妖精郷を焼き尽くす炎

 ディアボロスはフローラリア要塞防衛群を突破。フローラリア中枢への侵攻が可能になりました。
 早速、中枢への攻略を始めようとした時、攻略旅団の提案により警戒を強めていたドラゴン監視所からの急報が入ります。
 ドラゴンが制圧している方向の森が一斉に燃え上がったというのです。
 この火災は、非常に広範囲に渡っており、このままでは、妖精郷の全ての森を燃やし尽くしてしまうかもしれません。

 この火災は、妖精郷方面担当のジェネラル級ドラゴン『炎のベディヴィア卿』の指示によるものです。
『炎のベディヴィア卿』は、ラキ火山をディアボロスが奪還した影響で、本国から孤立した状況にあります。
 彼は、この原因が『フローラリアのなんらかの儀式によるもの』と考え、その妨害の為に、全ての森を全て焼き払うという暴挙に出たのです。

 妖精郷に住まう多くのエルフや人間達が、この火災で命を奪われようとしています。
 フローラリア中枢を攻略する好機ではありますが、この状況は放置できません。
 この火災を食い止めエルフ達を救出すると同時に、森を焼き払おうとしているドラゴン勢力のクロノヴェーダを撃破してください。

迫り来る炎熱の刃(作者 柊透胡
7


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0



 ――突如、森が燃え上がった。忽ち、妖精郷は、阿鼻叫喚の焦土と化していく。
「あ、阿呆か! お前、何でこんなとこに来たんだよ!」
 とある小川の辺、小さな洞窟の入り口で、大声が響き渡る。
「だ、だって……」
「そのほそっこい足はお飾りか! 火が迫ってきてるんだろ! さっさと逃げろよ!」
 怒鳴り散らしているのは、毒々しい水玉模様がよく目立つ、赤いキノコ。一抱えありそうな大きさなのは、所謂『知恵ある植物』である所為か。
「だって! 皆、ほっとけないじゃない!」
 とうとう、負けじと声を張り上げたのは、エルフの少女だ。三つ編みの金髪の先が焦げ、あちこち煤で汚れている。
「ポルンは足無いし、火傷して動けない子だっているでしょ?」
 確かに、小さな洞窟には、火事から逃げて来た動物が何体か。皆、怯えたように身を伏せている。
 この辺りは、何とかまだ無事だが……今回の火事はおかしい。まるで炎自体が意志を持っているかのように、火の周りが異常に速いのだ。
 必死に、火事の最中を駆けて来たエルフの少女――ララは身を以て知っている。直に業火がやって来る。恐ろしい炎熱は、こんな小さな洞窟など丸ごと蒸し焼きにして、小川をも干上がらせるだろう。
「だから! 皆で逃げるの! ポルンも手伝って!」
「お、お前、キノコの俺に手伝えって……ああ、もう! わかったわかった!」
 言い合う時間すら惜しい。ゴロンと倒れて転がり出した知恵あるキノコは蹲る動物の背中を押しやり、少女は震えて動かない動物の子供を抱える。
「皆、急いで!」
 ――ララ達はまだ知らない。火事から逃れて向かった小川の下流、唯一の逃げ道を塞いで、放火の実行犯共が待ち構えている事を。

「皆さんの活躍で、妖精郷中枢への攻略が可能となりましたが……緊急事態です」
 新宿駅グランドターミナル――今日もプラットホームに出現したパラドクストレイン1号車の傍らで、篁・弧珀(陽炎う陰陽射手・g03309)は行き先を案内する。
「以前、発見された『ドラゴン勢力を監視する巨木』より、ドラゴン勢力が妖精郷の森を焼き払おうとしている暴挙が確認されました」
 この大火災の主犯は、妖精郷攻略を担当していたジェネラル級ドラゴン『炎のベディヴィア卿』。ラキ火山をディアボロスに奪還された事で、本国から孤立してしまっているようだ。
「炎のベディヴィア卿は、本国からの孤立の原因を『フローラリアの何らかの儀式』にあると誤解したようです。ならば、『妖精郷の森を焼き払えば、儀式を中断できるかもしれない』と……」
 既に大火災で広範囲が焼失しており、炎の森に取り残されたエルフや人間達の命が脅かされている。
「フローラリアの中枢を攻略する前に、この火災を食い止め、エルフ達の救出をお願いします」

 ディアボロス達は、パラドクストレインで大火災が起きている森の近くまで移動、エルフの救出とドラゴンの撃破に向かう事になる。
「幸い、皆さんに向かって頂く小さな洞窟は、小川の辺に在る事もあって、その周辺には、まだ火の手が及んでいません」
 だが、ドラゴン勢力は『炎のベディヴィア卿』の加護により、炎の属性を付与され、その攻撃で大火災を発生させているようだ。
「この大火災の炎は、まるで意志があるように燃え広がっています。洞窟周辺が火の海となるのも、時間の問題でしょう」
 完全に鎮火させなければ、再燃は必至だが、消火自体は通常の方法でも可能である模様。
「消火器などを持ち込めば、救助の助けになるかもしれませんし……パラドクスで消火が可能でしたら、そちらの方が有効でしょう」
 ちなみに、消火器は最終人類史の区内で提供して貰っており、数は充分にある。1人数本くらいは問題なく持ち込める筈だ。
「それと……消火活動と併行して、洞窟周辺の植物が無事の間に、手早く植生調査を行って下さい」
 攻略旅団からの提案であるが、想定より調査可能の範囲は相当に狭くはある。
「調査自体は2人もいれば十分でしょう。代わりと言っては何ですが……洞窟には森に棲息していた小動物が何体か、火事から逃れてきているようです」
 大凡の消火活動の後、大火災を発生させているドラゴンを撃破すれば、延焼分も含めて鎮火出来るだろう。
「放火犯は、小川の下流で待ち伏せしているようです。戦闘の間、救助した妖精郷の住民は洞窟に避難して頂き、後で火災を免れた森まで逃がせば、自力で逃げてくれるでしょう」
 また、燃え盛る森から逃げ出すトループス級フローラリアの存在も確認されている。
「放置しても、火災から逃亡するだけですが……撤退を許せば、フローラリア中枢の戦力増加に直結します。余裕があるのでしたら、撃破した方が良いかもしれませんね」

 ベディヴィア卿と言えば、現在、アイリッシュ海に『氷のベディヴィア卿』が出現している。
「ふむ……こちらの『炎のベディヴィア卿』は、『氷のベディヴィア卿』と対になる性質を持っているのでしょうか?」
 ともあれ、妖精郷の力を我が物にしようとしていたドラゴン勢力が、その森を焼き払おうとしているとは……本国から孤立した事で、余程焦っているのだろう。
「大火災を阻止した上で、ドラゴン勢力に打撃を与えれば……妖精郷のドラゴンの根拠地を攻撃する事すら、可能となるやもしれません」
 或いは、予定通りフローラリアの中枢に挑むかは――何れ、攻略旅団の提案で決定するだろう。
「――時は来たれり。仇讐の輩に一矢報いん。……皆さんの武運を祈ります」

 ――炎に追われて、慌てふためいているのは、ずんぐりむっくりと人を模った影。
「……おい、あっちはドラゴンがいるぞ」
「全身、炎の刃に覆われたヤバイ奴」
「手下の斧も、何か燃えてたなぁ」
 コソコソ周囲を窺って、キノコ人間――マイコニド達はクルリとUターン。
「さっさと逃げるぞ、命あっての物種だ」
「俺達は菌糸だけどな」
 本来であれば守るべき妖精郷の住人達も、知恵ある植物も見捨て、情けない姿を晒すのも構わず、マイコニド達は一目散に逃げていく。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【水源】
2
周囲に、清らかな川の流れを出現させる。この川からは、10秒間に「効果LVトン」の飲用可能な水をくみ上げる事が出来る。
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【狐変身】
1
周囲が、ディアボロスが狐に変身できる世界に変わる。変身した狐は通常の狐の「効果LV倍」までの重量のものを運べるが、変身中はパラドクスは使用できない。
【照明】
1
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【腐食】
1
周囲が腐食の霧に包まれる。霧はディアボロスが指定した「効果LV×10kg」の物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)だけを急激に腐食させていく。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【モブオーラ】
1
ディアボロスの行動が周囲の耳目を集めないという世界法則を発生させる。注目されたり話しかけられる確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【エイティーン】
1
周囲が、ディアボロスが18歳から「効果LV×6+18」歳までの、任意の年齢の姿に変身出来る世界に変わる。
【完全視界】
2
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【液体錬成】
1
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【建造物分解】
1
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【おいしくなあれ】
1
周囲の食べ物の味が向上する。栄養などはそのまま。効果LVが高いほど美味しくなる。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV4 / 【ガードアップ】LV3 / 【フィニッシュ】LV1 / 【反撃アップ】LV2 / 【リザレクション】LV2 / 【ラストリベンジ】LV1 / 【ドレイン】LV1 / 【アヴォイド】LV1 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

柊透胡
 こんにちは、柊透胡です。
 今回は、『幻想竜域キングアーサー』行きのパラドクストレインに、時先案内人篁・弧珀がご案内致します。
 妖精郷の大火災から、エルフの少女や知恵あるキノコ達を救ってあげて下さい。

「①炎の森からエルフを救え」は、森林火災からエルフを救助する選択肢です。消火活動をすると炎は鎮静化しますが、ドラゴンの炎は意志があるように燃え広がっていくので、完全に消し止める事は出来ません。ある程度消火したら、再燃する前に、元凶のクロノヴェーダを倒しに行きましょう。

「②【攻略旅団】妖精郷の植生調査」は①との同時進行です。
 小川の辺の小さな洞窟の周辺は、まだ火の手が及んでいません。手早く調査してみて下さい。調査範囲は狭いですが、洞窟には避難してきた小動物が何体かいるようです。
 ちなみに、洞窟の入り口に知恵あるキノコがいますが、植物の見分けは付かないので情報収集は出来ません。
 尚、この選択肢は、ドラゴンとの戦闘開始後、選択肢③⑤のリプレイが1度でも執筆されて以降は、採用致しませんのでご了承下さい。

 ④👾炎から逃げるフローラリア『マイコニド』
 エルフ達を見捨てて、逃げ出すフローラリアを撃破する戦闘になります。この選択肢をクリアしなくても、シナリオの成功には全く問題ありません。

 ③👾一般人を襲うトループス級『特務竜部隊『ジャメヴ』』
 ⑤👿アヴァタール級との決戦『鎌斬卿・ズィフェルス』
 一帯の大火災を起こした元凶です。小川の下流で逃げてくるエルフ達を待ち構えています。
 円卓の騎士『炎のベディヴィア卿』の配下で、炎の加護を分け与えられており、攻撃に炎属性のアレンジが施されています。

 基本、攻略完了に必要な成功数を大きく超過しての採用は致しませんので、上手く役割分担して頂ければ幸いです。
 それでは、幻想竜域キングアーサーより、皆さんの熱いプレイングをお待ちしています。
77

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


ポーリーン・フォレット
ああ炎……炎はダメよ…!
あとには何も残らないんだもの!とっても悲しいのよ…!
早く、何とかしなくっちゃ!腰が痛いだなんて言ってられないわ!
アイリーンも手伝ってくれる?そう、良い子ね!

私は【青龍水計】で消火活動に専念するわね!
私は耳が遠いから、助けを呼ぶ声があっても聞こえないかもしれないわ
だからアイリーンに私の耳代わりになって貰えないかしら?
逃げ遅れてる子を見つけたら教えて頂戴ね
さあさあ、どんどん炎を消しちゃいましょ!
水浸しになっちゃうけど、そこは我慢して欲しいのよ

自力で動けそうな子には火の手が回っていない安全な方角を教えるわね
大丈夫、み~んな助けちゃうんだから!


●迫り来る炎熱の刃
 空気が、赫く染まる――妖精郷の森は、今や煉獄と化している。
 熱気に肌を炙られる感覚に、悲痛な表情を浮かべるポーリーン・フォレット(「おばあちゃん」と呼んで・g06164)。
「ああ、炎……炎はダメよ……!」
 総てが灰燼に帰せば、後には何も残らない。とてもとても悲しい事だ。
「早く、何とかしなくっちゃ!」
 一刻の猶予も無い状況で、腰が痛いだなんて言ってられない!
「アイリーンも手伝ってくれる? ……そう、良い子ね!」
 心配そうに寄り添うオラトリオの髪を優しく撫でて、ポーリーンは一転、決意の面持ちで腕まくり。
 ――――!!
 神算軍師の策略は、時に天変地異をも引き起こす。青龍水計の膨大な流水が、眼前で燃え上がる炎を呑み込んでいく。
「……ケホッ」
 立ち込める煙に小さく咳込みながら、首を巡らせるポーリーン。耳を澄まそうにも、木々が燃え、崩れ落ちる音が轟々と。喩え耳聡くとも、助けを呼ぶ声は聞き取れないかもしれない。
「アイリーン、逃げ遅れてる子を見つけたら教えて頂戴ね」
 こっくりと頷くオラトリオが頼もしい。
「さあさあ、どんどん炎を消しちゃいましょ!」
 青龍水計の連発で、一帯が水浸しになってしまうだろうが、そこは勘弁して欲しい。
「小川の小さな洞窟、判るかしら? そこならまだ、火の手が回っていないわ。急いで逃げて」
「あ、ありがとうございます」
 煙に巻かれて立ち往生していたエルフに安全な方角を教え、ポーリーンは力強く自らの胸を叩いて請け合う。
「大丈夫、み~んな助けちゃうんだから!」
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【水源】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!

一ノ瀬・綾音
無辜のエルフや意思ある植物たちを巻き込んでまでこんな大火事……!
ここで助けないで何が私だ!
私の魔法で助けられるなら、助けないと!

主に知恵ある植物を探して、それに襲い掛かる炎に対して【水魔法】で消火活動をするよ。勿論その道中にも炎があれば適宜【水魔法】で消火。
あとは【水源】で水を生み出して他の復讐者や消火活動の助けになればいいかな。もし火がついてる方がいたらこの水で消火するよう進言するよ。

例えキリがなくて完全には無理だとしても、何もしないよりははるかにマシだ!
焼き払いなんて全てを消滅させるMAP攻撃を行うドラゴンめ……自暴自棄か?完全に綾音ちゃん達を怒らせたね……!


「怒れる水よ、綾音ちゃんに仇成すものを流しちゃえ!」
 吸い込んだ空気が熱い。咽喉がひりつくのも構わず、声高らかに詠唱すれば、描かれた魔方陣から水流が渦巻き迸った。
(「焼き討ちなんて、全てを消滅させるMAP攻撃とか……ドラゴンめ、自暴自棄なのか?」)
 業火に水魔法をぶつけ、捻じ伏せるように消火した一ノ瀬・綾音(綺羅星の如く・g00868)は、もうもうと水蒸気立ち込める中、憤りも露に奥歯を噛み締める。
 今は立ち止まる時間も惜しい。燃え盛る森へ、少女が足を踏み入れれば、助けを求めるように枝葉を捩る木々が――否、本当に助けを求めている。
 アツイ、アツイ、シニタクナイ――!!
「危ない!」
 知恵ある灌木を押し潰すように燃え崩れた樹を、綾音の水魔法が吹き飛ばす。
「無辜のエルフや知恵ある植物たちを巻き込んでまで、こんな大火事……! 完全に綾音ちゃん達を怒らせたね!」
 怒りの感情を魔力に換え、パラドクス『水魔法:憤怒なる水流』を立て続けに放つ綾音。
 だが、ドラゴンの炎は、使い手を斃さぬ限り、燻ぶり続け、何れ再燃する。どれ程パラドクスを連発しようと、一時凌ぎに過ぎないのは彼女自身、よく判っている。
 それでも。喩え押し寄せる炎にキリがなく、消火活動だけで鎮火は不可能だとしても。何もしないより遥かにマシだ!
(「ここで助けないで何が私だ! 私の魔法で助けられるなら、助けないと!」)
 アリガトウ、アリガトウ――。
 頬を紅潮させて息巻く綾音の耳に、か細い声音がさざ波のように。ふと周りを見れば、灌木ばかりでなく儚げな花々が、綾音に感謝を口々に告げる。
「……あ、大丈夫かな。この辺りに『水源』を作っておくから。消火に使って」
 幸い、残留効果『水源』は重ねられた模様。綾音の足元から次々と流れ出した清らな川は水量も多い。暫くは付近の延焼を防いでくれるだろう。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【水源】がLV2になった!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!

風花・波那
え!この状況で調査!?
救出は任せて私は植生調査頑張ろう。急がなきゃ!

くうう…お花は好きだけど植物博士じゃないから図鑑無いと無理!(ちゃんと片手に持ってきてる)
虫眼鏡や望遠鏡駆使して調査!

ユーカリがあったからオーストラリアあたりのディヴィジョンと睨んで提案したものの。
この範囲だと広域調査は無理よね。う〜ん……。

対象を絞ろう。
特に『オーストラリアに分布が多い植物』や『オーストラリアの植物相の特徴を持つ植物』を探す。

例えばユーカリ以外だと……。
アカシア、ヤマモガシ、メラレウカ、ワイルドフラワー、エレモフィラあたり?
固有種見つかれば最高なんだけど……。

情報はしっかりメモ取って残し、可能なら採集する。


冰室・冷桜
この状況で調査すんのか、マジか
とりあえず、だいふくも【召喚】して2本分の消化器を念のため持ち込むわ
火の手が近ければ、植物に火が回る前に消化して時間稼ぎね

悠長に調べてる暇はねーし、辺りを付けた植物っぽいのがあるかないか見てきましょう
図鑑のページを片手に手早く調査してくわ
オーストラリア全域で見られるチーク、バンクシア
熱帯雨林性気候区で見られるってーシダ系植物も探してみましょ
ガチの比較とか考証はできねーし、そもそもする時間もないからそれっぽいのを見つけたら、スマホのカメラで撮影
可能なら片っ端から採取して、燃えないように保管して持ち帰るわ


●火災の間に
 ――それと……消火活動と併行して、洞窟周辺の植物が無事の間に、手早く植生調査を行って下さい。
(「え! この状況で!?」)
(「……マジか」)
 思わぬ無茶振りに、風花・波那(夢詠の花果・g00593)と冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)は、内心で思い切り突っ込んだものだ。
 ちなみに、当の時先案内人は鉄面皮を貫いて、ディアボロス達を送り出している。
(「……よし、救出は他に任せて、私は植生調査頑張ろう。急がなきゃ!」)
 ともあれ、妖精郷の植生調査は、攻略旅団の、波那自身の提案だ。可能であれば、遂行したい。
 果たして、駆け付けた小川の辺は、まだ火の手は及んでいなかった。とは言え、空気は乾いて、肌に熱い。
「だいふく、消火器こっちに持ってきて」
 今しも火事が迫っているのを実感して、冷桜はメーラーデーモンと一緒に消火器を運ぶ。いざという時は、これで時間稼ぎだ。
「流石に広域調査は無理よね。う〜ん……」
 大火災の間に捻じ込んだ調査だ。調査区域も相当に限られる。
「悠長に調べてる暇はねーし、当りを付けた植物っぽいのがあるかないか見てこうか」
 冷桜の言葉に否やなく、波那はユーカリレンズを使った眼鏡を掛ける。
(「ユーカリレンズ……ユーカリがあったから、オーストラリア辺りのディヴィジョンかなって思ったんだよね。だけど……」)
「くうう……お花は好きだけど、植物博士じゃないから。図鑑無いと無理!」
「……大丈夫、右に同じだから」
 波那と同様に植物図鑑片手に、冷桜も首を巡らせる。
「……あ、これ」
「ユーカリ、ね」
 早速、2人が目を留めた樹は、独特の清々しい香りが漂っている。500種以上あるとされるユーカリだが、この樹もその一種だろう。
「他に、オーストラリア特有の植物、無いかな?」
 波那が指折り数えたのは――アカシア、ヤマモガシ、メラレウカ、ワイルドフラワー、エレモフィラ。
「オーストラリア全域なら……チークとか、バンクシアとか。後は、熱帯雨林性気候区で見られるシダ系植物も、探してみましょ」
「固有種見つかれば最高なんだけど……」
 図鑑と首っ引きで、二手に分かれて植物を見て回る波那と冷桜。
「うーん……」
 フローラリアの影響は確実に植物にも及んでいるが、それでも似ていると言えば似ている、そんな植物は幾つかある。だが、そもそも比較とか考証とか、行う時間もないので、それっぽいと思えば片っ端から採取し、或いはスマートフォンで撮影していった。
「あの……」
「うん?」
 調査開始から暫くして――遠慮がちの声に波那が振り返れば、小動物を抱えたエルフの少女が困惑の表情を浮かべている。
「あ、ごめんね! ビックリしたよね」
「全くだ。お前達も火事から避難してきたのかと思えば、あちこち調べ始めてよ」
 小川の辺の洞窟の入り口からの声音は、もっと遠慮がない。
「何してんだ? さっさと逃げた方がいいんじゃねぇの?」
「うん、実は私達、森の火事を何とかしようと――!?」
 知恵あるキノコに気安く応えた冷桜だが、エルフの少女が抱えている小動物に気付くとハッと眼鏡越しの目を瞠る。
「ちょっと、それ!」
「え、え……」
 冷桜にずずいと詰め寄られ、身を竦めるエルフの少女。
「駄目だよ、困ってるじゃない」
 年上らしく波那が制したが、それどころではない。
「この動物……もしかして、ワラビーじゃない?」
「う、うん。そうだけど……?」
 ワラビー――その姿は、小さなカンガルーとでも言おうか。つまりは、有袋類。
「という事は……やっぱり?」
「可能性、高くなったね」
 戸惑うエルフの少女を置いてけぼりにして、波那と冷桜は頷き合った。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【液体錬成】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!

峰谷・恵
「手遅れになっているところは助けられない。そこは恨んでくれてもいいよ」

可能な限り連携を取る。アドリブOK。
可能な限り消火器を持ち込んで逃げ遅れたエルフたちがいる現場へ急行。全部消火器で消そうとするとまず足りないので、手遅れになった部分は炎ごと破軍衝の衝撃波で大雑把に爆風消火を行い、残った燃焼部分を消火器で消していく。
消火活動中の熱と煙は魔闘気で防御。
逃げるエルフたちには森に火を放った者たちが見張っている可能性を示唆して隠れながら慎重に避難することを勧める(消火活動後に先回りしてエルフたちを待ち構えるトループス級を片付ける時間を稼ぐため)

「にしても気軽に森を焼いてくれるね、ドラゴンも」


●守るもの、逃げるもの、そして、阻むもの
 妖精郷の植生調査の間も、森の消火活動は続いている。
 ――――!!
 今しも、炎上している樹が衝撃波で瓦解した。峰谷・恵(フェロモン強化実験体サキュバス・g01103)の破軍衝だ。
「消火、消火っと」
 砕かれて尚、燃えている箇所には消火器を使う。可能な限り、消火器は持ち込んできたが、炎全てに使っていてはまず足りない。
 それで、まず破軍衝の衝撃波で大雑把に消し飛ばす事にした。
「……っ」
 火災の熱気と煙は、自ら纏う魔闘気で一応ガードしている。残留効果『温熱適応』等があれば良かったが、幸い、今所は何とか凌げている。
「助けて下さって、ありがとうございました」
 逃げ遅れたエルフの2人組は、兄弟だろうか。恐らく年下だろうエルフ達に、恵は小さく頭を振る。
「手遅れになっているところは助けられない。そこは恨んでくれてもいいよ」
 この火災はドラゴンの勘違いによるものだが、それはディアボロスの奮闘の結果でもあり、妖精郷の住人にとってはとんだとばっちりであろう。
「あっちの方は、まだ火の手は回ってないけど……森に火を放ったものが、見張っているかもしれない。避難は慎重にね」
「はい!」
 実際、小川の下流には、放火犯が待ち構えている。恵自身、この後、エルフ達の先回りをして、連中を片付ける心算だ。
(「にしても……気軽に森を焼いてくれるね、ドラゴンも」)
 何度も礼をしながら去っていくエルフの兄弟を見送って、恵はもう暫く、消火活動に勤しむ事にする。
 丹念に消火して尚、熾火燻ぶる様に、ドラゴンの執念が窺える。顔を顰め、恵は長い黒髪を掻き上げた。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【エアライド】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!

アッシュ・アーヴィング
アドリブ歓迎

身の危険が迫ってる事はわかる。
判るんだが…ちっとはプライド持てや。
まぁ、パニックになっているのであればボーナスチャンスと見るべきか。

【ブービートラップ】にてワイヤートラップと簡素な落とし穴を生成。
逃げるマイコニドの足元を攫ってく。
冷静さを欠いてるアホなら嵌ってくれるでしょ。

足元の危険が伝わったら次は上から。
【爆撃ドローン】にて脳天へ一撃。

足が完全に止まれば僥倖。
迫る炎に焼かれるか、張り巡らされたワイヤーでスライスされるか、落ちてくる爆弾で四散するか、選んでいいぞ。


一ノ瀬・綾音
へーい、そこのキノコたちー。
なーにコソコソ逃げようとしてるのかなー?
自分たちだけ炎から逃れようとか考えてないかな?

君たちにもまた竜の炎、味わってもらうよ。【炎魔法】発動!竜を模した炎でキノコたちを焼いていくよ!これが竜の炎だ(違うけど)!
……一応煽る時は犯人に間違われないよう周囲にエルフたちがいないかは気を配っておこう。

相手の反撃には適宜臨機応変にバックステップや【エアライド】などでキノコをかわしながらキノコごと相手を焼き尽くしていくよ!

無謀にも肉薄をしてきた奴がいたら破竜剣で一閃。
斬られてキノコ料理の食材になるか焼け落ちるかどっちがいい?綾音ちゃん気分いいからね、好きな方選ばせてあげよう!


「へーい、そこのキノコたちー。なーにコソコソ逃げようとしてるのかなー?」
 コソコソアタフタと、火の中森の中を駆け抜けていたキノコ人間――マイコニド達は、木が燃え爆ぜる音にも負けぬ呆れたような大声に、ビクリと身を竦ませる。
「あれー、自分たちだけ炎から逃れようとか考えてないかな?」
 連中の逃げ道に立ち塞がるのは、一ノ瀬・綾音(綺羅星の如く・g00868)とアッシュ・アーヴィング(傭兵・g01540)。
「身の危険が迫ってる事はわかる。判るんだが……ちっとはプライド持てや」
「う、うるさい! さっさと退けよ!」
「このまま焼きキノコなんか、やってられるか!」
 口々に怒鳴り返すマイコニドを、綾音は冷ややかに見詰める。
「だったら、また竜の炎、味わってもらうよ」
 ――浮気性な炎の竜、綾音ちゃんの名のもとに顕現せよ!
 綾音が描いた魔方陣から顕れたのは、炎の竜。鎌首をもたげるや、マイコニドに襲い掛かる!
「これが竜の炎だ(違うけど)!」
 煽るように言い放ちながら、綾音はチラと周囲を窺う。幸い、エルフの姿はなく、放火犯と間違えられる心配はなさそうだ。
 ――――!
 その実、ドラゴンを模る炎の嵐に悲鳴を上げ、マイコニドがぶちまけたのは大量のキノコ。
「……っ」
 咄嗟に跳躍する綾音。危うくキノコに足を取られそうになった所を、更に宙を蹴って逃れた。
「今だ!」
 だが、マイコニドは追撃せず、綾音が塞いでいたルートを全力疾走。何を措いても逃げる気満々だ!
「おっと残念。そこには罠があるぜ」
 勿論、そうは問屋が卸さない。アッシュのパラドクスは瞬時に罠を作り出す。
(「まぁ、ボーナスチャンスだよな」)
 冷静さを欠いたマイコニドには効果覿面。木と木の間に巡らせたワイヤートラップに足を取られ、次々コロコロ転がっていく。
 ――――!
 キノコ包囲網の反撃は残留効果の堅固で凌ぎ、転がった連中の頭上で爆撃ドローンを炸裂させるアッシュ。
「迫る炎に焼かれるか、張り巡らされたワイヤーでスライスされるか、落ちてくる爆弾で四散するか、選んでいいぞ」
「じゃあ……こっちは斬られてキノコ料理の食材になるか、焼け落ちるか、どっちがいい? 綾音ちゃんも気分いいからね、好きな方選ばせてあげよう!」
 クロノヴェーダはパラドクス無くして損なえない。それは承知の上で、アッシュは爆撃ドローンで、綾音は破竜剣を構えて、脅しつける。
「どれもこれも嫌だぁぁッ!」
 キナ臭い空気の中、野太い悲鳴が響き渡り――フツリと、途切れた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
【おいしくなあれ】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!

金森・椿
アドリブ歓迎

くノ一装束に身を包み、木々に紛れて攻撃です。

諸行無常ですね。
とはいえ情けは無用。
この機会にクロノヴェーダを討ち減らすと致しましょう。

逃げ出すマイコニドの行く手に【水源】で川を出現させ、安堵したところを奇襲します。
お役目を捨てて逃げ出すとは、武芸者の風上にもおけませんね!
飛び込んで忍者刀で切って捨てます。
足元からのキノコにょきにょきは【飛翔】も活用して回避を試みます。

風上にもおけないと言ったものの、怖いから逃げるあたりキノコの見た目によらず人間味に溢れていますね。
よく見れば結構表情豊かだったり……?


「急げや急げ、命あっての物種だ!」
「俺達は菌糸だけどな」
 ノタノタ走るマイコニドらを、樹上から窺うのは金森・椿(薬売り・g02220)。今回はくノ一装束だ。身軽ながら、空気の熱を全身で感じる。火の手の回りを考えれば、余り時間は掛けられない。
(「彼らもクロノヴェーダでしょうに」)
 諸行無常を実感するが、情け無用は勿論の事。
(「この機会に、討ち減らすと致しましょう」)
「おい、水の音がするぞ!」
「何だって!?」
 マイコニドらの行く手に、果たして清らなせせらぎが――椿が用いた残留効果『水源』の産物だ。
「お役目を捨てて逃げ出すとは、武芸者の風上にもおけませんね!」
 思わず、彼らが足を止めた好機。その頭上から、椿の忍者刀が閃く。軽い身のこなしで立体的に動き回る様は、正に空中活劇。次々と身体のキノコを斬り飛ばされ、悲鳴を上げるマイコニド達。
 ――――!!
 パラドクスの応酬で、大量のキノコ(×4株分)に埋まるのも束の間。宙に逃れた椿は、再度、身を捻って間合いを詰める。
(「怖いから逃げる、ですか……」)
 風上にも置けぬと言い放ったものの、キノコの見た目によらず、マイコニド達は人間味に溢れているように思える。
(「よく見れば、結構表情豊かだったり……?」)
 忍者刀を振るうついでに、頭部らしきキノコのカサの下を覗き込んだが……顔なんて無かった。
 ――という訳で、心置きなく、処しました。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!

峰谷・恵
「放火して逃げ道を制限して待ち伏せ。有効な手だけど逆に言えばどこで待ち伏せているか特定しやすい」

可能な限り仕掛けるタイミングを合わせ連携を取る。アドリブOK。
完全視界で視界を確保、エアライドで最適移動経路を特定し、魔闘気で熱と煙を防ぎながら炎の森を突っ切って小川の下流で待ち伏せる敵集団の元へ急行、小川の上流を見張る敵集団へ横から奇襲を仕掛け敵の注意を小川からそらす。
幻惑のスコールを敵陣に叩き込んで撹乱し、反撃は足止めを魔闘気で弾きながら【グラップル】【呼吸法】で衝撃波を放つタイミングを見切って横っ跳びで衝撃波を回避。避けきれない分はLUSTオーラシールドで防ぎ、追加ジャンプで体勢を整えて着地


アッシュ・アーヴィング
アドリブ歓迎、他者連携お任せ

さぁ、キノコと戯れは終わり。準備運動はできている。

【完全視界】と【エアライド】を利用しまずは敵の配置とどこで戦うべきか判断する。
水場で待ち伏せ…水中から奇襲もありかな。
生憎水中呼吸はできないのでバレない範囲で近づいた後に【光学迷彩】を利用して水中へ。
最初の一撃は最低でも一撃必殺を狙っていく。
あとは流れで引っ掻き回せばそれでよしとな。


●待ち構える炎熱の刃
 周辺の火災は、ひとまず鎮火させた。知恵あるキノコとエルフの少女が護る洞窟も、暫くの間は無事だろう。
(「後は……」)
 小川沿いの小路を見詰める峰谷・恵(フェロモン強化実験体サキュバス・g01103)。この先に、敵がいる。
 逃げ道を炎で制限して、待ち伏せる――確かに、有効な手だ。
「けど、逆に言えば、どこで待ち伏せているか特定しやすい……準備は良い?」
「あぁ、キノコと戯れは終わり。準備運動はできている」
 ナイフ片手に現れたアッシュ・アーヴィング(傭兵・g01540)は、不敵な笑みを浮かべている。
「まずは、敵の配置とどこで戦うべきか、だな」
 肯いた恵の双眸は、既に完全視界を具えている。尤も、自然物・人工物を問わず、『遮蔽物』の透視は流石に叶わない。それでも、火災による煙ならば見通せるだろう。
 ちなみに、小川沿いの路はまだ火の手が及んでいないが、敵のパラドクスは火気を帯びる。戦闘時に炎に巻かれる可能性はあり得るのだ。
「なら……こんな手はどうだ?」
「了解」
 少ない会話で役割分担を済ませ、恵とアッシュは二手に分かれる。
 地を蹴り、更にもう1度、恵は宙を蹴って樹上を渡る。敵の集団は、小川の路を見張っているだろう。
 ――地の理乱す天光よ降れ。
 わざわざ、真正面から仕掛けてやる義理は無い。小川と反対側、木々の間からパラドクスを放つ恵。
 ――――!
 光弾が雨あられと特務竜部隊『ジャメヴ』へ降り注ぐ。
「なんだぁっ!?」
 敵が浮足立つのも束の間、恵の立つ樹の根元に炎纏う斧が相次いで突き刺さるや、幹裂ける物騒な音がメリメリと。
「……っ」
 反撃は魔闘気で防げようが、足場が揺らげば、咄嗟に宙に身を躍らせる。すかさず、敵の拳が次々と振り抜かれ、灼熱の衝撃波が木々を薙ぎ倒す。
 恵の初手、幻惑のスコールはその名の通り、地形認識を狂わせる幻惑魔術を組み込んでいる。だが、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる。
(「間に、合え!」)
 半ば体勢を崩しながら、辛うじて、LUSTオーラシールドの展開が間に合った。敵の反撃を掠り傷で凌げたのは、残留効果の賜物でもあるだろう。
「敵は1人だ。さっさと畳んじまえ!」
 ダブルジャンプで体勢を整え、着地した恵にジャメヴの火斧が迫る――。
「おいおい、目を離したのか? 死が迫ってきているぞ」
 よもや、背を向けた小川から、刃を突き立てられようとは。
 音を消し、視界から消え、死角から致死性の一撃――アッシュのパラドクスによる一撃は、不幸にも川岸にいた1体のトループス級に引導を渡す。
(「よし、上等」)
 恵が囮を引き受けて派手に立ち回る間に、アッシュは小川の中から奇襲の機を窺っていたのだ。
 流石に、人間の身で水中呼吸は出来ないので、極力接近してから水中に潜り、光学迷彩を纏って隠れていた。
 息が続いて良かった、なんて安堵はおくびにも出さず、アッシュは赤い双眸を眇めて身構える。
(「あとは、流れに任せて引っ掻き回せばそれでよし、と」)
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【完全視界】がLV2になった!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!

珠々院・アンジュ
※連携・アドリブ可能です。
「敵ですね。殺しましょう」
無表情で淡々と喋りますが無口ではありません。
他の人ともコミュニケーションは取れます。
敵に対しても淡々としたですます口調ですが内容が過激になります。
成功のため自身の持てる技能は惜しみ無く使います。
表情には出しませんが、相手を呪詛で侵食することに愉悦を感じています。


 パラドクスは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。自身の怪我は疎く気にしません。
他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


「何をやっておるか! 不甲斐ない!」
 待伏せから一転、奇襲されて圧され気味の戦況に、鎌斬卿・ズィフェルスは苛立ちを隠せない。その全身を覆う刃は、禍々しく赤熱している。
 だが、ディアボロスの標的は、トループス級ばかりではない。
「敵ですね。殺しましょう」
 淡々と言ってのけた珠々院・アンジュ(エントゾルグングフルーフ・g05860)を、ズィフェルスはせせら嗤う。
「脆弱な人間風情が」
 侮る言葉にも顔色一つ変えず、少女はいっそ無造作に身構える。
 敵に呪いを。死しても終わらぬ永劫の呪いを――呪装包帯が、妖しく揺らめく。
 ――――!
 全身から滲み出るのは、呪いのオーラだ。己が身より迸るに任せ、アンジュの小さな拳がドラゴンに迫る。
「……何!?」
 赤熱の鱗も構わず、胸倉を抉る。触れなば最後、アンジュの呪詛は猛スピードで浸蝕していく。
「貴様ぁッ!」
 怒声を上げ、ズィフェルスの刃の翼が炎上する。その炎で直截、アンジュの顔を、眼を、焼かんと、燃ゆる刃が唸りを上げる。
「……っ」
 失視に至る炎刃こそ躱したものの。袈裟懸けの斬撃に、アンジュは微かに眉根を寄せる。だが、更なる追撃に至らず、呪詛に苦悶するズィフェルスに、殺意も露に言い放った。
「悶えろ、苦しめ、生きていることを後悔しろ」
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【腐食】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!

塞河・みやび
ひゃーたすけてー燃えるー!
炎上しながら敵が待ち伏せしてる所に突っ込むのじゃ。
でもこれは演技なのじゃー。

この炎はあつあつオーラを用いた火炎使い能力によるもの。
まさか敵も、自らを燃やして演技するとは思うまい。
なんかエルフじゃないような気がしても、物のついでに倒しておくかって感じになると思うのじゃ。

そこで不意打ちのみやびちゃんハンド!
渾身の手刀で破壊するのじゃ。
敵が立ち直る前に勝負が決まればそれでよし。

もし行動が読まれてきたらパターン変更するのじゃ。
風のオーラを込めた術符を投擲して吹き飛ばし、陣形をかき乱して撹乱、その上で一発加えていく、一撃離脱戦法!
コレならわかっていても対応しにくいと思うのじゃ。


金森・椿
アドリブ歓迎

よくもまあここまで燃やしたものです。
煌々と炎が輝けばそれだけ影も深くなります。
忍びの本領発揮といきましょう。

派手に炎上して突っ込む味方に合わせて【光学迷彩】と【モブオーラ】で身を隠しながら隙を窺い、敵の不意を突いて一刀のもとに切り伏せます。
炎も煙も【完全視界】でなんのその。
その首、貰い受けます!

足止めは【飛翔】でやりすごして衝撃波は【エアライド】も駆使して受け流せれば幸甚ですが、さて。
それ以上に炎の加護のせいで肌が焼けるのが大問題です。
手早く討ち取ってしまいましょう。


「ひゃー、たすけてー燃えるー!」
 盛大に悲鳴を上げながら、駆け込んで来たのは――炎に包まれた人影。
 未だ、戦いの最中のジャメヴらは、ギョッと目を瞠る。
 よく見れば、狐みたいな耳が揺れているような……うん、エルフとかじゃない気がする。
「ここで不意打ちのみやびちゃんハンド! な~のじゃっ!」
 だが、判断を下す暇もなく――不運なる1体に、渾身の手刀が閃く。
(「フフン、まさか、自らを燃やして演技していたとは思うまい」)
 全て、塞河・みやび(さいかわみやびちゃん・g04329)の演技だ。あつあつオーラ――具現化したオーラの火炎を纏って突撃、偽装と看破される前に先制攻撃を叩き込んだ。さいつよ☆みやびちゃんハンドは、防御を貫通して五感を刺激する為、きっと実際のダメージ以上に痛い。
「……貴、様ぁ!」
 悶絶して白目を剥き掛けたその1体だが、すっごい頑張って踏み止まった。
 反撃の斧が燃え上がる。正にカウンター、手刀を戻すタイミングに合わせた斬撃は、残留効果の援けが無ければ、みやびの小柄を抉っていたかもしれない。
(「流石に、これで勝負が決まると思うのは、甘かったかのぅ」)
 だが、ディアボロスはみやびだけではない。
「その首、貰い受けます!」
 熱気を切り裂いたその一撃は、狙い過たずジャメヴの頚部に届く。
 忍びの本領発揮、金森・椿(薬売り・g02220)のアサシネイトキリングだ。
 派手に炎上して突っ込むみやびに合わせて、光学迷彩を纏って身を隠し、敵の隙を突いたのだ。
(「よくもまあ、ここまで燃やしたものです。でも……煌々と炎が輝けば、それだけ影も深くなりますから」)
 煙程度なら、完全視界を以てすれば何のその。
「……っ」
 故に、残敵の影を認めるや、椿は地を蹴り樹上へ飛び上がる。
 不意打ちは、初見殺しであればこそ。残る敵には、そう簡単に通用すまい。
(「敵のパラドクスを、飛翔とかエアライドだけで凌ぐのは、流石に厳しそうですし……」)
 明確に、戦闘に有用なのは、所謂『効果2』の方なのだ。
「パターン変更、なのじゃ!」
 考えあぐねる椿を他所に、風のオーラを纏わせた術符を投擲するみやび。パラドクスでなければ、敵を害せぬのは承知の上。攪乱、というか、寧ろ敵の注意を引き付け、みやびちゃんハンドを一発ぶち込む心算だ。
「これぞ一撃離脱戦法! な~のじゃっ!」
 その実、『逆説連鎖戦』は世界法則を書き換えるパラドクスの応酬であり、空間的な間合いなど、然したる意味は無いのだが。
「では、手早く討ち取ってしまいましょう」
 みやびが敵の注意を引けば引く程、椿のアサシネイトキリングも捗るというもの。敵の炎で肌が焼けてしまう前に、有難く片付けてしまうとしよう。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【狐変身】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【フィニッシュ】LV1が発生!

アッシュ・アーヴィング
アドリブ歓迎。他者絡みはお任せ

森に火をつけ、木々を伐採か?
好き勝手やったんだ、好き勝手噛みつかれる覚悟をしとけや。

【飛翔】【光学迷彩】を利用し火の海を回避と森による進行阻害を対策。
こちらの距離に入るあたりで着地。地上戦に持ち込む。
【水源】を使い全身に水を被り気休め程度の火傷の対策をした後に【傭兵式格闘術】による近接戦闘。

頑丈さの勝負じゃ相手にならないだろうし、【完全視界】を動員し刃は回避を優先。
最悪避けれなさそうなときは火傷覚悟で武器で逸らすよう対処する。


黄泉王・唯妃
※アドリブ・連携歓迎。

おやおや、これはこれは。
よく切れそうな身体をしているようですが、それならただの包丁にでも成り下がったらどうですか?
その方がよっぽど役に立ちそうなんですけどねぇ。

刃の生えていない足を狙い【早業】【捕縛】。思いきり引っ張って転倒させれば逆に尻尾や翼は起き上がりの邪魔になるでしょうから、その隙に翼の刃などを力任せに圧し折っていきましょうか。
【トラップ生成】を使って周囲に大量の蜘蛛糸を設置。動きを阻害したりは出来ないでしょうが相手の反撃による目潰しを貰った際に、切れる蜘蛛糸の場所で相手の大体の動きは読めるでしょうから、そこは回避に専念します。

「さて、じっくりと嬲るとしますか」


 周囲のトループス級を斃し尽くし、アッシュ・アーヴィング(傭兵・g01540)は剣呑に赤の双眸を細める。
「森に火を点け、木々は伐採か?」
 全身炎の刃に覆われたアヴァタール級『鎌斬卿・ズィフェルス』だって、勿論逃す心算は無い。
 煙こそ立ち込めているが、周囲に火の手はまだ及んでいない。だからこそ、既に逆説連鎖戦中のドラゴンの姿は、完全視界を通してよく見えた。
(「ま、気休め程度だろうけど」)
 『水源』を利用するまでも無い。小川に身を沈めて全身を濡らしたアッシュは、徐に翔ける。
 すぐさま参戦はせず、木陰に身を隠して光学迷彩を纏い、仕掛ける絶妙のタイミングを狙った。
「速攻、行くぜ」
 呪詛に冒されたか、ドラゴンが苦悶の叫びを上げた瞬間――自動拳銃を手に、木陰から飛び出すアッシュ。
 ――――!
 銃声轟くと同時、更に敵の懐に入り込むや、逆手の軍用ナイフで切り上げた。
(「やっぱ、頑丈さじゃ相手にならないか」)
 アッシュの傭兵式格闘術は、乱戦の中で複数を相手取った制圧がコンセプトだ。その分、ダメージが散じる傾向にある。
「……っ」
 残念ながら、完全視界に動体視力を向上させる効果はない。目潰しの熱線は辛うじて避けたが、咄嗟に庇った腕に焼けるような痛みが走る。炎刃の斬撃だ。
 だが、アッシュは不敵に笑んで、身を翻す。
「逃すと思うたか!」
 一撃離脱と判断したか、ズィフェルスは手負いの青年を追撃せんと――突如、その足元に粘着糸が巡らされようとは。
「おやおや、これはこれは。ようこそ、我が領域に」
 悠然と声を掛けたのは、黄泉王・唯妃(灰色の織り手・g01618)。アッシュとて闇雲に退散した訳では無い。誘い込んだのだ、唯妃の罠地帯に。
(「流石に、『蜘蛛糸』で動きを阻害したりは出来ないでしょうが」)
 更なる極細の糸を周囲に張り巡らせる唯妃。正に、蜘蛛の化身に相応しいパラドクスだ。
「さぁ、貴方の生命も運命も絡めとってあげましょう」
 刃のない脚を縛せれば重畳。転倒の隙に翼の刃など、力任せに圧し折って仕舞えれば。
「ヒト如きが、ナメルナァッ!」
 糸繰りの早業で確かな手応えを感じるも、同時、ドラゴンの咆哮が轟く。
 ――――!!
 パラドクスで無い粘り糸が火花散るように燃え上がるのを認めるや、唯妃は思い切りよく糸を手放した。
 翻った漆黒の髪を熱線が貫き、独特の臭いが彼女の鼻腔を擽る。顔を顰める暇もなく右にに飛べば、脇腹を炎の刃が掠めた。
「あー、なるほど。こいつは判り易いや」
 アッシュは感心の面持ち。残留効果『トラップ生成』の罠は、クロノヴェーダを損なえない。だが、唯妃はドラゴンの動きを、燃える糸の軌跡で察知した。
 逆説連鎖戦に於いて、パラドクスの応酬は空間そのものを歪める。全ての戦闘で有効とまではいかぬだろうが、今回の策が上手くいったのは幸いであった。
「……貴様ら、よくもぉっ!」
「好き勝手やったんだ、好き勝手噛みつかれる覚悟もしとけや」
 怒りの所為か、赤熱するドラゴンに鋭く言い放つアッシュ以上に、唯妃の表情は冷ややかだ。
「さて、じっくりと嬲るとしますか」
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【ドレイン】LV1が発生!

金森・椿
アドリブ歓迎

もはや敵に兵はなく、この戦場の大将を討ち取るのみです。
不埒な放火魔に目にもの見せてあげましょう。

ぶんぶんと振り回される動きの大きな全身の刃を手に持つ忍者刀で受け流しながら隙を狙いますよ。
幸い防御向きな残留効果が複数ありますしそこへ【ガードアップ】を追加です。
あいにくと私の体に不要な部分なんてないですから。

好機が到来したら火遁の術で派手に燃やしてやります。
臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!
本当の火計をその身でとくと味わいなさい!


「……ふう」
 深呼吸ひとつ。凛と顔を上げ、金森・椿(薬売り・g02220)は身を翻す。
 もはや敵に兵はなく、この戦場の大将を討ち取るのみ。
(「不埒な放火魔に、目にもの見せてあげましょう」)
 既に、アヴァタール級はディアボロス達と切り結んでいる。全身の刃は赤熱し、触れなば生身も焼け爛れよう。
「ガードアップ追加です!」
 積み上がる残留効果こそ、ディアボロスの強みであれば。殊、戦闘に於いては2番目の効果こそ重要だ。
「さあ派手に行きますよ!」
 肉体がより堅固となるのを自覚しながら、椿は素早く印を結ぶ。
 臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前――!
「本当の火計、その身でとくと味わいなさい!」
 ……まあ、椿の火遁の術も、『忍術とは斯く在りき』というイメージの産物であり、寧ろ魔法めいたパラドクスではあるけれど。
 ――――!!
 さて置き、大爆発が起こる。もし、トループス級が生き残っていたとして、巻き込まれて全滅しそうな火勢だ。
 ガアァァァッ!
 竜鱗抉られ、血肉を撒きながら、それでも、鎌刃のドラゴンは雄叫び上げて踏み止まる。
「……っ!」
 反撃は刹那。全身が軋むのも構わず両腕を振り上げるズィフェルスは、空間を歪め、灼熱の爪刃を椿に叩き付ける。
「う、く……」
 辛うじて、忍者刀が間に合った。ギュルリと刃が擦れ合い、火花が頭上から降り掛る。
「生憎と……私の体に、不要な部分なんてありませんから!」
 灼熱に肌を炙られながら、強気を言い放つ椿。その瞳が、僅かに動く。
「今です! やっちゃって下さい!」
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【照明】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!

峰谷・恵
「腹立ち紛れの放火とはトカゲらしい品性だ」

可能な限り連携を取る。アドリブOK。
狐変身+モブオーラ+光学迷彩で敵の死角にある物陰に身を潜めて狐変身解除、可能な限りマナと気をLUSTビームマシンガンに集め、不意打ちで極光撃を撃ち込む。敵の反撃は【両断】【精神集中】【勇気】で敵の予備動作から攻撃軌道を見切り、後方に跳びながらLUSTオーラシールドで支えた竜骸剣で受け流し、敢えて逆らわず吹き飛ばされることで受ける衝撃を少なく抑える。熱と炎は魔闘気で防ぐ。
吹き飛ばされたら二段ジャンプからの飛翔で態勢を立て直す。
その後は機会を見計らって再度突撃、敵の負傷箇所に竜骸剣による極光撃を叩き込む。


 トループス級には派手に立ち回った峰谷・恵(フェロモン強化実験体サキュバス・g01103)だが、アヴァタール級を相手取るに、まずは狐に変じて物陰に潜んだ。
 群衆に在ってこそ効果を発揮するモブオーラはさて置き、隠形は光学迷彩に援けられる。
 尤も、狐の姿でパラドクスは使えない。人の身に戻った恵は、ディアボロス達の猛攻にドラゴンが気を取られているのを幸いに、森羅万象の気とマナの集束を試みる。
 森羅万象の力よ、集い砕け――。
 腕に装着したLUSTビームマシンガンは、本来、サキュバスの魔力をエネルギー源としている。だが、これに更なる力を乗せれば。
「今です! やっちゃって下さい!」
 ディアボロスの叫びと同時、恵は極光撃を放つ。森羅万象の力に得た砲撃はオーロラのような軌跡を描き、鎌斬卿・ズィフェルスを背後から強襲する。
 ――――!!
 手応えは確と。だが、恵はすぐさま後方に跳ぶ。
「小癪な真似をぉぉっ!」
 迫り来るは灼熱の竜尾。幾重にも返しが付いた矛先の如き鋭利が、空間を捻じ曲げ、恵の腕を切断せんと。
 ガキィィッ!
 翳した竜骸剣すら折れそうな勢いに歯を食い縛る。一瞬遅れて手の甲の発振器から闘気の盾を展開し、衝撃に逆らわず吹き飛ばされた。
「腹立ち紛れの放火とは、トカゲらしい品性だ」
 高熱に晒された肌が、ジクリと痛む。パラドクスによる熱は、魔闘気とて防ぎきれない。それでも、腕は持っていかれずに済んだ。
 木に激突する寸前、宙を蹴って急制動。悪魔の翼を広げてとんぼ返りする恵。
 追い打ちの斬撃を浴びせ掛けるべく、今度は竜骸剣に森羅万象の気とマナを集めた。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【エイティーン】LV1が発生!
効果2【リザレクション】がLV2になった!

アデレード・バーンスタイン
フローラリアは守護者の役目を放棄し、ドラゴン達は疑心暗鬼により本来搾取するはずのエルフ達を自ら焼き尽くす…。
この状況で同朋を守れるのはわたくし達のみ!
今こそエルフの守護者たる我が部族の役目を果たす時ですわ。

全身が刃物のドラゴン…接近戦を仕掛けるには厄介ですが我が拳に砕けぬ刃はありませんわ…。

相手と一定の距離をとってエルフの弓矢にて牽制をします。
相手に逃げ回ってると思わせて相手が接近戦を仕掛けてきたら好機。
【ランスオブオーク】の魔法で巨大な樫の矢を召喚して矢を放つと共に相手に接近して矢の命中と同時に素手による【デストロイスマッシュ】を打ち込み丁度楔をハンマーで打ち込む原理で相手を【破壊】します。


 嗚呼、妖精郷が燃えていく――。
(「フローラリアは守護者の役目を放棄し、疑心暗鬼のドラゴン達は、本来は搾取対象のエルフ達を焼き尽くそうとする……この状況で同朋を守れるのは、わたくし達のみ!」)
 意気強く、エルヴンボウに矢を番えるアデレード・バーンスタイン(エルフのデストロイヤー・g05838)。
 弩の弦を張るには手間も労力も掛かる。だが、華奢な外見に違う膂力で難なくこなし、アデレードは、鎌斬卿・ズィフェルスに照準を合わせる。
「今こそ、エルフの守護者たる我が部族の役目を果たす時」
 ――――!
 矢が、熱気を裂く。すぐさま、身を翻すアデレード。
 パラドクスならぬ弓矢でドラゴンを損なえぬのは承知の上で、少女は他のディアボロス達がパラドクスを放つ合間を縫い、矢を射掛け続ける。
 ガアァァァッ!
 殺到するパラドクスに、ドラゴンは苦悶の叫びを上げる。ギチギチと竜躯の刃が擦れ、赤熱の輝きが、徐々に喪われていく――。
 カァァァンッ!
 今しも、弩の矢が、頭頂の刃に弾かれた時。ギロリと、ズィフェルスの眼がアデレードを捉える。
 これまで、弓矢の牽制に終始してきた彼女を、只人と思ったか。それとも、積み重なったダメージが、その判断力を鈍らせたか。
 ゴアァァッ!!
 全身のバネをたわめ、飛び掛かって来たズィフェルスを見上げ、アデレードは不敵に翠眼を細める。
 ――――!
 この期に及んで、射出した巨大矢――ランスオブオークは敵の腕の一振りに両断されるも、本命はそちらに非ず。
(「全身が刃物のドラゴン……接近戦を仕掛けるには厄介ですが」)
 デストロイガントレットに包まれた拳を握る。魂に満ちる衝動を、建物すら打ち砕く念動力に変えて――真っ向から、楔打つハンマーのように、叩き込む。
 ア……ガ……。
 ドラゴンの蹴爪がバトルドレスを切り裂くも、アデレードは一歩も退かず、言い放つ。
「我が拳に、砕けぬ刃はありませんわ」
 体勢を崩し、墜落した竜躯の刃に無数の亀裂が走る。
 ディアボロス達の猛攻の果て、エルフのデストロイヤーの一撃が、文字通りにドラゴンを破壊する。火災の元凶が潰えた今、周辺の炎も鎮火していくだろう。
「平和と秩序を乱すものは……これからも、この拳でぶっ倒しますわ!」
 部族の使命を全うしたエルフの少女は、誇らかに微笑んだ。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!

最終結果:成功

完成日2022年03月20日