いざゆけ! ワンニャンの森と巨大ジェットコースター!(作者 棟方ろか
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#幻想竜域キングアーサー  #世界樹ダンジョン攻略戦(第一層)  #世界樹  #妖精郷  #フローラリア 

「ねえねえダチュラ、侵入者って悪いヤツ?」
「そうだよアルルーナ。邪悪な侵入者を君たちが食い止めるんだ」
「ねえねえダチュラ、どうして食い止めないとならないの?」
「実はねアルルーナ。世界樹を守る結界が綻んでしまったのさ」
 たくさんの少女と一人の少年が、不思議な調子で言葉を交わす。
 森の美を模ったかのような愛らしさを醸し出す、少女たち。純粋さを瞳に宿して、彼女らがあれこれと尋ねる相手こそ、世界樹迷宮の第一層、この区画を取り仕切るフローラリアの少年だ。
 ダチュラと呼ばれた少年は、憂いを帯びた眼差しのまま遠くを見やる。
「僕が結界を張り直すまで、リス一匹通さないように。いいねアルルーナ」
「「はーいっ」」
 元気に返事を揃えたアルルーナたちを確認して、ダチュラは迷宮の奥へ戻っていった。
「侵入者を見つけたら『めっ』てしなきゃ」
「侵入者は悪いヤツ。ダチュラが言うんだからそう」
 指示を繰り返しながら、アルルーナの一群があちこちへと散る。
 途端に迷宮内は静けさを取り戻した。いつもならさやさやと風に歌う木の葉たちも、かれらの会話を聞いていただけだ。何かを考えるように、ただただ黙って、じっと。

●始発
「やあやあ諸君! 今回は姿を現した世界樹を攻略しておくれ!」
 木庭・国男(デーモンの魔創機士・g03330)は声を弾ませて、話を始める。
 フローラリアの力が弱まった結果、姿を見せた彼らの拠点こそが巨大樹木の『世界樹』だ。
 しかしその全貌は明らかとなっていない。内部がダンジョンと化しており、フローラリアや知恵ある植物たちが住んでいて、外部の者にとって脅威に満ちた場所だという点だけ、分かっている。
「先立って制圧した防衛拠点群から、あまり遠くないのが有難い話だねぇ」
 ドラゴンたちが態勢を整えて世界樹へ向かう前に、ディアボロスは攻略を進められる。
 しかし世界樹は、外から登ることができない。
 フローラリアとの決着を目指すため、第一層から順に突破していく必要があった。

「入ってすぐの『迷いの森』に、知恵のある植物たちがいるんだけど……」
「……けど?」
 国男の言葉運びに、集まったディアボロスが首を傾げる。
「僕らが邪悪な存在かどうか、それを判断したいみたいだねー」
「邪悪な存在かどうか、だって?」
「そ。悪い侵入者を迷わせるのが、知恵のある植物たちの役目なんだ」
 迷いの森は、フローラリアからの指示を受け、かれらが創りあげた一帯だ。
 まずは、ここを突破しなければならないのだが。
「エルフや彼らを助けてきたコトが、迷うきっかけになったみたいだね」
 知恵のある植物たちに、迷いが生じている。
 本当にディアボロスは邪悪な侵入者なのだろうか、と。
「迷いを晴らすために、ディアボロスが邪悪かどうかを試すつもりなのさ!」
 邪悪な存在ではないと示せれば、彼らの案内で迷いの森を迷わず突破できる。
 優しさだけでは、救えないものもあるけれど。エルフたちへ差し伸べてきた手が。植物たちへかけてきた言葉が。かれらに向けた表情――こうしたひとつひとつが、かれらを動かす理由になった。
 この事実はどんな歴史よりも明白に、ディアボロスたちへ希望の兆しを報せる。
 そうなると、次にディアボロスの頭を過ぎる疑問は。
「肝心の善悪の判断はどうやってやるの?」
「イヌ君とネコ君で判断してくるんだ。もちろん犬も猫も、彼らが見せる幻でね」
 幻だが触ることが可能で、妙にリアルな毛並みから温もりまで再現されてしまう。
「人によっては、昔一緒に暮らしてた子に似てる子と会うかもしれないねぇ」
「それはまた……なんとも」
 言い表しにくい感覚を飲み込むディアボロスを前に、国男は眉根を寄せた。
「幻でもネコ君と触れ合う機会があるなんて僕からしたら羨ましい限り!」
「じゃあお前の分までもふもふしてこよう」
「是非そうしておくれ!!」
 悔し気に顔を歪ませていた国男もしかし、次の瞬間にはころっと笑顔に戻る。
「とまあ、そんな森だけど。ソコを抜けても、仕掛けだらけの迷宮が待ち構えてるよ」
 迷いの森の先には、巨大な枝や木の根が入り組んだ世界が広がっている。
「君たち、ジェットコースターの類は平気かい?」
「え。何があるの?」
「大きな木の葉や花びらに乗って、起伏の激しい根や枝を滑ってもらうんだ」
 ただ滑るだけでは当然、迷宮を突破できない。
 無数の滑り台が織りなす巨大迷宮には、滑り手の『速さ』や『角度』の他、滑っている間の『体勢』や、ジャンプ台などのポイントを通過する際の『決めポーズ』、道中の『アクション』を採点する団栗が成っている。
 彼らが喜ぶパフォーマンスを披露し、合格と見做されれば正解の道へ導かれる。
「一人か二人だけでも、誰かがゴールに着ければ皆で先へ進めるからねぇ」
 がんばって滑っておくれ、と国男は念を押した。
 また、迷宮の中継地点や、滑り台を攻略した先で、トループス級フローラリアの『アルルーナ』と遭遇することもあるだろう。ダチュラとの戦闘を邪魔されては厄介だ。出会い次第、倒していくのが良い。
 そうして迷宮を突破したら、次は。
 第一層の一区画を守っている、アヴァタール級フローラリアとの対決だ。
「今回倒してほしいのは、ダチュラっていう、少年姿のフローラリアだねぇ」
 ダチュラは、ジェネラル級フローラリア『薔薇の戦士スカアハ』の薫陶を受けている。
 鍛錬の成果だろうか。武術を得意とするダチュラは、芳香や蔦などを主な武器としながらも、拳や蹴りといった肉弾戦も可能で。見かけ以上にタフと考えるのが良いだろう。

 犬や猫の幻を用いた、知恵のある植物たちによる善悪の試練。
 団栗たちが審判を担う、巨大滑り台の迷宮。
 決して容易くはない第一層の一区画。だがディアボロスの知恵や経験、そしてエルフや植物たちにも見せた思いやりの欠片があれば、どんなダンジョンも攻略できるはずと、国男は強く告げた。
「ってなワケで早速、世界樹の攻略を進めておくれ!」
 終わりに国男は明るく未来を指さし、仲間たちへそう促す。
 ――いざゆけディアボロス。世界樹のダンジョンが、君たちを待っている。

●いいひと? わるいひと?
 ひそひそ。ひそひそ。青々と茂る森で、知恵ある植物たちは意見を投げ合う。
「邪悪はいけないこと。だから拒む。フローラリアが正しい」
「でも邪悪じゃなかったら?」
「……邪悪じゃないのに『めっ』するのは、いけないこと」
「「うん、いけないこと」」
 悪者には容赦なくお仕置きを。
 けれど悪くない人へのお仕置きは、どうやら気が進まないらしい。
「ワルい人、小さな動物にも残酷だって聞いた」
 かれらには、外の植物たちを通して情報を得る力があった。
 エルフがディアボロスに助けてもらえたことも、他の緑から伝え聞いたもので。
「じゃあ試そう。侵入者が動物にやさしいのか」
「見極めよう。犬や猫という存在を、いじめない人なのか」
 満場一致で、侵入者を判別する方法は決まった。
 これから訪れようとしている、ディアボロスたちの評価は、果たして。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
8
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【強運の加護】
3
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【照明】
2
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【浮遊】
1
周囲が、ディアボロスが浮遊できる世界に変わる。浮遊中は手を繋いだ「効果LV×3体」までの一般人を連れ、空中を歩く程度の速度で移動できる。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【動物の友】
1
周囲の通常の動物がディアボロスになつき、意志の疎通が可能になる。効果LVが高い程、知能が高まり、友好的になる。
【友達催眠】
1
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【熱波の支配者】
2
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【スーパーGPS】
2
周囲のディアボロスが見るあらゆる「地図」に、現在位置を表示する機能が追加される。効果LVが高ければ高い程、より詳細な位置を特定できる。
【無鍵空間】
1
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【完全視界】
3
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
1
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【修復加速】
1
周囲が、破壊された建造物や物品の修復が容易に行える世界に変わる。修復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」する。
【書物解読】
3
周囲の書物に、執筆者の残留思念が宿り、読むディアボロスに書物の知識を伝えてくれるようになる。効果LVが高くなる程、書物に書かれていない関連知識も得られる。
【クリーニング】
1
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。
【建物復元】
1
周囲が破壊を拒む世界となり、ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の建造物が破壊されにくくなり、「効果LV日」以内に破壊された建物は家財なども含め破壊される前の状態に戻る。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV4 / 【命中アップ】LV4 / 【ダメージアップ】LV4 / 【ガードアップ】LV2 / 【反撃アップ】LV5(最大) / 【リザレクション】LV2 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV2 / 【アヴォイド】LV2 / 【ロストエナジー】LV3 / 【グロリアス】LV3

●マスターより

棟方ろか
 お世話になっております。棟方ろかです。
 世界樹ダンジョン、しっかり攻略してまいりましょう!

●最終目標
『虚妄の楽園』ダチュラ(アヴァタール級)の撃破

●選択肢の補足
①迷いの森の植物達(攻略必須!)
 自分たちは邪悪ではない、と示しましょう!
 知恵のある植物たちは、犬や猫の幻を見せてきます。
 さわることのできる幻です。もふもふするなり吸うなり。

②世界樹迷宮の不思議な冒険
 伸びに伸びまくった、巨大な枝や根が入り組んだ迷宮です。
 起伏の激しいコースばかりで、気分はジェットコースター。
 大きな葉っぱか花びらが、ソリやコースターの代わり。
 華麗なる滑りやジャンプを、審判のドングリたちへ見せつけましょう!
 二人乗りも余裕で出来るので、お友だちと演技するのも良いですね。

③👾トループス級『アルルーナ』戦
 無邪気にお仕置きしたがる少女型フローラリアとの戦闘。
 ➁が開始次第、こちらも攻略可能となります。

④👿アヴァタール級『虚妄の楽園』ダチュラ戦(攻略必須!)
 ボスとの戦闘。撃破すると、このシナリオは攻略完了となります。

それでは、いってらっしゃいませ!
111

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


坂登・悠日理
惺音g03409と

犬猫で…邪悪かどうかって判断出来るものなんだろうか…
まぁいいや

動物さー
飼ってみたいなぁって思ってたなぁ…
惺音は?
例えば犬と猫どっちがいい?
そうそう
あんな感じのもっふりした子犬飼ってみたいな
って
うわぁ子犬だ!
木の根元にまるで捨てられたように佇む姿に気付き
驚かせないように気を付けつつ近付いて
もっふもふじゃん!
もふもふわしわし

その仔猫もめっちゃ可愛いな
指先で軽く喉撫で

ってめちゃくちゃ舐めるなこいつ
何も持ってないぞ?
子犬に手を見せ笑い
惺音なんか持ってる?
レオの毛は食べても美味しくないぞ
貰ったドーナツの欠片少しだけ掌に載せ子犬に差出し

めっちゃ堪能したー
ちょっと連れて帰りたくなったわ…


森瀧・惺音
ゆぅ君g04140と

動物が好きな人に悪い人は居ない
っていう、あれかなぁ…
でも、その為に優しくするのは違うと思う

私も動物はお迎えしてみたかったなぁ
犬か猫?
どっちも好きだよ
でも散歩に行く時間が難しいと猫が良いのかな
と思ったら
ゆぅ君の示す犬の隣に黒い仔猫が

一緒に木の根元に近付いて
おいでおいでと猫を呼ぼう
そっと撫でてから慎重に抱き上げて
小さくて可愛い…
ほら、ユキミ、仔猫だよ
一緒に抱けばユキミのふわふわで仔猫も気持ち良さそう

ん?
蜂蜜のミニドーナツなら幾つか
鞄から取り出して渡し
ユキミとレオには一つずつ
仔猫にも少しだけ味見に欠片を上げてみよう

幻でも、喜ぶ姿が見られるのは嬉しいよね
…触らせてくれてありがとう


「邪悪かどうかって、犬猫で判断できるものなんだろうか」
 坂登・悠日理(叡智の眼・g04140)が首をひねれば、森瀧・惺音(眠れる森の魔女・g03409)も疑問を口にした。
「動物が好きな人に悪い人は居ないっていう、あれかなぁ……?」
 気にかける二人を歓迎しているのかいないのか、森は静かなままだ。
 変わり映えしない景色も然ることながら、感覚でも方角が掴めない。
 一人で来ていたらきっと、あまりにも静かで恐怖の場と化していただろう。
 だから沈黙に落ちないよう悠日理は綴る。
「動物さー。飼ってみたいって思ってたなぁ。惺音は?」
「えっ」
「飼うなら犬と猫どっちがいい?」
 唐突な問いに一度は目を見開くものの、動物のいる生活を想像するだけで、惺音は胸が躍る心地になった。
「犬も猫も好きだけど、散歩に行く時間が難しいなら猫かな。ゆぅ君は?」
「俺か、俺は犬飼ってみたいな。できれば子犬の時から」
「子犬から?」
 瞬いだ惺音に、そうそうと頷く。そして悠日理が手の上で思い浮かべたのは、大きさから毛並みのふんわり感にまで至る、子犬の造形そのもの。
「これぐらいの大きさで、もっふりした……」
「あんな感じの?」
 惺音が目線で示した先には、荒れ狂う波にも似た木の根っこたち。
 そして根っこの陰には、ぴるぴると震えてばかりのあどけない存在が身を潜めていた。
「そうそうあんな……って子犬だ! しかも俺の想像まんま!」
 前のめりの勢いで飛び出した悠日理だったが、すぐにハッと気づき足を止める。そして姿勢を低くし、足取りもそろりと慎重に、震える子犬へと近づいていく。彼に気づいてじいっと見つめてきた子犬に、逃げる様子はない。
 おいで、と控えめに声をかけながら目の前まで来れば。
「きゅわん!」
「おっと、急に飛び込んでくるなんて元気だな。しかももっふもふじゃん!」
 悠日理の懐へ飛びついた子犬を、わしわしと撫でまわす。構ってもらえて嬉しいのか、しっぽをブンブン振ってくれた。そこで何気なく目線を外して、悠日理はもうひとつ、樹の根に紛れた命の幻を知る。
 ちょいちょいと彼が惺音を手招き、同じ巨木の足元で二人してしゃがみこむ。
「あっ、真っ黒……」
 思わず惺音が呟いてしまうほど艶めく黒猫がそこにいた。
 しかも仔猫だ。両掌にちょうど乗るサイズの。
 惺音が指先をそろりと寄せた途端、それまで声ひとつ発しなかった仔猫が「にぁぉ」と主張を始めた。あまりにもか細く思える命を掬いあげた惺音の頬に、いとおしげな朱が差す。
「わ。こんなに小さい……可愛い……」
「みぅ」
 遠慮せず鳴き始めた仔猫の額を、そりそりと指の腹で撫でれば。まだ真新しい毛が、静電気に遊ばれたかのように立ち上がる。微笑ましく眺めていた惺音はそこで、ソワソワしていたユキミを仔猫に紹介した。
「仔猫さん、こっちはユキミ」
「んにゃふっ」
「きゅきゅ!」
 挨拶を済ませたところで、隣で子犬から盛大なぺろぺろを与えられていた悠日理が声をかける。
「惺音なんか食べ物持ってる?」
「ドーナツなら……はい、どうぞ」
 鞄からドーナツを取り出した瞬間、子犬も仔猫もユキミもレオも、そのにおいにか形にか反応を示す。あまりにそろって同じような顔をしたものだから、惺音も悠日理も、思わず小さく笑った。
 こうして二人の手から捧げられる、心遣いという名のドーナツの欠片たち。
 幻の犬猫であっても、空腹を訴えかぶりつく様は生き物そのもので。
「幻、なんだよね。でも……喜ぶ姿が見られるのは、嬉しい」
 思い出したように惺音が口にした直後、一陣の風が吹いて、森を閉ざしていた木々や茂みが傾きだす。まもなく二人の前に現れたのは、森の奥へと続く道だ。どうやら植物たちの試練を突破できたらしい。
 子犬と仔猫が、二人の腕からぴょんと飛び出し、開かれた道へ向かう。まるで道案内してくれるかのような姿に、悠日理は大きな伸びをした。
「は~っ! めっちゃ堪能したー。本当に居たら連れて帰りたかったのにな」
 悠日理の一言に惺音も頷きながら、触らせてくれた子犬と仔猫の後を追う。
 いつしか二人の後ろ姿も、犬や猫と同じように、濃淡混じる緑の神秘に吞まれていった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV2が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!

リズ・オブザレイク
【幼女の集い】
いや幼女ではないんですけれども!!
世界樹を進むには森の植物達に、彼らが見せる幻に僕達に敵意がない事を示さないと。

けれどそこに見える猫にどうやって接せば……
遠遠さんと諷和さんの接し方を見習おう。猫と人生の先輩ですからね。
えっすごく積極的。い、いや!

ぎこちなさや恐れを見せたらそれは猫に伝わるかもしれない。
恥を捨てるんだこれも騎士の務め……!にゃ、にゃお……。
(武器を収め、膝枕を差し出して猫を招き寄せようと)

お二人のスキンシップを目にして無防備を晒す事で誠意を示すなんて真似できない、流石だなと思ったり思わなかったりします。

植物達の許しを得たら名残惜しさを感じつつ、礼をして立ち去ります。


遠遠・忽
【幼女の集い】で参加
もこちゃん、リズくんと呼びます
実は幼女はうちだけや!
いやうちも、もう高学年やから幼女?やけども

猫を相手にするで
さて、伝承戦術・猫と仲良くなる方法!
人類史に刻まれた技術を使うパラドクスや
猫は古くから人類の友達……
なんでも、猫は人間のことをでっかくてトロい猫やと思とるらしい
じゃあにゃんこになりきって仲間やと思わせて仲良ぉなろ!!

にゃーん、にゃーん♪
にゃーごろにゃーふ♪

仲間にもうちを可愛がるフリをしてもらえば……
え、猫吸い?なにそれ
いや、そんな本格的にせんでもフリだけで……
に゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?

にゃーん


諷和・もこ
【幼女の集い】
…って、ボクは幼女って年じゃないんだよ!

それはともかく犬さん猫ちゃん天国なんだよ!

はわわぁ…もふもふがいっぱいなんだよ…かわいいんだよ…
感激に震えながら、刻逆前に飼っていた黒猫ちゃんによく似た子に指を差し出し
…ふわぁ、くんくんしてるんだよ!かわいいんだよ!
みてみてかわいいんだよ!
テンパって二人に声をかけちゃったり

でもどうやって仲良くなればいいんだろ?
!?
…忽さんが…鳴いた!?
…リズさんまで…鳴いた!?
な、なるほど…仲間と思わせる…
それじゃ…こほん
おいでーおいでーよーしよしなでなで…
(忽さんのお腹に顔を埋めて)スースー…(猫忽吸い)
猫ちゃんわんちゃんたち、ボクたちは怖くないんだよー


 リズ・オブザレイク(人間の妖精騎士・g00035)が仰ぎ見た景色は、濃緑ゆらめく世界だった。一緒に訪れた遠遠・忽(抜きっぱなしの伝家の宝刀・g00329)も、同じ静寂に浸る。
「随分深そうやなぁ」
「用心して試練に挑むのが良さそうで……諷和さん、ソワソワしてどうしました?」
「だって待ってるの犬さん猫ちゃんなんだよ! ドキドキするんだよっ」
 言い終えたところで、諷和・もこ(ふわもこうとうと・g01739)がぴたりと固まる。
 どうしたのかと、リズと忽が彼女の目線を辿って気付く。
「「みゃあ?」」
「猫や!」
「猫ちゃん!」
 忽ともこの嬉々とした声が重なる。
 そこにあったのは、森の猫集会。かれらは来訪者など気にも留めず座り込み、寛いでいる様子で。
「はわわぁ、もふもふが、もふもふがいっぱいなんだよ……っ」
 興奮による手の震えが止まらないもこは、もふもふたちを怖がらせないよう、そろりと近寄った。挨拶として指を出せば、猫の鼻が彼女の先端へ迫る。
「ふわあ、くんくんしてくれたんだよ!」
 昂る彼女の言動を、リズがじっと見つめていた。
(「どう接するのが正解なのか、お二人から学ばせてもらおう」)
 分からないなら学ぶのみ。混じり気のない精神で佇むリズの視界内で、もこは膝を抱えた低い姿勢で黒猫とふれあい、忽は不敵な笑みを浮かべている。
「ふっふっふ。猫は古くから人類の友だちや」
「友だち、ですか」
 そう聞けば猫との距離が縮まった気がして、リズもなるほどと顎を引く。
「せや。ほんならやることはひとつ……」
 キリッとした顔で断言し、忽が次に披露したのは思い切りの良い転がりだ。
「伝承戦術・猫と仲良くなる方法!」
 両手で猫めいた仕草をしながら伏せる忽に、リズだけでなく猫集会一同も目を丸くした。
 もちろん、忽の戦術はネコムーブだけで終わらない。
「にゃーん、ごろにゃーん」
「忽さんが……鳴いた!?」
「流石ですね、遠遠さん」
 驚きで固まったもこと、真剣な面持ちで感心するリズという二極が備わり、猫の集いにカオス度が増す。
 しかし異色にも思える光景はすぐさま、猫とディアボロスのほんわか空間へ切り替わっていった。何故なら。
(「……そっくりなんだよ」)
 刻逆前を想起していたもこが、瞳を揺らして黒猫と触れ合っていたから。
 あの日、あの時まで一緒に暮らしていた子。似ている猫と出会ってしまった。懐かしむように、惜しむように額を撫でたら、今度は背中へ手を滑らせる。
 黒猫は嫌がる素振りもせず、肉球をなめて身繕いに励むばかりだ。おかげでもこも、落ち着いてもふもふを堪能できた。
 できていた彼女の横で、ヒュッ、とリズの喉が鳴る。
「え!? あ、あの……」
 戸惑うリズは身動きが取れない。動きを封じていたのは、他でもない猫たちだ。
 足にじゃれつく白猫。体を摺り寄せて行き来していたかと思えば、まるでリズを従えたかのように背を向けて構える茶トラ。リズの周りを歩きながら鳴くサバシロまで居て。
(「想像以上に積極的……! どうしたら!」)
 妖精や無双馬とは勝手が違う。慣れない生き物の幻に、翻弄されてばかりのリズを見かねてか、猫の輪にすっかり紛れていた忽がキラリと目を輝かせる。
「なぁおぅ、にゃむにゃむ♪」
「え、遠遠さん……何て仰っているのかさっぱりです……」
「リズさんそこで忽さんの真似っこなんだよ!」
「えぇ!?」
 もこまで重ねてきたものだから、リズの双眸までもが戸惑う。
(「猫と人生の先輩がこう仰っているし、騎士たる者、時には恥を捨て、務めを全うしなければ……!」)
 呼気とも躊躇とも取れる塊をぐと飲み込んで、リズは座り込む。武器を猫の目に触れぬよう収め、次に彼が取った行動は。
「にゃ、にゃお……」
 今にも消えてしまいそうな、あえかな猫の声真似。もこに衝撃が走る。
(「リズさんまで……鳴いた!?」)
 しかもリズは更に、きちっと揃えた膝枕を差し出していた。思わぬ光景をもこは目に焼き付け、当のリズも記憶へ刻む。直後、温もり目当てでやってきた猫たちがリズの膝を奪い始め、俄かに騒がしくなる。
(「無になるんだリズ・オブザレイク。ぎこちなさは猫に伝わるかもしれない」)
 心頭滅却すれば猫ふれあいもまた易し。
 見守っていた忽も、これにはニッコリで。
(「ええ感じやな。猫は人間をでっかくてトロい猫やと思とるらしいし」)
 こくこくと頷いた後も、忽はなりきり続ける。
「にゃーごろにゃーふ♪」
 仲良ぉなろ、と誘う調子で一頻り鳴いていたら。
「んみゃぁぁ、なぁう」
「にぅゃぉ、ふみぁ!」
 逆に猫たちから話しかけられた。
(「アカン、何言うとるか分からへん!」)
 明らかに反応を求めて顔を覗き込んできた子らを前に、寝転がったまま忽は思考を巡らせる。
(「考えろ、考えるんや! こういう時は、皆にうちを可愛がるフリをして貰って……」)
 じりじりと後退った忽がちょんとつついたのは、黒猫を抱くもこ。
 こてんと首を傾げたもこへ、忽から「にゃあごにゃご」と猫語が届く。解読する手段などもこには無かったが、忽のウインクで言わんとしていることは伝わる。
 了解と答える代わりに、もこもぎこちなく片目を瞑って見せた。
「それじゃ遠慮なく……こほん」
 咳払いを合図に、もこは無防備だった忽のお腹へ――顔を埋め、そして。

 すぅぅぅぅぅぅぅ――。

 発言通り遠慮なく、吸い始めた。これにぎょっとしたのは絶賛吸われ中の忽だ。
「!!? ちょ、待っ……!?」
「ぷはぁ。猫忽吸いなんだよー、ほーらボクたちは怖くなんかないんだよース~~~」
「に゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
 制止する暇も与えられず、全力で吸われてしまう。
 一見すると、大きな猫を可愛がっているだけ。だからか神妙な面持ちでリズも眺めるばかりだ。
「なるほど、あれが『猫を吸う』と言う行動なのですね」
 敵意の無さを曝け出したまま、満足するまで吸わせる行為。それで誠意を示すなんて真似できない、とリズの心に走ったのは果たして感心だったのか。
 こうして賑やかになった場で突然、辺りの木々がざわつく。
 やがて三人を出迎えたのは、緑のトンネルだ。次の舞台への道が開通したことで、三人は知る。植物たちに認められたのだと。
「……なんだか名残惜しいですね」
 自然へ一礼したリズがそう呟くと、ふふふと笑った忽が真っ先に森の奥を指さす。
「いざゆけ幼女の集い!!」
「いや幼女ではないんですけれども!!」
「ボクだって幼女って年じゃないんだよ!」
「せや、実は幼女はうちだけや!」
 高学年幼女の号令で、『幼女の集い』は進む。大勢の猫に見送られながら。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【修復加速】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV2になった!

桜・姫恋
連携・アドリブ歓迎

探検楽しみだなー

ほぉ、まずは犬、猫さんね?

ワンちゃーん、ネコちゃーん出ておいでー?

出てきた犬や猫を手招きして近寄ってきた子を撫でる

それにしても幻を触れるなんて不思議よね……
まぁ、楽しいからいいのだけど

個人的に好みなのは白毛にブルーの瞳のネコちゃんね

もちろん、それ以外の子もみんな可愛いし大好きよ?

あら、もうそろそろお別れの時間みたいね。名残惜しいけど出会いがあれば別れもあるのは仕方のないことよね。
植物たちの許しを無事得られたらそのまま迷宮の奥へと進んでいく。


エラ・パーカー
目の前には真っ黒な猫
昔はエラに傷がつくからって触る事が許されなかったけど、今なら

おいで、おいで
許してくれるならそっとなでなで
あなたはどこを撫でられるのがお好き?
ふふ、可愛いの♪

あ…幻ってお聞きしてるけど、お腹すいてないかな
食べられるならにぼしあげるの
おいしい?

いい子ね、いい子
お名前つけてもいいのかな
んー…ダメって言われてもつけちゃお

黒い毛並みに、黄色くてまぁるいおめめ
男の子かな、女の子?
んむ…覗くのは失礼だよね
バイバイするまでに素敵なお名前考えるの♪

…さよならする時が、もう寂しいの
もう少し撫でてもいい?

抵抗がなければ優しく撫で続けるの
もうちょっとだけ、そばにいさせてね

アドリブ歓迎


如月・莉緒
もふもふ…したいけど…
…でも、もしかしたら……会える、かな?

そんな期待と不安と一緒に進んで
そして見かけたのは背中側は灰色、お腹側は白、ピンクの肉球にふわふわしっぽのマンチカン

泣きたくなるのを堪えて手を伸ばす
手触りと甘え方も亡くなった愛猫そっくりで…

懐かしいなぁ…
前にね、あなたとそっくりの猫と一緒に暮らしてたんだ
お顔のハチワレ模様もピンクのお鼻もほんと似てる

抱っこしてもいいの?
そっか、ありがと…

今あなたはどんな暮らししてるのかな
お腹すいてない?
暖かいお布団で寝てる?
寂しくない?

私はあなたと一緒だった日々は毎日幸せだったよ

ふふ、ありがとう
あなたもどうか元気で、幸せになってね

アドリブ歓迎


樹・由乃
犬……
猫……

ちょっと通っていいですか? いや幻覚に聞くのもおかしな話でしょうが
ほら避けますよ。いいこだからじっとしててください
集まらない集まらない。何も美味しいもの持ってませんから。水くらいしかありませんから
水が欲しいのでしたらまあ……あげますけど
お皿の代わりになりそうな葉っぱを探して注ぎますが……ほんとに幻覚ですよね?
下手に歩くと蹴りそうなんで穏便に通るとしましょう

動物も自然の一部と考えれば守られるのも道理
無下に扱うものではありません。いつか土に返るのですから実質植物です
幻覚ですけど

撫でます? そうですか撫でてほしいんですか
多少のサービスもまあ……務めだと思えばまあ……

いつ進めるんでしょう私


フェリシティ・マーノット
猫やー!猫と遊べるんやて。
せやから遊ぶのが仕事なんやて。国男もそう言うてたやん。
世界樹の幻猫やったら2メートルくらいあるやろか。
わからへんよ。
クレイ(g03894)は犬や猫嫌いなん?

ふうん。「にゃあ」
猫の代わりに懐いたろと思うて。
りょーかい。
ほな、もふもふ頑張ろか。

うわ、ちっちゃ。思ったよりちっちゃい猫出てきた。
どないしょ、大福みたいや。可愛えなあ。

クレイ、いきなり触ろうとしたらあかん。
なるたけ目線を合わせて愛でるんや。
遊んでって近づいてきたらそっと触るんやで。

怖くないで?こっちのお兄さんはクマみたいやけど安全やからな。
じっと見つめても猫を怖がらせてまう。
俺の方でも見ときや。

※アドリブ歓迎


クレイ・ロックウェル
ここが世界樹、フローラリアの拠点か。
何が起きてもおかしくはない。
用心して進むぞ。フェリシティ(g03901)遊ぶ気満々だな?
落ち着け、2mの猫はそれはもう虎だ。
無論出て来ても優しく接する…善処はする。

嫌いではないが、犬や猫には嫌われがちでな。
幻なら触れるだろうか。

ん?何の真似だ?
そうか…(急に可愛いことをされると反応に困る)
後で頼む、かもしれない。

さてお出ましだ。かなり小さな猫だな。
撫でて敵意がないと示そう。
いきなり撫でるのはだめか、そうか。

体勢を低くして語り掛ける。
「危害を加える気はない。大丈夫だ」

緊張で動きや表情は硬いが
フェリシティと猫を交互に見ていれば次第に和らぐ。

※アドリブ歓迎


 迷いの森。それは、踏み入る者を惑わす青き森。
 だからこそクレイ・ロックウェル(アーベントロート・g03894)の一言目は、実に堅実なものだった。
「何が起きてもおかしくはない。用心して進むぞ」
「ちょい待ち。ここでは用心より遊ぶのが大事なんやて」
 フェリシティ・マーノット(ラココット・g03901)は、真面目に進もうとした連れをそう引き留める。
「……遊ぶ気でいるんだな」
「国男も言うてたやん? それにほら、皆で挑めば怖くない、やで」
 言いながらフェリシティの瞳が示したのは、既に動き始めた仲間たちだ。
「ワンちゃーん、ネコちゃーん? 出ておいでー?」
 茂みを覗き込んでいく桜・姫恋(苺姫・g03043)は、まるで迷い猫を探しているかのよう。そんな姫恋の近くで、エラ・パーカー(adore song・g03253)が樹上を仰ぎ見た。
「どんな子と会えるのか、楽しみなの」
「エラお姉ちゃん、そわそわが止まらないね!」
 心躍るエラと如月・莉緒(恋愛至上主義・g04388)も、楽しげに笑う。
 そのときだ。今まで気配のなかった茂みや木の後ろからひとつ、またひとつと何かが顔を覗かせたのは。
「わ! ワンちゃんがいっぱい!」
「猫や! 猫もおる!」
 拍手しながら跳ねた姫恋に続き、フェリシティの声も弾む。
 二人の声が合図となり、仲間たちの視線が一斉に集まった。
 樹・由乃(堕ちた翠星・g06228)はそこで、思わぬ光景に頬が冷えるのを感じる。
「そりゃあ動物も自然の一部と考えれば、守られるのも道理。道理ですけど」
 一匹か二匹のご登場かと思いきや、群れを成していた。あくまでマイペースに歩み寄ってきた犬猫たちは、あくまで己の思うまま、由乃の足元へすり寄る。
 無下に扱うのも憚られ、どうしたものかと由乃は唸ってしまう。
「あの……あまりくっつかないで……蹴りそうで怖いです」
「わふ!」
「みゃあ?」
 由乃の心、子知らず。子犬と子猫が交互に返事をした。
「本当、遠慮なくじゃれつかれると動きにくいかも……!」
 彼女と同じく莉緒も、指先を震わせながら足元を見回す。
 瞬く間に囲まれ、気づけば足元にはたくさんの犬や猫たちが。
「うわ、ちっちゃ。どないしよ。あー、大福みたいで可愛えなあ」
 飛び出してきた猫に驚いた後、フェリシティが屈む。指先だけで招く仕草をしていると、隣でクレイが早速腕を伸ばしかけていて。
「ストップクレイ、いきなり触ろうとしたらあかんて」
「? 敵意がないと示すには、撫でるしかないと思ったが」
 自分より遥かに巨大なクレイを前に、猫の毛がぶわっと逆立つ。
 かぶりを振ったフェリシティは次に、見本を披露したる、と誇らしげに胸を叩く。
「まずは、なるたけ目線を合わせるんや」
「目線を……」
「みゃぁぅぅ」
 見本通りにクレイも姿勢を低くすると、猫が不思議そうな声をあげた。
「他の人らみたくチャンスを狙うんや。遊んで~って近づいてくる、そのときを」
 提示された手本を参考にするべく、クレイが周りを確かめると。
「おいで。ほおら、こっちに来たらきっとあったかいの♪」
 しゃがんだエラが、一匹の黒猫へ呼びかけ続けていた。他よりも一回り小さい黒猫は、気が強いのか警戒態勢を崩さないまま、じりじりと距離を詰めてくる。だがエラも焦らず、のんびりと進展を待つ。
 エラが一声かける度に黒猫の眼光が揺れる。微笑みと一緒に淡雪めいた声音を向ける度、張り詰めていた黒猫の体勢にも緩みが生じる。彼女が寄せる思い遣りも、温もりも、徐々に黒猫へ伝わりつつあった。
 すぐそばでも、姫恋が純白の毛並みを靡かせた猫との交流に勤しんでいる。
「ね。膝においで? 寝転がってもいいから」
 両膝を叩き、空いているとアピールしつつも、姫恋からは動かない。置物の如く停まった姫恋の雰囲気を察してか、白猫は次第に甘えるような声を零す。
「んにゃあ」
 まんまるおめめで訴えかけられ、夕焼けをそっと閉じ込めた姫恋の瞳もきらきらと輝く。
「うん、うん。寂しくなかった?」
「みゃふ」
 まるで実際に会話しているかのような応酬だ。
 その様子を見ていれば、由乃も意識せず自身へ問いたくなってくる。
(「幻なんですよね、全部。けど……」)
 瞬きしてみても、リアルな動物たちに揺らぎはない。
「本当に、そこで生きているみたいですね」
 ぽつりと落ちた由乃の言葉を、姫恋が猫の額を撫でつけながら拾う。
「不思議よね。こうして触れる幻があるなんて」
 姫恋はダンジョン内にいるとは思えないほどの穏やかさを帯びて、真っ白な猫と向き合った。
 そうした彼女たちの距離感の詰め方や、目線の流し方から学びを得たクレイは、なるほど、と顎を引く。
「……撫でる、と一口に言っても難しいんだな」
「そういうことやね」
 かくいうフェリシティは、早速クロシロ模様の猫と戯るひとときに浸かっていた。まるで子猫時代からフェリシティと暮らしてきたかのように、猫は腹を見せて寛いでいる。
 あまりに気を許した猫の姿に、クレイは思わず吐息で笑った。
(「やはりこういうのは……俺より向いているな」)
 そう感じつつ、彼もフェリシティや皆の真似をして、猫とのふれあいに挑む。
 フェリシティがここで顔をもたげる。足元の猫の山が退いてもなお、立ち尽くしたままの莉緒に気づいたからだ。
「どないしたん? お腹空いとる?」
「あ、ううん。今は平気! どの子とお話しようかなぁって考えてて」
 えへへとくすぐったそうな笑いを含んだ莉緒を見て、フェリシティも多くは紡がず「そうなんやぁ」とだけ傾けた。
 やがて莉緒は、何かを探し出すかのような足取りで踏み出す。間違いなく莉緒の迷いを象るものだ。
(「うう、私ももふもふを満喫したい……けど……」)
 もしかしたら、と胸の内がざわつく。
(「……会える、かな? この森で」)
 期待と不安が、莉緒の足裏へ熱を忍ばせる。じわり、じんわりと。


「ねえ、あなたはどこを撫でられるのがお好き?」
「なぁお」
「そうだ、お名前つけちゃおっと。何がいいかなぁ」
 腕に抱いた黒猫の毛艶があまりに綺麗で、エラはぬくいからだを撫でながら話しかけていく。背や腹と比べて毛の短い顎へ指先を差し込めば、お月様を思わせる猫の両目がうっとりと細められる。
 ふふ、と思わずエラも笑ってしまうぐらい、「思う存分撫でなさい」と促されている気がした。なでなでを要求してくる黒猫からふと視線を外せば、彼女はまた別の光景を知る。
 ワンニャン包囲網を崩せずにいる、由乃がいる光景だ。
「ちょっと通っていいですか? ああほら、またそうやって靴に……っ」
「にぁお」
「キャゥ! キャン!」
「おかしいですね、マタタビもジャーキーも仕込んでないんですけど」
 心底不思議そうに眉を動かした由乃をよそに、ハッハッと荒い呼吸で前足を腿に掛けてくる犬。猫の方は、全身を彼女の靴にこすりつけていたが、気づけばヘソ天で寝転がり始めていて。
「なんでそんな……リラックス……しているんですか」
 理由もわからず、由乃はため息を落とすだけ。
 そんな彼女へ、エラはきょとんと瞬ぐ。
「美味しいにおいがするのかも??」
「ええっ? 持っていた記憶もないんですよね。今あるのだって水くらい……」
 言いかけた由乃は直後、宙でくるりと視線を投げて考える。
「……喉が渇いているのでしたら、まあ……あげますけど。えっと」
 由乃がきょろきょろした時にはもう、お皿の代わりになる葉っぱを姫恋が差し出してくれていた。
 先ほどはネコ山の頂と化していた由乃も、今では犬たちから構って攻撃まで受けていて、身動きがままならなかったから。姫恋も見かねたのだろう。
 どうもと会釈して、由乃は厚みのある葉へ水を注ぐ。時間が経っているためか、多少ぬるくなっている。子犬から成猫まで、分け隔てなく水を与えることができた。
「いいこだからじっとしててください、ほら集まらない集まらない」
 由乃も犬と猫で一山が築かれないよう、そっと手のひらで押していく。
 一部始終を目にした姫恋がふと、微かに笑む。
「あなたはきっと、その子たちと相性が良いと思うの」
「幻にも相性とかあるんですね。というか、この子たち、ほんとに幻覚ですよね?」
「みうっ!」
「わん!」
 疑問視した由乃へ返ってきたのは、妙に明るく軽やかな鳴き声。
 近くで聞いていた姫恋は、意識せず目許をやわらげる。
「なんだか幻でも楽しそうよね」
「あっ!」
 姫恋が一言零したところで、声があがった。やりとりを眺めていたエラのものだ。
「水飲めるならお腹! お腹すいてないかな」
 いそいそと彼女が取り出したのは、ニボシを詰めた小さな袋。
「……おいしい?」
「んみゃぃみゃい」
 何事か言いながらかぶりつく猫たちを前に、エラは嬉しさで頬を満たす。
 昔は。昔だったら。エラに傷がついては事だと、こんなこと絶対に許されなかったけど。
「ふふ、可愛いの♪」
「なるほど、ごはん……私にも少し分けてもらえる?」
 姫恋もあげてみたくなって尋ねれば、もちろん、とエラが笑顔を咲かす。私も、と続けて由乃が手のひらを伸ばし、そこへ莉緒の腕も混ざった。
「はい、これ莉緒ちゃんの分のニボシ……わあ、かわいいっ」
 莉緒の抱えていたマンチカンが、ふわふわのしっぽをのんびり揺らしてエラたちの視界に飛び込んでくる。やさしい灰色を背中側に纏うも、お腹は真っ白。由乃はそんな毛並みから目線を上げていく。
「美人さんですね」
 驚かさないよう距離を保って覗き込むと、愛らしい丸顔のマンチカンは、潤んだようなまなこでじいっと由乃を見つめ返してきた。きれいな桃色の鼻がすんすんと動く。
「でしょ?」
 自慢げに双眸を細めた莉緒は、ちょこんとした足を撫で、ぷっくりしたピンクの肉球を押して。そうしていくうちに安らぎを取り戻していった。
 会えた瞬間は込み上げてくる感情を堪え、手を伸ばすのが精いっぱいだったけれど。
(「ほんと、よく似てる」)
 眦をやわらげた莉緒には、もう木々のお喋りも届かない。ずっとずっと、愛し子へ意識を注ぐだけ。
 するとマンチカンの尾が、抱っこする彼女の腕をてしてしと叩く。慰めてもらっているのか、甘えてくれているのか。どちらにせよ莉緒にとって、この子の仕草ひとつ表情ひとつ――抱き心地でさえ。
(「懐かしいなぁ……」)
 幸せな日々を想起して、空色の瞳が自然と潤んだ。


 こうして、それぞれの想いを受け止める犬や猫たち。
 幻のかれらと出会える森など滅多にない。だから姫恋は口の端を上げる。
「可愛い子ばかりね。みんな大好きになっちゃう」
 囁くように連ねた姫恋は、澄んだ青い宝玉で射してくる白猫へ頬擦りをして、長い睫毛を伏せた。いろいろな子たちの様子を満喫できるこの森は、姫恋にとっても天国だ。
「だよね。さよならする時が、今から寂しくなっちゃいそう」
 黒猫をナデナデしたまま、エラも呟いた。
 別れを想像した莉緒は、みぅ、とあえかに鳴いた子へ唇を寄せて囁く。
 あなたもどうか元気で、幸せになってと。
 こうして思い思いの時間に浸っていると、少し言いにくそうな調子でフェリシティが声をかけてくる。
「なあなあ、こっちにもニボシ分けてもらえへん?」
「いいよ! お腹すかせた子、まだいるの?」
 エラが気前よくニボシを手渡せば、なぜかフェリシティは肩を竦めた。
「そんな感じや。あれの助けになれればなぁ思て」
「「あれ?」」
 彼女の眼差しが示す先、大きな体を地を這う程に低くしたクレイが、犬猫へ静かに語り掛けていた。いたのだが。
「危害を加える気はない。大丈夫だ」
「ウウゥゥ」
 クレイの声かけに対し、猫は背で弧を描き毛を逆立てている。警戒しているらしい。
 それもそのはず。クレイの表情筋は緊張から硬くなったままだ。相手もそれを察しているのだろう。だからフェリシティは急ぎクレイの隣へ戻った。そして。
「にゃあ」
 彼が絶賛苦戦中な相手のふるまいを模す。
「! な、んの真似だ」
「ほぉら。そうやってすぐ石みたく固まるからやで」
 一度は戸惑いを覚えたクレイも、普段と変わらぬフェリシティの明るさに、ふ、と肩の力が抜けるのを感じる。そんな彼の手へニボシも渡るも、サバトラ模様の猫は釣られない。
 戦況を見守るエラが、後方からこそっと助言を飛ばした。
「いい子いい子、って褒めてあげるとかは?」
「ニボシを突き出してみたり、揺らしてみる?」
 姫恋のアドバイスも加わって。
「……善処しよう」
 不慣れを背負ったまま、クレイは実践に移す。
「いい子だ。魚も此処にある。空腹は大敵だぞ」
「ンニャ」
 なんとも素っ気ないサバトラの声。ならばと体は固定したまま、そおっとニボシだけ差し出せば。途端に猫の鼻がにおいを辿りだす。
「このお兄さん怖くないで? クマみたいやけど安全やから」
 フェリシティの援護射撃も放たれ、次第にサバトラの興味がニボシとクレイを捉えていく。尚もこわばった面差しでいる彼へ、フェリシティは「俺の方でも見とき」と目線を外すことを促した。
 見つめ続けても、猫へプレッシャーを与えてしまうと、フェリシティは考えていた。発言を素直に受け入れたクレイが、ニボシを持つ手はそのままに、視界から猫を外すと。
「んみぁぅん?」
 いつしかサバトラは、頭をクレイの指へ摺り寄せた後、ニボシを咥えて食べ始める。クレイが恐る恐る撫でても、満足げな猫にはもう、警戒する素振りなど無く。
 あら、とそこで姫恋が樹上を仰ぐ。ひらひらと舞い降りてくる葉に、変化の兆しが見えたから。
「そろそろ時間みたいね。ここから先は探検って感じかぁ」
 名残惜しさと期待をほうと吐息に込めて、姫恋は足元で大人しくしていた子たちへ挨拶を贈る。周りの仲間たちもそれぞれ、犬や猫へ別れを告げて。
 その間、フェリシティとクレイは成し遂げた喜びを分かち合うように、言の葉を交わしていた。
「世界樹の幻猫が2メートルくらいやったら、接し方も違ったんやろうけどな」
「2メートルある猫ははもはや虎だ」
「親戚みたいなものやん??」
 何気ない日常風景が、迷いの森で生まれる。
 一方、成り行きを案じていた由乃は、ゴロゴロと鳴る猫の喉を撫でつつ、先ほどの言を思い出していた。
「やっぱり幻の猫にも、人との相性はあったんですね……」
 その説得力を、今になって実感しながら。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【完全視界】LV2が発生!
【動物の友】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
【飛翔】がLV4になった!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【命中アップ】がLV2になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!

遠遠・忽
【いざゆけ幼女の集い!】で参加
パワーアップや!何が?……さぁ?

芸術点を狙うなら、一人より二人、二人より三人や
決して一人でやる技が劣っとるというわけやないけど
表現の幅、深み、派手さ、どれも組み合わせることでよくなるはずや

と、いうわけで皆で協力しよか。折角やし
三位一体にゃんこポーズ?
あの、もこさん?なにいってはるん?
うちを傾けて左右に?

思い出すのは仲間と行ったかつての依頼
俵抱っこで空輸されたもんや……
お腹めっちゃ痛かったなぁ……

はっ走馬燈!?
あかん気ぃしっかり持たな漂着してまう!
【伝承知識】で猫とスキージャンプの知識を総動員【観察】で仲間の意志を察し身体張った【捨て身の一撃】で最後までやり抜く!


諷和・もこ
【いざゆけ幼女の集い!】
だから幼女じゃないってば!

狙うは最高得点!
というわけで
かわいかった忽さんの猫真似を盛大にアピールしつつ
リズさんの臨機応変スペシャル操縦テクで速度も出しちゃうっていう
作戦名、三位一体にゃんこポーズ!
みんな、がんばろうね!

リズさんの後ろにボクが乗って鬼の力で忽さんをリフトアップ
指示に合わせて忽さんを左右に傾け
(何故か忽さんの傾きに合わせて左右に移動する葉)
…って、え、え?右?左?どっち?

段差は飛翔で大きく羽ばたいて
さあ、忽さん!リズさん!ポーズを決めて!

忽さんの鳴き声(泣き声?)も伸びやかに
風使いでふうわりと着地してフィニッシュ!

…多分【幸運】でなんとかなるんじゃないかな…


リズ・オブザレイク
【いざゆけ幼女の集い!】
そうですよ何でパワーアップしてるんですか!

迷宮を抜けるにはいくつか評価点を稼ぐんですよね。
3人で同じ葉を使って滑れば『速さ』は出ると思います。
僕が先頭に座って茎を掴んで引っ張って【臨機応変】に操縦しますね。
(身長制限に引っかかるので)ジェットコースターに乗った事はないのですが、世界を取り戻す為に三位一体にゃんこポーズを完成させてみせます。

『角度』の付く急傾斜を選びますから曲がる為に体を右あっ左、次はみgやっぱり左にお願いします!
ジャンプ中には猫の……印象に残っていた遠遠さんが吸われている時のポーズ!

通れたならこれで正解なんですよね……?
その、嫌ではないけど恥ずかしくて。


 深い森を抜けた先でも、『いざゆけ幼女の集い!』の冒険は続く。
「だから幼女じゃないってば!」
 諷和・もこ(ふわもこうとうと・g01739)の訴えが木霊すると、チッチッチと遠遠・忽(抜きっぱなしの伝家の宝刀・g00329)が人差し指を振る。キラリと輝く、極上のドヤ顔を浮かべながら。
「迷いの森を通過してパワーアップしたんや! やっぱ幼女は最強にならな!」
「何がどうパワーアップしたんですか!」
 胸を張った忽へ、リズ・オブザレイク(人間の妖精騎士・g00035)の直言も飛ぶも。
「これもまた世界樹の七不思議やろね」
「えっ世界樹にそんな秘密が……?」
 さらりとした忽の回答に思わずもこが目を丸くすれば、リズまでもが眉をひそめて。
「未踏の地ですから、七不思議ぐらい待ち構えていてもおかしくありませんね」
 そんな深刻なツッコミ不足トリオの前に広がるのは、無数の枝や根によって創られた急傾斜たち。足元を覗き込んでも地の底どころか、枝の行き着く先さえ確かめられない、魔の領域だ。
「見知らぬ森が、僕らをどのように評価するのか分かりませんが……」
 顎を撫でつつリズは考えを巡らせる。
「迷宮を抜けるため、点を稼がないとですよね」
「技を採点するんやろ? 芸術点を狙うなら、一人より二人、二人より三人や」
 連ねた忽が、続きを告げる前にパンッと手を叩く。
「と、いうわけで協力しよか。折角やし」
 三人だからこそできることを。
 そう提案した忽に、リズたちも迷いなく肯う。
 三人揃って乗れる葉も、すぐに見つかった。何せ周りは巨大な樹木だらけ。まるで自分たちが小人にでもなったかのような世界だ。葉っぱ一枚あれば、充分な足場やソリに早変わり。
「では、僕が先頭に座ります」
 率先してリズが葉へ乗る。
 葉脈を撫でていくと固く、そこから辿った茎を引っ張ってみたが、簡単には千切れなさそうだ。これなら、とリズは頷いてみせる。
「コース選択はお任せを。茎を掴めば、ある程度は操れそうですし」
「うん、お願いなんだよ」
 操縦桿を握るリズへ、もこが信を寄せた。
 彼女もまた、巨大な葉の踏み心地を確かめてから跳び乗る。葉の表面はふにふにとして柔いのに、いざ立つと硬い。足場を踏み抜く心配もなさそうだ。
「狙うは最高得点で手にする金メダル!」
 もこはぐっと拳を握り締めたのち、こう宣言する。
「作戦名、三位一体にゃんこポーズ!」
「あの、もこさん? なにいってはるん?」
 忽が目を白黒させるも。
「三位一体にゃんこポーズ……!」
 恰好良さと愛らしさの共同戦線めいた響きに、リズはぶわりと鳥肌が立つのを覚えた。思わず肩をさする。
 作戦の内容を分かりやすく告げるべく、もこが軽く演じてみせた。
 途端、ピシャリと雷に打たれたかのごとく忽に走る衝撃。
「そっ、それはまさか……!!」
「声色から仕草まで、とてつもない既視感があります。これはもしかしなくても……」
 リズの心もざわつく。しかしもこは、固まる忽をよそに拳を突き上げた。
「みんな、がんばろうね! おーっ!」
「はい。おーっ、です!」
 快活な雰囲気にリズも応じたが、やはり忽はまばたきも忘れるぐらいに驚いたまま。
 果たして三位一体にゃんこポーズとは何なのか。その正体を森たちは知らぬまま、期待を胸に秘めさやさやと歌うだけ。耳朶を打つ風の歌はしかし、忽に生じた強張りを解く魔法にはならない。
「ほらほら立ち尽くしてないでいくんだよ、忽さん!」
「ハッ、うちは何を……って、うわ!」
 忽が我に返るも時すでに遅し。
 まるでボールを軽々と打ち上げるかのようなリフトアップが、忽を襲う。
 重たげな素振りなどこれっぽっちもないもこに運ばれ。
 そしてリズの操縦によって、広大なダンジョンで走り出した――青春。
「リズさん! その臨機応変スペシャルテクで猛スピードを!」
「お任せください! 僕の速さには、誰もついてこれません!」
 もこの声援に応えたリズは、風を真正面から受けているというのに、寒さを微塵も感じていなかった。それどころか湧き上がるのは熱、熱、熱。
 茎を握る手にも力が籠り、明らかに角度が付いた道をリズが択んでいく。
「右です!」
「はい!」
 リズの叫んだ方向へ、もこが重心を傾ける。
「左!」
「はいっっ」
「右あっ左!」
「!? えっ左!?」
 最大出力の猛スピードは、三人へ「一瞬で判断する」という過酷さをもたらす。
「次はみgやっぱり左にお願いします!」
「え! え?? 右? 左? どっち???」
 指示に合わせて忽を左右に傾ける、もこ運送。
 激しい環境下で運ばれる忽も当然、激しい速度と跳躍の連続で振り回され続けた。
「あばばばアッチコッチ行かんといてぇぇひゃ~~!!」
 必死めいた叫びは、風音や枝葉のざわめきで空しく掻き消されてしまう。

 ――眼裏に蘇るのは、かつて忽が仲間と共に過ごしたひととき。
 空輸便よろしく、俵抱っこで運ばれる様は瞬きほどの時間だったように思う。
 あのときは痛かったなぁ、お腹。なんてしみじみと感じ入った忽は直後。

「はっ!? ここは!?」
 バチンと音を立てる勢いで、忽が瞼を押し上げた。
 未だ風は鋭く彼女を撫で、胃がひっくり返らんばかりのコーナーが続く。
「大丈夫ですか遠遠さん!」
「忽さん気を失ってたんだよ!」
「何やて!? ほんなら今のは……走馬燈!?」
 ぺちぺちと頬を叩けば、ちゃんと痛い。
「走馬燈!? やだ、どうしてかな……?」
「このダンジョンの七不思議、でしょうか」
 蒼褪めたもこに続き、リズも真剣な面持ちで唸るだけだ。
 意識が定まらない忽は、ふるふると頭を振って。
「あかん気ぃしっかり持たな漂着してまう! 気合入れていくで!!」
 忽が眼差しへ光を灯した、そのときだった。
「さあ、忽さん! リズさん! ここで決めポーズを!」
 大きなジャンプ台を駆け抜けながら、もこが叫ぶ。
 それを合図に腹の底まで息を吸い込み、リズは意を決する。すべては、素晴らしき世界を取り戻す為に。
(「必ずや完成させてみせます。あの、三位一体にゃんこポーズを!」)
 こうして、もことリズが高々と飛び上がった宙で魅せたのは。
「なぁおぅ、にゃむにゃむ♪」
「にゃーごろごろにゃふぅ」
 迷いの森で忽が披露した、のびやかな猫の鳴き声。
「なんちゅうリアルな再現! 再現度で言うたら百点中、百二十点満点や!」
「そしたらこれも再現なんだよ。スーーーーッ」
「に゛あ゛あ゛あ゛!」
「な゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
 もことリズによって伝説の猫吸いシーンが披露されるや、忽の絶叫がまたしても世界樹を震撼させた――そうして軽やかな着地に至れば、間もなくどこからか、三人のものとは違う「にゃーん」が届き、道は開かれる。
「……通れたならこれが正解……なんですよね?」
 未経験だったジェットコースター気分による興奮がぬぐえず、リズが葉の茎をぎゅうと掴む。ちょっとばかりの恥じらいもあったが、評価された喜びにドキドキがとまらない。
 しかし忽にももこにも、何が正解だったのか、その真相は分からなかった。
 あとは導かれるまま、世界樹の奥へと滑っていくだけだ。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【書物解読】がLV2になった!
【飛翔】がLV5になった!
【強運の加護】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【反撃アップ】がLV3になった!
【アヴォイド】がLV2になった!

フェリシティ・マーノット
次はコースターやな。
どうやったら団栗に受けるやろか。

やる前から諦めたらあかん。
ちゅうことで、クレイ(g03894)!一緒に乗ろ!
一緒に乗りたいやん。
俺は真面目やで?

葉っぱはカエデみたいなんがあると良えな。
俺が葉っぱの茎のとこ持って前に乗るから
クレイは左右を持って後ろに乗ってな。

【地形の利用】急な斜面はスピード重視して
幅の広いとこはジグザグ滑り降りたり
枝の重なったとこはターンして方向転換したり
あえて細い枝を華麗なテクで滑ったり色々やってみよ。

でな、ジャンプする時、両手を挙げて万歳するから
俺の身体をしっかり抱えといて欲しいんやけど。
ジェットコースターで万歳は鉄板やて。

ほな跳ぶで!

※アドリブ歓迎


クレイ・ロックウェル
犬猫の気持ちもわからない俺に団栗の気持ちがわかるはずもない。
仲間の応援に回るか?

そうだな。俺達はどんな困難にも挑まねばなるまい。

フェリシティ(g03901)、…もしかして遊びたいだけなのか。
一緒に乗るのは構わんが(近いな…)

滑る前に良く【観察】してコースを決める。
物理法則の範囲内で尽力しよう。

巨大な葉(見つかればカエデの葉)のフェリシティの後ろに乗って
葉の左右をしっかり持つ。
左右の力の入れ加減を変えれば進行方向をある程度調節できるはずだ。
ジグザグに滑り降りる時は特に集中する。
コース上のキノコ等はできるだけ避け、踏みつぶさないように注意する。

ジャンプ時は片手でフェリシティを抱える。

※アドリブ歓迎


「演技で魅入らせなあかんのやろ?」
 くるくると目線を動かしてフェリシティ・マーノット(ラココット・g03901)が呟く。
「どうやったら受けるやろか。笑いや好みのツボも人と違うよなあ」
「……団栗の気持ちなど、俺にわかるはずもないが」
 犬や猫ですら、意思の疎通に時間がかかった。それが未だ尾を引いているらしく、クレイ・ロックウェル(アーベントロート・g03894)の面持ちは若干曇っている。
 表情に大きな変化はないようで、けれど日々の彼を知るフェリシティにとってはその変化がわかりやすく、思わず吐息で笑う。
「ちゅうことで、クレイ! 一緒に乗ろ!」
「一緒に? 乗るのか、あれに」
 問いかけ直すクレイへと、フェリシティが視線で示したのは大きな葉っぱ。
「うん? 一緒に乗りたいやん。お、これとかカエデみたいでええな」
 特に飾りもごまかしもせず、フェリシティはまっすぐ答え、葉をスタート地点に置く。
 二人で乗ってもまだ余裕のある乗り物だ。ソリともカートとも呼べそうで、クレイはその踏み心地を、フェリシティは葉脈から伝う茎を掴んで状態を確かめる。いざ乗ってみると分厚く丈夫そうだ。
「俺ここ持って前に乗るから、クレイは後ろで左右を持っとってな」
「……遊びたいだけ、ではないのか?」
 確認するような声色と言い方だ。
 瞬いだフェリシティは、大真面目やで、と端的に答えて持ち場につく。
「なんや、クレイは一緒に乗りたないん?」
「いや……そんなことは」
「なら早く乗らな。審査員待たせたらあかんし、いくで!」
 クレイの返事が届くより先に、道を織りなす枝を蹴ってフェリシティはスタートを切る。入り組んだ枝や根で構築されたコースは、どの坂がどこへ向かうのかすら、見えない。
 枝葉の影を駆け抜ければ、葉に湛えられていた朝露たちが降り注ぐ。ぼたぼたと落ちてきた雫はもはや大粒の雨同然で、二人して濡れネズミになってはブルブルと頭を振った。
「あっははは、冷た! ずぶ濡れやー!」
「フェリシティ、あまり体を動かすな。バランスが崩れるぞ」
「へーき平気! 次思い切り曲がるで!」
 二人乗り可能と言っても葉っぱは葉っぱ。慣れないソリでの二人乗りは、バランスを崩しやすいもの。だからこそクレイは前で操縦に勤しむフェリシティを支える。支えながら、思うのは。
(「仕方がないこととはいえ、近いな……」)
 距離が近いどころか、くっつかなくては葉から飛び出してしまいそうで。
(「ジャンプが肝だ。だが、危険なタイミングでもある」)
 コーナーを滑りながら、前方を見据える。急カーブもきれいに滑れているが、アスファルトなどの整えられたコースとは異なる。枝の重なりやボコボコとした歪みが、二人の乗った葉を時に跳ねさせ、時にぐらつかせた。
 けれど恐れるがあまりに斜面でスピードを落とせば、きっと森が満足するような演技は披露できない。そう思考を巡らせて、クレイはブレーキをかけないフェリシティに速度を任せた。
「よっしゃ! お次は華麗なテクで虜にしよ」
「華麗な……? あ、おい!」
 制止する暇などクレイには与えられない。
 これまで辿ってきた枝の太さとは明らかに違う、細い枝へ葉ごと飛び込んだ。
 すると、勢いや重みでしなった枝が不安定なコースを造り上げるものだから、猛スピードで走っていた葉もすっかりぽよんぽよんと弾み始めて。それでもフェリシティは弾みに合わせて舵を取り、クレイは葉の左右でバランス調整に挑む。
 そんな演技を見せたからか、森のあちこちから風音による葉のざわめきが聞こえてきた。
 道さえあれば。二人は、何処まででも――跳べる。
「そろそろクライマックスや! ……ほな跳ぶで!」
「ああ、任せておけ」
 合図も一瞬。だがクレイは絶対に聞き逃さない。だから躊躇なく両手を挙げたフェリシティも、カエデの葉から放り出されたりはしなかった。クレイが、フェリシティの身体をしっかり抱えて離さなかったから。
 こうして生まれたK点超えの大ジャンプは、団栗どころか茂りに茂った葉たちをも、歓声の渦に巻き込んだ。
 そして奥へと続く道は、歓声がやまぬ内に開かれた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【照明】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV4になった!
【ガードアップ】がLV2になった!

坂登・悠日理
惺音g03409と

うわぁすごいなこの木の根
まさに天然のジェットコースター!

うーんどれに乗る?
ほらこういうのだと危なくなさそうだぞ?
チューリップとか鈴蘭に似た形の花弁の大きな花を指差し
何より惺音とユキミが乗ったら可愛い
俺?
俺は勿論この葉っぱだな
どや顔
男には…勇気を持ってやらなきゃならない時がある
って何だよレオはその呆れ顔
そっちと連結させとく?

よーし準備いいか?
おおやばい
めっちゃ早い!
レオしっかり掴まってろよ!
地形の利用で先の道を観察して予測すれば余裕だな
楽しい
とてもいい笑顔
ジャンプの時は手はピースで目に当ててどや顔
レオもやるんだぞ!
飛翔効果で三回転とかもしちゃうか

ああ楽しかった!
って惺音大丈夫?


森瀧・惺音
ゆぅ君g04140と

木の根がコースターになるんだね
樹が痛くないと良いんだけど…

え…じゃあ、ユキミと釣鐘水仙みたいな花に一緒に
…可愛いにつられた訳じゃないよ、多分
繋ぐと危なそうだし、別々にしとこうか
ゆぅ君、絶対に回るでしょ

ゆぅ君の滑り出しを見て吃驚
わ、結構速い
…私達もいくよ、ユキミ
道中は幻影で星屑を作っては軌跡に散らしちゃおう
カーブではユキミが引っ張る様に身体を傾けてのドリフト
たまにわざと回転したりしてみるよ

決めポーズ…
私は両手でハートを作って
ユキミがハートの間からウィンクするね

樹々にありがとうと言ってから
楽しかった、けど…ちょっと疲れたかも
私は普通に滑る方が良いなぁ
パフォーマンスは恥ずかしくて


「どれに乗るか決めた? これとか、あれとか、危なくなさそうだぞ」
 しばらく辺りを回っていた坂登・悠日理(叡智の眼・g04140)が、徐に指さす。
 様々な種類がある草花の中で、彼が示したのは、チューリップやスズランに似た花たち。ふんわりと丸いドレスにも似た釣鐘型の花たちは、私を択んでと囁くように、楽し気に揺れている。
 森瀧・惺音(眠れる森の魔女・g03409)がその中から選んだのは、やさしく愛らしい色味の釣鐘水仙を模した花。一見すると脆そうでもあったが、ぐいぐいと引っ張ったことで惺音も得心がいく。
「案外しっかりしてるのかも? ……ゆぅ君はどれにするの?」
「俺? 俺は勿論、この葉っぱだな」
 ふふんと鼻を鳴らして悠日理が叩いたのは、ギザギザが特徴的な一葉。
 釣鐘型の花とは違い、搭乗者を守るにはやや心もとない。
 選んだ理由を尋ねたい気持ちもありつつ、惺音が黙っていると。
「男には……勇気を持ってやらなきゃならない時がある……って何だよその呆れ顔」
 振り返ってみればレオがなんとも言えない様子で立っていて。
「よーし、レオ! しっかり掴まってろよ!」
 葉と花はそれぞれの操縦士を乗せて、広大な樹海へと滑りだす――のではなく、滑り落ちていく。
「うおお!? やばいめっちゃ早い!?」
 悠日理とレオのバランスも合わさり、想像以上の速度を生み出した。
 彼の声が枝の間、濃緑の間を滑走する様は、惺音の目から見ても速いとしか言いようがなく。
「……私達も頑張ろう、ユキミ」
 惺音とユキミもなめらかな滑り出しを魅せて、巨樹の世界をゆく。
 その間も悠日理たちは、うねる樹上も、撓んでは弾ける枝も堪能していた。
「はは、まさに天然のジェットコースターだな!」
 彼らが乗りこなせば障害物コースも、立派なパフォーマンス向けのコースに早変わり。
 楽しい、と感情が先をゆく。おもしろい、と発する熱が止まらない。
「さあ、スピードアップだ!」
 整備されたコースと異なる天然の道は、歪曲や隆起した箇所も多い。
 そして速度を出せば出すだけ当然――。
「ゆ、ゆぅ君!?」
 盛大に、跳んでしまうものだ。
 ぎょっとした惺音をよそに、悠日理とレオの乗る葉は、降り注ぐ陽を受けたかのように輝き、樹海の空を舞った。しかも焦る素振りもなく、思い切りの良いピースを目許へ寄せて、最高の笑顔を森へと披露しながら。
 ほらほらレオも、と促しての旋回は瞬く間に森をざわつかせた。
 そんな光景を見せられたら――惺音も落ち着いてはいられない。
(「やってみよう……どれぐらいできるか、わからないけど」)
 巨大な枝の合間を抜ける際には、惺音もユキミも肩を縮こまらせて。
 景色が開けた瞬間、枝をジャンプ台代わりにした、天を翔けるほどの大ジャンプを披露すれば。釣鐘の形をした水仙らしき花びらが、彼女たちを守るように揺れ、当の惺音はというと。
「ユキミ……っ!」
 片腕で花にしがみつきながらも、空いたもう片方の手を空へ伸ばす。
 バランスを取るためでもあったその細腕には、ユキミがくっつき、そして。
「絶対、離さないからね」
「きゅ!」
 全力で身体を傾けたユキミに合わせて、惺音もバランスの軸を動かし、急カーブを疾走した。
「お次は決めポーズ、いくよ、ユキミ」
「もきゅきゅぴ!」
 惺音の両手がそっと創りあげたハートの間から、すかさずユキミのウインクが飛ぶ。
 次の瞬間、ときめいて間もない木々や団栗たちの動揺が、がさがさと忙しい音を立てて森を震わす。
 何が起きたのかと驚きながら着地した惺音たちの元へ、団栗らが挙って顔を寄せてくる。なぜだか悠日理たちには、かれらが自分たちを気にかけてくれたように思えて。
「大丈夫、すごく楽しかったぞ!」
 そう団栗へ声をかけた。途端にカタコトと団栗たちが応えるように揺れる。
「……って惺音、疲れた??」
 悠日理が顔をひょこっと覗き込めば、ふるふると惺音が静かにかぶりを振って。
「うん、慣れないことしたから、ちょっと疲れた……かも」
 演技しながら滑るのは、少しだけ恥ずかしさが先行してしまう。
 独特の緊張感が続いたからこそ、彼女の胸にはドキドキが残っていて。
「楽しかったのは本当だよ。……ありがとう」
 世界樹を築き上げている緑たちへそう告げたら。
 かれらはコロコロと身を揺らして、笑ってくれた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【通信障害】LV1が発生!
【飛翔】がLV6になった!
効果2【グロリアス】LV2が発生!

遠遠・忽
【いざゆけ幼女の集い!】で参加
勢いに乗って、いくでーーーー!

葉っぱのまま突撃する?
なにゆーてはるん?
勢いに乗るってそーゆーことちゃうからあああああああああ!?

ようじょはきゅうにとまれへんって、止まれへんのうちだけやろ!
とか
はらくくって固定して欲しいくらいやわ!
などとツッコミます
……心を、保つ、ために……

伝承……戦術……草刈り……
ちゃう、受け身とか、痛くないぶつかり方とか身の護り方をダウンロードせんと……!
走馬燈が!実現(?)してまう!!

なんかほら、空気抵抗とか摩擦とか考えて体当たりしやすいようにするわ
しらんけど

ここまでやらかしといて、シリアスか!!!!
へろへろになってもツッコミは欠かしません


リズ・オブザレイク
【いざゆけ幼女の集い!】について深く考えないようにします。
やっぱりすみません1つだけ……ポーズを取り続ける必要ないですよね?

ともかく諷和さんのパラドクスで滑り続けられているなら、その勢いのままトループス級を突破しましょう。
遠遠さん、腹をくくるしかないようです。

おいで【ユニコーン】!
【戦騎疾駆】で先頭を走って皆を引き、そのまま敵に突撃します。
香華の衣による光弾は【フェアリーソード】で切り払って安全の確保をしながらね。
敵がこちらの勢いを見て守りを固めるなら逆に好都合!
そのまま正々堂々と正面突撃してしまいます。

……今の、トループス級でしたよ。
この先のアヴァタール級は強敵でしょうから、気を引き締めて。


諷和・もこ
【いざゆけ幼女の集い!】
…もう幼女でいいんだよ…

ジェットコースターに乗った勢いのまま
このまま進軍!しちゃうんだよ

というわけで三位一体にゃんこポーズのまま
(リズさんを操縦士として、後ろに乗ったボクが忽さんをリフトアップで持ち上げて滑走)
滑っていくんだよ!

え?坂道じゃないのに走ってる?
それはね、【召喚】した妖精さんたちが葉っぱの下で抱えて
超低空【フライングオンザシープ】で走って(飛んで)くれてるんだよ!

きをつけろ、ようじょはきゅうに、とまれない
なんだよ!
【飛翔】でスピードがますます上がったジェットコースターの勢いのまま
先のステージまでかっ飛ばしちゃうんだよ!

…途中で何か轢いたような?
気のせいかな!


 今日も世界樹では、アルルーナたちが平穏に暮らしている。
 踏み入る悪いやつには「めっ!」をして。思うままに笑い、歌い、踊りながら多くの植物を支配して。だからどんな侵入者が現れても、彼女らにとっては些末なこと。そのはずだった。
 ドドドドドド――。
「ねえねえアルルーナ、地響きしない?」
「ねえねえアルルーナ、しかも近づいてきてない?」
 ぱちくりしながら緑の少女たちが顔を突き合わせる。
 何処から聞こえてくるのかと疑問に思った矢先、皆の目に飛び込んできたのは、想像を絶する光景だった。森の向こうから後光を纏った不思議な像が、否、巨大な葉に乗った人物や羊が織りなす、奇妙な彫像が出現して。
「なになになに? なにアレ??」
「この世界樹にあんな像あった??」
 目を丸くするアルルーナをよそに、築かれた像は最高速で駆け抜ける。しかも。
「進軍! 三位一体にゃんこポーズ!」
 諷和・もこ(ふわもこうとうと・g01739)の大音声が鳴り響くや、葉の下のもこもこした塊も活発化しだす。もこもことした塊――フライングオンザシープの羊たちが、もこたちの出力を最大にした。
 アルルーナの群れが驚くのと同時、羊の勢いを鈍らせようと鋭い茨が踊りだす。
 羊をどうどうと宥めるかの如く揺れ動く茨には目もくれず、もこは瞳を爛々と輝かせた。
「勢いに乗ると言えばやっぱりコレなんだよー!!」
「勢いに乗るってそーゆーことちゃうからあああああ!!?」
 絶叫の源となった遠遠・忽(抜きっぱなしの伝家の宝刀・g00329)は、そんなもこにリフトアップされたままだ。それがまた像としての完成度を高めている。
 時折、舞い散る葉や枝に顔をはたかれながらも、忽の口は止まらない。
「葉っぱに乗っての特攻は思っとったのとちゃうねん!!」
「遠遠さん、此処まで来たら腹をくくるしかないようです!」
 リズ・オブザレイク(人間の妖精騎士・g00035)も、操縦に専念したまま敵陣を見渡し、進路を確かめる。驚愕に惑うアルルーナたちの姿を認めはしたが、言葉を交わす余裕などはない。
「はらくくって固定して欲しいくらいやわ!」
 ツッコミを欠かさない忽の心リズ知らず。
 こうなったら、とリズが嚙み締めた現状は、やはりトップスピードを保ったまま。
「勢いを殺さず突破しましょう!」
「へ? なにゆーてはるん……ちょちょちょ、ちょい待ち!」
「待ち時間もポーズを変更する余裕もありません! おいでユニコーン!」
 忽の制止も空しく、葉も馬も羊も敵の守備を突っ切る。
 花弁からの光弾でアルルーナが抗うも、リズが無双馬の速度で疾駆し、敵を轢き飛ばせば。光も散り散りになり、三人の周りを照らす。
(「ぶつかっても痛みを抑えられる手段で挑まな、身も心ももたへん!」)
 大自然のジェットコースターから引き続き、尚も緩まない爆走幼女の集い。
 掲げられた忽だけでなく、緑の娘たちも悲鳴をあげて転がるしかなかった。
 おかげで茨や花弁、花粉といったアルルーナの手により蠢いていた賑わいも、いつしか薄まっていく。
「道が開けました! あちらへ向かいます!」
 リズの合図を機に、アイアイサーともこが声を張る。
「このまま次ステージまでかっ飛ばしちゃうんだよ!」
「いやロースピード大事! イタタっ、さっきから飛び散った枝葉がうちに当たっとる!」
「きをつけろ、ようじょはきゅうに、とまれない……なんだよ!」
「止まれへんのうちだけやろ! 求ム! 急造ブレーキ!」
 暗にスピードを落としてほしいと忽が願ったとて、厳しい現実が待ち受けていた。
 どうにかパラドクスで身を護れるよう準備しつつ、忽は心の平穏を保つため喉を開き続ける。
「Gがかかっとる! 空気抵抗を肌身で感じとるうう!!」
「よーし、じゃあもっと加速度つけて全身で世界樹を楽しむんだよー!」
「はいッ! 正々堂々全速前進で参りましょう!」
 忽の必死の訴えも、絶好調が過ぎるもこ及びキリッとしたリズには届かない。
「これ以上は走馬燈が実現してまうー! あかんてええええ!」
 残響が、世界樹の一区画を満たした。
 三者が通過した跡には、ダイイングメッセージすら残す暇のなかったアルルーナたちがばったばったと倒れ、周りで目撃したアルルーナのドン引き顔が並ぶばかり。
 それこそ、幼女による暴走車が起こした前代未聞の大事件。

「うーん? 何か葉っぱの下がゴツゴツってしたんだよ。気のせいかな」
「……轢いてきたんですよ、トループス級を。木立をなぎ倒すかのように」
「わ、それは大変なんだよ! 後で植物さんたちに挨拶しておかないと!」
 もことリズはいつになく真剣さを醸し出し。徐にダンジョンの奥を見やった。
「最奥で待ち構えるはアヴァタール級、ですね。……気を引き締めていきましょう」
「だね。速さだけでは勝てない強敵なんだよ、油断せずいこ!」
 声色へ静けさが混じった二人に耐え切れず、へろへろ状態の忽は渾身の叫びを轟かせる。
「ここまでやらかしといてシリアスで終わるんか!? 終わってええんか!?」
 まともに応えてくれたのはきっと、忽に吹き付けた一陣の風だけ――なのかもしれない。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【書物解読】がLV3になった!
【スーパーGPS】LV1が発生!
【飛翔】がLV7になった!
効果2【命中アップ】がLV4になった!
【反撃アップ】がLV5(最大)になった!

ルチルーク・フレンツェン
ワンちゃん様に膝枕と子守唄したり、
コースターで少女漫画アニメのように跳躍しましたが、
攻略の為だけでなく記録に残すべき和やかと賑やかの良い活動でした
ドラゴンとフローラリアに植物様方を蹂躙と支配させない為に、貴女達を倒します

敵達よりも先行して【勝利への電脳演奏】を、
ワンちゃん様ニャンちゃん様と触れ合い、コースターに素晴らしく跳躍するディアボロス様方を特に称える和やかな音調で演奏し、
後続の士気を高めつつ攻撃していきます

敵達からの反撃にはメディカルポーチの薬を早業で摂取しつつ、
【完全視界】で花粉の先を見通して攻撃を絶やしません
ドラゴンが来るまでに時間がありません、多少負傷してでも戦っていきます


イツカ・ユメ
わんにゃんとジェットコースター!いいなぁ、皆楽しそうだったなぁ。
わたしもあとで遊びたーい!
その為にも、悪い子達は『メッ!』てしないとね。

よーし!周囲のディアボロスさん達と協力して、【臨機応変】にズバーンと頑張っちゃうよ♪
【大声】で【挑発】して注意を集めたり、動き回って相手を【撹乱】しつつ、
様子を【観察】して弱点や攻撃時の癖等戦闘に役立ちそうな発見があったら皆に伝えるよ。
なるべく毒の花粉に触れないように、風向きとかにも注意するね。
笑顔のパワーで皆を応援して、笑う角に舞い込む【幸運】が勝利を導くと信じる!

お仕置きされるのは、あなた達の方だよ!
おもいっきりお尻ぺんぺんしちゃうから、覚悟しなさーいっ!


シル・ウィンディア
…とりあえず、一言いいたいんだけど
寒くないの、あなた達?まぁ、植物系だから大丈夫なのかもしれないけど…

と、気を取り直してっと。
左手に創世の光剣、右手にエレメンタルブレイドを抜いての二刀流でお相手だよっ!
初めての二刀流だけど、何とかなるでしょっ!
飛翔の効果で速度を出して接近し、すれ違いざまに斬撃を仕掛け、その後はそのまま離脱するよ。

頭をぶつけないように注意しながら上を取って…
高速詠唱で隙を減らしてからの、炎氷輪舞奏!
炎と氷に二重奏、しっかり味わってねっ!!
炎と氷の誘導弾を、これでもかというくらいに連射していくよ

ふぅ、何とか切り抜けられたかな?後は…。この先だけだね。


如月・莉緒
迷子になってた気がしたけど何か出られた!
うーん?お仕置されるのはちょっと嫌かな

ってことで【高速詠唱】で【雪片】を放ってばら撒かれた毒の花粉ごと吹き飛ばす

にしても無邪気にお仕置したがるってのも中々にタチ悪いな

近づかれたら魔杖から仕込み刀を引き抜いて【斬撃】&【連撃】で反撃して、間合いを取るよ

お仕置はほどほどにしておこうね?

アドリブ・連携歓迎


クレイ・ロックウェル
忍び足で奇襲を警戒しながら進む。敵を発見次第仕掛ける。
既に仲間が交戦している場合は加勢する。

侵入自体が悪と見なされるなら倒すしかない。
フェリシティ(g03901)、後ろは任せた。

【オーバーハウ】で攻撃。
周囲に茨が生えている場合は【エアライド】で避けて移動する。
さっき滑った要領でいけるか。

猫は目線を低くするだったか。
体を沈ませて間合いを計って、斬る。
遊びの経験も活かせるものは活かす。

別に構わん。ピンク色の大きな猫が懐いてくれるのだろう?
人をクマ呼ばわりするわりに勝手だな?
良いから真面目に戦え。
敵は待ってくれんぞ。

フェリシティをディフェンスする。
勝利の為には負傷は厭わない。
連携・アドリブ歓迎。


フェリシティ・マーノット
めっちゃ楽しかったなあ。
敵とも遊べたら良えんやけど
あっちにしたら俺らが悪い奴やもんな。しゃーない。
けどお仕置きするんはこっちの方やで。

クレイ(g03894)の後方で敵の数とか様子とか見つつ
近くの敵か仲間が攻撃した敵を罪問糸で狙っていく。

毒の花粉が厄介やな。
地形や風の動きを見て
できるだけ吸う量を減らしてこ。

って、クレイ、猫と遊ぶ要領で戦ってへん?
そら怖がられるはずや。後で復習せな。
猫とか言うな。恥ずかしいやろ(照れで)
俺はずっと真面目やっちゅうねん。
お前こそよそ見したらあかんで。

クレイをディフェンスするし
できるだけ仲間と連携するし
少々の怪我は構へんよ。

※アドリブ歓迎


「ねえねえアルルーナ、あのヒトたち森を抜けてきた」
「ねえねえアルルーナ、侵入者にはお仕置きだね」
 無邪気に微笑む緑の少女たち。
 あどけなさを湛える彼女たちが捉えたのは、世界樹を築く植物でも木漏れ日でもない。
 茂る森からぼんやりと浮かび上がった、ディアボロスたちの姿だ。
「やっぱり『悪い侵入者』って枠組みなんだね、私たち」
 少女らの反応に、如月・莉緒(恋愛至上主義・g04388)が瞬ぐ。
 それぞれでフローラリアの数を確かめている間も、そこかしこからお喋りが届く。侵入者、お仕置き――まるで覚えたての言葉を繰り返すかのような声たちが。
 イツカ・ユメ(いつかかなうゆめ・g02834)が、指先で顎をトントンと叩きながら呟く。
「おうちに黙って遊びにきたのは、わたしたちだもんね」
「訪問には事前承諾が必須でしょう。しかし……」
 続くルチルーク・フレンツェン(均衡を破りし逆襲機械・g02461)の声色は至って穏やかだ。
「敵に断りを入れる必要などありませんから」
「その通りっ! 敵に情けはいらないもの」
 シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)も剣を抜きつつ頷いた。
 そして同じ顔が並ぶ敵の群れへと、シルは気になっていることを口にする。
「ところであなたたち、寒くないの?」
 ほぼ裸と言っても過言ではない森の人らは、けれどきょとんと眼を丸くするばかり。
「さむい? さむくない」
「さむくない。さむい?」
 聞き返したとも取れる不思議な呼びかけをしてきた少女たちに、シルは思わずううんと唸る。
「植物系ってよく分からないね。まあいっか!」
 碧に世界を映す創世の光剣と、エレメンタルブレイドをしかと握り直し、気を取り直す。
 ――臨戦態勢は整った。
 だというのに幼い素振りで、アルルーナたちがディアボロスへ微笑みを振りまく。
「たくさんお仕置き。たくさんやっつける」
「ダチュラがそれを望んでる」
 シルたちの視界に並んだ表情はいずれも、混じり気のない童心を灯している。
 だから莉緒の眉尻も少し下がってしまう。
「うーん? お仕置きされるのはちょっと嫌かな」
「ヤなら出てく? 帰る?」
 アルルーナから問われ、まさかと莉緒はかぶりを振るう。
「お土産も無いのに帰らないよ!」
「「おみやげ?」」
 首を傾いだ緑の娘たちへ、今度はルチルークが答える。
「はい。貴女たちを倒し、結果を持ち帰ります。最優先事項です」
 ドラゴンやフローラリアに透る緑を蹂躙させやしないとの意思で以て、ルチルークが敵を射抜く。
 すると俄かに敵陣がざわついた。怯えるでも恐れるでもなく地を蹴り、アルルーナの群れは戦場と化したダンジョンを駆け回る。きゃたきゃたと笑声が巡る中、よーし、とイツカは足首を軽く解して。
「たくさん遊ぶためにも、悪い子は今のうちに『メッ!』てしないとね」
 動き出す準備は万端。瞳をキラリとひとつ輝かせ、イツカは腹の底まで息を吸う。
「早速ズバーンと頑張っちゃうよ♪ ほらほら、楽しもう!」
 吸い込んだ分も加えた大きな声で言の葉を振りまき、踊るように駆け回る。
 どこまでも跳ねていってしまいそうなイツカを、くるりと舞いながら華やかに道ゆくイツカを、アルルーナたちも夢中で追い始めた。
「アルルーナ、お仕置きする!」
「待て待て~ってする!」
 笑いながら追いかける姿だけなら、まるで幼子が遊んでいるかのよう。しかしどんな振る舞いを見せても、彼女らはクロノヴェーダ。単なる鬼ごっこには決してならない。歌うイツカを捕まえて、その心身を毒で満たそうとするばかり。
 けれど追いかけてきた敵を厭うどころか、鬼ごっこを楽しむぐらいの足取りでイツカは跳ねる。
 そのたび、お仕置きしたくてたまらない童女らが、毒の花粉を四辺へ散らしていく。
 直後、彼女たちを叱るかのように二つの影が飛び掛かった。
 影のひとつは、フローラリアの頭上めがけた鋭く力強い斬撃を繰り出して。
 もうひとつ、やさしい桃色からは撓った光が飛び出し、アルルーナを打ち据える。
「遊ぶんやったらトコトン遊んでほしいねんけど、そういう感じと違うやろし」
 フェリシティ・マーノット(ラココット・g03901)の一言と光の鞭を受け止めたアルルーナが、ヤダヤダ放してと駄々を捏ねる。けれど解放する気は更々ない。
「悪いコトした子にお仕置きするんは、こっちの方やで」
「ああ、子ども……かは分からんが、常識を教えるのも大人の役目だ」
 戦場まで忍び足で訪れていたクレイ・ロックウェル(アーベントロート・g03894)も、敵を斬り伏せながら加勢する。
 歌いながら走り回ることでアルルーナたちの気を惹いていたイツカが、そんなフェリシティたちへぶんぶんと手を振る。
「わあっ! 数体受け持ってくれてありがとね!」
「おーっ、こっちは任せとき! ガンガンいくで!」
「フェリシティ、後ろは頼む」
 イツカに続いてたった一言、それだけを告げ、クレイは前方へと踏み込む。
「あいよ、頼まれました」
 ひらりと片手で返事をしたフェリシティは、話を交わす間も漂う毒の粉を、引き戻した手で払おうとする。触れた先からじわりと緑が滲む花粉は、焼け付くような感覚をもたらす。
「……厄介な花粉やな。気分上げていこか」
 喉にまとわりつく不快感を咳払いで吐き出してから、フェリシティは四辺へ目をやった。敵陣が生み出した花粉は、容赦なく佳景を霞ませる。まともに吸えばどうなるかは、想像に難くない。そこへ。
「気分の上昇をご所望でしたら、当機にお任せください」
 会釈と共にルチルークが申し出た。
「ワンちゃん様、ニャンちゃん様との触れ合い。それと素晴らしい演技を披露なさいました皆様方を……」
 次に顔を上げたルチルークは、電脳演奏の始まりを紡いでいて。
「精一杯、称えさせて頂きます」


 賞賛を含むルチルークの演奏は、勇壮さよりも和やかな音調で場を満たす。
 わあ、と意識せずフェリシティが声をあげた。
「BGM付きのバトルやなんて、豪勢やね」
 フェリシティが小さく笑ったものだから、近くで聞いていたクレイもふっと口端をもたげる。
 こうして曲が灯れば、疾走するイツカの双眸にもより濃い光が宿って。
「音楽にはやっぱり歌だよね!」
 言うやイツカのつま先は、地や宙を蹴るのをやめて音を刻む。
 ご機嫌で口遊むイツカの歌は、奏でるルチルークに合わせて森の色を鮮やかにしていった。
「お仕置きされるのは、あなた達の方だよ!」
 イツカがまるでイタズラっ子のような、あっかんべーをアルルーナへ向ける。
「お尻ぺんぺんしちゃうから、覚悟しなさーいっ!」
「おしりぺんぺん?」
「ぺんぺん?」
 首を傾いでばかりいるアルルーナたちへ、イツカはふふふと笑う。
 緑死病が渦巻き、ディアボロスたちの肌身を染め上げていく光景も、歌や音楽が加わればまるで祭事のようで。だからイツカは咲かせ続ける。いつか、何処かで耳にした歌を。
「お歌だ! お歌が聞こえる」
「なんの歌? なんの曲?」
 馴染みの薄いリズムに、アルルーナたちが走らせたのは戸惑いだ。しかもルチルークとイツカが披露した音からは、痛みを覚えてやまない。オロオロするのも当然だろう。
「うんうん、音楽に乗るのも、歌って楽しむのも大事だよね!」
 困惑する彼女らを前に、莉緒も頷きながら群れ成す緑へ贈り物をした。
 仲間が音楽で世界樹を飾ったのだから、莉緒が連ねるのはもちろん――。
「ここじゃ見られない絶景を、ご覧あれっ」
 きらきらと歌い紡ぐ雪、ヒオノニファーダ。
 毒も悪意の鼓動も止める白に見惚れたアルルーナが、両腕を振り上げて駆け回る。雪の一片がひとつ、またひとつと増えても。たとえ風が増して苦痛に苛まれても。緑の娘たちはどこか楽しげだ。
「イタイ、イタくてキレイだねアルルーナ」
「イタイね、イタいけどはじめて見るねアルルーナ」
 抱いた感想を次々口にして、アルルーナたちは死病へ繋がる花粉をばら撒いていった。
 彼女たちが散らす粉も、痛みを呼び起こす存在だというのに。
 そして、煌めく雪で莉緒がどんなに毒を吹き飛ばそうと、フローラリアの悪意は押し寄せる。
(「ううっ、払った先から緑色に染まっていく……にしても」)
 徐々に自身が緑に濡れても、構わず莉緒は四方八方を確かめた。
「キャハハ! ワルい子ワルい子!」
 視界に入った子たちはいずれも、花粉の色に染まったディアボロスを指差しては、幼さ全開で笑うだけ。
「……無邪気にお仕置したがるって、タチ悪いなぁ」
「だからこそ、教えてあげないとねっ」
 莉緒がため息をついた傍を、ぽつりと告げてシルが翔けていく。
 先ほどまで仲間を映していた、明るくやわらかなシルの眼差しも、敵を捉えれば一変する。双眸が湛えたのは、澄み切った冷徹さだ。敵対者を射抜く、シルの艶やかな――青。氷よりも凍てる色にはしかし、燃え盛る情を思わせる炎が揺らめく。
「教えてあげる。寒いとか熱いって、こういうこと言うの」
 頭上から影でアルルーナへと覆いかぶさる、シルのパラドクス。
 緑に染めていくばかりの娘たちへ施す教えは、炎と氷の二重奏によって成された。
 様々な景色を堪能するアルルーナが初めて知った、デュアル・ロンド。
「心ゆくまで、しっかり味わってねっ!」
 シルの想いは枯れない。死を招く伝染病が花粉に乗っても、ずっと。
「みんな絶好調だね! よーし、シルちゃんたちに続こーっ!」
 叫びながらイツカがダンジョンで咲かせ続けた色彩(うた)は、幸運と勝利の兆しとなる。
 続け、の合図はシンプルでわかりやすく、だからこそ仲間たちも足並みを揃えられた。
 どう呼び声を結ぶか一瞬迷ったクレイは、平常運転という響きを思い出して相棒へ言葉を放る。
「良い音楽が流れているからといって、油断はするな。……真面目に戦え」
「俺はずっと真面目やっちゅうねん。お前こそ、よそ見したらあかんで」
 見とき、と言い切ったフェリシティが光の鞭を編むのと時を同じくして。
 莉緒はアルルーナへと切りかかっていた。
「お仕置きしたいだろうけど、ほどほどにしておこうね?」
 唇を震わせつつ、ちらと周りを一瞥する。
 ルチルークの奏でる楽曲が鳴り響く世界で、クレイとフェリシティが別角度から動き出したのを目にしたから――莉緒は蔓も命も、根こそぎ雪片で埋もれさせる。
「あなたたちのお遊びは、そろそろ終わりだよ」
 別れを告げた莉緒の後ろで、今まで笑い声を弾ませていたアルルーナたちにも変化が生じていた。
 表情へ陰りを刷いた緑の娘が、息つく暇もなく膝を折っていく。
「どうして……こんなに、くらりってするの?」
「くらり、くらり」
 彼女たちが受け続けた、気を失うほどの衝撃――ルチルークの演奏もまた、枯れず、色褪せないものだ。
「ドラゴン到着まで時間はありません。確実に成果をあげます」
 薄い唇をきゅっと引き結ぶ。緑死病で苦しめられても、ルチルークは演奏をやめない。
 だから広がる、響いていく。大自然と呼ばれる世界樹では決して聞けないであろう、勝利への電脳演奏が。
 たとえ彼女たちのパラドクスから生き延びようとも、隙だらけのアルルーナに未来はない。矢継ぎ早、フェリシティの『おしおき』が、その輝きで敵を叩き伏せる。
 そして同じ頃、クレイは。
(「猫に対しては目線を低くする……それと、間合いを見誤らないこと」)
 己の内側でつらつらと思考が流れていく。けれどクレイに動揺はない。身体を沈ませたまま残敵へ近づくだけ。警戒心の強い猫と同じように対処したからだろうか。最後のアルルーナへ捧ぐオーバーハウは、茨が向けた棘という名の敵意をものともせず、悪の芯を見事に断つ。
 ようやく、ふぅ、とシルが一息ついた。
「数は多かったけど、何とか切り抜けられたかな?」
 一方イツカは、いいないいなぁ、と倒れた古木に座りながら、足をぶらぶらと揺らしていた。
「わんにゃんとの遊びに、ジェットコースター! 楽しそうだったなぁ」
 羨まし気な声を零したイツカのそばで、確かに記録として残すべき活動でした、とルチルークも顎を引く。犬や猫と戯れる皆の様子も、天然素材のジェットコースターで漫画やアニメのような跳躍を魅せる様も、どれもルチルークにとって新鮮な『記録』だったから。
「攻略上必須とはいえ、和やかと賑やかが融合した一景がありましたので」
「だよね、わたしも一段落したら遊びたーい!」
 事件解決後へイツカが望みを託したものだから、莉緒の目許も笑み色に染まる。また会えるかなと、未来への希望を胸に。
 こうして仲間たちが道程に思いを馳せれば、ふとフェリシティの内側で疑問が浮かぶ。
「クレイ、さっき……猫と遊ぶ要領で戦ってへんかった?」
 ストレートに問いを投げると、指摘された側はぴたりと動きが止まって。
「……活かせるものは活かす。戦場では常識だ」
 やり遂げたばかりのクレイが見せた、先ほどの戦い方。
 それを思い起こしながら、フェリシティは「あー」と行き場なく唸る。
「猫に対してはまだまだ修行が足りへんと思うし、後で復習せな」
「別に構わん。少し大きすぎるが、ピンク色の猫が懐いてくれるだろうからな」
「ほおん? 誰が大人しくて強くて麗しい猫やって?」
「そこまで言っていない」
 ため息を交えてクレイが言い返している間に、ダンジョンの奥へと繋がる蔦の扉が開いた。
 シルの眼差しが、扉の向こう――光射す場所へ向かう。
「後は……この先だけだね」
 ディアボロスたちはやっと、アヴァタール級フローラリアが居座る領域へ足を踏み入れる時を迎えた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【強運の加護】がLV3になった!
【スーパーGPS】がLV2になった!
【飛翔】がLV8になった!
【完全視界】がLV3になった!
【照明】がLV2になった!
効果2【リザレクション】LV2が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
【グロリアス】がLV3になった!
【ロストエナジー】がLV2になった!

シル・ウィンディア
※アドリブ・連携歓迎

この世界樹の迷宮上すって、肉弾系の人が多いよね。
どっちかというと後衛型なイメージだったんだけどなぁ…。
ま、いいや。攻略のために、がんばらせてもらうよっ!!

両手に、創世の光剣とエレメンタルブレイドを抜いて接近してから、斬撃を繰り出すよ。成功失敗かかわらず、そのまますり抜けて一撃離脱で動くね!
離脱時は、残像も生み出して攪乱しつつだね。まぁ、これで引っかかってくれたらかわいいけどね…。

味方が敵に喰いついたら、剣を納めて、世界樹の翼type.Aに持ち替えてから高速詠唱。
味方の攻撃が途切れるタイミングで…
全力魔法の六芒星精霊収束砲!!

フルパワーで行くから射線から退いてねっ!


白水・蛍
アドリブ/連携○
参加者が喰らうWIZ攻撃はディフェンスします。

さて、参りましょうか。
接近戦と参りましょう。何とかなりますよ。これからも、今からも。
一人ではありませんしね。

敵に近づきつつ【パラドクス】発動。
スパ―ライトと一緒に魔力塊を呼び出して割って破片を発射。
敵に爆発物を押し付けてその迎撃で戦力を消耗させましょう。

近づいた射程圏内もしくは反撃を食らったなら、そのままその蔦越しに【パラドクス】を発動させて魔力塊分割しないでぶつけます。
炸裂する魔力砲。全て貰って燃えておいきなさい!


ルチルーク・フレンツェン
ダチュラという花の名を騙るクロノヴェーダですか
幻覚を齎す毒性から「人を騙す可愛さ」と花言葉が付けられていますが、
本当のダチュラの花の可愛さを貶すのは許せません

楽園を夢見たがる敵の精神性を【イグジストハッキング】で歪めます
フローラリアの断片の王が健在ながらもドラゴンに大地を併合されてでも、
ドラゴンがエルフ達を焼こうとしても、逃げの一手ではディアボロスに勝てない現実を、
今までのディアボロス対フローラリアの幻覚を見せつけます

敵からの反撃はアイテムのツボ促進布靴で当機自身を痛みや刺激を与え、
戦いに奮い立たせて一歩も引かず敵に喰いつきます
悲しみの思い出があるからこそ失わせない、守り奪還する争いは歓迎です


九十九・静梨
ここを迅速に突破する為にも助力致しますわ!
鍛錬を受けたと言う技、見せて貰いますわ!

パラドクスで全身の筋肉を強靭に強化
その上で敵の肉弾戦は受けて立ちますわ
成程、見事な技としっかりした鍛錬、適切な教えを受けた事はわかりますわ
ですがわたくしも全てを取り戻すために我流ですが実戦で鍛えてきた腕に自信はありましてよ!
硬化筋肉で攻撃を防いだ所を◆グラップルで相手の腕を絡め取り日本の柔術の投げ
このような技は教えにも無いでしょう

種による攻撃は筋肉からパラドクスで噴き出す炎で焼却を狙い
相手の肉弾攻撃をいなして炎の拳や蹴りの◆連撃を叩きこみ
フィニッシュは炎を全身に纏って突進
正拳を叩きこみ敵を◆粉砕致しますわ!


菱神・桐梧
アドリブ連携大好き
戦闘中は適度に煽って【挑発】

さて……こいつは喧嘩を買ってくれるもんかね?
ま、買わなきゃ押し売りすんだけどな

手間取ってるような暇もねえ、一気に押し切るとするか
奴を狙い鎖分銅を【投擲】、避けるなり受けるなりした隙を突いて【突撃】だ
逃がしゃしねえ、徹底的に張り付き接近戦で叩き潰す

懐へ飛び込んだらパラドクスでぶん殴る
持ってる武器を総動員【ダッシュ】で距離を取らせないよう詰めながら【連撃】を仕掛けていくぜ
多少の被弾は無視だ、種ごと【粉砕】を狙う
最後に【捨て身の一撃】をぶち込んで、下がっておくか
味方ながらやばいのが飛んで来そうだ

こちとら急いでんだ……さっさと道を開けな。


イツカ・ユメ
どんなダンジョンも攻略できるはず、って言われちゃったなら、全力で応えるしかないよね。
この先、行かせてもらうよ!

他のディアボロスさん達と協力して、油断せずに。
限界のその先へ向かう皆を歌って鼓舞しながら、
相手の動きを【観察】して、隙を見つけたら【ダッシュ】で斬り込む!
『飛翔』や『エアライド』も活用して種や蔦や毒の芳香を上手く避けられるように、
しっかり【精神集中】して軌道を見極めるね。

……確かにわたしは花のように可愛いけど、
花になったら歌えないから嫌だなぁ。
世界が悲しみに満ちているのなら、歌ってハッピーにしちゃうのがわたしの在り方だもの。
わたしから歌を奪うのなら、全力で抗うよ!


アンゼリカ・レンブラント
フローラリアの王まで行かないと
絶対に世界樹迷宮を突破するんだ
さぁ勝負だよっ!

飛翔の効果を受けつつ高速で迫り、
パラドクスの突撃戦法でアタックだー!
相手の伸ばしてくる反撃の蔦も
身を包むオーラと格闘術で拘束される前に断ち切り、
ダメージを最小限に抑えるね

攻撃しつつも、グラップルの経験を活かし
取り付いて動きを抑え、遠距離の
仲間の攻撃を命中させやすくするなど
臨機応変に変化をつけて動いていくね
培った戦闘知識も生かしていくよっ

相手の消耗が分かれば、
呼吸を整えてから全力のオーラを込めた《光輝勇突撃》!
仲間の必殺の一撃と合わせてぶちこむっ!
さぁ、私の拳で貫くよ!

終わったかな?それじゃあそろそろ次の階層に行けるかな


如月・莉緒
さて、あなたがダチュラさん…?
もっと凶暴な人を想像してたけど、あなたは何だか悲しそうだね…

あなたの事情はよく分からないけど
私たちは先に進まなきゃ行けないんだ
だから、ごめんね…?

精神を侵食しようとする毒に、惹かれないこともないけれど

争いや悲しみに満ちた世界が嫌なのは分かる
でも私はそんな現世を捨てるんじゃなく、そんな現世を救って、たくさんの人の楽園になるように努力したい

伝えたいことは伝えた上で振るうのは
魔杖を槍に変えた上での【流星槍】

【高速詠唱】で素早く唱えて、【貫通撃】でその身体を貫く

どうかあなたの来世に自由や幸福がありますようにとそう願って

アドリブ・連携歓迎


 ぽつねんと佇む人影は、世界樹の森に溶け込むような見目でディアボロスを出迎えた。
「あなたがダチュラさん……?」
 如月・莉緒(恋愛至上主義・g04388)が首を傾げると、影の主は自嘲気味に笑う。
「どうやら僕は有名人みたいだね。君たちの間では」
 ダチュラの平静さが、莉緒には不思議でならない。
 もっと森の支配者と呼べる態度を取る相手だったなら、こんな気持ちは抱かなかっただろうに。
 なるほどと繰り返して、ルチルーク・フレンツェン(均衡を破りし逆襲機械・g02461)は敵の頭の天辺からつま先までを視認する。
「ダチュラという花の名を騙るクロノヴェーダ、ですか」
 確かに咲く花は美しく、艶めく蔦からも瑞々しさも感じられた。けれど。
「……ダチュラの花の可愛さを貶すなど、あってはならないことです」
 ルチルークは淡々と紡ぐ。許せなかった。ダチュラという名が持つ意味を、本来の花の可愛さを、クロノヴェーダが名乗っている事実が、どうしても。
「ええ、本来の花の美しさを台無しにしてもらっては困りますね」
 白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)がルチルークに連ねた。
 一方でイツカ・ユメ(いつかかなうゆめ・g02834)は、両頬を気合いで満たしていく。
「それに、どんなダンジョンも攻略できるはず、って言われちゃったからね」
 失われた日常からは程遠い場所で、イツカはいつもの笑顔を皆へ向けた。
「全力で応えるしかないよね!」
 託されたものの重みとか、果たさなければならない使命とか、そんな難しいことを考えなくても。応えようと思う気持ちが胸で咲き続ける限り、彼女は絶対に足を止めない。
 その通り、と告げたアンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)の眼差しもまた、ダチュラを射抜くもので。
「私たちは、世界樹迷宮を突破するために来たから……」
 ダンジョンへ足を踏み入れて実感した。王の元へ至るのに、一体どれほどの時間を要するのだろうと。ならばと彼女は、すぐさま始まりの一歩を踏み出す。場に残る力を支えにして、はばたくように飛び上がった。
「どんな相手であれ、倒すことに変わりないんだ。さぁ勝負だよっ!」
 笑みを絶やさないアンゼリカの挨拶を、地上でダチュラはしかと受け止めていて。
「勝負、か。なんて恐ろしいものだろうね」
 苦みを磨り潰すような物言いで呟いた。
「さて……こいつは喧嘩を買ってくれるもんかね?」
 くつくつと喉で静かに笑って、菱神・桐梧(喧嘩屋・g05613)は敵を捉えれば。
「鍛錬を受けたと言う技、見せて貰いますわ!」
 胸を張った九十九・静梨(魔闘筋嬢・g01741)も敵と――世界樹を築いた偉大な森を視界に収める。
 大きな瞳をくるくると動かして、シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)は不思議そうに首を傾けていた。
「なんでかな、この世界樹の迷宮って、肉弾系の人が多いよね??」
 先行したイメージとは、かなりかけ離れている。
 しっくりと嵌らない感覚を抱きつつ、シルは「ま、いいや」と気持ちを切り替え、踏み出す。
 仲間たちが動きだすのを見届け、イツカは深呼吸を繰り返した。
(「油断はしないけど、ためらいもしないよ」)
 ダチュラの挙動をじいっと見つめて、タイミングを計る。観察してみれば、ダチュラの仕草は実に静かなものだった。鍛錬の成果か、はたまたいつもの様子なのかは、まだ判断できないが。
 その間にゆらりと踏み出した蛍の一歩は、足音さえ眠りに就いたまま、世界樹の地へ痕跡だけを残す。
「さて、私も参りましょうか」
 ふふ、と小さく笑った蛍の微笑もまた口角に添えるのみ。
 やがて彼女の足取りはダチュラの眼前へと迫り、肉弾戦を得手とする存在へ囁きかける。
「接近戦がお好きなのでしょう? お相手くださいます?」
「スカアハの薫陶を受けた僕に、組手の申し入れかい?」
 ダチュラは露骨に嘲笑った。
「侵入者のくせに、随分と余裕がおありだね?」
「はい。何とかなると思っていますから」
 蛍の面差しは揺らがない。にこりと笑んだまま手向ける言葉のひとつひとつも、穏やかだ。
 しかしダチュラの気に障ったのだろう。蛍の発言に眉をひくつかせたかれは、武術の構えを取る。
「僕の楽園は荒らさせないよ」
「ええ、よろしくお願いします」
 恭しい一礼は、蛍にとって始まりの鐘だった。同じように構えて、機を窺う。
 そこへ、二振りの切っ先をダチュラへ突きつけてシルが言い放つ。
「どっちにしても要攻略のダンジョン! がんばらせてもらうよっ!!」
 途端に、嗚呼とダチュラの嘆きが零れた。
「君たち侵入者に、攻略なんて行為をさせるわけにはいかない。だから……」
 敵意そのものともいえる眼差しが、シルを、ディアボロスを睨みつけて。
「僕がとびっきりの夢を見せてあげるよ」
 シルの両手で煌めく剣が、ダチュラへ陽射しではない光を教えた。眩しい、と感じたが最後、かの者を四囲する輝きによって惑わされる。それらを生み出したのはまぎれもなくシルだというのに。振るった刃が織りなす光に照射され、ダチュラは標的を定められない。
 しかし惑うのはほんの一瞬。ダチュラはすぐにぐらついた視界から、見慣れた光景を取り戻す。
(「さすがに少しだけかぁ。でもあるのと無いのとじゃ、違うよね」)
 そう思いながらシルは下がり、敵との間合いを取った。
 知ると入れ替わるかたちで、桐梧が敵の元へ鎖分銅を投げつける。世界樹にも森にも似合わぬ得物と、ジャラリと響く金属音は、ダチュラの眉間へしわを刻むのに時間もかからなかった。
「ひとの手で造られたものを、この僕に投げるとは」
「ああ、強さってのは道具の使い方も加味して言うもんだぜ?」
 桐梧は、トントンとこめかみを指先で叩きながら続ける。
「打ち拉がれてる暇あんなら、もっと此処を使ったらどうだ?」
 露骨な煽り文句にもかかわらず、ダチュラの表情は険しさを増す。
(「それでいい。押し売りする手間が省けたな」)
 不敵な笑みを口端へ刷いて、桐梧は駆ける。
「忌々しい侵入者が……どの口で言うんだ……ッ」
 明らかに動揺を滲ませたダチュラは、冷静さを奪還するよりも先に桐梧を両目で追い始めた。追い出してやると言わんばかりの敵意が、桐梧に突き刺さる。しかし当の桐梧は嬉しそうに頬をもたげるばかり。
「おーおー、いいね、やれるもんならやってみな」
 こうしてダチュラの意識が逸れている間に、皆の距離を確かめつつ近づいていたルチルークが、ふとダチュラへ語り掛ける。
「人を騙す可愛さ。それがダチュラの花言葉です」
 呼ばれた名にか、言葉の意味にか、ダチュラがちらとルチルークを一瞥した。
「……楽園を夢見るのは、楽しかったでしょうか?」
「っ、君たちの邪魔さえ入らなければね」
 桐梧に煽られた名残が拭えず、感情的になったダチュラが鼻で笑う。
 かれの有様に、そうですか、とルチルークは冷たく返して。
(「やはり、つまらない夢というのはありそうです」)
 いまいち実感を持たぬまま、ルチルークがこの場で定めていくのは、ダチュラの精神を歪めるためのパラドクス――イグジストハッキング。これこそが、かれにとっての楽園を、かれ自身の見たい夢を壊すためのルチルークの能力だ。
 歪めた対象はもちろん、ダチュラの夢。
 逃げの一手では、決してディアボロスに勝てやしないと。ディアボロスとフローラリアとの戦いにおける勝者がどちらであるかを、まるで眼前で起きた出来事のようにダチュラへ突きつけ、痛めつけていく。
「や、めろっ! 何を見せ……」
 苦痛を振り払おうと喘いだダチュラは、毒を孕んだ芳香でハッキングの切断を試みた。楽園への誘惑はルチルークを包み、甘くやさしい『夢』で惑わしていく。悲しい現実から目を逸らしたくなる。苦しい現実から、顔を背けたくなる。そんな心地に支配されたルチルークは、ちくちくする胸へそっと手を添えた。
(「悲しみの思い出があるからこそ、失わせない争いなのでしょう」)
 まるでそれを歓迎するかのように、ルチルークはゆっくり顔を上げた。


 敵の心身も消耗している。
 それが精神的なものか、肉体的なものかは、アンゼリカにとって問題ではなかった。
 光の膜が彼女をくるむ。それは彼女の想いの現れ。仲間へ首肯で合図を送り、地を蹴ったアンゼリカは軽やかに世界樹を駆け抜けた。
 森のにおいで満たされた場所は、ダチュラの夢へ至る毒で浸食されている。一刻も早く、かれの幻想を断ち切らねばと莉緒やイツカたちが運ぶ足取りも、敵一点を目指していて。
「ダチュラさん、あなた……」
 言いかけた莉緒の声が、風に呑まれる。
「何だか悲しそうだね」
 光を灯しながら呟いた莉緒に、彼が目を瞠る。
「……侵入者に僕の心を読み解こうとされるとは。忌々しい限りだよ」
 吐き捨てた言葉は刺々しくとも、莉緒には切ない音を含んで聞こえた。もしかしたらこの世界樹のダンジョンが、かれの沈んだ気持ちを、悲しさを包み込んでいたのかもしれないとまで考えて。
 それでも莉緒が伝えるのは、彼女が伝えられるものは、ただひとつ。
「私たちは、先に進まなきゃいけないんだ。あなたの事情が何であっても」
 莉緒の手に浮かぶは光の槍。そして言い終えるや、光が宙を翔ける。
「だから、ごめんね……?」
 世界樹の森に星が降った。どんな緑をも目映く染め上げて、流星がダチュラを貫く。
「謝られるなんて、それこそ癪だ!」
 ダチュラが莉緒へ返したのは、言葉と楽園の夢だ。
「僕の愛した楽園に、これ以上足を踏み入れることは許さない」
 だから彼は夢を見せる。踏破されぬように。侵入者の足を止めるために。
 馨しい夢への入り口は、甘やかな毒と共に莉緒へ纏わりつく。永遠の楽園はきっと、莉緒に心惹かれる佳景を見せてくれるだろう。わかっているからこそ、莉緒は夢への架け橋を振り払った。
「争いや悲しみに満ちた世界が嫌なのは分かる。でも……」
 伝えたかった言葉を、莉緒は違わない。槍で貫いたときと同じように、真っすぐ向けるだけ。
「私はそんな現世を捨てるんじゃなく、救って、たくさんの人の楽園になるように努力したい」
「できると思うのかい? 君に、そんな大それたことが」
 たくさんの人の楽園に、だなんて。
「できるよ! それを成すために、私にできることをやるだけ」
「そういうこと! わたしもできるって信じてる!」
 莉緒とダチュラの応酬に響いてきた声は、イツカのものだ。
 ウインクを皆へ贈りながらイツカが形にしたのは、皆の力を高めることのできる歌。空っぽにした自身(うつわ)で以て、がむしゃらに、めいっぱい紡いだ歌は――限界のその先へと走る仲間を鼓舞して、敵を惑わせる歌。
 戦場の端まで行き渡る歌声は、静観するのを余儀なくされていた木々や植物たちをも、ざわつかせる。そして肝心のダチュラは、イツカの歌に胸元を抑えて苦しんだ。
「こんな……こんな痛み、あってはならないんだッ」
 吐き捨てたダチュラの一言が種へと変わり。イツカの身体に埋め込まれる。
「さあ、君も花になるんだ。ここに生きるみんなと同じように」
 ダチュラからの誘いで、瞬く間にイツカから毒の花が咲いた。引きちぎるのさえままならぬ花は麗しいけれど、刻々とイツカの命を奪っていく。それでも、彼女の顔から笑みが絶える日は来ない。決して。
「……確かにわたしは花のように可愛いけど、花になったら歌えないから嫌だなぁ」
 ううんと唸っていたイツカの懸念は、そこにあった。
 身体を揺らして、風を感じ、ミツバチや蝶と戯れることは叶っても。花は、言葉を歌えないから。
「世界が悲しみに満ちていたら、歌ってハッピーにしてあげなきゃいけないし」
「この世界に、そんな救いの道はないよ」
 相変わらずダチュラから届く想いは、刺々しい。しかしイツカは迷わなかった。
「わたしから歌を奪うなら、全力で抗うし、この先にも行かせてもらうよ!」
 こうしてイツカの歌声が、仲間の背を後押しし、ダチュラの肌身を痛めつける。いつからか戦場で咲く草花や木々たちも、彼女の歌に合わせてさやさやとリズムを取り始めた。
 そんな中、静梨は人差し指を天へと突き出して宣言する。
「九十九家家訓! 燃え滾る情熱は決して止まらない!」
 呼吸で心身を整えたのち、彼女が宿すのは『闘筋技・灼熱硬化筋肉』だ。
 それは、闘気によって灼熱と化した己の筋肉――否、燃え上がる全身を敵へ叩きつけるための一手。
「さあ、この情熱、止めることができまして?」
 ちょちょいと手の先で招く仕草をしてみせれば、ダチュラも苛立ちを隠せずに。
「情熱なんてのは、まやかしに過ぎないよ!」
 答えるとほぼ同時、静梨めがけて走り出す。静梨もまた、かれに負けぬ勢いで大地を蹴っていた。似た速度、似た迫力で真正面からぶつかり、拮抗する。赤赤と滾る静梨の拳は、ダチュラの拳と競り合って。炎渦巻く足で相手を押しやろうとする静梨の力は、やはりダチュラの踏ん張りとの争いと化す。
 取っ組み合う二人から昇る、湯気とも蒸気とも言えぬ白い情熱。
 ここへきて静梨は痛感した。成程、と意識せず口を衝いて出たほどに。
「見事な技としっかりした鍛錬、適切な教えを受けた事はわかりますわ!」
「君たちとは違うからね……!」
「あら、わたくしも腕に自信はありましてよ!」
 我流とはいえ、培ってきた経験が静梨にはある。
 だからダチュラから忍び寄った種に肌身を蝕まれようと、彼女の芯は揺らがない。どんなに手足が毒花で力を失おうと、炎が燃え続ける限り、彼女の闘志も輝く。
 ――この体勢のままでは埒が明かない。
 そうダチュラが考えた矢先、好機を待ち望んでいた静梨が先手を打って、かれの腕を絡めとり、そして。
「とおっ!!!」
「うわあ!?」
 情けないほど悲鳴をあげて、ダチュラは独特の柔術で丸め込まれた。
 戸惑うダチュラをよそに、静梨はすうと大きく息を吸い込んで。
「皆さま、今でしてよ!!」
 彼女からの熱烈なサインを真っ先にキャッチした桐梧が、迫撃する。
「逃がしゃしねえんだろう? 俺も逃がすつもりは更々ねえがな」
 武器という武器を駆使した桐梧の怒涛の連撃は、息つく暇も与えない。ダチュラから仕返しとばかりの種が埋められても。種が芽吹いて血液を吸い上げようとも。一瞬たりともよそ見をせず、桐梧は蔦や花ごとかの者を叩きのめす。
 そして連撃の終わり際、ぐいとダチュラの胸倉を掴んで引き寄せた。
「こちとら急いでんだ」
 間近で囁く桐梧の声音は、森の静けさよりも澄んでいて。
「……さっさと道を開けな」
 別れの挨拶代わりの、激しい頭突き。
 連撃を締めくくった頭突きもまた容赦なく、桐梧が手を離すと覚束ない足取りでダチュラが後退する。
「ガッ……ゥ!?」
 突かれた箇所を押さえ、朦朧とする意識を正そうとしたかれをよそに。
「フルパワーで行くからね!」
 シルの言葉を聞き留めて、桐梧が味方からも距離を置く。
 射線の確保が成されれば、次にダチュラへ降りかかるのは。
「何とかなる、と申したでしょう?」
 蛍の声だった。
「一人ではない。これが何とかなる理由です」
 単独で立ちはだかるダチュラと、ディアボロスたち。
 違いをまざまざと見せつけられて、ダチュラも肩を落とすかと思いきや。
「……ますます思ったよ。やっぱり、君たちに僕の楽園を蹂躙されたくはないってね!」
 未だ折れぬ花へ、蛍はいよいよ砲撃を開始した。
 彼女が編み上げた魔力の塊は砲弾となり、蛍のが持つ輝きを体現するかのように、強く、眩しく放たれる。狙い澄ます頃に、蔦と棘が蛍を襲っていた。だが打撃も裂傷も、先へ進むための代償だとしたら――蛍には些末なもの。
「これぞ魔力砲。全て貰って燃えておいきなさい!」
 炸裂した力に宛てられ、身を焦がしたダチュラはしかし休むことを許されない。
「めいっぱい叩き込むよ。いざ、勝負だっ!」
 叫んだ直後にアンゼリカが腹の底まで吸い込んだ息は冷たく、おかげで狙いを定める一翼を担う。整えた呼吸、踏み込んだ足、ひねった腰、そして仲間たちが繋げた数々の一手と合わせるべく、構えた拳。
「これが私の拳! 私たちの意志っ!!」
「意志? 意志なんて身勝手なもので、僕の楽園を壊そうとするな……!」
 ダチュラの頬が引きつる。同時にかれから伸びたの悪意こそ、無数の蔦と腕。
 蔦に四肢を絡め取られても、アンゼリカの拳は鈍らない。纏った光でその都度戒めを切り落とし、苦痛には目も向けず拳を突き出すだけだから。そしてかの者の腕がアンゼリカをいなし、体勢を崩そうとしても――渾身の一打は、この場所の主へ届く。
「このような技、あなたが受けた教えにも無いでしょう?」
 ふふんと勝ち誇った顔で佇む静梨に、ぐうの音も出ずダチュラは膝を折る。
 これまで、敵に喰いついて離れなかった仲間がいた。敵の意識を僅かでも外させた仲間がいた。敵と相対して力を削いだ仲間がいた。すべての出来事がシルを支え、シルの熱となって沸き起こる。
 ゆえに白銀の長杖が――世界樹の翼type.Aが、風の翼を開かせた。
「……六芒星に集いて、全てを撃ち抜きし力となれっ!」
「な、んだ? あの花は……?」
 崩れ落ちたままのダチュラが、ぎょっとしてシルの杖を凝視する。楽園を夢見る香りで、シルも杖も丸のみにするつもりだったダチュラの瞳が、揺れた。
 杖から溢れ出たのは、集結した魔力で模られた、美しい花たち。
 得も言われぬ花の姿が咲き誇り、ダチュラの双眸に映った、そのとき。
 シルの六芒星精霊収束砲が、残ったダチュラの命を根こそぎ消し飛ばしたのだ。
 皆の猛攻っぷりを目の当たりにして、桐梧はひゅうと息をつく。
「距離を置いてよかったぜ」
 巻き込まれたら無事じゃ済まなかった、と肩を竦めるその近くでは、一息ついたアンゼリカが森を仰ぎ見ていた。景色は何ひとつ変わらないけれど、フローラリアの気で満たされていた時より、心なしか明るく映る。
「終わったね。……そろそろ次の階層に行けるかな」
「うん、次に進めるといいね」
 莉緒はそう応えながらも、ダチュラが倒れた場所を瞥見する。
 ディアボロスたちがふと見降ろした辺り一帯で、幾多の戦いを潜り抜けた白くて小さな花が、かれらを見送るように揺れていた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【クリーニング】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV2が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
【建物復元】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV2が発生!
【能力値アップ】がLV4になった!
【ロストエナジー】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!

最終結果:成功

完成日2022年06月01日

世界樹ダンジョン攻略戦(第一層)

 妖精郷を焼き尽くそうとするジェネラル級ドラゴン『炎のベディヴィア卿』の暴挙を、ディアボロスは阻止できました。
 しかし、既に焼き払われてしまった妖精郷の森が元に戻る事は無く、フローラリアの力は大きく削がれたようです。

 この影響は、ディアボロスが攻略したフローラリア防衛要塞群を越えた先にも現れました。
 なんと、ディアボロスの目の前で防衛群を越えた先の空間が揺らぎ、隠されていた『世界樹』が姿を現したのです。
 数kmもの高さを誇り、ダンジョンを内包した本来の歴史にありえない巨大樹木。
 これこそが、フローラリアの中枢にして『断片の王』の居城のようです。
『世界樹』を攻略すれば、フローラリアとの決戦に挑めるかもしれません。

 ですが、姿を現した『世界樹』は数kmの高さで、ドラゴン側の拠点からも容易に確認できます。
 そのため『炎のベディヴィア卿』は態勢を整え次第、全軍を率いて世界樹に向かってくる事が予測されます。

※特別ルール1

 この事件の攻略期限は『炎のベディヴィア卿』が襲来するまでの時間を示しています。
 攻略期限となった場合、この事件は終了し、世界樹を巡ってディアボロス、フローラリア、ドラゴン勢力による三つ巴の戦いが開始されます。
 三つ巴の戦いは、この事件の成功シナリオの数だけ、必要成功数が減少します。
 状況によっては、フローラリアの中枢をドラゴンに先に制圧されてしまう可能性も出て来ます。警戒が必要でしょう。

※特別ルール2

 このシナリオタイプは、攻略旅団の「期限延長」提案の対象になりません。


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#幻想竜域キングアーサー
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選択肢『迷える迷いの森の植物達』のルール

 迷いの森の植物達は、支配者であるフローラリアから、邪悪な侵入者を惑わせて世界樹の攻略を邪魔せよと命じられています。
 しかし、迷いの森の植物達は、ディアボロスが邪悪と判断できず、邪魔をするかどうか迷っているようです。
 迷いの森の植物達は、他の場所の植物達と地下茎で繋がっており、これまで、ディアボロスがエルフや知恵ある植物達に良くしてくれた事を覚えているようなのです。

 彼らと話をして、ディアボロスが邪悪な侵入者では無いと理解してもらう事で、世界樹の探索を進めることが出来ます。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【🔑】この選択肢の🔵が👑に達しない限り、マスターは他の選択肢のリプレイを執筆できない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『世界樹迷宮の不思議な冒険』のルール

 世界樹の内部は、様々な不思議な植物や仕掛けがあり、探索は一筋縄ではいきません。
 様々な工夫を凝らして、世界樹の中の不思議な仕掛けを突破して、探索を進めていきましょう。
 詳しい内容は、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾施設を警備するトループス級『アルルーナ』のルール

 施設の警備を行っているトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 撃破する事で、施設での行動を行いやすくなります。
 撃破せずに行動する場合は、行いたい行動の選択肢を選びつつ、👾への対策などを同時に行う必要があるでしょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との決戦『『虚妄の楽園』ダチュラ』のルール

 事件の首魁である、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破する事で、この事件を成功で完結させ、クロノヴェーダの作戦を阻止する事が可能です。
 敵指揮官を撃破した時点で、撃破していないクロノヴェーダは撤退してしまいます。
 また、救出対象などが設定されている場合も、シナリオ成功時までに救出している必要があるので、注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、敵を倒し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「ミシェル・ロメ」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。