『線形代魔』ベクターの文京区侵攻

 最終形態となった『TOKYOカテドラル』の戦いで、ジェネラル級大天使『トランペッター』の撃破に成功しました。
 これに加え、TOKYOカテドラルから得たデータの解析で、文京区の支配者『統治者』アルケーの本拠地が『東京ドームシティ』であることが判明しました。
 ですが、『TOKYOカテドラル』の撃破を好機と見た、文京区と敵対する豊島区のアークデーモン達が動き出しました。
 豊島区のジェネラル級アークデーモンの一体、『線形代魔』ベクターが率いる軍勢が、文京区の住民を殺戮して『畏怖』を奪うべく、新大塚方面から侵攻して来たのです。

 無辜の文京区の住民の殺戮を無視する事は出来ません。
『線形代魔』ベクターの軍勢を豊島区に撃退してしまいましょう。

春日通りの先にある(作者 大丁
2


#TOKYOエゼキエル戦争  #『線形代魔』ベクターの文京区侵攻  #文京区  #豊島区  #『線形代魔』ベクター 


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#『線形代魔』ベクター


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 公園内の遊歩道を使ってウォーキングを楽しんでいた老若男女。それが今は、襲い来るアークデーモンから必死になって逃げていた。
「アルケー様ぁ、助けてちょーだいよお!」
「僕、まだ死にたくない……」
「ああああ、ばぁさんや、しっかり、いまに『統治者』の大天使が来てくださる」
 トレーニングウェアの一般人たちは、文京区の住民だった。これまで、豊島区からの侵攻は完全に防がれていたためにパニックを起こし、足はおぼつかず、腰はまがり、手は宙をかきむしる。
 にもかかわらず、信仰の対象は救いにこない。
 アークデーモンたちは人間の姿を残していて、パーカーやスウェットなどを身につけているものの、身体の一部に結晶状の変異を起こしていた。
「ひゃははは、畏れろ、怖れろォ!」
 結晶はさらに鋭い矛に変化し、舗装された地面に縫い付けるようにして、被害者を刺し貫いた。

「TOKYOカテドラルを制圧し、ジェネラル級大天使『終末の音』トランペッターも撃破、イイコトですわ」
 時先案内人のファビエヌ・ラボー(サキュバスの人形遣い・g03369)は、西暦2014年の文京区行き車内で、ディアボロスたちに次の依頼の説明をしていた。
「これで東京ドームシティの攻略が可能になりました。ですが、その前にやる事ができましたね」
 豊島区のアークデーモンが、隣接する文京区に侵攻し、市民を虐殺して畏怖の感情エネルギーを得ようとしている。両区はもともと敵対していたらしく、TOKYOカテドラルの破壊を好機とみての行動だろう。
 ファビエヌは、椅子のあいだの通路を行き来する。
 いっぽうの扉口からもういっぽうへと、ハイヒールをコツコツ鳴らした。
 アークデーモンと大天使の位置関係に見立てている。
「本来、この市民を守るべき、文京区の大天使勢力は、わたくしたちディアボロスとの対決に備えて、本拠地に戦力を集中し、動く気はなさそうです。この列車に乗車した皆様には、新大塚方面に向かい、侵攻してくるアークデーモンを迎撃していただきますわ」

 まずは予知に出てきた公園だ。
「敵の先鋒部隊、一般人を襲うトループス級『讐倣玉人』を撃破してください」
 つま先が、前方扉口から通路へと動く。
「公園は大通りに面しており、一般人を逃がしたあとは、この通りを豊島に向かえば、本隊と出くわすはずです。魔導公爵警備兵『ウコバク』と戦い、可能ならば豊島区側に押し返してくださいませ」
 ガーターベルトが、着席しているディアボロスたちの前を過ぎる。
「逆侵攻が上手にできれば、豊島の様子も見れるかもしれません。ご褒美、ね」
 チラチラと大腿の白さを見せながら、サキュバスは中扉の前で止まった。
「部隊長であるアヴァタール級『宝石の悪魔デザイア』を撃破すると、配下の部隊は逃げ出すことでしょう。依頼は完了ですが、さらにその前にもうひとつ」
 黒手袋が人差し指を立てた。
「今回の任務では、戦闘中に、敵の指揮官である、『線形代魔』ベクターと遭遇する確率が高いのです。ベクターは、区の支配者ではありませんが、強力なジェネラル級です。充分に注意してくださいませ」
 指が、吊り革をつつく。
「ベクターの目的は、ディアボロスに関する情報収集と思われます。あえて、虚実を混ぜたお話をすることで、豊島区のアークデーモン勢を混乱させられたらイイですね。フフフ」

 ファビエヌは小悪魔的な笑みを浮かべたあと、ホームへと降りた。
「文京区の支配者『統治者』アルケーとの決戦前に邪魔が入ってしまいましたが、豊島区のアークデーモンともいずれは戦う必要がありました。これも、イイコトよ、ね」

 文京区侵攻を準備しているアークデーモンの軍勢。『線形代魔』ベクターは、号令をかけた。
「TOKYOカテドラルが崩壊した今、文京区の護りは失われた。これまでの鬱憤を晴らし、文京区の人間どもを略奪し虐殺し畏怖させるのだ!」
「うおおおお!」
「ひゃはははーい!」
「グジュルジュルジュル……!」
 悪魔たちの様々な掛け声が沸きおこる。
 部隊の指揮を、『宝石の悪魔デザイア』にゆだねると、ベクターの黒い兜は物思いにうつむく。
「TOKYOカテドラルを破壊したディアボロスが、文京区の人間如きを守る為に、迎撃に出てくる……」
 先鋒部隊が4車線のアスファルト道へ踏み出した。
 その進路を邪魔する奴らの姿を想像し、すぐにかき消す。
「イマジネイラは、その可能性は高いと予測していたが、納得は出来ぬな」


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
2
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【照明】
1
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【浮遊】
1
周囲が、ディアボロスが浮遊できる世界に変わる。浮遊中は手を繋いだ「効果LV×3体」までの一般人を連れ、空中を歩く程度の速度で移動できる。
【勝利の凱歌】
1
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【避難勧告】
1
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【友達催眠】
2
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【壁歩き】
1
周囲が、ディアボロスが平らな壁や天井を地上と変わらない速度で歩行できる世界に変わる。手をつないだ「効果LV×1人」までの対象にも効果を及ぼせる。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
1
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【使い魔使役】
1
周囲が、ディアボロスが「効果LV×1体」の通常の動物を使い魔にして操れる世界に変わる。使い魔が見聞きした内容を知り、指示を出す事もできる。
【水中適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV1 / 【ガードアップ】LV3 / 【アクティベイト】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV1 / 【ダブル】LV1 / 【ロストエナジー】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

大丁
 オープニングをお読みいただきありがとうございます。
 マスターの大丁です。

 今回は、『TOKYOエゼキエル戦争』にて、豊島区からきた『線形代魔』ベクターの軍勢を撃退して、文京区の人々を救うシナリオとなっております。

 トループス級アークデーモンはふたつ。
 一般人を襲う『讐倣玉人』と、侵攻本隊の魔導公爵警備兵『ウコバク』。
 ボス敵のアヴァタール級は、『宝石の悪魔デザイア』。
 さらには、ジェネラル級『線形代魔』ベクターとの遭遇もありえます。

 戦いに、冒険に。そして、ドキドキを。
 みなさまの素晴らしいプレイングをお待ちしております。
60

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


アルラトゥ・クリム
『神様は忙しくて、いま手が離せない』って歌通りな現状だね…
ま、それは天使も悪魔も一緒だろけど。

さあ、ショータイムだ。所場争いは、自分達だけでやりなよ!
カタギの方々を巻き込むんじゃない!

一般人と敵の間に割り込みつつ、剣形態に変形させたブレードガンに
PDで魔力刃を纏わせ、更に刀身を伸長させて敵を薙ぎ払う
最初の一閃の後は、各防具も併用して一般人を庇いながら逃がしつつ
負傷した敵から優先して各個撃破
余裕があれば、最初の薙ぎ払いを再度敢行
「ほら、へたり込んでないで尻尾巻く!ここは私達が引き受けるから!」

敵の反撃は、異形の結晶の軌跡を観察・看破して
魔力刃で弾き受け止め、可能なら撃ち砕く

アドリブ&絡み連携OK


如月・莉緒
安里(g02632)さんと

今まで一般人が狙われてるとこに来たことなかったけど、さすがにこれはイラッとするわ

得た力を守る意味ではなく、奪う意味で使う敵に心底イラついてる様子で

やり過ぎたら止めてね

そう安里さんにお願いしながら
敵が閃光を放つタイミングを【看破】し、隙は最小限に
連撃には【連撃】で返しつつ、【高速詠唱】で【天の鳥】を
現れた鳥達は敵の横をすり抜けるけど油断するかな

攻撃が外れたって?
そんなわけないでしょ。【フェイント】だもの

と【挑発】
【地形の利用】で爆発の効果が最大限発揮出来る場所へと誘導
【ダッシュ】で間合いを空け、爆発させる

【避難勧告】も兼ねてるし、これで一般人の犠牲も減ればいいんだけど…


幾ヶ谷・安里
莉緒(g04388)さんとともに参加。
一人称「自分」

悪魔の相手すると、どうしても天使の真似事になっちゃうんだよなぁ……ま、いいけど。
ん?あぁなに、止めやしないとも。その感情は正当なもので、やることも間違っちゃいないんだ。
何より、自分がやりすぎるかもしれないからね!

というわけで邪魔させてもらう。
お前たちのことも……まぁ、「何も想わない」。

だがしかし天使らしく【浄化】は狙おうか。
【連撃】の心得はあるし、それを見計らって回避優先。
【呪詛】の知識で、相手の「歪み」についても確認してっと。

天使らしく【飛翔】しながら、それでは皆様。
悪いが、惨めに無様に。地面に這いつくばれ。


緋詠・琥兎
一般人と讐倣玉人の間に入り
自分は讐倣玉人との戦線維持を
燈杜美は一般人の避難誘導を担う

燈杜美には自分が突っ走りそうになったや
讐倣玉人が自爆してきそうな時に演奏で警告を発してもらうように指示しておく


讐倣玉人との戦線に立ったら
パラドクスで発生させた獣を最前線にいる敵優先で放ち
足元を凍らせて足止めだ

移動は基本【飛翔】
足止めさせた奴から喰らっていく

呼吸法で継戦能力を維持し
連撃・連続魔法で薙ぎ払い
足止めと喰らう事を続けよう

魔弾は獣で対処
自爆特攻でグラップルで敵集団へ吹き飛ばし
【飛翔】で範囲外に逃げたりする

………やはり、その謳は自分のと同じ……
調べなければいけないみたいだな


アドリブ
絡み歓迎

讐倣玉人宿敵主


 『讐倣玉人』の集団が、整備された芝生を横断して遊歩道に迫るのを見たとき、文京区民とはまだ距離があった。
「悪魔の相手すると、どうしても天使の真似事になっちゃうんだよなぁ……ま、いいけど」
 幾ヶ谷・安里(無巡・g02632)は不平をこぼす。
 ともに駆ける如月・莉緒(恋愛至上主義・g04388)からもイラつきが伝わってきた。燃える砂に形を与えながら安里に請う。
「やり過ぎたら止めてね」
「ん? あぁなに、導くとも。けれども忘れないでくれ。その感情は正当で、莉緒がやろうとしていることも間違っちゃいないんだ」
 務めて優しい口調をし、目を細めた。
 炎の砂は鳥に姿をかえ、アークデーモンどもの脇をかすめて芝生に到達する。
 ゴウッと熱が吹き上がり、公園の緑が紅蓮にかわった。
 これには『讐倣玉人』たちも驚いて振り返り、侵攻が鈍る。
「なんだぁ?! 大天使の攻撃かぁ?!」
「鳥みたいなのとすれ違わなかったっけ?」
「だとしたら、ハズレだろ。自分たちの陣地を燃やしてやがる」
 確かにやり過ぎ感は否めないが、『天の鳥(ウーラニアプリ)』が注意を引いたことで、遊歩道の区民は凶器から逃れられた。
「攻撃が外れたって? そんなわけないでしょ。フェイントだもの」
 莉緒の機嫌はなおっていた。
 いままで、一般人の救出依頼には参加していなかったのに、話を聞いただけで感情を揺さぶられたのだ。
 炎があげる黒煙にまぎれて天使、安里は飛翔した。
「まだまだ止めやしないとも。何より、自分がやりすぎるかもしれないからね!」
「……言葉もないな。自分は、燈杜美に抑えてもらうよう指示しておこう」
 緋詠・琥兎(その身に潜むは破滅か。それとも朧げな標か・g00542)も飛翔し、オラトリオに後事を託した。
 眼下の敵をせん滅することは、それほどまでに気持ちをはやらせる。
 ともあれ、必要とされているのは、戦線の維持だ。『蒼影の捕食(アブソリュート・プレデター)』は、琥兎の影から生み出す、飢餓の獣。
 焼野原に落ちた影は、草履やパンプス、スニーカーといった、不揃いな足元に噛みつき、凍らせる。
 炎のつぎは氷。それを受けて、『讐倣玉人』は軽薄な態度をあらため、一団となって共鳴を始めた。
 琥兎は、がらにもなく眉をひそめる。
「……『謳』か」
「――滾つ軋みのままに。賊なるは滅さん」
「滅さん!」
 共鳴から魔弾が発せられる。
「カタギの方々を巻き込むんじゃない!」
 アルラトゥ・クリム(現代の魔法使い・g05088)は、魔弾を妖精型の魔導人形たちに防がせた。
 何体かは、防御障壁を破られて撃墜されたが、背後にかばった一般人は無事だ。
「私たちが引き受けるから! ほら、へたり込んでないで尻尾巻いて……」
 肩越しに声をかけたアルラトゥだったが、言葉をつまらせた。老夫婦が、互いを守ろうと抱き合っている。
 そして、逃げかけた若者たちが老人たちに手を貸そうと戻ってきていた。
「今のこんなTOKYOで……」
 アルラトゥのブレードガンが変形し、刀身が伸びた。
 意志と魔力が乗って、斬撃力が高まっている。人々の、損得に惑わされない行動が、彼女の秘めた純粋さを焚きつけたからだ。
 トループス級は、散開して猛攻を仕掛けてくる。
 各々が携えた、結晶から変じた数多の武器。アルラトゥには、その動きのすべてが見えた。
「『Slash Strike(スラッシュ・ストライク)』!」
 ただ一度の薙ぎ払いでガンブレードは、すべての結晶武器をはじき返す。
「ぐはあッ! 俺たちの無慈悲さを知らねえのか。それを想うなら、とっとと失せろ」
「お前たちのことは……まぁ、『何も想わない』」
 安里は結局、天使らしく悪魔の所業に浄化を施した。はばたく翼から、回転する無数の光の輪を放つ。
 光に結晶を砕かれたトループス級は、芝生のあった地面へと、無様に背中から堕ちていく。
 地上には琥兎の獣が待ち構えている。
 牙に貫かれた讐倣玉人の身体は凍りつき、這うことすらままならない。
「や、やめ……うがぁ!」
「お、お前ら、『謳』だ。もういっかい集中して……げふ」
 獣はアークデーモンを喰らう。
 その様を、琥兎は冷たい視線で見下ろしながら、つぶやく。
「………やはり、その謳は自分のと同じ……。調べなければいけないみたいだな」
「誰も、最後まで止めなかったね」
 凄惨な現場は莉緒が、鳥の爆破で跡形もなく吹っ飛ばした。
 アルラトゥは、文京区民の避難を確認し、仲間たちを公園が接する大通りのほうへと促す。
「所場争いは、自分たちだけでやりなよってんだ」
 そこには、侵攻軍の本隊が差し掛かっているはずだ。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【浮遊】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
【飛翔】LV2が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!

幾ヶ谷・安里
莉緒(g04388)さんとともに参加。
一人称「自分」


罪人扱いとは酷いなぁ。
自分たちはただ、奪われそうになったから、先に奪い返すだけなんだけどね?

【観察】しろ、【看破】しろ。
相手の大軍での動きには、絶対に穴がある。
【壁歩き】、相手が大軍で来るならその小回りが利かない場所を徹底的に潰すしかない。

そら、悪いことは言わないぜ?
君たちの領主に持ち帰って伝えないといけないことがあるんじゃないかい?
ここで引くことは君たちの名誉の傷とはならないとも、ベクター様は自分たちの情報を欲しがっているだろうし!

これで引いてくれるならよし。
引かないなら?勿論。

叩き潰すまでだ。


如月・莉緒
安里(g02632)さんと

安里さんが説得するのなら邪魔はせずに
相手の反応は【情報収集】と【観察】、【看破】で注意深く見つめる

相手に引く気がないのなら、こちらとしては引きたくなるまでやるしかない
【地形の利用】で常に相手の優位を取れるように、安里さんの動きには【臨機応変】で合わせて
【月夜の王】でダイヤウルフを召喚

炎ね…いったい、どこまで焼き尽くせば気が済むの?

これ以上、先には進ませない
先に進むのは私たちの方だから

【高速詠唱】、【連続魔法】で出来るだけ多くの敵の相手をしよう
必要なら【挑発】した上で、【全力魔法】をぶつける

だから大人しく引いておけばよかったのに…

そう、呟いて


アルラトゥ・クリム
次はアレを、向こう側まで押し返すのかあ…
うはー…結構ハードル高くない?まあ、やるけどさ…

PDでデモンドラゴンを召喚し
敵中に突入させて、その体躯とブレスを以て大暴れさせ
実際の被害以上に敵陣の混乱を招き、仲間への注意を逸らさせる
更に仲間の行動や攻撃の支援になったら上出来という感で

もし敵陣に修復困難な隙が出来たら、飛翔して隙間に潜り
向こう側をしかと観察して情報収集

敵の反撃に対してはダッシュやジャンプ、或いは飛翔して
一見逃げ回ってみせる事で、自分に意識を向けさせている間に
デモンドラゴンに敵の背後を襲わせ、逆に攻撃の機会に転化する
「余所見してると、事故っちゃうよ。こんな風に!」

アドリブ&絡み連携OK


「次はアレを、向こう側まで押し返すのかあ……」
 つい、ぼやいてしまう、アルラトゥ・クリム(現代の魔法使い・g05088)。
 大通りの4車線を全部占有して、トループス級アークデーモン『魔導公爵警備兵ウコバク』が駆け足でやってきていた。
「罪人を、捕縛せよ!」
「捕縛せよ!」
 集団行動の号令みたいな調子だ。さっき公園内で相手した不良生徒くずれとはおもむきが異なる。とはいえ、アークデーモンには違いない。
「うはー……結構ハードル高くない? まあ、やるけどさ……」
 アルラトゥが、チラと仲間のほうを見ると、彼女がぼやいているあいだに、幾ヶ谷・安里(無巡・g02632)と如月・莉緒(恋愛至上主義・g04388)も、相手の見定めを終えたようだ。
「罪人扱いとは酷いなぁ。自分たちはただ、奪われそうになったから、先に奪い返すだけなんだけどね」
「そう、これ以上は進ませない。道を進むのは私たちの方だから」
 ふたりは正面から突撃すると決めているらしかった。
 実を言えば莉緒は、安里が別の選択を持っていると知っていた。敵に対して交渉で軍を引かせるという。
 ほっとけない人だ。
 邪魔せず、好きにやってもらって、だめだったときは、などとフォローを考えていたけれども、ふたりして観察と看破を駆使したら、前出の方針に転換せざるをえなかった。
 突撃への変更を申しあわせたわけでもない。
 さきほどの会話で十分に意思確認できていた。お互いに、ほっとけない人だから。
「それじゃあ、ショータイムだ!」
 なんとはなしに仲間の空気を察して、アルラトゥは先陣をきった。
「デモンドラゴン……少しの間だけ、実体をあげるよ。さあ、私に従え!」
 魔力の根源を体外にだせば、『DragoRise(ドラゴライズ)』。巨躯でもって、敵中へと突入させられる。
 『ウコバク』は、跳ね飛ばされた数体の補充をすぐに済ませて、壁となった。
「デーモンか? 大天使なのか? 罪人にはちがいない!」
「捕縛せよ」
「捕縛せよ!」
 トループスが壁のまま、アルラトゥに殺到してくる。ここまでで、ディアボロス側への支援には十分だった。
 安里が大通りを挟む建物の片側、つまり本物のビル壁を歩いてわたり、人形を遣うポジションを得ていたから。
「叩き潰すまでだ」
 十指に結んだ糸を繰り出し、人形の踊りが立体的な軌跡を描いて、連続攻撃を仕掛ける。
 悪魔の警備兵は、一体ずつが削られていった。
デモンドラゴンのブレスとともに、敵前線はまもなく捕縛に必要な人員の確保が難しくなるであろう。
「魔導公爵の名を守れ、炎を注ぎ足せ!」
 くすんだ赤をまとった兵たちは、火を武器につかった。
「炎ね……いったい、どこまで焼き尽くせば気が済むの?」
 莉緒の舞いが加わる。
 雪の輪舞曲には『月夜の王(ヴァスィリャスフェンガーロゥユスティスニフタス)』、月毛のダイアウルフをともなっている。氷の一撃が、公爵にささげたはずの炎をかき消した。
「だから、大人しく引いておけばよかったのに……」
 呟きは、連続した高速詠唱のあいまに莉緒の唇からもれ、全力の魔法冷気が『ウコバク』を足止めする。
 やがて、ディアボロスたちの大暴れが、アークデーモン軍をじりじりと後退させはじめた。大通りの地形をみて、ビルから敵軍の頭上を抑えたのも効果があったようだ。
 豊島区との境界を越え、大通りに沿って押していくと、アルラトゥは思い至る。
「あれ……? アレの湧き出てくる先って、さ。サンシャインシティだよね?」
 彼女も、しかと『観察』し、また出身ディヴィジョンであることも手伝って、かの地が防衛拠点になっていると感じた。
文京区の『TOKYOカテドラル』に相当するような。
「やるだけ、やった。ハードルは踏み越えるモノ!」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【壁歩き】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!

冰室・冷桜
発動させた【飛翔】で飛び回りながらベクターを捜索
見晴らしのいいとこから見てくわ
見つけたら声をかけてご挨拶、攻撃はせず会話を試みる

ど、どもー、こんちゃっす
豊島の方の景気はイイ感じなのかしらね、こんだけ大規模に攻めてくるとか
前に偵察した時に見た街の様子と親分さんの感じとはちっと雰囲気が変わってるけど
あの区と同盟を結んだーっていう噂はほんとだったのかしら
口からでまかせの情報をあたかも仕入れたみたいな体で話しながら、反応を見ましょう

アタシらのやり口が理解できないーって風だけれども
こちとらアンタらのやり方の何もかもが気に入らねーってだけよ
だから、アンタらの目的達成が何よりもイヤなの
おっけー?


藤堂・晶 (サポート)
妖狐のワールドハッカー
15歳
口調は「女性的(私、~さん、ね、よ、なの、かしら?)」
敵には「女性的(私、アンタ、言い捨て)」
オタクでマイペースで面倒臭がり
サブカルに影響を受けた言動をすることも
出来れば1日20時間寝ていたい
働きたくはないが、オタク文化消滅は避けたいから戦う
リストバンド型PCを駆使して、現実空間をハッキング
物理現象や自分の身体能力を改変して戦う
さっさと帰って趣味(サブカル)の時間を確保したいので
他の復讐者との協力したり、残留効果(効果1含む)も利用したりと環境を整えた上で、敵の数や強さに合わせて最大効率を狙う
ネメシス形態は、20代くらいの容姿に変化し、赤丸数に応じて尻尾が増える


ヴェルゼ・バーガンディー (サポート)
「加勢に来たぜ!俺に出来る事そんな無ぇかもだけどよ!」
主に戦闘依頼に参加するが、調査依頼でも問題ねぇ、だけど
隠密行動とかは苦手だぜ

戦闘なら敵と真正面にぶつかり合いダメージを稼ぐ事に専念するぜ
仲間の剣にでもなるし盾にだってなれる!
「なめんじゃねぇぞ!」「俺に構うんじゃねぇ!行けぇ!」

調査の場合はモノ探しなら【飛翔】、救出なら説得用で【託されし願い】
復興支援とかなら【怪力無双】が役立つだろうぜ
何か物をぶっ壊したりするのも得意だ、兵器を無効化とか
「任しときな!ぶち壊すのなら前から得意だぜ!」

パラドクスは主にクロノヴェーダに向けて放つ
狂魔式は三式以外若干リスクがあるからそこに気を付けよう


 重ねた残留効果の目一杯、地上100メートルを飛び回っていれば、敵軍の配置から司令部を割り出すこともできよう。
 60階建て超高層ビルの半分にも満たないとはいえ、冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)の試みどおり、見晴らしは十分だった。ジェネラル級アークデーモンの真ん前へと降り立つ。
「ど、どもー、こんちゃっす」
 戦いにきたのではない。まずはご挨拶だ。
「……」
 髑髏のようなヘルメットのような、黒っぽい兜が冷桜を見据え、彼女の経路を確認するかのように、二度ほど上空を見上げた。背中の矢印まで、合わせて上下する。
「今の行動を記憶し、解析に回させてもらう」
 『線形代魔』ベクターは、そう宣言した。
 冷桜には「何が?」と逆に聞き返したい気持ちが湧いたが、もとよりこのベクターがディアボロスを理解できないでいるのは承知のこと。
 構わずに話を続け、反応をみることにする。
「豊島の方の景気はイイ感じなのかしらね、こんだけ大規模に攻めてくるとか」
 見回せば、当然敵兵だらけである。襲い掛かってこないのはベクターの指示なのだろう。
「……」
 ジェネラル級は黙ったままだが、無視しているわけではなく、続きを促されているように感じた。
「前に偵察した時に見た街の様子と親分さんの感じとはちっと雰囲気が変わってるけど。あの区と同盟を結んだーっていう噂はほんとだったのかしら」
 ややあって、黒兜が深く頷いたので、冷桜も眼鏡の奥で目を凝らしたのだが。
「お前の情報は記憶した。イマジネイラが解析して判断するだろう」
 話が通じるのか通じないのか、判別つかない。
 ベクターのほうは、また背中の矢印を揺らすので、ほかに注意を惹かれたらしい。それは、藤堂・晶(自堕落狐・g00909)が飛翔から着地したからで、ヴェルゼ・バーガンディー(菫色の叛骨心・g02195)もすぐ近くに降りて、冷桜を庇うようにあいだに入った。
「加勢に来たぜ! 俺に出来る事そんな無ぇかもだけどよ!」
 ジェネラル級相手に盾がわりになろうとしている。勇敢だ。
 晶はダラダラと歩いてきて、なにやらブツクサ言っている。
「豊島のサンシャインシティって言ったらさ。お向かいの通りなんか私らの聖地じゃない。ネットの知識だからよく知らないけど」
 ふたりのディアボロスに対してベクターは、言葉こそかけないものの、やはり動きをよく確認しているようだ。
 さっきから、一体なんだろう。
「お前たちの行動と情報は記憶し……」
「なめんじゃねぇぞ!」
 お決まりの台詞が言い終わるまえに、ヴェルゼが組み付いた。
『狂魔九式・魔獣咆哮撃』は、自爆のような技だ。
 くらったベクターはともかく、冷桜は普通人らしくびっくりし、晶は眠気がとんだ様子でリストバンドコンピュータにすばやくプログラムを走らせる。
「理解の実験にはうってつけ。『現実改変:天照(リアルハック・アマテラス)」
「だ、『だいふく』ーっ!」
 ワールドハッカーの疑似太陽も、メーラーデーモンの槍も、通じない相手と知りながら、繰り出さざるを得ない。それに、周囲の敵兵にも備えねば。
 実を言えば、ヴェルゼの自爆は、包囲をやぶる切掛けづくりだったのかもしれない。
 だが、彼の蛮勇をもってしても、その意気を封殺する力をベクターは持っていた。晶と冷桜の攻撃に対してもベクトル変更を加え、にもかかわらず自身はディアボロスたちから距離をとり、兵も一緒に下がらせた。
「解析に回させてもらう」
 また、あの言葉を残して。
 冷桜は、ヴェルゼの身体を背中から抱き支えると、飛びすさる矢印に向かって叫んだ。
「アタシらのやり口が理解できないーって風だけれども、こちとらアンタらのやり方の何もかもが気に入らねーってだけよ! おっけー?」
 もう、返事は返ってこない。かわりに腕の中で仲間がうめいた。
「あれは、俺たちの『残留効果』を調べてたんじゃねぇかな」
「教材は私たちのほうってわけ?」
 晶も、わずかに口を尖らせた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【完全視界】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV2になった!

幾ヶ谷・安里
莉緒(g04388)さんとともに参加。
一人称「自分」

宝石、欲望の悪魔、か。悪魔らしい悪魔そのもので安心感すらあるな。
莉緒さんとは似ても似つかん。
え、やっぱ莉緒さんもあぁいう宝石は好き?引っこ抜いてプレゼントしようか?あ、それはいらない。
もっと奇麗なの?しょうがないなぁ。

さてと。
【観察】し、【看破】しろ。
空中で逃れられないって言うんなら、その軌道を【ハッキング】するか。
あぁいや、【連撃】で捌き切るか。ついでに【浄化】もプレゼントだ、天使らしくな。
空に意識を向けてもらってる間にずどん、ってね。

サンシャインシティ、か。
なにかしら繋がりが見える痕跡がないか、しっかり【観察】【看破】して探っておくか。


如月・莉緒
安里(g02632)さんと

うわぁ…何か知能低そうな外見のやつが出てきた
欲望の悪魔だったら私も近くない?サキュバスだし

なんてくすくす笑って

宝石はまぁ嫌いではないけど、プレゼントしてくれるならもっと綺麗なのがいいかなぁ…

と贅沢なことを言って

さて、ちゃんと戦わなきゃね

【飛翔】を使って、こちらも【空中戦】を仕掛ける
魔力による光線は出来るだけ避けるつもり
安里さんがハッキングや連撃で隙を作ってくれたら
【高速詠唱】からの【流星槍】での一撃を見舞おうか
足りないなら【連続魔法】と【全力魔法】も合わせて

サンシャインシティへ【観察】と【情報収集】も行なって

ここまで来たんだもの。手ぶらで帰る気はないよ


大崎・朔太郎
アドリブ可
クリムさん(g05088)と連携。

光線に関しては街の皆さんにはゴメンナサイですが【飛翔】と【壁歩き】で上手く急転回して物の壁にぶつけて減らしていきますか。タイミング合わせればクリムさんにぶつけ合わせて相殺できるかも。

そして欲望を感知するのなら欲望を夢や願いに昇華すれば追尾は弱まるかもと【ハートフルハミング】。ささやかな日常と小さな幸福なんて貴方から見たら小さすぎる欲望を追えますか?そんな追尾とか関係なく聞こえるだけでダメージの僕のハミングで弱り続けますよ。

決定打にはならないかもですがクリムさんに繋げますよ。
何もかもあちらの想定外になりましょう。
お願いしますクリムさん!


アルラトゥ・クリム
朔太郎さん(g04652)と連携
アドリブ&絡み連携OK

…へぇ、上等じゃない。どーせ欲望と生存本能も区別できないだろーけど。
この世に生ある物の『生きたい』と願う原初の心の力、
その身で存分に味わうと良いよ…!

欲望を感じ取って追尾する?良いよ。幾らでも感じ取ると良い。
『生きたい』という、生きとし生ける物全ての、原初の意思を!
生き残りたいと願う心と、貴方の『欲望』とかいう精神エネルギー。
どちらがより、強き意思と力を発するか。力比べと行こうか…!

朔太郎さんがヘイトを買ってくれてる間に、詠唱を終えたら姿を晒し
彼へのヘイトを、こちらへ真っ向から引き受けたら
真正面からPDを叩き付け、ねじ伏せます!


 文京区にはみ出してきたアークデーモン軍に対するディアボロスたち。
大通りでの押し合いは、豊島の防御拠点に見当をつけられるだけの成果があった。この上で、一時的にでも文京区民への蹂躙を諦めさせたい。
「指揮官とやらが出てきてくれれば、決着つけられるかもなぁ」
人間型の敵を攻撃しながら、幾ヶ谷・安里(無巡・g02632)は、与えられた情報を振り返った。アルラトゥ・クリム(現代の魔法使い・g05088)が金のほうの瞳を閉じてウインクさせる。
「アヴァタール級の居場所ね。……因果律演算、むこうも焦れてるみたい。すっ飛んでくるよ」
「うわぁ……なんか、知能低そうな外見のやつが出てきた。あれじゃない?」
 如月・莉緒(恋愛至上主義・g04388)が指差すと、黒い球体が軍団の頭上を越えてくる。
 それ自体が頭だけのアークデーモンだ。額にあたる部分に、一個の宝石を埋め込んでいる。そして、莉緒の指摘どおり、ニタニタと大きな口で笑っている。
「おっきな宝石! 欲望の悪魔だったら、私も近くない? サキュバスだし」
 張り合うように、くすくす笑いをすると、安里はため息をついた。
「莉緒さんとは似ても似つかん。むしろ、悪魔らしい悪魔そのものな敵で安心感すらあるな」
 手近にいた少年のような姿の改造悪魔を張り倒すと、天使の翼をひらいた。
「こっちも空中で迎えるとするか。敵の軌道を看破してみせる」
「僕も囮役で上がりますよ。空は好きなので。それに……」
 大崎・朔太郎(若返りサキュバスアイドル・g04652)は、如月・莉緒とアルラトゥ・クリムの両方を見た。
「如月さんの言葉で対策が思いついたかも。クリムさんの攻撃に繋げましょう」
「わかった、朔太郎さん。力を集めて待ってる」
 アルラトゥは、地上の敵に向かいながら、その身を紛れ込ませた。朔太郎はビル壁に沿って上昇する。
「私、なにか言ったかしら」
「宝石がどうとか。やっぱ莉緒さんもあぁいう宝石は好き? 引っこ抜いてプレゼントしようか?」
 安里に寄り添い、ともに羽ばたくサキュバスは、贅沢を言った。
「宝石はまぁ嫌いではないけど、プレゼントしてくれるならもっと綺麗なのがいいかなぁ……」
「もっと奇麗なのだって? しょうがないなぁ」
 確かに、『宝石の悪魔デザイア』の額にくっついているものは、邪な輝きを放っていた。
「グジュルジュルジュルジュエル……!」
 口の端をきゅうと吊り上げた球体が、旋回しながら光線を何発も撃ってくる。光といっても屈曲し、安里たちに襲いかかった。
「瞬き厳禁、っと。『レイニーレイ』!」
 連続する光線に、弾丸の連撃で対抗する。撃つごとに空気中の水分が、安里の指先で凝縮されるのだ。
「ついでに浄化もプレゼントだ、天使らしくな」
 弾丸が悪魔に命中し、砕けた氷から聖別された飛沫がふりかかる。球体は、眉間にシワを寄せて、露骨に嫌そうにした。そこへ、ズドン。
「『Μετέωρο δόρυ』!」
 莉緒の投げた『流星槍(メテオロドリ)』が、串刺しにする。貫通した両方の開口部から、光のオーラが吹き出している。
「いまつくってくれた隙も、プレゼントかな」
 宝石の悪魔は槍を受けてもまだ、速度を落とす気配はない。莉緒は油断なく、つぎの連続魔法へと詠唱を重ねる。
 いっぽうで、宝石からの光線は、その精度が徐々に鈍くなっているようだ。
 朔太郎が、『ハートフルハミング』の声を響かせている。
 サキュバスは、いったん強い欲望を周囲に発した。宝石の悪魔デザイアの光線は、欲望を感知し、追尾してくる。そうして光線を引き寄せてから、歌の共鳴で、『欲望』を『夢』に昇華してみせたのだ。
「ささやかな日常と小さな幸福なんて貴方から見たら小さすぎる欲望を追えますか?」
 見えていた朔太郎の輪郭がぼやけてしまったのなら、悪魔は再び実体を捉えようと、空中で右往左往する。
「……へぇ、上等じゃない。どーせ欲望と生存本能も区別できないだろーけど」
 地上のアルラトゥが、詠唱を終えた。
「この世に生ある物の『生きたい』と願う原初の心の力、その身で存分に味わうと良いよ……!」
 暗闇に突如、まばゆい光がさす。
 見失っていた欲望の反応を眼下に見つけて、ついアヴァタール級アークデーモンは額の宝石をそちらに向けてしまった。
「『Ain Soph Aur(アイン・ソフ・オウル)』、この無限光に抱かれて……!」
 アルラトゥのパラドクスが、宝石の光線が発せられるよりも早く、それを焼いた。黒い球体を、虚無へと帰さしめる。
 そもそも悪魔が、光を求めてはいけなかったのかもしれない。
 豊島のアークデーモン軍も、指揮官を失って後退していった。
 これは、戦局の一部かもしれないが、ディアボロスたちは多くの命を救い、畏怖の感情を奪わせずに済んだ。
 いまだ大天使に支配されている文京区の地で、だ。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水中適応】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【友達催眠】がLV2になった!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV3になった!

最終結果:成功

完成日2022年06月24日