続々春の湖畔と聖らかな愛の物語~キャメロットからの脱出(作者 水上ケイ)
#幻想竜域キングアーサー
#竜の花嫁~キャメロットからの奪還
#竜の花嫁
#キャメロット
#王妃竜グィネヴィア
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ニールは複雑な心境でキャメロットへと続く道筋をとぼとぼと歩いていた。
幼馴染のソフィアとは婚約までした仲だったが、不運……否、名誉なことに竜の花嫁に選ばれた。
ところが、幸……いや大変不幸なことに、お相手のドラゴン様に不幸があって実家に戻ってきた。
この実家だが、ソフィアは身寄りがなく、この世で一番親しいのは兄妹同然に育ったニールということでなぜか……なぜかこうなった。
ニールは手にしたキャメロットへの入場許可証を見る。
……あれは少し前のこと。
実家に戻ってきたソフィアの元へ、ニールは足繁く通って世話をやいていた。もう婚約者じゃないんだから、必要以上に親しくはできなかったけど、それはそれで彼としてはひっそり嬉しくもあった。
ところがある日、キャメロットから『王妃竜グィネヴィア』の配下を名乗る竜鱗兵がソフィアの元へやってきたのだ。
竜鱗兵の皆様は丁寧にこうおっしゃった。
「火砕竜ヴェスヴィオス様にご不幸があったが、ソフィアさんが『竜の花嫁』にふさわしい女性であることは間違いがない。我々が責任をもってキャメロットに連れていき、必ず『竜の花嫁』になってもらう。どうか安心して欲しい。」
新しい竜の花嫁となるため、花嫁修業を受けねばならぬと言われて、ソフィアは断ることもできないまま、半ば無理やりに連れていかれてしまった。
その別れの際、竜鱗兵は親類同然ということで、ニールにキャメロットへの入場許可証をくれた。
「竜の花嫁に会いたければ、尋ねてくればよい」、と。
ニールはぼんやりと思考する。多分、本来なら家族が手にするべきものだろうが、これを手にした以上、会わずにいることはできない。
(「ソフィアにあって、なんと言おう。……こんな時、確か誰かに話をしたような気がするが。あれは……えっと
……?」)
●
「竜の花嫁の事件に進展がありました!」
古宮・泉美(MOMO・g03355)は、新宿駅でそう説明を開始した。
ディアボロスが花婿になる筈であったドラゴンを撃破した事で、花嫁は一時的に自宅に戻ることが出来ていた。
「どうやら前回の作戦の辻褄合わせはうまくいったんでしょう。」
この一連の作戦で関わっている竜の花嫁ソフィアにも、ドラゴン撃破の責任追及がなかった事は良かったけれど、どうやらそのまま放免とはならなかったようだ。
竜の花嫁の元に、ドラゴンの使者が現れ、キャメロットで花嫁修業をするように命令して連れ去ってしまったのだ。
花嫁達は、キャメロットに居るドラゴンの元で花嫁修業を行ない、近い未来に卵を産まされて、死んだも同然の状態にさせられてしまう。
「その前に、なんとか、救出して欲しいんです。」
竜の花嫁が生贄とされて卵を産めば、そこから竜鱗兵が産まれてドラゴンの勢力が強化されてしまう。
「けれども、どうやらそれ以上の価値がある可能性も高いようなのです。花嫁を奪還する事には大きな意味があるかもしれません。危険な任務になりますが、どうぞ、よろしくお願いします。」
次に泉美は、今回の作戦の舞台となる、キャメロットについて説明を始めた。
キャメロットは、現代で言うとスコットランドのエディンバラにある事が判明している。
キャメロット城を中心にして、その周囲に広大な市街地が広がっており、その市街全てを取り囲むように強固な城壁が造られている。
「また、キャメロットの空には、多くのドラゴンが飛翔しています。このため、空から近づく事は不可能です。」
さらに厄介なことには、キャメロットを囲む城壁はクロノ・オブジェクトであり、許可証を持たない者の侵入を拒む力を持っているという。
「ディアボロスでも、許可証が無ければ侵入する事はできないでしょう。ただ、この許可証ですが……。」
幸い、花嫁の元婚約者で、以前ディアボロスが接触したニールが、花嫁に面会する為に許可証を持って、キャメロットに向かっているようだ。
「そこで、まずは、ニールと接触して許可証を手に入れるのがいいと思います。」
おそらくニールは、以前の出来事を忘れてしまっているだろうが、ディボロスが話しかければ、ソフィアの命を救ってくれたことを思い出してくれるだろうと、泉美は言った。
「許可証を手に入れた後は、それを使って、キャメロットに潜入してください。」
キャメロット市街は、石畳が敷き詰められ、石造りの建物が建ち並ぶ中世風ファンタジーを思わせる街並みが続いているらしい。
花嫁が居るドラゴンの住処に向かい、ドラゴンを撃破して花嫁を奪還して欲しい。
「今回目指す竜の住処は、荘厳な寺院風の大邸宅で、竜の花嫁を使う儀式のためか、他施設からある程度離れた市街地の北側、坂の上の小高い場所にあります。上空を飛ぶドラゴンなどに気づかれないよう、早期決着を目指すべきかもしれません。」
調査や不審に思われる類の言動はやめておいたほうがいいかもと、泉美は付け加えた。
また、花嫁奪還後は、当然、キャメロットから脱出しなければならない。
「ドラゴン勢力は、ディアボロス数人の撃破よりも、竜の花嫁の方に価値があると考えているようです。竜の花嫁と共に脱出すれば、竜の花嫁が人質の役割を果たすでしょう。」
花嫁奪還の為の追撃はあるだろうが、大軍勢に取り囲まれるような事にはならないので、うまく脱出して下さい、と泉美は言った。
「脱出後は、花嫁のソフィアには身を隠すように説明した上で、別れる事になります。」
排斥力により、ディアボロスが現場を離れると、ディアボロスに関する記憶が失われてしまう。ディアボロスの影響が無くなっても、身を隠し続けるような状況を用意する必要があるかもしれない。
「今回は、ニールと一緒に逃げてもらうのがいいかもしれませんね。その辺り、うまくやってあげて下さい。よろしくお願いします。」
そこまで説明して、泉美はさらに付け加えた。
「竜の花嫁を奪還することで、その秘密に近づく事もできるかもしれませんね。ただ、キャメロットはドラゴンの本拠地なので、不用意な調査や行動はしないよう、くれぐれも気を付けてください。」
泉美はぺこんとお辞儀して、ディアボロス達を見送るのだった。
●
キャメロットの街に夕暮れ時の薄闇が漂っていた。
豪華で巨大な屋敷の正面にはすでに灯りが点っていたが、その裏側にまわれば、灯りのともる窓は一つだけしか見えない。
窓辺にともした灯りの下で、ソフィアは羊皮紙に書かれた物語を静かに語り終えた。
豪華な衣装に身を包み、夫となるはずの巨体のドラゴンと二人きりであった。
ソフィアはここに連れてこられて以来、「花嫁修業」として毎日『邪影竜』ガウルグルスに物語りを聞かせるという「奉仕」をさせられていた。
「ふむ。内容はくだらん人間どもの話しらしいが、お前の声は気に入った。これだけ準備すれば我らの相性も良くなっただろうな。これから卵を産ませることにする。」
「え……。」
「心配ない。お前は卵を産む以外何もすることはなくなるからな。」
ガウルグルスはそういうと、邪悪な嗤いを浮かべて竜の花嫁に魔術をかけようとした。
リプレイ
獅子堂・崇
アレンジ連携歓迎
ディアナg05579と参加
ソフィアがまた拐われたのか。竜の花嫁は奴らにとって、そこまで重要な存在ということなんだろうな。
以前来た時、俺はニールとは会っていないからな。ディアナのサポートに回ろう。俺達がソフィアを取り戻せるだけの強さを持っていることを伝える。
任せてくれ。ソフィアは俺達の手で取り戻す。だから許可証を俺達に渡して欲しいんだ。
ディアナ・レーヴェ
獅子堂g06749と参加
※前々回コンテスト時の一般女性的スカート姿で
「こんにちはーっ!」
ニールのとぼとぼした背に微笑み
「キャメロットって街へ行きたいの!道はこれで合ってるかしら?」
周囲に人が居るなら、引き離した後に小声で
「ソフィアの好きな恋物語みたいに、あなた達には末永く幸せに暮らして欲しかったんだけど――上手くいかないものね」
「私はディアナ!…もう、ニール!『心を偽って詩を捧げる事はできない、愛している』でしょ?忘れちゃ駄目よ、大事な気持ちなんだから」
前回火砕竜を倒したのが我々で、今回も彼女を「花嫁」にする気がない事
許可証が必要な事
作戦後に都市外で落ち合いたい(→ソフィアと逃げる)旨を伝える
●ニールとの再会
西暦501年。キャメロットへと続く道を、獅子堂・崇(破界拳・g06749)とディアナ・レーヴェ(銀弾全弾雨霰・g05579)が歩いていた。
「ソフィアがまた拐われたのか。竜の花嫁は奴らにとって、そこまで重要な存在ということなんだろうな。」
「しつこいわよね……あ、あれ見て。ニールじゃないかしら。」
道の先に、とぼとぼと背を丸めたように歩く青年が見える。その後ろ姿に、ディアナはなんとなく見覚えがあった。
崇もうなずく。
「よし、行こう。あ、以前来た時、俺はニールとは会っていないからな。ディアナのサポートに回ろう。」
「わかったわ!」
言うなり、ディアナはニールの元へと駆けだした。
「こんにちはーっ!」
ディアナはニールに元気に声をかけた。今日のディアナの服装は一般女性的なスカート姿で、実はこれは、前にニールと会った時と同じ服装なのだ……が。
「……えっ?」
ニールは突然声をかけられて凄く驚いた。そしてまじまじとディアナを見る。
「キャメロットって街へ行きたいの! 道はこれで合ってるかしら?」
笑顔が明るく咲く。
「えっ? えっ? そうですけど、えーっと……。」
人目に配慮して、ディアナは道を少しはずれた、大きな木の影にニールを誘い込み、言った。
「ソフィアの好きな恋物語みたいに、あなた達には末永く幸せに暮らして欲しかったんだけど――上手くいかないものね。」
「あ、あぁっ? あ、あなたは! 確か、館でお会いした名誉の語り手の方……! なぜ私は忘れてしまっていたんでしょうか。じ、実はあれからいろいろあって、今度こそはソフィアは……花嫁に……。」
「私はディアナ! ……もう、ニール! 『心を偽って詩を捧げる事はできない、愛している』でしょ?忘れちゃ駄目よ、大事な気持ちなんだから。」
「それはもう。しかし……。」
「ニール! 話があるの、聞いて。」
ディアナは手早く連れの崇を紹介し、二人はソフィアについての「いろいろ」を説明した。
前回、火砕竜ヴェスヴィオスを倒したのが自分達であること。
そして、今回もソフィアを「竜の花嫁」にする気がないこと。
「ええ?! そんなことができるのですか?」
「任せてくれ。ソフィアは俺達の手で取り戻す。だから許可証を俺達に渡して欲しいんだ。」
崇の声はゆるぎない自信に溢れていた。彼は続けて、自分達がソフィアを取り戻せるだけの強さを持っていることを強調した。
ディアナも続ける。
「だけど、そのためにはどうしてもキャメロットの入場許可証が必要なの。」
「わかりました。これをどうぞ、持って行って下さい。ソフィアを頼みます。」
「有難う。ただ、それだけじゃないの。」
ディアナは、作戦後に再び落ち合い、ソフィアと逃げて欲しい、とニールに告げる。
「それなら私はこの木の下を離れず、待っています。」
素早く事後のことを打ち合わせ、ディアナと崇はニールに別れを告げた。
目指すは、キャメロットである。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
ナイナ・ヴィラネスティズム
キャメロット内の人間には礼節を尽くす
アドリブ絡み可
(親類縁者よりソフィアの世話係として派遣されたと伝えればすんなり信じていただけますかしら)
許可証を見せた先では警備の竜に怪しまれる行動は極力慎みつつ、大きな屋敷等ソフィアがいそうな場所に目をつけてそこへ移動
居場所の確証を得たい場合はキャメロット内の人間に友達催眠を行使
相手の友達を自称し、竜の花嫁の世話係としてやってきた旨を説明しつつその居場所を尋ねてみる
可能であれば脱出時に備えて周辺の地形や敵の警備位置・状況等を頭に入れておく
あの時紡いだ私の即興詩には続きがありますのよ
それを語るためにもソフィアは取り戻しますわよ・・・!
ディアナ・レーヴェ
獅子堂g06749と参加
※この時代の商人風の姿。翼を隠す用の大荷物を背に
城壁で皆と許可証を使用
目的を聞かれれば「商売よ」と荷の羊皮紙の束を見せる
「異国の面白い物語を仕入れてきたの!」
坂上の邸宅まで堂々歩く
道中何か聞かれたら上と同じ言い訳ね
(物語好きな花嫁の話、コンテスト開いた位だし知ってて平気でしょ?)
で!
館の直前で【完全視界】、上空の奴に気づかれないよう物陰伝いに、スピード勝負で裏手に回るわ!
「灯りの灯る窓は一つ」の筈
【飛翔】を要所の足音対策の超低空飛行や昇降に使い潜入
※正面組と二手の想定。バレたら強行突破か、最悪囮になる!
※竜が居なければソフィアに聞く。…覚えてるかしら?私よ、ディアナ!
獅子堂・崇
アレンジ連携歓迎
ディアナg05579と参加
ディアナに合わせて商人風の衣装に着替えて行動する。
旅先で手に入れた珍しいものをドラゴン様と花嫁に献上しに来たとでも伝えるか。
演技は苦手なんだが、っと、こればかり言ってるな。気を付けよう。
そこにいるのが当然という態度キャメロットを歩き、すれ違う相手には普通に挨拶をする。
歩きながら怪しまれない程度に周囲を【偵察】して敵の配置を確認しておくか。
邸宅付近ではディアナに続いて【ダッシュ】で館の裏まで移動する。
窓は割ってしまっても構わないだろう。
ソフィア、助けに来たぞ。
●キャメロット潜入作戦
ナイナ・ヴィラネスティズム(凱閃令嬢・g00383)、ディアナ・レーヴェ(銀弾全弾雨霰・g05579)、獅子堂・崇(破界拳・g06749)はキャメロットの入り口で入場許可証を提示した。
門にいた竜鱗兵は許可証を確認し、じろりと彼等を見た。
「竜の花嫁のお世話に参りました。」
最初に目があったナイナが言う。
(「許可証を見せた先では警備の竜に怪しまれる行動は極力慎みますわよ。」)
ナイナは実におとなしやかにふるまって、竜の視線をやりすごす。
次に竜の視線をあびたディアナはこの時代に溶け込む商人風の姿で背に大荷物を背負っていた。これは背の翼を隠すためでもある。
「そっちもか?」
「異国の面白い物語を仕入れてきたの! 」
同じく、商人風の衣装に着替えた崇も、口を揃えた。
「旅先で手に入れた珍しいものをドラゴン様と花嫁に献上しに来た。」
演技は苦手なんだが、と心の中で苦笑する崇だが、すぐに竜鱗兵の声が降ってくる。
「いいだろう、許可証は本物だ。通れ。」
竜鱗兵は半ばぞんざいに、彼等を通してくれた。
どこかファンタジー系のゲームを思わせる街へ、彼等は足を踏み入れる。
崇はそこにいるのが当然といった態度で落ち着いて歩いてゆく。演技は苦手どころか街中にうまく溶け込んで見えた。他の二人も特に怪しまれることもなく街中を堂々と歩いてゆく。
ナイナは道すがら、脱出時に備えて周辺の地形を観察するのも忘れなかった。崇もさりげなく、辺りに目を向ける。本当なら偵察したいところだったが、万一を考えた。
キャメロットは石造りの街で、通常の大きさの建物の他に、城や寺院を思わせる大きな建築物もあった。巨体のドラゴンの棲み処ならそのサイズだろうか。街の中央部には巨大な城が眺められ、上空にはドラゴンが行きかっていた。
目指すべきは事前情報から坂上の大邸宅で、三人はすぐにそれらしき屋敷に当たりを付けることができた。石畳の街を、彼等は粛々と進んでゆく。
「下町には一般人の姿しかありませんでしたわね。」
「そうだな。脱出も迷うことはなさそうだ。」
「丁度日が暮れるでしょうから、人通りもかなり少なくなるかもしれませんわ。」
「ああ。それはいいとして、さすがにドラゴンの住宅まわりには警備がいるようだな。」
問題のドラゴンの住居……寺院風の建築物の正面玄関周辺には魂無き操り死竜が二体、じっと並んでいた。
「ある程度の警備は仕方ないわね……。さあいよいよね、頑張りましょう。」
キャメロットの街に夕闇が迫り、屋敷の窓にはぽつぽつと灯りが点されている。
ナイナは建物を見つめ、軽く深呼吸した。
(「あの時紡いだ私の即興詩には続きがありますのよ。それを語るためにもソフィアは取り戻しますわよ
……!」)
ナイナは邸宅の庭の一画に、雑用をしている一般人を見かけてさっと近づいた。即座に友達催眠を行使し、親し気に話しかける。
「竜の花嫁の世話係としてやってきましたの。ソフィア様はどちらに?」
「ああ、ソフィア様の! こちらへ、通用口からどうぞ。」
小間使いらしいその娘は笑顔で返事をし、ナイナを案内してくれた。
一方、ディアナと崇は大急ぎで建物の裏に回ろうとしていた。
上空のドラゴンに見つからないように、物陰伝いに進み、あるいはダッシュで移動する。完全視界のおかげで夕闇の中でも視界は良好だった。
そして裏手にまわれば、たったひとつだけ、灯りのともった窓が見える。
「行くわよ。」
「行こうぜ。」
どちらからともなく頷きかわし、素早く周囲と上空を確認して、彼等は素早く屋敷内に潜入し、灌木を低く飛んで乗り越えた。
そして最後は、問題の窓まで一気に飛び上がる。
そこで彼らが一瞬のうちに見た光景は、魔術をかけようとしているドラゴンと、怯えるソフィアの姿だった。
だが、窓を叩き割る音に、ドラゴンはその動きをとめる。
同時に、飛び込んできた崇が叫んだ。
「ソフィア、助けに来たぞ。」
ディアナとソフィアの視線が交わる。ディアナは刹那その瞳が迷い、そして驚きに見開かれるのを見た。
廊下側から、ナイナが飛び込んでくる。
「間に合ったようですわね!」
ソフィアとドラゴンは一斉に声をあげた。
「――あ、あなた方は!」
「おのれ、ディアボロスか!」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
ディアナ・レーヴェ
獅子堂g06749と
まず二者の間に割り込む
視線は敵へ、言葉はソフィアへ
「あなたに言っておきたい事があるの。…私達、今からこの竜を殺すわ」
多分敵何か言ってくるけど無視
緩く笑って
「血を見るのは嫌よね?怖いわよね。でも――このまま、私達の側に居て。決して逃げないで」
パニックで廊下等に出られると配下に捕まる危険が…ってのは理由の半分
「そうする事が、あの宴の日に『生きてみたい』と語ったあなたの、最初の『戦い』よ!」
私はあの娘に、自ら不幸に抗う意思を固めて欲しいだけ!
という訳で
同室内の花嫁をやや離れた後方に庇う形で、流れ弾がないよう戦う
竜の館だし部屋は広い、平気よね?
仲間に前衛を任せ、火砲を手に【Rat】
獅子堂・崇
アレンジ連携歓迎
ディアナg05579と参加
ここからが俺の本当の出番だな。巻き込まれないようにソフィアは下がっていてくれ。
ソフィアを守るようにガウルグルスの前に立つ。
女性を拉致することしか考えていない奴の威圧感なんて大したものじゃないと教えてやる。
ガウルグルスの叫びは【精神集中】と【忍耐力】で心身共に耐え抜く。
【飛翔】で天井ギリギリまで飛び上がって、ガウルグルス目掛けて【突撃】、最大の一撃を叩き込む。
翼の一つくらいは覚悟してもらうぞ。
●慌ただしい再会
ディアボロスとクロノヴェーダが相対した時、周囲が戦場になるのは当然の成り行きだ。獅子堂・崇(破界拳・g06749)はソフィアへ言った。
「巻き込まれないようにソフィアは下がっていてくれ。」
そして、守るようにガウルグルスの前に立ちはだかった。
「ここからが俺の本当の出番だな。」
「どけ、ディアボロス。」
一方、ディアナ・レーヴェ(銀弾全弾雨霰・g05579)もソフィアとドラゴンの間に割り込んでいた。視線は敵に据えたまま、怯えるソフィアに話しかける。
「あなたに言っておきたい事があるの。……私達、今からこの竜を殺すわ。」
「……。」
ガウルグルスが反応し、パラドクスがぶつかる。
ディアナはガウルグルスを削り、反撃をいなし、敵を無視するように緩く笑ってさらにソフィアに言った。
「血を見るのは嫌よね? 怖いわよね。でも――このまま、私達の側に居て。決して逃げないで。」
ディアナの言葉に、ソフィアは怯えながらも頷く。
……パニックで部屋から飛び出されると配下に捕まる危険がある。しかし、それ以上にディアナはソフィアに伝えたいことがあった。
「そうする事が、あの宴の日に『生きてみたい』と語ったあなたの、最初の『戦い』よ!」
ディアナとしては、ソフィアには、自ら不幸に抗って欲しかった。その意思を固めて欲しかったのだ。
言いたいことを言うと、ソフィアを部屋の後方に庇うような形で、ディアナは火砲を手にクロノヴェーダに挑んだ。
その視線の先には敵にくらいつき、真向から勝負をかける崇がいた。
ガウルグルスの巨体にも全く怯まず、パラドクスを放ち、堂々と反撃に耐える。
「女性を拉致することしか考えていない奴の威圧感なんて、大したものじゃないな。」
そう敵を煽り、天井ギリギリまで飛んだ。
崇の我流破界拳・天衣はいわば急降下の跳び蹴り技だった。ドラゴンの住居の広い部屋、高い天井は好都合だった。
「ディアボロスめ、捻りつぶしてくれる!」
「翼の一つくらいは覚悟してもらうぞ!」
崇は精神集中し、反撃に耐えて技を撃ち込んだ。崇の脚が円錐状の赤い光を放ち、強烈な蹴りがガウルグルスの身体の一部を貫く。
その攻撃と連携するように、冬子が踊り込んできた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【完全視界】がLV2になった!
【落下耐性】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV3になった!
柊・冬子
・連携アドリブ歓迎
いい加減、人のダチに手出すのやめろってのがトカゲの頭には分からないんですかね。
馬鹿はスコボコに殴る。ソフィアさんは無事に連れ帰る。
だったら簡単!一瞬で仕留めにかかるだけです!
開幕イキナリ意殺拳で相手の土手腹に一撃くれてやります!
私の友達がいるならソフィアさんは安心。
だったら向こうは任せて攻撃集中!!
陽月・空
獅子堂さんとディアナさんが居るって聞いたから後追いで来たけど……緊迫しているね
冬子さんは殴りにいったから前衛は万全、後衛の火力役も居るから……僕はサポートかな
花嫁さんはお任せだね
呪詛も殺気も(マイペースだから)特に気にならない(技能のお陰)けど……闇使い
なら逆に光には弱いのかな?
目眩ましとして光球を幾つか作って、竜の間近でフラッシュ。強い光源にすれば一瞬ぐらい目を眩ませる予定
皆は【完全視界】で問題なく、花嫁さんもその時に手を握れば大丈夫
それじゃ、ここでもう一つ、高速詠唱でぱぱっと準備
本命のグラビティでダメージを狙うよ
と言っても、僕のはあくまでもサポート、手痛いのは他の人の方が得意そうだからね
「いい加減、人のダチに手出すのやめろってのがトカゲの頭には分からないんですかね!」
柊・冬子($箱入り不良娘・g06303)はイキナリ、有無をいわさずパラドクス、意殺拳を発動した。タイミングよく崇の一撃に続き、力を貯め、憤激も貯め、黒い竜の土手っ腹を狙う。
ドラゴンは力任せの一撃を反撃に繰り出してくる。
冬子はガウルグルスと肉弾戦を激しく演じる。
「ドラゴン様を愚弄するか! 花嫁も俺のもの!」
「私のダチだと言ってるでしょーが! 馬鹿はスコボコです!」
口も忙しいが、拳はもっと忙しい。
「チェストォォォォォォ!!!! 」の気合とともに、反撃をうけながらも一撃をぶちかます。
彼我の技が互いに炸裂した。
「一応、やりますね。でも……このくらい、負けませんよ。」
冬子はソフィアを無事に連れ帰ると決心していた。
部屋の隅にいたソフィアのことは、突入したとき視認していたが、今は攻撃に専念する。
(「ソフィアさんの元には私の友達がいる。任せていれば安心です。今は……攻撃集中!」)
冬子と一緒に駆け付けてきたのは陽月・空(陽はまた昇る・g00855)である。
(「獅子堂さんとディアナさんが居るって聞いたから後追いで来たけど……緊迫しているね。」)
素早く状況を把握すると、竜の花嫁の近くまで下がる。
(「冬子さんは殴りにいったから前衛は万全、後衛の火力役も居るから……僕はサポートかな。」)
戦況を確認し、『邪影竜』ガウルグルスの情報を元に戦術をたて、ソフィアの手をとると……仕掛けた。
「大丈夫だからね。」
その言葉は竜の花嫁に紡ぎ、準備した強い光源を放った。輝く光のフラッシュは完全視界があるディアボロスと手を繋いだソフィアには問題なかったが、ガウルグルスは「ム」と一瞬唸る。
タイミングを逃さず、空は高速詠唱からパラドクスを放つ。氷でできた白と黒の猫型式神が、いっせいにガウルグルスに襲いかかった。反撃の漆黒のオーラを耐えつつも、空は状況を読み続ける。
(「僕のはあくまでもサポート、手痛いのは他の人の方が得意そうだからね
……。」)
空の攻撃に続いたのは、ナイナだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
ナイナ・ヴィラネスティズム
WIZ
味方との連携重視
アドリブ可
「まあ!花嫁を傷つければあなたの欲す加護とやらは得られなくて?」
妖精刀片手に敵の抑えを担いつつ先の言葉をぶつけてみる
敵が地に足をつけている場合は泥濘の地によるスネアを狙い、その隙を飛翔で高度を取ってからのマジックグレネードで投擲爆破
敵が黒のオーラによる広範囲攻撃を行なってきたらアイスクラフト
氷の立方体を盾代わりとして周囲に配置
反撃の機が訪れたらヴィラネスト・ダイヤモンドブレイク
溢れる魔力を巨大な氷塊に変え、頭上から押し潰す
ソフィア、あの時紡いだ詩には続きがありますのよ
心壊れし令嬢
奪われし尊厳を取り戻すために戦う術を磨き
慇懃無礼と豪放凱閃を心の剣として立ち上がらん
今般、ナイナ・ヴィラネスティズム(凱閃令嬢・g00383)にはドラゴンにぶつけたい言葉があった。
(「……でも、この状況では花嫁を人質にとるフリでもしなければ意味不明ですわね。」)
戦況は、考える間にも速い展開を見せる。
今は出来る事をやるしかない。
(「味方と連携して、機を逃さないよう、この敵を倒すまで
……!」)
心が決まれば、ナイナの動きは速かった。泥濘の地を発動し、妖精刀を片手に、空の攻撃とタイミングを合わせて飛ぶ。
足元の床が泥濘化し敵は思わず浮かぶが、その時にはもう、ナイナは頭上をとっていた。
策は様々あるが、通常攻撃でパラドクスの反撃を喰らうのは割に合わぬ。
(「ヴィラネスト・ダイヤモンドブレイクで先手を頂きますわ。」)
――氷魔巨成! 漂う冷気から作りし金剛石の芸術!
ナイナが内包する氷の魔力が掌に結集し、巨大な氷塊が現れる。それをナイナは放った。
「グア」
ガウルグルスの居丈高な表情が歪んだ。ナイナの放った巨大な氷塊は飛ぼうとしたガウルグルスを頭から押さえて打ち砕いた。ズブズブと黒い躰が頽れてゆく。
その後の決着は速かった。
敵を葬り、ナイナは改めてソフィアに向かった。
「ソフィア、あの時紡いだ詩には続きがありますのよ。」
「はい。」
ナイナは竜の死骸を前に詩を詠じる。
「心壊れし令嬢
奪われし尊厳を取り戻すために戦う術を磨き
慇懃無礼と豪放凱閃を心の剣として立ち上がらん」
「――何だか私、涙が……。」
その時、廊下で物音がした。
成功🔵🔵🔴
効果1【アイスクラフト】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
●
「ガウルグルス様
、……!」
せわしいノックのあとにドアが開かれ、魂無き操り死竜が一頭、そこで動きをとめた。
彼我の間で時が凍る、長く感じる刹那、ディアボロス達は素早く思考した。
ソフィアを連れてここからの脱出をはからねばならない。
建物が巨大ゆえ、窓は人のサイズからすれば高所にあったが、飛翔の効果では一般人は助けられない。
――魂無き操り死竜は仲間を呼ぼうとした。
ディアナ・レーヴェ
まず【平穏結界】で追手を多少でも減らす
指定PDは「――えー新作の朗読劇に失敗して部屋が燃えたわ」無茶言って3秒場を凍らせつつ、最初の竜を極力騒ぐ前に仕留めるわ!
戦闘外ではソフィアを抱えて走り、基本は彼女を守って中衛に
【完全視界】使用で正面玄関から街へ
街中では囲まれない限り、戦うより振り切る
街の外まで追ってきた奴は倒す
ニールと合流後は
逃走資金代わりに貴金属を渡し
山奥にでも潜伏できたら理想だけど…暮らせる?無理?
なら目立たない田舎町かどこかかしら!
結婚話が出たら
準備したシンプルな指輪2つをニールに渡し、肘鉄コツン
もう少し、グイグイ行きなさい!
(私達を忘れても、二人が共に暮らす事は当然と思える様に)
陽月・空
最初の敵を倒した後、発見を遅らせる為に部屋の中へ放り込む
肉体を鍛えてる皆の速度に追い付けなさそう、問題ないなら僕は飛翔を使って付いていく
使い魔作成で道中の生物に見回り兵が居ないか、鉢合わせしないか、人通りの偵察?とかお願い
追い付かれた時、アイスクラフトで追っ手の道を塞いで時間稼ぎ、道を吹雪で滑りやすくするね
ニールさんの決断も大事、けどソフィアさんの素直な気持ちも大事
何回も助けに来て、今までもずっと過ごしてきたニールさんの事をどう思ってるのか、聞いてみるね
好きのままって事なら
「ねえ、どうして二人は好き同士なのに結婚しないの?好きな人と結婚するのが一番幸せって聞いたよ」
って素直な疑問をぶつけてみる
獅子堂・崇
アドリブ連携歓迎
よし、後は脱出するだけだな。
目の前の敵を殴り倒して前衛を勤めて、皆を先導して走る。
来る時に見た敵がいそうな建物は避けて移動することを心掛けて、戦闘は避けて通れないときだけにしよう。
街の外に近づいたら、今度は殿を勤めて追ってくる敵がいれば相手をしてやる。
無事に逃げ出すことができたら、ソフィアとニールには家には帰らず、どこか別の場所に避難するように伝える。
まぁ、結婚とかの話はディアナ達に任せよう。
柊・冬子
・連携アドリブ歓迎
正面突破で押し通ります!
とにかく敵の前に出て、後ろのソフィアさん達に攻撃がいかないように前に前に!
邪魔者は殴り飛ばす!門や扉は蹴破る!
去り際にはニールさんに男気出してもらう為にちょっと発破かけてみます!「あんまり頼りないんなら今度は私たちが攫っちまうぞー!」
ナイナ・ヴィラネスティズム
WIZ
ネメシスモード「凍れる妖精賢者」発動!
「少しばかり掻き乱して差し上げましてよ。撹乱ならば造作もない事ですの」
ソフィアから花嫁のヴェールを取り上げて頭に着けたら、花嫁のふりをした撹乱囮役として追手の目を引きつけるように時間稼ぎ
追手にこちらの顔を見られたら逃さないようアイスクラフトと泥濘の地で相手の返す道を塞ぎつつアイスグレネード
氷の魔力を込めたマジックグレネードを投擲爆破して追手共を氷漬けにして差し上げましょう
そんな鳴き声で私がたじろぐとお思いとは片腹痛いですわ
追手を捌いたら探索の際に見識を得た脱出口を頼って味方と合流
ソフィアには竜退治の際にくすねてきた金品と共にヴェールを返す
●自由への逃走
「――えー新作の朗読劇に失敗して部屋が燃えたわ。」
ディアナ・レーヴェ(銀弾全弾雨霰・g05579)が、突如パラドクスを発動した。用意周到に、パラドクスを発動する前に平穏結界も使っておいたのだが――その突飛な言葉に場が3秒ばかり凍り付いたのは言うまでもない。
Eins, zwei, drei ――。
三つ数える間もなく、火砲が火を吹いた。我に返った魂無き操り死竜は凄まじい鳴き声をあげて反撃するが、思い切りディアナのパラドクスを喰らってしまう。
「これを受けてみろ!」
そこに獅子堂・崇(破界拳・g06749)が六連撃を叩きこむ。あっという間に決着がつき、陽月・空(陽はまた昇る・g00855)がささっとその死骸を部屋の中に放りこんだ。
「よし、行くぞ。道を開ける、ついてきてくれ。」
崇が先導し、柊・冬子($箱入り不良娘・g06303)が続く。
「正面突破で押し通りますよ。」
冬子も後ろのソフィアに攻撃が行かぬよう、盾となるべく前に出る。
「ソフィア、行くわよ。ちょっと失礼!」
「よ、よろしくお願いし……えっ!」
ディアナはソフィアを抱きかかえ、空とともに駆けだした。
目指すは正面玄関である。
一方、ナイナ・ヴィラネスティズム(凱閃令嬢・g00383)だけは別行動をとった。
(「ネメシスモード「凍れる妖精賢者」発動! 」)
ネメシスモードへと変化を遂げると、ナイナはソフィアのヴェールを拝借して装用した。追手を引き付けて、時間稼ぎをする為だ。
「少しばかり掻き乱して差し上げましてよ。撹乱ならば造作もない事ですの。」
そう呟くと廊下に走り出る。果たして、長い廊下の向こうから、敵がやってきた。
玄関へ逃走する一行から目をそらす為、ナイナはそいつの眼前を先ほど通ってきた通用口へと駆けだした。足音が追いかけてくる。ヴェールを掴まれ振り返ると――。
「あぎゃっ、お前は!」
壮麗な微笑みと共に途端にアイスクラフトが敵の退路を塞ぎ、床が泥濘と化した。
「逃しませんわよ!」
そして、アイスグレネードが炸裂した。
魂無き操り死竜は凄まじい声をあげて反撃するが、ナイナは動じなかった。
「そんな鳴き声で私がたじろぐとお思いとは片腹痛いですわ。」
続けて氷の魔力を込めたマジックグレネードを思い切り投擲する。
激しい声をあげながら敵は魔氷に包まれて倒れた。
その後もナイナは要所で追手をさばき、最後に通用口を飛び出した。
探索の時に得たキャメロットの情報は頭にはいっていた。これから味方に合流するのだ。
時間は少し戻る。
ソフィアを連れた一行は、素晴らしい速さで玄関ドアに達していた。
「どいてくださいー。」
冬子の声に一般人らしい召使が逃げ出す。そのままの勢いで冬子は頑丈な扉を蹴り開けた。
「待て!」
吹き飛んだドアの影から門番クロノヴェーダが行く手を遮ろうとするが、
「あの世までブッ飛んで死に晒せクソガキー!! 」
瞬時に怒りの冬子に蹴り飛ばされ、巨大な爪が宙をひっかく。続いて崇が迅速にとどめを刺した。
一行は敵を排除するとキャメロットの街へ駆けだす。
館の中では騒ぎが起こり、慌てふためいた敵が追いかけてくるのも時間の問題だろう。
空はあらかじめ確保しておいたネズミを使い魔として偵察に周囲に放っていたが、やがて後ろを走っていた一匹が消し飛んだ。
「後方から敵接近だよ。」
空が声をかける。
「よし、先に行け! 殿は任せろ! 巨大な建物には近づくなよ。」
崇が後方に向かって走った。完全視界で夜の街を見通して、鮮烈な先制の蹴りを放つ。冬子がこれに続き、武羅棲兎悪不が炸裂する。
空はアイスクラフトで道をふさぎ、吹雪をゴウッとお見舞いしてから先を急いだ。そして他の使い魔に前後を走らせつつ、ディアナと並んだ。
「このまま、振り切るわよ。囲まれない限り、敵は無視ね。」
ディアナが言った。腕の中のソフィアはじっと身を縮めていた。全力疾走する彼等を包んで、キャメロットの夜風がビュンビュン吹きすぎてゆく。
「了解だよ。今のところ前方に障害はないみたい。」
そう返事をして空は翼を少し動かした。実は走るのは自信がなかったりするのである。
……そしてディアボロス達はついにキャメロットの門を抜けた。
空とディアナに続いて、崇と冬子、それにナイナも追いついてくる。
「追手はだいたい始末した。」
「バラバラに追いかけてきてくれたので助かりましたね。」
「屋敷の中も適当に始末しておきましたわよ。」
彼等はそのままキャメロットを離れ、ニールの待つあの木のところまでやってきた。
「ソフィア!」「ニール!」
二人は手を取り合ってとりま感動の再会……ひしと抱き合った後、ディアボロス達にお礼を言うのも忘れなかった。
しかし、ディアボロス達の中には何か言いたそうな顔もあった。
「ねえ、ソフィアさんは二ールさんのこと好きなの?」
11才の直球である。空は無垢な瞳で尋ねた。
「え……それは。」
ソフィアは言い澱んだが、その態度が雄弁に気持ちを表していた。
「好きなんでしょ、わかる。ねえ、どうして二人は好き同士なのに結婚しないの? 好きな人と結婚するのが一番幸せって聞いたよ。」
崇はつと目をそらすが、他の皆はじーっと二人を見つめている。
「そ、そんな……。」
そして、二人とも赤くなった。見ていられない……所かもしれないが、ディアナがずいとニールににじり寄って、シンプルな指輪を二つ強引に渡した。
「あ、あのこれは」
「わかるでしょ!」
そういうニールに肘鉄をコツン。もう少し、グイグイ行きなさい! 、と言いたいところだった。
だが「有難うございます」、と深々お辞儀をしたのはソフィアだった。
「……ええ。 ええ、いいのよ!」
ディアナは頷く。自分達を忘れても、二人が共に暮らす事は当然と思ってほしかった。その願いをこめての指輪である。
ディアナはさらに貴金属を逃走資金にと渡す。
「山奥にでも潜伏できたら理想だけど……どこか身を隠して暮らせる?」
「何とか考えてみます。」
ニールが今度はきっぱりと言う。
「頑張ってくださいませ。これはお借りしたものと、竜から拝借したものですけど、当座の資金にどうぞ。」
ナイナもヴェールと金品を渡した。
二人は礼を言いそれぞれが挨拶をかわす。
任務は完了、別れの時である。
「あんまり頼りないんなら今度は私たちが攫っちまうぞー!」
「え、ええっ?」
冬子がニールに発破をかけて「さよなら」と手を振った。
竜の花嫁と、ディアボロス達の縁はここで再び切れる。
だが、このままでは竜の花嫁はそう長くは隠れていられないだろう。いずれ攻略旅団での策が必要になるはずだ。
それまでの二人の無事を祈り、ディアボロス達は新宿島へと帰還した。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【平穏結界】LV1が発生!
【使い魔使役】がLV3になった!
【水面歩行】LV1が発生!
【隔離眼】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV5になった!
【ダブル】がLV2になった!
【命中アップ】LV1が発生!