リプレイ
アストリッド・ヴァルトシュタイン
【アドリブ・連携など歓迎】
……魅了、でありますか。
此方は生憎、その手の興味は薄いのですが……。
万が一ということもありましょう。
ならば、わたしは闘争の齎す狂奔に心を委ねましょう。
わたしを苛む脳内麻薬、今だけは喜んで享受します。
激しい焔も、鋭い太刀風も、あの日の撤退戦の屈辱に比べれば。
……涼風みたいなものですからッ!
遠巻きに敵の動きを【観察】【偵察】し接敵するまでの間に【情報収集】。
接敵後は、情報収集して得た敵の性質を加味しながらパラドクスを発動。
自分の周囲の敵を徹底的に【破壊】して回る。
著しく疲弊したり、ある程度数を減らしたと判断したらそのまま速やかに撤退。
アマネ・モルゲンシュバルツ
どうもどうも、わざわざ遠いところからご苦労さま~
まぁ、悪いけどお土産を買う暇も与えないよ。
【アドリブOK】
連携を行うのなら連携を断つ必要があるわね。
こういうのはどうかしら?
(メガネを外してカッと目を見開く)
流石にこれだけの数相手だと一気に仕留めるのは無理だろうけど
このひと睨みで前の敵を順番に倒して、後ろの連中の進軍を阻んで見るわ。
流石に無理になってきた撤退をするけどね。
赤上・イズル
■アドリブ・絡み歓迎
前哨戦です
来たるディアボロス・ウォーの為に少しでも多く敵を減らしておきましょう
行きますよ、マリコさん!
あ、それとですがもし万が一…
俺が魅了されたらマリコさん、ハリセンで頭思いっきり叩いてくれますか?
元より感情が失われているので敵の魅了の効果は不明
モーラットのマリコさんに声をかけつつトループスらを殲滅せんが為に戦闘を開始
その他魅了対策として【殺気】放つ事で敵の余裕を奪うなどする
そうしつつ【飛翔】の効果で飛翔し【空中戦】を駆使し
敵の動きをよく【観察】して敵との間合いを図る
動きを見極めたら【不意打ち】を狙った【一撃離脱】の攻撃を繰り出す
そこです…!九字切流二刀式奥義・緋天!
エルマー・クライネルト
アドリブ連携歓迎
我等の成果を横取りしようとする不届きな輩が現れたか
ドイツを消し飛ばされるのも御免だが、貴様等に横取りされるのも癪なのだ
早々にご退場願おう
敵の動きを観察し[情報収集]し踊りの動きを取得
奴等の舞に[ダンス]で合わせ、時折リズムを崩すよう[フェイント]を織り交ぜて回避
連携にブレが見え始めたところへ人形を放り込みパラドクス発動
『思い通りに踊れなくてもどかしかろう
お前の足を引っ張るの味方など必要あるだろうか?
戦場の混乱に乗じて、切り捨ててしまえばいい』
[呪詛]の言葉で惑わし同士討ちを誘う
敵の連携を混乱させることで撤退をし易くできれば幸い
深追いはせず引き際を見極めて撤退するとしよう
イロハ・アプリルシェルツ
【アドリブ&連携歓迎】
成る程、踊る様に戦う剣舞団ね
こう言う相手はペースに飲み込まれるのは駄目
戦況を覆すには意表を突く電光石火が大切だね
でも馬鹿みたいに考えなしに進むだけだと
双方の敵に囲まれて滅多斬りにされるだけだよね
それに相手は曲に合わせて連携を取ってくるはず
ならば曲を聞き取り、曲調が変化する僅かな間隙を縫って吶喊するよ
姿勢を出来る限り低く保ち
身体を半身にすれば斬撃を受ける面積は格段に減るんだよ
後は聖句を唱え、揺るがぬ信仰を【ヤコブの鉄拳】に顕現させたら
裏拳で双剣の腹を弾いて反らしカウンターをお見舞いするよ
イロハ達には此処はまだまだ前哨戦だからね
さてキミ達にお祈りの時間は必要かな?
大崎・朔太郎
アドリブ・連携可
さー、戦争ですね。
皆の頑張りを美味しい所取りしようとする奴等におしおきに行きますか。
踊るように戦う、なら僕も【ルアーダンス】で彼女達より上の【ダンス】と【誘惑】パワーで誘惑しながら踊りかかる。それで僕自身が囮になって敵さんを引っかけ、他の皆さんを戦いやすくしますか。
敵が接近してきたら【源氏蛍】でのブレイクダンス的な回転や逆立ちしての蹴り技で中距離位なら【小型拳銃】で物理的にハートを撃ち抜かせてもらいます。
僕もディアボロスではトップ所じゃないですが、流石にコーラスラインダンサー相手に遅れは取りませんよ。ここからは役名のある者達の戦場なんでご退場願いますっ!
アナスタシア・コルヒドレ
アドリブ共闘歓迎
ついに始まるね、気を引き締めていかないと!
まずは味方の動向を見ながら敵の【情報収集】、【戦闘知識】から敵の動きの癖や攻め方を【看破】したら味方の動きに合わせて煙幕【投擲】即アナイアレイションで【制圧射撃】!
当たらなくともいい、味方の支援を重点に動くよ!
反撃は【残像】で躱しつつ、だめなら【忍耐力】で耐える!
無堂・理央
グランダルメによるゾルダートのスカウトとか大迷惑だからね!
しっかり妨害させて貰うよ!
無双馬『クロフサ』に騎乗してエントリー!
クロフサを全力で駆けさせながら、馬上槍で一体一体着実に屠ってくよ。
踊る動きで攻めてくる敵だし、手持ちのダーツを投げつけて踊りの妨害&目眩ましを挟んで対応していこう。
他の味方が動き易いように戦場全体を駆け巡って撹乱&囮役も務めちゃおう。
踊り子達のアンコールは程々に、だね。
出来うる限り倒してくけど、数で押されそうになったら退き時と思って退却しよう。
退く際には他の人が逃げ遅れないように退却支援しながら退却だよ。
騎兵の脚なら殿を務めても無事に帰れるものだからね。
平良・明
※連携、アドリブ歓迎
宮廷学長サリエリ、どんなものなのでしょう
部下を見れば上司が分かるといいますが、なかなか手ごわいようす
連携を崩すように攻撃していきます
東欧方面に一石を、ついでにダンスパーティーに一石を、です
敵集団に拳を振り、「時焦」の空間割りを打ち込んでいきます
華麗な剣舞にはひかり輝く熱烈な歓迎を
でも、もしかしたらその破片、刺さるかもしれません
敵の攻撃はしっかり安全に身をこなして避けつつ
味方も多い事ですし、連携しつつ時間稼ぎに徹して、効率よく仕留めていきたいです
ドイツはあまり見て回っていないので、戦火に焼かれてしまっては困ります
なんとしてもグランダルメの皆さんには退いて頂きたい
エンジュ・アルティオ
◆他連携○
後方支援寄り
味方の死角潰し、敵の連携妨害狙い
*悪党にも居んだなあ、踊り子とか
音楽すら兵器にしちゃうとは恐れ入っちゃうね
さて、今日は無茶する子も置いてきたことだし
やれるだけ頑張ってみようか
隙を窺って味方への反撃を、連携を防ぐべく
綺麗なお姉さん、こいつらとも踊ってくれるかな
【双子神の化かし合い】
鳥へと変じる呪符を放って
時にはフェイント
あえてタイミングを外したりして攻めてみようか
魅入られてしまわないように
近付かれすぎないように、廻る呪符で遮って
…ボロボロで帰ってバカにされるのだけは避けたいんだよなぁ
有栖川宮・永久
知り合いで弟分のミシェル(g03431)と参加
やっと断片の王を倒したと思ったら皇帝が倒れた混乱に紛れてドイツを奪おうとしている輩がいると。見ているだけだけど、必死でこの世界を取り戻そうとしている人たちを知ってる。
どさくさに紛れて大事な国土を奪うことなんてさせないよ。行こう、ミシェル。
ダンスなら私も負けないよ!!【ダンス】【撹乱】【残像】でヒラヒラ舞い踊るように動いて、くるりと回転して【斬撃】【連撃】【両断】で切り付けながら燦欄の風に【吹き飛ばし】を合わせて華麗に吹き飛ばしていく。
この国は国民達の物!!頑張っている人達の為に、踏ん張るよ、ミシェル!!
ハニエル・フェニックス
よーし、大体分かった!
ハニィちゃんとダンスで勝負だ!
敵が踊り始めたら、こっちも槍を持ってダンスするぞ!
踊ってれば見惚れる暇もないし、一石二鳥じゃない?
ポールダンスみたいなのがいいかな?
誘惑するような動きなら負けないぞ!
後は敵の剣をさばきながら攻撃するだけだね。
リーチの差を活かして、なるべく距離を取りつつ上手く突きを入れちゃおう。
剣と槍で斬り結ぶなんてあんまり経験ないけど、ダンスの延長なら何とか対応出来るかな?
とりあえず一人攻撃出来たらさっさと逃げなきゃね!
ミシェル・ラークリーズ
知り合いで姉貴分の奏お姉さん(g01120)と参加
ああ、トップが居なくなると国が混乱するよね。そのトップが断片の王であろうと。でもこれ以上はさせないよ。必死でこの国を取り返そうとしていた人を知ってるから。その人達の為にも頑張ろう、お姉さん。
奏お姉さんと連携して【残像】で攻撃をかわしながら、【戦闘知識】【観察】で敵の動きを見る。踊りに隙を【看破】し、【連撃】【両断】をアワセタブレイブスマイトで攻撃する。人の土地を掠め取ろうとしている輩の舞には負けないよ。
奏お姉さんが風を起こしたら僕も併せて【風使い】【吹き飛ばし】で風を巻き起こす。これは悪しき簒奪者を吹き飛ばす希望の風だ!!
エリザベータ・シゲトヴァール
●心情
偉大なる我が祖国、聖イシュトヴァンの王冠の地は誇り高きマジャール人の物よ。
長きに亘った機械化ドイツ帝国への服属の、屈辱に満ちた日々が終わろうとしている。
それを横から掠め取ろうと言うなら……容赦はしない!
●行動
【飛翔】し最大高度より急降下。
降下中【偵察】【戦闘知識】【地形の利用】より、敵が地の利を活かしにくい地形をピックアップしキルゾーンを策定、そこに追い立てる様に【制圧射撃】を行う。
逃げ場を失った敵を一体ずつ、急降下攻撃で各個撃破を狙う。
【空中戦】【一撃離脱】をフル活用。
必要に応じて周囲の味方との共同撃破も視野に入れ、一体でも多くの敵を殲滅する。
ハイエナどもを一匹たりとも生かして帰すな!
一ノ瀬・綾音
まさかグランダルメからも来るとはね。
いいよ、まとめて綾音ちゃん達が相手してあげる!
相手が協力、連携するならこっちは相手を連携できなくさせてあげる!
高速詠唱で全力魔法の【綺羅星の星光】を放ち相手をまとめて攻撃するよ!
これだけまばゆい光だ、相手もきっと光に阻まれてうまく相手を視認できず連携がとりにくくなるに違いない!そのまま飲み込まれちゃえ!
なるべく大人数の部隊へロングレンジから放ちつつ、移動を繰り返して魅了されてしまわないようにするよ。魅了されたら……情熱で弾く!そんなのアイドルの綾音ちゃんには効かないよ!こちとら人を魅了してのアイドルだからね!
撤退は頃合いを見つつ。
また今度遊んであげるね?
クリアルト・ハイランド
相手はスピードと剣技に優れているみたいだね
翻弄されると苦戦は免れないだろうし逆に翻弄して撃破するようにかな
フェアリーとの連携攻撃を仕掛けて相手に思うように攻撃はさせないよ
フェアリーには撹乱してもらうだけで無理はさせないよ
隙を突いてフェアリーソードで斬りかかるよ
一度に大勢は相手にせず少数の敵をおびき寄せてからだね
正面突破が得意だけれど相手を甘く
見る訳にもいかないし最善の戦法で挑むよ
無傷でというわけにはいかないだろうし傷ついても
致命傷だけは受けないようにして攻撃してきた後の
隙を突くようにして反撃を狙いたいかな
いいタイミングで引き上げだね
「見とれてばかりもいられないよね!」
アストリッド・ヴァルトシュタイン(Löwenzahn・g04015)は同方面へ派遣されたディアボロスと共に戦場から少し離れた位置よりロンメル軍とサリエリ軍の激突を見届ける。
「……なるほど、距離をとって射撃戦に持ち込みたいロンメル軍に対して接近戦を仕掛けるつもりでありますか」
「そのようだな」
やや険しい顔でエルマー・クライネルト(価値の残滓・g00074)はその瞳に敵の動きを焼き付けた。剣舞団の動きに合わせ、膝頭を指先で軽く叩いてリズムを覚える。軽やかな三拍子だ。まるで輪舞のように、優雅で情熱的な。
「さすが、これだけの軍勢がぶつかり合う光景は壮観です」
背の翼を羽搏かせ、赤上・イズル(赤き悪魔・g04960)は上空から戦場を見下ろした。大地を二分するクロノヴェーダ軍勢に対して新たに殴り込みをかける我がディアボロス勢力は数こそ劣れど、その勢いにおいては他を凌駕する。
「さあ、いくよクロフサ!」
無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)はロンメル軍に襲いかかる剣舞団の間に割って入る形で戦場に乗り込んだ。
「邪魔をするな!」
戦いを妨害された形の剣舞団は一斉に攻撃の矛先を理央に差し向ける。だが、馬上に居る理央は桁違いの機動力でそれらを蹴散らし、ダーツの矢を擲つことで敵の足並みを乱していった。
「きゃあッ!」
きらめくネオンの鮮やかな軌跡を描き、敵を転ばせる大崎・朔太郎(若返りサキュバスアイドル・g04652)のルアーダンス。蛍の求愛行動を連想させるような誘因力は剣舞団の心を存分に惑わせる。
「いかがです? コーラスラインダンサー相手に遅れは取りませんよ」
「くッ……」
悔しそうに頬を紅潮し、全力で踊る朔太郎から目を逸らそうにも逸らせない。
「誰か、援護を――え?」
驚いて目を見張る先に、槍の柄をポール代わりに官能的なダンスを披露するハニエル・フェニックス(第七の天使・g00897)の姿があった。
「どうかな? 結構セクシーでしょ」
悪戯っぽく笑うハニエルは片目をつむってウインクを投げかける。
「う……」
「そこだ!」
まるで敵の得意技を本歌取りするがごとく、踊りながら薙ぎ払った槍の穂先で敵を貫いた。ターンからの流れるような動きに惑わされた剣舞団は武器を取り落として悲鳴を上げる。
「何をしている、落ち着いて対処しろ――あッ!」
仲間を叱咤する敵の頭上からエリザベータ・シゲトヴァール(聖イシュトヴァンの剣・g00490)による容赦のない制圧射撃が降り注いだ。
「我々はここにもいるぞ!」
エリザベータは凛と声を張り上げ、降下中に目星をつけておいた窪地へと剣舞団を追い込んでゆく。わざと誘導されているとも知らず、目の前の弾幕から逃れたいがために後退する一団をクリアルト・ハイランド(人間の妖精騎士・g01311)がさらに引っ掻き回した。
「無茶はしないでね!」
フェアリーは数人の敵の周囲をくるくると飛び交い、注意を引き付ける。これだけの数の敵を相手にいつも通りの戦い方は通用しないことをクリアルトは理解していた。
「そこ!」
攪乱するフェアリーにつられた敵を剣で裂く。
「よくも……!」
反応した剣舞団は数人が動きを合わせてクリアルトに向き直った。その様子を捉えていたアナスタシア・コルヒドレ(蒼炎の閃光(ひかり)・g00340)がすかさず煙幕を放って敵の視界をかき乱す。
「な、なにも見えない――」
奪われた視界の向こう側から聞こえたのは、アナスタシアの全身に装備された銃火器類が一斉に火を噴く音だった。
「逃がさないよ!」
アナスタシアは敵が徒党を組み、数人が連携して反撃に出ようととする瞬間を狙い撃つ。
あっという間に制圧射撃の嵐に呑まれた剣舞団が次々と斃れる中をミシェル・ラークリーズ(彩光のグレイス・g03431)と有栖川宮・永久(燦爛のアンフィニ・g01120)は互いを庇い合うような位置取りを心がけながら少しずつ敵陣を切り拓いていった。
「行こう、ミシェル」
「頑張ろうね。この国を取り返すための、正念場なんだからさ!」
ミシェルを切り裂いたかに見えた剣先は残像を穿ったに過ぎず、代わりに鋭く迸ったソードハープの剣閃に体を断たれる。ミシェルはじっと目を凝らし、敵が舞う足運びを先読みして瞬く間に剣を二、三度振り抜いた。
「トップが居なくなった混乱に乗じて人の土地を掠め取ろうなんて、悪しき簒奪者と呼ばれても仕方ないよね?」
「くッ……」
舌打ちする背後に永久が舞いながら滑り込む。まるで蝶のような動きは残像を結び、どれが本体なのかと敵の判断を迷わせるのだ。
「この国は国民達の物、それを奪わせるもんですか!」
永久の魔力を注がれた剣が黄金に輝いた。くるりとターンしながら何度も斬り付け、ついに耐えきれなくなった剣舞団の身体が真っ二つに両断される。
「曲調が変化した」
ぽつりと、イロハ・アプリルシェルツ(神聖ならざる銀・g05555)が呟いた。同時に電光石火のごとく敵陣めがけて疾駆する。
「止めろ!」
「甘いよ」
叩き付ける拳こそ、揺るがぬ信仰の証。
「聖なるかな、三位一体の神よ――」
イロハはこの時を待っていた。曲調が変わらない舞曲などあり得ない。その切り替えの一瞬こそ、流れを変える千載一遇のチャンスであった。
敵軍の連携が乱れた隙を逃さずに動いたのはエンジュ・アルティオ(イロナシ・g05162)と平良・明(時折の旅行者・g03461)の両名だ。
「東欧方面に、まずは一石を」
エリザベートが敵を追い込んだ窪地めがけ、明が拳を振り下ろした途端――空間が文字通りに割れ砕ける。
「なッ……」
剣に纏わせた火炎が空間の破片に照り返る。まるで鏡だった。しかも、それは武器となって彼女たちの肌を裂き、音もなく突き刺さる。
「ついでにダンスパーティーにも一石を、です」
明は再び拳を振るい、敵を窪地に閉じ込めた。エンジュの放つ黒白の鳥が誘うように伸びやかな翼をはためかせる。
「綺麗なお姉さん、こいつらとも踊ってくれない?」
味方の死角を潰すため、それらはわざと明とは反対方向に回り込んで螺旋を描いた。くすりと微笑み、エンジュは少しだけ感心してしまう。
「悪党にも踊り子がいて、しかも音楽すら兵器にしちゃうとか……あの子への土産話にするにはちょっくら刺激が強すぎるかな」
仲間との狭間を符術による鳥影に遮られた剣舞団は焦ったように周囲を見回した。飛び方はひどく不規則で、抜け出すにもタイミングがつかめない。
そこへ、一ノ瀬・綾音(綺羅星の如く・g00868)とアマネ・モルゲンシュバルツ(憤怒のドラッヘリッター・g00313)がそろって追い打ちをかける。
「どうもどうも、わざわざ遠いところからご苦労さま~」
アマネはメガを外して、にやっと笑いながら目を見開いた。
「なッ……」
――光。
特殊な宝石を埋め込まれたアマネの瞳から放たれる激しい輝きが敵を呑み込み、前にいた二体をまとめて葬った。
「お土産を買う暇を与えてあげるとでも思った? 悪いけど、キミたちはここでさよならよ」
「くッ!」
不利を察した剣舞団が破れかぶれで強行突破を仕掛けようとした瞬間、綾音がすかさず横やりを入れた。
「だーめ、ここは綾音ちゃんが通さないよ!」
高速詠唱にて紡がれた魔法こそ全ての穢れを祓いし極光の奔流、追尾性能を持つ大量の光線はどこまでも敵を追い詰める。
「呑み込まれちゃえ!」
しかも、眩い星光はアマネのカトブレパスと相乗し合って剣舞団の視界を真っ白に染め上げた。斃された敵が道を塞ぎ、光に目をやられた状態では剣舞団も二の足を踏むより他にない。
「うろたえるな!」
敵軍から檄が飛ぶ。いったん態勢を立て直すため、剣舞団の布陣が大きく動いたその時だ。
澄んだ風が永久の周囲に集い、先触れの香りを戦場に振り撒いた。
「ミシェル、いくよ!」
「うん!」
永久の合図に合わせ、ミシェルの紡ぐ希望の風が戦場を吹き抜ける。驚いた剣舞団が回避を叫ぶが、風の素早さにかなうはずがなかった。
「な――!?」
「全部、吹き飛ばしちゃえ!!」
ミシェルの風を連れた薫風が一挙に敵を吹き飛ばし、陣形に穴を開けた。そこへ突っ込んだ理央が更に暴れまわって敵軍を翻弄する。イロハは手の甲で襲い来る剣の腹を弾いて切っ先を逸らすと、鳩尾に聖なる拳の一撃を叩き込んだ。
「さて、キミ達にお祈りの時間は必要かな?」
じり、と剣舞団はイロハの拳を警戒しながら後ずさる。快楽におもねる淫魔にとってその聖なる力はおよそ理解の範疇外にあったことだろう。指揮官たるサリエリの名誉のためにも、これ以上の無様を見せるわけにもいかなかった。
明は無理をすることなく安全第一で炎剣の間合いから身を退ける。うまい具合に逃げる綾音を何とか振り向かせようと努める剣舞団だったが、そもそも他人を魅了することにかけてはアイドルである綾音の方が一枚上手だ。
「そんなの綾音ちゃんには効かないよ!」
再び襲いかかる極光が剣舞団を分断し、連携を阻む。アストリッドは両目を閉じ、己を苛む脳内麻薬を今だけは喜んで享受した。
「激しい焔も、鋭い太刀風も、あの日の撤退戦の屈辱に比べれば……涼風みたいなものですからッ!」
其れは、闘争のみが齎しうる狂奔という名のパラドクス。常に連携したがって群れる敵に対し、一個の自由を見せつけるかのような荒々しい戦いの鬼と化して手当たり次第に攻撃を加え続ける。
「こいつ、魅了が効かないのか!?」
その問いすらも、今のアストリッドにとっては敵の居場所を知らせる音にしか聞こえない。発射された擲弾が敵群を塵と変え、味方の突撃を後押しする。
「見とれてばかりもいられないよね!」
致命傷を避けるため、胸元にかざしたフェアリーソードで双剣を受け止めたクリアルトはそのまま刃の上を滑らせるようにして敵の元へと鋭い切っ先を届かせた。
「くッ……」
剣舞団の顔に焦りが浮かぶ。相手を翻弄するどころか、逆に翻弄されている有り様が認めたくないのだろう。
「そこだ!」
クリアルトの剣にやられた個体をエリザベータが狙い撃つ。斃すのと同時に再び急上昇し、決して敵の間合いには留まらない。
「長きに亘った機械化ドイツ帝国への服属の、屈辱に満ちた日々がようやく終わりを告げようとしている今……それを横から掠め取ろうとするハイエナどもを、一匹たりとも生かして帰すな!」
激しい制圧射撃に敵が散らされてゆくのを見届けたイズルは、一瞬にして戦場に降り立つと同時に十字の剣閃を見舞った。
「そこです……! 九字切流二刀式奥義・緋天!」
味方との連携を至上とする剣舞団の性質が乱戦のただ中にあっては仇となることをイズルはその剣技によって知らしめたのである。
「連携にこだわり過ぎ、目の前の敵をおろそかにしましたね。空から見ていれば一目瞭然です」
放つ殺気で魅了の気を削ぎ、念のためにモーラットのマリコさんに耳打ちした。
「万が一、俺が魅了された時にはそのハリセンで……頼みましたよ?」
「もきゅ!」
任せてと言わんばかりの笑顔でハリセンを構えるマリコさんが頼もしい。もっとも、元より感情が失われているので効果のほどは不明だが。だらしない姿を晒したくないという気持ちはエンジュも同様であった。
「ここでボロボロにされて帰ったら、同居人に何と言われるかわかったもんじゃないんでね。こっちも色々と必死なんだよなぁ」
飄々とした声色で呟き、自分の周囲に廻らせた呪符の数を増してさらに壁を厚くする。無理やりに突破を試みた剣舞団の前に現れたのはエルマーだ。
「一曲願おうか」
まるでダンスの相手を請うような仕草に息を呑む敵を後目に、肝心なところでは動きを外してつられた相手を焦らせる。いつしか輪舞に加わった人形を通して囁きかける呪いの言葉。
「思い通りに踊れなくて、もどかしかろう……?」
ぞくりと剣舞団の背筋を震わせる低い声色だった。邪魔者は切り捨ててしまえと心を揺さぶるごと、剣舞団は我を失ってゆく。エルマーは自らが台本を描いた喜劇の出来栄えを確かめるような目つきで同士討ちを始めた彼女たちを眺め渡した。
「よーし、たたみかけて行くよ!」
混乱に乗じたハニエルが敵を仕留める。うまく間合いの外から貫けたことに胸を撫で下ろし、次の敵に備えて再び身構えた。
「いって!」
「助かるわ」
アナスタシアの弾幕による支援を受けたアマネは一息を入れてから再び眼鏡を外して敵群を押し返す。
「だいぶ減ってきたんじゃない?」
「ええ、結構な打撃を与えられたんじゃないですか」
拳銃で敵の心臓を撃ち抜いた朔太郎はウインクするように片目を閉じてみせた。頬を赤らめ、動きを止めてしまった剣舞団は逆立ちから繰り出される強烈な蹴りを受けてその場にくずおれる。
「ここからは役名のある者達の戦場なんでご退場願いますっ!」
上空から戦場を見下ろすイズルの視界には、戦線の一部が崩壊して混乱に陥ったサリエリ軍勢の光景が広がっていた。
「これくらいでいいかしら? さすがにこれ以上は無理だわ」
アマネは眼鏡をかけ直し、魔眼と化した両目を再び封印する。アストリッドは撤退の直前にひと際激しく暴れ狂い、己の周囲に屍を積み上げた。
「……では、撤退するであります」
「了解! また今度遊んであげるね?」
綾音がばいばいと手を振ると、いきり立った剣舞団が「待て!」と叫ぶ。やられたまま逃がすのは沽券に関わるとでも言いたげに撤退するディアボロスにくらいついた。
「このままではサリエリ様に合わせる顔がない……!」
その名に、ふとエルマーの眼差しが深みを帯びる。
「堕淫の宮廷楽長か。我等の成果を横取りしようとする不届きな輩だ、癪に障る」
「部下を見れば上司が分かるといいますが、さて……?」
明は今までの戦い方と同様に仲間が逃げるまでの時間を稼ぎ、長い間を戦場に留まった。ことが済んだら是非ドイツへ足を運んでみたいものだと考える。実はまだあまり見て回ったことのない土地なのだ。
「そのためにも、戦火の拡大は防ぎたい」
必死でこの世界を取り戻そうとしている人たちがいる、頑張っている人たちがいる。彼等のために永久とミシェルは最後まで風を操り、ディアボロスに追いすがる者を跳ね除けた。
「ハニィちゃんのダンスは店じまいだ! さっさと逃げるよ!」
身軽に戦場から離脱するハニエルにクリアルトが続く。
「フェアリー、帰還しよう!」
ふわりとクリアルトの元に戻ったフェアリーを連れ、戦場を離脱する。殿を引き受けた理央のクロフサに跳ね飛ばされた敵が地面に叩き付けられた。
「ゾルダートのスカウトとか大迷惑だからね! しっかり妨害させてもらったよ!」
「偉大なる我が祖国、その地を横から掠め取ろうと言うなら……容赦はしない!」
エリザベータの胸には、マジャール人の物たる聖イシュトヴァンの王冠の地への誇りが燃えている。乱れ飛ぶ制圧射撃の圏内に自ら飛び込むだけの戦意は剣舞団から既に失われつつあった。次第に波が引くように追撃の手が弱まり、撤退するディアボロスたちから距離を取り始める。
「ディアボロスが?」
サリエリが聞き返すと、報告した剣舞団の淫魔は屈辱に身を震わせながら頭を下げた。
「はい、やつらの介入があったせいで随分と戦力を失ってしまいました」
「あらあら、大変ね」
「申し訳ございません! そういえば、伝言……とまではいきませんが、ディアボロスどもがこのようなことを言っておりました」
曰く、ゾルダートのスカウトなど大迷惑であること、偉大なる祖国を略奪しようというのなら容赦はしない、横取りを許しはしないこと。ゆえにグランダルメには退いてもらう。
それを聞いたサリエリは一笑に付すと、もう下がるよう配下に伝えた。
「支離滅裂で優雅さが欠片も無い宣告ですこと。今後は、このくらいでわざわざ報告しなくていいわよ」
「わかりました」
「でも……」
ひとりになった後で、サリエリはふと気になったように視線をさまよわせた。
「どうして、ディアボロスは、私がロンメルさんを勧誘している事を知ったのかしら?」
その間も指先は動き続け、戦場にはパイプオルガンの調べが鳴り続ける。サリエリの自信に満ちた心映えをあらわすかのように、ゆったりと荘厳に。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】LV3が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【飛翔】LV2が発生!
【腐食】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
【スーパーGPS】LV1が発生!
【温熱適応】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
【狐変身】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV7が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV2が発生!
【命中アップ】LV2が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!