湖水地方と竜の花嫁

 氷のベディヴィア卿を撃破したディアボロスは、グレートブリテン島の湖水地方に上陸する事に成功しました。
 風光明媚な湖水地方は、富裕層の保養地として有名であり、ジェネラル級ドラゴン『氷将竜サグラモール』によって守護されているようです。

 湖水地方には、竜の花嫁の湖と呼ばれる湖が多く存在しており、イギリス各地から集められた『竜の花嫁』達が、最後の時を穏やかに迎える為に滞在する別荘地になっています。

 ドラゴンの生贄である『竜の花嫁』は、命を捧げることで竜鱗兵の『卵』を出現させるのです。
『竜の花嫁』となることは、幻想竜域キングアーサーでは非常に名誉とされており、花嫁の親族はそうして生まれた竜鱗兵を大切に扱うようです。

 別荘地では『竜の花嫁』を楽しませる為に、芸人や料理人などが常に募集されています。
 この芸人や料理人に紛れて『竜の花嫁』と接触して、情報を集めていきましょう。

婚約者は竜の花嫁に選ばれて(作者 青猫格子
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#幻想竜域キングアーサー  #湖水地方と竜の花嫁  #湖水地方 


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●湖水地方
 幻想竜域キングアーサー、グレートブリテン島の湖水地方。
 風光明媚なこの地域は保養地として有名である。
 とある街の酒場では今、「竜の花嫁」に選ばれた女性を囲んで宴が行われていた。
「おめでとう、エリー」
「お前が竜の花嫁に選ばれてよかったよ」
 友人たちや家族から祝われているのはエリーという名前の女性。元々おとなしい性格の彼女は同郷者や親族たちに囲まれて祝われるのを恥ずかしがっていたが、大勢に祝われてまんざら悪くもない様子だった。

「エリー、考え直してくれないか」
 宴が落ち着いてきた頃、一人の青年がエリーに声をかける。
「ライナス、またそれか。エリーにも迷惑だからいい加減やめてくれ」
「だって、お義父さんもエリーと俺の結婚を認めてたじゃないですか」
 エリーの父に詰め寄る男――ライナスをエリーは優しく止める。
「ライナス、落ち着いて。竜の花嫁に選ばれることはとても名誉なことなの」
「そうだけど……」
 ライナスはエリーを見て言葉が詰まる。
 竜の花嫁に選ばれたということは、彼女の命が捧げられるということ。
 それに耐えられないのだ、と彼女に伝えても理解されないことにライナスは絶望していた。

●新宿駅グランドターミナル
「集まってくれてありがとうございます。今回はグレートブリテン島、湖水地方へ行って欲しいんです」
 高田・ユウト(塔の下の少年・g03338)が説明を始める。
 アイリッシュ海の戦いで、氷のベディヴィア卿を撃破した事で、ドラゴンの本拠地であるグレートブリテン島に上陸できるようになった。
 湖水地方は景勝地として有名な地域で、ジェネラル級ドラゴンであり円卓の騎士の一体『氷将竜サグラモール』の守護下にあるという。
「ここは『竜の花嫁の湖』と呼ばれる湖が多くあり、竜の花嫁が命を捧げる前に、穏やかに満足して暮らせるように別荘が建てられているそうです」
 この別荘地には、竜の花嫁を楽しませる芸や料理の腕を持つ者が、近隣から集められている。
 街に潜入してコンテストに勝ち抜く事で、竜の花嫁のいる別荘に招かれることが出来るだろう。
 そこで竜の花嫁と接触することが出来れば、幻想竜域キングアーサーの中核に迫ることが出来るかもしれない。

「今回行く別荘街では、料理コンテストが行われています」
 別荘では竜の花嫁に選ばれた女性が穏やかに過ごせるよう、様々な趣向の凝らした料理が出されていた。
 コンテストで入選すれば、別荘に招かれて料理を提供するチャンスが得られる。
「街では各地から料理人が集まり、宿の厨房を借りて自慢の料理を作って準備をしています。その様子を見ようと富裕層の観光客も集まってくるようです」
 コンテストの審査は料理の腕を問われるのは間違いないが、竜の花嫁が好みそうな料理が選ばれているようだ。
 事前に街で情報を集めて、選ばれやすい料理の情報を得られればコンテストで有利になるだろう。

 街には料理人と観光客のほか、竜の花嫁の家族や親しい知り合いも祝福する為に滞在している。
 彼らは竜の花嫁に選ばれることは名誉な事だと信じて疑っていないが、中には、命を捧げて死んでしまう事に疑問を持っている者もいるようだ。
「今回だと竜の花嫁、エリーさんの婚約者ライナスが特にそうみたいです。彼も、表向きでは名誉なことであると祝福していますが、彼女が命を失うのは納得できていないです」
 ライナスに会って会話をすることができれば、竜の花嫁エリーについての情報が得られるかもしれない。
 それ以外の親族などからも、料理の好みについてなど知ることが出来るだろう。
「エリーさんは不思議なことに、自分の命を捧げることに全く疑問を持っていません。でも、何かきっかけがあれば命を捧げる事に疑問を持たせることが出来るかもしれない……と思うのです」
 別荘に招かれて料理を披露することになれば、彼女と会話するきっかけを得られる。
 その時に説得してほしいというのが今回の大きな目的だ。

「それから、こちらは攻略旅団からの調査依頼です」
 今回行く湖水地方を守護するジェネラル級ドラゴン『氷将竜サグラモール』について調査してほしいのだという。
「街にいる一般の人に話を聞くくらいしか出来ないので、噂話程度の内容しか得られないかもしれませんが、人々がサグラモールについてどんな印象を持っているか判るかもしれません」

 説明を終え、パラドクストレインの出発時刻が迫ってきた。
「町や別荘地では、人間やドラゴニアンが暮らしていますが、クロノヴェーダの姿は見当たりません。なので今回は戦う必要はないですね」
 しかし、街の外では多くのドラゴンが空を飛びながら地上を観察しているので、派手な動きは慎む必要があるだろう。
「エリーさんとの接触が成功すれば、命を捧げる前に助けることにつながるかもしれません。よろしくお願いします」
 最後にユウトはそう言って、ディアボロスたちが出発するのを見送った。

●湖水地方の別荘街
 別荘街は複数の宿が並ぶ宿場町のようになっており、人やドラゴニアンが行き交っている。
「さあ、新作料理だよ! 食べていっておくれ」
 店先には屋台が並び、コンテストに向けて料理を作っている料理人たちが反応を見るために料理を並べていた。
 料理目当ての客と竜の花嫁が選ばれたこともあり、街は祭のような雰囲気になっている。
「にぎやかねえ」
 エリーの両親たちが街を見て楽しそうに過ごしていた。
 その横にはライナスもいたが、彼はどこなく浮かない表情をしている。
「エリー……」
 竜の花嫁に選ばれたエリーは、街から少し離れた場所にある、大きな屋敷で最後の時を過ごしている。
 彼女を祝福するべきはずなのに、何故出来ないのだろう。
 ライナスは納得できない気持ちを抱えながら、屋敷を見つめていた。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【照明】
2
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【罪縛りの鎖】
1
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【勝利の凱歌】
1
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【友達催眠】
4
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【プラチナチケット】
1
周囲の一般人が、ディアボロスを関係者であるかのように扱うようになる。効果LVが高い程、重要な関係者のように扱われる。
【落下耐性】
1
周囲のディアボロスと、「効果LV×300m半径内」の通常の生物に、どんな高所から落下しても、落下時の衝撃を2mの高さから落下した程度に軽減する能力を与える。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV4 / 【ガードアップ】LV3 / 【先行率アップ】LV2 / 【ロストエナジー】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

青猫格子
 こんにちは、青猫格子です。
 今回は竜の花嫁に選ばれた女性、エリーに接触し会話を行うことが目的です。
 そのためにはまず料理コンテストを勝ち抜き、別荘に招待される必要があります。
 料理コンテストの材料は新宿島から持ち込んで構いませんが、調理は現地の宿屋で行う必要があります。

 シナリオの流れは基本的に、最初に「③街に潜入して情報を得る」を行った後「②コンテストへの参加」でコンテストに参加し、「④竜の花嫁の家族や恋人との接触」で竜の花嫁と接触する前の情報収集を行い「①竜の花嫁との接触」になる予定です。「⑤【攻略旅団】氷将竜サグラモールの調査」は①の前でしたらいつでも大丈夫です。

 それでは、ご参加お待ちしております。
5

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


菅原・小梅
◆心情
これ程までにごくごく自然と竜の花嫁の意識を変えてしまえるうのも
もしかすると『氷将竜サグラモール』の能力なのですかね。

◆行動
さて花嫁のエリーさんの決意を変えるには
取り巻く状況と人々の思いを密に調べておくのが大切ですね
私は祭りを聞いて立ち寄った吟遊詩人と言った
服装で聞いて回るとしましょう(【プラチナチケット】を使用し)

この地でも新たな『竜の花嫁』が生まれると聞きました
まだまだ若輩者ですが詩にして残したいので
(持ち込んだ竪琴を【演奏】で軽く鳴らし)
花嫁さんのことを良く知ってそうな方をご存じではありませんか?
(噂好きそうな市場の奥様(おねえさま)達に声を掛けてみましょう)

※連携&アレンジ歓迎


若旅・嘉鷹
さてと、まずは情報を集めないことにはどうしようもない。
近隣から来た詩人の体で住民に話しかけてみようか。

こんにちは、なんだか今日は賑やかですね。
ほう、新たな竜の花嫁が現れた?
それは素晴らしい。
…あぁ、失礼。私、詩人をしておりまして。ミタカ・ジャーニーです。(偽名)
それで、選ばれた女性はどちらに?
あぁ、彼女ですか。
美しい女性だ。竜の花嫁として選ばれて、親族は誇らしいでしょうね。

料理コンテストが開かれる?
へぇ、優勝できれば彼女と話せると。
ぜひともお話したいところですが、優勝するには彼女の好みがわからないと。
何かご存じですか?

(名誉、ね。ま、昔の俺もそうなった知り合いに対して喜んでいたな…)


●賑やかな街で
 昼間の別荘街は人通りが多く、祭りのように賑やかだ。
 街道に踏み入れた菅原・小梅(紅姫・g00596)は周りを見回す。
「やあ、めでたいなあ」
「花嫁様のために腕によりをかけて料理を作るよ」
 人々の世間話に耳を傾けると、誰もが竜の花嫁に選ばれた事を祝福すべき事と疑っていない。
(これも、氷将竜サグラモールの能力なのですかね……?)
 小梅は吟遊詩人であり、プラチナチケットの効果のおかげで別荘街に来た芸人として誰も違和感を抱いていない。
 まずは竜の花嫁のことについて知るために話を聞くことにした。

 人が集まる場所で竪琴を演奏し、注目を集めようと試みる。
「この地で新たな竜の花嫁が生まれることを祝って、詩に残しておきたいのです。お話を聞きたいのですが、花嫁さんのことをよく知っている方をご存知ありませんか?」
「それなら、彼女のご両親がそこの宿屋に泊まっているはずよ」
 演奏を聞いていた裕福そうな身なりの女性が教えてくれた。
 小梅は例を述べた後、宿屋へ早速向かう。

 宿の中に入ると、外と同じくらい騒がしい。
 1階が酒場になっているが、今は厨房で料理人がコンテストに向けて料理を作っているらしい。
 店内では観光客や招待された者たちが料理を楽しんでいた。
(「竜の花嫁のご両親はどなたでしょうかね?」)
 小梅が店内を見回っていると、店の奥の方から話し声が聞こえてくる。
 彼女が振り向くと、若旅・嘉鷹(ドラゴニアンのデジタルサマナー・g02873)が先に彼らに話しかけている事に気づいた。
「こんにちは、なんだか今日は賑やかですね」
「やあ、君は今日ここに来たのかい? ここ数日は私の娘が竜の花嫁に選ばれたということでお祭り騒ぎだよ」
「おお、それは素晴らしい。おめでとうございます」
 彼も復讐者であることを小梅はすぐに分かった。
(「娘、ということはあの方たちが竜の花嫁の……」)
 小梅は近くの席について彼らの話を聞くことにする。

「……あぁ、失礼。私、詩人をしておりまして。ミタカ・ジャーニーです。ご両親としてはさぞかし誇らしいことでしょう。娘さんを称える詩を作るために是非お話を聞かせてください」
 嘉鷹が偽名で自己紹介をする。
 パラドクスの友達催眠の力で、両親たちは嘉鷹のことを怪しむことなく親しげに話している。
「今、娘さんはどちらに?」
「エリーは今、街外れの別荘で休んでるだろうね。晩餐会に呼ばれれば会えるけど、限られた人しか招待されないんだよ」
 嘉鷹の質問に、花嫁の母親は残念そうに答える。
「そうですか。晩餐会に招待されるにはどうすれば良いのでしょう?」
 招待される条件については、父親も残念ながら詳細を知らないという。
「はっきりしてるのは、料理コンテストで選ばれることだな」
 コンテストで選ばれた料理人だけが、晩餐会で料理を出すことができるという。
 街の広場で審査が開催され、料理を作ることができれば誰でも参加できるようだ。
「へぇ、ぜひ優勝してお話したいところですね。しかし勝つには彼女の好みがわからないと……よろしければ教えて貰えませんか?」
 嘉鷹が母親に尋ねると、彼女は困ったように頬に手を当てる。
「そう言ってもね。うちは貧しかったから、大した物を食べさせてやれなくてねえ……ああ、でも」
 果物、とくにベリー類が手に入ってお菓子を作ったときは特に喜んでくれたものだ、と母親は小さい頃のエリーを思い出しながら言う。
(「苺やブルーベリー……ジャムを使う料理や甘く煮た料理、お菓子が好きだったのでしょうかね」)
 話を聞いていた小梅が考える。
 その後の会話で、料理コンテストの審査は明日の昼に開催されると分かった。
 嘉鷹たちは両親たちと別れ、早速コンテストに向けて準備することにする。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!

●コンテスト当日
 次の日。
 別荘街では料理コンテストの審査が開催されるため、広場に人が集まっていた。
 広場の中央には大きなテーブルが用意され、審査員たちが控えている。
「審査を希望する者は、こちらに料理を持ってお並びください」

 料理人たちは準備をしてきた料理を鍋や籠に入れて運んできた。
 審査方法は、まず参加者全員の料理を盛り付けて卓に並べ、見た目の審査。
 次に審査員たちが試食するという流れのようだ。
「審査の基準は名誉ある竜の花嫁が晩餐会で召し上がる料理として相応しいかです。味、見た目、様々な観点から審査させて頂きます」
 どの料理人も選ばれようと、腕によりをかけて料理を作ってきた。
 早速、それぞれ料理の盛り付けを始める。
アンゼリカ・レンブラント
『氷将竜サグラモール』について調べてみよう
一般の人視点での円卓の騎士について
再認識する意味でも聞き取りをしてみたいかな

お店で食べるものを買って
「違う地方から旅をしてきたんだけど、
とっても賑やかなだねー!まるでお祭りみたい!」
世間話から入って聞き込みをしてみよう

このあたりを治められるサグラモールさま、
とっても偉大な方なんでしょう?
ねぇ、どんな方どんな方?
私、強い騎士さまに憧れているんだ

怪しまれない程度にあくまで興味を前面、
詳しい方にぜひ教えて欲しいって聞いて回るよ

「こんな美しい土地を治めている方だもの
きっと他の円卓の騎士の方々とも仲がいいんだよね」
噂話程度に円卓の騎士同士の関係も聞けたらいいかな


ダルクエス・ネクスト
■キャラクター

リターナーのレジェンドウィザード×ガジェッティア、黒で統一されたスーツに革靴、23歳の青年。

口調 通常(俺、相手の名前、だ、だね、だろう、だよね?)

■プレイング

一般人、できれば2種、人間とドラゴニアンに、それぞれの観点からの情報を引き出す。

軽い世間話の後、疑われるような直接的な聞き込みは避ける。

氷将竜サグラモールの能力や加護の噂や目撃情報を、守護者の素晴らしさを知らない・勿体ない存在であるよう振る舞い、ご教授したがりの一般人から聞き込み調査という名のご教授を賜わる。

その場を去る際、必ず感謝する。

目的をある程度達成したなら、長居しない。


●氷将竜サグラモールの噂
 コンテストが開催され盛り上がる少し前。
 別荘街の市場には多くの人が買い物目的で来ていた。
 主に宿などで提供される食料や日用品などが売り買いされており、観光客より街の住民が多い。

「そこのお嬢さんとお兄さん、見かけない顔だね。観光に来たのかい?」
 市場で屋台を開いていた女性が声をかけたのは、アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)、ダルクエス・ネクスト(貴顕廊・g07049)の二人であった。
 二人はこの湖水地方を守護している氷将竜サグラモールについて情報を得られないか探っていた。
「そうだ。こちらはなんという料理かな。美味しそうだ」
 ダルクエスが気さくに答えながら屋台を覗き込む。

 店の奥ではドラゴニアンの男が鍋をかき回し、料理を作っているのが見えた。
「採れたての野菜を煮込んだスープだ。市場の人が朝食を取れるように作ってるのさ」
 女性がダルクエスに説明する。どうやら二人は夫婦で店を経営しているようだ。
「パンと一緒に食べると美味しそう。一杯くださいな」
 アンゼリカはスープとパンを買い、早速食べ始める。ダルクエスもスープを飲むことにした。
「いいな。朝から温かいものを食べられるのは」
 スープは素朴な味だが、暖かさが体に染み渡る。
「うん、それに市場で食べるとお店とは違った感じで楽しいな。まるでお祭りみたい!」
 アンゼリカが楽しそうに市場を見渡す。
 市場に限らず、この街は人が多いが、特に屋台の並ぶ市場は祭りの様に感じられる。

「ああ、これだけ繁栄しているのも、サグラモール様のおかげかもしれないねえ」
「そうだな」
 女性が奥で働いていたドラゴニアンに声をかけると、作業を終えた男が返答しながらやってきた。
「このあたりを治められるサグラモールさま、とっても偉大な方なんですね」
 アンゼリカが興味深そうに話に乗り出す。
「私、強い騎士さまに憧れているんだ! どんな方か教えて!」
「俺も不勉強ゆえ、その素晴らしい守護者様について知りたいと思っていたんだ」
 スープを飲み終えたダルクエスも氷将竜について知りたそうに二人を見る。

「詳しくは知らないけどね。とにかく素晴らしいお方であると聞いているよ」
「普段は美しく優雅に空を飛んでいらっしゃる。しかし、戦いとなると勇猛になるそうだ」
 夫婦の話では、とにかく素晴らしいドラゴンであると思われているようだ。
「なるほど……所でサグラモール様はどんな力を持っているか、ご存知だろうか?」
 ダルクエスが相槌をうちながら、サグラモールの能力について情報がないか探ってみる。
「サグラモール様は、水と冷気を司っているそうだね」
「海や大地を凍り付かせる事も出来るらしい」
 等々。二人が知っている内容は以上のような物で、内容としては噂話程度と言えた。

「色々教えてくれてありがとう。勉強になった」
 最後にダルクエスたちは丁寧に礼を述べて、屋台を後にした。
(「目的は達成した……」)
 人間とドラゴニアン、それぞれの種族にサグラモールについての印象を聞いてみたが、一般人目線であれば特に違いは無いように感じられた。
 ダルクエスは即座に情報を持ち帰るため、パラドクストレインへと向かう。
(「もう情報はなさそうだけど、せっかくだから少し風景でも見て回ろうかな」)
 アンゼリカはしばらく残り、美しい街を散策することにした。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【照明】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!

菅原・小梅
◆心情
事前の下調べの甲斐があって花嫁さんに相応しい料理の情報が得られましたね。
後は何を出すか、ですが……

◆行動
今回私がお出しするのは籠いっぱいの焼きたてのふわふわパン。
ですが、ただのパンではありません。
イチゴやブルーベリーを型どったもの
そして中には甘く煮詰めたベリーのジャムが沢山入っているジャムパンなのですよ。
キングアーサーではふわふわのパンは時代的にも珍しい筈ですし
尚且つ砂糖や蜂蜜を沢山使ったジャムが中に入った菓子パンはご馳走に違いないのです。
審査員の方の中にエリーさんがベリー類のお菓子が大好きだった事を
知っている方が居れば高評価が期待出来ると思うのですよ。

※連携&アレンジ歓迎


●花嫁にベリーのパンを
 コンテスト会場では、ちょうど料理人たちがそれぞれの料理を並べ終わった所だ。
 参加者たちは緊張した面持ちで審査の様子を見ている。
「なるほど、どれも工夫をこらした料理だ……おや?」
 髭を蓄えた審査員が一つの料理に目を留める。
「これを作ったのは?」
「はい、私です」
 菅原・小梅(紅姫・g00596)が名乗り出る。
 審査員が手にしたのは籠いっぱいの焼きたてのパンであった。
「ふむ……これはイチゴ、こちらの紫色のパンはブルーベリーをかたどったパンか。なるほど、確かにパンの形としては珍しい。しかし変わった形のパンというだけで晩餐会に相応しいだろうか」
「ぜひ食べてみてください」
 小梅は審査員たちにパンを食べてみるように促す。

 審査員たちが不思議に思いながらも、それぞれパンを手にすると表情が変わる。
 触り心地がとても柔らかいのだ。そして、割ると中にはジャムが。
 ベリーやイチゴを甘く煮詰めたジャムが入っていた。
 審査員たちはパンを口にして甘い、菓子のような味に驚く。
「うまい! それにこのふんわりとした生地も質が高い!」
「食後に菓子として出しても喜ばれるだろう」
 現代よりも甘い物は貴重であり、砂糖や蜂蜜を使ったジャムが沢山入ったパンは珍しく、晩餐会に相応しいご馳走と言えよう。
「そういえば、花嫁のエリー様はベリーのお菓子が好きだったとか……」
 小梅の作ったパンを食べた審査員たちはしばらく話し合って、結論を出す。
「よし、ひとつ目の料理はこのパンに決定だ! ぜひ花嫁様に出してくれ」
「ありがとうございます。光栄です」
 小梅は審査員たちに感謝の言葉を述べる。先に情報収集で竜の花嫁に喜ばれるような料理の情報を得ていたことが役に立った。
 その後、審査員たちは次の料理の審査に入る。どうやらあと幾つかの料理を選ぶことになるようだ。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!

アンゼリカ・レンブラント
さてさて、サグラモールのことは調べたし
依頼に専念。花嫁のエリーさんを助けないと。
料理は食べ専気味だけど……
ここは力自慢以外の女子力を発揮だ!
頑張ってコンテスト挑むよ!

料理にパンは選ばれたようだから、
合わせて食べるとおいしい、かぼちゃのベリーサラダを
作ってみるよっ!

大きく切った苺の酸味がかぼちゃの甘さを引き出して、
ちょっと変わったアクセントになるんじゃないかな
ブルーベリーを添えたりして。見た目も華やかにすれば
審査員にも評価してもらえるんじゃないかな

エリーさんが好きなものも入っているからね
どうかどうか良い結果となりますようにっ

別荘に招待権を勝ち取れたら、笑顔でガッツポーズだね

※連携・アレンジ大歓迎


●それは誰も見たことのないサラダ
「さて、次は……」
 並べられた料理はどれも手が込んだものだ。審査員はどの料理を手にするか悩んでいるようだ。
「迷っているようなら、私の料理を食べてみて!」
 審査員たちにそう声をかけたのはアンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)であった。
 サグラモールの調査を終え、次は竜の花嫁を助けるためにコンテストに参加することにした。

「パンに合うように、サラダを作ってみたよっ!」
「これがサラダ?」
 審査員たちは示された料理を不思議そうに覗き込む。
 アンゼリカが用意したのは『かぼちゃのベリーサラダ』。
 蒸したかぼちゃを潰して味付けしたサラダに、大きく切ったイチゴなどのベリーが彩られている。
「なんだか見たことのない料理だが、甘い香りがして美味しそうだ」
 審査員たちは珍しそうに、サラダを取り分けて食べてみる。
 ベリーの酸味がかぼちゃの甘みを引き立て、絶妙なアクセントになっていた。
「このクリーミーな舌触り、そして酸味。これはなかなかの組み合わせだ!」
「それにこの色合いも華やかで良いですのう」
 最初は恐る恐る食べていた審査員たちの反応も上々だ。

「先ほど選んだパンとの相性も良さそうだ。ぜひこのサラダを晩餐会で出してほしい」
 食べ終わったあとすぐに審査員たちはアンゼリカに合格を出す。
「やったあ!!」
 アンゼリカが笑顔でガッツポーズを決める。
 普段、料理は食べ専だが、竜の花嫁に喜ばれそうな料理を自分なりに作ったつもりだ。
 それが評価されたことがやはり嬉しかったのだろう。
「花嫁様にも喜んでもらえるように、精一杯作るよ!」
 料理を気に入ってもらえば、きっと花嫁と話すきっかけになるはずだ。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【照明】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!

シル・ウィンディア
ええと、ベリーを使ったお料理か…
ん-、たしかソースにするものもあるって聞いたことあるな…


使うのは白身魚のソテーだね。
お鍋に敷いたバターを弱火でじっくり溶かしていって…
そこに、塩で下味をつけた白身魚に粉をまぶしてからお鍋に入れてじっくり火を通すよ。
程よく火が通ったら、お魚は先に取り出してお皿に入れてっと

あとは、ブルーベリーを使ったソースを用意するね
ブルーペリーをちょっと形が残る位に潰してっと
さっきの溶かしたバターに赤ワインをを入れて、アルコールを飛ばしてからブルーベリーを入れるね

後は、ベリーソースをお魚にかけて完成!
ソースはパンにも合うよ

どうかな?お口に会えばいいんだけど…


●白身魚のソテーにベリーのソースを添えて
 料理大会の審査は順調に進んでいた。
 どうやら今回は力作揃いだったようで、審査員は悩みながらも晩餐会の料理を選んでいく。
「これだけ選べば十分ではないか?」
「しかし、美味しそうな料理はまだたくさんある、もう一品くらい選びたいものだ」
 そんな時、会場に飛び込んできたシル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)が審査員に声をかける。
「まだ審査は終わってないよね。よかったらこれ、食べてみて!」

 そう言って蓋の付いた料理の皿をテーブルに置く。
 蓋を開けると、美味しそうな香りのする『白身魚のソテー』が姿を見せた。
「おお、バターのいい香りと……このかかっているソースは?」
「ブルーベリーを使ったソースだよ」
 シルが説明する。確かによく見ると、ソースの中にベリーの形が少しだけ残っているのが見えた。

 審査員たちはさっそく料理を取り分けて食べる。
 新鮮な白身魚は塩で下味がつけられ、程よく火が通っており柔らかい。
「うむ、絶妙な火加減だ!」
「バターの香りをベリーのソースがよく引き立てておりますな」
 ソースは魚を料理した後、鍋に赤ワインとベリーを入れて煮詰めて作った。
 バターと魚の旨味が溶け込んでおり、味わい深く仕上がっている。
「最後の一品はこのソテーで決まりだ!」
 食べ終わった後、審査員たちは満場一致でシルの料理を選んだ。
 これで今回の料理大会の審査は全て終了した。

「間に合ってよかった。これで晩餐会に出られるね!」
 小梅のパンに、アンゼリカのサラダ、そしてシルの白身魚のソテーとベリーを使った料理を用意することができた。
 竜の花嫁・エリーもきっと喜んでくれるだろう。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【託されし願い】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!

●晩餐会までの間に
 料理コンテストは無事に終了し、ディアボロスたちは晩餐会に参加できることになった。
 晩餐会まではまだ時間がある。
 別荘街には竜の花嫁の家族や恋人などの親しい人も滞在していた。彼らも晩餐会に招待されている。

「いよいよ、今夜か……」
 別荘街の宿の一室。ライナスは手にした招待状を複雑な表情で見つめていた。
 多くの関係者は花嫁に選ばれたことを心から祝っているが、中には彼女が死んでしまう事を悲しむ者もいるようだ。
 今回の場合、竜の花嫁・エリーの婚約者であったライナスなどは特にそうだ。
 彼らに会って、その心の内を聞いてみるのもいいかもしれない。
菅原・小梅
◆心情
ご両親とは面識があるのですよね。
父親は何とも言えませんが、母親の方は含むものがありそうな感じでしたが……

◆行動
ちょっと両親の本音を突っついてみますかね。

こんにちわ、お父様にお母様。先日はありがとう御座いました。
お二人のお話を聞かせて頂けたので素敵な料理が出来ましたよ(【友達催眠】を使用し)

ですが……少し寂しくはありませんか?
もう少しすれば大切な娘さんは一緒に食事をすることさえ叶わない
お二人の手が決して届かぬところに行ってしまうのです。
ライナスさんが息子になることも……

大丈夫ですよ、この場はお酒が入った宴席なのです。
目の前の誰かに本音をこぼしたりしても良いと思いますよ?

※連携&アレンジ歓迎


●花嫁の両親たち
 別荘街のすぐ近くには「竜の花嫁の湖」と呼ばれる湖があり、花嫁が滞在している別荘がある。
 花嫁を楽しませるため、今夜は豪華な晩餐会が開催される予定だ。
 招待されたのは親族や友人などのごく親しい者たち、そして料理コンテストで選ばれた料理人たちなどだ。
 開催まではまだ時間があるが、人々が会場に集まりはじめていた。

 エリーの両親たちも会場に来ていたが、まだ娘の姿は見当たらない。
 会場を見回しているとふいに声をかけられる。
「こんにちは、お父様にお母様。先日はありがとう御座いました」
 菅原・小梅(紅姫・g00596)が両親に挨拶をしにきたのだ。
「あなたは宿屋にいた……そうか、晩餐会に招待されたんだね」
 友達催眠の効果もあるのか、母親が小梅のことをすぐ思い出して安心する。
「はい。お二人のミタカさんとのお話を聞かせていただけたので、素敵な料理を作ることができました」
「それは食事がますます楽しみになったな」
 父親がそういった後、小梅は少し考えて違う話題を切り出す。
「ですが……少し寂しくはありませんか?」
 もう少しすると大切な娘と一緒に食事することさえできなくなるなんて。
 これが最後の晩餐になるかもしれないのだ。

「そう、ねぇ」
 母親は少し思うところがあるようで、ぽつりと漏らした。
「あの子は小さい時から苦労しても不満ひとつ言わない子でね……」
 両親は牧場を経営していたが、決して豊かではなかった。
 しかし、エリーは小さい頃から両親を手伝い、大きくなったら牧場をもっと改良して豊かにしたいと語っていた。
「エリーは夢を実現したんだよ。竜の花嫁に選ばれたことで」
 父親が言い聞かせるように語る。竜の花嫁に選ばれたことは親族にとっても名誉なことだ。
 彼女の生まれた牧場の名が広まれば、働き手が集まる、生産物を求める人が増えるなど豊かになるだろう。
「そうかしら? あたしはてっきり、ライナスと牧場を経営していくということだと思ったんだけどねぇ」
 母親の見解は父親と違うようだ。
 どちらが誤りということでもないのだろうが、今の花嫁の気持ちはどうなのだろう。

「晩餐会の前にこんな話をしてごめんなさいね」
 場を盛り下げるような発言をしてしまったと母親があわてて小梅に謝る。
「大丈夫ですよ。お酒も入る宴席ですし、少しくらい本音はこぼれても問題ないと思います」
 小梅は二人にそう言うと、料理の準備のために厨房へと向かった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【友達催眠】がLV2になった!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!

若旅・嘉鷹
さて、と。
竜の花嫁に会うより先に、会って話すべき人がいるよな。
恋人であるライナスに会ってみようか。
できれば、こっそり会話ができそうな場所で。

まずは軽く自己紹介。
こんばんは、ミタカ・ジャーニーと申します。
竜の花嫁の関係者から話しを聞いて回っている者です。

…なにやら、お顔が優れないようですが?
なるほど、彼女の恋人でしたか…。
それは、お気の毒に。
なぜ『おめでとう』ではないのかって?
…さて、なぜでしょうか。今は詳しくは話せません。
ですが、これだけは一つ。

俺達は、『竜の花嫁』という仕組みをよく思っていない。

今は、それだけ分かって貰えれば。
…ここは冷えますね。少しお酒を入れましょうか。


●湖畔の会話
 晩餐会の時間が迫ってきている。
 別荘の敷地で、若旅・嘉鷹(ドラゴニアンのデジタルサマナー・g02873)はある人を探していた。
(こっそり会えるのが一番良いのだが……)
 しばらくして、湖に面した庭で探していた相手を見つける。
 エリーの恋人、ライナスだ。
 どうやら一人で湖を眺めているようで、嘉鷹にとっては都合が良かった。

「……素敵な眺めですよね」
 さっそく近づいて声をかける嘉鷹。
「ミタカ・ジャーニーと申します。詩人でして、竜の花嫁についてお話を聞いて回っています」
「ライナスだ。こちらこそよろしく」
 ライナスは嘉鷹を怪しむ様子はなく、気さくな態度で挨拶を返す。これなら、色々な話を聞くことができそうだ。
「湖を見ている時、何やら、お顔が優れないようでしたが、どうかしましたか?」
 嘉鷹が尋ねる。ライナスは少し考え、周囲に二人以外がいないことを確認してから口を開く。
「こんなこと言っていいのかわからないが……まだ、彼女が竜の花嫁に選ばれたことを心から祝えずにいる」

 二人はしばらく会話を続けた。
 ライナスは故郷でエリーと共に育ち、婚約したことを少しずつ語っていった。
「なるほど、彼女の恋人でしたか……それは、お気の毒に」
 嘉鷹の返答に、ライナスは驚いて彼の顔を見る。
 竜の花嫁として選ばれるのは名誉であるのが彼らの常識であった。
 それが『気の毒なこと』であるとはっきり言うとは。
「あなたは一体……?」
「詳しく説明はできません。したとしても忘れてしまうでしょう。ですが今はこれだけ言っておきたい」

 自分たち、復讐者は『竜の花嫁』という仕組みをよく思っていないのだと。
「しかし、それは……」
 ドラゴンたちが人々を庇護下に置き、その代わり竜の花嫁を差し出す。
 その関係は当たり前とされてきた……本当にそうだろうか?
 愛する人が消えてしまうことを受け入れる、それはおかしいことではないか?
 ライナスの心の中に疑問が浮かび上がる。

「急にすみません。ただ俺たちの考えはそうだと知ってほしかったんです」
 日が暮れ、周囲が少し寒くなってきた。
 室内に戻って酒でも飲みましょう、と嘉鷹はライナスに呼びかける。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【友達催眠】がLV3になった!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!

●花嫁の登場
 いよいよ晩餐会の時刻がやってきた。
 会場の扉が開き、着飾った女性が入ってくる。
 彼女こそ竜の花嫁、エリーである。

「花嫁様、おめでとう!」
「皆さん、今日は来て下さりありがとうございます」
 彼女の落ち着いた態度からは、大人しいがしっかりとした人柄であることが窺えた。
 晩餐会の始まりが告げられた後、人々は料理を味わいながら談笑を始める。
ラトクシア・ミレーシオ (サポート)
「精一杯戦います。だって、私もディアボロスですから」
おとなしくて真面目な性格。けれど、やるべき時にはやる、芯の強さを持っている子です。
いつも何らかの民族衣装を着ています。
口調はですます調で、特に特徴的な話し方はありません。

「これなら――どうでしょうか?」
戦闘よりは支援が得意ですが、いざ戦いとなれば頑張ります。
戦闘の際は横笛で激しい曲を吹き鳴らし、衝撃波を生み出します。

調査などでは、ちょっとおっちょこちょいな面を見せるかもしれません。
いろんな顔が見れたら嬉しいです。よろしくお願いします。

お色気と虫は苦手で、近づこうともしません。


●懐かしい故郷の風
 食事や会話の弾む中、ラトクシア・ミレーシオ(そらいろのうた・g03178)が人々の前に進み出た。
「この度は竜の花嫁様との晩餐会にお招きいただき、ありがとうございます」
 彼女は吟遊詩人として招かれていた。
 さっそく竜の花嫁や招待客を楽しませるため、横笛で即興曲を披露する。
 演奏を始めると、透き通った笛の音が会場内に響き渡る。

(この曲はもしかして……?)
 曲を聞いていたライナスはなにかに気づく。
 彼やエリーたちが幼い頃を過ごした故郷の草原が心に浮かんできた。
 牧場の動物たちがのんびり草を食む中、爽やかな風が通り過ぎる。
 エリーも同郷の者たちも、それに近い情景が浮かんでいたはずだ。

「花嫁様のご両親などにお話を聞いて思いついた曲です。いかがでしたでしょうか?」
「素晴らしい曲です。昔の故郷を思い出しました」
 エリーはラトクシアの演奏を褒め称える。
「昔に戻ったみたいだね……」
 懐かしい光景を思い出した母がしみじみとつぶやくのを見て、エリーは頷いた。
「いい曲だったな。またあの頃のように戻れないものかな」
「ライナス……」
 演奏後、挨拶に来た元婚約者の言葉に、花嫁はどう答えればいいか迷っているようであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!

菅原・小梅
◆行動
さて、後は料理を手にエリーさんへ思いを伝えましょうか。

こんにちわ、エリーさん。
私は旅の途中で此方に立ち寄ったのですが皆さん良い方ばかりですね。
(【友達催眠】を使用し)
特にご両親からは色々なお話を聞かせて頂きましたよ。
此方のパンもお話を聞いたからこそ出来上がった品です。

貧しかったからこそ、エリーさんには幸せを掴んで欲しい……そんな気持ちが私には痛い程伝わってきました。
ですが今の貴女は竜の花嫁となることで本当に幸せになれるのですか?
不満一つ言わず耐えていた頃の様に心を押し殺していませんか。
ライナスさんと一緒に牧場を経営する……そんな細やかな夢はもう忘れてしまいましたか?

※連携&アレンジ歓迎


陳・桂菓
人はいずれ死ぬ。それはいい。命に限りがあるからには仕方のないことだ。
だが、限りある命だからこそ、その使い道は何より第一に自分のためであるべきだと思う。

私は武人ゆえ、命が惜しいの死ぬのが怖いの言っていられないこともある。
しかし、だからといって犬死にを是とはせん。命の賭けどころは自らの意志に従って見極めている。

あなたはどうだ?
大切に思う人、思われる人、少なからずいるようだが、それでも生贄として命を使ってしまって構わないのか?
端から見ている分には、とてもではないがそんな価値があるとは思えないのだがな。
あなたの命は、あなたやあなたの大切な人のためのものであって、ドラゴンのためのものではないはずだろう。


●花嫁と復讐者たち
 エリーが親族や友人たちと仲良く話している間、菅原・小梅(紅姫・g00596)は彼女に話しかけられる機会を待っていた。
 会場には同じくディアボロスの陳・桂菓(如蚩尤・g02534)もいる。彼女は招待客として食事をしている。
 ちょうどその時、エリーが桂菓に挨拶しようと席に近づいてきた。

 怪しまれぬよう、小梅はパンを入れた籠を持って二人に近づいていく。
「こちら、焼き立てのパンです」
「ありがとう」
 桂菓が小梅に気づいてパンを受け取る。
「あら、かわいい形のパンですね」
 パンがイチゴなどのベリーに象られていることに気づいたエリー。
「私が作りました。そちらのサラダと一緒に食べてみてください。美味しいですよ」
「では、いただきますね」
 エリーは言われたようにパンを手にとって食べてみる。
「まあ、甘い。ベリーのジャムが入ってるのね」
「はい、ご両親からお話を聞かせて頂きまして。エリーさんがベリーがお好きだということで作りました」
 小梅の説明を聞いて、エリーは目を閉じて懐かしそうにする。
「確かに、昔の思い出が蘇ってくるような感じがします……」
 貧しい生活ではあったが、両親たちからは愛されていた時のことを思い出していた。

 昔の生活を思い返しているエリーに、小梅は思っていたことを尋ねる。
「ご両親のエリーさんに幸せになってもらいたいという気持ちは痛いほど伝わりました。ですが、今の貴女は竜の花嫁となることで本当に幸せになれるのですか?」
 エリーはパンを食べる手を止めて、不思議そうな顔をする。
「どういうことです?」
 二人のやり取りを見ていた桂菓が口を開く。
「命には限りがある。だからこそ、その使い道は何より第一に自分のためであるべきだと思う」
 武人である彼女は、人のために命を使うこと自体はどうしても避けられない時もあると考えていた。しかし、だからこそ犬死には是としない。
 竜の花嫁になり、竜鱗兵を生み出すために自分の命を使うということが、本当に彼女の望んだことなのか。

「竜の花嫁になるという名誉を選んだのは私です。でも……」
 エリーの言葉が詰まる。彼女の中でも自分の気持ちが整理できていないように見えた。
 ふと、エリーが離れたところにいるライナスの視線に気づく。
 彼とは先程少し会話しただけだったが、その後も時々エリーのことを心配そうに見ていたようだ。
「大切に思う人、思われる人、少なからずいるようだが、それでも生贄として命を使ってしまって構わないのか?」
 桂菓の疑問は当然だ。
 結局、竜の花嫁になるということは、ドラゴンたちのために命を使うようなものだ。

 エリーは小さい頃の記憶を思い出していた。
 生まれ育った牧場のこと、仕事の合間にライナスと村の外を探検に行った時のこと。
 怪我をして手当をしてもらったこと。
「……なんで気づかなかったんでしょう。私が死んだら、彼はきっと悲しむって」
 彼だけではない。表には出してはいないが、両親だって友人だって悲しまないはずがない。

「今はそれだけで十分です。昔の気持ちを思い出してくれて良かったです」
 小梅が桂菓に視線を向ける。今回の目的は果たされた。
 そろそろ新宿島へ戻る頃合いだろう。桂菓も席を立ち、二人は会場を出ていこうとする。
「待ってください。私は、一体どうすればいいのでしょう?」
 エリーの疑問について、桂菓が答える。
「私たちと話したことはいずれ忘れてしまう。でも覚えておいてほしい。私たちのように花嫁を助けるために動いている者たちがいることを」
 そうすれば、次に出会った時にすぐに思い出せるはずだから。
「分かりました……ところで、あなた達は一体何者なのですか?」
「私たちは復讐者(ディアボロス)。奪われたものを取り戻すために戦っています」
 彼女たちはそう名を告げ、会場を後にした。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【友達催眠】がLV4になった!
【落下耐性】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
【能力値アップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2022年05月23日