リプレイ
吉音・宮美
アドリブ・連携歓迎
ロープにもたれ掛かるようにして寝る人々……は、19世紀の写真でしたか
ですがここも本来の時間でも産業革命の影響が大きかった時代、疲労と睡眠は耐え難い誘惑なのでしょう
ですが私はこの手の【精神攻撃】には耐性があります!何故なら22:00には寝て6:00に起きる生活サイクルをしているからー!!
【アート】を作るものとして自らも美しくならねばと思い身に付けた健康的な早寝早起きの習慣!寝すぎたら逆に体調悪くなるんですよねえ
きっちり八時間寝たら飛び起きてルーティーンである体操代わりの【ダンス】だってしてやりますよ!
無・為
アドリブ協力OK
仏教では煩悩をコントロールする事、精神を浄め仏へと至る修業を行う
「…この程度のもの、マーラの誘惑にも劣る……」
しかし自身以外は無事だろうか?
鬼灯に周りの邪気を切り払いして貰い、結界術を張る
もし他にこの誘惑にやられてしまう者が現れた時、私が救助する事になるだろう
「…これが拡がれば、ある種の地獄が産まれる様なもの…一体誰が……?」
一般人を見付けるマでは歩き探さねばなるまい
「…まだぶじであれば、良いのだが……」
不安を感じながら、敵や罠に気を付け奥へと進む
ラウム・マルファス
耐える自信はないから、ドローン換装パーツの電撃発生装置を腕に付けておこウ
寝ちゃったらビリビリして起きれるハズ
覚悟を決めて大樹に触れるヨ
添い寝は拒絶するだけ無駄カナ
横に他人が寝てるって、会社で仮眠してた頃を思い出すヨ
研究職だから、結構仮眠すること多かったんだよネ
ベッドがあるだけマシ……ん、ぼーっとしてきタ
添い寝サンは、黒髪で清楚そうな人
誰かに似てる……誰だっけ、まぁイイヤ
オヤスミ
「アババババ!?」
電気ビリビリ……他の方法にすればよかっタ
目は覚めたケド痺れる、ウゥ
でも触ろうとしてた添い寝サンも一緒に痺れてるネ
今のうちに逃げよウ
あぁ、百合花(妻)に似てるノカ
容姿が好みかなんて、考えたことも無かっタ
●『堕落世界』へ
(ロープにもたれ掛かるようにして寝る人々……は、19世紀の話でしたね)
いつの時代であろうと疲労時の睡魔は耐え難い誘惑、吉音・宮美(限界ギリギリ狐娘・g06261)はそう思った。
「あれ……皆は……?」
同じタイミングで『淫魔大樹』に触れたはずだが、周囲に仲間たちの姿が見えず、彼女は首を傾げた。
『堕落世界』の中へ入れば強力な催眠がかけられる、これも何らかの催眠効果なのだろう。
周囲の景色は靄に包まれたようにぼんやりとしており……それが鮮明になると同時に宮美を襲ったのは重く圧し掛かってくる睡魔、それと奇妙な懐かしさ。
(まるで……実家のような安心感?)
優しさに包まれながら彼女は眠りに落ちてしまう。
「横に他人が寝てるって、会社で仮眠してた頃を思い出すヨ」
かつて研究職だった頃、ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は休憩室での雑魚寝の仮眠も多かった。
ベッドがある点だけは『何もかも忘れて眠れる』この世界の方がマシとも言えた。
ただし目覚めることなく『淫魔大樹』にエネルギーを供給し続けるのは、ラウムには願い下げだ。
「ディアボロスの任務も疲れるでしょう? ここで私と眠りましょう?」
不意に聞こえてきた女の声。
ラウムは、自分がどこかの寝室にいることに気付いた。
目の前にはフカフカの羽毛布団と、手招きする黒髪で清楚な佇まいの女性。ラウムを強烈な眠気が襲う。
(誰かに似てる……誰だっけ、まぁイイヤ……)
そして意識がストンと落ちる。
無・為(働くお坊さん、大家族・g05786)が目にしたのは妖艶な天女たち。
女体を露わにしたも同然の艶やかな衣装をまとい、天女たちが彼に寄り添って囁き、寝所へ誘う。
「逞しいお坊さま、一緒に眠りましょう?」
「修行でお疲れでしょう? 私たちが御身を癒して差し上げましょう」
誘う先は天上の神々がその身を横たえるような寝所だろうか。
だが為には笑止千万、仏教では煩悩をコントロールすること、精神を浄め仏へと至る修業を行うもの、何日も休まず眠らずに経を唱え続けることもある。
「……この程度のもの、マーラの誘惑にも劣る……喝!」
目を見開き為が一喝すれば、睡魔は消し飛び天女たちも退けられる。
蟷螂の自動人形である鬼灯が周囲の邪気、すなわち天女を切り払い、為自身は経を唱えて結界を張り巡らす。
やがて周囲の景色が変化する。
それはまるで鬱蒼と樹木が生い茂る薄暗い森、『淫魔大樹』の内部、この区画の『堕落世界』が真の姿を現す。
「……これが拡がれば、ある種の地獄が産まれる様なもの……さて一体誰が……?」
枝で覆われた頭上を為が見上げた、その時。
「実家のような安心感でも、私の実家があるのは2013年の港区! この時代じゃない!」
「アババババ!?」
聞こえてきたのは宮美の声と、ラウムの絶叫。
宮美はこの手の精神攻撃には耐性がある。
何故なら22時には寝て、6時に起きる生活サイクルをしているから。
アートを作るものとして自らも美しくならねばと思い、身に付けた健康的な早寝早起きの習慣こそが彼女の武器。
「寝すぎたら逆に体調悪くなるんですよねえ……あら? ラウム、さん?」
宮美の隣には、うつ伏せで悶絶しているラウムの姿があった。
催眠効果による睡眠に耐えられる自信はないからと、彼が腕に付けていたのはドローン換装パーツの電撃発生装置。
「電気ビリビリ……他の方法にすればよかっタ……目は覚めたケド痺れる、ウゥ」
もし寝てしまっても電撃で起きれると考えて装着したが、設定を少しばかり強力にしてしまったようだ。
ラウムを誘ってきた黒髪の女性も電撃で痺れていた。
女の姿が急速に薄れ、そこには黒焦げになり焼け落ちた太い枝のような触手が転がっていた。
(あぁ、百合花に似てたノカ。容姿が好みかなんて、考えたことも無かっタ)
『淫魔大樹』の催眠効果が、妻に似せた女性をラウムに見せたのだろう。
「皆、無事に目覚めて何より」
鬼灯を回収した為は、しかし安心するには早い、と思った。
「私たちが捜す男性も……まだ無事であれば、良いのだが……」
その者を見つけるまでは、生い茂る枝を掻き分けて捜さねばならない。
行く先は深く暗い森。
ディアボロスたちは闇の奥へと進んでいく。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【照明】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
無・為
堕落している人々の意識、呼吸など生命の危機の有るものから森の出口付近に結界術で結界を張り
中で白檀の香炉の香り、樒の浄化作用を利用して一般人の救助に尽力する
「…すまない、鬼灯、梔子…森にはまだいるはず……」
鬼灯「ったく怠ぃな、こいつらの堕落が招いたんだろ?」
梔子「兄さん、彼らは犠牲者だし修行者みたいな生活してる訳じゃないのよ?」
兄妹しっかり頼む
「…私は結界を張って動けない…救える命は救わねば……」
兄妹は森に走る、まだ何人も犠牲者がいる
私の力だけでは難しいだろう、結界や浄化もどれ程の効果か…
吉音・宮美
アドリブ・連携歓迎
さて、堕落の原因でやはり一番大きいのは肉体精神両方の披露があるでしょう、であればそれを絶つのが堕落から目覚める一番の近道!
選択PDを発動
【伝承知識】をもとに【演奏】するはアルゴノーツの船員であり医療の神アスクレピオス、その幻影の力を借りて男性の疲労を治療しましょう
疲労は健康の敵!それとの戦いであれば英雄の幻影の力を使うことができるはず!闘病とも言いますしね
ついでなので可能なら【魔術知識】の知識を使って淫魔大樹が分泌している栄養素を調べてみましょう、少しでも成分が分かれば今後何かに使えるかもしれませんし
ラウム・マルファス
汎用ドローンを情報収集用に換装して、対象の男性を探すヨ
照明も使っておこウ
仕事に疲れてるなら、一発で起きれる言葉を囁いてあげよウ
「締め切りまであと3時間」
嘘は下手だケド、まぁ真に迫る必要はないでショ
「やァ最悪のお目覚めだネ。待ってマッテ、二度寝しないで、永眠しちゃうから話を聞いテ?」
「ここは淫魔大樹の中。キミは囚われてて、ゆっくり寝る代わりに色々吸われて死にかけてル」
「ここ、記憶も忘れやすくなってるみたいでサ。名前はいえル?家の場所ハ?家族とか、いル?」
彼の添い寝サンも、彼の家族に似てるのカナ
「帰ったらゆっくり寝るといいヨ、お仕事なんて辞めてもいいんだしサ。キミが辛いのは、家族だって辛いはずサ」
●目覚め
情報収集用の汎用ドローンが見つけたのは、『淫魔大樹』の枝が特に密集した場所だった。
枝という枝が集まり、重なり、巨大なドームを形成していた。
「見るからに怪しいネ」
ドローンの照明が照らし出す場所に、ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は目を細めて訝しむ。
「……掻き分けてみるよりあるまいな」
無・為(働くお坊さん、大家族・g05786)は桶棺から人形の鬼灯と梔子を展開すると、枝を掻き分けさせ、いや切り裂かせる。すると密集する枝の向こうに扉が現れた。
この鬱蒼とした森の中では不自然すぎる、分厚い扉。
最後に扉が切り裂かれた時、その先にあったものは……。
「……ホテル?」
吉音・宮美(限界ギリギリ狐娘・g06261)が目にしたのは、広々とした豪奢なスイートルーム。ホテルの一室そのものだった。囚われの男性もホテルのスイートルームで添い寝されていることを、彼女は思い出す。
部屋の中央には天蓋付きのキングサイズのベッド。
サイドチェストに置かれたアロマキャンドルがオレンジ色の炎を漂わせている。
異空間である『堕落世界』ではどんな光景が広がっていても不思議ではない。
ならば、この場所こそが。
ラウムと宮美は室内に足を踏み入れ、慎重にベッドへ近づいていく。
為は周囲に結界を張り、鬼灯と梔子へもうひと仕事、お願いしていた。
「……すまない、鬼灯、梔子……この森、この区画に、他にも囚われの者がいるやもしれぬ……」
「ったく怠ぃな。いたとしても、堕落が招いたんだろ?」
「兄さん、囚われた人は犠牲者だし修行者みたいな生活してる訳じゃないのよ?」
兄妹しっかり頼む、と為が重ねて請うと、鬼灯はしぶしぶながらも納得した態度を見せた。
「……私は結界を張って動けない……救える命が他にあるのならば、救わねば……」
兄妹が森に走り出すのを見届けた為は結界の維持に専念、さらに懐から白檀の香炉を取り出す。
天蓋付きのベッドの傍まで来たラウムと宮美が見たのは、天蓋から垂れるシルクのヴェールの向こうで眠る、安らかな寝顔の男性だった。
ここは『淫魔大樹』の胎の中、そこへ作られたホテルの一室は、虜囚の彼を閉じ込める牢獄だ。
「添い寝さんたちが……いませんね」
宮美が首を傾げる。
「どこへ行ったのでしょうか?」
添い寝をする女たちが、何故か不在だ。
「不在は気になるケド、まずは彼ダ。では早速。仕事に疲れているなら、一発で起きれる言葉を囁いてあげよウ」
ヴェールをまくり、眠る男性の耳元に顔を近づけ、ラウムはこう囁いた。
「締め切りまであと3時間」
それは、危機感を煽られる人間の多い言葉であろう。
「締め切り……? 締め……? そうだ、工期……工期だ!」
男性が目を見開いた。『締め切り』という単語から連想したらしく、『工期』という言葉が彼の口から飛び出た。彼は何らかの建築現場で働く肉体労働者なのだろう。
「やァ最悪のお目覚めだネ」
「いや、ここではもう工期なんて気にしなくてもいい……」
男性は再び瞼を閉じてしまう。二度寝だ。
「待ってマッテ、二度寝しないで、永眠しちゃうから話を聞いテ?」
男性の肩を掴み、慌てて揺り起こそうとするラウムだが、その手を何者かが掴んだ。
「ダメよ。彼は疲れているの。眠りの邪魔をしてはイケナイわ」
「おにいちゃんは、ここで、何もかも忘れて、ずーっと眠り続けるの」
唐突にベッドの上に現れた、煽情的なネグリジェ姿の美女と、愛らしい寝巻姿の美少女が、ラウムの手を掴んでいた。
見た目は人の手、しかし、人ならざる感触。
「何が起きてもおかしくない空間……邪魔をされた思って、出てきましたね。でも、邪魔をしているのはあなたたちです」
魔楽器を手にした宮美がパラドクスを発動させる。
「堕落の原因でやはり一番大きいのは肉体精神両方の疲労でしょう。であれば、それを絶つのが堕落から目覚める一番の近道! 奏でましょう、医療の神の楽曲を!」
伝承知識をもとに演奏される楽曲が、アルゴノーツの船員であり医療の神アスクレピオスの幻影を浮かび上がらせる。
疲労は健康の敵、それとの戦いであれば英雄の幻影の力も用いることができるはず。
「闘病とも言いますしね!」
奏でられる楽曲に、美女と美少女が苦しみ出した。
さらに室内には、いつしか為が炊いた香炉の香りも満ちていた。
「私の力だけでは難しいだろう……結界や浄化もどれ程の効果か……だが、楽曲と力を合わせたのなら」
樒の浄化作用と香りが、アロマキャンドルの香りをかき消していく。
「う、う……うん……ここは……?」
再び男性が瞼を開いた。
「なんだか、とても長く、眠っていたような……あなたたちは?」
ディアボロスたちは手短に、自分たちの素性を明かす。
「そしてここは『淫魔大樹』の中。キミは囚われ、ゆっくり眠る代わりに色々吸われて死にかけていタ。ここ、記憶も忘れやすくなってるみたいでサ。名前はいえル? 家の場所ハ? 家族とか、いル?」
「そうだ、家族! 我が家には子どもが5人もいるんだ! だから俺は寝る間も惜しんで必死に働いて! ああ、何で今まで忘れていたんだ!」
家族のために働き続け、疲労困憊しきっていたところに、『淫魔大樹』から添い寝の女性たちの幻影を見せられ、彼は囚われてしまったのだろう。
パラドクスによって、添い寝の彼女たちは千切れた触手に姿を変えていた。
それが彼女たちの正体だ。もう彼を添い寝に誘うことはない。
「帰ったらゆっくり寝るといいヨ、家族のためにお仕事大変だろうけど、たまには休まないとサ。キミが辛いのは、家族だって辛いはずサ」
ラウムの言葉を噛み締めるように、男性は顔を伏せた。己を省みている様子だった。
その時、部屋の内装が崩れ出した。天井とベッドもだ。
囚われの男性が目覚めて、添い寝の女性たちが触手に戻ったことで、部屋も牢獄としての機能を喪失したか。
ラウムと宮美は男性を連れ、崩れる部屋から急ぎ脱出する。
間一髪、彼らが部屋から出たところで完全に崩壊し、後に残ったのは折れて積み重なる『淫魔大樹』の枝の山だ。
「あの触手の栄養素、調べてみたかったな……」
添い寝の女性たちの正体は触手、それらが男性に栄養素を送っていたのかもしれない、宮美はそう推測していた。しかし触手は完全に埋もれてしまっている。
「崩落の音で、異変を知ったか……」
結界を張り続ける為が、こちらへ急速に接近してくる複数の影を視認した。
この区画に配備されたトループス級の群れだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【操作会得】がLV2になった!
【プラチナチケット】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【ダブル】がLV2になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
無・為
アドリブ協力OK
あれは、マーラにしてはあまり禍禍しさがない
まあ、敵である事には変わりないか
「…すまぬ鬼灯、梔子には見せられないあの…敵を相手してくれないか……?」
鬼灯「はぁ、マジかよ…」
光学迷彩で姿を隠し、鬼灯はぶった切る
見えない狩人は蟷螂の専売特許だろう
吉音・宮美
アドリブ・連携歓迎
おっと別の場所でも会いましたねナイスデザイン、相変わらず男性的な外見なことで
選択PDを発動
【伝承知識】をもとに創造するは雷の象徴ケラウノス
さらに『吉音式英雄共鳴譜』を【演奏】!自らに担い手であるゼウスの力の一部を付けそのコントロールを完璧にしたら相手が死なない程度の電力で【貫通撃】
痺れて動けなくなったところを『吉音式グレイプニル』で【捕縛】して無力化しましょう
……ヒロイックシンフォニーのアレンジ、上手く行きましたね
でもこれ下手すると相手殺しちゃうか……それはやだなぁ
ラウム・マルファス
フライトドローンに男性を乗せよウ。
「掴まってて、安全な場所まで動かすカラ。心配しないで、ちゃんと護るヨ」
栄養扱いなら傷つけたりはしないだろうケド、うっかり巻き込んだら大変ダ。
安全を確保してから、カラス型ドローンに早業で爆薬を搭載。
薬品で煙幕を張って敵の視界を……目なさそうだケドとりあえず塞いで、完全視界で見通そウ。後ろの彼もあんまり見たくないだろうシ。
敵の動きを観察。うーん、キモイからあんまり見たくないけど我慢ガマン。
味方の攻撃と連携し、隙を突いてカラスを突撃させ爆破攻撃するヨ。マイクを使いそうなら手持ちの爆薬を着火して破裂音でかき消そウ。特に後ろの彼には聞かせるわけにはいかないからネ。
●猥褻物同然の敵
迫りくるトループス級『フランク』の群れ。
目的はディアボロスの排除と、目覚めた男性を再び『淫魔大樹』の触手に繋ぐことだ。
「別の場所でも会いましたねナイスデザイン。相変わらず男性的な外見なことで」
猥褻物同然の敵を前に、吉音・宮美(限界ギリギリ狐娘・g06261)は魔楽器の弦を指で軽く弾いた。
「掴まってて、安全な場所まで動かすカラ。心配しないで、ちゃんと護るヨ」
ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は救助した男性を手早くフライトドローンの上に乗せる。
敵も栄養扱いの彼を傷つけはすまい。とはいえ、戦闘の余波に巻き込みでもしたら一大事だ。
「あれは、マーラにしてはあまり禍禍しさがない……だが」
無・為(働くお坊さん、大家族・g05786)には別の悩みがある。何故なら、敵の襲来に鬼灯と梔子が戻ってきている。
彼としては梔子にフランクの姿を見せたくないし、相手をさせたくない。姿が卑猥すぎる。
「……すまぬ鬼灯、梔子には見せられないあの……敵を相手してくれないか……?」
梔子を桶棺に戻し、為は鬼灯に請い願う。
「はぁ、マジかよ……」
渋々と従う鬼灯だが、準備運動代わりに振られた蟷螂の鎌はどこか嬉々としていた。他に囚われた人間の探索は空振りに終わってしまったが、戦闘となれば己の力を存分に活かせる。鬼灯の姿が光学迷彩によって周囲に溶け込む。
フランクの群れは杖を突き出し、茸形の頭部からは胞子を撒き散らし、ディアボロスたちを包囲するべく左右へ広がる。
対するディアボロス、男性の乗ったフライトドローンを後方へ下がらせ、彼の盾となって立ちはだかる。
「後ろの彼もあんまり見たくないだろうシ。ところでキミら目なさそうだケド、実際のところドウなノ?」
フランクの群れめがけて、ラウムは懐から取り出した試験管を無造作に投擲する。
試験管はフランクが手にした杖で叩き落したが、中の液体は外気に触れると同時に盛大な白煙となった。
張られた煙幕は完全視界で見通し、ラウムはカラス型ドローンを展開する。
戦闘の余波が救助した男性に及ばぬよう、為は経を唱えて結界を張り続ける。
「……見えない狩人は蟷螂の専売特許……鬼灯、直接の戦闘は任せたぞ」
光学迷彩で姿を隠し、鎌でフランクへ斬撃を浴びせ、斬った時にはもう鬼灯は次の相手へと駆けている。
フランクどもも反撃に出る。
煙幕の中を意味不明の金切り声を上げて突進し、鍵杖のマイクを用いて悍ましい歌声を響き渡らせる。
筋肉の隆起した上半身と太い蛇の下半身が暴れ回れば、トループス級と言えども威力は侮れない。
またバラ撒いた胞子は歌声によって振動、標的の精神へ寄生して操ろうとする。
だが、音楽を武器にするのは敵だけではない。
「こちらも一曲奏でるとしましょう」
伝承知識をもとに宮美が創造するのは雷の象徴ケラウノス。
演奏するのは『吉音式英雄共鳴譜』、その腕に宿す英雄の力は雷霆の神ゼウス。
電力をコントロールする術を完璧なものとした彼女の指が、魔楽器の弦を弾く。
「どうです? シビれる演奏でしょう?」
奏でられる荘厳なヒロイックシンフォニーは、オーディエンスのフランクたちを文字通りに痺れさせていく。
「うーん、キモイからあんまり見たくないけど我慢ガマン」
ラウムは味方が弱らせた個体を狙ってドローンを突撃させた。
ドローンに積まれた爆薬がフランクどもを吹き飛ばす。爆薬の爆発は奇怪な歌声を阻害する役目もある。救助した男性がフランクどもの歌声を聞いてしまい、精神を操られてしまっては元も子もない。
斬撃に倒れ、あるいは爆薬で吹き飛ばされ、1体また1体とフランクが白煙で覆われた戦場に倒れていく。
残った敵も宮美が『吉音式グレイプニル』によって捕縛、無力化する。行動不能にまで追い込めば充分だろう。
救助した男性を伴い、ディアボロスたちは急ぎその場を離れる。
今は彼を連れて『淫魔大樹』の外へ脱出することこそが大事だ。
しかしこの区画を管理する敵とて、そう容易くディアボロスたちを逃がしはしないだろう。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】がLV2になった!
【アイスクラフト】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【ダブル】がLV4になった!
【命中アップ】LV1が発生!
無・為
アドリブ協力OK
森が深くなるにつれ邪気を感じる
「…光学迷彩がある故、ばれる事はないとおもうが……」
慎重に事を運ぶ
結界術と浄化、人形の梔子には鋼糸で木を切断して打つけて行動を阻害していく
邪気や攻撃は守護人形の鬼灯が防ぎ切る
そう、気が付かれないように
「…足元がお留守だ!」
百足のジン黄櫨が締め上げる
「…百足の毒に耐性はお有りか……?」
百足は首筋に噛み付き毒を流す
ジンの毒はただの毒ではない
蠱毒で産まれた呪詛と有機物混合毒だ
簡単には解毒できまい。
「…動きを封じている間に…早く止めを……!」
皆に呼びかける、人形とジンに力を割くと矢張り止めを刺せない自分の不甲斐なさ
「…致し方ないが、歯がゆいものだ……」
吉音・宮美
アドリブ・連携歓迎
さて、この辺を仕切るボスの登場ですね……それでは、大人しく私の歌を聴いてもらいましょう!
選択PDを発動!
【演奏】するのは眠りを誘うスロウなメロディ、【歌唱】するは眠りの心地よさ夢の中を連想させるフレーズ
貴女が眠りを夢見せたようにこちらも貴女を夢に誘うような【精神攻撃】を行い戦闘不能にしましょう!
攻撃……と言っても私的には好き勝手演奏しているだけではありますが、ともかく眠りの感情に飲み込ませれば無力化できるはず
可能なら相手を殺さずに終えたいですが……例えそれが難しくとも最後まで演奏し続けましょう、それが私のやりたいことなので
ラウム・マルファス
ソラ(g00968)と
救助対象の男性には引き続きドローンの上で待機しててもらうヨ
「アリガト、ソラ。あとアヴァタールだけ倒せば逃げ出せるハズサ」
スマホの召喚魔法でコミカルなネコ型ドローンを召喚。シロとクロの2体だヨ
関節と背中に爆薬搭載して、加速しながら接近戦で戦うヨ
「淫魔ってみんな露出多いよネ。……風邪ひくヨ?」
フライトドローンに乗って、挑発したら適当に逃げ回ろウ
あんまり速度は出ないケド、パラドクスに距離は関係ないし、ボク走るとコケそうだしネ
十字花の嵐でやる気が無くなっても、フライトドローンは命令通り逃げ回るし、シロとクロも自律行動だから攻撃はやめないヨ
適当に応援してよウ
「ソラ、がんばレー」
ソラス・マルファス
兄貴(g00862)と
「加勢に来たぜ。厄介な場所だな、ここは」
捕まらなけりゃ栄養にされたりもしねぇんだろうが、長居はしたくねぇ場所だ。
フライトドローンを呼び出して、足場にしながら敵に駆け寄ろう。
豚は登ってこれねぇだろうが、登るなら足場にされそうなフライトドローンを適当に動かして攪乱しよう。
飛んでくるならフライトドローンをぶつけて弾き飛ばすぜ。
メランコリーヌに近づいたら大剣に風を纏わせ、叩ききると同時に呪詛を流し込む。
呪詛で動きを鈍らせたらシロとクロが追撃するだろう。俺は兄貴の傍まで下がるぜ。
●いつか誰もが静かに眠れる日のために
森が深くなるにつれて邪気が濃くなっていく。
この区画を管理するアヴァタール級の所在も近いはず。
だが行く手を塞いでいた太い枝を断ち落とした時、ディアボロスたちを待ち受けていたのは予想だにしない光景だった。
目も眩む閃光に包まれ、その光が急速に消えて。
彼らが立っていたのは豪奢なホテルの一室だった。
広々としたスイートルームをアロマキャンドルがオレンジの炎で照らし、部屋の中央には天蓋付きのキングサイズのベッド。『堕落世界』に囚われた男性が眠り続けていた部屋と全く同じだ。
「ふ、振り出しに戻ってしまったんですか……?」
フライトドローンに乗せられた男性が、信じられない、という顔つきで声を漏らした。
あの部屋は崩壊したはず、確かにそれを目撃した、ディアボロスたちはそう思った。
だがここは『淫魔大樹』の胎の中。何が起きてもおかしくはない。
そして邪気は天蓋付きのベッドから漂ってくる。
「ようこそ、復讐者の皆さん。私の可愛いキノコちゃんたちをイジめてくれたみたいね」
天蓋から垂れるシルクのベールが左右へ開く。
少女の肢体に、白い肌を大きく露出させた衣服を纏う、甘い容貌の淫魔。
アヴァタール級、魔女メランコリーヌが姿を現わした。
「あなたたちはどこにも逃げられない。まとめて『淫魔大樹』の養分になって貰うんだから」
メランコリーヌがそう宣言すると、部屋の窓を触手が突き破って現れた。
床からも、壁からも、天井からも、蠢く無数の触手が突き破って現れた。
豪奢なスイートルームが、瞬く間に触手まみれの不気味な空間と化した。
さらに分離した触手がメランコリーヌの胴と手足に絡みついた。
それは触手が鎧となったようにも見えたし、彼女の全身から触手が生えているようにも見えた。
「さあ、どの子から遊んであげようかしら?」
指に絡みついた触手の先端を舌で舐め、メランコリーヌが挑発の眼差しをディアボロスたちに向ける。
「それじゃあ遊んで貰おうか。こいつは挨拶代わりだ!」
野太い声が響き渡った。
壁面を触手ごと切り裂いて、ソラス・マルファス(呪詛大剣・g00968)がメランコリーヌを真横から強襲する。
逆説連鎖戦では攻撃と反撃は同時、強襲された時にはメランコリーヌは既に豚の使い魔の群れを呼び出している。
迫り来る豚の群れに呑まれそうになるも、ソラスの手はラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)が展開したフライトドローンを掴み、空中へ一時退避した。
「兄貴、加勢に来たぜ。厄介な場所だな、ここは」
「アリガト、ソラ。アイツさえ倒せば逃げ出せるハズサ」
互いの無事を確認すると、マルファス兄弟はドローンで旋回しながら眼下の敵を見据える。
「ここが私のステージ……です!」
豚の群れを避け、吉音・宮美(限界ギリギリ狐娘・g06261)もフライトドローンへ飛び乗った。
ドローンの上で彼女は魔楽器へ手を伸ばす。この敵に相応しい曲は、何か。
無・為(働くお坊さん、大家族・g05786)は結界術と浄化の力を用いて豚の群れを跳ね除ける。
鬼灯と梔子に味方の援護を頼むと、為は後方へ目を向けた。
そこにはフライトドローンに乗った男性の姿。恐怖に怯え、ドローンにしがみついている。
もし結界が破られれば彼に危害が及びかねない。
(……光学迷彩がある故、容易くばれる事はないとおもうが……)
結界術に力を注ぎつつも、敵に気づかれぬよう彼は蠱毒壺を掌で撫でた。
そう、事は慎重に運ばねばならない。
「添い寝さんで惑わし、人を眠りに誘う魔女……貴女に相応しい曲は決まりました。それでは、大人しく私の歌を聴いてもらいましょう!」
宮美が奏でるのは眠りを誘うスロウなメロディ、歌唱するのは眠りの心地良さと夢の中を連想させるフレーズ。
メランコリーヌが眠りを夢見せたように、こちらも彼女を眠りと夢へ誘う精神攻撃を弾き語る。
「眠りを与える私を、眠りへ誘おうとでも?」
メランコリーヌの右腕それと触手が高々と突き上げられ、煌めく十字花の嵐が巻き起こる。
何もかも投げ出したくなる脱力感が、ディアボロスたちを襲う。
眠りには眠りを。
精神攻撃には精神攻撃を。
先に戦闘不能へ追い込まれるのは、どちらか。
「淫魔ってみんな露出多いよネ。……風邪ひくヨ?」
敵を挑発するラウムは手にしたスマホから新たなドローンを召喚した。
呼ばれてスマホから飛び出たのはコミカルなネコ型ドローン、シロとクロ。
命令通りに動くドローンならば脱力感とも無関係、関節と背中に爆薬を搭載した2体は加速しながら突っ込み、敵の頭上から爆薬をばら撒いた。
メランコリーヌを包むように立て続けに爆発が起こる。
爆発の度に周囲の触手が千切れ飛び、豚の使い魔が炎に焼かれる。
「へーえ、私と火遊びしたいんだぁ?」
だがメランコリーヌ自身は身に纏った触手の鎧に守られている。
「夢の中でならお相手してあげるわ」
微笑む魔女の両眼が妖しく輝く。ディアボロスたちを襲う脱力感が強くなる。それと重くのしかかってくる眠気。
何もかも投げ出したくなる脱力感の正体は強烈な睡魔だ。
ここで眠ってはならない、もし眠ってしまえば、『淫魔大樹』のエネルギー源となる悲惨な末路が待っている。
(触手は防御だけじゃなくて、反撃時の力も増幅している?)
歌う宮美はメランコリーヌが纏う触手の特性を、そう推測した。
彼女を倒すには触手ごと斬るか、触手の防壁も無関係なパラドクスを放つか。
「ともかく眠りの感情に飲み込ませれば無力化できるはず。思いっきり歌うだけです!」
敵がどんな手を使おうとも最後まで演奏し続ける、それが自分のやりたいこと。
自分にできることをやり通す、宮美はそれ以外は考えない。
厄介な敵はメランコリーヌだけではない。
周囲に生えた無数の触手が、ディアボロスたちの攻撃を妨害し、回避行動の邪魔をする。
救助した男性を触手が奪い去ろうとするのは為が結界術で阻止しているが、鬼灯と梔子は触手に阻まれてメランコリーヌへ思うように近づけない。加えて豚の使い魔たちも数体が残存している。
「……たとえ有象無象が湧いて出ようとも、こちらの細工は流々仕上を御覧じろ……足元がお留守だ!」
直後、大百足がメランコリーヌの足から胴へと締め上げるように駆けあがった。
「いつの間に!」
驚愕に顔を歪めるメランコリーヌへと、為は蓋の開いた蠱毒壺を掲げて見せる。
「……百足の毒に耐性はお有りか……?」
呪詛を纏う大百足、ジン黄櫨は蠱毒壺から出るや光学迷彩で身を隠し、密かにメランコリーヌへ忍び寄っていた。
そして今、彼女を締め上げ、首筋に噛み付き毒を流しこんでいる。
ジンの毒は蠱毒で産まれた呪詛と有機物混合毒。簡単には解毒できまい。
触手を鎧に防御を固めても、演奏と歌唱の精神攻撃と、肉体を内側から蝕む毒には関係がない。
メランコリーヌが口から大量の血を吐き出した。ドス黒い、血の塊だった。
「……舐めた真似をっ。わたしの恋しいカラマール! 来なさい!」
焦るメランコリーヌが烏賊の使い魔を呼び出す。
カラマール、それは触手で標的の捕縛とエネルギー奪取を行い、奪った力は使役する魔女へ分け与える使い魔。
烏賊の腕が大百足に張りつき、その力を根こそぎ奪い去ろうとする。
メランコリーヌ自身も触手で大百足を引き剥がそうとする。
しかし大百足は剥がれない。為が力を注いでいるのだ。さらに鬼灯と梔子が攻撃に出る。梔子の鋼糸が床から伸びる触手を断ち、切り拓かれた道を駆ける鬼灯が使い魔どもを駆逐していく。
「……致し方ないが、歯がゆいものだ……」
人形とジンに力を割くが故にトドメを刺すまでに至れない己に、為は不甲斐なさを感じざるを得なかった。
「……動きを封じている間に…早く止めを……!」
だが彼には頼れる仲間たちがいる。
宮美の歌がメランコリーヌの精神を揺さぶり続ける中、マルファス兄弟が動いた。
「ソラ、がんばレー」
スマホを操作してドローンへ最後の指示を下すと、ラウムはソラスを送り出す。
「捕まらなけりゃ栄養源にもされねぇんだろうが、長居はしたくねぇ場所だっ」
ソラスを妨害するつもりか、残った豚の使い魔が跳躍してきた。
豚には足場にしていたドローンをブチ当てふっとばし、ソラスが狙うは直下のメランコリーヌ。
風を纏った大剣による斬撃、その名を山颪。
降下の勢いも乗せた豪快な一撃をメランコリーヌに浴びせると同時に、呪詛も流し込む。
確かな手ごたえを感じたソラスが後方へ跳ねると、最後の指示を実行するべくシロとクロがメランコリーヌへ突撃した。
2体のドローンが搭載する高性能爆薬の一斉爆発。
爆炎に全身を焼かれる魔女の姿を、ディアボロスたちは見た。
「……嘘。眠るのは、私……?」
メランコリーヌの体が焼失し、周辺の触手が萎びていく。
木の枝も根も枯れていく。
彼女が管理していた『堕落世界』が崩壊していく。
(可能なら殺さずに終えたかったのですが……私たちはディアボロスです、仕方ありませんね。せめて彼女の眠りのために奏でましょう)
眠れ、魔女よ。
そしていつか誰もが静かに眠れる日のために、ディアボロスたちの安息の夜のために。
宮美が奏でる鎮魂歌が、厳かに響き渡る。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
【フライトドローン】がLV2になった!
【隔離眼】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
【アクティベイト】LV1が発生!
【命中アップ】がLV3になった!