リプレイ
桐生・八重
話があります……
我々ディアボロスは、現在アナタ達を排除しない……
理由は二つ、アナタ達の合流を阻止して有力な江戸川区の勢力を強化しない為の作である事……
もう一つは、アナタ達には戦略的にも戦術的にも勝利を達成する能力が絶望的なまでにないから……
合流するなら殲滅するまでですし、離間するならそれを利用する……
復讐者に負けた以上は当然の帰結……
ですが、負け方を選ぶ事は出来ます
バビロニアに伝えなさい……ワタシ達の配下になるなら、生き残れる可能性はあるかもしれないと……
反対するなら、片手間にアナタ達を殲滅するまで……
誇りか生存か、後者を選べば……状況によっては前者も得られるかもですね……?
●残党軍との対話
荒れ果てた平井の街に、桐生・八重(超中学級のホワイトハッカー兼電脳に聳える隠者・g03785)は降り立った。
ここは未だグラシャラボラス、正確には残党軍の支配地域だが、今や烏合の衆でしかない彼らは街の整備まで気が回らないのだろう。
「そこの人間! 酒と食い物を持ってこい!」
怒声がした方向に八重が顔を向ければ、2体のガーゴイルガンナーが酒盛りの真っ最中だった。
「いいえ、お断りします……それよりも話があります……」
「アアン? テメエを食っちまってもいいんだぞぉ!」
飲んだくれのガーゴイルガンナーが銃を空に向けて撃つが、八重は威嚇には動じない。
「おい、何の騒ぎだ」
銃声を聞いて、別のガーゴイルガンナーがやってきた。彼の左腕には赤いバンダナが巻いてある。
「……こいつ、ディアボロスじゃないかっ」
赤いバンダナのガーゴイルガンナーが身構え、酒盛りをしていた連中の顔にも緊張が走った。
「お察しの通りディアボロスです……ですがアナタたちを排除する気はない……理由は二つ、アナタたちが江戸川区に吸収されてグレモリー軍が強化されるのを阻止するため……もう一つは、アナタたちには戦略的にも戦術的にも勝利を達成する能力が絶望的なまでにないから……」
「……言ってくれるじゃないか」
指摘が耳に痛いのか、赤いバンダナのガーゴイルガンナーが歯ぎしりする。
「合流するなら殲滅するまでですし、離間するならそれを利用する……復讐者に負けた以上は当然の帰結……」
「黙れ!」
「顔に弾ァブチこむぞ!」
酒盛りをしていた連中が八重に銃口を向けるが、やはり彼女は動じない。
「ですが、負け方を選ぶことは出来ます。バビロニアに伝えなさい……ワタシたちの配下になるなら、生き残れる可能性はあるかもしれないと……」
反対するなら、片手間に殲滅する。
彼女の言葉にはそういう響きがあった。
成功🔵🔵🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
天音・梓
結局は敵同士
同情する気はありません
ですが一本芯の通った方には敬意を払うべきです
左腕に赤いバンダナのガーゴイルガンナーに話をしてみましょう
統率もなにもあったものではありませんね
このまま敵集団に飲み込まれ、何も残さず消えていくつもりですか?
目標を示すリーダーが居ない集団は有象無象になり果てます
そしてここには指揮を執れる者が居ない
もしもあなたが仲間に消えてほしくないのなら
やられた分をやり返したいのなら
この場は「誰かが」ではなく「あなたが」次の道を示して奮い立たせるしかありません
そしてもしグレモリー軍に一矢報いたいのなら
ディアボロスは彼らに痛手を与える機会を伺っている
このことを覚えておいてください
●負けるなよ
「配下になれ? 寝言は寝て言うんだな」
赤いバンダナのガーゴイルガンナーが嘲り、彼も八重へ銃口を向けた。
「しかし今のあなた方は統率も何もあったものではない。グレモリー軍が襲来すれば潰走するしかない。違いますか?」
八重に続き、天音・梓(雨兆す・g03821)が対話に加わる。
「このまま敵集団に飲み込まれ、何も残さず消えていくつもりですか?」
やはり耳に痛い指摘か、赤いバンダナのガーゴイルガンナーは言い返せない。
敗北を待つばかりの現状を直視せねばならない悔しさに、酒盛りをしていた連中は体を震わせていた。
「目標を示すリーダーが居ない集団は有象無象になり果てます。ここに指揮を執れる者がなく、もしもあなたが仲間に消えてほしくないのなら、やられた分をやり返したいのなら、この場は『誰かが』ではなく『あなたが』次の道を示して奮い立たせるしかありません」
結局は敵同士、梓は彼らに同情する気はない。
だが、未だグラシャラボラスへの忠誠心を持つ一本芯の通った相手には敬意を払うべきと考えていた。
「グレモリー軍に一矢報いたいのなら、ディアボロスは彼らに痛手を与える機会を伺っている。このことを覚えておいてください」
「誇りか生存か、後者を選べば……状況によっては前者も得られるかもですね……?」
梓と八重の言葉に、赤いバンダナのガーゴイルガンナーが銃を下ろした。仲間たちにも、銃を下ろすよう促した。
「ディアボロス側から提案があると、バビロニアに伝える。それでいいか」
彼の言葉に、それで結構です、と梓と八重は頷いた。
「やべーぞ! 川の向こうにグレモリー軍が集まってやがる!」
そこへまた別のガーゴイルガンナーが血相を変えた顔で飛来した。
「お逃げなさい。グレモリー軍の相手はディアボロスが承ります」
「バビロニアへの伝言、忘れずに……」
今ならまだ逃げるだけの時間はある。赤いバンダナのガーゴイルガンナーの決断は早かった。
「生き残りたい奴は俺についてこい、皆にそう伝えろ」
彼は仲間たちに指示を下し、伝令に飛び立たせた。
「礼は言わんぞ復讐者。だが、グレモリー軍なんかに負けるなよ」
赤いバンダナのガーゴイルガンナーも飛び立っていく。
負けるなよ。
その言葉は、敵であるディアボロスに向けた、彼なりの精一杯の敬意と礼儀なのかもしれない。
大成功🔵🔵🔵
効果1【過去視の道案内】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
天音・梓
……ふむ、なるほど
「負けるなよ」ですか、もう聞こえないでしょうが「任された」と返しておきましょうか
さてと、どうやら相手は私と同じ大鎌使い
であれば近距離戦に持ち込んでこちらのリーチを測らせてから奇襲と行きましょう
【風使い】で私の周囲の空気抵抗を減らして動作を早めながら相手に斬りこんでいきます
相手の動きを【観察】しながら大鎌で牽制しながら回避重視で戦いつつ周囲に敵を集めていきましょう
相手が丁度私の周囲に集まったことを確認したら、体を回転させて大鎌を振るい《幽刈》で周囲に風切りの刃を放ち、纏めて傷を与えましょう
あなた達はもう私の射程圏内です、覚悟してください
桐生・八重
ネメシスモード展開
ネガ・オーグメンテッド、拡張
電脳世界展開
拡張現実よ、現実の世に安寧をもたらせ
瞬間、ハッキングによって召喚されるは空間が変容して飛来する魔弾
空間そのものを変換するという事は目の前の虚空からいきなり銃弾の雨が飛来するという現象も具現化する事が出来るという事
反撃に対しては悪魔の宣告を告げるアークデーモンに銃弾を叩き込み、パラドクスの効果が付与された浄化の力で無効化していきます
そもそも、大音声を上げる前に攻撃すれば……逆説連鎖戦とはいえ、威力を減衰させる事も出来るかもしれませんね
そう言いながら叫ぼうとするアークデーモンを優先的に銃弾を叩き込み、飛翔しながら戦場を掌握していきます
●任された
天音・梓(雨兆す・g03821)と桐生・八重(超中学級のホワイトハッカー兼電脳に聳える隠者・g03785)、両者の瞳に飛行する刈取の悪魔の群れが映る。さすがに数が多い。これほどの戦力ともし正面からぶつかっていたなら、グラシャラボラス残党軍は敗走するしかなかっただろう。
「……ふむ、なるほど。『負けるなよ』ですか。もう聞こえないでしょうが『任された』と返しておきましょうか」
残党軍を首尾よく撤退させるためにも、ここでグレモリー軍を足止めせねばならない。
川を越えてきた刈取の悪魔たちは上空でいくつかのグループに分かれ、平井へ降り立とうとする。
連中は広範囲に散って、平井を一挙に制圧するつもりなのだろう。
「ですが、ここにいるのは残党軍ではなく復讐者です」
「ネメシスモード展開。ネガ・オーグメンテッド、拡張」
梓と八重は二手に分かれる。
梓は天使の大鎌を携え、八重はネメシスモードの姿となり、大地を駆ける。
まずは敵を充分に引き寄せてからだ。
「おい、残党軍の連中がいねえぞ?」
真っ先に平井へ降り立ったグループは、残党軍の抵抗がなく、また姿も見えないことに拍子抜けしていた。
「俺らに恐れをなして、小便ちびって逃げ出したんだろうさ」
「じゃあ作戦成功? ぎゃははは、楽勝じゃねえか!」
飛んできただけで余裕の勝利、刈取の悪魔たちが笑いだす。
「おい、誰かこっちに来んぞ?」
「ここの人間が、新しい支配者サマに跪いて忠誠を誓いに来たんじゃねーの?」
彼らが勝利の余韻に浸るのは、いささか早かった。
いいや、勝利は勘違いであったと思い知らされることになる。
「おい待てあいつディアボロスじゃねーのか!?」
「アアン!? 残党軍とディアボロス、手ぇ組みやがったのか!?」
悪魔たちの群れへと駆けるのは梓。
【風使い】で空気抵抗を減らした彼女は跳躍し、動揺を隠せない彼らの頭上から仕掛けた。
「手を組んだわけではありませんが、今の私たちには残党軍よりもグレモリー軍の方が目障りです」
大鎌による斬撃が、相手に反撃の暇も与えずにその首を跳ねる。
首を失くした刈取の悪魔が崩れ落ち、梓は大鎌をブンと振って血糊を落とす。
周囲の刈取の悪魔たちも思わず数歩、後退してしまう。
「……やりゃあがったな!」
「ディアボロスも敵だ、やっちまえ!」
仲間をやられて引き下がるわけにはいかない。刈取の悪魔たちが梓を包囲し、間合いを詰めてくる。
「あなたたちはもう私の射程圏内です、覚悟してください」
独楽の如く梓の体が回転し、大鎌から放たれる風切りの刃。
不可視の刃が敵群を切り裂いていき、悪魔たちの悲鳴と反撃の雄叫びが響き渡る。
一方、八重も会敵していた。
「あいつが残党軍か? 聞いてたのと話が違うなぁ!」
「まだガキじゃねえか」
「なんでもいい、邪魔する奴はヤっちまえ!」
彼らにとって、ここで目に映るもの全てが獲物なのか。不用意なほどに八重へと突っ込んでくる。
数で威圧する作戦か、それとも相手が1人と侮ってのことか。
「電脳世界展開。拡張現実よ、現実の世に安寧をもたらせ」
瞬間、ハッキングによって召喚されるは空間変容によって飛来する魔弾。
相手が1人と高を括った刈取の悪魔たちに、無数の魔弾が容赦なく襲いかかる。
「空間そのものを変換するということは、目の前の虚空からいきなり銃弾の雨が飛来する現象も具現化できるということ。魔弾のお味は……いかがです?」
表情もなく八重は被弾して苦しむ悪魔たちを見つめる。
彼女の掌に、新たな魔弾が具現化する。
「こいつ残党軍なんかじゃねえ、ディアボロスだ!」
「ディアボロスだろうがなんだろうが、この数を相手に勝ち目はねーぞ、オラァ!」
「ブッ潰れろ! 土下座して命乞いしろォ!」
浮足立ったのも束の間、刈取の悪魔たちが反撃に出る。
「弱い犬ほど……何でしたっけ?」
しかし敵の威圧もどこ吹く風、小首を傾げた八重は表情ひとつ変えていない。
聞くに堪えない叫びを上げる敵めがけて、彼女の掌の銃弾が放たれた。
反撃の叫びはパラドクスの効果が付与された浄化の力で無効化され、額を魔弾で撃ち抜かれた敵が仰向けに倒れる。
「そもそも、大音声を上げる前に攻撃すれば……逆説連鎖戦とはいえ、威力を減衰させる事も出来るかもしれませんね」
そう言いながら、叫ぼうとする刈取の悪魔へと八重は優先的に銃弾を叩き込む。
しかし雑魚とはいえ数が多いのは厄介だ。
八重は飛翔しつつ攻撃と回避を繰り返し、戦場を掌握していく。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
シアン・キャンベル
弱々しい、細っこい女を装う
――やめてください。お願いします
ボロボロにされた服、跪く演技でもしてみようか
背中部分の布は幾等か残しておこう、翅を見られたら面倒だ
出来れば帽子か何かも必要だな、触覚を隠す
――如何か、如何か子供だけは。あの子だけは
――私はどうなっても構いません
悪魔を引き寄せたら此方の『もの』だ
おそらく油断していて大振りな鎌を避け、トラップ生成のついでにピラミッドコンバット使用
舞台諸共、奴等の漿液を啜ってやる。精神攻撃足して浄化だ
――如何しました? 顔色が悪いですよ?
嗚呼、こんな莫迦げた戯れも不要だな
――私は貴様の『上』に、脚本・演出に用が在るのだ
――其処を退き給えよ、醜悪(ガーゴイル)
●退き給えよ、醜悪
「残党軍なんざ皆殺し……にしてやりてえが。居ねえんじゃなあ」
平井の別地点へ降り立った刈取の悪魔のグループもまた、残党軍の姿が見えないことに拍子抜けしていた。
「そんじゃあ、許可は出ていることだしぃ?」
敵がいないのならば、やることはひとつ。
「男は逆さ吊りでいたぶれぇ! 女はひん剥いてお持ち帰りぃ!」
持て余した力と欲望を発散するのみ、刈取の悪魔たちが下卑た笑みを浮かべる。
「女ァ! まずはおまえからだ!」
1体の刈取の悪魔の視界に、細く弱々しい女性の姿が入る。
腕を掴まれ、力任せに引き寄せられた彼女は、外套代わりのボロ布を頭までかぶっていた。
「やめてください、お願いします、如何か、如何か子供だけは。あの子だけは、私はどうなっても構いません……」
「ほう、ガキがいんのか。ガキを見逃して欲しかったら、わかってるよなぁ?」
彼女の言葉に刈取の悪魔の嗜虐心が刺激される。
身代わりを名乗り出た女の顔を見てやろうと仲間たちも集まってくる。
そして刈取の悪魔がボロ布を剥ぎ取った、直後。
真下からの痛烈な蹴りが、悪魔の顎を打ち抜いた。
ボロ布の下から現れたのは触覚と翅。
「無論、わかっている。私が相手をすればおまえたちは誰にも手を出せない」
現地の民間人に扮して、敵を待ち構えていたシアン・キャンベル(妖蟲・g01143)だ。
「ディアボロスが紛れ込んでやがったのか!」
「くたばれ蟲女!」
反撃に繰り出される悪魔の大鎌、だが連中を引き寄せたなら此方の『もの』だ。
大振りの鎌を避けたシアンは戦場に小型のピラミッドを出現させ、その力を身に纏う。
「如何しました? 顔色が悪いですよ?」
シアンが薄く笑う。不用意に近づいてきた悪魔たちはピラミッドが生成したトラップの餌食となり、苦痛に喘いでいた。
「嗚呼、こんな莫迦げた戯れも不要だな。私は貴様の『上』に、脚本・演出に用が在るのだ。其処を退き給えよ、醜悪」
グレモリー軍に撤退した残党軍を追わせはしないし、ここでの略奪行為をさせる気もない。
もちろん1体だろうと江戸川区へは帰さない。
舞台諸共、奴等の漿液を啜ってやる。シアンは罠にかかった悪魔どもを掃討していく。
大成功🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
天音・梓
む……初めて対峙する相手ですね
まずは【伝承知識】に心当たりがないかアイデアロールを振っておきましょう
ところで、相手の正体を【看破】したら冒涜的な知識が手に入ったりしませんかね
そんな変わった歌で私に一曲かまして来られますと困ってしまいます
【精神集中】して我慢しつつこちらもライムを刻んで自己紹介のアンサーを返しましょう
今から踏んでいく私の韻
外れてしまった歴史のライン
歴史は今や「降り続く雨(シーズレスレイン)」
乗っていかなきゃパラドクストレイン
やまねー雨はないはずさ
私の名前は天音梓
怪物の姿を取っている相手、狼男ではありませんが、挨拶のシルバーバレット代わりに【全力魔法】を込めて《銀箭》を放ちましょう
●韻と陰
刈取の悪魔の掃討を終えた天音・梓(雨兆す・g03821)の周囲を、いつしか靄が包んでいた。
靄は川の向こう、江戸川区の方が濃い。
濃い靄の中からは歌声が聞こえてくる。その歌声は気の触れた老女の怒声のようでもあり、泣き喚く赤子の声のようでもあり、聞く者の耳に酷く心地悪いものを与えた。
そして何かが這いずる音とともに、みずぼらしい黄褐色の衣に身を包んだ男が現れた。
だが姿には不思議と威厳があり、彼が歩くたびに周囲に陰が広がるようであった。
「これぐらいの歌で気が触れないでくれたまえよ。ただの歌でしかないのだから」
彼の全身からたなびく触手が、這いずる音の正体だった。
「む……お出ましですか」
梓にとっては初めて対峙するタイプのアヴァタール級だ。【伝承知識】に心当たりがないか、正体を【看破】できないか、彼女は敵の姿を観察する。
「……なるほど、なかなか冒涜的な方でいらっしゃるようですね」
「復讐者風情が私の舞台を台無しにしてくれたものだ。進行を変更せねばならない。いずれにせよ、私の勝利で舞台の幕は下りるがね」
顔の半分以上が衣で覆われ、相手の表情は読めない。
だが肌で感じ取れるほどの殺意を放っている。
「かくも美しく恐ろしきもの、『黄衣の王』ハスターと同じ舞台に立てること。光栄に思え復讐者」
ハスターの周囲に触手が展開する。触手とともに陰も広がっていく。
それならば、と梓が返したのはライムを刻んだ自己紹介のアンサー。
「今から踏んでいく私の韻、外れてしまった歴史のライン」
大気に含まれる水分が、韻とともに彼女の周囲に凝縮される。
「歴史は今や『降り続く雨(シーズレスレイン)』、乗っていかなきゃパラドクストレイン」
続く韻とともに、凝縮されたそれは白銀に輝く無数の水の矢へと変化する。
「やまねー雨はないはずさ、私の名前は天音梓」
狼男ではないが、バケモノ姿の敵にはシルバーバレット代わりの銀箭。
白銀の矢と韻よ、敵の触手と陰を穿て。
「解せぬ。私の舞台にはそぐわぬ旋律だ」
無数の矢に晒されるハスターは、不快感も露わに顔の前を腕代わりの触手で覆う。
「復讐者、背徳の歓喜に悲鳴を上げ、驚愕の夜空を切り裂け」
対するハスターが歌い上げるのは狂気の歌。
今度こそパラドクスに拠る歌、発狂を防ぐためにも梓は精神を集中させる。
大成功🔵🔵🔵
効果1【書物解読】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
フリッカ・ウルズ
(サポート)
*:味方との連携、援護可能。
戦闘系では、敵に応じて立ち回りは変わるかもしれないけど、基本的に身体性能(速度や飛翔)等を活かした近接格闘戦をメインに戦うわね!
味方との連携も意識していくから、手数が足りない時とかは援護とか積極的にしていくわよ!
あと、ここぞって時には、パラドクスの『戦乙女ノ翔躍』又は『八脚にて滑走するモノ』を使用しておきたい所よね。
戦闘以外だと、足りない所への支援かしら?
内容はおまかせコースだけど、アタシに出来る範囲の事で、公序良俗内での味方の利益や補助に繋げていきたいと思うわ。
*:アドリブ等は歓迎。
●胞子爆弾
「黄衣の王、遥か遠き湖の底に、また大空の彼方に。おまえの印が輝いていたか」
歌声だ。
歌声が聞こえる。
「人々の悲痛が。虚妄が。脈打つ恐ろしき想念が。おまえの均整を造り得たか」
その歌声は賢者の嘆きのようであり、愚者の歓喜のようでもあった。
戦場へ駆けつけたフリッカ・ウルズ(立体蜘蛛蛾・g01122)が見たのは、水の矢を放ち続ける梓と、触手をのたうち回らせて歌うハスターの激戦。
無数の水の矢も、敵の触手に阻まれているように見える。
離れていても耳障りな歌声と、脳髄に這い寄る背徳的かつ冒涜的な思念。
至近距離でハスターの歌を聞いてしまったなら、心の弱い者は正気を失ってしまうだろう。
たとえディアボロスでも心を強く持たねば発狂しかねない。
「だとしても、アタシはアタシの流儀を貫くっ」
フリッカが得意とするのは身体性能を活かした近接格闘戦。
「援護するよっ」
蛾の翅で飛行するフリッカは、蜘蛛のアークデーモンの力を宿した髪を鋭利な刃に変化させ、ハスターへ斬りかかる。
触手を切り落として敵の注意を引き、味方の攻撃のチャンスを作るのが狙いだ。
「蛾、それとも蜘蛛か」
触手を落とされようとも、ハスターは威厳を保つが如く直立不動。
「貴様の舞台を彩るものは、これだ」
ハスターが光を放つ胞子を触手から周囲へ散布した。輝く胞子は舞台効果のような美しさだが、それは触れたならば大爆発を起こす爆弾だ。
散布された胞子爆弾にも怯まずフリッカは触手を断ち落とすが、次々に爆発が起きる。
連鎖的な爆発に周囲が粉塵に包まれ、そして。
成功🔵🔵🔴
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
シアン・キャンベル
貴様――嗚呼。名乗るのは勝手だが、随分と歪が酷くはないか。強烈な吐き気も確かに、その通りと解せるが――印を見つけるには早いのだよ。三度も散らかすほど正気ではない
予めトラップ生成、奴の触手を『絡ませる』ような代物が喜ばしい。ブービー、つまり傷付ける類も付与しておこう
そこへ誘うように罵ってみようか。何、歌が騒々しい――?
ならば羽音で浄化しておく。貴様が本物だと謂うならば羊の世話の方法を教え給えよ――蝿の本性は喧しいのだ
隙を見せたら『アイデア』だ。奴の精神を私の養分と見做す。おや、王子様ごっこはこれにて終いか。残念だ――我等が満たされる為、貴様は道具と成り果てた
大母神(ママ)のミルクでも飲むと好い!
●蠅の本性は喧しい
周囲を覆う粉塵をハスターが触手で振り払う。
胞子爆弾の連鎖的な爆発により、周辺には瓦礫の山が築かれていた。
梓とフリッカの姿は、いつしか視界から消えている。
「貴様……嗚呼。名乗るのは勝手だが、随分と歪が酷くはないか」
代わりに、彼の眼前にはシアン・キャンベル(妖蟲・g01143)が立っていた。
「強烈な吐き気も確かに、その通りと解せるが……印を見つけるには早いのだよ。三度も散らかすほど正気ではない」
「蠅か。腐肉でも喰らいに来たか」
ハスターの体からたなびく触手が地面を打つ。何本かの触手は断ち切れており、周囲に腐臭漂う体液を撒き散らした。
「本物だと謂うならば羊の世話の方法を教え給えよ。それとも湖への幽閉がお好みか」
シアンの挑発が癇に障ったのか。ハスターの唇がきつく結ばれ、前へと進み出た。
彼の触手は怒りを現わすように、周囲へ幅広く展開する。
直後、地面から蛸の足に似た吸盤付きの触手が無数に現れ、ハスターの触手に絡みついた。
シアンが仕掛けていたトラップだ。
蛸の触手には無数の口が現れ、歌い出す。唸るような、吼えるような、咳きこむような響きの、奇怪な歌声だった。
「騒々しい。私の舞台にはそぐわぬ」
歌声に神経を逆撫でにされ、ハスターが不快感を露わにする。
「蠅の本性は喧しいのだ。知っていたかな、邪悪の皇太子どの」
翅を羽ばたかせたシアンが、罠にかかった敵へパラドクスを繰り出す。
「さぁ、平穏と秩序を讃えよ」
君の頭の中に蔓延った、冷たくて心地の良いアイデア。
対象の脳を侵略する旋律が蛸の触手から流れ、吸盤がハスターの精神を養分と見做して吸い尽くそうとする。
さらに瓦礫の影に身を潜ませていた梓とフリッカが、動きの止まったハスターへ追い打ちを仕掛ける。
三方向からの攻撃にハスターの触手が千切れ落ち、体は大きくよろめいた。
「おや、だらしのない。王子様ごっこはこれにて終いか。残念だ……我等が満たされる為、貴様は道具と成り果てた。大母神のミルクでも飲むと好い!」
シアンは蛸の触手を通じてハスターの精神を吸い尽くさんとする。
反撃のパラドクス、ディアボロスの正気を奪って狂える歌の虜囚とするべく、ハスターの喉が退廃的かつ冒涜的な旋律を奏でる。
ディアボロスが正気を失うのが先か、ハスターの命が尽きるのが先か。
勝つのはどちらか。
大成功🔵🔵🔵
効果1【現の夢】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
天音・梓
さて、挨拶も済みましたし、あなたの歌も聞き飽きました
そろそろ幕引きと参りましょう
あなた達の世界に死神が居るのかどうかは分かりませんが、どれだけ眷属を呼び出し世にのさばろうと、地獄かはたまた別の場所か
あるべき場所にお帰り頂きます
銀箭で飛び散った幾つもの雨矢の雫を【風使い】で再収束させ、敵へと散弾のように飛ばし、相手の動きの阻害とビヤーキー達の掃討に努めます
その水滴の攻撃に引き続いて駆け出しながら、大鎌を取り出し背中の翼で【飛翔】し加速しながら敵へと接近します
最後に【全力魔法】で私の後ろの空気を一気に膨張させて私自身を【吹き飛ばし】一気に体を跳ね飛ばしたら、そのままの勢いで敵を大鎌で【両断】します
蕩々・愛々
あぁ、なんて悍ましい
こんな姿になってしまって。なんて悲しい
こんなものに名前を名乗られて、なんて哀れ
貴様が我が何なのか理解る必要は無い。潔く散ってくれ
【漆黒の千手の日輪】を解放
その千の手を伸ばし、相手の触手に対抗。臨機応変に、爆発すらもその超高温の手にて焼き払え
その黒き手に顰めるは精神的嫌悪感を抱かせる精神攻撃
おいおい。その名を名乗るのならこの程度で倒れてくれるなよ?
統率のとれた千手にて追い詰め、逃げ場をなくし、その身を捕獲する
黄衣の王。その名に恥じない戦いをしてくれ。暗黒のファラオが相手なんだ。これはとても幸運な事だよ?
●黄衣の王と暗黒のファラオ
「筋書きから逸れた即興劇になろうとも、勝利の凱歌を歌うのは私だ」
精神と生命力を吸われてなお、ハスターの反撃の手は緩まない。
だがアヴァタール級といえど命には限りがある。
胞子爆弾を散布する触手も数を減らしている。
ここで追い込むべく、残留効果を駆使したディアボロスたちが一斉攻撃に出たが、ハスターの残る触手が天へ向けられて奇怪に蠢いた。
「いかなる翼で空を翔け、いかなる爪で敵を裂くか。古き印のもとへ来たれ翼よ」
触手が上空に描いた召喚陣から、眷属の悪魔ビヤーキーが呼び出される。
「舞台は佳境。復讐者たちよ、ダンスはお好きかな?」
翼竜のような外見のビヤーキーが、その姿にたがわぬ高機動戦闘でディアボロスたちを翻弄する。
「速い……! これに対応できなければ、延々と踊り続けてしまいそうですね……!」
天音・梓(雨兆す・g03821)は銀箭で飛び散った幾つもの雨矢の雫を【風使い】で再収束させ、ビヤーキーへ散弾のように飛ばす。高速で動く相手には、線での攻撃ではなく、面での制圧。そして飛翔した彼女は加速しながらビヤーキーとの空中戦に臨む。
この空中戦にフリッカが続き、シアンはハスターの精神と生命力の吸収に全力を注ぐ。
「ビヤーキーと踊り狂うか。私の歌で発狂するか。好きな方を選びたまえ」
王を自称し、世界を己が主演の舞台と認識するハスターはある種のナルシストだ。
己の力のみでディアボロスを打ち倒す、そういう筋書きだったに違いない。
故に眷属召喚は奥の手、彼自身が追い込まれつつある証左だ。
「あぁ、なんて悍ましい。こんな姿になってしまって、なんて悲しい。こんなものに名前を名乗られて、なんて哀れ」
舞台には新たな役者。
蕩々・愛々(貌の無いファラオ・g01218)が戦場という名の劇場へ降臨する。
「またも復讐者か。しかしおまえの出る幕はない。早々にご退場願おうか」
「我が何なのか貴様に理解るか? まあ、理解る必要は無い。潔く散ってくれ」
あちらが王ならば、こちらも王。
愛々が手にした王笏が、大地にヒエログリフの魔法陣を描き出す。
「紛いなりにも王を名乗るのなら。この程度で倒れてくれるなよ?」
不敵な笑みを見せ、愛々が繰り出したのは、漆黒の千手の日輪。
魔法陣が千本の手へと姿を変え、一斉にハスターへ襲いかかった。
ハスターは残存する触手で対抗するも数が違いすぎる、胞子爆弾を散布しても超高温の手によって胞子ごと焼き払われてしまう。
「ビヤーキー! 何をしている!」
たまらずハスターが叫んだ。
王としての威厳をかなぐり捨てた、焦りと苛立ちの怒声だった。
しかしビヤーキーもディアボロス側との空中戦に敗れ、翼折れて地に墜ちていく。
「黄衣の王。その名に恥じない戦いをしてくれ。暗黒のファラオが相手なんだ。これはとても幸運な事だよ?」
愛々の王笏が大地を打ち、千の手がハスターを捉えるべく動いた。
空中へ逃がれようとするハスターだが、逃げきれない。
胴を、頭を、手足代わりの残る触手の全てを掴まれ、空中で捕獲されてしまう。
その黒き手に顰められたのは精神的嫌悪感を抱かせる精神攻撃、動きを封じられたハスターの顔が驚愕に歪む。
彼が見せられた幻影は、舞台が終わった後のカーテンコール。
主演役者の位置に立つのはファラオの姿の愛々。
しかしハスターは舞台のどこにもいない、己の姿を見つけることができない。
自分は主演ではなく、そもそも不要な存在。
彼にはそう告げられたに等しかった。
「あなたの歌は聞き飽きました。そろそろ幕引きと参りましょう」
梓は背後の空気を【全力魔法】で一気に膨張させて吹き飛ばし、自分自身を加速させた。
爆発的な勢いそのままの突撃と、一閃される大鎌、ハスターの体が斜めに両断される。
「これで終幕……? バカな、緞帳が降りるにはまだ早……」
精神と生命力を吸われ、全身を焼かれ、左肩から右脇腹へ断たれたハスターが、ドロドロの粘液となって崩れていく。
粘液は大地に落ちると同時に蒸発し、不意に吹き荒れた突風が彼の衣を空へ舞わせた。
激戦を制したのは、ディアボロスたちだ。
「あなたたちの世界に死神が居るのかどうかは分かりませんが、どれだけ眷属を呼び出して世にのさばろうと、あるべき場所にお帰り頂きます」
「そこは冥界か、はたまた別の場所か。どちらにせよ貴様には幽閉よりも永遠の破滅が相応しい」
風にあおられた黄褐色の衣が、梓と愛々の傍らへ落ちてきた時、ハスターの亡骸は全て蒸発していた。
周囲を覆っていた靄も消え、グレモリー軍もグラシャラボラス残党軍もいなくなった平井の街並みが広がっていた。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【一刀両断】がLV2になった!
【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【ロストエナジー】がLV2になった!