アークデーモン大同盟の胎動

 水着嫉妬団を利用して時間を稼いだ豊島区のアークデーモン達は、近隣の区のアークデーモン勢力を糾合し、アークデーモンによる大同盟を結成したようです。

 絶対的な統率者である断片の王が不在である為、大同盟と言いながらも、結束は緩く互いに信頼関係などはありませんが、数は力ですので、ゆくゆくは脅威になるかもしれません。
 現在は、対ディアボロスの最前線となる豊島区に、各区からの増援のアークデーモンが集結しているようです。
 集結したアークデーモンは、豊島区の区民を襲撃して『畏怖』を奪うなど好き勝手な行動をしていますが、豊島区のアークデーモンはそれを黙認し、ディアボロスへの対策を推し進めています。

 襲撃されている豊島区の一般人を救出しつつ、結成されたアークデーモン大同盟の戦力を削るべく、敵の撃破を行ってください。

オトメ大同盟ロード(作者 大丁
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#TOKYOエゼキエル戦争  #アークデーモン大同盟の胎動  #豊島区 


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 春日通りの先にある。
 豊島区アークデーモンの拠点、サンシャインシティの西側だ。『本屋』と『雑貨屋』、『喫茶店』の連なる路地がある。
 各ショップは、雑居ビルだったところに次々と入居したため、外からではTOKYOのほかの街並みと変わりがないまま、中身は客層が大きく偏ることとなった。
 女性が多い。男性やカップルもいないではないが、圧倒的に女性が多い。
 そして、従業員も女性がほとんどだが、『喫茶店』で給仕をしているのは男子で、『本屋』と『雑貨屋』でも、各フロアにひとりは男子をおいていた。
 襲撃してきたアークデーモンは、その男子狙いだったのである。
「俺のモノになれよ」
 悪魔の角と羽を生やし、スーツ姿にノーネクタイの美形が、同性の店員を魅了し、その場でご無体な行為におよぶ。
 女性の客や店員は悲鳴をあげた。
「きゃああ! リアルはだめぇぇぇ!」
「ホンモノは見たくないー!」
「掛け算がぁ、掛け算がぁ」
 襲われるほうと、それを目の当たりにされるほう。どちらの一般人も『畏怖』のエネルギーを放出させる。これを仕組んだアヴァタール級は、ビルの向かい側、サンシャインシティのイベントスペースに続く長い階段に腰かけ、眺めていた。
「財宝ばっかりの街だ。なにを与え、なにを奪えばいいのか。豊島区が場所を提供してくれるんなら、試させてもらうよ。ふふん」
 姿は少年である。その傍らで、警護するのは、女子校生。
「ねぇ。ディアボロスが男子を助けにきたら、アタイたちもやっつけにいっていいんでしょお?」
 白いアイラインのメイクが派手だ。少年が、いいよ、と許可すれば、ギャルのトループスは湧いた。
「ブクロで暴れまわりたかったんだよねー♪」

 『TOKYOエゼキエル戦争』行きのパラドクストレインが出現した。時先案内人は、車内でディアボロスたちに依頼を行う。
「ごきげんよう。ファビエヌ・ラボー(サキュバスの人形遣い・g03369)ですわ」
 ぬいぐるみ型の人形二体が、今日は糸を外されて、椅子の上でくたっとしていた。かわりに、タブレット端末をつついている。
「事件の状況が、わたくしにも不慣れで、借りてきました。え~と……」
 どちらかというとアナログな手段で説明を行ってきた彼女には珍しいことだ。画面内の原稿を読むようにして、状況が語られる。
「文京区に攻め寄せてきた『水着嫉妬団』は無事に撃退する事に成功し、豊島区攻略の準備が整ったものの、豊島区側も戦いの準備を進めていたようです。豊島区の支配者『複素冥界』イマジネイラは、豊島区と隣接する複数の区に呼びかけ、『アークデーモン大同盟』を結成しました。現在の豊島区には、大同盟に参加した区のクロノヴェーダが援軍として集結し、大きく戦力が増強されているようです。今回の列車は、その大同盟参加アークデーモンが起こす事件のひとつに向かいます。襲われる豊島区の一般人を救出してください……とのことですわ」

 ファビエヌは、端末をひっくり返して、座席のディアボロスたちに画面を見せる。
 映し出されたのは地図で、車道の片側に並ぶビルのすべてに印がついていた。
「これら雑居ビルの各フロアに、トループス級『メフィストフェレスの契約者』が襲撃に来ます。このアークデーモンは男性の姿をしているのですが、その……乱暴を働くのは、一般人の男性店員にばかりなのです」
 サキュバスの案内人は、掲げたタブレットで顔を隠している。
 色白の肌が赤くなっているのが、チラチラ見えるので、どうやら恥ずかしがっているらしい。
「このアークデーモンは、誘惑の能力も持っていますから、皆様もお気をつけください。戦闘がはじまれば、一般人よりもディアボロスへの攻撃を優先してきます。そして、護衛の『デーモンギャル』とアヴァタール級の『財宝を識る者ウァラク』も現れることでしょう」
 誘惑攻撃など、専門みたいな彼女が、これほど反応しているのだ。
 よほどの強敵である、と依頼参加者の何人かは気を引き締める。
「ほかにもう一点あります」
 端末に表示された画像は、体長30cm程度の鼠型トループスである。
 豊島区のジェネラル級アークデーモン『集合嘸』メンゲが、ディアボロスの戦いの様子を監視し、情報を集めるために、戦場の近くに潜ませている、というのだ。
「皆様が到着した時点では、一番端のビルの5階にある『本屋』に集まっていることが判っております」
 そこは、天井に届くほど高い本棚に、薄めの本がぎっちりと収まり、通路が狭くなるほど何本も置かれているらしい。棚から棚へと逃げ回られると、見つけるのは困難だ。
「なにか、工夫をしていただいて、可能ならば排除してください。メンゲに知らせたいことなど、ひとつもありませんから」

 人形を抱いたファビエヌは、発車の見送りをした。
「今回の依頼を通じて、大同盟を瓦解させるようなイイコトを思いついた方は、ぜひ攻略旅団で提案してみてください。いってらっしゃいませ」

 デザインのはいった大窓を背に、革張りのゆったりとしたオフィスチェアに掛けて、『集合嘸』メンゲはパソコンを操作していた。
 机には、鼠型トループスがおり、取り付けられた小型カメラからSDカードを引き抜いて、スロットに入れたところだ。
「同じアークデーモンでも、やり方はずいぶん違うものだな。しかし、ディアボロスに敗北すれば、共通の敵として認識し、勝手な主義主張はおさまるだろう」
 ディスプレイでは、データの吸い出し状況を知らせるバーが伸びている。
「そして、集めた情報により、必ずベクターの仇をとってみせるぞ」
 高級オフィスのフロアは、順番を待つ鼠トループスでうまっている。メンゲはもう一度、画面を凝視した。
「……99%になったきり、進まんな」


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【傀儡】
2
周囲に、ディアボロスのみが操作できる傀儡の糸を出現させる。この糸を操作する事で「効果LV×1体」の通常の生物の体を操ることが出来る。
【水源】
3
周囲に、清らかな川の流れを出現させる。この川からは、10秒間に「効果LVトン」の飲用可能な水をくみ上げる事が出来る。
【飛翔】
3
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【未来予測】
1
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【強運の加護】
1
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【現の夢】
1
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【照明】
2
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【浮遊】
1
周囲が、ディアボロスが浮遊できる世界に変わる。浮遊中は手を繋いだ「効果LV×3体」までの一般人を連れ、空中を歩く程度の速度で移動できる。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【避難勧告】
1
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【友達催眠】
1
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【隔離眼】
1
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【壁歩き】
1
周囲が、ディアボロスが平らな壁や天井を地上と変わらない速度で歩行できる世界に変わる。手をつないだ「効果LV×1人」までの対象にも効果を及ぼせる。
【エイティーン】
1
周囲が、ディアボロスが18歳から「18+効果LV」歳までの、任意の年齢の姿に変身出来る世界に変わる。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【建造物分解】
1
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【使い魔使役】
2
周囲が、ディアボロスが「効果LV×1体」の通常の動物を使い魔にして操れる世界に変わる。使い魔が見聞きした内容を知り、指示を出す事もできる。
【操作会得】
1
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【書物解読】
1
周囲の書物に、執筆者の残留思念が宿り、読むディアボロスに書物の知識を伝えてくれるようになる。効果LVが高くなる程、書物に書かれていない関連知識も得られる。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)が不可能な世界に変わる。
【水中適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。
【防衛ライン】
1
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。

効果2

【能力値アップ】LV5 / 【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV6 / 【ガードアップ】LV5 / 【フィニッシュ】LV1 / 【反撃アップ】LV1 / 【アクティベイト】LV1 / 【ラストリベンジ】LV2 / 【先行率アップ】LV2 / 【アヴォイド】LV3 / 【ダブル】LV2 / 【ロストエナジー】LV1 / 【グロリアス】LV2

●マスターより

大丁
 オープニングをお読みいただきありがとうございます。
 マスターの大丁です。

 今回は、『TOKYOエゼキエル戦争』にて、『アークデーモン大同盟』に参加する他区の勢力から、豊島区の人々を救うシナリオとなっております。

 トループス級アークデーモンはみっつ。
 『集合嘸』メンゲのはなった鼠トループスは、見つけさえすれば戦闘にならずに処理できる相手。
 一般人の男子を襲う『メフィストフェレスの契約者』と、警備から参戦してくる『デーモンギャル』は、戦って撃破する必要があります。
 ボス敵のアヴァタール級は、『『財宝を識る者』ウァラク』』。

 戦いに、冒険に。そして、ドキドキを。
 みなさまの素晴らしいプレイングをお待ちしております。
60

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


大崎・朔太郎
【安らぎの館】連携・アドリブ可
何故池袋に僕に関わりのある悪魔が連続投入されているんでしょうか?
単に悪魔の同盟計画で多いだけかもですが。

乙女ロードとは呼ばれてますが、
同人誌とかコスプレとかイベントが女性向けが多いっていうだけだった気が。まあ僕等にはハードル高いですよね、確か女装カフェとかもあった気がしますし、その辺はいぶきさんとか楽しめそうですが。とか言いつつ自分も八年前以前の流行のアニメやマンガの同人に思いを馳せたり。

媒介者に関しては【サキュバスミスト】で棚もスキマも関係ない、
更に言うと魔力の乗った風なので本にも影響がほぼ無い攻撃が出来るはず。皆で囲んで追い込みますか。


南雲・葵
【安らぎの館】アドリブ、連携可

ここら辺って乙女ロードって呼ばれてるんでしょ?
趣味趣向は十人十色って言うけど……この本の数だけ乙女の妄想が有るんだね
あ、特に偏見は無いけど、流石に本の中身は確認したくないなぁ…

未成年でも店内には入れるけど…
年齢制限のマークがついてる本は手に取っちゃ駄目だからね?

今回姉貴(オラトリオ)はお休みね
いぶきが演技で鼠を引き付けてる間に【魔影分身術】で分身を作成
情報を聞いて鼠の位置を確認したら「壁歩き」で近付いて分身と挟み撃ち
分身にカメラを覆わせ映像を残さないようにして鼠の駆除


遠原・いぶき
【安らぎの館】
アドリブ、他連携◎

秋葉原と並ぶ聖地だわ
私が知ってるのは執事喫茶ね
結構楽しいらしいわよ

本屋に鼠が集まってるのよね
一応確認よ
私未成年だけど大丈夫?
勿論怪しい本には触らないわ

葵と朔太郎に鼠駆除を任せて
PDを発動しながら一般客の演技
鼠を炙り出すわよ

ねぇ店員さん
ちょーっと私の好みの本探してくれません?
俺様キャラで自己陶酔激しくて…ドSっぽい?
右?左?うーん……右かしら?

演技を続けて周囲を観察
鼠を見つけたら2人に合図
絶対に右よ"右"!
"上"の立場の人間が弱ってる所を見たいわ


私の好み?
あれは敵の事思い出しながら言った出任せよ
嘘を吐くのは得意ですし
あの情報なら敵に伝わっても問題無いでしょう?


 豊島区への潜入ルートを使ったあと、繁華街を通り抜けていく。大崎・朔太郎(若返りサキュバスアイドル・g04652)は、街並みを見ながら疑問を口にした。
「なぜ池袋に、僕と関わりのある悪魔が連続投入されているんでしょうか?」
 時空間を越えた複製にすぎない、といっても心はザワつく。南雲・葵(お気楽姉弟の弟の方。・g03227)は、依頼にからめて推察のひとつで応じた。
「アークデーモン大同盟のせい? ……あ、この角曲がったところからが『乙女ロード』って呼ばれてるんでしょ?」
 どちらの質問にも、頷く朔太郎。
「そうですね。悪魔の計画で、この地でのアークデーモンの数自体が増えてるから、かもです。ええ、乙女ロードとは呼ばれてますが、同人誌とかコスプレとかイベントに、女性向けが多いっていうだけだった気が。まあ僕等にはハードル高いですよね、確か女装カフェなどもあった気がしますし、その辺はいぶきさんの好みそうですが」
「秋葉原と並ぶ聖地だわ。私が知ってるのは執事喫茶ね。結構楽しいらしいわよ……ほら」
 遠原・いぶき(開幕ベルは鳴り響く・g01339)は、ディアボロスたちが件の路地に入ったところで、ビル壁面の看板の並びを指差す。
 『執事喫茶』と確かにある。
 そして、5階の部分に表示されていた。鼠トループス『媒介者』が集まっているという『本屋』の名が。
「一応、確認よ。私、未成年だけど大丈夫?」
「店内には入れるけど……。年齢制限のマークがついてる本は手に取っちゃ駄目だからね?」
 葵の口ぶりでは、まったく知らない場所というわけではないらしい。
「『本屋』というより、同人誌ショップですが」
 朔太郎も、8年より以前に流行したアニメやマンガと、その二次創作に思いを馳せている。
「もちろん、怪しい本には触らないわ」
 いぶき達はビルに入り、狭いエレベーターが昇るあいだに、作戦の確認もした。
 敵に渡したくない情報は、ディアボロスの戦闘方法。特に連携だ。
 スパイネズミの覗きを、そのまたさらに隠れて始末するくらいの動きを要する。
 ドアが開くと、そこが直接、店舗内になっていた。
 『銀幕の記憶は色褪せることなく(カーテン・ライズ)』を使うと、いぶきは店員の男子に話しかける。
「ねぇ。ちょーっと私の好みの本探してくれません?」
 一般人の演技だ。
「めずらしいですね。ボクはお飾りのようなもので、あまり商品についてたずねてくるお客様はいないんですよ」
 パラドクスが効いているから、避けられたりはしない。他の店員が手すきなのを見、上司らしき女性からの頷きももらって、ニコニコと相談を受けてくれる。
 その隙に、葵は、壁歩きを棚に使う。
 通路が狭いので、横倒しになって歩くというより、棚の上のほうに張り付くといった感じだ。手をかけた部分の表示が目についた。
(「『801』か……。1000番くらいまで振ってあるのかな? 図書館みたいだ」)
 端から端まで、棚は埋まっている。
(「趣味趣向は十人十色って言うけど……この本の数だけ乙女の妄想が有るんだね。あ、特に偏見は無いけど、流石に本の中身は確認したくないなぁ……」)
 実際には、ビニールで封じられていて、安堵のため息がでた。
 本は背表紙がないほど薄いため、刺さったインデックスによって内容を判別するらしい。
(「『△系〇〇×■■』……。『人間のバウンサー × オラトリオ』みたいなもの?」)
「俺様キャラで自己陶酔激しくて……ドSっぽい? 右? 左? うーん……『右』かしら?」
「リバースがお好みなんですね。『〇〇×■■』と『■■×〇〇』のお客様は敵同士みたいに振る舞われますから、棚を離れさせているんです。配置がわかりにくくてゴメンナサイ」
 男子店員との会話だけが、店内に響いている。
「絶対に右よ"右"! "上"の立場の人間が弱ってる所を見たいわ」
 いぶきの話す、『左右』や『上下』とは、攻めと受けの表記に由来……ではなく、自分が発見した鼠の位置を、仲間に知らせる符丁であった。
 鼠に記録されたくない、ディアボロスどうしの連携を、客と店員の一般的な会話に偽装したのである。
 指示に合わせて、朔太郎がサキュバスミストを使う。
(「魔力の乗った風なので、本にも影響の無い攻撃が出来るはず。皆で囲んで追い込みますか」)
 姿を隠しながら、桃色から逃げる『媒介者』は、しかし葵が放った『魔影分身術』によって逆に挟み撃ちとなる。
(「今回、姉貴はお休みね」)
 オラトリオを召喚するまでもない。漆黒の分身体が斬撃を繰り出す。
 鼠トループスは、なんの有益な映像も残せぬまま、ディアボロスたちによって駆除されたのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【現の夢】LV1が発生!
【壁歩き】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!

牧島・星奈
【V☆】
なってない!全然なってないよ!
そこ!ただ絡ませればウケると思ってたら大間違いだよ!
攻めと受けはワンセット!
相性も大事なんだからね!

神髄を教え込みながら、本棚を避けてトループス級を狙って【ティンクルスターカッター】で攻撃
乙女の夢を汚す不届き者は許さないんだから!

逆説連鎖戦で誘惑されそうになったら、あたしの好きなアニメキャラたちの姿を思い浮かべて【勇気】をもらい、抵抗する
でもジンライくんが誘惑されそうになったらそっちに注意が逸れる
やっぱりジンライくんは受けだけど、普段の彼を見てると結構容赦ないところあるから鬼畜攻めかも…(じゅるり)
はいそこ、妄想の邪魔!(トループス級に【薙ぎ払い】)


陣・頼人
【V☆】
星奈が壊れた!
何言ってるのかさっぱりわからないよ!

と、とりあえず契約者達を倒せば元に戻るかな?
奴らが集まってきたところを【フェイント】で誘導しながら【罠使い】【トラップ生成】で周囲の本を傷つけない様に足元にスネアトラップを生成してまとめて絡め取り、調子に乗った奴らに竜骸剣の【侵略】をお見舞いして【破壊】する。
残念だけど、僕にその気はないからね。

ところで星奈。
何故こっちを見てるのかな?
何故見てるんですか!?


有栖川宮・永遠
妹の永久(g01120)と参加

そこの不埒な集団、私と奏の故郷の方々に何てことしてくれるんですか。はっきり言って存在自体許せません。即急に消えて貰いましょうか!!(育ちがお嬢様なせいか掛け算とかそういう知識は皆無)


本棚を壊してはいけないので、【観察】【地形の利用】で店の仕組みを理解した上で【光学迷彩】で姿を隠し、存在がバレて反撃される前に【高速詠唱】【全力魔法】で一気にレーザーで【薙ぎ払い】!!

ああ、何か言ってるようですが、聞こえませんね?その不埒な姿と言動ごと冥府へ行きなさい!!


有栖川宮・永久
姉の永遠(g00976)と参加

まあ、どんな変わった趣味を持とうと私とお姉ちゃんの故郷の世界の人達だし、ご無体な事はさせないよ!!(姉と比べていくらか状況を理解してるようだが、基本お嬢様なので知識はない)



何かお姉ちゃんのテンションがおかしいので色んな意味で危機感を覚える。早く終わらせよう。【残像】【撹乱】で敵を撹乱させつつ、【ダッシュ】、容赦なく【強打】【早業】【両断】を併せた勇鼓哨戒で斬り払う。

はっきり言ってこの状態のお姉ちゃんに長く付き合うと酷い目に遭うからね・・・とっとと消えた方が身の為だよ。うん。


奉利・聖
はぁ……やれやれ、色に惑わされるとは
なんとも気が抜ける話ですが、見過ごすわけにもいかないですね
悪魔だろうがなんだろうが…ゴミは消し去るまでのこと
あまり調子に乗るなよ、すぐに清掃されるんだから

なるほど、数を集めて力押しか
ならばこちらもそれに付き合おう…そう、力押しだ
『鉄禍ノ乱』──知覚と防御力を強化しよう
気の網は360度死角無し…視界外の攻撃を捌きながら、時には肉体硬化で受けながらゴリ押しノータイムカウンターをかます
こちらの攻撃は全て急所狙い 当然だ

人数で強くなるのなら、数を減らせばその分弱いということだ
どんどん減らして、殲滅してやりましょう


大崎・朔太郎
【安らぎの館】連携・アドリブ可
一応宿縁ですからね、見過ごしは出来ないんですよ。
そして物は壊しまくるのは流石にお店に悪いとなると…(悩みつつ)

どうせ密着してこようとする奴等です。その触れてくるのを利用して手を取って【恋人演技】っ!悪魔より本職のサキュバスになった僕に誘惑勝負なんて百年早いですよ、上から目線で「無様ですね、まるで撫でられた子猫じゃないですか」とキッチリプライド砕いてやりますか。

知り合いや仲間にこんなの見せにくいから一回抜け出したからまだ何とか…って皆さんいつの間に?あああ…次行きましょうっ!(赤面しつつ)


遠原・いぶき
【安らぎの館】
アドリブ、他連携◎

敵の好みに合わせてっと
俺もこっちの方が楽だしとメイク落として参戦だ

さっきの本屋の店員さんも襲われてそうだし助けてやるか

性別なんてどうでも良いけどさー
俺はお前達の下になるなんてまっぴら御免だ
敵が襲ってきたらハルバードを振り下ろして応戦
ぶん回すと店に迷惑かかりそうだし
万が一店の損害費を請求されたら、事務所の名前を出しておくさ

倒れた奴らの頭を足で踏みつけて
やっぱ見下ろすのが俺らしいや

朔太郎も言ってやれ言ってやれ!
俺様っぽくて自己陶酔感強そうな奴らのプライド、バッキバキに折るのは楽しいんだ
なんて考えながら、【怪力無双】でも反撃
葵とアルラトゥと一緒に朔太郎の勇姿を眺めよう


アルラトゥ・クリム
【安らぎの館】
アドリブ&絡み連携歓迎

でーおーくーれーたー!
私も故郷の欧州でも有名な『日本の薄い本』見てみたかったのに!(

てかまたこのダメケメンか!私は貴方達みたいなタイプが
昔を思い出すからトップクラスに嫌いなんだよ!
まかり間違っても魅了なんてされないから、とっとと消えろ!

召喚した魔力誘導弾群に全力魔法と浄化の力をフルに込め
有無を言わさず全弾叩き込んで一撃一殺の勢いで戦い
誘導弾使用と瞬殺により極力周囲に被害を及ぼさぬ様留意する

おー朔太郎さんも言う言う!
どーせマッチ棒より脆い安直なプライドなんて
粉々に粉砕してやると良いよ!

…もしお店壊しちゃったら、やっぱ損害賠償なのかなあ?
ざ、残留効果で何とか…


南雲・葵
【安らぎの館】アドリブ、連携可

アルラトゥ、薄い本に興味が有ったんだ
無事にショタっ子まで倒せたら買い物付き合おっか?

【避難勧告】を発動して一般人の避難を
周囲に残ってる人が居れば声掛け後に敵を引き付けようかな

ディアボロスになった俺は無敵だぜぇぇっ!
って真似しながら散布した粒子をバールのようなものの摩擦熱で着火
他のパラドクス使って誘惑されるとか勘弁してほしいからね
POW対決…っあ、だ、大丈夫かな?
被害が出たら後で修復するから、今だけ目ぇ瞑って、ね?

朔太郎さんふぁいとー!
どっちが上?かきっちりわからせちゃってよ!


 同人誌ショップの店員男子は、『媒介者』との顛末など知る由もなく、遠原・いぶき(開幕ベルは鳴り響く・g01339)へのおススメを上機嫌でみつくろっている。
(「まるで、わんこみたいだ」)
 店員が棚の下方へとしゃがんでいるあいだにメイクを落とし、いぶきは『客の女子』の役を降りる。
(「いかにも『メフィストフェレスの契約者』に襲われそうな男子だし、助けてやるか。俺もこっちの顔の方が楽だし」)
 宙に描きだすのは、ハルバードの輪郭。
 不用心に腰を突きだしていた店員の背後、覆いかぶさろうとしたスーツ姿のアークデーモンに向かって、実体化した得物の先端を突き入れた。
「性別なんてどうでも良いけどさー。俺はお前達の下になるなんてまっぴら御免だ」
「お客様? ふえっ?!」
 助けられたことも分からない店員男子の背中を、馬飛びの要領で越えると、いぶきはハルバードを振り下ろした。
 その向かう先には、初撃をくらってひっくりかえった『契約者』たちが、棚と棚のせまい間に折り重なって挟まっている。
「『血塗れた呪いは消えることなく(ブラッディ・シューズ)』!」
 斧刃が一撃を与える。
 いぶきは、撃破した奴らの頭を足で踏みつけた。
「やっぱ、見下ろすのが俺らしいや!」
「あ、あのう、お客様、『上』の本が見つかりました、けど……」
「店員さんはフロアの人をつれて避難しよっか。ここは戦場になるから」
 事態を飲み込めていない男子の肩を、南雲・葵(お気楽姉弟の弟の方。・g03227)がたたく。
 店のひとつは救った。大崎・朔太郎(若返りサキュバスアイドル・g04652)は、別行動を提案する。
「執事喫茶がいちばん、働いている男の子が多そうですから、そこに人手を割きましょうか」
 いぶきと葵らは、非常階段で喫茶店へ。朔太郎は、いったんビルを最上階まで昇ってから、被害の検索をしながら降りてくることにする。
「他のビルは? 乙女ロードに並んでるお店の全部が、敵の標的なんだよな?」
 葵の言葉には、いぶきが答える。
「そこが、俺たちディアボロスの『連携』だ。救援機動力もあるし、仲間を信じればいいのさ」
 表の通りでは、奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)が敵を探して小走りになっていた。
「はぁ……やれやれ、色に惑わされるとは。なんとも気が抜ける話ですが、見過ごすわけにもいかないですね」 
 窓から大きなバナーを貼りだしているフロアが目に留まり、ビル脇にあった階段を駆け上がる。
 時先案内には、女性が多い地域とあった。
 男子高校生の聖がひとりで行動していると少なからず目立ったが、緊急時だ。気にはしていられない。
 それはそれとして、有栖川宮姉妹が入り込んだ『書店』は、ことのほか『女性向け』と強調してあり、姉の有栖川宮・永遠(玲瓏のエテルネル・g00976)は怪訝そうに髪をかき上げる。
 紫水晶のイヤリングがかすかに揺れた。
 適当に本棚の一冊を引っ張り出すと表紙を眺め、妹に差し出す。
「永久さん、似たものをお持ちじゃありませんでしたか?」
 受け取った有栖川宮・永久(燦爛のアンフィニ・g01120)は、自前の特製小型ヒーローロボットと並べてみた。これは発明品で、特撮番組に出てくるものに似せてある。
 本のほうは、特撮ではないが、ヒーローには違いなかった。
「私、これ、知ってるよ……」
 ロボともセンスは近く、やはり『TOKYOエゼキエル戦争』ディヴィジョンこそが、姉妹の故郷なのだと思える。
「でも、ウサギがトラに合体……!? いやいやこんな趣味は知らないよお」
 急に顔を赤らめた永久に、永遠はまた小首を傾げた。
 大きなビルの一階は、ゲーム機やソフトのショップであり、陣・頼人(武装騎士ヴィクトレオン・g00838)は、比較的入り易そうだと、牧島・星奈(星光閃姫☆キラメスター・g05403)を誘ったのだった。
「なってない! 全然なってないよ!」
 星奈が、大声で指摘する。
 新作の販促衣装を着ていた店員が、いままさに胸元をゆるめたアークデーモンに抱かれようとしている。
「そこ! ただ絡ませればウケると思ってたら大間違いだよ! 攻めと受けはワンセット! 相性も大事なんだからね!」
「星奈が壊れた! 何言ってるのかさっぱりわからないよ!」
 頼人には思いもよらなかったが、カップリングが食い違っている、と怒っているらしい。
 彼女の衣装も、レオタードタイプのヒロイン衣装、キラメスーツだ。光景じたいが何かのイベントじみているが、客の女性たちも星奈に同調していて、このままだと、畏怖エネルギーを奪われかねない。
「と、とりあえず契約者達を倒せば、星奈も元に戻るかな?」
 販促ブースから、8年前の世界における新作ソフトを手に取る。ちゃんと一般向けにリメイクされた作品だ。
 そして、頼人の所持する最新ゲーム機『ゲームボーズ』には互換があった。
 売り場のコントロールを得るために、両者を接続する。
「でーおーくーれーたー!」
 アルラトゥ・クリム(現代の魔法使い・g05088)が、非常階段を下から来たところで、葵といぶきに出くわした。
「私も故郷の欧州でも有名な『日本の薄い本』見てみたかったのに!」
「アルラトゥ、薄い本に興味があったんだ……」
 葵は、進行中の作戦について手短に伝えたあと、喫茶店に突入する直前に慰める。
「無事にショタっ子まで倒せたら買い物付き合おっか?」
「うん!」
 鼠退治で棚に張り付いたことから、いっぱしの経験者の気分だったのである。
 入店時に、『おかえりなさいませ、お嬢様』とは言われなかった。
 ディアボロスたちが赤い絨毯を走ると、なかでは執事たちが衣装をビリビリに裂かれているところだった。
 スーツ姿のアークデーモンは、やはり数が多い。
「てかまたこのダメイケメンか! 私は貴方達みたいなタイプが昔を思い出すからトップクラスに嫌いなんだよ!」
 アルラトゥは早くも『Distortion Shield』、時空を歪めるほどヒートしている。
「ん? 女性主人公の登場かな。キミも俺達のモノになれよ」
「まかり間違っても魅了なんてされないから、とっとと消えろ!」
 歪めた空間から全力魔法の詰まった弾丸が召喚される。
 ワイズブレードガンの引き金に合わせて誘導し、アルラトゥは半裸の執事たちを避けて、ダメイケメンに全弾を叩きこむ。
 いぶきと共に女性客を避難させた葵は、散布した粒子をバールのようなものの摩擦熱で着火させようとした。
「俺も誘惑されるとか勘弁してほしいからね。パワー対決の粉塵爆発……っあ、だ、大丈夫かな?」
 豪華な調度品が目にはいって、巻き込みをためらう。
 弾丸に倒れなかった『契約者』たちは固まって突進してきた。
「悪魔になった俺達は無敵だぜぇぇっ!」
「なら、ディアボロスになった俺は超無敵だぜぇぇっ!」
 なんか対抗したい気持ちが湧いて、バールを擦った。
 爆風で、アークデーモンたちは吹っ飛ぶ。執事らはなんとか脱出していた。
「後で修復するから、今だけ目ぇ瞑って、ね?」
 ガシャン、と大きな音をたてて、シャンデリアが床に落ちて砕ける。
 聖が入ったフロアは『雑貨屋』、というよりアニメのグッズショップだった。比較的、普通なところで高校生も安心である。
「悪魔だろうがなんだろうが……ゴミは消し去るまでのこと。あまり調子に乗るなよ、すぐに清掃されるんだから」
 美形キャラクターの顔が、辺り一面に陳列されているような空間である。
 その中においても負けぬ美貌をもった『契約者』たちだったが、金髪に派手なピアスの16歳は、それ以上だ。
 残念ながら、フロア担当の男子は被害を受けたあとだったけれども、命に別状はない。そして、敵中に立つ聖のレベルの高さによって、女性たちの畏怖は癒されていく。
「なるほど、数を集めて力押しか。ならばこちらもそれに付き合おう……そう、力押しだ」
 『鉄禍ノ乱(テッカノラン)』が、聖の知覚と防御力を強化する。
 棚に並んだ同じ顏のごとく、美貌の契約者が周囲から襲いかかってくる。
 気の網は360度死角無し。『超常遮断式【FARBLOS】』は、ギミックリボルバーだ。肉体硬化で受けた相手に、ノータイムカウンターをかます。
「人数で強くなるのなら、数を減らせばその分弱いということだ」
 向かってくる打撃に対して、聖の射撃はすべて急所狙い。殲滅するまでそれを続ける。
 一般人の女性たちがその場に残ってしまって、数が減らないのだけが困りものだった。
 女性向けコーナーの永遠は、アークデーモンの襲撃に即座に対応している。
「そこの不埒な集団、私たちの故郷の方々に何てことしてくれるんですか。はっきり言って存在自体許せません。即急に消えて貰いましょうか!!」
 本棚をまわっていたのは、興味本位ではない。
 店の仕組みを理解した上で、光学迷彩で潜んでいたのだ。
「はっきり言ってこの状態のお姉ちゃんに長く付き合うと酷い目に遭うからね……とっとと消えた方が身の為だよ。うん。」
 姉のテンションのおかしさには、永久も危機感を覚えるほどだ。
(「まあ、どんな変わった趣味を持とうと、ご無体なことはさせないし、早く終わらせたいよ」)
 『ヒーローロボット』が店内を飛び回る。
 その速さに、トループス級は翻弄されている。数を頼りの攻撃が崩されたところを、永久は愛用の『燦爛の剣』を黄金に輝かせ、一足飛びで接近した。
「『勇鼓吶喊(ゆうことっかん)』!」
 スーツ姿の悪魔は両断される。
「『ペネトレイト・レーザー』!」
 永遠が集積した光は、高い貫通力を持ち、なおかつ一気に薙ぎ払われた。
 メフィストフェレスの契約者たちが、上下半身に分かれて転がる。
 旋回をとめた永遠の耳で、紫水晶のイヤリングがまた、揺れていた。
「乙女の夢を汚す不届き者は許さないんだから!」
 ビル一階のゲームショップで、星奈が光のカッターを投げつけていた。
 販促担当者は、客といっしょに通りへと逃げ出している。
 追おうとするアークデーモンには、頼人が『ゲームボーズ』から音と映像による隙を与えて、コードの束でできたスネアトラップを引っかけさせた。
「このお店は『侵略(インベイデッド・ユア・テリトリー)』の管理下にあるんだ。……もらったよ!」
 竜骸剣をお見舞いし、それを握るデストロイガントレットからの強化によって、悪魔の身体を破壊する。
「僕にその気はないからね」
 頼人も力の勝負にでて、誘惑を受けないように努めていた。にもかかわらず、気になる視線がある。
「ところで星奈。何故こっちを見てるのかな?」
「やっぱりジンライくんは受けだけど、普段の彼を見てると結構容赦ないところあるから鬼畜攻めかも……」
 じゅるり、と口元をならす星奈。
「何故見てるんですか!?」
 悪魔の誘惑が、なんかこじれたのかもしれない。
 すると、着るのに勇気が試されるキラメスーツを見下ろし、星奈は正気を取り戻したようだ。
「あたしの好きなアニメキャラたち……うん、負けてられないよ。『ティンクルスターカッター』!」
 特大の星型を呼び出すと、契約者たちを切り裂いていった。頼人は、冷や汗をかきつつも、店内の最後の一体にトドメを刺す。
「元に戻ったんだね、星奈」
「負けてられない。カップリングを間違えるような悪魔には☆」
「やれやれ、星奈さんまで、よくわからない話をしているんですね」
 聖が通りかかり、一般人女性も手ごわかったとぼやいた。頼人は頭をかく。
 乙女ロードから、男子を襲うアークデーモンを掃討しつつあったが、やむを得ず店舗の破壊も起こってしまっていた。
「物を壊しまくるのは流石にお店に悪い、となると……」
 朔太郎は、映像関係のフロアに来ている。
 検索はこれで最後だ。
「一応宿縁ですからね、見過ごしは出来ないんですよ」
 ジャケットとシャツの前をはだけた悪魔が通路に立っているのを見つけた。
 周囲には、やはり高価な商品がディスプレイされていた。
「どうせ、密着してこようとする奴らです。その触れてくるのを利用して手を取って……」
 はたして、朔太郎の思惑どおりに、美貌の悪魔は抱き着いてきた。
「『恋人演技(ファンサービス)』っ!」
 両手とも指をからませる、恋人つなぎ。
 双方の吐息がかかる距離で、甘い言葉をささやきあう。
「あんた、思ったより華奢なんだな。俺が強く抱いたら壊れちまいそうだ」
「……痛っ」
 朔太郎のパラドクスは、相手を付き合いやすい姿に変えてしまうのだが、この宿敵は抵抗し、変身が起こらない。
「でも、貴方は僕をものにはできません」
 不意の突き離した言葉に、悪魔は表情を曇らせる。一瞬、悲しみに眉根をよせた美貌。朔太郎は畳みかける。
「貴方が、僕のものになるんです」
「あ、あああ」
 悪魔は、腰砕けになったようにずるずると姿勢を低くして、朔太郎の腰のあたりにすがりついた。
 ここぞとばかりに、上から目線で言葉を投げつける。
「無様ですね。まるで撫でられた子猫じゃないですか」
 プライドの砕ける音が聞こえたかのようだ。
 あとは精神エネルギーを吸いとって詰みである。
「悪魔より本職のサキュバスになった僕に誘惑勝負なんて百年早いですよ」
「おー朔太郎さんも言う言う! どーせマッチ棒より脆い安直なプライドなんて粉々に粉砕してやると良いよ!」
 アルラトゥの声が聞こえる。葵のも。
「朔太郎さんふぁいとー! どっちが上? か、きっちりわからせちゃってよ!」
「言ってやれ言ってやれ! 俺様っぽくて自己陶酔感強そうな奴らのプライド、バッキバキに折るのは楽しいんだ」
 いぶきだ。応援しているそぶりで、勝負がついているのを判っている。
「皆さんいつの間に? あああ……次行きましょうっ!」
 知り合いや仲間に見せにくい技を使い、しかも単独行動になったつもりが合流されていた。朔太郎は、赤面しつつビルを出る。
 星奈と頼人、聖がいて、ディアボロスのあいだで分担ができていたことが改めてわかる。
「デーモンギャルがきますわ!」
 有栖川宮姉妹が、光学迷彩を解いて姿を現し、警告した。
 通りを挟んで、次なるトループス級アークデーモンの姿が見える。
 避難勧告が効いて、車道を通行するものはない。乙女ロードそのものが、戦場になる。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【操作会得】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【未来予測】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
【傀儡】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV2が発生!
【ガードアップ】がLV3になった!
【アヴォイド】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!

宇佐美・アリス
サンシャインよ
私は帰ってきた!
娘ができるまではレイヤーで、度々近くのイベントに参加していた
基本ノマカプだが、腐の友人もいたので、否定はしない
尚、装備がバニーぽいのは、本人の趣味ではない

他の人と連携を取る様に心掛けるわ
それはともかくガングロなんて古くないもっと昔でしょ?
渋谷に帰りなさいよ
ハロウィンはまだ先よ?
山姥のコスは趣味じゃないし、護衛にも行かせないわよ
適当に煽った上に、兎行進曲の【防衛ライン】で契約者達との合流を邪魔するわよ
[残像]に【壁歩き】で上下移動も使って、相手を撹乱しつつ、攻撃よ


曹・梨花
避難は済んだかなー?
後はギャルっぽい何かだけだねー?
悪魔より小悪魔、ギャルよりアイドル。
もうリカリンの勝ちって決まってるからー、さっさと退場願おっかなー?

ギャル達の前に立ってドローンから音楽や光を流し突然ライブを始めて相手を油断させます。

「今日はリカリンの乙女ロードゲリラライブに来てくれてありがとー?」

相手が油断するかこちらに攻撃するのを見計らって《イマジナリキャノン》で正しき歴史と共に消えたリカリンのファン(という名の砲兵)を召喚して敵を一斉砲撃させて殲滅します。

「これだけ数のファンを見せればちょっとは格の違いがわかってくれたかなー?じゃあ、群れるしか能がない連中はさっさと逝っちまえよ?」


遠原・いぶき
【安らぎの館】
アドリブ、他連携◎

ギャル!?黒っ!!
あれって焼いてんだっけ塗ってんだっけ
目の前で見るのは初めてだが…可愛い…?うーん…そういう時代もあったんだよ…な、朔太郎

さて、葵の力と合わせて敵のメイクを落とそう
びしょ濡れになりたくなかったら俺からの合図聞き逃すなよ
【光学迷彩】と【壁歩き】を使って敵の背後へ回り込んだらPD発動

次の役はセイレーン
ったく…今日の役回りは忙しいわね
竪琴を奏で合図をして
空に向かって大きな水流を射ち出して
滝のような雨を敵へと浴びせるわ
炎上の鎮火もするわね

戦衣装のガングロメイク
私が綺麗に洗い流してあげる
アルラトゥや朔太郎の射撃に合わせ、こちらも水の矢を射って援護するわ


南雲・葵
【安らぎの館】アドリブ、連携可

わー、知ってる!
山姥ギャルってヤツでしょ!
平成中期に生息してた希少種
ルーズソックス止めるのにソックタッチって糊使うって聞いた事ある
絶滅したと思ってたけど、刻逆のお蔭で見られてラッキー

敵の炎上攻撃に対して豪雨で対抗
ついでにそのメイクも落ちればアッチにもダメージ入るっしょ?

そんなメイクするより、女子高生はスッピンの方が絶対可愛いと思うんだよね
…って、敵に言ってもしょうがないか
姉貴が興味持って真似しない様に、ココでキッチリ倒させて貰うよ!


アルラトゥ・クリム
【安らぎの館】
アドリブ&絡み他との連携歓迎

ゑ、アレが『日本のギャル』?あれ?あんなだっけ?
てかアレが可愛いの!?アレ可愛いの!?
山姥?何ソレ妖怪じゃん!意味分かんないよ!

とりあえず、アレにされたら堪った物じゃなので
まず近寄らせないのが第一義
いぶきさんの合図で『豪雨』を避けたら
敵の挙動を子細観察して情報収集を行い
敵の標的や速度、行動線を看破
銃形態のブレードガンに充填圧縮して
更に全力魔法を込めた魔力弾を叩き込んで撃破していく
万一隣接されかけたり、他の人達がメイクされかけたら
射撃モードを光条に変更し、疑似的な光の鞭で敵を撃ち払う

仮にも女子を名乗るなら、メイクと仮装の違いは理解しろ!
フィナーレだ!


大崎・朔太郎
【安らぎの館】アドリブ・連携可

あー、恥ずかしさで死に掛けました。
次はガングロギャルですか…この黒さに懐かしさを覚えるのは僕だけでしょうか?三人のリアクションが新鮮ですし、可愛いかと聞かれると…多分自分のしたい格好をするって意思表示に近いかもですね。

地味では無いと思う【オンステージ】を身に纏って一応の防護にして【ルアーダンス】で行きますか、クリムさんの攻撃を抜けて敵が寄って来てメイクを仕掛ける前に踊りながらの【源氏蛍】の蹴りや【掌中の希望】の射撃で全方位攻撃。遠近両方で防いでいきましょう。

なんせ老若男女問わずギャルですからね、
躱さないとおじさん若返りアイドルギャルって前置き過多になっちゃうので。


有栖川宮・永遠
妹の永久(g01120)と参加

私と永久は育った環境の関係から、目の前の皆さんについては知識がないのですが、お顔をそんなに黒くしなくても十分お綺麗かと思いますが。後、足元の靴下。歩き難くないですか?


スマホは流石に持ってるのですが、何か敵を【戦闘知識】【観察】で動きを見てみるとスマホの操作から嫌な予感を感じるので、先手を打って【高速詠唱】【全力魔法】でアイスエイジブリザードで一気に薙ぎ払い。何か意味わからない事喋ってうるさいので【連続魔法】で【精神攻撃】を併せた
アイスエイジブリザードを再び撃って強制的に黙らせましょうか。

活発なのはいい事ですが、もうちょっと慎みを持った方が。まあ、今更ですが。


有栖川宮・永久
姉の永遠(g00976)と参加

私とお姉ちゃんは育ちが育ちだから目の前の派手なお姉さん達は縁がなかったんだけど、女の子の可愛い魅力が台無しだよね。その顔。まるで化け物じゃん。まあ、ペースに巻き込まれたくないからさっさと倒すか。

ええと、お姉さん達が叫んでるのは日本語かな?さっぱりわからないんだけど。とにかく長く聴いていたくないので、【光学迷彩】で姿隠した上で【ダッシュ】、素早く近接して【不意打ち】気味にプラズマラッシュで【薙ぎ払い】!!突撃は気分的に受けたくないので、【残像】【ダンス】で回避。

高校生・・・って私達姉妹と同年代なんだ。こういう人達もいたんだね。業が深い・・・


陣・頼人
【V☆】
逆説連鎖戦は一方的に攻撃する事は出来ない。
パラドクスで攻撃する時は、相手の反撃を覚悟しなければならない。
だからと言って……これはどうなのさ!?

とはいえ、怖気づいていても仕方ない。
僕と星奈とで空中と地上から挟撃する。
【飛翔】で空中を飛び回り【制圧射撃】で敵の注意を惹きつけながら【トラップ生成】【罠使い】で周囲にワイヤーを生成し、敵を拘束する。
その間に星奈とタイミングを合わせて【エイリアルスペリオン】の【速射】を叩き込む。

逆説連鎖戦でメイクを施されそうになったら【フェイント】と【一撃離脱】で素早く逃げる!
男のギャルメイクなんて楽しくないから!


牧島・星奈
【V☆】
ギャルとオタク…
それは反物質の様に互いに相いれない存在!
ここで敵味方として出会ったのもいわば炎のさだめ!
さだめとあらば心を決める!

空中のジンライくんと連携して目の前のギャルをキラキランサーで【薙ぎ払い】、【魔術知識】【氷雪使い】【高速詠唱】で吹雪を起こしてその生足を凍えさせてあげる!
個人的恨みを晴らしたら【アイスエイジブリザード】で一気に凍り付かせる!

ギャルがスマホを取り出したら吹雪で手をかじかませて操作できないようにする


奉利・聖
……やれやれ、随分派手な見た目だな
申し訳ありませんが、好みではないですね
まぁ、何が来ようとも…邪魔をするなら消し去るまで
掃除のお時間です そのメイクも綺麗にしてあげましょう
もっと似合うものを探しなさい

───『鉄禍ノ乱』
そちらが突撃をかますというのなら、付き合いますよ
防御力と探知能力を強化して、前に出る
堅さに任せて攻撃を喰らいながら、クロスカウンターで急所を狙う
次いで二体目、【トラップ生成】で脚を絡めとる罠の空間を生成、動きを止めてこれも急所狙いで潰しに行く

ゴリ押しにはゴリ押しでわからせる
これが戦いの鉄則というものです
さて、次の掃除に向かいましょう
まだまだやるべきことは多いのでね


「サンシャインよ、私は帰ってきた!」
 宇佐美・アリス(兎に非ず・g01948)は、両手をイベントホールに向けて広げた。
「娘ができるまではレイヤーで、度々イベントに参加しておりました」
「じゃあ、アリスさんは、あたしのセンパイだね☆」
 キラメスーツでポーズをとる、牧島・星奈(星光閃姫☆キラメスター・g05403)。傍らには、アームドフォートから飛行装置を引きだす、陣・頼人(武装騎士ヴィクトレオン・g00838)の姿もある。
「基本ノマカプですが、腐の友人もいたので、否定はしませんよ」
 笑う夫人。その肩に抱きつき、アルラトゥ・クリム(現代の魔法使い・g05088)はぴょんと跳ねた。
「日本のコスプレ?! あこがれちゃう! それでアレが……ゑ、アレが『日本のギャル』? あれ? あんなだっけ?」
 他区からのトループス級アークデーモン、『デーモンギャル』たちが、イベントホールから車道までをつなぐ階段を下ってくる。
 アルラトゥはそのさまを、ブレードガンの筒先でつつくように示す。
 有栖川宮・永久(燦爛のアンフィニ・g01120)の得物も愛用の銃器で、十代らしいファンシーな塗装でカスタムされていた。
「あの顔、女の子の可愛い魅力が台無しだよね。まるで化け物じゃん」
「永久、そんな言い方をしては……。お顔をそんなに黒くしなくても十分お綺麗かと思いますが。あと、足元の靴下。歩き難くないのでしょうか?」
 2歳上の姉、有栖川宮・永遠(玲瓏のエテルネル・g00976)の観察に、南雲・葵(お気楽姉弟の弟の方。・g03227)がはしゃいだ声をあげた。
「わー、知ってる! 山姥ギャルってヤツでしょ! ルーズソックス止めるのにソックタッチって糊使うって聞いた事ある!」
 振り回されるバールのようなものをよけながら、アルラトゥは眉根を寄せる。
「山姥? 何ソレ妖怪じゃん!」
「でしたら、永久さんの呼び方も正解だったのでしょうか。あの皆さんについては知識がないのですが」
「私とお姉ちゃんは、このディヴィジョン出身なんだけど、縁がなかったのかな」
 有栖川宮姉妹の言葉には頷きつつ、アルラトゥの疑問は深くなる。
「私もおんなじような境遇だから知らないのかも。てかアレが可愛いの!? アレ可愛いの!? 意味分かんないよ!」
「平成中期に生息してた希少種。絶滅したと思ってたけど、『刻逆』のお蔭で見られてラッキー!」
 葵は、武器も技も準備済みだからか、気楽っぽい。
 遠原・いぶき(開幕ベルは鳴り響く・g01339)は、次のメイクに忙しそうである。
「ギャル!? 黒っ!!」
 チラと顔をあげて、やはり驚く。
「あれって焼いてんだっけ塗ってんだっけ。目の前で見るのは初めてだが……可愛い……? うーん……そういう時代もあったんだよ……な、朔太郎」
「可愛いかと聞かれると。多分、自分のしたい格好をするって意思表示に近いかもですね」
 大崎・朔太郎(若返りサキュバスアイドル・g04652)は、どこか言葉を選んでいるふうだった。いぶきはペンを懐に納める。
「よし。力を合わせて敵のメイクを落としてやろう。びしょ濡れになりたくなかったら俺からの合図聞き逃すなよ」
 また連携案があるようだ。
 葵は、工具の柄で自分の肩をたたいて応えた。永久も姉と別れ、いぶきと連れ立つ。
「まあ、敵のペースに巻き込まれたくないからさっさと倒すか」
「ったく……今日の役回りは忙しいわね」
 永久といぶきは、光学迷彩も使って姿を隠した。
 歩道に残った永遠と葵は、対面の歩道まで来て足を止めたデーモンギャルを警戒し、手元を注視する。
「スマホは流石に持ってるのですか。嫌な予感がしますね」
「あれ、平成中期? そのあたりの細部はクロノヴェーダだから、混ざってるのかな? ええと、確かなんとかってデバイスが」
 ポケベルかピッチと言おうとして、朔太郎は口をつぐむ。
「……あの黒さに懐かしさを覚えるのは僕だけなのでしょうね。クリムさんたちや姉妹のリアクションが新鮮です」
「男子たちの避難は済んだかなー? 残ってるトループスはギャルっぽい何かだけだねー?」
 やや遅れてきた、曹・梨花(サキュバスのデストロイヤー・g07960)が、急いでアンプ付きドローンの調整をやっている。朔太郎は、ビル内での顛末を思い出して、また赤くなった。
「ええ、車道にはみ出してもいいですよ。付近に一般人はいません。……あー、恥ずかしさで死に掛けました」
 照れてばかりもいられない。
 地味とはいいがたい、『オンステージ』衣装を身に纏ったところだ。
 その時、ミニスカートにした制服たちの半数が奇声をあげ、ガードレールをハードルのように飛び越えてきた。
「『┣っヶ¨(キ』!」
「何が来ようとも……。邪魔をするなら消し去るまで」
 奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)は、中央分離帯の柵を蹴破る。
──『鉄禍ノ乱』。
 防御力と探知能力を強化する。
「……やれやれ、みなさんの言う通り、随分派手な見た目だな」
 ギャルのパンチを頬にうけ、クロスカウンターで相手のこめかみを打ちすえた。
「チョベリバ!」
「5110!」
 エクステが抜け、付けまつげもズレたデーモンギャルが、また奇声を発する。その後ろに続いた一体も、なにか鳴いた。
「ええと、お姉さん達が叫んでるのは日本語かな?」
 迷彩を解いた永久が、分離帯のブロックに両膝をついている。
「長く聴いていたくないので、姿隠してました。『プラズマラッシュ』よ!」
 愛用のファンシーカスタム銃から、雷撃を纏わせた弾丸を発射する。二人目、三人目と薙ぐように銃口を傾ける。
「5110!」
 まだ、撃破されなかったギャルたちが、うめきながら聖に蹴りを放ってくる。
「トツゲキ!」
「ああ、突撃をかますと言うのですか。いくらでも付き合いますよ」
 聖は徒手空拳を交わす。
「ファイブ……いち……とお」
「ふぁいとお!」
 知覚力の強化で聞き取れるようになってくる。
「ですが、申し訳ありません。好みではないですね」
「私、さっぱりわからないんだけど。聖さん、言葉が通じるんだ」
 永久は、ダンスのような動きで突撃を避けようとしている。
「気功の一種ですね。……もう、掃除のお時間です。そのメイクも綺麗にしてあげましょう。もっと似合うものを探しなさい」
 殴った手の甲にこびりついたアイラインの白を、聖はズボンの腿部分で拭った。
 突撃の第一陣が、車道のアスファルトに倒れ、残りのトループスもガードレールをまたいできた。その背後、地下駐車場の入り口で、いぶきは迷彩を解く。
「次の役はセイレーン」
 化粧だけでなく、舞台衣装も纏っている。手には竪琴も抱えられていた。
 ビル寄りの立ち木の前には、アリス。
「『兎行進曲(マーチ・ヘア・マーチ)』♪」
 大小様々なウサギやウサギの様なモノが、木のまわりを輪になって踊り出す。
 中央分離帯の柵も越えてきたギャルに、跳ねる動物にまぎれ、白ファー基調のバニースタイルになったアリスが、手刀を打ち込んだ。
 倒れたギャルのバッグから、化粧品が散らばる。
 ダンスの永久に、芝居のいぶき。
 そこへ、ミューズドローンからの大音響で曲が流される。
「今日はリカリンの乙女ロードゲリラライブに来てくれてありがとー!」
 柵より高い位置を陣取り、梨花がアイドル衣装で手を振る。
「悪魔より小悪魔、ギャルよりアイドル。もうリカリンの勝ちって決まってるからー、さっさと退場願おっかなー?」
 挑発すると、デーモンギャルたちはまた突撃してきた。
 ルーズソックスの集団を阻んだのは、人垣となった多くの背中。ファンが、サイリウムライトを梨花に振り返していて、近づけない。
「走らないでー。ロープはまたがないでー」
 係員が、ギャルとファンのあいだを通った。
 ように見えたが、飛行装置ですり抜けた頼人だった。
「なんてね。コスプレさんからギャラリーを遠ざけるのは、星奈で慣れてきたよ」
 仕切りのロープは、さらにワイヤートラップに変わって、トループスを拘束する。
「ギャルとオタク……。それは反物質の様に互いに相いれない存在! ここで敵味方として出会ったのもいわば運命! ならば、心を決める!」
 キラメスーツに、キラキランサーを携えた星奈が、一網打尽にされたアークデーモンを斬る。タイミングを合わせた頼人からは、アームドフォートの速射が叩き込まれた。
「『エイリアルスペリオン』!」
「『ぎゃ|レ〆レ)〈』!」
 ギャルメイクが返ってくる。
 女子高生の伸ばした手という手が、頼人の足やウイングを掴み、集団の真ん中へと引きずり下ろした。
 逆説連鎖戦は一方的に攻撃する事は出来ない。パラドクスで攻撃する時は、相手の反撃を覚悟しなければならない。
「だからと言って……これはどうなのさ!?」
 一瞬で黒くされた顔に化粧、頭にはオモチャのようなアクセが盛り盛り。
「あー! ジンライくん、かわいい☆」
「男のギャルメイクなんて楽しくないから! チョベリバ!」
 超ベリーバッドな発言が、自らの精神ダメージになるパラドクスである。
「頼人くん、ワイヤートラップを借ります!」
 聖が、スマホをいじる集団の動きに反応した。
「『レ£〃勹ノl工wじょぅ』!」
「『ば……クハエんジョウ』!」
 ライブステージにコスプレ、ダンスに演劇、そしてメイクされた頼人の顔が、ピロンピロン撮られている。拡散し、爆破炎上させるつもりだ。
 セイレーンの竪琴が、撮影音を上回ったのは、そのすぐ後のこと。
「葵! みんな! 炎上を鎮火するわね!」
「待ってた、いぶき! 『自然災害(コールドゲーム)』!」
 合図で、ディアボロスたちは、ポジションを変えた。
 いぶきの演目『死への誘い』が、空にむかって大きな水流を撃ち出す。
 滝のような雨となって、乙女ロードに降り注いだ。コールドゲームも豪雨を呼びだし、炎上の火を消してしまう。
「戦衣装のガングロメイク。私が綺麗に洗い流してあげる」
「見られてラッキーでも、姉貴が興味持って真似しない様に、ココでキッチリ倒させて貰うよ!」
 天候は、ごく局地的なものにコントロールされていく。
 スマホからメイク道具に持ち替えた集団が、ビル側のガードレールにまで迫ってきた。頼人がやられたヤツである。
「アレにされたら堪った物じゃない!」
 濡れた石畳を転がりながら、アルラトゥはブレードガンを発砲した。
 数体に命中したが、抜け出たギャルもいる。
 黒と緑をメインの配色にしたシックなオンステージ衣装をひるがえし、朔太郎は『ルアーダンス』を踊る。
「なんせ老若男女問わずギャルですからね。躱さないと『おじさん若返りアイドルギャル』って前置き過多になっちゃうので」
 腕をふると、小型拳銃が掌のなかに滑り込む。
 立ち木の周りでは、アリスとウサギたちが巡っていた。
「ガングロなんて古くない? もっと昔でしょ。渋谷に帰りなさいよ。ハロウィンまではもうちょっとよ?」
 跳ねまわってメイクを拒んだ。
「……あ、渋谷は奪還したんだっけ。それにしても、路上バンドみたいになってきたわね」
 踊りで戦うディアボロスが、4車線と歩道の方々に散らばり、特に梨花は、幻影の兵士にライブステージを囲ませている。
「これだけの数のファンを見せれば、ちょっとは格の違いがわかってくれたかなー? じゃあ、群れるしか能がない連中はさっさと逝っちまえよ?」
 サイリウム爆弾が、いっせいに投じられ、ギャルの身体を吹き飛ばす。
 誘惑の力をのせながら、朔太郎はステップを踏む。
「渋谷……『ホコ天』ですか。それも懐かしいですね」
 きらりと光るシューズ、『源氏蛍』で誘い出されたギャルを蹴りつつ、反対車線の敵を撃った。
「えと、歩行者天国のこと? 日本のオタクの歩行者天国は、秋葉原って聞いたよ?」
 アルラトゥは、全力魔法を込めた魔力弾を充填しているところだ。
 雨の包囲を縮めながら、いぶきが戻ってくる。
「聖地ですからね。アリスさんが言っているのは、渋谷のハロウィン仮装のことでは?」
「渋谷? 仮装? なんのこと?」
 目は、敵の行動線を看破しているアルラトゥの射撃姿勢。葵は、豪雨で敵の視界を制限して手助けする。
「あ、そうか。出身が『現代地球』の人と『TOKYOエゼキエル戦争』の人とでは、こういうところでもギャップがでるのか。これも刻逆のせいだね」
「そっか。……けど、仮にも女子を名乗るなら、メイクと仮装の違いは理解しろ!」
 ブレードガンのトリガーが引かれた。
 『Shooting Strike(シューティング・ストライク)』は、日焼けとは比較にならない光条を照射して、化粧品ごとデーモンギャルを蒸発させた。
 トループス級は、その数をかなり減らしている。
「『レ£〃勹ノl工wじょぅ』……」
 まだ、スマホを使うつもりのようだ。
「何か意味わからない事喋ってうるさいですね。強制的に黙らせましょうか」
 永遠が、高速詠唱をはじめる。
「ブクロなめてたか。アタイたちを倒しても、あのコが……」
 恨みごとは、判る言葉で伝えてきた。
 星奈は、キラキランサーを頭上で回す。
「うん。あたしも生足を凍えさせてあげる!」
 多少、個人的恨みがあったようだ。
 雨で濡らすという、いぶきと葵の攻撃のあとである。
「『アイスエイジ……』」
「『ブリザード』!」
 永遠と星奈が同時にはなった冷気は吹雪になった。
「『レ£〃勹破……炎j……』」
 ギャルの素手は、かじかんで操作できず、歯はガチガチとなる。
「活発なのはいい事ですが、もうちょっと慎みを持った方が。まあ、今更ですが」
 精神にも打撃を与える、永遠。
 武器の回転を止めて、星奈は上をむいた。
「ジンライくーん。元に戻っちゃったんだね☆」
「永久から、『グロリアス』をもらった。ひどい目にあったよ、なんて女子高生だ」
「高校生……って私達姉妹と同年代だったんだ。こういう人達もいたんだね。業が深い……」
 ファンシーカスタムは構えたままの永久だが、最後の一体へのトドメは聖が刺そうとしていた。
 凍えた生脚を絡めとるワイヤートラップ。動きを止めた相手に、急所狙いで潰しに行く
「ゴリ押しにはゴリ押しでわからせる。これが戦いの鉄則というものです」
 『FARBLOS』のショットガンを押し当て、発砲した。
 銃声は、サンシャイン60に反響したかのようだった。
 ディアボロスたちの全員が、イベントホールの方を向いている。クリーナー兼スイーパーはガードレールも蹴破る。
「さて、次の掃除に向かいましょう。まだまだやるべきことは多いのでね」
 階段の上に浮いた銀の球体。
 少年の姿のアークデーモンが乗っていた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
【隔離眼】LV1が発生!
【水源】LV1が発生!
【水中適応】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
【使い魔使役】LV2が発生!
【通信障害】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【照明】がLV2になった!
効果2【ダブル】LV2が発生!
【先行率アップ】がLV2になった!
【命中アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【能力値アップ】がLV4になった!
【グロリアス】LV1が発生!
【アヴォイド】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV4になった!

大崎・朔太郎
【安らぎの館】連携・アドリブ可
二回目ですか…
前この姿になった原因の彼に似ているとか言われて何か嫌だったのでさっさとやっつけましょう。
後ギャルはアレだけじゃないですし、
アレが標準ではないと思います…。

龍に対しては皆と連携して
【壁歩き】や【飛翔】を使う事で的を絞らせないようにしますかね。
それで疲れるのを待ちながら【愛の弾丸】で反撃、
乗り物を篭絡されたらどうなるんでしょうね?
まあトドメは葵君と一緒にキッチリ刺しますけど。

次はしっかりと終わらせたらいいんですが…
その前に皆でパーティーの準備と行きますか。


アルラトゥ・クリム
【安らぎの館】
アドリブ&他との絡み連携歓迎

ウーム。ギャルには特に憧れは無かったけど…
仮装同然のメイクに、謎言語。
日本文化って案外、闇が深いんだね…

また此奴かあ…ホント色んな所にいるね
こき使われ過ぎじゃない?休職願出したら?

存在属性が違うからデモンドラゴンと彼奴の龍は戦えない…だと!?
しゃーない。まずはいぶきさんの狼と一緒に
ブレスで落ちてくる財宝を焼き払え!
私は飛翔して、銃形態ブレードガンで敵の龍を牽制して時間稼ぐよ
後?彼奴をブレスで焼くなり、爪牙で斬り裂くなり
『彼奴に関して』は、好きにさせたげる
朔太郎さんと葵さんの援護にもなるしね
…尤も、それ以外は一切許さないけど

今回はこれで、フィナーレかな?


遠原・いぶき
【安らぎの館】
アドリブ、他連携◎

ギャルは時代と共に進化するものなの
今度皆で日本の文化の勉強でもします?

嫌だったの?それはごめんなさいね
安心なさい
姿は似ていても心はちっとも似ていないわ
さて、再びの邂逅
これは余程お仕置きされたいのね

降ってくる財宝は私に任せて
狼を描いて…あっこら!まだ食べるのは早い!
お前の一息で頭上から降ってくる財宝を吹っ飛ばしてからよ

はいはいお腹が空いたわね
狼を抱えて【飛翔】し
風で財宝を皆に当たらないよう吹き飛ばし続けながら
ウァラクに向かって狼を投げるわ
大きな口を開けてそのまま噛みつきなさい
振り払わせて体力消耗を狙うわ

もしまたウァラクが出てきても叩きのめすだけよ
教育は大事でしょ?


南雲・葵
【安らぎの館】アドリブ、連携可

ギャル凄かったね!
発音できない謎声で襲ってきたし
姉貴はあんな不思議生物にならないでね?

さて最後の仕上げだね。
姉貴、お手伝いおねがいね
よっしゃ、やったりましょー!

使える残留効果はじゃんじゃん使っていくよ
ブレスの炎を【水源】の水や【飛翔、アヴォイド、未来予測】で躱し
龍が球に戻ったタイミングで本体を攻撃
そのタイミングで姉貴(オラトリオ)のオラトリオフラワーで
ウァラクの視界を塞いで貰う

朔太郎さん、またこのチビッ子の分身が出てこない様にコテンパンにしちゃってよ
この先本体が出てこなきゃどーにもならないって思わせるくらいに!


牧島・星奈
【V☆】
綺羅星のような乙女の夢…
あたしたちの大事な宝物、返してもらうよっ!

相手がショタでも容赦しないんだから!
キラッ☆と、やっつけちゃうよー!
ジンライくんと一緒に【飛翔】してそれぞれ別々の軌道で飛び回って狙いを定まらない様にしながら【トラップ生成】で荒縄で縛り上げて動きを止めて、ジンライくんとタイミングを合わせて【インフィニット☆キラメイザー】で攻撃!
降ってくる呪いの財宝は【臨機応変】によけまくるっ!

(※アドリブ大歓迎&NG無しです)


陣・頼人
【V☆】
一つだけ星奈に確認なんだけどさ。
星奈、未成年なのに成人向けに手を出したりはしてないよね?

疑惑はさておき、豊島区奪還に近づくためにアヴァタール級に戦いを挑む。
星奈と連携して【飛翔】で【空中戦】を仕掛け、【フェイント】と【誘導弾】を駆使して【地形の利用】で敵をビルの近くまで誘導し、隙を見て【罠使い】【トラップ生成】で粘着トラップを生成して敵をビルの壁面に貼り付ける。
そして星奈と一緒に【エイリアルスペリオン】の【砲撃】を食らわせる。

逆説連鎖戦ではドラゴン相手に【空中戦】を繰り広げ、【フェイント】【臨機応変】でブレスを掻い潜る。


有栖川宮・永遠
妹の永久(g01120)と参加

ふむ、外見は幼くても、作戦を任された総指揮官、油断は禁物ですね。気を引き締めて挑みましょう。


【飛翔】で空へ。【戦闘知識】【観察】で敵の繰り出す竜の動きを良くする見定め、暴れ様が酷すぎるようなら【風使い】【吹き飛ばし】で体勢崩し、【光使い】で目眩し、【水使い】で押し流しを試みるなど共に戦う仲間を支援。

徹底的な隙を【看破】したら【高速詠唱】【全力魔法】で召雷破を発動、【精神集中】でしっかり狙って確実に当てましょう。

我が故郷も少しずつ奪還されています。道は長くとも、確実に。


有栖川宮・永久
姉の永遠(g00976)と参加

これだけ大掛かりの作戦任されるぐらいだから、外見が子供でも凄く強いよね。うん、油断せずに戦おう。

【飛翔】で空へ。蛇は気分的に受けたくないので、【未来予測】【残像】でなるべく回避する様にして、【ダンス】【撹乱】【ダッシュ】で空中を飛び回って敵の攻撃の的を絞らせない様にするね。


でも蛇は無制限に出せるだろうから、折角【水源】あるんだし、浄化の水流で召喚主ごと流しちゃおう。流石に急流には対処が難しいよね?

まだまだ私達の故郷にはこんな質悪い敵が蔓延ってるか・・少しずつだけど、何とか元の故郷取り戻したいよね。


曹・梨花
ごめんねー?リカリンの未来のファンを奪うようなアークデーモンさんのフェスは残念ながら開かせるわけにはいかないんだよー?
というわけであなたのライブ…この場合は生命って意味だけどー?…はここでアンコール無しで強制終了かな?

誘惑攻撃が厄介だし、誘惑されるのはちょっと嫌かなー?だから、今回は小細工なしでさっさときめさせてもらうよー?
超重量武器の六合大槍を取り出し【飛翔】の効果を利用し相手の誘惑や攻撃をかわしつつ接近します。
飛翔は震脚の応用で空中を空気を蹴って駆けるように飛びます。
相手に接近することが成功したら六合金剛槍からゼロ距離で《関帝青龍破》を繰り出し相手を殲滅します。


奉利・聖
趣味が悪い この一点に尽きるというものですね
人間なんでも自然体が一番いいものなのです
まぁ…別に問答をしても意味は無いんですが
ゴミはさっさと片付けてしまえばいいだけですしね 

それでは、【飛翔】に上を陣取り視界を確保
小賢しい蛇は面倒なので、本体ごと焼きます
魔力充填、魔法式構成、力ある言葉にて励起する──『凶星貫ク雷火』
【未来予測】にて出来るだけ蛇を巻き込めるような位置を割り出し、本体を中心に万雷で以て焼き滅ぼしましょう

灰は灰に…塵は塵に、でしたっけ
どこに還るかは知りませんが、二度と人の世を脅かさぬように
静かに消え去ってくださいね


 配下の『デーモンギャル』が全滅したというのに、ケラケラ笑っている。
 奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)は笑い声の主を睨み、路上を指差す。
「趣味が悪い。この一点に尽きるというものですね。人間なんでも自然体が一番いいものなのです」
「ふふん。いい財宝かどうかを確認するのも、出向いてきた用事のうちさ」
 アヴァタール級アークデーモン『財宝を識る者』ウァラクは、乗っかってる銀の球体ごと、ふわりと浮かび上がった。
 イベントホール前の階段をはるかに飛び越え、乙女ロードの真上、すなわちディアボロスたちに見上げさせる位置をとる。
「まぁ……別に問答をしても意味は無いんですが。ゴミはさっさと片付けてしまえばいいだけですしね」
 聖たちも、全員で飛翔した。
 自前の翼や魔力。ブースターにドローンと、様々な手段を用いたが、クロノヴェーダがこれから起こす、面倒な攻撃を避けるため、という点では一致している。
「毒蛇は好きかい? それとも財宝をあげたらいいかな? もてなしは任せるよ、ドラゴン」
 銀の球から双頭の龍が、長い身体を尻尾まで引きだした。空中でねじくれると、ビルの窓に体当たりし、フロアの中身をぶちまける。
 バラバラと振ってくるアニメグッズの美形男子が、蛇に変化させられていた。
「魔力充填、魔法式構成、力ある言葉にて励起する──『凶星貫ク雷火(マジックボルトアクトフォー)』」
 予測していた聖は、出来るだけ蛇を巻き込めるような位置を割り出し、本体を中心に万雷で以て焼き滅ぼそうとする。
 燃えるグッズと、龍の背の一部への引火を確認した。
 めくれ上がった鱗をめがけ、曹・梨花(サキュバスのデストロイヤー・g07960)は、震脚の応用で空気を蹴って駆け登る。
「ごめんねー? リカリンの未来のファンを奪うようなアークデーモンさんのフェスは残念ながら開かせるわけにはいかないんだよー?」
 六合金剛槍を鋭く突き入れる。
 ゼロ距離、いや鱗の内側のマイナス距離で『関帝青龍破』を撃った。
 貫通した『気』が、これも龍の形をとって腹側から出ていく。
「小細工なしでさっさときめさせてもらうよー?」
「『召雷破』!」
 槍の抜けたあとに、有栖川宮・永遠(玲瓏のエテルネル・g00976)が稲妻を呼び寄せ、落とした。
 仲間たちのつくってくれた隙を見逃さず、全力の祈りでもって確実に当てる。
「穢れしものを押し流せ!! 『浄化の水流(ジョウカノスイリュウ)』!!」
 愛用の銃より、有栖川宮・永久(燦爛のアンフィニ・g01120)は、霊力を込めた水を放つ。
 毒蛇に際限なく変化するなら、急流で少年ごと襲えば、対処は難しいだろうと踏んだ。
 聖なる水は、宙にループを描きながら双頭竜に向かったが、その背に跨るアークデーモンは前後に身体を揺するだけで、流れに巻き込まれない。
 元にもどったグショ濡れのポスター筒だけが、溶けて消えた。
 姉の永遠は、まだ冷静に観察する。
「ふむ、外見は幼くても総指揮官、油断は禁物ですね。永久さん、気を引き締めて挑みましょう」
「これだけ大掛かりの作戦任されるぐらいだから、外見が子供でも凄く強いよね。うん、油断せずに戦おう」
 元はと言えば、この事件は、水着嫉妬団の豊島区侵入から始まっている。
 胸囲の格差を利用して時間を稼いだ豊島区の支配者は、近隣区の勢力を糾合し、アークデーモンによる大同盟を結成した。
 デーモンギャルを配下にしているのも、その派生だったのかもしれない。
「ギャル凄かったね! 発音できない謎声で襲ってきたし。姉貴はあんな不思議生物にならないでね?」
 南雲・葵(お気楽姉弟の弟の方。・g03227)は、連れ添うオラトリオに話しかける。アルラトゥ・クリム(現代の魔法使い・g05088)
も、『DragoRise(ドラゴライズ)』で従わせようと、自身のデモンドラゴンとコンタクトを取っていた。
「ウーム。ギャルには特に憧れは無かったけど……仮装同然のメイクに、謎言語。日本文化って案外、闇が深いんだね……」
「ギャルはアレだけじゃないですし、アレが標準ではないと思います……」
 大崎・朔太郎(若返りサキュバスアイドル・g04652)は、壁歩きでビルに張り付いた。
 双頭龍の狙いを散らす意味もある。
 壁面を叩く尻尾より速く、自前の翼でふたたび飛翔に転じた。そのあいだに、遠原・いぶき(開幕ベルは鳴り響く・g01339)は、演目『三匹の子豚(ビッグ・バッド・ウルフ)』の用意を済ませる。
「ギャルは時代と共に進化するものなの。今度皆で日本の文化の勉強でもします? ……あ」
 ビルからふってくる、薄い本。
「せっかく、店に迷惑かからないように戦ってたのに」
 鼠型トループスや『メフィストフェレスの契約者』を相手にした同人ショップのある階だ。
 『財宝を識る者』ウァラクは、まだ笑っている。
「ふふーん。やっぱりね♪ 財宝ばっかりの街だよ。いくらばらまいても、ちっとも減らないや!」
 一冊を手に取ると、それをポイと投げ捨てた。
 牧島・星奈(星光閃姫☆キラメスター・g05403)の瞳に、くしゃくしゃにされたページが映りこむ。
「綺羅星のような乙女の夢……。あたしたちの大事な宝物、返してもらうよっ!」
「え……? うん、オウッ!」
 陣・頼人(武装騎士ヴィクトレオン・g00838)はワンテンポ出遅れたが、星奈と合わせて飛び回る。
 同じく、薄い本のページがチラっと見えていたけれども、そこから湧いた疑問は、後回しだ。
 ふたりは、別々の軌道に入った。
 二本ある龍の首に、それぞれ追わせるよう誘う。
 背で合流すると、ウァラクに向かって、星奈は荒縄、頼人はトリモチのトラップで仕掛けた。
「ふふん、こんなガラクタで……ギャッ!」
 少年はぐるぐる巻きにされたうえ、貼りついた粘着物質の勢いで、龍の背から吹き飛ばされてしまう。
 ビルのコンクリート壁にくっついたところへ、星奈と頼人は同タイミングでの攻撃を浴びせた。
「ショタでも容赦しないんだから! 『インフィニット☆キラメイザー』!」
「『エイリアルスペリオン』!」
 収束された光条と、実体弾による砲撃。
 粉塵が立ち込めたものの、アヴァタール級はまだ存命のようだ。本や小物にソフトウェアの箱が降り続けている。
「呪われた財宝は、私に任せて」
 いぶきは描き上がった『狼』を抱えて向けた。
「……あっ、こら! まだ食べるのは早い! お前の一息で財宝を吹っ飛ばしてからよ」
「存在属性が違うから彼奴の龍とは戦えない……だと!? しゃーない。まずはいぶきさんの狼と一緒にブレスで財宝を焼き払え!」
 アルラトゥも、実体を与えたデモンドラゴンの扱いに苦慮していた。
 塵のとんだ壁面を透かし見てみると、ウァラクはまだ粘着質から脱出しようとあがいている。もう、笑ってはいなかったが、星奈はつい思ったことを口にする。
「ねえ、ジンライくん。この敵、朔太郎さんに似てない? 額がでるような短めの前髪とか……」
「えっと、そうかな?」
「似てる! 朔太郎を子供にしたような感じ、でしょ?」
 いぶきが、狼を連れてきた。
「二回目ですか……。前にも言われて、その何か嫌でした……」
 額に手をやる朔太郎。
 ただそれだけではない。このアヴァタール級とそうならば、今の姿になった原因の『彼』ともそうなのだ。
 いぶきは、すこし驚いて。
「嫌だったの? それはごめんなさいね。安心なさい。姿は似ていても心はちっとも似ていないわ。……はいはいお腹が空いたわね」
 抱えた狼が、ウァラクに向かおうとバタついている。
「あいつも再びの邂逅。余程お仕置きされたいのよ。大きな口を開けてそのまま噛みついてやりなさい」
 放す、というより、いぶきは狼をぶん投げた。
「此奴かあ……ホント色んな所にいるね。こき使われ過ぎじゃない? 休職願い出したら?」
 アルラトゥは、呪いの財宝を焼いたデモンドラゴンに、ブレスで焼くなり、爪牙で斬り裂くなり、ウァラクを好きにさせる。
「……尤も、それ以外は一切許さないけど」
「さて最後の仕上げだね。姉貴、お手伝いおねがいね。よっしゃ、やったりましょー!」
 葵は、オラトリオの吹いてくれる花吹雪の応援を受けた。
 花びらは、ウァラクの顔にもかかり、視界を塞ぐ。
「うぁあ、ドラゴン、どこにいるの、ドラゴーンッ!」
 双頭龍も、主を助けたかろう。
 永遠と永久の姉妹が、妨害していなければ。
「ブレスの炎には、水ですよ」
「うん、お姉ちゃん。的を絞らせない様にするね」
 飛翔中でも、ダンスによる回避だ。疲れてきた双頭龍が、丸まろうとしたところへ、葵はバールのようなものでフルスイング。
「『一発逆転本塁打(サヨナラホームラン)』!」
 銀の卵が破裂して、回復しきらないドラゴンが、身もだえしながらこぼれてくる。
「朔太郎さん、またこのチビッ子の分身が出てこない様にコテンパンにしちゃってよ」
「ええ。さっさとやっつけましょう」
 朔太郎は、サキュバスミストの誘惑の魔力を凝縮し始めた。
 ディアボロスたちがつくったチャンスに、照れも忘れてハート型にする。
「『愛の弾丸(ラブショット)』、チュッ♪」
 投げキッスは、乗り物を篭絡した。
 ドラゴンのふたつの頭が、視界を塞がれたアヴァタール級の身体を、上下それぞれに噛みちぎる。
 ついで、ゴウと音を立てて、龍の全身が炎につつまれる。
 聖のマジックボルトがまわりきったのだ。亡骸は、主人ごと焼け落ちた。
「今回はこれで、フィナーレかな?」
 アルラトゥは、自分のデモンドラゴンから実体をはく奪する。
梨花は、六合金剛槍の構えをといた。
「というわけであなたのライブ……この場合は生命って意味だけどー? ……はここでアンコール無しで強制終了ね」
「灰は灰に……塵は塵に、でしたっけ。どこに還るかは知りませんが、二度と人の世を脅かさぬように。静かに消え去ってくださいね」
 聖は、乙女ロードにかすかに舞う欠片を眺めている。
 バールのようなもので素振りをした葵は、朔太郎に笑いかけた。
「この先本体が出てこなきゃどーにもならないって思わせるくらいには、やっつけたんじゃないの?」
「それなら、いいんですが……」
 まるで、何かの予感に囚われているかのように、『若返りサキュバスアイドル』は表情を曇らせる。
「もしまたウァラクが出てきても叩きのめすだけよ。教育は大事でしょ?」
 いぶきが肩をたたくと、すぐに思案顔をやめて、朔太郎は言った。
「ええ。皆でパーティーの準備と行きますか」
 ギャルメイクではなく、仮装のイベントがもうすぐだ。
「一つだけ星奈に確認なんだけどさ。星奈、未成年なのに成人向けに手を出したりはしてないよね?」
「うん☆」
 頼人は、即答をとりあえず信じることにする。
 足元には、焼け焦げたページの切れ端。
「豊島区奪還に近づくために、アークデーモンに戦いを挑んでいかなきゃ」
 激しい戦いだったため、片付けもままならないうちに迎えがきた。
「まだまだ私達の故郷にはこんな質悪い敵が蔓延ってるか……少しずつだけど、何とか元の故郷取り戻したいよね、お姉ちゃん」
「我が故郷も少しずつ奪還されています。道は長くとも、確実に」
 有栖川宮姉妹はまた、この地を離れる。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【傀儡】がLV2になった!
【友達催眠】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
【強運の加護】LV1が発生!
【水源】がLV3になった!
効果2【ガードアップ】がLV5になった!
【ダメージアップ】がLV6になった!
【能力値アップ】がLV5になった!
【アヴォイド】がLV3になった!
【グロリアス】がLV2になった!
【ラストリベンジ】LV2が発生!
【命中アップ】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2022年10月25日