リプレイ
積商・和沙
【築地市場】
築地市場を調査するわよ。
ここは最終人類史だと奪還した江東区の豊洲市場に移してるから、出来れば最終人類史の豊洲市場を見てから来たかったんだけどね。
移転の時もいろいろ問題が発生したらしいわね。
私はこっち出身だから、移転の話は人づてで聞いたんだけどね。
ここは大天使の支配区、大天使に見つからないように調査するのはもちろん一般人に私達がディアボロスであることがばれないように気を付けないとね。
何かあれば【パラドクス通信】で情報交換をしておくわね。
それにしてもこの辺りも荒れ果てているのかしら?
(オープニングで築地市場が『かつて』といわれていたことより)
ただ、何か手がかりがあればいいんだけどね。
一ノ瀬・綾音
よし、第二次調査、初めていこうか。一度やった分色々気合入るね!
さて、どこに行こうかな。やっぱり築地市場がいいかな?
ただ住民がディアボロスを敵視している以上話しかけるのは危険かもしれないね……
というわけで自分は下水道辺りに隠れつつ【使い魔使役】で動物を従えて行くよ。こちらから派手に接触はしないで盗聴などがメイン。
まずは築地市場がどうなってるかをざっと見つつ、大天使たちがどんな会話をしたりしているかも盗聴。できれば大天使と自警団の会話なんか聞いてみたいね、その辺の関係性ちょっと興味あるし。
あとは警備の交代時間などを把握しつつ『臨機応変』に。
得た情報は他の皆と共有するよ。
百鬼・運命
「さて実家の日本橋方面が気になるが…中央区は思ったよりもろくでもない状況になっているようだ。まあ何はともあれ、月島の防衛線を突破するのが先か…」
まずは使い魔使役で鳥やネズミなどを最大数使役。先日の侵入で警戒が増したことを考慮に入れ、使い魔を確保した後は所持アイテムの水陸両用な動力甲冑に搭乗して海中に潜水し潜伏しながら調査。
今後防衛線突破することを考え防衛線の構造や警備の交代時間や人の出入り等を上空から鳥で、鼠や猫で地下や地上から『観察』や『偵察』。また付近の一般人や自警団、大天使の会話も盗聴するが、大天使は警戒して極力近づかず後回しにする。
「さて築地の方はどうなっているかな?」
絡みアドリブOK
マルケト・キサウェ
築地市場を探りに行きますね。
港区側の浜離宮庭園付近から潜入出来れば近そうですけど……さて。
列車の停車位置にも依りますが、陸路では無く水路を使う方がいいかもですね。以前調査した際、自警団の方々が居たりしたので。
水面付近を飛ぶ手もあるものの、念の為【水面歩行】を。徒歩なら波風を立てずに済みますし、他の残留効果も併用し易いかと。
素早く移動し、築地大橋付近からの上陸を目指します。
本来の歴史では、2018年中旬までこの市場が使われていたとか。結構由緒のある所で、地下の防空壕遺構を倉庫として使っていたなんて話もあるそうですね。
何処まで近づけるか解りませんが、隠れ潜み市場の使われ方等を〈観察〉したい所です。
クラウ・ディークラウ
南エリア、築地市場
クラウも調査、手伝う
まずは、様子見
【浮遊】は、水辺を渡ったり、人の少し頭上を通ったり
こっそり進むのに役立つなら、使う
高度上げすぎは、注意……逆に目立たない、ように
そうして見ていて、少人数の人がいたら、声をかけよう、かな
もし自警団でも、穏便に関われそうなら、してみる
このあたり、ディアボロスとか、いない?
安全? 大丈、夫?
あ……いきなり聞いて、ごめん
(不安に駆られた様子を演じつつ、何か情報をもらえないか探る)
でも、じっとしてても、怖いばかり、で……
安心できること、探したくて……つい、うろうろしてる
あんまり良くないのは、分かってる、けど……
……他にできること、とか、何かあるの、かな
●潜入調査、再び
TOKYOエゼキエル戦争、中央区の南エリア。
同区の築地市場に程近い浜離宮恩賜庭園の遠景を、マルケト・キサウェ(docta ignorantia・g03412)は海上に停車したパラドクストレインから眺めていた。
「さて、行きましょうか」
プシュ、と軽い音を立てて開いたドアから、海面へ歩き出す。
水面歩行の効果は上々だ。凪いだ海に足をそっと下ろすと、マルケトは海岸線を目指して足早に駆け出した。
流石に空を飛ぶほどには目立たないが、水上に姿を晒し続ければ、それだけ発見のリスクが跳ね上がってしまう。
「急ぎましょう。ぐずぐずしていると見つかってしまいます」
「相変わらず警備の厳しい区だね、ここは……!」
後ろを行くのは一ノ瀬・綾音(綺羅星の如く・g00868)。マルケトと同じく、第一次調査に参加した一人だ。
祈るような気持ちで海面を進むこと暫し、岸壁の端から上陸した復讐者達の目に入るのは、シンと静まり返った街の景色だった。対アークデーモンの最前線だった月島ほどではないにせよ、道路やビルのあちこちは劣化や傷みが進行し、荒廃の跡は隠しようもない。
ちらと浜離宮恩賜庭園の方へ視線を向ければ、そこには園内を巡回警備する大天使の姿が見える。どうやら前線拠点の一つとして利用されているようだ。
「港区に張り出してる場所だからかな。けっこう大天使が多い感じだね」
「つくづく、どこもかしこも碌でもない状況だな。これでは、日本橋の方はどうなっているやら……」
百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)は道端の雀を使い魔使役で手懐けて、早速上空へと放つ。
復讐者では探りにくい場所も、彼らなら融通が利くことだろう。情報を収集する斥候役には持って来いだ。
「使役できる使い魔は二匹か。ひとつは地上の探索用に回すとして……今回の調査は、築地市場がメインだったな」
「そうね。失われた歴史では、世界の内外から魚介類の集まる大市場だった場所よ」
築地の方角に目を向けて、積商・和沙(四則演算の数秘術師・g02851)は頷きを返す。興味と好奇心とを、等しく瞳に輝かせながら。
TOKYOエゼキエル戦争は、海外はおろか国内の道府県さえ存在しない時間軸である。目と鼻の先にある築地市場、果たしてそこが一体どうなっているのか……否が応でも興味をそそられる。
「よし、パラドクス通信も活性化完了。行動中はこれで連絡を取り合いましょう」
「ん。何かあったら、知らせる、ね」
宙に浮かぶ通信機を受け取ると、クラウ・ディークラウ(遮る灰色・g01961)は今回の作戦計画を反芻する。
彼女が担当するのは和沙らと同じ築地市場。前回の月島よりも中央区の内地に近い場所だ。もし一般住民と接触できた暁には、うまく情報を収集したいところだが――。
「市場までの、経路は、どう?」
「ここからなら、距離もそう長くない。短時間の調査なら陸からでもギリギリ行けそうだ」
築地までの進路を地図に記しながら、運命は言う。
使い魔が送ってきた情報を元に、警備の手薄なルートを割り出しているのだ。
(「あとは周辺の警備や交代時間が分かれば最上なんだが……流石にそこまでは難しいか。時間も少ないし、警備体制はいつ変更されてもおかしくない」)
運命はかぶりを振ると、行動方針を一般住民の情報収集に切り替えた。
そうして記入を終えた地図を配り終えると、綾音が改めて全員を見回して告げる。
「皆、連絡は欠かさないようにね。隣接区の探索は『サッと調べてサッと帰る』が基本だから!」
「そうですね。長居は禁物でいきましょう」
マルケトは頷きを返すと、地図に描かれた築地市場までのルートを確認した。運命の言葉通り、目的地までの距離が短いこともあってか、大天使や自警団の警備網は、辛うじて、ギリギリのところで掻い潜れそうだ。
とはいえ、油断はできなかった。敵の警備配置は常に変わり続けている。最悪、調査を終えた時にルートが塞がれている可能性さえゼロではない。
「まあ、その時は強行突破で戻るしかないですね……」
「ん。街の人は、巻き込まないように、しないと、ね」
こうして、クラウ達五人の復讐者は、今ふたたび中央区へと足を踏み入れていった。
大天使によって支配された、管理と荒廃の世界へと――。
●成り代わったもの
程なくして築地市場の付近に到達した復讐者は、メンバーを二つに分けて行動することにした。
綾音と運命は付近の下水路に潜伏し、自警団や住民の情報を使い魔経由で収集。和沙、マルケト、クラウは、同じく使い魔で市場一帯を探索しつつ、可能なら住民から聞き取り調査を行う。
そうして行動を開始した直後、探索を担当する和沙らは、早くも自分達が目にする光景に絶句していた。
「ねえ。何だろう、あの建物?」
「市場……ではないですね。どう見ても」
かつて築地市場と呼ばれた場所――そこには、宮殿に似た建築物が存在していた。
華麗な装飾が施された建物。その外周部には幾つかのスペースが設けられ、内地から来たと思しき住民達の姿も見て取れる。一様に神妙な表情を浮かべた彼らの雰囲気は、市場の客と言うより礼拝に訪れた信徒を連想させるものだ。
「ん。ツキジって、あんな場所、なの?」
「たぶん違うはず……ですよね、和沙さん?」
「ええ、失われた歴史にはない建物だわ。何なのかしら、一体」
三人は頷きを交わし合い、使い魔達を市場へ放つ。
雀と猫、計六体の使い魔が市場へと向かっていき、程なくして外周から送られてきた情報を和沙は凝視した。
そこに映っているのは、建物から出て来た一般人達。眼を引くのは、その全員が大事そうに抱えている謎の包みだ。
「袋に小箱……中身を出したわね。あれは……食料品かしら?」
「パンと野菜のようですね。ということは、あの建物は食料の生産施設でしょうか」
「ん。でも、それなら。……どうして、宮殿の形を、してるの、かな」
得られた情報を三人が吟味していると、ふと通信機から連絡が届いた。綾音からだ。
「――みんな、情報収集は順調かな?」
「ええ。実は……」
マルケトが今までに得た情報を伝えると、綾音は我が意を得たりと話を切り出した。
「――こっちも丁度、それに関する情報を伝えようと思ってたの。あの建物は……」
●信仰の果実
時間を数分ほど遡った、築地市場付近の下水路にて。
(「……ん? 自警団が、何か話しているな」)
地上に遣わした猫の使い魔が送って来る情報の中、最初に『それ』に気づいたのは運命だった。
彼と綾音の使い魔達が向かった先は、築地市場の入口付近。そこには列をなして『宮殿』へ入場する住民達と、彼らを監視する自警団の姿がある。
『列を乱さず進め!』『大天使様への信仰を欠かさないように!』
「お祈り……? あの宮殿、礼拝堂か何かなのかな」
「よし。会話を拾ってみよう」
使い魔には、一般住民や自警団の会話を主に収集するよう命じてあった。
指示に従い、使い魔達の集める情報が、運命と綾音の元に次々と送られて来る。
『皆さんの祈りが糧となります!』『信仰を捧げて糧を得るのだ!』
その言葉を聞いた二人は、そこで凡その事情を把握する。
「成程。あの宮殿では、祈りの力で食料を生産して……」
「それを一般住民に配給している、というわけか」
頷きを交わし合う運命と綾音。
一方、宮殿から出て来た住民達は下賜された食料を手に、大天使への忠誠を改めて誓ったようだ。
パラドクスの力であろう『奇跡』を前にして歓喜の極みにあることは、その声からも十分に伝わってくる。
『こんなに沢山の食料を……私の信仰心が通じたのですね!』
『ありがとうございます、ありがとうございます……!』
「大天使への信仰が食料を生み、その食料は更なる信仰を生む、ということか」
「良く出来てるね、本当に。この情報を向こうのチームにも伝えないと……」
こうして綾音らの得た情報は通信機を介して、マルケトらのチームへと届けられたのである――。
●宮殿の正体
「つまり築地市場は、信仰をエネルギー源に食糧配給を行う拠点ってわけね」
「――ああ。専用のクロノオブジェクトがあるのか、あるいはそういう力を持つ大天使がいるのか……いずれにせよ、中央区の配給はあの宮殿で担っているとみて間違いないだろう」
和沙の言葉に、運命は同意を返した。
「――ところで……今丁度、自警団が内部の巡回に出ている。上手くすれば、住民から情報を得られるかも知れない」
「分かりました。外周くらいなら、ギリギリ行けそうですね……」
マルケトは潜伏場所から道路を隔てた先、宮殿の外れに設けられたスペースへ目を向けた。
そこでは祈りを捧げ終えた一般人が、台車に食料を積んでいる姿が見える。住民と短時間接触し、可能ならば情報を聞き出す――今回の調査は、その辺りが限度だろう。
「ん。それなら、クラウが、行って来る」
「了解よ。私達は引き続き、使い魔に建物を探らせるわ」
「何かあったら、すぐ報せますね!」
そうしてクラウを見送ったマルケトと和沙は、使い魔が送ってくる情報を更に吟味していく。調べるのは主に、宮殿の構造に関する情報だ。
雀の使い魔が送って来た情報は、宮殿外部――屋上の景色が映っている。装飾に紛れてあちこちに伺えるのは給水管と思しき設備。恐らく、あの宮殿は一般の建物を改造して作った施設なのだろう。
「装飾は建物の壁だけ、ですか。内部の様子が気になりますね」
興味津々で呟くマルケト。だが、猫の使い魔が送ってきた情報を得た和沙は、残念そうにかぶりを振る。
「……入口に警備がいるわ。使い魔で中を覗くのは無理ね」
「うう、残念です。地下の防空壕遺構とか、ちょっと気になったんですけど……」
それから二人は暫し調査を続け、それ以上の情報は得られないという結論に落ち着いた。
後はクラウが戻って来たら、この場所を離脱するのみ。その時に備え、二人は静かに支度を開始するのだった。
●離脱の時
「すみませんね。手伝っていただけて助かりました」
「ん、気にしない、で。……大丈、夫?」
食料の袋を台車に載せ終えると、クラウは頭を下げる老婆へ労りの言葉を送った。
礼拝を終えたばかりと思しき老婆は、クラウの手助けに礼を述べると、小さな溜息と共に不安の言葉を漏らす。
「最近は、本当に物騒で困りますね。カマエル様も、ディアボロスに滅ぼされてしまったとか……」
「ん。じっとしてても、怖いばかり、だし……」
怯えを覗かせて語る老婆。その表情は、人々の心に復讐者への恐怖が強く根付いていることを窺わせる。
クラウはそのまま、自分の正体を悟られぬよう注意を払いながら、それとなく復讐者に関する話題を振ってみた。
「……ディアボロス、恐ろしくて。できること、とか、何かない、かな」
「今は祈りを捧げましょう。ここ最近、大天使様の儀式も準備が進んでいると聞きますから」
「……儀式……?」
「ええ。力を授かれば、聖戦に仕える大天使様に生まれ変われるとか。私はもう歳だから、無理でしょうけど……」
老婆の話題に相槌を打ちながらクラウは考えた。
中央区では、復讐者との戦いを『聖戦』と称して徹底抗戦を呼びかけている。老婆の話が事実だとするなら、大天使は聖戦に備えた兵力増産を計画しているということか――。
と、そこへ、
「――クラウさん、和沙さん、マルケトさん。そろそろ時間のようだ」
目立たぬよう忍ばせていた通信機から、運命の声が耳を打つ。
微かに緊迫した声色で、内容はすぐに知れた。
「――周辺に敵が増えて来てる。急いで戻らないと撤退ルートが塞がれる」
「――頃合いね。撤収するわよ」
「――了解です。急ぎましょう!」
「ん。分かった。今行く、ね」
和沙とマルケトに了解の返事を返すと、クラウはその場を去ることにした。
これ以上の長居は許されない。老婆や、ここにいる人々を、大天使との戦闘に巻き込まない為にも。
「あら、もう行くの? ディアボロスに襲われないようにね」
「……ん。ありがと。あなたも、気をつけて、ね」
そうして老婆に別れを告げて、クラウは四人の元へ駆けていく。
仲間達と共に、探索で得た情報を新宿島へ届ける為に。
合流を果たし、離脱を開始する五人の復讐者達。
海岸線へと続く無人の路上で、彼らが大天使『クピド』の群れと接敵したのは、それから数分後のことだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【使い魔使役】LV2が発生!
【水面歩行】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV3が発生!
【ダブル】LV1が発生!
百鬼・運命
「さてと、あまり騒ぎを起こして、大天使はともかく中央区の住民にまで警戒心を与えるのは得にならないな。手早く倒してしまおう」
パラドクス浮舟を使用。飛翔というよりも三次元的、立体的な歩法で敵の懐に入り込み、大太刀で次々に斬って捨てていきます。
敵は遠距離型で多数。距離を置かずに出来るだけ敵集団のど真ん中に居座るように立ち回り、射線が重なるように誘導して回避することで同士討ちや攻撃することをためらわせて有利な位置取りをしていきます。
「悪いがそっちの数の利を利用させてもらうよ」
精神攻撃は懐に忍ばせた呪術符に刻んだ呪詛返しで対応。
アドリブ絡み◎
積商・和沙
築地があんな場所になっていたなんて驚きね。
さあ、アポなし社会科見学は当然の門前払いだったけど、次はアポは当然ないけどちゃんとしおり(潜入計画)を作ってくるわよ。
その為にも、無事に帰らないとね。
邪魔な大天使は蹴散らしていくわよ。
潜入捜査だから一応は遠慮していたんだけど、空を飛べるのはあんた達だけじゃないのよ。
【飛翔】で飛び回り敵を撹乱させるわよ。
それにしても、わざわざ心臓を狙うなんてあんた達も大変ね。
毒なんだから体のどこかに当たればいいんじゃないの?
その精神集中を乱しながら双翼魔弾を放つわ。
ちなみに私の双翼魔弾は追尾機能付きよ。
●I'll be back Tsukiji
『大天使』。クロノヴェーダの一種族である彼らは、人間から捧げられる『信仰』の感情をエネルギーの源とする。
自然、その姿は人々の畏敬を集める姿をした個体であることが多い。顔には柔和な微笑み、頭上には輝く光輪。汚れひとつない純白の衣装をまとい、天使の翼で空を飛ぶ。
「参っちゃうわね。流石に見逃してくれる……ってことはないでしょうし」
そして今、積商・和沙(四則演算の数秘術師・g02851)達が帰途の路上で対峙する大天使は、それら特徴の全てを備えたトループス級の個体だった。
「大天使『クピド』。弓矢を武器とする女性型のクロノヴェーダか……応援を呼ばれる前に、さっさと蹴散らすわよ」
「賛成だ。手早く倒してしまおう」
得物の大太刀をスラリと抜き放ち、百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)が頷く。
鏡のように磨き上げられた刀身に、弓矢を一斉に構えるクピドの群れを映しながら。
「あまり騒ぎを起こして、中央区の住民に警戒心を与えるのは得にならないしね――というわけで」
パラドクス、発動。
狂愛の毒矢が発射されるより一手早く、『浮舟』の歩法が運命を空中へと押し上げた。
標的とするクピドは最前列の個体。数に勝る大天使にも何ら怯むことなく、運命はまっすぐに斬り込んでいく。
「我ガ脚、阻メズ」
大太刀の一閃はクピドの肉体を袈裟懸けに、一刀のもとに斬り伏せる。絶命した大天使が悲鳴を上げて消滅した直後には、運命はもう次なる個体の眼前へ。大上段から太刀を振り下ろし、二体目を唐竹割りで両断する。
「気をつけて、攻撃が来るわよ!」
和沙の警告が飛ぶと同時、クピドのハートブレイクアローが立て続けに運命めがけ発射された。
実のところ運命は射線に巻き込むよう立ち回っていたのだが、それすらもお構いなしの乱射である。あまりに躊躇のない攻撃に運命と和沙は一瞬面食らうも、理由はすぐに知れた。
「矢が、クピドを避けていく……?」
「味方同士の攻撃では、同士討ちが発生しないようね。これもパラドクスの影響かしら」
対面で挟みこむようにして矢を撃ち合ったにもかかわらず、クピドは全くの無傷を保っていた――そして、大太刀で矢を切り払った運命も。
それを眺めた和沙は、ビルの高さすれすれを飛翔しながら、思わず口笛をピュウと吹いた。
「やるじゃない。私も負けてられないわ!」
デーモンの赤い翼を広げ、双翼魔弾を発動。
数秘術の魔力を秘めた弾丸がクピド達を捉え、立て続けに撃墜していく。
それからも和沙達は戦場を縦横無尽に飛び回り、気づけば大天使の群れを早くも半数以下まで減らしていた。
「この分なら、クピドの方は楽勝で行けそうだね。余力を温存できるのはいいことだ」
「ええ。『次』に備えて、ね」
そう言って二人は、クピドの群れが舞う戦場の後方に視線を向けた。
好戦的な気配を纏いながら、こちらへ接近して来る男性型の大天使――機甲天使『ストライフ』へ。
運命は改めて気合を入れ直し、更なる猛攻でクピドを攻めていった。流石にアヴァタール級の個体が一緒となれば、ここまで容易くは行かないだろう。
「奴が到着する前に、クピドをきっちり片付けないとね。急ごう」
「了解よ。覚悟しなさい、大天使!」
そうして奔放な飛翔で戦闘を続行する傍ら、和沙はふと築地の方角に目を向けた。
「今回の社会科見学は門前払いだったけど――次回は、しおりを用意して来るから待ってなさい!」
いずれまた、自分達はここへ戻って来てみせる。
その時は、けして今日のように手ぶらでは帰らない――。
再戦の誓いを胸に秘めながら、和沙は着実にクピドの群れを討ち取っていった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【飛翔】LV2が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
イロハ・アプリルシェルツ
【アドリブ&連携歓迎】
第一次東京奪還戦でも見かけたけどアレはクピドの群かな?
とは言え敬虔な信徒のイロハはまがい物には興味ないから天へと還りなよ
あからさまに心臓を狙ってるから対応するのは簡単だよね
ガードを敢えて下げ、攻撃を誘えばタイミングも図り易いし
飛んできた矢も【念動力】で減速させて
【グラップル】で掴むだけの簡単な作業だよ
それ程丈夫じゃなさそうだし3本まとめてじゃなくて
1本ずつで良いのなら簡単にポキっと【破壊】出来るしね
さてキミ達にお祈りの時間は必要かな?
軽くステップを踏んで間合いを詰めたら
鍛え上げた【ヤコブの鉄拳】で打ち砕くとするよ
築地の有様は……人はパンのみに生きるにあらずの筈なんだけどね
●破天の拳
「信徒に、宮殿に、礼拝か……人はパンのみに生きるにあらずの筈なんだけどね」
イロハ・アプリルシェルツ(神聖ならざる銀・g05555)は築地市場の方角へ目を向け、溜息を零した。
巨大宮殿へと改造を施された築地。そこで大天使の『奇跡』へ祈りを捧げる人々を思い浮かべると、自然と嘆きが漏れてしまう。イロハの目にとって、それは何もかもが歪な在り様に思えたから。
「まあ、築地の件は後回しだ。まずは、こっちの対応が先決だね」
イロハが振り返った先、復讐者の退路を塞ぐように大空を舞うのは大天使『クピド』の群れ。
序盤戦で頭数の半数以上を失ってはいたが、少女の姿をした天使達の戦意が逃走する様子はまるでない――もっとも、イロハもまた、彼女達を生かして返す気はなかったが。
「残念だったね、紛い物には興味ないんだ。さっさと天へと還してあげるよ」
言うが早いか、イロハはクピドの群れへと真っすぐ向かってい。
揺るがぬ信仰で鍛え上げた肉体は、彼女の脚に尋常ならざる速度を与え、その拳には並外れた破壊力を宿らせる。軽いステップで瞬く間に距離を詰めれば、クピドの群れは狂愛の毒矢を射かける暇さえ与えられない。
「さて――お祈りの時間は必要かな? あいにく懺悔は受けられないけどね」
間合いを詰めるや、『ヤコブの鉄拳』がゴウと唸りを上げて放たれる。
若い少女の魂に満ちる衝動と信仰を込めた拳が、力の波動を矢の如き一撃に変えて放ち、クピドの心臓を正確無比に突き破る。胸に大穴を開けられて墜落していくクピド。屠った相手を一瞥すらせず、イロハは更なる敵を物色し始めた。
その間にも次々と毒矢が飛来するも、イロハにとっては脅威などとは程遠い。
(「まあ、トループス級の実力ならこの程度かな。……キミはどうだい、紛い物のリーダー君?」)
飛来する毒矢を掴んでは叩き折りながら、イロハは値踏みするような視線を後方のストライフへ送りつける。
程なくしてクピドの殲滅は為るだろう。彼女達を統率するアヴァタール級大天使の戦闘力、果たしてどの程度か――その答えは、直に明らかとなる筈だ。
第二次中央区調査の最後を飾る戦い。その始まりが、復讐者達の目前まで迫りつつあった――。
成功🔵🔵🔴
効果1【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
クラウ・ディークラウ
アヴァタール級が、迫ってる、なら
分かった、クラウたちも一気に、攻め込む
しっかり、確実に……でも、できれば早めに倒して、帰ろう
……みんな、不安と怖さ、抱えてた
戦いが長引いて、目立って、余計にそれが強くなるの、良くない
クラウも、そう思う
(自身はもやもやな刃を手に、リームは槍を手に
【飛翔】を借りて、クピド達へと接近)
リーム、タイミングずらして、いこう
クラウは、ゆったり、大きく
リームは、ささっと、鋭く
ばっちり、ぴったり、連携、ね
(攻撃の隙を埋め合うように、【雷槍乱れ突き】
味方への援護も兼ねて捌きにくい攻め方で『撹乱』しつつ
急所を狙われても、リームと互いに庇いやすい動きを心掛ける)
●機甲天使、現る
一秒でも早く、一体も残さずに。
それが、撤退時の戦闘においてクラウ・ディークラウ(遮る灰色・g01961)が自身に課した方針であった。
「中央区の人達……みんな、不安と怖さ、抱えてた」
呟きと共にクラウの脳裏に浮かぶのは、つい先程まで言葉を交わしていた老婆の顔。クラウを気遣う優しさを持ち、復讐者への不安と恐怖を抱えた表情だった。
老婆だけではない。この街に生きる誰もが、信仰対象である大天使の流す偽りを信じて、不安と恐ろしさを抱えながら生きている。だからこそ、クラウは思うのだ。
「戦いが長引いて、目立って、余計にそれが強くなるの、良くない」
故に、速やかな勝利が望ましい。いずれ始まるであろう中央区の奪還戦を、少しでも苛烈なものとしない為にも。
残り僅かとなったクピド達を前に、クラウが取った行動は迅速だった。魔晶剣『輝かずの刃』を装着した後、目立たぬ高度まで飛翔。弓矢を構えるクピドを狙い定め、一気に攻め込んでいく。
「リーム、タイミングずらして、いこう」
主人であるクラウの指示に、電磁槍を手にしたメーラーデーモンが短く鳴いて応じた。
先陣を切ったのはクラウだ。緩やかで大きな弧を描くような動きが、クピドの狙いを釘付けにする。
同時、クピドの弓から発射された矢が降り注ぐ。射られた者の心を愛で狂わせる毒矢の軌道は、しかし輝かずの刃によって遮られ、クラウを射抜くには至らない。
「ん。もう、おしまい?」
挑発するように宙を舞うクラウ目掛け、クピド達はさらに矢を射かけ続けた。
――その隙を伺う、もう一人の存在に気づかずに。
「リーム。……今」
直後、タイミングをずらして宙を飛んだリームが、電磁槍を手に突撃する。
まっすぐ俊敏な軌道と、雷鳴のように鋭い雷槍乱れ突きは、クピド達の心臓を背後から串刺しにした。
標的となった大天使達は抵抗の暇さえ与えられず、力を失い地へと落ちていく。そうしてクラウは全てのクピドを駆逐したことを確認すると、
「ん。……これで後は、あなた、だけ」
ついに戦場へと到達した機甲天使『ストライフ』を見下ろし、言った。
長居をする気はない。速攻で片付けて返らせてもらう――無言の視線で告げるクラウへ、半身を機械で補った男性型の天使は鋼の拳を構えて応じる。
『見事だ、ディアボロスよ。さあ、我が遊んでやろうではないか!』
勝利か、敗北か。
復讐者達と機甲天使の戦いが、いま幕を開ける。
大成功🔵🔵🔵
効果1【通信障害】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
古宮・泉美
(サポート)
私は元々旅行好きで依頼出発には密かにワクワクもあったり
普段は案内が多いから緊張するけど内心スゴイ嬉しい
美味しいモノや可愛いモノが好きで
前向きな楽天家、明るく元気
モラコミュのモモと刻逆で失った家族との再会のため頑張ってます
他の人との連携OK
初対面は得意な方で
頼まれたお仕事は何でも自分なりにこなそうとします
探索のお仕事なら興味津々つっつき回すかもだし
人助けは望む所
謎解き等は色々とない知恵絞って頑張ります
戦闘ではパラドクスは指定のものを何でも使い
多少の怪我は厭わず積極的に行動します
仲間の不利や迷惑になることはせず
たとえ依頼の成功の為でも公序良俗に反する行為はしません
後はおまかせ
よろしくお願いします
●吹き荒れる嵐
中央区、浜離宮庭園に程近い南エリア沿岸。
クピドの群れを撃破した復讐者達の目に映るのは、港区側の海上に停車するパラドクストレインと、海への道を塞ぐように立ち塞がる一体の大天使だった。
『さあディアボロスよ、いざ尋常に勝負したまえ!』
鋼の翼を背に広げて傲然と告げるのは、機甲天使『ストライフ』。クピドらの統率者であったアヴァタール級大天使を前に、古宮・泉美(MOMO・g03355)はすぐさま改造スマートフォンを構える。
元よりコミュニケーションの成立する相手ではない。道を塞ぐというのなら、力ずくで押し通るまでだ。
「随分と勝手なことを言ってくれますね、大天使……!」
泉美はモーラット・コミュ『モモ』を呼びだすと、攻撃の先手を取った。
先行させたモモと足並みをそろえ、突撃。左右からストライフを挟み込むように旋回し、仕掛ける。
「ええいっ!」
『ふふ、当たらんな。そんなものかね?』
泉美の手にした頑丈なスマートフォンが、鈍器めいて襲い掛かった。
一振り、二振り。大振りな攻撃を余裕で回避しながら、ストライフは肩を竦めてみせる。
『無駄な足掻きというものだ。パラドクスを介さぬ攻撃など、我の脅威ではないのだからな!』
「いいえ、無駄ではありません。私の攻撃は『囮』なんですから!」
『何
……!?』
そう、彼は気づいていなかった――泉美の攻撃は、モモこそが本命であることに。
まさかと思い振り返った刹那、背後のモモが強烈な電撃をストライフめがけて叩き込む。モーラットコミュが駆使するパラドクス『ワイファイスパーク』の一撃である!
「モモ、出力全開っ!」
『ぐう……中々やる。だが、それしきで我は倒せぬぞ!』
機甲を伝う電撃が、ストライフの全身を苦痛で苛む。
だが大天使も負けてはいない。お返しとばかり、強力な念動力の嵐を巻き起こし、泉美とモモめがけて解き放つ。
周囲の建築物が破壊されるのも意に介さぬ全力攻撃。その一撃を防ぎ続ける泉美を前に、ストライフが浮かべる余裕の笑みには、いまだ些かの陰りも見られない。
『はっはっは。さあ、もっともっと我を楽しませてくれたまえ!』
「皆さん、次は頼みます……!」
念動力の嵐を凌ぎ切った泉美が、後続の仲間を振り返って言う。
その言葉に応えるように、今、新たな復讐者がストライフの前へと進み出た。
成功🔵🔵🔴
効果1【パラドクス通信】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
百鬼・運命
アドリブ絡み◎
心情
さて、残りはアヴァタール級のみ、手早く済まそう
行動
あまり距離を取って派手な攻撃をされ、耳目が集まるのは避けたい所、前回使用した浮舟の歩法の余勢をかって間合いを詰め、呼吸法で身体能力を底上げしながらインファイトに持ち込む。
使用するパラドクスはの神蝕呪刃は先ほど見せた浮舟と同じく、2体対象でダメージアップの残留効果を持つパラドクスなので、浮舟と同じような太刀筋で攻撃することで先ほどまでと同じ攻撃だと誤認させることで相手が防御をかいくぐってダメージを与えていくことを狙う。
「悪いが中央区出身でね。ディヴィジョン奪還のため、こんなところでつまずいているわけにはいかないな」
レオネオレ・カルメラルメルカ
『イヒヒヒ。あっしはしがないウィザードでさぁ……』
一人称は「あっし」
二人称は年上・同年代「(名前)のダンナ(姐サン)」
年下「(名前)の坊っちゃん(お嬢ちゃん)」
他者との連携やアドリブOKです。
言動は三下ですが演技であり、相手を油断させてからの攻撃が好きです。
演技が通じないと粗暴になり、一人称も「オレ」になります。
技能を使い、できることは何でもやります。
パラドクスは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我でも積極的に行動します。卑怯者ですが、他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●チェック・メイト
「さて、残りはアヴァタール級だけだ。手早く済まそうか」
「イヒヒヒ。優男の大天使なんざ、ブッ飛ばしてやりやしょう!」
百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)の言葉に、レオネオレ・カルメラルメルカ(陰竜・g03846)が頷く。
中央区の脱出を図る復讐者達、その前に立ちはだかるストライフは初戦の負傷をものともせず、今も二人の前で鋼の拳を振るって暴れ続けていた。
強敵たる相手と戦えることへの悦び故か、その猛攻には一切の衰えが見られない。
「時間をかければ、それだけ俺達が不利だ。速攻で排除するとしよう」
「了解。援護射撃は引き受けますぜ、運命の坊ちゃん! 存分に暴れて来て下せぇ!」
接近戦用の大太刀を抜き放つ運命の後ろで、氷魔術の発動を開始したレオネオレが頷いた。
ストライフとの戦闘開始から既に数分。敵地の只中である戦場において、撃破に手間取ることはそれだけで窮地に陥る要因となり得る。故に接敵の後、速攻での決着を図る――今回の作戦における基本方針をレオネオレとも共有すると、それからの運命の行動は迅速だった。
「こんな所で躓いてはいられない。故郷の中央区を奪還する為にもね」
大太刀を抜き放ち、加速。滑るような足捌きで宙を駆けながら、運命は瞬く間にストライフとの間合いを詰める。
肉薄してのインファイト――そんな彼の意図を察してか、機甲天使は好戦的な笑みを浮かべて迎撃の構えを取った。
『受けて立とう。さあ、我を楽しませてくれたまえ!』
「もらった。――食らえ」
会話を交わす意志など端からないとばかり、運命が神蝕呪刃を放つ。
視認困難な横薙ぎの一閃。その一撃を、しかしストライフは鋼の拳で受け止める。鈍い衝撃と共に、鋼を切り裂く火花を飛び散らせながら。
『ふふふ。もう終わりか……ぬっ!?』
余裕を保ったストライフの笑みが、ふいに歪む。
刀傷から染み込んだ神蝕呪刃の呪詛が、機甲天使の肉体を責め苛んでいるのだ。
運命は標的にダメージが入ったことを確認すると、すぐさま後方で攻撃準備を終えたレオネオレに合図を送る。
「効いてきたな。今だ、レオネオレ」
「イヒヒヒ。凍りつけ大天使! フローズン!」
レオネオレの詠唱完了と同時、パラドクスを発動した空間から氷針が発射された。
『アイスニードルガトリング』――魔術による氷がガトリング砲の弾丸めいてストライフを捉え、その肉体を穿つ。
巻き添えを受けた道路が、建物が、見るも無残な蜂の巣に変わっていく中、しかし機甲天使はなおも落ちず。対峙する復讐者との死闘を楽しむように、暴風のごとき反撃を運命とレオネオレめがけ叩きつける。
『はーっはっはっは! なるほど大した力だ。どれ、我もひとつ遊んでやろう!』
運命を翻弄する念動力の嵐。同時、ストライフの機械翼から鋼の羽根が次々と射出されていく。
変幻自在の空中機動でレオネオレを捉え込み、四方八方から襲い来るエネルギー弾の連射。その攻撃を間一髪で回避し続けながら、レオネオレは敵が着実に体力を失いつつあることを見て取った。
(「よし、順調に弱って来たな。あと一押しだ」)
恐らくあの敵は、死ぬまで復讐者との戦いを止めないだろう。
だが、彼の命脈が断ち切られる時は、すぐそこまで訪れているのだ。
(「気づいてるか、大天使サマ。お前はもうチェック・メイトだってな!」)
自分達の勝利は近い。
その瞬間が直に訪れることを確信しながら、二人の復讐者は後続の仲間へ後を託すのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【腐食】LV1が発生!
【使い魔使役】がLV3になった!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【能力値アップ】がLV4になった!
イロハ・アプリルシェルツ
【アドリブ&連携歓迎】
うん、機械化と言うのは減点要素だけど天使のまがい物にしては鍛え抜かれてるね。
先程までのトループス級とは明らかに格の違いを感じられるよ。
しかもどうやら格闘だけではなく擬似的な奇蹟も行使できるみたいだね。
きっと此もまたイロハに大いなる主が与えし試練だね。
其に念動力と言えども此もまた嵐。
身体を半身にして身を低くして耐え、
衝撃を受ける面積を減らして前に進もうか。
大天使の前に辿り着いたら聖句を唱えて
【勇気】を奮い起こし装甲板さえも貫き通す
【ペトロの殉教】を発動させ敵に立ち向かうよ。
いつだって何かを求める巡礼は死と隣り合わせなものだしね。
天使を騙るキミ達にもお祈りの時間は必要かな?
如月・友仁
築地市場……競りの声が飛び交う海鮮の天国だったって聞いたよ
随分歪な場になってしまったようだ
さて、遊んでくれると言ったかな?
嬉しいなあ、楽しくやろうね!
……といっても、君の好みに沿うやり方かは知らないけど
そこでじっとしててね
パラドクスを発動させて、身動きが取れないよう光の檻に閉じ込めるよ
【飛翔】で機動力を確保しながら
射撃は[結界術]で反射、突撃は大鎌を振るって弾いて
機甲天使くんの方向へ打ち返せないか試みる
どう転んでもダメージは与えられるだろう
僕だけ楽しくて申し訳ないね?
食べ物がいっぱいな所は同じ、といってもこれはちょっとね
一刻も早く元の光景を取り戻そう
積商・和沙
もう、私は早く帰って社会科見学の計画を練らなきゃいけないってのに邪魔しないでよね。
楽しませてくれたまえって何様のつもりよ。
遊んでいる暇はないって言ってるでしょ。
念動力の嵐を魔導障壁で防ぎながら【飛翔】で突っ切るわよ。
わざわざ機械の翼なんて生やして壊してくださいって言ってるようなものよ。
超!機械音痴の電撃をお見舞いするわ。
さあ、下見は充分じゃないけど、第2回社会科見学の準備を進めるわよ。
クラウ・ディークラウ
ん、とても良き、スピーディー
(戦いの流れを見て頷きつつ)
ならクラウも、きっちり、合わせていく
決着までは、きっともうすぐ……最後まで、駆け抜けて、いこう
(【飛翔】の速度も増しながら、敵へと突撃)
(敵の武技に対して)
うん、それもとても、スピーディー――でも
速さには、広さ
鋭さには、緩さ
あなたの得手には、クラウも得手をぶつける、よ
(【悲喜雲雲】、雲化した両腕を最低限の盾として挑む『捨て身の一撃』
攻撃受けても、その衝撃を利用して雲を一気に散らしにかかる)
あとは、全力勝負
雲も総動員の、力比べ……負けないから、ね
(広く緩く、全体を雲で包み込めたなら
戦いでの傷へと圧を集中、『粉砕』)
●奪還の誓い
パラドクストレインへの帰途で遭遇した敵勢力との戦闘開始からおよそ数分。
復讐者達の猛攻は疾風にも似た速さをもって、最後の障壁である機甲天使『ストライフ』を追い詰めつつあった。
その戦況を一瞥したクラウ・ディークラウ(遮る灰色・g01961)は、なかば勝利を確信したように、
「ん、とても良き、スピーディー」
そう頷いてみせた。
事実、復讐者達の一糸乱れぬ連携は、ストライフに態勢を立て直す隙をまるで与えない。
だが相手もそのことを察してか一層強固な抵抗を続けている。このまま終わる気はない、そう暗に告げるように。
『はっはは。やはり強敵との戦いは張り合いがある! 我は今、実に楽しいぞ!』
「もう、帰る邪魔しないでよね。遊んでいる暇はないって言ってるでしょ……!」
愉快極まれりといった大天使へ、積商・和沙(四則演算の数秘術師・g02851)は億劫さも隠さずに言ってのける。
一方、新たに加勢した如月・友仁(ユアフレンド・g05963)はというと、
「さて、遊んでくれると言ったかな? 嬉しいなあ、楽しくやろうね!」
と、心底楽しそうな様子。
とはいえ、戦いに臨む姿勢こそ違っても、目指すところは全員が変わらない。すなわち――少しでも迅速に、敵を片付けるということだ。ある者は飛翔で空中から、ある者は地上から、息を合わせ動き出す復讐者達。友仁は真っ先に先陣を切ってストライフへ攻撃を仕掛けていく。
「さあ始めようか。……といっても、君の好みに沿うやり方かは知らないけどね!」
『む? それは一体――おおっ!?』
いまだ余裕の表情で首を傾げるストライフの視線が、ふいに上空へと向いた。
飛翔する友仁よりも遥かに高い上空の白雲、その隙間から降り注ぐ幾条もの光柱が大天使の四方へと降り注ぐ。
標的を閉じ込める光の檻――『月下光芒』のパラドクスが、焼けつくような痛みでストライフを苛み始めた。
「ここにいる君が、こんなにも遠い」
『成程……! 遊び相手には申し分ないな!』
ストライフは笑顔を苦痛で歪め、鋼の羽根を射出。群れを為して迫る自律兵器を、友仁は大鎌の斬撃で迎え撃つ。
避け、防ぎ、弾き……友仁の操る大鎌は斬撃の嵐で羽根と切り結び、一撃たりともストライフに有効打を許さない。
『中々やる。ならば、もう少し本気を出して――』
「あまり余所見はいけないよ、まがい物の天使もどき君?」
更なる攻撃を仕掛けんとしたストライフへ、イロハ・アプリルシェルツ(神聖ならざる銀・g05555)が声を投げた。
クラウ、和沙、友仁の三人が飛翔で攻勢をかける中、敵の意表をつく地上からの攻撃である。
「機械化と言うのは減点要素だけど、ずいぶん鍛え抜かれてるね。流石にクピドほど楽には行かなさそうだ」
『我をまがい物などと、随分と無礼なことを言う。少々、本気で楽しませて貰おうか!』
怒りを帯びた声と共に、念動力の嵐がイロハを襲った。
周囲のコンクリートが、アスファルトが、念動力の嵐に耐え切れず崩壊を始める。突風よりもなお強力な圧力が全身にのしかかる中、しかし少女の足は止まらない。
イロハは考える。これは『大いなる主』が与えし試練――ならば挫けることなど許されないと。
「天使を騙る偽物君。これだけは覚えておくといい……」
そうして、彼我の距離を詰めたイロハは、ストライフの間合いに踏み込むと同時、跳ぶ。
強大なる敵に立ち向かった聖人の様に、己が勇気を奮い起こしながら。鍛錬の果てに得た聖気を槍の如く尖らせて。
「いつだって何かを求める巡礼は――死と隣り合わせなんだ」
『ぬっ……!』
信仰によって強化された聖なる一撃が、ストライフの脇腹を立て続けに穿つ。
鋼の左半身に穿たれた穴は二つ。そこから血の代わりに火花を散らし、しかし大天使は二の矢となる念動力を放つ。
既に致命傷に近いダメージを受けているにもかかわらず、その攻勢はまるで衰えない。
『なるほど……他区の同胞を滅ぼしたという話、まんざら嘘でもないらしい。だが、まだまだ!』
「本当にしつこいわね、遊んでいる暇はないって言ってるでしょ。……さっさと片付けてやるわ、行きましょクラウ」
「ん。最後まで、駆け抜けて、いこう」
イロハに反撃を加えながら、不敵に笑うストライフ。そこへ和沙とクラウが、左右から挟み込むように飛んで行く。
ストライフは尚も余裕を崩さず。己の勝利を微塵も疑わぬ笑顔で、まずは和沙を迎撃する構えだ。
『さあ来い! 増援が来る前に、我が葬り去ってくれよう!』
「ふん、勝つのはこっちよ!」
だが、ストライフは知らない。対峙するこの少女が彼にとってどれほど驚異的な存在であるかを。
ほんの指先でも機械を触れば即座に壊す、超のつく機械音痴。そんな和沙が、もしも両手の十指をもって、ストライフの半身を触ればどうなるか――。
彼は、その瞬間まで知ることはなかった。
「えいっ!」
和沙の両手が、ストライフの機械翼にぺたりと触れる。
同時、彼女が駆使する階乗『!』の魔力によって増幅された過電流が、残らず鋼の肉体へと流れ込んだ。
『はっはっはっは! なんだそれは、攻撃のつもりっ、ぐ、ぐぐぐぐぐぐおおお、おおおおおぉぉぉ!?』
「ちょ、ちょっと、私はただ触っただけなのよ!」
その名を『超!機械音痴(ファクトリアルブレイク)』――人知を超えた機械音痴である和沙の手は、鋼の羽根から更なる放電をもたらし、ストライフの全身を電流で苛んだ。
お返しとばかり叩き返される、念動力の嵐。和沙はそれを全力で防御しながら、ちらとクラウに視線を送る。
「もう一息だわ。強烈なの頼んだわよ!」
「ん、任せて。頑張る、ね」
そうしてクラウは頷きを返して敵へ肉薄する。己が両腕を、『悲喜雲雲』のパラドクスで雲の形へと変えて。
「クラウは、雲。空を隠すもの」
『ここで朽ちる訳にはいかぬ……! 我が絶技、受けるがいい!』
対するストライフもまた、己が窮地を悟ったらしい。
纏わりついて来る雲を振り払わんと、視認すら困難な拳速の鋼鉄拳で振り払いにかかる。だが――クラウにとって、それはまさに想定通りの展開であった。
「うん、それもとても、スピーディー――でも」
硬い物なら即座に粉砕するであろう超絶の武技は、しかしクラウの雲を砕くには至らない。
振り払った雲はすぐに形を変え、ストライフの機械化した腕と翼を包んでいく。大天使の用いる技が剛のパラドクスなら、クラウの雲は柔のそれだ。
「あとは、全力勝負。雲も総動員の、力比べ……負けないから、ね」
そして――悲喜雲雲のパラドクスが、和沙の、友仁の、イロハの与えた傷口を余すことなく圧縮し、粉砕する。
何かが砕ける手応え。同時、ストライフの絶命を示すように機械翼の青い光が消滅した。
二度と目覚めることのない眠りに落ちてゆくのを感じながら、機甲天使ストライフは最後の力を振り絞り、告げる。死闘を制した四人の復讐者へ。
『……見事、だ』
地に斃れ伏す大天使。その撃破を確認した四人は、パラドクストレインが待つ海上へすぐさま走り出した。
勝利の余韻に浸る暇はない。こうしている間にも、敵の増援がいつやって来るか分からないのだ。
水上歩行と浮遊で海を駆け、乗車ドアの中へと滑り込む復讐者達。間を置かず、パラドクストレインが走り出したことで、ようやく復讐者の間からは安堵の息が漏れた。
「皆、お疲れ様! さあ、早速次に備えて準備しないとね!」
和沙は作戦成功の喜びもそこそこに、次回の『社会科見学』――築地奪還の構想を練り始めていた。
かつて東京の食文化を担う地であった築地市場。そこに建てられた宮殿の遠景を窓越しに眺めながら、友仁は誓う。あの場所にあるべき本来の姿を、一刻も早く取り戻さなければと。
「待っているといい。僕達は必ず戻って来るからね」
TOKYOエゼキエル戦争、荒廃と信仰の支配する中央区。
天使達の聖戦は、いまだ終わりそうにない。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
【隔離眼】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【ドレイン】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV3になった!