リプレイ
ラウム・マルファス
ボクもどっちかって言うと引き籠ってる方が好きなんだよネ
どーしょっカナ
まずは話を聞いてみよウ
「やァ、ラウムだヨ。キミにとってこの電脳秋葉原はどんなトコ?」
肯定の言葉の中には、きっと現実への否定が紛れてル
「ウンウン、認めて貰えるのって嬉しいよネ、ボクも外人扱いされて怖がられたり、仕事で無能だって怒られてたから良くわかル」
「でもさ、カシエルが認めてくれたんなら、こんなとこに閉じ籠ってていーノ?ここじゃカシエルのファン増えないでショ?外に出て、ファンを増やす活動してあげた方が恩返しになるんじゃナイ?」
パワーアップされても困るけどネ
ボク?ソラ(弟)がいれば現実でも仮想世界でも、地獄だって構わないサ
野本・裕樹
電脳秋葉原の信者さんにまずは話を聴きましょう。
『そちら』での生活はどうです?
『そちら』に住むきっかけなんかがあったら聴かせてくれませんか?
なるべく親身に、話の間は相槌を打つくらいで。
話したい事や愚痴があるなら時間の許す限り聴きたいです。
…もっと話を聴きたいのですが私もこれからやらないといけない事があります。
続きはできれば直接お会いして聴いてみたいですね。
私はそちらには行けないみたいです、貴方はこちらには来れないのですか?
直接会えるかはともかく外に出てやってみたい事はありませんか?
実際に出られずともまずはそれを考えるくらいは良いと思います。
あるのであればそれが叶う日が来る事を祈らせてくださいね。
河津・或人
俺もPvPにドハマリしたことあるなぁ
最上級ランクになったらすっげぇ皆から褒められて嬉しかったから、ハマるのわかるぜ
だけど…勝てなかったときに、明らかにそっぽ向いた人が多かった
『勝てる仲間』を歓迎してただけで『俺個人』を肯定してくれたんじゃなかったんだ
…侵略者から守って欲しいって言われてるんだろ?
それって、そういうプレイができるから頼まれてるんだよな
無理なら別にいいよ、私が守るから――みたいに言ってもらえたか?
今は楽しいしモチベも高いと思うから、こんな話で水差しちまってごめんな
ただ…もしものために『いつでも辞められる』『現実に帰ろうと思えば帰れる』
っていう選択肢を持つことを覚えておいて欲しい
●一人目
電脳秋葉原を護る強固な電子壁に、小さな綻びが出来る。
それは前に侵入した時に見つけたものであり、今回は侵入するための鍵となる『電脳世界の綻び』を使う。
向こうを見通すことも出来なかった壁にノイズがはしり、ワイプモニターのように小窓が開く。
「え?」
「おはようございます」
いきなり開いたモニター越しに話しかけられ斉藤は、動揺し携帯ゲーム機を落としそうになった。
「『そちら』での生活はどうです?」
丁寧に野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)が話しかけ、ますます斉藤は動揺し金魚のように口をパクパクさせた。
生まれてこの方、まともに話した女性はカシエルだけである。
まだ自分が話しかけられているという実感がないのだろう、他に誰か居るのではと辺りを見回している。
「『そちら』に住むきっかけなんかがあったら、聴かせてくれませんか?」
「え、いや住むって……そんなっ……天使が助けてくれただけで特に……」
斉藤は真っ赤になって、しどろもどろになりながら答える。
「やァ、ラウムだヨ。キミにとって、この電脳秋葉原はどんなトコ?」
「え、あぁ、はぁ。楽しいとこです。ボクに干渉する人もいないし、好きな事だけできるし……え、ええと、誰ですか」
ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)に声を掛けられた途端、テンションを下げ斉藤はボソボソと小声になった。
ボクもどっちかって言うと引き籠ってる方が好きなんだよネと、斉藤の気持が分かるのか、どーしょっカナとラウムは彼の反応をうかがった。
「ここならPvPの相手もいっぱいいるし、褒めてくれる人も多くて、俺なんかの話を聞いてくれるのが楽しいんです」
チラチラと裕樹の反応をうかがいながら、斉藤は続ける。
「俺もPvPにドハマリしたことあるなぁ。最上級ランクになったらすっげぇ皆から褒められて嬉しかったから、ハマるのわかるぜ」
ゲームの話をして来た河津・或人(エンジェルナンバー・g00444)に、斉藤の表情が輝く。
何と言うか、とても分かりやすい素直な男なのかもしれない。
「ウンウン、認めて貰えるのって嬉しいよネ、ボクも外人扱いされて怖がられたり、仕事で無能だって怒られてたから良くわかル」
「だけど……勝てなかったときに、明らかにそっぽ向いた人が多かった。『勝てる仲間』を歓迎してただけで『俺個人』を肯定してくれたんじゃなかったんだ……」
理解者だと輝かした瞳が、不安そうに揺れた。
「でもさ、カシエルが認めてくれたんなら、こんなとこに閉じ籠ってていーノ? ここじゃカシエルのファンも、君を認める人も増えないでショ? 外に出て活動してあげた方が効果あるんじゃナイ?」
「え、あー……そう、かな?」
ラウムに言われ思う事があるのか、斉藤は戸惑うようにゲーム機を見つめながら、チラチラと裕樹の表情を盗み見る。
「私も、そう思います。……もっと話を聴きたいのですが、続きはできれば直接お会いして聴いてみたいですね」
「ほ、本当に俺なんかの話を聞いてくれるのか?」
はいと裕樹が微笑むと、斉藤は何だか幸せそうな表情を浮かべていた。
「貴方はこちらには来れないのですか。直接会えるかはともかく、外に出てやってみたい事はありませんか?」
斉藤が考え込むのに合わせ、壁が揺らぐ。
「……侵略者から守って欲しいって、言われてるんだろ?」
「あ、あぁ。そ、そうだ。俺は守れる力があるって、凄く褒めてくれて……」
「それって、そういうプレイができるから頼まれてるんだよな。辛くなったら、無理なら別にいいよ、私が守るから――みたいに言ってもらえたか?」
――えっ。
斉藤はモヤッとした気持を抱いたまま、顔をあげ或人を振り返った。
何かが引っ掛かった。考えようと、気付かないで居ようとした何かに。
「今は楽しいしモチベも高いと思うから、こんな話で水差しちまってごめんな。
ただ……もしものために『いつでも辞められる』、『帰ろうと思えば帰れる』
っていう選択肢を持つことを覚えておいて欲しい」
「辞める、帰る……」
考えた事なかったという表情を、斉藤は浮かべた。
「実際に出られずとも、まずはそれを考えるくらいは良いと思います。あるのであれば、それが叶う日が来る事を祈らせてくださいね」
「は、はいっ! 考えます、いっぱい」
束の間の邂逅に、斉藤は様々なことを考えさせられ、揺らいでいた。
それこそ壁の護りが弱まる程に。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【トラップ生成】LV2が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
群・家豪
ベレニ・ディーテ(あそび心あふれる鎖使い・g05782)と一緒に行動
俺もゲーマーだから、引き篭りたくなるのはわからなくもない
が、だからこそ、言わせてもらうぜ
ただ漫然とゲームに興じるだけじゃ、それはただの惰性だ
適度に睡眠や食事、外に出て日光などの別の刺激を受ける事で
最高のパフォーマンスが発揮できるってもんだ
ゲームに打ち込むなら、より真摯に向き合うべきじゃねえか?
さ、あっちで呼んでるやんちゃ坊主の相手でもしてリフレッシュしたらどうだ?
それからまたゲーム三昧、最高だろ
ベレニ・ディーテ
群・家豪(百歩蛇王の落胤・g00098)と一緒に行動
「みんなーお外はええ天気で遊べるで。べレニと一緒に遊ばへん?」
ベレニは機械系はよく分からない。その陽気な性格なまま話しかけていくことにした。
「今日はそんなに暑くないしいい風やあ。さっきなんか、歩いてたらめんこい犬がめっちゃ近づいてきてヨシヨシしたんよー」
楽しさが伝わるように途中で笑い声を挟みながら、遊びの楽しさを伝えています。
笑顔の伝染とはよく言ったもんで笑う姿を見ると、自然と表情も明るくなり、障害も緩くなるといいんだけど...
今日も考えているようで考えていないベレ二です。
●二人目
「みんなー、お外はええ天気で遊べるで。べレニと一緒に遊ばへん?」
今度こそ幸せな人生を送ると、明るく振る舞うベレニ・ディーテ(あそび心あふれる鎖使い・g05782)は笑顔で真くんに話しかけた。
真の歳は、たぶんベレニと同じか少し下か。
手にしてる携帯ゲームの画面から、チラリと横目でベレニを確認しただけで直ぐその視線は戻ってしまった。
「遊んでるけど、何?」
「俺もゲーマーだから、引き篭りたくなるのはわからなくもない」
確率計算などのめり込めば何時間でも集中してしまうようなこともあると、群・家豪(百歩蛇王の落胤・g00098)は真の様子に共感する。
「……が、だからこそ、言わせてもらうぜ。ただ漫然とゲームに興じるだけじゃ、それはただの惰性だ」
「ふーん、そう。でも、ボクこれ以外やる事ないから」
「ベレニは機械系よく分からないけど、それおもしろいんやろか?」
好奇心を向けると僅かに、真の視線があがった。
だがその小窓モニター越しの、真の目はどこか頑なな光を抱いている。
「適度に睡眠や食事、外に出て日光などの別の刺激を受ける事で、最高のパフォーマンスが発揮できるってもんだ。ゲームに打ち込むなら、より真摯に向き合うべきじゃねえか?」
家豪の指摘に、真は暗い視線を返す。
「さぁ……。ボクは一度も外に出して貰った事ないし、他に何もしたことないから」
それにゲームの腕をカシエル様に買われて、ここに連れてこられたんだからと真は言う。
これは、ただの引き籠りじゃないと家豪は察する。
一度も出して貰った事がない。閉じ込められていたのだろうか。
「さ、あっちで呼んでるやんちゃ坊主の相手でもして、リフレッシュしたらどうだ? それからまたゲーム三昧、最高だろ」
家豪がベレニの方へと、真の視線を誘導すると、全面がモフモフした子犬の顔で一度埋まる。
「あんなぁ、さっきなんか、歩いてたらめんこい犬がめっちゃ近づいてきてヨシヨシしたんよー」
可愛いやろと、抱えた子犬をベレニは見せる。
人懐っこく、子犬はベレニの顔をなめ尾が千切れそうな勢いで振っていた。
くすぐったいと声を上げて笑いながら、真に子犬と楽しそうな自分の姿を向ける。
(「笑顔の伝染とはよく言ったもんで笑う姿を見ると、自然と表情も明るくなり、障害も緩くなるといいんだけど...…」)
聞こえて来た真の生い立ちを気にかけながらも、深くは考えず素直に気持を伝える。
「今日はそんなに暑くないし、いい風やあ。だから、外に出てきてみいへん」
その笑顔は、頑なだった真の気持を揺らがす。
「外……」
考えたことも無かった真は、ベレニが見せる本物の外の景色を見つめる。
まるでモニターが、本当に開かれている窓のようで、眩しそうに目を細めた。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ドレイン】がLV2になった!
壁が綻び絶対だったはずの電脳世界に綻びが生じ、弱まった防壁を通り抜け、ディアボロス達は電脳世界へと侵入する。
すると異物を直ちに察知した排斥力が働き、一同は巨大迷路の中にバラバラに飛ばされた。
無機質な、ゲームアナウンス音声が流れる。
『サバイバルゲームフィールドへようこそ。ここでは、ゲームのルールに従って頂きます』
武器は専用の、ビームサーベルにもなるゲーム銃。
パラドクスや魔法といった特殊な力は一切使えず、代わりに四文字で表現できるスペルという能力が与えられる。
『今回のNGワードは、“強敵必止"です。スペルにはNGワードを組み込めません』
味方や敵同士で同じスペルを使う事は問題ない。
更にポイントマーカーがそれぞれの背に一つと、もう一つ自分で位置を指定できるフリーマーカーが配布された。
『まもなくゲーム開始となります。プレイヤーの皆さまは、スペルの指定と、フリーマーカーの位置を決定してください』
敵の人数は、どうやらこちらと同じようだ。
きっとこの巨大迷路のどこかに、先程垣間見た二人も居るのだろう。
ゲーム開始に向け、ゆっくりとカウントダウンが始まった。
飛鳥・遊里
なるほど?文字で戦う…言霊みたいなもんかな?
とりあえず追加マーカーの位置だな。そうだな、あえて【額】に付けとくか。…分かりやすいってのは確かに弱点だけど、相手の攻撃がどこに向かうか丸わかりって言う利点もあるからな
で、設定するスペルは…【重量過多】
直接的な破壊力は持たないけど、当てることには大いに意味がある
チームで動く以上、必ずしも自分だけがポイント取る必要はないんだ。相手に足かせ掛けて他の誰かがポイント取れればいいんだからな
そう、チームだ。誰だって自分が活躍して、褒めたたえられたいだろうさ。けど、支援、援護だって必要不可欠な要素なんだ、たとえ目立たなくてもな。
さて…精々嫌がらせをしてやろうか
ラウム・マルファス
ゲームってあんまりやったこと無いナ
運動苦手だケド頑張ってみよウ
的は頭上に上向きデ
スペルは『常時反射』にしよウ
直接攻撃もスペルの効果も跳ね返すヨ
壁とかは背にしないで相手を探ス
初心者だし、勝つことに拘るよりもゲームを楽しみタイ
先に真が攻撃に来るカナ?
上から攻撃の気配が来たら上を向くヨ
頭上の的は後ろに行くから攻撃は当たらナイ
顔面に攻撃が飛んでくるけど反射されル
「怖っわ、アハ、危なかっタ……楽しくなさそうだネ。キミだけホントの戦場にいるみたいダ。無理やり戦わされてるのカイ?辛いならサ、逃がしてあげるヨ?カシエルだっけ、どんな人?」
内容をスマホで録音しよウ
相手によって対応を変えてるって証拠になるからネ
群・家豪
ベレニ・ディーテ(あそび心あふれる鎖使い・g05782)と一緒に行動
(最低迷路突入までは)
迷路の中でサバゲーか
敗者には絶対服従でも賭けたい所だな
どうした、ベレニ?
……ああ、スペルが決まらないか(納得顔
しょうがない、とっておきのスペルを教えてやるからこっちこい
(ベレニに耳打ち)
さて、俺のマーカーは左脇腹につけてそこを左手で庇いながら戦うとして
スペルは 呪文打消 でいくぜ
お互いにスペル抜きのガチンコ勝負に強制的に持ちこまさせてもらうぜ
迷路はガンモードで基本的に背を壁につけて
曲がり角毎にクリアリングしながら踏破
会敵したらスペルが発動しなくて焦る一瞬の間をついて
確実にポイントを取らせてもらおうか
ベレニ・ディーテ
群・家豪(百歩蛇王の落胤・g00098)と一緒に行動
「....思いつかへん」
べレニは家豪に教えて貰いながら文字を書いてみた。
「当らない」
あたらへん!うちには何もかもあたらへん!鬼ごっことかくれんぼは得意やねん
このマーカーは左手の平につけとこ
とりあえず色々なところ行ってみよか〜迷路なんてピラミッドの中みたいなもんや、がんばろ」
「敵さんおるかもしれへんから曲がり角のところは慎重に行った方がええよね。ギリギリまで誘い込んでバンや。隠れられるところがあるんやったら、そこに隠れて隙を見つけてマーカーを狙っていこ!相手より先に見つかってもうたら、背中見せへんように後退しよ。うちには「当らない」ねんから
野本・裕樹
武器は銃ですか。
あっ、ビームサーベル…剣にもなるんですね。
コッチの方が使い慣れていますしありがたいです。
マーカーは右上腕を指定。
利き腕は命の次に大事です。
スペルは“弾道見切”でいきましょう。
剣で勝負するなら寄らなければなりませんから。
剣で弾を斬り払ったりできるのかな?
剣主体は変則的かもしれません。
でも剣があるなら、ここなら勝てるという部分で勝負を。
スペルが上手く機能してくれれば銃より良い戦いができる筈。
もし斉藤さんに会えたら…
話を聞いてくれてありがとう。
ここで会えたという事は外の事、真剣に考えてくれたのですね。
答えは見つかりそうですか?
外で会えたら教えてください。
今は勝負を楽しみましょう?
河津・或人
うーん……この手の特殊ルールが入るのは未経験だ
みんな結構色々考えてるなぁ
『呪文複製』で、対峙してる相手とは同じスペルになる状況にするか
フリーマーカーは右足元に設定
利き手側は剣戟の時後ろに行きやすい足だしな
俊足跳躍の相手は火力射撃を警戒しつつ接近時は斬撃を見切ってカウンター
身代複製相手はマルチタスクになるんで、一番機敏に動く本体を集中攻撃
追尾射撃相手のときは壁などでマーカーを死守しつつ自分の追尾射撃で味方に相手の位置を知らせる
状況によっちゃ、近くにいる仲間のスペルをパクって臨機応変にハメてしまおう
普通に対戦する時ならしたくない事だが、今回は状況が状況だからな
●Now Playing
「なるほど? 文字で戦う……言霊みたいなもんかな?」
強制とはいえ、勝たなきゃならないゲームだ。追加用のフリーマーカーをどうしようかと飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)は、軽く思案し額に付けることにした。
分かりやすいのは弱点かもしれないが、相手の攻撃がどこに向かうか丸わかりという利点もある。
スペルも直ぐに決まったようで、出現した空中ディスプレイにサッと書き込んだ。
「武器は銃ですか。あっ、ビームサーベル……剣にもなるんですね」
ゲーム銃を操作し、ビームサーベルにすると野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)は、試しに素振りしてみた。
普通の剣とは違い、振る度に空を切る音が響き剣筋が一瞬残るのが、如何にもゲームといった感じがする。
「コッチの方が使い慣れていますし、ありがたいです」
利き腕であれば護りもしやすいだろうと、裕樹は右上腕にフリーマーカーを付け、スペルを登録した。
「…....思いつかへん」
次々と準備を進めていく他のディアボロス達を眺め、目の前の空中ディスプレイを眺め、ベレニ・ディーテ(あそび心あふれる鎖使い・g05782)は、途方に暮れていた。
こういう頭を捻ることより、身体を動かす遊びの方が気楽だ。
一方、群・家豪(百歩蛇王の落胤・g00098)ゲームのルールを飲みこみスペルを登録し、左脇腹にマーカーを付けた。
これで開いた方の手で庇いながら、戦うこともできるだろう。
「迷路の中でサバゲーか、敗者には絶対服従でも賭けたい所だな」
ふと気付けば、ベレニが難しい表情を浮かべている。
「どうした、ベレニ? ……ああ、スペルが決まらないか」
困ったように見上げるベレニの様子に、納得しニッと閃いた。
「しょうがない、とっておきのスペルを教えてやるからこっちこい」
耳打ちをし、説明するとベレニはさすが家豪と嬉しそうに、スペルを登録しに向かった。
「ゲームってあんまりやったこと無いナ。運動苦手だケド、頑張ってみよウ」
ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)はスペルを登録すると、頭の上にマーカーを付けた。
形あるものであったなら、お皿を乗っけたような生き物の姿が一瞬浮かびそうだ。
「うーん……この手の特殊ルールが入るのは未経験だ。みんな結構色々考えてるなぁ」
どうしようかと、河津・或人(エンジェルナンバー・g00444)が考える中、開始までのカウントダウンは30秒を切っている。
スペル、呪文……上手く発動すれば色々出来そうだと思いついたスペルを登録し、フリーマーカーを右足元に設定した。
10、9……5……2、1……。
ゲーム開始のブザーが鳴り、辺りの景色が変わっていく。
一同は高さ三メートル程の壁で区切られた巨大迷路の中に、バラバラに飛ばされた。
同じ位置に飛ばされた者はおらず、相手の位置も分からない。
合流を考える者、とりあえず迷路の中を進んでみる者、敵を探す者。
一斉にプレイヤーは動き始めた。
最初に敵と遭遇したのは、裕樹だった。
「斉藤さん?」
向こうの角から現れた姿に、思わず声をかけたが反応が無い。
銃を構えたまま、ゆっくりと近付いてくる。
「お会いできましたね」
もう一度呼びかけるが反応は無く、代わりにゾロゾロと斉藤が曲がり角から出現し、一斉にレーザーを撃ってきた。
相手のスペルは“身代複製”だ。
「斉藤さん、話を聞いてくれてありがとう。ここで会えたという事は外の事、真剣に考えてくれたのですね」
思わず裕樹は防御の構えを取り、“弾道見切”を発動した。
どこまで通用するか分からないが、見切ることが出来れば懐に入ることも可能だろう。
「剣で勝負するなら、寄らなければなりませんから」
だが見切るべき弾丸は、見当たらない。当たってはいるが通り抜けていくだけで、マーカーに触れても反応が無く消えていくだけ。
あくまでも複製は身代わり。だから、攻撃をする力もポイントも無いのだ。
そうと分かれば怯むことは無い、裕樹は斉藤の群れに斬り込んでいく。
「答えは見つかりそうですか。今は勝負を楽しみましょう?」
そこへ、もう一人敵が飛び込んでくる。
素早く距離を詰め、青年が裕樹に斬りかかってくる。この相手は“俊足跳躍”だ。
奥より放たれた複数レーザー弾の一つに、身体が反応する。
斉藤本体の攻撃だろう、弾道を見切り斬りはらい、ビームサーベルで青年の攻撃を受け流し、もう一度斬り込もうとする。
だがその時には青年の姿は無く、高く跳躍し逃れていた。
その青年に向かって、“重量過多”が働き青年は落ちていく。
「直接的な破壊力は持たないけど、当てることには大いに意味がある」
戦闘の音を便りに合流した、遊里のスペルが相手の動きを制限する。
「チームで動く以上、必ずしも自分だけがポイント取る必要はないんだ。相手に足かせ掛けて、他の誰かがポイント取れればいいんだからな」
落とされた青年も斉藤本体も、突然の重量に地面に這いつくばり藻掻いていた。
動けない相手であれば、遅れを取ることは無い。
マーカーの位置をしっかりと確認し、ポイントを確実にとっていくのであった。
「さて……精々嫌がらせをしてやろうか」
次はどこへと遊里が視線を向けると、向こうで壁の上を跳んでいく真の姿が見えた。
真が狙うのは、相手を探し迷路を進んでいるラウムの頭上。
跳躍相手に無防備に見える背中と頭上のマーカーは、真にとってとても無防備なものに見えた。
「迷路だからって、壁の上から狙っちゃいけないなんてルールは無いからね」
ポイントもーらいっと、レーザー弾を放った。
「初心者だし、勝つことに拘るよりもゲームを楽しみタイナ」
そうキョロキョロと分かれ道を覗きこんでたラウムは、何かの気配に気付き振り返るよう見上げた。
その顔面にレーザーが当たり反射し、油断していた真の手の甲についてたマーカーを撃ち抜いた。
攻防一体の“常時反射”のおかげだ。
「怖っわ、アハ、危なかっタ……楽しくなさそうだネ」
壁の上にいる真に話しかけながら、ラウムはポケットの中でスマホの録音機能を作動させた。
「くそっ、油断した」
「キミだけホントの戦場にいるみたいダ。無理やり戦わされてるのカイ?」
「ゲームだよ、ゲーム。いっぱい遊んでるだけ」
何だよこいつという苛立ちを隠す様子もなく、真は仲間の位置を確認していく。
「辛くなイ?」
「別に辛くなんて……」
「だったらもっと楽しんだらいいと思うヨ。カシエルだっけ、どんな人?」
「どんなって、優しい人だよ。お姉ちゃん……っていうか、たぶんお母さんがいたらあんな感じ何だろうって……」
そこまで言いかけたところで、真の背後より或人が背中のマーカーを狙い壁の向こうより跳びあがる。
“呪文複製”で真のスペルをコピーしたのだ。
まさか同じ能力を使って来るとは思わなかった、真は慌てて壁の上を走る。
そのまま或人は追いかけようとしたが、新手による“追尾射撃”を受け、足を止めることになった。
レーザー弾に追いかけられ厄介だと感じていると、その弾が重量を増やされ、地面に着弾した。
どうやら、遊里が駆け付けて来ていた辺りまで移動してきたようだ。
一方、レーザー弾を発射した敵は、ラウムの“常時反射”によって動けない状態に陥っていた。
撃てば確実に当たるが、反射される。
あと一人誰かが合流すれば拮抗は崩れるが、期待するのは難しいだろう。
反射しながら距離を縮め、ラウムは武器をビームサーベルにするとマーカーを取ったのであった。
その頃、家豪は銃を構え背を壁につけるようにして、曲がり角毎にクリアリングしながら進んでいた。
いくつかの角を曲がったところで、一人の敵と遭遇したが撃ち方も狙いもなってない。
恐らくスペル頼りだったのだろう。“呪文打消”でその効果は消えている。
「お互い、スペル抜きのガチンコ勝負に、持ちこまさせてもらうぜ」
急にそんなことを言われてもと、敵が焦っている間に、家豪はあっさりとマーカーを撃ち抜きポイントを獲得した。
他でも順調にゲームが進行しているようで、残る敵の数は二人。
やけに賑やかな音を立ててる戦場からは、ベレニの笑い声が聞こえていた。
「あたらへん! うちには何もかもあたらへん! 鬼ごっことかくれんぼは得意やねん」
楽しそうに鬼ごっこをしているベレニは、次々と向かってくる身代わりに向かってレーザー弾で撃ち合っていた。
フリーマーカーは、握りしめたままの左手の平の中にある。
身代わりの攻撃は当たっても平気だと気付いたものの、撃たれれば身体は多少反応するし、念の為背中を見せないよう後退していた。
しかし、この戦いとても不毛な状態に陥っていた。
「うちには『当らない』ねんから、こわないで!」
ベレニのスペルは“当らない”だ。
とはいえ、少年を追いかける相手は痩せ細っており顔色の悪いオタク感強めの男だ。
少し離れて見ると、大量のゾンビに追われているようにも見え、少しホラー染みている。
「とりあえず、色々なところ行ってみよか〜。迷路なんてピラミッドの中みたいなもんや、がんばろ」
冒険気分で進んでいたベレニの目の前に、身代わりの彼らが現れ現在に至るのだが……。
ここに問題があった。
身代わりはポイントになる攻撃を出来ない。
そしてベレニに攻撃を仕掛けたとしても、“当らない”が実はベレニが撃ったレーザー弾も当たらなくなっていた。
そして本体を見つけられていないベレニは、そのことには気付けず銃撃戦が長引いていた。
その硬直した事態を動かしたのは、壁の上から飛び込んできた真と或人だ。
状況を理解した真は、レーザー銃をビームサーベルに切り替えベレニに斬りかかる。
「うわっと。残念やったな、うちには攻撃は当たらないねん」
「ダメか……斬れば突破できると思ったのに」
真は舌打ちをした。この様子では、どんな攻撃をしたとしても、ベレニが『当たる』という概念を持っている以上、このスペルの攻略は難しい。
もしかすると彼の側に居る者は、何をやっても当たらない可能性がある。
「……素人の癖に」
悔しさを滲ませ、真は他の相手を探そうと顔をあげる。
だが、その一瞬の隙に或人が男の本体を見つけ、上から急襲し攻撃していた。
或人の攻撃が当たる度に、身代わりが一体消えていく。
そうしている間に全ての身代わりが居なくなり、男は倒された。
早く逃げなければと焦り跳ぼうとした真は、普通にしかジャンプが出来ず驚きを浮かべた。
「ベレニ!」
「家豪、少し振りやねー」
近付いてくる家豪の姿に、ベレニは呑気に手を振り返す。
真の姿に気付いた家豪は、自分のマーカーを示しポイントを取るようベレニに合図した。
「そやったね。ギリギリまで誘い込んで、バンやったね」
ベレニはレーザー銃を真の背に向けると、引き金をひいた。
今、ここは“呪文打消”の状態で、“当らない”スペルも無効。だからベレニのレーザー弾は真のマーカーを貫いた。
ゲーム終了を告げるブザーが鳴り、排斥力は崩れていく。
「そんな……ボクがこんな素人に負けるなんて……」
青ざめて打ちひしがれている真に、ベレニは手を差し出した。
「とってもおもろかったねん。また、一緒に遊ぼなー?」
ベレニの笑顔に、真はキュッと口を真一文字に結び、その手を握り返し消えていく。
「今度は負けないからな!」
迷路が消えると、そこにはマキナエンジェルが待ち構えていた。
その傍らにはホログラムのカシエルの姿があり、熱い声援を送っている。
「もー、やっぱり便りになるのはマキナだけね」
「カシエルたん待っているであります。我輩に任せるのであります!」
マキナエンジェルが両の手にした剣を、構えるのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
【温熱適応】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
【トラップ生成】がLV3になった!
効果2【命中アップ】LV3が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV2になった!
野本・裕樹
ちょっと悩んでもらいましょうか。
なんでもアナタは魔法少女が推し?だとか。
魔法少女というと、『変身』なんて単語が私は浮かんできますね。
ところで私もこういう事ができるのですが。
【エイティーン】を使用し18歳の姿に…多少変わる事を見せられれば十分です。
カシエルさんが変身するかはともかく。
今の私は18歳の姿をしています。
ちなみにいつ使ってもこの姿になります。
例え何十年後だろうと。
わかりますか?
アナタが信じる魔法少女も例外なくやがて大人になるのです。
お酒やタバコを吸う魔法少女、旦那さんや子供がいる魔法少女…。
受け入れられます?
魔法少女で本当に大丈夫ですか?
カシエルさんを永遠に少女として見続けられますか?
●理想と現実
妄信的にカシエルに従っているマキナエンジェルの様子を見て、野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)は考えた。
(「ちょっと悩んでもらいましょうか」)
ほんの少しでもいい、その信仰を揺らがせられればいいのだから。
「なんでもアナタは魔法少女が推しだとか」
魔法少女というと、『変身』なんて単語が私は浮かんできますねと話しかければ、マキナエンジェルは人の身体であったなら鼻息荒く魔法少女の変身について熱弁した。
その内容の殆どが頭に残らず、通り抜けていったが。
「ところで私もこういう事ができるのですが……」
エイティーンを使用し、裕樹は18歳の姿に。
髪を切り少し大人っぽくセットし、メイクも変わっている。
現在17歳の為、大きな変化は無いが、大人っぽくイメチェンした姿になるだけで、女性は別人のようになるので十分だろう。実際の裕樹がこんな18歳に成長するかは不明だ。
「カシエルさんが変身するかはともかく、今の私は18歳の姿をしています」
「それが、どうしたのであります」
「ちなみにいつ使ってもこの姿になります。例え何十年後だろうと」
その意味がわかりますかと、裕樹は問う。
一瞬、何を言っているのか分からないといった様子で、マキナエンジェルは単眼を瞬かせる。
「アナタが信じる魔法少女も例外なく、やがて大人になるのです。お酒やタバコを吸う魔法少女、旦那さんや子供がいる魔法少女……受け入れられます?」
「え、いや、カシエルたんは永遠の魔法少女だから……」
「そうだよ! 何言ってんの魔法少女は永遠なんだよ! 分かってないなー女狐は」
すかさず反論したカシエルは、らしくない言葉を口走ったことに気付いていない。
――本当に?
「魔法少女で、本当に大丈夫ですか? カシエルさんを永遠に少女として見続けられますか?」
「ちょっと、マキナを惑わせないで! あなた夢を見せるって分かってないのね……!」
追及する裕樹に反論するように、カシエルがかみつく。
そこに魔法少女らしさはなく、ただの女としてのカシエルの姿しかなかった。
成功🔵🔵🔴
効果1【エイティーン】がLV2になった!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
河津・或人
魔法少女ものは専門外だが…
あれって大体一年ぐらいでメンバーや世界観が入れ替わるよな
やっぱり地球や街を脅かす存在から人々を守って
自分の戦いが終わるって目標を達成して綺麗に話が纏まるからだよな
カシエルもあと半年ぐらいは頑張るだろうけど、その後はどうするんだ?
ずっと電脳秋葉原を守り続けるのか?
何期にもわたって放送してる魔法少女の戦いに近いけど…
ならば絶対に欠かせない要素があるな
それは…新キャラだ
ライバルかもしれないし相棒(バディ)かもしれない
実はラスボスの記憶を失くした形態もアツいな
新キャラいいな…見たくないか?
それもとマキナはそういうの一切ディスって古参面する、迷惑カシエル老害ファンか?
ラウム・マルファス
「ヤッホー、ラウムだヨ」
笑顔でご挨拶
「カシエル、真って知ってル?ココに来るまでのゲーム空間を護ってた子なんだケド。マキナは交流無いだろうけど、声くらいはわかル?」
知ってるなら「じゃあこれさっきの真との会話なんだケド」って録音を聞かせてみよウ
「おかーさんだってサ。素敵だよネ。きっと、真にとっては包容力があって甘えさせてくれて護ってくれそうな人なんだネ。魔法少女とは真逆な気もするケド」
ドローンから、託されし願いで、今の真と斉藤の様子も映そうカナ
少しでも動揺したら畳み掛けようカ
「相手によって態度を変えるのは当然サ。TPOは大事だし、カシエルはアイドルなんでショ?じゃあビジネスとして当たり前だよネ」
若干、間に入りづらい女性同士の冷戦に、マキナエンジェルが怯んでいると、ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)が胡散臭い笑顔を浮かべた。
「ヤッホー、ラウムだヨ」
怖いもの知らずなのか、ヒラヒラと軽く手を振り挨拶しながら場に踏みこみ。
「カシエル、真って知ってル? ココに来るまでのゲーム空間を護ってた子なんだケド……マキナは交流無いだろうけど、声くらいはわかル?」
クロノヴェーダが信者全員を覚えているか分からないが、壁の役目を受け持ってた信者だと説明し、レコーダーを取り出す。
「これ、さっき真って子と話した会話なんだケド」
ゲームの最中に、ラウムは真と遭遇しカシエルがどんな人か聞いていた。
真は、『たぶんお母さんがいたらあんな感じ何だろう』とカシエルのことについて答えていた。
「おかーさんだってサ。素敵だよネ。きっと、真にとっては包容力があって甘えさせてくれて護ってくれそうな人なんだネ。魔法少女とは真逆な気もするケド」
追及するように、ラウムは魔法少女姿のカシエルに近付く。
「そ、それは、その子が魔法少女みたいな人をお母さんに欲しいのよ。そうだわ、きっと……」
少女なのにお母さん。さすがに、色々と苦しい気がする。
先程の話に続き、マキナエンジェルのテンションが若干下がっているのか、口数が急に少なくなったような気がする。
「魔法少女って、大体一年ぐらいでメンバーや世界観が入れ替わるよな」
魔法少女ものは専門外だがと、思い出しながら河津・或人(エンジェルナンバー・g00444)がマキナエンジェルに声を掛ける。
「……ハグッと、キュアキュアの話しでありますか!」
ギュンと物凄い勢いで頭部だけ回し、マキナエンジェルが振り返る。
いや、専門外だと前置きしたはずだが、その辺りは都合よく聞き逃しているようだ。
同志と勝手に解釈したのか、変身シーンや少女達の友情やバトルなど最終話の展開まで熱く語り始めた。
「……そうだよな。やっぱり地球や街を脅かす存在から人々を守って、自分の戦いが終わるって目標を達成して綺麗に話が纏まるからだよな」
半分以上何を説明しているかマインド的な部分が多く、理解は出来なかったが
マキナエンジェルが頷きながら、次のヒロイン達がどんな魔法少女か最終回が終わった後は待ち遠しいのだと語る。
「カシエルもあと半年ぐらいは頑張るだろうけど、その後はどうするんだ?」
どういう事だろうと、マキナエンジェルとカシエルが同時に疑問を浮かべた。
「ずっと電脳秋葉原を守り続けるのか? 何期にもわたって放送してる魔法少女の戦いに近いけど……ならば絶対に欠かせない要素があるな」
「ちょっと、私のキャラ設定に問題があるっていうの!」
少し苛立っているカシエルは、演技のボロに気付かず声を荒げる。
「それは……新キャラだ」
「なんと!?」
「ライバルかもしれないし、相棒(バディ)かもしれない。実はラスボスの記憶を失くした形態もアツいな」
自分でも言っていた通り、次の魔法少女に期待する時間も楽しいのだとマキナエンジェルは、或人に激しく同意した。
「新キャラ……見たくないか? それもとマキナはそういうの一切ディスって古参面する、迷惑カシエルファンか?」
少し声を潜め、ギリギリカシエルにも聞こえるように敢えて口にする。
「こ、古参ですって!」
「まぁ、落ち着いて、仕方ないよネ。設定だから、そこまで考えていなんだよネ」
幼い母のいない子供には、母親のような包容力ある姿で。
妹キャラが好きな相手には、その妹として振る舞い。
魔法少女が好きなマキナには、魔法少女として接する。
「相手によって態度を変えるのは当然サ。TPOは大事だし、カシエルはアイドルなんでショ? じゃあビジネスとして当たり前だよネ」
「ビジ……ち、違うわよ! アタシは魔法少女カシエルなのよ。マキナのために最高の魔法で応援してあげてるんだからね!」
「カシエルたん、いつか魔法少女を卒業するのでありますか?」
「何言ってるのよ。私はずっとマキナの味方で魔法少女なのよ。わかる、ずっとのなのよ」
これ以上この場で応援するのは分が悪いと感じたのだろう、カシエルは魔法の杖を振るいクルクルと回しながら必死に可愛らしく魔法をかけるアクションをする。
「これで、マキナがアタシを信じてくれていれば絶対勝てるからね。信じているからね」
そう言って、カシエルのホログラムは慌ただしく掻き消えた。
「……戦わない魔法少女もいるんだな」
姿を消したカシエルを見て、或人が思わず口にした一言が揺らいでいたマキナエンジェルに最後の衝撃を与えた。
「う、ぐぐ、それでも我輩は護り抜くと決めたのであります」
己を奮い立たせるように、剣を再びマキナエンジェルは構える。
だが既に自分の中で、唯一絶対の推しだったカシエルが揺らぎ、加護は消えているのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
ベレニ・ディーテ
群・家豪(百歩蛇王の落胤・g00098)と一緒に行動
「ついに決戦やあ!張り切っていくで!」
「光ピカピカで眩しいわ、サンドストームで砂を何重にも巻き上げて光の攻撃を防いだるで〜これでピカピカの翼もこっちに向かってきた時は分かるんちゃうかな」
「鎖よ!刃になってとんでいけー!」
両腕を刃状の鎖に変えて光の斬撃に立ち向かいます。
「あまり近寄りすぎんようにせな、うちも危ないわ…」
群・家豪
ベレニ・ディーテ(あそび心あふれる鎖使い・g05782)と一緒に行動
さて、ようやく幼女趣味の変態天使のご登場か
悪いがここからは詰め将棋だ。さっさと終わらせてもらうぜ
で、ベレニ。俺は大きな一撃を溜めるから時間を稼いでくれ
くれぐれも戦闘終わるまでこっちは見るなよ、いいな?
で、ネメシス形態解放だ
ガキの姿はあまり晒したくないが、実利には変えられねえからな
ベレニの起こした砂嵐の光の刃の射角から相手の飛翔経路を分析
んで、そこから予測されるポイントに魔法陣を展開するぜ
あとはそこに向けて大砲を撃つだけだ
限界を超えた魔力弾を喰らって沈みな
で、ベレニ、まだこっち見るなよ! いいから見るなよ!
野本・裕樹
分かってない女狐、ですか。
私にとって夢とは見せられるだけのものではなく掴み取るものですので。
悪しからず。
それにしてもカシエルさん、自分に自信が無いタイプの方には見えなかったのですが。
ありのままの自分を信仰してもらえばいいのに、そうできない縛りでもあるのですかね。
迷いながらも自分の為に剣を振るってくれる剣士がここにいるのに。
両の手に光の剣、できれば正面から斬り合って欲しいですね。
【トラップ生成】を使用。
ワイヤートラップに指向性で塗料を飛ばす仕掛けを、塗料が地面に付かない所が居場所です。
無理なら鳴子を設置し大体の位置を掴みましょう。
光の剣に無さそうな実体剣の重さ、この《鉄蝕閃》で受けてもらいます。
風高・明
(サポート)
他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
パラドクスは指定した物をどれでも使用しますが、『アイスエイジブリザード』(IB)と『絶技 火竜の舞』(RB)の二つを好んで使います。
RBの時は、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
IBの時は、手負いのいる敵群へ対して優先的に仕掛けます。
●騎士なる者
逃げるように消え去ったカシエルに、野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)は呆れた表情を浮かべた。
「分かってない女狐、ですか……」
ふむと、裕樹は短く息を吐き、全長六尺もする〈妖刀『鐵喰』〉を抜き、斬りかかる。
軽々と振るう長刀の刃は巨大化し、その姿は美しくしなるバネの妖艶で大柄な妖狐の姿に。
光剣で攻撃を受け止めたマキナエンジェルは、その重みに耐え受け流す。
「私にとって、夢とは見せられるだけのものではなく掴み取るものですので。悪しからず」
「我輩は護り抜くだけ!」
マキナエンジェルはマント状の光の翼を広げ、光を屈折させ姿を隠し斬撃を放ってくる。
しかし張ってあったワイヤートラップに掛かり、飛ばされた塗料がマキナエンゼルの身体に付着し、その姿は隠れきれなくなった。
「ついに決戦やあ!張り切っていくで!」
「さて、ようやく幼女趣味の変態天使のご登場か。悪いがここからは詰め将棋だ。さっさと終わらせてもらうぜ」
斬撃を避けながら、ベレニ・ディーテ(あそび心あふれる鎖使い・g05782)が両腕を刃状の鎖に変え。
群・家豪(百歩蛇王の落胤・g00098)は、宝珠の付いた愛用のキュー〈クリソプレーズキュー〉で斬撃を弾いた。
「で、ベレニ。俺は大きな一撃を溜めるから、時間を稼いでくれ。くれぐれも戦闘終わるまでこっちは見るなよ、いいな?」
元気な返事を家豪に返し、ベレニは空を高速飛翔するマキナエンジェルの翼の光を見上げた。
「光ピカピカで眩しいわ、砂を何重にも巻き上げられたら光の攻撃を防げられそうなんやけど……」
砂嵐じゃないけどねと、風高・明(人間のトラディショナル魔導師・g05864)は凍てつく吹雪で辺りを覆いつくした。
「役に立ったようで良かったのよ」
更に凍てつく吹雪の氷が、マキナエンジェルの関節部を凍らせる。
砂と氷雪の違いはあるが、これならば光も屈折し簡単には攻撃を通さないだろう。
「これでピカピカの翼もこっちに向かってきた時は分かるんちゃうかな」
一同が、マキナエンジェルとの相対に集中している間に、家豪はネメシス形態に。
ガタイのいい肉体を手放し、少年程の体躯に。だがその肉体は、細くしなやかなで硬化した外骨格のように。
(「ガキの姿はあまり晒したくないが、実利には変えられねえからな」)
恐らく今並べば、ベレニと同じ年頃に見られるかもしれない。
吹雪く嵐の外より、光刃の動きを観察し、家豪は相手の飛翔経路を分析する。
マキナエンジェルが降り立つであろうポイントを予測し、十重二十重と魔方陣を数珠繋ぎに配置展開していく。
「あとはそこに向けて大砲を撃つだけだ……」
「それにしてもカシエルさん、自分に自信が無いタイプの方には見えなかったのですが。ありのままの自分を信仰してもらえばいいのに、そうできない縛りでもあるのですかね」
マキナエンゼルを追うように飛翔しながら斬り合いながら、裕樹は話しかける。
「知らぬ。我輩は戦って応えるだけである」
「……迷いながらも、自分の為に剣を振るってくれる剣士がここにいるのに」
応援も途中で切り上げ、きっとカシエルはもう戻ってこない。
それでも戦おうとする剣士に手加減するのは、失礼だ。
「実体剣の重さ、この鉄蝕閃で受けてもらいます」
超重量と化した妖刀・鐵喰を、降下する勢いも乗せ、全身のバネをしならせ頭上から一気に振り下ろす。
再びマキナエンジェルは、受け止め切ろうとするが光剣は砕けマキナエンジェルの腕を一つ斬り飛ばした。
片腕となってもマキナエンジェルは残る光剣を裁きの雷撃へと変え、一直線に突撃する。
「鎖よ! 刃になってとんでいけー!」
両腕の刃状の鎖をマキナエンジェルの身体に絡めるようにして、ベレニはその動きを抑え軌道を変える。
そこは先程家豪が展開していた、陣の上。
「射線クリア、陣形オールグリーン……切り札を一つ、披露させてもらうぜ」
宝珠の先端に高めた魔力を集め球状に、その射線に全てが合った瞬間、家豪はクリソプレーズキューでショットを放つ。
「限界を超えた魔力弾を喰らって沈みな」
放たれた魔力弾はマキナエンジェルの腹部を穿ち、貫いていった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
【エイティーン】がLV3になった!
【使い魔使役】がLV2になった!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV4になった!
【リザレクション】がLV2になった!
河津・或人
なかなかマニアとしても芯があってコレクターとしても優れていて
一般的なフェチも分かる素敵な奴ではあったが…
加護を失った今、もっと深い絶望に落ちる前に救済(物理)してやらないとな
過負荷世界の矢で装甲をブチ抜くか、ダメージを受けているところを狙って
機械部分に過電流を流して攻撃だ
敵の斬撃に対してはこちらも【飛翔】を使って
機動力の優位に対抗して一方的に攻撃されないようにして
光の刃を避けていこう
追尾されないように遮蔽物を利用して光の刃を撃ち漏らしさせたり、
正面からレーザーブレードで弾くようにして威力を殺そう
そういえばマキナが色々集めてたグッズの所有権ってどうなるんだろ
信者の皆に分けたほうがいいかな?
ラウム・マルファス
マキナはもしかして、魔法少女が好きなだけじゃなくて、魔法少女を護る騎士になりたかったのカナ。
クロノヴェータだから逃がすわけにはいかないケド……まぁ、ボクは悪魔だし、マキナから見れば侵略者だろうしネ。もしそうなら、思いっきり騎士するといーヨ。
カラス型ドローンに爆薬搭載。手持ちの薬品で煙幕を張って、完全視界で煙の動きを観察すれば、居場所も攻撃の軌跡も良くわかル。
「アハ、ボクどっちかって言うと卑怯な方だカラ」
大量のカラス型ドローンを飛ばして、光の刃を相殺しよウ。不意打ちは気分じゃないから、真っ向勝負サ。
倒したら羽……は無いカ。パーツの一部を貰っていこうカナ。
……ごめんね。
マキナエンジェルは片腕で腹の一部が削れていたが、闘志は消えずエンジェリックボルトを放ち、ディアボロス達の間を一直線に貫き上空へと舞い上がっていく。
「なかなかマニアとしても芯があって、コレクターとしても優れていて、一般的なフェチも分かる素敵な奴ではあったが……」
雷撃の一槍を咄嗟に横へ飛び躱した河津・或人(エンジェルナンバー・g00444)は、電子化したレーザーブレード〈SASA-No.Z-ju〉を抜き。
「加護を失った今、もっと深い絶望に落ちる前に救済(物理)してやらないとな」
マント状の翼をなびかせ飛翔しているマキナエンジェルを追い、飛翔し追随する。
ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は、周囲にカラス型ドローンに爆薬搭載し放ち。
「マキナはもしかして、魔法少女が好きなだけじゃなくて、魔法少女を護る騎士になりたかったのカナ。クロノヴェータだから逃がすわけにはいかないケド」
そう手持ちの薬品を投げ、煙幕を張る。
「……まぁ、ボクは悪魔だし、マキナから見れば侵略者だろうしネ。もしそうなら、思いっきり騎士するといーヨ」
完全視界で見通しながら、ラウム達は煙幕で姿を隠す。
どんなに素早く飛び、攻撃を放ったとしても、煙の流れでその動きは良く見える。
「アハ、ボクどっちかって言うと卑怯な方だカラ」
なびくマント状の翼より、次々と放たれる光の刃をSASA-No.Z-juで弾き、攻撃の間をぬうよう飛翔し或人は迫る。
地上より放たれたラウムのカラス型ドローンが光の刃を相殺するように突撃し、周囲で幾つもの爆発が起こった。
煙幕と爆炎で完全にディアボロスの姿を見失ったマキナエンジェルは、空中で向きを変え振り返った。
「我輩は、次のシーズンも魔法少女を応援するのであります!」
その為にも、ここは護り切る。
漂う煙の向こうに一瞬見えた電流の光に向かって、マキナエンジェルは光の刃と共に急降下していく。
「不意打ちは気分じゃないから、真っ向勝負サ」
煙幕から飛び出してくるカラス型ドローンが、次々と特攻し爆発にマキナエンジェルを巻き込むが怯まない。
「そしてカシエルたんに、笑顔になって貰うのであります!!」
「……これで、終わりだ」
つがえ狙うのは『過負荷世界(オーバーローデッド・ワールド)』の矢。
激しく電流を放ちながら、飛んでいく矢は抉れたマキナエンジェルの機械部に向かって真っ直ぐに。
射貫くと同時に、過電流がマキナエンジェルの全身へと流れた。
天使とはいえ、その身体の大半は機械。
強力な電流にマキナエンジェルは、身体のあちこちが焼き切れたか煙をあげながら、地上へと落ちて、そして動かなくなった。
「羽……は無いカ。パーツの一部を貰っていこうカナ」
ラウムはごめんねと、マントに触れ取り外せそうなパーツを手にした。
護る者の居なくなった電脳世界は崩れ、元の世界へと。
「そういえば、マキナが色々集めてたグッズの所有権ってどうなるんだろ。信者の皆に分けたほうがいいかな?」
この空間特有の物は消えそうだが、元の世界から持ち込んだような物は、そのまま現出しそうだ。
電脳世界から戻ったら、周囲の信者に声を掛けてみるかと或人は考えながら、壊れていく電脳世界を見上げるのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【修復加速】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!
【命中アップ】がLV4になった!