世界樹ダンジョン攻略戦(第一層)

 妖精郷を焼き尽くそうとするジェネラル級ドラゴン『炎のベディヴィア卿』の暴挙を、ディアボロスは阻止できました。
 しかし、既に焼き払われてしまった妖精郷の森が元に戻る事は無く、フローラリアの力は大きく削がれたようです。

 この影響は、ディアボロスが攻略したフローラリア防衛要塞群を越えた先にも現れました。
 なんと、ディアボロスの目の前で防衛群を越えた先の空間が揺らぎ、隠されていた『世界樹』が姿を現したのです。
 数kmもの高さを誇り、ダンジョンを内包した本来の歴史にありえない巨大樹木。
 これこそが、フローラリアの中枢にして『断片の王』の居城のようです。
『世界樹』を攻略すれば、フローラリアとの決戦に挑めるかもしれません。

 ですが、姿を現した『世界樹』は数kmの高さで、ドラゴン側の拠点からも容易に確認できます。
 そのため『炎のベディヴィア卿』は態勢を整え次第、全軍を率いて世界樹に向かってくる事が予測されます。

※特別ルール1

 この事件の攻略期限は『炎のベディヴィア卿』が襲来するまでの時間を示しています。
 攻略期限となった場合、この事件は終了し、世界樹を巡ってディアボロス、フローラリア、ドラゴン勢力による三つ巴の戦いが開始されます。
 三つ巴の戦いは、この事件の成功シナリオの数だけ、必要成功数が減少します。
 状況によっては、フローラリアの中枢をドラゴンに先に制圧されてしまう可能性も出て来ます。警戒が必要でしょう。

※特別ルール2

 このシナリオタイプは、攻略旅団の「期限延長」提案の対象になりません。

槍を捧げよ、遥か高き天樹へと(作者 月見月
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●旧き大樹と葉緑の騎士
「どうしましょうか、どうしましょう?」
「大変だわ、これはとっても大変だわ」
 それはただ単に巨大と形容するには極めて広大で、かつ見上げてもなお余りある高さを誇る古樹であった。妖精郷の奥深く、防衛要塞群を抜けた先に聳え立つ巨木『世界樹』。フローラリアの根拠地であるその場所は今、本来隠匿されている筈の姿を周囲へと晒している。
「結界が破れてしまったの。蔦の様に全てを覆い隠す、森の護りが。枯れ落ちた花の様に」
「もう一度張り直すまで、時間を稼がなくてはいけないわ。ドラゴンは乱暴だもの、きっと迷宮も焼き払ってしまうのよ」
 こうなれば復讐者の予知は勿論、敵対勢力であるドラゴンたちとて異常に気付くのは自明の理だ。だからだろう、世界樹の麓部分を構成する『第一階層』では防衛に当たるトループス級たちが忙しなく動き回っていた。少女の姿をしたそれらは繁茂する植物たちを剪定し、地形を組み換え、呪いを仕掛け、いずれ来るであろう敵対者に対する迎撃準備のため奔走してゆく。
 ただでさえ勢力的に劣勢なのだ。此処を落とされれば文字通りフローラリアに後は無い。だからこそ、水際での侵攻を食い止めるべく全力を注いでいるのだろう。
「…………」
 だが、一方。口々に危機を囁くトループス級とは対照的に、この区画を任されたアヴァタール級は終始沈黙を貫いていた。瑞々しき葉を纏った姿は優美さと同時に、騎士然とした武威を感じさせる。加えて黙々と手にした樹槍を振るう様子から、何らかの武術を収めている事が窺い知れるだろう。
「…………」
 恐らくはかなりの手練れ、高位の武人から手解きを受けたのか。淀みない所作はそれが決して付け焼刃でない事を示している。騎士はふと手を止めると、外へと視線を向けた。
 それはまるで――来たるべき強敵を見据えているかのようであった。

●暴かれたヴェール
「GutenTag、Kamerad? 機械化ドイツ帝国では断片の王ヴィルヘルム2世との決戦が継続中、更には新たな改竄世界史である『吸血ロマノフ王朝』の発見。色々と目まぐるしく情勢が移り変わっているけれど、キングアーサーでも動きがあったみたいね」
 新宿駅へと集まったディアボロスたちを見渡し、アーデルハイト・ベールケ(サイボーグの航空突撃兵・g03315)は説明の口火を切り始めた。彼女はペンを手に取ると、駅のホワイトボードへ巨大な木のイラストを描いてゆく。
「妖精郷方面を担当するジェネラル級ドラゴン、『炎のベディヴィア卿』。この強敵の目論見は皆のお陰で挫く事が出来た一方、攻略した防衛要塞群の向こう側に変化があったの。高さ、直径共にキロを優に超える巨大樹……フローラリアの拠点、通称『世界樹』が姿を現したわ」
 恐らくこれまでは大規模な結界で隠蔽していたのだろうが、ドラゴンが妖精郷の森を焼き払ったことで維持が出来なくなったらしい。先の防衛要塞群からそう遠くはない為、復讐者ならばすぐさま突入できるだろう。二勢力が相争った結果、思わぬ漁夫の利を得た形となる。
「世界樹の内部は全長数kmの巨大な樹木型のダンジョンとなっているみたい。頂上まで高過ぎるから飛翔だと辿り着けないし、樹皮は硬度、再生力共に尋常じゃない。だから、中を地道に攻略しながら登るしかないわね」
 航空兵が残念そうなのは空を飛んでも意味が無いからか。何時の世も、航空機に高度限界は付き物である。ともあれ、攻略の糸口が分かっているだけまだ良いと言えるだろう。
「まぁ、第一層の時点で面積は元より高さも1000mを超えるみたいだし、飛ぶこと自体は問題なさそうよ。そんな広大な敷地内には多くのフローラリアや知恵ある植物、迷宮に罠が犇めいている。当然一筋縄では行かないだろうけれど、ここを突破出来れば一気に敵の中枢まで近づけるわね」

 その為にも、まずは第一層部分の攻略となる。世界樹の入り口部分にはこれまでの冒険で見た様な、知恵ある植物による迷宮が構築されている。本来であれば踏破するだけでも数日を要する広さなのだが、何とこれまでに重ねてきた冒険が意外な形で突破口となるようだ。
「植物たちは世界樹の外に居る仲間から私たちの存在を伝え聞いているらしいの。彼らはフローラリアに従っているけれど、心情的にはエルフ寄りと言って良いわ。だから、クロノヴェーダの言葉を信じ切れずにいるみたい。『ディアボロスは本当に邪悪な侵略者なのだろうか』ってね」
 植物たちは復讐者たちが邪悪であるか否かを試そうとしてくる。となれば、それを利用せぬ手はない。これまでの冒険でエルフと関わっていたのならばそれを語って聞かせ、そうでなければ対話を試み、或いは植物たちの出す試練に挑み潔白を示す。そうすれば、彼らは道を開いてくれるだろう。
「だけど、迷宮を抜けて世界樹内部へと入ればそうもいかなくなるわ。ダンジョン内部は完全にフローラリアのテリトリー、トループス級やトラップの類が襲い掛かって来るわよ」
 トループス級は直接戦闘よりも植物を操っての絡め手を得手とするタイプらしい。木々に姿を紛れ込ませながらの奇襲は単純な威力以上に厄介だろう。トラップは食人植物の群生地だ。鉄すら溶かす消化液を放つ種類、粘着質の樹液で動きを封じ込める種類、棘付きの双葉で檻の様に締め上げて来る種類など、こちらも中々に強力な食人種が揃っている。
「で、その奥に待ち構えているアヴァタール級が葉緑の騎士『リーフナイト』よ。騎士然とした見た目通り、高い白兵戦能力を持つわ。その上、この個体はジェネラル級フローラリア『薔薇の戦士スカアハ』から武術の鍛錬をうけている精鋭。通常よりも戦闘力が底上げされているから要注意ね」

 迷宮内部はこれまで発見されたドラゴン勢力のダンジョンと共通点が見受けられる。そう言った意味でも、これまでの積み重ねが活きて来る戦場となるだろう。
「ドラゴンの大軍が世界樹に攻め寄せてくれば、三つ巴の戦いになるでしょうね。流石に二度も三度も漁夫の利を攫えるとは思えない。だからその前に、出来るだけ攻略を進めておきましょ?」
 そう説明を締めくくると、アーデルハイトは仲間たちを送り出すのであった。

●迷うは侵入者か、それとも木々か
「――して、どうするよ。皆の衆?」
「フローラリアの言う事は絶対だが……それ以外ならば、こちらの判断でも良かろう」
 世界樹第一層、入り口付近。うっそうと茂る森林に、虫の音や鳥の羽搏き以外の囁きがひそやかに響く。植物たちはクロノヴェーダに気付かれぬ様、この葉擦れや幹の軋みを介して言葉を交わしていた。
「ならば、如何にして邪悪か否かを断ずる?」
「交わす言葉は参照になるだろう。だが、語るも騙りも紙一重。幾らでも偽りは紡げようぞ」
 フローラリアは味方である。だが、外から伝わって来た同胞の言葉も嘘とは思えない。である以上は自分たちで復讐者を見極めねばならないのだが、かと言って具体的な基準を設けるのも難しいのだろう。ああだこうだと話し合う中、一際大きな古木が口を開く。
「……言は偽れても、無意識の行動までは欺けまい。手折らず、摘み取らず、抜き捨てず、切り倒さず。狼藉を為さねば、一先ず話を聞くに値しよう」
 詰まりは植物を、自分たちを傷つけなければ良いという事だろう。いざ対面すれば幾らでも繰り言は並べられるだろうが、そこに至るまでの行いを見れば本心も自ずと窺い知れるという訳だ。何せ、周りの植物全てが意思と知恵を持つのである。それを知っていれば無体な事はせず、知らなければどこかでボロが出るはず。
「成る程、是なり」
「異議なし」
 提案に対し他の植物たちも同意を示す。ともあれ、一応の基準は出来た。あとは実際に対面して判断する事になるだろう。そうして植物たちが再び沈黙すると、森にひと時の静寂が降りるのであった。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【狐変身】
1
周囲が、ディアボロスが狐に変身できる世界に変わる。変身した狐は通常の狐の「効果LV倍」までの重量のものを運べるが、変身中はパラドクスは使用できない。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【未来予測】
2
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【罪縛りの鎖】
1
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【浮遊】
1
周囲が、ディアボロスが浮遊できる世界に変わる。浮遊中は手を繋いだ「効果LV×3体」までの一般人を連れ、空中を歩く程度の速度で移動できる。
【プラチナチケット】
1
周囲の一般人が、ディアボロスを関係者であるかのように扱うようになる。効果LVが高い程、重要な関係者のように扱われる。
【トラップ生成】
2
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【光学迷彩】
2
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【壁歩き】
2
周囲が、ディアボロスが平らな壁や天井を地上と変わらない速度で歩行できる世界に変わる。手をつないだ「効果LV×1人」までの対象にも効果を及ぼせる。
【平穏結界】
1
ディアボロスから「効果LV×30m半径内」の空間が、外から把握されにくい空間に変化する。空間外から中の異常に気付く確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【スーパーGPS】
1
周囲のディアボロスが見るあらゆる「地図」に、現在位置を表示する機能が追加される。効果LVが高ければ高い程、より詳細な位置を特定できる。
【過去視の道案内】
1
移動時、目的地へ向かう影が出現しディアボロスを案内してくれる世界となる。「効果LV×1日以内」に、現在地から目的に移動した人がいなければ影は発生しない。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
3
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【植物活性】
1
周囲が、ディアボロスが指定した通常の植物が「効果LV×20倍」の速度で成長し、成長に光や水、栄養を必要としない世界に変わる。
【土壌改良】
2
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の地面を、植物が育ちやすい土壌に変える。この変化はディアボロスが去った後も継続する。
【液体錬成】
2
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【温熱適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、気温摂氏80度までの暑さなら快適に過ごせる世界に変わる。
【クリーニング】
1
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。
【建物復元】
2
周囲が破壊を拒む世界となり、ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の建造物が破壊されにくくなり、「効果LV日」以内に破壊された建物は家財なども含め破壊される前の状態に戻る。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【命中アップ】LV4 / 【ダメージアップ】LV7 / 【ガードアップ】LV4 / 【反撃アップ】LV3 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV4 / 【ダブル】LV2 / 【ロストエナジー】LV3

●マスターより

月見月
 どうも皆様、月見月でございます。
 今回の舞台はキングアーサーに出現した世界樹ダンジョンとなります。
 植物の迷宮を突破しつつ、フローラリアやトラップの攻略を行う事になります。
 それでは以下補足です。

●シナリオ成功条件
 アヴァタール級の撃破。

●シナリオ開始状況
 まずは世界樹前の森林地帯へと運ばれます。植物たちによって迷宮が形成されており、普通に進めば世界樹への到達は困難ですが、植物たちと問答を行い邪悪でないと判断されれば、ダンジョン内部への道を開いてくれます。
 その後はトループス級の掃討やトラップ群を踏破し、この区画の防衛を担っているアヴァタール級を討伐すれば成功となります。アヴァタール級はジェネラル級フローラリア『薔薇の戦士スカアハ』の薫陶を受けており、純粋な技量が底上げされた強敵です。

●採用について
 採用数については各選択肢の必要成功数が基準となります。出来る限りの採用に努めますが、ボス戦以外の選択肢で過剰に成功度が出てしまう場合は、恐縮ながら不採用となる場合がある事をご了承頂けますと幸いです。

 それではどうぞよろしくお願い致します。
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


ウツロ・ジャレット
「ん〜…相変わらずここは迷いやすいぜ。なぁ?聞こえてんだろう?ちょっと奥に用があるんで、案内図とかありませんかね?ーー…なんて言ってもしょうがない。ここはのんびり行こうかね」

探索というよりただの散歩という雰囲気で聳える木々や下に咲く花に触れたり 、その場に座り込んで一休みしたりしつつ【活性治癒】の残留効果を残して自身に敵意はない事を伝えていく。

テキジャナイヨーシゼンダイスキヨーコワクナイヨーホラスマイルイイテンキー

などと表面上はただの散策を楽しみつつ、都度都度周囲の細かい変化を『看破』しながら自身の『記憶術』と『偵察』能力を頼りに奥へと進んで行こうとする。

【アドリブ・連携歓迎】


●何よりも行動にて示すべし
「ん~……相変わらずここは迷いやすいぜ。目的地は見えてるってのに、幾ら歩いてもちっとも近づけやしないんだからなぁ」
 春の芽吹きも健やかに、青々しき緑が広がる森林地帯。枝葉の隙間より覗く巨大な世界樹を眺めながら、ウツロ・ジャレット(無頼の道化・g02611)はやれやれと肩を竦めた。以前にもフローラリアの防衛拠点を攻略した事はあったが、この場所は規模も密度も段違いである。
「ぁ? 聞こえてんだろう? ちょっと奥に用があるんで、案内図とかありませんかね? せめて、何か目印でもあれば助かるんだが――……なんて言ってもしょうがない。ここはのんびり行こうかね」
 生来の癖か、零れ落ちる独り言は中身が薄いにも関わらず酷く長ったらしい。そのうえ物々しい風体も相まって、ぱっと見ただけでも近寄りがたい印象を受ける。しかし、だからこそという意図もあった。
(こっちの動きはそこら中から見られているだろうしな。まぁ、元から変な事をするつもりもねぇけどよ。何というか、こう、ギャップってやつか? もしあるんなら活かすしかないだろ)
 如何にも悪人面したウツロが草花を愛で木々を労われば、ただそうするよりも強く行動を印象付けられるだろう。例えるなら、不良が子猫を助けたりするようなものか。
「テキジャナイヨー、シゼンダイスキヨー、コワクナイヨーホラスマイル、イイテンキー~♪」
 若干棒読みなのが気になる所だが、それでも行動自体は至極まっとうなもの。大男はまるで散歩するかの様に緑の迷宮を巡り、花々に触れ、また傷ついた木々へ癒しを施してゆく。そうして散策を進めるにつれ、ウツロは周囲の植生に変化が生じ始めた事を悟る。
(ん……心なしか、進みやすくなった気がするな。それに遠くに見える世界樹も、さっきよりデカく見える。もしかして、近づけてるのか?)
 微かに感じる、何者かの意図。だが害意は無く、寧ろ導かれる様な雰囲気さえある。復讐者がそれらを読み解きながら歩き続けると、不意に整えられた小径を発見した。方向的に見て、世界樹へと続く道で間違いないだろう。
「お、これを進めば良いってか?」
 問うても返答はない。しかし、罠や欺瞞ではないはず。悪戯っぽく笑みを浮かべながら、道に沿って歩き始めるウツロ。そんな彼の耳元へ。
「……やれやれ、人は見かけに寄らんという事、か」
 ボソリ、と。まるで苦笑するかのような囁きが届くのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!

月下部・鐶
……っわー!!!!!!
すっごい、おっきい! それに……うん、これがほんとの、大自然、だよね!

前にこの世界に来た時は、助けを求める人の救助や、悪いドラゴン退治の手伝いばっかりだったから、こうやってゆっくり迷宮を歩いて見て回るのははじめて

この辺りは、危険じゃないよね?
ちょっとドキドキしながら、とりだしたのは大きめ電子パッド、お絵かきしたいけど、スケッチブックは怖がらせちゃうかも!って準備してきた木を使わないキャンバス
これなら大丈夫だよね?と、電子パットに森の景色を描きながら、奥を目指して歩いていくよ

【過去視の道案内】を使って、過去に歩いた人の姿を見つけたら、追いかけようかな

アドリブ、連携、大歓迎!


●紙に記し、心に刻み
「……っわー!!!!!! すっごい、おっきい! それに……うん、これがほんとの、大自然、だよね!」
 大男が植物たちに認められている頃。別の場所では森の中に降り立った月下部・鐶(さいつよのお姉ちゃん・g00960)が思わず感嘆の声を零していた。歴史改竄者が植物の属性を持っているだけあって、この近辺は見事なまでに豊かな緑が育まれている。
「前にこの世界へ来た時は助けを求める人の救助や、悪いドラゴン退治の手伝いばっかりだったから……こうやってゆっくり迷宮を歩いて見て回るのははじめて。戦う為じゃなかったら、もっと良かったのになぁ」
 瑞々しい香りを楽しむ様に深呼吸しながらも、呟きに微かな残念さを滲ませる鐶。彼女は気を取り直す様にゴソゴソと鞄を探りながら世界樹を目指して歩き始める。本番は迷宮を抜けた後。ならば、今は散策を楽しんでもバチは当たるまい。
「……救助とはエルフの事なるや? であれば、フローラリアの話とは些か」
「それにドラゴンを退けるか。敵の敵は味方とも言うが、はてさて」
 その一方、先ほど少女が何と無しに漏らした呟きを、周囲の植物たちはしっかりと拾い上げていた。彼らは復讐者に気取られるぬ様、ひそひそと囁きを交わし合いながら観察を継続する。
「この辺りは、危険じゃないよね? お絵かきしたいけど、スケッチブックは原料に植物を使ってるから怖がらせちゃうかもしれないし……なら、木を使わないキャンバスだよ!」
 当の本人はそんな事も露知らず、取り出したるは大きめの電子パッド。カメラ機能も備わっているだろうが、それでは味気がないというもの。植物たちの機嫌を損ねないかと若干ドキドキしつつも、鐶は自らの瞳を通して見た光景を白電の紙面へと描き上げてゆく。
「成る程な。蔦で覆い、茂みで閉ざし、枝葉で遮るのは、無粋と言うものか」
 そうして、夢中になって筆先を走らせる姿は無邪気そのもので。これには植物たちも毒気を抜かれたらしい。彼らは迷宮を崩すのみならず、より世界樹が見える様にそれとなく枝や梢の位置を調整していった。
「あれ……今のは?」
 そのお陰だろうか。鐶はふと、視界の端に一瞬だけ誰かの姿を認める。視線を向けた時にはもう消えてしまっていたが、そちらへ近づいてみると通れそうな空間が在る事に気付く。恐らく、かつて此処を通った者の幻影か。
 斯くして少女は迷宮に阻まれる事無く、過去の標を頼りに進むのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【過去視の道案内】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!

樹・由乃
どうもお邪魔します
お邪魔していいですよね? だめと言っても勝手に入りますが

植物を無下に扱う? そんな意味がどうしてありましょう
私とて……まあこれは個人的なアレなので関係ありませんね
ものが人間だろうと植物だろうと命は命。粗末にするもんじゃありませんよ
何を言うものじゃなくとも傷つけられれば痛いのです。それを理解しないほど愚かではありません
全ての命は愛されるべきですから。多分

いろいろ言ったところで行動が伴わなければ意味がないですが
流石に踏むなとは言いませんよね? 踏まれて強くなる芽もあることをご存じでしょう
こちらとしても植物は好ましく感じます。無駄に伐採するやつがいればぶっ飛ばしてあげてくらいですよ


如月・友仁
今更だけど、嘘みたいな世界だよね
植物すべてが意思を持つなんてさ
ふふ、たくさんお喋りできて楽しそうだね
それじゃ、お邪魔します

道中急ぎすぎて植物くん達にぶつかるのも嫌だし
【浮遊】で地面を踏まないようにしながらゆっくり探索するよ
周囲を観察して、通るのが難しければ迂回もしつつ
枝葉が重なり合う地帯なんかは特に注意して進もう

話に応じてくれたら、君たちと友達になりたいことと、害する意思はないと伝えようか

残念ながら語れる武勇伝は大して持ってないけど
物は丁重に扱えば応えてくれると僕は知ってる
……知恵や生命の有無に関わらず、そこは同じだろう
仲良くなりたいことは態度で示すとするよ


●誠実に勝る王道なし
「……さて、どうもお邪魔します。と言うか、お邪魔していいですよね? まぁ、だめと言っても勝手に入りますが」
「それじゃあ、僕も見倣って……はい、お邪魔します」
 下草の感触を靴底越しに感じながら、森の中に降り立った樹・由乃(堕ちた翠星・g06228)は一応の断りを入れつつも、油断なく周囲を一瞥する。一方、同じタイミングでこの改竄世界史へとやって来た如月・友仁(ユアフレンド・g05963)も仲間の真似をしつつ、どこか感慨深げに微笑しながら呟きを零してゆく。
「今更だけど、嘘みたいな世界だよね。植物すべてが意思を持つなんてさ。クロノヴェーダともまた違うみたいだし、本当に不思議だ。ふふ、たくさんお喋りできて楽しそうだね」
「話を聞く条件は『植物を傷つけるな』、でしたか。こちらとしても植物は好ましく感じます。無駄に伐採するやつがいれば、ぶっ飛ばしてあげるくらいですが……」
 友仁の言葉に相槌を打ちつつ、由乃は足元へ視線を落とす。前後左右は勿論、上も下も緑に満ち満ちている。傷つけるなと一口に言っても、その程度は文字通りピンキリだ。
「流石に下草まで踏むなとは言いませんよね? 麦の様に踏まれて強くなる芽もあることをご存じでしょう」
「まぁ、何が邪悪と見做されるか分からないしね。道中急ぎすぎて植物くん達にぶつかるのも嫌だし、念には念を入れて浮遊を使っておこうか」
 仲間の懸念を受けて、青年は小脇に携えていた壺のフチを指先で小さく叩く。すると魔力を孕んだ霧が吹いたかと思うや、二人の身体を包み込む地面からほんの少しだけ持ち上げる。
 下草云々は兎も角として、森だけあって地面が平坦とは言い難い。その上、木々や茂みが行く手を遮る事もあるだろう。道中の安全確保と言う点では悪くない選択肢だ。
「無理に押し通って機嫌を損ねられたら元も子もないからさ。通るのが難しければ迂回もしつつ、枝葉が重なり合う地帯なんかは特に注意して進もう」
 そうして二人は周辺警戒を行いつつ、緑の迷宮を進んでゆく。枝葉の隙間から目的地である世界樹自体は見えているのだが、やはりと言うべきか道が途中で途切れたり、気が付いたら逆に遠ざかる様なルートを選ばされてしまう。
 しかし復讐者たちは先の言葉通り、邪魔な枝や幹を折ったり、蔦を引き千切ることなく素直に迂回路を進んでゆく。果たして、そんな道程をどれくらい続けただろうか。不意に視界が広がったかと思うや、ぽっかりと開けた空間が目の前に現れた。
「これは……」
「……随分と我らに気を遣って頂き、誠に恐悦至極。本題へ入る前に、先ずはこれまでの非礼を詫びよう」
 今までとは違う雰囲気に思わず身構える由乃だったが、次いで聞こえてきた静かな声音でどうやら合点がいったらしい。彼女は構えを解くと、続く言葉へ耳を傾ける。
「さて、汝らの立ち振る舞いは見定めさせて貰った。その上で聞かせて頂きたい。強引に突破する事など容易かろうに、何故こうまで丁寧に接するのかを」
「植物を無下に扱う? そんな意味がどうしてありましょう。私とて……まあこれは個人的なアレなので関係ありませんね」
 こうして直接問答を交わしに来ている時点で、最低限の合格ラインは達していると判断して良いだろう。かと言って、ここで対応を間違えれば元の木阿弥だ。少女は言葉を選びつつ、問いに答えを返してゆく。
「ものが人間だろうと植物だろうと命は命、粗末にするもんじゃありませんよ。何を言うものじゃなくとも傷つけられれば痛いのです。それを理解しないほど愚かではありません。全ての命は愛されるべきですから、多分」
「これまで見て貰った通り、僕たちに植物くん達を害する意思はないよ。寧ろ、君たちとお友達になりたいかな?」
 由乃の言葉を捕捉しつつ、友仁は更に一歩踏み込んだ話へ流れを持っていかんとする。元より他人との距離感が些か壊れ気味だが、今はそれがプラスに働いていると言って良いだろう。沈黙を以て先を促す植物に従い、彼は続けて言葉を紡ぐ。
「残念ながら語って聞かせられるような武勇伝は大して持ってないけど、物は丁重に扱えば応えてくれると僕は知ってる。彼女の言う通り、知恵や生命の有無に関わらず、そこは同じだろうからね」
「まぁ、いろいろ言ったところで行動が伴わなければ意味がないですが……その点に関しては今までの態度で示したつもりです」
 敵では無い事、友好を望む事。その要点を簡潔に纏め、これまでの行動と共に伝える復讐者に対し、依然として沈黙を保ち続ける植物たち。果たして暫しの間を置いて、相手は口を開いた。
「……良かろう。汝らはきっと、邪悪では無いのだろうな。さぁ、行くがよい」
 そうして広場の一角が左右に割れるや、その向こうに道が現れる。あれが正規のルートなのだろう。二人は丁寧に周囲の植物へ一礼すると、世界樹を目指し一路先へと進んでゆくのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【植物活性】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!

傅・夕月
とりあえずの目標としては植物と仲良くして、邪悪ではないことを示せばよいわけですね。

実際の所、私たちは私たちの目的で動いているわけで、今は仲良くしていてもいずれは敵対することになることもあるとなると、騙してることになりそうですが…。

個人的には植物とは仲良くしていきたいんですけどね。

パラドクスを手土産にして植物と交流していくことにします。
(意味があるかどうか確認してですが)
私はエルフですけれど、出身はキングアーサーではないので、知恵や意識を持つ植物がどんなものか交流して話を聞いていきたいですね。

普段何してるとか趣味は何とか、そんな感じの話をしていきたいと思います。


●癒し語れや森の子よ
「とりあえずの目標としては……植物と仲良くして、邪悪ではないことを示せばよいわけですね?」
 各所で復讐者たちが植物との対話を始めている頃。傅・夕月(禍鎮久之森ノ娘・g05975)もまた、新緑の世界へと姿を見せていた。周囲を見渡してみても、深い森がどこまでも続くのみ。一体どれが意志を持つ植物なのか、見分けるのは不可能と言ってよい。
(実際の所、私たちは私たちの目的で動いているわけで……最終的に歴史の奪還を目指す以上、今は仲良くしていてもいずれは敵対することもあるはず。となるとある意味、騙してることになりそうですが)
 下手に口走れば、どこで誰が聞いているやも分からぬ。故にこそ、夕月は胸中に渦巻く懸念に対し、僅かに眉根を顰めるだけに留めてゆく。復讐者としては為すべき事を果たさねばならないが、それはそれとしてやはり複雑さを抱いてしまうもので。
「個人的には植物とは仲良くしていきたいんですけどね。例えそれがひと時の仮初だとしても、決して無為ではないでしょうから」
 乙女は気持ちを切り替える様に深く息を吸い込むと、一先ず道なりに沿って歩き始める。すぐに世界樹の元まで辿り着けるなどと考えてはいない。求めているのはちょっとした切っ掛けだ。
「これは……ええ、丁度良さそうですね」
 そうして夕月が見つけたのは、周囲と比べてやや緑に乏しい場所。日当たりか、もしくは地味が悪いのだろう。なればと彼女が其処へ手を翳すと、周囲の土壌が改善されてゆく。手土産と言っては些か語弊があるものの、好印象を持って貰えればと言う狙いがあったのだが。
「……これは驚いた。フローラリアでなく、エルフでその様な御業を扱うとは」
 果たして、反応は極めて速かった。見上げてみれば、いつの間にか一際背の高い古木が目の前に有る。声の主は間違いなく彼だろう。
「汝もディアボロス也や? 助けたと言うだけでなくよもや同胞に迎え入れているなど、聞き及んだ以上だ」
「お声掛け頂きありがとうございます。ただ、私はエルフですけれど、出身自体はキングアーサーではないので……宜しければ、少しだけお話を聞かせて貰えませんか?」
 先の残留効果にエルフと言う出自。それらの結果、夕月は古木からかなりの好印象を引き出すことに成功していた。驚愕と関心の入り混じった声音に対し復讐者は微笑を浮かべると、そう口火を切ってささやかな交流を始めるのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【土壌改良】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!

乾・玄辰
世界樹の迷宮か。
何時ぞや迷いの森に分け入った日の事を思い出すな。
過日と同じく【光使い】で杖に淡い光を灯し
周囲と足元の緑に気を払いながらそろりそろりと進む。

話の通じそうな木々を【観察】で見出し三角帽子を脱ぎ会釈。
さて。如何に身の証を立てるべきか――嗚呼、そうだ。

以前、妖精郷から拐かされたエルフの子を助け出した話をしてみよう。
【記憶術】も用い救出の経緯を嘘偽り無く語ってみせる。
子供の名は確か……ルイスとメアリーだったかな。
その時、森の古老方に名乗り御挨拶申し上げた事も伝えるよ。
同じ位の年輪を刻んだ木々なら、彼らと知り合いかもしれないからね。

かの森の古老方やエルフの子達は息災だろうか。


●かつての献身が今を繋ぎて
「……世界樹の迷宮、か。こうして見ると、何時ぞや迷いの森に分け入った日の事を思い出すな。あれからもう半年なのか、それともまだ半年とでも言うべきか」
 脳裏に浮かぶのは、幼子たちを救う為に花の魔女と渡り合った一件か。どこまでも広がる緑を一瞥し、乾・玄辰(最後の魔法使い・g01261)は感慨深そうに目を細める。六か月前はまるで未知の相手だったにも関わらず、今ではこうして本拠地を暴くまでに至ったのだ。その反応も当然だろう。
「探索については過日の方法と同じで問題ないだろう。出来る限り場を荒らさぬよう、そろりそろりと慎重に、だ」
 ともあれ、かつての経験は確かに彼の糧となっていた。魔法使いは手にした杖に淡い光を灯して標としながら、草花を踏み折ってしまわぬよう注意深く歩き始める。
(何事も急がば回れだけれど、今回は特にだろうな)
 歩けども歩けども、遠くに見える世界樹が近づく気配は無い。だが玄辰はそんなもどかしさに焦れる事無く、ただ黙々と道なりに足を動かし続けてゆく。しかし不意にある地点で足を止めると、彼は三角帽子を取り深々と腰を折った。
「そこの方。知恵ある植物とお見受け致しますが、少しお話をさせて頂いても?」
「……これは驚いた。まさか、数多の同胞より我を見つけるとは」
 その視線の先に居たのは、一見すると何の変哲もない針葉樹。だが、応ずる声は確かに眼前の木から発せられたもの。復讐者の観察眼が擬態を見破ったのだ。
「済まぬな、無為に惑わせるような真似をして。しかし幾ら風聞を伝え聞こうと、何事も自ら確かめねば気が済まぬ性分での」
「いえ、どうかお気になさらずに。とは言え、さて。如何にして身の証を立てるべきか――嗚呼、そうだ」
 ここからどう話を持っていくべきか。そう思案する玄辰だったが、何か妙案を思いついたのか唐突に手を打つ。
「以前、拐かされたエルフの子を助け出したことがあります。子供の名は確か……ルイスとメアリーだったかな。その際、森の古老方に名乗り御挨拶申し上げまして」
「……ふむ、詳しくお聞かせ願えるかな?」
 そうして、魔法使いはかつて己が関わった一件について嘘偽りなく語ってゆく。先を促す針葉樹に従って一頻り話し終えると、相手も思案の後に口を開く。
「成る程、な。その一件はしかと聞き及んでおる。母子共に息災だともな」
「それは……ええ、こちらは尽力した甲斐があったと言うものです」
 それは言外に、復讐者が邪悪でないと認めた証左に他ならない。それを察した玄辰もまた、微笑と共に頷きを返す。斯くして青年は針葉樹と暫し会話を交わした後、世界樹へと続く正しき道へと踏み出してゆくのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【活性治癒】がLV2になった!
効果2【ドレイン】がLV2になった!

ツィルニトラ・プリルヴィッツ
植物との対話は初めてでもないし…
新宿の自然や花壇を見る目も少し変わった気がするわね

(多少大仰な演技でも堂々と振舞う方が信用は得やすいから…)

『スペタリアケージ』…エルフの命を弾とする植物兵器の噂は聞き及んでいるかしら?

森の守護者を騙ってのこの横暴、看過する事は出来ないの
フローラリア打倒の為、通行の許可を願うわ!

…道中は兎も角、敵の領域に住まう貴方達の同胞への配慮は難しいわ
貴方達が草食む獣に対し毒を蓄えるように、私達も食人種の肥しとなる訳にも行かないの

退け排除した償いとして、次代の成長促すこの力(土壌改良)を振るう…

魔法の竜神たるこの私自らが宣誓するわ!

…訝しむ気配が一気に増えた気がするのだけど


●竜の神たる矜持に誓いて
「意志ある植物との対話は今回が初めてでもないし……何となくだけど、新宿の自然や花壇を見る目も少し変わった気がするわね。やっぱり、何事にも敬意は持って接するのが重要なのかしら」
 進路を塞ぐ茂みを眺めながら、ツィルニトラ・プリルヴィッツ(自称/捏造 魔法竜神・g02012)は静かにそう独り言ちた。彼女がこの改竄世界史へと降り立ってから、既に暫しの時間が経過している。
 その間にこうした妨害を幾度となく受けているが、不思議と苛立ちや焦燥感と言ったものは浮かんでこない。これもまた、重ねてきた経験による成長と呼べるだろう。
(とは言え、そろそろどうにかしたいわね……多少大仰な演技でも、堂々と振舞う方が信用は得やすいから、と)
 だが、幾ら手荒な真似を控えねばならぬとは言え、長々と足踏みしては居られない。ツィルニトラは小さく息を吸い込むと、自らを観察しているであろう相手に向けて口を開いた。
「『スペタリアケージ』……エルフの命を弾とする植物兵器について、外の仲間から噂は聞き及んでいるかしら? あれは真実よ。何故なら、私はこの目で見たのだから」
 風も無いのに枝葉が騒めくように感じるのは、決して気のせいではないだろう。竜人は自らの言葉が植物たちに伝わっていると確信しながら、先を続けてゆく。
「森の守護者を騙ってのこの横暴、看過する事は出来ないの。それはエルフを慮る貴方達も同じはずよ。だからフローラリア打倒の為、通行の許可を願うわ!」
 より一層強くなる喧騒に混じって、声ならざる声が聞こえ始めた。察するに判断が割れているといった所か。そう悟ったツィルニトラは、主張を押すばかりではなく一歩退いて見せる。
「……道中は兎も角、敵の領域に住まう貴方達の同胞への配慮は難しいわ。貴方達が草食む獣に対し毒を蓄えるように、私達も食人種の肥しとなる訳にも行かないもの。ただ、退け排除した償いとして、次代の成長促す力を振るいましょう」
 完全な敵には手加減できぬと断りを入れつつ、土壌を富ませる異能を以てその補填を申し出る。植物たちにとっても世界樹内部のそれらはまた別扱いなだろう、やや態度が軟化する気配が感じられた。
 なればと、駄目押しとばかりに復讐者は胸を張って高らかに宣言する。
「そして、魔法の竜神たるこの私自らが宣誓するわ! 今語った全てに一切の偽りは無いとね!」
 果たして、その言葉が響いたのか。次の瞬間、眼前を塞いでいた緑が音も無く左右へと退いてゆく。何はともあれ、結果としては成功と言って良いだろう。が、しかし。
「何か、こう……訝しむ気配が一気に増えた気がするのだけど?」
 心なしか、釈然としない表情を浮かべる竜人。対して、植物たちは先程とは打って変わって沈黙を返すのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【土壌改良】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!

イーディス・レヴェリー
ちょっと、懐かしいわね
わたしが故郷以外で初めて戦ったのもこの時代でだったっけ
あの時も植物さん達の説得は大変だったし、今回も気長に進んでみましょうか

いきなり飛ぶのは不安、だけどわたしの足だと時間がかかってしまいそうだから……森歩きが得意な、大きなハナカマキリのお人形さんの『牙を剥く狂咲』の背に腰掛けて、鎌で植物を切らないように気をつけて貰いながら迷いの森を進んでいくわ。

前にエルフ達を助けるために抜けた妖精郷の森の迷宮の植物達の事を考えると、どの植物さんがお話できる程の意思を持っていたっておかしくないし、樹や花に順番に話しかけてみましょう

妖精郷の植物達のお話をしたら、お知り合いが居たりするかしら?


●伝聞、枝を伝い根を巡り
「まだ一年も経っていないはずだけど……ちょっと、懐かしいわね。わたしが故郷以外で初めて戦ったのも、確かこの時代でだったっけ」
 すぅと深呼吸しながら、イーディス・レヴェリー(色褪せた翼・g00391)は感慨深げにそう独り言ちる。前回は秋の初め頃だったが、今はもうすっかり芽吹きの季節だ。
「あの時も植物さん達の説得は大変だったし、今回も気長に進んでみましょうか。いきなり飛ぶのは不安だけど、かと言ってわたしの足だと時間がかかってしまいそうだから……」
 兎にも角にも、まずは進まねば何事も始まるまい。幸い飛翔の残留効果を感じられるが、枝葉を折らずに進むのは困難を極めるだろう。なればと、彼女は或る人形を取り出す。それは蘭を模した外見の大蟷螂。蟲はその背に術者を乗せると、ゆっくり森の中を進んでゆく。
(昆虫の姿をした人形なら親近感を抱いてくれるかしら。ただ、鎌で植物さんを切ってしまう事だけは注意しておきましょう)
 見慣れた存在で警戒心を緩め、気遣いを示して信用を得る。しかし、それだけで万事が解決するとはイーディスも思ってはいない。植物たちに信用して貰う難しさは過去の一件で経験済みだった。
(前の時を考えると、どの植物さんがお話できる程の意思を持っていたっておかしくない……となると、そうね)
 今回の植物たちは比較的老成した性格の様だが、それと見た目が一致しているとは限らない。故にこそ、少女は目についた花や木へと語り掛ける。
「以前に会った妖精郷の植物たちは森に入ったら驚かせてきて、まるで悪戯っ子みたいだったわね。でも、事情を話せば分かってくれる優しい子だったわ」
 懐かしさに思わずクスリと笑みが零れる。復讐者として初めて訪れた改竄世界史だけあって、今でのその時の光景はありありと思い出せた。そうして訥々と言の葉を紡いでいると――。
「……外の者らは勢いが合って良いな。此処は歳ばかり食った樹しかおらんゆえ」
 不意に、語りへ応ずる声が響く。その源を見やれば捻じ曲がった古木が一本、ひっそりと佇んでいる。
「あの坊ら。元気が良いのは結構だが、些か要領を得ぬでの。今の話で合点がいったわ」
「あら、もしかしてお知り合い?」
「木や花など、近かれ遠かれみな親戚のようなものよ。さぁ、行くが良いさ」
 どうやらイーディスの関わった件についても、しっかり世界樹の麓まで届いていたらしい。裏付けの取れた古木は迷宮を解き、正しい道を指し示す。
 そうしてかつてと同じように礼を述べながら、少女は先へと進んでゆくのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【壁歩き】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!

ベアトリス・リュウフワ
対話により道を切り開いてくださった皆様には深い感謝を。

焦燥に駆られて歩を進めてはなりません。
植物の罠は巧妙な擬態によって隠れている可能性がございます。
しっかりと【観察】し、それらを見抜きたいところですわね。
可能な限り、パラドクスによる攻撃で駆除いたしましょう。

【浮遊】により、足元への罠を踏み抜かぬよう警戒。
当然、壁や天井も見ておきます。浮けば素通りできるなんて杜撰な構造なわけはございませんもの。

さて、わたくしはどちらかといえば戦闘に偏った存在。
どうしても罠発動を止められぬ局面もあるかもしれません。
その際は、防御ではなく全力の回避を試みます。
何れも防御は無意味だと推測しておりますわ。


●急がば回れの迷宮探索
 対話により迷宮を抜けた復讐者たち。しかし、意外にも世界樹へ一番に足を踏み入れたのは先行した者らでは無かった。
「……対話により道を切り開いてくださった皆様には深い感謝を。そして遅参の無礼は働きを以て返させて貰うと致しましょう」
 ベアトリス・リュウフワ(強欲と傲慢のミルフィーユ・g04591)はそう礼を述べつつ、洞窟の如き洞を抜けてゆく。彼女は言葉通り他の仲間たちよりもやや遅れて到着したのだが、既に切り拓かれた道を進む事で結果的に時間のロスなく辿り着けたのである。
「とは言え、此処から先は未知の領域。しかし焦燥に駆られて歩を進めてはなりません。植物の罠は巧妙な擬態によって隠れている可能性がございますから……しっかりと観察しつつ、可能な限り駆除して後に続く者の道を整えるとしましょうか」
 内部は木の幹内部とは思えぬほど広大であり、緑の密度も外の比ではない。一先ず、ベアトリスはふわりと宙空へ浮かび上がる。まるで地雷の如く、踏み込んだ先が食人植物の胃袋だったなどゾッとしないものだ。
(当然、壁や天井も見ておきます。浮けば素通りできるなんて杜撰な構造なわけはございませんもの。いつ何時、どの様な手合いが仕掛けて来ないとも限らないですしね)
 頭上を見れば天井は遥か彼方だが、垂れ下がっている巨大な蔓が何本も見える。左右には背の高い木が幾つも点在しており、それらが食人植物でないと言う保証は無かった。
「さて、一体どのような手管を以て歓迎して下さるのでしょう。わたくしはどちらかといえば戦闘に偏った存在、そう上手く罠の発動を止められるとは……っ!?」
 そうして、周囲を遍く見張っていたお陰だろう。ベアトリスは視界の端で何かが動いたことに気付く。敵の正体が分からぬ以上、迂闊な防御は命取り。咄嗟にそう判断し大きく身を捩った瞬間、何かが眼前を通り過ぎる。
 それは先端に粘着質の樹液を滴らせた植物。モウセンゴケに似た植物が、弓なりに茎を撓らせて視界外よりハエ叩きの如く襲い掛かって来たのだ。
「成る程、これはまた巧妙ですわね……けれど、種さえ分かってしまえば」
 反動を利用し、第二撃を狙う食人植物。対するベアトリスはスラリと剣を鞘走らせると、悠然とそれを構え――。
「まずは、一つ」
 迫り来る粘液塊目掛けて放った斬閃により、茎の半ばより先端部を切り飛ばしてゆくのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【液体錬成】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!

傅・夕月
トラップを利用したり搦め手が得意…私の能力・パラドクスも「ハッキングで空間を書き換え、自分の守護する森を顕現させて引きこもる」と森を利用するものなので似ていますね。出自は違えど植物に近しいので似るのでしょうか。

森の中の移動には【浮遊】が便利そうなのでお借りしましょう。変なものを踏んだりすることがなくなるでしょうし。
植物を利用したトラップなら【植物知識】【罠使い】で見極めて引っかからないようにしましょう。
敵が森を利用して不意打ちしてくるなら、逆に周囲を私の森に書き換えてしまい、そこに行動を邪魔するように枝や根や草を罠として配置し、動きを封じましょう。

なるべく戦わずに無効化できればよいのですが。


●森こそが我が友
(トラップを利用したり搦め手が得意……私の異能も『ハッキングで空間を書き換え、自分の守護する森を顕現させて引きこもる』と、どことなく森を利用するものなので似ていますね。出自は違えど、やはり植物に近しいので似るのでしょうか)
 森を抜け、樹皮の壁を潜って広がるのもまた森。常に樹木と共に在るエルフやフローラリアと自らを重ね合わせ、傅・夕月(禍鎮久之森ノ娘・g05975)は異種族となった己との共通点を見出す。
 とは言え、この森は少なくとも引きこもりたい雰囲気では無かった。獣の唸りも、鳥の囀りも、虫の羽音すらしない。正に剣呑さとも呼べる不穏さが感じられるのだ。
「空を飛ぶ……のは、敵も見越して対策されていそうですしね。少しだけ身体を浮かせておけば、何かを踏み抜く事もそうはず」
 地上を進むのが安全とは決して言い難いものの、自らの知識が活かせるならばまだ立ち回り様があると彼女は判断していた。
 そうして地面より数センチだけ足を浮かせ、森人は慎重に先へ進む。しかし先の森は迷わせるだけだったが、こちらは不意を打って攻撃して来るのだ。どうしても緊張が張り詰めると言うもの。
(……やはり、有りますね。食人植物と言えど見えてる罠は怖くありませんが、相手もそれは重々承知ですか)
 ちらりと足元を見やれば、うっすらと円形に亀裂が走っている。手近な枝でそれを突いてみれば、パカリと蓋が開いて中に液体が溜まっているのが見えた。ウツボカズラ系の植物が落とし穴よろしく地面に埋まっているのだろう。
 自分だけ進むのならば問題無いが、後続の仲間が気付かずに踏み抜く事は避けたい。なればと、夕月は一計を案じる。
「森を利用して不意打ちしてくるなら、逆に周囲を私の森に書き換えてしまいましょうか。罠を封じたり、身動きが取れなくなるように枝や根、草を配置すれば……」
 ――深き夜に、沿いて臥したる、我が夫の。とわにゆめみし、禍鎮久之森。
 祝詞と共に乙女から禍神の妖力が溢れ出し、周囲をじわりと己が領域へと書き換えてゆく。如何に凶悪とは言え、相手は単なる植物。異能に抵抗する事は能わず、次々と食人植物は無力化されていった。
「これでよし、と。この調子で、なるべく戦わずに無効化できればよいのですが」
 そうして夕月は気を引き締め直しながら、世界樹ダンジョンを進んでゆくのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!

月下部・鐶
だんだん、ブキミな雰囲気になってきたかも……?
大自然の緑色を堪能してウキウキだった足も、森の雰囲気が変わってきたのを感じて止まっちゃう

いっぱいこの森を〈アート〉で描いて、描かせてもらって〈観察〉したから分かる
穏やかな雰囲気の中に紛れ込んだキケンな気配
そんな植物の罠を〈看破〉して、そーっと避けながら移動するね

移動しながら地図を作って、慎重に奥に進もう
他のディアボロスさんと合流したら情報共有も忘れずに!

怪しい場所だと思ったら森の風景を電子パッドに描いてみて
描かれた絵の中の木々の動きを【未来予測】で予測して、あぶない場所は避けちゃうね

アドリブ、連携、大歓迎!


ウツロ・ジャレット
【アドリブ・連携歓迎】

「HAHAHA…通れたのはいいがまだ道は続くか。まぁ植物を傷を付けるのはNGと…いつから博愛主義になったんだ俺は?
ーー…しかし罠が多いねぇ。自然物の罠っつ〜からゲリラ戦術の即席トラップをイメージしてたが……っと、ん?このトラップは何が出るかな〜?」

軽口を吐きつつも周囲を散策しつつ、変わらず周辺を【記憶術】【偵察】を駆使して把握しつつ、【スーパーGPS】の残留効果を残して自身の位置を確認しながら、【看破】したトラップは【早業】をもって【解体】しつつ確実に迷宮の奥へ進んで行く。


●ただ在るだけに善悪はなく
「何だか、だんだん、ブキミな雰囲気になってきたかも……? 外と違って、虫や鳥さんの気配もあんまり感じられないせいかな……」
 外界と内部を隔てる樹皮、その隙間から世界樹内部へと踏み入った月下部・鐶(さいつよのお姉ちゃん・g00960)は漂う空気の違いを敏感に感じ取っていた。仕掛けられた罠は食人植物と銘打たれているが、何も人だけを襲う訳でもあるまい。虫は勿論、小動物とて区別はすまい。それと比べれば、外の植物たちは遥かに理知的と言えるだろう。
「でも、猛獣とかと違っていきなり飛び掛かって来るとかはしないはず。ああでも、下手に動かない方が見つけにくいって場合もあるかもしれないし」
「HAHAHA……確かに、通れたのはいいがまだ道は続くか。しかもこっちを餌としか見てない連中がお出迎えとはなぁ。全く以てデンジャラスだとは思わないか?」
「うん、そうだね……って、え!?」
 独白に対する相鎚につい応じてしまったが、此処に居るのは自分だけの筈。そう思っていた鐶が驚いて声のした方を見ると、茂みから顔を覗かせる凶相と目が合ってしまう。声すら出せず恐れ慄く少女の前で、ウツロ・ジャレット(無頼の道化・g02611)はのっそりと自らの巨体を藪の中から引き出した。
「まぁ、引き続き植物を傷付けるのはNG、と。生きる為にモノを食うのは善も悪も関係ないからなぁ。それだと、テメェ自身はどうなんだって話だし? ……って、いつから博愛主義になったんだ俺は?」
 相も変わらず、良く回る舌で長口上を垂れ流すウツロ。しかし見た目こそ厳ついが同じ復讐者である事、そして口にする言葉から彼も植物に認められた事を理解すると、鐶も落ち着きを取り戻す。
「と、取りあえずお仲間さんという事で問題ない、かな?」
「お花さんと戯れ木々を労わるピエロさんだぜ……しっかし、ここら辺は罠が多いねぇ。自然物の罠っつ〜から、ゲリラ戦術の即席トラップをイメージしてたが、まんま草だもんなぁ」
 何はともあれ、目的が同じである以上は協力しない理由もないだろう。既に周囲を探索していたらしい大男はボヤキを零しつつ、ちょいちょいと少女を招き寄せる。何事かと近寄った鐶は、ウツロが指し示す先に大きな袋状の器官を持つ植物を見つけた。
「あれはえっと、確か……袋の中に消化液が溜まってて、落ちてきた虫を溶かしてしまう植物でしたっけ?」
「加えて、何をどうやって知っているかは知らねぇけど、獲物が近づいてきたら直に溶解液を浴びせて来るんだなこれが。試しにさっき一つ解体したら、ヒデェ目に遭ったって訳だ」
 それはウツボカズラと言う植物に良く似ていた。しかしサイズは桁違いに大きく、人間程度なら楽に飲み込んで仕舞えるほど大きい袋を持っている。その中に溜まっている消化液の量は相当なものだろう。
「なら、やっぱり避けて通るべきだね。いっぱいこの森をスケッチさせて貰ったから、何となく分るよ。穏やかな雰囲気の中に紛れ込んだキケンな気配がね」
「世界樹ダンジョンに紙とペンと来れば、もうマッピングするしかねぇなぁ。理由は良くわからんが、まぁそういうもんだろ?」
 外と内は分厚い樹皮で隔てられているが、地続きである以上はそう植生が隔絶している訳でもあるまい。少女は先の道中でスケッチした植物のイラストを頼りに、危険な罠を見定めてゆく。と同時に、歩いた道を目印と共に記録する事で簡易的な地図も作成していった。
「ここ、一見すると何の変哲も無いけど……ちょっとだけ怪しいかも」
 もし判断のつかぬ場所があったとしても、手早くその風景を書き写すことで数秒後の動きを再現し、未知の危険すらも読み解いてゆく。果たして、描かれたある植物の真下から細長い何かが飛び出してくる様子が液晶上に再現される。
「やっぱり、其処に罠かあるみたい!」
「オーケー、オーケー。さぁて、このトラップは何が出るかな〜?」
 それが進路上どうしても排除しなければならない時にはウツロの出番だ。厚い刀身の太刀を取り出すや、まるで菜刀の如くそれを振るう。根元の土ごとざっくりと斬り掘ってみれば、鋭い棘の付いた球根が在った。恐らく、近くを通り過ぎた相手の足を貫きその場へ縫い留め、そのまま衰弱させて養分にする狙いなのだろう。
「流石にこいつは頂けないな、煮ても焼いても食え無さそうだぜ」
「取り合えず、棘だけ切り落として戻しておきましょうか」
 流石に焼き払ったり打ち壊すのは憚られ、二人は危険な部位のみを手早く処理して埋め直す。全部が全部とまではいかないが、植物に認めて貰った在り方を覆すのも忍びないと言うもので。
 斯くして二人は少しずつではあるが迷宮内の地形図を調べ上げつつ、出逢った仲間たちへと都度都度その情報を共有してゆくのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【未来予測】LV1が発生!
【スーパーGPS】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV2になった!

乾・玄辰
さて。誠意で道を見出した後は、己が才覚で道を切り拓かねば。
食虫植物は何種か見たことがあるけれど……食人植物も植生は同じだろうか?
多くは葉先の感覚器で獲物を察知したり捕らえていたっけ。
道行きはより慎重に視界内を【観察】して目につく植物の植生を【看破】したい。

予め【光学迷彩】で姿を晦まし、周囲の草木に可能な限り触れぬよう歩を進める。
透明化も視覚以外の感知には無力だろうが、無いよりはマシと思おう。
足元を絡め取られるのも怖いから【浮遊】を併用するかな。

降り掛かる危難は【灼光剣】の炎による威嚇と最低限の切断で脱したいところだ。
彼らの養分になるのは御免だが、食生活にまで文句をつける訳にはいかぬからね。


●振りゆく雫と焔の陽炎
「……さて。誠意で道を見出した後は、己が才覚で道を切り拓かねば。食虫植物は何種か見たことがあるけれど……食人植物も植生は同じだろうか? 事前の予知情報では、ある程度共通点がありそうだったが」
 世界樹ダンジョンへと一歩踏み入れば、感じるのはぞわりとした不穏さ。先の植物たちが抱く疑念では無く、明確な敵意と殺気が満ちているが故だろう。気を引き締め直しながら、乾・玄辰(最後の魔法使い・g01261)は思考を切り替えてゆく。
 本来の歴史から離れているとは言え、全く未知の生命体に変貌しているとは考えにくい。無論一切同じとは言い難いだろうが、それでもある程度は役立つはずだ。
(粘着質の樹液、棘の付いた葉による挟み込み……種類によっては差異があるだろうけど、多くは葉先の感覚器で獲物を察知したり捕らえていたっけ)
 慎重に先へと進みながら、玄辰は視界内の植物たちを細かく観察してゆく。植物が視覚を持っているのかまでは分からないが、念には念を入れて自らの姿も迷彩魔術で周囲へと溶け込ませる。
(視覚以外の感知には無力だろうが、無いよりはマシと思おう。恐らく、主だった感覚は触覚のはず。地面に触れるのも危なそうだから、浮遊も併用しておこう)
 食人と銘打たれているからと言って、何も巨大であるとは限らない。彼らからすれば自ら消化せずとも、獲物が土へ還り養分となりさえすれば事足りるのだ。そういう意味では、ただ大きな物のみ注意すればよいと言う訳では無かった。
(足元は一先ずこれで安全、進行方向にも注意を払っている……となれば後は)
 上か。そう思考を巡らせた瞬間、帽子のつば越しにボタリと液体の滴る感触が伝わって来る。ハッと上を見やれば、幾つもの雫を纏った蔓草が垂れ下がっていた。溶解液か、麻痺毒か、それとも両方か。
 ともあれ、ただ押し退けただけでは雫まで避けられぬ。故に玄辰は瞬間的に魔力を練り上げるや、高熱の刃を生成してそれらを切り払う。
(彼らの養分になるのは御免だが……その在り様自体に善も悪も無い。他人の食生活にまで文句をつける訳にはいかぬからね)
 だが、焼失させる範囲は最低限に留める。先の植物から得た信を早々に覆すのは、流石に憚られたのだろう。そうして窮地を脱した魔法使いは息を整えつつ、先を進むのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!

ツィルニトラ・プリルヴィッツ
この迷宮、巨大樹木の内なのよね?
植物を照らす光源といい、ディヴィジョンの自然って不思議ね…

基本は【浮遊】しつつ、植物の攻撃には背の竜翼を一打ちして滑空
一撃離脱で回避
どうしても邪魔なら槍斧で斬り倒すけれど、約束の【土壌改良】は忘れずに、ね
詐欺師になんてなりたくないわ

植物が生い茂って視界が悪い場所は【完全視界】を使用
何処かに巨木は無いかしら?
あれば梢に隠れるように天辺に

バックパックから取り出したるは新宿島から持参した双眼鏡
霧に遮られず敵の防衛線…目的地の方向を再確認

ふふん、竜神の眼は千里を見通すのよ
…やっぱり格好付かないわね…

飛び降りて槍斧で地面に巨大な矢印…他の人への符丁を刻んで先に進みましょう


●空の瞳と高枝の顎
「外から見てはいたけれど……この迷宮、本当に巨大樹木の内なのよね? 植物を照らす光源といい、内部構造といい、ディヴィジョンの自然って不思議ね……」
 他の復讐者たち同様、世界樹へと踏み込んだツィルニトラ・プリルヴィッツ(自称/捏造 魔法竜神・g02012)は、樹の幹とは思えぬほど広大な空間に息を呑む。道中では常に視界に入っていたが、やはり実際に見ると印象はガラリと変わって来る。
「取り合えず、地面を踏むのは危ないから少しだけ浮いてと。出来れば傷つけたくはないけれど、余り贅沢も言ってられなさそうね」
 別々に行動していると言えども、有効な選択肢は似通るものだ。他の復讐者たち同様、竜人は身体を浮き上がらせて地面より距離を取る。植物は地面に生えるものである以上、そこから離れるのは定石だった。
「どれもこれも背が高いわね。外よりも随分と成長しているみたい。これも世界樹の影響なのかしら……ッ!」
 そうして高度を上げてる最中、ツィルニトラは不意に視界の端で何かが動いた事に気付く。そちらへ視線を向けるよりも前に翼を翻し、咄嗟に中空で身を翻す。刹那、それまで彼女の居た場所へ巨大な顎が、否、棘付きの双葉が食らい付いていた。
「ハエトリグサって、こんな高い所まで生える植物じゃなかったわよね……!」
 見れば同じような種類が幾つも木の幹より生えており、パクパクと葉を開け閉めしていた。流石にこれを無傷で凌ぐのは至難の業である。竜人は止むを得ず槍斧を振るい、進路上の障害だけを斬り捨ててゆく。
「此処までくれば問題ないかしら。っと、一応約束も果たしておかなくちゃね。詐欺師になんてなりたくないもの」
 果たして、窮地を脱した復讐者は梢まで辿り着くと、その頂上へと腰を下ろした。彼女は新宿島より持ち込んだ双眼鏡を取り出し、周囲の様子を窺う。
(これだけの大きさだし、上層へ向かう為の手段が在る筈。恐らく、アヴァタール級もそこに居るはずよ)
 果たして、遠くにうっすらと太い柱が見えた。色味から察するに、巨大な蔦だろうか。となれば、向かうべきはあちらの方角だろう。
「ふふん、竜神の眼は千里を見通すのよ……いやまぁ、双眼鏡のお陰だけど。やっぱり格好付かないわね」
 何はともあれ、方針は定まった。ツィルニトラは一度地上に降りて仲間の為に地面へ目印を刻み込むと、再び翼を一打ちして飛翔するのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!

如月・友仁
食人植物……クロノヴェーダではないんだよね
害する気はない、さっきの言葉は嘘じゃない
刈り取るのは気が進まないから
【罪縛りの鎖】でおとなしくしててもらおうかな

【過去視の道案内】で先陣の進んだ道を参考にして
周囲を警戒、【浮遊】しながら進む
足跡等の痕跡を観察して、群生地がありそうな地帯ではすぐに鎖を発動できるように準備をしておくよ
これで攻撃的な行動は封じられるはず
万一すり抜けられた時は即回避を

消化液や樹液の成分構造は気になるところだけど
流石にゆっくり調べている場合じゃないかな?
僕にもう少し時間があれば、スキンシップも吝かじゃなかったのに……惜しいなあ


●降り注ぐ雨を避けながら
 周囲を樹皮で囲まれているからだろうか、外と比べて世界樹内部は湿度がやや高かった。うっすらと霧に煙る森は意志ある植物たちのそれとはまた違った妖しさを湛えている。
「食人植物……クロノヴェーダではないんだよね。である以上は、『害する気はない』というさっきの言葉は嘘じゃない。獣が肉を喰らう様に、虫が葉を食む様に、ただそう在るだけなのだろうから」
 そんなある種幻想的な光景の中を、如月・友仁(ユアフレンド・g05963)は歩を進めてゆく。幸い、復讐者たちは各方面から食人植物の群生地を踏破している。彼も残された目印や幻影を頼りとしながら、安全なルートを選び取る。
(ポツンと孤独に待ち伏せているのも怖いけれど、肩を寄せ合って群れている中に迷い込むのも恐ろしいね。すぐに鎖を出せるよう、準備しておこうか)
 残留効果によって生み出された鎖。超常の存在相手では些か耐久度に不安が残るが、基本はその場より動かぬ植物であれば十二分だ。そうして彼は着実に歩を進めるが、ある地点から手掛かりがぷっつりと途切れてしまう。
(道を間違えたか、或いは……さて、どうしようかな)
 このまま戻っても良いが、その場合は時間をロスしてしまう。しかし、そちらが結果的に早いと言う場合も有り得る。どうすべきかと思考を巡らせていると、ポタリと雫の滴る音が耳朶を打った。
「雨? いや、これはもっと粘度の高い……!?」
 はっと頭上を見上げれば、放射状に葉を伸ばした低木あった。一見すれば何の変哲も無い木だが、葉の根元から樹液が滴っており、地面に落ちたソレがしゅうしゅうと煙を上げている。
「葉と茎の間に消化液を溜めて、獲物が通り掛かったらそれを降らせて仕留めていると。消化液や樹液の成分構造は気になるところだけど、流石にゆっくり調べている場合じゃないかな?」
 それが一本のみならず群生しているとなれば脅威度は一気に跳ね上がる。しかし、友仁の言葉に焦りはない。植物を細かく観察できない事を残念がりつつ、準備しておいた鎖を打ち出してゆく。
「刈り取るのは気が進まないから、少しだけ大人しくしてて貰おうかな。ぎゅっと縛ってあげれば、消化液も零せないだろうから」
 鎖はぐるりと葉の根元を一周すると、そのまま傘の様に縛り上げてしまう。水も漏らさぬとは正にこの事だ。とは言え、数が数である。全てを無力化するのは困難な為、早々に駆け抜けてしまうべきだった。
「僕にもう少し時間があれば、スキンシップも吝かじゃなかったのに……惜しいなあ」
 そんな名残惜しさを断ち切りながら、友仁は群生地を駆け抜けてゆくのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV3になった!

セフィー・ステラ
※アドリブ&連携OK

道を切り開いてくれたみんなありがとう!
ボクも攻略に協力できたらいいな♪

―それにしても危なそうな植物が多すぎない?故郷にもここまでのところはなかったと思うな…
アン、気をつけて進もうね!
【浮遊】して足元の危なそうな植物は避けようかな

きゃっ!何か飛ばしてきたよ!
ネバネバして動きづらいよぅ…
(このままじゃ食べられちゃう!?でも、こういうときこそ落ち着かなきゃ!)
【植物知識】で樹液の特徴を見極めるよ!
凍らせて剥がせそうなら【氷雪使い】で、砂と混ぜると粘着質が落ちそうなら【砂使い】とかで対応するよ!

対応できたら、危ない植物はかわいそうだけど、パラドクスで切り裂くよ!(ごめんね!)


●窮地でこそ冷静に
「此処が世界樹の中……道を切り開いてくれたみんなありがとう! 微力だろうけど、ボクも攻略に協力できたらいいな♪」
 世界樹は高さ広さ共に下手な人造物を凌駕する。それを踏破するには効率も勿論だが、やはり頭数が重要となる。そういう意味では、遅ればせながらも駆けつけたセフィー・ステラ(星の魔力をもつエルフの小さき演奏家・g06416)もまた貴重な戦力と言えるだろう。
「……それにしても危なそうな植物が多すぎない? 虫どころか人を襲うだなんて、故郷にもここまでのところはなかったと思うな。アン、気をつけて進もうね!」
 仲間たちが切り開いた道を辿って安全に追いつけたとはいえ、道中に点在していた食人植物はゾッとしないものばかりだった。恐らくは侵入者の排除用として栽培されたのだろう。花天使も恐ろし気にコクコクと頷いていた。
「取り敢えず、下手な物を踏まない様に浮かんでと……蔓や根が何処に繋がっているか分からないからね」
 動物とは違い、植物は基本的にその場より動かない。視覚も聴覚も無いのだ、触れさえしなければスルー出来るはず。とは言え、どれがその危険な植物なのか、ぱっと見で判別できない事が悩ましいと言うもので。
「うん? アン、どうしたの……って、きゃぁ!?」
 不意に、グイと傍らの花天使がセフィーをグイと引っ張った。蹈鞴を踏みつつ何事かと問い返した瞬間、すぐ真横を粘液塊が通り過ぎてゆく。だが直撃こそ避けたものの、飛び散った雫を全身に浴びてしまう。ハッとその源を見やれば、瘤状に膨らんだ先端から樹液を滴らせた植物が見える。
 箸で練る水飴と言えば近しいだろうか。茎部分を弓なりに撓らせると、まるで起き上がりこぼしの如く勢いをつけて液体を投擲して来るのだ。
「何か飛ばしてきたよ! うぅ、ネバネバして動きづらいよぅ……もしかして、このままじゃ食べられちゃう!? でも、こういうときこそ落ち着かなきゃ!」
 一瞬パニックに陥り掛けるものの、すぐさま冷静に努めねばと気を落ち着かせてゆく。見た限り、消化性は其処まで高くない。どちらかと言えば、粘着性で身動きを取れなくして仕留めるタイプの様だ。
「なら、一先ず焦らなくても良さそうだね。砂とかを混ぜて粘着力を弱まらせてから、凍らせて脆くして……っと、これで良し!」
 こうなれば話は早い。土埃を塗して身動きを確保しつつ氷の魔術で凍結させ、後は花天使に砕いて貰えれば除去は完了である。復帰したセフィーはそのまま頭上へ手を翳すや、星の光を剣へと変えてゆく。
「危ない植物はちょっとかわいそうだけど……ごめんなさい!」
 果たして、繰り出された剣閃は続けて投擲された粘液ごと植物を切り裂き、道中の安全を確保してゆくのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【温熱適応】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!

ウツロ・ジャレット
「普通に話の通じそうな奴が出てきたと思ったら、随分こっちに敵意向けて来るじゃねぇの。俺達は奥に用があるだけだぜ。素直に通し……あ、ダメ?
ーー…なら仕方ねぇ。ちょっと悪い部分は枯れない程度に『剪定』するぜ?」

刀を片手にアルルーナへ向かっていき、襲いかかる茨の触手の軌道を【未来予測】で確認。致命傷になる物だけを刀で斬り払い、他は甘んじて受けていく。
受けた触手は即座に毟り、傷口は【活性治癒】の効果で治していきつつ、アルルーナとの距離を詰め、足と首を狙う斬撃を放っていく。

「人を斬るなら首。植物倒すなら根元……アンタはどっちが効くんだい?」

【アドリブ・連携歓迎】


●頸か、根か
 無事に食人植物の群生地を抜け、世界樹ダンジョン深部へと歩を進めたウツロ・ジャレット(無頼の道化・g02611)。次は鬼が出るか、蛇が出るか。警戒しながら進んだ先に待ち受けていたのは、乙女の姿をしたフローラリアの集団であった。
「あ~……? 今度は普通に話の通じそうな奴が出てきたと思ったら、随分こっちに敵意向けて来るじゃねぇの。外の連中みたく、御話合いって雰囲気じゃねぇなぁおい」
「良いわよ、何について話しましょう。貴方の命乞いで良いかしら」
 見た目こそ可憐だが、纏う雰囲気は剣呑極まりない。クスクスと笑みを浮かべながらも、端々に酷薄さが滲み出ていた。ボリボリと頭を掻きつつ、ウツロは肩を竦める。
「俺達は奥に用があるだけだぜ。素直に通し……あぁそう、ダメ? ……なら、仕方ねぇな」
 ――ちょっと悪い部分は枯れない程度に『剪定』するぜ?
 凶相の道化は左手に厚い刀身の太刀を握りしめる。対するトループス級もまた纏う蔦や葉を蠢かせゆく。そうして両者の間に緊張が張り詰める中、先手を取ったのは復讐者側であった。
「しっかし、アンタら相手だと何を名乗れば良いのかねぇ。斬り裂き犯、それとも庭師の方が良いかい?」
「もっと良い物を思いついたの。肥料なんてぴったりよ?」
 フェイント交じりの特殊な歩法で距離を詰めんとする大男に対し、蔦娘は周囲の植物を茨へと変じさせて差し向けてきた。一度絡め取られれば、言葉通り養分を吸い尽くされてしまうだろう。
 しかし、逃げ回っていてもジリ貧だ。ウツロは致命傷となる攻撃のみを防ぎながら、被弾覚悟で突き進んでゆく。活性治癒の残留効果で多少の傷ならば無視できる。
「っ、止まらない、止められないわ!」
「もっと茨を増やして……っ!?」
 相手も必死に押し留めようとするが、刻既に遅し。巨躯が彼女らの眼前に迫ったと思うや、そのまますれ違う様に背後へと通り抜けた。咄嗟に背後を振り向きながら、追撃を試みる蔦娘たちだった、が。
「人を斬るなら首。植物倒すなら根元……なぁ、アンタはどっちが効くんだい?」
「え……?」
 視界が傾ぐ、身体が崩れる。瞳だけを動かして己が身体を見やれば、頸は斬り裂かれ両の足首は両断されていた。こうなればもう、どちらが急所であるかなど関係ない。くしゃりと、枯草が倒れるかのようにトループス級は枝葉となって消えてゆく。
 道化はそれを振り返ることなく、ただ笑みを浮かべてその場を後にするのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【光学迷彩】がLV2になった!
効果2【ダブル】がLV2になった!

月下部・鐶
心がある植物!この世界では、普通に生きてるだけの隣人……
フローラリアはエルフを生贄にしようとしていた悪者、だけど、この森のために必要だった、とか
ちょっと難しいこと考えちゃって、頭をくしゃくしゃして、頭を切り替える!

先に進まなきゃ、お話もできないうちに竜が来ちゃう
だから、容赦しないから!通せんぼするなら、なにがなんでも道を空けてもらうよ!

敵の集団に近づかれる前に、手の中のアイパッドのキャンバスにすらりと手癖で敵の姿を描いたら、パラドクス発動!
絵の中の運命の糸が絡んで動きを止めるよ
あたし一人じゃ、トドメはムリだから、他のディアボロスさんに呼びかけて、トドメをお願いしよう!

アドリブ、連携、大歓迎!


イーディス・レヴェリー
操られてたり騙されてたりする植物さんを攻撃するのは心が痛んでしまうけれど、クロノヴェーダなら一つだって容赦の必要はないわね!

アルルーナ達は樹々に姿を紛れさせるらしいし……【踊る追想】を発動して、此処まで乗せてきて貰っていたお人形さんの『牙を剥く狂咲』とより深く心を重ねて、彼女がしたいと思う動きに合わせてわたしが操って戦うわ。

ハナカマキリさんであるこの子も姿を紛れさせての奇襲が本業だし、相手がわたし達を襲うのに最適な場所を探ってもらってから、こちらから先手を打って飛びかかりましょう

ほら……不躾に動くから、お人形さんが怒ってしまったわ?

さっきは我慢させてごめんね?コレならいくらでも刻んでいいわよ!


●繰り糸に操られるは華か鎌か
(心がある植物! この世界では、普通に生きてるだけの隣人か……確かに、フローラリアはエルフを生贄にしようとしていた悪者。だけど、この森のためには必要だった?)
 食人植物の真っ只中を踏破し、月下部・鐶(さいつよのお姉ちゃん・g00960)はふと植物たちについて想う。フローラリアは間違いなく敵だ。歴史を奪い、エルフを変容させる歴史改竄者。その点については彼女も否やは無い。
(ドラゴンに侵略されている以上、守りを固めなきゃ森は消されちゃう。だから、その為の力を蓄えるのは、いわゆる必要悪で……)
 しかし、だからこそ半ば利用されている形で在ろうとも、森やエルフが生き残れているのも事実。グルグルと答えの出ない思考迷路に陥り掛け、鐶は気持ちを切り替える様にくしゃりと髪をかき上げる。
「ああ、もう! 先に進まなきゃ、お話もできないうちに竜が来ちゃう! それだけは絶対にダメなんだから!」
「まぁ、操られてたり騙されてたりする植物さんを攻撃するのは心が痛んでしまうけれど……敵である以上、クロノヴェーダなら一つだって容赦の必要はないわね!」
 対して、途中で合流したイーディス・レヴェリー(色褪せた翼・g00391)の答えは単純明快だ。ドラゴンが侵略の手を伸ばすのであれば、フローラリアが植物やエルフを使い潰すのであれば。一切合切、快刀で乱麻に断つのが復讐者の役目である。
「それに……そちらだって、手加減をするつもりなんて更々ないのでしょう?」
「ええ、勿論だわ。だって、ずけずけと土足で踏み込む人たちに、どんな情けを掛けなきゃいけないのかしら? 消化液くらいよ、そんなもの」
 イーディスは不意に身体を預けていた華蟷螂の人形を停止させると、スッと目を細める。問いかけに対し答えたのは、まるで虚空から滲み出るかのように姿を現した蔦葉の娘たちだった。背景と同化し、侵入者たちを待ち受けていたのだろう。
「あらあら、随分と毒のある物言いだこと。あちらはやる気だけれど、大丈夫?」
「うん、問題ないよ……あたしも容赦しないから! 通せんぼするなら、なにがなんでも道を空けてもらうよ!」
 仲間の言葉へ吹っ切れた様に応じる鐶。戦闘開始の合図を待つことなく、復讐者とトループス級はほぼ同時に動き出す。つまり前者は踏み込み、後者は後ろへと飛び退ったのだ。
「ふふふ、かくれんぼの時間よ。さぁ、見つけられるかしら?」
「いいや、今から始まるのは人形劇だよ!」
 毒々しい色合いの花粉をばら撒きながら、再び景色に姿を紛れ込ませようと試みる蔦娘たち。だが鐶はそうはさせまいとタブレットへペンタブを走らせる。素早く描かれるはデフォルメされた敵のイラスト。
「っ、これは……!?」
 そこへ無数の線を書き加えれば、現実でも敵を縛める繰り糸を出現させてゆく。それらは茂みや林に潜もうとしていた相手の身体を、次々と引きずり出していった。
「姿を周囲と同化させ、糸で意のままに操られる、と。何だか親近感を感じるわね。この子も姿を紛れさせての奇襲が本業だし、どうか仲良くして頂戴な?」
 糸の耐久力は決して高くは無いが、数秒間は相手を拘束出来る。そして、それはイーディスにとって十二分過ぎる時間だ。彼女は己が操る人形へ深く心を没入させることにより、より機敏かつ効率的に華蟷螂を動かしてゆく。
 元より無機なる人形であれば、毒花粉の霧とて問題はない。繰り手は安全な距離を保ちつつ、可憐なる花は隠し持った鎌を以て蔦娘を切り裂き攻め立てる。
「花のように見えても虫は虫。お友達にはなれないわ!」
 それを脅威と判断したのだろう。アルルーナたちは毒花粉から攻撃手段を変えた。陽光を吸収し、収束させたそれを光弾として撃ち出してきたのだ。人形を押し返しつつ、隙あらば繰り手も狙おうと言う嫌な一手。
 ほんの僅かではあるが、それらは人形遣いの集中力を乱し反応を一瞬遅らせる。一秒にも満たぬ時間だが、積み重なれば無視できぬ程の遅延となる、が。
「あたし一人じゃ、トドメはムリだけど……こういう援護ならお任せだよ!」
 そう思惑通りにはいかせないと、鐶もまた筆を走らせゆく。光弾を放つ植物を糸で引っ張り、次々と狙いを外させていったのである。直接的な火力には繋がらないにせよ、今度は蔦娘たちが後手に回らされてしまう。
「全く、いちいち鬱陶しい……っぅ!?」
「あらあら、そんなに枝葉を揺り動かして。ほら……不躾に動くから、お人形さんが怒ってしまったわ? さっきは我慢させてごめんね? コレならいくらでも刻んでいいわよ!」
 こうなれば戦況の天秤が急速に復讐者へと傾くのは必然だ。対応しきれなくなったトループス級目掛けて、華蟷螂が鎌を振るう。鋭利な刃は葉を裂く、茎を折り、華を散らしてゆく。こうなればもう、勢いを覆すのは不可能と言うもので。
 斯くして復讐者たちは蔦娘たちを土へ還すと、更なる深部へ向けて歩を進めるのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【未来予測】がLV2になった!
【壁歩き】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【命中アップ】がLV3になった!

如月・友仁
やあ、素敵な庭を作ってくれてありがとう
ドラゴンくん達の代わりに楽しませてもらったから赦してね?

光を吸収して強くなるのなら
【トラップ作成】で、全身を光源から覆い隠すような大きな籠罠を作ってみようかな
勿論、時空を書き換える力相手にこれで対処しきれるとは思っていないけど
自分たちが関与していない罠が突然現れたら、うまく不意を突けないかな?

あまり距離を取らないようにしながら
大鎌で切り刻んで各個撃破を目指すよ
……草刈りってこんな気分なのかな
それなら君達に倣って、なるべく美しく切り落とそうか


●花に陽光、死人に鎌
「不味いわ、これはとっても不味いわ!」
「みんな、やられちゃってる……どうにか止めないと!?」
 トループス級たちの焦りを帯びた囁きが森に響きゆく。仲間たちが次々と撃破され、迷宮の深部にまで復讐者が迫りつつある状況に切羽詰まっているのだろう。防衛線を死守せんとする彼女たちの前に、新たな敵手が悠然と姿を見せる。
「やあ、素敵な庭を作ってくれてありがとう。少しばかり踏み荒らしてしまったけれど、ドラゴンくん達の代わりに楽しませてもらったから赦してね?」
「ディアボロス……!」
 それは溶解液の雨を抜けてきた如月・友仁(ユアフレンド・g05963)であった。向けられる敵意を飄々と受け流し、青年はあまつえさえ微笑を浮かべて見せる。そんな態度に神経を逆撫でされたのだろう。蔦娘たちは周囲の植物たちを活性化させるや、吸収して来た陽光を光弾へと変え放って来た。
「なるほど。光を吸収して強くなるのなら、それを遮ったらどうなるのかな?」
 後が無い故か、その勢いは凄まじい。友仁は回避に専念しつつ、周囲を一瞥して一計を案じた。彼は不意に身を低くして光弾を回避しながら、地面を伝う蔦や根へと手を翳す。
 瞬間、魔力を注ぎ込まれた植物たちが急激に成長するや、トループス級を取り囲む様にドームを形成する。相手が光によって強化されるのであれば、それを断ってしまえば良い。その狙い自体は悪くなかった、が。
「残念ね。此処は私たちの庭よ。付け焼刃など通用しないわ」
 敵は植物を司るフローラリア。その上、地の利は言うまでも無く彼女たちに有った。トループス級は瞬時に籠罠を解体し、攻撃を再開せんと試みる。しかし次の瞬間、視界に飛び込んできたのは大鎌を手にした友仁の姿。
「時空を書き換える力相手に、あれで対処しきれるとは思っていないよ。ただ、自分たちが関与していない罠が突然現れたら、うまく不意を突けないかなと思ってね?」
「っぅ!?」
 弧を描く斬閃が旋風を巻き起こす。一瞬とは言え日差しと視界が遮られた瞬間を見計らい、一気に距離を詰めたのだ。相手も迎撃を試みるが、その反応はどうしても後手に回ってしまう。
「………草刈りってこんな気分なのかな。それなら君達に倣って、なるべく美しく切り落とそうか」
 そうして、紅の輝きが深緑を塗り潰す。斯くして横薙ぎに払われた刃はトループス級を纏めて両断するや、ぼとりと頸を断ち落としてゆくのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【トラップ生成】がLV2になった!
効果2【ドレイン】がLV3になった!

ツィルニトラ・プリルヴィッツ
木々の間に身を潜めて放つのは毒々しい花粉…歓迎の準備は万端、ということかしら?
折角だけど、道草を食べてる暇は無いわ
ここは通らせて貰うわよ

余り森を破壊するような事はしたくないのだけれど…
森その物が敵の拠点なら話は別よ、大技を使わせて貰うわ!

斧槍に戦旗翻し【乱流招来】
呼び出した竜巻に花粉を巻き込む形で吹き飛ばして防御すると同時、そのまま前進させてフローラリア達ごと周囲を風の刃で斬り刻むわ
隠れられても風の渦で吸引して引き摺り出す!

まだまだ竜巻は出せるわよ!
全員、竜神の爪で引き裂いてあげる!

……荒れ地になってしまったわ
残留効果もあるとはいえ、神の御業らしくもう少しスマートに出来れば良かったのに……


●旋風、悪毒を吹き祓いて
(木々の間に身を潜めて放つのは毒々しい花粉……どうやら、相手も形振り構っていられないようね。歓迎の準備は万端、といった所かしら?)
 既にトループス級は殆どが駆逐されており、もう後が無いと言った状況だ。故にこそ、手段を選んではいられないのだろう。うっすらと緑掛かった迷宮深部を進みながら、ツィルニトラ・プリルヴィッツ(自称/捏造 魔法竜神・g02012)は毒花粉を吸い込まぬよう口元を覆う。
「折角だけど、道草を食べてる暇は無いわ。ここは通らせて貰うわよ。先の約束もあるし、余り森を破壊するような事は出来ればしたくないのだけれど……森その物が敵の拠点なら話は別よ。大技を使わせて貰うわ!」
 そう高らかに宣言しながら構えたるは愛用の槍斧。復讐者の戦意に呼応したのか濃度を増す毒々しき粉霧を前に、ツィルニトラは臆することなく得物を掲げる。
「魔を司りし竜の名の元に命ず! 我が意に従え、暴風よ! 忌むべき帳を祓い、進むべき道を切り拓くべし!」
 するとその柄に戦旗がひらめいたかと思うや、動きに応じて大気が震え始めた。二度三度と旗が翻るに従い、それは強烈な突風へと変じ、更には竜巻をも生み出してゆく。
「乱暴だわ、まさかこんな強引な手を使ってくるだなんて!」
「ああ、駄目よ。先ずはもう一度身を隠さなくちゃ……ぁあ!?」
 旋風は漂っていた毒花粉は勿論、周囲の木々すらも根こそぎ吹き飛ばす。当然、そうなれば紛れ潜んでいたトループス級の姿も露わとなる。彼女らは体勢を立て直さんとするが、渦を巻く風の流れが強引に蔦娘たちを引き寄せ、逃げる事を許さない。
「まだまだ竜巻は出せるわよ! 全員、竜神の爪で引き裂いてあげる!」
 地の利を引き剥がされた上に、個々の力量では復讐者の方が上である。斯くして進退窮まったアルルーナたちは続けて放たれた風刃を浴び、瞬く間に緑色の木端となり消滅してゆくのであった。
「無事に勝利する事は出来たけれど……荒れ地になってしまったわね。残留効果もあるとはいえ、神の御業らしくもう少しスマートに出来れば良かったのに」
 ほぼ無傷で切り抜けられたものの、ツィルニトラの表情は優れない。戦闘の余波により周囲の木々は薙ぎ倒され、地面が剥き出しとなってしまっている。すぐに再生するとは言え、それでも思う所があるのだろう。
 そうして竜人はより良い方法は無いかと思案しながら、更なる深部へと歩を進めるのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【クリーニング】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!

如月・友仁
随分寂しいお庭になっちゃったね
けど、おかげで君と会えた

決闘ゴッコするのは楽しそうだけど
僕、何の変哲もない一般人だからね
武人相手に真っ向勝負だとちょっと分が悪いかな

【光学迷彩】も駆使しながらパラドクスを発動させる
相手の視界から消えて、
槍の間合いの内側に入ってから
背後から毒針を撃ち込む
攻撃したらなるべく距離を取って離脱しようかな
間合いの中の薙ぎ払いには警戒して回避

葉の刃には大鎌を振るった[衝撃波]で吹き飛ばして
攻撃の軽減を試みるよ
全部に対応するのは難しいかもしれないから
よく[観察]して急所に向かっていそうな葉を優先して叩き落としたいな


●読み合い駆け引き戦の妙
 食人植物の群生地を抜け、トループス級を駆逐し、辿り着いた世界樹ダンジョン第一層最奥部。上層へと至る巨大な蔦の前で、葉緑の騎士は黙したまま敵手を待ち受けている。そんな強敵の前へまず最初に姿を見せたのは、如月・友仁(ユアフレンド・g05963)であった。
「……随分寂しいお庭になっちゃったね。けど、おかげで君と会えた。名残惜しいけれど、そろそろ終わりにしようか」
 武術の手解き故か、相手の練度は相当なものだ。しかし、対する友仁もまた飄々とした態度を崩すことは無い。まるで透き通るような微笑を浮かべ、否、文字通り青年の姿が揺らめきと共に掻き消えてゆく。
「決闘ゴッコをするのは楽しそうだけど……僕、何の変哲もない一般人だからね。武人相手に真っ向勝負だとちょっと分が悪いかな。だから、ちょっとだけ小細工を弄させて貰うよ?」
 陽炎の如く自らの存在を希薄化させる異能。それを以ての隠密奇襲が彼の選んだ戦法であった。如何な武人とはいえ、これを見破るのは至難の業だろう。なればと、騎士は手にした得物を一振りする。
「…………――」
 刹那、周囲の木々が荒れ狂ったかと思うや、夥しい数の葉が舞い散り始めた。それらは一葉一葉が鋭利な刃と化し、騎士を中心とした広範囲を切り刻みゆく。これであれば姿が見えようが見えまいが関係ない。
「っ、そう易々と狙い通りにはいかないか。うん、流石だ」
 友仁は致命傷となり得る葉だけを大鎌で叩き落しダメージを抑えるものの、それでも防ぎきれなかった葉刃が肌へと傷を刻み込む。ジワリと滲む朱が滴り落ちれば、折角の隠形にも意味がなくなってしまう。
 長期戦は不利か。そう判断した死人は意を決して槍の間合いへと踏み込んでゆく。相手も葉の動きが乱れる様から復讐者の位置を割り出すと、流れる様な動作で樹槍を繰り出す。
「…………――」
 果たして、葉騎士は得物越しに手応えを感じるも、代わりに自身の背中へ焼ける様な痛みを覚える。傷としては微々たるものだが、感覚的にそれが毒物の類である事は明白であった。
「まずは蜂の一刺し。ささやかだけど、徐々に効いてくるはずだよ。とは言え、代わりに強烈なのを貰っちゃったね」
 一方、復讐者もまた無傷ではない。攻撃の代償は脇腹を貫いた穿傷。深手を負ったままの戦闘は流石に厳しいだろう。斯くして友仁は傷口を抑えつつ、速やかに敵の攻撃圏内から離脱してゆくのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【平穏結界】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!

レオネオレ・カルメラルメルカ
『イヒヒヒ。あっしはしがないウィザードでさぁ……』
 
一人称は「あっし」
二人称は年上・同年代「(名前)のダンナ(姐サン)」
年下「(名前)の坊っちゃん(お嬢ちゃん)」

他者との連携やアドリブOKです。
言動は三下ですが演技であり、相手を油断させてからの攻撃が好きです。
演技が通じないと粗暴になり、一人称も「オレ」になります。
技能を使い、できることは何でもやります。

パラドクスは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我でも積極的に行動します。卑怯者ですが、他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。

あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


●緑に土は付き物なれど
「イヒヒヒ……随分と寡黙な御仁ですなぁ。その上、腕も立つときているとは。あっしの様なしがないウィザードじゃ荷が重いというもので」
 熟達した槍捌きと、それのみに頼り切らぬ戦術の幅。決して派手さは無いが、先の攻防で葉緑の騎士が見せた実力は確かなものである。そんな強敵の前へ次に姿を見せたのは、三下染みた雰囲気を滲ませたレオネオレ・カルメラルメルカ(陰竜・g03846)だった。
「……――」
 一見すれば、取るに足らぬ小物のように思える。だが、騎士は些かの侮りも見せる事無く、ゆらりと樹槍の穂先を復讐者へと差し向けてゆく。一方のレオネオレも、飄々とした態度を維持したまま内心で小さく舌を打つ。
(まっ、そう易々とこっちの演技を信じるほどお人好しじゃねぇか。となるとはてさて、どうしようかね)
 当然ながら、媚び諂う様な態度は本心などではない。自分を侮らせ、相手の油断を誘う為の欺瞞である。しかし、今回はそうした小細工の通用する手合いではない様だ。ジリと彼我の間合いを図りつつ、後ろ手でそっと背中に隠した得物の柄を握った、瞬間。
「…………――」
「ちぃ、随分と目敏いじゃねかよッ!」
 そんな動きを察知したのか、機先を制すように葉騎士が動く。繰り出されるは閃光を纏った神速の刺突。直撃を受ければただでは済まないだろう。そんな必殺の一撃を間一髪防いだのは、何の変哲もないシャベルだった。
 単なる作業道具にしか見えないものの、これが案外馬鹿に出来ない。適度にリーチがある上、突いて良し薙いで良しと立派な白兵戦用の武器なのである。
「ピカピカと眩しいったらありゃしねぇな。日陰者にゃあ、そいつはちっとばかり強すぎる。ここはカーテンの一つでも引かせて貰おうか!」
 二撃、三撃と立て続けに繰り出される槍撃を凌ぎつつ、シャベルの先を地面へと突き立てるレオネオレ。そのまま土を掬い上げると、目潰し代わりに相手の顔面へと浴びせかけた。無論、その程度で相手が止まることは無い。だが、これは飽くまでも呼び水だ。
「いけや、ハイウェイブ!」
 舞い散る土砂は瞬く間に質量を増大させたかと思うや、壁の如き砂の高波と化してアヴァタール級へ襲い掛かる。相手も咄嗟に飛び退きながら刺突を放ち相殺を狙うも、質量が質量だ。到底勢いを殺しきれるものでは無く……。
「ハッ、また種から出直してきな」
 葉騎士の姿は、一瞬にして砂の下へと埋もれてゆくのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【建物復元】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV4になった!

エルフリーデ・ツファール
※常に煙草吸ってます。
※アドリブ連携、怪我描写歓迎。
※効果2全使用。

(一歩ずつ歩むごとに炎を迸らせながら)
燃やしていい奴がいるのはここかねェ。迂闊に火力を上げると森ごと燃やしちまいそうでいけねェ。そんなわけで被害が広がる前にさっさと燃え尽きな。

【ダンス】を踊るような足さばきで接近。【オーラ操作】で自在に操る炎の尾で相手に対して的確に【貫通撃】をぶち込むぜ。
反撃もまあ【火炎使い】のこちらと相性が悪いってことで。
尾を振り回しながら焼き薙ぎ払うとするか。

「相性最悪な中で根性見せるじゃねェか。とは言え時間を掛け過ぎるとこっちもたるいンでな。そろそろ終いにしようぜ!」


●陽炎に狐は舞いて
「……――」
 ざぁっ、と。撒き散らされた砂塵を払い除けて、葉緑の騎士が立ち上がる。ダメージは蓄積しつつあるはずだが、その所作から疲労の色は些かも感じ取れない。そんな強敵の元へと砂を踏みしめながら歩み寄る者が居た。
「……燃やしていい奴がいるのはここかねェ。迂闊に火力を上げると森ごと燃やしちまいそうでいけねェ。そう言う意味じゃあ、この状況はお誂え向きかね? ま、被害が広がる前にさっさと燃え尽きな」
 咥えた煙草より紫煙を燻らせながら、エルフリーデ・ツファール(紫煙の魔術師・g00713)は獰猛な笑みを浮かべゆく。身動ぎする度に彼女の体から炎が迸り、既に臨戦態勢は万全と言った様子だ。
 対する騎士もまた半歩身を引きつつ、槍の穂先を復讐者へと差し向ける。植物と火の相性は言わずもがな。しかして、敵に臆する気配は微塵もない。飽くまでも揺らがぬ好敵手の姿に、魔術師の笑みは更に鋭さを増す。
「はっ、面白れェ。それじゃあ、こっちも始めから全力で行かせて貰おうか!」
 女は燃え盛る焔で狐の耳と九本の尾を形成するや、砂を舞い散らしながら一気に踏み込む。獣の如く跳ね、舞踏の如き足捌きを以て距離を詰めながら、炎尾による刺突を繰り出してゆく。
「……――」
 だが、単純な相性差で押しきれるほど相手も容易くはない。騎士は最小限の重心移動により攻撃を次々と紙一重で躱してゆく。そうして植物の焦げる匂いが漂う中、相手は纏う葉を一枚千切り取り、エルフリーデ目掛けて投擲する。瞬間、幾十幾百にも分裂した緑刃が復讐者へと襲い掛かった。
「相性最悪な中で根性見せるじゃねェか。とは言え時間を掛け過ぎるとこっちもたるいンでな。そろそろ終いにしようぜ!」
 魔術師は慌てる事無く、くるりと身体を翻す事で鞭の如くそれらを焼き払う。しかし、一気に葉が燃え上がった事で復讐者の視界が一瞬だけ遮られてしまう。そうして生じた陽炎を突き破り、狙い澄ました樹槍の一撃が繰り出される。
「その派手な得物は伊達じゃねぇってか。だが、手数ならこっちの方が上だッ!」
 このタイミングでの回避は困難。そう判断するや、エルフリーデは防御をかなぐり捨て反撃にのみ全力を傾けてゆく。果たして、樹枝の鋭槍と九の焔尾が交錯し、そして。
「全く……中々燃えないくせに、熱くさせてくれるねェ?」
 復讐者は脇腹を抉り貫く深手と引き換えに、騎士の片腕を焼き払う事に成功するのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【狐変身】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!

乾・玄辰
世界樹の守将は緑の騎士か。
スカアハを名乗る者より薫陶を受けたとあっては油断大敵だね。

最初の内は十分に間合いを取り、遠距離戦が得意と思わせておくよ。
樹槍の宿す太陽の輝きに惑わされ、槍捌きを見誤らぬよう注意したい。
【光使い】と【観察】で閃光の穂先を見極められるだろうか。

長物の槍が得物とは言え、仕掛ける時は相手も距離を詰めてくるだろう。
更に距離を取り魔術を使うと見せかけ【破軍七星剣】で強襲。
あちらが閃光の斬撃ならば、こちらは星の蹴撃だ。
一気に懐へと飛び込み、反撃の機を与えず七星の蹴撃を叩き込む。

驚いたかい?騎士殿。
今日びの魔法使いは武術の一つ嗜んでいるものさ……尤も魔術でもあるけれどね。


イーディス・レヴェリー
あら、樹木の騎士様がお相手……それならわたしの騎士様にお願いしてもよかったのだけれど……やる気満々のこの子にお願いしちゃおうかしらね

アルルーナとの戦いにも頼ったお人形さんの『牙を剥く狂咲』──彼女が力を取り戻して姿を変えた『今際の花嫁』を先程よりも更に激しく操ってリーフナイトへ戦いを挑むわ。

牽制の樹槍の一撃はお人形さんの双鎌で凌いで、相手の渾身の一撃にはわたしが身につけた『裂き散る無情』が踏みつけた場所から発生する花弁……今回はお人形さんと同じ『蘭』の花弁で惑わせる事で回避して、その隙に【狭量たる切断】を発動
躱されても防がれても止まることのない、加速していく斬撃の嵐を御見舞してさしあげましょう


●花よ、星よ
「……――」
 先の交戦で片腕を焼かれた葉緑の騎士は、炭化した表層を槍先で削ぎ落す。植物故に痛覚は鈍いだろうが、それでも決して浅からぬ傷である。だが、完全に使えなくなった訳ではない。数度、掌を握り開いて調子を確かめると、再び樹槍の柄を掴み構えてゆく。
「世界樹の守将は緑の騎士か。手傷を負って尚その動きには些かの翳り無し、と……スカアハを名乗る者より薫陶を受けたとあっては油断大敵だね」
 そんな敵の様子を乾・玄辰(最後の魔法使い・g01261)は油断なく観察していた。神話において数多の英雄の師となり、魔槍の奥義を伝授したとされる女傑。もしその伝承通りだとすれば、眼前のアヴァタール級との技術系統的な親和性は非常に高いはずだ。
「あら、今度は樹木の騎士様がお相手……それならわたしの騎士様にお願いしてもよかったのだけれど。折角だし、やる気満々のこの子にお願いしちゃおうかしらね」
 しかしそんな強敵を前にしながらも、イーディス・レヴェリー(色褪せた翼・g00391)の関心は別のところへと向けられている。彼女は自らの人形たちを一頻り吟味した後、傍らに付き従う華蟷螂へと視線を戻す。
 これまでの道中、ずっと先陣を切ってくれたのだ。今さら別の人形に交代させるのも無粋と言うものだろう。そんな繰り手の気遣いを感じてか、人形もまたふるりと全身を震わせた。その姿は先程よりもなお華やかさを増し、身動きしなければまるで蘭の花そのものである。
「ふむ、主従共に戦意は十分と。なら、一先ず前衛は任せても?」
「ええ、勿論よ。『牙を剥く狂咲』改め、『今際の花嫁』がお相手するわね」
 それとなく距離を取りつつ杖を構える魔法使いに、華蟷螂を従えながら前へ踏み出す人形遣い。臨戦態勢を整える復讐者に対し、葉騎士もまたゆるりと樹槍の切っ先を突き付けて来る。
 ジリと、両者の間に緊張が張り詰めてゆく。機先を制すか、それとも一旦受けてから反撃を狙うか。そんな焦燥感を帯びた沈黙が流れ、それらが決壊しそうになる、寸前。
「……――」
 先に動いたのは葉騎士だった。相手は穂先へ魔力を収束させるや、流れる様な動作で刺突を繰り出す。一見すると単純な突きだが、同一直線上に己と復讐者二人が位置するよう立ち回っており、魔法使いの射線を遮りつつ人形遣いの回避を封じていた。
(迂闊にカウンターを狙えば一瞬にして串刺しね。なら、先ずは全力で防ぐべきかしら。この子を百舌鳥の早贄になんてさせられないもの)
 なればと、イーディスは華蟷螂の双鎌を交差させ、初手の一撃を受け止めた。襲い来る強烈な衝撃に思わず蹈鞴を踏むも、辛うじて攻撃を凌ぐ事に成功。だが、間髪入れずに放たれた二撃目が迫り来る。
「今度は此方の番と行きましょうか!」
 しかし、それよりも僅かに人形遣いの方が速い。防御を解くや二振りの鎌を振り被り、斬撃の嵐を巻き起こす。一撃の威力では劣るものの、手数と速度では復讐者側が有利だ。そんな状況を嫌ってか、騎士は穂先に籠めた魔力を光へと変換。強烈な輝きによって視界を潰し、仕切り直しを狙ってくる。
「っ……!?」
「……――」
 完全視界の残留効果が有るとは言え、これには堪らずイーディスも目測を誤って攻撃を空振らせてしまう。その隙を見逃さず、騎士は追撃を叩き込まんとする、が。
「なまじ射線を封じた事が仇となったね。それでも問題ないと判断したのかもしれないけれど……得てして、人は見かけに寄らないもの。戦場での先入観は命取りだ」
 白光の中から飛び出して来るは漆黒の外套姿。後方から一気に距離を詰めた玄辰が相手の意識外から強襲を仕掛けたのだ。その手段は魔術でも箒でもない。魔法使いというイメージを裏切る、特殊な歩法による蹴撃である。
「北斗七星逆撃つ剣先、星君定めし死兆を刻み汝が命脈を絶つ――貧狼、巨門、禄存、文曲、廉貞、武曲、破軍!! 以てこれ、破軍七星剣也!」
 しかし、実際はそう分野が外れている訳ではない。原始的な踊りから厳格な格式を持つ舞いまで、祭祀にそうした動きは付き物だ。魔力を全身に巡らせ蒼炎と共に繰り出される飛び蹴りは、奇襲効果も相まって瞬時に形勢を引っ繰り返す。
「……――!」
「驚いたかい、騎士殿。そちらが閃光の斬撃ならば、こちらは星の蹴撃だ。今日びの魔法使いは武術の一つ嗜んでいるものさ……尤も魔術でもあるけれどね?」
 止まらぬ猛連撃に騎士も良く耐えたものの、六撃目にて遂に防御が崩れる。トドメの七撃目を放つべく一瞬だけ溜めを入れる魔法使い。相手はそのコンマ以下の猶予で反撃に転じんとするが、不意にチラリと視界に蘭の花弁が舞う。
「そんな真似は許さないわよ。このまま押し切らせて貰うとしましょう」
 仲間が稼いでくれた時間のお陰で、イーディスもまた体勢を立て直していた。唯一の機会を潰された以上、主を害された人形の怒りを止められる筈も無く。
 星の蹴撃と華の斬撃を受け、緑の枝葉が鮮血の如く舞い散るのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【建物復元】がLV2になった!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【命中アップ】がLV4になった!

ツィルニトラ・プリルヴィッツ
…言葉は無用、ということかしら
貴方みたいな人は好きよ
口先だけで利を得ようとする人よりずっと

だから、騎士様には“これ”でお相手するわ
竜神が武器なんて自分でも変だと思うのだけど…扱いを教えてくれる私の中の“何か”がそう望んでいるの
(幻想竜域復讐者達の残留思念)

戦旗翻し【蛮竜招来】
即座に旗を消して槍斧で切り結ぶ!

(【未来予知】込みでも相手の穂先が疾い…)

私は魔法の竜神よ!
技で不利なら…力で捻じ伏せる!

受けた穂先を力任せに叩き伏せ
尻尾のメイスで殴打繰り出し
背中の翼を動かす重心制御で即座に体勢を復帰
対処で崩れた敵に全力の槍斧を繰り出すわ

騎士の貴方もそうでしょうけど…私にも背負う物があるの
負けられないわ


●騎士よ、刃にて語れ
「……、……――」
 斬と蹴の双撃を受け、吹き飛ばされた葉緑の騎士。身体に刻まれた斬傷と打撃痕がその威力を物語っていた。しかし常人ならば泣き叫ぶような激痛を感じているだろうにも関わらず、相手は寡黙さを崩すことなく立ち上がって構えを取り直す。
 そんな在り様を見て、ツィルニトラ・プリルヴィッツ(自称/捏造 魔法竜神・g02012)は敵ながら一抹の敬意を抱く。
「呻き声は愚か、恨み言も無し……言葉は無用ということかしら。貴方みたいな人は好きよ。口先だけで利を得ようとする人よりも、ずっとね」
 弁舌の巧みさも戦い方の一つではあるが、やはり戦場に立つ以上は武威を以て競い合うべきだ。故にこそ、ツィルニトラもそれに相応しい戦い方を選択する。
「だから、騎士様には“これ”でお相手するわ。竜神が武器なんて自分でも変だと思うのだけど……扱いを教えてくれる私の中の“何か”がそう望んでいるの」
 それはこの改竄世界史に残る竜と因縁在る者たちの遺念か。彼女は手にした槍斧を掲げるや、魔力で形成した戦旗を翻す。瞬間、竜と人の天秤が大きく前者へと傾いた。ぶわりと闘気が増大した瞬間、ツィルニトラは獲物を手に猛然と飛び出してゆく。
「……――」
(っ、未来予知込みでも相手の穂先が疾い……!?)
 対して、騎士もまた敵の変化へ敏感に反応。陽光を秘めた刺突を以て迎撃を試みる。出掛かりは復讐者よりも遅かったにも拘らず、このままでは相手の攻撃が先にツィルニトラへ直撃するだろう。
「私は魔法の竜神よ! 速度と技量で不利なら……力で捻じ伏せるッ!」
 だが、彼女は安易な回避を選ばなかった。翼で姿勢を制御しながら、強引に体を捻って被害を最小限に抑える。それでも肌を裂く焼ける様な痛みが走るものの、気力でねじ伏せ尾部のメイスによるカウンターを叩き込む。
「……――ッ」
「まだ、まだぁっ!」
 互いの攻撃がそれぞれ命中し、両者共に弾き飛ばされる。しかし四肢以外の部分を持つ分、竜人の方が復帰に要する時間が短かった。まるで跳ねる様に再び距離を詰めるや、ツィルニトラは渾身の力を籠めて槍斧を振り抜く。
「騎士の貴方もきっとそうでしょうけど……私にも背負う物があるの。だから、こんな所で負けられないわ」
 更なる上層へ登る為にも、足踏みなどしていられない。斯くして竜の顎を思わせるその一撃は、爪牙の如く騎士を切り裂いてゆくのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【怪力無双】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV6になった!

セフィー・ステラ
強そうな相手だけど、できるだけのことはしないとだね!

木の葉を使って攻撃してくるようだから、レインボーハーモニーを【演奏】して、木の葉を風で追い返したり、氷雪で凍らせて無効化したりするよ!【風使い・氷雪使い】
(他に戦っている人がいたらこの作戦は援護にもなるかな?)

ただ、それだけじゃ捌ききれない可能性もあるし、攻撃を防ぐだけでこちらから攻撃ができないから、パラドクスで英雄さん達にも力を貸してもらうよ!
もし、余裕があれば英雄さんたちの攻撃に炎や氷など適切な属性をつけて援手助けもするよ!【火炎使い】

ボクの力がどこまで通用するか分からないけど、全力でがんばるよ♪


●旋律は彩りて
 度重なる戦闘により、葉緑の騎士は既に満身創痍と言って良い。しかしそんな状態になっても尚、継戦意思が揺らぐ様子は無かった。自らの足で仁王立つや、強者は次なる敵手を出迎える。
「あんなになっても立ち上がって来るなんて……強そうな相手だけど、できるだけのことはしないとだね!」
 そうして新たに姿を見せたのはセフィー・ステラ(星の魔力をもつエルフの小さき演奏家・g06416)であった。手負いとは言え、決して気が抜ける相手ではない。油断なく警戒する復讐者に対し葉騎士は得物をくるりと一回転させるや、周囲の木々より刃と化した葉を降り注がせ始める。
 さしものアヴァタール級も連戦に次ぐ連戦で一呼吸入れたかったのだろう。しかし得意とする白兵戦でなくとも、それら全てに必殺の意が籠められているのは明白だ。
「でも、一枚一枚の重さ自体はそんなにないよね? それなら!」
 通常であれば迎撃するのは至難の業だろう。しかし、彼女には対抗手段があった。手にせし愛用の楽器を爪弾くや、緑と蒼色の魔力が旋律と共に戦場へと木霊する。吹き荒れる風は木の葉を散らし、凍気が霜を張り付かせ地面へと叩き落してゆく。
 とは言え、それだけで完全に無力化出来る訳ではない。幾枚かは調べを突破してセフィーの体へと細かな傷を刻み込む。程度としてみれば微々たるものだが、積み重ねれば馬鹿には出来なくなるだろう。
(このままじゃ防御に手一杯でこっちから攻撃が出来ない!? 時間を掛け過ぎれば、相手の思う壺になっちゃう!)
 加えて、こうしている今も葉騎士は稼いだ時間を体力の回復に当てている。折角積み重ねて来たダメージを無為にする様な事態は絶対に避けねばならない。なればと、セフィーは曲調を雄々しいものに変えてゆく。
 すると古き英雄達の幻影が輪郭を浮かび上がらせ、術者に代わって敵へと挑み掛かり始めた。個々の戦闘力では劣るが、その点は数の優位を以て拮抗状態へと持ち込む。
「葉っぱへの対処と並行しながら、英雄さんへ炎や氷の属性も付与してと……ボクの力がどこまで通用するか分からないけど、全力でがんばるよ♪」
 双方共に互いの攻撃を凌ぎつつの削り合い。単純な技量では葉騎士に軍配が上がるだろうが、これまでに負ったダメージが両者の命運を分けた。英雄たちの攻撃を徐々にだが受けきれなくなり、そして。
「いっけぇ!」
 七色に彩られた音撃が強かにアヴァタール級を打ちのめすのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV7になった!

月下部・鐶
あたしは戦うのが得意じゃないから、切ったり突いたりにお付き合いはできないけど
きっと、そういうのも礼儀、だったりするのかな?

黙ったきりで道を塞ぐ騎士に、なんだかモヤモヤするけれど、あたしはあたしのできることしかできない
〈観察・偵察・看破〉で他のディアボロスの人がくるまでやり過ごして、お手伝いとして参加するよ。この戦いは負けられない、だからあたしにも参加させて!

木の葉で攻撃されないように、木の陰に隠れてやり過ごして
騎士の影絵を電子パットに描いたら、画面のふちから垂れ落ちて、地面を滑って騎士の影に潜り込むよ
影の重みに動きを鈍らせたら攻撃のチャンス!

……先に進ませてもらうね?

アドリブ、連携、大歓迎!


ウツロ・ジャレット
「こんにちは☆やぁっと会えたな。ん?…なんだよ。無駄話は苦手かい?つれないねぇ…。
悪い植物は隣に影響出る前に間引かないといけねぇ。人の手が入った森は人が管理しねぇと枯れる。復讐者が入った森だ…復讐者が手ェ入れるぜ。」

槍を構えるリーフナイトの動きを【未来予知】で看破しつつ、
軽口を吐きつつ自分と相手の間に【トラップ生成】を利用してトリモチやトラバサミなど足元の動きを阻害する物を設置していく。【壁歩き】【浮遊】を織り交ぜた変則的な動きで相手への距離を詰め肉迫。異形化した左腕で槍を構える腕、その肩口を握り潰していこうとする。

【アドリブ・連携歓迎】


●槍を捧げよ、斃れるその時まで
「……――ッ」
 葉騎士の身体を覆う葉は千切れ飛び、骨代わりの枝や茎はあちこちがひしゃげている。一目見ただけで、立って居るのがやっとの状態だ。しかしにも拘らず、相手は恨み言一つ零すことなく、樹槍を手に継戦の意思を示す。
(あたしは戦うのが得意じゃないから、切ったり突いたりにお付き合いはできないけど……きっと、そういうのも礼儀、だったりするのかな?)
 そんな与えられた騎士の名に恥じぬ振る舞いを、月下部・鐶(さいつよのお姉ちゃん・g00960)は茂みの間から窺い見ていた。言葉通り、彼女は直接的な戦闘を得意とはしていない。故にこそ、ここまで見に徹していたのである。仲間たちの戦闘を観察し続けた甲斐も有って、敵の能力はほぼ把握済みだ。
(あたしはあたしのできることしかできない……適材適所と言えば、聞こえは良いけれど)
 後はこの情報を仲間へと共有し、手負いの騎士を討って貰えれば此度の任務は完了となる。ある意味これまでと同じ流れだが、不思議と鐶の胸中には言い知れぬもやもやが渦巻いていた。その正体が何なのか彼女自身が知る前に、新たな復讐者が姿を見せてゆく。
「こんにちは☆ やぁっと会えたな、アンタがここら辺を仕切ってる大将さんだろ。騎士らしく、名乗りの一つでも聞きたいもんだがね」
 それは凶相を浮かべた大柄な男。ウツロ・ジャレット(無頼の道化・g02611)はちらりと一瞬だけ茂みの方に視線を走らせた後、アヴァタール級へと鷹揚に話しかけた。一方、当の敵手はと言うと相変わらず沈黙を以て返答とする。
「ん~? ……なんだよ、無駄話は苦手かい? つれないねぇ……この後に殺し合う間柄だろうが、前置き無しは寂しいってもんだ。そうだろ?」
 ウツロはやれやれと溜息を吐きつつ、異形化した左腕の調子を確かめる様に握り込む。復讐者の戦意を悟ってか、葉騎士もまた腰を落としゆらりと穂先を突き付けて来る。
「悪い植物は隣に影響出る前に間引かないといけねぇ。人の手が入った森は人が管理しねぇと枯れる。何の因果か、復讐者が踏み入った森だ……なら、復讐者が手ェ入れるぜ」
 果たして、動いたのは両者同時。淀みない動きで踏み込んで来る相手に対し、ウツロはその場より跳躍して距離を取る。と同時に、彼我の間へトリモチやトラバサミと言った罠をばら撒いてゆく。
 瀕死寸前とは言え、熟練した武人と直接斬り結ぶのはリスクが過ぎた。故にこそ、まずは動きを封じる事を優先したのだ。しかして、そう易々と目論見通りにいくとは限らない。
「……――ッ!」
「はっ、こいつは中々だな。お喋りは嫌いなようだが、こっちの『お話し合い』は得意って訳か!」
 葉騎士は巧妙に偽装された罠を容易く見抜き、幹や樹上を跳ね回るウツロへぴったりと追従して来る。元より此処は敵の領域。地形の利用に一日の長があるのは明白だ。このままではじきに捕捉されるだろう。が、大男に焦りはなかった。何故かと言えば――。
「……正直言って、あたしの戦闘力じゃお手伝いくらいしかできない。でも、この戦いは負けられない。だから、あたしにも参加させて!」
 彼はとうに潜み窺う仲間の存在に気付いていたからだ。鐶は木の陰より飛び出すと同時に、手にしたタブレットの上へペンを走らせる。そんな不意打ち気味の出現に対し、騎士は無理せずウツロへの追撃を中断すると、周囲一帯へ葉刃を巻き起こす。
 渦を巻く嵐は大男どころか絵描きすらも切り刻みながら押し返し、安全地帯を確保してゆく。そうして状況を仕切り直すと、改めて攻撃を仕掛けようとするのだが。
「……――!?」
「皆のお陰で、時間だけはたくさんあったから。厚く重ね塗りさせて貰ったよ、キャンパスから零れ落ちるくらいにね!」
 まるで地面に根を張ってしまったかの様に、アヴァタール級の全身がピクリとも動かない。ザっと見渡しても異常は見受けられないがただ一点、自らの影が常よりも色濃い事に気付く。
 それこそが鐶の異能。相手の似姿を描き、画面外へと零れ落ちたそれを敵の影へ同化させることで動きを鈍化させたのである。万全な状態であれば強引にでも動く事は出来ただろうが、疲弊した今の状態では樹槍を持ち上げるだけでも至難の業だ。
「これでチェックメイト、ってやつだな。長話は好きだが、だらだらと苦しませるのは趣味じゃないんでね。さっくり終わらせるとするぜ」
 それでもなお何とか構えを取ろうとする葉騎士へ、ウツロはゆっくりと歩み寄る。彼は異形化した左腕を振り被り、獣の顎が如く指を開く。文字通り、必殺必中の一撃。
 それを前にしても継戦意思を示す強者の姿に、鐶は言い知れぬ無謬さを覚えた。だが復讐者としてそれらを飲み込み、確固たる決意を以て告げる。
「あたしたちはより上を目指さなきゃいけない……だから、先に進ませて貰うね」
「――――――」
 果たして、最後に何事かを呟いたのどうか。定からぬまま、トドメの一撃を受けた葉緑の騎士は崩れ落ちる。崩壊し、幾つもの植物へと分解された骸は瞬く間に地面へ溶け消えてゆく。
 それが何よりも如実に、戦いの終わりを示すのであった。

 斯くして世界樹ダンジョン、その第一層は此処に踏破された。
 復讐者たちは続く上層階の攻略に備えるべく、一先ずは聳え立つ天樹を後にするのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【液体錬成】がLV2になった!
【活性治癒】がLV3になった!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
【ドレイン】がLV4になった!

最終結果:成功

完成日2022年04月24日