嫉妬の魂、胸に抱き(作者 七尾マサムネ
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#TOKYOエゼキエル戦争  #豊島区からの侵攻軍(水着嫉妬団)  #豊島区  #中野区 

●調査団の出撃
 豊島区にそびえたつ、高層ビル。
 人工的に作られた高みより、下界を見下ろす者がいた。名を『複素冥界』イマジネイラという。
 部下からの報告を聞き終えたイマジネイラは、ふう、とため息を吐いた。
「文京区までもが海と化した……あのアルケーが、ディアボロスに討たれたということか?」
 配下の無言の頷きに、イマジネイラは、物憂げに呟く。
「ならば、ベクターを討ったのも、ディアボロスであったと推測できる。我が豊島区は、既に奴らの標的とされていることは疑いようもない」
 しばしの沈黙の後。イマジネイラは、新たな命令を下した。
「より詳しい状況を確認する。消えた文京区跡へ調査に送れ」
 要員として白羽の矢が立てられたのは、覚醒したてのトループス級。
 戦力としては、いささか頼りなくもみえる風貌。しかし、その身から立ち昇る殺気は……本物だった。
「いや調査にそこまで殺気はいらない」

●新宿駅グランドターミナル
 夏のある日。王・天花(人間の無双武人・g03356)が、新たな案内を始めた。
「攻略旅団の提案によって行われた、ジェネラル級アークデーモン『線形代魔』ベクター、そして『統治者』アルケーの撃破により、文京区は最終人類史へと奪還されています。相次ぐ激戦の勝利、素晴らしい戦果です」
 しかし、ジェネラル級の一角が崩された上、文京区が海と化したことで、豊島区の支配者であるアークデーモン『複素冥界』イマジネイラは、ディアボロスへの警戒を強めている。現在は、消失した文京区周辺の調査を行っているようだ。
「調査に動員されているのは、中野区にて覚醒させられたトループス級です。豊島区と中野区は隣接していますから、そこから協力関係が結ばれているのでしょう」
 だが、この軍勢を素早く撃破できれば、相次ぐ敗戦で混乱している豊島区への攻勢を仕掛ける事も可能となるだろう。

 豊島区の軍勢を構成するのは『嫉妬団』。この嫉妬団は、中野区の水着イベントによってトループス級に覚醒させられた一般女性たちのみから構成されている。
「中野区において、様々なイベントを利用して一般人をクロノヴェーダ化している件については、かねてより攻略旅団でも注意喚起されていました。このトループス級についても、攻略旅団で予測された範囲内であるようです」
 元々、対文京区用の戦力だったようだが、今回は調査要員に転用されたようだ。
 嫉妬団化した女性達は、ディアボロスが説得する事で、撃破後に一般人に戻して救出できるので、可能な限り説得を試みて欲しいと天花は言う。
 具体的には、胸の大小が価値基準の全てではないとか、ありのままで十分だとか、そういう肯定が必要だろうか。

「せっかくので、出立前に、最終人類史で海遊びに興じていくのもよいと思いますよ?」
 夏ですしね、と、天花が目を細めた。

●嫉妬の力
 文京区跡へ進軍する嫉妬団。女性のみからなるこの集団は、怨念めいたオーラに包まれていた。
「巨乳……潰す……」
「世界を……平らにしてやる……」
「小さく薄きものの価値を知らしめてやる……」
 ぶつぶつと呟きながら歩みを進める一行を、指揮官たるアヴァタール級『アビスガゾーア』が眺めていた。
「使い捨ての調査戦力という事だったが、どうにも怪しい……む」
 ざっ。
 嫉妬団の視線が、一斉にアビスガゾーアに殺到した。正確には、その豊かめな胸部に。
「何故こちらに殺意を……この者ら、本当に大丈夫なのだろうな?」
 一抹の不安を覚えつつ、調査行動を継続するアビスガゾーア。
 その先には、海が見えている。平たい水面が。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【水源】
1
周囲に、清らかな川の流れを出現させる。この川からは、10秒間に「効果LVトン」の飲用可能な水をくみ上げる事が出来る。
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【一刀両断】
2
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【友達催眠】
1
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【プラチナチケット】
2
周囲の一般人が、ディアボロスを関係者であるかのように扱うようになる。効果LVが高い程、重要な関係者のように扱われる。
【冷気の支配者】
1
ディアボロスが冷気を自在に操る世界になり、「効果LV×1km半径内」の気温を、最大で「効果LV×10度」低下可能になる(解除すると気温は元に戻る)。ディアボロスが望む場合、クロノヴェーダ種族「アルタン・ウルク」の移動速度を「効果LV×10%」低下させると共に、「アルタン・ウルク」以外の生物に気温の低下による影響を及ぼさない。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
1
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【建造物分解】
1
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。

効果2

【命中アップ】LV3 / 【ダメージアップ】LV4 / 【反撃アップ】LV1 / 【アクティベイト】LV1 / 【ラストリベンジ】LV1 / 【ドレイン】LV1 / 【ダブル】LV2 / 【ロストエナジー】LV2

●マスターより

七尾マサムネ
 夏! なので、海だったり水着だったりする感じのシナリオです。

 ①では、出発前、ビーチで遊べます。折角なので英気をたっぷりと養いましょう。

 ②では、接触したトループス級『嫉妬団』を、後々一般人に戻せるよう、説得します。
 胸囲の格差がある人……胸の大きな人が説得すると、逆効果になるようです。

 ③では、嫉妬団と戦います。②とは反対に、胸囲の格差がある人と戦うと弱体化するようです。
 ②がクリアされていれば、倒した嫉妬団員さんは元の人間に戻り中野区に帰っていきます。

 ④では、豊島区調査団を率いるアヴァタール級『アビスガゾーア』と戦います。特に嫉妬団の考えに同調していたりはしない普通のアヴァタール級なので、普通に戦って大丈夫です。

 それでは、夏をエンジョイしつつ、迫りくる胸囲……もとい脅威を排除してくださいませ!
65

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


有栖川宮・永遠
妹の永久(g01120)と参加

可愛い妹と存分に海を満喫するのもいいですね。(紫のクロスホルタービキニを着用)。スイカ割り、ですか?浜辺では欠かせない遊びですよね。(クーラーボックスに入れたスイカを取り出す)

最初は私ですか?永久程バランス感覚が無いので自信が無いのですが。姉として基本を見せないとね。(目隠しをして永久に回転させて貰う)

あっちにふらふらしながら永久の指示でスイカにようやく辿り着き、必死の思いでスイカに向かって棒を振り下ろすと手応えあり。スイカが見事に割れます。

永久のスイカ割りは私が指示しなくても永久なら難なく割れるでしょね。鮮やかな手並みに感心。

二人仲良く並んでスイカを頂きます。


有栖川宮・永久
永遠お姉ちゃん(g00976)と参加

(水色のリボンビキニを着用)浜辺の遊びといえばスイカ割り!!(持ってきたクーラーボックスをどん、と床に置いてスイカを2個取り出す)お姉ちゃん、スイカ割りしよう!!

お姉ちゃんに出番を譲るよ。妹が出しゃばった真似しちゃいけないからね。私がばっちりフォローするから大丈夫!!(パカッと割れたスイカ)お姉ちゃん、お見事!!

次は私の番だね。うんバランス感覚とかには自身があるから期待してくれていいよ。(ばっちり綺麗に割れたスイカを見て)うん、上出来!!

浜辺にお姉ちゃんと並んで座ってスイカを食べるよ。大好きなお姉ちゃんと食べるスイカはきっと極上の味に違いないよ。


 有栖川宮・永遠(玲瓏のエテルネル・g00976)は、真夏のビーチを見渡した。
 空、太陽、海と三拍子揃った、この場所を。
「可愛い妹と存分に海を満喫する……いいですね」
 紫のクロスホルタービキニを身に着けた永遠が、にこりと笑う。第三者的には、太陽より眩しいかもしれない。
 そんな姉と一緒に、煌めく海を眺めるのは、有栖川宮・永久(燦爛のアンフィニ・g01120)。
 どん! 水色のリボンビキニ姿の永久は、持参したクーラーボックスを置いた。
 永久がボックスより取り出したるは、2個の球体……スイカ。どちらも立派。
「浜辺の遊びといえばスイカ割り!! お姉ちゃん、スイカ割りしよう!!」
「スイカ割り、ですか? 浜辺では欠かせない遊びですよね」
 永久から手渡されたスイカを受け取り、その重さを確かめる永遠。中身も詰まっていて、食べごたえはもちろん、割り応えも充分の予感。
 とっておきのこのスイカなら、相手にとって不足なし。永久は、もう1つ欠かせぬものとして、目隠しと棒を取り出した。差し出す相手は、永遠。
「じゃあまずはお姉ちゃんから!」
 妹が出しゃばった真似しちゃいけないからね、という、姉思いの永久なりの配慮である。
「私からですか? 永久程バランス感覚が無いので自信が無いのですが」
 少しばかり弱気をのぞかせる永遠。
 だがそれ以上に、姉としての矜持がある。お手本を見せないといけない、という使命感を抱きつつ、永遠は目隠し。手にはスイカ棒。
 それから、ぐーるぐる、と永久に回転してもらい、平衡感覚をあやふやにしたところで、チャレンジスタートだ。
「い、いきますよ」
「安心して! 私がばっちりフォローするから大丈夫!!」
 永久の掛け声が、姉の進行方向を微調整。
「右、そうそうそのまま……あっ、もうちょっとだけ左!」
「ええと、こんな感じでいいでしょうか?」
 あっちにふらり、こっちにふらり。
 妹の指示を受け、慎重かつ大胆に進む永遠。
 ディアボロスとしての力……残留効果を使えば、攻略する事もわけはないだろう。
 だがそれは違う。自力で達成してこそ意味がある。この手で勝利を掴み取る、いや、打ち砕くのだ……!
「そこ!」
 永久の一声で、ぴた、と足を止める永遠。気配がする。スイカの気配。
 ここまで来たら迷いは無用。何より、妹の確信に満ちた言葉に嘘があるはずがない。
 後は、必死の思いで棒を振り下ろすだけ……!
 ぱかん!
 手応えあり。
「お姉ちゃん、お見事!!」
 永久の拍手で永遠が目隠しを外すと、足元には、見事に二つに割れたスイカがあった。

 さて、今度は、永久の番だ。二個目のスイカをセットして準備OK。
「永久も頑張ってくださいね」
「うん、バランス感覚とかには自身があるから期待してくれていいよ」
 棒を正眼に構え、感覚を研ぎ澄ます永久。敵と戦う要領だ。
 ただし、本気を出し過ぎると色々便利な力が発動してしまうので、ほどほどに。実力で戦わなければ、正々堂々スイカと対決した姉に失礼であるし。
「よーし、じゃあいくよ!」
 ほどよく平衡感覚を失ったところで、いざ出陣!
 目指すは、不動の構えで待ち受ける本丸……スイカ。
 割れるものなら割って見ろ、という無言の圧を感じ取ろうと試みる永久。
 そして、確実にスイカとの間合いを縮めていく永久を、見守る永遠。妹なら、自分が指示しなくても難なく割れるはず。
 しかし、請われれば、アドバイスするのにもやぶさかではない。
「もう少し左、でしょうか? ええ、そのままで大丈夫です」
「ここだね? えいやっ!」
 気合一閃!
 しゅるり、目隠しを解けば、ばっちり、綺麗に割れたスイカ。
「うん、上出来!!」
「見事です、永久」
 永久の鮮やかな一撃に、永遠から思わず拍手がこぼれた。

 しゃくっ。
「ん、甘い!」
 浜辺に並んで座って、姉と一緒にスイカを食べる永久。
 こうして大好きな姉と食べるスイカは、極上の味。
「美味しいね、お姉ちゃん」
「ええ、本当に」
 リラックスしてすっかり甘えモードになった永久に、にっこり、微笑む永遠。
 夏はまだ続くし、任務もこの後に控えている。
 だが、ここで充填した活力があれば、難なく乗り越えられる。そう確信する永遠なのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!

黄泉王・唯妃
【娑婆蔵(g01933)さんと】

黒のハイネックビキニ装備。
太陽の眩しさと暑さに少々鬱陶しさを感じますが、コンテストより先に水着が披露できるなんて、なんて素晴らしいんでしょうか!
娑婆蔵さんに伝われ! この水着の素晴らしさ!(執筆の神様への圧強め)

とはいえ折角海に来たのですから泳ぎませんと!
さあ行きましょう娑婆蔵さん! あの青い海の彼方へ!

(入水即沈没)

くっ!? この間も思いましたが勢いだけでは泳げないようですね!
ええ、はい。実は私泳げません。
あ、水中戦闘は大丈夫ですよ?

も、もしよろしければ泳ぎの手解きなどしていただいてもいいです、か?(後半の声は消え入りそうで、そして手をそっと差し出す)


奴崎・娑婆蔵
【唯妃(g01618)と】
水着コンテストの現地下見、そしてツレの水着の『先バレ』とでも言わんばかりでござんすね、カハハ
(全身包帯グルグル巻き&ハーフパンツタイプの水着とかいうナリ)

さて、水着姿で来やしたが何をしたモンやら
そこいらで涼でも取るか……エッ海の彼方まで行くんでござんすか??

おうおう、やる気じゃァありやせんか――アッ(唯妃の沈没を目撃)

……実は、泳げない……?
意外な弱点がありやしたねお前さん

ともあれ泳ぎの手解きか、よござんす
水面で手を引いてバタ足を見てやるくらいは出来やすぜ

よし、では参りやす
あっしが掛け声を出してリズムを取りやす、合わせて息継ぎなせえ
……トン、トン、トン、カラ、トン……


 夏空の機嫌も上々。
 自分達を照らす太陽を見上げながら、奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)は、妙にそわそわ、上機嫌だった。
 理由は、目の前の海……というより、別の所にある。
(「水着コンテストの現地下見、そしてツレの水着の『先バレ』とでも言わんばかりでござんすね、カハハ」)
 『本人』が隣にいるので、思考をだだ漏れさせたりはしないけれど。
 そんな娑婆蔵は、全身包帯グルグル巻き&ハーフパンツタイプの水着というコーディネイト。
 いささか怪しげな風貌になってしまったかもしれないが、周りにはディアボロスしかいないので問題ない。スイカ割り楽しそうでござんすね。
 という訳で、娑婆蔵の視線の先には、黄泉王・唯妃(灰色の織り手・g01618)。太陽の恩恵を受けて煌めく水面に、自身の瞳を負けないくらいに輝かせていた。
 唯妃の魅惑の肢体を包むのは、黒のハイネックビキニ。
 太陽の眩しさと暑さに少々鬱陶しさを感じるが、そんな事は些細な事。コンテストより先に水着が披露できるという、素晴らしい機会の到来に比べれば。
 娑婆蔵さんに伝われ! この水着の素晴らしさ!
 きらきらきらきら! 娑婆蔵へと放たれる、魅力満載のオーラ。
 すると娑婆蔵は、きりり、と表情を引き締めた。
「いやぁ、いいもんでござんすね。いいもんでござんすね水着」
 大事な事は二度言わねばならぬ。
 実のところ、娑婆蔵の内心は喜びで満ち満ちていた。二度言わしめるほどに。夏最高……!
 娑婆蔵をそんな心持ちにさせたのは、水着以上に、唯妃本人の魅力によるところが大きかったりする。
 平常心を保っているつもりが、包帯でも隠し切れぬ喜びがあふれている。すっかりご満悦な娑婆蔵の心情を察して、唯妃も内心ドヤ顔だった。

 水着アピールを成し遂げた唯妃は、改めて、自分達のやりとりを静かに見守っていたもの……海とのご対面を果たす。
「さて、こうして水着姿で来やしたが何をしたモンやら」
 頭をぽりぽりと掻く娑婆蔵。
 まあ泳ぐというのが定石だろうが、ここは1つ、そこいらで涼を取るのも一興……。
 娑婆蔵が、適当にビーチパラソルでも見繕い、なんなら残留効果を使って暑さをしのぎつつ、のんびりモード……と洒落込もうとした矢先である。
 その横を駆け抜けた影がある。もちろん唯妃である。
「折角海に来たのですから泳ぎませんと! さあ行きましょう娑婆蔵さん! あの青い海の彼方へ!」
「……エッ彼方? 彼方まで行くんでござんすか??」
 娑婆蔵の問いを背に受け、ダイブを敢行する唯妃。
 じゃぽーん。
「おうおう、やる気じゃァありやせんか――アッ」
 ぽすん。
 追いかけていった娑婆蔵は、目撃した。唯妃の即沈没の瞬間を。
「くっ!? この間も思いましたが勢いだけでは泳げないようですね!」
 じゃばーん。ずぶぬれになった唯妃が、水上に顔を出す。
「意外な弱点がありやしたねお前さん」
「ええ、はい。実は私泳げません。あ、水中戦闘は大丈夫ですよ?」
 娑婆蔵にビーチへと引き上げられ、胸を張る唯妃。ぶんぶん、と腕を振ってやる気を見せるが、幸か不幸か敵はいない。
 不意に、2人の間に落ちる、沈黙。
 こほん、と咳払い。唯妃は、一転、照れたように、娑婆蔵をちらちらと見る。
「も、もしよろしければ泳ぎの手解きなどしていただいてもいいです、か?」
 唯妃の声は消え入りそうに小さくなって行き、遂に掻き消えたと同時、手をそっと差し出した。
 自分で言った通り、残留効果など、ディアボロスの力を発揮すれば、水中でも自由に行動する事は、唯妃にも出来る。
 けれど今この場において、それは違うと思うのだ。楽しさがない。
 もちろん、娑婆蔵にも、それは理解できる。
「なるほど泳ぎの手解きか、よござんす。水面で手を引いてバタ足を見てやるくらいは出来やすぜ」
さっそく水着が役に立つ時がきやしたね。ええ、これこそ夏……!
「よし、では参りやす。あっしが掛け声を出してリズムを取りやす、合わせて息継ぎなせえ」
「は、はい」
 ……トン、トン、トン、カラ、トン……。
 娑婆蔵の刻む拍子に、最初こそ合わせる事ばかり意識して、身体をこわばらせていた唯妃だったが、次第に無駄な力が抜けていく。
 すると、身体が水に馴染んだように、浮力めいたものに包まれていく。ラクチンだ。
「良い調子でござんす」
「ええ、とても良い調子だと思います……!」
 娑婆蔵のお陰で、水遊びだけでなく、ビーチ時間を堪能することのできた唯妃なのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【一刀両断】LV2が発生!
効果2【命中アップ】LV2が発生!

クルミ・スターズ
・心情
……さて、色々と『縁』がありそうなのでこうしてパラドクストレインに乗り込もうとしている訳なのですが
それはそれとして、せっかくなので海で遊んでいくことにしましょうか

・行動
海では釣りを楽しみます
とはいっても、本で読んだかの軍師「太公望」のように、魚がかからないような仕掛けをした針での釣りですが
ただ、何も考えずに穏やかに海を眺める……そういうのも、楽しみ方の一つですしね

・その他
アドリブ等は大歓迎です


 クルミ・スターズ(虹の彼方に消えた骸星・g02923)は、パラドクストレインへの乗車準備を整えていた。
 クルミとしては、今回の一件、色々と『縁』がありそう。なので、こうしてトレインに乗って、現地へと向かおうとしている訳なのだが。
 今、クルミの視線の先には、これみよがしにおだいばビーチ……海がある。任務とは無関係にレジャーへと誘う、魅惑の領域だ。
 しかし、クルミには任務が……。
「……それはそれとして、せっかくなので海で遊んでいくことにしましょうか」
 切り替えは、大事だ。
 さて、クルミは、他のディアボロス達のように、泳いだりスイカ割りをしたりするわけではない。
 しかし、これも水遊びの範疇。釣りである。釣り竿やキャンプめいた椅子を用意して、準備は万端。いざ。
 と、言っても、本気で釣果を狙うわけではない。クルミの釣り竿の先で光る針は、まさに針。魚に引っ掛かるようなフック状ではない。
 ものの本で読んだ、かの軍師「太公望」のように、魚がかからないような仕掛けをした針だ。
「ただ、何も考えずに穏やかに海を眺める……そういうのも、楽しみ方の一つですしね」
 ここは最終人類史。戦乱にあけくれてばかりの各ディヴィジョンと比べれば、だいぶ穏やかだ。少なくとも、嫉妬団に襲われる心配はない。
 遠くから聞こえるディアボロスの声。のんびり、ゆったり。
 残留効果で、暑さをやわらげているので、気温も程よい感じ。
「なんとなく眠気が……」
 こくり、と、クルミが頭をゆらゆらさせている間に、水の中では色んな事が起きていた。
 妙に魚影が近づいてくる。それも、たくさん。獲物狙いであれば、こんな入れ食いの日はあるなんて、と歓喜するレベル。
 だが、クルミは気づいていない。今は、のんびりさの化身となって、魚達にちょっとした遊具を提供するだけの存在。
 クルミの穏やかなようすが、魚の興味を惹いたのかもしれないし、見ている夢が無意識に【動物の友】の発動を促していたのかもしれない。
「はっ」
 クルミが目覚めたとき、魚はいなかった。一匹も。
 たっぷりと、のんびり時間と太公望気分を満喫できた。
 クルミは釣り具をしまい込むと、改めて、パラドクストレインへと向かうのであった。
 水中の魚達から見送られながら。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【プラチナチケット】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!

ブランク・ヴァラック
※連携 アドリブ OK

ふう、やれやれ、なんと虚しい問答だろうか
いいでしょう、僕が教えて上げますよ、本当の価値とはなんなのかを、ね

そもそも、胸の大きい同性へのその執着こそが、控えめな事をコンプレックスとしてみている証左
価値を知らしめると嘯きながらその実、貶めておるのは自分自身なのです
もっと自信をお持ちなさい
控えめ、慎ましい、その胸部こそを誇りなさい

背筋伸ばして、堂々と前を向き歩くのです……それで良いのです

正直小さい方が好きだし、胸より尻派なんだよねオレ……いやなんでもゴホンゴホン


 海がある。パラドクストレインに導かれたここは、ディヴィジョン『TOKYOエゼキエル戦争』。
 だがこちらの海は、新宿島のそれよりいささか不穏だと、ブランク・ヴァラック(腹黒狐・g05765)は思う。
 なぜなら、ブランクの目の前には、水着どころか、全身タイツにしっと面装備の嫉妬団がいるのだから。
「豊かなるもの……排除する……」
「あの水平線の仲間入りさせてやる……」
 梅雨かと錯覚する重苦しい雰囲気が、格差とは無関係なブランクにまでのしかかってくる。
 恨み言を紡ぎ続ける嫉妬団に、ブランクは、肩をすくめてみせた。
「ふう、やれやれ、なんと虚しい問答だろうか。いいでしょう、僕が教えて上げますよ、本当の価値とはなんなのかを、ね」
 腕や手を駆使したポージングを交えつつ、ブランクは嫉妬団へ訴えかけた。
「そもそも、胸の大きい同性へのその執着こそが、控えめな事をコンプレックスとしてみている証左」
「……!」
 ブランクの放った言の葉の矢に胸を突かれ、うぐ、とたじろぐ嫉妬団。
 なお、団を率いるアビスガゾーアは、後方で成り行きを見守っている。
「価値を知らしめると嘯きながらその実、貶めておるのは自分自身なのです。もっと自信をお持ちなさい」
 ばっ、と仰々しく両手を広げ、訴え度を強めるブランク。
 一片の迷いもないその自信は、嫉妬団の頑なな心をも揺り動かしてみせたらしい。
「控えめ、慎ましい、その胸部こそを誇りなさい」
「あ、ああ……」
 嫉妬団のしっと面の奥、瞳に希望が宿った。気がする。
「背筋伸ばして、堂々と前を向き歩くのです……それで良いのです」
「堂々、と……日の下を……歩く……」
 陽の光は、誰にも等しく注がれる。
 嫉妬団の嫉妬魂が、浄化され始める。嫉妬に呑みこまれ、世の幸福に全力で背を向けていた女性たちが、正道に引き戻されようとしていた。
 手応えを感じたブランクは、それでいいのですと頷いた。
 その達成感が、ちらりと本音をこぼさせてしまったのかもしれない。
「正直小さい方が好きだし、胸より尻派なんだよねオレ……」
「今何か言ったか?」
「いやなんでもゴホンゴホン」
 アビスガゾーアから飛んで来たツッコミを、ブランクはしれっと回避した。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!

トータ・キサラギ
なんだなんだ、胸の話と聞いちゃ黙っていられねえな?
実はオレもでかい胸は大好きで、いやちょっと待て話は最後まで聞け!
でかい胸はいいよなぁと思ってたんだよ
でもな、オレが一目惚れした初恋の相手…それがさぁ

男だったんだよぉ!

もうびっくりしたぜ…見た目はもうオレの好みどストライクでさぁ…
でも男だし見事に胸は真っ平だったんだよ
そのときオレは悟ったんだ
「胸のでかさなんてただの好みのオプションパーツだな」ってさ
髪の長さとか、身長の高低とか、眼鏡のあるなしとかと同じだ
そこに気づけないなんてガキなんだよガキ
胸のでかさなんて些細なことに拘ってたらせっかくの女としての魅力が台無しだぜ?
平らでもいい、胸を張って生きろ!


 ブランク・ヴァラックの説得に、嫉妬団の心が揺れ動く中。
 胸部トークへと、新たにトータ・キサラギ(忍者の末裔・g06840)が加わった。
「なんだなんだ、胸の話と聞いちゃ黙っていられねえな? 実はオレもでかい胸は大好きで」
「巨乳派がいたぞー……!」
「処せ……!」
 嫉妬オーラが爆発した。
 命の危険すら感じたトータが、慌てて嫉妬団を制する。
「いやちょっと待て話は最後まで聞け! でかい胸はいいよなぁと思ってたんだよ。でもな、オレが一目惚れした初恋の相手……それがさぁ」
 一拍置いて。
「男だったんだよぉ!」
「!?」
 トータの告白に、嫉妬団ばかりか、アビスガゾーアまでもが驚愕した。
 なん……だと……。思わぬ展開に、嫉妬団はトータの話に、一気に引き込まれたようだった。
「もうびっくりしたぜ……見た目はもうオレの好みどストライクでさぁ……」
 へへっ、と力なく笑うトータに、かける言葉が見当たらず、困惑する嫉妬団。
 まぁ最後まで聞いてくれよ……そう言って、語り続けるトータ。
「でも男だし見事に胸は真っ平だったんだよ。そのときオレは悟ったんだ。『胸のでかさなんてただの好みのオプションパーツだな』ってさ」
 なぜか、トータの前方辺りに、陽がひときわ強く差してきた気がする。
「髪の長さとか、身長の高低とか、眼鏡のあるなしとかと同じだ。そこに気づけないなんてガキなんだよガキ」
 熱量のこもったトータの語り口に、嫉妬団も聞き入っている。
「胸のでかさなんて些細なことに拘ってたらせっかくの女としての魅力が台無しだぜ? 平らでもいい、胸を張って生きろ!」
「胸を……張って……」
 まさかの暴露からの思わぬシリアス着地点に、嫉妬団の感情は、揺さぶられっぱなしだった。
 トータの真っ直ぐな眼差しにこめられた思いに、憑き物……嫉妬魂が、振り払われたらしい。
「一部分のボリュームにだけ目を奪われていたのは、むしろワタシ達の方だった……?」
「女を、いいえ、人間を磨けと、そういう事なの……?」
「なんか……深い……!」
 嫉妬団を包んでいた、暗き深淵より来たりし嫉妬のオーラが、ふわりと浄化されていく。
 いや、女性たち自身がトータの言葉に心打たれ、光を見出したのだ。この不毛の地に在って、強く生きてゆこうと……!
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【友達催眠】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!

 ディアボロス達による説得の一部始終を見ていたアビスガゾーアも、うんうん、と頷く。
「よくわからんが、丸く収まったようだな……って、そうではない。彼奴等は復讐者ゆえ! 排除せよ!」
「う、ううう……ッ!」
 我に返ったアビスガゾーアの力を受け、嫉妬団が悶えだす。トループス級とはいえクロノヴェーダの性は捨てられぬ。
「体が勝手に……お願い、この面を壊して……」
「嫉妬の呪いからワタシ達を解放して!」
 やむを得ない。嫉妬団を倒し、本来の人間としての姿を取り戻すのだ……!
薬袋・透
身体強化の全力魔法使用。公園丸影打ちを手に早業の斬撃で見様見真似の居合い抜き、仮面を一刀両断、破壊していく

逃げる奴は地形を利用、ダッシュで捕縛し同様に

隙をついて【友達催眠】使用、警戒を解いた状態で
「貴方達巨を羨む心につけ込まれて覚醒したらしいけど、良く見なさい……貴方達を覚醒させたアヴァタール級はね……富める者よ!滅するならまずは彼奴からじゃないかしら!」
といい、現場を混乱させたところにパラドクス、【水源】で一気に押し流し無力化

アドリブ絡み歓迎


クルミ・スターズ
・心情
さて……アビスガゾーアと戦う為にも、ひとまずはこの方々を解放していきましょうか

・戦闘
パラドクス『魅惑の舞踏』にあわせて「魔導双銃「白鳥と黒鳥(オデット・アンド・オディール)」」の【連続魔法】による【連射】を【早業】で、嫉妬球とやらを叩き落としつつ、敵の仮面に叩き込んで【一撃離脱】で次々と攻撃していきましょう

・その他
アドリブ等は大歓迎です


有栖川宮・永遠
妹の永久(g01120)と参加。

落ち着かれましたか、お姉様方。確かに体の悩みは深刻ですよね。今の姿では今後の人生に影響が出るゆえ、協力しましょう。少し痛いですが、許して
くださいね。

戻りかけとはいえ、恨みの篭った嫉妬球の威力は侮れないので、【戦闘知識】【観察】で攻撃の軌道を観察、【残像】で回避。



何か永久が突っ込んだ挙句洗脳されてるようなので、愛用の杖で後頭部を叩いて正気に戻します。何で反対に洗脳されてるんですか!!しっかりしなさい!!

永久が正気に戻ったら雷霆の一撃で攻撃します。ちょっとピリッとした電気ショックの感じで。悪いのはお姉様方ではなく、特定の部分しか評価しない人達ですので、元気出して。


有栖川宮・永久
永遠お姉ちゃん(g00976)と参加

とりあえず、話は聞いて貰えたようだね。後はあの妙な仮面を割ればいいのかな?私とお姉ちゃんも胸が大きい方じゃないし、悩みは良く分かるよ。でも悪いのは一部しか評価しない人達だよね。

何か苦しそうだし、早く助けてあげたい気持ちで【ダッシュ】して群れに飛び込んだら嫉妬エナジーに巻き込まれて、頭を抱えて苦しんじゃう。すると後頭部にお姉ちゃんの杖の殴打を受けて正気に戻る。意外と痛かったよ!?

失敗を取り戻すべく、嫉妬団の仮面に狙いを絞って力任せの一撃で仮面を砕く!!

お姉さんの人生はこれから!!こんな事で台無しにするなんて勿体無い!!しっかりして!!


●妬ましくて、夏
 ブランク・ヴァラックやトータ・キサラギの説得が、功を奏した。
 嫉妬団を、胸囲格差の呪縛から解き放つ事はできた。次は、クロノヴェーダとしての呪縛を吹き払う。
 クルミ・スターズ(虹の彼方に消えた骸星・g02923)は、嫉妬団との対決に臨んだ。
「さて……アビスガゾーアと戦う為にも、ひとまずはこの方々を解放していきましょうか」
 ちらり、クルミは、嫉妬団を従える敵将……嫉妬団の真なる敵はそちらの方では? どう考えてもそう思える、豊かな胸部を有するアヴァタール級を見遣った。
「ワタシ達を……」
「殺して……」
 ゾンビのような足取りで、嫉妬団が、薬袋・透(無彩の魔女の系譜・g02087)達を取り囲む。
「安心して、殺さなくても倒すだけで貴方達は助かるから」
「そうなんだ……ちょっと言ってみたかったから言ってみたけど良かった……」
 透の言葉を聞いて、嫉妬団は露骨に安心をもらした。
 なら、なるべく痛くないように、元の人間に戻してあげなくては。透は、刀に手をかけた。
 そこへ駆け付けた有栖川宮・永久(燦爛のアンフィニ・g01120)は、ディアボロス達の説得により幾分落ち着きを取り戻した嫉妬団に安堵していた。
「とりあえず、話は聞いて貰えたようだね」
「落ち着かれましたか、お姉様方。何よりです」
 有栖川宮・永遠(玲瓏のエテルネル・g00976)も、想定よりだいぶ正気に近い嫉妬団の面々を見て、胸をなでおろす。
「私とお姉ちゃんも胸が大きい方じゃないし、悩みは良く分かるよ。でも悪いのは一部しか評価しない人達だよね」
 永久は、義憤……私怨?……に駆られつつ、女性達(嫉妬団のすがた)からの解放に取り組んだ。
「後はあの妙な仮面を割ればいいのかな?」
「そ、そう言う事……!」
 人間性を取り戻した、あるいは取り戻しつつあるとはいえ、その存在がクロノヴェーダ状態にあるのが現実だ。
「確かに体の悩みは深刻ですよね」
 迫真の表情で、力強く頷く永遠。永遠の全身というより、その胸部に注がれてくる、嫉妬団の視線を感じながら。
「何より今の姿では今後の人生に影響が出るゆえ、協力しましょう。少し痛いですが、許してくださいね」
 確かによくない。黒タイツだけの人生は。
 永久と並んで臨戦態勢に入る永遠に、敵が襲い掛かる。
「うう、こみ上げる嫉妬が……抑えきれない!」
 再び身悶えすると、永遠へと、手のひらを向ける嫉妬団員。
 そこに、内よりあふれ出す嫉妬の力が収束していく。混じりけなし、恨み純度百パーセントの嫉妬球だ。
 バスケットボール大のそのサイズにこめられたエネルギー量を推し量り、永遠は表情を引き締めた。
「戻りかけとはいえ、恨みの篭ったあの球の威力は侮れませんね」
「しっとぉー!!」
 どん! 激しい反動と共に、撃ちだされる嫉妬球。一度手を離れても、自在に追尾してくるという、嫉妬の持つ特性を生かした能力で、永遠を追撃してくる。
 どす黒い嫉妬色に目を奪われがちだが、球の速さ自体はそこまででもない。注意深くその軌道を観察すれば、追尾して来るそれも、かわす事は難しくない。
 ぶぅん。残像を発して、回避する永遠。標的を外した嫉妬球が、遙か後方、文京区だった海へと着弾し、水柱を立てた。

●嫉妬の日々に別れを告げて
「うう……鎮まって、私の嫉妬……!」
 トループス級の宿命が、ディアボロスの力に反応してしまうのか。クルミを前にした嫉妬団が、手中に嫉妬球を作り出す。
 クルミを追尾する、複数の嫉妬球。だが、そのサイズも勢いも、ずいぶんと弱い。ディアボロス達の相次ぐ説得が、効果を現わしているに違いなかった。
 なら、一思いに制圧してやるのが情け。
 たんっ、と駆け出すクルミ。そのステップは、戦闘者ではなく、舞踏者のそれ。
 飛来するエネルギー球と踊りながら、魔導双銃「白鳥と黒鳥(オデット・アンド・オディール)」を連射する。
 黒と白、二丁の拳銃が織りなす弾幕のダンスが、追尾式嫉妬球を、迫るそばから叩き落としていく。
 次々弾ける嫉妬。虚空に消える負の念を振り払って、クルミが嫉妬団の1人に迫る。顔面を捉える銃口。しかし、銃弾が破壊したのは、しっと面だけだった。
「きゃあっ!」
 ぱりん、と呪いのマスクが割れ、倒れ伏す。
 力を失った嫉妬団員を支えて横たえると、透は、残留効果を身にまとった。身体能力を強化させると、公園丸影打ちを抜刀。早業の斬撃で、敵の被った仮面を両断にかかる。
 見様見真似の居合い抜きは、しかし、鮮やかさを伴って、対象を一刀両断、破壊していく。
「ひぃぃっ、やっぱり怖いし!」
 だっ。
 痛そうのは嫌なのが人情。仲間が透に斬られるのを目撃した嫉妬団員が、逃走した。
 だが、透は逃がさない。街路樹を蹴って相手の行く手に回り込むと、その首根っこを捕まえ、ばっさりと仮面を断ち切った。
 体内に蓄積した嫉妬エナジーを火種に、自爆攻撃を仕掛けようとしたようだが、透の方が若干早かったようだ。
 中途半端に炸裂した嫉妬エナジーでは、透に傷一つ付けられなかった。もちろん、新たな嫉妬団としての使命感に目覚める事もない。
「しっかりして、もう少しだから!」
「う、うう……私がこの嫉妬を押さえつけている間に……!」
 嫉妬団が、ヒトとクロノヴェーダのはざまで苦しむ様子に、眉根を寄せる永久。
 早く助けてあげたい気持ちが、体を動かした。永久は、ダッシュして勢いよく嫉妬団の群れに飛び込んでいく。
 だが、それは、案外危険な行為だった。
「えっ、まだこんなに嫉妬魂が残っていたなんて……」
 永久の心身に、よくない気配が殺到する。それは、嫉妬団の放つ嫉妬エナジー。人が誰しも持つ、負の念の産物……!
「うう……トラウマが蘇って来る……」
「大学のサークル時代の出来事が……そう、あれは飲み会の二次会……」
 嫉妬団による、怨嗟に塗れたエピソードトークが、永久を蝕んでいく。
 その負の力に締め付けられ、頭を抱えて苦しむ永久。
「うう、何だか私まで……巨乳……死すべし……!」
「何で反対に洗脳されてるんですか!! しっかりしなさい!!」
 バキッ!
 妹の異変に気づいた永遠が、愛用の杖で後頭部を殴打した。
 胸のすくようなクリーンヒットは、永久を蝕んでいた嫉妬パワーを一気に吹き飛ばす。
「うう、私は何を……」
「大丈夫なようですね」
「意外と痛かったよ!?」
 正気に戻った永久が、割と素直な感想をもって永遠に抗議する。
 よくも同志を、などという恨み言は、クルミの方へは、聞こえてこない。ディアボロスの説得によって強く生きる事を選んだ嫉妬女子達は、倒されることを良しとする。
 クルミの胸が、自分達のそれと近似である事もまた、プラスに作用したのかもしれない……。
「何をしている、嫉妬の心はどうした! 怨みの強さだけが取り柄だと聞いているぞ」
 アビスガゾーアが、嫉妬団を叱咤する。だが、今や上司の言葉など、知った事ではない。
「うるさいこの巨乳お化け!」
「お前もまな板にしてやろうか!」
「!?」
 思わぬ反旗の翻し方に、反応に困るアビスガゾーア。
 そこに割り込むショータイム。ヒットアンドアウェイ、クルミの華麗なる銃撃……『銃劇』が繰り広げられ、次々と嫉妬団は、呪縛から解放されていくのだった。
 そして透は、友好的態度をまとって、嫉妬団全体に訴えかけた。
「貴方達、巨乳を羨む心につけ込まれて覚醒したらしいけど、良く見なさい……貴方達を覚醒させたアヴァタール級はね……富める者よ! 滅するならまずは彼奴からじゃないかしら!」
「!」
 ぶん!
 風切り音を立てて振り返った嫉妬団の目に、再び殺気が宿る。
 そこにはアビスガゾーア。というか、その豊かな双丘。
「な、敵味方を見誤るな! 敵は彼方だ」
「ワタシ達が真に戦うべきは……巨乳! せめて最後にその風船に一矢報いて……!」
「何を言って、うあああー!?」
 アビスガゾーアに殺到する嫉妬団。人の波に呑みこまれるアヴァタール級。
 その混乱の隙を突いて、透が高波の幻影を呼ぶ。それに乗って彼方より到来せしは、鯨の霊。
 この場に生み出した水源を操ると、高波を束ね現実化した激流を繰り出し、嫉妬団を一気に押し流してやったのであった。
 どんぶら、透に流される嫉妬団を眺め、気合を入れ直す永久。先ほどの件で、嫉妬団の気持ちが、理解できた気がするから。
「ちょっと情けないところ見せちゃったけど、その分は取り戻すよ!」
 嫉妬、よくない! 思いを込めて狙いを絞り、力任せの一撃で、呪縛装置である白面を打ち砕く。
「お姉さんの人生はこれから!! こんな事で台無しにするなんて勿体無い!! しっかりして!!」
「しっかり……できるかなあ……」
「大丈夫!!」
 粉砕された面の下から現れた素顔、泣き笑いのお姉さんに、永久は力強い言葉をかけたのだった。
 永久がいつも通りの快活さを取り戻したのを確かめた永遠は、自身も、嫉妬団へと反撃に移った。
「しっとぉぉぉぉ!!」
 壊れたピッチングマシーンの如く押し寄せる剛球の数々を、かわし、雷を放ち、相手を痺れさせていく永遠。
 手荒に見えるが、ちょっとピリッとした電気ショックの感じで。
「悪いのはお姉様方ではなく、特定の部分しか評価しない人達ですので、元気出して」
 面を破壊された嫉妬団員は、永遠から温かい言葉をかけられ、涙したと言う。

 嫉妬団、最後の1人が倒れ、残る敵はアビスガゾーアのみ。
「手駒を失ったのは惜しいが、あれらがいると場が荒れるゆえ。あとは我が引き受けよう」
 アビスガゾーアが、戦闘態勢を取る。
 豊かな胸を揺らしながら。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水源】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV4になった!
【ダブル】がLV2になった!

有栖川宮・永遠
妹の永久(g01120)と参加

貴女にとっては戦場の状況が荒れて大変なんでしょうが、元嫉妬団の皆さんは深刻な悩みで苦しんでたんですよ?

このアヴァタール級を倒せば女性の皆さんは元の生活に戻れますね。もう一踏ん張りしましょう。

触手の攻撃は受けたくないので、【観察】で触手の軌道を観察、【残像】で
回避。大掛かりで広範囲な攻撃な分、本体に隙が出来るはず。【看破】で隙を見つけたら、【精神集中】でしっかり狙いを付け、【高速詠唱】【全力魔法】で【貫通撃】を併せた気合いの裂帛の一撃で攻撃。

まあ、貴女の苦労は同情しなくもないですが、罪も無い女性達を戦場に駆り出す時点で倒す理由は十分です。


有栖川宮・永久
永遠お姉ちゃん(g00976)と参加

まあ、相性最悪の人達と組まされた気苦労はわかるんだけどね、貴女を見ながら苦しんでいた元嫉妬団の女性の皆さんの計り知れない苦しみを思うと許
せないなあ。貴女を倒してお姉さん達を解放してみせるよ。


【観察】で触手の軌道を見て、【残像】で回避。触手の攻撃範囲が広すぎてまず近づけないと思うから【撹乱】【ダンス】で触手の攻撃の狙いを絞らせ
ないように動き回って、【不意打ち】で【吹き飛ばし】付きのフリージングミサイルをカスタム魔弾砲でぶっ放す!!

まあ、貴女も色々運が無かったよね。女性の苦しみに付け込んだ報いは存分に受けて貰うよ!!


 有栖川宮・永久(燦爛のアンフィニ・g01120)は、妖艶な表情の片隅に、不満を混ぜ込んだアビスガゾーアに、若干の同情を寄せた。
「まあ、相性最悪の人達と組まされた気苦労はわかるんだけどね」
 反目し合う……というか、一方的に嫉妬団がアビスガゾーアを敵視していたような……敵サイドの様子は、一枚岩ではない、という表現がぴたりとはまる。
「貴女を見ながら苦しんでいた元嫉妬団の女性の皆さんの計り知れない苦しみを思うと許せないなあ。貴女を倒してお姉さん達を解放してみせるよ」
「つまらぬ事に囚われた愚か者よ。其方らもその些末事から解き放ってくれよう。歴史の藻屑となることでな」
 笑みと共に、アビスガゾーアの濃密な邪気が、永久達へと吹きつけた。
 嫉妬団を侮蔑するアビスガゾーアの言動に、有栖川宮・永遠(玲瓏のエテルネル・g00976)は、憤慨を露わにしていた。
「貴女にとっては戦場の状況が荒れて大変なんでしょうが、元嫉妬団の皆さんは深刻な悩みで苦しんでたんですよ?」
「我には到底理解できぬ。胸の大小など、何を思い悩む事があろうか」
 偽りなき本心を吐露するように、アビスガゾーアが肩をすくめると、その拍子に胸が上下した。
 しかしその見解は、本心であるならば、それはそれで永遠には受け入れがたく。
「持つ者と持たざる者の間に存在する、深い溝というわけですね……そう、復讐者とクロノヴェーダと同じように」
 このアヴァタール級さえ倒せば、嫉妬団と化した女性達も、元の生活に戻る事ができるだろう。ならばこそ、
「もう一踏ん張りしましょう」
 永遠が、改めて、気合を入れ直した。
 アビスガゾーアの双眸が、妖しく輝く。招来されるは触手……『浸淵』なる力から生み出されたそれは、永久に『不吉なもの』という感覚を与えた。
 意志あるものとして、不規則にうねる触手の軌道を、しかと観察する永久。
 捻り潰されるにしても、貫かれるにしても、吹き飛ばされるにしても、ただ事ではすむまい。
 だが、放たれた太き一撃は、永久の残像を貫き、自身を地面に突き立てる結果となった。
「今のはかわせた、けど!」
 触手のカバー範囲は広く、もはや一種の結界と言っていいものだと、永久は判断した。不用意に近づくのはリスクが高い。
 そして触手の洗礼は、永遠をも絡めとろうとする。
「小さきもの共よ、深き場所へと沈むがいい」
 アビスガゾーアの邪気、人を狂気に誘う力を宿して、触手が永遠を襲う。
 執拗に、永遠を追い続ける触手。こんなものの攻撃など、受けたくはない。永久同様に、触手の動きをつぶさに観察した永遠が、標的として差し出すのは、自身の数瞬前の姿……残像のみ。
 領域を己が眷属で満たす……これがアビスガゾーアの得意技なのであろう。だが、大掛かりで広範囲な攻撃な分、本体に隙が出来るはず。
 永遠は、相手を挟んで反対側にいる永久に、視線を飛ばした。
「鬼さんこちら、こちらだよ!」
 舞踏の動きで、手を打ち鳴らし、周囲を駆け回る永久。
 それに引き寄せられるようにして、触手が進路を変更するが、永久の動きに攪乱され、手玉に取られるばかり。
 やがて触手の群れは、アビスガゾーア本体から引き離され、守りが薄くなった。
 今がチャンス、触手に攻撃すると見せかけ、永久が講じたのは、アビスガゾーアへの不意打ちだった。
 カスタム魔弾砲から、発射されるフリージングミサイル。
 触手間を掻い潜り、目標へと確かに着弾、炸裂!
「まあ、貴女も色々運が無かったよね。女性の苦しみに付け込んだ報いは存分に受けて貰うよ!!」
 解放された白き冷気に包まれるアビスガゾーアに向け、永久が言い放った。
 生じた氷結は、周囲の触手達の動きにも影響した。永遠が、温度低下に悶えた隙を看破する。千載一遇の好機は、何度も訪れるわけではない。
 精神集中でしかと狙いを定め、高速詠唱、全力魔法に、貫通撃まで併せた、裂帛の一撃を繰り出した。
 シンプルながら、純粋な力の塊。あらゆるものに通じる打撃力は、触手達を薙ぎ払い、アビスガゾーアへと至り、その力を余さず伝播した。
 威力を相殺し切れず、吹き飛ぶアビスガゾーア。
「まあ、貴女の苦労は同情しなくもないですが、罪も無い女性達を戦場に駆り出す時点で倒す理由は十分です」
 遙か後方へと追いやられた敵を見て、ふうっ、と脱力し、永遠はそう言った。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【完全視界】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV2が発生!

クルミ・スターズ
・心情
さて、ようやく『縁』とめぐり逢いましたね
あなたは知らないでしょうし、私もようやくおぼろげに記憶を思い出してきたというところですが、どうもあなたの本体にやられたようなので……
まぁ、そういう訳でお覚悟を

・戦闘
残留効果の≪飛翔≫を使いつつ空から仕掛けます
敵の触手は斬れそうなら「魔晶剣「星屑の涙(ティアードロップ・スターダスト)」」で≪一刀両断≫しつつ、パラドクス『欺き鳴らす復讐劇』による一撃を放ちます
倒れていった人達の嫉妬……を背負う気は余りないですが、まぁそんなものだと思って食らってください♪

・その他
アドリブ等は大歓迎です


 海臨む街の一角、有栖川宮・永遠、永久姉妹と激戦を繰り広げたアヴァタール級。
 クルミ・スターズ(虹の彼方に消えた骸星・g02923)は、対面したアビスガゾーアに、感慨深げな視線を注いでいた。
「さて、ようやく『縁』とめぐり逢いましたね」
「?」
 クルミの言葉に、眉を顰めるアビスガゾーア。
 だが、その反応も、クルミにとっては想定の範囲内に過ぎなかった。
「あなたは知らないでしょうし、私もようやくおぼろげに記憶を思い出してきたというところですが、どうもあなたの本体にやられたようなので……」
「ほう……ならば、我が記憶に一切残らぬのも道理。泡沫の如き反抗者の事などいちいち覚えてなどいられぬ」
 一笑に付したアビスガゾーアに、クルミは、魔晶剣「星屑の涙(ティアードロップ・スターダスト)」を構える事で、話題を切り上げた。
「まぁ、そういう訳でお覚悟を」
 剣を携え、クルミは、空へと我が身を躍らせた。悪魔の羽にて飛翔、敵の頭上を取る。
 対するアビスガゾーアは、周囲を、己の力で侵食した。
 黒く昏き力が、その足元に沸き立つ。触手の群れを彼方より呼び寄せたのだ。
「『浸淵』よ、逆らう者を縊り殺せ」
 主に応えて脈動した触手が、空中のクルミへと襲い掛かった。
 禍々しき異形の腕の群れが、クルミへと相次いで手を伸ばす。
 だが、容易く絡めとられたりはしない。魔晶剣を振るって触手を払いのけ、あるいは断ち切りながら、反撃の機をうかがう。
 そして、街灯を蹴って反転、視界と進路上に立ち塞がる触手を切り払って、アビスガゾーアへと攻撃を仕掛けるクルミ。
 お互いの距離を測り、触手を迎撃に向かわせるアビスガゾーア。だが、その目算は外れる事になる。
 クルミの背に、ノイズが走った。超絶のハッキング技術により最適な存在へと書き換えられた翼が、巨大異形化を遂げた。
 手にした剣もまた、同様にハッキングコードを走らせた刀身が強化を遂げる。
 予想を超える速力が、アビスガゾーアの、触手の狙いを外していたのだ。
「倒れていった人達の嫉妬……を背負う気は余りないですが、まぁそんなものだと思って食らってください♪」
 クルミの大翼が、夏空を叩く。
 そして『星屑の涙』……クルミの復讐の刃が、盾となった触手群ごと、アビスガゾーアを両断した。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!

桜・姫恋
連携・アドリブ歓迎

あら、親玉の登場かしら?
まぁ、同情なんてしたくはないけどね?
関係ない人たちを苦しませた罪は重いわよ?

残留効果の【飛翔】にて飛び回り撹乱させる
【不意打ち】にて飛んでる間に出現させた魔法陣から魔砲を敵に向かって【連続魔法】にて放ち続ける

私達に見つかったのが運のつきよ?
お前はここでくたばりな?


 クルミ・スターズの猛攻を受けるアビスガゾーア、損傷した肉体を再び立ち上がらせる敵に、桜・姫恋(苺姫・g03043)が、追撃をかける。
「あら、親玉の登場かしら? まぁ、同情なんてしたくはないけどね? 関係ない人たちを苦しませた罪は重いわよ?」
「嫉妬団とやらの事か? 怨みを利用させてもらったに過ぎぬ」
 アビスガゾーアが艶然と微笑む。手駒の喪失はマイナスだが、末路など知った事ではない、という態度だ。
「だが、ディアボロスの怒りに余計な火をくべた愚か者であったことは確かだ」
力を高め、攻撃に転じようとするアビスガゾーアの周囲を、飛び回り、かく乱にかかる姫恋。
 だがアビスガゾーアは、足元から呪力……『浸淵』を発現。
「我が抱擁を受けて、深き場所に沈め、沈め」
 闇を凝縮したような塊は、主人の命に従い、相手を蹂躙するに相応しい形へと変容を始めた。
 それは、水。進路上にあるもの全てを押し流す洪水だ。
 襲い来る浸淵の顕現、水流をひらりひらりとかわしていく姫恋。
 幾重にも分かれていた流れは、やがて1つとなる。姫恋の進路上、いよいよ洪水となって押し寄せる。
 存在自体を呑みこむ、水流の向こうに消える姫恋。
「浸淵の藻屑となれ……何!?」
 勝利を確信したアビスガゾーアの喜色が、かき乱された。
 水撃の残滓、元の『浸淵』の粒子となった弾けた飛沫の向こうから、姫恋が姿を現したのだ。しかも、健在な姿を。
 アビスガゾーアの誤算は、それだけにとどまらなかった。
 姫恋の前面には、巨大な魔法陣が展開を終えていたのである。
「馬鹿な、我が浸淵に呑みこまれてなお無傷だと言うのか……!?」
「呑みこまれていなかったと、それだけの事よ。さあ、返礼を受け取って?」
 砲撃。
 姫恋による魔砲の連射が、アビスガゾーアを標的として行われる。射出のたび、衝撃と共に、『浸淵』の粒子と、桜の花弁が舞い散る。
 容赦をうち捨てた連射を続けながら、姫恋が不敵に笑った。
「私達に見つかったのが運のつきよ? お前はここでくたばりな?」
 何度も何度も吹き飛ばされるアビスガゾーア。
「く……我がこんなところで滅びるとは……!」
 全身をその強度限界まで打ち据えられたアビスガゾーアは、壁面に叩きつけられ、アヴァタール級としての存在を終えたのだった。

 アビスガゾーアが塵となって、風に消えた後。
 嫉妬団にもまた、変化が訪れていた。水着女子達の姿を取り戻す、という喜ばしい変化。
「ありがとうございます! これからは」
「強く生きていく事にします」
「それじゃ、皆さんもいい夏を!」
 妙に晴れやかな笑顔で、中野区へと戻っていく水着女子達を、見送って。
 ディアボロス達もまた、自分達の海、自分達の夏へと帰還していくのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【建造物分解】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!

最終結果:成功

完成日2022年08月20日

豊島区からの侵攻軍(水着嫉妬団)

 豊島区のジェネラル級である『線形代魔』ベクターを撃破した事で、豊島区の支配者であるアークデーモン『複素冥界』イマジネイラ は、文京区への警戒を強めました。
 イマジネイラは文京区のアルケーがディアボロスを利用して豊島区に攻め込む」可能性も考慮し、使い捨ての戦力を文京区に攻め込ませて時間を稼ぎつつ、ベクターが抜けた穴を埋め、立て直しを図っているようです。

 使い捨ての戦力として選ばれたのは、隣接する中野区から届けられた、量産されたトループス級『嫉妬団』です。
『嫉妬団』は、中野区で行われたイベントで無理矢理クロノヴェーダ化され、覚醒したばかりのトループス級のようです。
 可能ならば、率いるアヴァタール級を撃破し、救出してあげてください。


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#TOKYOエゼキエル戦争
🔒
#豊島区からの侵攻軍(水着嫉妬団)
🔒
#豊島区
🔒
#中野区


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選択肢『【期間限定】最終人類史で海遊び』のルール

 パラドクストレインで事件を解決に出発する前に、江東区お台場海浜公園の「おだいばビーチ」を中心に、海で遊んでいく選択肢です。
 海水浴や釣り、マリンスポーツを楽しんだり、ビーチでのんびり過ごしたりするのも良いでしょう。

 最終人類史のビーチですので、この選択肢ではまだ発生していない残留効果も自由に使用可能です。
【水中適応】で水中でも自由に活動できますし、【アイスクラフト】がありますので、氷を使った冷たい飲み物や食べ物も楽しめます。
 戦いの前に、存分に英気を養いましょう。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『胸囲の格差が魅力の決定的違いではない事を教える』のルール

 中野区で行われた水着イベントにより、『胸囲の格差社会』によって嫉妬団化した一般人(女性)を元に戻します。
 嫉妬団化した一般人は、『胸囲の格差社会』によって、クロノヴェーダ化してしまったようです。
 この覚醒したばかりの嫉妬団なトループス級に対して、『胸囲の格差社会』など存在しない……みんな違ってみんな良い、優しい世界である事を教えたりして、彼女たちを救ってあげてください。
 この選択肢をクリアした後に撃破する事で、嫉妬団のトループスを元の一般人の姿に戻してあげることが出来ます。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『👿または👾で出現する敵との会話に専念する。戦闘行動は行わない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾覚醒直後のトループス級『嫉妬団』のルール

 クロノヴェーダの策略で無理やりトループス級クロノヴェーダ(👾)に覚醒させられた一般人と戦闘を行います。
 この選択肢がある事件に限り、敵を説得して信頼を勝ち取ることが出来れば、パラドクスで攻撃して撃破する事で、クロノヴェーダだけを撃破し一般人を無傷で取り戻すことが可能です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との決戦『アビスガゾーア』のルール

 事件の首魁である、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破する事で、この事件を成功で完結させ、クロノヴェーダの作戦を阻止する事が可能です。
 敵指揮官を撃破した時点で、撃破していないクロノヴェーダは撤退してしまいます。
 また、救出対象などが設定されている場合も、シナリオ成功時までに救出している必要があるので、注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、敵を倒し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「クルミ・スターズ」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。