カスピ海以東調査

 攻略旅団の提案により、吸血ロマノフ王朝で、カスピ海の東側を探索する事となりました。
 まずは、カスピ海の西側から、カスピ海の東側まで、水中を移動して渡りきってください。
 カスピ海西部には、バクーなど、吸血ロマノフ王朝の拠点が点在しているので、そういった場所を避け、湖に出た後、東へと向かってください。
 最終人類史におけるカザフスタンあたりに上陸することが出来れば成功となります。

スイム・イン・ザ・カスピアン・シー(作者 秋月きり
19


#吸血ロマノフ王朝  #カスピ海以東調査 


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#吸血ロマノフ王朝
🔒
#カスピ海以東調査


0



「皆様! パラドクストレインが到着しました!」
 その声は、喜色を以て伝えられる。時先案内人、シルシュ・エヌマエリシュ(ドラゴニアンのガジェッティア・g03182)の声は弾み、むしろ、水着に包まれた肢体もまた、柔らかくたゆんでいた。……ん? 水着?
「さて。此度のパラドクストレインの行く先は、吸血ロマノフ王朝が南西部。カスピ海になります。此度、攻略旅団の提案で、カスピ海の東を探索することになったことは、皆様もご承知ですよね?」
 成る程。その湖水浴というか海水浴が、此度の目的のようだ。故の水着姿――と言うわけである。
 ……いや、新宿島の気温を考えれば水着姿は構わないだろう。だが相手は常冬の吸血ロマノフ王朝。水着姿は厳しいのでは無いか。
 復讐者達の強いツッコミに、しかし、シルシュは。
「あ。はい.相手は極寒のカスピ海です。気分だけでも盛り上がって頂ければ……と思ったのですが、その、確かに厳しいですよね」
 なんともはや、な回答であった。
 ともあれ、海中散歩、もとい海中調査に向かって欲しいと言う気概だけは伝わった。うん。すべり芸は世の華だ。致し方ない。
「さて。カスピ海の西側は、バクー油田など、クロノヴェーダ『ヴァンパイアノーブル』達の拠点である事は判明しています。よって、これらの拠点を避け、湖に入り、そのまま東へと向かって下さい」
 湖にさえ出てしまえば、敵に発見される事は無い筈だ、と言うのが彼女の見立てだ。だが、目立つ行為を行えば、クロノヴェーダ達の監視網に引っかからないとも限らない。【飛翔】などで空を飛ぶことは、避けた方が良いだろう。
「カスピ海の横断は、直線距離で約200km程ですね。調査ついでに水中散歩も楽しんで頂ければ、と思います」
 200kmと言えば、ここ、新宿駅から静岡県浜松市ぐらいだろう。未だ奪還していない地への距離となるが、歩くとなるとかなりの長丁場になりそうだった。
「皆様がカザフスタン側に到着し、その地がどうなっているかを知ることが出来れば、更なる調査も可能となるでしょう。……とは言え、こちらは可能性に過ぎませんが」
 何が待ち受けているか判らないため、気をつけて欲しい、と言うのがシルシュの言葉であった。

「さて、そのカスピ海ですが、一般的には中央アジアと東ヨーロッパの境に存在する世界最大級の塩湖の名前です。……ああ、いえ、数年前に海と定義されたのでしたっけ? ともあれ、その存在は吸血ロマノフ王朝に確認されています」
 正史に於けるカスピ海は多種多様な生き物が住まう自然の宝庫だ。動物種にして850種類以上。植物種にしても500種類以上が住まい、また、400種ものの固有種の動物が飼育されていると言うから、驚きの場所であった。
「一番有名なのはアザラシでしょうか。可愛いですよね、あの子達……」
 うっとりするシルシュはさておき、他のもチョウザメやスズキ、ニシン、亀やカモメに白鳥、ガチョウなど、様々な動物が復讐者達を迎え入れてくれるだろう。
 勿論、これが調査である事は忘れてはいけない。徒にちょっかいを掛ければ、クロノヴェーダ側に感知される恐れもあった。
「まあ、その辺りはパラドクスをぶっ放したりしなければ問題無いと思います。皆様の脅威となるような動植物がいる訳では無いので、その点は安心して下さい」
 大人しく海中を横断する限りは、クロノヴェーダ側に察知されることはないだろう。
「この調査がどの様な結果をもたらすのか、それは判りませんが……何はともあれ、まずは海中調査を楽しんできて下さい。お土産話、期待していますね!」
 斯くして、時先案内人は復讐者達をパラドクストレインへと送り出す。
 行く先は吸血ロマノフ王朝。カスピ海。
 彼の極寒の海に、そして東方の向こう岸に何が待ち受けるのか。それは未だ、知る者も無く――。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【託されし願い】
2
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【熱波の支配者】
1
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【スーパーGPS】
1
周囲のディアボロスが見るあらゆる「地図」に、現在位置を表示する機能が追加される。効果LVが高ければ高い程、より詳細な位置を特定できる。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【寒冷適応】
5
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、摂氏マイナス80度までの寒さならば快適に過ごせる世界に変わる。
【水中適応】
5
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。

効果2

【命中アップ】LV4 / 【ダメージアップ】LV3 / 【ガードアップ】LV5 / 【反撃アップ】LV1 / 【アヴォイド】LV1 / 【ダブル】LV1 / 【ロストエナジー】LV3

●マスターより

秋月きり
 お世話になります。秋月きりです。攻略旅団の提案にあった「カスピ海以東調査」のシナリオをお届けします。
 なお、オープニングのシルシュ嬢は水着姿でしたが、調査に水着姿である必要はありません。一年中冬空な吸血ロマノフ王朝の中、それでも水着姿でキャッキャウフフを楽しむ皆様、と言う感じのリプレイ描写にも強く惹かれますが!
 ……こほん。ともあれ、そんな感じの調査リプレイとなればいいなー、ですね。

●選択肢について
①【攻略旅団】カスピ海を泳ぎきれ
 カスピ海を横断し、ロシアから中央アジアを目指して頂きます。途中、海獣や魚類との遭遇も在るかと思います。
 是非、お友達とお誘い合わせの上、季節柄、いえ、改竄世界史的には季節外れでしょうか? そんな海の旅路としても楽しんで頂ければ幸いです。

●その他
・「調査の結果、『判らなかった』だとしても、それも充分な調査結果です。そう言う調査の積み重ねが、次の作戦を生むので、お気になさらないで下さい。まあ、水中散歩を楽しむくらいで丁度良いのかもしれませんね」
 そんな感じのようです。お気軽程度のお気持ちで参加して戴くのが一番なようです。
・「【飛翔】し、カスピ海を横断する」「クロノヴェーダを誘き寄せるためにわざと大騒ぎする」「派手なパラドクスで生態系を乱す」等のプレイングは不採用とさせて頂く旨、あらかじめご了承願います。
・また、公序良俗に反する行為や他のお客様に迷惑を掛ける行為などは、同じくマスタリングさせて頂きますので、その点もご了承願います。夏だからと、羽目を外し過ぎるのは良くないですよ!
・なお、再三の繰り返しですが、舞台は極寒の地、一年中冬景色な吸血ロマノフ王朝です。寒さ対策をお願いします。
 残留効果で対応する場合、使用者を優先にして描写する可能性が高い旨、ご了承下さい。
(結果、その方が不採用になった時はまあ、皆様、復讐者です。ちょっと凍える程度で命に別状は無いので、そんな感じに描写したいと思います。致し方ありません)。
・なお、水着姿で臨まれる方を止めるつもりはありません。押すな押すなよ!

 それでは、時先案内人が羨むような、皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
 よろしくお願いします。
109

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


冰室・冷桜
そいや、奴さんたちってなんでか水中の警戒?は薄いし、関心もあんまない奴らが多い気がするのよね
何か理由とかあんのかしら
ま、今はやることやるだけだけど

【水中適応】は発動させるとしても、やっぱ動きやすいカッコのがいいわよね、水中で
ということで、水着はご機嫌すぎるんで新宿島でウェットスーツを用意
冬用の厚手のを選んで、中にはインナーも着込んでおきましょ
水中ゴーグルに水中カメラも用意してーと……いざ出陣

事前の予習によると、バクー行きのフェリーとか交易も正史の方じゃ盛んだとか
こっちじゃどーなのかしらねー、と海上の動きにも注意を払いながら進んでいきましょ

お、アザラシだ。可愛いじゃん、写真撮っとこ


松中・誠
連携アドリブ歓迎

海の中を歩く…なんていうか、水中適応がないと無理な話だと思うんだぜぃ。
あと、寒冷適応があれば完璧なんだぜぃ。
……でも、一応防寒できる服装で行くんだぜぃ。

直線距離で200kmって割とあるんだけど…道中の食料どうしようかな。
ある程度は鞄に入れて持っていけるけど、途中で魚を捕獲して食べないとだめかも。

こんな中で水着姿の人がいるわけないだろあははー。

適度に休憩を入れつつ、歩き続けるんだぜぃ。
海中を歩くことになるとは…なんだぜぃ。


内方・はじめ
けっ
水着回め(学生時のスク水着用)

……これしか持ってないのよ
下着で泳ぐわけにもいかないじゃない

全年齢だし

案内人め
重そうだから下から両手で支えてやろうか

何をとは言わないが

まあ、西から東の海岸に行けばいいのよね
可能なら【水中適応】使って、【光学迷彩】で姿を隠しつつ、海中を進みましょ

魚や生き物の群れが来たら、群れの中に入らないように回避
だって、姿が見えなくても……生き物が避けて通ったりしたら、存在がバレちゃうもの

途中に沈没船とか……ないかしら?
何か、お宝積んでたりして

……なーんて言ってたら、同じ目的の他者に見つかるかもしれないし、何か見つけても、どうするかは要相談ね

水着が破れた人には、ワカメを渡そう


ベアタ・アンシュッツ
カスピ海と言えばヨーグルト!
ヨーグルトの海に溺れてやるぜグヘヘ……って、普通に塩辛い

だ ま さ れ た

気分を取り直して、水着(お任せ)で【水中適応】活かして探検だぜ
地形の利用を活かして、海底をなるべく目立たないように移動しよう

海底と言えば……沈没船だよね!
おっきな宝箱に、金貨のかたちしたチョコが詰まってると最高ではないか

まあ、罠だといけないし、何か見つけても慎重に調べるように
岩や壊れた船体に、水着が引っ掛かったりしたら大変だもんね

サービスはシルシュさんにお任せするの☆

そう言えば、海に沈んだ大陸とかの話もあるよね
元々陸地だったところが沈んでて、都市や遺跡がまるっと沈んでたりしたらすごいかも


 北緯41度40分、東経50度40分。それが正史に於けるカスピ海の位置だ。
 つまり、緯度だけ見れば、カスピ海と北海道はさほど変わらない。よって、大陸内部に位置するとは言え、気候は温か。この時期は快適に過ごしやすい。――その筈だった。
 そう。先の記載通り『正史に於いて』ならば、である。
「防寒出来る服装で良かったんだぜぃ」
 厳冬の海斯くやの光景を前に、降り立った松中・誠(ヤンキードラゴニアン・g03037)は、荒れ狂う海を前にむむっと唸る。冬の海は荒れる物。しかし、この荒れ様は時化とかそんなレベルでは無かった。もはや吹雪だ。
「――ともあれ、今から海だか湖だかに潜るのだから、早くやっちゃおう」
 冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)に促され、誠は【寒冷適応】の残留効果を周囲へ施していく。冷桜もまた【水中適応】を施しながら、イッチ、ニーと、聞き慣れた音楽を口ずさみながら体操で身体を解していった。
 なお、その身体を包むのは冬用のウェットスーツである。少女らしい曲線に、しかし、誠は遠い目で周囲を見渡していた。
 周りは猛吹雪。流石、常冬の地、吸血ロマノフ王朝である。
 そう。ここは全て凍てつく土地。季節は7月、夏であろうとこの地が暖かい気候に包まれる事は無い。
 だから、水着姿の人なんて、いるわけはないのだ。
「あはははは。まあ、期待していなかったんだぜい」
 大体、目の前の冷桜は自身より一回りも年下だ。事実の確認のみで、それ以上の喜びも悲しみも湧いてこない。その手の思考は一介のヤンキードラゴンが持ち合わせる筈がなかった。
「けっ。水着回め!」
 やさぐれの言葉は、内方・はじめ(望郷の反逆者・g00276)よりも漏れ出でていた。
 なお、そう呟く彼女は、誠が望んでいた筈の水着姿であったが、しかし、野暮ったいワンピース――所謂、スクール水着と言う奴だ。二十歳を超えたいい大人がスクール水着姿である事に、誠は直視できず、ただ、視線を逸らすしか無かった。やさぐれ口調も近寄りがたいオーラとなり、彼の視線を逸らさせるのに充分であったのだ。
「案内人め! 重そうだから下から支えてやればよかったわ!」
「うむうむ。サービスシーンだったね☆」
 はじめが新宿駅で見せた蛮行を思い出しながら、ベアタ・アンシュッツ(天使のハラペコウィザード・g03109)がくすりと笑う。
 時先案内人に掴みかかったはじめは、何を思ったのか、色々とやさぐれ行為に及んだのだ。詳細は推して知るべし、と言った処である。ちなみにする方とされる方、どちらも涙目になっていたのは興味深かった。それが後にベアタが語った言葉であった。
 なお、そんな彼女もまた、可愛らしげなワンピースの水着に着替えていた。
(「普通に寒かっただろうなぁ」)
 【寒冷適応】を施す前からの待機具合に、誠は再び、遠い目をする。何処か悟りきったその表情は、聖人君子と言っても差し支えなかった。
「はいはい。行くよ!」
 斯くして、再度、冷桜に促され、四者はカスピ海へと潜っていく。
 目的はこの先、海中遊泳ならぬ、海中踏破だ。まだ、先は長いのであった。

「……ぎゃー。しょっぱいー! ヨーグルトの海に溺れられると思ったのに! 騙された!」
 潜るなり早々、ベアタの悲鳴がカスピ海内に広がっていく。
 何を思ったのか、水中に沈むなりごくごくと水を飲み始めた彼女は、その塩味にやられたらしい。舌を出し、空気に喘いでいる。当然水中のため酸素はないのだが、其処は【水中適応】の恩恵だ。がばがばと空気を零しても、地上同様、直ぐに呼吸が持続されていく。
「まあ、塩湖だしね。……成る程。それは吸血ロマノフ王朝も一緒なのか」
 ふむふむと頷くはじめであった。いくつかの川が流れつき、蒸発することでしか循環を果たせない湖だからこそ、起きえる現象だと聞いた。即ち、このカスピ海も閉じられた世界なのだろう。
 地形的な面だけで言えば、それは変わらないようだった。
「判った。ヨーグルトは諦めよう! でも、沈没船とか、湖底に夢を抱く分はいいよね! もしかしたら水着ビシャーとかのハプニングがあるかも知れないしね☆」
「水着回にはサービスシーンが付きものだしね」
 沈没船に夢見る二人の想像は、しかし、おそらく己に降りかかる災難、と言う風では無かった。誰かがそんな色艶な事態になったら大変だ、と表情だけで物語っていたのだ。
「……ところで、あんの? 沈没船」
「どうだろうかなぁ。吸血ロマノフ王朝って、歴史の再現は結構雑みたいだからなぁ」
 冷桜の疑問に、むむっと呻く誠であった。
 正史ではカスピ海を航行しようとし沈んだ船も勿論あるだろう。だが、此処が吸血ロマノフ王朝である以上、そんな船があったのか、そして、それがクロノヴェーダ達によって再現されているのかは別の話だ。まあ、それも今回の探索の内かも知れないな、とも思ってしまう。
「それよりも、200kmの行軍の方が心配なんだぜぃ。食料は持ってきたけど、道中で魚を獲ったりとかも必要なのかねぇ」
「流石に海獣を獲って食べる……はしたくないわね。可愛いし」
 冷桜は眉根を寄せると、少し離れた位置を優雅に泳ぐアザラシをパシャリ。湖底の風景と共に、水中カメラへと納めていく。
「まあ、何とかなるだろう、なんだぜぃ。適度に休憩を挟みながら、行くんだぜぃ」
「そうね。そうしましょう」
 まだ行軍は始まったばかり。誠の言葉に、是と頷く冷桜。その先では。
「夢と言えば沈んだ水中都市! カスピ海のアトラスって話し、何処かに無かったっけ?」
「うーん。吸血ロマノフ王朝の気候を考えると、水中の方が暮らしやすいかもね。……まあ、そんな痕跡、なさそうだけど」
 女三人集えば、ならぬ、女二人でも充分に姦しいと、はじめとベアタが持論を繰り広げ、楽しげに談笑している。ともあれ、訳あり水着姿の美女と美少女のおしゃべりは、楽しそうで良いな、と目を細め誠であった。
「……現実逃避していない?」
「していない」
 冷桜の問いへの即答具合が、彼の心境を物語っている様でもあった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水中適応】LV2が発生!
【寒冷適応】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV2が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!

音羽・華楠
【博物館】の皆さんとご一緒。
【水中適応】、【寒冷適応】、【完全視界】は他の方が用意して下さるそうなので利用させてもらいます。
ありがとうございます!

調査は調査として頑張りますが、水中散歩をしっかりと楽しみたいですね。
平安の京の都や新宿島では見たことが無い生き物が沢山居るみたいですし、楽しみです。
アザラシとかアザラシとかアザラシとか!
より多くの生き物と出会えるように、最適な進み方を【エアライド】で模索して皆さんを案内しますよ。

格好は前にシルシュさんに選んでもらった競泳水着で。
……それにしても、シルシュさんのビキニとか、もっと華やかな水着にも憧れますね。
新宿島に帰ったら、また改めて探してみようかな?


シル・ウィンディア
【博物館】で一緒に行くよ

…寒い。
でも、水中ならある一定の温度以下にはならないって聞いたことあるような、無いような??
ということで、今回はぴっちりしたダイバースーツで行きまーすっ!
だって、水着で長時間はちょっと寒そうだもん…
それに、まだ新調中だし…

水中適応の効果も使って、のんびりみんなで水中散歩
いろんなお魚さんや動物さんもいるみたいだから、水族館の中にいるみたいだね~
わいわいおしゃべり(?)をしながらも、怪しいものがあれば、都度チェック
持って帰ったら、なんか危なそうだし、現地で調べてみるね
何か特別なものがあればいいんだけどね~

まぁ、無くても、無いことがわかるんだし、それはそれでいいものだよね


アオイ・ダイアログ
【博物館】
アドリブ絡み歓迎

たとえ外が極寒だとしても、水の中ならば最低でも0℃未満にはならない
だから水中に居続ける必要があったんですね
各種残留効果フル活用で快適な海水浴をしてやりましょう、もち水着(デザインお任せ)で!
……仕方ないじゃないですか、ガチ寒冷地用防寒具なんて持ってないんですよ!

おー、海の底って深い青が幻想的で綺麗ですね🎵

なるほどアザラシ! かわいいー🎵
魚も沢山泳いでて見てて楽しいです🎵
水族館の中も納得な豊富さですね!
まぁ毒とかあると何なのであんまり触らないようにしときましょ

調査はクレバスとか人工物あったらなるべく調べたりするくらいですかね?
奴らにバレるのだけは勘弁ですね


フィーナ・ユグドラシア
※アドリブ、絡みok
【博物館】の皆様と共に

青色ワンピース水着(青空模様)に水色パレオ着用。寒さ対策に水色パーカー用意。

寒冷適応を発動させるから大丈夫だとは思いますが、もし寒かったら普段着に変更ですね。

それはそれとして、万一にもクロノヴェータに感知されぬよう注意しつつ、カスピ海に潜りましょう。

そういえば、カスピ海には色々な動植物が居ましたね。
刻逆前にも行った事はありますけれど、此方ではどうなっているのでしょうか。……楽しみですね。
まぁ、変な影響があると危ないので、現地で眺めるだけにしましょう。

目的地に着いたら現地確認ですね。何か特徴的な物が見つかれば良いですが。
あるいは……、未知の敵でしょうか?


月下部・鐶
【博物館】のみんなと一緒に行くね

ランニングトップスにショートパンツ型の水着におへそは出して、上から羽織ったラッシュガード!
これなら寒冷適応の効果でいけるかな?

【水中適応】、【寒冷適応】、【完全視界】をもらって、水中散歩に突入!
おっと、調査、調査です!
しっかりカスピ海に住む海の生き物について「情報収集・記憶術」をしておいて、「観察・偵察」しちゃうよ

生きてる水の中の生き物を、直接観察できる機会に、かたっぱしからスケッチしたい、絵にしたいって、アート魂が揺さぶられるけど、水中にはキャンバスも筆も持ち込めない!
ひゃわーアザラシアザラシかわいいですよ!持って帰っちゃ駄目ですか!?

アドリブ、連携、大歓迎!


イツカ・ユメ
【博物館】の皆と一緒に
海!海だよ!
セクシーダイナマイトな水着で参加するよ!
大丈夫。心頭滅却すれば火もまた涼しい、って言うし。
極寒の海も、気合いと根性できっと暖かく感じる筈!
……ぁ、駄目。無理だわ。寒い!
『寒冷適応』と『熱波の支配者』のお力をお借りしまーす!

『水中適応』で皆と海中お散歩に出発!
アザラシ!アザラシ見たーい!
チョウザメは……キャビアのやつだっけ??
皆とわいわいお喋りしながら、初めてのカスピ海を楽しむよ。
進み難い地形だったら『エアライド』でぴょいっと軽やかに。
何か異変や発見があったら、皆にお知らせして適宜対処するよ。

海から上がったら、あったかいものが食べたいです。へくしゅん!


弔焼月・咲菜
【博物館】で参加
*アドリブ・連携歓迎

この寒さで水に入ろうとか考えたやつ絶対馬鹿だろう…100%風邪引くって…
…ってなわけで【寒冷適応】の効果はガンガン頼らせて貰うぜ。あとついでに【水中適応】と【完全視界】も。

服装は普段着のまま海に飛び込む。…だって水着持ってないし、着替えるの面倒だし、寒いし…まあ別に良いだろ!着衣泳って奴だよ着衣泳!!(暴論)

海に飛び込んだ後は警戒を怠らずに周囲を調査していく。
生きてる魚を海の中から見るなんて普通じゃまずしないような事だからな。どいつもこいつも鮮度が良さそうじゃないか…じゅるり…。


リュウ・ターレン
【博物館】で参加。
アドリブ・連携歓迎

……入るの? 寒いんにはいるの?
……おん。しゃあないな。寒冷適応・水中適応・完全視界貰うわ。
じゃないと無理。

後着衣のまんまな。見た目にも寒いんのはちょっとまずい気がする。
気分的にも。

怪しいもんは都度チェック。
それ以外はまあ……のんびり過ごしましょ。……気分的には寒いまんまな気がする……けど。

なかったら、なかったでええよ。問題ないわ。


 視界の先は、何処までも限りないくらいの青が広がっていた。
 ある者は感嘆に吐息を零し、そしてある者は、記録に談笑にと精を出していく。
 彼ら/彼女ら【博物館】の面々も、その一員であった。

「この寒さで水に入ろうとか考えたやつ絶対馬鹿だろう……100%風邪引くって……」
 げんなりした表情でそう独白するのは、弔焼月・咲菜(葬不送動の報復者・g01723)であった。その身体は多重に掛けられた【寒冷適応】に守られ、凍えることは無い。だが、視界に飛び込む寒々しさまで、その残留効果が緩和してくれたりはしないのだ。
「旅団提案なので、何とも、と言う奴ですね」
 今にも寒さに震えだしそうな咲菜の言葉に、音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)は苦笑いを浮かべる。もしかしたら、提案者はうっかり、吸血ロマノフ王朝が常冬である事を失念していたのかも知れない。或いは、それを押してでも境界を探るべきと考えたのかも知れない。ともあれ、ここに調査が為された以上、詮索は詮無きこと、と言う奴だった。
 ちなみに、普段の服装である咲菜に対して、華楠は全身をぴっちりと包んだ競泳水着姿であった。
「今回は破れないといいのですが」
 自身の身を包む水着をくるりと見渡し、華楠はたはりと溜め息を吐く。クロノオブジェクトならぬ、ただの水着。当時同様動きに支障は来さないが、それでも心許なさもまた、健在であった。
「世界樹ダンジョンと違い、罠の踏破も無ければ戦闘もありませんし、大丈夫かと……」
 ふふりと笑うのは、当時のダンジョン踏破を共にした仲間、フィーナ・ユグドラシア(望郷の探求者・g02439)であった。青色のワンピース水着に水色のパレオ、そして同色のパーカーを纏うフィーナの姿もまた、ダンジョン踏破時と同じ物だ。その格好に懐かしさすら覚え、華楠は思わず遠い目をしてしまう。
 あれから三ヶ月も経っていないと言うのに、なんだか郷愁の念すら覚えるのは、気のせいだろうか。
「うーん。ビキニとかも華やかでしたね。新宿島に帰ったら、改めて探してみようかな?」
「おー。それはいい。良いと思うよ!」
 華楠の呟きに、呵々と笑うのは月下部・鐶(さいつよのお姉ちゃん・g00960)であった。ランニングトップスにショートパンツ、そしてラッシュガードを羽織った姿は、何処からどう見ても夏の少女、と言った装いであった。これもまた全て、水着だと言うのだから驚きである。未来だなー、と言う気がする。実際、平安鬼妖地獄変出身の彼女にとって、21世紀を出身地とする鐶は未来人そのものだが、まあ、今、その言及をするべき時では無いだろう。
「でも、【寒冷適応】の効果って凄い凄い。周りは冷たい筈なのに、効果は抜群だって奴だね」
「凍り付いた水ではないので、0度未満にはならない。むしろ、外気よりも快適に過ごせる筈ですよ」
 そして、注釈がアオイ・ダイアログ(響き合う言霊の繰り手・g02687)から飛ぶ。自身の身の回り、即ち水は0度を下回れば凝固するのが世の常だ。ならば、凍土を生み続ける吸血ロマノフ王朝の気候の中では、過ごしやすい分類になる。それもまた事実だ。クロノヴェーダによる下手な改変が無ければ、と言う前提があったりもするが、まあ、それも問題無さそうであった。
「でも、【水中適応】が無ければ水中で呼吸もままならないわ。【寒冷適応】に【完全視界】もそうだから、残留効果様々、と言った処ね」
 水の力は凄いけれど、もっと凄いのは残留効果の方だと、イツカ・ユメ(いつかかなうゆめ・g02834)はにっと笑う。メリハリの付いたその身体を覆うのは、これまた大胆なカットが施された水着であった。所謂セクシーダイナマイトな外見に、なんだか似たようなセクシー系水着を纏ったアオイは、たははと苦笑いを零してしまう。
(「ま、まあ、いつものイツカさんですし、これくらいの差異は仕方ない……よね?」)
 同性でも思わず赤面してしまうような、そんな彼女の大胆不敵な域に達するのは、数年の月日が必要だろう。サキュバスと人間と言う種族差はあっても、その日は必ず訪れるはずだ。
 イツカの域に達したいかどうか、と言う問題はさておいて。
「華やかなのか、寒そうなのか。それが問題だ」
 仲間達のはしゃぎっぷりに、唸るシル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)であった。寒さ対策にダイバースーツを纏った彼女は、それもまた正解とばかりに仁王立ちしている。確かに冷やされ続けた水中、しかも相手は潮水だ。0度を下回り、肌を刺激するだろう。いくら【寒冷適応】があっても、極寒の氷水の中、手を突っ込み続けるような時間はそれなりに辛いのでは、と思ってしまう。
「残留効果がないと無理だな。……それにしても、見た目的に、寒い」
 良くやるなぁ、とリュウ・ターレン(奪われた者。奪い返す者。・g07612)は唸ってしまう。それにしても、水着率は女性の方が高いようだ。見目とは我慢の上に成り立っている。そんな真理をついぞ、見た気がした。

「ひゃー。アザラシですよアザラシ、スケッチしたい! ああ、誰か、水の中でも掛けるスケッチブックと絵筆、開発してくれないかな!」
「まるで水族館ですね! 素敵です!」
 鐶の歓声に、アオイの喜色が重なっていた。彼女の形容した水族館と違い、天然の水槽を、言わば中から覗いている状態だ。そんな二人の視線の先に、魚の群が日光を遮るよう、通過していく。
 そんな幻想的な光景に、再び、黄色い歓声が響き渡った。
「あれはチョウザメ? キャビアの奴だっけ?」
「魚肉その物も上手いらしいぜ。……じゅるり」
 イツカが世界三大珍味の名を出せば、それに反応してか、咲菜が垂涎の音を零す。鮮度も抜群。今にも飛びつきそうな彼の様子に、イツカは思わず苦笑してしまう。
「食べても誰も、文句を言わないと思うけど……後にしようね。咲菜くん」
「流石に調査中は弁えているぜ」
 微笑が返ってくる中、しかし、イツカも、
(「岸に上がったら、潮汁とかもいいかな。温まるし」)
 などと考えていたのだから、まあ、思考は似たような物であった。
「【エアライド】は持ってくる必要がなかったでしょうか? 最近思うのですけど、【エアライド】の見出す『地形に関わらず最適な移動経路』って、何処から何処までなのでしょう?」
「それ、どうも、ジャンプ中、って意味合いらしい」
 水中の障害を躱しつつ零れた華楠の疑問に応じるのは、リュウの台詞であった。ディアボロス達がクロノヴェーダ達に抗いだしてまだ1年と経っていない。何となくで操るパラドクス、そして残留効果達も把握し切れていない得手不得手が見えてくる頃合いだ。成る程、そうやって全てが研ぎ澄まされていくのだ、と思わなくも無かった。
「クロノヴェーダの思惑にしろ、教科書とかあるわけではないしな」
「そうですね。一つ一つ、解析していく必要がありますね」
 唸るリュウの言葉に、華楠も是と頷く。だからこそ、このような探索が行われているのだ。水中散歩を楽しむ気持ちがあるのも事実だが、その一方で、奪われた世界を再び奪還するための思惟も怠らない。それもまた、復讐者の在り方であった。
「……とは言え、本当はどうなのでしょうね」
 探索そのものは兎も角として、このような手当たり次第が本当に実を結んでいるのか? と言う疑問をフィーナは呈してしまう。
 攻略旅団に於ける提案の上位5つ程が、攻略方針となる。その事実はしかし、裏を返せば、5つしか枠が無いとも言える。探索や息抜きが不要とは考えないが、それはそれで心配にもなってしまうのは、悲観的すぎるのだろうか? とも思えてしまう。
「まー、でも、いろんなお魚さんや動物さんたちは可愛いし、みんな、楽しんでいる訳だし、これはこれで、ね」
 周囲に怪しい物は無いと、シルは頷きながら言葉を紡ぐ。
 改竄世界史の攻略も人生と同じだ。最適解はあるかも知れないが、絶対的な正解は何処にも無い。もしかしたら、このカスピ海横断が、何れ、大きな成果に結びつくかも知れない。蝶の羽ばたきが大地震を起こさないなど、誰も断言できないのだから。
「実入りがあるかどうかは私達の気持ち次第。確かに、そうですね」
「じゃ、じゃあ。戦利品と言う事で、あのアザラシを持って帰って……あ、駄目? そうだよね。あははは」
 アオイの言葉に、鐶の脳天気な言葉が重なり、一同から笑いが零れる。
 皆の一寸先は、確かに霧の中かもしれない。だが、確かな光明がある筈と、復讐者達は前を向き、進んでいくのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【エアライド】LV1が発生!
【水中適応】がLV4になった!
【熱波の支配者】LV1が発生!
【寒冷適応】がLV3になった!
【完全視界】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV3が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV4になった!

クレイ・ロックウェル
極寒の海か。
水は【水中適応】で対応できるが問題は寒さだな。
防寒用ウェットスーツを用意したからこれで…
フェリシティ(g03901)、水着は止めておけ。風邪をひくぞ。
嫌というわけではないが…寒冷適応 ?
…(下に水着を着ているのか)

良いから真面目にやれ!これは仕事だ!
アザラシ探しくらいはつきあってやる!

水深計と水温計を確認しながら海底付近を進む。
何かあれば随時記録。
時々海面に出て方向を確認する。

ちなみに…どんな水着を着ているか聞いても良いか?
あれだったのか…?
いや、がっかりなどは、別に…
おっ。アザラシがいるぞ。
見たがっていただろう、良かったな。
(まあ、何を着ていても可愛いとは思う(頷)

アドリブ歓迎


フェリシティ・マーノット
東を目指して寒中水泳やな。任しとき。
ちゃんと水着も着てきたさかいな。
寒さやったら【寒冷適応】のおかげで平気やで?
クレイ(g03894)は水着嫌いなん?
ウェットスーツを着ろちゅうなら着るけど
アザラシ探しても良え?
もふもふしたの近くで見たいんやけど。
やった!ほな行こ!

はぐれへんようにクレイについてく。
海中デートみたいで良えなあ(ご機嫌)

時々海面付近で休憩や。
顔出す時は敵に見つからへんよう注意や。
ん?どんな水着って…さっき見たやん。
Tシャツと短パンっぽい見た目やけど立派な水着やで?
もしかしてシルシュのみたいなんを期待しとった?ふぅーん?

え?どこ?
ほんまやアザラシや。もふもふで可愛えなあ。

アドリブ歓迎


 冬の海は、凍えるように冷たい。
 それは自明の理だと、クレイ・ロックウェル(アーベントロート・g03894)は理解している。
 まして、此処、カスピ海は内地であり、外の大洋とは異なる場所だ。拓かれていない湖など、極寒を纏い続けても不思議は無く、加えて、吸血ロマノフ王朝と言う改竄世界史内である以上、どの様になっているか想像も付かない。
 故に、同行者にこう呼び掛けても致し方なかった。
「水着は辞めておけ。風邪を引くぞ」
 と。

「ん? 寒さやったら【寒冷適応】のおかげで平気やで?」
 同行者、フェリシティ・マーノット(ラココット・g03901)の言葉はにべもない。Tシャツに短パン姿と言うラフな格好の彼女は、きょとんとした顔で残留効果を再度起動。そのお陰か、極寒の中の筈の水中でさえ、快適な水温のように思えた。
「それともクレイは水着が嫌いなん?」
「――いや、そう言う訳では無いが……」
 言い淀み、むむっと唸ってしまう。その逡巡は長く、零した溜め息は海よりも深かった。
「着たで。……どしたん?」
「ああ、いや、何でも無い」
 いつの間に着替えたのか、ウェットスーツ姿の彼女の前に、落ち着かない視線を晒してしまう。時計を確認すれば、いつの間にか数分が経過していた。その間、フェリシティは岩場か何処かの陰で着替え、自分は固まっていたと言う事か。
「なら、行こうな。あ、せや。アザラシとか探して良え? もふもふしたの、近くで見たいんやけど」
「わ、判った。アザラシ探しぐらいは付き合ってやる」
 動揺を表に出しながら、クレイは是と返答するのであった。

「……なんか海中デートみたいで良えなあ」
「真面目に調査しろ。これは仕事だ」
 堅物の彼氏と明るい彼女。そんなやり取りを交わしながら、カスピ海の湖底を歩き続ける二人である。
 クレイは水深計と水温計を繰り、忙しく記録を取り続けている。そんな彼を「真面目やなぁ」と見守るフェリシティの表情は、何処までも穏やかで、優しかった。
 時々海面に顔を出せば、冷たい潮風が頬を撫でていく。【寒冷適応】が無ければ凍えていただろ、と思うと残留効果の存在に感謝の念すら湧き上がってきた。
「そう言えば、聞いても良いか? 水着、中に着ていたのか……?」
「そんな訳無いやん。さっき、見せた奴やで? ちゃんとウェットスーツに着替えた際、脱いでるわ」
 クレイの唐突な問いにフェリシティはにふりと笑い、あっと声を上げる。成る程、そう言う事かと、その悪戯げな表情は語っていた。
「ははーん。さっきのあれ、水着じゃなくて普通の服と思ったんやね。立派な水着やで? もしかしてシルシュのみたいなんを期待しとった? ふぅーん?」
「いや、そんなわけは」
 水着姿と言えば、時先案内人が新宿駅ホームで披露していた様な物である。そう言う思いが合ったことも否定し辛い。そんなフェリシティの姿が見られなかったことに、少しばかりがっかりしてしまうが、それはおくびに出さず、飲み込む事にする。
「おっ。アザラシがいるぞ」
「あ。ほんまやアザラシや。もふもふで可愛えなあ」
 誤魔化すように視界に入った海獣を指差すクレイ。素直に応じ、笑うフェリシティの姿に、安堵の溜め息を零してしまう。
(「まあ、水着姿を見られなかったのは残念だが……いや、見たのか。見たんだよな」)
 疑問を己の心の中だけで転がしながら、クレイはふむ、と頷くのだった。
(「何を着ても可愛いしな。それは間違いない」)
「何? 何か言ったん?」
 呟きを察したのか、声を上げるフェリシティに、しかし、クレイは。
「いや、何でも無いぞ。休憩が終わったら、先に進むか」
 静かな台詞のみを紡ぐのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水中適応】がLV5になった!
【寒冷適応】がLV4になった!
効果2【ガードアップ】がLV5になった!
【命中アップ】がLV4になった!

供御森・飴々姫
【滝】で参加します

カスピ海!なんか聞いたことあるよ!
そっか、ロシアだったんたね
こういうお仕事も兼ねて珍しい体験ができちゃうのはディアボロスの特権ですね

いやでも絶対寒いじゃん!
しかも手持ちの残留効果に役立ちそうなの一切ないんだけど!

…いいよ、分かってる
この程度で泣き言言ってる様じゃ魔法少女は務まらないよね!
たとえ冬の海でも絶対負けない!
だって、わたしは!魔法少女だから!

(内心2人に滅茶苦茶止めて欲しそうな表情)

…いいんだね?
本当に飛び込んでもいいんだね?

うん、分かった、まかせて!
大丈夫、わたしは魔法少女だから!
冬の海でも負けないから!
だってわたしは、魔法少女だから!

本当に飛び込んでもいいんだね?


瑚雛・凛櫻
【滝】
アドリブ大好き

このくっそあっつい中極寒の地へ赴いて、寒さの事考えるのってなんだかアンバランスで面白いわね?(ネットで寒さ対策をしっかり調べておく)
お姫さん、頑張って寒さに耐え抜きましょう!

ともあれ水中散歩をするのね?色んな動物見たいわね!
ペンギンは流石にいないかしら?アザラシがいるならアザラシやカメさんとも戯れたいわ!

(と、はしゃいではいるもののいざ水中散歩となるとへっぴり腰に※泳げません)
え…だってほら…雪名さんが骨拾ってくれるって…言って……まま魔法少女強いもんね?先に飛び込める、わよね?

ま、まってー-!お、お、置いてかないでー!(半泣き)
二人が手を繋いでくれたら途端に強気になるわ!


紀・雪名
【滝】 ※アドリブ絡み歓迎

真夏に寒い、海中ですか。
さすがの寒さに強い僕でも躊躇することを…
今ならばできそうですが、皆さん意外とのりのりで(シルシュさんもノリがいい)
水着は別として、折角なので水中散歩を楽しみましょうかい。

止めはしませんよ、大丈夫、骨は拾います。
残留思念もありますから。ね?

水中とはこういった感じなのですね。
川の中でしたらよく浸りましたが、また違った美しさ…(水中生き物と遭遇等々、やんわりと避けたり挨拶したり)おや、失礼

泳ぐのが苦手なら僕と供御森ちゃん、瑚雛さん、3人手を繋げば、はぐれることもないでしょう。
せっかくなので楽しまなければ損ですよ。


「カスピ海ってロシアだったんだね」
 塩湖――世論的には海と認められた場所だったか――の底を歩きながら、供御森・飴々姫(忘却の魔法少女・g04187)はふむふむと頷く。確かにカスピ海の名前だけはよく聞くが、その場所が実際、どの様な場所か等は気にしたことも無かった。そっかそっか。ロシアなのか、と今でも思う程度であった。
「新宿島はくっそ暑い真夏の最中、でも、極寒の地へ赴いて、寒さの事を考えるのって、なんだかアンバランスで面白いわね?」
 これは瑚雛・凛櫻(滅びの箱庭、綻びの記憶・g00518)の言葉である。色々対策を練ってきたが、最終的には【水中適応】と【寒冷適応】に収まる事となった。流石、残留効果。偉大であった。
「残留効果が無ければ、流石の寒さに強い僕でも躊躇しましたよ……」
 はしゃぐ二人を見守りながら、紀・雪名(雪鬼・g04376)は苦笑いを浮かべる。皆、ノリノリだなぁ、との感嘆も独白に添えていた。
「まあ、ともかくとして、【滝】のメンバーとして、調査を進めていきましょう」
「うん。こう言うお仕事を兼ねて、色々と珍しい体験が出来るのもディアボロスの特権ですね。頑張りましょう!」
「おー。お姫さん、雪名さん、頑張りましょう!」
 雪名の言葉に、是と応じる飴々姫と凛櫻の二人であった。

 さて。
 実際の処、湖の中に入る前、水辺で一悶着あったのは内緒の話だ。
「いや、だって、手持ちの残留効果に役立ちそうなもの、一切無いんだけど!」
 とは飴々姫談である。確かに持参した【託されし願い】は寒さ軽減に何の役に立ちそうにもなかった。人々の声援は有り難いが、それで極寒の寒さを防げるとかと言えば、根性で耐える、と言う結論にしかならないのだ。
「いえ、しかし、調査は必要ですしね。大丈夫、骨は拾います」
 震える飴々姫の背中を、しかし、雪名は支える事も無く、後押しする。心なしか、その表情は震えている様にも思えた。
「お姫さん、頑張って寒さに耐え抜きましょう!」
 凛櫻の声援も、ただ虚しく飴々姫に響いてくる。二人が応援してくれているのは判っている。だが、それでも、寒さに打ち勝てるかというと、別の話だ。
「……いいよ、分かってる。この程度で泣き言を言ってる様じゃ魔法少女は務まらないよね! たとえ冬の海でも絶対負けない!」
 だって、わたしは! 魔法少女だから!
 強い宣言は、魔法少女衣装と共に。強い想いがあれば、こんな極寒の海には負けはしない! そんな叫びが湖面に木霊していた。
 そう。飴々姫は負けないのだ。たとえその表情が「止めて欲しい」と訴えていたとしても、それはそれ、これはこれだ。魔法少女が敵に、ましてや外気に屈することなど、あってはならない!
「……飛び込むよ? 本当に飛び込むよ!」
 冬の海でも負けない! だってわたしは魔法少女だから!
 そう、何度も唱える飴々姫の手を包み込んだのは、温かい手だった。右手に雪名、左手に凛櫻。引き留めてくれるのか、と期待で頭を巡らせた彼女はしかし。
「それでは、行きましょう」
「だ、大丈夫。ま、まま魔法少女、強いもんね? 行けるわよね?」
 それは誘いの手だった。極寒に導く悪魔の所業だった。
 斯くして、ざぱーんと水の音だけが響き渡る。その数三つ。それは、三人の復讐者が、カスピ海へと飛び込んだ音であった。

「……とまあ、お姫さんのそう言うカッコイイ姿を見たわけだけど」
 回想シーンは終了、と凛櫻は湖底で笑う。共に並ぶ雪名もまた、似たような微笑を形成し、温かな視線を彼女らに向けていた。
「酷い! 【寒冷適応】が既に働いているとか、わたしの、この、覚悟、どうしてくれるの?!」
「いえ、既に外でも使っていた訳なので、その、『押すなよ、押すなよ』的な振りなのかと」
 同じ台詞を三度繰り返せば、そう言う考えにもなるだろう。
 雪名の台詞に、むむっと唸る飴々姫であった。
「しかし、水中とはこういった感じなのですね。【完全視界】のお陰で視界もクリア。良き散歩日和、と言う感じですね」
「海上は猛吹雪かもしれないけどね」
 なんて言っても、ここは改竄世界史、吸血ロマノフ王朝の中なのだ。努々、油断は出来ない。油断は出来ない筈なのだが……。
「ああ、アザラシさん可愛い! 亀さんも泳いでる! ……流石に南極じゃないから、ペンギンはいないかしら?」
「魚獲っている姿とか見られたら、絶対可愛かったんだけどなー」
 目の前に広がるカスピ海の生物達による営みに、感嘆の声を上げる凛櫻と飴々姫。その様子を見守る雪名もまた、満足そうに笑っていた。
 ちなみに、三人の手は湖面より、繋がれたままであった。
 曰く。
「お、お、置いてかないで」
 手を離した瞬間に、半泣きになった凛櫻を慮って、であった。見るからにインドア派の彼女、その印象に違えず、泳げないのだ。
 当然、【水中適用】が働いている為、泳げなくても活動に支障は来さないが、それはそれ。これはこれなのだろう。泳げない者にとって心細さは地上の比では無い。そう言う事なのだ。
「本当に骨を拾うから大丈夫、とか、言わないですよね……?」
「言いません。言いません。折角なので三人で手を繋いで行動しましょう。はぐれることも無い筈です」
 この何処までも通る視界の中、はぐれることは考えづらかったが、何が起きるか判らないのが改竄世界史と言う存在だ。クスリと笑い、二人をエスコートするように手を引く雪名に、心の底から安堵する凛櫻であった。
 そして。
「大丈夫。何かあったらみんな、守って上げる! だって、わたしは魔法少女だから!」
 飴々姫のドヤっとした声は、何処までも頼もしかった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【託されし願い】LV2が発生!
【寒冷適応】がLV5になった!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
【ロストエナジー】がLV3になった!

イロハ・アプリルシェルツ
【水中適応】も【寒冷適応】も準備してないけど・・・大丈夫だよね?準備万端なナカーマが居ると信じてイロハは水着に着替えて岬から飛び込むよ。
紺と白の競泳タイプのワンピース水着だけど流石に200kmをビーチサンダルと言う訳にもいかないからスニーカーとかを履く感じかな。

陸地と違って目印が無いし、多分困りそうなのは現在地が判らなくなることだよね。
ふにゃふにゃにならない様に防水加工を施したカスピ海の地図を手に
【スーパーGPS】を発動させてのんびりと泳ぎながら進むよ。
何か不審なものや、人魚や半魚人みたいな水棲系種族が居ないか探しながらだね。
まぁ、一番不審なのは極寒のカスピ海で水着姿でいる人なんだろうけどね。


(「水が、変わった?」)
 ただひたすら、愚直に前を目指し歩いていたイロハ・アプリルシェルツ(神聖ならざる銀・g05555)は、自身の取り巻く湖水が変化したことに気付く。
 周囲を見渡せばそこに、魚影も、そして、海獣達の姿もない。在るのは彼女同様、周囲を見渡す仲間達の姿のみであった。
「……淡水、だよね?」
 空気に触れるよう、水を口腔内に取り込み、そして味を吟味する。
 先程迄の水は、海水のような強い塩味があった。だが、今はどうだろう。そこに味は感じない。ただ、水と感じる何かがあっただけだ。
 たとえばTOKYOエゼキエル戦争内の新宿海。自分達が新宿島――即ち、最終人類史と呼ぶ場所は、しかし、改竄世界史から見れば、ただの海と化していた。そこを満たしていたのは確か、淡水だった筈だ。
 水着に包まれた胸元から地図を取り出し、湖底に広げる。防水加工を施したそれは、しっかりと案内役を果たしてくれる筈だが、果たして。
「どうやら、カザフスタンに到着しているようだね」
 起動した残留効果は【スーパーGPS】。清麗な祈りの中、彼女が捉えたのは、既に湖岸を越えた場所に到着しているという事実であった。
 そう。復讐者達は成したのだ。カスピ海の横断を。
 だが、その果てには何も無かった。そう。文字通り、何も無かったのだ。
(「そりゃ、人魚や半魚人みたいな水棲種族とか居いても、困ることは困るけども」)
 おそらく、全てを俯瞰的に見る存在が居たとしても、一番目を引いたのは自分同様、水着姿や普段着で湖底を歩む復讐者達の姿だっただろう。そんな当たり前の情報に思い至り、くすりと笑ってしまう。
(「とすると、カザフスタン――中央アジアは、別のディヴィジョンになるんだよね」)
 吸血ロマノフ王朝の地域が『ロシアおよび東欧の旧ソ連構成国、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー』である以上、それは自明の理であった。
「まあ、当たり前が当たり前だと判った事実と、それと……」
 周囲を見渡す。そこに在ったのは、200kmにも及ぶ距離を渡りきったと言う、仲間達の達成感に満ちた表情だった。
「楽しかったから、いいよね」
 結果はともあれ、過程を楽しめた。
 その事実こそが大切なのだと、イロハは微笑する。
「じゃあ、帰ろうか」

 斯くして、カスピ海以東調査は幕引きとなったのであった。
 そこに、幾何かの充実感と達成感を残しつつ――。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【スーパーGPS】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!

最終結果:成功

完成日2022年07月15日