リプレイ
シル・ウィンディア
逃がさないためにも…
ここでドラゴンの退路を断つっ!
世界樹の幹や枝を駆け上がっていくよ。
敵に見つからないように、葉っぱや枝に隠れながら上を目指していくね。
死角から外れたら、ダッシュで駆け上がっていくけど…
ばれたら、反転し、高速詠唱からの光精瞬殺剣っ!
左手の創世の光剣と右手のエレメンタルブレイドをもって、瞬間移動斬撃で立ち回っていくよ。
ばれて、倒さないとだめならば…
もう、ここは派手に立ち回ってあげるよっ!
ここで目を惹いて、駆け上がり重視の人に目がいかないようにできれば持って来いだしね。
瞬間移動時は、残像も生み出しての攪乱機動を重点的に行うよ
おわったら、ダッシュで駆け上がるっ!
見上げれば緑の梢。世界樹と呼ばれる巨木はただ一本のみで聳え立ちながらも樹海にすら比する。
頭上、吹き抜けた風は屍の兵士達の死臭を運んでくるばかり。
……その遥か先ではすでに決戦部隊の交戦は始まっている事だろう。
ならばとシル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)の胸の内にはいっそうの気合いが燃える。
(「逃がさないためにも……ここでドラゴンの退路を断つっ!」)
円卓の騎士の名を冠するドラゴンがまた一席、復讐者達の包囲網にと捕らえられようとしている……。
精霊術士の少女の体はまるで彼女自身が精霊であるかのように、より空高きを目指し世界樹外周を駆け抜けてゆく。
(「森ともダンジョンとも違って、どんなに広大でもとにかく上を……アヴァタール級だけを目指して進んでゆけば絶対に迷わないのは安心かも」)
高き緑の内にと身を潜め、巨大枝に茂る葉の影から影を走り抜け、枝から枝へ跳び移り……。
敵トループス級との戦闘は極力避けて先を急ぎたいという少女の狙いと死角を衝く立ち回りにとって、この緑深き世界樹は恰好の助けとなってくれている。
こうしてしばしは順調な登攀を続けたシルだったが……彼女の細心が突如その脚を急停止させた。
枝の間隔が広く空いた死角らしい死角の無い難所で、操り死竜の集団に行き当たったのである。
(「ここはどうやってもばれて見つかりそう……倒さないとだめなら、いっそ!」)
隠密方針から一転。
大立ち回りの覚悟を決めたシルの両腕が左右の剣の柄元へと触れようとした、その時。
足元の巨大枝の更に下方……現在位置から遠く離れた場所から轟き渡った震動とド派手な戦闘音。
いまだシルの存在に気づかぬままだったトループス級らの首がゆらりと一斉に巡らされ、一匹残らず、轟音の方角へと飛び立っていったのだった。
どうやらあえて登攀速度を犠牲にしての陽動役を引き受ける仲間が幾人か存在している様だ。
彼女自身も、もしも戦闘せざるを得ない局面ではあえて敵の注目を惹いてそのように立ち回ろうと決めていたのだが……。
小首をかしげ、ふむと思案するシル。
(「せっかく見つからずに済んだんだもの、このまま駆け上がり重視で道を切り拓くべきだよねっ」)
遠い仲間に深く感謝しながら辺りを窺った後、シルは再び、物陰伝いに世界樹を駆け上がってゆく。
大成功🔵🔵🔵
効果1【神速反応】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
黄泉王・唯妃
あまり表立つよりもこういう裏方仕事の方が色々と気が楽です。
しかもただ殲滅するだけでいいときました。
さっさと済ませて後顧の憂いを断ってしまいましょう。
此方を掴もうとしてきたところを【残像】で狙いを外し、拳打蹴撃くれながら相手を翻弄するとしましょう。
【地形の利用】を用いて壁面に激突させるなどもいいかもしれませんね。
「ほうら、鬼さんこちら。そんな程度の動きでは到底掴まえられませのでそのまま大人しく死んでいただけませんか」
アオイ・ダイアログ
世界樹ダンジョンもいよいよ大詰めなんですね🎵
いけいけGOGO!
近づく奴は声月をガンガン振り回してバッサバッサと斬り刻みながら登っていきますよ!
足や翼を斬っちゃえば移動力はほとんどなくなるでしょう
声とか声月のエンジン音で掻き消してあげます!
まぁ目立つんですけどね
ひきつけ役とでも思っておきますかねぇ?
あ、私貧弱なんでお触り禁止でーす!
うん、さて、逃げ道はキッチリ封じさせてもらいましょう!
ついでに【通信障害】で敵の連携がとり辛くなればヨシ!
駆け抜けていきますよー!
「世界樹ダンジョンもいよいよ大詰めなんですね🎵 いけいけGOGO!」
インカム越し、明るくシャウトした少女の声に応えるはハウリングボイス『声月』。その咆哮の如きエンジン音。
アオイ・ダイアログ(響き合う言霊の繰り手・g02687)とチェーンソー剣は互いに共鳴し合いながら最初っから最高潮!
めきり、ごきりと、急速かつ無理矢理な異常発達を果たした死竜の爪なんかに怯むはずも無い。
「あ、私貧弱なんでお触り禁止でーす!」
チェーンソーを横一文字に構えた体勢のまま炸裂した高速スピン突撃は物理法則すら吹っ飛ばす大竜巻(トルネード)。
迂闊に近づいてきた魂無き屍のドラゴン達が三体たちまち切断されて、バラバラ死体が緑陰へと撒き散らかされてゆく。
「うりゃりゃりゃりゃりゃー--ッ!!」
幻想的な世界樹の懐に抱かれながらの、なんというオブ・ザ・デッド的B級映画感。
嗚呼、生ける屍退治にはやはりチェーンソーこそが王道。
一方その頃。
「あまり表立つよりもこういう裏方仕事の方が色々と気が楽です」
まるで避暑地の森を散策する風情で黄泉王・唯妃(灰色の織り手・g01618)がほほ笑んでいる。
……その周囲では魂の抜け殻と化したドラゴン達が宙から続々と急降下を開始していたにも関わらず。
「ほうら、鬼さんこちら」
俄かに騒めく緑が無残に木の葉を散らす中……クスクスと囃し立てる声。
掴みかからんと襲い掛かる星落としの竜爪の悉くは『脚韻(マフェット)』と共に現れる蜘蛛の少女の残影を砕くばかりである。
「あらあら、残念でした。殺さねばならない蜘蛛の本体はこちらですわ」
自らを裏方だなどと嘯きながら。
しなやかに叩き込まれた拳打はまったく容赦の無い鋭さで樹上から敵を叩き落としてゆく。
標的であるアヴァタール級ドラゴンの元へ急ぐよりもまずは敵の耳目集める戦闘重視を貫く唯妃。
とはいえ、何せ相手はあらかじめ与えられた命令のみを愚直に死守する屍人形の大群だ。
寄ってくる敵をいちいち全て倒そうとすれば、ぶっちゃけキリが無い。
「そんな程度の動きでは到底掴まえられませんので……そのまま大人しく死んでいただけませんか」
そして他のディアボロス達もあらかた先行し終えた今となっては陽動の必要性も薄れつつある。
そろそろ殲滅を切り上げて歩を進めるべきとの判断を、彼女は今、下そうとしていた。
別の巨大枝の上で大いに『声月』を振るい叫び続けたアオイもまた、結果として、仲間の為の惹きつけ役以外の何者でも無い戦闘を繰り広げていた。が。
「うん、さて、逃げ道はキッチリ封じさせてもらいましょう!」
本命の標的へ戦い挑むのであればそろそろ惹きつけは程々に抑え、速度重視に切り替えようと考え始めていた。
彼女が敵の伝達妨害の為に用意した【通信障害】だって意思をまったく持たない死竜達相手よりも、まず真っ先に蒼玉のカラドックの元へと辿り着いて仲間のディアボロスと共に包囲を完成させてこそより効果的に活きてくるに違いない。
「それじゃ、ここからはさらに駆け抜けていきますよー!」
高く結い上げた長い碧髪がぴょこんと揺れて。
先行く仲間達と討つべきドラゴン待つ遥か上空を、アオイは晴れやかな笑顔で見上げるのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【神速反応】がLV2になった!
【通信障害】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
アンジェリーカ・リヴィンスキー
世界樹にちょっかいだしたベディヴィアにはここで痛い目にあってもらわないとね、その為にも退路はしっかり絶たせて貰うわよ!
まずは邪魔な死竜共を蹴散らさないとね!
まずはいきなりアースクエイクよ!
この地震で体勢を崩した相手がいればすかさず近づいて剣で吹っ飛ばすわよ!
そのまま吹っ飛ばした死竜飛び移る様にジャンプして、そいつを踏み台にして距離を稼ぐわ!
相手の攻撃も利用させて貰おうかしら、巨大な爪や牙による攻撃を剣や槍でガードして相手吹っ飛ばされることでさらにカラドックに到達するまでの距離を稼いでいくわよ!
「世界樹にちょっかいだしたベディヴィアにはここで痛い目にあってもらわないとね。
その為にも退路はしっかり絶たせて貰うわよ!」
内部ダンジョンにおいてドラゴンとフローラリアが繰り広げた激しき攻防。
その一端に介入した経験を持つアンジェリーカ・リヴィンスキー(吸血鬼のダークハンター・g07564)にとってどちらもぶっとばすべきクロノヴェーダである点に変わりはない。
それでもこちらの話を聞き容れ撤退要求も飲んだフローラリアに対し、ドラゴンはきっぱりと敵である。
勇ましきゴスロリ少女の歩みの前に立ちはだかる魂無きドラゴンの群れ。
「まずは邪魔な死竜共を蹴散らさないとね!
――轟け、大地の鼓動! その怒りを持って、我らが敵を打ち砕けっ!!」
魔力生み出す詠唱は何処までも高らかに。
そして振り上げられた少女の拳は渾身の力を込めて足元へ……世界樹へと叩きつけられる!
パラドクス『アースクエイク』。
本来は地震を引き起こす魔術だが、たとえ大地から遠く離れていようともその威力になんら変わりは無い。
「大地に根付いた世界樹もまた大地の一部だもの。
ウチの魔術をもってすれば共鳴振動で大気ごとドラゴンを揺さぶるぐらい容易いわ」
……と、アンジェリーカ本人は主張しているが実のところそれは只のパンチなのである。
力の源流は彼女自身の筋力のみであり、要は普段から常軌を逸したワンパン一発で地震を引き起こしており何なら先の詠唱句だって有っても無くとも発動にはおよそ関係ない。
むしろ魔術よりそちらの方がよっぽど凄まじい奇蹟なのだが、少女はそれを魔術のなせる技だと頑なに信じ込んでしまっているのだ。
ともあれ。
出会いがしらいきなりの攻撃で敵の隊列を大きく乱し、体勢を崩した死竜めがけてアンジェリーカは猛然と駆け出した。
巨大化した爪と牙による反撃の勢いを逆利用する事であえて派手に飛ばされて着地地点は別の死竜の頭の上。
足場代わりに踏みつけるや華麗に大ジャンプ!
スタイルに恵まれた白いその肢体を宙にと躍らせる。
アンジェリーカもまた初手から隠密性とは無縁の派手な戦闘を敢行したがその目的は陽動でも殲滅でも無く、なんと移動距離稼ぎだ。
上を目指す障害である筈の死竜の巨体や攻撃それ自体を空中でのショートカットに活用したのである。
「待ってなさいカラドック!」
蒼玉の竜待つ戦場までは、あともう少し。
大成功🔵🔵🔵
効果1【照明】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
アンゼリカ・レンブラント
提案した作戦が決行されるんだ、必ず成功させる!
高度的に飛翔で一気には行けないだろうから、
いけるところまで加速の効果を受け迅速に動くっ
道中遭遇する敵のみをパラドクスの光剣で斬るね
倒せなくても移動が優先で一撃離脱
間をすり抜けたり、吹き飛ばすよう攻撃を叩き込んだり
グラップルの技量で押しのけたり、仲間と連携して
臨機応変を胸に突破していく
もし足止めを食っている仲間がいれば、
助太刀して敵の注意を逸らす
そして私も一緒に突破して先へ行くぞー!
怖いのは囲まれることなので注意し進むよ
進行方向でどうしてもやり過ごせない、または
囲まれた場合は進行方向の1体に
呼吸を整えめいっぱい力を溜めた
《飛翔光剣斬》で切り伏せるよ!
木漏れ日を纏い、風さえ従えて。
生い茂る深緑を縫うように掻い潜りながら、煌く黄金が、地から空へと翔けて加速する。
アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)である。
「せっかく提案した作戦が決行されるんだ、必ず成功させる!」
いつだって明るく快闊な彼女だが今日はひときわ気合いが籠もる。
当作戦がいま支援すべき炎のベディヴィア卿決戦はそも攻略旅団におけるアンゼリカの提案を発端とするのだから。
少女はまず比較的低所に伸びる深緑の枝の上にと着地を果たした。
低いとはいっても高層マンションを遥かに超える高度のそこはアンゼリカが地面からひとっ飛びできたギリギリの到達点。
ここから先、さらに【飛翔】を用いるのであればぴたりと樹づたいのみという制約が架せられる。
世界樹から伸びる巨大枝から少しでも外れれば途端に真っ逆さまだ……しかし、少女は全く怯まない。
「ま、いけるとこまで迅速にいくしかないよねっ」
合言葉は、臨機応変。
敵を倒すより自身の移動を優先させた少女はその後も巧みに敵陣を掻い潜り続けていった。
場面場面でこと細やかに飛翔と疾走を切り替えながら、上へ上へと、アンゼリカの突破はきわめてテンポよく。
そして。
わずかにまだ遠い羽音を聞き逃さなかった少女の脚がそこでようやくピタリと止まる。
振り絞るようにして、大きくひとつ、息を吐く。
それだけで少女の佇まいは一変し、その金瞳が立ちふさがる敵を凛と見据えて射貫く。
「裁きの光よ、空を翔ける翼と共に剣となり、全てを斬り裂けぇっ!」
天を打ってはためく光の翼が緑の風景を一気に加速させ……。
鮮やかに間合いを奪ったアンゼリカが輝ける大剣を横薙ぎに叩き付ければ、それはまさに竜撃つ騎士の一撃。
必殺の『飛翔光剣斬(フライハイセイバー)』が魂無きドラゴンを両断する。
「邪魔はさせない! みんなと先へ行くんだ!」
されど一撃離脱こそがこの翔技の真骨頂。
高揚さえも置き去りに。
うねるように回り込み襲い掛かろうとする爪牙たちに囲まれるより早くアンゼリカは駆け抜ける。
大成功🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
ロイド・テスタメント
主(g00112)と共に
★アドリブ連携歓迎
「この世界樹の頂上よりも高く、あのドラゴンはいるのですか」
主の宿敵、戦うために力を温存しつつ世界樹を駆け上がらないとなりませんね
パラドクスを使い【モブオーラ】にくわえ、【暗殺】者としての経験に基づいて【忍び足】で気づかれぬ様にします
攻撃は死竜の動きを【情報収集】し、【残像】や【フェイント】で回避します
「主、私の指示に従って下さい。見つかった場合は」
私が囮になって戦い、力を温存したまま頂上へ向かわせます
「死竜……つまりゾンビならば、一匹位消えても気付かぬか」
パラドクスを使い仕込みナイフで素早く処理し、他のディアボロスと連携しつつ【臨機応変】に動きましょう
ヴァイスハイト・エーレンフリート
ロイド(g00322)と共に
★アドリブ連携歓迎
「えぇ、サファイアの様な色の……カラドック」
ロイドの後ろについて行きましょう
「ええ、分かっております」
言葉を交わすのも大変ですから、パラドクスを使い【パラドクス通信】で言葉を交わします
ロイドよりは拙いですが【暗殺】技術を教わりましたので、ロイドの指示に従い彼の後ろを追いかけます
「ごめんなさい、私の力不足で……」
謝ってもロイドは困った表情になるだけでしょうから、私はただ倒すべきドラゴンの元へ向かうまでです
流れてきた攻撃は【残像】と【ダンス】の要領で回避します
「どいて、ください」
邪魔をするならパラドクスで撃ち落とします
カラドックを倒さなきゃいけない!
彼方、馳せるように見上げた眼差しの先には、蒼穹貫いて聳える世界樹。
そんなヴァイスハイト・エーレンフリート(死を恐れぬ魔術師・g00112)の傍らにまるで影のように控えて自身もまたしばし黙して、その後に。
あの高みに例のドラゴンはいるのですかとロイド・テスタメント(元無へ帰す暗殺者・g00322)が主へ問えば、返ったのは静かな肯首。
「えぇ、サファイアの様な色の……カラドック」
蒼玉の。あるいは、剛腕の。
アヴァタールたる別存在だと己に言い聞かせながら、それでも。
その名前を口の端に乗せるや彼の胸にと去来した過去も想いもとめどなく。
けれどエーレンフリート家の名を負う青年はその全てを押し殺し……忠実なる黒翼の魔を供連れに、戦場へ。
「主、私の指示に従って下さい。もしも敵に見つかった場合は……」
「ええ、分かっております」
振り向かぬまま交わされる声と声はともに周囲には秘匿されたパラドクス通信。
深き絆有する主従の間でそれ以上の言葉は必要ない。
(「戦うべきは主の宿敵、ただ一騎。であれば、力を温存しつつ世界樹を駆け上がらないとなりませんね」)
気配遮断に忍び足、くわえて同じ戦場を目指して他処を走る復讐者達からの残留効果。
元暗殺者としてのロイドに備わる卓越した技術の数々と敵地にあって戦場を俯瞰する冷静が先急ぐふたりを無用な戦闘から遠ざけてくれている。
それでもなお数にまかせて世界樹を押し包む操り死竜は多勢。
やがて、前進の為、回避では無く排除を余儀なくされる局面がふたりの前に訪れる。
交差する視線。
無言のままにヴァイスハイトに道を譲った後、速やかに戦闘態勢へと移行したロイドは自らの身を敵の只中へと躍らせる。
かの蒼玉を討つという主命の遂行を至上とするが故の囮策である。
(「ごめんなさい、私の力不足で……」)
駆け抜ける最中、ふいに睫毛を伏せ、そう発しかけたヴァイスハイト。
だが却ってロイドを困らせるだけと思い直した彼は意を決して言葉を飲み込み……独り、緑陰の枝の向こうを目指す。
ロイドに守られ、導かれて。それは今に限ったことでは無くもうずっと。
彼の隠密行動もまた優れたものだが、それすらも暗殺の師と仰ぐロイドから与えられた技術である。
「どいて、ください」
自責から来る苛立ちを隠しもせず。
高空からの急降下で己に掴みかかろうとした敵の一体を『雷帝(イヴァン)』の雷槍が打ち据える。
(「……そうです、私は……カラドックを倒さなきゃいけない!」)
蒼き閃光の前に撃墜され二度目の死を迎えた亡骸などはもはや振り返りもしない。
我が主のそんな雄姿と遠ざかる背中を、ロイドは微笑とともに見送った。
そして。
戦場に、暗紅が奔る。
「死竜……つまりゾンビならば、数匹程度消えても気付かぬか」
事もなげ、冷ややかに言い放たれた言葉を残して魔人の姿はその場から掻き消える。
否。
先手を取ったロイドは既に星落としの更に頭上高く、死角にと跳躍していたのである。
反応すらも許さぬまま、袖口から投じた仕込みナイフの軌跡ががら空きのドラゴンの首をするりと切り落とす。
まるで生者であったかのような鮮やかな血飛沫を宙に散らしながら……。
大きくバランスを崩した屍は地上めがけて吸い込まれていった。
「まずは、一匹」
ここまでの完璧な隠密行が逆に仇となり、周囲に連携可能な復讐者は誰ひとり見当たらなかったがこの程度の敵であるならば問題は無いと彼は判断を下していた。
ほどなく再び『影』は主の傍らにと戻るであろう。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
緑の梢を掻き分けて進んだその先で、場の空気が一変した。
吹き渡る風すらも冷たく張り詰めており……振り仰げばそこには端正なる蒼玉の彩帯びる一対の竜翼。
『……こうなる予感は……懼れは、何処かで抱いていたのかもしれません。招かざる敵よ。
いまだその力は微弱なれど、わたくし達の悉くをまるで『先読む』かの如き危険因子たちよ』
大気震わせる殺気とともに現れたるは1体のアヴァタール級ドラゴンにして討つべき敵。
蒼玉のカラドック。
決戦の死闘繰り広げる『炎』の為に命捧げた其の竜は、悠然と、凍れる蒼穹の高みより舞い降りてくる……。
レオネオレ・カルメラルメルカ
『イヒヒヒ。あっしは単なるウィザードでさぁ……』
『あ? バレた? イイネェ、たまんねぇなぁ!』
一人称は「あっし」
二人称は年上・同年代「(名前)のダンナ(姐サン)」
年下「(名前)の坊っちゃん(お嬢ちゃん)」
他者との連携やアドリブOKです。
言動は三下ですが演技です。騙せそうであれば格下を装い油断させ隙をついて攻撃します。
相手に演技が通じない時やバレたりしたら、好戦的になり一人称も「オレ」になります。
パラドクスは指定した物をどれでも使用し、積極的に行動します。卑怯者ですが、迷惑をかける行為はしません。例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「カラドックの旦那だか姐さんだか知りませんが、いやはや、そいつは買い被りというヤツで……イヒヒヒ」
救援機動力に物を言わせ、ひとりのドラゴニアンがヘラヘラと蒼玉の前へ進み出る。
「いやぁ、それにしても何とも見事な蒼玉のお姿で! まさに目も眩まんばかり!」
お愛想笑いを浮かべながら、今にも手揉みせんばかりの勢いでまくし立てるレオネオレ・カルメラルメルカ(陰竜・g03846)であったが、カラドックからの反応は好悪どちらも薄い。
『……さかしき復讐者よ、見え透いた追従の言葉をそれ以上紡ぐ必要ありません。
わたくし達ドラゴンを前にして闘う気概失わぬ程の者に対し、警戒を緩めるなど有り得ないのですから……』
初手から全力で卑屈にへり下っているようで、その実、レオネオレの赤き眼はまじろぎもせず蒼きドラゴンの隙を伺い続けている事をこの蒼きドラゴンはとうに見抜いていたのである。
上空にはカラドックと同じ『蒼』纏うワイバーンの軍団が次々と召喚されており臨戦態勢である。
「あ? バレてたって? イイネェ、たまんねぇなぁ!」
もとよりダメ元と特に落胆した様子も見せないレオネオレは、今度こそ心から嗤ってみせた。
蒼玉の指摘の通り、この程度で油断なり嫌悪なりを引き出せる敵であれば奇襲へと転じられて重畳。
そうでなければ……まぁそれはそれでお楽しみの始まりというのがいつもの彼の腹積もり。
俄かに金鱗へと沁み始めた冷気が『彗星』の起こりであると察知した彼は、ひょろりと長い右腕を天へと翳す。
「我招くは猟犬の如く追い回す五つの猛る爆炎、
汝は逃れるすべはなく無慈悲に爆ぜ屠られるだろう……『チェイスボムズ』!」
よどみなく紡がれた詠唱は五本の竜爪の先へ五つの炎弾を燈すや速射する。
同時、羽搏くワイバーン達から氷の弾幕が降り注がれたが複雑な軌道を描いて飛翔する五つの灼熱は、全弾、カラドックのみを狙い命中を果たす。
その光景は、さながら獲物を追い詰める猟犬が解き放たれた如しであった。
『……これは……』
蒼玉にとっては躱せた筈の五連撃は、しかし、樹上ここまで闘って来た味方の力も加わり増強されていた。
魔氷の雨への防御もまた強化されており、それらを見越して打った博打にレオネオレは見事勝利を収めたのである。
「イヒヒッ、残留効果サマサマだぜ」
そして大いなる蒼玉を焼いて爆ぜたその猛炎こそが戦いの狼煙となる。
成功🔵🔵🔴
効果1【動物の友】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
シル・ウィンディア
ふふ、お客さんのおもてなしは大切だよね
でもね…
今日はかまってられないから、遠慮するよ
…さぁ、やろっかっ!!
飛翔の効果を使いつつ、樹から落ちないように注意を払って機動していくよ。
世界樹の翼type.Cにして、誘導弾で相手の目線を惹きつつ、所々パラドクスの砲撃を当てに行くよ
誘導弾はあくまで牽制と注意を惹くためのものだしね。
空中機動を残像を生みつつ行って、敵の気を惹いていくね
これで、味方の攻撃する隙が作ることができればっ!!
畳みかけるタイミングを見はからって…
世界樹の翼をtype.Aにしてから、高速詠唱。
全力魔法でフルパワーの六芒星精霊収束砲だっ!!
さぁ、わたしからのおもてなし…
お代は命でいいよっ!
サヤ・ヴァサーゴ
【絡みアドリブ歓迎】
「あー、ディアボロス風情が虫けらがー、って
油断するか怒っててくれると楽だったんだけどねぇ…」
こういう冷徹冷静なタイプって一番厄介だわ。
味方なら本当頼もしいんだけど。
「恨みがあるわけじゃないが、こっちも消えるのはゴメンこうむる。
遺念無く常世へ送り合うとしよう。」
こりゃ綺麗な風景だ…
当事者じゃなきゃもっと眺めてたいところだねぇ…
嘯きながら平に構える一刀。
己に向かう矢にほんの少しずつ突き当て…逸らしながら進む。
多少の掠りは仕方ない、致命を避けるしかないね。
「美しさは認めるが、アタシを討つにゃ足りないようだ。」
踏み込みの間合いに捉えれば…
一閃の刃にて叩き斬るのみ。
シャティル・レーヌ
【絡みアドリブ等歓迎で】
「なに偉そうに被害者ぶってやがる…
都合で他を喰ったのはてめぇらもだろうが!」
どうせ平行線の殺し合いしか出来ないくせになぁ!
ガジェット全解放、数で攪乱するなら小さいこちらが有利だ!
大群の中に紛れるように突貫してやる!
「ディアボロス謹製の弾頭だ、ドタマで喰らいやがれ!」
直前で群れ中より空中形成した足場で上空へ。
がっちり目と目を合わせて撃ち抜いてやるよ。
矢も魔法も耐えた? なら魔弾ってやつだ!
「わらわのともがらと同じように、同胞諸共冥府へ落ちるがいい…」
続々と駆けつけるディアボロス達に対し、カラドックは己が持てる力の全てを揮う。
風にも負けぬ勢いで疾駆する蒼き髪の少女の迎撃には蒼き海の奔流を。
友たるガジェットを率いて猛然と攻め寄せる翠髪のエルフの前には大量召喚された精霊達による一斉攻撃を。
そして。
「こりゃ綺麗な風景だ……当事者じゃなきゃもっと眺めてたいところだねぇ……」
外見に反して老練を誇ると見抜いたサヤ・ヴァサーゴ(紀寿の手習い・g02401)に対してこのアヴァタール級ドラゴンは空覆うほどの蒼き飛竜の群れを呼びよせたのである。
「あー、ディアボロス風情が虫けらがー、って油断するか怒っててくれると楽だったんだけどねぇ……」
蒼玉のカラドックはどうやらそういったタイプとは一線を画するらしい事に皮肉な苦笑いを浮かべ、擬態を解いた妖刀つばくらめをサヤはその手にと構えた。膨れあがるデーモンの力に煽られて桃色の髪がゆらりと踊る。
(「こういう冷徹冷静なタイプって一番厄介だわ。味方なら本当頼もしいんだけど」)
生憎と、戦場において強敵に強敵と認められ懼れられることを喜ぶ純真など彼女は疾うに持ち合わせてはいない。
『わたくしはわたくしの役割を果たすのみ……此度の撤退戦を完遂する為に己が命を賭しましょう』
「なに偉そうに被害者ぶってやがる……都合で他を喰ったのはてめぇらもだろうが!」
世界樹に居座ったまま悲愴湛えるドラゴンを前にして、シャティル・レーヌ(夢を歩く・g06773)は怒りに燃えている。
これまで繰り返されたフローラリアとの戦いでいったい彼らはどれほどの妖精郷を焼き、どれほどの命を踏みにじって来たことか。
「てめぇらのほうこそ招かざる敵なんだよ! どうせ平行線の殺し合いしか出来ないくせになぁ!」
過ぎる蹂躙の記憶。
眼前の存在は、少女にとっていっそ他種族を虫けら扱いする者以上に唾棄すべき最悪の敵であった。
『エルフであるならそれは尤もな憤り。だからこそ何故フローラリアと共闘できているのか理解に苦しみますね……』
尚も超然と知ったような口を利こうとするドラゴンに、黙れと口にするよりも早く。
喪われた森の住人たちの面影うつすふわもふのぬいぐるみ達を。
シャティルの友たる戦闘ガジェット群の全武装を解き放ち……少女は今しばし『姫』たる己に立ち戻る。
あの日の絶望と共に。
「我がともがら達に命ず……轢き潰せ!」
善き隣人たちよ蹂躙を(グッドネイヴァーズジェノサイド)。
カラドックも青き羽の精霊を大量召喚してこれを迎え撃ち、力の激突は機動を駆使した攪乱戦の応酬へと変化する。
シャティル自身は乱戦下に紛れてガジェットの頭から頭を跳び移りながら突貫し、最後に着地した先は巨大なしろくまさん人形の肩の上。
復讐者と侵略者……エルフとドラゴンの瞳と瞳が真正面からぶつかり合ったその瞬間。
とっておきの魔弾が白きともがらの体内銃器から発射され、鳴り響く筒音と共に貫かれたのは竜の右眼。
「ディアボロス謹製の弾頭だ、ドタマで喰らいやがれ!」
『く……っ!』
激痛のあまりこの日初めて顔を歪ませたカラドックへ尚もディアボロス達による攻勢は止まらない。
「ふふ、お客さんのおもてなしは大切だよね。でもね……今日はかまってられないから、遠慮するよ」
森の路よりも広い巨大枝の上、落ちる影は可憐なひとりの少女のものだ。
墜落の危険も顧みず飛翔するシル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)が狙う首級はあくまでジェネラル級。
眼前の一配下にいつまでも足止めを喰らっているつもりはなかったが……一方で存外に負けず嫌いな彼女が立ちふさがる強敵を前にただ黙っていられる筈もない。
「さぁ、やろっかっ!!」
強気な笑みと共に世界樹の名を冠する魔力銃を片手に急加速から空中戦を仕掛けるシル。
自在に天翔けるドラゴンと比べ大きく制限が課せられた状態での機動はそれだけで命の危険が伴う。
そしてカラドックもその弱みを突くように舞う水竜の如きパラドクスでシルの飛行を阻害し、小さなその体を押し流そうと図ってきた。
(「……ギリギリの綱渡り……でも、こうやってわたしが敵の注意を惹きつけていればっ!!」)
牽制と陽動。そんなシルの狙いはパラドクス通信を使わずとも猛者たる仲間達へと相通じる。
「蒼き魔術の数々。美しさは認めるが、アタシを討つにゃ足りないようだ」
巧みな刀捌きでワイバーンの氷弾を逸らし、致命傷を免れたサヤがまず先陣を切った。
足下の樹を強く蹴って疾駆するや、剣戟嘶かせて振り下ろされた一刀は『魔典絶技:真鋼断(ハガネダチ)』。
那由多の練の果てに到達し得えた理外の一太刀が蒼玉の鱗を切り裂き、また一つ、蒼き竜の体を深き傷を刻む。
間髪入れず、その傷を、追い撃たれたガジェットの砲火がみるみると穿ち拡げていけば、きらきらと、無数のサファイア片が流星雨の如く世界樹に散りばめられてゆく。
「わらわのともがらと同じように、同胞諸共冥府へ落ちるがいい……」
円卓の騎士の名を簒奪したかのドラゴンもまた同じ。
故に退路も貴様の挺身も元より無意味なのじゃと幼き零落の姫は冷たく言い放つ。
そして。
おそらくはエルフの少女に対して何事か口開こうとしたドラゴンの言葉を待たず、畳みかける機と見たシルが高速詠唱を終えていた。
背から広がる青き翼がしなやかに天打つと同時。
水と火、風と土、そして光と闇の属性エネルギーが輝きと共に増幅されたのち六芒星へと収束してゆく。
「わたしからのおもてなし……お代は命でいいよっ!」
『六芒星精霊収束砲(ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラスト)』の閃光が蒼玉の竜めがけて爆ぜ放たれる。
かろうじて躱すカラドックだったが片翼への被弾は避けられず、その暴威は皮膜部分に空いた風穴こそが雄弁に物語った。
ディアボロスの攻勢はまだまだ終わらない。
弾むように破顔したシルの視界の先ではさらなる援軍が到着しようとしていた……。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【クリーニング】LV1が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!
【命中アップ】がLV4になった!
アンゼリカ・レンブラント
さぁ上へ着いたら
あとはこいつを叩きのめすだけだね!
みんな、気合全開で行くよー!
踏み込むタイミングを仲間と合わせ、
パラドクスの格闘攻撃で強打っ!
叩き込んだら敵が弱るまでは一撃離脱、
反撃を凌ぎつつ隙をうかがうね
敵からの攻撃も痛いと思うけど、
パラドクスのオーラの護りに障壁で耐え、
心の勇気を燃やして踏ん張るよ
妖精郷を二度と炎には包ませないよ
だから!お前も炎のベディヴィア卿も倒してみせるっ
時にフェイントも交えたかく乱に努め
隙を作り出すことに専心して仲間に隙を突いてもらうよ
私も敵に隙が見えたら力いっぱい攻撃を叩き込む
敵が消耗したら、呼吸を整えた全力全霊の
《光獅子闘拳》で粉砕するね
私の全力っ、受け取れーっ!
アオイ・ダイアログ
私たちの怖さは先読みだけだとは言いますね
でもあなたはその微弱なる力に倒されるんですよ
ちょっと本気で行きますよ
声月を足元に突き刺して、全開、駆動!!
足場の硬度が心配ですが何とかなるかな?
姿勢を低くして……さあ、正面突破です!
水や氷の攻撃は炎の渦に巻き込んで掻き消したり左右へのステップで避けつつガンガン近寄ります
鱗粉は刃をその場で一周させて円を刻み炎で精霊ごと焼き払いますよ
刃が届く距離に入ったら一瞬敵の動きを見定めます
直接攻撃してくるならジグザグにステップして死角に入り込みます
当たるのを確信したら一気に声月を跳ね上げて水気も冷気も纏めてぶった切ります!
あなたの敗因は……人の力を見誤ったことです!
アンジェリーカ・リヴィンスキー
退路って事はここからベディヴィアの所にも向かえるんでしょう?
何か喋ってるみたいだけど…邪魔よ、どきなさい!
駆けあがって来た勢いのままに顔面にパラドクスを叩き込んでやるわ!
とにかく先手必勝!地面に叩きつけるつもりの勢いで殴りつけて、ひとまず注意をこっちに向けさせて味方が攻め入る切っ掛けを作るわよ!
敵の反撃を下手に完璧な結果を求めようとすれば余計に被害が大きくなる可能性があるわ。
だから集中して剣を構えて、氷や水の矢の雨が一番密集している箇所、とくに体の中心や急所を狙ってきている矢を狙って、神速反応を使って剣の側面で叩き落すようにして振り抜くわ!
最低限のダメージは覚悟して耐えないとね。
天高き樹上、またも戦場の風向きが変わる。
あれほど厳然と辺りを包んでいた筈の冷涼たる大気もいまや熱気すら帯び始めており……。
まるで、復讐者達の闘志に煽られるかのように。
「さぁ上へ着いたらあとはこいつを叩きのめすだけだね! みんな、気合全開で行くよー!」
共に戦う仲間を鼓舞するように、アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)が力強く声を掛ける。
続くアオイ・ダイアログ(響き合う言霊の繰り手・g02687)は、先発したディアボロス達の手で既に大きく傷ついた蒼玉の姿を眼にして勝利を確信する。
「私たちの怖さは先読みだけだとは言ってくれますね。でもね、あなたはその微弱なる力に倒されるんですよ」
『貴女たちが内包する可能性こそを評価したつもりでしたが……そうですね。わたくし達が闘うべきは今に他ならない』
ダメージは重なれども蒼玉の冷静はいまだ揺るがない、かに思えたが。
「何か喋ってるみたいだけど……邪魔よ、どきなさい!
退路って事はここからベディヴィアの所にも向かえるんでしょう!?」
巨大なる世界樹を下からここまで駆け上がって来た怒涛の勢いもそのままに。
放たれた矢の如くアンジェリーカ・リヴィンスキー(吸血鬼のダークハンター・g07564)は一直線で蒼き竜の眼前へと飛び掛かる。
『何
……!?』
「歯を食いしばりなさい!」
時先案内人からも理知的と評されたカラドック、だからこそ、その反応が遅れてしまった。
ただでさえ炎のベディヴィア卿の名前を出された処に、まさかである。
まさかドラゴンに対して人間が、たったひとり、只のストレートパンチ1発を浴びせる為に問答無用で突貫してくるなどという蛮行はこの竜にとって完全に理解外だった故のクリティカルな直撃。
冷静さもろとも大きく体勢を揺らがせたカラドックは、それでも、心身双方を即座に立て直す。
『……哭きなさい彗星よ』
竜の口から奏でられるは力有る詠唱。
すぐさま反撃に放たれたワイバーン軍団からの氷の弾幕に対してアンジェリーカは大剣の刃をもってこれに抗する。
「氷でくるならこっちだって氷よ!」
徒手だった腕に軽々と担ぎ上げられた白金の大剣へコキュートスの護りを纏わせればさらに増大する一方のその質量。
「最低限のダメージは覚悟して耐えないとね」
急所さえ確実に庇えればそれ以外は後回しとばかり迷いなく氷獄剣が振り抜かれる。
攻撃時と同様とにかく思い切りも割り切りも良すぎるアンジェリーカの大胆な防御は、神速反応との相乗効果によって、彼女の身を、堂々、サファイアが天地を占める戦場の只中へと立たせ続けたのであった。
「私たちも! 合わせるよっ」
果敢なるアンジェリーカに続けとばかりアンゼリカが挙げた声にアオイも頷き、応じる。
ガンッと足元に叩きつけられたチェーンソー剣・声月。
カラドックに支配された無数の水精霊たちが完全制御下で舞い飛ぶなか、アオイの一声が高らかに響き渡る。
「ちょっと本気で行きますよ……全開、駆動!!」
唸りを上げ始めた回転音。葵花の髪を、噴き上がる疾風にとなびかせて。
鋸刃の刀身はたちまちに赤熱を帯びて渦巻く炎を纏わせる。
いよいよ声月の火勢増すばかりのここは数キロメートル上空、巨大枝の上。
内心で強度面の心配がちらつくアオイだったが……このもう少し後に聞いた話によればどうやらこの世界樹そのものが一つの巨大なクロノオブジェクトだったらしく……刃にも炎にもしっかりと無傷で耐え続けてくれていた。
魂から絞り出された咆哮得たハウリングボイス・オニキリチェーンソーはその獰猛を加速させてゆく。
「こんな痛みごときで私たちは止まらない!」
阻む水氷の勢いもいよいよ苛烈を極め……それでも鍛え上げた心技体を駆使するアンゼリカの奮戦が……そして少女の魂の奥底で決して羽搏きを止めない輝ける黄翼が、飛竜たちの注意と攻撃を一身に集め続けた上でそれら全てを耐え凌がせていた。
そして遂に訪れた反撃の鬨。
「全力、全開ッ! 焼き裂けろおおぉぉぉ!!」
「私の全力っ、受け取れーっ!」
祈りにも似た絶叫を轟かせ、前傾姿勢から一気に振り上げられたアオイの一閃が竜に齎したのは灼熱、激痛、そして抗うすべなき部位損壊。
立ち込める冷気も水気すらもデタラメに巻き込んだ↑+Yな溜めの大技はドラゴンの右片腕を豪快に両断し……。
その衝撃に生じた僅かな隙も見逃さなかったアンゼリカは一呼吸の後に戦姫闘拳から全霊全力を引き出し、カラドックがその胸にと戴く蒼玉に向けて裂帛の《光獅子闘拳(ライジングレオ)》を正拳突きで叩き込む。
「妖精郷を二度と炎には包ませないよ。だから! お前も炎のベディヴィア卿も倒してみせるっ!」
……ピシリ。
走る亀裂の音とともに粉砕されたサファイアの崩壊が進んでゆく。
「あなたの敗因は……人の力を見誤ったことです!」
いまやすっかり満身創痍となったカラドックに向かって、改めて、ディアボロスを嘗めるなと宣告するアオイ。
『ええ。確かに、認めましょう。貴女がたディアボロスは将来における危険因子などという生易しいものでは無く……』
カラドックの名を持つアヴァタール級ドラゴンは、少女のその言葉を素直に受け入れざるを得なかった。
もとより身命を賭す覚悟でここに在るとはいえど、彼女達の強さは想像の更に上だったのだと。
ならば……。
『我が身を賭しても排除しておくべき、今現在のわたくし達を脅かす……危険そのものなのだと!』
最早なりふりになど構っていられようかと見開かれた蒼き双眸に燈されたのは、かつてない程に剥き出しの激情。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
【反撃アップ】がLV3になった!
ロイド・テスタメント
主(g00112)と
★アドリブ連携歓迎
「主、私は覚悟は決まっております。さぁ、ご命令を」
巨大な世界樹を戦いながら登るのは少々手こずりましたが
パラドクスを使用
「Yes,sir」
【飛翔】し、カラドックと同じ空という戦場で戦います
本気で攻撃はせず【空中戦】で雷の剣で【フェイント】し、攻撃を誘発させてから空振りさせる
(アレに気を付けなければ)
鱗粉が付着しても【精神集中】で落ち着かせる
【神速反応】で魔法を回避、もしくは雷の剣で【衝撃波】を放って威力を分散させる
手早く、そして音を立てず弱点を【看破】して、傷を負わせる
「主、どうぞ。この個体に止めを」
私は主影であり、世話をする執事
これは主の役目ですからーー
ヴァイスハイト・エーレンフリート
ロイド(g00322)と共に
★アドリブ連携歓迎
「ええ、ロイド。あのドラゴン……蒼玉のカラドックを倒しなさい」
世界樹は初めてではないですが、やはり登るのに体力は非常に使いますね
先ずは皆さんの戦いを見つつ、準備をしましょう
【モブオーラ】【飛翔】【神速反応】は必須でしょうね
息を整えから
【暗殺】の要領で隠れて機会を伺いましょう
魔法に関しては【魔術知識】があるので、パラドクスを使い【結界術】で防ぎます
ロイドが終わったのを察すると素早く駆け寄り、呼び出していた槍をカラドックに向かって放ちます
「カラドック。さぁ、この空の舞台から去ってもらいます」
私の失われた記憶、完全に戻るのは何時になるのでしょうか?
世界樹を舞台に繰り広げられた激闘の果て。
胸の蒼玉は砕け、雄々しき翼も剛腕も半ばを失い……蒼き竜の端正はもはや其処には存在しない。
かくなるうえはひとりでも多くの復讐者を討ち必ずや『炎』を帰還させるのだと、覚悟を激しき闘志に変えて退路に在り続けるカラドックへ引導を渡すのは……。
「主、私は覚悟は決まっております。さぁ、ご命令を」
「ええ、ロイド。あのドラゴン……蒼玉のカラドックを倒しなさい」
ここまでに数々の戦闘と長い道程を経てようやくの合流を果たした我が主ヴァイスハイト・エーレンフリート(死を恐れぬ魔術師・g00112)に対し下知を求め、其れを得たロイド・テスタメント(元無へ帰す暗殺者・g00322)。
主命により軍人から悪魔にと成った彼は「Yes,sir」と恭しく一礼した後、世界樹の空へと己が身を躍らせる。
今、彼が駆使する【飛翔】効果にはせいぜいが原付程度までという速度上限のみならず足下に地面代わりとなる世界樹の枝が存在する箇所のみ飛行可能という行動範囲の枷が存在する。
其れは空という戦場でアヴァタール級ドラゴンと真正面から渡り合うにはやや大きな制約であったが敵もまた片翼を破損した状態にあり、翼有るデーモンとしてのロイドに備わる空中戦での技量そのものはほぼ互角。
かつてヴァイスハイトから賜った雷帝の剣を携え、奔る稲光もかくやの身のこなしでカラドックと渡り合う。
『笑え、笑え、蒼き玉の如き精霊たちよ……!』
重なる詠唱下、喚び集められたのは空域そのものすらほの淡き青の光で染め上げるほど多くの精霊たち。
まるで機銃掃射の如く撒かれる魔法攻撃も脅威だが、それ以上にロイドが警戒したのは輪舞する精霊の羽から発せられる鱗粉の方だった。
(「アレに気を付けなければ……」)
一瞬でも気を抜いて錯乱状態に陥ればたちまちのうち集中砲『氷』に曝され、最悪、枝上から弾き出されての地上墜落を余儀無くされるだろう。
だが敵惑わせるパラドクスは蒼玉だけの専売特許では無い。
かの魔女にも似た蠱惑をと彼が戦場に繰り広げし戦技の名は『Morgan le Fay(モーガン・ル・フェイ)』。
現れたと思えば立ち消える……霧の蜃気楼を想わせるロイドの変幻自在が雷刃を閃かせ、既に傷深き蒼きドラゴンの胸元へと吸い込まれた。
大気を震わせながら、獣じみた咆哮が轟く。
しかし、主の影としてロイドが為すべきは此処まで。
「主、どうぞ。この個体に止めを」
此処から先は主の役目でございますと、執事の顔を取り戻した青年は鄭重に敵を譲り示したのである。
(「そう、カラドックは必ずや私のこの手で倒さなくてはいけない
……!」)
その瞬間まで、ヴァイスハイトはといえば世界樹の空翠の奥へと己が存在を秘していた。
一見、共闘のメリットを捨てる非合理とすら映るそのかたちこそが暗殺に長ける主従にとっては最適解。
どれほど念入りに陽動や足止めを重ねようと逆説連鎖戦の理自体からは逃れられねども、軽減ならばあるいは……。
ヴァイスハイトの行く手もまた例外なくパラドクス『蒼き玉の様な精霊は笑う』に覆われたが、此処までに幾度と発動したその術をヴァイスハイトの怜悧は既に識り尽くしている。
薄紗を拡げるが如く展開された結界魔術がダメージと悪影響を最低限に押し留めるや、天仰ぎ、あらんかぎりの速度を振り絞ってそのまま吶喊するヴァイスハイト。
「答えよ、雷帝。放たれよ、青き雷の槍を!」
魔導書を手に飛翔する魔術師の、空いたもう片方の手に突如生まれた輝き。
顕現果たした『雷帝(イヴァン)』の力の一端、槍としての実体化である。
「カラドック。さぁ、この空の舞台から去ってもらいます」
いまだ不完全なれど其処に迸る雷威は、蒼く眩く、若き魔術師の殺意のままに応えて放たれて……瑕まみれの蒼玉は今ここに完膚無きまで打ち砕かれる。
『……申し訳……ベディヴィア卿……』
ここまで度重ねられて来たダメージに耐え切れず、遂に、千々にと爆ぜるサファイアの竜鱗。
最期まで護るべき『炎』の無事のみを想ったまま逝った竜の巨躯が、墜ちてゆく。
終焉彩るその煌めきだけを鮮やかに遺しながら。
宿敵として執着しその打倒を強く希求する『蒼玉のカラドック』をこうしてまた1体討ち果たしたヴァイスハイト。
……されども幾度と対峙すれどそれらは時空を越えて送り込まれる数多き映し影の一つに過ぎないのだ。
(「失われた私の記憶、完全に戻るのは何時になるのでしょうか?」)
彼方、馳せるように見上げたヴァイスハイトの眼差しの先には不鮮明な蒼だけが浮かんでは消えるばかりで……。
かくして敵の退路をまた一つ塞いで、世界樹外周決戦への支援態勢をいよいよ盤石としたディアボロス達。
勝ち鬨は、しかし、もう少し先迄お預けである。
世界樹のさらなる上層で今もまだ死闘続く『炎のベディヴィア卿』との決戦を勝利で終えた、その時にこそきっと。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【神速反応】がLV3になった!
【パラドクス通信】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV5(最大)になった!
【ダブル】がLV2になった!