リプレイ
吉音・宮美
アドリブ・連携歓迎
…なんだか直球に淫魔っぽいの来ましたね、逆に珍しいような
とは言えやることは変わりません、臆することなく救出に行きましょう
復讐者になる以前は美大生でしたので学校でモテモテになる自分というのは悪い意味で相性ピッタリ、皆に応援されながら今日も【アート】を極めようと…いや違う、確かに元々は絵の道に行こうとしてましたが「アンタそっちの才能はないからこっちにしなさい」と先輩に言われて音楽の道に無理矢理修正されたんだ
滅茶苦茶文句はありましたが学んだ【演奏】も【歌唱】も私の助けになってる…本当、ケツを叩かれながら過ごしてた二年余り
私の本当の青春はここにはありません、さっさと帰らせもらいますね
草薙・美珠
●目的
堕落世界の中に入り、アニエスさんを救い出してみせましょう。
●状況
……あれ、私は一体?
あ、そうでした。朝、下駄箱に差出人不明の手紙が入っていて、放課後に体育倉庫で待っていると書いてあったので、一人で体育倉庫に向かっているところでしたっけ。
友人に見せたら、これはきっと告白のための呼び出しだろうとか騒いでましたけど、私なんかが誰かから告白されるなんてありえませんよね……?
体育倉庫に着くと……
そこには大勢の不良男子たちが待っていて!?
無理やり力ずくで押し倒されて制服のスカートを奪われて下着をじっくりみられてしまい……
さらに下着も脱がされて男子生徒たちに襲われて。
事後、夢から醒めるのでした。
嵐柴・暁翔
朝になると優しい義姉と可愛い義妹に起こされて、隣で裸で寝ていた幼馴染の女の子について揶揄われたりしたけど、今日もみんなで登校だ
学校ではよく女の子とトラブルになるけど概ね平和な学生生活を楽しんでいるよ
机の中に入っていた手紙で屋上へ呼び出されて行ってみれば友達だと思っていた女の子から告白されて、逡巡すると諦めるからせめて思い出を下さいと服を脱いで抱き着いてきて…
そして家に帰れば風呂場で義妹の裸を見てしまえば恥ずかしがりながらも誘ってきてお楽しみで、夜寝ようとすれば布団の中には義姉がいて添い寝してくれてそのまま熱い夜を…
……いや、流石にこれは夢だろう…
俺にそんな甲斐性や器用さなんてある訳もないしな…
ハナ・フリードル
天使の様に無垢な笑顔で、学園の門をくぐって登校します。
汚れを知らない心身を制服に包み、プリーツを乱さない様に、セーラーカラーは翻さない様に、ゆっくりと嗜みをもって歩きます。鼻歌混じりに大股でずかずかとのし歩く様な無作法など、しよう筈もありません。
「ごきげんよう、皆様」と御挨拶すればたちまち周囲に人だかり。あらあら皆様、はしたなくってよ。
サロンで学友と歓談を楽しむ昼下がり。本来こうなる筈だった、麗しき令嬢としての生活を思う様楽しみます。
…あまりの違和感に覚醒しかけてはいたけど、暫く浸ってしまったっス。でも何時までもこうしてはいられないっス。
優雅に立ち上がって去ります。ごきげんよう、皆様。
マリアラーラ・シルヴァ
ついにやったの!
これで学園初等部の実権はマリアが握ることになったよ
由緒ある学園ともなると腐敗も隠蔽されてて苦戦を強いられたけど
クラスメイトの皆がマリアを信じて応援したり助けてくれたお陰なの!
そんな風にクラスの皆と一緒に喜んでる時に
誰かが呟いた言葉で我に返っちゃうの
「これで学園に真の平和が来るね」
…思い出したの
初等部の実権を得ようとしたのは
アニエスの通う由緒ある学園ならきっと初等部もあるから
そこから飛び級してきた神童マリアの設定づけしようと
自己暗示しながら大樹したからだったの
マリアは真の平和を勝ち取るため行かなきゃダメみたい
短い間だったけど友達になってくれて嬉しかったよ
みんなありがとう…ばいばい
セシリー・アーヴェンディル
【アドリブ/連携歓迎】
この女子高には私が苦手とする者が1人いる。
漂う色香を隠そうともしない、まさにサキュバスと形容できる女教師だ。
いつもセクハラが如きボディタッチをするのは教師としてどうかと思う。
加えて私のサキュバスの性がどうしても反応してしまうからだ。
私は個人授業と称して放課後の教室へと彼女に呼び出されていた。
そこで壁際に追いつめられ、体を密着させてまさぐられる。
抵抗は形だけ。教室に来た時点で私も自覚していたのだ。
彼女が耳元で甘く囁く。
「次は留年しないように頑張ろうね」「はい」
ここで目覚めることになったわけだ。
確かに私の年齢で高校となったらそうなるのだが。
多方面で情けなくなる世界だった……
●ときめいた学園
とある学校。
「……あれ? ここは……」
吉音・宮美(限界ギリギリ狐娘・g06261)は、気が付くと、
『美術室』の前を通り過ぎ、『音楽室』へと向かおうとしていた。
「なぜ『音楽』? 自分が進むのは『絵画』の道なのに」
呟きつつ、美術室の扉を開き、いつも通り……キャンバスの前に座る。
そう、自分は『アート』を極めんと、日々切磋琢磨している。
『おお、吉音先輩!』『宮美さんの絵、いつ見てもスバらしいわね!』『彼女の絵は、未完成でもスゴイんだよな!』
と、先輩、後輩、同級生が、後ろから覗き込む。その口からは、自分を賛同する言葉。
それを聞いて、宮美は、
「……さて、この絵を描き上げないと」
アートを極めるために、目前の絵に取り掛かった。
同学校。
校門。
そこには、登校する学生たちの姿が。
その中には……天使のように、無垢な笑顔で、穢れを知らない心身を制服に包み、ブリーツを乱さないように、セーラーカラーは翻さないように、ゆっくりと、嗜みをもって歩く女生徒の姿があった。
「……ごきげんよう、皆様」
彼女、ハナ・フリードル(人間のサウンドソルジャー・g06921)が挨拶すると、
『ごきげんよう!』『きゃーっ!ハナ様よ!』『朝からそのお姿を見られるなんて!』
周囲に人だかりが。
「あらあら皆様、はしたなくってよ」
ハナが微笑む。それだけで周囲は大騒ぎ。この時は……ハナにとって心地良い時間だった。
その人だかりから、離れた場所。
「……流石はお嬢様、だな」
ハナの様子を遠目で見つつ、嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)は呟いた。
『ちょっと、おにぃ! ワタシという者がいながら、他のオンナを見ないでよ!』
義妹と、
『あらあらアキくん、そんな浮気されたら、お姉ちゃん悲しいなあ』
義姉が、暁翔の両脇から迫る。
『そうよ暁翔、あなたは、私たちだけを……私だけを、見てほしいな』
そして彼の目前には、可愛い幼馴染が。
この三人と、彼はいつも一緒に過ごしている。
今朝も、自室で眠りから覚めたら……、
『おにぃ! 朝! 起きろー!』
『アキくん、おはよう。朝ごはんできてるわよ?』
義理の姉妹二人に起こされた。が、
『むにゃ……もう、朝?』
この幼馴染が、隣に裸で寝ていた事から、ちょっとした騒ぎが起こったが……いつもの事。
というか、幼馴染の彼女は毎夜のように忍び込んでくる。そして、昨夜は……、
彼女からの求めに、自分は応え、幼馴染から恋人になったのだ。
そんな事を思い出していたら、
『どさくさに紛れて何言ってるのよ! おにぃはワタシの!』
『だーめ。こればっかりはお姉ちゃん譲れないわ』
『もう! ねえ暁翔、二人と私、誰が好き?』
そう、自分はモテモテなのだ。
「そ、それより早く行くぜ。遅刻するぞ」
暁翔はそのまま、先を急ぐのだった。
同学校。
初等部、教室内。
「ついに、やったの!」
マリアラーラ・シルヴァ(コキュバス・g02935)は、クラスメイト達を前に、快哉を叫んでいた。
「みんな、これで初等部の実権は、マリアが握る事になったの! これも皆の……クラスメイトの皆が、マリアを信じて、応援したり、助けてくれたおかげなの!」
マリアラーラは教室で、皆の前で礼を述べ、クラスメイト達は歓声を上げる。
ここまで来るのに苦労した。この学校は確かに由緒あり、内外ともに評判は良い。……が、光あるところに影は必ずあり、この学園も例外では無かった。
学校は、高等部を中心に、中等部、初等部が存在する。初等部の校長をも兼任する教頭は、派閥を作ってやりたい放題。様々な問題も隠ぺい、責任逃れと事なかれ主義が横行。生徒たちは抑え込まれていた。
マリアは、それに挑戦した。神童たる彼女は、苦戦したものの……初等部生徒たちほぼ全員を味方にして、学園の腐敗を暴き、教師たちを弾劾。
結果、教師たちは更迭。生徒であっても能力があるマリアラーラが、この功績から特別に『学校運営の権利』を有した生徒になった。
『おめでとう、マリアちゃん! あなたのおかげだよ!』
『さすがはマリア! わたしが見込んだだけはあるわ』
『ま、マリアちゃん……すごい、な』
クラスメイト達が喜んで、マリアラーラを讃える。
それを聞きつつ、
(「……何か、忘れてるの? ……けど、今はいいの」)
ちょっとした違和感を無視し、彼女は歓声の輪の中に飛び込むのだった。
●ときめきの日常
高等部。
同校舎内、廊下。
「あ、あの……先生……何か?」
朝のHRが終わり、授業が始まる寸前。彼女……セシリー・アーヴェンディル(ルクスリア・g02681)は、
女教師に迫られていた。
『……あら、アーヴェンディルさん? ……ふふっ、なんだか、戸惑ってるように見えるわね』
今、セシリーは彼女から迫られ、壁に追い詰められている。いわゆる『壁ドン』の体勢だ。
「別に! そんなことはない、です。ど、どいてください……」
そうはいったが、本当は、「そんなこと『ある』」のだった。
その女教師は非常に、魅力的な女性であり……セシリーにとっては、苦手な女性でもあった。
美人だが……全身から『色香』を漂わせていたのだ。その色香は、目に見えそうなほどに強く濃く、ただ側に立つだけで男性はもちろん、女性ですら赤面させるほど。現に周囲の学生たちも赤面している。
更には……本人はそれを隠そうともせず、他者に見せつけ、その反応を楽しんでいる。
そして今、彼女は明らかにセシリーの反応を楽しんでいた。
普段から距離が近く、しかも無駄に接触が多い。しかも触ってくるのは、胸やお尻。
セシリーもまた例外ではなく、彼女にお尻や胸を触られたり、時には揉まれたりもした。まさに……『サキュバス』、吸精の女怪。
そして、その色気に当てられ、触られるたび、セシリーは感じ取っていた。
自分の中の何か、自分の中の『サキュバスの性』が、どうしても反応してしまうのを。
それゆえ、個人的に苦手だったが……、
『放課後、教室に来て? いいわね?』
そう耳元でささやかれ、セシリーは、
赤面しつつ、しかし、
戸惑いながらも、頷くのだった。
学内。
別の教室。
「……ん? 手紙か?」
教室の机の中に、暁翔は手紙が入っているのを発見した。
こっそり開けて中を見てみると、
「あの子か。……放課後、屋上へ来い? なんだろう」
呼び出しの手紙だった。まあいい、何かは分からないが、行けば分かるだろう。
あまり考える事無く、暁翔は。手紙をズボンのポケットに突っ込んだ。
放課後。
校舎裏、体育倉庫近く。
「……あれ? 私は、一体……?」
草薙・美珠(退魔巫女・g03980)は、自分の置かれた状況に戸惑い……、
すぐ思い出した。
「……そうでした、ええと……」
朝に下駄箱に、差出人不明の手紙が入っていた。内容は『放課後、体育倉庫で待ってる。来るなら一人で』とだけで、他は何も無し。
クラスメイトからは、きっと告白のための呼び出しだろうと騒がれたが、
「まさか。私なんかが誰かから告白されるなんて、ありえませんよね……?」
などと口では言うものの、ちょっぴり期待してしまう美珠。どんな男の子だろう。いや、女の子かも?
などと考えつつ、体育倉庫に到着。
元からここは、人気のない場所。ではあるが……呼び出した者らしき人影は見えない。
「……おかしいですね、早く来すぎてしまったのでしょうか?」
ならば、少しの間待たせてもらおう。
美珠は待った。そして、
倉庫の中から現れた『彼』が、後ろから近づくのに気付かなかった。
●ときめきの甘いひととき
学校内、美術室。
「……いや、違う」
カンバスの絵を見て、宮美は先刻にあえて無視した『違和感』が、無視できないほどに強くなるのを感じていた。
「確か、自分は
…………」
思い出してきた。宮美は確かに、元々は絵の道を進もうとしていた。
しかし、
『アンタそっちの才能は無いからこっちにしなさい』と、先輩に言われ……、
音楽の道に、無理やり修正されたのだ。
当然、無茶苦茶文句はあった。しかし……文句はあっても、無駄にはなっていない。学んだ『演奏』『歌唱』。それらは……、
「……それらは、私の助けになってます。ええ、ケツを叩かれながら、二年余りを過ごし、学ばされました」
そう、自分の青春はここには、『美術室』には無い。『絵』ではない。
「……さっさと帰らせてもらいますね」
宮美は『気づき』、そして『目覚めた』。ならば、すべきことはあと一つのみ。
美術室の、周囲からの黄色い歓声を背にして立ち上がり、
宮美は美術室から外へ、歩み去っていった。
学校内、サロン。
目前には、ティーセット。
昼下がりのひととき。紅茶の良い匂いと、並べられたお菓子の甘い香りとが、皆の鼻をくすぐる。
学友たちとのティータイム、他愛もない、しかし尽きる事のない、楽しいお喋り。
ハナはそれに混じり、否、その中の中心に入り、歓談を楽しんでいた。
麗しき令嬢、お淑やかなお嬢様。淑女として当然の毎日、当然の生活で、当然の日常。足りないものがあるとしたら、ときめくような恋の相手くらい。
そう、心穏やかなこの空気、この時間。他に何を望む?
「……ふふっ」
『まあ、ハナさん。どうかしまして?』
『きっと、素敵な恋愛に心馳せておられるのでしょうね』
『ハナさんでしたら、きっと素敵な殿方が現れるでしょうね』
「……そう『ッス』、ね」
なにこの『違和感』丸出しのシチュは。
あまりに『普段の自分』と異なる状況に、覚醒しかけたッスよ。
いや、覚醒して……あえて暫く、浸ってしまったッス。
自分に、こういう願望があったのは事実。こういう日常を送ってみたいと思ったのも事実。
でも……、
「何時までも、こうしてはいられないッス」
最後は、あくまでも淑女として、優雅に立ち上がったハナは、
「……皆様、ごきげんよう」
カーテシー……スカートの裾をつまんで一礼すると、サロンから外へと出ていった。
学内、初等部教室。
マリアラーラが、特権生徒となった祝いの中、
『これで学園に、真の平和が来るね!』
生徒たちの誰かが言った。
「?」
真の、平和?
「……思い出したの」
それを聞いたマリアラーラは、
思い出した。
マリアラーラは、年齢の割には『賢い』。いや、確実に普通の人間よりも知識もあり、知恵も回る。
この学校の『初等部の実権』を得ようと思ったのも、自分の本来の任務……すなわち、
『アニエスの通う、由緒ある学園に存在するだろう、初等部』
それを見込んでの事だった。
マリアラーラは、『自己暗示』をしていた。自分が、アニエスの学園……聖ガブリエル学園の初等部から、飛び級してきた『神童』であると。
『神童マリア』その設定を自らに付け、この堕落空間に飛び込んだのだ。
「……みんな、ごめんね」
マリアラーラは、立ち上がった。
「マリアは、真の平和を勝ち取るため、行かなきゃダメみたい」
初等部の生徒たちは、不思議そうにマリアラーラを見つめている。
「……短い間だったけど、友達になってくれて嬉しかったよ。マリアも、皆の事……大好き」
一度だけ、皆の顔を見回し、そして、
「みんなありがとう……ばいばい」
そのまま、教室の扉へ向かい、開き、
マリアラーラは、室外へと出ていった。
●ときめきの甘い時
学内、教室。
『あら、来たのね。アーヴェンディルさん』
放課後、教室に赴いたセシリーは。
かの女教師がいた。そして……、
『さ、「個人授業」よ。わかってるわよね?』
「ま、待って……」
『ふふっ、だーめ♪』
セシリーは壁際に追い詰められ……、優しく、淫靡に、再び壁ドン。
その状態で、耳元に息を吹きかけられつつ、押さえつけられる。
「や、やめ……やめて……くっ……」
『嫌? 嫌だったら……ちゃんと、『抵抗』してくれなきゃ、ね。ほら……』
彼女は、セシリーの体中をまさぐってくる。
セシリーは抵抗するが、それは形だけ。
教室に来た……いや、呼び出しに応じた時点で、セシリーは自覚していたのだ。
セシリーの方も、熱っぽい吐息を漏らす自分を知った。
そんな彼女を見て、女教師は……耳元にその口を寄せた。
『ねぇ、アーヴェンディルさん。……いや、セシリーさん』
そして、甘く、蠱惑的に……囁いた。
『……次は、留年しないように頑張ろうね』
そう告げられ、
「……はい」
セシリーは、答えた。
そう、これは夢。
「……確かに、私の年齢で、高校生となったなら、そうなるのだが」
だが、セシリーは高校には通っていない。
それ故に、『これは夢』と自覚し、目覚めた。しかし、
「……多方面で、情けなくなる世界だった、な……」
そんな事を、自覚せざるを得ない夢でもあった。
学内、屋上。
机の中の手紙に従い、暁翔は屋上へと赴いていた。
そこにいたのは、クラスメイトの女の子。
『あの……嵐柴くん……』
真っ赤になり、恥ずかしそうにうつむき、
『……あ、あたし。嵐柴くんの事が……す、好きです!』
ストレートに、告白してきた。
「え、ええっ!」
全くの予想外。彼女の事は、確かに魅力的とは思う。幼馴染、義姉と義妹。彼女らに劣らない美少女だ。
しかし、あくまでも『友人』であり、それ以上の感情は有していなかった。
「……待ってくれ、俺は……」
『わかってます! お義姉さんに義妹さん、それに……幼馴染の彼女さんがいることは……わかってます……』
クラスメイトは、泣きそうになりつつ……暁翔へと顔を向けた。
「…………」
女の子を、悲しませたり泣かせたり、ましてや傷つけたりするつもりはない。だが、だからと言っていつもの三人を裏切るような事は……。
そう逡巡していると、
「え? あ、おい!」
『……は、恥ずかしいですけど……一つだけ、お願い、です……』
今度は、決意の表情を。暁翔へと向け……、上着を脱ぎ、スカートを下ろしたのだ。
そのまま下着姿で、彼女は……抱きついてきた。
『一度だけ……これっきりでいいので……』
すうっと、深呼吸し、
『……思い出を、下さい』
そう言って、口づけを。
「……わかった」
気が付いたら、暁翔は自分がそう答えた事を知った。
そして、彼女の纏っている下着に手をかけると、
『……は、恥ずかしい……』
彼女を裸に。そのまま、情欲とともに抱きしめ……、
「くっ……くうっ……ああっ……」
『あっ、あっ……あああああっ!』
暁翔は彼女と、激しくも荒々しく愛し合い、彼女の身体に『思い出』を刻み、自分を注ぎ込むのだった。
●ときめきの屈服。
同じ頃。
校舎裏、体育倉庫。
倉庫内部。
「いやああっ!」
美珠は、手足を抑え込まれていた。
『おらっ! おとなしくしろ!』
『おい、ちゃんと撮影しとけ!』
体育倉庫の中から出てきたのは、不良の男子生徒たち。
後ろからの気配に気づき、応戦したが。相手は一人では無く……十人いた。
そのまま、倉庫内に引きずり込まれ、美珠は埃っぽいマットの上に、両手足を力づくで押さえつけられ、押し倒された。
「な、なにをするんですか!」
『うるせえ! おい草薙、てめえがチクッてくれたせいで、俺たちは退学だ! 責任取れ!』
自分勝手な理屈を喚き散らす不良たち。
「せ、責任?」
『てめえはこれから、俺たちが犯してやるんだよ。撮影されながらな』
『言いつけたきゃ言いな。その代わり、動画をネットでばらまいてやる』
「! いやああああっ!」
これからされる事を悟り、美珠は叫び、抗った。が、四人が手足をそれぞれ押さえつけているため、動けない。
その状態で三人が、美珠の体をまさぐり、その様子を二人がスマホで撮影していた。
「やめて! 放して! 放してください!」
『動くんじゃねえよ!』
不良の一人が、美珠の頬を叩いて黙らせようとする。
「こ、こんなの……妖魔に比べれば!」
『妖魔? おいおい、神社の娘だからって、中二病かよ?』
『そういう奴には、現実を教えてやんねえと……なあ!』
そう言った不良の一人が、美珠の制服の上半身を、左右に引きちぎるようにして開く。
「い、いやっ! やめてえ!」
構わず、スカートも無理やり下ろされる。
『へっ、胸は貧相だな。中等部……いや、初等部みてえだ』
『いや、こういう奴はその分感度が良いんだよ。つまりは、スケベって事だ』
『色気ねえパンツだな。白? スケベで変態のくせに清純派ぶってんのか』
勝手な事を言う不良たちに、
「や、やめ……きゃああっ!」
手足の自由を奪われたまま、美珠は下着をむしり取られた。
『おうおう、マジに色気ねえぜ』
『なら、たっぷり犯してやろう』
そのまま、複数の手が美珠の体中をまさぐった。揉み、さすり、なで、摘まむ。
「あっ! いやっ! や、やめて……あひっ!」
『イヤとか言う割に、感じてんじゃねえか』
『やっぱり草薙はスケベの変態だぜ』
『一人でイジッてんだろ?』
その他、卑猥な事を言われ、その間も撮影は続く。
「や、やめて……ああああっ!」
両胸の先と、へその下のあの部分に乱暴に吸い付かれ、乱暴に舌で舐められる。お尻の穴にも同じ事を。そして……。
「あっ! あっ! あああああっ!」
『うわっ! こいつ漏らしやがった!』
『へっ、やっぱ変態だな!』
力の抜けた美珠の身体を持ち上げ、へそ下の大切な場所、肛門、それに口と、
三人の不良は自分自身をあてがい、
「んんっ!? んんんんーーーっ!」
『……へへっ、三人同時だ』
『くっ……こいつ、すげえイイ……!』
無理やりねじ込んだ。痛みと屈辱と、快感とが無理やり注がれる。
(「こ、こんなの……夢、です! こんなの、現実なわけが……」)
前後の穴と口をふさがれ、犯され、美珠は鼻息を荒くする。
他の不良たちも、美珠の胸を揉み、胸の先端を摘まみ、
更には美珠の両手に自分自身を握らせ、摩らせている。
やがて、
「んっ、んっ……ああああああっ!」
美珠は、無理やりの凶悪な快感とともに絶頂し、
不良少年たちからの、生臭い欲望の迸りを受け止めた。
「も……もう、やめて……」
ひくひくしつつ、呟く美珠。
『……こいつ、マジにいいぜ……顔に似合わず、初めてじゃねえとはな』
『ケツも、すんなり入ったしな』
『草薙、これで終わりじゃねえぞ。おい……浣腸持ってこい』
『カミソリも使おうぜ。うっすら生えてるけどよ、あそこ、ツルツルにしちまおう』
そんな彼女へ、更なる凌辱を不良たちは加え続けた。全員が純繰りで何度も美珠を犯し、異なる方法で美珠を絶頂させ、美珠の中へ迸らせ、それを延々と繰り返した。
永遠に続く凌辱の時間が終わり、解放されたのは、夜だった。
『お前は今日から、俺たちの奴隷だ。毎日、順番に犯してやるからな』
『逆らったら、この動画と写真をバラ撒くぜ』
そう言い残し、美珠をそのままにして去っていく。
「……こんなの、夢……夢です!」
美珠は事後に、そう自分に言い聞かせ、そして……、
「今までの、妖魔は……あんなに下手じゃなかったです。それに……」
なんだかんだ言って、自分の信仰する神は、あのような連中を許さない。それらを思い出した美珠は、
立ち上がり、ボロボロになった自分の制服を、できるだけ整えて、体育倉庫から外へと出ていく。
そうして、夢から、あるいは悪夢から、美珠は覚めるのだった。
●メモリアルは駆け抜けていく
暁翔の、自宅。
その自室。
「……はあっ、少し、のぼせたな」
風呂から上がった暁翔はパジャマに着替え、ベッドに倒れ込んだ。
先刻まで、風呂に入っていた。だが、
『……おにぃ……』
義妹が入って来たのだ。
いつもなら、『えっち! でてけ!』と大騒ぎするが。
今回は、様子が異なっていた。
『……お願い、おにぃ……恥ずかしい、けど……み、見て……』
自身の身体を、見せつける義妹。恥ずかしがりのくせに、誘う彼女を、
暁翔は、抱きしめた。
石鹸で泡立てた彼女の身体で、自分の肌をこすり合ったり、
彼女の大事なところを洗い、シャワーを押し付け流したり、
彼女の中に、自分を入れて、そのまま昇天させたり。昨晩の幼馴染と同じような事をした。
今彼女は、のぼせて休んでいる。自分もちょいと疲れた。
眠っていると、しばらくして。
顔に、柔らかな感触が。
『……アキくん。お姉ちゃんだけ仲間外れは、嫌よ……?』
裸になった、義姉が、
自分のベッドに、添い寝していたのだ。
目が覚めた暁翔は、そのままその、両胸の柔らかく大きなそれを掴み、揉み込む。
そして、そのまま。先刻や昨晩に劣らぬ、熱い夜を……義姉とともに過ごし、眠りに……、
「……いや、流石にこれは、夢だろう」
と、冷静になった彼は、飛び起きた。
「……いくら何でも、こんなのは都合がよすぎる。それに……」
俺は、そんな甲斐性や器用さなんて、あるわけもない。だからこれは……夢だ。
彼は起き上がり、部屋の扉を引いて……外へと出ていった。
「……どうやら、全員覚醒したようですね」
そう言う宮美の前に、
「うん。……お友達とのお別れは、ちょっと寂しかったの」
マリアラーラと、
「自分も、お淑やかなお嬢様は、ちょっと離れるの惜しい気がしたッス」
ハナの姿が。そして、
「私は、セクハラ女教師から襲われたな。まあ、『実際の行為』までは至らずだが。美珠は?」
セシリーが、美珠に問う。
「え、ええと……大したことは」
「本当か? 女の子たちにモテまくって、自分から誘ってしたんじゃないか?」
からかい半分のセシリーの言葉に、
「そんなことないです! それに今回は不良の男子たちで、逆に脅かされて犯され……」
そこまで言って、
「……ち、違います! そうじゃなくて、ですね! その、あの!」
「……すまない。悪い事を聞いた」
だいたい悟ったセシリーは、質問した事を後悔した。
「……俺は、幼馴染に義理の姉妹、それにクラスメイトと、色々モテたな」
暁翔が、誰に聞かせるでもなく言う。
「まあ……所詮は、夢だ。さあ……」
本来の仕事に戻る時。もう目覚めたのだから。
そう言うと、ディアボロスたちは。決意を新たにするのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【ハウスキーパー】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【友達催眠】LV2が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【現の夢】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV2が発生!
【ロストエナジー】LV2が発生!
【ダメージアップ】LV2が発生!
吉音・宮美
アドリブ・連携歓迎
自分に自信がないから仲良くできないですか…なるほど
アニエスさん、少し私の昔話にお付き合いいただけますか?
私が通っていた学校に金持ちで絵の天才というそれはヤバい人が居まして、当時美術の道に進む者であった私は勇気を出して彼女の弟子になろうと声を掛けたんです
そしたら才能ないって言われて…でもその後美術館に連れ出したり色々と教えてくれて、最終的には進路指導までしてくれました。不本意な結果でしたけど
親しくなるのに才能や身分なんて関係ないんです
だから自信を持って、どうしても勇気が出ないなら私の【歌唱】で背中を押しましょう
そう言って人に勇気を与える【演奏】を行い彼女を応援しましょう
草薙・美珠
●目的
堕落世界への侵入には成功しました。
あとはアニエスさんを覚醒させるだけです。
●行動
仲間たちと一緒にアニエスさんがいるであろう女子寮に向かう途中で携帯電話が振動します。
表示されていたのは、空き教室に来いという文章と……
私が不良たちに襲われている動画!?
――どうやら、私は私で決着をつけておかなければならない相手がいるようです。
アニエスさんのことは仲間に任せ、一人、教室に向かいます。
●決着
悪夢から目覚めたからには、一般人くらい10人いようとも草薙流柔術で一捻りです。
しかし教室で待っていたのは……
全身から触手を生やし妖魔化した不良たち!?
まさか悪夢の影響が!?
そのまま敗れて犯されてしまうのでした。
嵐柴・暁翔
何故かレオニーに惚れられて、二人でたっぷりと夜の保健体育の勉強をしました
しかしまあ客観的に見れば俺は三股男な訳で、アニエスに怒られてレオニーも説得されてめでたく(?)分かれる事に…
そうやって怒れるならそれだけ大切に想っているんだろう
だったら現実でも困っていたら助けるとか一緒に勉強する為に頑張ってみるとか、出来る事はあるんじゃないか?
その後俺は俺で義理の姉妹二人と幼馴染の彼女に捕まって、しばかれたり泣かれたり怒られたり性的なお仕置きをされたりと散々な目に遭わせられて…
……その後で三人とたっぷりと愛し合い注ぎ込んで…
幸せそうに眠っている三人にお別れのキスをして布団を掛けて、この世界から立ち去ります
セシリー・アーヴェンディル
【アドリブ/連携歓迎】
アニエスは何人にも囲まれて幸せそうだな。
取り柄がないと悩んでいたところで、こうも求められれば気分もいいだろう。
だが、それは本当にアニエスが望んでいた関係か?
寵愛を受けるだけ受けて、相手には何も与えられていない。
結局コンプレックスから目を逸らしているんだ。
認めがたくとも、この夢からは覚めなければいけない。
聞けば上級生が襲われたところを庇ったそうじゃないか。
それは君が気高い心を持っている証だ。それは無下にはされないだろう。
それとも彼女達は身分や容姿だけで評価を下すような人物なのか?
付け加えるなら……深い仲になる相手には一途な方が良いと思うぞ。
ハナ・フリードル
アドリブ、連携歓迎っス。
アニエスさんの目を覚まさせる為に話しかけるっス。
この世界が楽しいのは分かるっス。自分も似たような夢見てたっスから。
でも、本当に居心地が良いスか?自分の心に秘めた願望を覗き見されて、朗読されてるみたいで気持ち悪くないっスか?
友達が欲しいなら、話しかければ良いんスよ。考え過ぎっス。相手は神様でも化物でもない、唯の同じ人間っス。
その人達は、釣書で友達選ぶ様な打算的な人達なんスか?そうでないなら、まずは知り合いから始めて友達になってくくらい簡単っスよ。
(それ以上の仲になれるかは知らんスけど……その辺は言葉を濁しとくっス。多様性には迂闊に言及せんス。)
マリアラーラ・シルヴァ
パラドクスの説得力でアニエスの夢に神童設定を持ち込むよ
マリアは学園の闇を倒すため飛び級してきたの
・孤児院慰問時の事件は闇の仕業
・彼女達はそれぞれ闇に抵抗してたけど誰も巻き込まぬよう孤立してた
・彼女達全員を救うため貴女に会いに来た
見ず知らず?自分如きじゃ恐れ多い?
優秀な彼女達は学生全員の事を記憶してるし
成績や才能なんて些細な事
大切なのは彼女達全員にとっての特別になりたいと願う心
貴女の想いが彼女達を繋げ闇に立ち向かう勇気を与えるの
初等部で同じ事してきた神童が保証するよ
都合が悪い事は闇のせいにし
ハーレムしなきゃいけない理由と役割「ヒロイン」をアニエスに与え
彼女達をお願いねって託せば覚醒しないかなって
●終わらぬ悪夢
悪夢……堕落空間の中。
ディアボロスたちは、なんとか全員が覚醒し、正気に戻っていた。しかし、ここからが始まりであり……気が抜けない状態は今も続いている。
「……それで、ここは……どこだ?」
セシリー・アーヴェンディル(ルクスリア・g02681)が、周囲を見回した。
見たところ、セシリーにとってはなじみ深い場所……巨大な礼拝堂のよう。
正面のステンドグラスと、掲げられた十字架に軽く祈りを捧げると、
「……どうやらここは、聖ガブリエル女学園の一部らしいな」
礼拝堂に掲げられた、学園の校章を見て、セシリーはそれを悟った。
「という事は……アニエスさんも、この堕落空間内の、学園のどこかに居る、という事ですね?」
吉音・宮美(限界ギリギリ狐娘・g06261)が、セシリーにたずねる。
「おそらくは、そうっスね。まだ学園寮の、ご自分の部屋に居るんじゃあないッスかと」
ハナ・フリードル(人間のサウンドソルジャー・g06921)が、セシリーに変わりその問いに答えた。
「私もそう思う。アニエスは……自分の事を、憧れの上級生・同級生たちに見てもらいたいと思っているようだからな。とりあえずは、彼女の寮の自室へ向かってみよう」
と、セシリーは皆を促したが、
「……ねえ、どうしたの?」
マリアラーラ・シルヴァ(コキュバス・g02935)が、仲間のおかしな様子に気付いた。
「なんだか、落ち着かないみたいなの。なにかあった?」
彼女に指摘され、
「あ……そうですね、ちょっと……。皆さん、先に行ってて下さい。後から向かいます」
草薙・美珠(退魔巫女・g03980)は頭を下げると、礼拝堂から出ていった。
「……大丈夫かな、彼女。なんだか少し、思いつめていたようにも見えたが」
嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)は、心配そうにその背中を見守る。
「……まあ、どういう用事かは、だいたい予想がつくが……」
出ていく美珠の背中を見て、セシリーは小さく呟いた。
美珠は先刻に、携帯電話に連絡を受けていた。ミュートにしてバイブ機能にしていたため、皆には知られていない……と思う。
しかし、礼拝堂から出て、携帯を改めると、
「……やっぱり」
メールが着信。それを開くと、
「……どうやら、私は私で、決着をつけておかねばならない相手がいるようです」
アニエスさん、少しだけ待っていてください。
彼女はそう独り言ちると、改めてメールを見る。
それには、『空き教室に来い』という、一行だけの文章と、
先刻に取られた、動画……美珠が不良に襲われ、凌辱され、犯される動画が添付されていた。あの不良たちからの呼び出しに違いない。その目的は……考えるまでもない。
「……くっ」
激しい羞恥と屈辱を覚えつつ、それを削除すると、
美珠は、指定された教室へと向かっていった。
寮に入り、内部を探索し始めるディアボロスたち。
寮の内部は広く、部屋数も多かった。そのため、探し出すのに若干時間はかかったものの、
アニエス・アントワーヌの部屋は、比較的早く見つかった。扉を開くと、
ベッドに腰かけたアニエスが、美少女たちに囲まれている。
何をしているというわけでもなく、ただ、だらだらと、お喋りをしつつ、のんべんだらりとしているのみ。
「あら? どちら様?」
アニエスは、ディアボロスたちを見上げた。
(「アニエス・アントワーヌ。確かに華やかさには欠けるが……」)
しかし少し努力すれば、十分美人になる顔立ち。セシリーはそう感じていた。
その周囲には、様々な美少女が。確かにこんな美少女ばかりならば、自信を喪失してしまうのも無理は無かろう。
フルーレ(細身の剣)を手にした、ジゼル・リエーヴル。
狩りの服を着た、ベレニス・ルナール。
童顔で小柄な教師、ミレーヌ・ラルエット。
そして、アニエスと一番いちゃついている、寝間着を着た美少女、シャルロット・パレスー。彼女は他の少女たちに比べ、何か……人を惹きつける魅力にあふれていた。
こんにちわーと挨拶した彼女たちへ、
「……私は、シスターだ。少しばかり、君と話がしたくてな。アニエス・アントワーヌ」
「マリアもなの。少しマリアと、お話ししてほしいの」
セシリーとマリア、二人に続き、
「自分もッス。ちょっとしたおしゃべりに、付き合っていただけないッスかね?」
「あなたの事を聞いてね。私たちも少し、興味を覚えまして」
ハナと宮美が、名乗り出た。
「ええと、場違いとは承知の上だが……俺からもよろしくお願いする。俺は、嵐柴・暁翔という者だ」
彼の自己紹介を聞き、
『あら、なかなかカッコいいわね。それに……すごく、知的そうな殿方……』
と、アニエスの周囲にいた美少女の一人が立ち上がり、暁翔の前に進み出た。
『私の名前は、レオニー。レオニー・カスバートです。それで、あなたはなぜこの、聖ガブリエル学園へ? ……ふふっ、アニエスと同じくらい、かわいいっ』
と、なぜか気に入られた様子。
『それで皆様。皆様も、かわいいアニエスと愛を語らいにいらしたのかしら?』
「しゃ、シャルロット様……」
アニエスは照れるも、シャルロットはお構いなし。が、
「いや……愛というより、『説教』をしに来た」
セシリーはそんな彼女たちへ、やや厳しい口調でそう言い放った。
●続く悪夢
寮内の、保険室。
そこは、アニエスの部屋のすぐ近くに位置する。
その部屋のベッド。そこで暁翔は、レオニーとともに服を脱ぎ捨て、横になっていた。
アニエスの部屋から、レオニーとともに離れた暁翔。彼は、レオニーにこの部屋へと連れ込まれ、押し倒され、そして……。
後は言わずもがな。まだ日は髙いうちに、『夜の』保健体育に関する事を、二人は実践していたのだ。
『はあっ、はあっ……ああ、とても素敵でしたよ、ええと……アキト様……♪』
「……君もな、レオニー。とても……良かった」
互いに上気しつつ、微笑み合う二人。睦み事の後は脱力感に襲われるが、彼女を見ていると、再び滾ってしまう。
だが、滾らせつつ……暁翔は思い出していた。
……先刻。暁翔にも美珠同様に、自身の携帯に連絡が入っていた。
『ねえ、暁翔。そろそろ決めてよね』
幼馴染、桜葉ゆうひ。
『そうよ、アキくん。鈍感系の優柔不断なラブコメ主人公から、卒業してほしいな』
義理の姉、嵐柴美幸。
『そうだよ、おにぃ! ……ワタシなのか、お姉なのか、ゆうひさんなのか……それとも三人一緒なのか。はっきり選んでほしいよ!』
義理の妹、嵐柴加奈。
要は、その三人から『私たちの、誰を選ぶのか』と迫られていたのだ。もしも選べなかったら、『三人一緒のハーレムでもいい』……という、都合のいい選択肢も提示している。
とはいえ、決めてしまう決心も、まだ付かない。我ながら、本当に無責任で嫌な奴だ。
そんな事を考えていると、
『ねえ、アキト。今、他の女の子の事、考えてるでしょ?』
と、レオニーに図星を突かれ、ぎくりとする暁翔。
「……そんな事はないよ。今は、レオニーだけだぜ」
『だめよ、嘘をつくのは。正直におなりなさい。あなたの事だから、二股……いや、三股か、それ以上囲ってたりしてね』
「…………」
って、なんでそんなに鋭いんだ。黙っていたら、
『ふふっ、図星のようね。じゃあ、三股目……ひょっとしたら四股かな? それに立候補させてね。保健体育の復習をしてから……』
などと言いつつ、レオニーに再び迫られ、責められ、
復習がはじまった。
空き教室。
呼び出された美珠は、教室前の廊下でたむろしていた不良たちが、自分に迫るのを知った。
だが、美珠は問答無用で、
「はーっ!」
柔道や合気道のような技を用い、彼らを全員投げ飛ばす。
中にはナイフやスタンガンを取り出した者も居たが、美珠は手刀でそれらを叩き落とし、腕をひねり、ねじり上げ……折った。
「……草薙流柔術。鬼や妖魔と素手で戦い……『殺すため』の格闘術です。すぐに動画を消し、今後このような事をしないと約束しなさい。さもなくば……!」
怒り、そして『殺意』。それらに満ちた美珠の姿に、恐怖した彼らは……、
『わ、わかった!』
『冗談じゃねえ、殺される!』
『し、死にたくねえ!』
情けない声をあげつつ、逃げていった。
あとは、主犯格の彼だけ。改めて空き教室に入ると。
不良たちの主犯格……小野田が、そこにいた。
『よお、草薙。やっぱてめえの動画最高だぜ。何より……お前の締まりの良さは、保険の教育実習生や、お前のお友達よりもスゲエ良いしな』
「なっ……ふざけないで! 動画を消して、二度とこんな事をしないと約束なさい!」
『草薙、お前、自分の立場わかってねえのか? 調教が足りねえようだな。そもそも……』
女なんざ、犯されるために存在するんだ。違うか?
そんな勝手な理屈を聞いて、
「ふざけないで! 小野田くん、あなたは女性をなんだと思ってるんですか! この人でなし!」
怒りとともに、美珠は教室に踏み込んだ。
『女? 俺の奴隷で玩具だろ? 現にお前も……玩具だしな!』
と、突然美珠は。
「え?」
自分が、触手に絡まれ、持ち上げられたのを知った。
アニエスの寮の自室。
「ちょっと皆さん、外していただけますか?」
「お願いするッス」
宮美やハナたちからのお願いに、シャルロットたちは部屋から去り、
「さて……まずは自分から、ちょいと話をさせて下さいッス」
まず、ハナが口火を切った。
「……先刻の皆さん、どれも素敵な方々でしたッスね。この世界が楽しいのは、分かるッス。自分も似たような夢見てたッスから」
「でしょう!? だったら……」
意気込むアニエスを、ハナは制し、
「……でも、『本当に』居心地が良いスか? 自分的には……自分の願望を『のぞき見』されて、なおかつそれを『朗読』されてるみたいで、気持ち悪く思うッス」
そう、言い放った。
「え……気持ち、悪い……?」
「そうっス。……自分は思うに、友達が欲しいんなら、ただ話しかければ良いんスよ。確かに皆さん、素晴らしい方々ですし、気負う気持ちは分かるっすが……ちょいと考えすぎッス」
「で、でも! とりえのない私とは……」
「アニエスさん。相手は神様でも化け物でもない、唯の人間であって、あなたと同じッスよ」
「……で、でも……やっぱり違うんです! 皆さんは優れた才能や、髙い身分をお持ちで、自分とは違うんです!」
ハナの言葉に、首を振り否定するアニエス。
そんな彼女へ、
「……アニエスさん。次は少し私の昔話に、お付き合いいただけますか?
「な、なんでしょう……?」
次は宮美が進み出て、語り出した。
「私が通っていた学校に、金持ちで絵の天才という、それはヤバい人が居まして。当時、美術の道に進む者であった私は勇気を出し、彼女の弟子になろうと声を掛けたんです」
「はぁ……」
「で、声をかけた結果、私に『絵の才能はない』って言ってきて……結局、絵の道は断念する事になったんです」
「…………」
アニエスは沈黙しつつ、宮美の言葉に耳を傾けている。
しかし……どこか妙な表情を浮かべていた。疑問に思うような、納得いかないというような、そんな表情を。
それを見つつ、宮美は言葉を続ける。
「……まあ、絵を諦めたのは残念ですが。でもその後、美術館に連れ出してくれたり、色々教えて頂いて……最終的には進路指導までしてくれました。『結果』だけ見たら『不本意』でしたけど……それでもあの時、声をかけてよかったと、今も思います」
「……その事が、私に何か関係あるんですか?」
少しは響いたかのように、顔を曇らせたが。
だが、それでも。アニエスは踏み出せない様子だった。
「……なら、マリアのお話を、聞いて欲しいの」
と、マリアラーラが申し出てきた。
●続いていく悪夢
「ひゃあっ! あ、あなたは妖魔……だったんですね!……あっ、あひっ!」
美珠は、小野田に犯されていた。
『おう、そうだ。人でなし、とか言ってたな。最初っから人じゃねえんだよ、俺は!』
彼の身体からは、『触手』が伸びていた。それを伸ばし、美珠に巻き付け、宙づりに。
そのまま、触手は彼女の体中をまさぐり、服の中に入り込み、敏感な場所を刺激していた。
(「だ、だめ……こんな事……早く、終わらせて……」)
そうだ、早く終わらせ、アニエスを助けに戻らねば。
「……美珠っち?」
と、教室に、友人が……叢雲冥花こと、メイ。彼女が入って来た。
前に、自分を助けようとして、自分と一緒に小野田らに犯された、美珠の友人。
「……また、美珠っちを…! 許さない!」
「め、メイさん! 逃げて!」
美珠の言葉を聞かず、メイも教室に入ってくる。
『許さない? だとしたらどうするんだ?』
小野田が、にやにやしながら問いかける。
そのまま、美珠は、
「やめて! もう彼女に手を出さないで……え? んむぅっ!」
メイに唇を奪われた。
「ぷぁっ……な、何を……?」
「……美珠っちは、私が調教するの。そうじゃないと許さない! ねえ、美珠っち……このバカ男より、私が気持ちよくしてあげるね?」
そのまま、触手と一緒に、彼女からも襲われた。
『ああ、草薙。言っとくが。これはそいつから言い出したことだからな。「自分を犯していいから、草薙美珠を調教させろ」ってな』
美珠を、絶望が襲う。
「大丈夫だよ美珠っち。穢された分、私がきれいにしてあげるね? まずは……」
両胸の先に口づけされ、舌先でコロコロとされると、それだけでびくびくしてしまう。
そこから、更なる愛撫を……二人から受け続けた。快感が満ち……、
『おっと、また漏らしたのか……』
『あはっ、かわいい……』
見られつつ、美珠はまたも失禁。
『おい、次はケツを試すか?』
『いいね。今度は私に浣腸させて! その後に出すのも、動画で撮るね!』
「…………」
もう、抗う気力すら湧いてこない。
美珠の眼差しは、うつろになりつつあった。
「マリアはね、学園の『闇』を倒すため飛び級してきたの」
アニエスは、マリアラーラの言葉に、『きょとん』とした表情を浮かべていた。
「それでね。孤児院の慰問時に襲われたのは……学園の『闇』の仕業なの。あなたの好きな皆……彼女たちも、闇に抵抗してたのよ」
「……はぁ」
「でも、誰も巻き込まないように、彼女たちも孤立してたの。そんな彼女たちを、『闇』から全員救うため、マリアは貴女に会いに来たの」
「……はぁ」
返答はするものの、帰ってくるのは生返事ばかり。
「……あのね、大切なことは、何だと思う? それは、貴女の『想い』! それこそが、彼女たちをつなげて、『闇』に立ち向かう勇気を与えるの!」
その生返事に、ついムキになったマリアラーラは、強めの口調でまくし立てる。
「…………」
「自分如きじゃ恐れ多い? そんなの些細な事なの! 成績や才能なんて些細な事! 彼女たち全員にとっての、『特別になりたい』と願う心が、一番大事なの! そう……」
初等部で、同じ事してきた神童が保証するのよ。
そう言われ、アニエスはしばらく無言だったが、
「……あの、言ってる意味がちょっと。……そもそも『闇』って何ですか……?」
ようやく口を開くが、あまりわかっていない様子。
(「……しまったの。ちょっと、相手の理解力を考えてなかったかも、なの」)
マリアラーラは、固まりつつ『失敗した?』と思った。
『ハーレムを作る理由と、役割を作る』
『ハーレムのヒロインの役割を、アニエスに与える』
『都合が悪い事は、『闇』のせいにする』
『その『闇』から皆を守るようにと、彼女たちを託す』
そうする事で、アニエスが覚醒するようにと考えたのだが、
(「これは……」)
(「ちょっと、マズッたッスかね?」)
宮美とハナも、顔を見合わせる。
「……まったく。アニエス……」
と、今までずっと、皆の話を後ろの方で聞いていたセシリーが、
「……いい加減にしろ」
怒ったような口調で、言った。
「え? な、何を!」
「何を、じゃない。なあ、アニエス……」
セシリーは、アニエスの近くに寄ると、その目を真っすぐに見つめ、
「さっきの様子を見て、思ったが……アニエスは何人にも囲まれて、幸せそうだな。『取り柄が無い』と悩んでいたところで、こうも求められれば……気分も良いだろう」
だが……と、セシリーは深呼吸し、
「それが、本当にアニエスの望んでいた関係か?」
「え? ほ、本当に望んでいた、関係?」
「そうだ。寵愛を受けるだけ受けて、相手には何も与えられていない。誰かから、皿によそわれたお菓子を食べるだけ。誰かから、カップに注がれた紅茶を飲むだけ。受けるだけで与える事をしない。今アニエスが今やってるのは、そういう事だ」
「そ、それは! ……その……」
言い返そうとしたが、言い返せない。
「それは、結局は自分から……もっと言えば、自分のコンプレックスから目を逸らしている事に他ならない。認めたくないか? 気持ちはわかるが……そんな夢からは、覚めなければならない。遅かれ早かれ、誰でもな」
「…………」
返答も出来ず、うつむくアニエス。
セシリーは、続き……わずかにだが、微笑んだ。
「……聞けば、君は……襲われた上級生を庇ったそうじゃないか。それは、君が気高い心を持っている証だ。無下にはされないだろう」
「……でも……」
「でも? それとも彼女たちは、つまらない人間なのか? 身分や容姿だけで、評価を下すようなつまらない人間。それが、君の憧れた者たちなのか?」
挑発的に、セシリーがそう言うと、
「そんな事はありません! 皆さん、素晴らしい方々です!」
アニエスは、そう言い返した。
「……なら、君のその想い、彼女たちに伝える事から始めてみてはどうだ?」
セシリーが、背中を押すように言う。
「私の、想い……」
「そうですよ、アニエスさん」
今度は、宮美が言葉をかける。
「『才能』とか『身分』とか、親しくなるのにそんなものなど必要ないんです。さっき『何の関係があるんですか』と言われましたが……当初の予想とは異なっても、『やっぱりあの時、話しかけてよかった』と伝えたかったんです。もしそうしなかったら、今も後悔しているかもしれない、と」
だから、自信を持って。そうエールを送る宮美。
「そうっスよ。アニエスさんが憧れるあの人たちも、靴やタイツを履く時には、全員が片足から順番に履くんスからね。みんな、同じ人間ッス。案外……アニエスさんとも気が合うかもしれないッスよ?」
ハナにそう言われ、微笑みを浮かべるアニエス。
「……そうか……そうです、よね。……なんだか、分かった気がします。私、皆さんの事が……大好き! だったら……自分から、話しかけなきゃ!」
そう言うアニエスに、
「そうなの! マリアは、アニエスさんが皆さんを大好きって想っているなら……その想いのままに、自分の力で皆に話しかけて、仲良くなればいい。そうすれば、皆を繋ぐ中心にいられるって、さっきはそう言いたかったの!」
マリアは、先刻の自分の言葉を補足する。
「そう……だったの? そっか、それなら分かるよ!」
「わかってもらえて、嬉しいの!」
マリアラーラも、また微笑む。しかし、
「で、マリア……ちゃん? さっきの『闇』って、具体的に何?」
そう訊ねられ、またも固まるマリアラーラだった。
●終わらせる悪夢
保険室。
「……レオニー様、なにやってるんですか!」
「あ、あら。アニエスさん。恥ずかしいところ、見られちゃったわね……」
皆からの説得を受けたアニエスだが、レオニーの姿が無いため、探し、
絡んでいる二人の姿を見つけた。
「……まったく、なんて殿方でしょう。レオニー様! わかってますね!」
「も、もう……そんなに怒らないでよ」
二人に対し、
「まあ、俺が言えた義理じゃないかもしれないが」
と、暁翔が言葉をかけた。
「なんですか!」
「……そうやって怒れるなら、アニエス。君はそれだけレオニーの事を、大切に想っているんだろう。だったら……現実でも、『困っていたら助ける』とか、『一緒に勉強する為に頑張ってみる』とか、出来る事はあるんじゃないか?」
彼の言葉に、
「……そう、ですね。検討したいと思います」
アニエスは、そう答えるのだった。
「……ここか」
セシリーは、空き教室に赴き、
『ひゃはは! 次は触手を何本ケツ穴に突っ込めるか試してやる……あ?』
美珠を弄ぶ小野田を、背中からルクスリアで突き刺し、一撃で殺害。
「だめよ、美珠っちは次に、できるだけ焦らして、おねだりさせるの……え?」
メイには、後ろから後頭部に当身を食らわし、気絶させた。
「……セシリー、さん?」
「まったく、何をしているんだ」
触手を切り落とし、美珠を助け出したセシリーは、呆れたように溜息をついた。
「……すみません。私が至らぬばかりに」
「そうだな。悪夢から完全に覚醒できなかったのかもしれんが……もう少し、気を付けろ」
というか、何とかならないのか。この美珠の襲われ癖は。そう思わざるをえないセシリーだった。
「どうやら、アニエスちゃんの事は、解決しそうだが……いてて」
寮内の、客用の部屋。
暁翔は、そのベッドの上で、服を脱ぎ、
三人の少女と、相対していた。
「ばかばか! 暁翔のばか!」
ゆうひにしばかれたり、
「アキくん、ひどぉい……ふぇぇ~」
美幸に泣かれたり、
「おにぃなんか知らない! この浮気者! 社会不適合者のネトリ男!」
加奈に怒られたり、そして、
「もう。暁翔の事、イジめてあげる!」
「ふふっ、アキくん、ここが弱いのよねぇ……」
「おにぃ……こうしてやるんだから!」
色々と、先刻の『夜の保健体育』を彷彿とさせるお仕置きを受け、
最後には、全員が生まれたままの姿で、
「暁翔、好き……好き……あっ……あああああっ!」
「アキくん、好き、だよ……ふあああっ、あっ、あーーーっ!」
「おにぃ、好き、好き、大好き! あんっ、あんっ! ………あーーっ!」
三人で、たっぷりと愛し合った。
「くっ……くううっ!」
暁翔もまた、彼女たちと愛し合い、数えきれないほど、注ぎ込んだ。
そして、
「……俺も、そろそろ……アニエスみたいに、進まなきゃ、な」
そのためには、この夢の空間から、目を覚まさねばならない。
ゆうひ。
美幸姉。
加奈。
「みんな、さよなら……」
暁翔は、幸せそうに眠っている三人を見つめた。
それぞれに口づけると、布団をかけて……
「…………」
立ち上がり、服を着ると。
扉の外へ、一歩を踏み出すのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【罪縛りの鎖】がLV2になった!
【光学迷彩】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【友達催眠】がLV3になった!
効果2【命中アップ】LV2が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【アクティベイト】がLV3(最大)になった!
嵐柴・暁翔
ルージュ達と交戦するも、あの三人やレオニーと別れた直後の不安定な精神状態に付け込まれ魅了の魔力にやられてホテルの一室に連れ込まれます
とはいえ相手を愛しく想ったり一緒に気持ちよくなろうとして抱くのではなく、相手を気遣わずにただ貪るように快楽のためだけに犯すというのは全然違う訳で…
どれだけ精神を浸食されても彼女達とあの三人やレオニーと取り違えたりはしません
しかし思う所はあるので女性上位で犯られているのを下克上を敢行
相手が泣いて許しを求めても止めずに気絶するまで前の穴だけではなく口や後ろの穴も乱暴に犯し続けます
一応【防衛ライン】で足止めをしていて、事後は彼女達に止めは刺さずにアニエスの所へ向かいます
吉音・宮美
アドリブ連携歓迎
おっとと、皆さんのフォローがなかったら説得失敗するところでした……最初から言葉よりもこっちで勇気づける方が良かったかもしれませんね
淫魔の皆さんも聞いていきますか?
選択PDを【歌唱】
人々を応援し勇気づける【演奏】で前に進む事を決めたアニエスさんの背中を暗に押しつつ淫魔達の心を【捕縛】しましょう
ついでにこの演奏を貴女達のボスにも聞かせてあげませんか?とアヴァタール級の所まで連れていってもらえるよう【誘惑】してみますが……駄目だったら『吉音式グレイプニル』で捕縛して浸入しましょう
マリアラーラ・シルヴァ
大失敗だけど何とかなってよかったの
次は現実のアニエスを助けるんだよね?
ホテルの一室で寝てるけど
木の枝や蔓が入り込んでグルグルだから窓や扉が閉まんない
だから多数のベーダでアニエスの周りを警備してるのかな?
そうするとアニエスを巻き込まないよう
ベーダ達をおびきだして戦うとしても
少数の護衛は残るよね
そしてベーダ達が敗色濃厚になったら
アニエスだけでも確保!とかするかもだよ
なら【光学迷彩】と【壁歩き】で
天井とか予想外な経路を辿って偵察して
アニエスの部屋を事前に突き止めておけないかな
そしたら戦闘開始後に護衛ベーダをやっつけて
部屋の入り口で【防衛ライン】すれば
負け組ベーダが戻ってきてもアニエスを守れると思うの
草薙・美珠
●目的
堕落世界では失態を演じましたが、アニエスさんの救出作戦で汚名挽回です!
●手段
草薙流結界術(【光学迷彩】)で姿を隠しながらホテルに侵入します。
妖魔に気づかれないように気をつけつつ、仲間と手分けしてアニエスさんを探しましょう。
妖魔と出会った場合は、草薙剣を構えつつ【神樹の蔦】で敵の動きを封じ、さらに植物の壁を作って【防衛ライン】として直接戦闘は回避していきます。
●紅の淫夢
植物の壁で敵が来ないように防ぎますが、壁の隙間から紅色の風が流れてきて魅了されてしまい……
精神を侵蝕され、再び小野田さんとメイさんに襲われる悪夢を見せられて、ホテルのベッドで二人に交互に深く愛されて果ててしまうのでした。
ハナ・フリードル
後は小難しい話はいらんス!真正面から乗り込んで敵を全部叩きのめして、アニエスさん連れてこの気持ち悪い世界から逃げ出すっス!
右手にトマホーク、左手にシールド構えてずかずかホテルに乗り込んで行くっス!斧で盾をガンガン叩いて挑発。おらおらとっととかかって来いやぁ!
現れた敵を片っ端から【チリングリップ】の凍結震動波で粉砕していくっス!音波だけで砕けなければ斧叩っこんで粉砕。邪魔すんじゃねぇっス!
攻撃と同時に敵の装備も凍結。分子結合を弱め盾や武器で受け砕いて防御。
敵は暗殺や魅了等搦め手使い。勢いで押し込んで相手に主導権を掴ませない。
全体に注意を払い死角に回り込まれたり魅了された仲間には声をかけて援護。
セシリー・アーヴェンディル
【アドリブ/連携歓迎】
現実世界でもアニエスを目覚めさせなければな。
不意打ちを警戒してホテル内を進もう。
襲われ癖のある者にも気を配ろう。意気込みの時点で不安だ。
ふいに尻尾を擦られ、後ろに気を取られれば胸を摘ままれ、周囲を見渡せば太ももの内側を撫でられる。
気配を消した淫魔による死角からの攻撃に体が反応してしまった。
これが私にとって致命的と思われているのが癪だが……美珠の事をとやかく言えん状況だな。
ならば目を閉じて、敵の気配を探るため精神を集中させる。
抵抗しないのをいいことにより直接的に触りだしたが、我慢だ。
敵の一瞬の気配を感じ、それめがけて剣を振るう。
●有頂天だった彼女を……
アニエス・アントワーヌは、既に夢から覚めているはず。
そんな彼女を、助け出さねばならない。
セシリー・アーヴェンディル(ルクスリア・g02681)は、そう言い聞かせていた。でないと……まだ自身に残っている『むずがゆさ』が、悪影響を及ぼしそうだったからだ。
「…………」
そんなセシリーを、
「……どうか、しましたか?」
吉音・宮美(限界ギリギリ狐娘・g06261)が、心配そうに声をかける。
「なんだか、調子があまり良くなさそうですが?」
「……ん? あ、いや。大丈夫だ、問題ない」
そうだ、この程度問題はない。少なくとも自分一人に関しては、特に問題はない。
むしろ、問題があるとしたら、あちらだろうと、二人の仲間に視線をやった。
その二人、すなわち……、
「……レオニー。彼女は良かったな……あの三人も……」
呆けたような表情を浮かべる嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)に、
「堕落世界では、失態を演じてしまいましたが……アニエスさんの救出作戦で、汚名挽回してみせます!」
と、いつも通りに夢の中であれこれ負けまくり失態しまくっていた、草薙・美珠(退魔巫女・g03980)の二人。
要は、二人は夢の中で倫理的によろしくない事、淫らな事をアレコレしたりされたりして、なんとか戻って来れた……わけなのだが。
「まあ、暁翔の方はともかく、美珠はまた何かに引っかかるだろうな……」
と、襲われ癖のある約一名の意気込みを聞き、不安を禁じ得ないセシリーだった。
というか、汚名を挽回してどうする。それを言うなら、『汚名返上・名誉挽回』だろうが。
と、ツッコミたくなったが、
「……まあ、がんばれ」
「? はい、がんばります!」
美珠を励ますしかないセシリーだった。
そして、
「……次は……現実でアニエスを助けるの!」
と、マリアラーラ・シルヴァ(コキュバス・g02935)がやる気を。
「そうっスね。この後は小難しい話はいらんス! 真正面から乗り込んで、敵を全部叩きのめし、アニエスさん助け出すッス!」
ハナ・フリードル(人間のサウンドソルジャー・g06921)も、己のやる気に火を点ける。
「……うんっ! 説得は大失敗だったけど、今度は必ず!」
と、マリアラーラも意気込む。
そして、
「……みんな、そろそろ気を引き締めてくれ」
セシリーの声に、皆は従った。
そのホテル……看板は枝に覆われ、ホテル名は判明できなかった。
建物表面には細かに、蔦状になった木の枝がびっしりと這っている。それは、普通の家屋にもよく見られる、『蔦をあえて這わせた屋敷』のような印象を与えていた。。
建物自体に、『破損』は見られない。窓や扉も枝に塞がれておらず、普通に開閉が可能。玄関ホール内部の巨大な柱時計も、枝に覆われていながら壊れず普通に動き、時を刻んでいた。
とはいえ、異様な雰囲気を醸し出してはいる。間違いなく、中には何かがいる、何かがある。
「……見たか?」
セシリーは、開け放たれた玄関から内部へと目を向け、
玄関ホールから、奥の影の中へと姿を消した、少女の姿を見逃さなかった。
間違いなく、トループス級『コンステラシオン・ルージュ』だろう。
「……見ました!」
「ああ、見たぜ」
美珠と暁翔が頷き、
「見たッス!」
「見えたの」
ハナとマリアラーラも確認。
「……それじゃ、行きましょうか」
宮美の言葉を聞き、
「ああ……行くぞ!」
戦士の顔になったセシリーは、救国の乙女のように。凛々しく、魔界と化したホテルの内部へと足を踏み入れた。
●ニューハンプシャーのごとき悲劇を……
「うおおおおおっ! ッス!」
片手にトマホーク、片手に盾。
「おらおら! とっととかかって来いやぁ!」
斧を盾に叩き付け、古代におけるバーバリアンの戦士のように挑発するハナは、
忍び寄る『何か』の、気配を感じ取った。
「!」
真後ろへ、斧を一閃。そこには、
『あらあら、うふふ……』
『くすくす……』
『ふふっ、見つかっちゃった……』
笑顔を浮かべる美少女たちが、舞うようにして姿を現していた。
長い髪に、愛くるしい顔だち。幼げだが、胸やお尻は大きく、足も太め。
肩や太腿を露わにした、赤い扇情的なワンピースを着た彼女たちは、一見するとただの美少女。
しかしその頭には角、背中にはコウモリの翼、尻からは長く伸びた尻尾。醸し出す色気と淫香は、サキュバスである事の証左に他ならない。
彼女たちこそが、『コンステラシオン・ルージュ』。すなわち、討伐すべき対象であり、トループス級の魔。
『ねーえ、お姉さんたちぃ……遊びに、きたのぉ?』
『遊んであげるよぉ。気持ちいい遊びとぉ……痛い遊びのぉ、どちらがいーい?』
『くすくす……楽しく、なりそうねぇ!』
翼を用い、宙を舞う。まるでからかうように、ふわり、ふわりと浮遊するルージュたち。
そんな彼女らに、
ハナは、トマホークを投げつける事で答えた。
続き、ラウンドシールドを構え突撃。それらを躱されたものの、
「あー……さかしーッス、うるせーッス。てめーらは、黙って私に……倒されろっス!」
と、トマホークを手に握り、再び突撃した。
そして、その隙に。
美珠は、
「草薙流結界術です! ……見られていませんね」
光学迷彩で姿を消しつつ、ホテル内に潜入。
「ベーダ達、アニエスの周りの警備してる?」
同じく、光学迷彩で姿を隠したマリアラーラも潜入。
彼女らが裏口に回り、そこの扉からセシリー、宮美、暁翔。彼等もホテル内への潜入に成功していた。
「……さて、潜入はできたが……」
ここからが問題だと、セシリーは仰いだ。
ホテル内のどこかに、アニエスは眠っている。おそらくは客室だろうが……内部の間取りを、こちらは知らない。
そういう状況下で、アニエスを探し出さねばならない。
「確認ですが、トループス級と本格的に戦う前に、『アニエスの部屋を、事前に突き止めて陣取る』……ってのが、マリアさんの立てた作戦ですよね?」
宮美の言葉に、
「そうなの。まずはルージュたちに悟られる前に、アニエスの部屋を突き止めると良いと思うの」
と、マリアラーラは頷いた。
「ホテルの一室で、アニエスは寝てて、グルグル巻にされてる。けど……木の枝や蔓が入り込んで、グルグルだから窓や扉が閉まんない。だから、アニエスの周りは多数のベーダで警備しているはずなの」
その仮説の通りならば、自分たちが潜入した事から、クロノヴェーダは誘き出される。そうなると、アニエスの周囲には少数の護衛のみに。
そしてクロノヴェーダたちが負けそうになったら、アニエスだけでも確保すべく、戻ってくるはず。
「戦闘開始後に、護衛ベーダをやっつけて、部屋の入り口で『防衛ライン』を引けば、戻って来たベーダたちからアニエスを守れると思うの」
だが、暁翔が、
「……しかしだ。さっき見た限りだが、ホテルの建物自体は壊れてはいないようだし、窓や扉が閉まらない……というわけでもなさそうだぜ」
疑問を呈した。
「確かに、伸びているのも太い木の幹ではなく、細い触手のような蔦や木の枝で、建物自体の機能は残していますよね。実際、一階の扉は開けましたし」
美珠も、それに続く。
「そうだな。内部も見たところ、破損は見当たらない」
「ええ。扉や窓が閉まらない云々は、考えずとも良いのでは?」
セシリーと宮美も、それに同意する。
「そ、それは……」
ひょっとしたら、また大失敗か。しょんぼりしたマリアラーラだが、
「……けど、俺たちが逆にアニエスんとこに行って、陣取っちまう……ってのは、悪くないアイデアだと思う。あのルージュの嬢ちゃんたちが見張ってるのは、確実だろうしな」
暁翔と、
「ええ。マリアさんの作戦……『騒ぎを起こし、見張りをそちらに向かわせる』、『そこに自分たちが向かい、入れ替わる』。シンプルですが、確実なやり方と思います」
「問題と言えば……そのアニエスさんが囚われている部屋がどこか、分からない事くらいですが」
美珠と宮美が、マリアラーラに同意する。
「その点に関しては、端から探すしかないか。このホテル、結構部屋数も多そうだしな」
セシリーがそう言うが、
「……待って! それなんだけど……」
マリアラーラに、新たなひらめきが舞い降りた。
「……このホテルの、支配人のお部屋……まずそこに行くべきなの。たぶんそこには、ホテル全体の見取り図があると思うのよ」
支配人の部屋はすぐ近くにあった。狙い通り、そこにはホテル全体の見取り図が。
そして、一部のフロアに関し『この部屋の内装は、聖ガブリエル女学園の寮も手掛けた職人の手によるもの。造りも似せている』という一文を発見した。
アニエスが囚われているのも、学園寮に似た部屋。おそらくそのフロア内の一室に、彼女はいるのだろう。
それに従い、数階上の、フロアの部屋の前に向かった一行は。
『コンステラシオン・ルージュ』が数人、見張りに立っているのを発見した。
●ルワンダでのような勇気と良心を……
玄関、エントランスルーム。
『きゃはっ、残念でしたー』
『これ、お返しーっ!』
舞い踊るように、コンステラシオン・ルージュたちは、ハナの攻撃をかわしていく。
「!……このっ!」
やるッスね。後ろにもう一体が忍び寄ってくるとは……。
後方から接近され、致命的な一撃を繰り出されたハナだったが、辛うじてそれを躱していた。
『ほらほらーっ、そんなにぐずぐずしてると……』
『丸ごと殺しちゃうわよ……お嬢様!』
ルージュたちは、どこからか手斧を取り出し、それで殴りつけていた。
「……くっ!」
ハナのラウンドシールドが、その攻撃を受け止める。
「くっそっ! 砕け散れぇぇぇぇっ!」
音波めいた叫びを放つも、反撃は直撃に至らず。
ふわり……と、憎たらしい仕草でルージュたちは、
『ふふふ……』
『くすくす……残念でした』
嘲るような笑みを、ハナへと向けた。
「……ふっ」
それに対し、ハナも笑みを浮かべる。
途端に、ルージュたちに戸惑いの表情が浮かんだ。
「……『残念でした』? ああ、残念なのは、あんたらの運命ッスよ。避けてるつもりだったようッスが、こちとらそうなるように仕掛けてたんスよね……」
ハナの言葉は、聞こえていない様子だった。
ルージュたちは一か所に集まり、そのまま『凍って』いたのだ。
「これは『チリングリップ』。分子運動停止の魔力を、放たせてもらったッス……」
ハナはルージュたちへと攻撃を放つとみせかけ、一か所に集め……一気に魔力振動波を放っていたのだ。
凍り付いたルージュたちへ、
「……はっ!」
ハナは斧と盾で殴りつけ、粉砕した。
「……さて、仲間の元へと行かなくちゃあ、ッスね」
「!」
まるで、蜘蛛の力を得たかのように、
マリアラーラは、『壁歩き』を用い、廊下の天井を這うように進んでいた。『光学迷彩』を併用しているため、見られる心配はないが。それでもやはり警戒してしまう。
先行した美珠とセシリーが戻り、アニエスの部屋を発見。そして、ハナが玄関ホールで戦っているのをルージュたちは聞きつけていた。
『ちょっと! 変なやつらが階下で暴れてるわよ!』
『援護に行け? この部屋の見張りはどうすんのよ?』
『知らないわよ。2~3人ほど置いときゃいいわ! いいから来い!』
と、ほとんどが持ち場を離れていく。
そして、手薄になったのを確認し、
「……鬼さんこちら♪ 手の鳴る方へ♪」
ルージュたちの真後ろ、扉の前へマリアラーラは降り立った。そのまま、踊り出す。
『……あら、クソガキ?』
『なんであんたみたいなのが、ここに? ……下で暴れてる奴の仲間かしら?』
「……そうなの。でもお姉さんたち、言葉遣いが下品なのね。そういう人たちは……」
長生きできないのよ。
マリアラーラがそう言うと同時に、ルージュたちは、
「……『断て』」
セシリーの放った、『光の剣戟(グラディウス・ルーメン)』の斬撃を受け、
「……覚悟!」
美珠と暁翔の追撃により止めを差され、引導を渡された。
「待つッス!」
そして、ハナが階下から駆けてくる。彼女を室内に迎えると、扉を閉じ……、
「草薙大神よ、聖なる植物を茂らせ、壁とせん事を。畏み畏み申す!」
美珠の、草薙流退魔術『神樹の蔦(ヴァイン・バインド)』で壁を作った。
「これで良し。あとは……連中が戻って来たところを、片っ端からやっつけりゃいい」
暁翔がそう言うと同時に、
扉の向こう側から、衝撃が襲ってきた。
●マスカレードの仮面を剥ぐがごとく……
「さてと……」
マリアラーラは、考えをまとめていた。
ここまでは作戦通りに、事は進んでいる。
コンステラシオン・ルージュたちの気を引き、警備を薄くした状態でアニエスの部屋に入り込む。
そして、そこに『防衛ライン』を展開。これで、そう簡単には入っては来られない。
扉側には、美珠の『神樹の蔦』による植物の壁を展開。敵はアニエスを捕えようとして、そこから攻め込んでくる。そこをこちらが迎撃する。
既にルージュたちは、美珠の植物の壁に阻まれ、侵入できない。そこを、
「……はっ!」
セシリーのルクスリアによる刃を、隙間から一突き。
美珠や暁翔も、それぞれ剣を手にして、ルージュたちを斬り捨てていく。
「うらあっ! 『チリングリップ』、もっかい喰らえッス!」
更に、ハナも迎撃する。
「……待ってて、すぐに助けてあげるから」
マリアラーラは、改めてアニエスを、淫魔大樹の枝や蔦に巻きつかれ、覆われた彼女を見た。
見たところ、本当に『普通』といった印象の少女だった。取り立てて、特徴的なものは見られない。
どうやら、うまく行くか……。
と、マリアラーラがそう思った、その時。
「……くっ!」
セシリーが、膝を付き、
「……はあっ……はあっ」
「く、くうっ……はぁ、はぁ……」
美珠と暁翔とが、欲情に駆られた表情を浮かべていた。
「こ、これは……」
「くそっ! か、搦め手で来たッスね……!」
宮美とハナも、戸惑っているのを、マリアラーラは見た。
(「これは……何なの
……!?」)
開いた扉および窓、そして、美珠の立てた植物の壁の隙間。
そこから漂ってくるのは、何かの『香り』。
まるで、香炉で香料を焚いているかのよう。うっすらと吹く微風には、紅の色彩が付いている。
『ふふふ、聞こえてるぅ? 中のおバカさんたちぃ……』
『私たちの、『紅の淫夢』……たっぷりと味わってねぇ?』
ルージュたちの声を聴き、マリアラーラは悟った。
(「そういう……事なのね……」)
普通ならば、彼女もこの罠に引っかかる事だろう。
だが、マリアラーラは……普通では無かった。彼女は天井を仰ぐと、思いついた『策』を実行した。
「はあっ、はあっ、はあっ……」
「くっ……だ、だめだ……」
美珠とセシリーは、『紅の淫夢』を受け、その影響が出始めていた。
既に美珠は、床に座り込んで自分の胸とへそ下とに手をやり、火照った体を慰めつつある。
セシリーもまた……そんな状態の彼女を、とやかく言えない状況に落ちつつあった。
先刻からの『むずがゆさ』が更に強まり、セシリーの身体を熱く、甘く、苛んでいる。
それと同時に体が、勝手に淫香に反応してしまっている。
「あっ……くっ……はあぁ……」
胸が揉まれる感触に、胸の先端を服の上から摘ままれる感触も襲って来る。内腿とお尻の愛撫も、激しくなりつつある。
「ひゃあっ!」
尻尾も撫でられた。それらは錯覚。しかし錯覚の感触は確かなものになり、セシリーを更に襲った。
「…………」
やがて、セシリーも座り込み、
観念したかのように、目を閉じた。
美珠は既に、夢の中で。
『へっ、おら、ちゃんと犯されろ』
『そうだよ……美珠っちは、私たちの奴隷、なんだからね……』
「あっ! ああああああっ!」
裸にされ、小野田とメイに前後から挟まれ、裸にされて……犯されていた。二人の手つきは獣のそれ、愛はなく、ただ欲望のためだけに辱める行為。
『草薙、お前はなぁ……毎回こうやって犯される事が決まってんだよ』
『そうだよ。美珠っち。……快感には敵わないし、これも運命。だったら……逆らわずに従って、気持ち良くなろう?』
(「…………」)
そうだ。二人の言う通り。どうせ毎回、こうやって失敗して襲われる。さっきの堕落世界でもそうだったし、今回もそうなるだろう。
二人に前とお尻を貫かれ、
「! ……あああああっ!」
美珠は、果てた。
「……はぁっ、はあっ……」
そして、暁翔もまた、持ち場を離れ、自分から、
室内から出て、廊下に立ち、
「……れ、レオニー……みんな……」
レオニーと、そしてあの三人との情事を思い出し、興奮した状態で、
ルージュたちの前に、その姿を現した。
『……あらぁ、興奮してるの?』
『ねーえ、だったら……私たちの言う事、聞いてくれるぅ?』
その欲情にあてられたかのように、ルージュのうち三人ほどが、彼の前に現れた。
暁翔は、誘うように舞う彼女たちを追い、隣の部屋に……ホテルの客室の、別の部屋に連れ込まれ、そして、
『ふふっ、あいつらを片付ける前に……』
『お兄さんの事、ちょっとつまみ食い♪』
艶めかしく、舌なめずりするルージュたちに、ベッドに押し倒され、
暁翔は、自分のそれを、彼女たちに咥えられるのを感じていた。
●ハイビスカスのように、淫らに咲く花を……
『どうやら、『紅の淫夢』……すっごく、効いたみたいねぇ』
アニエスの、部屋の外。
『コンステラシオン・ルージュ』は、残り少なくなっていた。暁翔を隣の部屋へと連れ込んだ三名を除くと、残りは三名。
そのうちの一人は、扉をふさいでいる植物の壁を、美珠が生やしているそれを引きはがしつつあった。
『にしても、十人以上はいたのに、私ら以外をみんな殺すとはね……』
仲間の二人も、それを手伝う。
『まあいいわ。いくら強くても、性欲を持つ限り、快感と快楽の前には勝てない。つまり、私たちには勝てやしないのよ』
実際、この植物の壁を作った巫女も、あの通り。自分で自分を慰めつつ、夢の中で何者かに犯されている様子。とんだ淫乱巫女だ。
そうこうしているうち、植物の壁に、通り抜けられる程度の穴が穿たれてしまった。
それに入り込もうとした、その時。
『……!? え?』
何かが、聞こえてきた。
『あんっ♪ あんっ♪』
ルージュたちは、暁翔を犯していた。自分たち主導で、彼を犯し、絞り尽くそう……と、目論んでいたのだ。
普通の相手ならば、おそらくそれは成功していただろう。しかし、ルージュたちは、
『え? ……ひゃああっ!』
その目論見に、逆に自分たちが飲まれるとは思ってもいなかった。
「……俺を犯せば、籠絡できる。そう思ったんだろうが……当てが外れたな」
『な、何を……ひゃああああっ! つ、摘ままないで……あひぃっ!』
『ゆ、指を突っ込まないで! かき回したら……ひぎぃっ!』
暁翔は、反撃とばかりに……責められていた自分から、逆に責めていた。与えられるだけだった快楽を、逆に自分から与えていく。
軽く絶頂させられ、動けないルージュたちへ、
「……考えが浅いな。『相手を愛しく思う故に、一緒に気持ちよくなろうとして抱く』のと、『相手を気遣わず、ただ快楽を貪るためだけに犯す』のとは、全然違う。それに気づけなかったのが、お前さん達の『敗因』だ……」
暁翔は言い放った。
(「……どれだけ心を犯されても……お前さんたちと、あの三人……ゆうひ、美幸姉、加奈。それに……レオニーとを、取り違えたりはしない。それと……」)
それともう一つ。犯られっぱなしなのも面白くない。なので……下克上を敢行。
『ひゃああああっ! そっちはお尻……あひっ! あっ! あっあっあっ!』
暁翔は、続いて自分自身を、ルージュのお尻へと狙いを定め、そのまま突き入れ、ずんずんと突き続ける。
残りの二人も、同じくお尻に両手の指を。
続け、また前に、口に、突き入れる。時にはルージュ同士、女性同士で舐め合わせたり、愛撫させたりして、
『お、お願い……許して……許し……ああああっ!』
『も……だめ……あああああっ!』
『し、死んじゃう……しんじゃうぅぅぅぅぅぅぅっ!あああああっ!』
その口からは出るのは、懇願と許しのみ。そして、
『『『あああああああっ!』』』
暁翔は、乱暴に犯し、乱暴に快感を注入し、ルージュたちを果てさせた。
『……すきぃ……好きぃ……』
『お願い……あなたの……ものにしてぇ……』
すがりつく彼女らを横目に、暁翔はベッドから立ち上がり、
「……悪いが、後でな」
言い放ち、扉へと向かっていった。
美珠は、二人と同時に絶頂。そしてそのまま、三人で脱力したが、
『ぐはっ!……え?』
メイの腹に、美珠は拳を突き入れ、
『が……な、何を
……!?』
小野田に後ろから組み付き、その首に腕を絡みつけた。
「……あなたたちの言う通り、私はいつも快楽に負けます。ですが……」
そのまま、小野田の首を締め上げる。
小野田は触手を伸ばし、美珠をもぎ離そうとするが、うまくいかない。彼女の身体を愛撫するが、それでも力は緩まない。
『ま、待て! 何を……』
「……堕ちた快楽から、毎回這い上がるのも、また私です! 女性を奴隷扱いする、人でなしのあなたになど……絶対に負けません!」
美珠はそのまま、触手妖魔と化した小野田の首を締め上げ、捻り、折った。
「……草薙流柔術『鬼首捻り』。さようなら、小野田さん。メイさん」
メイを一瞥し、美珠は……目を覚ます。
「……セシリーさん? 大丈夫ですか?」
「……あ、ああ」
なんとか自力で、自身のむずがゆさ、疼きを抑えたセシリーは、
(「……驚いたな、今回ばかりは立場が逆だとは」)
美珠に助けられ、己もなんとか立ち直りつつあった。
「……ようやく、汚名挽回できました!」
「美珠、一応言っとくが、それを言うなら『汚名返上・名誉挽回』だからな。汚名挽回なら、失敗をまた行うって事になるぞ」
「え? ……そ、そうでした! はい!」
「……さあ、私の歌を、聞いてください……『心を込めて歌います(ハートキャッチ・リリック)』」
宮美の歌声が、戦場と化したホテル室内に響いた。
『へ、部屋の中にいたのに……どこから……』
三人のルージュに、真後ろに立っている宮美の歌が響く。
そして、宮美の後ろには。廊下の天井から飛び降りる、マリアラーラとハナが。
「部屋の壁を登って……」
「天井を破って、廊下に降りたッスよ!」
三人のディアボロスと対峙する、三人のルージュ。
『くっ……こ、このっ……このっ……』
だが、彼女たち、ルージュたちは、
戦意が徐々に薄れ、『好意』にとってかわられるのを感じた。
『……な、なんか……』
『悪くないかも……っていうか、良いかも!』
淫魔たちの心が、歌により奪われつつあった。
「……殺しで終わらない未来のため、私は歌う! さあ、この演奏、この歌を……貴女たちのボスにも、聞かせてあげませんか?」
『……うんっ♪』
『でもその代わりに、もうちょっと聞かせて?』
『こんなの、初めて……こんな気持ちになったの、初めてよ……』
ルージュたちは、戦意を喪失していた。新たな悦び、新たな快楽を得たかのような、そんな恍惚とした表情を浮かべている。
「では……案内して、もらえるの?」
マリアラーラの頼みに、ルージュたちは頷いた。
●オーバーにルックするホテルにて……
かくして、六人のコンステラシオン・ルージュ……宮美の歌に心奪われた三人と、暁翔に逆に犯された三人は、
『ボスの元に案内する』と言い出し、先行した。
その後を、ディアボロスたちも付いていく。
「信用しても、大丈夫でしょうか?」
「それに、アニエスを放置していくのも……」
美珠とセシリーが、心配そうに問いかけるが、
「ルージュの生き残りは、もうあの六人しかいないみたい。だから、アニエスさんは大丈夫だと思うの。宮美さんと暁翔さんが、ルージュたち本人から聞いて確認したからね」
マリアラーラは、そう答えた。
「まあ、信用できるかどうかは……行ってみないと分からんだろうな」
暁翔が、不安げにそう呟く。
「罠の可能性もあるッスから、油断はできないッスけどね」
ハナはまだ、警戒を解いていない。
不意打ちを警戒しつつ、ディアボロスたちはルージュたちに続き、ホテルの階段を上っていった。
そして、ホテルの最上階フロア。そこに辿り着くと、
『ここです! ご主人様ぁ、この奥に……』
『この廊下の奥の、最上級スイートルームに、私たちのボス……というか、元ボスがいますぅ』
『さあ、皆さんこちらへ……』
そこまで言ったが、突如として吹雪が吹き荒れた。
「え?」
「ちっ、やっぱり罠ッスか!?」
すぐにディアボロスたちは、後方へと下がった。幸い距離を取っていたため、直撃は免れたが、
『きゃああああああっ!』
六人のコンステラシオン・ルージュたちは、その吹雪をもろに受けてしまっていた。
『う、歌を……』
『逞しい、アレを……』
吹雪は彼女たちを凍結させ、氷塊と化す。
氷塊はそのまま割砕し、ルージュたちの存在をこの世から消していった。
そして、廊下の奥。
淫魔大樹の細い枝や蔦が、壁や天井を這う中。スイートルームの開け放たれた扉の中には、
この冷気を放った本人らしき、女性と思しき人影が立っていた。
「……どうやら、ルージュたちはボスのもとに、案内してはくれたようなのね」
マリアラーラは、ディアボロスたちは、物陰から顔を出し、その人影へ……視線を向けた。
いよいよ、最後。あれがアヴァタール級。
ディアボロスたちは最後の戦いに際し、心を引き締めるのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】がLV2になった!
【罪縛りの鎖】がLV3になった!
【壁歩き】LV1が発生!
【植物活性】LV1が発生!
【寒冷適応】LV1が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV2になった!
【命中アップ】がLV4になった!
【ガードアップ】LV2が発生!
【リザレクション】LV1が発生!
吉音・宮美
アドリブ・連携歓迎
貴女、仲間を……簡単に……ッ!
でも…ここで刃を持てば私も同じだ
『吉音式レコードシールド』で前奏を流し【氷雪使い】と【アート】で氷のライブステージを作成、深呼吸をした後ジェルメーヌを指差して宣言しましょう
私の歌で貴女を満たす!
選択PDを【演奏】
ジェルメーヌに、そして六人のルージュ達に届くように全力の【歌唱】を行います
後は相手の動きを【追跡】し常にその目を見ながら、戦いが終わるまで演奏を続けます
歌を通じて相手に自身の感情をぶつけ愛を求める心を満たすことでパラドクスの勢いを削ぐ【浄化】の狙いはありますが、一番の優先は相手に歌を届けること
約束、守りますよ
貴女達にも聴こえてますか?
マリアラーラ・シルヴァ
皆を窮地に陥らせ申し訳ないの
けど…アニエスの方をチラと見てから前を向くよ
大樹されるのは渇望を持つ人で
大樹は強いから管理するベーダも似た性質になる…のかも?
すると管理ベーダはアニエスみたいに
美しくて憧れる人との世界しか認めたくないって思ってるかも
ならお遊戯でベーダの戦意を挫けないかな
幕が上がればベーダがマリア達を倒した場面
戦いの余波でホテルは崩れアニエスはもう出涸らし
だからベーダ好みだった任務は終わり
次のオジさん大樹を管理する事になるよ
なのに戦いを続けるの?
そんな現実を示せば未来を持て余して
ベーダの攻撃から鋭さが失われ
アニエス譲りの愛されたがりの性質が
仲間の皆の輝きに憧れて降伏させられるかもだよ
ハナ・フリードル
【鐵の旋律】使用。
トマホーク(AXE)をエレキギター(AXE)に持ち変えて構えるっス。
気合い全開に入れていくのは大前提。精神論だけじゃなく今までのアヴァタール級との対戦経験を活かして技術限界超えていくっス。堕落の対義は向上っスよ。
燃える魂込めた「演奏」にのせて炎の嵐を巻き起こす。「火炎使い」「風使い」っス。
高熱で吹雪を退け旋風で敵の動きを拘束、燃焼。遠距離攻撃じゃ効かないなら炎嵐で吹雪をこじ開け、炎を突っ切って突撃。ギターを斧の様に叩き付け直接熱波をぶちこむっス。
何とかなったら最後の力を振り絞ってアニエスさんを救出。トマホークで慎重に木を切り裂いてゆっくり引っ張り出す。
さ、現実に帰るっスよ。
セシリー・アーヴェンディル
【アドリブ/連携歓迎】
閉じ込め、粉砕する。どうにも愛情表現が身勝手な敵のようだな。
あいにくだがそんなものへの応えは、この刃のみだ。
肉弾戦を仕掛けてくるのは淫魔にしては珍しい。間合いの内側に入られないよう注意せねば。
捕まり、抵抗するほどにこすれ合う互いの体の感触に再び疼きを覚える。
ルージュからの影響がまだ残っていたか……何とかして抜け出さなければ。
至近距離の【光の障壁】で敵を斬り裂き、無理やり引きはがす。
戦闘後はツタを斬り飛ばしてアニエスを救出する。
憔悴しているのならば、動けるようになるまで介抱も必要だろう。
伝えるべきことは夢の中で伝えている。後は行って来いと見送るだけだ。
草薙・美珠
●目的
アニエスさんを救うため、敵の首魁を倒します!
●手段
相手を閉じ込める結界を使ってくる相手ですか……
それならば、私も神様の力を借りた草薙流結界術・溶解結界で対抗します。
聖なる力を持った結界であれば、相手の結界を押し返すこともできるはず!
結界を破った隙をついて、妖魔を浄化する力をもった草薙剣で攻撃です!
って、結界の出力を上げたら、制御が効かなくなって……!?
●アニエスさん救出
草薙流退魔術の浄化(【腐食】)の力でアニエスさんを捕らえる木の枝や蔦を溶かして救助します。
ですが、アニエスさんを助けようとしていることを察知したのか、蔦が絡みついてきて!?
気絶したら、そこは再び悪夢の中でした。
嵐柴・暁翔
立場としては敵だったとしても、情を交わした相手を殺されるのは気に入らないな
……実はボスとルージュ達は百合な関係で嫉妬からの行動だったりするのなら随分とまあ過激な愛情表現な事で…
腹上死なら漢の浪漫だし精が尽きるまで搾られて枯死するのはある意味望む所だ
閉じ込められて性的に搾り取られそうなら此方からも責めたてて逆に快楽や精を注ぎ込みます
相手に突き入れる得物が物理的な刀から硬く反り返った漢の刀にかわるだけだな
戦闘後にアニエスを拘束している枝や蔓を切って解放します
ついでに彼女の悩みや迷いも切れたなら良いんだけどな
……草薙が悪夢に捕らわれて助けに向かえば始めは俺も妖魔側の配役だったりすれば笑うしかないわな
●好きとか、嫌いとか
『……コンステラシオン・ルージュ……こんな……こんな風に、敵を連れてくるなんて……』
ディアボロスたちは、ホテルの最上階、スイートルーム前の廊下にて、
今回の件の首魁たる、アヴァタール級……『淫獄のジェルメーヌ』を目前にしていた。
彼女は、巨大な胸を持つ美女の淫魔。大抵の淫魔がそうであるように、男性はもちろん、女性にも劣情を感じさせるほどの美人だった。長い髪に整った顔立ちで、浮かべる表情は蠱惑的なそれ。
着ているのは、いわゆるボンテージ。服というより、革製の紐を体に括りつけているかのようで、裸と大して変わらない。その巨大な両胸も、申し訳程度に隠しているのみ。両足のタイツ状のブーツの方が、面積が広かった。
頭に角、腰に小さなコウモリの翼、そしてお尻からは尻尾。それらが淫魔である事を知らしめている。
ジェルメーヌはたった今、冷気を飛ばし、己の配下たる『コンステラシオン・ルージュ』たちを全て凍らせ……砕いていた。
(「……どういう、事? 裏切ったから、怒って殺したとでも?」)
吉音・宮美(限界ギリギリ狐娘・g06261)は、そう予測した。しかし
『……敵を連れてくるなんて……ああ、なんて愛しいの。裏切られたか、操られたか、あるいは心変わりしたのか……いいわ、全て許しちゃう。あの世で幸せに、ね』
そのアヴァタール級は、恍惚とした表情で、そんな事を口にした。
「……裏切ったから、殺した……にしては……妙ッスね」
あまりに理解不能な物言いに、ハナ・フリードル(人間のサウンドソルジャー・g06921)が、思わず疑問を口にする。
『あら? 『妙』? そこのかわいい子、何が妙だというの?』
ハナの言葉を聞き、ジェルメーヌが言葉をかけてきた。
「……『愛しい』って言ってたのに、このベーダたち……コンステラシオン・ルージュたちを、なぜ殺したの? 部下なんでしょ? それが理解できないから、『妙』って言ったんだよ」
マリアラーラ・シルヴァ(コキュバス・g02935)が、ハナに代わり問いかける。
『あらあら……簡単かつ単純な事なのだけど。私はどんな存在でも、たとえ裏切られても、無能でも、意に添わぬ者でも……その全てを『愛しく』思っているのよ』
けどね……と、芝居がかった仕草で訴えかけるジェルメーヌ。
『……私は淫魔大樹を育てなければいけない。それを邪魔する相手は排除しなくちゃならない。けど、邪魔する相手も愛しいと思う。ならば……』
「……ならば?」
その言葉に聞き入っていた、草薙・美珠(退魔巫女・g03980)が、思わず尋ねた。
『ならば、愛とともに殺せばいい。そう、私が殺すのは、愛してるから。殺害行為は愛情表現。わかるでしょ? わかるはずよ、理解できるはず』
「……氷に閉じ込め、粉砕する。それも愛ゆえの行為か?」
セシリー・アーヴェンディル(ルクスリア・g02681)の質問に、
『もちろんよ。死ぬ間際にあの子達は、『生きたい』と思い、『生きている事』の大切さを感じつつ死んでいったはず。殺害こそ、究極の愛。そうでしょう?』
そう答えた。
「どうにも、愛情表現が身勝手だな。だが……」
セシリーは、剣を、聖剣ルクスリアを抜いた。
「あいにくだが、そんなものに対する答えは、この刃のみだ」
『あら、そんなものを振るってはダメよ? ……あなたを殺しにくくなるじゃない』
その言葉遣いは落ち着き、セシリーに対する憎悪も嫌悪も、嘲りや皮肉なども無い。まるで心底相手を思いやっているかのように、穏やかかつ心安らぐ口調であり、微笑みすら浮かべている。
「勝手な事を! あなたも殺されたくはないでしょう! 自分がされたくない事を他者に行うなんて、どこが愛ですか!」
草薙剣を構えた美珠が、義憤と共に叫ぶ。が、
『殺されたくない? そうよ。けれど私は、愛情ゆえに殺しているの。皆、殺される間際には、それを理解して感謝してくれてるはず。それに……私は死なないし殺されないわ。愛に溢れる私は、そんなことにはならないし、なるはずもない。なんとなくそれがわかるの』
根拠が乏しい、身勝手な理屈。その事に全く気付く様子を見せず、ジェルメールは首を傾げた。
「……見た目は魅力的だが……その考えは引くな」
嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)は、その手に『風牙』……使いこまれた業物の刀剣を抜き、その刃を淫魔へと向けた。ルクスリア、草薙剣に続く、三つ目の白刃がきらめく。
(「悪意無き邪悪とは、彼女みたいな奴を言うのだろうな」)
暁翔だけでなく、ハナ、宮美もそれを感じ取り、
ディアボロスたちは、戦いの体勢を整えた。
「貴女、仲間を……そんな理屈で、簡単に……ッ!」
宮美は、当初、『怒った』。
が、すぐにその怒りを鎮め、盾を……レコード盤型のシールドを取り出し、
音を、奏で始めた。
『吉音式レコードシールド』。盾にして、巨大なLP版。表面に刻まれた溝を用い、音を奏でる事が可能。
『あら? 奇麗な音ねぇ』
ジェルメールが、この音楽に反応するも、
『でもそれ以上に、私の冷たく燃え上がる愛を聞いて!『愛は時に冷たく激しく!』!』
荒れ狂う吹雪が、先刻にルージュたちを凍らせ割砕させた冷気が、ディアボロスたちに襲い掛かる。
それを各々で躱し、
「……私の歌は、熱く燃えるッス! うらーーーっ!」
ハナの演奏に乗り、炎の嵐が巻き起こった。それはジェルメールの氷を解かすも、僅かなもの。
ジェルメールは歯牙にもかけない様子で、後ろへと飛ぶように下がり……スイートルーム内へと逃れていった。
「逃がすか!」
「逃がしません!」
暁翔と美珠が駆け出し、セシリーがその後を追う。
「……あのベーダ、何か……」
そして、宮美とハナ、マリアラーラもそれに続いた。
●どうでもいいけど、最初に言い出したのは誰?
スイートルームは、広く、豪奢な作りだった。淫魔大樹の枝や蔦が生えていなければ、おそらくは素晴らしい部屋だと感じられた事だろう。
その中で、ジェルメールは。
天蓋付きベッドや、ソファの置かれた場所に、歓迎するかのように佇んでいた。
『さあ、みなさん。この部屋で私と愛を語らいましょう? あの子達も、死後の世界で待っていますよ? 私の話を聞けば……愛のうちに死ねるでしょう』
「その前に、私の歌を聞いてもらいます」
相手の戯言に耳など科さず、宮美はレコードシールドとともに、再び歌い始めた。
それとともに、周囲に氷が張り、ライブステージが形成されていく。バトルフィールドにして、ライブ会場。その中で宮美は、彼女へ指差し、
「……私の歌で、貴女を満たす!『ややこしい事は考えず、思いっきり歌ってみる!(ソング・オブ・マイハート)』ッ!」
宣言した。
しかし、
『何を仰ってるの? 私は既に、満たされてますよ? 皆さんへの愛がね』
ジェルメールは、どこか理解できていない様子。
「宮美さん、自分も……演奏するッスよ。セッションして、あいつに聞かせてやるッス!」
ハナもまた、携えていたエレキギターを構え、奏でだした。
「『鐵の旋律(フレイムオンコマンド)』! ゴートゥゥゥウ……フォーティーーーーン!!!」
先刻同様に、旋律が炎の渦と化し、烈風を生じ、ジェルメールへと襲い掛かる。
盾からの氷のステージ、ギターからの火炎が響き吹き荒れる中、
『……ああ、激しい愛……殺す前のあがきは、甘美ね。もっと……楽しみましょう?』
まるでその旋律を、全身で受けるかのように、両手を広げ……、
『封じ込めた』。
「!……まさか、結界を!?」
マリアラーラの指摘通り、既にジェルメールの周囲、広いスイートルーム内、全てに対し、
結界が張られていた。
『……『一途なる愛は全てを滅ぼす』。さあ、あなたたちも一緒に、この愛の元、滅ぼされて下さいな』
「断る!」
セシリーが切りかかるが、ジェルメールはそれを素手でいなす。
(「……ちっ、また、身体が疼く
……!」)
その疼きが、セシリーの身体を苛み、
『……断る? そんな事仰ると……もっともっと愛を伝えたくなります……わっ!』
ジェルメールの拳に、触れられた。
「……ひっ!」
思わず声が、そして、
『……『愛は破壊的に』! 優しく包み込み、完膚なきまでに……砕き、捻じ曲げ……愛をたっぷり注ぎ込んで殺して差し上げます!』
連撃が襲い掛かり、抱きつかれ、抱擁され……締め上げられる。
再び疼きが、セシリーの身体を苛んだ。それも、より強く、激しく。
「……くうっ! ああっ!」
(「ルージュからの影響、まだ、残っていたか
……!」)
その疼きを、精神力で無理やり抑え込み、
「『光の障壁(カストルム・ルーメン)』……ッ! 阻め! 離れろッ!!」
至近距離で、ジェルメールを切り裂くようにして障壁を放った。
『きゃっ……! 強引ね、けど、そういう反発するコには、こっちも強引に愛を与えたくなっちゃうわ』
一瞬早く、ジェルメールは離れて距離を取る。そのため、思ったよりもダメージは負っていない。
「ったく、愛って言葉を連発されたら、かえって安っぽくいい加減にしか聞こえない……ぜっ!」
暁翔もまた、切りつける。が、やはりジェルメールはそれを弾く。
『どうして? 愛こそすべて、愛愛アイ! 愛を多く語れば語るほど、愛も高まるもの! 違いませんよね!』
これまた、聞く耳持たない。
しかし、
「結界には、結界!……諸々の禍事、罪穢を祓い給え清め給え、悪しきものを溶かし給えと、申す事の由を!」
美珠が既に、攻撃を放っていた。
『え? ……な、なぜ? なぜ力が……抜け……』
「……『草薙流結界術・溶解結界(メルティング・フィールド)』!草薙大神よ、天津神、国津神、八百万の神々とともに、聞し召せと畏み畏み申す!」
結界内に、美珠自身が放った結界が、ジェルメールの結界内に改めて展開される。ジェルメールの力が削がれ、僅かに肌を覆う服も徐々に溶け落ちていった。
『くっ……こ、こんなの、私の愛の前には破られない……』
「いいや、破れる! 美珠、やれ!」
「はいっ! セシリーさん!」
美珠が結界の力を、より強くして押し返す。いつものように、美珠自身の服も溶けていくが、構わない。
「あと……もう一押し……!」
「なら! その一押しを物理でやるッス! おおおおおおりゃあああああっ!」
ハナがギターを持ち直すと、斧のようにして空間へと叩き付けた。
「……俺も行くぜ。俺の太刀に……斬れぬもの無し」
暁翔が、自身の刀を構え、集中した。
「……すべてを斬れ……雷光裂斬牙……! はーーーッ!」
『天元突破冒険者(ランディ)』、目前の理不尽な終焉を破壊する、強き意志とともに放たれた斬撃が、ジェルメールの結界そのものを斬り飛ばす。淫魔の結界が、内側から浸食し、破っていくのを、ディアボロスたちは感覚で悟っていた。
●彼女のメモリアルが、駆け抜けていく
『ぐはっ! ……ま、まだまだ……私の愛は、この程度では……』
倒れたジェルメールは、明らかにダメージを食らっていた。
が、本人はそのダメージを無視し、立ち上がる。
「ふうん、なら……マリアのお話、聞いてなの」
と、それを見ていたマリアラーラは、その声を直接、ジェルメールの耳に響かせていた。
「『夢魔のお遊戯会(ドラマチックドリームチック)』。マリアオンステージ、聞いて欲しいの」
アニエスの事をちらっと思い出し、マリアラーラは語り始めた。
宮美が作った氷のステージに、更に手を加えたステージが周囲には顕現。それはまるで、異世界のような、ダークな人形劇の舞台のような、かわいらしさと不気味さとが混同していた。
「ねえお姉さん。どんなに愛とか言ってても、結局は……自分の意見ばかりで、異なるみんなの意見、認めてないよね」
『え? お嬢ちゃん、何を……』
「美しくて、憧れる人との世界、自分が好ましく思う人や、お気に入りの人との世界。それしか、認めたくないって言ってるみたいなの。愛ってのは、お気に入りだけを『都合よくえこひいき』する事とは違う。そうでしょ?」
『……えこひいき? 私が? 私は全てに愛を向けています!』
「嘘。あなたの殺しが愛なら、アニエスさんも含む、世界中の全ての生命を殺さない事には、成立しない。なのにそれをしてないし、できてもいない。するそぶりも見せない。そもそもそうする事が無理。と言う事は……これは、矛盾じゃないの?」
マリアの顕現したステージ内で、その内容が指摘され、スポットライトが当てられた。
『そ、それは……これから、皆さんを殺すんです!』
「ふぅん。なら、仮に……お姉さんがマリアたちと、皆を殺しました。で、その後……」
どうなるか、予想される展開を見せるね……と、マリアラーラは手を振った。
手の先、ステージ上には、小道具……、ジェルメールが皆を討ち取り、倒した様を……人形劇に用いる人形たちが再現している。
『あら、これで万事解決ね!』
「ううん、問題が起こるよ。戦いの余波で、このホテルは壊れちゃう。そして、大樹が吸い取っているアニエスは、もう出涸らし……。彼女も死ぬ。お姉さんはアニエスとマリアたちをさっさと忘れて、また別の人を愛の名の元に殺す……。だから、愛してるつもりでも、誰からも愛されない。ずっとそのまま」
『え……そ、そんなことは!』
「そんなことはあるよ。だってもう、さっきに殺したルージュたち六人の事、もう忘れてるじゃない。愛するがゆえに殺したけど、殺した途端に忘れる。あなたの愛って、その程度?」
ルージュの六人の人形が現れ、凍って砕けて消えた。
『お、覚えてます!忘れては……』
「なら、名前を言ってみて。彼女たちがどんな人物で、何が好きで何を望んでいたか、言ってみて。……ほらね、言えない。ついでにもう一つ……」
マリアラーラは、更にジェルメールへと畳みかけた。
「アニエスも死んじゃったら、次の大樹を管理する事になるよ。今度はアニエスみたいに、あなた好みじゃなく、臭くて下劣でどうしようもなく醜いオジさんかもしれない。そんなのを管理する事になるかもよ? なのに……戦いを続けるの?」
『ち、違……私は……私は……』
やがて、マリアラーラのお遊戯の幕が、静かに降り、ステージは消え、
絶望めいた表情で、スイートルームの床に座り込んだ、ジェルメールの姿がそこには残された。
『私は……私は……愛を、愛してるから、殺して……』
ぶつぶつと、自分の事を呟き、そのまま倒れ……動かなくなった。セシリーは駆け寄り、ルクスリアの刃を振り上げたが、
「……待ってくれ、セシリー。止めは俺に任せてくれないか? それよりみんなは、アニエスの方へ……」
「? それは構わないが……なぜだ? 何をするつもりだ?」
問うセシリーへ、暁翔はにっ……と、笑みを浮かべた。
「なーに、俺はあまり活躍できなかったから、止めくらいは刺したいと思ってな。みんなも、死体蹴りみたいな事はしたくもないだろう? それに草薙の服も、そろそろ限界で目の毒だし。何よりアニエスの方が心配だ。すぐに向かうから、行ってくれ」
「え? きゃああっ、そうでしたっ!」
美珠の服は、いつものように結界の影響で溶けかかり、露出度がかなり増えていたのだ。
●今日こそ言えそう、Love Me Please。だが言わなくていい。
かくして、暁翔がスイートルームに残り、他のディアボロスたちはアニエスの部屋へと戻る事に。
「……さてと。じゃ、この刀でとどめを……」
『風牙』の剣先をジェルメールに向けた暁翔だが、
『……あなたなら、わかりますよね! 私は愛せるし、愛される、愛されてると!』
いきなり立ち上がり、ジェルメールは彼に抱きついた。
だが……その力は先刻と異なり、ほぼ常人と同程度にまで弱体化している。
『あなたを愛し、その証明として殺してみせます! 力が無くなっても……きゃっ!』
彼女を引きはがし、そのまま彼女を抱え上げる暁翔。
「……ったく、その狂った愛の理屈は、引くっつってんだろ。仲間たちに無抵抗のあんたを殺させたら後味悪くなると思ったから、申し出たんだが……まあいい。だったらマジに、止めを差すとしよう。色んな意味でな」
そう言いはなった暁翔は、彼女をスイートルーム内のベッドへと強引に運び、投げるように放り出し、転がした。
『な、何を……私の、身体を?』
「ああそうだ。どうせ殺されるんなら、『腹上死』で逝きたいじゃないか。漢の浪漫、尽きるまで搾られ枯死ってのも、ある意味望む所。ま、その前にあんたの方がもたないかもな」
そう言って、暁翔はジェルメールにのしかかった。
『わ、私の方が、先に愛であなたを……ああああっ!』
ジェルメールは、肌を覆う僅かな服を全て取り去られ、暁翔と交わり、肌を重ねた。その肌を、胸を、尻を、大事な場所を、全てを見られ、彼自身の持つ大剣に突き入れられる。
大剣から放たれる快楽、とめどなく迸り、注ぎ込まれる精に、
『お、大きい……硬く、反り返って……あっ、あっ、あっ……ああああああっ!』
「……くっ!」
暁翔にもまた、快感が。
そして。
『……わ、私の、方が……愛で……殺され……』
数度目の絶頂の後に、ジェルメールは目を開いたまま、
快感漬けになって、その命を止めた。
「……最初に言った通り、刀で止めをさせたな。もっとも、斬る刀じゃなく、漢の刀に変更はしたが」
ジェルメールの目を閉じさせ、暁翔は、
立ち上がり、服を着直し始めた。
「きゃああっ! ま、またこれですかっ!」
アニエスの部屋にて。
彼女を助けるため、まず美珠が進み出て『草薙流退魔術』の、浄化の力を用い、アニエスを捕えている木の枝や蔓を腐食させようと試みた。
その試みは、一応は成功。アニエスを捕えているほとんどの枝や蔓が、腐食し……彼女を助けやすくしたのだ。
しかしその代わりに、別の方向から伸びてきた枝や蔓が、美珠を捕え、アニエス同様にがんじがらめにしてしまったのだ。
「美珠! ……一応は、大丈夫のようだな」
「は、はい! 私より、アニエスさんを!」
「わかった。みんな、アニエスをまず助けるぞ!」
と、セシリーは剣を取り出し、アニエスを覆っている木の枝や蔓を斬りにかかった。
「自分も! 行くッスよ!」
ハナもまた、トマホークで枝を切り始める。
太い枝は無く、楽に斬り飛ばせる。最初はそう思ったが、
「……やっぱり」
「細い木の枝や蔦でも……頑丈なの」
宮美とマリアラーラは、切り払う二人を見て、そう思わざるを得なかった。蔦は強い弾力を持ち、ゴムのように伸びて中々切れない。枝もまた、細く見えてもなかなか刃が通らず、千切るのはもちろん、斬る事も困難。ワイヤーを切断するようなものだった。
それでも、美珠が腐食させてくれたためか。一部の枝はそれほど頑丈ではなくなっている。五分から十分もあれば、アニエスを助け出せるだろう。
むしろ、美珠の方が大丈夫かと、こっちの方を心配する皆だった。
気絶した美珠は、夢の中に、悪夢の中に入っていた。
場所は、どこかの広い部屋の中。そこでは手足を伸ばした大の字の状態で、蔦や枝に固定され吊り下げられていた。服は溶け落ち、ほぼ裸に。
そして、
『ひどいよぉ、美珠っち。腹パンするなんてさぁ』
「そ、それは……あひいっ!」
男性が生えた、友人の叢雲冥花こと、メイに前から貫かれ、
『首を折るとは、ひでえじゃねえかよ草薙。巫女のすることじゃねえ……ぜっ!』
「ひあああっ! あっ、あっ!」
後方からは、お尻へ、小野田が突き入れていた。
『俺は腕を折られたぜ』
『俺は足だ』
『俺は床に叩きつけられたぜ』
『この詫びは、身体で払ってもらうぜぇ?』
あの不良たちも、抵抗できないのをいい事に、美珠の身体ををひっきりなしに撫でまわしていた。
「や、やめて……触らないで……あっ、ああああああっ!」
この悪夢は、アニエスを助け出した後。
暁翔が戻り、ディアボロスたちの助けで脱出するまで続いていた。
●女々しさ皆無の、愛を求める者
「大丈夫か?」
セシリーが、毛布にくるまったアニエスへと声をかける。
ディアボロスたちは、アニエスを解放した後。美珠も解放し、二人をホテル外へと運び出す事で、ようやく状況は完了した。
淫魔大樹に覆われていない、ウィーン市内の別の建物内で一休みしていた所、アニエスは目を覚ましたのだった。
「……あの、ありがとう、ございました」
見たところ、疲労の色が濃い。が、アニエス自身に異常は無さそうだ。
「歌が聞こえて、目を覚まさなきゃって、そう思えました。それに……自分から話しかけて、自分の気持ちを伝えなきゃ、って」
宮美とハナは、彼女のその言葉を聞き、頷く。
「あと、闇がどうとか、レオニー様が男にたぶらかされたような気がしますが……」
マリアラーラと暁翔は、それを聞き視線を逸らした。
「……でも、そちらのシスターが伝えて下さった事は、はっきりと覚えています。色々と、ためになる事を聞かせていただき……、感謝しています」
シスター……セシリーはそれを聞き、思わず微笑む。
「……私や他の皆が、伝えるべき事を既に伝えている。夢の中でな。後で、聖ガブリエル学園の教師や生徒たちが避難している、近くの村へと送ろう。そこで……言った通り、自分の想いをみんなに伝えてこい」
「……はい、セシリーさん」
もう、後は手を貸す必要もないだろう。後は……『行って来い』と見送るだけ。
彼女、アニエス・アントワーヌの想いが、憧れの君たちに通じれば良いと、心から願うディアボロスたちだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【ハウスキーパー】がLV2になった!
【友達催眠】がLV4になった!
【建物復元】LV1が発生!
【平穏結界】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【ガードアップ】がLV3になった!
【命中アップ】がLV5(最大)になった!