乙女のノスタルジック・バレンタイン(作者 水上ケイ)
#最終人類史(新宿島)
#新宿島のバレンタイン
#バレンタイン2022
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シンプルな室内には、木目の美しい白木のテーブル。
素焼きのカップには紅茶。ガラスの器にもられた一口サイズのチョコレート。
ブラインドから陽射しがゆるやかに射しこんで、二月の陽だまりは暖かい室内をよりほっこりさせてくれる。
今、ここにはただ一人と一匹がいた。
古宮・泉美(MOMO・g03355)は、せっせと何かカードを作っていた。サーヴァントのモモが「もきゅもきゅ?」と仕草をすると、泉美は答える。
「もうすぐバレンタインデーだけど、一緒にチョコ食べようね。」
「もきゅもきゅ?」
「これはね、お父さんとお兄ちゃんにカードを書いてるの。いつ渡せるかわかんないけど、ディアボロスになって半年たって元気だよーって。」
日記のような、自己満足のような。刻逆でいなくなった大切な人あてにこっそり書いてみる。
泉美は『渡せないバレンタインカード』を作っているのだ。二つに折った桜色の便せんに、ただ几帳面な字で何事かを綴り、大切に香りのよい封筒にしまう。
「でも美味しそうなチョコも買ったし、お茶も飲みたいよね……。」
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泉美は新宿駅グランドターミナルで、バレンタインの説明をはじめた。
「新宿島のクリスマスを成功させたので、新宿島の力が強化されました。多くのディアボロスや住民の皆さんが、最終人類史のお祭りを楽しむ事で、最終人類史の力が高まり、ディヴィジョンの排斥力を弱められるようになっています。」
そこで泉美は言葉をきり、さらに言う。
「そこで。2月14日といえば、バレンタインデーですよね。皆の役に立てるかなと思って、バレンタインイベントの準備をしてみました。」
泉美が準備したのは、「バレンタインカードを作る会」だ。
「知り合いの小さなカフェを借りてあるから、そこでお茶を飲んだり、チョコやお菓子を食べながら、カードを描いたりおしゃべりしたり、いい時間が過ごせれば素敵だなと思ってます。」
お茶やチョコは普通のものは準備してあるが持ち込みも歓迎だという。
「カードは好きな人なもちろん、特にいない人は……今は会えない誰かに書いてみたり……自分の記念、にしたりもアリ?」
カードの宛先は誰でもなんでもアリ。きれいな凝ったカードを作るもよし、シンプルに便せんにレターをしたためるもよし。
海外では男女関係なく贈り物をする風習があるのがバレンタインデー。カードを作りたい人やおしゃべりしたい人は男女問わず皆歓迎だと泉美は言った。
それからそのあとは、作ったものや持ち寄ったものを交換することもできる。
「本命がいる人は、うらやましいけど、チョコ交換してデートしてもいいのよ。その代わり、二人とも正々堂々と出席してね。」
本命デート以外では、友人同士で交換したり、仲間うちで味見しあったり、作ったカードを交換したり。
「友チョコというか、普通のチョコたくさん用意したので男性やお一人様もチョコ食べたい方はお気軽にどうぞ!」
そこまで説明して、泉美はぺこんと頭を下げた。
「たまにはクロノヴェーダを忘れてのんびりしたいですよね。カフェでの暖かい一杯とチョコをおともに、カードつくり、どうかな? よかったら、一緒に楽しんでね。」
リプレイ
天城・美結
アドリブ・絡み歓迎。
本命渡すような相手もいないし、配るとしても義理チョコこなー。
市販で安く買えるような一口チョコ、あとは単に自分が食べたいものを片っ端から買って持ち込むよ。
あとは口直し用に自分で淹れた少し濃いめかつ熱すぎない温度の緑茶入り保温ポットと、一人の時に読む小説を持ってこようかな。
あとは一つ食べる度に、これは丁度いいとか、これは甘すぎるかなとか吟味してチョコのパッケージを分けていくよ。
体重が心配だけど、まあその分後で身体を動かせばいいし。
同席者は大歓迎だよ。
チョコやお茶をお裾分けしたり談笑したりするよ。
交流の輪を広げるいい機会だし。
天城・美結(ワン・ガール・アーミー・g00169)がカフェのドアを押して入っていくと、店内はほっこり暖かかった。
「いらっしゃい。」
と、テーブルから顔をあげて古宮・泉美(MOMO・g03355)が声をかけてきた。
「チョコ、たくさん持ってきたよ。」
「ありがとう!」
美結は、市販の一口チョコをはじめ、様々なチョコレートをテーブルに置いた。単に自分が食べたいものを片っ端から買ってきたのだけど、ホストの泉美はとても喜んでいるようだ。
そしてさらに、美結は持参の保温ポットを示す。
「緑茶だよ。」
美結は「私も頂いていい?」と聞く泉美に、「もちろん」と、うなずいた。
口直し用に持ってきた保温ポットには、自分で淹れた少し濃いめかつ熱すぎない温度の緑茶がはいっている。
(「紅茶のティーバッグはあるみたいだから緑茶を持ってきて正解だったね。……あ、このマグいい。」)
カウンターに並べてあったガラスや陶器のマグの中から、美結はひとつを手にとり、飲物を注いでテーブルのひとつで本を手にくつろいだ。
すると「誰かにチョコ渡すの?」と、泉美が聞いてくる。美結は隣の椅子をすすめて、チョコを食べながらおしゃべりが始まった。
「本命渡すような相手もいないし、配るとしても義理チョコなー。」
「そうなの? 同じだねー。」
おしゃべりしながらチョコに手が伸びる。
美結は一つ食べるたびに、「これは丁度いい」とか「これは甘すぎるかな」とか、吟味してチョコのパッケージを分けていく。手伝うと言う泉美にもお裾分けしたり……。
「体重が心配だけど、まあその分後で身体を動かせばいいしね。」
「そうそう。」
――緩やかに時間は過ぎてゆく。
大成功🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
相原・相真
アドリブ・絡み歓迎です
書いたカードを入れた便箋を脇に置き、
チョコをつまみながらゆっくり紅茶などいただきます
カードは刻逆でいなくなった家族に宛てたものです
古宮さんがいらっしゃったら準備したチョコをプレゼント
一応手作りチョコです。…溶かして型に入れて固めただけですけどね
(星とかハートとかいろんな形の小さいチョコの詰め合わせ)
いい機会をもらったお礼、みたいなものですかね
家族あての手紙なんて、書いたのずいぶん久しぶりでしたから
書いてたら色々考えて、思い出して、
…頑張ろうって、改めてそう思えたんです
だから、ありがとうございました
(友チョコをいただけたら、あまり態度は変えませんが喜びます)
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相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)は書き終えたカードをテーブルの脇においてひと息ついた。久しぶりに、刻逆でいなくなった家族に書いてみたのだった。
ゆっくりと紅茶を口に運び、チョコレートをつまむ。
ふと目をあげると、古宮・泉美(MOMO・g03355)が近付いてくる。
「相原君、こんにちは。今日は来てくれてありがとう!」
簡単なあいさつの言葉を交わして、相真は準備してきたチョコを取り出した。
「あ……古宮さん、これ、よかったら。プレゼントです。」
「あれっ? 本当に? どうもありがとう!」
泉美は大喜びで受け取り、「カワイイ!」とまた喜んだ。
それは、星とかハートとかいろんな形の小さいチョコの詰め合わせだったのだ。
「一応手作りチョコです。……溶かして型に入れて固めただけですけどね。」
「そうなの! さすが相原君!」
「いい機会をもらったお礼、みたいなものですかね。」と、相真はチョコの理由を説明する。
「家族あての手紙なんて、書いたのずいぶん久しぶりでしたから。」
「そう……だよね。けど、まだ実家に届きそうな気がするよね。」
「書いてたら色々考えて、思い出して、……頑張ろうって、改めてそう思えたんです。」
だから、ありがとうございました、と相真は伝える。
泉美はちょっと黙った。そして、「ちょっと待ってて……!」と言うとラッピングした一口チョコを持ってきた。
「これ、よかったらどうぞ。友チョコ配ってるの。」と、テーブルにおいた。
相真は短く礼を言う。
それからは、チョコをつまみながらしばしディアボロスどうしの会話が弾むのだった。
バレンタインデーのカフェはなごやかに甘いチョコの香が漂っていた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【操作会得】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!