リプレイ
相原・相真
口上はインパクトが大事
なので、ちょっとヒロイックに演じてみましょうか
フードやマントを調達して全身を隠し、機構腕を装備した右腕だけを露出させる
「謎の戦士」みたいにして見かけのインパクトを出してみます
[地形を利用]し、両軍の注目を得られる位置へ移動
普段は出さない[大声]を張って堂々と
「アイルランドの兵士たち、戦いに挑むその意気や良し!」
「その意気に応え、貴方方に味方させていただこう!」
あとは[勇気]をもって堂々と最前線を敵軍側へ踏み出す
その歩みだけで敵をビビらせる、そのくらいの気概をもってゆっくりと
「そこから一歩でも踏み出すなら俺たちが相手になる」
「それが嫌なら、退け!」
無堂・理央
アイルランド軍がブリテン軍に勝つ為にも、この前口上って大事だよね。
うーん、上手くしゃべれるかな?
無双馬『クロフサ』に跨って、ちょっとゴメンねとばかりに防衛軍の前に踊り出るよ。
「ボクは、これから駆けつけてくる人達はアイルランドに加勢する者だよ!」
「聞いた事はあるかもしれないけど、助力を得て、アイルランドの各地でブリテン軍を退ける事に成功してる!」
「この地でも貴方達を勝たせる為に、手助けし、共に戦います!」
ここで区切って、馬上槍でブリテン軍の最前列を指して言葉を続けます。
「勝てる事を証明する為、ボク達が敵自慢の壁を崩します!」
「そして、貴方達の手でブリテン軍を叩き出し、貴方達の国を守りましょう!」
戦場は一触即発の気配に包まれていた。
北より、クロノヴェーダ率いる軍勢。
南には、まともな武装もなくただ母国を守りたいという意思によって集った農民がほとんどを占めるアイルランド軍勢。劣勢であると知りながら――否、だからこそ、アイルランド軍勢の士気は異常に高まっていた。
「くく、士気が高いといえば聞こえはよいですが、冷静な判断力を失っていますねえ……さあ、どう料理してあげましょうか……ん?」
総指揮官である竜鱗兵の魔術師が舌舐めずりしていると、戦場の外から相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)と無堂・理央(人間のカースブレイド・g00846)が近づいてくる。
「なんだ? あれは……機械の腕か? 外套で顔はわからないな」
「あっちは立派な馬に乗ってるぞ。流れの傭兵かなにかかもしれない」
相真は高台になった丘を選び、普段の彼とは違う、堂々とした声を張り上げた。
「アイルランドの兵士たち、戦いに挑むその意気や良し! その意気に応え、貴方方に味方させていただこう!」
言い終えた途端、アイルランド軍勢にどよめきが走った。
「味方!?」
「そうだよ!」
理央は手綱を引き、颯爽と馬上槍を突き上げた。
「ボクは、これから駆けつけてくる人達はアイルランドに加勢する者だよ! 聞いた事はあるかもしれないけど、助力を得て、アイルランドの各地でブリテン軍を退ける事に成功してる!」
ざわざわと、兵士たちの間に広まる囁き声。
「たしかに、そういう噂を聞いたことがあるような……」
「でも、あれはあくまで噂だろ?」
「実際、俺たちの目の前にいるじゃないか」
戸惑う彼らを理央は真っ直ぐに見据えた。
「信じられないのは無理ないよね。だから、ボクはこの身をもって証明するよ。この地でも貴方達を勝たせる為に、手助けし、共に戦います!」
馬の向きを変え、理央は馬上槍の切っ先をクロノヴェーダ軍勢目がけて差し向ける。
「ボク達が敵自慢の壁を崩します! そして、貴方達の手でブリテン軍を叩き出し、貴方達の国を守りましょう!」
――一瞬、しんと辺りが静まり返った。
それから、どっと地面が揺れるほどの歓声が巻き起こる。破れかぶれの特攻精神ではなく、『勝てる』という希望が彼らを奮い立たせたのだ。
「ちっ……一気に流れが変わってしまいましたね。お前たちも、呑まれている場合ではありませんよ!?」
「は、はあ……」
気を取り直して武器を構えかけた兵士がぎくりと肩を震わせる。両軍の間にそびえる高台へ登った相真が機構腕を見せつけるように外套からさらけ出し、こちらに向かってゆっくりと足を踏み出したのだ。
「う……」
一歩、また一歩と近づいてくる。
「そこから一歩でも踏み出すなら俺たちが相手になる。それが嫌なら、退け!」
じわりと、気圧されたかのように兵士たちが戦線を下げた。空気の流れが変わる。相真と理央の口上によって、アイルランド軍勢は確実に優位な心理状況で戦いに挑むことになったのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
レオ・レーラー
出来る限り相手側の一般人の犠牲も少なくしたいけど、まー、そこは運かな?
アイルランドの兵士達に混じって相手と距離があるなら、鋼鉄の拳を振るって生み出した『衝撃波』で死なないように加減しながら兵士を吹っ飛ばしたり、武器を狙って『破壊』して戦闘力を奪って行こう。
距離が近いようなら『グラップル』で組み付き、投げ飛ばす。
投げ飛ばす先は勿論相手兵士のいるところ、巻き込めればラッキーだけど。
「戦う力が無い奴らは放っておくか、捕虜にするんだ!!」
と、周囲に向けて叫んでおく。
気休めだろうけど、無抵抗の相手が殺されるのは防げるだろうか?
ネルヴァ・イーディス
私の・・・この力は、人を殺すためじゃない。だから、できる限りの無力化を目指します。
双剣の峰で一般兵を攻撃し、出力を抑えた氷結魔法や雷魔法で行動不能にしていきます。
パラドクスの精神同調を可能な限り抑え、死者が出ないよう努めます。
「・・・クロノヴェーダ、早く来て・・・私のこの思い全てをぶつけてあげるから」
奉利・聖
いやはや、ゴミ掃除もキリが無いですね
あちこち巡っておりますが、中々落ち着けないものです
状況は複雑ですが、上手くやってみましょう
では──『硬気功』
間に割り込むのですから、耐えられなければ意味がありません
死が発生しそうな衝突に割り込んで、この身で受けましょう
敵方の武装を奪い取ってしまえば、後方に下がるしかないはずです
こちらも適度に間引いていきましょうか
ちょっとずつ前線の一人を後方に下がらせれば、自然とこちらが押していく構図になります
デッキブラシを盾にするみたいに、パワーで押し込んでもいいでしょうね
大きく勝ってはいけません もう少しの辛抱です
あと少しで…本当のゴミをおびき寄せることができますから
「いくぞ、俺たちには心強い味方がついてるんだ!」
「おおっ!!」
怖じるクロノヴェーダ軍勢の隙をつき、戦端を切ったのはアイルランド軍勢の側だった。
「くそ、俺たちの方が強いに決まってるんだ。こんなやつらに……っ!!」
敵の兵士たちが一斉に剣で斬りかかった直後、レオ・レーラー(サイボーグのデストロイヤー・g04422)の突き出した拳から発生した衝撃波が数人をまとめて吹き飛ばす。
「ぐはッ――」
「ここは僕がお相手するよ。まとめてかかってくるといい」
腰を低め、格闘の構えをとったレオに向かって新手が次々と襲いかかった。レオは敵の剣を持つ腕を掴み、関節を極めながら担ぎ投げる。
「うわわッ」
仲間が飛んでくるのを受け止めるべきか避けるべきか迷っている間に、数人の兵士が巻き込まれて地面を転がった。
「――次」
「きええいッ!!」
振り下ろされる斧を掌で受け止め、そのまま握り砕く。
「なッ……」
あまりの力量差に兵士たちは愕然と後ずさった。
「つ、強すぎる……」
「何をぼさっと突っ立っている!! どけ!!」
別の兵士が仲間を突き飛ばし、両手で掲げた剣を手に躍りかかる。ネルヴァ・イーディス(愛捧ぐ、契約少女(エンゲージ・ガール)・g02799)は双剣を手にロンドのような華麗な剣舞で兵士を打ち倒した。
「ぐあ、ッ」
「心配しないで、峰打ちよ」
剣を構えたネルヴァの背後に魔法陣が展開。五月雨のように降り注ぐ弓矢を、雷を孕む氷嵐が跳ね除けてそれを放った敵の元まで到達した。
「さ、寒い……」
がくがくと震え、動けなくなる兵士たち。
ネルヴァは彼らの真横を無言で通り過ぎる。この双剣が斬るべきは、人ではない――……赤い瞳を戦場にさまよわせ、ネルヴァは微かな声でつぶやいた。
「……クロノヴェーダ、早く来て……私のこの思い全てをぶつけてあげるから」
その頃、当のクロノヴェーダは自分の思い通りにいかない展開に歯ぎしりしていた。
「ええい、なにをしているんです!? 装備や経験はこちらの方が上のはず……なのになぜ、押されているのですか!!」
竜鱗兵の魔術師ことウィズレオンは苛立たしげに叫び、
「とっとと前へ出て敵を殺しなさい。後退したら私が殺しますよ!!」
「は、はいッ……!」
恫喝された兵士が死に物狂いで飛びかかって来るのを、奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)はやれやれとデッキブラシで肩を叩きながら迎え撃った。
「いやはや、ゴミ掃除もこれじゃキリが無いですね。しかも、今回は一般人が相手ですか……まあ、上手くやってみましょう。皆さんは下がっていてください」
押されて陣形が崩れそうになった戦場を選んで割り込み、文字通りに聖は自分の体で兵士の攻撃を受け止めた。
「え?」
槍が聖の体を突いている。
だが、それだけだ。
「ど、どうして貫けない
……!?」
また別の兵士が振りかぶった剣を叩き下ろす。しかし、硬気功によって超硬度化した頭に激突した途端に剣の方が砕けてしまった。
「う、嘘だろッ?」
「残念、事実ですよ」
聖は無造作に敵の槍を掴み取り、剣を奪う。そうやって、武器を失い敗走する兵士をひとり、またひとりと生み出していった。
「す、すごい……あの人に続け!」
敵の武器を奪いながら、着実に前へと進んでゆく聖の周囲をいつしか多数の味方兵士たちが取り囲みはじめる。
「まあ、そう焦らずに」
血気逸る兵士たちをなだめるように聖が言った。
「そうだ。戦う力が無い奴らは放っておくか、捕虜にするんだ!!」
ともすれば、敵を深追いしがちな兵士をレオも諫める。
「無用な血を流す必要はない! 国境線の外まで追い出せ!!」
兵士たちは頷き、陣形を真横に組んで少しずつ防衛線を押し上げていった。最前線でデッキブラシを盾代わりにし、戦線の維持に力を貸していた聖は「おや」とどことなく嬉しそうな声を上げた。
「お待ちかね、本当のゴミがおびき出されてきたようですね」
地響きを鳴らしながら、その群れはゆっくりと兵士たちの眼前を歩いてゆく。やがて、緑色の壁ができた。
「……来たわね、クロノヴェーダ」
ネルヴァは双剣を構え、唇を引き締める。
その名は『樹霊竜鱗兵』。
大量のトループス級クロノヴェーダがまるで砲列のように整列し、足元の絡み合う木々を大地に根差して一歩も引かぬ構えを見せていた。
「でも、まだ一般兵同士の小競り合いが続いてる……早く、ここから遠ざけなければ。クロノヴェーダとの戦いに巻き込んでしまうわ」
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【エアライド】LV1が発生!
【現の夢】LV1が発生!
【建物復元】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV2が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
群・家豪
今回の目的は軍師気取りのボスを足止めだな
ま、しばらく俺とのゲームに付き合ってもらうぜ
そっちにドロップ権はないけどな
相手の士気を下げるためとは言え、軍師が前線に出張ってくるのは邪道だぜ
まずは相手の配置を情報収集して、できるだけ手薄な所から
【冥界遊戯(タルタロス・ハスラー)】で仕掛けるか
単独でいる事はないだろうし周囲のお付きをポケットして、陣を引っ掻き回すぜ
全体的に削って、撹乱と足止めに徹するのが第一
射出位置を把握されないように移動しつつ、適宜弾を追加だ
ひとしきり嫌がらせが終わったら撤退だ
次に会う時は正式に決着をつけてやるから
首を洗って待っていやがれ
ストロベリー・メイプルホイップ
うわークロノヴェーダ殴ったり工作とかじゃなくて、ガチの戦場だ!
お祭りって言うには剣呑すぎておふざけしてる空気じゃないね。
まぁ、とりあえず私にできる事をしていこうっと。
ん~こういうのはできるかな?
【破壊の吐息】で敵兵の地面を吹き飛ばしたり、爆発させたりしてびっくりさせるよ!
【破壊】技能で盛大にね!
どうだ、私はアイルランドに加勢するドラゴンだぞー!がーおー!!!
って感じに!
本当は後ろでポンポンでも持ちながら応援するドラゴンがやりたいけど!
怪我人は多少出ちゃうかも知れないけどしょうがないよね。
一応、死者が出ないようには気をつけるよ。
私たちは死んでも復活できるけど、一般の人はそうも行かないからねぇ。
「ぐぬぬ……ディアボロスどもめ、私の作戦の邪魔をするとはなんといまいましい
……!!」
ウィズレオンは愚痴を吐きつつ、こっそりと戦場を移動しはじめた。目指すは敵本陣、力強く風にたなびく軍旗に狙いをつけたのである。
「あれを汚してやれば、ふふふ……愛国心に満ちた連中のことです。屈辱に打ち震えるに違いありません
……!!」
――もらった。
杖を掲げ、破壊魔法を唱えようとした時だった。
「そうはいかないぜ」
群・家豪(ショット・オブ・オルクス・g00098)の放つ魔力弾が複雑な軌跡を描いてウィズレオンの護衛を一網打尽にする。
「貴様は!? いったいどこから
……!?」
ウィズレオンが疑問を抱くのも無理なかった。家豪は敵の警備が手薄なところを狙い、彼が自ら前線に現れるのを待ち構えていたのである。
「軍師がこんなとこまでしゃしゃり出てくるのは邪道だぜ。悪いが、あの旗は取らせねえよ」
「小癪な!」
「しばらく俺とのゲームに付き合ってもらうぜ。ただし、そっちにドロップ権はないけどな」
旗から自分に攻撃対象が移行したのを機に、家豪は素早く動き回って狙いを攪乱する作戦に出た。瞬く間に撃ち出された魔力弾が攻防一体となって戦場を迸る。
「ちっ、取り囲んでやりなさい!!」
ウィズレオンは援軍を呼び寄せようとするが、
「そうはいかないよ!」
思いっきり息を吸い込んだストロベリー・メイプルホイップ(ドラゴニアンのレジスタンス諜報員・g01346)がブレスで地面を吹き飛ばし、進路を塞いでしまう。
「わあっ!」
「さあ、怪我したくなかったら退きなさい!」
ストロベリーは胸を張って、旗の前に立ちふさがった。
「私はアイルランドに加勢するドラゴンだぞー! がーおー!!!」
「あ、あわわわ……」
兵士たちはそろって腰を抜かし、まるで使い物にならない。
「あ、こらっ! よく見なさい、かわいらしいドラゴンじゃないですか! こわくなんかないじゃないですか!?」
ウィズレオンが必死に説得するが、兵士たちは蜘蛛の子を散らすように逃げ去った後だった。
「よし、結構効き目あったみたい?」
「ああ、いい演技だったぜ」
家豪が親指を立て、頷いた。
「ならよかったー! 本当はポンポンでも持って応援したかったんだけどね」
「ははっ、それも面白そうだな。俺はある程度嫌がらせし終えたら撤退する。そっちも無理はするなよ」
「うん。あくまで足止めだもんね、死者は出さないように気をつけないと……」
怪我した仲間に肩を貸し、慌てて退いてゆく敵の兵士をストロベリーは深追いすることなく見送る。
「私たちは死んでも復活できるけど、あの人たちはそうも行かないからねぇ」
「……あぁ」
家豪は、そんなやつらの命を平気で使い捨てるクロノヴェーダ――ウィズレオンを睨みつけた。許せない相手だ、絶対に。
「次に会う時は正式に決着をつけてやるから、首を洗って待っていやがれ」
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【エイティーン】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!
奉利・聖
む…あと一押しなのですが、まだこの戦況の調整が終わっておりませんか
仕方ありません、延長戦です…後顧の憂いなく終わらせるためにも
掃除屋の仕事はいつだって完璧であるべきです
──『軽気功』
耐久力でごり押しをする時間はお終いです
ここからは最前線…いえ、敵陣の真っ只中で踊りましょう
スピードに任せて軽い打撃をして回り、戦場を混乱に陥れます
対処しなきゃいけないのに姿も捉えられず、ただじわじわと混乱が迫る…次第にそれは恐怖に変わり、進軍の脚は大きく鈍るのです
さぁ、装備を弾き飛ばして差し上げます お引きなさい
今こそ進軍の時です!戦意が無い者を殺してはなりません!
武器が無い者は下りなさい!死にたくないでしょう!
「どうやら、ゴミが動いたようですね」
奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)の纏う気功が『剛』から『軽』へと切り替わる。
「!?」
クロノヴェーダの登場によって士気の高まっていた兵士は、まさにその隙をつかれた形となった。
「――浮かれるのはまだ早いですよ? ここからは延長戦です」
くるりとバトンのように聖の手元でデッキブラシが回転する。その動きに目を奪われている間に、ふたりが武器を失った。
「え?」
「後がつかえてますので、ちゃっちゃといきましょう!」
武器を奪った正体は目にも止まらぬ打撃技だ、と兵士が気づいた時には既に、聖は疾風如きスピードで戦場を“踊って”いる。
「ああ、うわ……ッ」
軽やかなステップを踏みつつ、トン、と相手の剣を手刀で落として回る。そろそろか、と頃合いを見て、聖は最後通牒を告げた。
「お引きなさい。でなければ、彼らの進軍に呑み込まれてしまいますよ!」
聖の背後から、アイルランド軍勢の雄叫びが轟いた。その士気の高さに聖は微笑み、敵の兵士は慄いた。
「武器もないのに、あんなの、止められない……ッ!」
「蹂躙されるか、引くかのどちらかです。死にたくなければ、わかりますよね?」
「くッ――」
ようやく、兵士たちが諦めて後退をはじめる。聖はやれやれと肩を竦めてそれを見送った。両脇を、アイルランド軍勢の兵士たちが意気揚々と駆け抜けて行く。
「あとは、ゴミの始末だけですか。掃除屋には休む暇もありませんね」
成功🔵🔵🔴
効果1【水面歩行】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
宵闇・柩
足止めなら派手にやるぜ!俺の得意分野なんでな…
連射と制圧射撃で眼前に弾幕張りながら後退しつつ、死なない程度に痛めつけて行くぜ
隙ができりゃ、何も考えず人質の所まで突っ込んでインファイトだ!
多少怪我しようが周り巻き込もうが関係ねぇ!暴れられたらそれでいいのさ、覚悟しろ!
戦場を吹き抜ける風をはらみ、力強くはためく軍旗。兵士たちの意思と愛国心の象徴であるそれを、ウィズレオンは虎視眈々と狙っていた。
「ぐぬぬ……ディアボロスめ、私の計画の邪魔をしおって……!! こうなったらできるだけ離れた場所からこっそりと魔法で射抜いてくれるわ!!」
ぼそぼそと呪文を唱え、杖を掲げる――その手元を宵闇・柩(平和維持軍猟隊・g00096)の放つ掃射が穿ち、敵の目論見を阻止する。
「なっ、まだいたのか!?」
「ふん、この俺の目が黒いうちは好きにさせねぇ!」
大口径の軽機関銃を軽々と操り、柩は派手に弾幕を張った。クロノヴェーダと言えども、この弾幕を無傷で突破するのは難しい。
「ちッ――」
「そらそら、どうした!? 足が止まってる間にお前の背後へ到達しちまうぜ!!」
ざっ、と銃を構えたまま柩はウィズレオンの懐に滑り込んだ。振り返る隙など与えず、腰の日本刀を抜き払って斬りつける。
「いまのうちに逃げな!」
「は、はい!!」
柩に促され、旗手とそれを護衛する一隊は慌てて戦場のもっと後方へと撤退していった。
「おのれ、よくも!」
「あん? 御託は後にしな!」
まるで、暴れることそのものを楽しんでいるかのような柩の笑顔。敵の喉元に銃口を突きつけ、零射程で弾を撃ち込む。
「ぐはッ……!」
「見ろよ」
柩は敵の胸倉を掴み、ウィズレオンの顔の向きを変えさせた。
「いまから、ディアボロスがお前の手下をぶち殺す。その目でしっかりと見るんだな!」
成功🔵🔵🔴
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
無堂・理央
前口上で宣言した以上、絶対にやらないとね。
ブリテン軍の最前列、樹霊竜鱗兵の壁を崩す!
無双馬『クロフサ』に騎乗して突撃!
タイミング的に前口上から直接、敵陣に向かう事になるかな?
馬上槍を構えて、【ダッシュ】による全力疾走&ランスチャージで敵陣に突っ込む。
クロフサが衝撃波を出しながら駆けるし、敵が壁として伸ばした木々ごと、竜鱗兵の壁に突っ込んで陣形に穴をあける!
初撃の突撃で最前列を抜けたら、衝撃波で吹き飛ばされてるだろうブリテン軍の一般兵は無視して敵最前列を裏から叩いて【蹂躙】してあげる!
おまけで【泥濘の地】でブリテン軍全体の足を鈍らせたげる。
戦場で動き回り難くなるのは結構危険でしょ?
ネルヴァ・イーディス
クロノヴェーダなら、問題なく殺せる。
先程までの戦闘で貯まった怒りで、カティナに力を与えるわ。
カティナが操る双剣で攻撃を捌いて、私の魔銃で熱線を撃ち込むわ。
樹竜…龍殺しの概念を付加した炎の剣を生み出します。
「連鎖魔法…バルムンク・レイ」
さぁ、皆殺しにしてあげる。
相原・相真
…さて。偉そうに言ってしまった以上、全力を尽くしましょうか。
最前線に立って竜麟兵と戦闘
アイルランド兵(以下味方)を竜麟兵から守ることを意識して動きます
「あなた方は一度下がって態勢を整えて! あれは俺たちが相手します!」
味方が竜麟兵と戦闘にならないよう[大声]で指示を出して[統率]
前に出過ぎている味方や狙われている味方は出来る限りかばい、下がらせます
効率は悪いですが、敵を1体ずつ派手に[破壊]することで少しでもこちらに敵の注意を引きつけたいです
全員を守るのは無理でも一人でも多くの人を守る。
これ以上、好き放題奪わせませんよ。
アイザック・グレイ
でかい図体を雁首揃えて並びやがって、気に食わねぇなぁ……。チビ助(サーヴァントのミニドラゴン)もそう思うだろ?
敵の大将を倒すには、あの邪魔な樹霊竜鱗兵どもをぶちのめす必要がある。あの数だと多少リスクはあるが、こちらも前線に出て、味方のために道を切り開くぞ。
あんだけ数がいれば、外しようがねぇ。チビ助、全力でブレスをぶちかませ。お前のブレスが炎なのか何なのかは知らないが、樹霊竜鱗兵っていうくらいだ。もし敵の体に火がつくのなら、さぞ燃えるじゃないか?
まさかこの俺が、小さいとはいえドラゴンの力を借りるとはな……。だが、勝つためなら何だってやる。それがうちの家訓なんでね。
「で、出た……敵の主力部隊だ
……!!」
あと少しでクロノヴェーダ軍勢を国境の外まで押し返せる、そう兵士たちが思った矢先の出来事だった。
ずらりと居並ぶ、樹木と合体したかのような姿をした竜鱗兵の集団。相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)は、ばっと右手を広げて兵士たちの進軍を押し留めた。
「あなた方は一度下がって態勢を整えて! あれは俺たちが相手します!」
凛と戦場に響き渡る相真の指示に、兵士たちはたたらを踏んでその場に立ち止まる。
「…………」
周囲に木々を生やし、敵が突っ込んでくるのを待ち受けていた樹霊竜鱗兵は焦れたようにこちらを見据えた。相真はじっと彼らを見つめ返し、兵士たちをなだめるように言い含める。
「敵の思惑に乗ってはいけません。大丈夫、すぐに形勢は再び逆転します」
兵士たちは、それぞれの武器を構えたまま頷いた。
その時が来たら、一斉に動けるように緊張だけは解かずに動きを止めて時を待つ。
「任せろ。道は切り拓いてやる」
アイザック・グレイ(竜狩り・g01717)が進み出た。肩に掴まったミニドラゴンが敵に向かって威嚇するかのように鳴き、ぴんと尾を伸ばす。
「お前もあいつらが気にいらねぇか、チビ助? 俺もさ」
気だるげに両手をポケットに突っ込んだ格好でアイザックは敵陣の前に進み出る。ふわりとチビ助が宙に浮いた直後、魔法陣が展開。高濃度の魔力が収束し、開いた喉の奥に超新星のような核が発生する。
「いけ、チビ助!」
轟ッ、と炎のように揺らめく超高温のブレスが敵陣目がけて襲いかかった。防御に徹しているため、回避しきれなかった樹霊竜鱗兵の集団をブレスが瞬く間に呑み込んでゆく。密集していたこともあって、燃え移る速度はかなり早かった。
「いくよ、クロフサ」
無堂・理央(人間のカースブレイド・g00846)が手綱を引くと、無双馬は後ろ脚で立ち上がって勇ましく嘶いた。
――駆ける。
人馬一体となって戦場を駆けるクロフサが地面を蹴るたび、衝撃波が迸る。樹霊竜鱗兵の後ろにいた敵兵たちが、「うわあっ」と叫んで逃げ出した。
「もらった!」
全身を燃やしながら、それでも立ちふさがる敵陣目がけて理央が突っ込む。激突した陣形の一角が崩れ、守備に穴が生じた。
「わああっ!!」
逃げきれなかった兵士たちもまた、衝撃の余波を受けて散り散りに吹っ飛ぶ。理央はクロフサを操り、敵の背後から襲いかかる。壁の裏側は、敵にとっても盲点だった。
「ぬ
……!!」
クロフサの蹄で圧し掛かられた樹霊竜鱗兵の口から呻きが漏れる。下半身から伸ばした樹木の枝や根で盾をつくろうとするが、ネルヴァ・イーディス(愛捧ぐ、契約少女(エンゲージ・ガール)・g02799)の双剣がそれを一瞬で八つ裂きにした。
「……ありがとう、カティナ」
木々は裂かれ、散り散りに爆ぜ……丸裸になった敵に、ネルヴァは魔銃を構えた。
「連鎖魔法……バルムンク・レイ」
銃口より放たれた熱線が中空で炎の剣を象る。刃に刻み込まれし概念の意味は――龍殺し。陽炎を纏い、研ぎ澄まされた鋭い剣先が迸った。
「一匹とて、逃がさない。皆殺しよ」
炎剣が敵を貫き、燃やし尽くすごとにネルヴァの心にも復讐の焔が花咲いた。怒りは力に、憎しみは糧に。
「……うお、お
……!!」
「ひッ――」
灰となりながらも、樹霊竜鱗兵は命令を忠実に遂行しようとした。振り上げられた鈍器が逃げ遅れた兵士を砕く前に、庇った相真の機構腕が内臓された武装を解き放って敵を仕留める。
「さあ、いまのうちに!」
「す、すまない」
肩越しに敵を見据える相真の眼差しは、既に次の敵を捉えていた。――これ以上、好き放題奪わせてなるものか。
「さて、どなたから相手をしてくれますか?」
「おおッ!!」
襲い来る鈍器を機構腕で受け止め、返す攻撃で急所を貫く。
「う、嘘だろ……竜鱗兵さまが、倒されていく
……!?」
「お、俺たちも援護するぞ!!」
「ああ……うわッ!?」
武器を手に突撃しかけた敵兵士たちが次々と足をとられ、ぬかるんだ大地に倒れ込んだ。
「なんだ、これ?」
「無理に動かないほうがいいよ!」
理央はクロフサで敵を踏みつけ、声を張り上げる。
「底なし沼……なんてね」
「ひえッ」
実際には泥濘と化した地面に足を取られて動きづらくなるだけなのだが、兵士たちは我先にと逃げ出そうとしてさらに泥沼へ嵌っていった。
「チビ助、遠慮はいらねぇ……思う存分ぶちかましちまえよ」
理央が蹂躙した跡をアイザックの命令を受けたミニドラゴンが掃討する。クロフサに蹴り倒された敵は続けて炎に焼かれ、次第に動かなくなっていった。
「だいぶ見晴らしがよくなったな」
やれやれと後頭部をかきつつ、アイザックは自分の元に戻って来たミニドラゴンを労ってやる。複雑は思いはあれど、使えるやつは嫌いじゃない。
「残り2割といったところでしょうか」
相真が言い、アイザックが頷いた。
「ああ。正念場だな」
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
【託されし願い】がLV2になった!
【浮遊】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV6になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!
ストロベリー・メイプルホイップ
おっと、可愛いだなんてウィズレオンさん、もしかして脈ありあり?
嬉しいけれど私は寝返らないよ!
でもそっちがこっちに来てくれるなら、特に問題ないかもしれない気もしないでもない。
と言うわけで聞かないとは思うけど降伏勧告してから戦闘に入るよ!
ああ言うのは魔法使い、所謂後衛タイプってやつかな?
ローブで分かり使いけど、体はトループス級でもアレはアヴィタール級って浪漫もあるかもしれないし、倒す前に剥ごう!
残留効果2の【能力値アップ】【ダメージアップ】を適用して【誘惑の吐息】!
【現の夢】とあまーい【誘惑】で【精神攻撃】するよ!
さーて、ウィズレオンさんは可愛いドラゴンと何をしたいのかな?
しかも戦場のど真ん中で!
「まったく、やってくれましたね……」
竜鱗兵の魔術師ことウィズレオンは、ほの暗い瞳でつぶやいた。戦線は崩壊。必勝と思われた戦争はいまやクロノヴェーダ軍勢の劣勢が濃厚だ。
「ディアボロス。あなたがたのせいですよ、これは……!」
「ふーん。侵攻してきた自分が悪いんだとは絶対に認めないつもりなのね?」
ストロベリー・メイプルホイップ(ドラゴニアンのレジスタンス諜報員・g01346)は腕を組み、呆れたように言った。
「当然です。あなたもドラゴンに連なる者なら、私の言っていることも理解できるはずでしょう?」
「おっと、残念! 私が寝返るとでも思ったら大間違いだよ。むしろウィズレオンさんが降伏したほうがいいんじゃない?」
「笑止! ディアボロスに降るくらいなら死んだ方がマシです!」
「そう言うと思った。じゃあ、お望み通りに倒してあげるよ! ただし……」
ストロベリーの吐息が甘く、桃色の靄となってウィズレオンに纏わりついた。とっさに身構えるが無駄だ。これは直接、精神に効く。
「う
……!?」
ウィズレオンの目がとろんと虚ろになった。
「こ、これは……」
「うっふん♪ 私のブレスはどぉ?」
「ぐ、ぐぬぬ……か、可愛いは正義……いや! 違う! ここは戦場ですよ、可愛さよりも力、力……のはず
……!?」
「意地張ってないでほら、こんなの脱いじゃえー!」
「は、離せ、離さんか!」
ローブを剥ごうとするストロベリーに、ウィズレオンは必死で抵抗した。両手でローブを掴み、死守する。
一進一退の攻防が続いた。
ストロベリーは容赦なく、ウィズレオンのローブを引っ張る。
「――皆! いまのうちに、攻撃お願いね?」
成功🔵🔵🔴
効果1【現の夢】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
無堂・理央
竜鱗兵の壁も粗方崩せた。
後は本命の指揮官を相手する人達の元や、アイルランド軍の一般兵の方に行かせないように残りを倒してくだけ。
引き続き、無双馬『クロフサ』に騎乗状態で駆け抜ける。
陣形は崩れてるだろうし、残る敵を一体ずつ、妖刀で斬り倒していくよ。
敵の武器も【呪詛】を放つタイプだし、ボクの妖刀が放つ【呪詛】をぶつけて相殺させる。
ぶっつけ本番だけど、【呪詛】勝負なら、辛うじてボクの方が上回れるはず。
【呪詛】の潰し合いと一緒に武器同士のぶつかり合いもあるけど、そこは無理に力勝負に持ち込まない。
むしろ、鍔迫り合いにならないように、かち合ったら妖刀を傾けて、敵の攻撃を流してから妖刀の一撃を見舞うよ。
雅諒院・基経
「…驚いたな、別の世界にはこのような妖がいるのか…」
恐々と樹霊を見上げる、棍棒が振り下ろされるが後方に飛んでかわす。
「…ううむ、すぷりがんと…とろーるが合わさったものか?興味深いな…」
相手が疲れるまで躱し続けながら様子を見る。
ちょこまかと動く彼に怒った敵は樹竜の砦を立てる
「…ほう…木に隠れて不意打ち狙いか…だが!!」
彼は大きく息を吸い込みながらそれは下策だったと笑う。
「樹は火に弱い…異境の妖よ!天狗の神通力をご覧あれ!!」
彼は口から火を吐き、樹を全て焼き払い、敵をもろとも焼く。
燃えて悶えている敵に飛びかかり、錫杖六角棒の仕込み刀を抜いて敵にトドメを刺す。
「良き旅路を、主があの世での安寧を願う」
レオ・レーラー
「僕はお前達を破壊する」
『メタリックプロミネンス』で動力炉からの炎を放つのではなく、『火炎使い』の力で両手に纏わせながら、その拳を竜麟兵達へと叩きつけていく。
『フェイント』を入れて相手の隙を作り、そこに遠慮なくただ相手を『破壊』する為だけの一撃を『念動力』も乗せて叩き込んでいく。
敵が樹木の壁を作ったとしても同じだ、炎で、拳の一撃を壁諸共破壊する気で叩き込んでいく。
残留効果2の【能力値アップ】【ダメージアップ】を適用して少しでも多く倒せるようにするよ。
敵の数が減り、動き回りやすくなった戦場をクロフサに騎乗した無堂・理央(人間のカースブレイド・g00846)が妖刀を手に駆け抜けた。
「覚悟!」
手負いの樹霊竜鱗兵を一刀の元に斬り伏せ、次の狙いを定める。
「悪いけど、ここは通さないよ」
その背に広がるアイルランドの国土は、兵士たちが何が何でも守りたかった土地だ。だから彼らは満身創痍でも武器を捨てない。
「彼らは絶対に、守ってみせる……!」
「ぬ……ッ」
迫りくる刃を避けるため、樹霊竜鱗兵はぐっと腰を低めて周囲に張り巡らせた木々に身を潜める。
「それで隠れたつもりかい?」
――レオ・レーラー(サイボーグのデストロイヤー・g04422)は、ひゅっと一瞬で体の位置を変えた。
「!?」
正面から来るものと身構えていた相手は突然、レオが見えなくなったので焦る。その一瞬の隙を突き、炎を纏わせた拳を深く、抉るように叩き込んだ。
「う、ぐ――ッ」
それでも、防御に優れる樹霊竜鱗兵は耐えようと試みる。
「無駄だよ」
だが、レオの炎が爆発的に渦巻いた。仲間の残した残留効果によって、その能力、効果はべき乗に跳ね上がる。
「な……」
重量のある樹霊竜鱗兵の体が拳を起点として浮き上がった。念動力。レオは奥歯を噛み締め、渾身の力で拳を振り抜いた。
「僕はお前達を破壊する」
宣言通り、裕に数十メートルは吹っ飛んだ敵の体が遥か彼方でぐったりと動かなくなる。レオはゆっくりと振り返り、残る敵の集団を見据えた。
「次は誰がこの拳の犠牲になりたい?」
レオがたずねると、他の樹霊竜鱗兵はうかつに近づくことすらできず、その場に踏みとどまる。本能的な自己防衛本能がそうさせるのだろうか。
「来ないなら、僕からいく」
やることはとてもシンプルだった。駆け、殴り、倒す。レオの炎拳が敵を殴り飛ばし、理央の刀が斬り捨てる。ふたりに翻弄される樹霊竜鱗兵の背後に近づく、第三の人影――雅諒院・基経(はぐれ者の元天狗・g00191)は、「ほう」と好奇心にあふれる吐息をついた。
「……驚いたな、別の世界にはこのような妖がいるのか……おっと」
ひらりと、足元を狙った攻撃を軽やかな足取りで躱す。また一体、もう一体と基経の周囲に少しずつ敵が集まりはじめた。まるで獲物に引き寄せられるように。
「……ううむ、すぷりがんと……とろーるが合わさったものか?興味深いな……」
基経は試しに錫杖六角棒をすらりと構える。予想通り、木々の影に隠れてこちらの様子を窺う相手に微笑をひとつくれてやった。
「下策だ、不意打ちでも食らってくれると思うたか?」
口から吐き出す巨大な炎が樹霊竜鱗兵を呑み込み、近くにいた仲間もろとも灰燼へと帰す。
「どうだ、異境の妖よ。これが天狗の神通力というもの……」
戦場を見渡せば、既に勝負はついたようだった。
「えい!」
馬上で妖刀を薙ぎ払い、致命傷を狙う理央の手元を樹霊竜鱗兵の鈍器が狙い撃つ。これを、理央は柔軟にいなした。
「てえぇぇいっ!」
斜めに傾けた妖刀が敵の武器の上を滑り、返す刃で首を落とす。
「そいつで最後だ」
レオが燃える指先で、残る樹霊竜鱗兵を示した。
「あいわかった」
基経は鷹揚に頷き、仕込み刀を抜いて飛びかかる。燃え上がる炎をかき消そうと悶えていた敵の急所へと、容赦なく突き刺した。
「良き旅路を、主があの世での安寧を願う」
まぶたを伏せ、その冥福を祈る。この機を逃さず攻勢に転じるアイルランド兵士たち。もう何も怖くはないと、彼らの表情が物語っていた。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【腐食】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV2が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【ロストエナジー】がLV4になった!
相原・相真
ようやく手が届くところまできましたね
…それでは、ここで終わらせるとしましょうか
【機構腕・超過駆動】を使用
敵の攻撃を恐れず[勇気]をもって踏み込み、愚直に殴りつけます
馬鹿の一つ覚えと笑いたければ笑えばいい
だけど、そうやって嘲笑ってきたものが今あなたを追い詰めている
その事実を忘れるな…!
可能なら【託されし願い】を使用
俺たちを信じてくれる人たちの気持ちも込めて、拳をぶち込んでやりたい
「あなたが踏みにじろうとした人たちの気持ち、思い知れ…!」
もしウィズレオンを倒すことができたら、両軍に聞こえるように[大声]で勝鬨をあげます。
それで敵の一般兵が退いてくれるなら余計な死者も出ません。
その方が、いいです。
群・家豪
ちょいと術式の解析に時間をかけちまったが、皆のお陰で終幕には間に合ったみたいだな
んじゃ、宣言通り正式に決着を付けさせてもらうぜ、三流軍師
現代の魔術師ってやつを見せてやるよ
前回『情報収集』してた破壊魔法の詠唱から、完全じゃねえけどある程度術理の解析は終わってるんで
判ってる部分でのアンチプログラムを予め仕込んでおくぜ
アルゴリズムが不明な部分は今回の詠唱を見て『早業』でパッチを組んでから
【イグジストハッキング】でカウンターだ
その魔術の対象を俺からお前自身に『ハッキング』で書き換えさせてもらうぜ
さらに〔エイティーン〕で少し恥ずいが身体をさらに成長させて
インファイトを仕掛けて後顧の憂を断たせてもらうぜ
奉利・聖
さぁ、ゴミ掃除もそろそろお終いにしましょうか
大規模に仕掛けてもらいましたからねぇ、派手に散らせてあげます
覚悟してくださいね?
ふむ…幻術を使いますか 面倒ですね
ならばその光、見ないようにするほかはありません
恐らく僕が近づけば、杖の光を放つでしょう
掲げた瞬間目を閉じて、何とかやり過ごします
しかし、これでは攻撃の精度が落ちる…
なので出番ですよ、【使い魔使役】
難しい命令じゃありません ただ、敵の近くにいればいい
そして声を上げてください、大きくね
そうすればほら、位置を知らせるビーコンになるでしょう?
眼を閉じていてもそれなら当たる──『衝気功』
その身にありったけの衝撃をあげましょう
お題は結構です
ストロベリー・メイプルホイップ
他の人も頼りになるから大丈夫だと思うけど、念のためのダメ押し!
ヴィズレオンを残留効果1の【泥濘の地】にハメるよ!
そしたら残留効果2の【能力値アップ】【ダメージアップ】【ダブル】の適用をして【破壊の吐息】!
まだよくわからないけどネメシスモード?による強化と残留効果でいつもより強いブレス!運がよければ二回行動でヴィズレオンにとどめをさすよ!
貴方は悪くない人だったかもしれないけど、貴方の立場がいけなかったんだよね。
「ええい、しつこいですよ……ッ!!」
「あッ、いけず!」
ウィズレオンはローブにしがみついたストロベリー・メイプルホイップ(ドラゴニアンのレジスタンス諜報員・g01346)の手を何とか振り払い、六芒星を描くように杖を動かした。
「さあ、反撃開始――」
と、思っていたのはウィズレオンのみだった。相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)は既に大地を蹴り、機構腕の出力を限界突破させながら彼の元へ迫っていたのである。
「ッ!!」
相真は体を捻り、勢いを乗せて敵を殴り飛ばした。
「ごふッ」
「まだですよ」
右の頬を張った腕を返して、今度は左の頬を打つ。
「や、野蛮な――!」
「笑いたければ笑えばいい」
今度は顎を下から打ち抜くアッパーを繰り出し、相真は容赦なく殴り続けた。策略を好む歪んだ精神には決して理解できない愚直な強さを、その身を持って証明する。
「そうやって嘲笑ってきたものが今あなたを追い詰めているその事実を忘れるな……!」
「うお、ぐッ、ぬおッ!」
ぼこぼこに殴られた顔を腫らし、ウィズレオンはくらくらと目を回した。よろめいた足元がずぶっと泥沼に沈んだのはその時だった。
「な、なんでこんなところに沼が……!? くそ、足が抜けんッ」
「えへへっ、皆の残留効果使わせてもらったよ! それは泥濘の地! これで戦場を移動しにくくなったでしょ?」
ストロベリーが片目をつむってウインクする。
「さあ、覚悟なさい!」
「ぐぬぬ……諦めないでか
……!!」
ウィズレオンは魔力を溜め、杖の宝石部分にその全てを注ぎ込んだ。動きにくいのならば、動かなければいい。回避を捨て、魔法攻撃に賭けるつもりなのだと群・家豪(ショット・オブ・オルクス・g00098)は悟った。バイザー型のウェアラブルデバイスを装着し、敵の前にその身を晒す。
「お前は、さっきの……!」
「宣言通り正式に決着を付けさせてもらうぜ、三流軍師」
バイザーの画面に『解析完了』を告げるアラートが点滅。まずい、とウィズレオンが焦った声を上げた。
「させませんよ!」
「あー、それはこっちの台詞です」
ひょいと、奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)は目を閉じたまま近づいた。幻惑の光を宝石から解き放つウィズレオンの高笑いが聞こえる。
「馬鹿め、それではこちらの位置などわかるまい!」
「と、思いますよね?」
だが、聖はまっすぐにウィズレオン目指して進んでいった。ぬかるみに足を取られ、身動きが取りづらい敵に対して軽やかな足取りで。
「な、なぜだ……なぜこちらの位置がわかる……? はっ!?」
その時、ひと際おおきな鳥の鳴き声が響き渡る。驚いて上を見るウィズレオンの頭にカラスのような黒鳥が舞い降りた。まさか、と驚愕に目を見開く。
「と、鳥をビーコン代わりに
……!?」
「そういうことです。さあ、もう拳が届く距離ですよ」
聖はにっこりと微笑み、柔和で穏やかな表情とは裏腹に激しい衝撃波と伴う正拳突きをくらわせた。
「お代は結構です」
「ごふッ――」
体内に取り込んだ自然の気をただ一点、拳のみに集めて接触と同時に解放する浸透打撃――腹に受けたウィズレオンの背中から衝撃が突き抜ける。
「こ、これしきッ……」
さすが、総指揮官を務めるアヴァタール級のクロノヴェーダともなればしぶとい。しかし、再び杖を振ろうとしたウィズレオンは異常な事態に気がついた。異次元に浮かぶ無数の数式が杖に絡みつき、勝手に魔法の術式を書き換えてゆくではないか。
「な、なんだこれは!?」
「イグジストハッキング」
家豪は教えてやる。
「さっきの詠唱で、不明だったアルゴリズムへの対応パッチも完成だ。そら、お前の魔術がお前に牙を剥くぜ」
ウィズレオンの杖が描く魔法陣より、召喚されたドラゴンがくるりと術者を振り返って翼を広げた。
「あ、あ、あーッ!!」
どかん、と激しい爆発が起こる。
「いまだよ!」
「あなたが踏みにじろうとした人たちの気持ち、思い知れ……!」
ストロベリーの形態がディアボロスとしての本性を解き放ち、残留効果を得て倍増するエネルギーを破壊光線へと体内で変換。息を吸えるだけ吸い込み、本能のままにそれを吐き出した。
「ぎゃっ」
真ッ黒焦げになったウィズレオンの顔面を相真の拳が撃ち抜く。磨き抜かれた機構腕の表面に彼を信じる民衆の応援する姿が映った。彼らの声援を乗せた拳の威力、思い知れ。
「おまけです。どうせなら、派手に散ってくださいな」
聖の気功を宿したデッキブラシが思いっきり殴り飛ばした先に、少し大人っぽくなった家豪が愛用のキューを構えて立ちふさがる。インファイト。強烈なスピンを加えて敵の体を突いてやれば、くるくると高速回転しながら地面を転がっていった。
「決まったな」
大人になった姿の照れくささをごまかすように、家豪は軽く頭をかいた。
「ば…かな……」
敗北を受け入れられないまま、ウィズレオンの目から生気が失われてゆく。ストロベリーは「じゃあね」と別れの言葉を告げた。
「立場が違ったら、また別の未来があったかもしれないね……」
相真が兵士たちの前に進み出る。
両軍に聞こえるよう、これまでで一番大きな声で勝鬨を上げた。
「クロノヴェーダ軍勢の総指揮官が倒れたいま、勝機はわれわれにあります! それでも、無益な抵抗を続けますか!?」
しんと戦場が静まり返った後で、クロノヴェーダ軍勢の生き残りが雪崩を打ったように敗走し始めた。
「勝った……?」
「やった、やつら、逃げ出していくぞ!」
快哉を叫ぶ兵士たち。
相真は、ほっと胸を撫でおろした。余計な死者が出なかったこと、無事にクロノヴェーダを討伐できたこと。全てがうまくいった。
「ゴミ掃除もお終いですね。やあ、綺麗になりました」
デッキブラシの柄に両手を乗せた聖が満足そうに言い、ストロベリーが伸びをしながら笑った。
「それじゃあ、帰ろっか。皆、おつかれさま!」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【託されし願い】がLV3になった!
【無鍵空間】LV1が発生!
【エイティーン】がLV2になった!
【建造物分解】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV6になった!
【能力値アップ】がLV7になった!
【リザレクション】LV1が発生!