スラ達が出てきてくれれば良いのに…
と、微かに願い
アンデレ様の言葉に頷き
「あの時は、一緒に戦って下さって有難うございます
私にも、忘れられぬ思い出です」
とりあえず、境界まで散策してみましょうか
やはり、海? それとも霧か
アンデレ様の凱歌に心が励まされます
シャムスや百の音楽に乗せ
銀スラ達を想い、一緒に凱歌を歌いましょう
今は会えなくとも、きっとまた会える
そんな気がしますよ
一・百
【賽】
※アドリブなど歓迎
俺がこの場所とスライムに関わった縁は少ないけど…
大切な人や知人が行くというなら、せめて側に…
綺麗な場所だけど誰も居ない
そして何もいない…
水中…温泉の中も?深いのかな滑らないように気を付けて…
仲間の調査を手伝う
シャムスの語る話に耳を傾け側に
聞いてあげることしかできないけど…
これが奪還するっていうことなんだな
必要があれば肩を貸し受け止めよう
きっと…歴史が違っても
何もないとこから命は生まれないと俺は思う…
だから、この場所のどこかに違う姿となっても
居るんじゃないかな…?
琵琶を奏でるシャムスとみんなの歌に合わせ
カワラを吹こう
うん
きっと会えると信じていよう
そして歌が届きますように
シャムス・ライラ
【賽】
今も昨日の事のように思い出す
仲間と手分けして周囲を探索
地形の利用、情報収集
何か変わったところは見受けられないだろうか?
念のため水着持参
水中も含め、できる範囲で探してみよう
「はい、何か見つかると良いですね」
百に思い出話を
スライムさん達は汚染を浄化してくれていてね
食べ過ぎて真っ黒になっても食べていた
とても優しい生き物なんだよ
音楽も好きだった
以前もここでこうして琵琶を弾いたら
跳ねたり、光ったり…可愛らしかった
少しだけ肩に寄りかかって
プターハやアンデレ殿が凱歌を歌うならそれに合わせて今日も琵琶を弾こう
…ちょっと感傷的になりすぎたかな
でも、いつかまた会えると私も信じていたいから
アドリブ等歓迎
●Re:MEMORY
緑の丘に包まれて、白濁した温泉の滝が湯気と飛沫をあげながら流れている。
その流れはダンジョンに広がっていた温泉と同じ硫黄のにおいを漂わせ、同じように渦巻き流れていく。
「美しいですね」
ダンジョンであった時は、コロニーで何度か不思議な光景を目にしていたが、ここにはそれとは違う、自然の作り出した美しさがあった。
プターハ・カデューシアス(エジプトの龍人・g03560)は感嘆の声を上げ、広がる石灰棚の天然温泉の流れを見つめ、目を細めた。
「綺麗な場所だけど、誰も居ない。そして何もいない……」
奪還されたこの地は無人だったという言葉を思い出しながら、一・百(気まぐれな狐・g04201)は滝のように流れていく光景から周囲へと視線を移す。
周囲は木々が囲み、向こうには丘があるらしい。
小さな生き物であれば、身を隠せそうな場所は多い。
「やはり何処かに彼達が隠れている気がする、それ程幻想的な美しさですね」
「そうだね。プターハちゃんは探しにいくのかな?」
変わらない明るい笑顔を見せるア・ンデレ(すごいぞアンデレちゃん・g01601)も、その胸中は沈んでいる。
(「友達になるはずだった、スライムのために、戦った。結局、スライムは、いなくなってしまったけど」)
改竄歴史の中で、出会った誰かや何かと心を通じ合わせることも、きっと出来ると信じたい。
これから出会う新しい友達、そして過ぎ去っていった友達とも。
少なくとも、ダンジョンで過ごし共に過ごした時間は、偽りではない。
「今も、昨日の事のように思い出します」
面影の残る光景に、シャムス・ライラ(極夜・g04075)は軽く目を伏せた。
流れの中に、草むらの影に、今にもひょっこりと顔を出しそうだと思うくらい、彼らの存在は胸に残っている。
「とりあえず、境界まで散策してみましょうか。やはり、海?」
それともとプターハは言葉をのみ、視線を流れではなくその向こう側へと。
「なにか、みつかるといいね」
「はい、何か見つかると良いですね」
先だってスライム達との思い出を胸に、歩き出すプターハにアンデレが並んで歩き。
「何か変わったところがないか、手分けして水中も含め出来る範囲で探してみましょう」
必要があれば水中も含め探そうと、水着を持ってきたとシャムスが言えば、百が手を差し出す。
「水中……温泉の中も? 滑らないように気を付けて……」
いつもは助けてもらうことが多かったけど、今日は違う。
(「俺がこの場所とスライムに関わった縁は少ないけど……大切な人や知人が行くというなら、せめて側に……」)
その差し出された手に、思わずシャムスも顔を綻ばせ、彼らも面影を探すように、サトゥルニアの地へ散っていった。
暖かい温泉の空気を和らげるよう、穏やかな涼風が通り抜けていく。
その風に揺られ、サワサワと背の高い草が揺れれば、ハッとしたようにリオーネ・クア(ひつじの悪魔・g01176)は振り返り。
隣を歩くメーラーデーモン『ロッソ』が、どうしたのと言いたげに、リオーネの視線を追うように見上げた。
「何でもないよ。今、この場所が、どういう場所かを知るために歩こうと思ったのに……」
思い出すのは、スライムさんのことばかりだ。
今もここに居たなら、きっと楽しそうに棚田の滝を弾んで、温泉の流れにのって遊んでいるのだろう。
「もう少し、丘の方へも行ってみようか?」
そうロッソに声をかけ歩き始めれば、川岸の岩にちょこんと腰掛け、スケッチブックに筆をはしらせている珠萌の姿が目に入った。
青い裾が印象的なワンピースにカーディガンを羽織、ヘッドホンを付けながら真剣な表情である。
後で声をかけてみようかなどと、思いながらロッソと一緒に川から離れていった。
塗り重ねる色は、白と灰と、透明な色に彩が色付くように。
巨大な滝は無い。
でも代わりに、幾つもの滝が寄り添うように連なって、コポコポと懐かしそうに気泡の渦をたてながら。
思い出を重ねて、そこに記録していくように。
冬の日差しに川面は煌めき、流れていく。
(「地中海って日差しが強いイメージあるけど……それは夏だっけか?」)
念の為、日除けの帽子を用意してきた御守・樹(諦念の珪化木・g05753)は、どことなく歩いていた。
硫黄の香りと、湯気の白と空を漂う雲。
ダンジョンと大きく違うのは、本物の空があることだろうか。
見上げた日差しは、寒さを感じさせない程眩しくて。熱波や冷気の支配者を自由に使えるこの地では、考えすぎかもしれないが、少し悲しく見えた。
「さて、どのあたりまで行けるのか……」
広がる緑を踏みしめて、更にいくつもの緑色を重ねて。
あの日、広がった美しい草原の光景を思い揺らすように。
「まあ、半ば観光って事だね」
サトゥルニア温泉ダンジョンには何度訪れただろうかと、鳩目・サンダー(ハッカーインターナショナル同人絵描き・g05441)は思い返しながら訪れた。
「……そうか、スライムちゃん達は……。そうか」
言葉にできない想いが胸をしめ、最終層には駆け付けられなかったが、その場に居れば自分ならどうしただろうか。
「よし、川を泳いで楽しもう。温泉で遠慮なく泳げるなんて今後無いかもしれないしな」
アドバイス通り、水着とサンダル姿でサンダーは温泉の川へと身体を揺蕩わせる。
流れに合わせ下流へと向かえば、温泉はぬるく過ごしやすい。
川の流れは決して急というわけではないが、ディアボロスとして身体能力があがった今であれば、流れに逆らい漂うこともできる。
温泉を楽しみながら、川底に足をおろせば、溜まっている泥だろう。確かにぬるっとした感触が伝わってくる。
広く川が開けた場所へ出れば、体を動かすのが楽しいんだと、背を流れに浮かべ流れていく雲を見上げる。
あの雲は、境界までいったらどこへ行くのだろうか。
この流れは、海へ流れ込んだらどこへ行くのだろうか。
青い筋を幾つも重ね、幾つもの流れを作り出し。
上の棚から、下の棚へと。階層を降りていくように落ちていく。
「あの時に入った温泉とは違う、だけど、どことなくあの時の温泉と同じ空気が、しますね」
比較的穏やかで暖かい棚田温泉の一つに浸りながら、月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)は、滝と流れで遊ぶモーラット・コミュ『コダマ』を眺め、スライム達と遊んだ時間を思い出していた。
そういえば、まともな温泉にも何度か浸かったが、最後は灼熱だった。
「……ああ、いい湯だな。後の事を何も考えずにゆっくり温泉に入れるってのはいいもんだ。俺たちの知ってる温泉と言ったら、大やけどどころじゃ済まないようなアレなのばっかりだったしな……」
思い返す飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)の口元から、苦笑が零れる。
本来は穏やかなサトゥルニア温泉だが、ダンジョンでは溶岩の影響で地獄のような状態が多かったのだから。
勿論、温泉に入る機会は何度かあったが、こうして入浴フルセットを持ち込んで過ごすなんて機会はあまりなかったのだ。
人の姿は愚か、動物の姿もあまり見かけられない。
「そっか……やっぱり『彼ら』の姿はないか。わかってたことだけどな」
こうして楽しそうにしているコダマの隣に、今でも飛び出してきそうだと思ってしまう。
「なあ小雪? 覚えてるか全部?」
「覚えて、ます。いっぱい、遊んだの、です」
ダンジョンでは無くなっても、そこに居るそんな気がしてしまう程、懐かしさが溢れていた。
真っ直ぐに突き進むプターハとアンデレは、やがて崖のように途切れ海になっている場所へと辿り着いた。
やはり話に聞いていた通り、この地もラキ火山と同じ飛び地。
「これ以上は、行けないようですね。気になりますが戻りましょうか?」
「あのダンジョンでたたかったのは、いっしゅんのじかんだったけど、アンデレちゃんにとって、だいじなおもいでのひとつになったよ」
「あの時は、一緒に戦って下さって有難うございます。私にも、忘れられぬ思い出です」
海に背を向けたプターハにアンデレは、懐かしむように言うと足を止め彼も微笑み返す。
何か出来ることは無いか、一緒に悩んでぶつかっていったあの時間も忘れられない時だ。
友達は過ごした時間が全てではないのだ。こうして思い出として刻まれれば、誰かの心に残れば、それはとても強い絆と言えよう。
風に乗って聞こえてきたそんな彼らの会話に、樹はそっと背を向け更に別の場所へと歩き出した。
大地と歴史を取り戻したことは、素直に嬉しい。だが引っ掛かるような気持ちがあるのも本当だ。
(「奪い返すって、そういう事だって分かってても、実際経験するとそう簡単に割り切れるもんじゃないんだな」)
居なくなった存在が居る。
彼らが歴史を奪った者であったなら良かったのだろうか。それとも、敵対心の強い生き物であれば良かったのだろうか。
何であれ、そのままこの結果を受け取れない気持ちがあるのは確かだ。
「……ゲームみたいにはいかないもんだ」
川に戻ったら温泉に入ろう。そう、この地の空気を感じながら樹は一人歩いていく。
「……だったら、最初から持たなければ楽なんじゃないかって考えてしまうよ」
でも、会ってしまった。
過ごしてしまったから、今は思い出の中に。
きっと彼らは、今日も楽しく過ごしているはずだと信じて。
パチリと驚いて顔をあげた藍の瞳同志が、見つめ合う。二人の珠萌がそこに居た。
「驚いたのです。ボクなのです」
「何、描いてんだ?」
ふわっと軽くこつんとオデコを弾いて消えていった方が、サンダーが描きリアライズペイントで実体化させた珠萌である。
愛嬌ある攻撃に、額を抑え流れに逆らいながら泳いできたサンダーに珠萌は微笑む。
「思い出なのです。皆さんと過ごした場所を、いっぱい描いて残すのです」
パラパラと捲って見せるスケッチブックは既に沢山の絵に溢れている。
「サンダーさんも、いっぱい絵を描いているのです。さっきのボクなんて、良く似てたのです」
でもあそこまで絶壁じゃないはずとか、何やら小さく首を傾げていたが。
「サトゥルニアのご案内、今まで本当にありがとう」
「まだまだ、いっぱい案内するのです。ボクたちは、全部取り戻すのですから」
そう頼もしくサンダーに答え、珠萌が立ち上がると、ちょうど散策を終え戻ってきたリオーネと鉢合わせた。
表情から察するに、『何も』無かったのだろう。
「珠萌さんも、少し歩いてみるかな?」
ロッソも楽しそうだしと付け加えれば、珠萌は愛らしい彼の相棒を見下ろし、思いついたように魔法の絵筆を振るう。
宙に描いて実体化させたのは、蒼い炎の針を背負った焔針鼠のフォティア。現れるなり、怯えるように珠萌の髪の合間に隠れドキドキと辺りを見回す。
「楽しく、お話しするのです」
全ての案内をして報告書を読んでいる珠萌となら、スライムとの思い出話も尽きることはないだろう。
温泉の川を遡るようゆっくりと、珠萌を伴いリオーネは少し陽の傾き始めたサトゥルニアを、再び散策しはじめた。
奪還した地は、奪われた時の姿で返ってくる。
その場に居なかったものは戻ってこない。改竄歴史の中で生まれたものは、戻ってこない。
「これが、奪還するっていうことなんだな」
温泉の中も一通り捜索した後なのだろう、クリーニングで水気を払った百の髪はまだ湿っており、それはシャムスも同じであった。
話に聞いているのと、実際に目にするのは違う。確かめずにはいられなかったのだ。
上流のゴレッロの滝は勢いが良く、それこそスライダーのように流れ落ちている。
その中も探したとすれば、かなり大変だったのではないだろうか。水中適応や水上歩行も大活躍だったに違いない。
彼らが居るのは、その少し手前の草が高く生い茂り周囲から隠されたゆるやかな一帯、その開けた川岸だ。
目の前の茂みも、温泉の流れも、やはりどこかダンジョンに似ていて、今にも『彼ら』が現れそうだと思えてならない。
「スライムさん達は汚染を浄化してくれていてね。食べ過ぎて真っ黒になっても食べていた、とても優しい生き物なんだよ」
スライムとの交流が少なかった百に、語るシャムスの言葉は優しく懐かしさに染まる。
(「聞いてあげることしかできないけど……」)
こんな時だからこそ側に居たいと願ってついてきたのだが。
そっと百の頬に微かに銀糸の髪が触れ、少し寄りかかるよう肩に重みが掛かった。
来てよかったと、その重みを感じながら、百はシャムスの話に静かに耳を傾ける。
「音楽も好きだった」
願うように弾いた琵琶の一音が、辺りに響く。
「以前も、ここでこうして琵琶を弾いたら、跳ねたり、光ったり……可愛らしかった」
それ以上は言葉にせず、想いは琵琶の音色に。
「きっと歴史が違っても、何もないとこから命は生まれないと俺は思う……だから、この場所のどこかに違う姿となっても、居るんじゃないかな……?」
百もそれ以上は言葉にせず、エジプトの葦笛であるカワラを取りだし、シャムスの奏でる音色に合わせ、優しく音を響かせ始める。
楽しかった時間を懐かしむように。
いつかを願うように。
温泉地に響く音色に、戻ってきたアンデレは思い立ったように凱歌を歌い出す。
他の場所であれば、止まっていた時を動かす優しく力強い歌だ。
(「スライムがこれで帰還してくれるなんて、高望みはしないけど」)
願いを歌に。凱歌を……。
「アンデレ様、心が励まされます」
どうだろうかと試すように、プターハは『数の暴力・青』を発動し、異次元の扉を開いた。
大量の青いスライムが召喚され、温泉に溢れる。
その姿は懐かしさに溢れているが、役目を追えれば連なり消えていき。
「釣られて、銀スラ達が出てきてくれれば良いのに……」
「そうだね。いなくなってしまった、友達の、スライムに、届くといいな」
シャムスや百の奏でる音も、いつの間にか凱歌に変わっており。彼らも歌が届くようにと、願っているのだろう。
プターハも届くことを願って、消えてしまった『彼ら』を想い歌う。
「い、今ならスライムさん達を呼べるような気が、してきました! スライムさん達もボク達と会いたいって思ってくれているなら……」
力を貸してください、会いたいと願い、『コダマ・スライム・カーニバル』で小雪が呼び出したスライム達が元気に温泉を泳いで、音楽と歌に合わせコダマと跳ねながら来た場所へと戻っていく。
その姿は、ダンジョンで見た彼らと同じ。
川下から響いてくる凱歌に、珠萌と思い出話をしていたリオーネは足を止め振り返った。
心なしか胸が熱く感じるのは、皆のそれぞれの思いを感じたからかもしれない。
――『ミンナ、トモダチ。アリガトウ』
最後にスライムが残した言葉は、ずっとここにある。そして、きっと魂も。
問いかけるように珠萌を振り返れば、彼女はフォティアを抱え微笑む。
「ボクに出来ることは、そんなに無いのです。でも、やってみたいと願うならやった方がいいと思うのです」
出来うる限り見届ける。その結果が望むものじゃなくても、何も起こらなかったとしてもと。
(「銀スライムさんの想いをずっと抱いて生きている。だから――どうか、届いて」)
戻ってきたのは本当に一部の飛び地だけ。手分けして歩いたことで、見落としは恐らくないはず。
その中に、時の止まっている場所は見当たらなかった。だけど、試してみたい。
聞こえてくる他の凱歌に合わせ、リオーネも歌い始める。
届いてと願って、暖かな思いがリオーネの胸から歌声となって温泉地に響いていく。
巨大な滝壺が、次の階層に繋がっていたり。
オレンジまみれになったり、大きな身体に乗せて貰ったり。
花が咲いて、緑が溢れ。
時には、仲間同士で喧嘩をしたり。
沢山の星空を一緒に見上げ、音楽を楽しんだり。
思い出は、ずっと残っている。
凱歌を歌い終えれば、暮れかけた温泉地に静寂が戻ってくる。
滝の音と川の流れが、やけに大きく響いてる気がする。
気落ちしない。そう決めていたから、リオーネは軽く息をつき珠萌を振り返った。
「今じゃなかっただけかもしれないよね」
でも、皆の歌は温かかった。
その時だ。一際強い風に乗って、甘い独特な香りが更に川上の方から吹き込む。
覚えのある香りに、覚えのあった数人が顔を上げた。
匂いに誘われるように、川上へ滝のもっと上へと皆が集まって。
そこには夕日を受けながら、堂々と満開の花を咲かせる季節外れのアーモンドの樹が一本、温泉を見守るように佇んでいた。
桜にも良く似たその花は、かつてダンジョンにも咲いていたもの。どこかからダンジョンに紛れこみ、あの地の力で沢山花開いていた花。
ヒラヒラと舞い散る花弁に、プターハや小雪が呼び出したパラドクスのスライム達が嬉しそうに、花びらを捕食し跳ねまわる。
まるで、その花びらに何かが籠められていると思っているかのように。
もしかすると――。
出かかった言葉を飲み込み、それぞれがアーモンドの花を見上げた。
それは思い出を鮮やかにするように、励ますように美しく。
「『彼ら』の居た痕跡が世界から消え去ったとしても、俺たちはまだ覚えてる。俺達だけが、覚えていてやれる。なら、またきっと会える。そんな気がしないか」
「呼び出せたのが、あの時のスライムさん達なのかは、分かりません。けど、きっとどこかの時代で元気に暮らしていてくれると、信じてます」
遊里の言葉に、力強く小雪が答えた。
もしかすると、こうしている今も、どこかが繋がっているのかもしれない。
「……ちょっと感傷的になりすぎたかな。でも、いつかまた会えると私も信じていたいから」
「うん、きっと会えると信じていよう」
珍しく多くを語ったシャムスに、百も微笑み返し花を見上げる。
「今は会えなくとも、きっとまた会える。そんな気がしますよ」
「もし『彼ら』が、消えることを望んでなければ……まあ、考えてもしょうがない事だろうけどな。……でもまあ、希望ぐらいはな」
プターハの言葉に遊里も頷き返し、暫く彼らはアーモンドの花を見上げていた。
風に舞う花弁は、まるで遊んでいるようで、ヒラリヒラリと夕焼け空の中を舞って、一同に降り注ぐ。
アーモンドの花言葉は『希望』……。
どこかで、その希望が花開くことを願って。
一同は、ゆっくりとした時を過ごし、やがて迎えに来たパラドクストレインで帰っていくのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【水中適応】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
【未来予測】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【ラストリベンジ】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!
【反撃アップ】LV2が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!