リプレイ
風菱・ルリカ
場所が荒むと心も荒むって、おばあちゃんも言ってました。
だから私は、お花を贈ろうかなと思います。
綺麗な色、優しい香り……そういうのってあったかい、ですから。
怖がらせないよう、体から出る霧を控えめにしながら、どんどんお花を咲かせます。
菜の花、カモミール、ラベンダー……新宿から持ってきたいろんな種が咲けば綺麗なかなと。
その、皆さん……長持ちすると思うので、いっぱい飾りませんか?
そうしたら、帰ってきた人も喜んでくれると思い、ます。
……あの、そうだ、乾燥させたらポプリになる花も、あると思うんです。
飾った後に、作ったり、また飾ったりして、楽しめませんか?
今より先のことも思って、提案してみます。
風間・響
俺らが戦ってる後ろには、震えて待っている人たちがいんだよな。
うっし、今回は敵に突っ込むんじゃなくて、怯えてるやつらを励ましにいくとすっか!
こっそり、≪Spot-the-difference≫を使ってっと。【平穏結界】を張りつつ……何にびびってんのか、仕草とか目線、周りの様子からある程度予測がつくんじゃねーのかな。まぁ、一番は死にたくねぇ、ってことだと思うけどよ。
落ちてる瓦礫を拳で砕いてみたりしてさ。ほれ、このおにーちゃんと同じぐらいつえぇやつらがいっぱい来てるからよ。安心しな!とか。パフォーマンスできたらいいよな。
ひび割れたアスファルトを蹴って進むたび、風間・響(一から万屋・g00059)は世界に起きた異変を実感する。足元から頭上まで人工物で形成された世界でありながら、ここは人の気配が限りなく薄い。
誰もがきっと、隠れながら震えている。そう思いながら陽射しの強さに目を細めた。
「こんなに天気いいのにな」
生と死が隣り合わせた日常を送る人々の元へ駆けつけた響は、そこに風菱・ルリカ(黒き砂塵・g01446)の姿を見つける。ルリカは小さな手で命を潤し、辺り細々と生きる区民たちへ見慣れた花たちを贈っている。
黄色に白、薄紫。色とりどり、種々の形で人を楽しませる花の成長を速めたことで、瞬く間に子どもたちの周り、瓦礫の隙間で色が燈る。
「こちらは、カモミール……こっちは、ラベンダー」
「わあ、きれー!」
花に明るくない子どもたちへ紹介すると、歓声があがる。
「おねーちゃんすごい! ぼくにも何かできるかな」
「は、はい、一緒に『大きくなあれ』って唱えながら、お水をあげましょう」
ルリカが育て方を教えると、はーい、と幾つもの声が重なった。
そんな子どもたちの朗々とした声音は、周囲にいる大人たちの心身をも和ませる。
「あの子たちがあんなに笑うの、久しぶりだねぇ」
老婆が小さく笑ったのを、響も耳にして。
平穏が約束されるべき場所だからこそ、彼は履き慣れたブーツでトントンと地を叩き、結界を張る。彼らが何を恐れているのか、広がる光景を材料に探りながら。
(「想像はつくけどよ。一番は死にたくねぇってことだろうし」)
花やルリカたちの輪から離れた所にいる少年少女と、ふと目が合った。
流れるように彼らの手元を見やって、響は気付く。茶色い何かを持っている、と。
「お。なんだ、いい物あんじゃん。作ったのか?」
「……おこらない?」
「怒るわけないって、むしろすげぇんだし」
誉めながら歩み寄れば、子どもたちの双眸にも光が燈る。
そして彼らが響へお披露目したのは、自信作であり、大人たちの目を盗んで作っていたもの。
「これでおかあさんを守るんだ!」
「パパが危なかったら、私、これで戦うの!」
彼らが持つのは、やわらかい段ボールで作った剣。
思わず響は、喉元で痞えた呼気を吐き出す。
言えるわけがない。その武器では、クロノヴェーダと戦えないなんて。
だから代わりに、めいっぱい笑顔を浮かべてみせる。
「ちょっと見てな」
一声かけるや、少し大きめな瓦礫を拳で砕いてみせた。鮮やかな技に子らが感動してくれたのを知り、彼らの気が他へ移らぬうちに響が連ねる。
「このおにーちゃんと同じぐらい強ぇやつらが、いっぱい来てるからよ」
「そ、そうなの?」
「おお、だから安心しな!」
飾らぬ響の言動を真正面から受け止めて、子どもたちの顔にも笑みが咲く。
(「俺らが戦ってる後ろに、こうやって待っている人たちがいんだよな」)
繋がっていく縁を手の平で確かめて、響はきゅっと拳を握り締めた。
そしてかれらの後ろ、ルリカもまた別の花を咲かせていた。
子どもたちが率先して寝床や壁に花を飾り、時々老人たちが相棒としている杖や椅子に結んだりもして。提案者であるルリカは、女性たちとポプリ作りを進めていた。
「帰ってきたら、あの人きっと驚くわ」
声色を弾ませた女性に、こくりとルリカが首肯する。
「いっぱい、びっくりしてくれます」
「喜んでくれるかしら?」
「はい、だって……」
花びらを丁寧に集めていたルリカが、ちらりと女性の顔を覗き込んだ。
「あなたが、とても……嬉しそう、ですから」
飾らぬ口振りに女性は瞬ぎ、作業を止めてルリカの手を優しく包み込む。
「……ありがとう……ありがとね」
感謝の想いを目にして、萌える葉に似た色の瞳が揺れる。
先ほどまで弱々しく、冷えきっていた手が――すごく、あったかくて、どくどくと脈打っている。
(「おばあちゃん……おばあちゃんの、言ってた通り、でした」)
場所が荒むと心も荒む。だからこそ花は、そこかしこで咲いてくれるのだろう。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【植物活性】LV1が発生!
【平穏結界】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
無堂・理央
クロノヴェーダに抵抗してるとなれば生活も苦しいだろうなぁ。
建物を建て直したり、食べ物は出したりは出来ないけど、ボクが出来る支援は頑張ってやるよ。
怪我人や病人も居そうだし、【活性治癒】で治せそうな人が居たら治して回るよ。
ボクがお医者さんだったら、もっと的確に多くの人を癒せるんだろうけど、無いものねだりをしてもしょうがないよね。
癒して回った後は瓦礫とかがあったら、片づけを手伝うよ。
こういう力が要る事なら無双馬『クロフサ』も呼んで、一緒に瓦礫を引っ張ったりしてもらおう。
伏魔塚・羽犬
さーて、自分は食糧支援と行きましょうかね~。
腹が減っては戦が出来ぬ、って言いますし。
美味い飯食って腹一杯になれば元気百倍!
不可能だって可能にできる、それが食事の底力、ってね。
さ~ってさて、そうと決まれば早速作っていきましょうね~っと。
・・・う~む、食材は決して新鮮とは言えないねコレ、
傷んでるモノは論外だとしても余すことなく使っていきたい。
あと生気の見えない彼らの食欲を目覚めさせるような強い味、香り・・・
うん、カレーだな!!!!
なるべく辛さを抑えて老若男女みんなが食べやすいようにして…
・・・・・・・・
・・・・・
・・・
・
よ~し、出来上がり~!!
皆さんお待たせしました、さぁ、召し上がれ!!!
空腹こそが、無法地帯を招くもの。
記憶はなくとも、そうした心の移ろいがあると察している伏魔塚・羽犬(人間の特級厨師・g04372)は、腕を揮うべく区民の様子を見渡した。荒れ果てたビルの一角に身を寄せる人々の有り様が、彼の胸中を掻き乱す。
そんな彼へ声をかけたのは、無堂・理央(人間のカースブレイド・g00846)だ。
「あっちは、ボクお手伝いしてくるね」
大きなまなこをくるりと動かして理央が示した先、横たわる人たちがいる。汚れた包帯や布を巻いた人もあれば、暑苦しそうに汗ばんで横たわる姿もあって。
「ただ事ではありませんね~」
「だよね、だからそっちはお願いするよ」
理央の言う『そっち』が何かは羽犬自身も理解している。手にした包丁、眼前に並べた食材や缶詰の数々と、歪んだ鍋。
お任せあれ、と理央へ応じて羽犬は早速食材の状態を確かめていく。手に取るまでもなく判った。
(「うう~ん、決して新鮮とは言えないねコレ」)
弱った区民に食べてもらうとなると、羽犬としても迷うところ。難しげに片眉を上げ下げしながら、顎を撫でる彼を、柱の陰から子どもたちが見物していた。
何となく羽犬が目許を和らげる。すると少年少女の顔が柱へ引っ込んだ。一連の動きがあまりに子どもらしくて、羽犬は微かに口端を上げる。
「どうです? 見ていきませんか?」
彼が手招くと、子どもたちがおずおずと近付く。
「なにつくるの?」
「そこなんですよね~。美味い飯を作る、としか決めてなくて」
「えっ、ごはん!?」
途端に少年の声が弾む。だから羽犬も頷いてみせた。
「腹が減っては戦はできぬ、腹一杯は元気百倍」
「なぁに、おまじない?」
「みたいなものです」
好奇心の塊たちはいつしか羽犬を囲い出し、彼の一挙手一投足を網膜に焼き付ける。
となれば羽犬も、期待に応えずにはいられない。食事の底力は、不可能だって可能にするからこそ意欲が湧く。
生気の薄れた人々の食欲を、目覚めさせるもの。強い香り、刺激的な味。考えていくうち、羽犬の脳裏で点と点が結ばれた。
そうだ、カレーをつくろう、と。
「……手伝っていきます?」
羽犬からの誘いは、待つだけの少年少女にとってこの上なく嬉しいものなのだろう。
うんっ、とたいへん良い返事が羽犬の耳朶を打った。
こうして彼らがカレー作りに励む間、理央は癒しの力を一帯へ生み出していた。
(「建て直すとか、食べ物で支援とかは、ボクにはできないけど……」)
助けになりたい。助けてあげたい。
想いが募るほどに理央の双眸は紫雲をくゆらせ、辺りへ広がる治癒の術も活性化されていく。
苦悶の表情を浮かべ、喘ぐばかりだった病人や負傷者たち。
そんな彼らが苦々しさを拭い去るのにかかる時間を、少なくさせて。
大丈夫、これなら大丈夫と、理央は自分自身にも言い聞かせるかのように繰り返す。
(「ボクがお医者さんだったら。医学の心得があったら。もっと違ったんだろうけど」)
無力さを痛感して悔しがる理央は、ごく普通の女の子だった。
だからこそ想像できてしまう。区民たちの生活が、どれだけ苦しいかを。
(「無いものねだりをしてもしょうがないよね」)
ゆっくりかぶりを振って、理央は相棒たる無双馬のクロフサを喚んで。
「その瓦礫動かすよー!」
「あら! 助かるわ。骨組みが飛び出てて、危なかったから」
女性の輪に混ざり、危険物の撤去に勤しむ。
「ボクがやるから、お姉さんたちは赤ちゃんのお世話をお願いするね」
言うや瓦礫へ手をかけた理央に、女性たちが瞠目する。
本当にいいのかと戸惑う彼女たちへ、まっかせてよと向けた理央の笑顔は、本日の陽射しに似て。
「ボクこう見え力持ちなんだから。クロフサー! 動かすの手伝ってー!」
呼び寄せた愛馬と共に、生活環境を整頓していく。そんな理央の姿を瞳に映して、女性たちはばたばたと赤ん坊の世話をし始めた。自分にやれることを、と踏ん張る理央もまた、人々の営みを時おり確かめては、片付けをする。
こうして各々の作業が捗れば、やがて拠点内に響いたのは。
「長らくお待たせしました、カレーですよ~! 皆さん、どうぞ召し上がれ!」
「「めしあがれーっ!」」
羽犬と子どもたちによる、口福の合図。
人々が活力や体力を得る「おいしい」で満ちていく時間が訪れた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV2になった!
赤薙・夜明
私はディアボロス……と言っても
そう名乗るずる賢いアークデーモンも居るかもしれませんね……
私を証明出来るものはこれと言ってありませんが
こういう時は言葉よりも行動で示す方が手っ取り早いでしょう
具合の悪い方はいますか? 私は手当の心得があります
簡単な医療知識はありますが。それで治せない怪我などは創造者の義手を使い【活性治癒】使用して少しでも楽な状態にします
技術や武器が無くともまず身体は健常な状態にしておきましょう
言うならば心の準備です
これから参加する戦いで怪我をする人が居てもきっと私が対応するでしょう
決死の戦いとなるでしょうが、最後まで生きる事は諦めないでください
私が居る限り簡単には死なせませんから
栗島・スミコ
($ summonevile angel...)
天使を召喚。天使の魔力を借りて【友達催眠】をかけつつ、フレンドリーにはなしかける。
「あーいう、化け物と真正面から戦っちゃだめだよ。いいかい、大事なのは生きて帰ることさ。君たちは捨て駒じゃない。」
火器の使い方、射撃位置について念入りに指南する。
「撃ったら隠れる、そしてすぐに移動する。同じ位置にとどまるのは絶対にダメだよ!」
んふ・・・ちょっと偉くなった感じ。
夏生・幽
①
避難しろなんて野暮はナシだ
戦わせてあげよう
【復讐の刃】で具現化した武器をキミたちに貸してあげる
別におかしな物じゃない、実在した武器だよ
僕は【操作会得】出来るから、ちゃんと使い方も教えてあげられると思う
【投擲】のコツとか、敵に近づかずに使う方法もね
半壊したマンションの瓦礫の裏とか
戦闘範囲内に身を隠せる場所があれば
キミたちだけ開幕待ち伏せしても良いかもね
で、ここぞというタイミングで加勢をするって筋書きはどうだろう
それにさぁ
あとから遅れてやってくる方がヒーローっぽくてカッコよくない?
いやいや、僕はキミたちの緊張を解してるんだよ
うん、まあ、大丈夫
皆が居るし、僕もキミたちを守るしね
時坂・暁
ゼノビアと参加
他との連携も歓迎
義勇軍ですか…この地に芽吹く反抗の兆し、絶やすわけにはいきませんね
既に用意されている【平穏結界】でこの地での活動を隠蔽し
発見されないうちに武装の訓練をしっかりと行っていきましょう
とはいえ私も武器の扱いはそこまでなので体捌きなどを受け持ち
後は他の方のサポートで
【託されし願い】を用いて力なき人々の声なき声を皆に伝え
士気を高めていきましょう
退路の確保を行っているゼノビアを引っ張ってきて彼女の懸念に応えましょう
「大丈夫、竜の翼を備えてはいますがそんなことは些細な事です。
男っていうのは綺麗なお姉さんの一声に弱いものですよ」
さぁ、貴方の一声で彼らの士気をさらに高めてください
ゼノビア・ディアーエ
①住民の避難と義勇軍
さて――、一般のものに、私の姿が悪魔と映らねばよいがな?
ふふふ、暁、おぬしの率直な感想を教えておくれ
さて、戦場はこの半壊したマンションの群れか。
私は、道路の状況から確認するとしようかの
戦闘後に、一般人が敵へと一撃を加えたのち、直ちに拠点へと逃げられるよう、退路は整える必要がありそうよの
【飛翔】して、散乱する瓦礫などを運搬して、撤退時に一般人が理路整然と逃げることができるよう道を整えるとしようか
退路の確保が終わったら、集めた瓦礫片は防御柵として、二重三重に巡らせて敵への障害物として備えるぞ
ふふふ、暁、正義の味方のおぬしに住民の訓練は任せる
私は凱歌をあげて皆を鼓舞するゆえな
突き抜けるような青空をよそに、地上ではこの世の終わりを形作る光景が広がっていた。窓どころか壁まで崩れたマンションたちは、すっかり人々の営みを喪失し、ただの建造物と化している。
この場所こそ、義勇軍たる区民たちの待機所だった。
「彼らが義勇軍ですか……」
時坂・暁(パラダイス・ロスト・g00297)が零した音すら、破壊された景色へ呑まれていく。
住民たちの拠点を離れ、ここに根差すのは時機を窺う者たちの意志。それはアスファルトや鉄屑の割れ目から芽吹く、反抗の兆しだと暁は確信している。だからこそ。
(「大事なものです。絶やすわけにはいきません、とはいえ……」)
そう思いつつ何気なく暁が見たのは、他の仲間たちの行動だ。
歩を運ぶたび靴裏で硝子片が砕けるのを感じながら、栗島・スミコ(ピアスの少女・g00599)は天使を喚んでいた。
――$ summonevile angel……。
天を司る者の加護が、勇士らの角ばった認識にやすりをかける。
「どーも。キミたちの戦いを支えにきたよ……あ。ちょっと怪訝そうな顔したね」
友のように接してくれるとはいえ、訪れた援軍に諸手を挙げるわけではないらしい。
しかし疑念からそうするのではなく、彼らなりに気にかけていたものがあって。
「無理にこっちへ来てないか? 拠点の守りの方が……」
「平気、そっちは問題ないよ」
すかさずスミコが言葉を挟んだところへ、あどけなさを残した赤薙・夜明(白蛇の手の後裔・g00805)が挨拶を寄せた。
「私たちはディアボロス、貴方がたを助けにきた者です」
拠点を心配すしていた義勇の兵だが、助けにきたと真っ直ぐ伝えられれば、「ありがたい」と安堵の息を吐くだけだ。
「ところで、具合の悪い方はいますか?」
薄い瞼でゆっくり瞬きをしながら尋ねた夜明けに、青年たちは瞬ぐ。
「……さっき手首を捻った奴ならいるが」
「では、簡単な手当をします。それと……」
夜明は赤を湛えた目を細めて、静かに、穏やかに創造者の力を展開する。
薄暗く死地の匂いに満ちていた一帯が、突如として活力漲る場と化した。それは青年たちにとって瞠目するばかりの現実で。
「い、いったいこれは?」
「治癒の力を強めるものです。傷も早く治るでしょう」
「傷が早く……そんなことが」
パラドクスを持たぬ一般人ゆえ、驚きを隠せない彼らへ夜明は淡々と続ける。
「身体は健常な状態にしておきましょう。その方が、対処しやすくなります」
幼いながらしっかりした口振りの少女を前にして、大人たちは顔を見合わせて頷く。そして。
「おい鈴木! さっき手をやってただろ、この子に看てもらえ」
離れた所で準備を進めていた男性を呼んだ。それは彼らが、ディアボロスへ信頼を寄せている証で。
「よかった。これからに集中してもらえそうだね」
見守っていたスミコからの一言に、夜明も成し遂げた感覚を得て、こくんと頷いた。
●
勇敢な者たちと接触する仲間がいる一方、ゼノビア・ディアーエ(インペラトール・g00774)はずらりと背を並べたマンションを飛び回り、退路の状況を確かめていた。散乱物を撤去し、若者たちが駆け抜けられるように整える。
それを繰り返す間、ゼノビアの思考を埋め尽くしていたのはもちろん、義勇を掲げた彼らのこと。
(「攻撃を加えた後、その場に留まり続ければ襲撃される懸念もあろう」)
ふうむ、と唸った一声すらも静寂に溶けていく。勇士たる彼らの一手が、クロノヴェーダへ届く前提で彼女は黙々と作業した。いくら勇ましくとも彼らは一般人。戦火に巻き込まれる可能性をゼノビアは危惧する。
(「万々一狙われても平気なよう、整えるとしようか」)
けれど逃げ出せれば。撤退の道がきちんと拓かれていれば、彼らの命も救われる可能性が高くなるはず。沈んでは浮上する己の思考に彼女自身が笑うのは、それから暫く経った後。
一通り済ませたところで彼女は、ふふ、と無意識ながら小さく笑う。
「……我ながら可笑しなものよの」
これほどまで、他者の状況に心を配るとは。
笑いを飲み込もうとすると肩が震えてしまうから、ゼノビアは待機所へ帰還した。
その道中、彼女は巨大な瓦礫の向こうにいる夏生・幽(レイス・g02607)と勇士らの姿を捉える。
「僕からはこれを。はい」
幽が彼らへ披露したのは、複雑な操作を必要としない民衆の武器――火炎瓶や投石器だ。アークデーモンに破壊されつつある街とはいえ、道具になるものはかき集められる。そんな品に触れてもらい、動かしてもらった。
おかげで瓶を投げるタイミングから投げ方、投石器の感覚的な飛距離まで、若者たちは幽からすんなりと学べた。
「誰にでも使えるってのは、大きいと思うんだ」
そう呟く幽に、若者たちも揃って首を縦に振る。
「確かにこれぐらいなら、俺たちでも量産できそう」
「うん、それがいい。作れたら、使い方の理解ももっと深まるから」
こくこくと頷きながら励ました幽に、青年たちがくすぐったそうに頬を緩める。
「しかし投げつけるだけとはいえ、うまく当てられるだろうか?」
顎を撫でて唸り出した青年へ、幽は丁寧に応じる。
「この辺はマンションの瓦礫とか、身を隠せるから待ち伏せしやすいかもね」
待ち伏せ。好機を待ちあぐねる彼らにとって、気勢に関わる重大な響きだ。
それを知ってか、幽は淡々と言の葉を連ねる。
「キミたちだけ開幕待ち伏せて、ここぞというタイミングで加勢をするのは、どうかな」
「しかし、それだと君たちが大変では」
共闘してくれるディアボロスの負担を心配しているらしい。だから幽は仄かに頬をもたげて。
「あとから遅れてやってくる方が、ヒーローっぽくてカッコよくない?」
それは泥水を啜ってでも生き抜き、抗う時を待ち続けた彼らへの、明瞭な後押し。
「……至高の筋書きじゃねーか」
「ヒーローっぽく、というのは気恥ずかしさもあるが」
「何言ってんだ! こういう時に格好つけないでいつつけるって!?」
先ほどまでと様子も一変した。武器を握る彼らの手も、道具を掴んだ彼らの手も、未来への願いを燈した拳さえ。そして記憶を何ひとつ持たぬ幽は、ただただ彼らの賑わいを眺める、眦を微かに和らげる。
そんな幽へ、冷静に行く末を見守っていた一人の男性が、茶目っ気のある笑みを傾けた。
「発破をかけるのが上手だな」
奮い立つ仲間を見て、言わずにいられなかったのだろう。
しかし幽は、いやいやとかぶりを振って、こう答えた。
「僕は緊張を解そうとしただけだよ」
●
「射線が通るのは大事だからね。そのための位置取りは、こんな感じ」
念入りに指南を続けるスミコは、実戦を前にして疼く若者たちと共にあった。
彼らも練習だからこそ動けているが、いざ戦場に立てばタイミングが遅れる可能性も出てくる。それを踏まえた上でスミコは、迷わず動かないとね、と付け足して。
「同じ位置にとどまるのは絶対にダメだよ!」
わかりやすいスミコの説明に、おお、と感嘆の声をあげる戦士たち。
混じり気のない反応が自身へ集えば、スミコも悪い気はしない。んふー、と得意げに胸を張る一方だ。
(「たまにはいいね、こういうのも」)
ちょっとずつのけ反っていたスミコは、そこであることに気付き、口を開く。
「あとね、あーいう化け物とは、真正面から戦っちゃだめだよ」
「真正面……しかし、戦うとなるとどうしても正面からになりそうだが」
義勇兵の言葉に対して、スミコもしっかり首を振って違うのだと伝える。そう、無茶をしかねない彼らへ伝えるのは、位置取りだけではない。
「いいかい、大事なのは生きて帰ることさ」
「生きて帰る……」
改めて現実を突きつけられたのか、青年たちの顔色に陰りが見えた。生きて帰ることが叶わないときは、死を意味する。まだ迎えたことのない死を想像するのは、こうした町で生きていれば少なくないだろう。だからこそスミコは言う。
君たちは捨て駒じゃない、と。
立派な戦士へ贈った響きが、周りの義勇たちの耳にも届く。
身体捌きを教えていた、暁の耳朶にも。
「……捨ててもいい命だと、思ったことはあるんだ」
訓練相手の男性がぽつりと落としたものを、暁は掬った。
「街が、家族が守れるならって。あの悪魔を追い出せるなら……死んでもいいって」
彼の言は暁の胸で渦を巻く。彼の、彼らの覚悟は曇りなき炎だ。
だからこそ暁は、両の手を天へ翳すように向けて願いを寄せる――映し出されたのは、ディアボロスへ想いを託した人々の日常生活。義勇の兵にとっては、見慣れたようで見知らぬ光景だろう。それがぼんやり浮かぶものだから、驚きを隠せない様子で。
しかもこの光景は、このディヴィジョンの港区民が喉から手が出るほど、望んでいるもの。
「私たちもまた、守るものがあって戦うのです」
ビル風のような荒々しさからは程遠い声色で、暁が紡ぐ。
「そして待つ方々はきっと、そんな私たちの帰りをいつまでも待ち続けるでしょう」
「待つ……人」
急激に萎んだ男性の声へ、首肯と共に暁が傾けるものは、たったひとつ。
「スミコさんが仰ったことを、どうか忘れないでください」
生きて帰ることを。生きることを。
応急処置を終えた夜明もまた、患者となった人々へ告げる。ずっと話したかった心持ちを。
「怪我をしても、私たちがこうやって助けます」
今日はそのために来たのだと、真剣な眼差しで訴えかけて。
「最後まで生きることを諦めないでください。私が居る限り、死なせません」
「そうだよ。皆がいるし、僕だって守るからね」
ちょうど待機所へ戻ってきた幽が、夜明の意見に同意を示す。
「……なんだか、あんたらが言うと心強いな」
義勇兵たちの強張った顔つきが緩むのを、夜明と幽はしかと見届けた。そこへ。
「少し良いかの、夜明さん」
不意に声をかけられ、夜明は跳ねた。振り返るといつのまにか黒衣の女性――ゼノビアがそこに立っていて。
「防御を固めるため、破片を幾らか分けてもらいたいゆえ」
「破片、ですか?」
きょとんとした彼女へ、ゼノビアは続ける。
「使えそうな瓦礫片を集め、簡単な防御柵としておる」
「そう、ですか。では負傷者から遠ざけたものを、お渡しします」
手当ついでに四辺の整理も済ませたからこそ、夜明はゼノビアへ瓦礫片の山を渡せた。
そして感謝を告げたゼノビアはすぐに踵を返す。
「ゼノビアも一言、お声がけはいかがでしょう。士気も高まりますよ」
「柄でもないゆえな」
にべもなく断られても、暁も引き下がらない。
「男っていうのは、綺麗なお姉さんの一声に弱いものですよ」
彼が言ってのけた一言により、暫し無言を貫いたゼノビアは。
「……凱歌なら、響かせてやっても良いがの」
姿勢ひとつ乱さず、そして振り返らぬまま暁へ応える。
わざわざ顔色を窺わずとも、暁にはなんとなく、今の彼女の表情が想像できる気がした。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】がLV2になった!
【友達催眠】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV3になった!
【ダメージアップ】LV2が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
百鬼・運命
義勇軍に協力要請
「お、あんたら此処の義勇軍か?あっちで悪魔がネズミの使い魔ばらまいたんで潰して回ってるんだけど、土地勘も手が足りなくてね。手伝ってほしいんだが?」
子供を探しているなら
「そりゃ、そっちも急ぎだ。お互い協力しよう」
要請受諾ならアイテムポケットから地図と色付き打上花火を配り、義勇軍の探索区域を悪魔誘導班から離れた場所へ誘導
「こっちは俺の仲間がいるから、此方の方を探して欲しい。見つけたら青。いないなら赤を打ち上げてくれ。ネズミ退治できる奴を連れていく。救助者(子供)がいたら緑で」
「この非常時に猫の手も遊ばせる余裕はないけど、直接戦うだけが戦いじゃないってね。一泡吹かせよう」
アドリブ歓迎
慌ただしさが増した空間を、百鬼・運命(人間の鬼狩人・g03078)は見回す。
ディアボロスたちが突き動かした数々の景色が、ここにはあった。
「あんたらが此処の義勇軍か」
頃合いを見計らい、気さくに話しかける。
「ネズミの使い魔を潰して回ってるんだ。悪魔がバラ撒いた物だから」
「ネズミ? そらまた……手間がかかりそうな」
苦みを含んだ頬を引き攣らせた戦士へ、「だろう?」と運命も肩を竦めてみせる。
「手も足りなければ土地勘も無くてね。手伝ってほしいんだが」
運命がそう連ねると、土地勘という言葉に反応したのか、彼らのくすんだ顔色にも微かな色が射す。
敵と戦いたい、この場に残り、わかりやすい形で抗いたいと願う勇士も少なくなかった。だが、明らかに余所から来た素振りのディアボロスたちでは、この崩壊した街でネズミを探し回るのも難しいだろうと考えて。
もちろん、ディアボロスも充分な人数が続々と集まって来ている。魔導具捜索に彼らの手数を割かなくても大丈夫だろうが、運命の狙いは『ネズミを逸早く見つけること』に比重を置いていない。
勇士として立ち向かえる彼らへ「戦い方というのは一つとは限らない」と教えるためだ。
「なるほどな、わかった。全員ってわけにゃいかんが、向かわせる」
リーダー格らしき壮年の男性がそう告げ、作業中の仲間たちへちらと目線を送る。
すると脚力のありそうな若手が十人ほど、運命の元へ集まった。
「助かるね、それじゃこの打ち上げ花火を合図用に持って……」
運命はすぐさま、アイテムポケットから取り出した花火の山を彼らへ手渡す。
「あっちは俺たちの仲間がいる。向こうを探して欲しい」
「あー……あんな方にも魔導具とやらがあるのか」
方角に覚えがあるらしい数名が、眉間へ谷を刻んだ。
「見つけたら青。いないなら赤を打ち上げるんだ。青を見たら、俺たちの仲間が駆けつける」
「了解。あんたらの仕事が終わらないうちに済ませたいとこだ」
ディアボロスと一般人とでは、やれることにもスピードにも差が生じる。
しかしそれは運命も承知の上。だから義勇の兵の発言に、彼は静かな黒の瞳へ意欲を燈す。
角の悪魔に一泡吹かせよう、と。
大成功🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
奉利・聖
蒼海番長殿(g01002)と
お声がけ頂き、ありがとうございます
誠心誠意務めさせて頂きます!
さて、ゴミの誘導が要な様子
であれば、お誂え向きなのがあります
奴の感覚を乱して御覧に入れましょう
──『幻気功』
惑わしの気を送ります 乱されたことにも気づかないでしょうね
進路上に【トラップ生成】で罠を置けば、より強い誘導になります
蒼海番長殿、どこへ導きましょうか
…おぉ!これは凄い!魔力で一気に地形を変えるとは!
ならば僕はその方向へ奴を誘導してみせましょう!
行き先は勿論、勇士が集う場ですよね?流石でございます
お見事な手腕です
御身と肩を並べられる栄誉に胡坐をかかず、完璧な掃除を遂行してみせます
お任せください
竜城・陸
聖くん(g00243)と
こちらこそ、ご快諾に感謝
そうだね、まずは我が物顔で闊歩する厄介者を然るべき場所へ叩き込むとしよう
聖くんが意識を惑わすまでは手を出さないよ
下手に警戒を与えてもいけないからね
術の効果が及んだようならばパラドクスで地形を組み替える
知覚が惑わされているならば、景色が異なることも気付きにくいだろう
【セルフクラフト】の効果も併用しながら
障壁を作って行き先を制限したり、生成されたトラップと組み合わせながら
巧く敵を勇士たちのいる方へ誘導していくよ
……はは、そんなに大袈裟にしなくたっていいよ
学園を一歩出れば、俺も君も同じ“復讐者”なんだからね
今回は頼りにさせてもらうとも
「お声がけ頂き、ありがとうございます! 蒼海番長殿!!」
ガラの悪さを持ちながらも、いや、そうした一面を持つからこそかもしれない礼儀正しさを有する奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)に、竜城・陸(蒼海番長・g01002)がそうっと眦を和らげる。
「こちらこそ、ご快諾に感謝するよ聖くん」
柔和な物腰の彼にそう言われれば、聖の表情にもきらきらと光が散る。
「はいっ、誠心誠意務めさせて頂きます!」
ストレートに奉仕精神を向ける彼の様相に吐息で笑って、陸は前方をみやった。
「さて、先ずはどうしようか」
きゃたきゃたと笑う角の悪魔がいる。聖も掌へ拳を打ち付けて、軽やかな足取りで街をゆく悪魔を睨みつけた。
あれこそがゴミ。街を汚し、人心を腐らせようとする紛うことなきゴミ。
そしてゴミが道に落ちているのを、聖はよしとしない。
「お誂え向きなのがあります」
響きこそ淡泊ながら意志に燃えているのがわかる声音で、聖が告げるのを陸もしかと聞き止める。へえ、と唸った陸に聖はすかさず会釈して。
「奴の感覚を乱して御覧に入れましょう」
「……それは楽しみだね」
陸からの答えを得るや、聖は気功術で己を高めだす。
二人の姿に疾うに気付いていた悪魔が、耳障りな笑い声をあげる。
「キャハハハ! やぁだぁ、ヤンキーくんが街を守るのお?」
いかにも苛立ちを誘発しそうな物言いだが、聖は狼狽しない。
すう、と深く吸い込んだ息を次に吐き出す時にはもう、惑わしの気が悪魔の元へと流れ込んでいた。アークデーモンにだって五感はあるだろう。そこへ作用する彼の精神世界こそ、正しく幻気功。
「なーに、お返事ないの? アタシさみしー」
愉快そうな角の悪魔をよそに、気の力は罠の生成と共にじわじわとかの者へ染み込んでいく。
悪魔の意識に幻惑の兆しを認め、陸がそろりと片腕を突き出す。
「さて、どんな形がお好みかな、角の悪魔君」
陸が淡い唇を静かに動かす。言葉へ沿うように街の残骸が、朽ちかけの街がカタカタと鳴り出す。いつしかそれらは離れては固まり、街路樹たちも驚くほどに『道』は『道』へ姿を変えていく。コンクリートの立方体も用いて、自然と方角が定まるように築いた。
これが陸のEortheで、陸の御技。
おぉ、と一部始終を拝見していた聖の感嘆が轟く。
知覚が鈍った今なら、悪魔も迷い込むだろう。拠点のある方角とは異なる道へ。勇士たちのいる方へ。
「何せ、我が物顔で闊歩する厄介者だ。然るべき場所へ叩き込んであげるとしよう」
悪魔の道行きを見届けつつ、陸が呟いていると。
「流石でございます蒼海番長殿、お見事な手腕です!」
聖の声が溢れんばかりに届いた。
「僕も御身と方を並べられる栄誉に胡座をかかず、完璧な掃除を遂行してみせます!」
「……はは、そんなに大袈裟にしなくたっていいよ」
平伏せんばかりに感心と敬いを言葉に換えた聖へ、少しばかりくすぐったそうに陸が笑う。
「学園を一歩出れば、俺も君も同じ『復讐者』なんだからね」
さらりと言った陸の言の葉に驚いたのだろう。聖がぱちりと瞬いだ。
だから陸も強調するように連ねる。
「だから、存分に頼りにさせてもらうとも」
「! お任せください!」
相も変わらず低姿勢な彼に、陸は小さく笑みを刷いた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【セルフクラフト】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV4になった!
【ガードアップ】がLV3になった!
霧雨・龍雅
その悪魔が暴れてる場所、まだ人が居るんだよね
なら、誘導するだけじゃなくて人に被害が出ないようにもしないとね
現場に急行して幻覚毒の魔力を放出、角の悪魔に【不意打ち】を仕掛けるよ
幻覚を見せて方向を狂わせ、人が居ない明後日の方向を破壊させて、その隙に上空から悪魔に向けて高速落下で手刀を振り下ろす
当たっても当たらなくても、とにかく全力の攻撃を一発叩き込んで、注意を俺の方に向けるんだ
あ、こういう時は挑発もした方が良いのかな
馬鹿にするのってあんまり得意じゃないんだけど…よし、やってみよう
構えたまま手招きをして
「来いよ、三下」
戦いながら皆が準備してる広場まで誘い込むよ
白石・コウ
のーみそ、ぶっ壊れてんなぁ。先生に代わっておしおきな。遊ぶなら壊さずたのしもーぜ?。
事件についてこう感じ、あり得た日常の為に解決を目指します。
誘導のためにパラドクス「ラクガキ太陽」と残留効果トラップ生成を使って、悪魔達を揶揄い刺激します。
霧雨の幻覚毒などに黒板消しトラップを重ねて、悪魔達を粉まみれに。
またチョークとペイントオーラで空中や地形に、挑発する文字やラクガキを描き、敵進路の誘導します。
他のディアボロスが有利になるように行動し、連携ができそうなら、作戦の足りない部分を補う形で助力します。
最大の目的は、子供達を助けることで、その為ならばある程度の怪我や些細な失敗はやむを得ないものとします。
アルビレオ・ブレア
拠点から遠ざけて戦場に誘導するなら、まずはクロノヴェーダの注意をひかないとね。という訳で『フリージングミサイル』爆撃!【冷気の支配者】と【ロストエナジー】で動きを鈍らせるよ。
ほら、無力な子供を虐めてる暇があるなら私を殺しに来れば?少しは歯ごたえがあると自負するよ!
ま、まあ、「残留効果の【ガードアップ】を使ってるから平気だろ」程度の自信なんだけど……
※アドリブセリフ歓迎です
きっとそこは、瓦礫と絶望に埋もれた世界だから。
翼を広げた霧雨・龍雅(千篇挽歌の紫霧・g01645)は瓦礫の山を越え穴を越え、子どもがいるという通りへ急いだ。助けなきゃ、と鼓動が自らをせき立てる。
あどけなさを残す彼とて事態は理解できる。
悪魔が楽しげに暴れている場所にまだ人がいるという事実が、どういうことか。
仲間が角の悪魔の進路を惑わしたと聞き、龍雅は少しばかりの安堵感を抱きつつ進む。
「……いた……!」
龍雅の両のまなこが捉えた。かの暴虐、角の悪魔を。
そして彼と同じく、急ぐ者たちがここにも多かった。
「見つけた? じゃあ挨拶代わりにドカンと一発、いこうかな」
夜よりも深いアルビレオ・ブレア(異形のエンターテイナー・g01977)の双眸が細められる。道行きが変じたのなら次に成すべきは、確実な誘導。だからアルビレオはガジェットウェポンを構えた。
「初対面だからね、派手に挨拶しないと印象に残らないかも、多分」
残すつもりも、ないけれど。
笑みを湛えてアルビレオが撃ち出したのは、夏をも凍りつかせるミサイル。
冷気が猛暑を和らげ、アスファルトをも発熱させる一帯に異変をもたらす。
「やあだ、気持ちいい冷たさじゃなーい! 暑くてヤになってたのよぉ」
子どもが潜む瓦礫から徐々に遠ざかりつつあった角の悪魔が、いよいよ子どものことなど忘れたかのように、ディアボロスたちへ笑いかける。
欲に素直な様相は、白石・コウ(チョークのラクガキ使い・g03145)に「あー」と露骨に察した唸り声をあげさせる。
「のーみそ、ぶっ壊れてんなぁ」
がしがしと頭を掻いて、コウはため息をつく。
(「ま、あの日常を壊してくれた奴に、ぶっ壊れてない奴なんか居ないよな」)
噛み締めた情を支えにコウが掲げるのは、まだ欠けていないチョーク。
機を窺う彼とは別の方向から、龍雅がアークデーモンへと飛び込む。
幻覚毒の魔力に己の威を乗せて、飛び回る龍雅自身の姿を捉え難くさせて。その上で眩んだ角の悪魔めがけ稲妻のごとく着地し、挑発的な手招きを――指で招くような仕種をこれでもかと見せ付ける。
「来いよ、三下」
悪魔へ突き刺す声音は、強く、鋭いものだった。
強大な悪魔としてのプライドが邪魔をしたのか、眼前でそんな態度をとられてムカッときたのか。
角の悪魔がキィィッと甲高く悔しがる様を、龍雅は目撃する。
「何それぇ!? おねーさんの扱い酷くない!?」
龍雅の思惑通り地団駄を踏んだアークデーモンの姿は、龍雅だけでなく仲間たちの目にもわかりやすく映る。だからアルビレオもコウも、連ねるために動き出した。仲間の様子を視界の隅で知り、龍雅は後ずさりながら悪魔の反応を見る。
(「馬鹿にするのって、得意じゃないんだけど……意外と効いた?」)
ならばとニヤリとひとつ笑ってみせれば、角の悪魔が頬を膨らませた。
彼女が龍雅を追おうとしたところで、コウが地面に描くは、太陽のラクガキ。
鮮烈な陽射しが世を照らし悪魔を照らし、「きゃあ!」と響いた楽しげな悪魔の悲鳴が響く。
しかもコウの太陽が招くのは、陽光の眩しさだけではない。
アークデーモンが漸く元の視界を取り戻す頃になれば、ちかちかした余韻を持つ町並みで罠が発動する。ぽこん、と黒板消しが悪魔の頭に落ちた。ぽこんと情けないぐらいの音を立てて、見た目にも気を遣っているであろう悪魔の格好を真っ白に染め上げる。
痛みが無くとも咳込んだ悪魔を前に、コウが口端をもたげて告げた。
「ざまあみなー」
あえて揶揄する口振りと面差しをしてみせたから、悪魔が「はぁあ!?」と声を荒げる。
「ちょっと! 本当におねーさん怒っちゃうわよお!?」
「怒ったところで怖くないぜ。先生の方が怖かったからな」
自然と零れ出た言の葉が、すべてが過去となったことをコウへ突きつける。
そうだ。叱る先生も、つまらない授業も、眠そうなクラスメイトの姿も、全部。
(「奪ったのは、あいつらなんだ」)
だからいなくなった先生の代わりに、コウは今日もチョークを握り締める。
有り得た日常を。かけがえのない日々を。港区の人々の手に取り戻すために。
ディアボロスたちに散々バカにされたことで、腹を立てたのだろう。彼のチョークが、戦場までの道程へ悪魔を虚仮にする言葉とイラストで埋めていくと、角の悪魔も見事に白で描かれた先へ向かい始めた。
これなら、とアルビレオも仲間たちと一緒に悪魔の前へ姿を現して。
「ほらほら、私を殺しにくれば?」
アルビレオが繋げた挑発と言葉もまた、アークデーモンの歩みを確かなものとする。守備の向上という仲間たちからの恩恵を心身の頼りとし、アルビレオは皆と一緒に戦場となる場所へ急いだ。
ふとコウが振り返ってみれば、瓦礫の山から恐る恐る出てくる少年の姿が映った。
「よかった……」
そう呟いたのはコウではなく、近くを飛翔する龍雅だ。
巻き込まずに済んだ喜びを噛み締めた龍雅の一言に、コウも首肯し、駆けていく。
去りゆく彼らの後背を、遠くから少年トモヤとカイが見つめていた。
「あのひとたち……」
始まりからすべて見ていた少年たちは、塵芥にまみれながらも瞳を爛々と輝かせる。トモヤが何気なく自分の手を見下ろせば、カイが隣で首を傾いだ。どうしたの、と尋ねる元気もカイには無いけれど。代わりに眼差しで尋ねられ、トモヤはぼんやりと夢を思い出す。
なんだか温かさを覚えて、気付けば指を折りたたみ、きゅっと握り締めていた。
「あり……がとう……っ、ありがとう」
少年たちは助けてもらった事実だけを、今はただただ抱き留める。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV2になった!
【トラップ生成】がLV2になった!
【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV4になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!
坂登・悠日理
惺音g03409と
ネズミ取りか
まぁ宝探しだと思えば?
それにこう見えても研究で
慣れてるんだぞ野外活動
あっ惺音信用してない
口尖らせ
まぁ持久力なら
街の地図を用意
移動してるかもだけども
ないよりはマシだろ
怪しいとこ探そう
レオゴミ箱の中探せよ
レオにも手伝わせ
瓦礫の下や樹木の陰等調べ
跡か
いや確かに動いてりゃ汚れてるかも
ナイス惺音
受取り壊す前に特徴探る
魔導具だと魔力を発してるのかな
通信乱したら止まったりとか
何か分かると探しやすいよな
みんなにも手掛かり教えやすいし
得た情報は共有
後は壊しやすいように弱点とか
ネズミって何が好きなんだ?
誘き寄せて
…罠張るか
餌になりそうな物仕込み
ネズミ捕りや罠仕掛け
よーしレオ
纏めて壊せ
森瀧・惺音
ゆぅ君g04140と
ネズミ捕り…動物みたいな魔導具なんだ
頭の上に乗るユキミを抱えて、一緒に頑張ろう
野外活動…えっと…
信用はしてるけど
かけっこになったら…ゆぅ君大丈夫?
スマホで調べておいたネズミの生態は…
隅を通る、通り道は同じ場所
あと、油や汚れで通り道に跡が出来るみたい
魔導機械だから、最後のは分からないけど
影になる壁沿いとか見てみよう
強運の加護で
たまたま、道を通っていく後ろ姿とか見えないかな
見付けたらユキミと挟み撃ちしよう
ユキミには塀の上とかを行って貰って
先にネズミの前へ向かって貰い、とおせんぼ
引き返しても私も追い掛けてるからね
追い詰めたらユキミに捕まえて貰って
後はお願い
と、そのままゆぅ君へパス
坂登・悠日理(叡智の眼・g04140)の眼差しが見つめるのは、いつだって『良いもの』だ。
それをお宝と称するか、世紀の大発見と称するかは気分によるけれど。いずれにしても鼻歌混じりな彼の気分が萎えることはないし、歩みが鈍ることもない。
だから今日も今日とて、悠日理は『良いもの』を見つけにいく。
レオと一緒に。何処へだって。
何せ野外活動には慣れているからと、誇らしげに胸を張って進む悠日理に、森瀧・惺音(眠れる森の魔女・g03409)は頭へ乗せたユキミと揃って首を傾げた。
「あっ、さては信用してないな?」
まるで少年のように口を尖らせた彼の姿が、惺音には少しくすぐったくて。
「信用は、してるよ」
「信用『は』って」
すかさずツッコミが入るも、ぽやぽやと惺音の瞼は重たげだ。おかげで惺音の言葉ものんびりと紡がれる。
「だってゆぅ君……かけっこ、大丈夫?」
的確な指摘に「うっ」と鈍い呻き声が漏れた。
かけっこと言えば愛らしい聞こえだが、ネズミ型の魔導具ともなれば、全力鬼ごっこになるのは火を見るより明らか。想像力ゆえに悠日理が未来の状況を察してしまい、コホンとひとつ咳ばらいをしたのち。
「…………持久力なら」
大丈夫とまで断言できないのは、気質の所為だろうか。
とにもかくにも、こうして二人と二匹は街を散策し始めた。
悠日理が瓦礫の下を覗き込み、レオが自分の背より大きなごみ箱へよじ登って、中を確かめるも。
「いないな」
悠日理が息を吐く横で、惺音はううんと唸った。
「ネズミって隅を通ったり、同じ道を行き来したり、するみたいだけど」
「角の悪魔に力を与えてるってことなら、目立たないように行き来してそうだな、確かに」
「あ。それと……」
逡巡により間をあけて、辺りへ黄金の煌めきを拡げながら惺音が連ねるのは。
「油や汚れで、通り道に跡が出来るみたい。魔導機械だと、どうなるかな」
「跡か……汚れてりゃ跡ぐらい残るな。っておーい、レオ。いつまでゴミ箱漁って……」
一向に戻って来る気配を見せないレオへと振り返り、悠日理は気付く。ゴミ箱を確かめていたはずのレオは、いつの間にか汚れた富士山のペナントを掲げていて。かれの先には鷹の木彫りが鎮座している。いずれもかつてこの街に住んでいた人の物だろう。
悠日理たちが目撃したのは、そんな一富士、二鷹――。
「チュ?」
三鼠。
縁起物でも何でもない魔導具のとぼけた鳴き声めがけて、惺音とユキミが別々の方角へ駆け出す。塀に沿って逃亡を試みるネズミを、塀の上からユキミが追いかける。そして惺音はひび割れた道路をひた走り、やがて魔導具を飛び越えた。
「通さないよ、絶対」
飛び越えた先で惺音が全身で築く通せんぼう。
怯んだらしいネズミ型魔導具がUターンしようとした瞬間。
「ユキミ!」
「もきゅっ」
惺音の声に反応して、塀の上からユキミが飛びつき、バランスを崩させる。
ユキミにしがみつかれてもがくネズミを、すぐさま惺音が掬い上げて。
「ゆぅ君!」
思い切り投げた。やっと追いついた悠日理の胸元へ。
もちろんキャッチを担う悠日理は、せっかくの獲物を取りこぼさないよう、しかと受け止めて。
「ナイス惺音!」
ぐっとサムズアップを突き出せば、白い手で同じ形を惺音も作って返す。
「あっ、この、大人しくし……っ!」
暴れ出すネズミを抑え込みながら、悠日理は魔導具から放たれる魔力の波動を感じとった。探しているときは気付かなかったが。しかし逃れようとする力が凄まじく、悠日理は咄嗟に叫ぶ。
「レオ! 壊せ!」
すちゃっと敬礼したレオは、電磁波を帯びたお気に入りの槍で、ネズミを貫いた。
「はあ、はあ……それにしても、なんであんな所にいたんだ」
肩で息をしながら呟いた彼の前で、惺音はぽんと手を叩き答える。
「私の強運の加護、かも」
「そういう物なのか?」
そういうものなのかも。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【通信障害】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
【リザレクション】LV1が発生!
里木・啓吾
「ネズミ退治?
まぁ、やれることはなんだってやりましょう」
ネズミ退治するで弱くなるならお得な方です
僕はリボルバー銃でネズミ退治に向かいます
魔力か何らかの動力で動いているのであれば
熱を持っていてもおかしくないはず
装備中のサーマルビジョンを使って港区を探索しますね
<看破>
【使用パラドクス:銃中早駆】
目にも留まらぬ早撃ちのパラドクスです
気づかれたら逃げられるでしょうし見つけ次第撃ち壊してきますよ
「数だけは多そうですね……急ぎますか」<早業>
狭い所に入ったりしたらコンカッショングレネードを投げ込みます<破壊>
「よし、次」
あと【フライトドローン】を展開して
簡単な命令を一つ出しときますね
「ネズミに特攻しろ」
「ネズミ退治、ですか。仕事としては地味そうですが……」
それだけ聞くと都市部ならではの害獣駆除と思えそうな響きだ。
しかし此度のネズミはただのネズミではない。
それをよく知っているからこそ、里木・啓吾(研銃医・g00216)は愛用のリボルバーを鳴らす。開幕の合図代わりに。
「やれることはなんだってやりましょう。それに」
サーマルビジョン越しに見渡した世界は、夏に相応しい色彩をしていて。
この何処かにネズミが蔓延っていると思考を巡らせつつ、啓吾は街なかをゆく。
「ネズミ退治するぐらいで弱くなるなら、お得な方ですからね」
近いうちに相まみえるであろう悪魔を想像しながら進んでいると、熱された道路の隅を走る、奇妙な影を見つけた。主たる角の悪魔へ力をもたらすことに夢中なのか、静かに歩み寄る啓吾に感づく気配は、まだない。
(「本物のネズミよりも呑気ですね。だからこそ命取りになるわけですが」)
目にも留まらぬクイックドロウ。
リボルバーの早撃ちが決めるのは、ただひとつ――ネズミ型魔導具の終焉だけだ。逃げる隙など与えやしない。銃弾に貫かれた箇所がバチバチと悲鳴を挙げるも、周囲にはこの魔導具を助けてくれる仲間らしきネズミもない。
ふ、と銃口へ息を拭きかけて啓吾は顔をもたげた。
圧しかかるような暑さが、この港区にも降り注いだままだ。
(「まだまだ数だけは多そうですね。早く済ませて涼みたい気もしてきました」)
だからこそ彼は、パラドクスにより発生したドローンを連れて歩く。一人で歩こうと、フライトドローンがあればネズミへ特攻させることも叶うだろう。
……それにしても、と彼はふと思う。
「魔力の供給がなくなったと知ったら、角の悪魔とやらはどんな顔をするのでしょうね」
リアリストながら楽しみをひとつ見出だして、啓吾は引き続きネズミの駆除に勤しんだ。
成功🔵🔵🔴
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
三枝・和生
人々を見せしめに苦しめるなんて、許せないっす。もちろん俺も一緒に戦うっすよ!
俺は魔導機械を壊して回りましょうか。敵を弱らせるのは今回特に重要っすよね。
確か勇士の皆さんが探してくれてて、青い花火が上がったところにいるはずでしたね。
皆さんの期待に応えるためにも頑張るっすよ!
小さくてすばしっこい敵なら【フリージングミサイル】っす!
冷気で機械の動きを鈍らせ、追尾するミサイルで破壊していきましょう。
あ、ネズミは寒さを嫌うと聞いたことがあるっす。
瓦礫とか管に打ち込めば、寒さにたまらず出てくるんじゃないすかね?
そこにネットランチャー型に組み替えたガジェットウェポンを発射っす。さあ、これで一網打尽っすよ!
カイド・グローサベア
まぁなんというか面倒な同時進行だこって。
此方の人手に不足はねぇが、
厄介な『持ち込み』を用意されちゃあ困るんだよ……
だが、ネズミってんなら同じ『ネズミの目線』に立てばいい。
「――極星よ、小さき友らに果敢なる智慧を授け給え」
【アイスエイジブリザード】から【使い魔使役】をセット。
こんな戦争真っ只中でも本物のネズミが居ないことはねぇんだな。
花火の情報共有を有り難く使わせて貰いながら実地精査ってトコ。
花火の識別とネズミの眼を以て【情報収集】。
もし魔導機械に当たっちまったら
【ハッキング】して日向に出て貰おうか。
――まさか『ネズミ捕り』が
本物のネズミだとは悪魔も思わねぇだろ?
※アドリブ連携歓迎です!
白戸・もがり
全然覚えてないけど、私も此処で戦ってたんだろうなあ
……とりあえず、出来そうなことをやろっかー
鼠っぽい魔導具探しとなれば、ここは狐変身の出番なのでは!
まあ変身しても狐の本能まで備わるわけではないだろうけど、人よりは狭い所に入れるからね
物音をよく聞いて、潜んでいそうな所を重点的に探し回ろう
見つけたら……自分で破壊出来そうな時はするし、更に狭い場所に逃げられそうな時は瓦礫の外へ追い立てるよ
外なら変身解除して、氷雪混ぜた風を使って動きを止める事も出来るし
他の仲間のいる方に誘導出来れば、そっちで処理して貰えるハズ
狐でも入れないけど物音だけはするって場合は、使い魔使役してる人に伝えてどうにかして貰おうかな
百鬼・運命
飛翔の効果でがれきを飛び越えて移動しつつ、義勇団の花火を頼りにネズミ型特殊兵装を破壊。
「隙間や物陰に潜むなら、隠れ場所をなくせばいいだけのこと」
神蝕呪刃の腐食で隠れ場所をなくして攻撃
パラドクス通信や使い魔召喚ある程度他の参加者の位置が分かるなら、それらで連携を取り合い、青い花火の上がった場所のネズミを手分けして効率的に駆除していく。
「よし、次に行こうぜ」(義勇軍とタッチしつつ)
そういえば、最近、港区への悪魔の襲撃が続いているな。できれば義勇軍やここら辺に避難している人々に、悪魔がどこからきているのか心当たりがないか聞きたいところだ。
襲撃の前線基地があるなら、いずれはそこを潰しておかないと。
。
崩れたビルも、折れた信号機も、隆起した横断歩道も、全然覚えてないけれど。
(「私も、此処で戦ってたんだろうなあ」)
睫毛を震わせた白戸・もがり(葬送の虎落笛・g02018)の眸の映るすべては、懐かしさなど覚えなくても、なんとなく気にかかるものだった。
憂いを帯びた面差しをぺしりとはたいて、彼女はくるりと身を翻す。
楽しげにも思える挙動で回った彼女は次の瞬間、狐へと変姿していて。
(「……とりあえず、出来そうなことをやろっかー」)
考えるより動く。もがりを支える感覚が、彼女の足を何処へでも走らせた。
一方、カイド・グローサベア(凍獄の戦刃・g00510)は人工物が織り成す道を、踏み締めていた。
「残念だったな、角の悪魔」
ここにはいない敵へ呼びかけた彼は、すぐさま吹雪がもたらす魔の力を喚ぶ。
口笛を吹くよりも容易く、港区の端から端まで捜索するよりも早い手段のために。
「極星よ、小さき友らに果敢なる智慧を授け給え」
人がいる所につきものなのは鼠だ。都会だろうと田舎だろうと、変わらない。
雑食性でしぶとく生き延びる彼らもまた、街を自在に走り回るだろうから。
だからカイドは彼らを『使い魔』とする。暗所も狭い所も、鼠でゆくならスムーズだ。
そして使い魔を通して得たものを、カイドはひとつも取りこぼさない。
(「まさか『ネズミ捕り』が本物のネズミだとは、悪魔も思わねぇだろ?」)
小さな笑いを噛みながら、彼は鼠を操って街の闇を探っていった。
●
青が咲く。
軽やかに天を翔け、義勇の兵たちがいる所へ百鬼・運命(人間の鬼狩人・g03078)は急いだ。
要請により、ネズミ探しを手伝ってくれたのはほんの一部だが、それでも充分。迅速に片付ければ、かの角の悪魔もきっと焦るに違いない。
連鎖する力を、速さを糧に運命は青の下へ向かう。
そして青を視認したのは、彼だけではなかった。
「お。あっちっすね」
三枝・和生(三本の矢・g02746)が手で庇をつくり、遠くを見やる。
勇士の区民たちが上げてくれたであろう、青い花火。
目が眩む青空へ吸い込まれていった輝きを、和生は見失わない。
気合いを篭め直すように「よし!」と声を発し、彼は駆け出した。
(「皆さんが頑張ってくれてるんす。期待に応えるためにも頑張るっすよ!」)
町並みは、人々の営みから縁遠い姿をさらけ出しているけれど。
ここには確かに、人の息吹が感じられる。だから和生の足取りは軽やかだった。
しかも目指す先が定まっているから、弾む息さえ意気揚々として。
同じ頃、青空に紛れゆく花火を、カイドもビルとビルの間をゆく使い魔越しに認めていた。
(「ちょうど良い。そっちへやって、纏めて叩くか」)
カイドの発見したネズミ型魔導具も、同じ方角へ向かっている。
群れるためか、純粋に集うためか、魔導機械の理由などわからずとも構わない。
彼もまた、仲間たち同様、打ち上げられた花火の麓を目指した。
そして青の在り処へと走る仲間たちをよそに、月白の毛並みをなびかせて、もがりは疾駆していた。
(「! いた……あんなところに!」)
目線が低いからこそ、物陰がよく見えた。もがりの行く先、二体の魔導機械がある。当然かたちはネズミ型だ。
そしてもがりが駆ければ接近と同時、相手も気づく。
逃げるネズミを追った彼女は、くきゅう、と苦しげな鳴き声を漏らしながらも瓦礫の狭間を抜けていった。人よりも狭所へ潜り込みやすい狐は、ネズミを追いかける際にはたいへん便利で。
もちろん闇雲に追いかけはしない。ひたひたと足音も極力控え、尾を揺らすのだって抑える。静けさが己の味方になると、もがりはよく知っているから。
(「やっぱり狐のままだと破壊は難しいかも、それなら……っ」)
シャアッと威嚇の声を発しながら、瓦礫の外へと追い立てる。
(「あっち。あっちに行きさえすれば……」)
彼女がネズミを向かわせる場所は、決まっている。
仲間たちのいるところだ。
●
キュッキュ、と鳴き声が届いたのが、きっかけだった。
花火で合図を送った義勇の士たちが見守る中。ディアボロスたちは理解する。狐の姿で瓦礫の山中から外へ外へとネズミを追い立ててきたもがりが、そこにいると。
カイドと同じく流れるように彼女がターゲットを導いたため、誰もが動きやすかった。
「ちょうど良いな」
吐息だけでカイドが微かに笑えば、合流した運命も迷わず頷く。
「ああ、一匹たりともご馳走には近づかせたくないからな」
運命の言う『ご馳走』への行く手を阻む存在こそ、ネズミを模した魔導具たち。だからカイドも機を狙って動き出す。
そして瓦礫から勢いよく飛び出したもがりが、ネズミ型魔導具を驚かせた直後。
まずは運命のもたらす呪いの刃が、ネズミも、彼らが向かおうとした瓦礫も吹き飛ばす。しかも魔導具へ浸みた呪詛は、見かけでは察しにくい苦しみを与えるもの。おかげで機械の身体が割れただけでなく、呪詛の苦痛をも抱いてネズミ型魔導具は絶えた。
ディアボロスたちが追い詰めたネズミの群れも、いよいよ残り僅かだ。
けれど未だ逃げようとする個体があり、土埃にまみれたかれを、もがりが威嚇する。狐の姿とはいえディアボロス。もがりが纏う雰囲気と、逆立つ毛並みから放たれる威に圧倒されたネズミを捕捉したのは、和生だ。
「一網打尽にするっすね! それじゃ、いくっすよ!」
言うや和生のガントレット型ガジェットが火を噴く。発射したフリージングミサイルが、凍てつく冷気で寒さに弱いネズミ――それを象った魔導具たちを破壊した。あとにはひんやりとした空気が漂い、熱にうなされる街を慰める。
成すすべもなく転がる壊れた魔導具をよそに、和生の猛攻を目撃して「ほう」と唸ったのはカイドだ。
「冷の力か、いいものだ」
氷雪の使い手たるカイドにとって、得も言われぬ光景だったのだろう。
ならばと彼自身の心も燃える。吹雪が世界を包み、ありとあらゆる生命を死へ送り届ける。たとえ魔導機械だろうと同じこと。
こうして、港区を駆け巡ったネズミ型魔導具は、残らずディアボロスの手で処された。
途端に沸き起こる小さな歓声。その嵐の中で運命は、義勇兵とハイタッチを交わす。
「よし、助かったぜ、ありがとな」
運命が礼を述べると、彼らは笑みを綻ばせた。
「俺たちの方こそ、ありがとう。役に立てて何よりだ」
「役に立つなんてもんじゃない。見つけるのが抜群に上手かったからな、かくれんぼも得意だったろう?」
運命が連ねた問いで、人々の笑みは瞬く間に朗笑へと変わっていく。
明るさを疾うに失っていた区民にも、自信や達成感の兆しが見え始めたのを、和生やカイド、もがりも眺めて顔を見合せる。互いに頷くまでもない。彼らはきっと、これからも彼らなりに強く生きていける。
「しっかしあのネズミもアークデーモンも、何処から来てるんだか」
口角を上げて呟いた運命に、義勇団たちも「さあ」と首を傾げる一方だ。
「何であれ、人々を見せしめに苦しめるなんて、許せないっすよ」
角の悪魔がいる方角へつま先を向けて、和生が意欲から鼻を鳴らした。
短く息を吐いたカイドも、ゆるりと肩を竦めて同意する。
「まぁなんというか、面倒な同時進行だこって」
戦力が散る状況を、アークデーモンが見越していたのかどうかは不明だが、ややこしい状況には変わりなく。
「厄介な『持ち込み』を用意されちゃあ困るんだよな」
「掃除のし甲斐だけはあるってもんだ」
カイドの発言に運命がそう返すと、そこへ和生がひょこっと顔を出す。
「これで敵は弱ったっすから、あとは戦うだけっす!」
口端を上げて言いきった和生のやや後ろでは、狐から姿を戻したもがりが、こくこくと首肯している。
「弱体化した角の悪魔、コテンパンにやっつけてあげないとね!」
しゅしゅっとシャドーボクシングの素振りをして、もがりもまた離れた戦場へ意識を寄せた。
角の悪魔への道は、すでに拓かれている。あとはそこへ到るのみ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【冷気の支配者】がLV2になった!
【使い魔使役】LV1が発生!
【狐変身】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!
風間・響
俺たちがなんとかしてやるって、約束しちまったからな。
アイツらのところに、敵を向かわせるわけにはいかねぇよな!
俺は殴ったりけったりしかできねぇからよ、妙な駆け引きとかできねぇ。
だから、この拳を使って相手の動きを止めてやる。俺なりの方法でな!
≪Kaleidoscope≫
両の腕を、最強の蟻『パラポネラ』の顎の形に変形。
やばいんだぜ、こいつの噛む力。あの大きさで1トンを運べるっていうんだからよ。それが、俺の拳大になったら、どうなるか分るよな?
大きく振りかぶってぇ……相手を殴る、と見せかけて地形破壊だ!相手の足元を崩して、すぐには動けないようにしてやらぁ!殴るのは、また後でな!
夏生・幽
たくさん壊してたくさん遊んだろう
でもね、楽しいことも悲しいことも
すべてにひとしく終わりはあるらしいよ
上空は仲間に任せて
【フリージングミサイル】を敵の足元に放ち動きを止めよう
着地先やカウンターを狙って動く先を予測して足を掬う
足場がシビアってクソゲーポイント高いからさ
鬱陶しくて良いと思うんだ
んー、まあ僕よりも彼らの方が荷が重いんじゃあないかな
敵に直接攻撃を当てる方がずっと難しいだろうし
必要なら合図を送る
チャンスくらいは作ってあげないとね
だから僕は行動阻害に徹するとしよう
敵の意識が区民たちに向かわぬよう気を惹く意味でも
煩わしくするのは無駄ではないよね
怒りを覚えた者の動きは、判りやすくなる。
瓦礫の破片を蹴飛ばしながら、角の悪魔はやってきた。
「ったく、さっきのヤツらどこ行ったのぉ!?」
見るからにご機嫌斜めだ。誘導時に受けた挑発の数々が響いているらしい。
標的を視界に収めた夏生・幽(レイス・g02607)は、柱の陰で得物を構える。
別の方角から向かうのは風間・響(一から万屋・g00059)だ。待つ者たちの姿を、怯える心を見てきたから少年は踏み出せた。
「……なんとかしてやるって、約束しちまったからな」
響の口角も自然と上がる。拠点で知った光景を、先ほどから想起していた。拠点の人々が帰りを待つ義勇兵も、随所に潜伏して今か今かと喉を鳴らす。始まり特有の静けさを吸い込むたび、人々の鼓動が早まっていくのを感じつつ、幽は敵を覗き見る。
角の悪魔は、いったいどれだけの物を壊したのか。どれだけの人で遊んだのか。
考えるだけで胸裏が掻きむしられ、幽は何回かの呼吸で意識を前へ向ける。
(「すべてにひとしく、終わりはあるらしいから」)
悪魔が溺れた遊戯も、人々が味わった悲しみも。終わらせよう。
力を篭めるあまり熱を帯びた武器に、幽は弾を精製する装置を取り付ける。敵を打って、撃って、討つ――ディアボロスならそれが叶う。
(「でも、彼らは違うんだ」)
勇士たちは、気持ちはあるけれど力を持たない。けれど彼らは抗う道を選んだ。だからチャンスを作ってあげないと。湧いたその気持ちをしかと抱き、射線が通る位置で幽は待機していて。
姿を現した響を前に悪魔の歩みが緩んだ隙を狙って、撃った。しかし撃ち込んだ先は悪魔そのものではない。
「凍てるんだ」
底冷えをもたらす幽の凍結弾が、体勢を整えようとしたアークデーモンの足元を、青白い空気で包み込んだ。一瞬で冷え込めば悪魔も驚くしかない。ひゃっ、と情けない声をあげて彼女が後ろへ跳んだ、そのとき。
響が胸の前で交差させた腕を、『Kaleidoscope』で改造する。膨れ上がった力は瞬く間に蟻の顎を模り、響の両腕を明確な凶器へ変えた。形状からして不気味に思ったのか、アークデーモンの口が何事か言いたげに歪む。
だから響は不敵に笑った。
「なあ、知ってるか? やばいんだぜ、こいつの噛む力」
蟻の顎がカチカチと鳴る。どんな獲物をも砕く硬い顎で威嚇し、響は地を蹴る。
風が彼の背を押した。戦場を覆う残響に似た風音までもが、彼を支えて。
(「殴ったりけったりしか、俺にはできねぇからよ」)
直接渡り合えるのは素晴らしいことだが、駆け引きが苦手だと飾らないのもまた響の美点だ。だから難しいことは考えず、彼なりの方法で――響が得手とする拳で、敵の盲点を突く。
「くらえ!」
大きく振りかぶれば、腕が撓る。
柔らかい身体を捩って、気勢を掛け声に換えた響の一手は、角の悪魔めがけて突き出し――次の瞬間、アークデーモンではなく足元を崩す。マンションの住民が行き来する広場の名残が破砕し、冷気に惑う角の悪魔は、ぐらりと揺れた。
「なっ……!?」
均衡を失った悪魔が響を見る。攻撃してくるとばかり思っていた悪魔の顔が、困惑に沈む。
「殴るのは、また後でな! だってほら……」
戦場となるこの広場へ、マンションの間から陽が差し込む。
「今日はいい天気だから、楽しまねぇと!」
響の言が陽射しに紛れるや、幽は矢継ぎ早に合図を送った。
光の紗幕を受けて掲げた幽の籠手が煌めいて、広場へと火炎瓶や石が投げ込まれる。降りしきる瓶と石の合間からは、銃弾や矢が翔けていく。
「痛っ、ちょっと何よ!」
勇士たちの意志は、過たず角の悪魔に注がれた。
そして短い静寂の後、各所から歓喜の雄叫びが轟く。
「やった……当てられた! 見てたか今の!」
「俺のも直撃した! 夢じゃ、夢じゃねえ!」
打ち震える人々の感情が大地を揺らし、響と幽の元にも伝わる。
「そうだぜ! 当たったんだ、ちゃんと当たったんだ!」
響も呼応し、距離こそあれど皆と喜びを分かち合う。
奮起した光景の中で、幽はほっと小さな息を吐く。
(「よかった。一般人である彼らの方が、荷も重かっただろうし」)
そう考えた途端、幽は自身の眦が緩むのを感じた。
傷を負わせられずとも、勇士たちの希望となる。しかも燈った希望は角の悪魔を動揺させた。沸き立つ人々の様相に汗を浮かべ、顔色も悪い。
当然だろう。かの悪魔は、反抗的な民の心を折るために残虐な行為を続けてきたのだから。
「後は頼むぞ! ディアボロス!」
「俺たちの分まで戦ってくれぇッ!!」
ディアボロスへ思いを託し、彼らはゼノビアが確保していた退路への避難を試みる。
「ッ、ディアボロスゥゥ!!」
豹変した悪魔の絶叫が轟く。
「アンタたちが! アンタたちが仕組んだのね!!」
角の悪魔はディアボロスを睨み、憎み、殺そうと動き出した。
さあ、いよいよ決戦の時だ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】がLV3になった!
【冷気の支配者】がLV3になった!
効果2【ドレイン】がLV5(最大)になった!
【ロストエナジー】がLV3になった!
時坂・暁
ゼノビアと参加
他との連携歓迎
まずは監視に【フライトドローン】を飛ばし
敵の動きを止める皆さんの行動成功を確認します
確認が取れたら勇士達とも連動して攻めましょう
「では本番です。自らの生存を第一に。なに、皆で協力すれば生きて勝てますから」
【セルフクラフト】で勇士達を守る壁を生み出しつつ自身は【飛翔】で接近
眼があるのかはわかりませんが[光使い]を目晦ましに
【植物活性】で生やした植物で触覚を惑わしながら
敵に隙が生じたらパラドクスで攻撃を仕掛けます
相手の角の動きには注意を払い、ゼノビアとは互いの背中を守る形で死角をなくしましょう
「さよならです、角の悪魔さん。『次』はあなただったようですね?」
ゼノビア・ディアーエ
私は、こう見えても性格が悪くてな。
あの様に、悠然と、まるで狩りでもするかのような無差別殺戮を見せつけられるとの、身の程をわきまえさせたくなるわ。
覚悟せよ―――?
瓦礫の障壁の前方へ【トラップ生成】で、鉄製の鉤をつけた逆茂木を、設置させて貰おうぞ。
少しは、移動に支障がでるかの。
勇士へは、瓦礫の障壁に身を隠させながら移動させ、なるべく彼らに被害が及ばぬように
余裕があれば、障壁を壁にしながら攻撃を指示。攻撃後は直ちに撤退を命じる
トラップや一般人の攻撃により敵に隙が生じたらパラドクス使用
トラップも、人の力も微々たるものだが、貴様は多少なりとも気を乱した。
そのわずかな隙が命取りよ
さぁ、暁、一気にゆくぞ!
栗島・スミコ
$ summonevil Andras……
悪魔召喚プログラムを起動し、悪魔を召喚。
炎の魔法で攻撃を行う。(召喚、契約、全力魔法)
悪魔で魔法攻撃を行いながら、自身はショットガンで応戦。
直撃は避けつつも、義勇兵に攻撃がいかないよう、敵の攻撃を誘いながら戦う。
「お前の相手はこっちだよ、ノロマめ!」
(君たちは絶対に生きて帰るんだ……コイツはボクたちが必ずぶっ飛ばしてやるから!)
白石・コウ
くくっ呼んだかよ?おねーさん。
「閃き、綴じろ」
角の悪魔の「ペネトレイトチャージ」に対し、パラドクス「ラクガキ太陽」と残留効果トラップ生成(トリモチなど拘束系)を使うことで、壁ハメな展開を狙います。
自分のパラドクスと敵の攻撃方法の特性を考慮して、突撃に対し閃光で視界を奪い、もう一つの姿「トラバサミ」でダメージを与えると共に機動力を削ぎます。
このパラドクスの使用は2度目なだけに、警戒される閃光よりもトラバサミによる不意打ちに期待を込めて。
他のディアボロスと連携して戦える場合は、可能なら援護します。ある程度のダメージはやむを得ないものとしますが、他のディアボロスを不利にするような行動はしません。
「……激情型なアークデーモンのようですね」
一部始終をドローンで見ていた時坂・暁(パラダイス・ロスト・g00297)が報告する。
勇士たちのため、敵の動きをほんの一瞬止めるべく動いた幽と響。そして標的へ、彼らなりの攻撃を決めた勇士たち。作戦は見事成功した。
ディアボロスの邪魔にならないよう、安全な場所へ向かう義勇兵らの姿は、地上のアークデーモンからだと見えにくい。何故なら元からあるマンションの枠組みとは別に、瓦礫で築いたゼノビア・ディアーエ(インペラトール・g00774)の防御柵が、彼らの姿をどうにか隠してくれるからだ。
しかし隠れながらも彼らの声援は届く。マンションが囲った広場という立地は、異様に声が響き渡るものだ。
ゼノビアと暁が目だけで広場を窺うと、白石・コウ(チョークのラクガキ使い・g03145)が既に悪魔へ近づいている。
ここで暁が、顎を撫でつつ気にかけるのは、ひとつ。
(「彼らを激戦に巻き込む懸念は減りましたが……退避が遅れている方もいますね」)
建ち並ぶマンションに散っていた義勇団の戦力だ。さすがにすぐには撤退しきれない。
ならばと栗島・スミコ(ピアスの少女・g00599)が告げたのは、ひとつ。
「ボクがいくよ」
端的な宣言ながら、仲間には伝わる。
「お気をつけて」
暁の一言に、スミコが頷きだけを返す。あのとき勇士へ話したものを、彼女は見失わない。見失うつもりもない。
(「君たちは、絶対に生きて帰るんだ」)
遠くに、退避する戦士たちの姿を認めて。
(「コイツはボクたちが必ずぶっ飛ばしてやるから!」)
彼らの想いもぎゅっと胸に秘め、スミコは戦場へ飛び出した。
残った暁は、ゼノビアと共に義勇の兵らへ声をかける。
「ご安心を。自らの生存を第一に動いてください」
「ああ! あんたたちも気をつけてくれ!」
心配してくれる勇士らへ、暁はそっと目許を緩めた。
「そちらもご安心を。なに、皆で協力すれば生きて勝てますから」
彼の発言をしかと受け止め、人々は物陰を頼りに去っていく。
「よい隠れ方じゃ」
うむと頷くゼノビアの面差しが、ほんのり和らいだ。
「ディアボロスという存在へ信を置いておる証よの」
「ええ、それもすべて……皆さんで成してきたことの結果です」
そして生きて帰る道を選んだのは、義勇の兵だけではない。
だから暁は天へゆくためではなく、敵を屠るために空を駆る。ゼノビアも共に、明日への道を切り開きにいった。
一方、地上ではアークデーモン『角の悪魔』の荒れ狂う有様を眺めて、コウが肩を揺らしていた。
「くくっ、呼んだかよ? おねーさん」
笑いを含んで呼び名を強調してみれば、悪魔もキィィッと怒りを金切り声へ換え、コウをねめつける。
「アンタ! そうアンタよ!!」
ぎしぎしと悔しげに鳴るのは、悪魔の歯だろうか。戦場へ誘導したディアボロスの一人、コウの姿を発見した悪魔の怒りは、彼女の角の如く太く鋭い。
けれどコウは泰然として指摘する。
「人を指差すなって、先生に教わらなかったんだな」
「先生先生ってさっきから何なの! 殺してやるわッ!」
牙を剥くアークデーモンの反応さえも、コウには可笑しく映った。
あれだけ物を壊しておいて。あれだけ人々から奪っておいて。
(「何なの、って問い質したいのはこっちだぜ、ホント」)
●
「……私は、こう見えても性格が悪くてな」
自ら言ってのけるゼノビアの声色は、いつになく低く、微かに震えている。勇士たちと触れ合った時とは比べものにならないものだ。
だから彼女の背を守る暁は、はい、とそれだけ答える。
「あの様に、悠然と……まるで狩りという遊びに興じる姿を見せつけられるとの……」
竜の翼を広げる様子からも、彼女の憤りが窺える。
「身の程をわきまえさせたくなるわ」
吐き出した言の葉から、念いがこれでもかと零れ出て。
「さぁ、暁、一気にゆくぞ!」
その合図に呼応した暁が囁くのは、己の解除コード。
「擬似限定、解除……」
天使の光はきっと、遍く世を照らすもの。暁が結わえたそれもまた、幾重もの輝きでもって世へ差し込むもので。はじまりの時を鳴らす鐘の代わり、数々の光は柱へと集束され、降り注げと彼が言うや、角の悪魔を貫いた。
「アアァッ、ムカつくムカつくムカつくぅ!!」
咆哮の直後、音を殺した悪魔が迫り、角が暁へと食らいつく。骨が軋む。肉の抉れる音がした。
けれど顔色ひとつ揺らがぬ暁の頭上から、竜翼翔破により舞い上がったゼノビアが、アークデーモンへ急襲する。ゼノビアが魔角を彼から遠ざけ、そしてディアボロスの血にまみれた魔へ宣告するのだ――覚悟せよ角の悪魔、と。
「いや……忌まわしく哀れな殺戮者よ」
「ッ! アタシを哀れむなんて許さない!!」
プライドが捨てきれぬらしく、掠れた喉から叫んでアークデーモンが同じ飛翔による一撃を反す。身体中の角が新たな血肉を求めるように、ゼノビアの黒を乱した。
命の奥へ奥へと角で満たしていこうとした悪魔はしかし、そこで苛立つ一言を耳にする。
「お前の相手はこっちだよ、ノロマめ!」
スミコの声が弾み、アークデーモンをゆっくり振り向かせた。
「ノロマ!? アタシがノロマだって!?」
わかりやすい反応にふふんと鼻を鳴らしたスミコは、特定のプログラムを介し、かの者を喚んだ。
――$ summonevil Andras。
彼女の元へと召喚された悪魔が、堂々たる姿で舞い降りる。契約者たるスミコの名の元、悪魔は練り上げた炎を、アークデーモンへ放った。ごうと唸りながら翔けた赤に焼かれ、角の悪魔がギィッと鈍い悲鳴を漏らす。
直後、捨て身の一撃にも近いブラッディスティングが、スミコに突き刺さる。毒が体内からスミコを侵すも、彼女の笑みは揺るがない。ちょうど義勇団の退避も済んだところだから。
そのとき、生成されたトリモチが悪魔の足裏を瓦礫に貼付ける。だが歯牙にもかけずアークデーモンはコウへと意識を向け、獲物を欲した。
だからコウは真白のチョークを持つ。これを手にすれば、コウは強くなれる気がした。実際、強くなれた。すかさず彼は跳び、チョークで宙へと描き出す。穢れた魔を浄化する、太陽のラクガキを。
「閃き、綴じろ」
大自然の威光を思わせる太陽も、ラクガキではデフォルメ化されてまろやかだ。
けれどその効力は決して、丸くも甘くもない。
燦々と輝く陽光の先端、それを模したトラバサミで角を食む。アークデーモンの痛がる声が、空まで響いた。
けれど悪魔とて港区を蹂躙してきた存在。コウの太陽を振り払い、傷つきながらも彼へと飛びつく。脅威を形作った角で、少年の白い腕を貫く。もがいて角を押し返したコウは、後ろに同じディアボロスたちの影を見た。仲間がこの戦場にいるから。
だから彼の描いた陽もきっと、瑞光だ。
「まだ解りませんか、角の悪魔さん?」
着地した暁の声音は、ひどくやさしく、ひどく冷たい。
「……『次』は他でもないあなただったのだと」
ストレートな口撃は、ストレートにアークデーモンを射る。
「この、このアタシをよくも……ディアボロス!!」
角の悪魔は怒りの表し方をそう多くは知らず、ただただ叫び散らした。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【活性治癒】がLV4になった!
【飛翔】がLV3になった!
【友達催眠】がLV2になった!
【トラップ生成】がLV3になった!
効果2【反撃アップ】がLV4になった!
【ダメージアップ】がLV5になった!
【ガードアップ】がLV5になった!
奉利・聖
蒼海番長殿(g01002)と
おぉ、派手に怒り狂ってる様ですよ、あのゴミ
ヒステリックで嫌ですね…お静かにして頂きましょうか
それでは前に出て参りますので…存分に力を振るってくださいませ
さぁどうぞ、突っ込んできてください
そこには【トラップ生成】で作られた透明な粘着網があります
引っかかった瞬間、背中を蹴り潰し、バウンドしたら腹を蹴り、トラップを解除して身体を引き寄せ、膝蹴り
怯んだところで力を溜めて──『衝気功』
蒼海番長殿、一つここはボールで遊びませんか?
腹を力いっぱい蹴り上げて気を送りこみます
そして番長殿の光が着弾すると同時、気が破裂してドカン…というわけです
お見事でございました、間近で見れて光栄です
竜城・陸
聖くん(g00243)と
いいじゃないか、頭に血が上っている方が
罠にも策にも引っかけやすいだろう?
ああ、では暫し時間を頂くよ
援護はきちんとするから、ご心配なく
【飛翔】の残留効果で上空へ
上空で光の槍を生成――すると同時
同じく、光を操って聖くんを援護する
矢状のものが投射しやすいだろうか――幾つか形成したそれで腕や足の動きを縫い留め
自由に動かさないよう心掛けるよ
――ああ、そのまま上げてくれていいよ
丁度、こちらも頃合いだ
光で形成した槍で、打ち上げられた敵を貫く
聖くんの攻撃が丁度炸裂するタイミングに合わせるよ
浄化の力を宿した光だ、それなりに効くだろう?
そちらもお見事
やっぱり戦い慣れしているね、頼もしかった
「おぉ、派手に怒り狂ってる様ですよ、あのゴミ」
手で庇を作り一望する仕種で、奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)が抑揚なく告げる。
ヒステリックで嫌ですね、と緩く竦めた肩の後ろ、竜城・陸(蒼海番長・g01002)が小さく笑う。
「いいじゃないか、頭に血が上っている方が扱いやすいだろう?」
陸は陸で、ちらと角の悪魔を見やって応じた。
するとそこで、聖は彼を振り向く。
「番長殿。前に出て参りますので、存分に力を振るってくださいませ」
聖の宣言はいつも以上に力強い。篭る情を、溢れ出る熱量を、陸にもひしひしと感じさせる程だ。ならば陸から返すものも決まっている。
「ああ、では暫し時間を頂くよ。任せたよ聖くん」
まろい言の葉で陸が背を押せば、聖は熱された一歩を踏み出す。靴音すらもじゅうと焼けそうな頼もしさで向かう聖を、陸は見送った。任せたよ、と迷いもなく告げられる相手がいるのは、戦場において有り難いものだ。
それを感じた陸は信頼をその背へ預けてから、瓦礫を蹴って飛び上がる。
人の営みを忘れたマンションの各階が、よく見えた。
在りし日には、多くの人がいたのだろう。改竄されていなければ、そこにはもっと多くの人が暮らしていたのだろう。
想像から流れるように光を編めば、彼の周りから光が踊り出した。
踊る光と共に走り続けるのは、聖だ。
深く吸い込んだ息で気力を漲らせ、総身を駆け巡る力を実感しながら向かう。向かう先は勿論、かのアークデーモン。
「こんなもの! こんなものでアタシをッ!!」
今までのディアボロスの挑発。勇士たちを導いたディアボロスの存在。どれもがかなりのご立腹案件だったらしい。もはや罠も瓦礫も構わず蹴散らす戦闘モードの悪魔は、きゃたきゃたと笑うのも忘れ、咆哮を――否、奇声をあげてばかりだ。
聖はそんな敵の懐へ飛び込み、まるで水が流れるかのように鮮やかな攻撃を繰り出す。
「せっかくですから、遊びに付き合ってもらいましょうか」
溜め込んでいた気を送り込みながら、叩き飛ばした。
全身を襲った衝撃は凄まじく、角の悪魔には悲鳴を挙げる余裕すらない。
そしてふと向けられた聖からの視線に、首肯を陸が向ける――丁度、こちらも頃合いだ。
「……Leoht」
空の囁きは風に紛れ、編みあげた光で槍を模る。
そうしている間に、聖に放られた直後の悪魔から角が飛び、聖を貫通した。
だが悪魔へ注いだ聖の気は、操るオーラは、途絶えない。狂わんばかりに角の悪魔を内側から攻め立てた気の輝きへと、陸は瞬時に光の槍を放つ。風どころか塵や空気感さえも切り裂く勢いで、光槍はアークデーモンを貫く。
悪しき心身を掻き乱す清らかな光が発端となり、角の悪魔が弾けた身を右へ左へ振るった。すると瞬く間に陸へと忍び寄った魔角が、彼の柔肌を食い破る。気には角を。光にも角を。苛立ちながらも悪魔は己の狙いを過たず反撃して。
「アアァアアッ!!」
怒りから絶叫する。ディアボロスに『してやられた』もどかしさから、壁へ頭を打ち付ける。
そんな悪魔を一瞥したのち、聖はすぐさま陸へ言葉を寄せた。
「一連の動き、お見事でございました。間近で見れて光栄です!」
「そちらもお見事。やっぱり戦い慣れしているね」
微笑む陸から更に、「頼もしかった」と続けられて、聖は頭が取れんばかりにお辞儀した。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【エイティーン】LV1が発生!
【活性治癒】がLV5になった!
効果2【リザレクション】がLV2になった!
坂登・悠日理
惺音g03409と
惺音は違う
だから大丈夫
肩に手を置き
無茶するなよ
惺音は大丈夫だし
俺も大丈夫
さぁ
あいつをみんなで倒して
希望を繋ごう
勇士達にも声掛け
レオ
前に出て攪乱してくれ
素早く動けよ
小さいんだから小回り効かせろ
そしたら当たらないから大丈夫だ
その間に惺音の準備も終わる
惺音とユキミの攻撃援護させ
動きをよく観察し
レオに指示
あの角…触覚みたいだな
伸びるし気を付けろ
隙を看破し
隙がなければ臨機応変に自分で作り出す
槍を投擲
レオ足元狙ってぶつかれ
そうしたら吹き飛ばせるだろ
吹き飛ばしのタイミング見計らい
飛んで来る位置を手早く計算して移動
簡単な計算だぜ
第一お前の動きはもう頭の中に入ってるからな
このくらい『嗜み』だろ
森瀧・惺音
ゆぅ君g04140と
悪魔、かぁ…
やっぱり少し、胸の奥がざわざわする
憑依元の意識では無くて…
こうはなりたくないっていう、拒否
…うん、大丈夫
ゆぅ君をディフェンスする
主は魔力の障壁
ユキミはレオさんと連携して
電撃を放って貰おう
一撃を当てた、又は狙う一般人の方達に勝利の凱歌で
抵抗出来る希望を灯す様に
例えば、こんな伝承があるんだよ
どんなに相手が偉くて横暴でも誇りを失わず
反抗的だと捕らえられたその人は
一本の矢で、大切な者の命と誇りの証明を課せられ…
歌いながら
魔力を光として弓矢を形成して引き絞り
光の矢を角の悪魔へ射るよ
…その矢は要求された的を、見事に射抜いたという
回避は飛翔も用いて
上下にも動いて躱す様にするね
まるで、何かが棲みついているかのような。
そんなざわつきを胸裡に覚えて、森瀧・惺音(眠れる森の魔女・g03409)は俯く。
明確な答ではないけれど、憑依元の意識では無いと感じる。
ただただ惺音を困惑させたそれは、言い表すならきっと――こうはなりたくないという、純一なる拒否の感情。
それが怖いのか。苦しいのか。痛いのか。言葉としての答を欲しているようで、迷っている。足場の抜けた空の上にいるような心地で、惺音は睫毛を震わせた。
不意に彼女の耳朶を打ったのは、あまりにも飾り気がなく、あまりにも真っ直ぐな心。
「惺音は違う。だから大丈夫」
紡いだのは坂登・悠日理(叡智の眼・g04140)だ。彼は惺音の肩へぽんと手を置いた。
「……あのさ、無茶するなよ」
無茶、の意味を読み兼ねてきょとりとした惺音と、幼なじみの視線が温く交わる。
「惺音は大丈夫だし、俺も大丈夫」
「……うん、大丈夫」
それこそおまじないの如く、あえかな声で惺音は繰り返した。
「レオ、頼んだ」
悠日理からの指示を受けて、レオは大きな金色の瞳をきゅっと閉じて頷く。
槍を握り締めて敵の元へ急ぐレオを見守る主は、攻撃までの僅かな時間で考えを巡らせた。
みんなで倒す。
祈りにも似た言葉はまるで呪文のように、悠日理の耳の奥を回り出した。
いろいろな人が繋げてきたものだから、あとは倒すだけ。
ならば目標へ到るのに必要なものは何か。アークデーモンの挙動を見つめる。まばたきすら忘れるぐらいに。
悠日理は間合いを見極め、理系らしく頭を働かせる。
こめかみを指先で押しながら、レオの一撃がどうやれば効果的に入るかを探る。
すべては、希望を繋ぐために。
「……見えた」
まもなく悠日理はレオへ伝えた。触覚のように伸びた角を、警戒しなければと。
(「このくらい『嗜み』だ。さあ、やってやれレオ」)
すると、一心同体ゆえに一回分の攻撃を共有するディアボロスとサーヴァントだからこそ、レオは主の強き想いも乗せて立ち向かう。槍で悪しき身を抉れば、悪魔の悲鳴が響き渡った。勢いよく飛びついたレオによって、角の悪魔はレオと槍ごと転びかける。
しかし、膝を折ることなく角で仕返した悪魔を目前にして、今度は惺音が動き出す。
「ユキミ、見ていて……」
そっとユキミへ囁いた惺音が、一手を贈るため動き出す。
そして深呼吸したのちに惺音が綴る伝承こそ、抗う者たちへの応援歌。
吟じる詩歌は、ある弓の名手の物語。その一幕だ。
横暴な相手だろうと、どんなに偉い身分の相手だろうと、恐れることなく誇りを掲げ生き続けた彼は、いかなるときも『それ』を捨てなかった。
だからこそ彼に課せられた、ひとつの試練。
大切な者を射抜きかねない状況で、誇りを示して証明するもの。
ディアボロスである惺音が歌えば、サーヴァントのユキミも音に合わせて揺れる。
そして物語に沿って浮かび上がるのは、一組の弓矢だった。
集束していく光と、それを手にする主を応援するようにユキミが「きゅっ」と鳴く。愛らしい声援を受けて、惺音は詩を再現するよう、魔力の光を引き絞った。
――その矢は要求された的を、見事に射抜いたという。
一幕のラストを飾る誇りの証明。似せた光の矢で、惺音はアークデーモンを射抜く。
直後、変形した角が彼女を襲うも、光の残滓を確かめて惺音は目許へ朱を乗せた。
「な、何笑ってんのよ!?」
思わぬ反応に角の悪魔がぎょっとしたのを、惺音は見逃さない。
「ほら……だって、あなたも痛むよね?」
矢で貫かれたところが。惺音が角で痛いと感じるのと、同じように。
夢路で耳にするかのような不思議な言葉をかけられ、アークデーモンが慄く。
「わけわかんない! 自分も痛いクセに……我慢でもしてるわけ!?」
彼女が平然としているから、動揺が角の悪魔を襲った。
それでも幼なじみ二人は、レオとユキミと一緒に立ち続ける。痛みを分かち合うように、並びながら。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【平穏結界】がLV2になった!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV7になった!
紘冊・悠莉果
間に合え……サモン・バーバ!
黒の弾丸から魔女を召喚し、前線へ飛翔して突撃する
鬼ごっこはこれまでよ。行って!
『相変わらず荒っぽいのぅ……!』
勇士を援護する様にバーバの冷気で敵の動きを鈍らせます
同時に悠莉花の周辺のガラクタをトラップ生成で冷凍地雷の罠に
敵を罠の方へ誘いこむ様に射撃や魔女の攻撃で誘導し追い込みます
ただ倒すだけじゃ駄目
子供を助けて、勇士と力を合わせて、アタシ達の力を見せつける!
敵を誘導し、冷凍地雷+冷気の支配者で動きを止めたらフィニッシュよ
皆、全部叩き込んじゃえ!
アタシはM1895に発明した炸裂弾を装填し発射
バーバは穂先を鋭く凍らせた冷気の槍と瘴気の渦をぶち当てる
さよならよ、鬼さんッ!
白戸・もがり
誰も覚えていなくても。私でさえ覚えていないけど
これはきっと、あの日の続き……だから、私も戦うよ
感覚が鋭敏かー、厄介だなあ
目視できないまま忍び寄られるのは良くないし、残留効果のトラップ生成で踏んだら音の鳴る罠を作って、周辺に幾つか配置しようかな
あとはサンドストームを放つついでに風で砂を巻き上げて、低い位置で常に逆巻かせる事でトラップを隠すよ
バレるまでのちょっとした時間稼ぎだね
敵が回避し難くなるよう、攻撃のタイミングは出来るだけ他の皆に合わせて
敵の攻撃や反撃に対しては、音に集中・特に死角となる方向の魔力障壁を強める等で直撃を防ぎたい所
受けた際の衝撃を利用し吹き飛んで距離を取り、次の動きに繋げよう
里木・啓吾
「ネズミを可愛がるなんて悪趣味だとは思いましたが、
現物は想像以上に悪趣味ですね」
目まで角なんて悪魔らしいですが……
はて、どこかで見た事あるような
ええっと……
「ああ、そうだ、カタツムリ。
確かこんなカタツムリいませんでした?」
寄生虫に寄生された奴だったでしょうか?
義勇軍をディフェンスしつつ挑発して
義勇軍にヘイトが向かないように行動します
多少弱体化してるようですし、先手を譲って
反撃アップを活用したいと思います
「ああ、その顔が見たかった……」
【使用パラドクス:デストロイスマッシュ】
「……んですが、やっぱり悪魔の顔は嫌いです」
ペネトレイトチャージを腕で受けつつ、顔を靴で蹴り上げ、
顔面<破壊>を狙いますね
猛攻衰えぬ戦場で、白戸・もがり(葬送の虎落笛・g02018)の狐耳がぴこんと立った。
(「感覚が鋭敏って、厄介……だね」)
仲間たちが受ける反撃を目にして少女が悩んでいると、そばで里木・啓吾(研銃医・g00216)が唸る。
「ネズミを可愛がるなんて、悪趣味だとは思いましたが……」
つい先ほどまで追いかけていた魔導具を思い起こし、彼は顎を撫でる。
「……現物は想像以上に悪趣味ですね」
もちろんただの独り言ではない。啓吾が紡いだ所感は、此度の首魁たる角の悪魔へ届かせるためのもの。そして激怒して平静さを欠いた悪魔は、啓吾の予想通り「はぁ!?」と尖り声をあげる。
「目まで角なんて悪魔らしいですが……はて、どこかで……」
記憶を引き出すように、啓吾が目線をくるくる彷徨わせる。
その間、リボルバー型召喚器のM1895を握り締めて、紘冊・悠莉果(復讐するは我等にあり・g01504)がひた走る。勇士たちは退避した。ひどい怪我を負った仲間もいないし、陽射しは傾き始めている。
やることは、決まっていた。
(「でもただ倒すだけじゃ、ダメだったから」)
誘導時の挑発によって、今の悪魔がいる。
戦場へ導かれた悪魔を鈍らせて、義勇兵の想いが当たるよう動いてくれた仲間がいる。
だから思いもよらぬ光景を悪魔へ見せつけた。抗う心を折ろうとした敵にとって、予想外の景色を。
折れなかった人心。猛る想い。燃え尽きない希望。
(「連鎖するって、こういうことなの」)
思考に耽っていた悠莉果は、敵を凝視した。かの悪魔を敗者へと手招く要素を、彼女たちはよく知っている。
だから戦いの連鎖を続けようと、砂嵐が起こった。自然に生じたのではない。もがりがそこへ喚んだのだ。
珠のような腕を伸ばし、風塵を操る少女は願う。
(「皆のために……次へ繋げるために、私は」)
顔を上げ、前を向く。
祈るように手を合わせ、そっと指を折り畳む。
(「誰も覚えていなくても。私でさえ覚えていないけど……」)
存在を消されたディアボロス。記憶を失ったもがり。喪失したものの大きさはどちらも計り切れぬもので、そして何より――大事なもの。いつか、少女の脳裏に想い出が過ぎる日がくるのかは、わからない。たとえ二度と戻らなかったとしても。
(「これはきっと、あの日の続き……だから、私も戦うよ」)
狂わされた町並みの中、変えられた歴史が続くのなら『どうにかしたい』と想い、もがりは熱を帯びた息をはく。
こうして砂嵐で飾り立てたマンション区画は、広場の石畳や瓦礫、マンションそのものに至るまで美しい金の衣を纏う。斜光に煌めく砂が踊り、まるでそこは砂に埋もれた街。けれど退廃的な景色を堪能せず、もがりは耳を澄ます。
そして忍び寄る悪魔は鳴くことしかできぬ地を踏み、居場所を示した。
突き出す角は暗殺のための、鋭く素早いもの。もがりはヒヤリとしたが、すんでのところで身を捻り、魔力の障壁が軌道を僅かに逸らしたころで直撃を免れた。己の身を確かめると、衣服と肌を裂かれたが、深手ではない。
「おとなしく刺されてなさいよぉ!」
悪魔が地団駄を踏むたび、プップカピーとおもちゃめいた音が鳴った。
そこでもがりは、胸いっぱいに準備のための空気を吸い込み、仲間へ呼びかける。
「紘冊さん、里木さんっ!」
多くを語らずとも、声は通る。
「任せて!」
「ええ、やってみるとします。思い出したら」
目線と首肯で方角を分担し、二人が動いた。
まず駆けながら悠莉果が突き出した片腕は、戦いを共に超えるための力を招く。
「間に合え……サモン・バーバ!」
陽を浴びても色褪せぬ黒の弾丸が、瞬く間に魔女の姿を呼んだ。
「鬼ごっこはこれまでよ。行って!」
黒衣から覗くしわだらけの肌は老女のものだが、場の力を借りて天翔ける様は、勇猛な若鳥よりも速い。
「よーくその隠れた目に焼き付けなさい! アタシたちの力、見せつけるから!」
悠莉果の言に合わせて魔女が繰り出す冷気が、この世の終わりかのように凍てつかせた。足取りも覚束なくなってきたアークデーモンへと染み入る寒さは、涼しげな色をその身に描く。
けれどアークデーモンは懲りずに足掻いた。よくも、と叫びながら角で悠莉果を突く。刺さった箇所から瞬時に流し込まれた毒は、悠莉果の視界をぐらつかせた。けれど。
「……この程度、何よ……」
肩口へ熱をもたらした角を掴み、悠莉果が呟く。
「こんな痛みしか与えられないんじゃ、アタシたちを倒すなんて夢のまた夢ね!」
「はあ!? 何いって……!?」
言い終えると同時に悪魔を蹴り返し、悠莉果は後ずさった。苦痛に喘ぐ時間が惜しいと、陽光に照らされた髪が、燃えるような色彩を帯びたところで。
ぽんっ、と軽く手を叩いて啓吾が続けたのは。
「ああ、そうだ、カタツムリに似てるんです」
「カ……ッ!」
たった五文字が言い終えられないぐらい、アークデーモンはショックを受けた。悪魔からすると、とてつもなく小さくて小さくて小さな生き物だろう。しかも簡単に潰せる存在を連想するなどと言われて、怒りで震えないわけがない。
けれど啓吾の口撃は留まることを知らない。
「寄生虫に寄生された奴だった気がするんですよね。うーん、どうだったか」
「き……寄生虫……」
明らかにアークデーモンの頬が、感情の高ぶりで茹だる。
「言わせておけばァァ!」
耳に障る響きを繰り返したアークデーモンが、痺れを切らして啓吾へ飛び掛かる。突撃の勢いも乗せた一撃は凄まじく、けれど角が身を破る寸前、悪魔は啓吾の笑みを知った。伸びた角に貫かれているというのに、彼は溜息に満足げな色を含む。
ああ、そう――。
「その顔が、見たかった」
囁きとほぼ同時、積みに積まれた反撃の狼煙を上げ、すかさず啓吾が繰り出すのは――躍動する魂から、衝動を引き出して念動力へと変じた一手。
「……んですが、やっぱり悪魔の顔は嫌いです」
結局冷めた言の葉で悪魔を拒み、啓吾は嫌いだと今宣告したばかりの顔を、その力で蹴り上げた。
カハッ、と声にすらならぬ悲鳴を零して、角の悪魔は地に伏す。
「おの、れ……ディアボロス…、アタシを、コケにし……」
最後まで言い切ることも叶わず、悪魔の命はようやく尽きた。
かつて人々の営みで賑わったマンションたちに見下ろされている、この広場で。
そして気付けば、退避していた勇士たちの歓声が聞こえて来る。
ディアボロスたちへの感謝を高らかに掲げた彼らの声こそ、港区民にとっての凱歌だった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【冷気の支配者】がLV4になった!
【土壌改良】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV5になった!
【ダメージアップ】がLV6になった!