アイリッシュ海の戦い

 ディアボロスはベルファストを攻略し、大結界の破壊に成功しました。
 遂に、ドラゴンの本拠地であるグレートブリテン島への突破口を開く事に成功したのです。
 しかし、ベルファストの大結界が破壊された事を察知したドラゴンは、ジェネラル級ドラゴン『氷のベディヴィア卿』を、アイリッシュ海に急行させました。
 氷のベディヴィア卿は、アーサー王から『反撃で撃破した敵のおそれを奪い自身を回復する』という強力な加護を得ており、たった一騎で、全てのディアボロスを撃退せんとしています。
 この強力な加護を破り、円卓の騎士の一人である氷のベディヴィア卿を撃破する事が出来れば、グレートブリテン島の攻略を開始できるだけでなく、それ以上に、ドラゴン勢力に大きな打撃を与えられるかもしれません。

『氷のベディヴィア卿』に攻撃を加え、強烈な反撃に耐え続けることで、敵を消耗させていきましょう。

特殊な成功条件

『氷のベディヴィア卿の反撃に耐えろ』の3つの選択肢全てをクリアした状態で、『氷のベディヴィア卿に一撃を与えて撤退する』をクリアした場合、ディアボロスは継戦限界まで戦い抜き、『氷のベディヴィア卿』にダメージを蓄積したものとして扱います。

 8シナリオ以上でこの条件を満たすと、その段階で『氷のベディヴィア卿』との決戦が発生します。
 決戦シナリオのオープニング公開時点で、9シナリオ以上で条件を満たしていれば、その分、氷のベディヴィア卿との決戦の難易度が減少します。

2022/2/22追記

 特殊条件が満たされました! ジェネラル級ドラゴン『氷のベディヴィア卿』との決戦が開始されようとしています!

2022/3/07追記

 ジェネラル級ドラゴン『氷のベディヴィア卿』撃破により、この事件の攻略に成功しました!

立ちはだかるは鉄壁なる円卓の騎士(作者 J九郎
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#幻想竜域キングアーサー  #アイリッシュ海の戦い  #氷のベディヴィア卿  #円卓の騎士 


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●アイリッシュ海の守護者
 アイルランド島とグレートブリテン島を隔てるアイリッシュ海。普段は穏やかなその海に今、尋常ならざる寒風が吹き荒れていた。
 そしてそのアイリッシュ海を睥睨するように、鮮烈なまでに蒼い鱗に覆われた一頭の竜が、海上でゆっくりと翼をはためかせる。
「ディアボロスがどうして今再び現れたかは知らぬが、この我がいる限り、アイリッシュ海を越える事は不可能と知れ」
 その巨竜は、口から冷気を吐き出しながら、低くうなるようにそう言葉を紡ぎ出した。
「アーサー王に頂いた、この力があれば、我は鉄壁の守りとなる。どこからでも来るがよい、ディアボロスども。何人来ようが、一人残らずこのアイリッシュ海の藻屑としてくれよう」
 巨竜の戦意に呼応するように、吹き荒れていた寒風は次第にブリザードといってもよいほどの風と氷の乱舞へと変じていったのだった。

●円卓の騎士、現る
「やあ、よく来てくれたね。待っていたよ」
 沖島・雫(人間のガジェッティア・g03499)は、新宿駅のホームに集ったディアボロス達にその青い瞳を向けた。
「みんなの活躍で、『幻想竜域キングアーサー』のベルファストに張られていた大結界は破壊されたよ。これで遂に、ドラゴンの本拠地であるグレートブリテン島への道が開かれたってことになるね」
 嬉しそうにそこまで言った後、「でも」と雫は表情を曇らせる。
「これに対してドラゴン達も早速手を打ってきたんだ。ボク達ディアボロスの侵入を阻止しようと、アイルランド島とグレートブリテン島との境界にあるアイリッシュ海に、強力なジェネラル級のドラゴンを送り込んできたんだよ。その名も『氷のベディヴィア卿』。かの、ドラゴン勢力最強の『円卓の騎士』の1体なんだ」
 それでも、グレートブリテン島へ向かうためには、アイリッシュ海の突破は不可欠。なんとしても、『氷のベディヴィア卿』の守りを突破する必要がある。

「『氷のベディヴィア卿』は、円卓の騎士の一体だけあって、とても強力なジェネラル級のドラゴンだよ。でも、今回はそれだけじゃないんだ。なんと、氷のベディヴィア卿はアーサー王から『反撃により敵を撃破した時、直前の攻撃で受けた傷が消滅する』という加護を与えられているんだよ。つまり、どれだけ攻撃しても、氷のベディヴィア卿の反撃に耐えられず撃破されてしまうと、その攻撃が無効になってしまうってことなんだ」
 この加護を最大限に生かす為、氷のベディヴィア卿は、自らは攻撃を行わず、ディアボロスの攻撃に対して反撃するという戦法を取るようだ。
「だから、氷のベディヴィア卿への攻撃で最大限のダメージを与えるだけじゃなく、いかに反撃に耐え抜けるかが、勝負の鍵になるだろうね。氷のベディヴィア卿の使うパラドクスは、体だけじゃなく精神にも影響を与えてくるから、物理的な守りだけじゃなく、心を守る策も必要になるはずだよ」
 可能な限り攻撃と防御を繰り返した後は、最後に敵に大きな一撃を与えて、撤退を行うことになる。
「この最後の一撃は、仲間達を無事に撤退させる為の陽動の攻撃だよ。この攻撃だけは、氷のベディヴィア卿の反撃に耐えることは考えなくていいから、最大限の攻撃を放って隙を作って欲しいんだ。その間に、全員で撤退を行う事になるね」

「遂に、幻想竜域キングアーサーの最強勢力『円卓の騎士』と戦えるところまで辿り着けたね。円卓の騎士は確かに強敵ではあるけど、決して攻略は不可能じゃないはずだよ。格上の相手との死闘になると思うけど、みんなの健闘を祈ってるよ」
 雫はわずかに笑みを浮かべてそう締めくくると、ディアボロス達にパラドクストレインへ乗り込むように促したのだった。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【狐変身】
1
周囲が、ディアボロスが狐に変身できる世界に変わる。変身した狐は通常の狐の「効果LV倍」までの重量のものを運べるが、変身中はパラドクスは使用できない。
【現の夢】
1
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【迷宮化】
1
洞窟や家屋、砦などの内部を迷宮に変化させる。迷宮化により、敵は探索や突破に必要な時間が「効果LV倍」される。
【熱波の支配者】
2
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【モブオーラ】
1
ディアボロスの行動が周囲の耳目を集めないという世界法則を発生させる。注目されたり話しかけられる確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【エイティーン】
1
周囲が、ディアボロスが18歳から「18+効果LV」歳までの、任意の年齢の姿に変身出来る世界に変わる。
【無鍵空間】
1
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【活性治癒】
1
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【操作会得】
1
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【口福の伝道者】
1
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV3 / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV1 / 【凌駕率アップ】LV1 / 【フィニッシュ】LV1 / 【反撃アップ】LV1 / 【ドレイン】LV1 / 【ロストエナジー】LV3

●マスターより

J九郎
 こんにちは、J九郎です。
 遂に円卓の騎士の一体が姿を現しました。

 『氷のベディヴィア卿』との戦いでは、3種の能力値ごとに選択肢が用意されています。その選択肢にあった能力値のパラドクスを選択していなかった場合、不採用になりますのでご注意ください。
 氷のベディヴィア卿は『反撃』を主軸としており、ディアボロスが先制で攻撃する事が出来ます。
 その後、必ず強力な反撃を受けるので、その攻撃をどう耐えるかが勝負の分かれ目になります。
 3つの選択肢全てをクリアすれば、『氷のベディヴィア卿に一撃を与えて撤退する』の選択肢を選ぶことが可能です。この選択肢では反撃は発生しません。

  それでは、皆さんの工夫を凝らしたプレイングをお待ちしています。
33

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジ連携歓迎

騎士を目指す者としてあんな奴が忠義厚きペティヴィア卿の名を名乗るのは気にいらない、な
そも槍を使うでもなく隻腕という訳でもない
彼の物語を愛する者として名を汚す竜は絶対に討つ!
此れは其の最初の第一歩だ!

〇殺気を消し気取られない様に
呼吸できる様に〇風使いによる空気の〇結界(術)を周囲に展開
海という〇地形の利用をし海中を〇飛翔状態で移動
〇双翼魔弾を〇電撃(使い)を纏わせた〇貫通弾を〇連撃でぶちかます

反撃対処
〇氷雪使いと〇風使いを合わせ巨大なブリザードを生み出したり凍気の〇誘導弾の〇弾幕〇連撃を魔弾にぶつけつつ自身は海の奥へ飛翔
海という大量の水による炎の勢いの更なる減衰を狙う等し対応する


●海面からの一撃
「騎士を目指す者としてあんな奴が忠義厚きペティヴィア卿の名を名乗るのは気にいらない、な」
 海面スレスレを魔力の翼で飛翔しながら、ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)は上空に浮遊する蒼き巨竜へと目を向けた。
「そも槍を使うでもなく隻腕という訳でもない。彼の物語を愛する者としてその名を汚す竜は絶対に討つ! 此れは其の最初の第一歩だ!」
 騎士道物語に登場するような理想の騎士を目指す少年にとって、円卓の騎士を名乗るドラゴンの存在は、認めがたい。
 波と流氷に紛れるように気配を殺して『氷のベディヴィア卿』の真下へと至ったルィツァーリは、急浮上するとベディヴィア卿が気付くよりも早く、雷を纏った魔弾を連続して撃ち放った。魔弾はベディヴィア卿を守るようにその周囲を揺蕩う氷塊を縫うように飛翔し、見事その無防備な下腹部に炸裂する。貫通力を増すように調整して放たれた魔弾は、ベディヴィア卿の頑強な鱗を貫き、その腹部にいくつもの大穴を穿っていった。
「ぬうううっ!? 来たか、ディアボロス!」
 攻撃を受けてようやくルィツァーリの存在に気づいたベディヴィア卿は、すかさず自らの眼前に蒼い炎の魔弾を生み出すと、眼下のルィツァーリ目掛けて撃ち放つ。周囲を凍てつかせながら迫る巨大な魔弾に対し、ルィツァーリも凍気の魔弾を撃ち放って弾幕代わりにしつつ、自身はまっすぐに海に向かって降下していった。次の瞬間、ルィツァーリは盛大な水しぶきと共に海中へと突入。流氷も浮かぶ厳寒の海だが、ベディヴィア卿の炎の魔弾の直撃を受けるよりは、遥かにましだろう。そして蒼き魔弾があくまで炎でできている以上、海水でその火勢は減衰できるはず。
「愚か者め。我の魔弾【キュイール】の威力を侮るな!」
 蒼き炎の魔弾が、海面に衝突する。それだけで、魔弾の周辺の海水が一気に凍結していき、いくつもの流氷を生み出していった。
「なら、もっと深く深く潜るだけだ!」
 周囲の海水を凍結しながら迫りくる魔弾を、さらに海の奥深くへと潜水することで逃れんとするルィツァーリ。肌を刺し身を切るような冷気が全身を襲うが、魔弾の火勢も間違いなく弱まってきている。そしてルィツァーリは、全身に凍傷を負いながらもついに、魔弾が消滅するまで耐えきることに成功したのだった。
苦戦🔵​🔴​🔴​

呉鐘・承李
【アドリブ・連携歓迎】
【初撃】
自身の足元に風の障壁を作り水面に立ち、暴風での一撃を与える

【対恐怖】
我が心、白刃の如く曇りなし。画竜点睛、欠く事無く。
自身は一振りの刃であるとする鋼の如く精神で恐怖を振り払う
【対幻影】
「……子供だましだ」
友人達が破壊される幻影に対しては、子供だましであると一蹴するが、しばらくして様相が変わる。
自らの親代わりであり師である呉鐘龍牙が現れると、ピク、と表情が動く。
自らの目の前で破壊される師。記憶にない筈のトラウマ。
脳裏を駆ける困惑、焦燥、恐怖。そして……怒り。
「……我が心、明鏡止水。されど刃は烈火の如く」
切り開くは未来。こんな幻影に、足を止められている場合ではない。


●曇りなき一太刀
 寒風に荒れ狂うアイリッシュ海の海面を、呉鐘・承李(剣鬼・g06193)はまるで踏み固められた大地のごとく、風に乗って歩んでいた。
「たった一人で我に挑むというのか、面白い」
 承李の接近に気づいた『氷のベディヴィア卿』は、余裕を示すようにゆったりと翼をはためかせている。
 そのベディヴィア卿目掛けて、承李は精霊刀『薫風』を頭上高く掲げた。するとたちまち、薫風から暴風が竜巻のごとく巻き起こっていく。
「あかしま流……秘奥、十の型。――暴風」
 そして振りぬかれた薫風から放たれた暴風が、長大な刃となってベディヴィア卿の巨体を切り裂いていった。
「ぬううっ! 人の身にしては見事な一撃っ! だがっ!!」
 切り裂かれた傷口から毒々しい色の血を流しながら、ベディヴィア卿はその翠の魔眼で承李を睨みつけた。
「……くっ」
 たちまち、承李の心に例えようもない恐怖心が湧き上がってくる。だが、
(「――我が心、白刃の如く曇りなし。画竜点睛、欠く事無く」)
 承李は心をまるで一振りの刃のように研ぎ澄ましていった。精神を鋼のように鍛え上げれば、恐怖に怯えることもない。
「我が魔眼に耐えきるとは見事。ならばこれでどうだっ!」
 再びベディヴィア卿が、翠の魔眼を承李に向ける。
 次の瞬間、承李の周りにかつて友だった者達の姿が浮かび上がった。
「こんなものは……子供だましだ」
 その友の姿が、無惨に切り裂かれ、叩き潰され、焼き払われて、次々と消滅していく。だが、所詮は幻影にすぎぬと、承李は心を鋼に変えて耐え抜いた。
 そんな承李の表情が一変したのは、次に出現した人影を目にした時。その人物は、承李の親代わりであり師でもある呉鐘龍牙だった。おもわず承李がぴくっと表情を動かし、師へと手を伸ばしたその時。
 呉鐘龍牙の姿が、まるで石像を砕いたかのように粉々に砕け散っていった。
「!!」
 記憶にない筈のトラウマを刺激され、承李の脳裏を駆けるのは困惑、焦燥、恐怖、そして……怒り。
「……我が心、明鏡止水。されど刃は烈火の如く」
 承李は己の心に生まれた様々な感情を振り切るように、薫風を振るった。
 そう、承李がその剣で切り開くべきは未来。このような幻影に、足を止められている場合ではない。
 ベディヴィア卿の魔眼の魔力を耐え抜いた承李は、逆に鋭い眼光で、ベディヴィア卿を睨み返したのだった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【一刀両断】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!

赤上・イズル
■アドリブ・絡み歓迎

円卓の騎士…それもアーサー王の加護を受けしベディヴィアですか
かの有名な円卓の騎士たちは皆ドラゴンになったのでしょうか
自分も円卓の名の旅団の一員…捨て置けません

ジェネラル級『氷のベディヴィア卿』…この赤上イズル受けて立ちます

ベディヴィアの攻撃にパラドクス【紅蓮雀】で反撃

摩利支天の加護を受けし炎とあなたの炎との根競べですね…!
と、炎を纏わせた刃にて渾身の力を持って耐える
精神に影響を与えてくる攻撃には【精神集中】で惑わされないようにする
自身には摩利支天がついていると心の中で強く想う

パラドクス効果【治癒活性】を発生させ負傷したらそれを癒す


●赤き炎と蒼き炎
「円卓の騎士……それもアーサー王の加護を受けしベディヴィアですか。かの有名な円卓の騎士たちは皆ドラゴンになったのでしょうか」
 静かに海上を進みながら、赤上・イズル(コードネーム:ミラージュ・g04960)は待ち構える『氷のベディヴィア卿』へと視線を向ける。
「自分も円卓の名の旅団の一員……捨て置けません」
 旅団『円卓世界 -Ⅶ-』に属するイズルにとって、円卓の騎士を名乗るドラゴン達には因縁を感じずにはいられない。だがそれは、ベディヴィア卿にとっても同じこと。
「ディアボロス風情が円卓を名乗るとは、不遜だな」
 ベディヴィア卿も不愉快そうにそう吐き捨てる。
「ジェネラル級『氷のベディヴィア卿』……この赤上イズル、受けて立ちます」
 名乗るや、イズルは摩利支天の加護の籠められた日本刀『陽炎一文字』を構えた。
「九字切流奥義・紅蓮雀」
 陽炎一文字が炎の鳥の如く火に包まれる。その陽炎一文字をもって、ベディヴィア卿へと斬り込んでいくイズル。
「ならば我は【キュイール】にて迎え撃とうっ!!」
 自身の眼前に蒼き炎の塊を生み出したベディヴィア卿は、今まさに切りかからんとするイズルへと、その炎の魔弾を解き放った。咄嗟に、イズルは炎を纏った陽炎一文字で魔弾を受け止める。
「摩利支天の加護を受けし炎とあなたの炎との根競べですね……!」
 魔弾を押し返そうと、渾身の力を籠めるイズルを、しかしベディヴィア卿はあざ笑った。
「我が炎は、例え直撃せぬとも、その冷気に当てられただけで汝に地獄の苦痛を味合わせるのだ」
 ベディヴィア卿の言葉通り、身を焼き心臓を貫くような激痛がイズルを襲い、その額に夥しい脂汗が浮かぶ。
(「大丈夫だ。俺には摩利支天がついている」)
 心の中で強くそう念じ、その激痛に耐えるイズル。
「!? こ奴、【キュイール】に耐えるというのか!?」
 ベディヴィア卿が驚愕の声を漏らしたのと、イズルが陽炎一文字を振りぬいたのはほぼ同時。振るわれた陽炎一文字は蒼き炎の魔弾を一刀両断し、さらにベディヴィア卿の頭部を、深々と切り裂いたのだった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!

瀧夜盛・五月姫
怨霊に取り憑かれています。

お主がドラゴン? とかいう奴か。
でかいトカゲ、とは聞いておったが、なるほど、馬鹿でかいトカゲよ。

彼奴の頭上に【呪詛】を籠めた“超弩級戦艦 大和”を【召喚】し押しつぶさん。
尻尾でも巻いて逃げればよいわ。いや、切って逃げる、か?

煽られる恐怖には、【忍耐力】。
誰と心得ておる。畏怖すべきはお主ぞ、ひれ伏せよ。

ほうほう、なるほど。
吾の最も大切な者、それは確かに娘であるな。
笑止千万、失笑噴飯。
娘が殺される様など、“疾うに視た”わ、幾度もな。
殺したのは主らよな、クロノヴェーダ。
また殺してくれるのか、クロノヴェーダ。

ハハ、ハハハハハハ!!

――よかろう、ぶち殺してくれるわ。(【殺気】)


●怨霊の狂気
「お主がドラゴン? とかいう奴か。でかいトカゲ、とは聞いておったが、なるほど、馬鹿でかいトカゲよ」
 『氷のベディヴィア卿』へとそう言い放ったのは、瀧夜盛・五月姫(無自覚な復讐鬼・g00544)だった。いや、正確には憑依した彼女の父親の怨霊、というべきか。
「汝もディアボロスか。小さき者とは聞いていたが、汝はとりわけちっぽけよな」
 ベディヴィア卿も、負けじとそう言い返す。
「ふん、殺し合いにおいて、大きさなど何の決定打にもならぬぞ? それを今、分からせてやろう」
 五月姫が手を上空に掲げた次の瞬間、ベディヴィア卿の上空に巨大な次元の裂け目が生じた。
 そしてそこから姿を現したのは、かつて大日本帝国海軍が建造した超弩級戦艦『大和』だった。
「な……!?」
 ベディヴィア卿が驚く間もあらばこそ。大和は重力に引かれるままにベディヴィア卿目掛けて落下する。それはまるで、重量そのものを武器とした、質量爆弾。
「尻尾でも巻いて逃げればよいわ。いや、切って逃げる、か?」
 五月姫の嘲笑に、ベディヴィア卿は低くうなると、その巨体で大和を受け止め、そのままアイリッシュ海へと投げ飛ばした。なんとか凌いだとはいえ、大和との衝突でベディヴィア卿の全身には大小いくつもの傷が生じている。
「やってくれおったわ、ディアボロス風情がっ!」
 ベディヴィア卿が、怒りを込めて額の翠の魔眼で五月姫を睨みつけた。たちまち、恐怖の感情が心の内から湧き起こる。が、
「誰と心得ておる。畏怖すべきはお主ぞ、ひれ伏せよ」
 五月姫の中に宿る怨霊は、恐怖などものともしない。
「よかろう。ならばこれでどうだ」
 ベディヴィア卿が再び魔眼を五月姫に向ける。すると五月姫の前に現れたのは、彼女と寸分違わぬ少女の姿だった。
「ほうほう、なるほど。吾の最も大切な者、それは確かに娘であるな」
 その少女の姿が、前触れもなく砂のように崩れ去っていく。
「ハハ、ハハハハハハ!!」
 その光景を前に、五月姫に宿った父親の怨霊は、狂ったように笑い出した。
「笑止千万、失笑噴飯。娘が殺される様など、“疾うに視た”わ、幾度もな。殺したのは主らよな、クロノヴェーダ。また殺してくれるのか、クロノヴェーダ」
 その、壮絶なまでの笑みに、思わずベディヴィア卿も目を逸らしてしまう。
「――よかろう、トカゲよ。此度の礼に、いずれぶち殺してくれるわ」
 魔眼の力に耐えきった五月姫は、不敵にそう言い放ったのだった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【操作会得】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!

平良・明
円卓の騎士、どんなものか、お手合わせ願います

流氷の上を行くのもいいですが
同じ目線に立てたらもっといい
「インスタントトーチカκ」で大小の石板を呼び出しながら戦闘
空間に固定した石板を足場に
細長い石板を手に槌として、砕け散るよう力をこめ
ベディヴィア郷に投擲します

少しくらいはその氷を散らしてくれるといいのですが
どうでしょう

宙に固定した足場は雪を遮る屋根にも
降り積もる雪に岩塩の傘さして、「あったか~い缶コーヒー」で暖をとり
まだ、この手が冷え切るには早い時間です
味方にも傘と足場が必要なら惜しみなく、助け合います

連携、アドリブ歓迎


●静かに降りしきる雪
「円卓の騎士、どんなものか、お手合わせ願います」
 パラドクス【インスタントトーチカκ】の力で生み出した岩塩の板を足場にしつつ、宙を舞う『氷のベディヴィア卿』の下を目指すのは、平良・明(時折の旅行者・g03461)だ。
(「流氷の上を行くのもいいですが、やはり同じ目線に立ちたいですからね」)
 次から次へと岩塩の板を飛び移り、遂にはベディヴィア卿の視線と同じ高さにまで至った明は、同じく【インスタントトーチカκ】で生み出した細長い石板を、その手に取る。
「ほう、面白い芸を見せてくれるな、ディアボロス」
 対するベディヴィア卿は、余裕の表情。そのベディヴィア卿目掛けて、明は手にした石板を槌として、石板を砕かんばかりの力を籠めると、全力で投げ放った。
 果たして石板は一本の槍のように、まっすぐにベディヴィア卿へと飛んでいき、その眉間へと突き立つ。
「ぐうううっ!!」
 体の表面を覆っていた氷塊のいくつかが砕け散り、思わず苦痛の声を漏らすベディヴィア卿。だが、そのベディヴィア卿の苦鳴に呼応するように、巨竜を中心としてきらきらと光る淡雪が、静かに降り始めた。
 一見すれば、しんしんと降る美しい雪にしか見えないが、それこそは無差別に雪を浴びた者の思考や精神、果ては生命活動を徐々に停止させる恐るべきベディヴィア卿のパラドクス【グラサージュ】なのだ。
 その雪を浴びた明の体も、次第に凍てつき動きが鈍り始める。
「いけませんね……。板を、傘代わりに……」
 思考さえも鈍り始める中、明は精一杯精神を集中させ、頭上に岩塩の板を出現させた。そして、岩盤が雪を遮る間に『あったか~い缶コーヒー』を取り出すと、それを一息に飲み干していく。
「まだ、この手が冷え切るには早い時間です」
 コーヒーの熱が体内に伝わり、その効果で一時的に麻痺しかけていた精神と身体の動きが回復していった。とはいえ、しんしんと降り続ける雪は止むことなく、板の傘を避けるように風に乗って真横からも吹き付けてくる。
「体が動き、判断力も残っている内に、撤退するべきですね」
 明はまだ暖かさの残る缶コーヒーの缶をカイロのように抱きしめながら、雪の降りしきる戦場を後にしたのだった。
苦戦🔵​🔴​🔴​

望月・百代
◎二重月

恐怖と信仰を植え付け、靡かぬ者には精神崩壊を呼び起こす魔眼、ねぇ?
…円卓の騎士に相応しい強大な能力ではあるが、ちょいと「こすい」のぅ
人というもんをちょいと甘く見ちゃいやせんか

行くぞ、シルヴィア
人の絆っちゅーもんを見せてやろう

シルヴィアとは常に手を繋いで行動
念には念を入れて手首同士も縄で繋いでおく

百代は論理障壁で防御担当
情報フィルタリングで可能な限り精神干渉の威力を削ぎ、その上で
・互いを思いやる愛で恐怖と信仰に抗う
・繋いだ手で互いの存在を意識することで、最愛の者が壊れる幻影を打ち破る
ことを目指す

それにな、ベディヴィア卿
最愛の者の瀕死の姿はとうに見たことがある
2度は、効かんぞ…!

アドリブ◎


シルヴィア・シュヴァインフルト
◎二重月

全く。いい趣味してるね、こいつも。
百代が防御を担当してくれるんなら、私は攻撃だね。
しかし……対戦車擲弾はこいつに効くのかね?

恐怖は銃を手に取った時に置いてきた。神なんかはなから信じちゃ居ない。
大切な人も物も、とっくに壊され尽くしてる。……だけど。

今私の隣に居るのは、かけがえない大切な者だ。
それを……壊される?

――は、は。
悪いね、糞蜥蜴。
そんなの、とっくに慣れっこだ。
大切なものをなくすなんて、もう幾度も。今更、何を慌てると思う?

……ただ。
ちょっとトサカにきた。
ああ、それこそ、我を忘れてしまおうと思うほどにね。

でも……
そこにいるんだろ、百代。
お前の前で無様は晒せんな。

アドリブ◎


●二人なら乗り越えられる
「恐怖と信仰を植え付け、靡かぬ者には精神崩壊を呼び起こす魔眼、ねぇ?」
 望月・百代(月輪七曜・g02747)は、上空に浮遊する巨大な竜へと目をやり、顔をしかめた。
「……円卓の騎士に相応しい強大な能力ではあるが、ちょいと『こすい』のぅ。人というもんをちょいと甘く見ちゃいやせんか」
 静かな言葉の内にも憤りを隠しきれない様子の百代の手を、握り返してくる者があった。共にパラドクストレインに乗り込み、この地へとやってきたシルヴィア・シュヴァインフルト(Nachladen・g01146)だ。
「全く。いい趣味してるね、こいつも。でも、そんなものは私達には通用しない。そうだろう、百代?」
 お互いに繋いだ手をもう一度強く握り直して。二人は顔を合わせて頷き合う。
「行くぞ、シルヴィア。人の絆っちゅーもんを見せてやろう」
「ああ。百代が防御を担当してくれるんなら、私は攻撃だね。しかし……対戦車擲弾はこいつに効くのかね?」
 二人の繋いだ手は、決して離れぬように手首同士も縄で繋がれている。その繋がれていない方の手で、シルヴィアは『対戦車擲弾発射器』を構えた。
 幸い、シルヴィアのパラドクス【アサシネイトキリング】の力で気配を消した二人の存在に、まだ『氷のベディヴィア卿』は気づいていない。
「さあ、勝負だ糞蜥蜴」
 放たれた対戦車擲弾が、煙の尾を引きながら『氷のベディヴィア卿』目掛けて飛んでいき、その氷に覆われた首に命中。たちまち巻き起こった大爆発が、ベディヴィア卿の首を覆っていた氷を吹き飛ばすのみならず、その蒼き鱗をも剥ぎ取っていった。
「むううっ!? いつの間にこんなところまでやってきていたのだっ!?」
 ようやく二人の存在に気付いたベディヴィア卿が、すかさず額にある翠の魔眼で百代とシルヴィアを睨みつける。
「そう来ることは予測済みじゃ! オーギュメント演算子確定、障壁展開」
 百代が、すばやくパラドクス【論理障壁】を展開。情報フィルタリングで精神干渉の威力を削ごうとした。だが、ベディヴィア卿の魔眼の力は、そのフィルタリングすら乗り越えて、二人の心へと恐怖と信仰を植え付けようとしてくる。
「恐怖だと? 恐怖は銃を手に取った時に置いてきた。神なんかはなから信じちゃ居ない」
 だが、サイボーグであるシルヴィアにとって、もはや恐怖など過去の遺物に過ぎない。そして彼女と手をつなぐ百代もまた、シルヴィアの思いやりを、愛を、繋いだ手を通じて感じるからこそ、恐怖と信仰に抗うことができた。
「ほう、ならば次は貴様たちが大切と感じるものが無残に破壊される光景を見せてやろう」
 再び、ベディヴィア卿の翠の魔眼が妖しい輝きを放つ。
「甘いぞ。私は大切な人も物も、とっくに壊され尽くしてる」
 シルヴィアが言い返した瞬間、彼女の目の前に現れたのは百代の姿だった。
 同じように、百代の前にもシルヴィアの姿の幻が現れる。
「今、私の隣に居るのは、かけがえない大切な者だ。それを……壊される?」
 シルヴィアが百代を握る手に、思わず力が入った。その力を感じた百代も、強くその手を握り返す。
「――は、は。悪いね、糞蜥蜴。そんなの、とっくに慣れっこだ」
 シルヴィアが、乾いた笑い声を上げた。
「大切なものをなくすなんて、もう幾度も。今更、何を慌てると思う?」
 続けるように、百代も口を開く。
「ベディヴィア卿。最愛の者の瀕死の姿はとうに見たことがある。2度は、効かんぞ……!」
 何より、二人の手には互いの手の感触がはっきりと感じ取れるのだ。その、圧倒的な存在感の前に、幻など何の効果があろう。
「……ただ。ちょっとトサカにきた。ああ、それこそ、我を忘れてしまおうと思うほどにね」
 シルヴィアが怒りに我を忘れかけたその時。再び百代の手が、強くシルヴィアの手を握り締めてきた。
「ああ……。そこにいるんだな、百代。お前の前で無様は晒せんな」
 遂に、二人の互いを想う強い思いと、【論理障壁】の情報フィルタリングの効果が、魔眼の力を打ち破る。
「……馬鹿な」
 二人の絆を見せつけられたベディヴィア卿は、追い打ちをかけることも忘れ呆然とそう漏らしたのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【迷宮化】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!

アルラトゥ・クリム
『円卓の騎士』って言われてもなあ…
騎士に倒される方じゃない?ドラゴンって

空から降る雪がそっちの手なら…
その雪の性質を、世界その物を書き換える力で上書きする!

『ディアボロスには猛毒、ドラゴンには無効』だった雪の性質を
『ディアボロスにもドラゴンにも毒』となる様
ディアボロスへの精神汚染効果を減衰しつつ
同時に精神汚染効果が、ドラゴン自身にも効果を及ぼす様に
PDを用いて戦場に降る雪、可能なら雪の発生源をハッキングして侵蝕
雪の性質を変質させる

減衰し切れない効果は、大声を張り上げ精神集中して
歌唱する事で意思と意識を強く保ちます
(IS:Missing Piece(ウィザードVer.))

※アドリブ&絡み連携OK


ストロベリー・メイプルホイップ
(アドリブ、連携歓迎!)

反撃かぁ。
私と同じ方向性の反撃だったら、ちょっとときめいちゃうんだけどなぁ。

でも強敵なのは間違いないし、出し惜しみなしの全力!
近づいて口移しで【誘惑の吐息】!
貴方が冷たさで思考を停止させるなら、私は熱々の気持ちでそっちの思考を停止させてあげる!
なんなら下半……体の中から熱くしてあげちゃう!
だから私の全力の誘惑と精神攻撃、受け取ってよね!

雪が降るロマンチックな海で、2人っきりで身も心も熱く蕩ける様な戦いと逝きましょう?
貴方みたいな強くてかっこいい竜も好みだし!

残留効果があれば1と2を全部適用するね!
風使いで邪魔そうな雪風も制御しちゃうよ!
これで少しは寒さも和らぐ、かな?


●雪降る中の耐久戦
「『円卓の騎士』って言われてもなあ……。騎士に倒される方じゃない? ドラゴンって」
 氷雪を纏いディアボロス達を待ち構える『氷のベディヴィア卿』の姿を遠目に確認したアルラトゥ・クリム(現代の魔法使い・g05088)は、思わずそう呟いていた。
 と、そのアルラトゥの傍らを、とんでもないスピードで抜き去っていった影が一つ。それは、ピンク色の体色のドラゴニアン、ストロベリー・メイプルホイップ(デンジャラスドラゴン・g01346)だった。
(「反撃かぁ。私と同じ方向性の反撃だったら、ちょっとときめいちゃうんだけどなぁ」)
 ストロベリーはそんなことを心の中で思いつつも、強敵相手に出し惜しみはなしと、翼を力強く羽ばたかせて全力でベディヴィア卿へと向かっていく。
 そして、
「私と一緒に、たっぷりスッキリしちゃおう!」
 ベディヴィア卿が反応する間もないほどの速度で急接近したストロベリーは、自身の数倍はある巨大なベディヴィア卿の口へと、情熱的に口づけした。
「な……っ!?」
「えええええっ!?」
 予想外のストロベリーの行動に、ベディヴィア卿のみならず、見ていたアルラトゥまで絶句する。
「貴方が冷たさで思考を停止させるなら、私は熱々の気持ちでそっちの思考を停止させてあげる!」
 そう、ストロベリーの口づけは、ただの愛情表現ではない。対象の理性や警戒心を薄くして抑圧していた欲望に身を任せやすくする、一種の精神攻撃なのだ。
「なんなら下半……体の中から熱くしてあげちゃう! だから私の全力の誘惑と精神攻撃、受け取ってよね!」
「ぐぬぬぬっ、離れろぉっ!!」
 その巨体を悶えるように震わせてストロベリーを弾き飛ばすと、ベディヴィア卿は反撃とばかりにパラドクス【グラサージュ】を発動させた。たちまち、周囲にきらきらと光る淡雪が降り始める。
「もう、照れ屋さんね。雪が降るロマンチックな海で、2人っきりで身も心も熱く蕩ける様な戦いと逝きましょう? 貴方みたいな強くてかっこいい竜も好みだし!」
 再びベディヴィア卿に近づこうとするストロベリーだが、その動きは明らかに鈍くなっていた。
「ここからは私の出番! 空から降る雪がそっちの手なら……その雪の性質を、世界そのものを書き換える力で上書きする!」
 そこに、ようやく気を取り直したアルラトゥが、満を持してパラドクス【イグジストハッキング】を発動させる。
「何……だと……」
 直後、ベディヴィア卿の動きが目に見えて鈍り始めた。
 存在情報そのものを書き換えるパラドクスによってアルラトゥは、降り続ける淡雪の性質を『ディアボロスにもドラゴンにも有害』なものへと書き換えたのだ。
「愚かな……我と共に死ぬ気か……? いや、耐久力は我の方が圧倒的にある以上……、先に息絶えるのは汝らの方だぞ……」
 ベディヴィア卿の言葉に、ストロベリーが困ったように首を傾ける。
「素敵な男性との心中っていうのも憧れるけど、残念だけど貴方とはそういう気分じゃないのよね」
 ストロベリーは翼をはためかせて風を巻き起こし、降り続ける淡雪を吹き飛ばそうとした。
「これで少しは寒さも和らぐ、かな?」
 だが何度吹き飛ばしても、雪はしんしんと降り続ける。その全てを、払い続けることなど不可能だ。
「それなら、こうやって少しでも心を鼓舞すれば!」
 アルラトゥは大きく息を吸い込むと、精神を集中して心を落ち着かせ、大声を張り上げて歌い出した。歌唱する事で意思と意識を強く保ち、淡雪による精神浸食を払い退けようというのだ。ストロベリーもアルラトゥの意図を悟り、共に歌い出す。
「ぐうう……、止むを得ん」
 自らの力が減衰していくことに危機感を覚えたベディヴィア卿が、遂にパラドクスを解除した。次第に、アイリッシュ海に降る淡雪が止んでいく。
 ディアボロス達は、ベディヴィア卿との我慢比べに、見事勝利したのだ。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【無鍵空間】LV1が発生!
【現の夢】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!

安藤・優
手抜き手加減一切無し、真っ向勝負と行こうじゃないか
「怒り、怨み、憎み、呪え、我等が怨讐、我等が怨嗟、我等全ては焔と成りて、人類史に仇なす者、その悉くを灼滅せん…!」

先手譲ってくれるんだろ?なら、全力の煉獄の刃を使わない手は無いな?
火炎使いで地獄の焔を全身に纏い突撃
その身を焼き尽くす程の一撃を、喰らわせてやる…!

反撃の焼成は、真っ向から地獄の焔を纏わせた鉄塊剣でぶった斬る
「我は火種、我が身は薪也」――冷気がなんだ?激痛がなんだ?そんな物、ただ痛いだけだ
痛いだけなら、気合いと気迫と、忍耐力で耐えきれる

この程度で、諦めるとでも思ったか?
怒りを燃やせ、心を燃やせ「全て燃やして――灼滅せよ、煉獄の刃!」


九十九・静梨
円卓のドラゴンがついに相手とは
ですがそれでも筋肉を信じて突き進むのみですわ!

肉体変異で全身を筋骨隆々に変化(◆肉体改造)

パラドクスで全身に炎を纏い筋肉を硬化
闘気による◆衝撃波で◆ジャンプし接敵
炎の拳で敵を◆強打
炎と共に筋肉パワーで体を◆粉砕し
敵を◆吹き飛ばしますわ
そして衝撃波で海面まで戻る

吹き飛ばし◆時間稼ぎした間に
海で螺旋砕腕をドリルモードにしもう片手に持った雷気大槍をスコップ状に変形
敵の反撃が来たら
ドリルの回転やスコップ大槍による◆塹壕掘りの要領の掬い上げで
大量の海水を目の前にぶち上げ反動と衝撃波で飛行
海水を凍らせた分減った炎を魔力障壁とパラドクスで硬化した筋肉と炎と◆忍耐力で耐えますわ!


●炎と筋肉の真っ向勝負
「円卓のドラゴンがついに相手とは。ですがそれでも筋肉を信じて突き進むのみですわ!」
 九十九・静梨(魔闘筋嬢・g01741)は、『氷のベディヴィア卿』の姿を確認すると、その顔に喜色を浮かべた。次いで、全身に力を込めるとそのお嬢様然とした顔に似合わぬ筋骨隆々たる姿へとその身を変じていく。
「さあ、手抜き手加減一切無し、真っ向勝負と行こうじゃないか」
 安藤・優(名も無き誰かの代表者・g00472)も、無骨な鉄塊の如き剣を構え、ベディヴィア卿を睨み据えた。
「先手譲ってくれるんだろ? なら、全力の煉獄の刃を使わない手は無いな?」
 優の心の内の昂ぶりに呼応するように、鉄塊剣から業火が巻き起こる。
「怒り、怨み、憎み、呪え、我等が怨讐、我等が怨嗟、我等全ては焔と成りて、人類史に仇なす者、その悉くを灼滅せん……!」
 その地獄からの炎は剣のみならず、その剣を握る優の全身をも包み込んでいった。
「あら? あなたも炎を使いますの? 奇遇ですわね。わたくしも炎の技をたしなみますの」
 静梨がポージングを決めてさらに筋肉に力を込めると、全身の筋肉を闘気が包み、燃え上がるように灼熱と化していく。
「九十九家家訓! 『燃え滾る情熱は決して止まらない!』 灼熱に燃え上がれ我が筋肉! 決して止まる事無き力を!」
 全身の筋肉を灼熱化させ拳に炎を纏わせた静梨と、火の玉の如く地獄の炎に包まれた優が、ベディヴィア卿へと全力で突撃を開始した。
「むうっ!? なんだ、この我が氷を溶かすほどの熱量はっ!!」
 咄嗟に守りの態勢を取ろうとしたベディヴィア卿だったが、それよりも二人が懐に飛び込む方が速かった。
「さあ、その身を焼き尽くす程の一撃を、喰らわせてやる……!」
 優の構える地獄の炎を纏った鉄塊剣が、ベディヴィア卿の体表を覆う氷を溶解させながら、その胸部目掛けて一閃される。
「この筋肉で、粉砕あるのみですわ!!」
 そしてほぼ同時に静梨の炎の拳が、ベディヴィア卿の頭部を強かに打ち据える。
「ぐおおおおっ!?」
 二人の炎を纏った同時攻撃の前に、ベディヴィア卿の巨体が、文字通り吹き飛んだ。そのまま海面に叩きつけられる直前で、翼を大きくはためかせなんとか態勢を立て直すベディヴィア卿。
「中々に見事な炎の使い手どもよ。だが、我が蒼き炎には遠く及ばぬものと知れ!」
 海面から浮上しながら、ベディヴィア卿は眼前に巨大な蒼き炎の魔弾を出現させ、その魔弾を撃ち放った。蒼き炎の魔弾は空中で二つに分裂し、それぞれが優と静梨へと迫っていく。
「怒りを燃やせ、心を燃やせ。全て燃やして――灼滅せよ、煉獄の刃!」
 その蒼き炎の魔弾を、真っ向から迎え撃ったのは優だった。地獄の焔を纏わせた鉄塊剣を構えると、大上段からの一振りで魔弾を真っ二つに切り裂いたのだ。だが、蒼き魔弾の炎は二つに裂かれてもなお、発する熱で優の身と心を焼いていく。
「我は火種、我が身は薪也」
 その全身を貫く苦痛を、しかし優は全力で心を熾して耐えていた。
「――冷気がなんだ? 激痛がなんだ? そんな物、ただ痛いだけだ」
 そう、痛いだけなら、気合いと気迫と、忍耐力で耐えきれる。こんなものは、心の痛みに比べれば、何ということはない。
 一方、静梨はスピリットガントレット『螺旋砕腕』をドリルへ、デモニックスピリッツランス『雷気大槍』をスコップ状に変形させると、それらを思いっきり海面へと叩きつけた。そして地面を掘るようにそれらで海水を掬い上げ、魔弾への障壁を作り出す。それでも、海水程度で蒼き炎の魔弾が消えることはなく、海水の壁を抜けた魔弾はまっすぐに静梨に激突した。
「なんの! 筋肉の前に耐えられないものはありませんわ!」
 硬化させた筋肉の力で炎のダメージを最小限に抑えた静梨は、トレーニングで鍛えた忍耐力で、全身を駆け巡る苦痛を耐え凌ぐ。
「我の炎を耐え抜くとは……」
 絶句するベディヴィア卿を、優は普段の穏やかな表情からは考えられないような冷たい目で睨み据えた。
「この程度で、諦めるとでも思ったか? だとしたら、僕の……いや、僕たちの怒りを侮りすぎだ!」
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【熱波の支配者】LV2が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV3になった!

エルフリーデ・ツファール
※常に煙草吸ってます。
※アドリブ連携、怪我描写歓迎。
※効果2全使用。

はっはァ! こいつがジェネラル級ドラゴンか!
氷ってのがいまいちだがまあいいさ。
ひとつ力試しといこうかァ!

ダメージがどの程度通るか知らんがとりあえず全力攻撃だ。
【オーラ操作】で九つの尾を束ね上げ【貫通撃】で穿つ。
反撃に対しては上昇した体温、それと【火炎使い】の【情熱】を以て耐えて見せるぜ。ついでにわかる範囲で相手パラドクスの【情報収集】も行いてぇなァ。

「ッは! 火照った身体を冷ましてくれるたァ中々気がきいてんじゃねェか。だが私の復讐の炎まで消せるなんて思わねぇこったなァ!」


●復讐の炎
「はっはァ! こいつがジェネラル級ドラゴンか!」
 咥えた煙草から煙を吐き出すと、エルフリーデ・ツファール(紫煙の魔術師・g00713)は不敵な笑みを浮かべて『氷のベディヴィア卿』へと目を向けた。
「氷ってのがいまいちだがまあいいさ。ひとつ力試しといこうかァ!」
 エルフリーデが、ベディヴィア卿目指して宙を駆けつつ、使い込まれた樫の杖を高々と掲げる。
「獣の野生と赤き炎をこの身に宿せ――」
 そう唱えた次の瞬間、エルフリーデの全身から炎が噴き上がった。その炎は、次第に狐の耳と九つの尻尾の形へと収縮していく。今やエルフリーデは、炎の妖狐とでも形容すべき姿へと変貌していた。
「ダメージがどの程度通るか知らんが、とりあえず全力攻撃だ!!」
 そのままベディヴィア卿と激突せんばかりの勢いで急接近すると、九つの尾を束ね上げて、まるで自分自身が一本の槍となったかのようにその尾をベディヴィア卿の腹へと突きつける。炎の尾が、ベディヴィア卿の腹を穿ち、大穴を開けた。
「やってくれたな、ディアボロス!!」
 激怒したベディヴィア卿が大きく吼えると、その周囲に煌めく淡雪が降り注ぎ始める。
「さあ、身も心も凍てつかせるがよい!」
 降り注ぐ淡雪は静かに、けれど確実にエルフリーデの体温を奪い、炎の耳や尾を消し去ろうとした。
「ッは! 火照った身体を冷ましてくれるたァ中々気がきいてんじゃねェか」
 淡雪の影響で消えてしまった煙草を投げ捨て、新しい煙草に火を点けながら、エルフリーデは気合を入れるように啖呵を切る。
 パラドクス【牡丹の稲荷】PfingstroseFuchsには、代償として急激に体温が上昇する為、長時間の使用ができないという欠点があった。けれど今はその体温の上昇が、淡雪の効果を薄めてくれている。
「だが、私の復讐の炎まで消せるなんて思わねぇこったなァ!」
 そして何より、胸の内に宿る熱い情熱が、彼女を死を運ぶ淡雪から守っていたのだった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【狐変身】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!

苺ヶ谷・紬
倒しきれないのは残念ですが
あちらも傷は浅くない筈
みんなで無事に帰れるよう、私も頑張りますね!

「ドラゴンさん、こちらですよ!」
撤退する皆さんから注意を逸らさせるように大声で呼びかけます
フランボワーズにもドラゴンの周囲を飛び回ったり、大声で吼えたりと協力してもらいましょう
畳み掛けるように【グラサージュ】
氷の体を溶かすような炎で
撤退のための隙を生み出します

撤退時は殿を努めましょう
反撃を受けて傷が深い方を【ディフェンス】出来るように構えておきます
体力に自信のある方ではありませんが
既に死闘を繰り広げた皆さんに
これ以上のご負担はかけられませんものね
勇気を振り絞ってお守りします


アルラトゥ・クリム
折角、向こうの弱みが分かってるんだから。最大限利用するよ!
波状攻撃仕掛けて、地道に削って。削ったらとっとと尻尾巻く!

残留効果を掻き集め、敵の目を狙ってPDを精密に叩き込み
一時的な目眩ましにして、その隙にスタコラ逃げるのが基本プラン
ただ何度も使える手では無い筈なので
戦場をくまなく観察して、撤収の遅れている人が居ないか留意して
逃げ遅れた人を逃がす為の、支援用目眩ましに使うのを優先
負傷して撤退の足の遅い人を支援しつつ、PDやブレードガンで牽制しつつ撤収
必要なら負傷者を『ディフェンス』して、欠員ゼロでの撤収を目指す

「ショータイムは、一旦幕引。グランドフィナーレはこの次ね!」

※アドリブ&絡み連携OK


●次へと繋ぐために
 やや遅れてアイリッシュ海の戦場に駆け付けた苺ヶ谷・紬(Sucré fraise・g04322)が目にしたのは、ディアボロス達の度重なる攻撃にいくつもの傷を覆いながら、なお傲然と流氷の浮かぶ海を睥睨する『氷のベディヴィア卿』の姿。そして、あるいはその身に、あるいはその心に、少なくない傷を受けたディアボロス達の姿だった。
「倒しきれないのは残念ですが、あちらも傷は浅くない筈。みんなで無事に帰れるよう、私も頑張りますね!」
 これ以上の戦闘継続は不可能と判断した紬は、仲間達が少しでも安全に撤退できるよう、自らが囮になる決心をする。
「ドラゴンさん、こちらですよ!」
 撤退していくディアボロス達からベディヴィア卿の注意を逸らすように、紬は大きく息を吸い込むと、できる限りの大声を上げた。
 その声に合わせるように、ミニドラゴンの『フランボワーズ』もベディヴィア卿の周囲を飛び回りながら、時々小さな体を精一杯震わせて大声で吼えたてる。
「ええい、うっとおしいわっ!」
 ベディヴィア卿が苛立ったように紬を睨みつけたその時。
「さあ、召しませ、幸せの味」
 紬はすかさずパラドクス【glaçage(グラサージュ)】を発動させた。
 たちまちベディヴィア卿の全身を、煌めく砂糖衣が包み込んでいき、場違いなまでの甘い香りが周囲に広がっていく。
「なんだこれはっ!?」
 それは当然ただの砂糖衣ではなく、ベディヴィア卿の全身を焼き焦がさんと、炎を放ちだした。
「愚かな、この程度の炎で!」
 その甘い馨を放つ炎はベディヴィア卿の表面を覆う氷を溶かしていくが、その巨体を焼き尽くすには到底足りはしない。
 だがベディヴィア卿の注意が紬に集中したその一瞬を、アルラトゥ・クリム(現代の魔法使い・g05088)は逃さなかった。
「折角、向こうの弱みが分かってるんだから。最大限利用するよ!」
 自身の周囲にいくつもの魔力誘導弾を生み出していたアルラトゥは、それらを一斉にベディヴィア卿目掛けて、解き放つ。
「全弾、纏めて持ってけーっ!」
 もちろん、この攻撃でベディヴィア卿を倒せるとは思っていない。それ以前に、アルラトゥはすでにこれまでの戦いで思考や生命活動を停止させる淡雪を浴び、万全とは言えない状態だ。
 だからこそ、狙うはただ一つ。
「なんだとっ!?」
 魔力誘導弾は精密に、ベディヴィア卿の眼を目掛けて殺到した。炸裂した魔力弾が、その激しい閃光で一時的にベディヴィア卿の視力を奪う。
「さあ、今のうちに尻尾巻いてスタコラ逃げるわよ!」
 アルラトゥの呼びかけに、紬が頷いた。
「殿は任せて下さい。体力に自信のある方ではありませんが、既に死闘を繰り広げた皆さんにこれ以上のご負担はかけられませんものね」
 勇気を振り絞ってそう申し出る紬に、アルラトゥは、
「ありがとう。気を付けてね」
 そう言葉をかけると、海面すれすれまで降下していく。ベディヴィア卿に目潰しを仕掛ける前に、あらかじめ撤収の遅れている人が居ないかどうかは確認済だ。目眩ましは不意打ちでこそ最大限の効果を発揮する。逆に言えば何度でも使える手ではないため、使うタイミングはしっかりと図っていた。
「ショータイムは、一旦幕引。グランドフィナーレはこの次ね!」
 アルラトゥは負傷者に肩を貸しつつ、大型拳銃型可変式魔術デバイス『ワイズブレードガン』でベディヴィア卿を牽制していく。紬も、フランボワーズと連携しながら、巧みにベディヴィア卿が他のディアボロス達に注意を移さないように立ち回っていった。
 こうして、ベディヴィア卿に十分なダメージを与えたディアボロス達は、一人の欠員もなく無事撤退することに成功したのだった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!

最終結果:成功

完成日2022年02月13日