湖水地方と竜の花嫁

 氷のベディヴィア卿を撃破したディアボロスは、グレートブリテン島の湖水地方に上陸する事に成功しました。
 風光明媚な湖水地方は、富裕層の保養地として有名であり、ジェネラル級ドラゴン『氷将竜サグラモール』によって守護されているようです。

 湖水地方には、竜の花嫁の湖と呼ばれる湖が多く存在しており、イギリス各地から集められた『竜の花嫁』達が、最後の時を穏やかに迎える為に滞在する別荘地になっています。

 ドラゴンの生贄である『竜の花嫁』は、命を捧げることで竜鱗兵の『卵』を出現させるのです。
『竜の花嫁』となることは、幻想竜域キングアーサーでは非常に名誉とされており、花嫁の親族はそうして生まれた竜鱗兵を大切に扱うようです。

 別荘地では『竜の花嫁』を楽しませる為に、芸人や料理人などが常に募集されています。
 この芸人や料理人に紛れて『竜の花嫁』と接触して、情報を集めていきましょう。

竜の蜜源(作者 ねこあじ
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#幻想竜域キングアーサー  #湖水地方と竜の花嫁  #湖水地方 


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『幸せになろうね』
 孤児院を出ての長旅。私たちを運んだ荷馬車を降りて、新しい家族に迎え入れられて、ふとした瞬間に姉がそう言った。
『お姉ちゃん、がんばって竜のはなよめさんをめざすから! アンやみんなが毎日お腹いっぱいになれるようがんばるから』
 私たちの新しい家族は竜に心身を捧げる一族で、竜の花嫁を育てるために姉と私を引き取った。
 私たちが来れば、孤児院のみんなにご飯をあげようと約束してくれた。
 姉か私が『竜の花嫁』になれば、孤児院を安心して暮らせる村にしてあげようと言った。

 幾年かを経て、姉は――キャサリンは見事、竜の花嫁に選ばれた。
「素晴らしいわ! おめでとう、キャサリン」
「あなたには名誉が与えられる」
「素敵ね」
「みんなが幸せになるのね」
 そんな風に『微笑んで』私が言えば、キャサリンもとても幸せそうに微笑んだ。
「ありがとう、アン。ねえ、これからも、この素晴らしさを伝えていって頂戴。そうしたらみんな幸せになれる時がくると思うの」
 …………竜に心身を捧げる一族、その役割。指南役として、これからも私は生きていく。この素晴らしさを伝えていかなければならないのだ。


「アイリッシュ海の戦いで、氷のベディヴィア卿を撃破することができたわね。皆さんのおかげでドラゴンの本拠地、グレートブリテン島に上陸できるようになったわ」
 ディアボロスの活躍により新たな活路が拓いたことを説明するイリス・マーフィー(人間のリアライズペインター・g03321)。
「上陸した場所は、景勝地として有名な湖水地方。
 この湖水地方は、ジェネラル級ドラゴンであり円卓の騎士『氷将竜サグラモール』によって守護されているみたい」
 この地方には『竜の花嫁の湖』と呼ばれる湖が多くあり、竜の花嫁が命を捧げる前に、穏やかに満足して暮らせる別荘が建てられているようだ。
「でもこの数ある別荘は、イギリス各地から集められた『竜の花嫁』たちが、最後の時を穏やかに迎えるためのものなの。……今もそう。滞在している竜の花嫁がいるわ」

 『竜の花嫁』キャサリンとその家族は、近隣の町の住民に歓待されながら滞在している。
 別荘の周辺――湖沼地帯は穏やかな季節が訪れていて毎日がピクニック日和だ。
「今は水仙や野ばら見頃かしらね? 今回は竜の花嫁との接触を目的にしているのだけれども、クロノヴェーダとの戦いは発生しないし、皆さんものんびりしてきたらどうかしら?」
 束の間の休息というやつだ。
 のんびりピクニックをするのも良いだろう、とイリスは言う。
「キャサリンさんや町の人たちはガーデンパーティなるものを開いてのんびりしているみたい。美味しい料理や、音楽や曲芸を楽しんで、ゲームをして。……お別れに向けて――幸せな時間を重ねている最中なのでしょうね」
 家族や親しい知り合いが祝福するために集まっているのだ。
「彼らは竜の花嫁は名誉なことだと信じてきっている。でも命を捧げて死んでしまうことに疑問を持っている人もいるみたい。そんな疑問を持っている人とうまく会話できれば、いろいろな話を聞くことが出来るかもしれないわね」
 竜の花嫁の前で芸を披露したり、料理を持ち込んだりして、竜の花嫁の関心を得れば直接話をするチャンスが得られるかもしれない。
 竜の花嫁は、洗脳されているのか、自分の命を捧げることに疑問を全く持っていない。
 だが何らかのきっかけがあれば、竜の花嫁として命を捧げることに疑問を持たせることが出来るだろう。

「まずは竜鱗兵が増えるのを抑えていくことから始めましょう」
 やれることから少しずつとイリスが言い添える。
「『竜の花嫁』というこの制度は、幻想竜域キングアーサーにおいて重要なものだと思うの。これを覆すことが出来れば、ドラゴンの力を削ぐことが出来るかもしれないわね」


 竜の花嫁の無聊を慰めるため、という建前で集められている各地の料理や雑貨を提供する出店や大道芸人、吟遊詩人。小さな市場が開かれていて商人の行き来もある。
 賑やかな町は富裕層向けの観光地だ。
 現地は人間、ドラゴニアンの姿も多く見かける。
 出店では肉と野菜を煮込んだカウルが振舞われていて、ピクニックのお供にと紹介されるのはチーズトーストやフルーツケーキでもあるバラブリス。

 町を出ればいくつものなだらかな丘が遠くに見えた。
 穏やかな日差しのなか、開かれたガーデンパーティを中心に、家族連れがピクニックをしたり、恋人同士が散策をしたりとしている。
 草原では寒い冬を越えて、眠りから覚めたように一斉に花たちが咲いている。
 レースのように広がるカウパセリ。
 春の象徴のラッパ水仙、整えられた生垣には桜にも似たスモモの花。繁った根元にはウッドアネモネ。
 散策をしてみれば他の花たちも見つかるかもしれない。
 幸せそうに過ごしている彼らに紛れて、たまにはのんびりと過ごしてみるのも良いだろう。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【現の夢】
1
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【勝利の凱歌】
1
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【友達催眠】
2
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【熱波の支配者】
2
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【壁歩き】
1
周囲が、ディアボロスが平らな壁や天井を地上と変わらない速度で歩行できる世界に変わる。手をつないだ「効果LV×1人」までの対象にも効果を及ぼせる。
【無鍵空間】
1
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【口福の伝道者】
1
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【おいしくなあれ】
1
周囲の食べ物の味が向上する。栄養などはそのまま。効果LVが高いほど美味しくなる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【アイテムポケット】
2
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV3 / 【ガードアップ】LV2 / 【凌駕率アップ】LV1 / 【リザレクション】LV1 / 【先行率アップ】LV2 / 【ダブル】LV1 / 【ロストエナジー】LV4 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

ねこあじ
 ねこあじです。
 グレートブリテン島で竜の花嫁と接触してみるシナリオとなっています。
 よろしくお願いします~。

 ①竜の花嫁との接触。
 🔵か🔴で達成すると完結してしまうので、執筆は最後の方に回ります。
 採用は成功度達成に必要な人数くらいです。

 ②絶景を観光しよう。
 湖沼地帯でのピクニックです~。
 気候は穏やか。野花が咲いていて、近くの町でご飯もゲットできますね。
 最初に執筆予定です。
 採用人数上限なし。プレイング来なかったら普通にそのまま閉まります。

 ③竜の花嫁の家族や恋人との接触。
 二番目に執筆します。
 オープニングの妹さん以外にももちろん家族や知り合いがいます。
 採用人数はたぶん上限なしかと。
45

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


リヒト・アルカディオ
「美しい景色だ」
キャサリン達のガーデンパーティーにさり気なく気を配りながらも、ひとり景色を眺める。

普段は任務や訓練で殺伐とした日々だからな。
(「戦うこと」が私の存在意義なので、不満などあろうはずもないが)
せっかくの機会だ。のんびり景色でも楽しむとするか。

生きた瞳ともう片方の機械化された眼球にワイルドフラワー・メドウ(野の花の草原)や丘やその向こうに見える湖沼を映し、散策。

機械化された眼の視界に映る花について検索したデータベースを読みながら【観察】。
「おや、蝶が⋯」
虫達も活動を始めているのを見て、グレートブリテン島の春をより実感する。


 町を抜けると誂えられたかのような古めかしい家が目に入った。
 庭には春告げる使者・ブラックソーンの白花が、日本の桜のように満開となっていた。
 鬱蒼とした蔦の繁る家屋の横を通り過ぎれば湖沼地帯が広がっている。草原と、湖。向こうにはなだらかな丘が重なっており、空は水色を重ねていくグラデーション。
 リヒト・アルカディオ(サイボーグの殲滅機兵・g01368)が風に揺れるカウパセリの花々を見遣れば、緑の生地に細やかなレースが彩られているかのようだ。
 瑞々しい空気。それでいて湿度は高くない。リヒトの計器がそう告げていた。
「美しい景色だ」
 朗らかな声が聞こえてきて、そちらへ目を向ければガーデンパーティへと向かうドラゴニアンの少女たち。きっと『竜の花嫁』をひと目見ようとしているのだろう。彼女たちの歩みや声は弾んでいた。
 緊張感のない平和な声が、風で揺れシャラシャラとした葉擦れの音が、常に身の内に在る強張りを解していく。
 普段は任務や訓練に明け暮れた、殺伐とした日々を過ごしている。
(「『戦うこと』が私の存在意義なのだから、不満などあろうはずもないが――」)
 これも休暇の一種だ。彼はそれの過ごし方を知っている。
 歩を進めれば草地の間に素朴な木道を見つけた。踏み入ってから見つけるささやかな案内役が途切れ途切れに設置されるワイルドガーデン。
 鮮やかな黄色のダファディル、マーシュマリーゴールドは身を乗り出すようにして花々を湖に映している。アメンボが水面にゆらぎを与える景色はひとときとして同じものがない。
 リヒトの紫の瞳は同じのようでありながら、違うもの。生きた瞳ともう片方は機械化された眼球。
 そこに映される景色は同じものでありながら、違うもの。
 時に風はワイルドフラワー・メドウを波打って囀らせる。丘に到達する秒速を察しながらもリヒトはあるがままの自然を眺めた。
 機械化された眼の視界に映る青い花――データベースにあった勿忘草にまつわる物語を読みながら観察する。
 その時ひらりひらりと不規則に舞うものが視認された。
「おや、蝶が……」
 シックな色合いの蝶が花に止まっては次の花へ。人では到底だせない優雅な動きを見て、リヒトは僅かに微笑んだ。
 グレートブリテン島の春。
 今、この地では平等に、燦々とした祝福の陽射しが注がれていた。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!

ガーデニア・ラディーチェ
・人形「ロズリエル」の手を引いて花の群生地に

冬は嫌いよ
病に倒れた貴方の後を追って、一緒に永い眠りについた季節だもの
でも、漸く春が来たのね
色々な花が咲いているわ

草原に座ったは良いものの、さて、どうしようかしら
ね、ロズ。あの頃みたいに物語でも読み聴かせましょうか?
病弱な貴方が寝伏せっていた時に、子守唄の代わりに、よくそうしていたみたいに
問いかけても、答えは返ってこないけど

花の中心に2人で座って、童話集を広げて
春に纏わる穏やかな物語を選んで


大丈夫よ
何も心配は要らないもの
貴方の永い眠りも、貴方が愛した花々や物語も
ぜんぶ、わたしが護るから

寂しさには見ない振りをして
ロズ、今日も愛しているわ
だから、良い夢を


 日本の桜の様に咲き誇っているブラックソーンの花々は、満開の時を過ぎゆかんとはらはらと花弁を舞い落とす。
 風が吹けば花擦れで枝が囀る。
 ダファディルの鮮やかな黄色、湖面はのぞき込むマーシュマリーゴールドや空に揺蕩う白雲を映している。
「漸く春が来たのね、ロズ」
 自律型人形・ロズリエルの手を引いてガーデニア・ラディーチェ(クチナシの花護り・g03839)はゆっくりと歩いた。
 片方には手に馴染む装丁の童話集。
「……冬は嫌いよ。病に倒れた貴方の後を追って、一緒に永い眠りについた季節だもの」
 あの時、確かにガーデニアの世界は色を失くした。
 瞬きを一つ。春の陽射しが注ぐ、青々とした世界へと目を向ける。
「色々な花が咲いているわね」
 草原では緑地に広がるカウパセリが繊細なレースのように彩を添えていた。
 手を繋いで、一緒に歩いて。
 今、色ある世界で二人は共に過ごしている。

 花が群生する場所を見つけてひと休み。腰を下ろせば視点が変化し、背高の花が空を仰いでいてガーデニアも刹那に倣う。
「さて、どうしようかしら」
 ガーデニアは口遊むようにそう呟いた。声は悩んでいるものではなくて、何をして遊ぼうかしら、というような幼さが含まれている。
 ロズリエルと一緒に過ごすための時間を考えることが楽しい。
「ね、ロズ。あの頃みたいに物語でも読み聴かせましょうか?」
 広げた童話集の目次のページ。題名を指先で追った。
「病弱な貴方が寝伏せっていた時に、子守唄の代わりに、よくそうしていたみたいに」
 ね? と、もう一度問いかける。答えは返ってこないけれども。
 見上げれば、穏やかな表情に迎えられる。
「ロズリエルの好きそうな童話を見つけたの」
 それは春に纏わる穏やかな物語。
 ガーデニアの優しい声に添うは風揺れる草花たちの囀り。
 春の陽気はぽかぽかとしていて、少女の声はいっそうゆったりとしたものに。
 読み続けるガーデニアの長い髪先にふと何かが落ちてきた。
 桜のような、花弁の欠けた花。でも彼の木は近くにはない。
「?」
 ロズリエルを見れば、その髪に先程通り過ぎたブラックソーンの花弁がひとつふたつ。彼が頭を傾けたことで滑り落ちてきたのだろう。ガーデニアは手を伸ばして花弁を摘んだ。
 思いがけない贈り物みたいだった。
 まるで意志あるかのような……ガーデニアは目を瞬かせて、熱くなったものを払う。
 大丈夫。
(「何も心配は要らないもの」)
 自身を力づける言葉が次々と心に湧いてくる。
(「貴方の永い眠りも、貴方が愛した花々や物語も」)
「ぜんぶ、わたしが護るから」
 彼の瞳が映すのは花緑青。
 彼が映すのなら、強く、柔らかくありたい。
「ロズ、今日も愛しているわ」
 ――だから、良い夢を。
 そう願い告げて、ガーデニアは微笑んだ。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【壁歩き】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!

エラ・パーカー
旦那さまの游くん(g00727)と、妹の莉緒ちゃん(g04388)と3人で

新宿島に来てから初めて帰ってきたエラの故郷! (正確な場所は不明)
2人と来れるなんて嬉しいの♪

可愛い敷物に、スコーンとジャムにクロテッドクリーム
それから2人の紅茶と自分用の麦茶を準備

游くんと莉緒ちゃんのおかげで、立派なハイティーね♪

懐かしい水仙の香りに、最愛の旦那さまと大好きな妹
ここで穏やかな気分になれるって思わなかった…

ねぇ…游くん、莉緒ちゃん
大好きよう♪
もう、游くんったら!
冗談っぽくむくれておく!

ゆったり幸せな時間に、好きな子守唄を口遊むの
(可能ならウェールズ民謡「SUO GAN」)


アドリブ歓迎
他の人との絡み不可


如月・莉緒
エラお姉ちゃん(g03253)と築土さん(g00727)の3人で

ここがエラお姉ちゃんの故郷?
すごく綺麗だし、いい所だね

エラお姉ちゃん、準備ありがとう!

私も持ってきたお菓子とフルーツを広げて
築土さんの持ってきたサンドイッチも、エラお姉ちゃんが用意してくれたスコーンと紅茶もどれも美味しそう!

綺麗な風景と水仙の香りを楽しみながらアフタヌーンティー気分

大好きで大切な二人と過ごす時間

私もエラお姉ちゃん大好き!
そしてエラお姉ちゃんを幸せにしてくれる築土さんも私にとっては大切な人だよ

もー、二人とも仲良しだなぁ
なんてやり取りを微笑ましく見つめて

優しく耳を打つ子守唄にうとうと微睡む

アドリブ歓迎
他の人との絡み不可


築土・游
妻のエラ(g03253)と、従妹の莉緒(g04388)と3人で

エラの故郷ブリテン島…ドラゴンが居るとかなんとか(きょろきょろと)
春の陽気に家族とピクニック…なんだか感慨深いな

2人が紅茶やお菓子を用意してくれたから俺は簡単な軽食を…定番のサンドイッチ!そういえばイギリス発祥だったか?
エラが用意してくれた紅茶と莉緒のお菓子を頬張り、欲張ってむせたり、水仙がどれだか聞いてみたり…平穏なひと時を穏やかに過ごして

エラの一言に「俺もエラと莉緒の事、大好きだぞと」
…なんだか不味った気がする

子守歌に揺られながら微睡む

アドリブ歓迎
他の人との絡み不可


 束の間の春。
 夜は寒いけれども、一度太陽が昇れば燦々とした陽射しが草花たちを元気づける、生命力に溢れた湖沼地帯。
「ここがエラお姉ちゃんの故郷?」
 柔らかな草地で歩みを弾ませて、如月・莉緒(恋愛至上主義・g04388)はまるで妖精のような可憐さでくるっとターン。
 シックな色合いの蝶々たちが花から花へと飛んでいく。
 春の陽気を含む風が吹けば、緑の絨毯をレースのように彩るカウパセリが揺れてシャラシャラと囀った。
「すごく綺麗だし、いい所だね」
「ありがとう、莉緒ちゃん」
 莉緒の明るい声に、先を行く彼女に追いつこうとエラ・パーカー(adore song・g03253)の歩みも軽やかなものとなる。
 新宿島に辿り着いてからの初めての帰郷。新宿島と違う空気はただただ懐かしい。瑞々しい自然の香りを胸いっぱいに吸い込んだ。
「ここがグレートブリテン島……」
 二人の後をついてくのは築土・游(アトミックハーツ・g00727)だ。呟いて、きょろきょろと辺りを見回した。
 向こうにはなだらかな丘が重なり、手前には空を映す青い湖。
「聞いた話によれば、ドラゴンが居るとかなんとか――」
 外へと出てしまえば空から監視するドラゴンを見かけることもあるだろうが、島内陸となるこの辺りは『竜の花嫁』のためのもの。
「游くん」
 エラに呼ばれて游は警戒しながらも緊張を解いた。何より、エラがリラックスしている――ここに『敵意』は無い。
 差し出された彼女の手には唯一の愛の証。きゅっと握る。
 彼の空いた手にはピクニックバスケットが提げられていた。
「春の陽気に家族とピクニック……なんだか感慨深いな」
 游の言葉に妻のエラがこくんと頷いた。
「二人と一緒に、エラの故郷に来れるなんて――とっても嬉しいの♪」
 長閑な風景のなかでゆっくりと歩く。穏やかなひとときだ。
 その時、莉緒が二人を呼んだ。
「エラお姉ちゃん、築土さん、いい場所を見つけたよ」
 莉緒が指差した先には小さな湖。岸辺には鮮やかな黄色のマーシュマリーゴールドが湖面を覗いていた。

 可愛らしい柄の敷物を広げて、エラがバスケットから取り出したのはスコーン。
 茶器に注がれたのは香り立つ温かな紅茶と、香ばしさを感じるふくよかな麦茶――こちらはエラ用だ。
「はい、莉緒ちゃん」
 一式を莉緒の前へ。彼女は嬉しそうにはにかんだ。
「エラお姉ちゃん、ありがとう! 私の持ってきたお菓子たちも食べて食べて」
 美味しいんだよ、と莉緒が敷物の上に並べたのは、動物の形をしたサクサククッキーやカットフルーツだ。柑橘類を中心に、可愛らしい赤色の苺。
「築土さんは――」
「俺は、二人が紅茶やお菓子を用意してくれたから軽食を担当したよ」
 ハムや野菜、卵を使った定番のサンドイッチだ。
「そういえばサンドイッチはイギリス発祥だったか?」
 十八世紀かその頃だったか、と游が記憶を探っているとくすくすとしたエラの声。
 彼女を見れば、何故か並べたものを眺めて楽しそうな様子。
 その答えは直ぐに明らかとなった。
「游くんと莉緒ちゃんのおかげで、立派なハイティーね♪」
「アフタヌーンティーにご飯がついちゃったから?」
「そうそう」
 莉緒の言葉に頷くエラ。
 野菜のサンドイッチはハムやチーズが挟まっている。ふわふわとした卵は鉄板だ。とても美味しい。
 照り焼きチキンのサンドイッチはタレがパンに染みこんでいる。
 味に馴染む舌をさっぱりと切り替える紅茶や麦茶。
 カットフルーツは芳醇な香りを放っていて瑞々しい。
 スコーンにはたっぷりのクロテッドクリームとジャムが添えられていて、食べ飽きることはない。
「うん、美味い。これもだがそっちも――……ぐっ」
 ジャムもベリー系や柑橘系とあれば、欲張って頬張ってしまうもの。喉に詰まらせたらしき游がぷるぷると片手を上げれば、慌ててエラが紅茶を注ぎ足して与えたり。
 ひと騒動を交えながらも綺麗な風景を眺めての穏やかなひととき。
「あっちがカウパセリで、こっちがラッパ水仙で、湖に並んで咲いているのがマリーゴールドなんだね」
「そうそう」
「桜みたいなのがブラックソーン」
 グレートブリテン島の植物をエラが教えてくれたので、覚えたものを早速莉緒が答え合わせのように披露した。エラからぱちぱちと拍手が送られる。
「????」
 どれが何だって? という游の表情。戦場に生きてきたのだ多少の無粋は致し方なし。
 游の手を引いて、エラは敷物の近くに咲くラッパ水仙――ダファディルの近くへと導いた。
「二人とも仲良しだなぁ」
 二人を眺めて莉緒が呟けば、聞こえたのかエラはぱっと顔を上げた。莉緒の手を取る。
「?」
 妻を挟んで従妹と目が合う游。
「エラ?」
「ねぇ……游くん、莉緒ちゃん、大好きよう♪」
 二人と手を繋いで、頬を染めて、幸せそうにエラが言った。まるで花嫁のようだ――陽光に輝く髪はまるでヴェールのように。
 ぱっと笑顔になる莉緒。
「私もエラお姉ちゃん大好き! エラお姉ちゃんを幸せにしてくれる築土さんも、私にとっては大切な人だよ」
「ありがとう~~大好き~~!」
 ぎゅっと莉緒を抱きしめるエラ。そして同時に游へと視線が集中することになった。
「……」
 游はこほんと咳払い一つして。若干目を逸らして。
「俺もエラと莉緒の事、大好きだぞ」
 ……。
 …………。
 返ってきたのは、沈黙?
(「…………何だか不味った気が」)
 反応がないことにギクリとして游は二人へと視線を戻した。
 莉緒がにやっと笑っていて、エラはぷるぷると震えてむくれているような……游は正座した。
「エラが一番大好きだ!!!」
「もう、游くんったら!」
 冗談っぽくむくれただけなのに! 改まった告白が飛んできてエラはどぎまぎ。
「もー、二人ともほんっっとうに仲良しだなぁ。築土さん、そこは『愛してる』だよ~」
 先程呟いたことを、今度はしっかり揶揄するようにして莉緒が言った。

 美味しく食べて、楽しさにひとしきり笑って。
 莉緒と游が誘われたのはまどろみ。
 懐かしき奏でをエラが口遊む。
 伸びやかな天使のような歌声で、母の愛を、愛おしき我が子を優しく紡ぎあげる子守唄。
 添えられるのは春の陽射し。風揺れる草花の囀り。
 揺蕩う幸せな時間をエラの子守唄が包みこむのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!

桜・姫恋
絡み・アドリブ歓迎

【ヨアケ】のみんなと。

ピクニックー楽しみだねーみんなお誘いに乗ってくれてありがとうね?

みんなで持ち寄ったのを食べるから私も持ってきたよ!
唐揚げに卵焼きとかのお惣菜系ね!
後なんかチーズトーストとかオススメされたから買ってきたよ!

みんなは何持ってきたのかな?楽しみだー 

わーい!琥兎のサンドウィッチ楽しみだったの!!苺のサンドウィッチもらうねーーーー!!

リディルのは……大きいおにぎりね?なんの具が入ってるのかしら?

景色も楽しみつつ皆でワイワイとピクニックも楽しむ

たまにはこういう風にのんびりと過ごしておかないとね?息抜きも必要よね♪


緋詠・琥兎
【ヨアケ】
これはいい眺めだな

お誘いありがとうな
桜嬢
ケーキもあるぞ

自分が持ってきたランチメニューは
一口サンドウィッチ
(卵・ハム・ツナマヨ・野菜・苺+ホイップの計5種類
野菜のコンソメスープ
桜餅
チョコミント大福
苺のチーズタルト

桜のほうじ茶
緑茶
だな


喫茶店でもサンドイッチを作っているからな
慣れているんだ

もえ……?
いや、聞いた事がないんだが
(SNS方面は無知

まぁ、喜んでくれて何よりだ

百鬼のは何気に豪勢なだな?!
(百鬼のツナマヨサンドは察して燈杜美にあげる

リディル嬢のは食べ応えがありそうだ

各自の持ち帰り用のタッパはあるから
使うと良い
アオイ嬢

ランチが落ち着いたら
燈杜美に演奏を頼もうか


アドリブ
絡み歓迎


リディル・ヴェント
今日は【ヨアケ】の皆とピクニックよ!(エアライド使いながらのスキップ)
キレイな場所で花嫁を探しているなんて、なんて贅沢なドラゴンなのかしら…!

フフフ、琥兎さんにリクエストしていたのよ「さんどいっち」!
すごい!色んな味の物があるわ!見た目もすごくキレイだわ!
こういうのこう言うんでしょ?「モエダン(萌え断)」!

みんなも美味しそうなおかずありがと!

アタシはこれなら作れるかしらと思って作ってみたのよ。
「オニギリ」!(マンガに出てきそうな、なんか一個一個がデカイやつ。)

燈杜美さん、演奏してくれるの!素敵だわ、優雅な時間ね!(お茶とおやつを食べながら演奏を聞く)


百鬼・運命
【ヨアケ】で参加
アドリブ絡みOK

心情
ふーむ、料理を持ちよってのピクニックか。なかなか楽しそうだ

行動
【アイテムポケット】にピクニックに使用できそうなレジャーシートや椅子、パラソルといった道具を一式詰め込んで参加。いい場所で道具を取り出し設営。

「さて、誰が用意してくれた料理も上手そうだな」

実は数少ない苦手料理のツナマヨはよけつつ、いろいろと皆の用意した料理をつまんでいきます

「さてそれじゃあ俺も料理を出そうかな」

下拵えしてダッチオーブンに詰めてきた丸ごと鶏を現地で火にかけて鶏の丸焼きに。中に詰め込み、鶏の旨味を吸ったピラフも絶品。

最後はサクラの代わりにスモモで花見。桜餅も緋詠さんが用意してくれたしな


アオイ・ダイアログ
【ヨアケ】で参加です🎵

みんなでピクニックはなかなか出来ないですからねー、ワクワクしますね🎵

琥兎さんがチョコミントを用意してくれるらしいので、私はいなり寿司と肉団子を持ってきましたよ🎵
遠慮せずどうぞ!

琥兎さんはもう出張喫茶店出来そうなラインナップですねどれも美味しそうです🎵
運命さんもやたら本格的! スゴい美味しそうです!

リディルさんのは所謂爆弾おにぎりですかね?
私には少し大きいですね……

あ、バラブリスとかいうやつですね。私初めて知りました
現地の食べ物も気になりますよね

……これじゃ花より団子みたいですね?
ちゃんと景色を楽しみますか

うんでも……みんなで来たんだし、賑やかなのが一番ですね🎵


 桜みたいなスモモの花、ブラックソーンがはらはらと花弁を落とす。
 その下を【ヨアケ】の面々が歩く。春の明るい陽射しのなか、軽やかな歩みで草原へと入る桜・姫恋(苺姫・g03043)。
 その隣ではぴょんぴょんと、跳ねるスキップを披露するリディル・ヴェント(ゲットレディ・g00550)。
「今日は楽しい楽しいピクニック~♪」
「ピクニックー♪ 私もものすごく楽しみにしてたよ!」
 歌うようなリディルの言葉とスキップにつられて、姫恋も跳ねるようにくるり。にこにこ笑顔が振り返る。
「みんな、お誘いに乗ってくれてありがとうね?」
 そんな風に礼を言った彼女に、緋詠・琥兎(その身に潜むは破滅か。それとも朧げな標か・g00542)はゆるりと首を振った。琥珀と薄薔薇色の瞳が穏やかに姫恋へと向けられている。
「いいや、こちらこそだ。お誘いありがとうな、桜嬢」
「みんなでピクニックはなかなか出来ないですからねー。さてさて、場所はどこにしますか?」
 アオイ・ダイアログ(響き合う言霊の繰り手・g02687)はきょろきょろと辺りを見回して、あっと声をあげた。
「ベストプレイスを発見ですよ!」
 指差したのはいわゆる湖畔だ。鮮やかな黄色のマーシュマリーゴールドが覗くようにして水面に映りこんでいる。時にアメンボがゆらゆら、穏やかな波紋の広がりを見せてくれるようだ。
「ここならゆっくり過ごせそうね」
 うんうん、とリディルが頷き、そして何かに気付く。
「そういえば敷物とかって、誰が用意してくれたんだったかしら?」
「あ、俺が」
 すっと小さく挙手して応えたのは百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)である。
 いくつかある小さなポケットから取り出したのは、可愛らしい柄のレジャーシートやくつろぎ用の折りたたみ椅子、簡易テーブル、シートと色違いのパラソル。
 テキパキと設営していけばすっかりおしゃれピクニックの場が出来上がり。
「さあ、座って座って。みんなでお披露目といこうか」
「じゃあまずは私から。どんどん食べていこうね!」
 姫恋がランチボックスを開けば香ばしい唐揚げ、ふんわり甘い匂いが漂う卵焼き。葉物の上に盛り付けられたおかずにミニトマトがあちこちに飾られている。
「えいっ。唐揚げの隣に肉団子置いちゃいますね。そしておいなりさんですよ」
「わ。おいなりさん、可愛いね」
 姫恋がアオイの持参したいなり寿司を見て、ほわっと微笑んだ。飾り切りの人参、コーンやサーモン、ちらし寿司みたいに彩り豊かだ。
「お花見仕様のいなり寿司なんだな」
 美味しそうだ。
 琥兎の言葉に、アオイは嬉しそうに頷いた。

 お披露目をしながらいただきます!

「すごい! この肉団子、味噌味もあるのね!」
 リディルが感嘆の声を零した。
 唐揚げも塩唐揚げ、生姜醤油と味変豊かだ。
 頬張るリディルはにっこにこと幸せそう。
「卵焼き、ほっとする味だな」
 じっくり味わって食べるのは運命。
「こちらは自分が持ってきたランチメニューだな」
 と、琥兎が出したもの――まずは一口サンドウィッチ。定番の卵、重ねられたハム、ツナマヨと季節の野菜、そして――姫恋が「わーい!」と目を輝かせた。
「琥兎のサンドウィッチ楽しみだったの!! 苺のサンドウィッチもらうねーーーー!!」
 指先はしゅぱっと流星の如き閃き。それは狩りの如き鮮やかさ。苺とホイップの一口サンドウィッチの一つ目は姫恋の口の中に。
 それを見たリディルは胸を張った。
「フフフ、姫恋さん、アタシを褒めて」
「?」
「琥兎さんにリクエストしていたのよ『さんどいっち』! ――や、こんなに種類があるなんて思ってもいなかったけれど」
 食べている最中の姫恋は親指と人差し指で『ハートの気持ち』を作り、リディルに送った。
「喫茶店でもサンドイッチを作っているからな。慣れているんだ」
「俺は野菜と卵と、いただいていこうかな」
 一口サイズなので数はたっぷり。いくらでも食べられる。ひょいひょいと運命が摘んでいく。余りそうなツナマヨは琥兎の手で燈杜美へと献上されるようだ。
「色んな味の物があって、見た目もすごくキレイだわ!」
 リディルも摘んで食べていく。
「こういうの、こう言うんでしょ? 『モエダン(萌え断)』!」
「もえ……? いや、聞いた事がないんだが……」
 SNS方面を知らない琥兎は不思議そうな表情になる。
「…………そうなると、この卵焼きもモエダンだな」
 くるくる~と巻かれた卵の断面図を向けて運命が真顔で超適当なことを言った。ナルホドとリディルが真面目に頷く。
 これもモエダン。
 現代っ子のアオイは思った。たぶんちょっと違う、と――。
 琥兎のピクニックバスケットからはさらに何かが出てくるようだ。
 体があったまる野菜のコンソメスープに、ほのかに甘い桜の香りを楽しむほうじ茶、和の心な緑茶。
「こっちはデザート」
 風味ある塩気の桜餅、すっきりとした味わいのチョコミント大福、そして苺のチーズタルトだ。
「琥兎さんのはもう出張喫茶店出来そうなラインナップですね。どれも美味しそうです♪ ちょっと甘いのが欲しくなったから、これいただきますね」
 にこにこしながら、すっとした味のチョコミント大福を食べるアオイ。
「どれも美味しいわね~。アタシはこれなら作れるかしらと思って作ってみたのよ」
 ご飯の合間に一旦スイーツの繊細さを味わったところでリディルがドン! と出したのは、
「オニギリ!」
 ――それはおにぎりというにはあまりにも大きすぎた。大きく、質量があって、重い。
「はい、アオイさん♪」
「は、はい」
 リディルに手渡されたおにぎり、ずっしり重量級。砲丸かな? とまでは言わないが、明らかに米粒だけじゃない何かが入っている。
「……大きいおにぎりね? なんの具が入ってるのかしら?」
 ぱくっと姫恋が食べてみる。グリーンリーフと卵とナポリタン、タコさんウィンナーが「やぁ」と顔を出した。
 大葉漬けと炭火焼と卵、チキン南蛮と卵――卵はすべてを調和する。
「リディル嬢のこれは――食べ応えがありそうだ。アオイ嬢は食べ切ることが出来そうか?」
「いわゆる爆弾おにぎりですかね? 私には少し大きいような……」
 中身が気になりながらもアオイが言えば、琥兎が持ち帰り用のタッパを出してくれた。
 さらに運命がアウトドア用包丁を出してくれた。
「じゃあ半分いただきます!」
 アオイが爆弾おにぎりをカットするとゆで卵の艶やかな断面図、人参、そぼろ、葉物の層が現れた。
「はっ。こ、これはモエダンですね!」
「やったわ。アタシも『ばえ』の仲間入りね!」
「あ、今はチルるのが流行ってたりしてますよ」
「??????」
 アオイとリディルの会話が宇宙語みたいに琥兎には聞こえた。
「チル、る? 散るる? 古語?」
 と、誰かが呟く。

「さて。それじゃあ俺も料理を出そうかな」
 持ち寄った料理を食べながらまったりとした空気が流れ始めたところで心機一転(?)。運命が取り出したのは……鍋であった。
 正確にはダッチオーブン。
 中に詰められていたのはまるごとの鶏(下拵え済)だ。
 一緒に出した焚き火台でダッチオーブンを火にかけた。
 琥兎に頼まれて軽快な曲を演奏しはじめる燈杜美。場は完全にアウトドアクッキングとなっていた。
 そうして出来上がったのはローストチキン!!
 じっくり焼いた&蒸された鶏の最後は炙り。皮はパリっと。お肉はほろほろ!!
 中に詰められていたピラフは肉汁をたっぷり吸って素材の旨味を逃さない。
「ここに投入すべきなのは、現地のオススメね。チーズトースト!」
 姫恋がオススメされて買ってきたチーズトースト。様々な調味でこってり煮込まれたペーストとチーズのハーモニー。舌に残る旨味をまるごと胃へと案内してくれるだろうな代物。
「わ、すごいです。美味しいの組み合わせですね。私、バラブリスっていう現地の食べ物も気になってます」
 そう言ったアオイは、はたと気付いた。今日は食べてばっかりだ。
「……これじゃ花より団子みたいですね?」
 呟いて、周囲の景色へと視線を移すのだが、賑やかな声に視線はみんなのもとへと戻ってしまう。
(「うん、でも……」)
 これはこれで楽しい景色、癒される景色だ。
「みんなで来たんだし、賑やかなのが一番ですね」
「うん。たまにはこういう風にのんびりと過ごしておかないとね? 息抜きも必要よね♪」
 アオイの呟きが聞こえた姫恋がにっこり笑顔で言った。
 燈杜美の演奏は清らかな雅ある曲調へと変化していて、リディルはお茶を手にうっとりと聴いている。
 春の日和。
 風吹けばしゃらりしゃらりとカウパセリが奏であう。
 ブラックソーンの花弁たちが空に舞うのを運命が見つけ、皆に教えた。
 それは桜と同じ、春を感じさせる香り。
 改竄された世界での、儚き時間。けれどもそれは一緒に過ごした思い出。これからも積み重ねてゆける時のひとつであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【おいしくなあれ】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
【アイテムポケット】がLV2になった!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【リザレクション】LV1が発生!
【ガードアップ】LV2が発生!
【先行率アップ】がLV2になった!

遠遠・忽
アドリブ・絡み歓迎や

第一には妹さんの話を聞きたいかな
あとは、他に竜の花嫁を送り出したことのある人の話とか
そういう人からちょっと寂しいとか言う言葉が引き出せたら
妹さんからも本音が聞けるかも
今までのが本音やっても、考え直してもらえるかも

そして妹さんが否定するなら、お姉さんにも気持ちは伝わるんちゃうかなあ


 ドラゴニアンの少女たちがガーデンパーティへと入っていく。
 きゃっきゃとした華やかな声はちょっとばかり密やかめいてて、さわさわと。それが地に足が着かない夢見がちな雰囲気を強調していた。
 遠遠・忽(抜きっぱなしの伝家の宝刀・g00329)はそんな周囲の様子を感じながら『竜の花嫁』に近い場所へと歩いていく。
 耳を澄ませて人々の会話を拾っていく。
 ――今日は良い天気だ。
 ――花嫁の一族に献上したいものがあるのだが。
 ――花嫁様をひとめ見たいわ。
 ――これで貴女の一族も安泰ですね。
 ふと、一族に関した声が聞こえて忽は振り向いた。
 見れば、二十歳くらいの女性と壮年の男性。
 女性――恐らくはアン――は控えめに微笑んでいる。
「あの」
 とててっと駆けた忽が二人を見上げて話しかける。
「竜の花嫁さんのお話を聞きたいんですけど、どなたか詳しい方はおられます?」
 あ、うちは遠遠といいます。
 そう自己紹介をすると、女性の方はアン、男性の方はジェイクと名乗ってくれた。共に人間だ。
「どういったことを聞きたいのかな?」
 ジェイクが少し身を屈めて忽に問う。
「竜の花嫁さんを送り出す時って、どんな別れの仕方をするんやろうと思って……」
「――ああ、僕の時は妹が花嫁となったのだけど、一緒に過ごして、悔いなく別れようと努力したね」
「努力……ですか」
 別れるための努力。それは気持ちを抑え込んだものだ。
「光栄なことだが、家族がいなくなるのはやはり寂しいものなんだ。後見し、お仕えする方を迎えるのと引き換えに妹はもうどこにもいないのだと思い知ってしまったね」
 それなりの年月が経ったのだろう、ジェイクは淡々と告げる。
「…………今度の竜の花嫁さんたちも、別れるための努力、してるんやろか」
 ぽつりとした忽の呟きに「ええ」と頷いたのはアンであった。
「アンさんも、寂しい?」
 ぽつぽつと問う忽の姿は、大人の建前を噛み砕いて理解しようとする子供のようだった。
「独りになると、ふとした瞬間、涙が出てくるの。花嫁のキャサリンは私にとって、姉で、母のような人よ。……そして親友」
 かけがえのない人なのだとアンは微笑んだ。
 だからこそ、頑張ってお別れしなければならない。
 光栄なことなのだから、とアンは言う。
 忽は何ともいえない表情をした。花嫁の前で、いつもアンは強がっているのだと気付いたから。
 それは常に建前を前面にしてキャサリンと関わっていたということだ。
「アンさんの本当の気持ち、お姉さんも聞きたいと思うんちゃうかなぁ」
 上手く言えんけど、と忽。
「甘えたり、我儘、言うてええと思う。姉妹も、親子も、友達同士も、色んな感情あって物言うやん」
 今のアンとキャサリンは、他人っぽい。
 そんな風に忽は思うのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!

リヒト・アルカディオ
純然たる「事実」の調査ならば問題無くこなせるのだが、他者の感情に沿った調査は正直あまり得意では無い。
⋯心の機微には疎いものでな。
しかし、これも敵の力を削ぐことに繋がる立派な任務だ。

一般人が相手なので武装は控え、普段通りのスーツ姿で。
場に合わせた丁寧な対応や話し方を。
芸の披露を求められたら、【指定パラドクス】で指先から炎を出して、奇術だとでも言っておこう。

妹は他の者に任せて外堀から。恋人や親しい友人を探し話しかける。
キャサリンが彼等の傍から居なくなるのだということを強調して話し、制度に対する懐疑的な感情を洗い出す。
「仲の良い姉妹で素敵ですね。微笑ましいあの姿をもう見られないとは残念です」


 竜の花嫁のためのガーデンパーティはどこかふわふわと地に足がつかない雰囲気が見受けられた。常日頃愛用しているオーダーメイドのスリーピース・スーツ姿で、リヒト・アルカディオ(サイボーグの殲滅機兵・g01368)は会場入りした。
 この場の花嫁を祝うという一般的な催しに違和感はない。
 だが竜鱗兵の卵を出現させるために花嫁の命は捧げられる。裏打ちされた事情は、一般的とは言えない。
「…………」
 純然たる「事実」の調査ならば、リヒトは問題なくこなす自信そして実力がある。けれども他者の感情に沿った調査は正直あまり得意ではないという自己分析。
 心の機微に疎いという自覚はあった。
(「しかし、これも敵の力を削ぐことに繋がる立派な任務だ」)
 ドラゴンを褒め称える、ドラゴンに近しい人間。虐げられる人間。
 幻想竜域キングアーサーのクロノヴェーダは『信仰』と『恐怖』を糧にする。白黒のように明確な二分だ。
 ここにいる人々は信仰の側。
 擦れ違う人に軽い会釈を送り、話しかけられれば人当たりよく丁寧に対応する。
「幸せそうだったね」
「本当に良かったわ」
 先程まで話し込んでいたのだろう。若い夫婦が歩み去るキャサリンを見送ったのちにそんなことを話していた。当の本人は自由気ままに過ごしているようで、他の友人の元へ。
「これで彼女の一族も安泰でしょう」
 と、夫婦に話しかけるリヒト。夫婦は「おや」という表情を浮かべ、すぐに破顔した。
「貴方も花嫁を祝いに?」
「はい。とは言っても賑やかし要員ですが、招待をいただいたので」
 そう言って指先を弾けばパッと炎が煌いた。
「おお、凄い」
「素晴らしいわ。わざわざ招待されるのだし、きっと重宝されているのね」
 上流階級なのか、二人とものんびりとした話し方をする。リヒトは僅かに首を傾げた。
「お二人は、花嫁とはご友人関係でいらっしゃる?」
「ええ。キャサリンと、それとアンとは友人なの。かつては私も竜の花嫁を目指していたのよ」
 勉強仲間か何かだったのだろう。婦人は「でもこの人と会ってしまったから」と夫の腕を引き寄せた。
「なるほど。別れを惜しんだのですね」
 リヒトの言葉に彼女は頷いた。
「次の花嫁は――キャサリンさんは別れを惜しむ相手はいるのでしょうか?」
 そう言ってキャサリンの姿を視界に捉えた。リヒトの視線を追うように夫婦もまたキャサリンの方を見遣る。
 彼女は妹らしき女性と話していた。よく似ている。
「花嫁ともなれば彼女はもう居なくなってしまう。……ああいう風に話し相手が尽きないところを見ると、皆から慕われていたのだなと感じます」
 ……寂しいですね?
 言葉にせず目線で訴える。
「……そうね。ね、あなた。私はもう少しキャサリンやアンとお喋りしてくるわ。この奇術師さんの相手をお願いね」
 夫の腕を離し、彼女は軽やかな足取りで姉妹へと向かっていった。
「おや。妻に振られてしまった」
「まあ、友人との一生の別れになるわけですから。良かったですね、奥方が貴方の花嫁となってくれて」
 竜の花嫁となってしまっていたら、この夫婦は婚姻前に仲を引き裂かれたであろう。
 他人事ではなく、自分の事として。ふむ、と男は何かを考え始めたようだ。
 物思いに耽るのを邪魔するわけにはいかない。この制度に対して、彼らには懐疑的な感情を抱いてもらわなければ。
 染まりきった信仰へ、罅のように伝播させれば上々だ。
「仲の良い姉妹で素敵ですね。奥方も楽しそうだ。――彼女たちの微笑ましいあの姿をもう見られないとは……残念です」
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!

エラ・パーカー
妹の莉緒ちゃん(g04388)と


エラ達も妹さんとお会いするの

こんにちはなの
エラはエラ、この子は莉緒ちゃん

莉緒ちゃんがお話をしやすい様に、声に魔力を乗せて【友達催眠】を

見つめる妹に微笑み返すして
お姉ちゃんとしての気持ちを

エラも死にたくないかな
哀しい思いをさせたくないの
この子が泣いちゃったらスゴく辛い…

あと最愛の旦那様を置いていけないしね?

結婚したばかりなの
莉緒ちゃんにも大切な人がいるから、いつか素敵な花嫁さんになってほしいな

嬉しい妹の言葉に照笑い
それから不思議そうに

ねぇほんとにいいのかな?
花嫁さんは誰かの為にじゃなくて、『自分が』幸せになるんだよう?
それを見てみんなも幸せになるの


アドリブ歓迎


如月・莉緒
エラお姉ちゃん(g03253)と

妹さんに声をかける

竜の花嫁ってあなたのお姉さんなの?すごいね

笑顔でそう声をかけて話をしつつ【情報収集】
花嫁になる=死ぬことってことに少しでも違和感を感じてる様子があれば【看破】

私なら…お姉ちゃんが死ぬのは嫌だな…

と呟き、エラお姉ちゃんを見つめる

私にもお姉ちゃんいるから…お姉ちゃんが私の幸せを願ってくれてることも分かる…
でも私は私の幸せのためにお姉ちゃんが死ぬのは寂しいし悲しいし嫌だなって思っちゃうな

エラお姉ちゃんの言葉に

ふふ…エラお姉ちゃんみたいな花嫁になるのは私の目標で憧れなんだ

喧嘩しても仲直りして、幸せな表情をするエラお姉ちゃんを私は大好きだから

アドリブ歓迎


 ガーデンパーティの場で考えに耽るようなアンの姿を見つけた。
「こんにちはなの」
 麗らかな春のように、やわらかくあたたかな声でエラ・パーカー(adore song・g03253)はアンに声を掛ける。
「こんにちは、あなたたちもキャサリンを祝いに来てくれたの? 私は妹のアンよ」
 彼女たちをアンは親しげにあたたかく迎え入れた。自己紹介にエラはこくんとひとつ頷いて。
「エラはエラ、この子は莉緒ちゃん」
 そう言って手を繋いでいた妹の如月・莉緒(恋愛至上主義・g04388)を紹介した。莉緒はアンへと人懐っこい笑顔を向ける。
「竜の花嫁ってあなたのお姉さんなの? すごいね」
「そうなの、キャサリンはすごいのよ。私の自慢の姉なの」
 莉緒に応じるアンは微笑みを浮かべながらもどこか寂しそうだ。
「……一緒に過ごせるのもあと少しね」
 ディアボロスと話したことにより揺らぎが出ている。己に言い聞かせるような口調だった。
「私なら……お姉ちゃんが死ぬのは嫌だな……」
 莉緒は呟いて、エラを見つめた。
「私にもお姉ちゃんいるから……お姉ちゃんが私の幸せを願ってくれてることも分かる……。でも私は、私の幸せのためにお姉ちゃんが死ぬのは寂しいし悲しいし――嫌だなって思っちゃうな」
 妹の言葉にエラは微笑みを返す。
「エラも死にたくないかな。姉として、やっぱりね、妹には哀しい思いをさせたくないの」
 この子が泣いちゃったらスゴく辛い……。と、言葉にすれば僅かに声が震えた。
 哀しさを払うように、エラはぱっとアンの方へと向いて微笑んだ。
「あと最愛の旦那様を置いていけないしね?」
 結婚したばかりなの、と告げればアンが「おめでとう」とエラを祝う。それは友人へと向ける心からの祝福だった。
「ふふ……エラお姉ちゃんみたいな花嫁になるのは私の目標で憧れなんだ」
 小悪魔な笑みを浮かべて茶目っ気たっぷりに莉緒が言う。
 繋いでいた手を寄せて、とんと肩をくっつけた。
「喧嘩しても仲直りして、幸せな表情をするエラお姉ちゃんが私は大好きだから」
 慕ってくれる妹の言葉にエラは照れ笑い。
「莉緒ちゃんにも大切な人がいるのだから、いつか素敵な花嫁さんになってほしいな」
「二人とも、とても仲の良い姉妹なのね」
 アンがしみじみとした声で、そして眩しそうな目で二人を見つめた。
「ふふ、私とキャサリンも姉妹だけど親友みたいな関係なの」
 微笑みは力ないものへと変化した。姉妹で親友。それは何でも話せる仲だ。重ねてきた年月には思い出がたくさんつまっているのだろう。
「……、ねぇほんとにいいのかな?」
 アンの様子を見て、エラは不思議そうに言葉を添える。
「花嫁さんは誰かのためにじゃなくて、『自分が』幸せになるんだよう? それを見てみんなも幸せになるの」
「……私、姉さんには幸せになって欲しいわ」
「アンさんは、今のお姉さんを見ていて……幸せ?」
 莉緒の問いにアンは――僅かに躊躇ったあと「いいえ」と首を振った。
「私、『おめでとう』なんて心にもないことを言ったわ。……どうしましょう」
 寂しい。行かないで。まだ一緒にいてほしい。
 そんな気持ちを隠した『おめでとう』。
「そう言ってしまった瞬間、キャサリンがすごく遠い存在になってしまったわ」
 どこか後悔しているような声だった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【友達催眠】がLV2になった!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【ダブル】LV1が発生!

 こんなにもたくさんの人が『竜の花嫁』を祝ってくれる。
 キャサリンは花嫁となれた嬉しさを分かち合おうと、訪れた人々へ声を掛けていた。
 今回の花嫁への接触はそう難しいことではないだろう。
 彼女は現在、竜の花嫁であることに疑問を感じず、名誉なことであると信じている。

 たくさんの『おめでとう』を貰った。
 みんなが幸せになる、これは良いことなのだ。
 家族に、院の孤児たちに、連綿とした幸を――。
 約束された未来にキャサリンの歩みは軽やかなものとなっていた。
リヒト・アルカディオ
あれから、色々な人物に接触して懐疑的感情を揺すぶっていた訳だが。
奇術師の真似事もすっかり板についてしまったな。
パーティーの場なので、引き続き丁寧な口調と対応を心掛けて。

花嫁や妹のアンに接触。

【指定パラドクス】で火を出したり、何もない所から勿忘草を取り出す奇術を演出。サイボーグの私からすれば、そんな【早業】造作もない。

初めにこちらに到着した時に美しい景色と共にデータベースで見た勿忘草の逸話にかけて、二人にそっと囁く。
「勿忘草の逸話の恋人達は死で道を別たれてしまいましたが、あなた方はまだ間に合います」
「あなたの本当に大切なものは何ですか?」

心に寄り添った説得はそれらが得意なディアボロスに任せよう。


「ご覧にいれますは火の術。『高貴なる』ドラゴンの方々の火炎には負けますが、これは穏やかなる火。今日にぴったりのものでしょう」
 奇術師めいた口上で披露するリヒト・アルカディオ(サイボーグの殲滅機兵・g01368)のパラドクス、メタリックプロミネンス。
 改造された肉体の動力炉から繰り出された火炎が指先にて舞う。
 わあ、と目を輝かせている子供にどこからともなく取り出した小さな花のブーケを差し出した。
 ありがとう、と受け取った子供は「あっ」と余所を向いた。先程とは違う意味で表情が輝く。
「花嫁さん、花嫁さん、見てください。このお兄さんすごいの!」
「ふふ、ちゃんと見ていたわ。ブーケ、良かったわね」
 キャサリンに駆け寄った子供が、彼女とリヒトを交互に見た。少し遠くから妹のアンがこちらに向かっているのが分かった。一緒に仲間――エラ・パーカーと如月・莉緒がいる。合流した女性陣は和やかに挨拶を交わした。
「これは勿忘草かしら」
 可愛らしい青い花の集まりはレースのリボンで括られている。
 キャサリンの言葉にリヒトは頷いた。
「花言葉は『私を忘れないで』というものになります」
「花言葉?」
「お花に意味が込められているの? 素敵ね!」
 花言葉自体が一般的でない時代ではあったが、これはどの時代も女性の心をくすぐるものらしい。
 今の時期に咲くワイルドフラワーたちの花言葉をデータベースで調べて教えていけば、リヒトはいつの間にか華やいだ声に囲まれていた。
「勿忘草には逸話もありまして」
 彼が手を翻せば勿忘草が現れて、淑女たちの手へと渡った。
 リヒトが語るは恋人のために行動した騎士の、悲しき末路。
「……だから『忘れないで』という意味がこめられているのね」
 呟いたキャサリンが微笑み、持っていた花をアンへと渡した。アンの表情が僅かに曇る。
 彼女たちの様子にリヒトは口を開いた。
「恋人達は死で道を別たれてしまいましたが、あなた方はまだ間に合います」
 え? という顔をするキャサリン。
 竜の花嫁の瞳は曇りがない。彼女の精神状態は少し異様だと判断してもいいだろう。
 懐疑を抱かせるには、心情よりも端的な見解から。
「あなたの本当に大切なものは何ですか?」
 竜の花嫁という視点を俯瞰させる。
 心に寄り添う説得ではない。けれどもリヒトの問いかけは多角視点のうちの一つを与えるもの。
「私の大切なもの……」
 キャサリンが竜の花嫁となったのは誰かの幸せのため。
 妹や孤児たちのため。

 ――果たして、姉の決意に否を唱えてもいいのだろうか。
「私の大切なものは、姉さんだわ。たったひとりの本当の家族だもの」
 アンは少し身を竦ませて、一歩引いた。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【熱波の支配者】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】がLV3になった!

エラ・パーカー
妹の莉緒ちゃん(g04388)と一緒

莉緒ちゃんの言葉に頷いて、アンちゃんの背に手を添えよう

エラ達が一緒だから大丈夫
怖くないよう

ふたりのお話を聞きながら、キャサリンちゃんを見つめるの
あなたの大切な妹の言葉、そしてエラの大切な妹の言葉…届いてほしい

エラは逆に、キャサリンちゃんのお気持ちが少しは分かるよう
だって莉緒ちゃんや大切な人達の為なら、できること何でもしたいもん
でも…こんな風に絶対哀しませちゃう
ならそれはきっと、最良の方法じゃないの

それに、二度とお話できないのはエラも寂しくなっちゃうの
哀しんでる妹を抱きしめて、涙を拭ってあげられない事も…

硬い手はアンちゃんを傷付けるだけだよう

アドリブ歓迎


如月・莉緒
エラお姉ちゃん(g03253)と一緒に

ねぇアンさん…
伝えてなかった気持ち、一緒に伝えに行かない?

寂しい気持ちも悲しい気持ちも、きっと言わないままより、言った方が後悔は少ないと思うから

キャサリンさんへ会えたら、まずはきちんと挨拶

初めまして、キャサリンさん。突然で申し訳ないんだけど、アンさんがね…伝えたいことがあるって

そう後押し。アンさんの話が終われば私からも

私にもエラお姉ちゃんって呼んでる姉で親友みたいに仲良しの人がいるの
だからアンさんの気持ち、分かるんだ
お姉ちゃんが死ぬってなったら、私きっと泣いて寂しいよ、悲しいから嫌だよって言っちゃう
その時の私はきっと、幸せじゃないと思う。絶対に

アドリブ歓迎


 リヒト・アルカディオのささやかな問いかけに、思わずといったように出たアンの言葉。
「私の大切なものは、姉さんだわ。たったひとりの本当の家族だもの」
 声は引き止めるような、縋るようなものでハッとアンは口元をおさせた。
 怯えたように一歩ぶん下がろうとする。
 アンの背にそっと触れたのはエラ・パーカー(adore song・g03253)の手だった。
 ――『伝えてなかった気持ち、一緒に伝えに行かない?』
 少し前に如月・莉緒(恋愛至上主義・g04388)はそう声を掛けて、三人でキャサリンの元へと一緒に歩んだ。
 少しの距離ではあったが、新たな未来が示されようとしている新たな道。
 リヒトの奇術を子供と一緒に見ていたキャサリン。そこへ彼女たちは合流する。
 話の途中、キャサリンからアンへと渡された勿忘草はまるで遺言のようにも思えた。

 私を忘れないで。

(「……なんて悲しい花言葉なんだろう」)
「アンさん……寂しい気持ちも悲しい気持ちも、伝えよう?」
 きっと言わないままより、言った方が後悔は少ないと思うから――。
 莉緒の言葉にエラも頷く。
「エラ達が一緒だから大丈夫。怖くないよう」
 二人の微笑みと励ましに、くっとアンが顔をあげた。
「ねえ、キャサリン。私たちの幸せを願ってくれてありがとう。……でも私はキャサリンにも幸せになって欲しいわ」
「あら、私は幸せだわ。皆やアンに『幸せ』をあげることができるのだもの」
 飢えのない豊かな生活。それが叶うのだ。憂いなどあろうか。
 アンは首を振った。――彼女の様子をエラが見守る。勇気づけるように、添えた手に少しだけ力を込めた。
「私の幸せのためにキャサリンがいなくなってしまうのは、寂しいわ。悲しいの。嫌なの。――ねえ、姉さん、それって私の幸せ?」
「…………アンは私がいなくなると『幸せ』ではなくなるの?」
 初めてキャサリンの言葉に揺らぎが現れた。
 アンの後押しをするように莉緒が一歩前へと出て伝えようとする。
「キャサリンさん。私にもエラお姉ちゃんって呼んでる、姉で親友みたいに仲良しの人がいるの」
 だからアンさんの気持ち、分かるんだ。と莉緒は言う。
「お姉ちゃんが死ぬってなったら、私きっと泣いて寂しいよ、悲しいから嫌だよって言っちゃう」
 縋るように訴える。
 死はたくさんのことを奪ってしまう。
 きっと自身の心にぽかりと大きく虚ろな穴が出来てしまう。
「その時の私は……きっと、幸せじゃないと思う。……絶対に」
 『妹』たちがそう伝える。アンの表情は今にも涙が零れそうで、キャサリンはおろおろとしていた。
(「あなたの大切な妹の言葉、そしてエラの大切な妹の言葉……届いてほしい」)
 二人の話を聞きながら、エラはキャサリンを見つめる。
 きっとひたむきな人なのだろう。幼いころから守るものがあった人。
「エラは逆に、キャサリンちゃんのお気持ちが少しは分かるよう」
 アンに添えていた手をそっと離して、莉緒へと手を差し出した。
 すぐに繋げられる手はやわらかくいとおしい。
「だって、エラは莉緒ちゃんや大切な人達のためなら、できること何でもしたいもん。――でも……こんな風に絶対哀しませちゃう」
 意図せず傷つけてしまう。
「ならそれはきっと、最良の方法じゃないの」
 キャサリンが行こうとしている場所は、哀しんでる妹を抱きしめて、涙を拭ってあげられない場所。
 誰の声も届かない場所だ。
「硬い手はアンちゃんを傷付けるだけだよう」
 手を差し伸べて、話を聞いてあげて。
 きっと、それだけで姉妹は救われるのだから。


 ぱちぱちとキャサリンは瞬きをした。
 美しく輝いていた世界を、何かに遮られる感覚。優しい新緑の風、草地の香り……ガーデンパーティは続いていて……みんなが喜んでいる。いや、アンは寂しがっている。
 子供の時は、可愛かったけど時々生意気で、だがいつの間にか我儘をいうことはなくなった。
「私は、キャサリンに生きていて欲しい」
 ――妹の言葉に肩の力が抜けたような気がした。
 願う輝かしい未来にキャサリンの居場所は無い。……今からでも、生きることは赦されるだろうか?
 すっと妹の腕を取り、組む。
「私、アンと一緒にお茶がしたいわ」
 アンの表情がぽかんとしたものになった。
 ね、あなたたちも如何? とキャサリンはディアボロスたちへと声を掛けた。
「花嫁を辞退すればきっと大騒ぎになっちゃう。相談に乗ってくれないかしら?」
 にっこりとした笑顔でキャサリンは言ったのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【現の夢】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV4になった!
【凌駕率アップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2022年04月17日