新宿島のバレンタイン

 新宿島及び奪還した地域で、バレンタインを楽しみます。
 チョコを作ったり、造ったチョコを渡したりして、楽しいひと時を過ごしましょう。
 チョコを作る場所や材料などは、時先案内人と新宿島の住民達が用意していますが、特別な材料などを持ち寄っても良いでしょう。  心を込めたチョコレートを作ったり、渡したりして、バレンタインを楽しみましょう。

※重要

 新宿島のクリスマスや、人々の『帰還』の成功により、最終人類史の力が強化されています。
 多くのディアボロスや住民達が、最終人類史のお祭りを心から楽しむ事で、最終人類史の力はさらに高まり、ディヴィジョンの排斥力を弱められます。
 この効果により【3月2日】に、【2月末日までに完結した『新宿島のバレンタイン』のシナリオの数】と同じ日数だけ、その時点で発生している全てのディヴィジョンの全ての事件の【攻略期限】が延長されます。
(例えば【10シナリオ】が完結していれば、全ての事件の攻略期限が【10日】延長されます。なお、3月2日よりも前に攻略期限が来る事件や、攻略期限が無い事件には影響はありません)

バレンタイン☆チョコのたまごに何いれる?(作者 カンナミユ
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#最終人類史(新宿島)  #新宿島のバレンタイン  #バレンタイン2022 


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#バレンタイン2022


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●アオイちゃんは悩んでる。
「う~ん……」
 レトロなカフェの片隅で、如月・アオイ(笑顔の案内人・g03282)はひとり悩んでいた。
 年季の入ったテーブルの上には何も書かれていない真っ白なノートが広げられている。書き込むであろうペンはアオイの手でゆらゆらと揺れていた。
「うぅ~ん……うぐぬぬぬ~」
 ペンをぶらぶら、唐突にテーブルに突っ伏し。
「バレンタインどうしよう~」
 ぼそり。
 呟くアオイはバレンタインについて悩んでいた。
 バレンタインを盛り上げるべくカフェを借りてみんなで楽しもうと思っているのに、いいアイデアが全く浮かんでこないのだ。
「普通にチョコを作るのもいいと思うんだけどさあ……いやいや! せっかくのバレンタインなんだし、ここは変化球なものがいいじゃない? なんかこう、アクセサリーとか……アオイ不器用だけどね?」
 言いながら一人ツッコミをするアオイはぬるくなったコーヒーをごくり。
「どうしよう、マジでなんも思いつかない……」
 困った。めっちゃ困った。
 コーヒーを飲み、パフェを食べ。
「こまったぁ~……」
 困りに困ったアオイはおもむろにテーブルに置いてあった卵の置物をじいっと見つめ、つんとつつく。
 ――と。
「これだっ!」
 閃いた。
 アイデアが浮かんでからは今までの苦労がなんだったのかというほどトントン拍子に進んでいく。
「よおし、あとは準備だ! アオイちゃんがんばっちゃうぞー!」
 アイデアでびっしり書き込まれたノートを目にアオイはぐっと拳を握りしめたのだった。

●チョコエッグを作るよ!
「ねえみんな、バレンタインにチョコエッグを作らない?」
 新宿駅グランドターミナルでアオイはディアボロス達へと声をかけた。
「チョコエッグ?」
「そう、チョコエッグだよ」
 手作りチラシを配りながらのアオイが今回のイベントについて説明をはじめる。
「新宿島のクリスマスを成功させた事で、新宿島の力が強化されたのって覚えてる? ディアボロスのみんなや住民達が最終人類史のお祭りを楽しむ事で、最終人類史の力が高まってディヴィジョンの排斥力を弱められるようになったんだよ」
 だから、最終人類史のお祭りの一つであるバレンタインも楽しんで、ディヴィジョンの排斥力を弱めようというのだ。
 まあ、それはそれ。
「せっかくのバレンタインなんだもの、みんなでチョコを作ってプレゼントしちゃおって考えたの」
「それでチョコエッグなんだ?」
「たまには面白いチョコを作るのもいいかなって思ったんだ」
 大きく頷きながら、アオイはチョコエッグについて話し出す。
 チョコエッグは卵の形をした空洞のチョコレート。その中には様々なものを入れるのだ。
 甘くて可愛い金平糖にお花やハートの形がキュートなミニチョコ、きらきらアラザンに香ばしいナッツ。カラフルなゼリービーンも美味しそう。
 それに、入れるのは食べ物だけとは限らない。
 例えば――メッセージカードや贈り物とか。
「チョコエッグの中にメッセージや贈り物を閉じ込めたら素敵じゃない?」
 友達同士でチョコやナッツがぎっしり詰まったチョコエッグを交換するのも楽しいだろうし、親しい人に贈るのもいいだろう。
 もちろん、大切な人へ贈るにもピッタリではないだろうか。

「このバレンタインイベントをを成功させれば、クロノヴェーダとの戦いが有利になるんだけど……ま、それはそれだよね。やっぱバレンタインだもん。チョコ作ったり楽しい一日にしたいじゃない?」
 そう言いアオイはニッコリ笑顔。
「みんなで楽しい一日にしようね!」
 ディアボロス達はチラシを手に一緒に参加する相手に連絡を取ったり、自分のスケジュールを確認しはじめる。
 レトロなカフェで楽しい一日を。
 皆さんもわくわくドキドキのチョコエッグを作ってみませんか?


→クリア済み選択肢の詳細を見る


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【照明】
1
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【神速反応】
1
周囲が、ディアボロスの反応速度が上昇する世界に変わる。他の行動を行わず集中している間、反応に必要な時間が「効果LVごとに半減」する。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【隔離眼】
2
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【平穏結界】
1
ディアボロスから「効果LV×30m半径内」の空間が、外から把握されにくい空間に変化する。空間外から中の異常に気付く確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【温熱適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、気温摂氏80度までの暑さなら快適に過ごせる世界に変わる。
【操作会得】
1
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【ハウスキーパー】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建物に守護霊を宿らせる。守護霊が宿った建物では、「効果LV日」の間、外部条件に関わらず快適に生活できる。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV5(最大) / 【ガードアップ】LV2 / 【凌駕率アップ】LV1 / 【ダブル】LV1

●マスターより

カンナミユ
 カンナミユです。
 お友達や大切な人と一緒にチョコエッグを作ってみませんか?
 もちろん一人での参加も大歓迎です!

 当シナリオでは選択肢1でチョコエッグを作り、選択肢2では作ったチョコエッグや贈りたいものをプレゼントします。
 以下、各選択肢の説明になります。

 ●選択肢1について。
 新宿島にあるレトロな喫茶店のキッチンでチョコエッグを作る選択肢です。
 贈る相手を想いながら一人で作るのだけではなく、みんなでわいわい作ったり、お友達や大切な人と一緒に作るのもいいですね。
 チョコエッグの完成サイズは卵より少し大きめで、ミルクチョコ、ホワイトチョコ、ストロベリーチョコ、バナナチョコを用意しています。
 材料はアオイが用意していますが、入れたいものなどを持参してもオッケーです。
 とっておきの一つを作ったり、プレゼント用に一杯作ったりしましょう。
 ●作り方。
 1)上下に分かれた空洞のチョコエッグのフチをホットプレートで溶かします。
 2)溶けたチョコが固まらないうちにナッツやミニチョコなどを入れ、上下のチョコエッグをくっつけます。
 プレゼントやメッセージカードなどの食べられないものを入れる場合は入れ物に入れてチョコエッグの中に入れます。
 3)はみ出た部分はナイフなどで削り、冷やしたらラッピングをして完成です。

 ●選択肢2について。
 喫茶店内でゆっくり過ごしながらプレゼントを渡す選択肢になります。
 渡すプレゼントは選択肢1で作ったチョコエッグや贈りたいプレゼントを渡しましょう。
 作ったお友達とチョコエッグを交換するのも楽しそうですね!
 特定の相手にプレゼントを渡したりデートをするという場合は、両方のディアボロスが参加している必要があります。
 相手が参加していない場合や1人のプレイングで2人分の行動を書いた場合は不採用とさせていただきます。

 ●その他
 イベント企画者の如月・アオイ(笑顔の案内人・g03282)が材料を用意したり準備をしています。
 お声がけはご自由にどうぞ。
 選択肢2にてアオイへプレゼントを贈る事も可能です。

 ●注意
 迷子防止の為、一緒に参加するお友達の名前やグループ名をプレイングに記入してください。
 相手が必要な選択肢に参加される場合は必ずお相手の方と一緒に参加してください。
 公序良俗に反する行動、シナリオの趣旨に著しく反した行動は描写しかねます。
 また、著作権や商標に関わる描写は行えません。

 それではよろしくお願いします。
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


遠咲・奏
海岸に流れ着いたばかりの、彷徨う女子高生は、一枚のチラシを受け取ります。
それは、バレンタインデーに送るためのチョコエッグ作りのイベント案内。
彷徨う女子高生は、行く当てもないため、ふらりと参加してみることにしました。
おぼろげな記憶に残る、愛しい愛しい、お兄ちゃんの為に。
生きているかどうかもわからぬ兄の為、彼女はチョコエッグを作ります。

制作は、教えて貰ったレシピ通りに行い、ソツなくこなします。
中にはメッセージを入れることにしました。
そこで、あるメッセージを入れました。
「愛しいお兄ちゃん、あなたのかなでは、ここにいますよ」と。
それを容器に入れ、完成したチョコエッグ。
さて、どうしましょう。
うふふふふ♪


金森・椿
卵みたいな丸い形で中にはたくさんの具がぎっしり詰まっているなんてまるでおにぎりみたいですね。
せっかく準備をしていただきましたし、私も作ってみますね。

色とりどりの金平糖やゼリービーンズを詰めた彩り豊かなチョコエッグに様々なナッツをパズルのように詰め込んだ栄養価の高そうな(?)チョコエッグ、チョコの中にさらにミニチョコを重ねたチョコ濃度の高いチョコエッグなどなど、いろいろなものが作れて楽しいです。

チョコづくりって楽しいですね!

アドリブ歓迎


嵐柴・暁翔
チョコエッグを作るなら大きさの違うエッグを多数用意してチョコレートでマトリョーシカのようなものを作ってみます
エッグはミルクチョコやホワイトチョコのようにそれぞれ味の違うものにして重ねておけばまとめて齧ってもいいし一つ一つ別々に食べるのもありで面白そうだな

まあバレンタインにチョコを貰えるあては欠片もないんですがね
……RB団としてはチョコエッグの中には爆弾といきたいけどイベントの趣旨から考えるとそれはちょっと、な…
悪戯程度ですむように外のエッグの部分は甘いけど中身はハイカカオな苦い感じのチョコを詰めておくとか、『ハズレ』と書いた紙を入れておく程度ならジョークグッズ扱いで楽しめるかな?


 空には雲一つなく、本日は晴天なり。
 海岸に流れ着いたばかりの彷徨う女子高生――遠咲・奏(彷徨う女子高生・g06523)は一枚のチラシを手に、通りを歩いていた。
 そのチラシは新宿駅グランドターミナルで受け取った、バレンタインデーに贈る為のチョコエッグ作りイベントの案内。行く当てもない奏は受け取ったチラシを頼りにイベントにふらりと参加してみる事にしたのだ。
 チラシに記された地図を頼りに歩けば、会場である店はすぐに見つかった。小さな、レトロな喫茶店。
「こんにちは! あ、チョコエッグ作りに来てくれたの? さあ入って入って!」
 入口で参加者を待っていた企画者から声をかけられた奏は頷くと、笑顔と共に招き入れられる。
 クラッシック音楽が流れる喫茶店へと入り、案内されキッチンまでやって来ると奏をチョコの甘い香りが出迎えてくれた。
 用意されているのは色とりどりチョコエッグと中に詰めるナッツやお菓子たち、そしてホットプレート。並ぶそれらを見渡すと、どうやらメッセージを書き込んでチョコエッグの中に入れる事ができるらしい。
 ――大切な人へのメッセージ。
 メッセージカードを手に取ると、ふと、大切な人の姿がおぼろげな記憶の片隅から浮かび上がる。
 それは、奏にとって大切なお兄ちゃん。
 生きているかどうかも分からない、愛しい愛しい、お兄ちゃん。
 奏は愛しいひとへのチョコエッグ作りに取り掛かかるべく、材料一緒に受け取ったレシピへ目を通す。チョコエッグのフチを溶かして、固まらない内にお菓子やメッセージカードを入れ、上半分のチョコエッグで蓋をして閉じる。
 レシピ通りに作れば難なく完成するだろう。
 まずはチョコエッグの中にいれるものから準備しなければ。
「メッセージカードは書き終わったらこの中に入れてからチョコエッグの中に入れてね」
「ありがとうとざいます」
 丸めたメッセージカードが入るサイズの入れ物を受け取った奏はメッセージカードを前にペンを向ける。
 書き込むのは、愛しい兄への想いの言葉。
 書き終えたそれを丁寧に丸めて容器へと入れ、チョコエッグのフチを温めたホットプレートで溶かす。じわっとフチが溶け、ふわんと甘いチョコの香りが広がった。
 フチを溶かしたそこへ想いを入れ、閉じ込める。
 奏の手には完成したチョコエッグ。少し傾けると、ころんとメッセージを入れた容器の音がした。
「さて、どうしましょう。うふふふふ♪」
 転がる音を耳にちらと見れば、完成した見本をまじまじと見つめる金森・椿(薬売り・g02220)が手にとっていた。
 完成したそれは持ってみると、ずっしりとした重さがある。
「卵みたいな丸い形で中にはたくさんの具がぎっしり詰まっているなんてまるでおにぎりみたいですね」
「ナッツとミニチョコをたくさん詰めたんだ。入れすぎちゃったけど美味しそうでしょ?」
 見本を作ったイベント企画者は恥ずかしそうに笑ったが、確かにこれは美味しそう。
 せっかく場所から材料まで準備をしてもらったのだ。椿も見本を見ながらチョコエッグ作りをはじめる事にした。
「チョコエッグはいろんな種類を用意したから好きなもので作っていいよ。1つでもいいし、いっぱい作るのでもいいからね」
「そうですね」
 微笑む椿は様々な色のチョコエッグへと目を向け、品定め。
 オーソドックスなチョコに真っ白なホワイトチョコや淡いピンクのストロベリーに黄色いバナナ。どれを使っても美味しいチョコエッグが作れるだろう。
「では作ってみましょうか」
「サイズも色々と用意したから、面白いチョコエッグも作れるからね」
 色とりどりの金平糖やゼリービーンズを詰めた彩り豊かなチョコエッグに様々なナッツを選び、チョコエッグもサイズの違うものも選んでみる。
 ずらりと並んだ材料を眺め、さてどう作ろうかと思案しながらホットプレートを温める。
「まずチョコエッグのフチを溶かして……」
 ホットプレートにちょっと乗せただけでチョコは溶けてしまう。注意深く見守り、タイミングを見て離す。
 そこからは椿がイメージするチョコエッグ作り。
 最初に作るのはパズルのように詰め込んだ栄養価の高そうなチョコエッグ。溶かしたフチが固まる前に手際よく詰め込んでいき、最後に上半分のチョコエッグのフチを溶かして蓋をする。
「まずは一つ、完成ですね」
 ずっしり詰め込まれたチョコエッグは食べ応えがあるだろう。
 一つ作れば後は同じ要領で作れば難なく作れる筈。
 
 二つ目はチョコの中にさらにミニチョコを重ねたチョコ濃度の高いチョコエッグ。一度に齧れば何層の味をまとめて味わえるし、一層ごとに食べていくのも楽しいだろう。
 チョコエッグは何個でも作れるので、アイデアがぎっしり詰まったチョコエッグは沢山出来上がっていく。
「チョコづくりって楽しいですね!」
 ころころと沢山のチョコエッグが出来上がっていく中、嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)の前にも沢山のチョコエッグがずらりと並んでいた。
「色々なサイズを持ってきたけど、これで足りる?」
「ありがとう、助かるぜ」
 礼を言い改めて見るとミルクチョコにホワイトチョコ、イチゴにバナナが並ぶそれらのサイズはどれも違っていた。とっても大きいのもからとっても小さなものまで揃っているが、同じサイズのものは一つもない。
「じゃあ始めますか」
 ホットプレートもいい具合に温まったらしい。
 一番小さなチョコエッグをつまむ暁翔の顔はどこか悪戯を思いついた子供のよう。
「フフフ……」
 ホットプレートで縁を溶かし甘い香りがふわんと鼻孔をくすぐる中、リア充を憎むあまりリア充爆発しろとしっとの炎を燃やすRB団員、暁翔の脳裏で誰かが囁くが――、
「イベントの趣旨から考えるとそれはちょっと、な……」
 チョコを貰えるあてが欠片もないとはいえ、しっとの戦士たるもの紳士たれ。今回ばかりは物騒なシロモノを入れるのは自重しておこう。
 だがきっと、悪戯程度は許される筈。
「そーっと、そーっと」
 甘いチョコエッグの中にすっごく苦いハイカカなチョコを詰め込み、トドメはメッセージカード。
 上半分とくっつけたら小さなチョコエッグの完成だが、これはまだほんの序の口。
「それじゃあ次」
 小さなチョコエッグをイチゴチョコエッグの中に入れ、それをミルクチョコエッグの中に入れる。その次にホワイトチョコエッグ、チョコバナナチョコエッグ。暁翔は段々と大きなサイズの中へと入れていく。
 そうして出来上がるのは――。
「マトリョーシカチョコエッグの完成だ」
 何層にも重ねたチョコエッグは大きく、ずしりと重い。
 まとめて齧れば様々な味を一度に味わえるし、一つ一つを別々に味わうのもいいだろう。
 マトリョーシカのように段々と中のチョコエッグはサイズを変えていき、最後に辿り着くのは、あの小さなチョコエッグ。
「ジョークグッズ扱いで楽しめるかな?」
 食べた人はさぞかし驚くに違いない。

 チョコの甘い香りと共に調理の音が合わさり時間は流れていく。
 静かな音楽が流れる中、チョコエッグ作りは順調に進んでいくのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【隔離眼】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV2が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!

 チョコエッグ作りも終わり、場所はキッチンからカフェ内へと移動する。
 店内にはクラッシックが静かに流れ、落ち着いた時間を過ごすにはぴったりだ。
 先ほど作ったチョコエッグを渡すのもいいだろうし、それとは別のものを贈るのもいいだろう。
 時間は十分にある。
 ささやかな時間を過ごしていこう。

●選択肢2について。
 喫茶店内でゆっくり過ごしながらプレゼントを渡す選択肢になりますが、この選択肢からの参加も大歓迎です。
 選択肢1で作ったチョコエッグ、または贈りたいプレゼントを渡しましょう。
 また、イベント企画者の如月・アオイへ贈る事も可能です。
シャーリー・ラフォルス
ご主人様(g00112)♥️と、おまけ以下のクソデーモン(g00322)
★アドリブ歓迎

「お・ま・た・せ」
愛故にでかーい!箱を持ってくる
「わたくしが産卵した、ご主人様との愛の結晶♥️」
クソデカいチョコエッグをご主人様に愛を込めて渡す
「いや~ん♥️シャーリーの大胆過ぎて恥ずかしいですぅ」
気持ち悪いくらいにくねくね、もじもじ、恥じらう乙女になってしまいますっ
「あ、あの……中を見て下さいませ」
手刀でチョコエッグを2つに割るッ!
中身は等身大のご主人様♥️チョコ
あ、あぁぁ!
「ご主人ひゃまのカカオ!」
貰ったカカオ豆(約1kg)ッ!
「は、はふ、はふ」
ご主人様のカカオ豆なら、生でもイケる!
Let's 防腐♥️


ヴァイスハイト・エーレンフリート
ロイド(g00322)とシャーリー(g05277)の二人と
★アドリブ歓迎

用意してなかったので、とりあえず目についたのが『カカオから作るチョコレートキット』を……ロイドには、新しいネクタイでも渡しましょう
「2人とも、いつもありがとうございます」
ロイドはともかく、シャーリーのは未知数……
「産卵??たまごの形をした大き過ぎるチョコ、ですよね?」
うん??
私が割る……手刀!?
え、えぇ……リアル過ぎる、無駄な才能ばかり開花していません??
「あ、カカオの身は……」
遅かった!
もう、野生化(ゴリラ)になっているし、不穏な思考をしている顔です
「ええ、諦めましょう」
もう無理、誰ですかサブカルチャー教えたのは!!


ロイド・テスタメント
主(g00112)とシャーリーという名のゴリラ(g05277)もいる
★アドリブ歓迎

「主……」
鬼の目にも涙といいますか、デーモンでも嬉しいのは嬉しいですよ?
「主には……」
野生的過ぎるシャーリーがとうとう卵を?
いや、あれはチョコですね
びっくりしました
「イヤな予感しかしないですね」
割って出てきたチョコの彫刻は凄いですが、変態的な出来で無駄に才能を発揮……馬鹿じゃないですか??
「ただの変態だろ!?」
産卵?
愛の結晶?
疑似恋愛を叫んでいるわりには、野生動物の様に理性がぶっ飛んでしまうとは(呆れ
「主、大切に使わせていただきます」
私からは新しいティーカップを
シャーリーにはバナナでも押し付けておきましょう(ぐい


 店内は甘いチョコの香りが漂い、交わされる人々の声が和やかに響いていた。
 喫茶店内に流れる音楽はゆっくりとした、心落ち着かせるクラッシック。耳を傾ければリラックスした時をいつまでも過ごせそうである。
 開いたままのメニューを手に静かな音楽に耳を傾けていたヴァイスハイト・エーレンフリート(死を恐れぬ魔術師・g00112)であったが、その雰囲気は無残にも粉砕されてしまう運命であった。
 テーブル席で寛いでいたヴァイスハイトの視界いっぱいに巨大な包みが飛び込んでくる。
「お・ま・た・せ」
 ずどぉーん!
 その正体はシャーリー・ラフォルス(軍人メイド長・g05277)が用意した、めっちゃでかい包みであった。
 シャーリーからのバレンタインプレゼントは何が贈られるか分からない、全くの未知数であったが……でかい。でかすぎる。メイド長の愛故に、それはとんでもなくでかかった。
 過剰すぎるラッピングをほどけば、ご主人様への愛が姿をあらわした。
「わたくしが産卵した、ご主人様との愛の結晶!」
「産卵?? たまごの形をした大き過ぎるチョコ、ですよね?」
 ご主人様へと贈られたクソデカいチョコエッグを前についヴァイスハイトは言ってしまった。
 ここはひとまず産卵という単語にツッコミを入れるべきかもしれないが、メイド長は本気と書いてマジだった。
「野生的過ぎるシャーリーがとうとう卵を? いや、あれはチョコですね。びっくりしました」
 淡々とロイド・テスタメント(元無へ帰す暗殺者・g00322)は巨大なチョコエッグが鎮座するさまを見上げるが、これは本当にでかい。
 どどんと鎮座するそれがどれくらい大きいかというと、成人男性がすっぽり入るくらいの、嫌な予感しかしない大きさ。
「いや~ん♪ シャーリーの大胆過ぎて恥ずかしいですぅ」
 体をくねくねとくねらせてもじもじ恥じらう乙女シャーリーだが、傍から見ればめっちゃ気持ち悪い。
「あ、あの……中を見て下さいませ」
「うん?? 私が割る……手刀!?」
 ヴァイスハイトは思わず見てしまったが、次の瞬間恥じらう乙女メイド長は構え、すうと息を整え――!
「せいッ!!」
 ばがああぁんんっっ!!
 裂帛の一声と共に放たれた渾身の一撃にチョコエッグは見事に真っ二つ!
 割れたチョコエッグから現れたのは――、じゃじゃじゃーん!!
「等身大のご主人様チョコ!!」
「ただの変態だろ!?」
 クソデーモンもといロイドは秒でツッコんだ。
 ご主人様を想い作ったそれのディテールは細部の細部までこだわりぬかれており、当然ながら等身大チョコには空洞はない。甘いときめきチョコがそこにはぎっしりつまっている。
 カロリーがヤバイ。
「割って出てきたチョコの彫刻は凄いですが、変態的な出来で無駄に才能を発揮……馬鹿じゃないですか??」
「え、えぇ……リアル過ぎる、無駄な才能ばかり開花していません??」
 ドン引きしつつも冷静な感想を添えて呆れつつも見上げた二人だが、シャーリーのメンタルはもはや昇天寸前。
「あ、カカオの身は……」
 さすがに危ぶんだヴァイスハイトであったが、時すでに遅しというか手遅れでした。
「あ、あぁぁ!」
 くねくねと身悶えするメイド長を見つめる金の双眸は絶対零度。
「産卵? 愛の結晶? 疑似恋愛を叫んでいるわりには、野生動物の様に理性がぶっ飛んでしまうとは」
「もう、野生化(ゴリラ)になっているし、不穏な思考をしている顔です」
 呆れ果てたロイドはため息さえも出ないし、ご主人様も諦めた。
「2人とも、いつもありがとうございます」
 色々と見ない事にしてヴァイスハイトは仕切り直しとばかりに二人へ感謝の言葉と共にプレゼントを手渡す事に。
「ご主人ひゃまのカカオ!」
 受け取ったカカオ豆(約1キロ)にシャーリーは狂喜乱舞。
 ヴァイスハイトが贈ったのは、とりあえず目についた『カカオから作るチョコレートキット』なのだが……。
「は、はふ、はふ」
 ダメだ。これはこのまま食べるパターンだ。
 まあそれはともかく。
「ロイドにはこれを」
「主……」
 受け取ったプレゼントを開けてみると、そこにはネクタイが入っていた。主が自分の為に用意してくれたのだ。
 それをじっとみつめているとヴァイスハイトの視線が自分へと向けられている事に気が付いた。
「鬼の目にも涙といいますか、デーモンでも嬉しいのは嬉しいですよ?」
 手に取っていたネクタイを大切に戻す。
「主、大切に使わせていただきます。主には……」
 感謝を告げたロイドも用意してきたプレゼントを手渡した。
 受け取ったそれを解けば、新しいティーカップが入っている。ロイドが主の為にと用意してきたものだ。
 シャーリーという名のゴリラへはとりあえずバナナを押し付けておけばいいだろう。
「みんな今日は来てくれてありがと! ご注文は決まったかな? あ、これ今日のイベントで作ったチョコエッグのお裾分けだよ」
 注文をとりにきたイベント企画者から手渡されたチョコエッグを手に『普通のチョコエッグってこれだよなあ』と思ってしまった訳だが。
「ご主人様のカカオ豆なら、生でもイケる! Let's 防腐☆」
「もう無理、誰ですかサブカルチャー教えたのは!!」
 脳裏になんとなくシルエットがぼんやりと浮かんだような気がしたが気のせいだろう多分。
 注文をとった企画者がキッチンへと消えていくのを目に、ヴァイスハイトは鼻孔をくすぐる甘い香りと音楽に耳を傾けたのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【ハウスキーパー】LV1が発生!
【温熱適応】LV1が発生!
【神速反応】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【命中アップ】がLV4になった!

金森・椿
こういうのを「振り」というのでしたか。
というわけで当企画の立案者の如月さん(g03282)にお礼を込めて挨拶先へ配っているチョコの入った四角い包みをお渡しします。
素敵な企画をありがとうございます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたしますね。

さて、喫茶店ということですのでこの珈琲というものを飲んでみます。
よろしければ如月さんもご一緒にいかがでしょうか。
この異国の飲み物は実に新鮮で味わい深いです。
芳醇な香りと苦みの中に確かな美味しさがあります。
新宿島って素敵なところですね。

アドリブ歓迎


遠咲・奏
プレゼントする相手は特にいませんので、前回作ったチョコエッグは、皆さんにお配りしましょう。
えぇ、たくさん作りました♪
中のメッセージはもちろん、そのままです☆

さて…。
これでお兄ちゃんが、見つかるといいのですが…。
え、こんなもので見つかるのか、ですか?
ふふふ…。
お兄ちゃんならきっと。
あの文章で、わかるはずだと、信じておりますから♪

他者との絡み歓迎。
アドリブ歓迎。
折角なので、アオイちゃんにももちろん、プレゼントさせて頂きます♪


「チョコエッグ作りお疲れ様! けっこう大変だったでしょ? せっかくだし、カフェでのんびり時間を過ごしていってね」
 チョコエッグ作りも無事に終わり、たくさんのチョコたちと一緒に遠咲・奏(彷徨う女子高生・g06523)はキッチンを後にする。
 甘い香りをふわりと纏わせ、カフェでのんびり寛いでいた人たちがカカオの香りに視線を向けてくる。
 自分と同じ年頃の女の子たちや夫婦らしき男女、男子高校生らしき姿もあれば奏より年上と思しき青年や男性の姿もあった。
 ――おぼろげな記憶に残る、愛しい人よ。
「チョコエッグをどうぞ」
 奏からチョコエッグを受け取った男子学生たちは大盛り上がりだ。
「もらっていいの?」
「えぇ、たくさん作りましたので♪」
 優しい言葉を向けられ、学生たちの反応は様々。ラッピングを解いてチョコエッグを眺めたり、綺麗な出来栄えに写真を撮ったり眺めたり。
「これ手作りじゃん」
「食べるのもったいないなあ」
「ありがとう!」
「どういたしまして」
 にこりと笑み、チョコエッグたちは次のテーブルへ。
「ありがとう」
 受け取った青年は嬉しそうな顔になり、
「手作りなんてすごいね」
 男性は照れくさそうな顔をする。
(「さて……。これでお兄ちゃんが、見つかるといいのですが……」)
 贈り終え、内心でつぶやきながら奏は店内をぐるりと見渡した。
 プレゼントを受け取った三者三様の反応を目に、それでも胸にあるのはおぼろげな姿。
「ふふふ……」
 奏は笑む。
 贈ったチョコはどれもあの、メッセージ入りのチョコエッグ。
 あのメッセージを見てどんな反応をするのだろう。
 ――お兄ちゃんならきっと。あの文章で、わかるはずだと、信じておりますから♪
 くるんと踵を返すと金糸が揺れる。
「アオイちゃんもどうぞ♪」
「アオイにもくれるの? ありがとう」
 このイベントを企画してくれたアオイにもチョコエッグをプレゼント。
「ふふふ、それじゃあアオイもチョコエッグをプレゼントだよ! 友チョコ交換ってコトで」
 二つのたまごが交換され、
「あなたへもどうぞ♪」
「ありがとうぞざいます」
 受け取った金森・椿(薬売り・g02220)はお礼にチョコエッグ交換。
 甘い香りを纏う四角い包みは椿の手からイベントを企画したアオイの元へも贈られる。
「どうぞ、如月さん」
「え、ホントにいいの?」
「ぜひ受け取ってください」
 アオイは驚いたが、差し出された包みを受け取る顔には嬉しさがあふれていた。
「素敵な企画をありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたしますね」
「こちらこそ今日は来てくれてホントにありがと! すごく嬉しかったよ」
 受け取った包みを手に笑顔のアオイもお返しに作ったチョコエッグを椿へと差し出す。
「あまり上手に作れなかったかもだけど、よかったら食べてね」
「ありがとうございます」
 可愛くラッピングされたそれを軽く揺らしてみると、コロコロと小さな音がした。何が入っているのだろう。
「何が入っているかはお楽しみだよ!」
 にこりと笑うアオイの手から、喫茶店のメニューが椿へと差し出される。
「せっかくだからゆっくりしていってよ」
「いいですね」
 頷きメニューに目を通し、椿の目に留まるのは珈琲という文字。
「喫茶店ということですのでこの珈琲というものを。よろしければ如月さんもご一緒にいかがでしょうか」
「いいね、じゃあアオイも頼んじゃおっかな。椿さんは何にする?」
 手渡されたメニューリストには色々な珈琲の種類が羅列されていた。それぞれに違いがあるのだろうが、椿には難しい。
 珈琲選びの戦いは膠着状態となっていたが、向かいに座るアオイの一言が解決の糸口となった。
「アオイはこの『おすすめブレンドコーヒー』にしようかな」
 そうか、この店がおすすめしているものなら間違いはなさそうだ。
「私も同じものをお願いします」
 注文を済ませ、耳を澄ませば室内に流れる音楽に新たな音が加わった。がりがりと豆を挽く音、こぽこぽとコーヒーを抽出する音。
「お待たせしました、おすすめブレンドコーヒーです」
 ほどなくして椿の前に注文したコーヒーがことりと置かれた。琥珀色が注がれたカップからは淡い湯気が立ち上り、香ばしい香りを運んでくれる。
 カップを取り、こくりと一口。
「お味はどう?」
「この異国の飲み物は実に新鮮で味わい深いです。芳醇な香りと苦みの中に確かな美味しさがあります」
 カップを手で包むとじわりとその温かさが伝わって来る。
「新宿島って素敵なところですね」
 ほうと息をついて、もう一口。
 来客を告げるベルが鳴り、からんからんと響かせ新たな客がやって来る。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【平穏結界】LV1が発生!
【隔離眼】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【命中アップ】がLV5(最大)になった!

宮地・杏奈
ルリラちゃん(g00784)と!
素敵なカフェだよね!
せっかくだからお友達と来たかったんだ♪
ルリラちゃんはどんな飲み物が好き?私はコーヒーにしようかな。
そうだ!バレンタインにチョコもらったからお返し!
この前デパートで買ったチョコだよ。天使の羽の形のチョコなんだ。
受け取って、くれる?
彼女にそっと白いサテンの袋にピンクのリボンをかけたプレゼントを渡そう。
え、私にも……?わ、この音符のチョコかわいい!ありがとう!大事に食べるね♪嬉しいな、ほんとにありがとう。
彼女が嫌がらないようにゆっくり反応を待つよ。
ルリラちゃんが楽しんでくれるといいなあ。


ルリラ・ラプソディア
杏奈さん(g02209)にお誘い受けて

ん…。レトロで、かわいいカフェ…
おさそい、ありがとうね…?杏奈さん
わたしは…紅茶にしようかなって…
あまいものを食べるから、お砂糖は控えめに

…ん?…おかえし…?
…ありがとう。天使の羽…?わたしとおそろいの形、ね…
(プレゼントを受け取ると柔らかに目を細めて)
もちろん…
せっかく、あなたからのプレゼントだもの…

それじゃあ…わたしからも
…わたしからは、チョコのクッキーを
♪の絵がプリントされた、かわいいチョコを見つけたから…あなたに

わたしと…お友だちになってくれて、ありがとう…
あらためて伝えさせて、ね…
バレンタイン…気持ちを伝える、日だから


 からんからんとベルがかろやかに告げる来客は宮地・杏奈(ふわふわ系諜報員・g02209)とルリラ・ラプソディア(Ⅻの子守歌・g00784)。
 肌寒い外から店内に入ると静かな音楽で満たされており、温かな風がゆるりと二人の頬を撫でた。
「いらっしゃいませ、二名様ですね」
 店員に案内されて杏奈とルリラはテーブル席へと案内される。
「素敵なカフェだよね!」
 ルリラの向かいに座って杏奈はにこりと微笑んだ。木目のテーブルは年季の入った色合いをしており、沢山の人々がここで時間を過ごしてきたのだろう。
「ん……。レトロで、かわいいカフェ……おさそい、ありがとうね……? 杏奈さん」
「せっかくだからお友達と来たかったんだ♪」
 落ち着いた店内を見渡すルリラと杏奈は受け取ったメニューへと視線を落とした。
 長年使われているであろう年季の入ったメニューには様々な種類のコーヒーや紅茶、サンドウィッチやフライドポテトといった軽食からケーキやパフェなどの甘味まで様々なものが揃っている。どれもこれも美味しそうなものばかりで目移りしてしまいそう。
「ルリラちゃんはどんな飲み物が好き? 私はコーヒーにしようかな」
「わたしは……紅茶にしようかなって……」
 甘いものを食べるなら、お砂糖は控えめで。
「ご注文はお決まりですか?」
 お冷を持ってきた店員にそれぞれ注文を終え、待つ事しばし。
 注文を済ませた二人は店内の音に耳を澄ませる。曲名は分からないけれど、静かで落ち着いたクラッシック音楽。フォークやスプーンが食器に触れる微かな音。女の子たちの楽しそうな弾む声。
 ――チョコを渡す声もまた、聞こえてくる。
 そう、今日はそんな日なのだ。
「そうだ! バレンタインにチョコもらったからお返し!」
「……ん? ……おかえし……?」
 注文したものが来るまでまだ時間がありそうだ。きょとんと首を傾げるルリラへと杏奈は用意していたプレゼントをそっと差し出した。
 それはルリラの為に用意した贈り物。
「この前デパートで買ったチョコだよ。天使の羽の形のチョコなんだ。受け取って、くれる?」
「もちろん……。せっかく、あなたからのプレゼントだもの……」
 白いサテンの袋を受け取ると、袋にかけたピンクのリボンが小さく揺れる。細めた赤い瞳も柔らかく見つめ、
「……ありがとう。天使の羽……? わたしとおそろいの形、ね……」
 心なしか羽も内なる心を現すかのように微かに揺れている。
「それじゃあ……わたしからも」
 サテンの滑らかな感触を手に、受け取ったプレゼントを丁寧にテーブルへと置くと、ルリラも持参してきたものを大切そうに取り出した。
 灰の瞳が興味深く見つめるそれは、杏奈と同じようにルリラが選び用意したもの。
「……わたしからは、チョコのクッキーを」
「え、私にも……?」
 驚きを隠せない杏奈にルリラは小さく頷いた。
「『♪』の絵がプリントされた、かわいいチョコを見つけたから……あなたに」
「わ、この音符のチョコかわいい! ありがとう!」
 ルリラが自分の為に選んでくれた、とってもかわいいプレゼント。食べてしまうのがもったいないくらい。
「大事に食べるね♪ 嬉しいな、ほんとにありがとう」
 受け取り笑顔の言葉を返してゆっくり反応を伺うと、ふわりと優しい笑みが返ってくる。
 プレゼントを贈りあい、程なくすると注文していたものが到着した。
 ことりという音と共に二人の間には香ばしい香りの珈琲と爽やかな香りの紅茶。二つの香りが二人の間を漂い立ち上る湯気がすうと消えていく。
 二つのカップに二人の瞳がしばし落ち、かちりと重なった。
「わたしと……お友だちになってくれて、ありがとう……」
 優しく話すルリラの瞳に杏奈が映る。
「あらためて伝えさせて、ね……バレンタイン……気持ちを伝える、日だから」
 ……お友だちになってくれて、ありがとう。
 微笑むルリラを前に杏奈も笑み、コーヒーの湯気をふうと吹いて、こくりと一口。
 温かな紅茶と珈琲をそれぞれ味わい、プレゼントを贈りあう二人にとって楽しい時間が過ぎていくのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【操作会得】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【凌駕率アップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2022年02月27日