リプレイ
バースィル・アシュラフ
「その心意気や良し。しかし…意志あれど力無くば、蛮勇にしかならぬ」
王として、我が民の盾にならねばならぬ。
力が足りぬなら、補えば良いのだから。
「他の民が救出するまで、我らが陽動となろう。助けるためにお前達が散って喜ぶ者はおらぬだろう?」
まずは落ち着けと声掛けだな。怒りや焦りは命を縮める事となろう。
信用されるかはわからぬが…そこは敵に知らせぬ時点で敵ではないと納得して欲しいものだ。
何、彼らの動きを正面突破に変えてもらうだけよ。
我が先陣を切ろうぞ。
邪魔する輩や木々は【戦覇横掃】で切り捨てよう。
「咆哮をあげよ!死ぬ気で戦うのではなく、皆で生きるために戦うのだ!!いざ、仲間を助けに征こうぞ!!」
白河・セーラ
レジスタンスを説得し、正面から戦わずに囚われている人たちを救出する事をお願いします
仲間のために命を顧みず戦おうとするその意気や良し
ですがその玉砕に意味はありません
仲間を助ける為の行動ではありません
今ここで我らを斃すほどの力があるなら、私も止めはすまい
しかし私程度も斃せぬならば、クロノヴェーダを突破することは叶いません
口惜しいでしょうね
私もです
叶うならこの手で全てのクロノヴェーダを粉砕してやりたいものです
そう、つまり、役割分担を致しませんか?
私があの忌々しい天使たちを粉砕します
可能ならば仲間を脱出させた後の手はず等をお願いしたいのです
私の戦友が、囚われている人々を開放する為に動いていますからね
奉利・聖
ふむ、これはなんとも切羽詰まった状況です
何とかしなければなりませんね
であれば、僕がするべきことはっと…
安全の確保、及び避難誘導の要請でしょうか
救助活動は…お任せしましょうかね
皆さんお聞きください
お力を貸していただく時が来ました…まもなくこの場は戦場になる
力ある皆さんは、力なき人々の為に動いてください
ゴミの処理はお任せを…最前線は我々の仕事なので
そうだ、ついでですし──『探気功』
そろそろゴミの位置をしっかり確認しておきましょう
そうすればどの方向に逃げればいいか、見当も付けやすいですから
複数人で小隊を組み、受け持ちを分散させてくださいね
皆さんの判断が命を握ります
お忘れなきように!ではいってきます!
「急げ、俺たちがただやられるだけの弱い存在ではないと見せつけてやるんだ!!」
吼え猛る希望、情熱、義侠――20人ほどのレジスタンスの集団の士気は高く、誰にもその勢いは止められないのではないかと思わせるほどの熱量を伴っていた。
だが、それを止めに入った者たちがいる。
「止まれ!!」
「!?」
腕を組み、仁王立つバースィル・アシュラフ(焔陽の獅子王・g02196)の大声にレジスタンス達はびくっと足を止めた。
「誰だ、あんた? 俺たちは急いでんだ」
「お気持ちはわかります。だから、皆さんお聞きください」
道の左右から奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)と白河・セーラ(不退天閃騎・g02612)が現れ、彼らをなだめるように話しかけた。
「仲間のために命を顧みず戦おうとするその意気や良し。ですが、玉砕が決まっている行動を見て見ぬふりするわけにはきません」
「なんだと……!!」
レジスタンス達の顔に怒りが浮かんだ。
「仲間が捕まっているんだ、見捨てろって言うのか!?」
「では、あなた達に仲間を救う力があるというのですか?」
「ぐっ……」
セーラの正確無比なる問いかけという楔が、レジスタンス達の心に深々と突き刺さる。「さあ」とセーラは両手を広げた。
「力があるというのなら、それこそ私達を倒して先へ進めばいい。どうぞ、遠慮はいりません」
「く、くそッ!」
「おい、待て!!」
制止も構わず、鉄パイプを持って飛びかかった男の攻撃をセーラは軽くいなしてしまった。
「つ、強い……!!」
「ふっ」
それを見ていたバースィルが大物感のある余裕の笑みをこぼした。
「己よりも強大な相手にも恐れず向かってゆくその心意気や良し。しかし……意志あれど力無くば、蛮勇にしかならぬ」
バースィルの重みのある言葉はレジスタンス達の燃え盛る熱情を鎮める効果があったようだ。彼には相手の心を自然と開かせるような王気が備わっている。
ふと、聖は耳を澄ませた。
大丈夫、他のディアボロスが対処してくれたのだろう。敵がここへ近づいてくる気配は今のところ感じられなかった。
「じゃあ、どうすればいいんだ?」
悔しさに臍を噛む彼らに、セーラは上品な微笑を浮かべてこう言った。
「そう、つまり、役割分担を致しませんか?」
「役割分担?」
「ええ」
胸元にそっと手を添え、彼らを導くように続ける。
「私があの忌々しい天使たちを粉砕します」
聖も頷き、気安い笑みを浮かべて言った。
「ゴミの処理はお任せを……最前線は我々の仕事なので」
再び、セーラが口を開く。
「あなた方には、脱出する仲間の救援をお願いしたいのです」
「脱出って……まさか!?」
セーラは頷いた。
既に、戦友たちは捕らわれたレジスタンスの救出を進めているはずだった。確信を持って肯定するセーラの姿はレジスタンスたちの心に希望の光を灯した。
救える――生きてまた会うことができる。彼らは振り絞るように「よかった」と呟き、互いの背中や肩を力強く叩き合った。
「さて、ようやく落ち着いて話を聞く気になったようだな?」
バースィルがたずねると、彼らは次々に「ああ」と力強い返事をした。
「では、部隊を分けましょう」
聖がてきぱきと指示をする。
彼の言う通りに、レジスタンス達はいくつかの小隊を組んだ。バースィルと共に陽動を行うもの、その間に脱出してきた仲間たちを連れて避難させるもの。
20人のうち、15人までがディアボロスの説得に応じてくれたようだ。残りの5人は遊軍として乗っ取られたアジトに奇襲をかけるつもりだと言う。正直に言って、特攻と変わらない。だが、これ以上ここで説得を続ける時間もない。
バースィルは自らの旗下についた者たちを見渡し、「ゆくぞ」と告げた。
「我について来い! 邪魔する者は遍く切り捨てよう!!」
「おお!!」
駆け出すバースィルへ聖が叫んだ。
「東を回ってください! ゴミは西側の通りを選んでこちらに向かっています。うまくすり抜けられるはずです」
「心得た!!」
そして、レジスタンスの面々を振り返る。
「皆さんの判断が命を握ります。お忘れなきように!」
「ああ!!」
聖は軽く敬礼をするように手を挙げ、彼らを見送った。それから自分も走り出す。さあ、華麗なるゴミ掃除の始まりだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【凌駕率アップ】LV1が発生!
アリスティア・セラフィール
「ここから先には行かせません」
レジスタンスに向かおうとしているソードメイデンの前に割って入り、仲間がレジスタンスを説得するまで彼らを守るのを最優先に戦います。
魔奏銃『カノン』から美しい旋律を響かせてリングスラッシャーを展開。
「行かせないと言ったはずです」
飛翔で空から戦場を観察して戦況を把握しながら戦い、レジスタンスを狙う敵の動きを看破して優先的に攻撃して倒していきます。
パラドクス通信や声で空から確認した戦況は他のディアボロさんにお伝えして積極的に連携していきますわ。
レジスタンスの安全が確保されたら、仲間が引きつけてくれている敵に空からリングスラッシャーの不意打ちをおみまいして差し上げましょう。
眉立・人鳥
信仰ねェ、まぁこんな状況じゃ無理もねぇわな……
俺も援護に入る。見た顔だしな、仲良く行こうぜ
アリスティアが空から行くなら、天使様達の目を引きつける
不本意だが、またペンギン野郎に頼るとしますかね
契約召喚だ、口から氷雪魔法を吐く巨大なアデリーペンギン型の悪魔を呼び出すぜ
尊大で気に食わねぇやつだが相手は天使だ、仕事はしてくれるだろ
奴らも悪魔相手なら無視は出来ねぇのは経験上解ってる
あくまでも俺は囮だ、防御・回避優先の補助火力で行くぜ。
小雪ちゃんや麗華も控えてくれてる、ペンギン野郎に集中攻撃が来ても
耐えれるはずだ、皆を信じるぜ
もしかち合いそうなレジスタンスが居るなら、友達催眠使って避難をお願いしておくか
趙・麗華
さぁ、レジスタンス救出作戦開始だね
ついでに危ない人形の情報も、しっかり貰っていかないと
救出部隊を説得する時間稼ぎが必要だから、まずは回避に専念だね
それで敵の動作もじっくり記憶出来そうだし、一石二鳥ってやつかな
説得が成功したら、『イグジストハッキング』で主に仲間の支援に回るよ
剣の攻撃が主体みたいだから、そこが狙い目だね
振り回せないように、剣の重量を重く情報修正しちゃおうか
もし救出部隊を狙っていたとしても、逃げてもらう隙を生めそうだし
敵の動きが鈍ったところを仲間に攻撃してもらう流れに持っていきたいね
パラドクス通信が可能なら、仲間に敵の動作を伝えようかな
記憶した情報から次の行動を予測する感じでね
月下部・小雪
モーラットのコダマと一緒に頑張ります。
【パラドクス通信】でディアボロス同士で連絡を取り合いながら、レジスタンスの人達、説得するまでの時間稼ぎです。
ソードメイデンが襲い掛かってきたら飛んでくる剣を念動力で捻じ曲げたり、魔力障壁で防いだりしながら攻撃、です。
コダマにお願いして、ソードメイデンに突撃してもらいます。
ころころとダッシュで転がりながら近づいて、【ワイファイスパーク】でびりびりアタックです。
ヴェルン・エルファウスト
全てを救う為に同時多発的に場が動く…となれば私は王として最も身を危険に晒すのが務め。
敵を足留め、殲滅し味方戦力を守る、それが役目となるだろう。
●戦法
我が名はヴェルン、今は亡き王国の王なり!
精神集中し九斬一閃にて斬り込む。
先手必勝、機先を制すためにも捨て身の一撃にて両断を狙う。
反撃、迎撃には斬撃の嵐にて対応、速さと剣閃を以って敵の攻撃を躱し斬り払い、徹底的な攻めの姿勢で敵軍勢を斬獲する。
●補足
同じ場に仲間がいるならば連携は積極的に行う。
王者は孤独、されど王とは誰よりも絆の力を知る者である。
もう奪わせはしない、貴様らには何一つ奪わせぬ!
ソードメイデンの集団は一糸乱れぬ動きでレジスタンスたちに迫りつつあった。綺麗な隊列を為して、真っ直ぐに通りを進軍する。
「人間の集団を補足。あと数分で遭遇――――――」
鋭い音と共に先頭にいた個体の首をアリスティア・セラフィール(シンフォニックウィザード・g02995)の放ったリングスラッシャーが斬り落とした。
「新たな敵か!?」
「ここから先には行かせません」
魔奏銃を構えたアリスティアは、美しい両翼を広げて敵の行く先をその背に隠してしまった。
「どけ!」
「行かせないと言ったはずです」
アリスティアは優雅に飛び立ち、敵の剣舞を躱しつつ空から戦況を見定める。――いた。遠く、レジスタンスの集団と彼らに接触する仲間たちの姿。
「どうぞ……ッ」
月下部・小雪(デーモンのデジタルサマナー・g00930)が懸命に声を張り上げるのと同時に、ディアボロスたちの手元に小型の通信機が現れた。
「ありがとね」
アリスティアはにっこりと微笑み、それから真剣な顔に戻って告げる。
「レジスタンスと皆が接触しましたわ。現在説得中です」
「おっけぇ」
眉立・人鳥(鳥好き兄ちゃん・g02854)は返事をしてから、通信機を軽く手の中で弄んだ。
「そっちが空から行くなら、俺はペンギン野郎と一緒に地上からいく。不本意だが、お前らの活躍に期待してるぜ……!」
召喚されたのは、巨大なアデリーペンギン型の悪魔だった。嘶くように開いた嘴から吐き出された氷雪の結晶を伴う嵐が周辺の地形ごとソードメイデンの体を凍り付かせた。
「なんだ? こいつもアークデーモンなのか……この見た目で!?」
「ご名答。そら、お喋りしてる暇はないぜ」
「くッ!」
アデリーペンギン型の悪魔はぱたぱたと飛べない翼を動かして敵の目を引き、降り注ぐ剣の雨の囮になる。
「そこだ!」
「――残念、そうはさせないよ」
だが、趙・麗華(戦闘情報収集家・g03265)のイグジストハッキングが効果発動する方が一足早かった。
「な……!?」
放つ剣の重量を増やされ、狙いが狂った刃の隙間を人鳥のペンギンが余裕ですり抜けるのを麗華は笑顔で見送る。
「やったね」
親指を立て、これまでに集めた情報を分析開始。
「ふむふむ。敵の武器はあの切れ味鋭い剣や脚部の刃……か。なら、こうしてあげる」
麗華の周囲にハッキングプログラムの数列が浮かび上がった。同時にソードメイデンが揃って態勢を崩す。まるで、急に体が重くなってしまったみたいに。
「こ、れは……!?」
「ちょっと質量の情報を弄って修正しちゃったんだ。さあ、いまだよ!」
「――承知した」
ヴェルン・エルファウスト(古き王・g04001)が堂々とした歩みで敵の前に身を晒す。
「我が名はヴェルン、今は亡き王国の王なり!」
まるで、その声色にすら敵を威圧する力があるかの如き名乗りであった。麗華の作った隙を逃さず、一瞬にして九つの剣閃が迸る。
鋼の割れる音と共に、数体のソードメイデンが両断されてその場にくずおれた。
「彼奴を倒せ!!」
「できるものなら――」
再び、激しい剣戟の音が鳴り響く。ソードメイデンの翼から切り離された剣の刃はそのことごとくがヴェルンによって斬り払われてしまった。
「やってみるがよい」
「く……」
進めない。
目の鼻の先に獲物がいるというのに、ソードメイデンの集団は会敵した時から一歩もその先に進むことが出来ないでいた。
「どうやら、攻撃を仕掛ける直前に頭上の光輪が点滅するみたいだね」
パラドクス通信を経て、麗華が分析結果の予測を仲間に伝える。
「見ててね。……ほら、光った!」
「止まってください……っ」
小雪は手枷の嵌った両手を前に突き出し、念動力を使って敵の剣を捻じ曲げた。使い物にならなくなったそれは魔法障壁によって弾かれ、戦場外にまで吹き飛んでいった。
「コダマ、お願い」
「もきゅっ」
武器を失った敵の元へモーラットがころころとダッシュで転がってゆく。まるでボールみたいに。そして、集団のただ中へたどり着いた途端……。
「もっきゅぅうううう!!」
――激しく痺れるワイファイスパーク。
「がッ……」
不意打ちの電撃がよほど効いたらしい。棒立ちになって一切の行動を停止するソードメイデンの上空で、アリスティアが皆に告げた。
「レジスタンスの説得がほぼ成功したようです。少なくとも、こちらを迂回してアジトへの移動を開始しました。ソードメイデンの進軍先にはもう、彼らはいません」
もはや、足止めは不要。
アリスティアの構えた銃口から、眩いばかりに輝くリングスラッシャーが鋭く回転しながら解き放たれた。まるで神々しき天啓の如くに。
「うぐあッ」
「不意打ちは効きましたでしょう?」
相手に態勢を立て直す暇を、ヴェルンも人鳥も与えない。
「せーの、でいくか」
人鳥が盾のように飛び出させたペンギンの背後からヴェルンが跳んだ。
「これで終わりだ!!」
目にも止まらぬ斬撃の嵐をお見舞いする。敵も迎撃を試みるが、剣は重く、感電した翼は地に落ちる。躱すことの出来なかった剣閃が最後の個体を両断し、甲高い断末魔の叫びを残してぴくりとも動かなくなった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【飛翔】がLV2になった!
【友達催眠】LV1が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
【命中アップ】LV2が発生!
一ノ瀬・綾音
なるほどね、仲間を装って見張りに紛れ込む、と。
それなら綾音ちゃんにもできそうだね。
友達話術とそれに伴う【友達催眠】を使いながら見張りに接触
あ、ちょうどいいところに。私もそこの見張りさせてもらっていいかな?あのお方からの指示で、レジスタンスの見張りを強化しろって言われたんだ。なんでかって?わかんない、私には。ただあのお方の指示を聞いていればいいと思っているからね私は。
……って感じの演技をして見張りに紛れ込むよ。
そこから友達と話すような感じで怪しまれないよう気をつけつつ見張りの薄くなるタイミングや鍵の場所とかを聞き出して他の仲間に伝える。
可能なら人質にウィンクのひとつでもして安心させておこうかな。
御子柴・運命
ほう……助け出すべき民がこんなにもいるようだな。
なれば、我が翼にて救世主伝説を始めよう――
そのためにまずは牢に囚われし我が民からだな。
【光学迷彩】を使用して敵の配下に紛れ込む。
基本的には綾音嬢が行う【友達催眠】の力で見張りに聞いてもらい、そこから得た情報を他の仲間達に届ける伝令だ。
見つかっても攪乱、計略、捨て身の一撃で突破しつつ脱出するぞ。
情報が仲間に届けさえすればいいのだ。多少ダメージを負っても強引に突破する。
「こんにちはー」
一ノ瀬・綾音(綺羅星の如く・g00868)が手を振ると、出入り口を守っていた見張りが「よお」と笑顔で答えた。
「ちょうどいいところで会えてよかった。私もそこの見張りさせてもらっていいかな? あのお方からの指示で、レジスタンスの見張りを強化しろって言われたんだ」
「マジでか。お前にはちょっとあぶねーんじゃねえか?」
「大丈夫だよ。問題ないない」
――友達催眠の効果は抜群だった。
綾音は最初から彼らと懇意であったかのように振る舞い、そのままアジト内部へ潜入を果たす。
(「待合室、待合室……あそこかな?」)
窓から中が見えた。
怪我をしている人もいる。綾音が片目を閉じて合図を送ると、リーダーらしき女性がはっと息を呑んで頷いた。
「ねえねえ、ずっと見張りをしてるの? 疲れない?」
「ああ、そろそろ交代が来るから平気だよ」
「みんな一斉に代わるの?」
「んー? まあ、飯時は最低限だけ残して食いに行くけどな。俺たちだけじゃなくて、ガーゴイルガンナー様が守ってくれてるからな。ま、救援なんざ来たって返り討ちよ」
「そっか。鍵の場所は?」
「あん、なんでそんなこと気にするんだよ」
じっと、見張りが綾音の顔を覗き込む。
綾音はやれやれと肩を竦めた。
「言ったでしょ、あのお方の指示だって。無くしてないか確認してあげてるんだからね私は」
「そういうことか。ほら、ちゃあんと俺が持ってるよ」
見張りは上着の胸ポケットから摘み上げた鍵をぷらぷらと揺する。綾音は彼の特徴を覚え、タイミングを見計らって持ち場を離れた。
「なるほど。スキンヘッドの男の胸ポケットか……まったく、芸のない場所に隠しているものだな。それはそれとして、了解だ。綾音嬢が入手してくれた大事な情報はこの僕が皆の元へ届けてみせよう」
綾音から情報を得た御子柴・運命(その名は"運命"・g01482)は軽くこめかみに指を触れさせ、脳裏に男の特徴を刻み付けた。
情報はもう一つ。食事の時間は見張りの数が減る。光学迷彩によって運命の姿はほとんど視覚では捉えられない状態にまで存在を希薄化していた。
ばさりと翼が音もなく羽ばたく。
救世主伝説が今まさに幕を開けようとしていた。彼ら――牢に囚われし民らがその最初の目撃者となるだろう。
「なんだ、お前は!? うぐッ……!!」
外の見張りが集まってくる前に鉢合わせた信者を捨て身の一撃で打ち据え、同士討ちと見せかけて攪乱する。
「情報を届けられさえすれば、傷など厭わん」
やがて、仲間の元にたどり着いた運命は手短に情報を伝えた。
「後は任せたぞ」
不敵に微笑み、突入する仲間たちを見送る。
「どうか、よき運命が君たちを導かんことを――」
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【友達催眠】がLV2になった!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
奴崎・娑婆蔵
●WIZ
細工は流々、仕上げを御覧じろ
派手な喧嘩の前にまずは周りを塩梅すると致しやしょうか
あっしの影業は、畜生道の鳥・獣・虫の形を取るのを得手としておりやす
一仕事して貰いやすぜ
・【悲劇感知】を頼みに界隈を隠密裏に探索(忍び足+情報収集)
・見張り捕捉時は、隠れつつ『影業』から適当な虫の形を生み出しちょろっと送り込み視界に入れさせる
・見張りが驚くかしたら、続き『影業』から鼠の形を生み出し後方より接近させ、鍵を掏り取らん
・己が見張りに発見されてしまった際は、殺さぬ程度に【影喰らい】で悪夢を見せ無力化を図る
・鍵の入手成功時は、見張りが場を離れるかした隙を突き檻の中へ目配せと共に鍵を投げ込んでおいてやる
藤原・紡子
強大な力を有する敵と知ってなお仲間を見捨てる事なく立ち向かう姿勢。
なんて勇ましく、そして尊いことかしら。
或いは私の遠い遠い甥に姪。彼らの命が此処で無惨に散るだなんて、
そんな未来は赦せないわね!
敵の根城に自由を奪われ囚われているのなら、きっと消耗も激しい筈。
体力を回復出来る環境を整えなければね。
パラドクスにて霊力の陣を敷き、ハウスキーパーの効果で
囚われた一般人の消耗を抑え、
牢番は必要ならアイテム『絹糸絡』での捕縛にて無力化
同道の仲間との連携も忘れずに。
鍵は牢番が持っている…、というのが相場だけれど、この牢ではどうかしら。
皆様どうかお静かに、助力させて頂くわ。
よくここまで耐えてくれたわね。
時坂・暁
連携アドリブ歓迎
▼心情
地道に人を救うことが最終的な勝利につながるはずだ
焦らずにこなそう
▼行動
そうですね。まずは囚われている人々の救出が急務です。
[光使い]で目くらましをした隙に距離を詰めて無力化を試みましょう。
何とか潜入出来たら私のパラドクスの出番です。
この光は私にとっての悪には浄化の光として働きますが
同時に【活性治癒】の効果を周囲にもたらします。
医術の心得はありませんが、けが人の治療には役立つでしょう。
応急処置を施し、他の復讐者と協力して脱出の準備が整ったら脱出を始めましょう。
ネフェル・マアト
アドリブ・協力大歓迎!
ここが東京…
高い建物がこんなに建っているなんて、エジプトとは大違いね…
異邦の都の民だとしても、見捨てる事は出来ないから… 全力を尽くさないと…
わたしが出来る事はあまり多くは無いけれど… 見張りを無力化して囚われた人達が脱出する際の退路確保くらいかな?
物陰に隠れながら〈観察〉で相手の隙を伺いつつ、チャンスが来たら〈早業〉で近づいて杖で攻撃して気絶させてみるよ…
もし避けられたり耐えた場合は《リピートベイン》でもう一度攻撃かな…
少しは他の仲間達の役に立てていれば良いのだけれど…
石心・リーリャ
あたしは牢番を倒したら、捕まっている人たちを助ける。
使用するパラドクスの活性治癒を使って怪我をしている人がいたら治療するよ。
大角豆・茜
んー、ここがディヴィジョン……改竄された過去の世界、か。
荒事とかに無縁だった私に、何が出来るか分かんないけど……とりあえず、やれるだけの事をやりますか。
レジスタンスの人達を助けるためにも、まずは見張りをどうにかしなきゃ。
『管狐影縛法』で見張りの一人を【傀儡】で操り、他の見張りを殴らせたりして混乱を誘発。仲間達が突入するための隙を作るよ。
出来るなら、鞘に入れたままの「刻継」で殴りつけて無力化。あわよくば閉じ込められてる部屋の鍵が手に入ればいいな。もちろん、相手は一般人だから程々に加減を。
……クロノヴェーダ。話で聞いただけだったけど、目の当たりにすると中々に酷い連中だね。何か、ムカッとしてきた。
故郷とはまるで違う、東京という都市――日差しの熱や空の色の違いさえもネフェル・マアト(聖なる秩序と正義の守護者・g01562)にとってはここが異国であることを思い知らされる。
(「あそこね」)
廃墟と化したビル群の間に、地下鉄駅に通じる入口。
時坂・暁(パラダイス・ロスト・g00297)はネフェルと目線で合図を交わし、同時に動いた。
「うっ!?」
刹那、暁の手元が輝いて見張りをしていた信者の目を眩ませる。すぐさま相手の意識を奪い、身動きできないように体の自由を奪った。
「おい、一体何が――ぐあっ!」
物陰から様子を窺っていたネフェルは、駆け付けた見張りの後頭部を杖で殴って気絶させる。
「ここは私が退路として確保しておくから……」
先へ行って、と促された大角豆・茜(呪刻を継ぎし者・g03477)は「お願いね」と言い残してその先にいた見張り目がけて管狐を差し向けた。
「ん? どうした、お前。うわっ!」
「よせ、やめろっ」
辺り一帯は瞬く間に混乱へと陥った。よもや、仲間が管狐の傀儡にされているとは思いもよらない見張りたちは互いに疑心暗鬼と化して殴り合いを始めてしまう。茜は夢中で取っ組み合いを演じる彼らの背後へそろりと忍び寄り、「えいっ」と鞘に入れたままの呪刀を振り下ろした。
「うごっ!」
どさり、と倒れ込む。
「ふう、何とかなった……えっと、鍵を持ってるのは確か――」
「スキンヘッドの男でやんすね」
奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)は包帯に巻かれた指先を細々と動かして影業を繰る。瞬く間に、鳥、獣、虫が現れた。彼の思うがままに動いてくれる漆黒の影絵たちは自在に地下を走り回って見張りたちを時には驚かせ、時には邪魔にならない方向へと誘った。
「少しずつ、本命に近づいて参りやしたよ……」
時折、援軍と思しき足音が近づいたがそのうちの誰も娑婆蔵に気が付くことなく通り過ぎて行った。悲劇感知によって旋律化された歌声が娑婆蔵の胸を掻きむしるように急き立てる。
「あいつかな?」
茜が物陰からそっと奥をうかがった。
スキンヘッドの男がひとりで待合室の前に座っている。他の者は食事で席を外すという情報は確かに正しかったのだ。
「さ、頼みやすぜ」
そっと、娑婆蔵は鼠の影を走らせる。するりと男の体を駆け上がったそれは胸ポケットから盗み出した鍵を主の元まで送り届けた。
「ん……? おい、鍵がないぞ!?」
一拍遅れて気づいた見張りの体を絡めとったのは藤原・紡子(インセクティアの陰陽師・g03939)の操る帯である。
「うぐっ……!」
苦し気な悲鳴にも怯まず、紡子は容赦なく見張りの体を締め上げた。
「悪いけど、手加減はなしよ」
さらに、ぎゅっと捕縛する。
「こちらにも守りたいもの、そして応援したいものがあるの。その勇ましさも尊さも、あなたには一生分からないでしょうけどね!」
「ぐあ……」
紡子は意識を失った見張りの体を脇へ放り出した。その間に、娑婆蔵がレジスタンスのメンバーに窓越しの目配せを送る。すぐさま鍵が開き、中へ滑り込んだ石心・リーリャ(アンチェインド・サイレンス・g04371)が捕らわれていた人々の拘束を解いていった。
「大丈夫?」
「ええ。ありがとう」
リーダーの女性は精一杯の笑顔を浮かべてはいるものの、やはり疲労は隠せない。
「怪我をしている人はいる?」
「この人の傷が深いの。見てあげてもらえるかしら」
「お任せください」
暁が目を伏せ、祈るように集中する。すると、光の柱のような輝きが部屋中を満たして彼らの傷を瞬く間に癒してしまった。
「あたしにも、見せて」
「は、はい」
折れた足にリーリャが刃をかざすと、こちらも見る間に傷が消えていった。
「おお……!」
絶望しかけていたレジスタンスのメンバーから、それまでとはうって変わった感嘆の声が漏れる。
「すごい。まるで奇跡のようだ。それに、さっきからなぜか居心地がよくなったような……?」
「糸依の陣というの」
紡子が囁くように言った。
「糸依?」
思わず大きな声で聞き返した男に、紡子は「しっ」と人差し指を唇に当ててみせる。
「どうかお静かに。皆さまよくここまで耐えてくれたわね。さあ、これで随分と動きやすくなったはずよ。早く、脱出の準備を!」
それで、一時は諦めかけていたレジスタンスのメンバーも力を取り戻したようだ。抱き合って喜ぶ彼らの姿を見つめていた茜はいつの間にか、きつく唇を噛み締めている。
(「……クロノヴェーダ。クロノヴェーダ。話で聞いただけだったけど、目の当たりにすると中々に酷い連中だね」)
奴らの思い通りにしてなるものか、と怒りが湧き上がる。
にわかに地上が騒がしくなったのは、まさにその時だった。
「きっと、他の皆がレジスタンスの人たちを誘導して来てくれたんだ。ねえ、仲間が迎えに来てくれたよ」
茜は彼らを勇気づけるように手を貸して、最後に待合室を出る。娑婆蔵は行きと同じように周囲の様子を注意深く塩梅してから大丈夫だと請け負った。
「後ろを振り返らず、走ってください!」
暁の言葉に従って、彼らは走り出す。
救援に来たレジスタンスがこちらに気づいて大きく手を振った。
「こっちだ!」
「早く、ガーゴイルガンナーに気が付かれないうちに逃げて」
退路を確保していたネフェルが警告する。
「気付かれそうなの?」
リーリャが聞いた。
「うん」
横合いから飛び出してきた信者をリピートペインによる反撃で即座に殴り返して、ネフェルが頷いた。
「陽動に回ってくれた部隊が気を引いてくれてるから、あと少しは持ちそうだけど……」
と、不意に周囲が大きく揺れる。
「いま、銃声がしやせんでしたか?」
娑婆蔵が耳を澄ませた。
ごくりと喉を鳴らし、暁はレジスタンスの脱出を急がせる。
「近い……! 外に出る時は気を付けてください。できるだけ、物陰に隠れるようにしながらここを離れて――」
さらに銃声が近づいた。
「間に合うかしら? いいえ、間に合わせてみせるわ」
紡子が言い、茜が頷いた。
「じゃないと寝覚めが悪いってレベルじゃないもんね」
「……ふふ」
背後で不気味な笑い声がした。
ディアボロス達が一斉に振り返る先に、角の悪魔が立っている。
「はじめまして、ディアボロスさん。本気で逃げられると思って?」
まるで面白い玩具を見つけた幼子のように無垢な微笑だった。角や尾がしゅるしゅると蠢き、彼女の腕や脚に絡みついている。
「上からはガーゴイルガンナー、下からはこのわたくし……挟み撃ちにされてなお、勝機があるというのなら……ふふ、精々足掻いてごらんなさいな!」
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【悲劇感知】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
【活性治癒】LV2が発生!
【過去視の道案内】LV1が発生!
【傀儡】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!
【ドレイン】LV2が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
石心・リーリャ
(※キャラの口調でプレイングを書いてます)
一般人の信者に紛れ込むために、長めのローブを被って、防塵用のマスクで素顔を隠してくね。
「レジスタンス対策の見張りの増援でーす」って顔してテクってけばアドあるっしょ。
見張りの配置を確認して、それとなくレジスタンスの脱出の妨げになりそうな位置取りはこっちで占有しようとするよ。
基本的に隠密に動くよ。まー、もしレジスタンスの脱出の脅威になりそうなヤツがいたら、ボコして簀巻きにすんのも辞さなめなんだけど。
月下部・小雪
ソードメイデンをやっつけたので、レジスタンスさん達を引き込むために配下に紛れ込み、ます。
最初は【光学迷彩】でこそこそと忍び込んだら、そのまま食堂らしき場所に向かいます。
そしたら、アジトで働いている小間使いのフリをしてご飯の支給をしてますね。
【友達催眠】のおかげで昔からの馴染みみたいに話かけますが、ご飯には睡眠薬とかお腹が痛くなっちゃうお薬を入れておきます。
レジスタンスさん達が来る頃には無効化できてると嬉しい、です。
綾音さんには【パラドクス通信】でアジト内の様子もきちんと伝えておきます。うぅぅ、早く来てくれると嬉しい、です。
「おい、何があったんだ?」
「わからねぇ……レジスタンスの奴らが救援に来たのかと思ったが、それにしちゃあ騒ぎが大きすぎる……!!」
ディアボロスの潜入を受けたアジト内部は混沌に陥っていた。人質は奪われ、地上では戦闘が始まっている。
「どうも、レジスタンス対策の見張りの増援でーす」
丈の長いローブのフードと防塵用のマスクで顔を隠した石心・リーリャ(アンチェインド・サイレンス・g04371)がやってくると、彼らは素性の確認もそこそこに指示を出した。
「遅ぇよ! もうあいつら逃げた後だわ。さっさと追いかけろ!」
「えー、急いで来たんですけどね……」
「休憩中だった奴らにも連絡して、出口を塞げって言っとけ――え? 腹痛? あうッ!」
男が言い終える前に、リーリャは剣の柄で彼の後頭部を軽く殴りつけて倒してしまった。一緒にいたもうひとりの信者も同じように倒して、簀巻きの二丁上がりである。
「ごめんね。ちゃんとここは私が見ておくからさ、そこで寝ててよ」
マスクをずらし、小さく舌を出してリーリャは言った。
「まー、やることは見張りじゃなくてその逆なんだけどね。それじゃ、よい夢を」
「――というわけで、こちらの準備は整いました、よ」
月下部・小雪(デーモンのデジタルサマナー・g00930)は通信機を手にこそっと仲間へ報告を入れた。
「う……うぅ……」
「は、腹が……痛ぇ、動けねえ……!」
床にしゃがみ込み、両手で抱えた通信機に向かって話す小雪の背後には、真っ青な顔で身もだえる信者たちの姿。光学迷彩によって人知れず潜入を果たした小雪は昼食の支給を手伝う最中にちょっとした薬を紛れ込ませたのだった。
「お、お前……ど……して、こんな……? 友達、だろ……昔からの……なんで……」
そんな風に涙ながらに訴えられると、少し良心が疼いてしまう。小雪は「ごめんね」と両手を合わせて、それからもう一度通信機を握り直した。
「綾音さん。聞こえます、か? 休憩中だった見張りは無力化できました。脱出方面で邪魔になりそうなのは、リーリャさんが片付けて、入れ替わってくれて、ます。でも、いつまでお薬が効くかわからないので……うぅぅ、早く来てくれると嬉しい、です」
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【強運の加護】LV1が発生!
【光学迷彩】がLV2になった!
効果2【アヴォイド】LV2が発生!
一ノ瀬・綾音
(真剣モードにつき一人称が「私」に)
残りのレジスタンスのメンバー……近くに来ていて、かつ力の見せつけで応じないなら……私が行くしかない!
【過去視の道案内】を使ってレジスタンス残り5人のもとになるべく早くたどり着けるようにしつつ、【パラドクス通信】で戦闘中メンバーの状況を把握。
5人に合流したら【友達催眠】と友達話術を使う!
みんな、早くこっちに!
あっちでアークデーモンと大天使の戦闘が発生した!
最短ルートは危険だから、迂回して別ルートから行こう!
レジスタンスのみんなは私の仲間が救出して脱出しようとしてる、安心して!
実際はアークデーモンと復讐者の戦闘だけどね、そこはみんなを救うための嘘ってことで!
「了解したよ」
一ノ瀬・綾音(綺羅星の如く・g00868)は通信機に向かってにっこりと頷いた。
「できるだけ早く行くね。後はこの綾音ちゃんに……ううん、私に任せてちょうだい」
通信を切ると同時に、複数人の足音が近づいてくる。過去視の道案内によって現れた影が綾音をここまで連れてきた。
「誰だ?」
レジスタンスのメンバーが怪訝な顔で立ち止まる。
――そう、彼らと合流できそうな場所まで。
「遅いよ! みんな、早くこっちに!」
綾音が友達催眠を使って声をかけると、彼らは一瞬で態度を変えた。
「え? あっ……ああ、どうしたんだ。そっちの方がいいのか?」
「うん。あっちは駄目。アークデーモンと大天使の戦闘が発生した! 最短ルートは危険だから、迂回して別ルートから行こう」
「なんだって!?」
「アジトへ着いてしまえば、私の仲間たちが既に手はずを整えてくれてる。早く行って、脱出しようとしてるレジスタンスの皆を助けなきゃ!」
「ああ!!」
綾音の言葉を信じ、彼らは一緒になってアジトを目指した。――うまくいってよかった。綾音は心の中でほっと息をついた。
(「実際は、アークデーモンと復讐者の戦闘だけどね。物は言いようってことで!」)
さあ、と前だけを見据える。
「いま行くよ! あと少しだけ待ってて!」
成功🔵🔵🔴
効果1【友達催眠】がLV3になった!
効果2【アクティベイト】がLV2になった!
ネリリ・ラヴラン
「いくらクロノヴェーダって言っても、あんまり趣味の悪いやり方は、やめて欲しいものね!」
アジト周辺を警備するガンナーを狙うつもりだけれど、今はまだ近づき過ぎないように、哨戒などに出歩く敵を狙いたいわ。
倒せるのがもちろん一番良いけれど、目的は【使い魔使役】を発動させること。
鳥類など移動に制限がかからず、視界を取りやすい動物を使って、空から警備の分布を調べ上げたいの。
何人いるかも解らないのに飛び込んでも怖いものね!
後から向かう人にそういう情報を持ち返ってあげたいわ。
四葩・ショウ
正直、パラドクストレインの中では
すごく、緊張してた
フェンシングの試合とは違う
手にした硝子のそれ、戦い傷付ける為の武器は
やけに重たくて
でも……
奇襲に動く遊軍の姿
気がついたら、身体が動いてた
注意を惹きつけ、『貫通撃』
能力アップ他、使える残留効果の恩恵を受けて戦う
ねえ
よそ見をしてて、いいの?
……クッ!
痛みはある
(けど、)
(わたしの家族が
今はどこにもいないと知った
あの日の痛みに比べたら……!)
【飛翔】も利用し翻弄して、ヒットアンドアウェイ
敵の動きを『観察』して、見定めて
当てる、Hydrangea
ケガをした人へは、大丈夫?と
手を差しのべようと
行こう
これ以上誰かが
運命に引き裂かれることなんて、ないように
奉利・聖
いけませんねぇ、我が物顔でゴミが大手を振って歩いているなんて
これだから世界が不衛生になってしまうんです
片付けなくてはなりません
世界を汚す害悪は、一つ残らず消さねばなりません
それでは、掃除を遂行します
銃弾の軌道を〈観察〉によって〈看破〉し、身を低くして懐に潜り込みます
爪の攻撃に合わせるように腕を取り、関節に向かって掌底で〈強打〉し〈破壊〉
銃を落としたら奪い取り、腹に〈連射〉し、怯んだら頭を殴って仕留め、銃をまた奪います
続けて銃をもう一体に〈投擲〉
追うように肉薄して、足を踏みつけながら喉を銃で殴る
苦しさと痛みで口を開くはずなので、銃口を突っ込んでヘッドショットです
これでまたゴミが減りましたね
ヴェルン・エルファウスト
敵は全て斃す、余す事なく殲滅する、希望を灯し反抗の狼煙を上げる戦だからこそ徹底的にやるのだ。
もう奪わせない為に、もう力無き民達を傷つけさせぬ為に。
●戦法
包囲し、殲滅する。
王ノ軍勢を召喚、飛翔とエアレイドの力で空を駆けながら軍勢を統率してガーゴイル達を斬獲する。
精神集中からの斬撃にて両断し、敵の迎撃は軍勢の物量と空駆ける三次元の回避で巧みに避け、時に斬り払いながら軍勢の斬撃陣で敵を微塵に斬り裂いてやるのだ。
王に出し惜しみは無い、戦力は常に最大の威力を一度にぶつけてこそ意味があるのだ。
●補足
他の仲間がいるならば私の統率力を用いて軍勢をコントロールし、仲間の援護も行おう。
白河・セーラ
回り込まれたり、横っ面を突かれたりすると面倒なので、敵の位置把握を忘れないようにしましょう
レジスタンスの方たちが居るなら彼らを守りつつ動きます
相手は銃かつ複数ですから、注意してしすぎる事も無いでしょう
とは言っても迅速に事を進めねばなりませんから
つまるところ問答無用で押し通るわけですね
得意です
自分自身が敵を倒すより仲間の援護に注力します
フリーになっている敵を牽制したり、危険がありそうなら注意喚起したり
いずれにせよリングスラッシャーはいくつか常時展開しておき、即応出来るようにしておきます
では往きましょう
前に
藤原・紡子
えぇ、無論足掻かせて頂くわ!
顔を見られてしまった以上、隠れる事ももう不可能。
それなら此処で戦うのみよ!
仲間が残した加護の効果は勿論全て使うわよ。
敵の軌道に高速詠唱、結界術で壁を作り進路を妨害しつつ、
出来る限り多くの対象を巻き込んで殲滅
周囲にレジスタンスの方々が居て、戦いに巻き込まれそうなら
結界術にて守護しつつ可能であれば悲劇感知も駆使してディフェンス
相手が空中に逃げるならアイテム『絹糸絡』にて捕縛し地に落とす、
或いはジャンプ、飛翔で追撃
敵の攻撃に対しては結界術での防御或いは飛翔による回避で対応
周りに味方がいるなら結界術、高速詠唱、捕縛にて結界の高速展開を行い敵を閉じ込め攻撃を補助するなどで連携
バースィル・アシュラフ
「お前達に言う事はただ一つ。我の前に出るな。良いか、攻撃しても良い。その辺の石を投げるでも良い。ただ、前には出るでないぞ」
味方に挟まれては、どちらかを捨てなければいけなかろう?
その代わりといってはなんだが、背中は頼んだぞ。
「鬨の声を上げよ!進軍だ!」
敵の動きを観察。
急降下で誰を狙うか、襲うか。
背後のレジスタンスを狙っているならば、敵との間に身を滑り込ませ、武器で攻撃の受流しを狙おう。
万が一受流せなくとも、彼らへの直撃だけは許さぬ。
我が民を傷つける事は、決して。
「近づくならば好機よ!足掻いても逃がさぬぞ!」
【スコルピオンスティング】で反撃する。
攻撃の後は無防備になりやすい。見逃す我ではないわ。
ディアボロス襲撃。
慌てて迎撃に出たガーゴイルガンナーの集団を標的として、藤原・紡子(インセクティアの陰陽師・g03939)は一気に詠唱を紡ぎ上げる。
「いかせないわ!」
あらゆる残留効果を根こそぎ乗せた、超高速での結界生成……! 完全に不意を突かれた相手は正面から突っ込み、強靭な糸に次々と斬り裂かれていった。
「読み通り……! そこを通ると思ったのよ」
「ちっ、応援を呼べ!」
「駄目だ、応答がない」
「なんだと!?」
アジトから離れた路上に哨戒中だったガーゴイルガンナーが倒れている。傍にたたずむネリリ・ラヴラン(クソザコちゃーむ・g04086)が涼しい顔で吹雪の残滓をその身に纏っていた。
「ぐ……」
「いくらクロノヴェーダって言っても、あんまり趣味の悪いやり方は、やめて欲しいものね!」
駄目押しの氷雪地獄を再び食らわせ、まだ意識があった相手から今度こそ全ての戦意を喪失させる。
「ふう。なんとかなったわね」
髪をかき上げるネリリの頭上でカラスが旋回する。ネリリが閉じた瞼裏に彼らの見た光景が見えた。集団の数は4つ。半分は元からアジトの防衛に回っており、既にディアボロスと交戦中だ。残りのひとつは哨戒中で、ネリリが倒したのはそのうちの一体である。
「で、最後のひとつが……」
「……貴様らだな。ここは絶対に通さぬ!」
他の部隊と合流しようとしていたガーゴイルガンナーの集団を前にして、バースィル・アシュラフ(焔陽の獅子王・g02196)は啖呵を切った。
バースィルは共に戦うレジスタンスたちにこう言った。
「お前達に言う事はただ一つ。我の前に出るな。良いか、攻撃しても良い。その辺の石を投げるでも良い。ただ、前には出るでないぞ」
「ああ、わかった!!」
「よい返事だ。その代わりに我の背中を預ける。さあ、鬨の声を上げよ! 進軍だ!」
戦いの火蓋が切って落とされた。
(「敵の狙いは――」)
バースィルの眼差しがすっと鋭さを増した。
「我か!」
一般人など目にも入らぬといった風情で真っ直ぐに突貫する敵との間に武器を割り込ませ、バースィルは相手の体を力尽くで地に斬り伏せた。
「ぐッ……、全員でかかれ!!」
「全員?」
ヴェルン・エルファウスト(古き王・g04001)の周囲にさきほどまではいなかったはずの軍勢が集う。
「な……こ、こいつらは……?」
「それで全員か? 私の軍勢に対して、その程度で全力か。よかろう。殲滅してやる。全て、だ。余す事なく塵へと帰してやるぞ!」
「ひッ――」
ガーゴイルガンナーの胸を、先陣きって躍りかかった黒衣の美女が貫いた。ヴェルン自身は颯爽と空を駆け、ひとつ、またひとつと両断された敵の亡骸を積み重ねて行く。
「流れ弾にお気をつけください」
白河・セーラ(不退天閃騎・g02612)はレジスタンス達をガーゴイルガンナーの射線から庇うように白い翼を翻して戦線に身を躍らせた。
「こう見えても、問答無用で押し通るのは得意なのですよ」
セーラがあらかじめ設置しておいたリングスラッシャーが罠のように発動して、飛翔突撃しかけていたガーゴイルガンナーの集団を地に落とす。
「ゆけ!!」
ヴェルンの命を受けた軍勢が圧倒的な物量で捻り潰した。
「お前が司令官か!!」
「ふッ――」
急降下する敵を立体的な動きで躱し、背後から神速にて斬り払う。態勢を崩して墜落するのを地上のバースィルが待ち構えていた。
「い、いかん……!!」
だが、態勢を立て直す暇など与えてやらない。
「足掻いても逃がさぬと言ったはずであろう?」
バースィルの操る鞭が激しくしなり、痛めつけた傷口から蝕む毒があっという間にガーゴイルガンナーの動きを止めた。
「あ……」
血気盛んな軍勢の足音が眼前に迫る。
――ブラックアウト。
他の部隊からの連絡が途絶えたことで、残るガーゴイルガンナーの集団には焦りが生まれた。偵察中の部隊とも合流し、援護に向かう彼らの前にデッキブラシを担いだ奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)が開口一番、見得を切る。
「いけませんねぇ、我が物顔でゴミが大手を振って歩いているなんて」
「誰がゴミだ!?」
一斉にばら撒かれた弾幕が聖の瞳に映り込んだ。――見切る。身を屈め、速度を増して走り抜ける。
「なッ……」
「ご自慢の爪も、こうなっては使い道がありませんね」
相手の動きを当て身のように受け止め、関節を狙った掌低で骨を砕いた。
「貴様ッ――」
「よそ見をしてて、いいの?」
「え?」
四葩・ショウ(Leaden heart・g00878)は敵の注意を自分に引き付け、無造作に振り返る敵の胸元へとレイピアを突き刺した。
「ぐあッ!!」
「――ッ」
抜き払った刃の先から滴り落ちる血。
(「フェンシングの試合とは違うんだ。これは、本当の――戦い」)
鼓動が早まる。
パラドクストレインに乗った時から張り詰めていた緊張がいま、頂点に達した。気付けば、ショウは鋭い突きを繰り出して最初の敵を仕留めている。体の方が、戦い方をよく知っていた。
「こっちを見なさい。よそ見をしている暇なんて、あげない」
乱戦が始まった。
数ではこちらが不利だが、その差を仲間たちと共に重ねた残留効果の恩恵が追い上げる。
「公衆衛生を保つことが僕の仕事でしてね。不衛生なもの、世界を汚す害悪には消えてもらいます」
カラン、と音を立てて落ちた銃を足で蹴って拾い上げる。銃口を腹に突きつけ、引き金を引いた。
「!!」
ヒュッ――回し蹴りが敵の側頭部を砕いて絶命。
「こいつら、やるぞ! 複数でかかれ!!」
「……クッ!」
急降下での体当たりをもろにくらったショウの足元が揺らいだ。痛みはある。けれどこんなもの、家族を失った時の痛みに比べればたいしたことなんてない。
「やっちまえ!!」
「できるものなら、やってごらんなさい……!!」
敵の動きをじっと観察していたショウにはわかっていた。他の部隊を倒し終えた仲間たちが、いまここに殺到しようとしていることを。
「――覚悟なさい!」
戦場に割り込んだ紡子の放つ糸が空中へと飛翔しかけた敵の体に絡みつき、再び地へと引きずり落とす。
「ぐあッ」
「誰も傷つけさせたりはしないわ。どこまでだって、足掻かせて頂くわよ!」
「こいつッ!!」
襲いかかる呪詛の弾丸は一瞬にして張りめぐらされた結界によって無効化される。紡子はそのまま敵全体を包み込むように結界を押し広げた。
「私の操る糸の切れ味はどう?」
「く――」
ガーゴイルガンナーは滅茶苦茶に弾丸を撃ちまくるが、そのほとんどが結界に阻まれて効果を失った。
「! 弾切れ――」
「そこだ!!」
素早くバースィルが鞭を放ち、無防備になった瞬間を狙って敵を仕留める。
「貴様らは前座に過ぎん! 身の程をわきまえよ!」
「往きましょう、前に」
セーラは動かなくなった敵の体を踏み越え、先を目指す。この事件の黒幕の元へ。そして未来を変えるために。
「残りはあの部隊のみですね?」
「うん」
ネリリが頷いた。
「撃て!!」
牽制になればと、セーラは敵が呪弾を撃ち出すタイミングでリングスラッシャーを解き放った。
「うッ……」
敵の手元が狂った瞬間を聖は見逃さない。銃身を掴んで奪い取った銃を投擲した刹那、ひとっ跳びで距離を詰め、キャッチした銃で喉元を殴りつける。
「ぐは――」
足を踏まれていたせいで動けない相手の腔内へ銃口を突っ込むと同時に弾丸を撃ち放った。飛び散る脳漿も厭わず、空中より回転しつつ降り立ったヴェルンが愛刀を一閃。
「当てる」
懐へ潜り込んだショウがレイピアを閃かせた。
「おおッ……!!」
見守っていたレジスタンス達の間から歓声が湧き起こる。無垢なる切っ先によって串刺しにされたガーゴイルガンナーの体がゆっくりと倒れ、血の海に沈んでいったのだ。
「怪我はない?」
「は、はい」
「では、行くよ」
これ以上の犠牲なんて、絶対に許さない。
「運命に引き裂かれる人の哀しみなんて、二度と見たくないんだ」
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
【強運の加護】がLV2になった!
【エアライド】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
【ハウスキーパー】がLV2になった!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【アヴォイド】がLV3になった!
【命中アップ】がLV3になった!
【ガードアップ】がLV3になった!
【ロストエナジー】がLV2になった!
時坂・暁
「えぇ、はじめまして名もなき悪魔さん。いえいえ、逃げられるなんてとんでもない」
平静を装いつつ【パラドクス通信】を利用して状況を把握
ガンナーは…あの人数であればまもなく落とせる(あるいは既に落ちたか)
ならば…
「だって、あなたを倒せば堂々と帰れますからね。逃げる必要なんてないでしょう?」
ネメシスモードにより白黒六枚の翼を持った堕天使の形をとる
語るべき言葉はもうない
全力を以てこの悪魔に立ち向かうまでだ
[光使い]からの【光学迷彩】で目眩まし
【飛翔】で相手の死角に回り込みパラドクスによる攻撃を繰り出す
もちろん皆さんが残してくれた残留効果2はフル活用
角の動きに警戒、逆に死角を取らせないように気をつけますね
一ノ瀬・綾音
【パラドクス通信】でガンナーたちが全滅したのを確認したら連れているレジスタンス達に呼びかける。
アークデーモンは頭を残し壊滅、その頭も第三勢力(復讐者)に足止めされている。大天使は撤退したみたい。つまり今なら最短ルートからの脱出経路が開いている!
……と辻褄合わせしつつ【士気高揚】しながら【過去視の道案内】でアジトに向かう!
合流したらレジスタンスたちのことは向こうに任せて本題の角の悪魔!
綾音ちゃんの友達に手を出そうとしたこと、到底許せない!
【飛翔】で相手の空を飛べるというアドを潰しながら隙を見て雷魔法で攻撃!
鋭敏な感覚の角なら避雷針になった時痛いでしょ、痺れて動けなくなっちゃえ!
奉利・聖
さて、最後の掃除を始めるとしましょう
命乞いは無意味ですよ?当然お分かりでしょうがね
僕はゴミを決して見逃しません
即ち世界の汚れは一切許さないということです
毒の注入には角の攻撃が必要です
軌道を<観察>で<看破>し、<早業>でさっと回避
回避しつつ──『幻気功』
惑わしの気を放っておきましょう…この距離なら避けようもない
それでは、幻の世界へ
【トラップ生成】で罠を配置、幻は復讐者がそこに居るようにし、トラップにかけてあげます
そして僕は【光学迷彩】を使用して隠れ、背後へ
トラップと幻に悪戦苦闘してる間に、その首を手折って<暗殺>です
ゴミの思い通りになる世界なんて、現実にも…幻にも存在しないというわけです
月下部・小雪
念動力で瓦礫をぶつけたり、【光学迷彩】も最大限に使って追いかけてくる角の悪魔から逃げ回ります。
あぅぅ、ボ、ボクみたいな子供を無残に殺した方が恐怖心を植え付けれるとか思ってるのかもしれません。
で、でも、ボクだってディアボロスです。こ、こわいけど頑張ります。
レジスタンスの援護やガーゴイルガンナーの迎撃に向かった仲間のディアボロスが来るまで逃げ回りながら、じ、時間を稼いでます。
追い詰められそうになったら、【サドンモーラット】で命じたコダマが瓦礫の隙間から飛び出してきて邪魔してやります。
大角豆・茜
何となく、分かってきたかも。私が、皆がディアボロスとして戦う理由、その原動力……赦せないって、気持ち。
仲間達のおかげで上はがら空きとはいえ、単純な実力差からして一撃喰らうのは多分避けられないし、逃げるとか、うん、どう考えても無理。だったら、それ前提で反撃に転じるまで。
敵の角で刺されたらめっちゃ痛いだろうけど、耐えてそのままの状態を維持して相手が逃げられない様に。隙を見て、使える腕で「刻継」を引き抜いて角にぶっ刺し、『神蝕呪刃』を発動。角を通して敵の体内に呪詛を直接流し込む。これなら、ある程度は有効打になるでしょ。
どう?あなたの真似をしてみたんだけど。少しは酷い目にあう側の気持ち、分かったかな?
眉立・人鳥
いい趣味してんな、悪魔ってやつはどいつもこいつも気に食わねェ
使える効果は全部使うぜ。
さて、迷彩活用が多いみたいだし、目を引いておいた方が都合が良さそうだな。パラドクス通信は常に繋いでおくぜ。
悪魔に魂を売った男の姿、見せてやるよ……ネメシスだ
小雪ちゃんの念動力も綾音ちゃんの雷魔法もある、幻が効くようなら尚更寄れる。
突撃してくるなら構わねェ、軌道を看破するか、通信で仲間に頼って捉える!
悪魔は悪魔どうしガチで行こうぜ……グラトニー・ディザイアで深く抉り、喰らいついて逃がすつもりはねェ、仲間の火力が集まるまで活性治癒も幸運も使った我慢比べだ。好きだろ?そういうの
ついでにお前の力、俺の復讐の糧に寄越せよ
藤原・紡子
配下は全て片付いたようね、本当に良い仲間に恵まれたものだわ。
残る戦力は貴女だけ、けれど決して侮りはしないわよ。
何せ私は平安の世で貴女達に一度負けているのだもの。
でも、それでもここで退く気は毛頭ないわ。守らなくては、取り戻さなくてはならないものがあるんだから。
――さぁ、勝機があるというのなら、足掻いて御覧なさいな!
残留効果は全て使用
パラドクスの糸を展開しつつ、高速詠唱、結界術で味方を守る、
或いは観察、看破で敵の動きを予測し捕縛も交え結界で敵の動きを阻害
味方の動きを補助しつつ、トラップや自分の糸のある場所へと誘う
敵の攻撃に対しても観察、看破にて動きを掴み結界術、衝撃波での攻性結界で防御しつつ反撃
石心・リーリャ
(キャラの口調でプレイングを書きます)
・言動
やっと潜入とか偽装とかのダルい小細工なしで行けるってワケ。
ところで、レジスタンスの囚人とか皆逃げちゃったけど、ボスキャラ的にだいじょーぶなのソレ?ジワるわ。
ま、ボスキャラならボスキャラらしく、一般人なんかじゃなく、うちらの相手してもろて。
・戦闘
『角の悪魔』の「ペネトレイトチャージ(POW)」には、パラドクス「揺月(ボイリングダスク)」で対抗するよ。飛翔突撃かましてくるなら、叩き落してやるわ。上手くいけば居合斬りみがあってよさみじゃん?
取り巻きがいたり増援来たら、そいつらからボコるわ。
・連携
あと、他のディアボロスとの連携、ワンチャンあればしとく。
ヴェルン・エルファウスト
磐石の布陣、万全の戦友、もはや我らに負ける要素はない。
しかし王とは最後の瞬間まで決して慢心せず、如何なる敵にも全力を尽くし叩き潰すもの…それが覇王の生き様だ!
●戦法
エアレイド、飛翔、空翔ける敵将ならば私も場の力を利用して天翔けるまで。
精神集中と強固な勇気のみが可能にする紙一重の回避と斬り払いで攻撃を躱しながら捨て身の一撃で飛び込み叩き込むは九斬一閃。
統率力の成せる業で味方と完璧にタイミングを合わせた九つの斬撃にて敵将を微塵に斬り裂き両断してくれよう。
もう何も奪わせない、貴様らは何も奪えない。
我らがいる限り、貴様らはもはや狩られる側なのだ!
四葩・ショウ
【過去視の道案内】も利用して
悪魔と対峙する皆の元へ、急ごう
残留効果は全て使用する
ささいな仕草でも、癖でも
『観察』でわかったことは仲間へ伝える
護るために、ここに来たんだ
狙われている仲間や、レジスタンスを率いる仲間はディフェンス
特に、レジスタンスの人へ向かう攻撃は届かないように
踏み込むと同時にHydrangea
反撃の痛みには呻くけど
貫かれたまま、気丈に微笑んでみせる
ゆるして……なんて、言うと思った?
確かにわたし達の希望は、
ちっぽけかもしれない
でも
貴女はちっぽけなそれすら
奪うことさえ出来ないなんて
……一瞬でも、注意を惹いて
仲間を信じて、攻撃の隙を作れたら
そうだ
わたしは……わたし達は
絶対にあきらめない
白河・セーラ
ならばこれより不退転
敵首魁を粉砕せしめ、人に希望の光を示さん
囚われていたレジスタンスが脱出してきたらこちらで対応しましょう
とにかく被害が出ないようにサポートします
人命優先なら脇目も振らずに逃げて欲しい所ですが
彼らが人としての尊厳を取り戻す為には、そうもいきません
我々の戦いを見てもらわねばなりませんからね
戦いながらレジスタンスの皆さんに語りかけましょう
あなた達は弱く、脆く、しかし意思は失わずに居た
その心が、我々を呼んだのです
見よ
これがディアボロス
あれがディアボロス
即ち、正しき怒りの化身です
そんな感じで彼らに我々へ怒りの願いを託してもらい、皆さんに【託された願い】が届くようにしましょう
アリスティア・セラフィール
「確かにあなた方は強い、それでも私達は負けない」
それぞれの想いは違ってもディアボロスの根底にあるものは一つ、歴史を侵した侵略者クロノヴェーダへの怒り。
「私達の怒り、思い知りなさい」
高速詠唱による不意打ちでパラドクスを発動、敵の死角から攻撃を仕掛ける。
音もなく忍び寄る敵の攻撃に対しては、飛翔で敵の動きを把握しやすい位置取りと敵の動きを観察する事で攻撃のタイミングを看破、合わせて演奏と結界術で音によって近づく者を発見するソナーのような結界を周囲に展開して対抗する。
奴崎・娑婆蔵
●SPD
そちらさん、カタギの衆をジワジワと甚振るのが随分と好みの様子じゃァありやせんか
みっともねえ手際でござんすねえ
さぱっと斬り落とす美ってモンを一丁手解きしてやりやしょう
――八ツ裂きにしてやりまさァ
・敵がパラドクスで扱う角はどこにどう生えているものか、どう伸長しどう展開するものか、【精神集中】し観察/分析(情報収集)
・【キラーズ・エイト】発動
・分身7体を【エアライド】を含んだ歩法で先んじて畳み掛けさせ、体と剣とで敵の角を片端から封殺に掛かる(捨て身の一撃)
・分身7体を殺到させる間、己自身は【モブオーラ+忍び足】で敵へ肉薄
・自身が繰り出す8撃目で、敵の致命箇所へ密やかに妖刀をねじ込まん(暗殺)
青島・寿限無
助太刀が間に合えば、俺も加勢したい。
Albatrosを起動させて【飛翔】しながら
仲間の復讐者達の戦闘の支援を行おう。
【空中戦】での機動力を活かして
敵の執拗な攻撃の的になった者を庇いに行きたい。
基本の攻撃は爆撃槌を用いての【一撃離脱】戦法。
【地形の利用】を念頭に
アジト内のジャンクを盾代わりに。
また、踏切板の代わりにして高く飛び上がり
敵の頭上からの槌の振り落としの威力増強を試みる。
敵が前方からの攻撃に注視しだしたら
全速力で後方、または死角に回り込み
【復讐の刃】を発動し、具現化した『誘導ミサイル』を
全力で【投擲】して胴部分のダメージを狙う。
…内臓を貫かれる側の気分は如何だ。
レジスタンスを舐めるなよ。
趙・麗華
さて、残るは本命のみってところだね
角の悪魔の情報、しっかり持ち帰らせてもらうよ
ボクは引き続き、仲間達の援護だね
今回は『兎武将』を配備して、敵への攻撃にも参加させてもらうよ
戦わせながら敵の攻撃手段を引き出して、得た情報は『兎武将』に追加入力
角の威力は相当なものだろうね、それなら装甲の硬質化で対応するのがいいかな
角を突き立てられた時に、拳を叩き込んで折れないか試してみようか
分析した情報は、当然仲間達に伝えるよ
攻撃速度や突撃の頃合い、この辺りを伝えられるといいかな
もし怪我をしてしまった仲間がいるなら、『兎武将』を防御に向かわせるよ
盾の代わりをしている間に、体勢を立て直してもらえれば
ネリリ・ラヴラン
「敵同士だから、傷つけちゃいけないなんていわないけど、命とか気持ちを弄ぶのはダメなんだから!」
いくら戦争でもさ、どっちが強いって素直に決めちゃうくらいが良いよね。
戦う以上は恨みとかは絶対産まれちゃうんだから、違いも無いのかもだけど、人質取って戦う事すらさせないのは違うって思っちゃうよ。
わたしはお世辞にも自他共に守るのが得意じゃないから、できるだけ早く攻撃を仕掛けたいわ。
【光学迷彩】で狙われないように距離をつめて、【飛翔】や【エアレイド】で一気に射程に納める感じ?
同時以上で仕掛けられれば、高速詠唱には自信あるし気づいた時には氷漬けにしてあげる!
光。
人々がどんな絶望にあっても胸に抱き続ける、希望の象徴。
「それを砕くのが、わたくしの趣味ですのよ」
くすりと笑み、悠然と歩み出る角の悪魔に向かってレジスタンスのひとりが叫んだ。
「残念だが、お前の企みは失敗だ! ディアボロスが来てくれたんだ。彼らの勝ちだ!!」
「そうだ、そうだ!!」
間近でディアボロスの戦いぶりを目の当たりにしたレジスタンスの士気はこれ以上なく高まっていた。だが、角の悪魔は唇を舌で舐め……――瞬間、鞭のように頭部の角を迸らせる。
「馬鹿ね! 希望を打ち砕くのが趣味だと言ったでしょう? その歓喜、今すぐ絶望に変えてあげますわ!」
刹那、戦場を眩い光が迸った。
「な――?」
「はじめまして名もなき悪魔さん」
ばさりと、羽ばたきの音を奏でた時坂・暁(パラダイス・ロスト・g00297)が堕天使としての姿を晒して悪魔の背後に回り込んだ。
「逃げるつもりなど、さらさらありませんよ。だって、あなたを倒せば堂々と帰れますからね」
「そうそう。最期まで付き合ってやるさ。ただし、終わんのはお前の方だぜ?」
はっとして振り返ろうとした悪魔の眼前に身を晒す眉立・人鳥(鳥好き兄ちゃん・g02854)もまた、異形の姿と化している。
「まさか、その姿は……!」
暁と人鳥は同時に笑った。
「そう、ネメシスだ。悪魔は悪魔どうし、ガチで行こうぜ……!」
鼓膜が張り裂けんばかりの甲高い炸裂音がして、周囲が白光に染め上げられた。暁の身に宿る熾天使の光を完全開放した、超新星の輝きであった。
「う、くッ――」
「そらよ」
人鳥の左腕に宿る怪物が巨大な口を開き、角の悪魔の腕に喰らいつく。
「離しなさい!!」
「やなこった」
角の悪魔の顔色が変わったのは、まさにその時だった。
「みんなの残した残留効果、活用させてもらうよ!」
「えっ、えぇい!」
ネリリ・ラヴラン(クソザコちゃーむ・g04086)と月下部・小雪(デーモンのデジタルサマナー・g00930)が一緒に動き、投擲された煉瓦を巻き込んで吹き荒れる氷の嵐が角の悪魔に襲いかかったのである。
「避ける暇なんか与えない。高速詠唱には自信があるんだから!」
「あ……あぁッ!!」
人鳥のグラトニー・ディザイアに喰らいつかれた状態では、さすがの悪魔とて躱しきることは難しい。
「コダマ!」
「ぐうッ」
追い打ちをかけるように、背後の隙間から飛び出したモーラットが体当たりで悪魔の気を削いだ。続けざまの攻撃を躱しきることのなかった彼女は凍てついた左腕を庇い、不敵に笑う。
「なかなかやるじゃない。それにしても、上が静かね。ガーゴイルは何をしているのかしら……」
「彼らは既に落ちたようですよ」
通信機を耳に当て、暁がにっこりと微笑んだ。
「当てが外れて残念ですね?」
「訂正するわ。あなたたち、結構やるわね。でも――!!」
角の悪魔たる所以の、頭部より触覚のように生えた彼女の角が見る間に伸びる。同時に空中へと逃れようとしたところを読んでいたかのように、同じく天翔けるヴェルン・エルファウスト(古き王・g04001)と青島・寿限無(Gatekeeper・g01828)が迎え撃った。
ヴェルンの鋭い眼差しが毒を孕んだ角のしなりを捉え、裂帛の気合とともに斬り払う。妥協を許さぬ精神集中と覇王としての自負が成す、闘神の如き戦いぶりであった。
「磐石の布陣、万全の戦友、もはや我らに負ける要素はない!」
もう、何も奪わせまいとするヴェルンの殺気は悪魔すらも怯ませる。
「ちっ――」
その時、機械的な羽ばたきの音が響いた。それは寿限無が背に負いし復讐の翼。ちょうどいいものが足場にあった。壊れた看板を踏切版の代わりに蹴って、高く、敵よりも高く――。
「……がッ!!」
一閃したハンマーが爆発と共に敵を吹っ飛ばした。
「助太刀するよ」
「さらに戦友が増えたか!」
軽く手を挙げて挨拶する寿限無に、ヴェルンが破顔一笑。
「こっちにもまだいるよ!」
その時、合流したのは一ノ瀬・綾音(綺羅星の如く・g00868)と彼女についてきたレジスタンスのメンバーだ。
「あぅぅ、待ってましたよ。ま、間に合ってよかったです」
両手にモーラットを抱え、一生懸命に逃げ回って時間を稼いでいた小雪は安心したように相好を崩した。
「こ、こわかったけど、頑張ったかいがありました」
「こっちこそ、ありがとね!」
綾音はウインクで小雪に答えた。
「ねっ、言ったでしょ? 最短ルートからの脱出経路が開いているって! さあ、皆は早く仲間を助けて外へ逃げて!」
「お待ちなさいっ!」
悪魔の角が鞭のように伸び、レジスタンスに狙いを定める。
「お前の相手は、綾音ちゃんだ!」
「っ!?」
綾音は颯爽と飛翔した。
「友達に手を出そうとしたこと、到底許せない!」
「どきなさいっ」
「こっちも飛べば互角でしょ、痺れて動かなくなっちゃえ!」
「きゃああッ!!」
稲妻が迸り、悪魔の角を目がけて落雷。
「す、すごい……」
呆然と立ちすくんでしまったレジスタンスの面々を四葩・ショウ(Leaden heart・g00878)は背後に庇い、「さあ」と促した。
「あなた達のなすべきことをして」
「は、はい!」
「早く、私たちの後ろへ」
白河・セーラ(不退天閃騎・g02612)は光輝く槍を手に彼らの脱出を助ける。しつこく襲い来る角を槍で薙ぎ払い、戦場を離れるための時間を稼いだ。
「すみません、俺たちに力がないせいで……」
「けれど、あなた達には意思がある」
セーラの言葉にレジスタンス達がはっと顔を上げる。
「我々はその心に呼ばれました。ご覧ください、我々の戦いぶりを……!」
激戦だった。
仲間を庇い、角で抉られた肩から注ぎ込まれる毒に呻くショウの、それでも決して微笑みを絶やさない気丈さ。すかさず召喚した兎人間型の機械武将を応援に向かわせて追撃を阻む趙・麗華(戦闘情報収集家・g03265)の機転に満ちた対応力と、間に割り込んで態勢を立て直す時間を稼いだ寿限無の鮮やかなる機動力。
「邪魔よ!!」
苛立つ悪魔にショウが言った。
「どうしたの? わたし達のちっぽけな希望すら奪うことができない、哀れな悪魔さん」
「な――」
「ゆるして……なんて、言うと思った?」
ぐっ、とショウは自らを貫く角を握り締める。
「わたしは……わたし達は、絶対に諦めない……!」
奥歯を噛み締め、力いっぱいそれを引き抜いた。血が飛び散る。まさしく、怒りの化身――ディアボロスたる所以の姿。
「お、おお……!!」
湧き立つレジスタンスの希望に満ちた笑顔をセーラは確かに受け取った。託された願いはディアボロスの力となってクロノヴェーダの企みを凌駕する。
いまや、潰えかけていた希望の光は再び灯火を得た。
力が湧き上がるのを麗華は感じる。これまでの戦闘でかなりの情報が集まった。兎武将を通した分析結果を即座にフィードバック。
「ふふっ……あははっ!!」
角の悪魔が腹を抱え、堪えきれないといった様子で笑い声をあげた。
「いいわ、最高ですわよ。あなたがた、わたくしを楽しませてくれるじゃないの。よろしくてよ。そこまで言うのなら、全力でお相手して差し上げますわ!!」
「――来るよ。あの角、360°全方位が射程範囲みたい。速度も侮れないから気を付けて」
「なるほどねェ」
通信を受けた人鳥が頷いた。
「だが、来るのがわかってりゃあどうにでもなる」
真っ直ぐに伸びる角が脇腹を、腿を貫くのを大角豆・茜(呪刻を継ぎし者・g03477)は覚悟を決めて受け入れる。
「く……」
痛い。
でも、耐えられないほどじゃない。
(「私、何となくだけど分かってきた気がする」)
激痛のはずなのに、なんだか胸が熱くて力が湧いてくる。それはきっと、皆がディアボロスとして戦う理由。その原動力……、そうだ。
「え?」
「……なたの真似をしてみようかなって言ったの、聞こえなかった?」
ざんっ、と茜は思いっきり呪刀を角に突き刺した。見る間に刃から放たれた呪詛が角を浸食する。
「呪いッ……」
とっさに、角を切り離して逃げた。
「あら、逃げるの? 少しは酷い目にあう側の気持ち、分かったんじゃない?」
でもね、と茜は微かに囁く。
「そっちに逃げても、たぶん無駄だよ」
さらに上空ではアリスティア・セラフィール(シンフォニックウィザード・g02995)が観察の目を光らせていた。周辺で薄っすらと発光するヴェールのような結界がソナー代わりに鳴り響いて敵の接近を告げる。
「なんですって?」
アリスティアの思惑通り、罠に引っかかった角の悪魔は驚愕に目を見開いていた。
「確かにあなた方は強い、それでも私達は負けない」
アリスティアは狼狽える敵を背後から見下ろし、魔奏銃を胸元に構えて歌声を張りあげた。天上の美しき旋律が時の女神の伝説を紡ぎ出す。
「――ぐ、はッ」
次々と突き刺さる十二本の魔剣。瞬く間だった。高速詠唱。敵が気づき、振り返った時にはもう遅い。やれやれと奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)は呪装帯を解いて宙にくゆらせた。
「カタギの衆をジワジワと甚振るのがお好みのはずが、その様とは皮肉なもんでさァ」
じっ、と凝らすように観察し続ける。
仲間たちが戦っている間中、ずっと娑婆蔵は見てきたのだ。だからもう、手に取るようにわかる。
「あれがああなって、こうなって……うん、わかっちまえばなんてことはありやせんね。――八ツ裂きにしてやりまさァ」
「は――」
射出された呪装帯が7つに分かれ、実態を持つ分身がどん、と四方八方から襲いかかった。自らが傷つけられるのも構わず、角という角を抑え込んで封殺する。
「こ、んなもの……ッ!!」
それでも、意地で振りほどいた。
「私達の怒り、思い知りなさい」
「え?」
「あっしもおりやすぜ」
なぜ、アリスティアと娑婆蔵がここにいるのか。
角の悪魔は対応できなかった。
最後の魔剣が、妖刀が、急所を的確に貫いたから。
「ば、かな――……」
墜落する。
だが、激しく床に叩き付けられる直前、悪魔は態勢を立て直す。落下地点にいた石心・リーリャ(アンチェインド・サイレンス・g04371)を狙い、角が鞭のようにしなった。
「小細工は、もうなし」
すうっと吸い込んだ息を止め、限界までため込んだ殺気を放つ。
「がッ――」
無防備にくらってしまった角の悪魔が今度こそ床に叩き付けられ、ぶざまに転がった。心底から呆れたようにリーリャが口を開く。
「もう、皆逃げちゃった後よ。お生憎サマね」
「く……」
するすると伸びてきた藤原・紡子(亡蚕の夢・g03939)の糸が悪魔の角や四肢に絡みつき、自由を奪った。
「残るは貴女だけ、覚悟のほどはよろしくて?」
数多の残留効果の恩恵を受け、紡子の操る糸は生きて踊るように戦場を迸る。侮ることなく敵を見据え、その動きを見張る。
どれだけ追い詰めたように見えようと、かつては一度負けた相手……実際、角の悪魔はまだ戦意を喪失してはいなかった。
「ふうん。ボスキャラのプライドってやつ? そのわりには、随分とやられちゃってるみたいだけど。最初っからさ、一般人なんかじゃなくてうちらとやりあっとけば良かったのにさ」
腕を組んで立ちはだかるリーリャの、身体の内より陽炎のように立ち上る殺気が小柄な彼女を実際よりも大きく見せた。
「ディアボロス風情が……あたくしをこんな目に遭わせようだなんて、片腹痛い……!!」
その時、奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)の失笑が悪魔の耳に届いた。
「おっと、すみません。ゴミ風情が一丁前に悔しがっていたのでつい」
聖と紡子は肩を並べ、それぞれの武器を構える。
「命乞いは無意味ですよ? 当然お分かりでしょうがね」
「――さぁ、勝機があるというのなら、足掻いて御覧なさいな!」
紡子の啖呵をきっかけとして、最後の攻防が幕を開けた。聖はじっくりと角の動きを見極め、激突する直前に身を躱す。もちろん、ただ避けるばかりではなく仕込みは上々だ。
「なに?」
くらりとめまいを感じた悪魔は、手で顔を覆う。
「しばらく、幻とやりあっていてください」
聖は片目を閉じ、そっと光学迷彩によって気配を消した。
「待て――」
「おっと、こいつがまだ餓えてるんだってよ。お前の力、復讐の糧に寄越してくんな」
割り込んだのは人鳥である。
にやりと人の悪い笑みを浮かべ、我慢比べだとばかりにグラトニー・ディザイアをけしかける。滅茶苦茶に暴れられたせいで牙が何本が折れるが、すぐに再生して齧りつく。隠密行動している仲間から注意を逸らすように、人鳥はさらに敵の近くへとにじり寄った。
「どきなさい……!」
「そっちばっかり気にしてていいの?」
ネリリは遠慮なく、吹雪を巻き起こして戦場ごと氷漬けにしてしまう。
「敵同士だから、傷つけちゃいけないなんていわないけど、命とか気持ちを弄ぶのはダメなんだから!」
「綺麗ごとを!」
「違うもん!」
ネリリは叫んだ。
「いくら戦争でもさ、やっていいこととだめなことがあるんだよ。人質取って戦う事すらさせないのは、絶対に違う」
「私はネリリさんに同意しますね。卑怯な手を使うことは、己の力に対する自信の無さを印象づけると知ったほうがいい」
先の読みづらい角の動きも、暁は空を自在に飛び回って逆に翻弄するほどだ。死角をとろうとしたそれを逆に見抜き、光の柱で本体ごと飲み込んでしまう。
「戯言を!」
「ああもう、わからずや!」
ネリリは再び高速詠唱を再開し、凍てつく氷雪で角の動きを鈍らせる。
「戦う以上は恨みとかは絶対産まれちゃうんだから、どっちが強いって素直に決めちゃうくらいが良いよね」
「純粋な力比べ、か。ならば腕が鳴る」
氷嵐の中を難なく翔り飛ぶヴェルンの手元で剣が閃いた。多少の怪我など厭わず、捨て身で放つ九斬一閃。
「もらいました!」
同時に、紡子の衝撃波が防御に動いた角の群れを弾き飛ばして援護した。
「負けるものですか……!!」
ここで押し負ければ終わりとばかりに、悪魔もありったけの角を生やして抵抗を試みる。恐るべき量の角を紡子の結界とヴェルンの剣閃が打ち砕いていった。真正面からせめぎ合い、時には押し、時には押され返す。寿限無も手当たり次第にジャンクを盾代わりに投げ付けた。
「さすが、あの角の威力は相当だね。でも、それなら装甲の硬質化で対応すればいい」
麗華は襲いかかる角に向かって拳を突き出した。強化された装甲が角の先端を受け止め、そのまま乱暴に折り取ってしまう。
「よし、計算通り!」
「よくも――」
その時。
ぴくり、と悪魔の動きが止まった。細い首に背後から絡みつく聖の腕。ぐっと力がこめられる。
「が……」
ぐったりと動けなくなる体。
「ゴミにはゴミに相応しい最期というものがあるんですよ。ご存じなかったんですか?」
「よ、よくも……よくも……」
聖が体を離すと、悪魔は力なくその場に座り込む。
そこへ、寿限無の具現化した誘導ミサイルが爆発した。狙いは――胴体。全速力で死角へ回り込み、解き放った必殺技であった。
「あ、あぁッ――!!」
「……効くだろ? 内臓を貫かれるってのは」
翼を折りたたみ、地上へと降り立つ寿限無の顔に表情はない。ただ瞳を細め、燃え盛る敵の姿を見据えるばかりだ。その心にレジスタンスへの敬意を抱いて。
「く……あ、ぁ」
もう角一本すら動かすこともできない。全ての力を使い果たした角はもはや死んだように動かず、そのほとんどが砕かれてしまった。
「どうです、そちらさんのみっともねえ手際を反省する気になりやしたか?」
娑婆蔵が聞くと、微かに喉が動いた。
「ふ、ふふ……どちら、が……悪魔かわかりませんわね……」
ついに悪魔が倒れ伏し、レジスタンスたちの間から喝采が巻き起こる。抱き合って喜ぶ彼らを茜はぎゅっと握り締めた拳を胸に抱きながら見守った。
「これが、赦せないって、気持ち……」
心が熱い。
初めて知る気持ちを愛おしむように、胸に刻み付けるように。しばらくの間、そうやって戦いの余韻に身を委ねていた。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【活性治癒】がLV4になった!
【パラドクス通信】がLV2になった!
【トラップ生成】LV1が発生!
【光学迷彩】がLV3になった!
【腐食】LV1が発生!
【断末魔動画】LV1が発生!
【書物解読】LV2が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【一刀両断】がLV2になった!
【託されし願い】がLV2になった!
【モブオーラ】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
【平穏結界】LV1が発生!
【使い魔使役】がLV2になった!
効果2【ドレイン】がLV5(最大)になった!
【ダブル】がLV2になった!
【アヴォイド】がLV4になった!
【ダメージアップ】がLV6になった!
【命中アップ】がLV5(最大)になった!
【フィニッシュ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV7になった!
【ガードアップ】がLV4になった!