リプレイ
アルメア・グラウプナー
「一時的にとは言え、クロノヴェーダと手を組むのは気に食わんが…まあ良い、仲間割れしてくれる分には此方の利になるし、潰す順番が変わっただけだ」
「さあ、花の都パリにて楽しい楽しいお人形遊びを始めるとしよう!」
・行動
相手は堅牢な防衛ラインを敷いている様だ。ならばその陣形を崩していこうか。
【地形の利用】を応用し、敵を分断し、動きを阻害できる場所に特殊炸裂弾を撃ち込んでいこう。
そのまま中距離での戦闘を維持しつつ、火砲とガトリングによる【砲撃】【制圧射撃】【弾幕】、ミサイルでの【爆破】【誘導弾】で敵を各個撃破していく。
撃ち漏らした敵に接近を許したのならば爆裂鉄球とソードオフで対応する等、【臨機応変】にな。
ラウム・マルファス
城壁突破って、みんなそんなに手慣れてるんだネ。何となく地下水路を通った記憶は薄っすらあるんだケド、城壁ってどんなんだっケ。
まぁまずは攻める場所を把握しないとネ。汎用ドローンを情報収集用に換装して、上空から防衛拠点を観察。見える範囲で警備体制とか防衛設備の配置を把握しよウ。
流石に拠点から出てこないネ。拠点の出口にパラドクスで落とし穴を設置。落ちたら串刺しになるヨ。続いてトラップ生成で、拠点内に時間起動の煙幕発生装置を生成。即時起動させて、さらに拠点内に迷路のようにバリケードを生成して時間稼ぎと撹乱をしよウ。迷路から出れて油断した瞬間落とし穴に落ちるハズサ。
「一時的にとは言え、クロノヴェーダと手を組むのは気に食わんが……」
「そうだネ、その気持ちは分かるヨ」
断頭革命グランダルメ。1793年パリ市街。それを取り巻く城壁の外で、むむっと呻くのはアルメア・グラウプナー(フロイライン=ズィーリオス・g00637)だ。それに同意するラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は、いつもの道化じみた微笑を浮かべている。本心は伺い知れなかったが、気持ちだけは本気でアルメアに同意している様子でもあった。
「まあ良い、仲間割れしてくれる分には此方の利になるし、潰す順番が変わっただけだ」
大陸軍、そして革命淫魔。その双方が等しく歴史侵略者――クロノヴェーダだ。
最後は双方とも討ち取れば良い。その思想はしかし、彼奴らに怒りを抱く復讐者として正しき物。
「そうだネ」
いつもと同じ表情で、ラウムも是と頷く。
彼女の思いを否定する理由は何処にもないのだから。
「さあ、花の都パリにて楽しい楽しいお人形遊びを始めるとしよう! そこから先は我々の立つべき舞台だ、とっとと道を空けたまえ!」
戦いの皮切りは、アルメアの放つ携行式キャノン砲の砲撃であった。込められた特殊炸裂弾は寸分違わず、城壁を守護する自動人形――トループス級クロノヴェーダ『解体少女』達を吹き飛ばし、壁へと叩き付ける。数にして数体と言うところ。奇襲の戦果としてはまずまずであった。
「ボクも始めよウ。嫌がらせは得意サ。なんてネ」
城壁から飛び出した解体少女達を迎えるのは、ラウムの紡ぐパラドクスだ。
パラドクスの効果で常識は歪み、彼の思惑の元、瞬間的に生み出された落とし穴は解体少女の脚を食み、串刺しへと導いて行く。
(「もう少し時間が合ったら、色々出来たんだけどネ」)
屠ったのはアルメアに劣り、1体程度であった。悲しみと悔しさが滲み出ないわけでもないが、それはぐいっと飲み込む事にした。
奇襲であるが故、罠を設置する時間は限られている。残留効果【トラップ生成】では致死の罠は作れず、己のパラドクスの範囲では1体を巻き込むのが精々。まあ、仕方ない。全てを同時にこなすなど、紙であっても難しい作業に他ならないのだ。
「――ッ!」
聞こえたそれは、呻き声であった。
見れば、アルメアの身体を幾多のも斬撃が襲いかかっている。そして、その強襲は彼女だけに留まらない。ラウムもまた、高速振動剣による一刀が叩き付けられていた。
「流石はクロノヴェーダ! そうでなくてはな!」
再度、火砲『シュトラール』を構え、吼えるアルメア。彼我の距離はおおよそ50メートルと言った所か。その距離を無視して放たれた斬撃は彼女を、そしてラウムを斬り裂き、その血肉を抉ったのだ。
「まいったネ。罠に嵌まってくれない癖にこっちを殴れるとか、非常識極まりないヨ」
とほほとラウムは呻き、再び罠を生成する。それに喰われ、倒れる解体少女。しかし、同時に放たれた斬撃は彼の肩口を斬り裂き、多量の血を噴き出させた。
「……ちっ。此処は一端引くぞ、ラウム殿!」
「同感だネ!」
軍服と装甲を切り裂かれ、踏鞴踏んだアルメアは傍らのラウムに呼び掛け、彼もまたこくりと頷く。
「よし、ならば――走れッ!」
「心許ないけド……ええイっ!」
そして放出されたのは多大な炸裂砲弾、そして、煙幕弾であった。
巻き上げられた土煙や煙幕は解体少女達から視界を奪っていく。クロノヴェーダにとっては刹那の目眩ましに過ぎないそれが晴れた時、しかし、そこに傷だらけの二人の姿はなかった。
「……しんどい、ネ」
もうここまで来れば大丈夫だろうと、地面に腰を下ろしたラウムは、肩で息をする。戦場の興奮が冷めたからだろうか、肩口の傷、それと全身がじゅくじゅくと痛みを放ち始めていた。
「だが、幾渡でもやってやるさ。クロノヴェーダを倒し尽くすまでな」
この程度、苦戦の内に入らないと、アルメアは不敵な笑みを零す。
「その前に、緊急治療だな。ラウム殿、包帯は持っていないか?」
「いやはや、豪胆だネ。まったク」
血に染まった軍服を己から剥がすアルメアの姿に、ラウムは頼もしいと苦笑するのであった。
苦戦🔵🔵🔴🔴🔴🔴
テネブレーヌ・ラディーリス
相手は接近戦を得意とするから炙りだして近づいたところを各個撃破していきましょ
それが無理なら城籠りされないように陽動してかき乱して差し上げるわ
まずは城壁近くにいくつか【トラップ生成】で
ラテ・カクテルバブルボムを仕込んでおく
そして奇襲を行いすぐに退却
隠れた泡の結界に誘い込んで内部から爆破していくわ
これで少しでも数を減らせれば僥倖
後は相手が守りに移らないように徹底的に逃げ回って罠にハメていくだけよ
少し時間が経てば複数人で行動し罠をフォローできるようにするはずだから、
粉塵爆発でも仕込んでおこうかしらね?
パラドクスでなくていい、相手の思考を止めるだけでも役に立つ
その間に不意打ちを仕掛ければいいんだからね
相原・相真
中での工作もなかなか大変そうですが、
まずはここ(城壁)を越えてからですね
油断せずしっかりこなすとしましょうか
まずは出来るだけ城壁の様子を観察し、
敵の配置など周囲の状況を[偵察・情報収集]してから戦闘を開始
他の皆さんの行動に合わせて【フライトドローン】を使い、
複数のドローンを城壁周辺で飛び回らせ[攪乱]
その間に隙を狙いドローンに乗って城壁への侵入を試みます
侵入が失敗してもそれはそれで攪乱になるでしょうか
侵入成功したらそのまま内部で戦闘、
パラドクスを使い攻撃を行っていきます
敵からの攻撃は魔力障壁を使っての防御か、
[残像・フェイント]を生かしての回避で凌ぎます
「第一陣は終わったようですわ」
復讐者二名とトループス級クロノヴェーダ『解体少女』達の戦いを見届けたテネブレーヌ・ラディーリス(夜を駈ける変身ヒロイン・g01274)は、同行者にそう告げる。
城壁を揺さぶる戦いはなかなかに激しく、思わず興奮したと呻く少女に、苦笑を向ける人影があった。
「お二人の活躍で、大体の敵戦力は掴めました。……トループス級だけあって数は多めですが……突破出来ない訳ではありません」
【フライトドローン】から送られてきた映像を逐次チェックしながら、相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)が唸る。
彼らが侵入経路として選んだ城壁は、トループス級クロノヴェーダ『解体少女』によって守護されている。だが、その数も無限では無い。その一部はパリ大学へ、そしてその一部はパリ環状下水道――要するにパリ市街の地下へと動員されている。故に今ならば、手薄となったパリ城壁を落とせる、と言うのが時先案内人の弁だ。
「とは言え、城壁に残された敵は強力。努々油断なさらぬように……ですわね」
「ええ。それでは行きましょうか。油断せず、しっかりと任務をこなしましょう」
斯くして、第二陣となる襲撃は、二人の手によって紡がれることとなるのであった。
「真っ白になるまでかき混ぜてあげる!」
パリ市街城壁。方々で爆音を奏で、爆風を巻き起こすのはテネブレーヌが生成したパラドクス、ラテ・カクテルバブルボム。即ち泡の爆弾であった。城壁のみならずそれを守護する解体少女をも巻き込み、爆発させていく。二度目となる強襲に、彼奴らが泡立つのを感じた。
「こちらも爆弾をお見舞いしますよ。それっ!」
相真の操る【フライトドローン】が放つのは、蝙蝠型の悪魔爆弾であった。それらが彼の導きの元、城壁に取り付き、そして複数の解体少女の身体を吹き飛ばしていく。
異なる二種類の爆弾による強襲は、まさしく空爆そのものであった。
「このまま押せれば良いのですが――」
「そうは問屋が卸しませんわ。――来ましたわ!」
相真の台詞に、テネブレーヌの警告が重なった。
飛んできたのは複数の斬撃、それも鋸剣による引きと剣気による精神汚染だ。それぞれが二人に食らいつき、その身体を梳っていく。
「――ッ!」
「痛いですが……こんちくしょう、ですわ!」
己の肉体美を誇示する衣服を切り裂かれ、しかし、それでもテネブレーヌは止まらない。雄叫びじみた咆哮の後、再度、爆弾を生成。解体少女達へと叩き付けていく。
「その、目の保養なのか、目の毒なのか。……まあ、続けましょう」
相変わらず淡々と言葉を紡ぐ相真に、思わずテネブレーヌは破顔してしまう。
(「少しくらい照れてくれてもと思うのですが……草食系という奴なのでしょうか?」)
歳の頃合いは同じなのだが、彼の淡々とした反応に、むしろ不満じみた想いを抱いてしまうのは、何故だろうか。
飛来する斬撃を躱し、或いは肉体で受け止めると、思わず嘆息を零してしまう。呻き声に似たそれは、嬌声にも似た熱を帯びていたが、それでも相真に眉一つ動かす様子は見受けられなかった。
一方――。
(「やはり手練れ、ですか」)
テネブレーヌ、そして己の被害を一瞥した彼は、静かにそれらを分析する。
【フライトドローン】や【トラップ生成】による撹乱は上手く行っている。二人とも己の技量に頼らず、残留効果やパラドクスの攻撃に比重を置いたことはまずまずの正解だったと言える。
だが、やはり、分が良い訳では無い。解体少女の反撃は手痛く、二人に結構な傷痕を遺す結果となってしまった。
「テネブレーヌさん!」
「ええ! 心得てますわ!」
最後の投擲を終えた二人は互いに声を掛け合い、城壁から離脱する。
その肩を、胸を、背を鋸剣が切り裂くが、避難時の一刀が故に傷は浅い。流血を無視し、そのまま走り去っていく。
「やはり、城壁から離れようとはしませんね」
「追ってこられるとそれはそれで困る処でしたわ」
目に抱く闘志を萎えさせず、テネブレーヌは笑う。
(「襲ってきた敵を逆に返り討ちにするぐらいの気概はまだ、あるようですね」)
そっと溜め息を吐いた相真は、遙か遠くの景色となってしまったパリ城壁を見遣り、唇を歪ませた。それは何処か、虚無的な、しかし、好戦的な笑みであった。
心が折れなければ戦える。そしておそらく、あと一息であの城壁を突破出来る筈だ。間隙無く繰り出せば、パリ市街への到達も夢ではない。その時は目前に迫っていた。
「さぁ! 第三陣に期待ですわ」
テネブレーヌの言葉に、相真はええと首肯するのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
レイ・シャルダン
リュヌ君(g01655)と参加。
チーム外連携・アドリブ歓迎です。
まずはこの防衛ラインを突破しましょう。
敵は非常に強力との事、決して油断無きよう。
…なんて、心配しなくても大丈夫…だよね?
AIサイバーゴーグル【Boeotia】のテンプルを弾いて起動
アクロヴァレリア "Einheit_02"を点火して"飛翔"し、"空中戦"を展開します。
敵の注意を空に集める為に、所有武装をフル活用して
ありったけの弾幕を張りましょう。
そして、フライトデバイスの出力を最大にしてパラドクスを発動。
自身の残像と共に、敵に攻勢を仕掛けます。
地上に注意が行けば、空から、空に注意が行けば地上から。
仲間との連携で強敵を打ち破ります。
リュヌ・ドゥートランキルテ
レイ(g00999)と参加。
チーム外連携・アドリブ歓迎
よーし、正面突破だな!任せろ!!
…え、違う?こっそりと?
へへへ、レイは心配し過ぎだって!
なんとかする、してやるぜ!
油断はしないで、な
お気に入りの靴ジルウェットSJ1655を履いて
"ダッシュ"し、地上戦を仕掛け
"一撃離脱"、所謂暗殺。気付かれないくらい、速く
レイに任せ、オレは駆け抜け一撃を当てる
そう、一撃。一人一人に時間はかけていられない──
だから早く、速く、光速く。オレは前へ進む
そして素早く、確実に当てる一打を──用意しなければならない
その為に特訓をしてきたのだ
オレの足は空も翔る。足りないのなら、もっと引き出す
仲間との連携で強敵を打ち破ろう
「よーし、正面突破だな! 任せろ!!」
復讐者達による城壁突破の第三陣は、勇猛に。
リュヌ・ドゥートランキルテ(歩み出す心・g01655)の宣言に、しかし、レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)はふるふると首を振るのであった。
「りゅ、リュヌ君?」
勇猛と蛮勇は異なる物だ。危なっかしい彼の言動に、思わず心配の声を零してしまう。
「判ってる。こっそりと、だろ」
「……本当に判ってる? 心配しなくても大丈夫だよね?」
普段は冷静闊達な彼女だが、それでも彼を見ると焦燥に駆られずにはいられない。
「へへへ、レイは心配し過ぎだって! なんとかする、してやるぜ!」
「う、うん」
返ってきたあっけらかんとした声に、思わず頷く。
ふぅと溜め息を吐いたレイは、己の視界の大部分を占めるサイバーゴーグルを起動すると、いつもの言葉を取り戻し、紡ぐのであった。
「敵は非常に強力との事、決して油断無きよう」
「おう。油断はしないで、な」
そうして、二人による攻城戦――復讐者達が紡ぐパリ城壁を巡る第三陣が幕を上げたのだった。
走る。走る。走る。
全てを置き去りにし、光さえも後方に流し、リュヌはパリ城壁を走り抜けていく。
レイが紡いだ【飛翔】の残留効果はその脚に壁を、そして空すら駆ける翼を与えてくれている。それを携え、彼は駆け抜けるのだ。超高速――否、超光速で。
「この空はボクのもの、機動戦の極致……見せてあげる!」
衝撃波と蹴打、それによってトループス級クロノヴェーダ『解体少女』の群を切り崩すリュヌを援護するのは、レイによる全火力を投入した全身全霊の砲撃だ。中でも、空を駆ける彼女が、生み出した残像は解体少女達を翻弄、その攻性はトループス級達を制し、打ち砕いていく。
(「ああ、やっぱり心配だよ……」)
真っ正面から突撃し、次々と解体少女達を蹴り砕いて行くリュヌの攻撃は激しく、しかし、その一方で心許ない。
敵は城壁を陣取るトループス級なのだ。何れその脚は障害に止められ、彼女達の得物がリュヌに牙を剥くだろう。その時、敵陣真っ只中に立つ彼が、どのくらいの被害を受けるのか。想像して血の気が引いてしまう。
(「ボクが援護しないと!」)
その為のバディ。その為のパートナーだ。【飛翔】と共に放つ爆撃と斬撃は繰り出される鋸剣の斬撃に負けず、幾手を以て敵を吹き飛ばしていく。
「サンキューな、レイ」
援護に全てを彼女に託し、レイは蹴打と共に駆け抜けていく。鋸剣が、大刀が、己を切り、梳ろうとも気にしない。ただ、がむしゃらに前に立つ自動人形達を、そして全てを破壊していく。
「食らって驚け!」
猛禽の様な蹴りが、全てを平すように、解体少女達を呑み込んでいく。
そして、それはまさしく台風一過の様相を示していた。
「……ふぅ。此処がゴールかな?」
ようやく脚を止め、リュヌは額の汗を拭う。利き腕に付いたそれは赤く滲み、零れたのは汗のみではなく、出血もしていたかと、少しだけ感嘆を零してしまう。
斬り裂かれたのは額のみではない。全身に漂う疲労感に加え、切り傷の痛みも幾何か、身体を苛んでいた。どうやら戦場の興奮が冷め始めた事で、切り傷達が自身を主張し始めたらしい。
「リュヌ君っ!」
そこに追い打ちを掛けるのは、ようやく追いついたレイだった。抱きつきそうなほど急接近した彼女の表情は心配に彩られ、しかし……。
(「痛ぇ……」)
巻き上げた風に全身を打たれ、身体の各所が悲鳴を上げる。涙が零れそうだった。
「無事で、良かった……」
彼女が安堵しているのが判る。特訓の成果を見せる為とは言え、確かに無謀だったかな、とも思う。だが、男にはそれでも、止まれない時もあるのだ。そして、今がその時だった。それだけなのだ。
「言っただろう? レイは心配し過ぎだって。何とかなっただろう?」
実際、結果オーライも良いところであったが、事実、パリ城壁の陥落は叶った。成果だけ見れば、上々であった。
「……いや、それは私の援護が……うー」
その戦功の大部分を為した少女は、しかし、唸り声と共に言葉を呑み込んでしまう。
天真爛漫な笑顔を前にすると、それ以上の抗議が出来ず、ただ、唸ることが、彼女に出来た全てであった。
斯くして、復讐者達によるパリ城壁攻略の第三陣は幕を閉じ、彼らの前にパリの街が広がっていた。
1793年、パリ市街。そこは未だ、ナポレオン軍と革命淫魔達が攻防を繰り広げる、戦場であったのだ。
「さて、行くか」
「……そうだね。行こう」
応急処置を施した腕をパンと叩き、先を促すリュヌ。レイもまた、己の傷を包帯で縛り、その後に続く。
この先、まだ困難が続くであろう。だが、それを乗り越える。二人なら乗り越えられる。それは、そんな想いさえも紡ぐ、確かな足取りでもあった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
【落下耐性】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
レイ・シャルダン
リュヌ君(g01655)と参加。
チーム外連携・アドリブ歓迎です。
地下闘技場ですって。
何か漫画の世界見たいなことしてるんだねぇ。
ま、何はともあれ、頑張ってね。
(ポンっ)とリュヌ君の肩を押してあげましょう。
試合が始まる前に、先の戦闘での傷を活性治癒にて癒しましょう。
えっ?ボクですか?
女の子なので素手の殴り合いはちょっと…。
どうしても出た方がいい場合は、
良い戦いを演じながら投げ技を中心に…。
格闘技コンテストがいい感じの時にディアボロスである事を大々的に伝え
皆さんの中で燻っている熱い力を感じた事
ナポレオン軍とは我らディアボロスが戦う事。
革命の心を抱き、ともに立ち上がって欲しいと伝えます。
アルメア・グラウプナー
「流石はパリと言うべきか、街中に辿り着くだけでも一苦労だったな…」
・行動
地下闘技を通じた民衆への扇動か…ならば文字通り一芝居打ってやるとするか、はっはっは!
基本的には力に任せての殴る・蹴る・投げるがメインだ。
緒戦は圧倒していくが、勝ち進むに従い苦戦を演出していこう。そこからの勝ち方も守勢からのカウンター、大投げ、息を吐かせぬ連撃等、派手な物にしていくか。
勿論これらは全て【気絶攻撃】で行う。
お立ち台に上がれたならば、観衆へと呼びかける。
「諸君、これが『立ち向かう』という事だ」
「力を尽くせ、知恵を絞れ。各々がすべき事をすれば、必ず光は差すのだ!」
「さあ、貴殿らの立ち向かうべき相手はどこにいる!?」
リュヌ・ドゥートランキルテ
レイ(g00999)と参加。
チーム外連携・アドリブ歓迎
なんかワクワクするな!ドラマみたいだぜ
おーう、さんきゅさんきゅー。助かっちゃうぜ
で、レイは参加しないの?きっと楽しいぜ?
……ふ〜ん、そんなもんか。
じゃあまた今度、オレとやろうな
ま。安心しなって。オレもこの1年で成長してきたんだ──それなりにわかってるぜ
なんとかなる、その気持ちは前向きな想いから生まれるんだ
奮い立つ希望を持たせる──それが必要なんだぜ
花を持たせるやり方で戦います
普通に格闘技を色々と習得し始めているので、動きはおまかせで構いません
「流石はパリと言うべきか、街中に辿り着くだけでも一苦労だったな……」
パリ市街を横断しながら、アルメア・グラウプナー(フロイライン=ズィーリオス・g00637)はむむむと唸る。
流石は時先案内人にして、苦戦は必至と歌われたトループス級達だ。幾らか負傷したが、先の宣告通り、結果オーライだ。休憩で負傷も回復した以上、それはそれ、これはこれと切り替える。切り替えの早さも、彼女の持ち味であった。
そして復讐者達は、時先案内人が示した建物――劇場と思わしき大型の建造物へと足を向ける。
扉を開け、階段を下り、通された先に広がる光景は、円陣を組む人々と、その中心で、殴り合う一組の半裸男性の姿だ。それがここ、パリ市街に設置された地下闘技場における日常の姿であった。
地下闘技場。
それが、復讐者達が赴いた施設の名前だ。
「何か漫画の世界みたいなこと、してるんだねぇ……」
思わず零れたレイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)の独白に、「面白い」と沸き立ち、歩を進めるのはリュヌ・ドゥートランキルテ(歩み出す心・g01655)だ。
「なんかワクワクするな! ドラマみたいだぜ」
その熱気溢れる言動に、男の子だなぁ、と思わず笑ってしまう。
「なんだ? 坊主? 参加者か? 姉ちゃんもどうする? 女でも飛び入り参加は歓迎だぜ! オッズは高くなるけどな!」
げはははと聞かされた声は少々下品な響きを帯び、少し表情を歪めてしまったが、ともあれ、女性の参加は問題無いようだ。
「そうか。ならば私も出よう」
逡巡するレイに外衣を預け、ずいっと進み出るアルメア。その横に共に歩み出るリュヌは、姉のような同行者ににっと笑みを向けていた。
「レイは参加しないのか。じゃあまた今度、オレとやろうな」
「……判ったよ。ボクも参加するよ」
促され、そして彼女も歩を進める。不承不承と言う装いであったが、しかし、浮かぶその表情は晴れやかな物であった。
斯くして、復讐者達の参戦は、地下闘技場を大いに沸き立たせる結果となる。
力任せなアルメアの蹴打。華麗なレイの投げや払い、そして、リュヌの格闘技はパリ市民達を圧倒し、剥き出しの土床に鎮めていく。
(「ま、俺達が本気を出せば此処に居る皆、瞬殺なんだけどな」)
それだけ復讐者と一般人の力の差は歴然としている。
故に、リュヌはその境界を見極める。大人が子供に態と僅差を演じる様、細心の注意を払って拳を躱し、カウンターを決めていく。コンテスト上位者に僅差で敗北した。その経験は、彼らの成功体験になる筈だからだ。
その考えは、レイやアルメアにしても同じだったようだ。
「かーっ。惜しかった! あの拳が入っていたら俺の勝ちだったのにな!」
「東洋には柔よく剛を制すると言う諺があります。貴方の突進力が凄まじかったからこそ、派手な投げ技になってしまいました。……ごめんね?」
「いや、いいってことよ!」
なんだか、そんなドラマが繰り広げられていたが、それはそれ、と言う奴だ。後にパリの鉄拳王と呼ばれる中年男性とレイの熱い握手に、観客は一様に涙を零し、感涙にむせび泣く。
「ふふ! やるな! 姉ちゃん!」
「ああ、貴殿もな! 私をここまで苦しめた奴は久しいぞ!」
泥にまみれ、血にまみれ。容赦ない顔面殴打を受け、しかし、アルメアは(かなり手加減した)正拳突きで血気盛んな若造との応酬を重ねていた。
「だが、これで終わりだ! 女だてらによくやったと声援を受け、倒れろ! ――な、なん、だと?!」
男の跳び蹴りを胸に受け、しかし、踏鞴踏むのみのアルメアであった。尚、表情は些か苦しそうな色を形成していたが、その実、息すら上がっていない。一般人が行う渾身の一撃など、彼女に取っては涼風の如しだが、それでも、派手さの演出には、苦戦のスパイスが必要だ。
「貴殿はよく研鑽を積み、高みへと至っていた。だが、私の方が一枚上手だったようだな」
跳び蹴り――ドロップキックを繰り出し、地面に尻餅を突く青年の両脚を抱え、そのままぐるぐるとその場で旋回する。
派手なジャイアントスイングに、観客達が沸き立たない理由はなかった。回転すること数度。その後、アルメアなりに優しく地面に下ろした青年は、しかし、泡を吹いて己の意識を手放していた。
「……いやー、ちょっとやり過ぎかなぁ」
盛り上がる観客達を尻目に、リュヌは苦笑じみた笑みを浮かべる。
そんな彼らを、市民達の歓声が包み込んでいった。
「勝者! レイ・シャルダン選手! アルメア・グラウプナー選手! リュヌ・ドゥートランキルテ選手!」
そして地下闘技場で行われた格闘技コンテストも終局へと差しかかっていく。
会場を沸かし、場を温めた三者は、優秀な闘士として舞台へと招集される。此度の闘技大会に於いて、もっとも健闘したのが誰かと問われれば、参加者達は口を揃え、彼ら三人の名を挙げたであろう。
「さて。皆さん。もうお気づきかも知れませんが、ボク……私達はディアボロスです」
レイの言葉に、パリ市民達の中を動揺が駆け巡る。
ディアボロスこそ英雄。革命淫魔達が行った喧伝は、このパリ市街地下闘技場でも健在のようだ。
「彼らが……あの?」
「子供だてらに、強すぎると思ったんだ」
「俺なんてあのディアボロスに五分で引き分け、いや、最後には負けたけど、惜しいところまでいったんだぜ?」
そんなざわめきに、にかりとリュヌが笑顔を向ける。
「凱旋し、足を伸ばしたこの地下闘技場で皆の熱い気持ちを聞いた。凄いって感じたんだぜ」
「ですから、その力を貸して欲しいのです。我らディアボロスとは、ナポレオン軍の圧政に反旗を翻す者。そして、皆様には革命の心を抱き、共に立ち上がって欲しいのです。その力は皆様にあります!」
レイの鼓舞に、しかし、人々はざわめくのみであった。
確かに彼らは強い。だが、それでも、大陸軍の圧倒的な暴力に地下へと逃れた人々である事も事実だ。躊躇いを抱かない筈も無い。
だが。
「諸君、これが『立ち向かう』という事だ」
檄が飛ぶ。
声を発したのはアルメアであった。どんと地を踏み、拳を掲げる。その姿はまさしく、扇動者のそれであった。
「力を尽くせ、知恵を絞れ。各々がすべき事をすれば、必ず光は差す! さあ、貴殿らの立ち向かうべき相手はどこにいる!? この地下か? 否。断じて否だ! 諸君らの立ち向かうべき敵はただ一人――」
その指が指し示すのは天。――即ち、地上を圧する者達だ。
「ナポレオン軍だ。違うか?」
「そうだ。そうだ!」
鼓舞を、煽りを受け、一人の青年が声を張り上げる。
それが皮切りとなった。
「いつまでも燻っている俺達じゃない! そうだろ! 皆!」
「ああっ。歴戦の英雄が俺達を導いてくれる! 革命だ! 革命の時だ!」
「革命を! 純然たる革命を! 我らに勝利を! ディアボロスの加護を我らに!!」
宣言は騒然とした物と化し、いつしか唱和へと変わっていく。
「革命を! 革命を!!」
そして、叫びは坩堝のように、パリ市街地下に広がっていく。
やがてその熱狂はパリ市街全てを包み、呑み込んでいく。そんな予感を感じさせる唱和であった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ラストリベンジ】LV1が発生!
マリアラーラ・シルヴァ
看破に自信あるベーダみたいだから
マリアの思惑をわざと見抜かせるの
普通は一番偉い人(断片の王)って後ろで偉そうにしてるだけでしょ
でもナポレオン軍は一番偉い人が先頭に立つ勢いで全方面に戦いを仕掛けてる
絶対的な知略と武力への自信
そして留守を任せる部下への信頼がなせる戦略が
他所とは一線を画す存在だって分かるよ
きっとロマノフ王朝にも侵攻準備してるよね
だからこそマリア達は淫魔と手を組んだのだもの
絶対負けないんだから!
そんな恐れのあまり不用意な発言をした子供を【演技】しつつ
「侵攻準備してるよね」に反応するか見極めるよ
うまく行かなくてもディアボロス恐れるに足らずと侮らせて
他の皆の質問が通り易くならないかなって
ラウム・マルファス
少しでも情報を聞き出したいナ
嘘も演技も苦手だから、ロシアに攻め混むはずって前提で雑談しよウ
「やっほー、ラウムだヨ。さっきキミの部下に痛い目に逢わされたからネ、挨拶に来たヨ」
裏の意図とか無いヨ
「半分興味本意で聞くけどサ、キミたちって温度とか人間と同じように感じるノ?」
膝の球体関節に視線をやってから、女性には失礼カナと少し視線をそらすヨ
「この前ボク、ロシア行ったからサ。寒そうだナって思っテ。金属とかも持ってるとくっつくから、肌に水分があるなら武装換えた方がイイヨ?あと薬品も結構凍るから、低温用の潤滑油用意しておくとイイカモ」
って彼女が行く前提でアドバイスするヨ
凍って動けなくなったら可愛そうだからネ
歓声に沸く地下闘技場を後にした復讐者達が次に向かった先は、革命淫魔達が詰めるパリ大学であった。
そう。其処こそが此度の依頼の終着点。そして、彼ら同盟者たる革命淫魔達の救援こそが、今の復讐者達が為すべき事であった。
「あなたたちっていがいとつよくないのね」
革命淫魔達を得物で斬り裂きながら、アヴァタール級自動人形『シャルロット・コルデー』はつまらなさそうに形の良い眉を曇らせていた。
「――くっ。悪魔め……」
手鋏で抉られ、斬り裂かれた革命淫魔の一体が、呻き声と共に地面に伏せていく。敵もアヴァタール級であれば、自身のアヴァタール級。階級が同じである以上、物を言うのは実力差のみだ。
「同志よ! しっかりするのだ!」
「すまん。後はまかせ……た……」
駆け寄った仲間の胸の中で、彼は静かに脱力していく。眠るような最後に、駆け寄った革命淫魔は雄叫びのような嗚咽を零していた。
「救援は! 救援は未だなのか! 同志ロベスピエールよ! 貴方の言葉を信じ、我々は戦った! だが、この結果はどうか! 同志ディアボロスよ! 未だ、貴方達は来ぬのか!」
「……よくわからないけど? あなたも、いっしょのところに、おくってあげるわ」
そして、シャルロットの鋏が再び振りかぶられる。その鋭い切っ先は革命淫魔の喉を斬り裂き、物言わぬ肉塊に変える――その筈だった。
「もうしわけないネ。ちょっとだけ、遅れたヨ」
「その淫魔さんの治癒も急いで。大丈夫。後はマリア達が引き受けるよ!」
しかし、その一刀は、飛び込んできたドローン群と投石によって阻まれる。それを為した人影。それこそが――。
「おおっ。同志ディアボロス! 同志マリアラーラと同志ラウムではないか!」
「やっほー。コイツの相手はボク達。だから、キミ達はトループス級を頼むネ」
「大丈夫。前も言ったけど、マリア達は強いから。こんな奴には負けないよ!」
革命淫魔の声にラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は陽気な声で返答し、マリアラーラ・シルヴァ(コキュバス・g02935)はぐっと拳を握って彼らを鼓舞する。
二人だけではない。数人の復讐者達による介入は、劣勢を強いられていたパリ大学の旗色を変えるに充分であった。
任せたぞ、と駆けていく革命淫魔を背に庇い、二人はシャルロットへ対峙する。
「ふーん。まあだれでも、いいのだけど。あなたたちも、ちにそめて、あげる」
襲いかかろうとしたシャルロットは、しかし、その一歩を踏み出さず、踏鞴を踏む。二人の醸す雰囲気の前に、その一歩が踏み出せなかったのだ。
「そう言えば興味本位で聞くけどサ。キミたちって温度とか人間と同じように感じるノ? 寒いとか苦手だったりする方?」
ラウムの問いは唐突であった。シャルロットは刹那、瞬きをすると困惑で表情を彩る。
「マリア達は知っているのよ。貴方達が吸血ロマノフ王朝に侵攻準備しているって! そんな野望、許す物ですか! だからマリア達は革命淫魔達と手を組んだの! ナポレオン達になんか絶対、負けないんだから!」
「なにを、いってる……?」
ラウムのかまかけにも、マリアラーラのブラフにも、しかし、シャルロットは困惑の色のみを残していた。
(「あれ? この反応……」)
(「全然知らないカ、もしくは知っているけど、けむに巻こうとしていル、かなりの役者な反応だよネ」)
シャルロットの逡巡に、二人は小声で会話、彼女の言動を整理する。
「いや、もしもキミ達が征露を考えているなら、その準備をした方がいいかもッテ」
「ごちゅうこく、ありがとう。でも、そのしんぱいはないわ。あなたたちはここで、しぬのだから」
ようやく本調子を取り戻したのか、シャルロットは鋏を振るい、二人を攻撃してくる。その斬撃を紙一重で躱したラウムは、零れる前髪をはね除け、マリアラーラと互いに視線を躱した。
(「そう言えばここのナポレオンは歴史上、正史のナポレオンが為した偉業を模すことで獣神王朝エジプトへ攻め入ったんだよネ?」)
(「つまり、ロシア遠征に失敗した歴史があるからこそ、ナポレオンは吸血ロマノフ王朝への侵略を躊躇っている……と言う事?」)
故に、シャルロットは侵略の有無を知らないという事だろうか。
(「まあ、ロシア遠征――ロシア戦役はナポレオン衰退の切欠だからネ。再現したくはないだろうナァ」)
シャルロットが知らない以上、有益な情報を得ることは難しい。だが、おそらく『知らないと言う事実』こそが最上の情報なのだと、ラウムとマリアラーラは納得する。
「ふん。ならばマリア達も貴方に語ることはないわ! 倒しちゃうんだから!」
「よくわからないけど、かくめいいんまも、でぃあぼろすも、わたしがたおしちゃう。だから、おとなしく、しんで、ね」
斯くして自動人形の一刀が放たれていく。対する復讐者達も、彼女を倒すべく、各々がパラドクスを紡ぎ始めるのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【書物解読】LV1が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
アルメア・グラウプナー
「聞こえてこないかね、大将? このパリの至る所から、自由を、解放を、革命を望む、数多の人間の叫び声が」
「ああ、別に我々が何か大きな仕掛けを施した訳じゃないぞ。ただ――燻って消えるのを待つだけだった小さな火種に、ちょいとばかり油を注いでやったくらいかな、はっはっは!」
・行動
相手は高名な暗殺者の名を冠している存在だ、迂闊に近づきたくはないな。
という訳だ、基本的には中距離より射撃でちょっかいを掛けつつ様子を見ていく。
ガトリングでの【制圧射撃】【弾幕】やミサイルでの【爆破】【誘導弾】で味方の支援をしていこうか。
相手の動きが鈍ったら味方の攻撃に合わせて跳躍撃だ、真上からファイアヴェルクで叩き潰してやる。
アヴァタール級クロノヴェーダ『シャルロット・コルデー』の放った一撃は、しかし、鋭い金属音と共に止められる結果に集結する。
それを為したのは爆裂鉄球『ファイアヴェルク』。そしてそれを繰るアルメア・グラウプナー(フロイライン=ズィーリオス・g00637)の手腕だ。
「そんなおもそうなの、よくふりまわせる、ね」
「貴殿に言われたくないな」
ここぞとばかりに枝切り鋏も斯くやと言った巨大鋏へと持ち替えたシャルロットに、思わず苦笑いを零すアルメア。だが、矢継ぎ早の切っ先は彼女を捕らえ、その都度、ファイアベルクが甲高い悲鳴を発していた。
「ところで大将。聞こえるかね? このパリの至る所から、自由を、解放を、革命を望む、数多の人間の叫び声が」
「……うるさい、よね」
煽るアルメアの台詞に、律儀な返答を返すシャルロットであった。その淡々とした物言いに、思わずアルメアはにぃっと笑みを浮かべてしまう。
「まあ、貴殿を送る葬送の声にもなりかねんから、良く聞いておくがいいさ。ああ、この声だが、別に我々が何か大きな仕掛けを施した訳じゃないぞ。ただ――」
勿体ぶった表情で、言葉を区切り、そしてシャルロットを一瞥する。
訝しげな表情も、また、戦の良き肴となりそうだった。
「ただ……?」
「そう、ただ、燻って消えるのを待つだけだった小さな火種に、ちょいとばかり油を注いでやったくらいかな、はっはっは!」
哄笑と共に紡がれたのは、爆発と、そして、その反動で宙を舞う彼女の姿であった。鉄靴、鉄球、そして引き抜いた至近距離用散弾銃。その全てを以てシャルロットを圧し、地面へと縫い付けていく。
「――ほう。流石は歴史に名を残す暗殺者だ」
地面に降り立ったアルメアは、しかし、己の胸を押さえ、にぃっと笑む。
其処に逆袈裟と残るのは、鋏が為した斬撃であった。蹴りつけられ、押さえつけられた体勢で、しかし、シャルロットは斬撃を紡ぎ、アルメアを軍服ごと斬り裂いたのだ。
(「まあ、コイツもまた、まがい物だろうがな」)
だが、もしもコイツが暗殺の天使の名を持つ偉人のエネルギーを取り込んでいるのであれば、強敵には違いない。
己の胸から零れる血を拭い、しかし、アルメアは憮然と笑った。
「なかなかの強さだ。厄介だな!」
戦闘狂と呼ばれても致し方ない笑みで、彼女は再び、鉄球を身構える。
「でぃあぼろす、ころす」
そしてシャルロットもまた、大鋏を手に、殺意を漲らせるのであった。
成功🔵🔵🔴
効果1【飛翔】がLV3になった!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
ラウム・マルファス
革命なんて今まではニュースで見るだけだったし、内乱って感じであんまりいいイメージはないんだケド。だからって、市民が抑圧されていいわけじゃないしネ。だれも苦しまない方法があれば良いノニ。
他の人の戦闘中に一度距離を取って、ドローンをカラス型に換装。早業で爆薬を搭載するヨ。シャルロットの戦い方を観察しておこウ。あの正確な刺突はヤバそウ。ボクよわっちーから、何処に飛んでくるかわからないシ……トラップ生成でボクの周辺全部、踏んだら発動するスプリンクラーを設置。
味方の攻撃に合わせてカラスドローンで爆破攻撃。反撃は発動したスプリンクラーを目眩ましの撹乱にしつつ、飛翔で後ろに下がって致命傷を避けるヨ。
マリアラーラ・シルヴァ
お人形ベーダは知らなくとも
大陸軍の誰かが正史を知ってるから
侵略は躊躇われてる…
なら正史通りに攻めれば嫌がるし
時間軸が独特な謎の手がかりににならないかな?
考えるのは後回しだね
ベーダは素直なうえ困惑すると固まるクセがあるみたい
そこを突いて隙を作るよ
「学校で教わった必殺技で倒しちゃうね」
「違うよパラドクスじゃないよ必殺技だよ」
「ナポレオン学校では習わなかったの?」
カスタネットで応戦しながら必殺技を語り困惑させ
必殺技も知らないなんてナポレオンの部下失格だねって
分かりやすく挑発なの
きっと固まった所から感情任せの大振り攻撃が来るよ
そしたらパラドクスで後ろに回って
必殺「膝カックン」で転ばせる(倒しちゃう)ね
(「革命、カ……」)
目の前の自動人形、シャルロット・コルデーに視線を向けながら、ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)はその二文字を追う。言葉にしてしまえばただの文字。だが、目の前の少女――正確には、彼女が名前を奪った偉人だが――も、それに準じた一人では無かったか。
(「革命なんて今まではニュースで見るだけだったし、内乱って感じであんまりいいイメージはないんだケド。だからって、市民が抑圧されていいわけじゃないしネ。だれも苦しまない方法があれば良いノニ」)
外観や言動から勘違いされやすいが、ラウムは軽薄な男ではない。心優しき男なのだ。むしろ、そう演じている感は否めないが……。
「素直だね。でも、戦場で固まる癖は、良くないかな?」
カスタネットとタップダンス。パラドクスの域まで昇華したマリアラーラ・シルヴァ(コキュバス・g02935)の幻想が、シャルロットを襲う。
足音を置き去りにし、シャルロットの脇に、背後にと舞踏を演じた彼女が紡いだのは、幼い肢体に似合わない鋭い蹴打だった。衝撃と言うよりも刺突と言った痛みに、シャルロットは吹き飛び、しかし、空中で体勢を整え、着地する。
「だいじょうぶ。からだは、うごく」
反撃は、鋏の刺突だった。一挙に距離を詰められ、振るわれた刃は、マリアラーラの頬を浅く裂く。つつーっと零れた血痕は鮮明で、しかし、それよりも。
どくんっ。
心臓が早鐘を打つ。見れば、鋏に付着したそれは、マリアラーラの血液のみでなかった。緑色にぬらぬらと輝く液体。まさか――。
「まさか、毒?!」
こんな即効性で、且つ、ディアボロスをも侵す毒があるなんて!
パラドクスの一環とは言え、毒など、誤れば自身をも傷つけない諸刃の剣だ。それを纏った攻撃に、マリアラーラは戦慄してしまう。いや、それこそが彼女を彼女たらしめている技なのだろうか?
「きりきざむ? どくでたおれる? どっちでもいいよ」
「いや、それは勘弁だネ」
会話に割って入ったラウムは、ドローンによる爆撃でシャルロットを強襲する。空爆に併せて行った酸や凍結材の投下は彼女の衣服を、そして肌を焼き、自動人形の機構までも侵してくる。
シャルロットも毒使いならば、ラウムもまた、毒使いであた。いや、一介の科学者だヨ、と嘯きながら、彼は手業でドローンを操作していく。
「マリアラーラ。距離を置くんダ! 毒も正確な刺突もヤバいヨ!」
「あたり」
放たれたラウムの忠告はしかし、己にすら返る刃となる。
そう。逆説連鎖戦に彼我の距離は意味を為さない。無造作に振るったシャルロットの鋏は、しかし、空間の概念すら切り裂き、ラウムの胸を斬り裂いていく。シャツが血に染まり、はらりと解けるように地面へと零れていった。
「つぎはせなかから、かな。あなたたちも、ころすよ」
「やらせないんだから! マリアの必殺技、受けてみなさい!」
足を狙う蹴打はマリアラーラの紡いだ物であった。死角に飛び込み、膝、正確には膝に位置する球体関節に、回し蹴りを叩き込む。カクリと体勢を崩すシャルロットに、見事なステップを決めたマリアラーラは、びしりと指を差し、宣言する。
「ディアボロスはベーダに負けない! ナポレオン学校で習わなかったの?」
「ひっさつわざ……? なぽれおん……え? なに?」
困惑を紡ぐならば、これほど効果的な挑発もないだろう。シャルロットの表情は固まり、しかし、鋏の一撃はマリアラーラに、そしてラウムへと降り注いでいく。
(「うん。まあ、相応にダメージを与えられたかナ?」)
それが肉体的なダメージなのか、精神的なダメージなのか判らないけれども、とラウムは内心で笑う。
流石、とも思った。自身も悪魔の影響で道化を演じているが、その上で、クロノヴェーダすら惑わせる言動は、純粋に凄いと感じてしまう。
「行くヨ。マリアラーラ。敵を倒しちゃおウ」
「うん! マリアが学校で教わった必殺技、見せちゃうね!」
「たおす? あなたたちが、わたしを……?」
訝しげな表情は、そして憤怒の色を見せていた。当然と言うべき表情の移り変わりに、マリアラーラは真摯な表情を紡ぎ、ラウムは苦笑する。
二人の背後で、革命淫魔達による歓声が、広がっていた。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【フライトドローン】がLV2になった!
【壁歩き】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV4になった!
レイ・シャルダン
リュヌ君と(g01655)参加です。
チーム外連携、アドリブ歓迎です。
この反乱の機運の中、背中を支えて貰って戦えるのは、とても勇気が湧きますね。
ボク達も情けない姿は見せられません。
最後までがんばろうね!
腕をぐっと合わせる様にして。
ボクはフライトデバイスを起動し空へと駆けます。
構えるは一振りの剣『シュトライフリヒト』
【アクロヴァレリア】【Boeotia】の自動制御
【BlitzWalzer】と【Leprechaun】の機動を組み合わせ
機械と私の学んだ剣術を組み合わせ高速の近接戦闘を!
リュヌ君との高速連携を駆使し敵を圧倒しましょう。
貴女の隙は決して見逃さない!この一閃、針を通す如く!
リュヌ・ドゥートランキルテ
レイ(g00999)と参加。
チーム外連携・アドリブ歓迎
盛り上がってるな〜!
あぁ、オレたちも負けてらんねーぜ!
軽く柔軟を済ませ、戦場を駆け抜けて行きます
自慢の足と、この腕を振るう時です
空中を足場にし、空中での軌道を支配します
床としてだけではなく、壁や天井のような感覚でも扱えるので──変幻自在の軌道で向かいます
レイとの連携を駆使して、この一撃を当てに行く!
高速を越え、光速を抜け、閃光と駆ける
シシギシを決めに行きます
「盛り上がってるな~!」
リュヌ・ドゥートランキルテ(歩み出す心・g01655)が零したそれは、感嘆であった。彼のそれが向けられた先は、何もアヴァタール級と戦いを紡ぐ仲間達のみではない。
彼らの戦場の周囲は革命淫魔達の歓声に彩られ、そして戦場であるパリ大学の外、即ちパリ市街は――。
(「この反乱の機運の中、背中を支えて貰って戦えるのは、とても勇気が湧きますね」)
革命を呼び掛ける市民達の声に耳を傾けながら、レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)は感慨深げに頷く。
彼らを扇動したのは自分達。そして扇動者であり、先導者であるが故に、彼女の誓いはただ一つであった。自身らの情けない姿を彼らに見せるわけに行かない、と、それだけを想い、レイは拳を掲げる。
「最後までがんばろうね!」
「あぁ、オレたちも負けてらんねーぜ!」
そして二人は弾けるように戦場へと飛び込んでいく。
リュヌは真っ直ぐに駆け、それを守る様、レイは空を駆け抜ける。
目標はただ一つ。パリ大学に現れた襲撃者、アヴァタール級クロノヴェーダ『シャルロット・コルデー』をその一段であった。
「その守りを貫く!」
レイが繰るのは白銀の刺突剣であった。陽光を受け、煌めくそれは光すら置き去りにし、シャルロットを強襲、その肩口を貫いていく。
「――ッ!」
返す刀の刃は、しかし、レイの刺突を止める事は出来ない。弾かれ、鋏が空を舞う。驚愕に己の手を見つめ、しかし、そこは常識の慮外であるクロノヴェーダ。いつの間にか回収した鋏を出現、構え直す。
「一瞬だぜ、見逃すなよ!」
そこに強襲したのは、リュヌの閃光魔術――雷鳴纏いの踵落としであった。
その勢いは落雷斯くや。頭上を襲う一撃に、鋏を突き立てるべくシャルロットは右手を突き出し、――しかし、間に合わない!
鈍い音がした。それは彼女の頭を激しい衝撃が殴打した音だ。身体全体をたわませ、勢いを殺そうと試みる物の、しかし、首に、関節にと、様々な箇所が悲鳴を零し、痛みを訴えていた。
「レイ!」
「リュヌくん!」
刺突は、そして殴打はそれで終わらない。
針の穴すら通過しかねない一閃は、そして雷鳴轟かせる連打は、やがて高速を越え、光速すら越え、閃光のみを戦場に残していく。
それらに晒されたのは、伝説の暗殺者、シャルロット・コルデー。否、暗殺者の名を奪った自動人形の躯体であった。
「が、がが、ががががが」
悲鳴すら何処かへ置き去りにし、彼女の身体は対の暴風に蹂躙されていく。
「これで、終わりだ!」
「終わらせる!」
閃光の蹴りが、全てを斬り裂く斬撃がシャルロットを捉え、駆け抜けた。それはまさしく破壊の嵐。雷鳴と閃光すら孕み、全てを無へと帰す破壊の権化そのものであった。
全ての蹂躙が止んだとき、戦場に残されたのは四肢をあらぬ方向に曲げ、動きを止めた自動人形の遺骸のみであった。
そして。
「リュヌくん!」
「ああっ!」
高く掲げたレイの掌と、其処に伸ばされたリュヌの掌が重なり、ぱんと景気の良い音を立てる。まさしくそれは、事実上の勝利宣言であった。
そこに重なるのは革命淫魔達の歓声と、彼らに追い立てられ、逃走するトループス級クロノヴェーダ達の悲鳴であった。
「ああ、同志達よ! 同志ディアボロスよ!!」
「彼らに喝采を! 彼らに敬意を! 彼らに、そして我らに革命を!」
「革命を! 革命を!」
奮闘を讃える唱和は何処か心地良く、疲労困憊の身体に染み渡っていく。いっそ、このまま倒れてしまいたい。そんな誘惑が二人を襲う。
「……じゃ、帰ろうか。リュヌくん」
「ああ。パラドクストレインが待っているしな」
だが、復讐者達は歩みを止めない。止める暇は彼らに存在しないのだ。
歓声を背に受け、復讐者達はパリ大学を、そしてパリ市街を後にする。革命淫魔と市民達の唱和を、そして歓喜を糧に、彼らはまだまだ、戦い続けることを誓うのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV5(最大)になった!
【ダブル】LV1が発生!